JPH0533296A - 紙塗被用組成物 - Google Patents
紙塗被用組成物Info
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- JPH0533296A JPH0533296A JP3204676A JP20467691A JPH0533296A JP H0533296 A JPH0533296 A JP H0533296A JP 3204676 A JP3204676 A JP 3204676A JP 20467691 A JP20467691 A JP 20467691A JP H0533296 A JPH0533296 A JP H0533296A
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Abstract
被用組成物において、前記重合体ラテックスの固形分1
00重量部に対して、あらかじめポリオルガノシロキサ
ン0.1〜10重量部を含有させ、その後これを顔料と
混合して得られることを特徴とする紙塗被用組成物。 【効果】 ロール汚染防止性に優れ、かつ、塗工性なら
びに印刷適性などの、本来、紙塗被用組成物に必要とさ
れている特質にも優れた紙塗被用組成物が得られる。
Description
印刷適性を有し、かつ、塗工時に接触する装置部品の汚
染防止に優れた紙塗被用組成物に関するものである。
結合剤および各種の添加剤からなっている。前記結合剤
としては、一般に、スチレン−ブタジエン系共重合体ラ
テックスを中心とした合成ゴム系水性分散体(合成バイ
ンダー)と、カゼイン、澱粉、カルボキシメチルセルロ
ース(CMC)等の水溶性高分子とが併用される。ま
た、前記顔料としては、クレイ、炭酸カルシウム等が用
いられている。
性がよく優れた塗工性を有すること、塗工紙における接
着力(ドライ強度)、耐水性(ウェット強度)、印刷光
沢およびインキ転移性などが良好で優れた印刷適性を有
することが必要とされる。
塗工時に塗工機のバッキングロールやキャスト面に付着
してこれを汚染したり、あるいはカレンダー掛けに際し
ロールを汚染する問題をしばしば発生させ、その結果、
塗工操業性が著しく低下する。そして、近年、塗工紙の
生産性向上にともない塗工速度の高速化が進められてお
り、より激しい条件下での塗工操業性が要求されている
が、この要求を果たすうえで上記の汚染が大きな支障と
なっている。
法として、重合体ラテックスのゲル含量を高める方法お
よびガラス転移温度を高める方法が有効である。しか
し、これらの方法によれば、ロール汚染は改善されるも
のの、前者の場合、オフセット印刷時の耐ブリスター性
が低下し、後者の場合、ドライ強度が低下するという欠
点を有し、いずれの場合も満足な結果が得られないのが
現状である。また、特開昭63−254116号公報に
開示されている、ケイ素化合物単量体を重合体ラテック
ス中の重合体に共重合する方法が提案されているが、本
発明者らの検討によれば、満足するロール汚染に対する
防止効果は得られなかった。
従来の技術が持つ欠点を克服し、ロール汚染防止効果に
優れ、かつ、塗工性ならびに印刷適性などの、本来、紙
塗被用組成物に必要とされている特質にも優れた紙塗被
用組成物を提供することを目的とする。
合体ラテックスを含有する紙塗被用組成物において、前
記ラテックスの固形分100重量部に対して、まずポリ
オルガノシロキサン0.1〜10重量部を混合し、その
後顔料を混合してなることを特徴とする紙塗被用組成物
を提供するものである。
ルガノシロキサンの優れた撥水撥油性、離型性および耐
汚染性に着目し、特定量のポリオルガノシロキサンを顔
料混合前に共重合体ラテックスに含有させることによ
り、優れた塗工性ならびに印刷適性を有し、かつ、塗工
時に接触する装置部品の汚染防止性に優れている。
料、特定量のポリオルガノシロキサンを含有した重合体
ラテックスおよび必要に応じて添加される水溶性高分子
等の添加剤を含有したものである。
ば、クレイ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タ
ルク、二酸化チタン、リトホン、サチンホワイト、硫酸
バリウム、カオリナイト等の無機顔料やプラスチックピ
グメントといわれる有機顔料が挙げられる。これらの顔
料は、それぞれ単独で用いてもよいし、二種以上組み合
わせて用いてもよい。
限されるものではなく、通常紙塗被用組成物として使用
されているものを用いることができる。重合体ラテック
スの具体例としては、天然ゴムラテックス、スチレン−
ブタジエン共重合体ラテックス、自己架橋型スチレン−
ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体ラテックス、自己架橋型アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体ラテックス、カルボキシ変性
スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、カルボキ
シ変性スチレン−ブタジエン−アクリル酸エステル共重
合体ラテックス、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン
−アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体ラテ
ックス、ポリクロロプレンラテックス、アクリル酸エス
テル系ラテックス、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体
エマルジョンまたはラテックス、ポリ酢酸ビニルエマル
ジョンまたはラテックス、エチレン−プロピレン系共重
合体エマルジョンまたはラテックスなどを例示すること
ができ、好ましくは、カルボキシ変性スチレン−ブタジ
エン系共重合体ラテックス、カルボキシ変性スチレン−
ブタジエン−アクリル酸エステル共重合体ラテックス、
カルボキシ変性スチレン−ブタジエン−アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル共重合体ラテックスが挙げられ
る。
下、これを「共重合体ラテックス(A)」という)の製
造について以下に述べる。
えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジ
エン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、イソプレン、
クロロプレンなどを挙げることができ、特に好ましくは
1,3−ブタジエンである。
単独で使用することも、また2種以上を併用することも
できる。
体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、4
−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルス
チレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキメチルス
チレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、
3,4−ジメチルスチレン、2−クロロスチレン、3−
クロロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、4
−t−ブチルスチレン、2,4−ジクロロスチレン、
2,6−ジクロロスチレン、1−ビニルナフタレン、ジ
ビニルベンゼンなどが挙げられ、特にスチレンが好適に
使用される。
飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、好ま
しくはアルキル基の炭素数が1〜10の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを挙げることができ、具体的には
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリ
ル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸n
−アミル、(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル
酸i−ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、β−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレートなどを挙げることができる。
いは2種以上を併用することができる。
ルボン酸として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ジカ
ルボン酸の半エステルなどが挙げられる。
も、また2種以上を併用することもできる。
と共重合可能な単量体としては、例えばアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリ
ル、α−エチルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル
系単量体;アクリルアミド、メタアクリルアミド,N,
N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミドなどのエチレン系不飽和カルボン酸のアルキルア
ミド;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン
酸ビニルエステル;エチレン系不飽和ジカルボン酸の酸
無水物、モノアルキルエステル、モノアミド類;アミノ
エチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ブチルアミノエチルアクリレートなどのエチレン系
不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステル;アミノエ
チルアクリルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリル
アミド、メチルアミノプロピルメタクリルアミドなどの
エチレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルアミド;
グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和脂肪族グ
リシジルエステルなどを挙げることができ、好ましくは
アクリロニトリル、アクリルアミドである。
は、その平均粒子径が、好ましくは800〜2,200
オングストローム、特に好ましくは1,000〜1,8
00オングストロームである。
径は、重合体ラテックスをオスミウム酸で処理し、電子
顕微鏡写真(倍率30,000倍)を撮り、粒子100
個以上について粒子径を測定し、数平均により算出した
値である。
は、公知の方法で水性媒体中で乳化剤、重合開始剤、分
子量調節剤などを用いて製造することができる。
活性剤、アニオン性界面活性剤、あるいはノニオン性界
面活性剤が使用できる。ここで、両性界面活性剤として
は、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル
塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩を、カチオン部分
としてはアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つものが
挙げられ、具体的にはアルキルベタインの塩としてはラ
ウリルベタイン、ステアリルベタイン、ココアミドプロ
ピルベタイン、2−ウンデシル−ヒドロキシエチルイミ
ダゾリニウムベタインの各々の塩が、アミノ酸タイプの
ものとしてはラウリル−β−アラニン、ステアリル−β
−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オ
クチルジ(アミノエチル)グリシン、ジオクチルジ(ア
ミノエチル)グリシンの各々の塩が挙げられる。また、
アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコ−ル
の硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪
族スルホン酸塩などが挙げられる。さらに、ノニオン性
界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールの
アルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフ
ェニルエーテル型などが用いられる。
酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性開始剤;
過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどの
油溶性開始剤;あるいはレドックス系開始剤のいずれで
も使用できる。
も、乳化重合として公知のものが用いられる。
ム、ブロモホルム、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロ
ゲン化炭化水素;n−ヘキシルメルカプタン,n−オク
チルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン,n−ド
デシルメルカプタン,t−ドデシルメルカプタン,n−
ステアリルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメチ
ルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサン
トゲンジサルファイドなどのキサントゲン類、α−メチ
ルスチレンダイマー、α−メチルスチレンオリゴマー、
スチレンオリゴマーなど、通常の乳化重合で使用可能な
もの全てを使用することができる。
で行われる。しかし、単量体混合物の一部を重合したの
ち、次いでその残部を重合進行にしたがって断続的にも
しくは連続的に添加する方法でもよい。また、単量体混
合物を重合の初めより連続的に添加する方法をとること
ができる。
間は、通常、8〜30時間である。
顔料100重量部に対して8〜20重量部(固形分換
算)である。重合体ラテックスの使用量が8重量部未満
であると、紙塗被用組成物の接着強度が低下し、重合体
ラテックスの使用量が20重量部を越えると、塗工紙の
着肉性、耐ブリスター性が低下する傾向にある。
て、水溶性高分子が添加される。この水溶性高分子は紙
塗被用組成物塗料に保水性、流動性を付与し、塗工性を
向上させるのに有効である。このような水溶性高分子と
しては、スターチ、カゼイン、カルボキシメチルセルロ
ースなどがあり、特にスターチが好ましい。スターチ
は、紙塗被用組成物塗料に適度な流動性および保水性を
付与し、さらに塗工紙の腰を改良する。水溶性高分子の
使用量は、好ましくは顔料の100重量部に対して1〜
10重量部である。水溶性高分子の使用量が1重量部未
満であると、紙塗被用組成物塗料の流動性、保水性が低
下して塗工性が不十分となり、水溶性高分子の使用量が
10重量部を越えると、塗工紙の耐水性が低下する傾向
がある。
前記重合体ラテックスとポリオルガノシロキサンとを顔
料に対して別個に添加すると混和性が不良で、凝集物の
発生がみられ所望の効果が発揮されず、ポリオルガノシ
ロキサンを予め重合体ラテックスに含有させて混合物を
調製し、その後この混合物と顔料とを混合する必要があ
る。
分100重量部に対して、ポリオルガノシロキサンを
0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、更
に好ましくは0.3〜3重量部、含有させることが必須
である。ポリオルガノシロキサンの含有量が0.1重量
部未満の場合はロール汚染の防止効果が発現せず、ま
た、10重量部を越える場合は、塗工紙のインキ転移性
が低下し好ましくない。
スに含有させる方法として、以下の3つの方法が挙げら
れる。 1)所定量のポリオルガノシロキサンを単純に重合体ラ
テックスに添加する方法。 2)所定量のポリオルガノシロキサンの存在下に前記共
重合体ラテックス(A)を重合する方法。 3)共重合体ラテックス(A)の存在下で、オルガノシ
ロキサン単量体の縮合反応を進行させ、所定量のポリオ
ルガノシロキサンを含有させる方法。
ノシロキサンの性状としては、オイル、エマルジョン、
ゴムおよびレジンの4つのタイプが挙げられるが、好ま
しいのはオイルおよびエマルジョン、特に好ましくはエ
マルジョンである。該エマルジョンとしては、オイル状
のポリオルガノシロキサンを乳化して得られたエマルジ
ョン(以下、これを「シリコーンエマルジョン(A)」
とする)およびオルガノシロキサン単量体を水中で縮合
させて得られたエマルジョン(以下、これを「シリコー
ンエマルジョン(B)」とする)が挙げられる。
るオイル状のポリオルガノシロキサン(シリコーンオイ
ル)は、例えば式(I)で表される。
ル基、フェニル基などの炭化水素基、およびこれらをハ
ロゲン原子またはシアノ基で置換した置換炭化水素基な
どを挙げることができる。mは2以上の整数である。
ンとしては、各種の官能基で変性した変性シリコーンオ
イルが製造されており、これらを使用することも好まし
い。これらの変性シリコーンとしては、例えば式(II)
〜(IV)に示すものを挙げることができる。
炭化水素基である。また、mおよびnは2以上の整数で
ある。
基、アルコキシ基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシ
ル基およびアルコール基などが挙げられる。
しては、SiH変性シリコーンオイル、シラノール変性
シリコーンオイル、アルコキシ変性シリコーンオイル、
エポキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーン
オイル、カルボキシ変性シリコーンオイルおよびアルコ
ール変性シリコーンオイルなどが例示される。
れらのシリコーンオイルに、水、乳化剤、添加剤、有機
溶媒などを加え、ホモミキサー、ホモジナイザー、コロ
イドミルなどを用いて乳化し製造される。
られるオルガノシロキサン単量体としては、例えば一般
式R1xSiO(4-x)/2 で表される構造単位を有するオル
ガノシロキサン単量体、もしくは一般式R1ySi(OR
2 )4-y で表されるアルコキシシラン単量体が挙げられ
る。
基および置換炭化水素基である。また、xおよびyの値
は0〜3の整数である。
ル基または炭素数1〜4のアシル基であり、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基,se
c−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基などが
挙げられる。
は、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチル
シクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロ
キサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメ
チルトリフェニルシクロトリシロキサンなどの環状化合
物が挙げられる。
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン
などを挙げることができ、好ましくは、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシランである。
シリコーンエマルジョン(B)の製造においては、オク
タメチルシクロテトラシロキサンなどの環状オルガノシ
ロキサン単量体を用いるのが好ましい。
いては、オルガノシロキサン単量体の他に、必要に応じ
てグラフト交叉剤および/または架橋剤を加えることが
できる。 グラフト交叉剤としては、ラジカル重合性の
不飽和二重結合とアルコキシシリル基とを併せ持つオル
ガノシロキサン、例えば、ビニルメトキシシラン、テト
ラビニルテトラメチルシクロシロキサン、アリルメチル
ジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメ
トキシシラン、p−ビニルフェニルメチルジメトキシシ
ラン、2−(p−ビニルフェニル)エチルメチルジメト
キシシラン、3−(p−ビニルベンゾイロキシ)プロピ
ルメチルジメトキシシランなどが挙げられ、好ましくは
p−ビニルフェニルメチルジメトキシシランである。
ルガノシロキサン単量体中、0.5〜10重量%が好ま
しい。
メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチル
トリメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが挙げ
られる。
ロキサン単量体中、10重量%以下が好ましい。
ルガノシロキサン単量体と、必要に応じて加えたグラフ
ト交叉剤および架橋剤とを、例えばアルキルベンゼンス
ルホン酸塩などの乳化剤の存在下に、ホモミキサーなど
を用いてせん断混合し、縮合させることによって製造す
ることができる。この乳化剤は、オルガノシロキサン単
量体の乳化剤として作用するほか、縮合開始剤となる。
共重合体ラテックス(A)の製造で述べた、ビニル系単
量体、単量体組成、乳化剤、重合開始剤および分子量調
節剤などをそのまま適用することができる。また、前記
2)法においては、ポリオルガノシロキサンを所定量以
上の高濃度に含有する共重合体ラテックス(A)を製造
し、別途準備した共重合体ラテックス(A)と混合し、
最終的に所定量のポリオルガノシロキサンを含有させる
方法も可能である。
サン単量体が用いられるが、アルコキシシラン単量体を
用いるのが好ましい。
合体ラテックスをシード粒子とし、アルコキシシラン単
量体を吸収させた後、縮合反応を進行させ、所定量のポ
リオルガノシロキサンを含有させる方法が好ましい。ア
ルコキシシランの吸収が十分でない状態で反応が進むの
を避けるために、該ラテックスはpH4〜10、好まし
くはpH5〜9、さらに好ましくはpH6〜8に調整
し、温度は90℃以下、好ましくは70℃以下、さらに
好ましくは50℃以下、特に好ましくは30℃以下の条
件下で、アルコキシシランを添加、吸収させることが望
ましい。また、アルコキシシランの縮合反応は、温度3
0℃以上、好ましくは50℃以上、さらに好ましくは7
0℃以上で行うことができる。
キサンを所定量以上の高濃度に含有する重合体ラテック
ス(A)を製造し、別途準備した重合体ラテックス
(A)と混合し、最終的に所定量のポリオルガノシロキ
サンを含有させる方法も可能である。
ポリオルガノシロキサンと重合体ラテックスの混合状態
が良好であるという特徴がある。
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これ
らの実施例に限定されるものではない。
特に断わらない限り、重量部および重量%である。 (1)共重合体ラテックス(A)の製造共重合体ラテックス(a)〜(c)の製造 攪拌機を備え、温度調節可能な、内容積100Lの加圧
反応器を窒素置換し、第1段階として、表1に示す単量
体、乳化剤、分子量調節剤および開始剤を一括して仕込
み、60℃で3時間にわたって反応させた。ついで第2
段階として、表1に示す単量体および分子量調節剤を、
60℃で7時間にわたって連続的に添加して重合を行っ
た。連続添加終了後、更に8時間にわたって65℃で反
応させた。最終的な重合転化率は97〜98%であっ
た。
化ナトリウム水溶液を加え、pH=7.0に調節し、水
蒸気蒸留によって残留モノマーを除去し、更に加熱、減
圧によって濃縮し、固形分濃度を50%に調節後、紙塗
被用組成物に用いられる共重合体ラテックス(a)〜
(c)を得た。得られた重合体ラテックスのゲル含量お
よびガラス転移温度を以下の方法で測定した。 ゲル含量:重合体ラテックスのキャストフィルム0.
3gをトルエン100ccに室温で20時間浸せきし、
120メッシュの金網でろ過する。
ゲル(%)とする。 ガラス転移温度(Tg、℃) :重合体ラテックスフィルムを用い、デュポン社製91
0型DSC装置により、20℃/分の昇温速度で測定し
た。共重合体ラテックス(d)〜(g)の製造 以下に示すシリコーンエマルジョン(イ)〜(ハ)を用
い、表2に示す組成で、前記共重合体ラテックス(a)
〜(c)と同様の方法にて、ポリオルガノシロキサンを
含有する共重合体ラテックス(d)〜(g)を得た。 (イ)100センチストークス(25℃)の粘度を有す
るジメチルシリコーンオイルを非イオン界面活性剤で乳
化することにより得られたシリコーンエマルジョン。 (ロ)2,500センチストークス(25℃)の粘度を
有し、カルボキシル基で変性されたジメチルシリコーン
オイルを非イオン界面活性剤で乳化することにより得ら
れたシリコーンエマルジョン。 (ハ)オクタメチルシクロテトラシロキサン(環状オル
ガノシロキサン単量体)98.5部、p−ビニルフェニ
ルメチルジメトキシシラン(グラフト交叉剤)1.5部
を単量体とし、ドデシルベンゼンスルホン酸2.0部を
用いて、水中で縮合させることにより得られたシリコー
ンエマルジョン。
量)を蒸留水によって希釈して300部とし、これを還
流冷却機、攪拌機を備えた反応容器にいれた。反応容器
を25℃に保った状態で、共重合体ラテックスのpHを
水酸化ナトリウムによって7.0に調製した。ついで、
メチルトリエトキシシラン2部をいれ、約30分間にわ
たり強く攪拌して共重合体ラテックスに吸収させた。そ
の後、反応容器を70℃に昇温し3時間反応させ、ポリ
オルガノシロキサンを含有する共重合体ラテックス
(h)を得た。共重合体ラテックス(i)の製造 メチルトリエトキシシラン10部を用いる以外は、上記
共重合体ラテックス(h)の製造法に従い、ポリオルガ
ノシロキサンを含有する共重合体ラテックス(i)を得
た。 (2)紙塗被用組成物の調製 以上述べた共重合体ラテックス(a)〜(i)を用い、
表3および表4に示す組成で、下記の処方により、紙塗
被用組成物(カラー)を調製した。調製にあたっては、
実施例1,2においては、ポリオルガノシロキサンを共
重合体ラテックスに添加した混合物と顔料とを混合し、
実施例3〜7においては、ポリオルガノシロキサンの存
在下に共重合体ラテックスを製造しており、実施例8お
よび9は共重合体ラテックスの存在下でアルコキシシラ
ンを縮合反応を進行させており、比較例6および7にお
いては、ポリオルガノシロキサンと共重合体ラテックス
とをあらかじめ混合せず、これらを個別に顔料と混合し
ている。 (処方) クレー 80部 (分散剤としてピロリン酸ナトリウム0.5部含有) 炭酸カルシウム 20部 共重合体ラテックス(固形分) 12部 ポリオルガノシロキサン 変量 酸化デンプン 5部 水 全固形分が60%になる量 得られたカラーは下記試験方法で評価した。なお、試験
に使用した塗工紙は、市販上質紙にコーティングロッド
を用いて、片面塗被量15g/m2 で両面塗工して得
た。得られた評価結果を表3および表4に示す。
量20g/m2 で塗工し、乾燥後、幅3cm長さ6cm
に裁断する。これを黒紙台紙に貼り、さらにろ紙を重ね
て、RIテスターで圧着する。ろ紙を剥し、ろ紙の付着
度合を目視により次の基準にしたがって判定した。
印刷し、ピッキングの生じた程度を観察した。ピッキン
グなしを5点とし、5点満点で評価した。 ウェット接着強度(耐水接着強度) RI−I型印刷試験機を用い、IPI#4インキを使用
し、モルトンロールで湿し水をつけてから印刷し、裏取
りしてピッキングの生じた程度を観察し、ドライ接着強
度と同様に5点満点で評価した。 インキ転移性 RI−I型印刷試験機およびインキとして東洋キングウ
ルトラ#617を使用し、モルトンロールで湿し水をつ
けたのち、インキ転移の良否を目視観察により、前記と
同様に5点満点で評価した。 白紙光沢 村上式光沢度計を用い、入射角75°−反射角75°で
塗工紙の光沢度を測定した。 印刷光沢 RI−II型印刷機を使用して、インキとして一定量の東
洋キングウルトラ12紅を用い、塗工紙へ印刷した。そ
の後、村上式光沢度計を用い入射角60゜で光沢度を測
定した。 耐ブリスター性 塗工紙を約6%に調湿し、これを加熱したオイルバスに
投げ込み、ブリスタ−の発生状態を目視により次の基準
にしたがって判定した。
リオルガノシロキサンを所定量含有した紙塗被用組成物
は、ロール汚染防止性に優れ、かつ、塗工紙物性に優れ
た紙塗被用組成物である。
キサンを含有しておらず、ロール汚染防止性が劣る。比
較例2では、ポリオルガノシロキサンを含まず、ゲル含
量の高い共重合体ラテックスを用いた例であり、ロール
汚染防止性は向上するものの、耐ブリスター性が低下し
た。比較例3では、ポリオルガノシロキサンを含まず、
ガラス転移温度の高い共重合体ラテックスを用いた例で
あり、ロール汚染防止性は向上するものの、ドライ接着
強度が低下した。
含有しているが、含有量が本発明の範囲外である。ポリ
オルガノシロキサンの含有量が、ラテックスの固形分1
00重量部に対し、0.1重量部未満の場合(比較例
4)は、ロール汚染防止性が発現せず、また、10重量
部を越える場合(比較例5)は、インキ転移性が低下す
る。
ガノシロキサンを予め混合せず、別個にカラー調整時に
添加した例であるが、ロール汚染防止性が向上しない。
シロキサンを共重合体ラテックスに含有させて用いるこ
とにより、ロール汚染防止性に優れ、かつ、印刷適性な
どの、本来、紙塗被用組成物に必要とされている特質に
も優れた該組成物を提供することが可能である。すなわ
ち、従来の方法ではロール汚染防止を改良するのが困難
か、もしくは、かりに改良できたとしても他の物性とバ
ランスをとるのが困難であったが、本発明は従来の知見
では予想することのできない効果を与えるものであり、
紙塗被用組成物として工業的にきわめて有用性の高いも
のである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 顔料および重合体ラテックスを含有する
紙塗被用組成物において、前記重合体ラテックスの固形
分100重量部に対して、まずポリオルガノシロキサン
0.1〜10重量部を混合し、その後顔料を混合してな
ることを特徴とする紙塗被用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3204676A JP3033265B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 紙塗被用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3204676A JP3033265B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 紙塗被用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0533296A true JPH0533296A (ja) | 1993-02-09 |
JP3033265B2 JP3033265B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=16494454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3204676A Expired - Lifetime JP3033265B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 紙塗被用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3033265B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0686679A1 (fr) | 1994-06-07 | 1995-12-13 | Rhone-Poulenc Chimie S.A. | Printable crosslinked (or crosslinkable) silicone release composition |
EP0825296A4 (en) * | 1996-02-29 | 1998-11-25 | Oji Paper Co | Mat coated paper and method of manufacturing same |
JP2005522588A (ja) * | 2001-07-25 | 2005-07-28 | ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト | キャストコーティング法のための紙塗被材料 |
JP2011241388A (ja) * | 2010-04-23 | 2011-12-01 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 水性被覆材 |
-
1991
- 1991-07-19 JP JP3204676A patent/JP3033265B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0686679A1 (fr) | 1994-06-07 | 1995-12-13 | Rhone-Poulenc Chimie S.A. | Printable crosslinked (or crosslinkable) silicone release composition |
EP0825296A4 (en) * | 1996-02-29 | 1998-11-25 | Oji Paper Co | Mat coated paper and method of manufacturing same |
US5922457A (en) * | 1996-02-29 | 1999-07-13 | Oji Paper Co., Ltd. | Matte finished coated paper and process for manufacturing the same |
JP2005522588A (ja) * | 2001-07-25 | 2005-07-28 | ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト | キャストコーティング法のための紙塗被材料 |
JP2011241388A (ja) * | 2010-04-23 | 2011-12-01 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 水性被覆材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3033265B2 (ja) | 2000-04-17 |
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