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JPH05327109A - 有機光学利得素子およびその励起方法 - Google Patents

有機光学利得素子およびその励起方法

Info

Publication number
JPH05327109A
JPH05327109A JP5011836A JP1183693A JPH05327109A JP H05327109 A JPH05327109 A JP H05327109A JP 5011836 A JP5011836 A JP 5011836A JP 1183693 A JP1183693 A JP 1183693A JP H05327109 A JPH05327109 A JP H05327109A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active layer
optical gain
layer
gain element
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5011836A
Other languages
English (en)
Inventor
Chishio Hosokawa
地潮 細川
Tadashi Kusumoto
正 楠本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP5011836A priority Critical patent/JPH05327109A/ja
Publication of JPH05327109A publication Critical patent/JPH05327109A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/05Construction or shape of optical resonators; Accommodation of active medium therein; Shape of active medium
    • H01S3/06Construction or shape of active medium
    • H01S3/063Waveguide lasers, i.e. whereby the dimensions of the waveguide are of the order of the light wavelength
    • H01S3/0632Thin film lasers in which light propagates in the plane of the thin film
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
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    • H01S3/05Construction or shape of optical resonators; Accommodation of active medium therein; Shape of active medium
    • H01S3/06Construction or shape of active medium
    • H01S3/063Waveguide lasers, i.e. whereby the dimensions of the waveguide are of the order of the light wavelength
    • H01S3/0632Thin film lasers in which light propagates in the plane of the thin film
    • H01S3/0635Thin film lasers in which light propagates in the plane of the thin film provided with a periodic structure, e.g. using distributed feed-back, grating couplers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/14Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range characterised by the material used as the active medium
    • H01S3/16Solid materials
    • H01S3/168Solid materials using an organic dye dispersed in a solid matrix

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Lasers (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 励起強度のしきい値を改善し、光学利得を向
上させた有機光学利得素子の開発。 【構成】 活性層を保有する励起可能な素子であって、
該活性層の膜厚が1μm以下であって、10重量%以上
の蛍光性有機分子(スチルベン系色素など)を有し、0.
1以上の蛍光の量子収率を有すると共に、該素子が該蛍
光性有機分子の放出する光を導波することができる光学
利得素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機光学利得素子および
その励起方法に関し、詳しくは励起強度のしきい値を改
善し、光学利得を向上させた有機光学利得素子およびそ
の効果的な励起方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PMMA(ポリメチルメタクリレ
ート)等の透明,非晶質のポリマーに蛍光性色素を微量
分散して形成された薄膜を基体(基板あるいはロッド)
に備えているASE(Amplified Spontaneous Emissio
n)素子およびLaser素子が公知となっている。そ
の具体的な態様に関しては「Dye Lasers」F.D.Schafer
編集,Topics in Applied Physics Vol.1 ,第3刷,P.
82〜83(Springer Verlag社出版)およびそこに引用さ
れている文献等に開示されている。上記素子は、厚さ0.
8μmのポリウレタンに8×10-3モル/リットルのロ
ーダミン6βを分散した薄膜をN2 レーザーにより励起
し、100dB/cmの光学的利得を可能とした(H.P.
Weber とR.Ulrich発表のAppl.Phys.Lett. 誌 1971年19
巻38頁参考)。しかし、このような素子はASE光が生
じる励起強度のしきい値が100kW/cm2 程度と大
きく改善が求められていた。このしきい値が小さくなれ
ば、ASEまたはLaser発振の効率は向上する。ま
た、励起パワーによって生じる光学的利得も大きくする
ことができる。これまでの素子は、色素を10-3〜10
-2モル/リットルと希薄な条件でのみ蛍光の量子収率が
0.1以上となり、反転分布が生じることができるため、
励起強度のしきい値を下げることができなかった。これ
は、色素の希薄な薄膜では、励起光が有効に吸収されな
いためである。また、これまでの素子は色素が希薄のた
め単位光路長当たりの利得が小さいという欠点も保有し
ていた。一般に、光学的に励起を起こす場合、厚さ1μ
m以下の活性層で励起光が完全に吸収されるためには1
4 cm-1以上の吸収係数を有する必要がある。普通、
色素の吸収断面積は約1016cm2 であることから、1
0重量%以上の色素を含有していなければ、励起光を完
全に吸収することができない。したがって、従来の希薄
分散系では線状光励起または点状励起を有効に利用する
ことができなかった。また、従来は、蛍光色素を10重
量%以上含有させると、濃度消光を引起し蛍光の量子収
率は激減し用いることができなかった。さらに、活性層
が超薄膜である場合は、2つのクラッド層の屈折率が異
なるため、光学的に導波できない場合もある。そこで本
発明者らは、このような上記欠点を解決すべく鋭意研究
を重ねた。
【0003】
【課題を解決するための手段】その結果、高濃度分散さ
れた蛍光色素を含有させた特定の有機超薄膜を線状また
は点状励起することによって、上記問題を解決すること
ができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づ
いて完成したものである。すなわち、本発明は、活性層
を保有し、これを励起可能な素子であって、該活性層が
膜厚1μm以下であり、10重量%以上の蛍光性有機分
子を有し、0.1以上の蛍光の量子収率を有すると共に、
該素子が該蛍光性有機分子の放出する光を導波し増幅す
ることができることを特徴とする有機光学利得素子を提
供するものである。また、本発明は、活性層を保有し、
これを励起可能な素子であって、該活性層が膜厚1μm
以下であり、10重量%以上の蛍光性有機分子を分散し
た蛍光性ポリマーからなり、0.1以上の蛍光の量子収率
を有すると共に、該素子が該蛍光性有機分子の放出する
光を導波し増幅することができることを特徴とする有機
光学利得素子を提供するものである。
【0004】本発明の有機光学利得素子は、励起可能な
活性層を有し、通常はこの活性層と基体を含むものであ
る。本発明で用いられる活性層は線状励起または点状励
起により励起状態の反転分布を達成することが可能であ
り、これにより本発明の光学利得素子は光学的利得を生
ぜしめるものである。この光学利得によりASE素子,
Laser素子または光増幅素子を可能とすることがで
きる。この活性層は、上記条件を具備することが必要不
可欠の条件である。まず、膜厚については1μm以下で
あることが必要であり、好ましくは0.5μm以下であ
る。ここで膜厚が1μmを超えると、下記の10重量%
以上の高濃度蛍光性有機分子を含んだ活性層全体を、一
様に励起できないという不都合が生じる。また、活性層
内には10重量%以上、好ましくは30〜100重量%
の蛍光性有機分子が含まれている。これら蛍光性有機分
子の濃度が10重量%未満では、光励起の場合に励起光
を吸収できないので励起強度のしきい値が大きくなると
いう不都合が生じる。また、電流注入励起の場合には電
荷を活性層が輸送できないため、正孔と電子の再結合が
生ぜず励起状態が形成できないという不都合が生じる。
さらに、活性層には上記蛍光性有機分子を分散した蛍光
性ポリマーも用いることができる。さらに、活性層の量
子収率は0.1以上、好ましくは0.15以上である。この
値が0.1未満の場合は反転分布状態に到達するための励
起パワーが増大し、実質上、反転分布状態に到達できな
くなる。しかも、このような活性層を保有する本発明の
素子は、前述した蛍光性有機分子や蛍光性ポリマーの放
出する光を導波し増幅することができる。したがって、
本発明の蛍光性有機分子の含量は、好ましくは10重量
%以上、特に好ましくは30重量%以上であり、しかも
0.1以上の蛍光の量子収率を有し、該蛍光性有機分子が
放出する光を導波することができる被励起部を保有する
ものである。上記蛍光性有機分子としては、スチルベン
系色素,オキサゾール系色素,オキサジアゾール系色
素,ペリレン系色素,ポリフェニル系色素等が挙げられ
る。ここでは、特にスチルベン系色素が好ましい。この
スチルベン系色素のうちの好ましいものとしては、一般
式(I)
【0005】
【化1】
【0006】(式中、Ar1 およびAr2 はそれぞれ独
立に炭素数6〜25の置換または無置換のアリーレン基
を示す。)で表される骨格を少なくとも一つ分子内に保
有する分子がある。スチルベン系色素の好ましい形態と
しては一般式(II)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Ar3 およびAr4 はそれぞれ独
立に炭素数6〜25の置換または無置換のアリール基を
示し、Ar5 は炭素数6〜25の置換または無置換のア
リーレン基を示す。また、R1 およびR2 はそれぞれ独
立に水素原子,炭素数1〜6のアルキル基,置換または
無置換のシクロヘキシル基を示す。置換基としては炭素
数1〜6のアルキル基,炭素数1〜6のアルコキシ基,
炭素数6〜20のアラルキル基,炭素数6〜20のアリ
ールオキシ基,シアノ基,アミノ基,ハロゲンを示
す。)で表されるジスチルベン系色素が挙げられる。さ
らに好ましくは、一般式(III)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Ar3 ,Ar4 ,R1 およびR2
は前記と同じである。)で表されるスチルベン系色素が
挙げられる。上記炭素数6〜25の置換または無置換の
アリーレン基としては、フェニレン基,ビフェニレン
基,ターフェニレン基,ナフチレン基,アントラセニレ
ン基,ピレニレン基,ペリレニレン基,フェナンスリレ
ン基等が挙げられる。また、炭素数6〜25の置換また
は無置換のアリール基としては、フェニル基,ビフェニ
ル基,ターフェニル基,ナフチル基,アントラセニル
基,ピレニル基,ペリレニル基,フェナンスリル基等が
挙げられる。炭素数1〜6のアルキル基としてはメチル
基,エチル基,ブチル基,プロピレン基等が挙げられ、
炭素数1〜6のアルコキシ基としてはメトキシ基,エト
キシ基,ブトキシ基,プロポキシ基が挙げられる。炭素
数6〜20のアラルキル基としてはベンジル基,フェネ
チル基等が挙げられ、炭素数6〜20のアリールオキシ
基としてはフェノキシ基,トリルオキシ基が挙げられ
る。また、上記アミノ基の好ましいものとして
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Ar6 およびAr7 は、それぞれ
独立に炭素数1〜6のアルキル基,炭素数6〜25の置
換または無置換のアリール基を示す。)で表されるアミ
ノ基が挙げられる。
【0013】また、好ましい活性層となる蛍光性ポリマ
ーは、蛍光性有機分子を10重量%以上保有し、なおか
つ蛍光の量子収率が0.1以上のものである。ポリマーバ
インダーは、特に限定されないがポリカーボネート,ポ
リウレタン,ポリスチレン,PMMA等の透明性樹脂が
好ましく用いられる。また、好ましい活性層の形態とし
ては蛍光性有機分子骨格を繰り返し単位として、ポリマ
ー本体に対し10重量%以上保有する共重合体または重
合体である。これら共重合体または重合体の好ましい具
体例としては、特願平4−51955号明細書および特
願平4−50865号明細書に記載の特定のスチルベン
誘導体を繰り返し単位として含有するポリカーボネート
が挙げられる。さらに、活性層内には微量(30重量%
以下)の他の蛍光性分子を蛍光性ドーパントとして含有
してもよい。本発明の有機光学利得素子による発光は、
活性層内の前記蛍光性有機分子が励起された後、上記蛍
光性ドーパントに励起エネルギーが伝達されて生じる。
ここで、蛍光性ドーパントの量子収率が高い場合には、
活性層の高量子収率化に寄与することができる。このよ
うな蛍光性ドーパントとしては、特に限定されず公知の
ものを用いれば足りるが、好ましくは蛍光性ドーパント
の濃度が希薄状態で量子収率が0.2以上のものである。
この蛍光性ドーパントとしては、クマリン系色素,キサ
ンテン系色素,ローダミン系色素,シアニン系色素,ペ
リレン系色素等が挙げられる。これらの化合物は、コダ
ック社,ラムダフィジックス社,BASF社,エキシト
ン社等より入手することが可能である。具体的な蛍光性
ドーパントとしては、クマリン120,クマリン2,ク
マリン466,クマリン47,クマリン102,クマリ
ン152A,クマリン152,クマリン151,クマリ
ン6H,クマリン307,クマリン500,クマリン3
14,クマリン510,クマリン30,クマリン33
4,クマリン522,クマリン7,クマリン6.クマリ
ン153,DOCI,DMETCI,VRANIN,フ
ルオレセイン27,フルオロール7GA,ローダミン1
10,ローダミン19,ローダミン6G,DQOCI,
DCI−2,ローダミンB,サルフォローダミンB,マ
ラカイトグリーン,DTCI,DQTCI,ローダミン
101,DCM,DODCI,サルフォローダミン10
1,フェノキサゾン9,ナイルブルー,ローダミン70
0,ピリジン1,カルバジン122,オキサジン17
0,オキサジン1,DTDCI,オキサジン750,ビ
リシン2,TIDCI,スチリル6,スチリル8,DD
I,ローダミン800等が挙げられる(ラムダフィジッ
クス社刊,1986年「Lambdachrome Laser dyes 」参
考)。
【0014】本発明の有機光学利得素子の構成は種々あ
るが、好ましい構成として、主に次の2種類を挙げるこ
とができる。第1の構成としては、有機光学利得素子は
基体とその上部構造としての活性層を素子内に保有して
おり、活性層内を基体の面と平行に光が導波されて増幅
する構成である(図1参照)。この構成には、活性層の
上部層,下部層にクラッド層(活性層に隣接する層)が
あってもよい。第2の構成としては、有機光学利得素子
は基体とその上部構造である2つの対面する反射鏡に挟
持されている活性層よりなり、反射鏡の少なくとも1つ
が反射率99%以上であって、基体面およびその上部構
造である反射鏡面に垂直に光が導波され増幅する構成で
ある(図2参照)。
【0015】第1の構成において、クラッド層とは、基
体の一部のみならず活性層を下部に持つ上部構造をも含
み、屈折率が活性層の屈折率より小さい層であり、活性
層内に光を閉じ込めて、素子が導波可能な構成となるよ
うにする層である。この導波可能な第一の条件は、基体
のクラッド層の屈折率nS ,活性層上のクラッド層(空
気の場合も含む)の屈折率nC ,活性層の屈折率nf
対して、 nf >nS かつ nf >nC である。また、第二の条件は、少なくとも1つのTEモ
ード(すなわちTE0 )が存在することである。ただ
し、上記条件を満たしていてもnf とnC の値が大きく
異なり活性層の膜厚が薄い場合には、TE0 モードが存
在せず導波不可能となる場合がある。このクラッド層の
構成材料は、特に限定されないが、例えば石英,ガラ
ス,ポリマーおよびそれらの組合せ等から選択されたも
のであればよく、好ましくは基板として石英板(屈折率
1.46),ガラス板(NA40;HOYA社製,屈折率
1.56)またはPMMA板(屈折率1.49)を用い、そ
の上にクラッド機能を有するポリマー層または有機低分
子層を設けたものが挙げられる。クラッド機能を有する
ポリマー層の材料としては、特に限定されないが、テフ
ロン,PCTFE(三フッ化塩化エチレン樹脂)等のフ
ッ素樹脂、ポリビニルアルコール,ポリビニルブチラー
ル等のポリビニルアルコール系樹脂、フッ素化PMM
A,PMMA等のメタクリル系樹脂等が挙げられる。ま
た、無機フッ化物であるMgF2 ,CaF2 ,LiF等
のアルカン金属フッ化物は、蒸着,CVD(Chemical V
apor Deposition )またはスパッタリングによりクラッ
ド層を形成することができる。なお、クラッド層の材料
としては、活性層の材料により上記基板の材料も用いる
ことができる。さらに、共振器構造の導入としてブラッ
グ回折格子を活性層と基体からなる被励起部に設けても
よい。このブラッグ回折格子に用いられる感光性樹脂と
しては、公知の回折格子を作成できる解像度を有するも
のであればよい。本発明の第1の構成の活性層の上部層
は、一般に空気層であるが、活性層より屈折率が小さい
クラッド層であってもよい。ここで用いられるクラッド
層の材料としては前記記載のものであればよい。また、
ブラッグ回折格子または電流注入励起用の電極を設けて
もよい。本発明の好ましい第1の構成の素子は、上述し
た特性を有する活性層を保有するものであるが、通常は
クラッド層/活性層,基板/クラッド層/活性層または
基板/クラッド層/活性層/クラッド層からなる被励起
部により構成されている。
【0016】第2の構成においても、図2に示すように
クラッド層があってもよい。第1の構成と異なり、クラ
ッド層は屈折率の限定をしない。従って、第2の構成の
要素であるクラッド層は、光学的に導波する光を顕著に
吸収しない材料からなればよい。このクラッド層の材料
としては、例えば空気,透明性ポリマー(PMMA,ポ
リカーボネート,ポリスチレン,フッソ系樹脂,ポリビ
ニルアルコール系樹脂等),透明性無機材料(無機アル
カリ金属フッ化物等),金属酸化物(ITO,ZnO,
SnO2 ,TiO2 等),ワイドギャップ半導体(Zn
S,ZnSe,ZnO,CdS,CdSe,GaN,I
nGaN,SiC,ZnCdSe等のバンドギャップ2
eV以上の半導体)およびアモルファス透明性有機低分
子膜等が挙げられる。第2の構成において反射鏡として
は、99%以上の反射率を保有する任意の金属膜(A
l,Mg,Ag,Crおよびこれらの合金等)ものが好
ましく、特に99%以上の反射率を保有する誘電体多層
膜鏡が好ましい。この誘電体多層膜鏡は、導波する光の
波長をλとしてλ/4の光学膜厚を持つ高屈折率誘電体
層と低屈折率誘電体層を交互に重ね合わせた多層鏡であ
る。ここで、高屈折率誘電体層の代表例な材料としては
MgO2 ,TiO2 ,ZnSe,ZnS等が挙げられ、
低屈折率誘電体層の代表例な材料としてはSiO2 ,M
gF2 ,ThF2 等が挙げられる(オーム社刊,レーザ
学会編,レーザハンドブック,1982年,410頁参
考)。第2の構成において励起手段が光の場合は、反射
鏡の1つは上記誘電体多層膜鏡であり、反射鏡の少なく
とも1つが励起光の50%以上を透過することが好まし
い。ここで用いる誘電体多層膜鏡は、励起光は透過する
が導波光を反射することが可能である。このような誘電
体多層膜鏡のクラッド層または活性層に接する部分に
は、励起手段として電気を用いるために電流注入励起用
電極を設けることができ、特にITO,SnO2 :Sb
(混合電極),ZnO:Al(混合電極)等の透明電極
を設けても99%以上の反射率を保有することができ
る。また、前記の金属膜を用いた反射鏡自体も電流注入
励起用の電極として用いることができる。従って、例え
ばITO等を陽極とし、Mg系合金を陰極として第2の
構成の素子に電流注入励起の手段を設けることが可能で
ある。
【0017】本発明の光学利得素子の励起方法としては
線状励起方法と点状励起方法が挙げられる。この線状ま
たは点状励起方法としては、光励起方法,電流注入励起
方法,電子線励起方法等が挙げられるが、好ましくは光
励起方法,電流注入励起方法であり、特に好ましくは光
励起方法である。ここで、光励起方法としては、蛍光性
有機分子および/または蛍光性ポリマーが吸収できる紫
外線によるものである。特にN2 レーザー,エキシマレ
ーザー,アルゴンレーザー等の紫外線レーザー光等が好
ましい。この光励起方法における線状励起方法の励起光
の形状は、第1の構成の素子においては一方向に利得を
もたらすように線状であることが好ましく、具体的な形
状は(1mm〜30mm)×(1μm〜1000μm)
が好ましく、特に好ましくは(1mm〜10mm)×
(1μm〜100μm)である。また、点状励起方法の
形状は半径1mm以下の円状または長軸2mm以下の楕
円状であることが好ましい。この励起光のパワーは、1
0kW/cm2 以上が好ましく、特に30kW/cm2
以上が好ましい。10MW/cm2 以上(パルス幅1n
s以上)のパルスレーザー光による励起は、活性層に光
学的損傷を与えるので好ましくない。しかし、PS(ピ
コ秒)レーザー光であれば、1GW/cm2 までの励起
が可能である。一方、電子線励起方法によって光学的利
得を得ることができるものは、活性層中にZnS,Zn
Se,ZnO等の無機結晶を含んだものが従来知られて
いる。本発明にも、これらの方法を用いることができる
ことは勿論である。
【0018】次に、本発明の有機光学利得素子を製造す
る方法を上記構成例に基づいて説明する。 (1)第1の構成(クラッド層/活性層の場合) まず基板(クラッド機能を有する)を公知の洗剤(UV
オゾン洗浄法により有機炭素を除去することを含
む。),イソプロパノール等を用いて洗浄し、乾燥させ
る。次に、このクラッド層である基板上に活性層を形成
する。活性層が蛍光性有機分子からなる場合の製膜方法
は蒸着法が好ましく、このときの好ましい蒸着条件は、
蒸着源温度200〜400℃,蒸着速度0.1〜0.5nm
/秒,基板温度−70〜100℃,得られる膜厚10n
m〜100nmである。ここで注意しなければならない
のは、活性層中に分散される蛍光性有機分子を分解しな
い温度で蒸着することである。活性層が蛍光性ポリマー
からなる場合の製膜方法は、スピンコート法,塗布法,
キャスティング法等があり、特に好ましい方法としては
スピンコート法が挙げられる。この場合、特に平坦性に
優れた平坦度±20nm以下を実現できるバインダーと
用いる溶媒を選定する必要がある。バインダーがポリカ
ーボネートである場合の好ましい溶媒としてはハロゲン
系溶媒,トルエン,キシレン,ベンゼン等が挙げられ
る。特に好ましい溶媒は、ジクロロエタンまたはジクロ
ロメタンである。活性層中に分散される蛍光性有機分子
の分散濃度は10重量%以上であり、好ましくは30重
量%以上である。また、得られる膜厚は、10nm〜1
00nmであり、好ましくは1μm以下である。膜厚が
1μm以下の場合は、励起光を良好に吸収することがで
きる。得られた基板/活性層からなる有機光学利得素子
を100℃以下,1時間程度で乾燥,ベーキングするこ
とにより、本発明の有機光学利得素子を得ることができ
る。
【0019】(2)第1の構成(基板/クラッド層/活
性層の場合) まず基板を(1)の場合と同様にして洗浄し、乾燥させ
る。次に、この上にクラッド層を形成する。クラッド層
がポリマーからなる場合の製膜方法は、スピンコート
法,塗布法,キャスティング法等があり、特に好ましい
方法としてはスピンコート法が挙げられる。この場合、
膜厚30nm〜600nmとなるように、平坦度±40
nm以下となるような溶媒および回転条件を選定する必
要がある。また、クラッド層は、活性層形成の際のスピ
ンコート法によってとけてはならない点に注意する必要
がある。その際、アルコール系溶媒に溶かしたポリビニ
ルブチラールまたは水溶液であるポリビニルアルコール
を用いてスピンコートするのが好ましい。特に好ましい
クラッド層は、低屈折率の紫外線硬化樹脂または熱硬化
樹脂を用いて不溶クラッド層とする方法である。次い
で、得られたクラッド層上に(1)の素子製造と同様に
して活性層を形成し、乾燥,ベーキングを行うことによ
り本発明の有機光学利得素子を得ることができる。
【0020】(3)第1の構成(基板/クラッド層/活
性層/クラッド層の場合) 基板,クラッド層,活性層は、上記(1)および(2)
と同様にして形成することができる。但し、活性層上の
クラッド層を形成する場合は、スピンコートによって活
性層が溶けないように注意する必要がある。その際、ア
ルコール系溶媒に溶かしたポリビニルブチラールまたは
水溶液であるポリビニルアルコールを用いてスピンコー
トするのが好ましい。
【0021】(4)第2の構成(基板/誘電体多層膜鏡
/活性層/誘電体多層膜鏡/ガラス層の場合) 基板上に誘電体多層鏡を形成する。誘電体多層鏡の形成
方法は、誘電体としてZnS,ZnSe,TiO2 ,A
2 3 等の公知の透明性誘電体を選定し、高屈折率層
と低屈折率層を光学膜厚(λ(導波して増幅する波長)
/4)で積層するように製膜する。製膜の方法は、蒸着
法,イオンプレーティング法,スパッタ法,CDV法等
を用いることができる。次いで、上記(1)と同様の方
法で活性層,誘電体多層鏡を形成させ、最後にガラス層
としてガラス板を密着させて素子を形成する。また、活
性層を形成した後、ガラス板上に誘電体多層鏡を形成し
て活性層に圧着させて素子を形成することもできる。そ
の際、活性層と誘電体多層鏡の間に空気が入り込み空気
層を形成しても素子の機能には何ら影響を与えることは
ない。
【0022】(5)第2の構成(基板/誘電体多層膜鏡
/活性層/クラッド層/反射鏡の場合) 上記(4)の素子製造と同様にして基板/誘電体多層膜
鏡/活性層を形成し、次いでクラッド層として任意の透
明性材料からなる層を形成する。透明性材料は、蒸着
法,イオンプレーティング法,スパッタ法またはスピン
コート法にて製膜することが好ましい。さらに、反射鏡
として高反射率を有し金属膜を上記製膜法により形成す
る。この構成の場合、活性層/クラッド層の純光学膜厚
はλの1/2の整数倍に調製するのが好ましい。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例によりさ
ら詳しく説明する。 実施例1(第1の構成における被励起部の形成) 光学研磨された石英基板25mm×75mm×1mm
(HOYA社製)をイソプロピルアルコール中で5分間
超音波洗浄した。さらに、乾燥ヘリウムを吹きつけ乾燥
し、UVオゾン洗浄装置(UV300:サムコインター
ナショナル社製)で10分間洗浄した。この基板をスピ
ンコーターの基板ホルダーに取り付けスチルベン系色素
である4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビ
フェニル(DPVBi)1重量%,バインダーのポリマ
ーとしてポリカーボネート(PCZ,Z−200),三
菱ガス化学(株)製)1重量%を含むジクロロメタン溶
液を基板上に展開し、スピンコーターを1000RPM
で80秒間回転させスピンコーティングを行った。得ら
れた薄膜の膜厚は250±20nmであり(触針式膜圧
計:DEKTAK3030,Sloan社製)、色相は
透明であった。さらに、波長337nmの窒素(N2
レーザー光の透過率を測定した結果、96%が吸収され
ることが確認され、高濃度分散(50重量%)により効
率よく励起光が吸収されることが判明した。また、エリ
プソメーターにより屈折率を測定した結果、石英で1.4
4,DPVBi:PCZ層は1.64の値が得られ、導波
する側の屈折率の条件を満足していた。また、導波路構
造の解析の結果、TE0モードを導波することが判明し
た。また、DPVBi:PCZ層の量子収率は0.25で
あった。この量子収率は、励起レーザー光(1kW/c
2 )で測定し、標準としてCCl3 H中のViole
t570(BASF社製)の量子収率を0.98とした。
【0024】実施例2(ASE光の測定) 実施例1で得られた被励起部に、活性層(DPVBi:
PCZ層)上によりN 2 レーザー射出光(3mm×8m
m)をシリンドリカルレンズ(焦点距離:11cm,石
英製)により300μm×8mmの線状励起光にして照
射した。このときの入力光パワーは150kW/cm2
であった。このとき、一方向にASE光が生じることが
明確に確認できた。これを導光し、マルチチャンネルダ
イオードにより分光したスペクトルを図3に示す。図3
の点線はDPVBi:PCZの蛍光スペクトルであり、
ASE光のスペクトル幅が極めて狭くなっていることが
確認できる。これは、活性層が励起光により励起状態が
反転分布状態となり光学利得を保有するまでに至ってい
る。また、最も利得の大きな波長域で蛍光が増幅され、
方向性を持って放出されたことを示している。
【0025】実施例3(ASE光の励起しきい値の測
定) N2 レーザー光をフィルター(青板光学研磨ガラス)で
減衰させて入力光パワーを変化させた。これに伴いAS
E光のパワー(任意単位)を測定した。得られた結果を
図4に示す。ASE光が生じるしきい値は9kW/cm
2 程度であり、従来技術と比較して1/10程度であっ
た。よって、光学的利得は従来技術と比較してはるかに
大きいことがわかる。なお、しきい値における放出光を
実施例2と同様にして分光したスペクトルを図5に示
す。図5の長波長側にASE光のピークが出現している
のが確認できる。
【0026】実施例4〜7 スピンコーターの回転数を第1表に示した値とした以外
は、実施例1と同様にして薄膜を形成し、透過率を測定
した。得られた結果を第1表に示す。表から、励起光の
ほぼ80%以上が超薄膜にもかかわらず吸収できてい
る。これは、蛍光性有機分子を10重量%以上の高濃度
に分散した結果生じたものである。
【0027】
【表1】
【0028】実施例8 最初に基板上にポリビニルアルコールからなるクラッド
層を設けた以外は、実施例1と同様にして薄膜を形成
し、透過率を測定した。ポリビニルアルコールの2重量
%水溶液を用いて、スピンコーターを8000rpmで
回転させスピンコーティングを行った。得られた薄膜の
膜厚は450±10nmであった。また、エリプソメー
ターにより屈折率を測定した結果、1.48の値が得ら
れ、クラッド層として用いることができることが判明し
た。このクラッド層上に実施例1と同様にして活性層を
設け励起光を照射した。ASE光が生じるしきい値は7
kW/cm2 であり、ASE光のピーク波長は474n
mであった。
【0029】実施例9 光学研磨された石英基板25mm×75mm×1mm
(HOYA社製)をイソプロピルアルコール中で5分間
超音波洗浄した。さらに、乾燥ヘリウムを吹きつけ乾燥
し、UVオゾン洗浄装置(UV300:サムコインター
ナショナル社製)で10分間洗浄した。この基板をスピ
ンコーターの基板ホルダーに取り付けマイクロポジット
(MP1300−31,シプレイ社製,フォトレジス
ト)を基板上に展開し、スピンコーターを5000rp
mで60秒間回転させスピンコーティングを行った。得
られた薄膜を95℃で30分プリベークした。ついで、
アルゴンレーザーの351nmラインを用い、この光を
2分割して干渉させることにより格子状に露光させホロ
グラフィック露光を行った。その後、現像液(マイクロ
ポジットデベロッパー)に得られた露光物の一端を浸
し、イオン交換水で洗浄後、120℃,3分間ポストベ
ーキングを行った。これにより、周期310nmのフォ
トレジストパターン(格子状)が得られた。ついで、C
rを20nm,Auを200nm順次蒸着した。UV/
3 アッシャーにて基板温度120℃,1時間で処理を
行いフォトレジストを剥離し、希フッ化水素溶液5%に
50秒間浸し、剥離させた部位の基板をエッチングし
た。希王水に浸し、CrおよびAuを溶かすことによ
り、図6に示すグレーティングを保有する基板を作成し
た。得られた基板を用いて、実施例1と同様にして活性
層を作成した。得られた被励起部を図6に示す。ここで
グレーティング単位310nmは、導波光の波長を47
0nmとしたときブラック回折の条件を満足した。実施
例2と同様にして、線状にN2 レーザー光の励起を行っ
た結果、共振器であるブラッグ回折格子の効果により、
得られたピーク波長は471nm,ピーク幅2nmの鋭
いものであった。レーザー発振のしきい値は2kW/c
2 であった。
【0030】実施例10(蛍光性分子の混合を活性層に
用いた例) DPVBiの代わりにDPVBiおよび下記DPAVB
i(重量比4:1)を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして被励起部を作成し評価を行った。
【0031】
【化5】
【0032】ASE光が生じるしきい値は20kW/c
2 であり、ASE光のピーク波長は467nm,ピー
ク半値幅7nmであった。さらに、エリプソメーターに
より屈折率を測定した結果、1.61の値が得られ、導波
する側の屈折率の条件を満足していたまた、DPVB
i:DPAVBiの量子収率は0.27であった。この量
子収率は、励起レーザー光(1kW/cm2 )で測定
し、標準としてCCl3 H中のViolet570(B
ASF社製)の量子収率を0.98とした。
【0033】実施例11(蒸着膜を活性層に用いた例) 2つの抵抗加熱ボートにDPVBi200mgおよびお
よびDPAVBi200mgをそれぞれ入れ、通電用端
子に取り付けた。次いで、蒸着槽を10-4Paにして、
上記ボートを同時に加熱し、二元同時蒸着を行った。蒸
着速度はDPVBiが8〜10Å/秒、DPAVBiが
2Å/秒であった。得られた膜厚は各々120nmであ
った。実施例2と同様にして、線状にネオンレーザー光
の励起を行った結果、ASE光が生じるしきい値は10
kW/cm2 であり、ASE光のピーク波長は492n
m,ピーク半値幅7nmのであった。また、DPVBi
/DPAVBi蒸着膜の量子収率は0.2であった。この
量子収率は、励起レーザー光(1kW/cm2 )で測定
し、標準としてCCl3 H中のViolet570(B
ASF社製)の量子収率を0.98とした。
【0034】比較例1 DPVBiおよびDPAVBiの代わりに下記Al(O
x)3 を用いた以外は、実施例11と同様にして膜厚1
20nmの蒸着膜を作成した。
【0035】
【化6】
【0036】実施例2と同様にして、線状に500kW
/cm2 の強度迄のN2 レーザー光の励起を行った結
果、ASE光は生じなかった。また、Al(Ox)3
量子収率は0.07であった。この量子収率は、励起レー
ザー光(1kW/cm2 )で測定し、標準としてCCl
3 H中のViolet570(BASF社製)の量子収
率を0.98とした。
【0037】比較例2 ローダミンBをPCZ中に10重量%添加した以外は、
実施例1と同様にして被励起部を作成し評価を行った。
実施例2と同様にして、線状にN2 レーザー光の励起を
行った結果、ASE光は生じなかった。また、PCZ/
ローダミンBの薄膜の蛍光性は著しく小さいものであっ
た。
【0038】実施例12(第2の構成の作製) 波長域490〜540nmで99.5%以上の反射率を保
有する誘電体多層膜鏡(販売元:豊和産業(株))を入
手した。このとき、誘電体多層膜鏡の基体である合成石
英板の膜厚は1cmであった。この反射鏡は、励起光で
ある337mmのレーザー光の90%以上を透過するも
のであった。蛍光性有機分子として4,4’−ビス
(2,2−フェニル,ビフェニルビニル)ベンゼン(P
BVB)を用いた以外は、実施例1と同様にして、この
反射鏡の上に活性層を膜厚300nmで形成した。但
し、膜表面には、±20nmの凹凸があった。得られた
活性層の上に上記と同じ誘電体多層膜鏡を圧着し結果、
反射鏡間の間隔は、空気が混入したため活性層の膜厚3
00nmより厚くなった。
【0039】実施例13(実施例12の素子によるレー
ザー発振) 実施例12で得られた素子に、N2 レーザー射出光(3
mm×8mm)を凸レンズ(焦点距離7cm)で集光
し、直径2mmの点状励起光として照射した。このとき
の点状励起光の入力パワーは300kW/cm2 であっ
た。この入力の際は、反射鏡に垂直な一方向にレーザー
発振光が生じることが確認できた。点状励起光を導光し
て、マルチチャネルダイオードにより分光したスペクト
ルを図7に示す。図7より、分光した3本のレーザー発
振線を確認することができる。それぞれの発振線は、鋭
く半値幅が3nm程度であり、レーザー発振であること
を示し、単色性のあるものである。本素子では、活性層
の膜厚方向に光が進行して増幅されていく。従って、膜
厚300nmと極めて短い距離の導光路においても、本
発明の素子は光学利得を持つことが判明した。このこと
は、光濃度蛍光性分子が極めて大きな光学利得をもたら
すことを示すものである。
【0040】実施例14(活性層中のドーピングの例) 活性層中にクマリン314を0.5重量%混入した以外
は、実施例12と同様にして活性層を作製して素子を作
製した。
【0041】実施例15(実施例14の素子によるレー
ザ発振) 実施例14で得られた素子に実施例13と同様にしてN
2 レーザー光を凸レンズで集光した。ここで入力光パワ
ーはUV用NDフィルターにて3kW/cm2とした。
なお、入力光パワーが3kW/cm2 以上の場合はレー
ザー発振をすることができた。
【0042】
【発明の効果】以上の如く、本発明の有機光学利得素子
は光励起のしきい値を大幅に低下させることによって、
光学的利得を増大することを可能とした。したがって、
本発明の有機光学利得素子は、種々の導波構成により光
の閉じ込めを可能とし、反転分布を生じさせ光学的利得
を得ることができる。よって、本発明の有機光学利得素
子は有機超薄膜によるレーザー発振を可能とし、青色レ
ーザー,光増幅器等に有効に活用でき、さらには、電流
注入励起による青色レーザー発振にも有効に活用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機光学利得素子の素子構成例(第1の構成)
【図2】有機光学利得素子の素子構成例(第2の構成)
【図3】実施例2で得られた有機光学利得素子のASE
光を石英ファイバーに導光し、マルチチャンネルダイオ
ードにより分光したスペクトルを示す。
【図4】実施例3で得られた入力光パワーとASE光パ
ワーの関係を示す。
【図5】実施例3で得られた有機光学利得素子のASE
光を石英ファイバーに導光し、マルチチャンネルダイオ
ードにより分光したスペクトルを示す。
【図6】実施例9で得られた被励起部の断面図を示す。
【図7】実施例13で得られたマルチチャネルダイオー
ドにより分光したスペクトルを示す。
【符号の説明】
1 クラッド層(無い場合がある) 2 活性層 3 基体 4 反射鏡 5 活性層 6 基板 7 310nm

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層を保有し、これを励起可能な素子
    であって、該活性層が膜厚1μm以下であり、10重量
    %以上の蛍光性有機分子を有し、0.1以上の蛍光の量子
    収率を有すると共に、該素子が該蛍光性有機分子の放出
    する光を導波し増幅することができることを特徴とする
    有機光学利得素子。
  2. 【請求項2】 活性層を保有し、これを励起可能な素子
    であって、該活性層が膜厚1μm以下であり、10重量
    %以上の蛍光性有機分子を分散した蛍光性ポリマーから
    なり、0.1以上の蛍光の量子収率を有すると共に、該素
    子が該蛍光性有機分子の放出する光を導波し増幅するこ
    とができることを特徴とする有機光学利得素子。
  3. 【請求項3】 蛍光性有機分子がスチルベン系色素であ
    る請求項1または2記載の有機光学利得素子。
  4. 【請求項4】 基板/クラッド層/活性層または基板/
    クラッド層/活性層/クラッド層からなる被励起部を保
    有し、光が基板に平行に導波する請求項1または2記載
    の有機光学利得素子。
  5. 【請求項5】 反射鏡/活性層/反射鏡からなる被励起
    部を保有し、該反射鏡の少なくとも1つ以上が99%以
    上の屈折率を保有し、光が反射鏡に垂直に導波する請求
    項1または2記載の有機光学利得素子。
  6. 【請求項6】 反射鏡が誘電体の多層膜からなる請求項
    4記載の有機光学利得素子。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の光学利得素子を
    線状励起することを特徴とする有機光学利得素子の励起
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2記載の光学利得素子を
    点状励起することを特徴とする有機光学利得素子の励起
    方法。
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