JPH0531586A - 鋼板の抵抗溶接法 - Google Patents
鋼板の抵抗溶接法Info
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- JPH0531586A JPH0531586A JP3209878A JP20987891A JPH0531586A JP H0531586 A JPH0531586 A JP H0531586A JP 3209878 A JP3209878 A JP 3209878A JP 20987891 A JP20987891 A JP 20987891A JP H0531586 A JPH0531586 A JP H0531586A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 片面又は両面に鋼板より電位的に卑な金属か
らなる被覆材を被覆した被覆鋼板を含む鋼板相互を抵抗
溶接したり、あるいはこのような抵抗溶接と、被覆しな
い裸の鋼板相互の抵抗溶接とを交互に又は混合して同じ
溶接機を使用して行う場合に、電極寿命を飛躍的に向上
させることができる抵抗溶接法を提供すること。 【構成】 前述のような抵抗溶接をするにあたり、電極
と当該電極を押し付ける被覆鋼板の被覆材との間に、当
該電極又は当該被覆材よりも融点が高く、かつ通電性を
有する金属からなる箔状介在物を挟んで加圧,通電する
ことを特徴としている。
らなる被覆材を被覆した被覆鋼板を含む鋼板相互を抵抗
溶接したり、あるいはこのような抵抗溶接と、被覆しな
い裸の鋼板相互の抵抗溶接とを交互に又は混合して同じ
溶接機を使用して行う場合に、電極寿命を飛躍的に向上
させることができる抵抗溶接法を提供すること。 【構成】 前述のような抵抗溶接をするにあたり、電極
と当該電極を押し付ける被覆鋼板の被覆材との間に、当
該電極又は当該被覆材よりも融点が高く、かつ通電性を
有する金属からなる箔状介在物を挟んで加圧,通電する
ことを特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接される一方又は両
方の鋼板が、当該鋼板より電位的に卑な金属からなる被
覆材を、メッキ、合わせ圧延、容射などにより被覆した
被覆鋼板である場合や、このような鋼板の接合と、被覆
されていない裸鋼板相互の接合とを交互ないし混合して
抵抗溶接する場合に適する鋼板の抵抗溶接法に関するも
のである。
方の鋼板が、当該鋼板より電位的に卑な金属からなる被
覆材を、メッキ、合わせ圧延、容射などにより被覆した
被覆鋼板である場合や、このような鋼板の接合と、被覆
されていない裸鋼板相互の接合とを交互ないし混合して
抵抗溶接する場合に適する鋼板の抵抗溶接法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近時、自動車のボディシ−ト材等の鋼板
には、耐蝕性を向上させるためその表面に鋼板より電位
的に卑な金属、例えばZn,Sn及びそれらの合金の皮
膜をメッキその他の手段で被覆した被覆鋼板が多く使用
される傾向にある。抵抗溶接は、非常に能率的で大量生
産に適しており、一度適切な溶接条件を設定すると、熟
練していない者やロボットによっても容易に溶接でき、
安定した溶接ナゲットの形成や接合強度を得ることがで
きるので、前述のような被覆鋼板を含む場合の鋼板相互
の接合は電気抵抗溶接による場合がほとんどである。
には、耐蝕性を向上させるためその表面に鋼板より電位
的に卑な金属、例えばZn,Sn及びそれらの合金の皮
膜をメッキその他の手段で被覆した被覆鋼板が多く使用
される傾向にある。抵抗溶接は、非常に能率的で大量生
産に適しており、一度適切な溶接条件を設定すると、熟
練していない者やロボットによっても容易に溶接でき、
安定した溶接ナゲットの形成や接合強度を得ることがで
きるので、前述のような被覆鋼板を含む場合の鋼板相互
の接合は電気抵抗溶接による場合がほとんどである。
【0003】従来の被覆鋼板の抵抗溶接では、例えば図
7のように、鋼板10,20の表面に、当該鋼板10,
20より電位的に卑な金属皮膜11,12、21,22
をそれぞれメッキ等で被覆した被覆鋼板1,2の被接合
部分を重ね、これを、先端をそれぞれドレッシング(所
定の形状に切削したり、所定の表面粗度に研磨したりし
て先端を整える加工)した上下の電極3,4で加圧(例
えば加圧力1960N)し、電極3,4に通電(例えば
溶接電流8000A)する。この加圧通電により、被覆
鋼板1,2相互の加圧部分にナゲット13が形成され、
被覆鋼板1,2が接合される。
7のように、鋼板10,20の表面に、当該鋼板10,
20より電位的に卑な金属皮膜11,12、21,22
をそれぞれメッキ等で被覆した被覆鋼板1,2の被接合
部分を重ね、これを、先端をそれぞれドレッシング(所
定の形状に切削したり、所定の表面粗度に研磨したりし
て先端を整える加工)した上下の電極3,4で加圧(例
えば加圧力1960N)し、電極3,4に通電(例えば
溶接電流8000A)する。この加圧通電により、被覆
鋼板1,2相互の加圧部分にナゲット13が形成され、
被覆鋼板1,2が接合される。
【0004】そして、電極3,4の材料には、JIS
Z 3234-1977 「抵抗溶接用銅電極材」の第1種又
は第2種のものであって、JIS C 9304-1986
「スポット溶接用電極の形状及び寸法」で定められる形
状のものを使用するのが一般である。電極にこれらの材
料が使用されるのは、これらは被溶接材より熱伝導性や
導電率が高く、溶接部での電極と被溶接材が接合しにく
いため連続溶接に適することによる。
Z 3234-1977 「抵抗溶接用銅電極材」の第1種又
は第2種のものであって、JIS C 9304-1986
「スポット溶接用電極の形状及び寸法」で定められる形
状のものを使用するのが一般である。電極にこれらの材
料が使用されるのは、これらは被溶接材より熱伝導性や
導電率が高く、溶接部での電極と被溶接材が接合しにく
いため連続溶接に適することによる。
【0005】また、鋼板や、鋼板の表面に鋼板より電位
的に卑な金属を被覆した被覆鋼板の抵抗溶接法ではない
が、図8のように(特開昭61−159288号公報に
開示されている。)、Al又はAl合金板からなる被溶
接材a,bを抵抗溶接するにあたり、電極3,4と被溶
接材a,bとの間に、電極3,4より高電気伝導性のイ
ンサ−ト材c,dを挟んで加圧通電する方法が提案され
ている。この抵抗溶接法は、電極3,4よりも高電気伝
導性のインサ−ト材c,dの存在により、インサ−ト材
c,dと被溶接材a,bとの接触部の温度上昇を抑え
て、電極3,4からの入熱が過剰であっても被溶接材
a,bの板厚方向への溶け込みが表面まで到らないよう
にし、表面割れを生じさせることなく被溶接材a,b相
互を溶接できるようにしたものである。
的に卑な金属を被覆した被覆鋼板の抵抗溶接法ではない
が、図8のように(特開昭61−159288号公報に
開示されている。)、Al又はAl合金板からなる被溶
接材a,bを抵抗溶接するにあたり、電極3,4と被溶
接材a,bとの間に、電極3,4より高電気伝導性のイ
ンサ−ト材c,dを挟んで加圧通電する方法が提案され
ている。この抵抗溶接法は、電極3,4よりも高電気伝
導性のインサ−ト材c,dの存在により、インサ−ト材
c,dと被溶接材a,bとの接触部の温度上昇を抑え
て、電極3,4からの入熱が過剰であっても被溶接材
a,bの板厚方向への溶け込みが表面まで到らないよう
にし、表面割れを生じさせることなく被溶接材a,b相
互を溶接できるようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電極の先端
を一回ドレッシングし、その後当該電極で連続して所定
の要求性能のスポット溶接部が得られる連続打点数をそ
の電極の電極寿命と言うが、この電極寿命の判定は次の
ような連続打点数によっている。第一は、ナゲット径、
又は溶接部の引っ張りせん断強度が規定値以下になるま
での連続打点数によるものであり、第二は、ピックアッ
プ(電極の先端に、当該電極と被溶接材との合金層が生
じ、この合金層が溶接部に転写されて外観が損なわれる
現象)が発生し始めるまでの連続打点数によるものであ
り、第三は、電極が被溶接材に溶着してとれなくなるま
での連続打点数によるものである。一般的には、前記第
一と第三の連続打点数による場合が多いので、この明細
書でいう電極寿命は、第一と第三の連続打点数によるこ
ととする。
を一回ドレッシングし、その後当該電極で連続して所定
の要求性能のスポット溶接部が得られる連続打点数をそ
の電極の電極寿命と言うが、この電極寿命の判定は次の
ような連続打点数によっている。第一は、ナゲット径、
又は溶接部の引っ張りせん断強度が規定値以下になるま
での連続打点数によるものであり、第二は、ピックアッ
プ(電極の先端に、当該電極と被溶接材との合金層が生
じ、この合金層が溶接部に転写されて外観が損なわれる
現象)が発生し始めるまでの連続打点数によるものであ
り、第三は、電極が被溶接材に溶着してとれなくなるま
での連続打点数によるものである。一般的には、前記第
一と第三の連続打点数による場合が多いので、この明細
書でいう電極寿命は、第一と第三の連続打点数によるこ
ととする。
【0007】前述のような連続打点数を基準とする場
合、自動車用ボディに使用する裸鋼板の組立ラインの抵
抗溶接における電極寿命は、およそ10000点程度で
ある。これに対し、亜鉛メッキした被覆鋼板の従来の抵
抗溶接法における電極寿命はおよそ3000ないし45
00点であり、裸鋼板相互の抵抗溶接と、亜鉛メッキし
た被覆鋼板相互の抵抗溶接とを交互に又は混合して行う
場合の電極寿命は、亜鉛メッキした被覆鋼板相互の抵抗
溶接の場合のほぼ半分以下である。そして、このような
電極寿命低下の問題を改善するために種々の方法が考慮
されているが、充分な成果を上げていないのが現状であ
る。したがって、亜鉛メッキ鋼板などの被覆鋼板の抵抗
溶接は、被覆されていない裸鋼板の抵抗溶接よりコスト
高になるため、特に自動車ボディ製造分野では大きな問
題となっていた。
合、自動車用ボディに使用する裸鋼板の組立ラインの抵
抗溶接における電極寿命は、およそ10000点程度で
ある。これに対し、亜鉛メッキした被覆鋼板の従来の抵
抗溶接法における電極寿命はおよそ3000ないし45
00点であり、裸鋼板相互の抵抗溶接と、亜鉛メッキし
た被覆鋼板相互の抵抗溶接とを交互に又は混合して行う
場合の電極寿命は、亜鉛メッキした被覆鋼板相互の抵抗
溶接の場合のほぼ半分以下である。そして、このような
電極寿命低下の問題を改善するために種々の方法が考慮
されているが、充分な成果を上げていないのが現状であ
る。したがって、亜鉛メッキ鋼板などの被覆鋼板の抵抗
溶接は、被覆されていない裸鋼板の抵抗溶接よりコスト
高になるため、特に自動車ボディ製造分野では大きな問
題となっていた。
【0008】また、特開昭61−159288号公報で
開示されている抵抗溶接法を被覆鋼板を含む鋼板相互の
溶接に採用すると、例えば電極にクロム銅を使用する場
合はインサ−ト材として純銅やAgなどの高価な材料を
使用しなければならないので、生産コストの低減に寄与
できないし、電極寿命を向上させることもできない。
開示されている抵抗溶接法を被覆鋼板を含む鋼板相互の
溶接に採用すると、例えば電極にクロム銅を使用する場
合はインサ−ト材として純銅やAgなどの高価な材料を
使用しなければならないので、生産コストの低減に寄与
できないし、電極寿命を向上させることもできない。
【0009】本発明は前述のような問題を改善するため
に提案されるもので、その目的は、鋼板の表面に鋼板よ
り電位的に卑な金属を被覆させたいわゆる被覆鋼板を含
む鋼板相互を抵抗溶接する場合に、電極寿命を向上する
ことができ、かつより安価なコストで溶接することがで
きる抵抗溶接法を提供することにある。
に提案されるもので、その目的は、鋼板の表面に鋼板よ
り電位的に卑な金属を被覆させたいわゆる被覆鋼板を含
む鋼板相互を抵抗溶接する場合に、電極寿命を向上する
ことができ、かつより安価なコストで溶接することがで
きる抵抗溶接法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る抵抗溶接法
は、前述の目的を達成するため、一方又は両方の鋼板
が、鋼板より電位的に卑な金属からなる被覆材を被覆し
た被覆鋼板である鋼板相互を抵抗溶接するにあたり、電
極と当該電極を押し付ける被覆鋼板の被覆材との間に、
当該電極又は当該被覆材よりも融点が高く、かつ通電性
を有する金属からなる箔状介在物を挟んで加圧,通電す
る構成を採用している。
は、前述の目的を達成するため、一方又は両方の鋼板
が、鋼板より電位的に卑な金属からなる被覆材を被覆し
た被覆鋼板である鋼板相互を抵抗溶接するにあたり、電
極と当該電極を押し付ける被覆鋼板の被覆材との間に、
当該電極又は当該被覆材よりも融点が高く、かつ通電性
を有する金属からなる箔状介在物を挟んで加圧,通電す
る構成を採用している。
【0011】すなわち、本発明方法は、鋼板相互の被溶
接部分の片面又は両面に当該鋼板の前述のような被覆材
が表れている場合に、当該被覆材と電極との間に前述の
ような箔状介在物を挟んで加圧通電することを特徴とす
るものである。したがって本発明方法は、両面に被覆材
を被覆した被覆鋼板相互を溶接する場合、片面に被覆材
を被覆した被覆鋼板相互を、被覆材が被溶接部分の片面
又は両面に表れる状態で溶接する場合、両面被覆鋼板と
裸鋼板とを溶接する場合、及び片面被覆鋼板と裸鋼板と
を、片面被覆鋼板の被覆材が被溶接部分の片面に表れる
状態で溶接する場合に適用される。このような各ケ−ス
のうち、鋼板相互の被溶接部分の一方の面に被覆材が表
れていないケ−スでは、当該一方の面においては前述の
ような箔状介在物を使用することを要しない。
接部分の片面又は両面に当該鋼板の前述のような被覆材
が表れている場合に、当該被覆材と電極との間に前述の
ような箔状介在物を挟んで加圧通電することを特徴とす
るものである。したがって本発明方法は、両面に被覆材
を被覆した被覆鋼板相互を溶接する場合、片面に被覆材
を被覆した被覆鋼板相互を、被覆材が被溶接部分の片面
又は両面に表れる状態で溶接する場合、両面被覆鋼板と
裸鋼板とを溶接する場合、及び片面被覆鋼板と裸鋼板と
を、片面被覆鋼板の被覆材が被溶接部分の片面に表れる
状態で溶接する場合に適用される。このような各ケ−ス
のうち、鋼板相互の被溶接部分の一方の面に被覆材が表
れていないケ−スでは、当該一方の面においては前述の
ような箔状介在物を使用することを要しない。
【0012】本発明に係る抵抗溶接法の他の一つは、被
覆されていない裸鋼板相互の抵抗溶接と、一方又は両方
の鋼板が、鋼板より電位的に卑な金属からなる被覆材を
被覆した被覆鋼板である鋼板相互の抵抗溶接とを、同一
の溶接機を使用して交互に又は混合して行うにあたり、
電極と当該電極を押し付ける被覆鋼板の被覆材との間
に、当該電極又は当該被覆材よりも融点が高く、かつ通
電性を有する金属からなる箔状介在物を挟んで加圧,通
電することことを特徴としている。
覆されていない裸鋼板相互の抵抗溶接と、一方又は両方
の鋼板が、鋼板より電位的に卑な金属からなる被覆材を
被覆した被覆鋼板である鋼板相互の抵抗溶接とを、同一
の溶接機を使用して交互に又は混合して行うにあたり、
電極と当該電極を押し付ける被覆鋼板の被覆材との間
に、当該電極又は当該被覆材よりも融点が高く、かつ通
電性を有する金属からなる箔状介在物を挟んで加圧,通
電することことを特徴としている。
【0013】本発明方法において、電極と被覆材との間
に挟まれる箔状介在物は、当該電極又は当該被覆材より
も高融点、すなわち、少なくとも当該電極又は当該被覆
材のうちの融点の低い一方よりも融点が高く、かつ通電
性を有する金属であればその材質は限定されない。例外
もあるが、電極より被覆材の方の融点が低いのがほとん
どであるから、多くの場合は被覆材よりも融点の高い導
電性の金属を選択すればよい。例えば、ZnやSnを被
覆した被覆鋼板を含む鋼板相互を溶接する場合の箔状介
在物には、銅、銀、鉄、ステンレス、チタン、ニッケル
などの箔、及びこれらの合金やこれらのラミネ−ト材を
好適に使用することができる。
に挟まれる箔状介在物は、当該電極又は当該被覆材より
も高融点、すなわち、少なくとも当該電極又は当該被覆
材のうちの融点の低い一方よりも融点が高く、かつ通電
性を有する金属であればその材質は限定されない。例外
もあるが、電極より被覆材の方の融点が低いのがほとん
どであるから、多くの場合は被覆材よりも融点の高い導
電性の金属を選択すればよい。例えば、ZnやSnを被
覆した被覆鋼板を含む鋼板相互を溶接する場合の箔状介
在物には、銅、銀、鉄、ステンレス、チタン、ニッケル
などの箔、及びこれらの合金やこれらのラミネ−ト材を
好適に使用することができる。
【0014】
【作用】本発明に係る抵抗溶接法によれば、鋼板相互が
電気抵抗で溶解し、箔状介在物が溶解しない程度の入熱
量が得られる範囲に溶接電流を設定すると、箔状介在物
を挟んでいる側の電極からの溶接電流は、通電性を有す
る箔状介在物及び被覆材を通じて鋼板に流れ、箔状介在
物を挟んでいない側の電極からの溶接電流は直接鋼板に
流れ、両方の鋼板のみが相互間の抵抗によって発熱溶解
し、鋼板相互の接触部分にナゲットが形成され、鋼板相
互が接合される。箔状介在物は、溶接後取り除かれる。
箔状介在物は、予め適切な大きさに裁断して溶接予定箇
所に配置しておくか、あるいは長いテ−プ状に形成して
巻いておき、溶接予定箇所へ連続して供給するように構
成する。以上のような工程を繰り返すことによって、全
てのナゲットの径及び圧痕表面が健全で、要求強度に沿
ったスポット溶接部が連続して得られる。
電気抵抗で溶解し、箔状介在物が溶解しない程度の入熱
量が得られる範囲に溶接電流を設定すると、箔状介在物
を挟んでいる側の電極からの溶接電流は、通電性を有す
る箔状介在物及び被覆材を通じて鋼板に流れ、箔状介在
物を挟んでいない側の電極からの溶接電流は直接鋼板に
流れ、両方の鋼板のみが相互間の抵抗によって発熱溶解
し、鋼板相互の接触部分にナゲットが形成され、鋼板相
互が接合される。箔状介在物は、溶接後取り除かれる。
箔状介在物は、予め適切な大きさに裁断して溶接予定箇
所に配置しておくか、あるいは長いテ−プ状に形成して
巻いておき、溶接予定箇所へ連続して供給するように構
成する。以上のような工程を繰り返すことによって、全
てのナゲットの径及び圧痕表面が健全で、要求強度に沿
ったスポット溶接部が連続して得られる。
【0015】鋼板の被覆材と電極の間に、前述のような
箔状介在物を介在させないで溶接した場合は、電極の一
回のドレッシング後連続打点数が増加(溶接条件によっ
て異なるが、およそ3000ないし4500打点)する
に伴い、電極と接する被覆材が溶解してその組織が拡散
し始めるとともに、電極の先端が溶解し始めて、両者の
組織が合金化し、要求される強度の溶接ができなくな
る。しかしながら本発明方法によれば、前述の箔状介在
物によって被覆材及び電極の溶解・合金化が阻止され、
電極の連続打点数、すなわち電極寿命は飛躍的に向上す
る。したがって、鋼板の抵抗溶接のコストも低下する。
箔状介在物を介在させないで溶接した場合は、電極の一
回のドレッシング後連続打点数が増加(溶接条件によっ
て異なるが、およそ3000ないし4500打点)する
に伴い、電極と接する被覆材が溶解してその組織が拡散
し始めるとともに、電極の先端が溶解し始めて、両者の
組織が合金化し、要求される強度の溶接ができなくな
る。しかしながら本発明方法によれば、前述の箔状介在
物によって被覆材及び電極の溶解・合金化が阻止され、
電極の連続打点数、すなわち電極寿命は飛躍的に向上す
る。したがって、鋼板の抵抗溶接のコストも低下する。
【0016】
【実施例1】図1は、本発明の一実施例により被覆鋼板
相互を抵抗溶接している状態の装置の部分断面図であ
る。圧延された鋼板10,20の両面に、純亜鉛の被覆
材11,12及び21,22をそれぞれメッキした被覆
鋼板1,2の被溶接部分を重ね、この被溶接部分に、被
覆材11,21よりも高融点の金属からなる箔状介在物
13,23を介し、先端をドレッシングした電極3,4
を接触させ、冷却水の配管30,40から導入管31,
41を経て電極3,4の冷却穴(9mm径)32,42に
冷却水を供給しながら、電極3,4によって被覆鋼板
1,2に圧力を加えた状態で通電する。このように加圧
通電することにより、被覆鋼板1,2相互の加圧接触部
分にナゲット5が形成され、被覆鋼板1,2が溶接され
る。
相互を抵抗溶接している状態の装置の部分断面図であ
る。圧延された鋼板10,20の両面に、純亜鉛の被覆
材11,12及び21,22をそれぞれメッキした被覆
鋼板1,2の被溶接部分を重ね、この被溶接部分に、被
覆材11,21よりも高融点の金属からなる箔状介在物
13,23を介し、先端をドレッシングした電極3,4
を接触させ、冷却水の配管30,40から導入管31,
41を経て電極3,4の冷却穴(9mm径)32,42に
冷却水を供給しながら、電極3,4によって被覆鋼板
1,2に圧力を加えた状態で通電する。このように加圧
通電することにより、被覆鋼板1,2相互の加圧接触部
分にナゲット5が形成され、被覆鋼板1,2が溶接され
る。
【0017】いずれも本発明方法の条件に適合する10
種類の箔状介在物(表1参照)13,23を用意し、図
1の溶接装置を使用して、次の仕様及び条件で被覆鋼板
1,2の抵抗溶接を行った。 〔被覆鋼板1、2〕厚み1mmの圧延鋼板に純亜鉛を45
g/m2 メッキしたものを、入荷したままの表面状態で
幅30mm,長さ200mmにカットして多数の試験片を作
成し、この試験片を重ねて使用。 〔電極3,4〕JIS Z 3234の第2種に相当す
るクロム−銅合金で、外径16mm、先端がR=150m
m。先端を#1000のエミリ−紙でドレッシングし
た。 〔電極冷却水〕20℃、4〔l〕/分。 〔溶接機〕単相交流溶接機。 〔溶接条件〕溶接電流8000A、電極加圧力1960
N、通電時間10サイクル。 〔溶接要領〕各試験片に対し、2秒/1点,30mmピッ
チで5点溶接する要領で、連続12000点溶接。箔状
介在物13,23の電極3,4と被覆鋼板1,2とで挟
まれる部分は、各スポットごとに更新。 〔電極寿命の限界ナゲット径〕JIS Z 3140の
A級の最小ナゲット径(4mm)。 〔ナゲット径の測定〕溶接後、図6のようなピ−ル試験
治具6で一方の被覆鋼板1を他方の被覆鋼板2から剥
し、ナゲット5の径(〔長径+短形〕/2)を測定し
た。
種類の箔状介在物(表1参照)13,23を用意し、図
1の溶接装置を使用して、次の仕様及び条件で被覆鋼板
1,2の抵抗溶接を行った。 〔被覆鋼板1、2〕厚み1mmの圧延鋼板に純亜鉛を45
g/m2 メッキしたものを、入荷したままの表面状態で
幅30mm,長さ200mmにカットして多数の試験片を作
成し、この試験片を重ねて使用。 〔電極3,4〕JIS Z 3234の第2種に相当す
るクロム−銅合金で、外径16mm、先端がR=150m
m。先端を#1000のエミリ−紙でドレッシングし
た。 〔電極冷却水〕20℃、4〔l〕/分。 〔溶接機〕単相交流溶接機。 〔溶接条件〕溶接電流8000A、電極加圧力1960
N、通電時間10サイクル。 〔溶接要領〕各試験片に対し、2秒/1点,30mmピッ
チで5点溶接する要領で、連続12000点溶接。箔状
介在物13,23の電極3,4と被覆鋼板1,2とで挟
まれる部分は、各スポットごとに更新。 〔電極寿命の限界ナゲット径〕JIS Z 3140の
A級の最小ナゲット径(4mm)。 〔ナゲット径の測定〕溶接後、図6のようなピ−ル試験
治具6で一方の被覆鋼板1を他方の被覆鋼板2から剥
し、ナゲット5の径(〔長径+短形〕/2)を測定し
た。
【0018】比較例として同様な被覆鋼板の試験片を使
用し、前記実施例の箔状介在物13,23に代えてZ
n,Pb,Snの箔からなる介在物を使用し、前記実施
例と同じ仕様及び条件で溶接するとともに、従来方法と
して同様な被覆鋼板の試験片を使用し、箔状介在物1
3,23を使用しないで、前記実施例と同じ仕様及び条
件で溶接し、これらの比較例及び従来例と前記実施例1
の方法による抵抗溶接例とを比較すると、表1のとうり
であった。
用し、前記実施例の箔状介在物13,23に代えてZ
n,Pb,Snの箔からなる介在物を使用し、前記実施
例と同じ仕様及び条件で溶接するとともに、従来方法と
して同様な被覆鋼板の試験片を使用し、箔状介在物1
3,23を使用しないで、前記実施例と同じ仕様及び条
件で溶接し、これらの比較例及び従来例と前記実施例1
の方法による抵抗溶接例とを比較すると、表1のとうり
であった。
【0019】
【表1】
【0020】前述の本発明実施例の抵抗溶接法による1
2000点溶接後、感圧紙を使用して電極先端の状態を
調べたが、電極の先端は溶接前とほとんど変わらず、表
1のように、箔状介在物を使用した本発明実施例の抵抗
溶接法によれば、電極寿命はいずれの場合も12000
点以上であり、ナゲット径はすべて4mm以上でいずれの
圧痕表面も健全であった。なおこの実施例では、スポッ
ト溶接を12000点までで中止したので、電極寿命が
最大限どの程度まで達するか確認できなかったが、溶接
後の電極先端の状態では、12000点を少なくとも数
千点超える値まで達成できるものと見込まれる。
2000点溶接後、感圧紙を使用して電極先端の状態を
調べたが、電極の先端は溶接前とほとんど変わらず、表
1のように、箔状介在物を使用した本発明実施例の抵抗
溶接法によれば、電極寿命はいずれの場合も12000
点以上であり、ナゲット径はすべて4mm以上でいずれの
圧痕表面も健全であった。なおこの実施例では、スポッ
ト溶接を12000点までで中止したので、電極寿命が
最大限どの程度まで達するか確認できなかったが、溶接
後の電極先端の状態では、12000点を少なくとも数
千点超える値まで達成できるものと見込まれる。
【0021】これに対し、前述のような箔状介在物を使
用しない従来の抵抗溶接法による溶接では、電極寿命は
表1のように4470点であり、250打点を超えると
電極の先端形状は中心部が凹み始め(被覆材の組織の拡
散と電極の組織との合金化)、その後打点数が多くなる
にしたがって電極の先端径が大きくなり、ナゲット径は
4mm以下になった。また、介在物としてクロム銅(電極
3,4)及び純亜鉛(被覆材)より融点が低い物質を使
用した比較例の場合は、電極寿命が55点ないし64点
であり、介在物が開始後間もなく被覆材と溶着し始めて
溶接不能になった。
用しない従来の抵抗溶接法による溶接では、電極寿命は
表1のように4470点であり、250打点を超えると
電極の先端形状は中心部が凹み始め(被覆材の組織の拡
散と電極の組織との合金化)、その後打点数が多くなる
にしたがって電極の先端径が大きくなり、ナゲット径は
4mm以下になった。また、介在物としてクロム銅(電極
3,4)及び純亜鉛(被覆材)より融点が低い物質を使
用した比較例の場合は、電極寿命が55点ないし64点
であり、介在物が開始後間もなく被覆材と溶着し始めて
溶接不能になった。
【0022】
【実施例2】図2及び図3は、本発明の他の実施例によ
り鋼板相互を抵抗溶接している状態の装置の部分断面図
である。図2のように、圧延された鋼板10,20の両
面に、Zn−Fe合金の被覆材11,12及び21,2
2をそれぞれメッキした被覆鋼板1,2の被溶接部分を
重ね、この被溶接部分に、被覆材11,21よりも高融
点の金属からなる箔状介在物13,23を介し、先端を
ドレッシングした電極3,4を接触させ、冷却水の配管
30,40から導入管31,41を経て電極3,4の冷
却穴(9mm径)32,42に冷却水を供給しながら、電
極3,4によって被覆鋼板1,2に圧力を加えた状態で
通電し、被覆鋼板1,2相互の加圧接触部分にナゲット
5を形成して、被覆鋼板1,2をスポット溶接する。同
じ要領で、被覆鋼板1,2を所定のピッチで20点溶接
する。
り鋼板相互を抵抗溶接している状態の装置の部分断面図
である。図2のように、圧延された鋼板10,20の両
面に、Zn−Fe合金の被覆材11,12及び21,2
2をそれぞれメッキした被覆鋼板1,2の被溶接部分を
重ね、この被溶接部分に、被覆材11,21よりも高融
点の金属からなる箔状介在物13,23を介し、先端を
ドレッシングした電極3,4を接触させ、冷却水の配管
30,40から導入管31,41を経て電極3,4の冷
却穴(9mm径)32,42に冷却水を供給しながら、電
極3,4によって被覆鋼板1,2に圧力を加えた状態で
通電し、被覆鋼板1,2相互の加圧接触部分にナゲット
5を形成して、被覆鋼板1,2をスポット溶接する。同
じ要領で、被覆鋼板1,2を所定のピッチで20点溶接
する。
【0023】次いで図3のように、図2で使用したもの
と同じ電極3,4を使用し、被覆材を被覆していない裸
の鋼板10,20の被溶接部分を重ね、この被溶接部分
に、箔状介在物13,23を介して電極3,4を接触さ
せ、同様な要領で鋼板10,20を所定のピッチで20
点溶接する。このようにして、図2で説明した抵抗溶接
と図3で説明した抵抗溶接を交互に繰り返す。この実施
例の箔状介在物13,23は長くテ−プ状に巻かれてい
て、溶接位置に順次繰り出されるようになっているの
で、図2の被覆鋼板1,2の溶接から図3の裸の鋼板1
0,20の溶接に移行したときも、箔状介在物13,2
3はそのまま繰り出されるようにしている。
と同じ電極3,4を使用し、被覆材を被覆していない裸
の鋼板10,20の被溶接部分を重ね、この被溶接部分
に、箔状介在物13,23を介して電極3,4を接触さ
せ、同様な要領で鋼板10,20を所定のピッチで20
点溶接する。このようにして、図2で説明した抵抗溶接
と図3で説明した抵抗溶接を交互に繰り返す。この実施
例の箔状介在物13,23は長くテ−プ状に巻かれてい
て、溶接位置に順次繰り出されるようになっているの
で、図2の被覆鋼板1,2の溶接から図3の裸の鋼板1
0,20の溶接に移行したときも、箔状介在物13,2
3はそのまま繰り出されるようにしている。
【0024】いずれも本発明方法の条件に適合する10
種類の箔状介在物(表2参照)13,23を用意し、同
じ溶接機を使用して、次の仕様及び条件で被覆鋼板1,
2及び裸の鋼板10,20の抵抗溶接を交互に行った。 〔被覆鋼板1、2〕厚み1mmの圧延鋼板に、Zn−15
重量%Fe合金を60g/m2 電気メッキしたものを、
入荷状態の表面のまま幅30mm,長さ200mmにカット
した多数の試験片を作成し、これらの試験片を重ねて使
用。 〔裸の鋼板10,11〕厚み1mmのSPCC鋼板を幅3
0mm,長さ200mmにカットした多数の試験片を作成
し、これらの試験片を重ねて使用。 〔電極3,4〕JIS Z 3232の第2種に相当す
るクロム−ジルコニウム−銅合金製で、外径16mm、先
端形状ド−ム形のものを使用し、先端を#1000のエ
ミリ−紙でドレッシングした。 〔電極冷却水〕20℃、4〔l〕/分。 〔溶接機〕単相整流式抵抗溶接機。 〔溶接条件〕溶接電流8000A、電極加圧力1960
N、通電時間10サイクル。 〔溶接要領〕被覆鋼板を重ねた試験片を2秒/1点,3
0mmピッチで5点溶接する要領で、連続20点溶接→4
0秒休止→裸の鋼板を重ねた試験片を2秒/1点,30
mmピッチで5点溶接する要領で、連続20点溶接→40
秒休止を、1サイクルとし、このサイクルを繰り返して
合計12000点溶接。 〔電極寿命の限界ナゲット径〕JIS Z 3140の
A級の最小ナゲット径(4mm)。 〔ナゲット径の測定〕溶接後、ピ−ル試験治具で一方の
被覆鋼板1を他方の被覆鋼板2から剥し、ナゲット5の
径(〔長径+短形〕/2)を測定した。鋼板10,20
についても同様にナゲット径を測定した。
種類の箔状介在物(表2参照)13,23を用意し、同
じ溶接機を使用して、次の仕様及び条件で被覆鋼板1,
2及び裸の鋼板10,20の抵抗溶接を交互に行った。 〔被覆鋼板1、2〕厚み1mmの圧延鋼板に、Zn−15
重量%Fe合金を60g/m2 電気メッキしたものを、
入荷状態の表面のまま幅30mm,長さ200mmにカット
した多数の試験片を作成し、これらの試験片を重ねて使
用。 〔裸の鋼板10,11〕厚み1mmのSPCC鋼板を幅3
0mm,長さ200mmにカットした多数の試験片を作成
し、これらの試験片を重ねて使用。 〔電極3,4〕JIS Z 3232の第2種に相当す
るクロム−ジルコニウム−銅合金製で、外径16mm、先
端形状ド−ム形のものを使用し、先端を#1000のエ
ミリ−紙でドレッシングした。 〔電極冷却水〕20℃、4〔l〕/分。 〔溶接機〕単相整流式抵抗溶接機。 〔溶接条件〕溶接電流8000A、電極加圧力1960
N、通電時間10サイクル。 〔溶接要領〕被覆鋼板を重ねた試験片を2秒/1点,3
0mmピッチで5点溶接する要領で、連続20点溶接→4
0秒休止→裸の鋼板を重ねた試験片を2秒/1点,30
mmピッチで5点溶接する要領で、連続20点溶接→40
秒休止を、1サイクルとし、このサイクルを繰り返して
合計12000点溶接。 〔電極寿命の限界ナゲット径〕JIS Z 3140の
A級の最小ナゲット径(4mm)。 〔ナゲット径の測定〕溶接後、ピ−ル試験治具で一方の
被覆鋼板1を他方の被覆鋼板2から剥し、ナゲット5の
径(〔長径+短形〕/2)を測定した。鋼板10,20
についても同様にナゲット径を測定した。
【0025】比較例として同様な被覆鋼板及び裸鋼板の
試験片を使用し、前記実施例の箔状介在物13,23に
代えてZn,Pb,Snの箔からなる介在物を使用し、
前記実施例と同じ仕様及び条件で溶接するとともに、従
来方法として同様な被覆鋼板及び裸鋼板のの試験片を使
用し、箔状介在物13,23を使用しないで、前記実施
例と同じ仕様及び条件で抵抗溶接し、これらの比較例及
び従来例と前記実施例の方法による抵抗溶接例とを比較
すると、表2のとうりであった。
試験片を使用し、前記実施例の箔状介在物13,23に
代えてZn,Pb,Snの箔からなる介在物を使用し、
前記実施例と同じ仕様及び条件で溶接するとともに、従
来方法として同様な被覆鋼板及び裸鋼板のの試験片を使
用し、箔状介在物13,23を使用しないで、前記実施
例と同じ仕様及び条件で抵抗溶接し、これらの比較例及
び従来例と前記実施例の方法による抵抗溶接例とを比較
すると、表2のとうりであった。
【0026】
【表2】
【0027】実施例2の抵抗溶接法による12000点
溶接後、実施例1の場合と同様に電極先端の状態を調べ
たが、電極の先端は溶接前とほとんど変わらず、表2の
ように、箔状介在物を使用した本発明実施例2の抵抗溶
接法によれば、電極寿命はいずれの場合も12000点
以上であり、ナゲット径はすべて4mm以上でいずれの圧
痕表面も健全であった。この実施例でも、実施例1の場
合と同様にスポット溶接を12000点までで中止した
ので、電極寿命が最大限どの程度まで達するか確認でき
なかったが、溶接後の電極先端の状態では、12000
点を少なくとも数千点超える値まで達成できるものと見
込まれる。
溶接後、実施例1の場合と同様に電極先端の状態を調べ
たが、電極の先端は溶接前とほとんど変わらず、表2の
ように、箔状介在物を使用した本発明実施例2の抵抗溶
接法によれば、電極寿命はいずれの場合も12000点
以上であり、ナゲット径はすべて4mm以上でいずれの圧
痕表面も健全であった。この実施例でも、実施例1の場
合と同様にスポット溶接を12000点までで中止した
ので、電極寿命が最大限どの程度まで達するか確認でき
なかったが、溶接後の電極先端の状態では、12000
点を少なくとも数千点超える値まで達成できるものと見
込まれる。
【0028】これに対し、前述のような箔状介在物を使
用しない従来の抵抗溶接法による溶接では、電極寿命は
表2のように1260点であり、150打点を超えると
電極の先端形状は中心部が凹み始め、その後打点数が多
くなるにしたがって電極の先端径が大きくなり、ナゲッ
ト径は4mm以下になった。また、介在物としてクロム−
ジルコニウム−銅合金(電極3,4)及びZn−15重
量%Fe合金(被覆材)より融点が低い物質を使用した
比較例の場合は、電極寿命が15点ないし33点であ
り、介在物が溶接開始後間もなく被覆材と溶着し始めて
溶接不能になった。
用しない従来の抵抗溶接法による溶接では、電極寿命は
表2のように1260点であり、150打点を超えると
電極の先端形状は中心部が凹み始め、その後打点数が多
くなるにしたがって電極の先端径が大きくなり、ナゲッ
ト径は4mm以下になった。また、介在物としてクロム−
ジルコニウム−銅合金(電極3,4)及びZn−15重
量%Fe合金(被覆材)より融点が低い物質を使用した
比較例の場合は、電極寿命が15点ないし33点であ
り、介在物が溶接開始後間もなく被覆材と溶着し始めて
溶接不能になった。
【0029】
【実施例3】図4は、本発明の他の実施例により被覆鋼
板相互を抵抗溶接している状態の装置の部分断面図であ
る。圧延された鋼板10,20の片面に、Zn−10重
量%Ni合金の被覆材11及び21をそれぞれメッキし
た被覆鋼板1,2の被溶接部分を、前記被覆材11,2
1が表面に表れる状態に重ね、この被溶接部分に、被覆
材11,21よりも高融点の金属からなる箔状介在物1
3,23を介し、先端をドレッシングした電極3,4を
接触させ、冷却水の配管30,40から導入管31,4
1を経て電極3,4の冷却穴(9mm径)32,42に冷
却水を供給しながら、電極3,4により被覆鋼板1,2
に圧力を加えた状態で通電することによって、被覆鋼板
1,2相互の加圧接触部分にナゲット5を形成し、被覆
鋼板1,2を溶接する。
板相互を抵抗溶接している状態の装置の部分断面図であ
る。圧延された鋼板10,20の片面に、Zn−10重
量%Ni合金の被覆材11及び21をそれぞれメッキし
た被覆鋼板1,2の被溶接部分を、前記被覆材11,2
1が表面に表れる状態に重ね、この被溶接部分に、被覆
材11,21よりも高融点の金属からなる箔状介在物1
3,23を介し、先端をドレッシングした電極3,4を
接触させ、冷却水の配管30,40から導入管31,4
1を経て電極3,4の冷却穴(9mm径)32,42に冷
却水を供給しながら、電極3,4により被覆鋼板1,2
に圧力を加えた状態で通電することによって、被覆鋼板
1,2相互の加圧接触部分にナゲット5を形成し、被覆
鋼板1,2を溶接する。
【0030】いずれも本発明方法の条件に適合する10
種類の箔状介在物(表3参照)13,23を用意し、図
4で説明した抵抗溶接法により、次の仕様及び条件で被
覆鋼板1,2の抵抗溶接を行った。 〔被覆鋼板1、2〕厚み1mmの圧延鋼板の片面にZn−
10重量%Ni合金を20g/m2 電気メッキしたもの
を、入荷したままの表面状態で幅30mm,長さ200mm
にカットして多数の試験片を作成し、この試験片を重ね
て使用。 〔電極3,4〕JIS Z 3234の第2種に相当す
るクロム−銅合金で、外径16mm、先端が円錐台状のも
の。先端を#1000のエミリ−紙でドレッシングし
た。 〔電極冷却水〕20℃、4〔l〕/分。 〔溶接機〕単相交流溶接機。 〔溶接条件〕溶接電流8000A、電極加圧力1960
N、通電時間10サイクル。 〔溶接要領〕各試験片に対し、2秒/1点,30mmピッ
チで5点溶接する要領で、連続12000点溶接。箔状
介在物13,23の電極3,4と被覆材11,21とで
挟まれる部分は、各スポットごとに更新。 〔電極寿命の限界ナゲット径〕JIS Z 3140の
A級の最小ナゲット径(4mm)。 〔ナゲット径の測定〕溶接後、実施例1と同様にピ−ル
試験治具で一方の被覆鋼板1を他方の被覆鋼板2から剥
し、ナゲット5の径(〔長径+短形〕/2)を測定し
た。
種類の箔状介在物(表3参照)13,23を用意し、図
4で説明した抵抗溶接法により、次の仕様及び条件で被
覆鋼板1,2の抵抗溶接を行った。 〔被覆鋼板1、2〕厚み1mmの圧延鋼板の片面にZn−
10重量%Ni合金を20g/m2 電気メッキしたもの
を、入荷したままの表面状態で幅30mm,長さ200mm
にカットして多数の試験片を作成し、この試験片を重ね
て使用。 〔電極3,4〕JIS Z 3234の第2種に相当す
るクロム−銅合金で、外径16mm、先端が円錐台状のも
の。先端を#1000のエミリ−紙でドレッシングし
た。 〔電極冷却水〕20℃、4〔l〕/分。 〔溶接機〕単相交流溶接機。 〔溶接条件〕溶接電流8000A、電極加圧力1960
N、通電時間10サイクル。 〔溶接要領〕各試験片に対し、2秒/1点,30mmピッ
チで5点溶接する要領で、連続12000点溶接。箔状
介在物13,23の電極3,4と被覆材11,21とで
挟まれる部分は、各スポットごとに更新。 〔電極寿命の限界ナゲット径〕JIS Z 3140の
A級の最小ナゲット径(4mm)。 〔ナゲット径の測定〕溶接後、実施例1と同様にピ−ル
試験治具で一方の被覆鋼板1を他方の被覆鋼板2から剥
し、ナゲット5の径(〔長径+短形〕/2)を測定し
た。
【0031】比較例として同様な被覆鋼板の試験片を使
用し、前記実施例の箔状介在物13,23に代えて、ク
ロム−銅合金及びZn−Ni合金より融点の低いZn,
Pb,Snの箔からなる介在物を使用し、前記実施例と
同じ仕様及び条件で溶接するとともに、従来方法として
同様な被覆鋼板の試験片を使用し、箔状介在物13,2
3を使用しないで、前記実施例3と同じ仕様及び条件で
溶接し、これらの比較例及び従来例と前記実施例3の方
法による抵抗溶接例とを比較すると、表3のとうりであ
った。
用し、前記実施例の箔状介在物13,23に代えて、ク
ロム−銅合金及びZn−Ni合金より融点の低いZn,
Pb,Snの箔からなる介在物を使用し、前記実施例と
同じ仕様及び条件で溶接するとともに、従来方法として
同様な被覆鋼板の試験片を使用し、箔状介在物13,2
3を使用しないで、前記実施例3と同じ仕様及び条件で
溶接し、これらの比較例及び従来例と前記実施例3の方
法による抵抗溶接例とを比較すると、表3のとうりであ
った。
【0032】
【表3】
【0033】前述の本発明実施例3の抵抗溶接法による
連続12000点溶接後、実施例1の場合と同様に電極
先端の状態を調べたが、電極の先端は溶接前とほとんど
変わらず、表3のように、箔状介在物を使用した本発明
実施例3の抵抗溶接法によれば、電極寿命はいずれの場
合も12000点以上であり、ナゲット径はすべて4mm
以上でいずれの圧痕表面も健全であった。この実施例3
でも、スポット溶接を12000点までで中止したの
で、電極寿命が最大限どの程度まで達するか確認できな
かったが、溶接後の電極先端の状態では、12000点
を少なくとも数千点超える値まで達成できるものと見込
まれる。
連続12000点溶接後、実施例1の場合と同様に電極
先端の状態を調べたが、電極の先端は溶接前とほとんど
変わらず、表3のように、箔状介在物を使用した本発明
実施例3の抵抗溶接法によれば、電極寿命はいずれの場
合も12000点以上であり、ナゲット径はすべて4mm
以上でいずれの圧痕表面も健全であった。この実施例3
でも、スポット溶接を12000点までで中止したの
で、電極寿命が最大限どの程度まで達するか確認できな
かったが、溶接後の電極先端の状態では、12000点
を少なくとも数千点超える値まで達成できるものと見込
まれる。
【0034】これに対し、前述のような箔状介在物を使
用しない従来の抵抗溶接法による溶接では、電極寿命は
表3のように4683点であり、200打点を超えると
電極の先端形状は中心部が凹み始め、その後打点数が多
くなるにしたがって電極の先端径が大きくなり、ナゲッ
ト径は4mm以下になった。また、介在物としてクロム銅
及びZn−Ni合金より融点が低い物質を使用した比較
例の場合は、電極寿命が48点ないし65点であり、介
在物が溶接開始後間もなく被覆材と溶着し始めて溶接不
能になった。
用しない従来の抵抗溶接法による溶接では、電極寿命は
表3のように4683点であり、200打点を超えると
電極の先端形状は中心部が凹み始め、その後打点数が多
くなるにしたがって電極の先端径が大きくなり、ナゲッ
ト径は4mm以下になった。また、介在物としてクロム銅
及びZn−Ni合金より融点が低い物質を使用した比較
例の場合は、電極寿命が48点ないし65点であり、介
在物が溶接開始後間もなく被覆材と溶着し始めて溶接不
能になった。
【0035】
【実施例4】10種類の箔状介在物(表4参照)を用意
し、次の仕様及び条件で被覆鋼板相互の抵抗溶接を行っ
た。 〔被覆鋼板〕厚み1mmの圧延鋼板の片面に100μmの
Zn(被覆材)をア−ク容射法によって被覆したもの
を、入荷したままの表面状態で幅30mm,長さ200mm
にカットして多数の試験片を作成し、この試験片を被覆
材が両面に表れる状態に重ねて使用。 〔電極〕JIS Z 3234の第2種に相当するクロ
ム−銅合金で、外径16mm、図2のように先端ド−ム形
のもの。先端を#1000のエミリ−紙でドレッシング
した。 〔電極冷却水〕20℃、4〔l〕/分。 〔溶接機〕単相整流式抵抗溶接機。 〔溶接条件〕溶接電流8000A、電極加圧力1960
N、通電時間10サイクル。 〔溶接要領〕各試験片に対し、2秒/1点,30mmピッ
チで5点溶接する要領で、連続12000点溶接。箔状
介在物の電極と被覆材とで挟まれる部分は、各スポット
ごとに更新。 〔電極寿命の限界ナゲット径〕JIS Z 3140の
A級の最小ナゲット径(4mm)。 〔ナゲット径の測定〕溶接後、実施例1と同様にピ−ル
試験治具で一方の被覆鋼板を他方の被覆鋼板から剥し、
ナゲット径(〔長径+短形〕/2)を測定した。
し、次の仕様及び条件で被覆鋼板相互の抵抗溶接を行っ
た。 〔被覆鋼板〕厚み1mmの圧延鋼板の片面に100μmの
Zn(被覆材)をア−ク容射法によって被覆したもの
を、入荷したままの表面状態で幅30mm,長さ200mm
にカットして多数の試験片を作成し、この試験片を被覆
材が両面に表れる状態に重ねて使用。 〔電極〕JIS Z 3234の第2種に相当するクロ
ム−銅合金で、外径16mm、図2のように先端ド−ム形
のもの。先端を#1000のエミリ−紙でドレッシング
した。 〔電極冷却水〕20℃、4〔l〕/分。 〔溶接機〕単相整流式抵抗溶接機。 〔溶接条件〕溶接電流8000A、電極加圧力1960
N、通電時間10サイクル。 〔溶接要領〕各試験片に対し、2秒/1点,30mmピッ
チで5点溶接する要領で、連続12000点溶接。箔状
介在物の電極と被覆材とで挟まれる部分は、各スポット
ごとに更新。 〔電極寿命の限界ナゲット径〕JIS Z 3140の
A級の最小ナゲット径(4mm)。 〔ナゲット径の測定〕溶接後、実施例1と同様にピ−ル
試験治具で一方の被覆鋼板を他方の被覆鋼板から剥し、
ナゲット径(〔長径+短形〕/2)を測定した。
【0036】比較例として同様な被覆鋼板の試験片を使
用し、箔状介在物に代えて、クロム−銅合金及びZnよ
り融点の低いZn,Pb,Snの箔からなる介在物を使
用し、前記実施例と同じ仕様及び条件で溶接するととも
に、従来方法として同様な被覆鋼板の試験片を使用し、
箔状介在物を使用しないで、前記実施例4と同じ仕様及
び条件で溶接し、これらの比較例及び従来例と前記実施
例4の方法による抵抗溶接例とを比較したところ、表4
のとうりであった。
用し、箔状介在物に代えて、クロム−銅合金及びZnよ
り融点の低いZn,Pb,Snの箔からなる介在物を使
用し、前記実施例と同じ仕様及び条件で溶接するととも
に、従来方法として同様な被覆鋼板の試験片を使用し、
箔状介在物を使用しないで、前記実施例4と同じ仕様及
び条件で溶接し、これらの比較例及び従来例と前記実施
例4の方法による抵抗溶接例とを比較したところ、表4
のとうりであった。
【0037】
【表4】
【0038】前述の本発明実施例4の抵抗溶接法による
連続12000点溶接後、実施例1の場合と同様に電極
先端の状態を調べたが、電極の先端は溶接前とほとんど
変わらず、表4のように、箔状介在物を使用した本発明
実施例3の抵抗溶接法によれば、電極寿命はいずれの場
合も12000点以上であり、ナゲット径はすべて4mm
以上でいずれの圧痕表面も健全であった。この実施例4
でも、スポット溶接を12000点までで中止したの
で、電極寿命が最大限どの程度まで達するか確認できな
かったが、溶接後の電極先端の状態では、12000点
を少なくとも数千点超える値まで達成できるものと見込
まれる。
連続12000点溶接後、実施例1の場合と同様に電極
先端の状態を調べたが、電極の先端は溶接前とほとんど
変わらず、表4のように、箔状介在物を使用した本発明
実施例3の抵抗溶接法によれば、電極寿命はいずれの場
合も12000点以上であり、ナゲット径はすべて4mm
以上でいずれの圧痕表面も健全であった。この実施例4
でも、スポット溶接を12000点までで中止したの
で、電極寿命が最大限どの程度まで達するか確認できな
かったが、溶接後の電極先端の状態では、12000点
を少なくとも数千点超える値まで達成できるものと見込
まれる。
【0039】これに対し、前述のような箔状介在物を使
用しない従来の抵抗溶接法による溶接では、電極寿命は
表4のように3533点であり、250打点を超えると
電極の先端形状は中心部が凹み始め、その後打点数が多
くなるにしたがって電極の先端径が大きくなり、ナゲッ
ト径は4mm以下になった。また、介在物としてクロム−
銅合金及びZnより融点が低い物質を使用した比較例の
場合は、電極寿命が43点ないし58点であり、介在物
が溶接開始後間もなく被覆材と溶着し始めて溶接不能に
なった。
用しない従来の抵抗溶接法による溶接では、電極寿命は
表4のように3533点であり、250打点を超えると
電極の先端形状は中心部が凹み始め、その後打点数が多
くなるにしたがって電極の先端径が大きくなり、ナゲッ
ト径は4mm以下になった。また、介在物としてクロム−
銅合金及びZnより融点が低い物質を使用した比較例の
場合は、電極寿命が43点ないし58点であり、介在物
が溶接開始後間もなく被覆材と溶着し始めて溶接不能に
なった。
【0040】
【実施例5】図5は、本発明のさらに他の実施例により
被覆鋼板相互を抵抗溶接している状態の装置の部分断面
図である。圧延された鋼板10,20の片面に、Zn−
15重量%Fe合金の被覆材11及び22をそれぞれメ
ッキした被覆鋼板1,2の被溶接部分を、一方の被覆鋼
板1の被覆材11のみが表面に表れる状態に重ね、この
被溶接部分に、被覆鋼板1の側には、被覆材11よりも
高融点の金属からなる箔状介在物13を介してドレッシ
ング後の電極3を接触させ、被覆鋼板2の側にはドレッ
シング後の電極4を直接接触させ、冷却水の配管30,
40から導入管31,41を経て電極3,4の冷却穴
(9mm径)32,42に冷却水を供給しながら、電極
3,4により被覆鋼板1,2に圧力を加えた状態で通電
することによって、被覆鋼板1,2相互の加圧接触部分
にナゲット5を形成し、被覆鋼板1,2を溶接する。
被覆鋼板相互を抵抗溶接している状態の装置の部分断面
図である。圧延された鋼板10,20の片面に、Zn−
15重量%Fe合金の被覆材11及び22をそれぞれメ
ッキした被覆鋼板1,2の被溶接部分を、一方の被覆鋼
板1の被覆材11のみが表面に表れる状態に重ね、この
被溶接部分に、被覆鋼板1の側には、被覆材11よりも
高融点の金属からなる箔状介在物13を介してドレッシ
ング後の電極3を接触させ、被覆鋼板2の側にはドレッ
シング後の電極4を直接接触させ、冷却水の配管30,
40から導入管31,41を経て電極3,4の冷却穴
(9mm径)32,42に冷却水を供給しながら、電極
3,4により被覆鋼板1,2に圧力を加えた状態で通電
することによって、被覆鋼板1,2相互の加圧接触部分
にナゲット5を形成し、被覆鋼板1,2を溶接する。
【0041】いずれも本発明方法の条件に適合する10
種類の箔状介在物(表5参照)13を用意し、図5で説
明した抵抗溶接法により、次の仕様及び条件で被覆鋼板
1,2の抵抗溶接を行った。 〔被覆鋼板1、2〕厚み1mmの圧延鋼板の片面にZn−
15重量%Fe合金を60g/m2 電気メッキしたもの
を、入荷したままの表面状態で幅30mm,長さ200mm
にカットして多数の試験片を作成し、この試験片を図5
のように重ねて使用。 〔電極3,4〕JIS Z 3234の第2種に相当す
るクロム−銅合金で、外径16mm、先端がド−ム形のも
の。先端を#1000のエミリ−紙でドレッシングし
た。 〔電極冷却水〕20℃、4〔l〕/分。 〔溶接機〕単相整流式抵抗溶接機。 〔溶接条件〕溶接電流8000A、電極加圧力1960
N、通電時間10サイクル。 〔溶接要領〕各試験片に対し、2秒/1点,30mmピッ
チで5点溶接する要領で、連続12000点溶接。箔状
介在物13の電極3と被覆材11とで挟まれる部分は、
各スポットごとに更新。 〔電極寿命の限界ナゲット径〕JIS Z 3140の
A級の最小ナゲット径(4mm)。 〔ナゲット径の測定〕溶接後、実施例1と同様にピ−ル
試験治具で一方の被覆鋼板1を他方の被覆鋼板2から剥
し、ナゲット径を測定した。
種類の箔状介在物(表5参照)13を用意し、図5で説
明した抵抗溶接法により、次の仕様及び条件で被覆鋼板
1,2の抵抗溶接を行った。 〔被覆鋼板1、2〕厚み1mmの圧延鋼板の片面にZn−
15重量%Fe合金を60g/m2 電気メッキしたもの
を、入荷したままの表面状態で幅30mm,長さ200mm
にカットして多数の試験片を作成し、この試験片を図5
のように重ねて使用。 〔電極3,4〕JIS Z 3234の第2種に相当す
るクロム−銅合金で、外径16mm、先端がド−ム形のも
の。先端を#1000のエミリ−紙でドレッシングし
た。 〔電極冷却水〕20℃、4〔l〕/分。 〔溶接機〕単相整流式抵抗溶接機。 〔溶接条件〕溶接電流8000A、電極加圧力1960
N、通電時間10サイクル。 〔溶接要領〕各試験片に対し、2秒/1点,30mmピッ
チで5点溶接する要領で、連続12000点溶接。箔状
介在物13の電極3と被覆材11とで挟まれる部分は、
各スポットごとに更新。 〔電極寿命の限界ナゲット径〕JIS Z 3140の
A級の最小ナゲット径(4mm)。 〔ナゲット径の測定〕溶接後、実施例1と同様にピ−ル
試験治具で一方の被覆鋼板1を他方の被覆鋼板2から剥
し、ナゲット径を測定した。
【0042】比較例として同様な被覆鋼板の試験片を使
用し、前記実施例の箔状介在物13に代えて、クロム−
銅合金及びZn−Fe合金より融点の低いZn,Pb,
Snの箔からなる介在物を使用し、前記実施例と同じ仕
様及び条件で溶接するとともに、従来方法として同様な
被覆鋼板の試験片を使用し、箔状介在物13を使用しな
いで、前記実施例5と同じ仕様及び条件で溶接し、これ
らの比較例及び従来例と前記実施例5による抵抗溶接例
とを比較すると、第5表のとうりであった。
用し、前記実施例の箔状介在物13に代えて、クロム−
銅合金及びZn−Fe合金より融点の低いZn,Pb,
Snの箔からなる介在物を使用し、前記実施例と同じ仕
様及び条件で溶接するとともに、従来方法として同様な
被覆鋼板の試験片を使用し、箔状介在物13を使用しな
いで、前記実施例5と同じ仕様及び条件で溶接し、これ
らの比較例及び従来例と前記実施例5による抵抗溶接例
とを比較すると、第5表のとうりであった。
【0043】
【表5】
【0044】前述の本発明実施例5の抵抗溶接法による
連続12000点溶接後、実施例1の場合と同様に電極
先端の状態を調べたが、電極の先端は溶接前とほとんど
変わらず、表5のように、箔状介在物を使用した本発明
実施例5の抵抗溶接法によれば、電極寿命はいずれの場
合も12000点以上であり、ナゲット径はすべて4mm
以上でいずれの圧痕表面も健全であった。この実施例5
でも、スポット溶接を12000点までで中止したの
で、電極寿命が最大限どの程度まで達するか確認できな
かったが、溶接後の電極先端の状態では、12000点
を少なくとも数千点超える値まで達成できるものと見込
まれる。
連続12000点溶接後、実施例1の場合と同様に電極
先端の状態を調べたが、電極の先端は溶接前とほとんど
変わらず、表5のように、箔状介在物を使用した本発明
実施例5の抵抗溶接法によれば、電極寿命はいずれの場
合も12000点以上であり、ナゲット径はすべて4mm
以上でいずれの圧痕表面も健全であった。この実施例5
でも、スポット溶接を12000点までで中止したの
で、電極寿命が最大限どの程度まで達するか確認できな
かったが、溶接後の電極先端の状態では、12000点
を少なくとも数千点超える値まで達成できるものと見込
まれる。
【0045】これに対し、前述のような箔状介在物を使
用しない従来の抵抗溶接法による溶接では、電極寿命は
表5のように4520点であり、150打点を超えると
電極の先端形状は中心部が凹み始め、その後打点数が多
くなるにしたがって電極の先端径が大きくなり、ナゲッ
ト径は4mm以下になった。また、介在物としてクロム−
銅合金及びZn−Fe合金より融点が低い物質を使用し
た比較例の場合は、電極寿命がそれぞれ59点ないし6
9点であり、介在物が溶接開始後間もなく被覆材と溶着
し始めて使用不能になった。
用しない従来の抵抗溶接法による溶接では、電極寿命は
表5のように4520点であり、150打点を超えると
電極の先端形状は中心部が凹み始め、その後打点数が多
くなるにしたがって電極の先端径が大きくなり、ナゲッ
ト径は4mm以下になった。また、介在物としてクロム−
銅合金及びZn−Fe合金より融点が低い物質を使用し
た比較例の場合は、電極寿命がそれぞれ59点ないし6
9点であり、介在物が溶接開始後間もなく被覆材と溶着
し始めて使用不能になった。
【0046】前述実施例には、被覆鋼板と裸の鋼板との
抵抗溶接の例が示されていないが、このような例では実
施例5とほぼ同様な作用効果を奏する。また、本発明に
係る鋼板の抵抗溶接法は、前述の実施例のみに限定され
るものではなく、特許請求の範囲内において、主要でな
い部分を変更ないし置換したり、他の要件を付加して実
施する場合も含まれるものである。
抵抗溶接の例が示されていないが、このような例では実
施例5とほぼ同様な作用効果を奏する。また、本発明に
係る鋼板の抵抗溶接法は、前述の実施例のみに限定され
るものではなく、特許請求の範囲内において、主要でな
い部分を変更ないし置換したり、他の要件を付加して実
施する場合も含まれるものである。
【0047】
【発明の効果】本発明に係る鋼板の抵抗溶接法によれ
ば、片面又は両面に鋼板より電位的に卑な金属からなる
被覆材を被覆した被覆鋼板を含む鋼板相互を抵抗溶接し
たり、これらの抵抗溶接と、裸の鋼板相互の抵抗溶接と
を交互に又は混合して同じ溶接機で行う場合において、
電極寿命を飛躍的に向上させることができるとともに、
このような抵抗溶接による鋼板製品の製造コストを低減
させることができる。
ば、片面又は両面に鋼板より電位的に卑な金属からなる
被覆材を被覆した被覆鋼板を含む鋼板相互を抵抗溶接し
たり、これらの抵抗溶接と、裸の鋼板相互の抵抗溶接と
を交互に又は混合して同じ溶接機で行う場合において、
電極寿命を飛躍的に向上させることができるとともに、
このような抵抗溶接による鋼板製品の製造コストを低減
させることができる。
【図1】本発明に係る抵抗溶接法の一実施例を説明する
ための、装置の部分断面図である。
ための、装置の部分断面図である。
【図2】本発明に係る他の実施例の抵抗溶接法の一つの
工程を説明するための装置の部分断面図である。
工程を説明するための装置の部分断面図である。
【図3】図2の抵抗溶接法の工程と交互に実施される抵
抗溶接の他の工程を説明するための装置の部分断面図で
ある。
抗溶接の他の工程を説明するための装置の部分断面図で
ある。
【図4】本発明に係るさらに他の実施例の抵抗溶接法を
説明するための装置の部分断面図である。
説明するための装置の部分断面図である。
【図5】本発明に係るさらに他の実施例の抵抗溶接法を
説明するための装置の部分断面図である。
説明するための装置の部分断面図である。
【図6】溶接後の鋼板相互を剥すピ−ル試験治具の斜視
図である。
図である。
【図7】従来の被覆鋼板の抵抗溶接法を説明するための
部分断面図である。
部分断面図である。
【図8】アルミニウム板を抵抗溶接する技術の従来例を
説明するための部分断面図である。
説明するための部分断面図である。
1,2 被覆鋼板
10,20 鋼板
11,12,21,22 被覆材
13,23 箔状介在物
3,4 電極
30,40 冷却水の配管
31,41 導入管
32,42 冷却穴
5 ナゲット
6 ピ−ル試験治具
Claims (4)
- 【請求項1】 一方又は両方の鋼板が、鋼板より電位的
に卑な金属からなる被覆材を被覆した被覆鋼板である鋼
板相互を抵抗溶接するにあたり、電極と当該電極を押し
付ける被覆鋼板の被覆材との間に、当該電極又は当該被
覆材よりも融点が高く、かつ通電性を有する金属からな
る箔状介在物を挟んで加圧,通電することを特徴とす
る、鋼板の抵抗溶接法。 - 【請求項2】 一方又は両方の鋼板が、鋼板より電位的
に卑な金属からなる被覆材を両面に被覆した被覆鋼板で
ある、請求項1に記載の鋼板の抵抗溶接法。 - 【請求項3】 一方又は両方の鋼板が、鋼板より電位的
に卑な金属からなる被覆材を片面に被覆した被覆鋼板で
ある、請求項1に記載の鋼板の抵抗溶接法。 - 【請求項4】 被覆されていない裸鋼板相互の抵抗溶接
と、一方又は両方の鋼板が、鋼板より電位的に卑な金属
からなる被覆材を被覆した被覆鋼板である鋼板相互の抵
抗溶接とを、同一の溶接機を使用して交互に又は混合し
て行うにあたり、電極と当該電極を押し付ける被覆鋼板
の被覆材との間に、当該電極又は当該被覆材よりも融点
が高く、かつ通電性を有する金属からなる箔状介在物を
挟んで加圧,通電することことを特徴とする、鋼板の抵
抗溶接法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3209878A JPH0531586A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 鋼板の抵抗溶接法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3209878A JPH0531586A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 鋼板の抵抗溶接法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0531586A true JPH0531586A (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=16580145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3209878A Pending JPH0531586A (ja) | 1991-07-26 | 1991-07-26 | 鋼板の抵抗溶接法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0531586A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004078404A1 (de) * | 2003-03-04 | 2004-09-16 | Fronius International Gmbh | Schutzeinrichtung für schweisselektroden |
JP2010029915A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Nippon Steel Corp | Sn系めっき鋼板のスポット溶接方法 |
WO2015194748A1 (ko) * | 2014-06-20 | 2015-12-23 | 주식회사 휴비스 | 스팟용접 전극 팁 연마 확인 장치 |
KR20180074168A (ko) * | 2016-12-23 | 2018-07-03 | 주식회사 포스코 | 도금강판 용접장치 및 용접방법 |
KR101965504B1 (ko) * | 2017-10-16 | 2019-04-03 | 그린앤씨(주) | 관수설비를 구비한 씨앗필름 건답피복기 |
CN113275724A (zh) * | 2021-05-28 | 2021-08-20 | 天津津荣天宇精密机械股份有限公司 | 一种镀锌板电阻点焊方法及焊接装置 |
-
1991
- 1991-07-26 JP JP3209878A patent/JPH0531586A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004078404A1 (de) * | 2003-03-04 | 2004-09-16 | Fronius International Gmbh | Schutzeinrichtung für schweisselektroden |
CN100408245C (zh) * | 2003-03-04 | 2008-08-06 | 弗罗纽斯国际有限公司 | 用于焊接电极的保护装置 |
US7538293B2 (en) | 2003-03-04 | 2009-05-26 | Fronius International Gmbh | Spot welding tool for resistance welding of workpieces |
JP2010029915A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Nippon Steel Corp | Sn系めっき鋼板のスポット溶接方法 |
WO2015194748A1 (ko) * | 2014-06-20 | 2015-12-23 | 주식회사 휴비스 | 스팟용접 전극 팁 연마 확인 장치 |
KR20180074168A (ko) * | 2016-12-23 | 2018-07-03 | 주식회사 포스코 | 도금강판 용접장치 및 용접방법 |
KR101965504B1 (ko) * | 2017-10-16 | 2019-04-03 | 그린앤씨(주) | 관수설비를 구비한 씨앗필름 건답피복기 |
CN113275724A (zh) * | 2021-05-28 | 2021-08-20 | 天津津荣天宇精密机械股份有限公司 | 一种镀锌板电阻点焊方法及焊接装置 |
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