JP2001096374A - 鋼板と異種金属薄板の接合方法 - Google Patents
鋼板と異種金属薄板の接合方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 原料のコスト、及び運送費を削減でき、ま
た、溶接工程も従来より非常に少なくでき、しかも、接
合強度を高くできる鋼板と異種金属薄板の接合方法を提
供する。 【解決手段】 鋼材10の表面に異種金属の薄板12を
被覆する方法であって、異種金属の薄板12の接合部分
の裏側にインサート材11を配置し、対向して配置され
た双頭の回転電極13、14の少なくとも一方の回転電
極14を異種金属の薄板12の接合部分に押し付けて、
回転電極13、14を走行させながら鋼材10を介して
双頭の回転電極13、14間にシリーズ通電を行い、イ
ンサート材11を溶融させて、異種金属の薄板12を鋼
材10の表面に接合する。
た、溶接工程も従来より非常に少なくでき、しかも、接
合強度を高くできる鋼板と異種金属薄板の接合方法を提
供する。 【解決手段】 鋼材10の表面に異種金属の薄板12を
被覆する方法であって、異種金属の薄板12の接合部分
の裏側にインサート材11を配置し、対向して配置され
た双頭の回転電極13、14の少なくとも一方の回転電
極14を異種金属の薄板12の接合部分に押し付けて、
回転電極13、14を走行させながら鋼材10を介して
双頭の回転電極13、14間にシリーズ通電を行い、イ
ンサート材11を溶融させて、異種金属の薄板12を鋼
材10の表面に接合する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板と異種金属薄
板とを接合するときの接合方法に関する。
板とを接合するときの接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタンは、高価であるが耐食性に優れて
いることから、鋼板の腐食を防ぐための耐食材として広
く使用されている。しかし、鋼板とチタンとを溶接する
と金属間化合物が生成するため、必要な接合強度を持つ
接合ができない。そこで、まず、工場で鋼板とチタン板
とを爆発圧着、圧延圧着、拡散接合で接合し、この製造
物を現地まで運搬、その後、この製造物の鋼板部と鋼構
造物とを溶接し、更に鋼板の溶接部をカバーするため
に、鋼板の溶接部にチタン板を溶接する必要がある。
いることから、鋼板の腐食を防ぐための耐食材として広
く使用されている。しかし、鋼板とチタンとを溶接する
と金属間化合物が生成するため、必要な接合強度を持つ
接合ができない。そこで、まず、工場で鋼板とチタン板
とを爆発圧着、圧延圧着、拡散接合で接合し、この製造
物を現地まで運搬、その後、この製造物の鋼板部と鋼構
造物とを溶接し、更に鋼板の溶接部をカバーするため
に、鋼板の溶接部にチタン板を溶接する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、工場で
の爆発圧着、圧延圧着、拡散接合による溶接方法は、チ
タンの厚みが薄い場合は困難であり、厚いチタン板が必
要となり原料のコストが非常にかかる。また、現地での
施工にはかなりの溶接工程があるため、作業性が非常に
悪いという問題がある。本発明はかかる事情に鑑みてな
されたもので、原料のコスト、及び運送費を削減でき、
また、溶接工程も従来より非常に少なくでき、しかも、
接合強度を高くできる鋼板と異種金属薄板の接合方法を
提供することを目的とする。
の爆発圧着、圧延圧着、拡散接合による溶接方法は、チ
タンの厚みが薄い場合は困難であり、厚いチタン板が必
要となり原料のコストが非常にかかる。また、現地での
施工にはかなりの溶接工程があるため、作業性が非常に
悪いという問題がある。本発明はかかる事情に鑑みてな
されたもので、原料のコスト、及び運送費を削減でき、
また、溶接工程も従来より非常に少なくでき、しかも、
接合強度を高くできる鋼板と異種金属薄板の接合方法を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う第1の発
明に係る鋼板と異種金属薄板の接合方法は、鋼材の表面
に異種金属の薄板を被覆する方法であって、異種金属の
薄板の接合部分の裏側にインサート材を配置し、対向し
て配置された双頭の回転電極の少なくとも一方の回転電
極を異種金属の薄板の接合部分に押し付けて、回転電極
を走行させながら鋼材を介して双頭の回転電極間にシリ
ーズ通電を行い、インサート材を溶融させて、異種金属
の薄板を鋼材の表面に接合する。このように、双頭の回
転電極間にシリーズ通電を行うので、工場で鋼板と異種
金属薄板とを接合させたものを現地まで運搬し、その
後、いくつもの溶接工程を実施することで異種金属の薄
板を鋼材の表面に接合する必要がなくなる。また、イン
サート材を溶融させて、異種金属の薄板を鋼材の表面に
接合するので、金属間化合物を生成させることなく、接
合することが可能となる。ここで、第1の発明に係る鋼
板と異種金属薄板の接合方法において、異種金属の薄板
は、鋼材の表面の耐食性を向上させるために使用する厚
みが0.1〜3mmのチタン又はチタン合金からなっ
て、インサート材としては鋼材及びチタン又はチタン合
金より融点の低い純金属又はアモルファスからなること
が好ましい。これにより、異種金属の厚みは薄くでき、
更に、鋼材及びチタン又はチタン合金を溶融することな
く、チタン又はチタン合金を鋼材の表面に接合すること
が可能となる。
明に係る鋼板と異種金属薄板の接合方法は、鋼材の表面
に異種金属の薄板を被覆する方法であって、異種金属の
薄板の接合部分の裏側にインサート材を配置し、対向し
て配置された双頭の回転電極の少なくとも一方の回転電
極を異種金属の薄板の接合部分に押し付けて、回転電極
を走行させながら鋼材を介して双頭の回転電極間にシリ
ーズ通電を行い、インサート材を溶融させて、異種金属
の薄板を鋼材の表面に接合する。このように、双頭の回
転電極間にシリーズ通電を行うので、工場で鋼板と異種
金属薄板とを接合させたものを現地まで運搬し、その
後、いくつもの溶接工程を実施することで異種金属の薄
板を鋼材の表面に接合する必要がなくなる。また、イン
サート材を溶融させて、異種金属の薄板を鋼材の表面に
接合するので、金属間化合物を生成させることなく、接
合することが可能となる。ここで、第1の発明に係る鋼
板と異種金属薄板の接合方法において、異種金属の薄板
は、鋼材の表面の耐食性を向上させるために使用する厚
みが0.1〜3mmのチタン又はチタン合金からなっ
て、インサート材としては鋼材及びチタン又はチタン合
金より融点の低い純金属又はアモルファスからなること
が好ましい。これにより、異種金属の厚みは薄くでき、
更に、鋼材及びチタン又はチタン合金を溶融することな
く、チタン又はチタン合金を鋼材の表面に接合すること
が可能となる。
【0005】前記目的に沿う第2の発明に係る鋼板と異
種金属薄板の接合方法は、鋼材の表面に異種金属の薄板
を被覆する方法であって、双頭の回転電極の少なくとも
一方の回転電極を異種金属の薄板の接合部分に押し付け
て、双頭の回転電極を走行させると共に鋼材を介して双
頭の回転電極間にシリーズ通電を行い、異種金属の薄板
を鋼材の表面に接合する。このように、双頭の回転電極
間にシリーズ通電を行うので、工場で鋼板と異種金属薄
板とを接合させたものを現地まで運搬し、その後、いく
つもの溶接工程を実施することで異種金属の薄板を鋼材
の表面に接合する必要がなくなる。
種金属薄板の接合方法は、鋼材の表面に異種金属の薄板
を被覆する方法であって、双頭の回転電極の少なくとも
一方の回転電極を異種金属の薄板の接合部分に押し付け
て、双頭の回転電極を走行させると共に鋼材を介して双
頭の回転電極間にシリーズ通電を行い、異種金属の薄板
を鋼材の表面に接合する。このように、双頭の回転電極
間にシリーズ通電を行うので、工場で鋼板と異種金属薄
板とを接合させたものを現地まで運搬し、その後、いく
つもの溶接工程を実施することで異種金属の薄板を鋼材
の表面に接合する必要がなくなる。
【0006】そして、第1又は第2の発明に係る鋼板と
異種金属薄板の接合方法において、双頭の回転電極は独
立に加圧機構が設けられ、しかも、双頭の回転電極の対
向する電極面距離は5〜100mmとなっていることが
好ましい。このように、双頭の回転電極は独立に加圧機
構が設けられているため、接合する材料に見合った加圧
を行うことが可能となる。また、双頭の回転電極の電極
面距離を決定することで、双頭の回転電極の距離が近づ
くと無効な表面電流が多くなり、遠くなると電極間の抵
抗が大きくなって溶接電流を流すことが困難になるとい
う事態を防ぐことができる。更に、第1又は第2の発明
に係る鋼板と異種金属薄板の接合方法において、双頭の
回転電極の通電部の幅はそれぞれ1〜20mmの範囲に
するのが好ましい。これにより、通電部の幅が1mmよ
り小さくなると、電極の消耗が大きく、更には有効な溶
接幅が確保しにくいこと、また、通電部の幅が20mm
を超えると多大の溶接電流を流す必要があり、無駄とな
りやすいという事態を防ぐことができる。
異種金属薄板の接合方法において、双頭の回転電極は独
立に加圧機構が設けられ、しかも、双頭の回転電極の対
向する電極面距離は5〜100mmとなっていることが
好ましい。このように、双頭の回転電極は独立に加圧機
構が設けられているため、接合する材料に見合った加圧
を行うことが可能となる。また、双頭の回転電極の電極
面距離を決定することで、双頭の回転電極の距離が近づ
くと無効な表面電流が多くなり、遠くなると電極間の抵
抗が大きくなって溶接電流を流すことが困難になるとい
う事態を防ぐことができる。更に、第1又は第2の発明
に係る鋼板と異種金属薄板の接合方法において、双頭の
回転電極の通電部の幅はそれぞれ1〜20mmの範囲に
するのが好ましい。これにより、通電部の幅が1mmよ
り小さくなると、電極の消耗が大きく、更には有効な溶
接幅が確保しにくいこと、また、通電部の幅が20mm
を超えると多大の溶接電流を流す必要があり、無駄とな
りやすいという事態を防ぐことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1(A)、(B)はそれ
ぞれ本発明の一実施の形態に係る鋼板と異種金属薄板の
接合方法の説明図、図2は溶接電流を5kAとした場合
の溶接部のEPMA結果を示すグラフ、図3は溶接電流
を6kAとした場合の溶接部のEPMA結果を示すグラ
フ、図4は溶接部を1台の溶接機で溶接する溶接手順及
び溶接箇所の説明図、図5は溶接部を複数台の溶接機で
溶接する方法の説明図、図6〜図9は双頭の回転電極を
使用して鋼板に異種金属薄板を被覆する設備の説明図で
ある。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1(A)、(B)はそれ
ぞれ本発明の一実施の形態に係る鋼板と異種金属薄板の
接合方法の説明図、図2は溶接電流を5kAとした場合
の溶接部のEPMA結果を示すグラフ、図3は溶接電流
を6kAとした場合の溶接部のEPMA結果を示すグラ
フ、図4は溶接部を1台の溶接機で溶接する溶接手順及
び溶接箇所の説明図、図5は溶接部を複数台の溶接機で
溶接する方法の説明図、図6〜図9は双頭の回転電極を
使用して鋼板に異種金属薄板を被覆する設備の説明図で
ある。
【0008】本発明の一実施の形態に係る鋼板と異種金
属薄板の接合方法は、図1(A)に示すように、図示し
ない基台の上に鋼材の一例である鋼板10を載せ、その
上に溶接しようとする異種金属の薄板の一例であるチタ
ン薄板12をインサート材11を介して配置(すなわ
ち、チタン薄板12の接合部分の裏側にインサート材1
1が配置された状態)し、チタン薄板12の接合部分を
上部から双頭の回転電極13、14で押圧している。回
転電極13、14は対向して配置されており、図示しな
い固定架台に走行可能に取付けられているシーム溶接機
の通電手段である。この回転電極13、14を走行させ
ながら、鋼板10を介して回転電極13、14間にシリ
ーズ通電を行うことによって、インサート材11を溶融
させて、チタン薄板12を鋼板10の表面に接合してい
る。以下、これらについて詳細に説明する。
属薄板の接合方法は、図1(A)に示すように、図示し
ない基台の上に鋼材の一例である鋼板10を載せ、その
上に溶接しようとする異種金属の薄板の一例であるチタ
ン薄板12をインサート材11を介して配置(すなわ
ち、チタン薄板12の接合部分の裏側にインサート材1
1が配置された状態)し、チタン薄板12の接合部分を
上部から双頭の回転電極13、14で押圧している。回
転電極13、14は対向して配置されており、図示しな
い固定架台に走行可能に取付けられているシーム溶接機
の通電手段である。この回転電極13、14を走行させ
ながら、鋼板10を介して回転電極13、14間にシリ
ーズ通電を行うことによって、インサート材11を溶融
させて、チタン薄板12を鋼板10の表面に接合してい
る。以下、これらについて詳細に説明する。
【0009】前記鋼板10は例えば、海洋構造物の外板
等に使用されている。チタン薄板12は純チタンを用い
ているが、例えば、チタン合金、アルミニウム、アルミ
ニウム合金であってもよい。ここで使用したチタン薄板
12の板厚は0.1〜3mmである。このチタン薄板1
2の厚みは、0.1〜3mmのものが極めて好ましく、
これによって鋼板10の表面の腐食を防止でき、更に原
料コストの低減ができる。また、チタンの板と鋼板とを
接合したものを運搬する必要がなく、チタンの板のみを
現地まで運搬すればよいため、運搬コストも低減でき
る。
等に使用されている。チタン薄板12は純チタンを用い
ているが、例えば、チタン合金、アルミニウム、アルミ
ニウム合金であってもよい。ここで使用したチタン薄板
12の板厚は0.1〜3mmである。このチタン薄板1
2の厚みは、0.1〜3mmのものが極めて好ましく、
これによって鋼板10の表面の腐食を防止でき、更に原
料コストの低減ができる。また、チタンの板と鋼板とを
接合したものを運搬する必要がなく、チタンの板のみを
現地まで運搬すればよいため、運搬コストも低減でき
る。
【0010】インサート材11は鋼板10、及びチタン
薄板12より融点の低いニッケル系合金MBF−15を
用いた。この化学組成は、(Cr:13mass%、F
e:4mass%、Si:4.5mass%、B:3m
ass%、Ni:bal.)である。なお、インサート
材としては鋼板、及びチタン又はチタン合金を溶融させ
ない材料であればよいため、鋼板、及びチタン又はチタ
ン合金より融点の低い純金属、例えば純銅や、純ニッケ
ル等、又はアモルファスを使用することも可能である。
また、ここで、インサート材11としては板厚0.04
mmのものを使用した。このインサート材11は極薄板
を使用することが好ましく、これによって接合強度の向
上を図ることができる。
薄板12より融点の低いニッケル系合金MBF−15を
用いた。この化学組成は、(Cr:13mass%、F
e:4mass%、Si:4.5mass%、B:3m
ass%、Ni:bal.)である。なお、インサート
材としては鋼板、及びチタン又はチタン合金を溶融させ
ない材料であればよいため、鋼板、及びチタン又はチタ
ン合金より融点の低い純金属、例えば純銅や、純ニッケ
ル等、又はアモルファスを使用することも可能である。
また、ここで、インサート材11としては板厚0.04
mmのものを使用した。このインサート材11は極薄板
を使用することが好ましく、これによって接合強度の向
上を図ることができる。
【0011】前記シーム溶接機は、φ200mm、先端
幅5mmの銅電極を使用する双頭の回転電極13、14
を有し、単相交流移動式である。回転電極13、14の
通電部の幅は1mmより小さくなると、電極の消耗が大
きくなり、有効な溶接幅が確保しにくくなり、通電部の
幅が20mmを超えると多大の溶接電流を流す必要があ
り、無駄となりやすい。従って、通電部の幅は1〜20
mmの範囲にしている。また、この双頭の回転電極1
3、14の対向する電極面距離は5〜100mmとして
いる。双頭の回転電極の対向する面の距離が大きい場合
は、電流値が高くなりランニングコストが大幅にかか
る。よって、双頭の回転電極13、14の対向する面の
間隔は5〜100mmとし、より好ましくは30〜50
mm程度とするのがよい。
幅5mmの銅電極を使用する双頭の回転電極13、14
を有し、単相交流移動式である。回転電極13、14の
通電部の幅は1mmより小さくなると、電極の消耗が大
きくなり、有効な溶接幅が確保しにくくなり、通電部の
幅が20mmを超えると多大の溶接電流を流す必要があ
り、無駄となりやすい。従って、通電部の幅は1〜20
mmの範囲にしている。また、この双頭の回転電極1
3、14の対向する電極面距離は5〜100mmとして
いる。双頭の回転電極の対向する面の距離が大きい場合
は、電流値が高くなりランニングコストが大幅にかか
る。よって、双頭の回転電極13、14の対向する面の
間隔は5〜100mmとし、より好ましくは30〜50
mm程度とするのがよい。
【0012】そして、回転電極13、14間において
は、シリーズ通電を行うので、鋼板10とチタン薄板1
2とを上下面から電極をあてて溶接する必要がない。よ
って、鋼板10の表面にチタン薄板12を容易に被覆す
ることが可能となり、厚い鋼板であっても、電流値を大
きくすることなしに接合することができる。更に、双頭
の回転電極13、14の上部には、加圧機構の一例であ
る油圧装置がそれぞれ独立に設けてあり、これにより、
双頭の回転電極13、14はそれぞれ独立に鋼板や、チ
タン薄板又はチタン合金を押圧することが可能となる。
なお、加圧機構は、鋼板や、チタン薄板又はチタン合金
を必要な圧力で押圧できればよいので、水圧や、空圧で
押圧することも可能である。
は、シリーズ通電を行うので、鋼板10とチタン薄板1
2とを上下面から電極をあてて溶接する必要がない。よ
って、鋼板10の表面にチタン薄板12を容易に被覆す
ることが可能となり、厚い鋼板であっても、電流値を大
きくすることなしに接合することができる。更に、双頭
の回転電極13、14の上部には、加圧機構の一例であ
る油圧装置がそれぞれ独立に設けてあり、これにより、
双頭の回転電極13、14はそれぞれ独立に鋼板や、チ
タン薄板又はチタン合金を押圧することが可能となる。
なお、加圧機構は、鋼板や、チタン薄板又はチタン合金
を必要な圧力で押圧できればよいので、水圧や、空圧で
押圧することも可能である。
【0013】図1(B)に示すように、チタン薄板12
の接合部分が、チタン薄板12の端部にある場合、鋼板
10はチタン薄板12から露出している状態で接合しな
ければならない。このとき、対向して配置された双頭の
回転電極13、14の一方の回転電極13は、鋼板10
の表面を直線押圧し、他方の回転電極14は、チタン薄
板12の接合部分を押圧する。
の接合部分が、チタン薄板12の端部にある場合、鋼板
10はチタン薄板12から露出している状態で接合しな
ければならない。このとき、対向して配置された双頭の
回転電極13、14の一方の回転電極13は、鋼板10
の表面を直線押圧し、他方の回転電極14は、チタン薄
板12の接合部分を押圧する。
【0014】次に、本発明の他の実施の形態に係る鋼板
と異種金属の薄板の接合方法について説明する。基台の
上に鋼材の一例である鋼板を載せ、その上に溶接しよう
とする異種金属の薄板の一例であるチタン薄板を配置
し、チタン薄板の接合部分を上部から双頭の回転電極で
押圧する。この回転電極は固定架台に走行可能に取付け
られているシーム溶接機の通電手段であって、この回転
電極を走行させると共に、鋼板を介して回転電極間にシ
リーズ通電を行うことによって、チタン薄板を鋼板の表
面に接合する。これにより、金属間化合物が極めて薄い
状態(厚みが5μm以下)に調整され、接合することが
可能となる。よって、鋼板とチタン薄板との間にインサ
ート材を介さなくても、十分な接合強度を得ることが可
能となる。
と異種金属の薄板の接合方法について説明する。基台の
上に鋼材の一例である鋼板を載せ、その上に溶接しよう
とする異種金属の薄板の一例であるチタン薄板を配置
し、チタン薄板の接合部分を上部から双頭の回転電極で
押圧する。この回転電極は固定架台に走行可能に取付け
られているシーム溶接機の通電手段であって、この回転
電極を走行させると共に、鋼板を介して回転電極間にシ
リーズ通電を行うことによって、チタン薄板を鋼板の表
面に接合する。これにより、金属間化合物が極めて薄い
状態(厚みが5μm以下)に調整され、接合することが
可能となる。よって、鋼板とチタン薄板との間にインサ
ート材を介さなくても、十分な接合強度を得ることが可
能となる。
【0015】この接合強度を評価するため、接合面の一
端に剥離応力を加え, 接合部分が破壊したときの強さを
測定する、ピール強さ測定試験を行い評価した。これは
以下の方法で行った。幅20mm、長さ90mmの鋼板
10に、鋼板10と同じ幅をもち、高さ25mmに固定
したチタン薄板12の片側を、インサート材を介してシ
ーム溶接し、鋼板を固定した状態でチタン薄板12をク
ランプして上方に引張り行った。ここでの接合は、回転
電極13、14を走行させながら鋼板10を介して回転
電極13、14間にシリーズ通電を行い、インサート材
11を溶融させて、チタン薄板12を鋼板10の表面に
接合している。なお、このときの溶接条件は、溶接速度
を1m/min、加圧力を294Nとして、溶接電流を
3〜8kAの範囲で変化させている。
端に剥離応力を加え, 接合部分が破壊したときの強さを
測定する、ピール強さ測定試験を行い評価した。これは
以下の方法で行った。幅20mm、長さ90mmの鋼板
10に、鋼板10と同じ幅をもち、高さ25mmに固定
したチタン薄板12の片側を、インサート材を介してシ
ーム溶接し、鋼板を固定した状態でチタン薄板12をク
ランプして上方に引張り行った。ここでの接合は、回転
電極13、14を走行させながら鋼板10を介して回転
電極13、14間にシリーズ通電を行い、インサート材
11を溶融させて、チタン薄板12を鋼板10の表面に
接合している。なお、このときの溶接条件は、溶接速度
を1m/min、加圧力を294Nとして、溶接電流を
3〜8kAの範囲で変化させている。
【0016】インサート材としては、ニッケル系合金M
BF−15を使用し、比較としてCu−Ti−Zr系合
金(Cu:50mass%、Ti:25mass%、Z
r:25mass%)を使用した。その結果、インサー
ト材としてニッケル系合金MBF−15を使用した場
合、溶接電流を5kA、6kAと上昇させると、ピール
強さは低下する傾向がみられた。また、インサート材と
してCu−Ti−Zr系合金を使用した場合、溶接電流
を5kA、6kAと上昇させると、ピール強さは上昇す
る傾向がみられた。さらに、溶接電流を5kA、6kA
のどちらにした場合も、インサート材にニッケル系合金
MBF−15を使用した場合の方が、Cu−Ti−Zr
系合金を使用した場合よりもピール強さが高いことがわ
かった。
BF−15を使用し、比較としてCu−Ti−Zr系合
金(Cu:50mass%、Ti:25mass%、Z
r:25mass%)を使用した。その結果、インサー
ト材としてニッケル系合金MBF−15を使用した場
合、溶接電流を5kA、6kAと上昇させると、ピール
強さは低下する傾向がみられた。また、インサート材と
してCu−Ti−Zr系合金を使用した場合、溶接電流
を5kA、6kAと上昇させると、ピール強さは上昇す
る傾向がみられた。さらに、溶接電流を5kA、6kA
のどちらにした場合も、インサート材にニッケル系合金
MBF−15を使用した場合の方が、Cu−Ti−Zr
系合金を使用した場合よりもピール強さが高いことがわ
かった。
【0017】図2には、ニッケル系合金をインサート材
として使用し、溶接電流を5kAとした場合の溶接部分
のEPMA(電子線プローブマイクロアナライザー)の
結果を示す。これより、ニッケル系合金とチタンとの境
界面の成分が明白に分離し、境界面に金属間化合物が生
成していないことが分かる。しかし、図3に示すように
溶接電流を6kAに更に増加させると、ニッケル系合金
とチタンとの境界面の約10μmの間に金属間化合物が
発生していることが分かる。一方、Cu−Ti−Zr系
合金をインサート材として使用し、溶接電流を5kAと
した場合の溶接部分のEPMAの結果からは、Cu−T
i−Zr系合金とチタンとの境界面の間に、約15μm
の金属間化合物が生成していることが分かった。更に、
これは、溶接電流を6kAに増加させることで、Cu−
Ti−Zr系合金とチタンとの境界面に生成していた金
属間化合物が、約35μmまで広がることが分かった。
として使用し、溶接電流を5kAとした場合の溶接部分
のEPMA(電子線プローブマイクロアナライザー)の
結果を示す。これより、ニッケル系合金とチタンとの境
界面の成分が明白に分離し、境界面に金属間化合物が生
成していないことが分かる。しかし、図3に示すように
溶接電流を6kAに更に増加させると、ニッケル系合金
とチタンとの境界面の約10μmの間に金属間化合物が
発生していることが分かる。一方、Cu−Ti−Zr系
合金をインサート材として使用し、溶接電流を5kAと
した場合の溶接部分のEPMAの結果からは、Cu−T
i−Zr系合金とチタンとの境界面の間に、約15μm
の金属間化合物が生成していることが分かった。更に、
これは、溶接電流を6kAに増加させることで、Cu−
Ti−Zr系合金とチタンとの境界面に生成していた金
属間化合物が、約35μmまで広がることが分かった。
【0018】上記のことから、金属間化合物が生成する
と、ピール強さは下がる。つまり、金属間化合物の発生
を抑制する条件で接合を行うことで、高いピール強さ、
即ち、高い接合強度を示すことが分かった。なお、金属
間化合物が生成しても極めて薄い場合(厚みが5μm以
下)には、十分な接合強度を得ることが可能と考えられ
る。
と、ピール強さは下がる。つまり、金属間化合物の発生
を抑制する条件で接合を行うことで、高いピール強さ、
即ち、高い接合強度を示すことが分かった。なお、金属
間化合物が生成しても極めて薄い場合(厚みが5μm以
下)には、十分な接合強度を得ることが可能と考えられ
る。
【0019】図4には、接合部分を1台のシーム溶接機
(双頭の回転電極)で接合する接合手順及び接合箇所を
示す。本発明においては、鋼板の表面に0.1〜3mm
の異種金属の薄板(以下、薄板という)を接合してい
る。よって、例えば薄板の周辺部から接合すると、薄板
の中央部が膨らみ、適切な接合を行うことができない。
そこで、薄板の中央部から薄板の周辺部に向かって放射
状に接合することで、薄板の中央部に膨らみが生じない
適切な接合を実施できることとなる。図4に示すよう
に、接合は、薄板中央部のスタート位置から周辺部の方
向へ、番号順に順次実施する。なお、薄板中央部に膨ら
みが生じなければよいため、この順番に拘束されること
なく、薄板中央部のスタート位置から薄板の周辺部に向
かって上下、左右に放射状に接合することも可能であ
る。また、図5に接合部分を3台のシーム溶接機17で
接合する方法を示す。図5に示すように3台のシーム溶
接機17を同一方向に平行に走らせて同時に接合するこ
とで薄板に発生するしわを抑制することが可能となる。
なお、薄板の大きさや、作業時間等を考慮して、2台又
は4台以上使用することも可能である。
(双頭の回転電極)で接合する接合手順及び接合箇所を
示す。本発明においては、鋼板の表面に0.1〜3mm
の異種金属の薄板(以下、薄板という)を接合してい
る。よって、例えば薄板の周辺部から接合すると、薄板
の中央部が膨らみ、適切な接合を行うことができない。
そこで、薄板の中央部から薄板の周辺部に向かって放射
状に接合することで、薄板の中央部に膨らみが生じない
適切な接合を実施できることとなる。図4に示すよう
に、接合は、薄板中央部のスタート位置から周辺部の方
向へ、番号順に順次実施する。なお、薄板中央部に膨ら
みが生じなければよいため、この順番に拘束されること
なく、薄板中央部のスタート位置から薄板の周辺部に向
かって上下、左右に放射状に接合することも可能であ
る。また、図5に接合部分を3台のシーム溶接機17で
接合する方法を示す。図5に示すように3台のシーム溶
接機17を同一方向に平行に走らせて同時に接合するこ
とで薄板に発生するしわを抑制することが可能となる。
なお、薄板の大きさや、作業時間等を考慮して、2台又
は4台以上使用することも可能である。
【0020】続いて、図6〜図9を参照して、前記双頭
の回転電極13、14を走行させる設備について説明す
る。図6は、工場で鋼板の表面に異種金属の薄板を被覆
する場合の設備を示している。図6に示すように、シー
ム溶接機17は、双頭の回転電極13、14を有し、更
に、双頭の回転電極13、14をそれぞれ独立に加圧で
きるように加圧機構18、19が備えられている。そし
て、このシーム溶接機17は、基台20に固定された固
定フレーム21に取付けられたアーム部22に取付けら
れている。なお、加圧機構18、19は、油圧装置を用
いて接合部分に加圧できるようにしてあるが、水圧、空
圧を利用することも可能である。これにより、例え重量
物であっても、基台20の上に接合する対象物を設置
し、アーム部22を動かすことで、シーム溶接機17を
動かすことができるため、容易に接合することが可能と
なる。また接合する対象物に段差が生じていても、双頭
の回転電極13、14には、独立に加圧できるように加
圧機構18、19が備えられているため、適切な接合を
することができる。
の回転電極13、14を走行させる設備について説明す
る。図6は、工場で鋼板の表面に異種金属の薄板を被覆
する場合の設備を示している。図6に示すように、シー
ム溶接機17は、双頭の回転電極13、14を有し、更
に、双頭の回転電極13、14をそれぞれ独立に加圧で
きるように加圧機構18、19が備えられている。そし
て、このシーム溶接機17は、基台20に固定された固
定フレーム21に取付けられたアーム部22に取付けら
れている。なお、加圧機構18、19は、油圧装置を用
いて接合部分に加圧できるようにしてあるが、水圧、空
圧を利用することも可能である。これにより、例え重量
物であっても、基台20の上に接合する対象物を設置
し、アーム部22を動かすことで、シーム溶接機17を
動かすことができるため、容易に接合することが可能と
なる。また接合する対象物に段差が生じていても、双頭
の回転電極13、14には、独立に加圧できるように加
圧機構18、19が備えられているため、適切な接合を
することができる。
【0021】図7〜図9は、接合現場で鋼板の表面に異
種金属の薄板を被覆する場合の設備について示してい
る。図7に示すように、シーム溶接機17は、走行手段
を介してフレーム23を走行可能に取付けられている。
また、このフレーム23の両端部は、固定フレーム24
で固定され、固定フレーム24は鋼板10にマグネット
25を介して取付けられている。これにより、接合現場
で、接合部分とフレーム23とが平面視して実質的に一
直線上に重なるように、マグネット25を鋼板10に取
付け、シーム溶接機17を走行させることで、容易に接
合することが可能となる。よって、シーム溶接機17が
取付けられているフレーム23は、マグネット25によ
り鋼板10に固定されているため、地面に対して垂直に
設置された対象物を接合する場合についても、シーム溶
接機17は落下することなく適切な接合を実施すること
が可能となる。
種金属の薄板を被覆する場合の設備について示してい
る。図7に示すように、シーム溶接機17は、走行手段
を介してフレーム23を走行可能に取付けられている。
また、このフレーム23の両端部は、固定フレーム24
で固定され、固定フレーム24は鋼板10にマグネット
25を介して取付けられている。これにより、接合現場
で、接合部分とフレーム23とが平面視して実質的に一
直線上に重なるように、マグネット25を鋼板10に取
付け、シーム溶接機17を走行させることで、容易に接
合することが可能となる。よって、シーム溶接機17が
取付けられているフレーム23は、マグネット25によ
り鋼板10に固定されているため、地面に対して垂直に
設置された対象物を接合する場合についても、シーム溶
接機17は落下することなく適切な接合を実施すること
が可能となる。
【0022】図8に示すように、シーム溶接機17は、
ロボット27のアーム部26端部に取付けられている。
これにより、複雑な形状(例えば、放射状)の接合部分
を有する場合についても、ロボット27のアーム部26
を自在に動かすことで、容易に接合することが可能とな
る。また、鋼板10に対するロボット27の固定に、マ
グネットを用いることで、地面に対して垂直な面であ
り、しかも、高所にある対象物の接合が可能となる。
ロボット27のアーム部26端部に取付けられている。
これにより、複雑な形状(例えば、放射状)の接合部分
を有する場合についても、ロボット27のアーム部26
を自在に動かすことで、容易に接合することが可能とな
る。また、鋼板10に対するロボット27の固定に、マ
グネットを用いることで、地面に対して垂直な面であ
り、しかも、高所にある対象物の接合が可能となる。
【0023】図9に示すように、自走式シーム溶接機3
0は、マグネットローラ31を有している。これによ
り、危険箇所についても、自走式シーム溶接機30は、
鋼板10から離れることなく移動できるので、容易に人
力を介することなく接合することが可能であるため、作
業性、安全性が非常に良好となる。
0は、マグネットローラ31を有している。これによ
り、危険箇所についても、自走式シーム溶接機30は、
鋼板10から離れることなく移動できるので、容易に人
力を介することなく接合することが可能であるため、作
業性、安全性が非常に良好となる。
【0024】前記実施の形態においては、双頭の回転電
極を有するシーム溶接機をポータブル型とし、酸化防止
のためシールドガス下において接合できる装置にするこ
とも可能である。また、シーム溶接機を接合部分の上部
に設けた固定架台に取付け、走行可能にすることも可能
である。このとき、双頭の回転電極は、独立の加圧機構
の一例である油圧装置を用いて接合部分に加圧できる
が、水圧、空圧を利用することも可能である。更に、常
に接合面に対して、回転電極を垂直にすることで、基板
の方向、姿勢に関係なく接合することが可能となる。
極を有するシーム溶接機をポータブル型とし、酸化防止
のためシールドガス下において接合できる装置にするこ
とも可能である。また、シーム溶接機を接合部分の上部
に設けた固定架台に取付け、走行可能にすることも可能
である。このとき、双頭の回転電極は、独立の加圧機構
の一例である油圧装置を用いて接合部分に加圧できる
が、水圧、空圧を利用することも可能である。更に、常
に接合面に対して、回転電極を垂直にすることで、基板
の方向、姿勢に関係なく接合することが可能となる。
【0025】
【発明の効果】請求項1及びこれに従属する請求項2、
4、5記載の鋼板と異種金属薄板の接合方法において
は、異種金属の薄板の接合部分の裏側にインサート材を
配置し、対向して配置された双頭の回転電極の少なくと
も一方の回転電極を異種金属の薄板の接合部分に押し付
けて、回転電極を走行させながら鋼材を介して双頭の回
転電極間にシリーズ通電を行い、インサート材を溶融さ
せて、異種金属の薄板を鋼材の表面に接合するので、工
場で鋼板と異種金属とを接合したものを製造し、現地で
いくつもの溶接工程を実施する必要がなくなる。これに
より、異種金属薄板を現地まで運搬し、現地で容易に鋼
板に接合することが可能となるので、運搬コストを低減
でき、更に、現地での溶接工程も少なくでき単純化でき
るため作業性が良好となる。また、インサート材を溶融
させて、異種金属の薄板を鋼材の表面に接合できるた
め、金属間化合物を生成させることなく、必要な接合強
度を持つ接合を容易に実施することが可能となる。
4、5記載の鋼板と異種金属薄板の接合方法において
は、異種金属の薄板の接合部分の裏側にインサート材を
配置し、対向して配置された双頭の回転電極の少なくと
も一方の回転電極を異種金属の薄板の接合部分に押し付
けて、回転電極を走行させながら鋼材を介して双頭の回
転電極間にシリーズ通電を行い、インサート材を溶融さ
せて、異種金属の薄板を鋼材の表面に接合するので、工
場で鋼板と異種金属とを接合したものを製造し、現地で
いくつもの溶接工程を実施する必要がなくなる。これに
より、異種金属薄板を現地まで運搬し、現地で容易に鋼
板に接合することが可能となるので、運搬コストを低減
でき、更に、現地での溶接工程も少なくでき単純化でき
るため作業性が良好となる。また、インサート材を溶融
させて、異種金属の薄板を鋼材の表面に接合できるた
め、金属間化合物を生成させることなく、必要な接合強
度を持つ接合を容易に実施することが可能となる。
【0026】特に、請求項2記載の鋼板と異種金属薄板
の接合方法においては、異種金属の薄板は、鋼材の表面
の耐食性を向上させるために使用する厚みが0.1〜3
mmのチタン又はチタン合金からなって、インサート材
としては鋼材及びチタン又はチタン合金より融点の低い
純金属又はアモルファスとするので、異種金属の厚みを
薄くでき、更に、鋼材及びチタン又はチタン合金を溶融
することなく、チタン又はチタン合金を鋼材の表面に接
合することが可能となる。これにより、原料コストを低
減でき、しかも、金属間化合物を生成させることなく、
必要な接合強度を持つ接合を実施することが可能とな
る。
の接合方法においては、異種金属の薄板は、鋼材の表面
の耐食性を向上させるために使用する厚みが0.1〜3
mmのチタン又はチタン合金からなって、インサート材
としては鋼材及びチタン又はチタン合金より融点の低い
純金属又はアモルファスとするので、異種金属の厚みを
薄くでき、更に、鋼材及びチタン又はチタン合金を溶融
することなく、チタン又はチタン合金を鋼材の表面に接
合することが可能となる。これにより、原料コストを低
減でき、しかも、金属間化合物を生成させることなく、
必要な接合強度を持つ接合を実施することが可能とな
る。
【0027】請求項3及びこれに従属する請求項4、5
記載の鋼板と異種金属薄板の接合方法においては、鋼材
の表面に異種金属の薄板を被覆する方法であって、双頭
の回転電極の少なくとも一方の回転電極を異種金属の薄
板の接合部分に押し付けて、双頭の回転電極を走行させ
ると共に鋼材を介して双頭の回転電極間にシリーズ通電
を行い、異種金属の薄板を鋼材の表面に接合するので、
工場で鋼板と3〜5mmの異種金属とを接合したものを
現地まで運搬し、その後、いくつもの溶接工程を実施す
ることで異種金属の薄板を鋼材の表面に接合する必要が
なくなる。これにより、異種金属薄板のみを現地まで運
搬し、現地で容易に接合することが可能となるので、運
搬コストを低減でき、また、現地での溶接工程も少なく
でき単純化できるため作業性が良好となる。また、イン
サート材を使用しないことで、原料のコストを低減でき
る。
記載の鋼板と異種金属薄板の接合方法においては、鋼材
の表面に異種金属の薄板を被覆する方法であって、双頭
の回転電極の少なくとも一方の回転電極を異種金属の薄
板の接合部分に押し付けて、双頭の回転電極を走行させ
ると共に鋼材を介して双頭の回転電極間にシリーズ通電
を行い、異種金属の薄板を鋼材の表面に接合するので、
工場で鋼板と3〜5mmの異種金属とを接合したものを
現地まで運搬し、その後、いくつもの溶接工程を実施す
ることで異種金属の薄板を鋼材の表面に接合する必要が
なくなる。これにより、異種金属薄板のみを現地まで運
搬し、現地で容易に接合することが可能となるので、運
搬コストを低減でき、また、現地での溶接工程も少なく
でき単純化できるため作業性が良好となる。また、イン
サート材を使用しないことで、原料のコストを低減でき
る。
【0028】請求項4記載の鋼板と異種金属薄板の接合
方法においては、双頭の回転電極は独立に加圧機構が設
けられ、しかも、双頭の回転電極の対向する電極面距離
は5〜100mmとなっているので、接合する材料に見
合った加圧を行うことが可能となる。また、双頭の回転
電極の電極面距離を決定することで、双頭の回転電極の
距離が近づきすぎて無効な表面電流が多くなったり、遠
くなりすぎて電極間の抵抗が大きくなって溶接電流を流
すことが困難になるという事態を防ぐことができる。こ
れにより、最適な接合条件で接合することが可能とな
る。
方法においては、双頭の回転電極は独立に加圧機構が設
けられ、しかも、双頭の回転電極の対向する電極面距離
は5〜100mmとなっているので、接合する材料に見
合った加圧を行うことが可能となる。また、双頭の回転
電極の電極面距離を決定することで、双頭の回転電極の
距離が近づきすぎて無効な表面電流が多くなったり、遠
くなりすぎて電極間の抵抗が大きくなって溶接電流を流
すことが困難になるという事態を防ぐことができる。こ
れにより、最適な接合条件で接合することが可能とな
る。
【0029】請求項5記載の鋼板と異種金属薄板の接合
方法においては、双頭の回転電極の通電部の幅はそれぞ
れ1〜20mmの範囲にすることで、過剰な電極の消耗
を防ぎ、有効な溶接幅を確保することができ、また無駄
な溶接電流も流さずにすむ。これにより、効率よく、し
かも最適な溶接条件で接合を実施することが可能となる
ので、容易に必要な接合強度を持つ接合を実施すること
が可能となる。
方法においては、双頭の回転電極の通電部の幅はそれぞ
れ1〜20mmの範囲にすることで、過剰な電極の消耗
を防ぎ、有効な溶接幅を確保することができ、また無駄
な溶接電流も流さずにすむ。これにより、効率よく、し
かも最適な溶接条件で接合を実施することが可能となる
ので、容易に必要な接合強度を持つ接合を実施すること
が可能となる。
【図1】(A)、(B)はそれぞれ本発明に係る鋼板と
異種金属薄板の接合方法の説明図である。
異種金属薄板の接合方法の説明図である。
【図2】溶接電流を5kAとした場合の溶接部のEPM
A結果を示すグラフである。
A結果を示すグラフである。
【図3】溶接電流を6kAとした場合の溶接部のEPM
A結果を示すグラフである。
A結果を示すグラフである。
【図4】溶接部を1台の溶接機で溶接する溶接手順及び
溶接箇所の説明図である。
溶接箇所の説明図である。
【図5】溶接部を複数台の溶接機で溶接する方法の説明
図である。
図である。
【図6】工場で鋼板の表面に異種金属の薄板を被覆する
場合の設備の説明図である。
場合の設備の説明図である。
【図7】接合現場で鋼板の表面に異種金属の薄板を被覆
する場合の設備の説明図である。
する場合の設備の説明図である。
【図8】接合現場で鋼板の表面に異種金属の薄板を被覆
する場合の設備の説明図である。
する場合の設備の説明図である。
【図9】接合現場で鋼板の表面に異種金属の薄板を被覆
する場合の設備の説明図である。
する場合の設備の説明図である。
10鋼板、11:インサート材、12:チタン薄板、1
3:回転電極、14:回転電極、17:シーム溶接機、
18:加圧機構、19:加圧機構、20:基台、21:
固定フレーム、22:アーム部、23:フレーム、2
4:固定フレーム、25:マグネット、26:アーム
部、27:ロボット、30:自走式シーム溶接機、3
1:マグネットローラ
3:回転電極、14:回転電極、17:シーム溶接機、
18:加圧機構、19:加圧機構、20:基台、21:
固定フレーム、22:アーム部、23:フレーム、2
4:固定フレーム、25:マグネット、26:アーム
部、27:ロボット、30:自走式シーム溶接機、3
1:マグネットローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 一政 福岡県北九州市八幡西区鷹の巣2丁目4− 38−703 (72)発明者 山口 武和 福岡県北九州市八幡西区紅梅2−5−1 有限会社九州複合材料研究所内 (72)発明者 川邊 英二 福岡県北九州市門司区東門司1丁目13番17 −507号 (72)発明者 川田 勝三 福岡県北九州市八幡西区穴生1丁目15番1 −402号 (72)発明者 与田 靖之 福岡県北九州市小倉南区沼南町3丁目19番 7−203号 (72)発明者 中村 憲和 福岡県中間市大字上底井野176番地の94 (72)発明者 徳永 辰也 福岡県遠賀郡水巻町二東2丁目1番36号 ベルクールB棟202号
Claims (5)
- 【請求項1】 鋼材の表面に異種金属の薄板を被覆する
方法であって、前記異種金属の薄板の接合部分の裏側に
インサート材を配置し、対向して配置された双頭の回転
電極の少なくとも一方の回転電極を前記異種金属の薄板
の接合部分に押し付けて、前記回転電極を走行させなが
ら前記鋼材を介して該双頭の回転電極間にシリーズ通電
を行い、前記インサート材を溶融させて、前記異種金属
の薄板を前記鋼材の表面に接合することを特徴とする鋼
板と異種金属薄板の接合方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の鋼板と異種金属薄板の接
合方法において、前記異種金属の薄板は、前記鋼材の表
面の耐食性を向上させるために使用する厚みが0.1〜
3mmのチタン又はチタン合金からなって、前記インサ
ート材としては前記鋼材及び前記チタン又はチタン合金
より融点の低い純金属又はアモルファスからなることを
特徴とする鋼板と異種金属薄板の接合方法。 - 【請求項3】 鋼材の表面に異種金属の薄板を被覆する
方法であって、双頭の回転電極の少なくとも一方の回転
電極を前記異種金属の薄板の接合部分に押し付けて、前
記双頭の回転電極を走行させると共に前記鋼材を介して
該双頭の回転電極間にシリーズ通電を行い、前記異種金
属の薄板を前記鋼材の表面に接合することを特徴とする
鋼板と異種金属薄板の接合方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼
板と異種金属薄板の接合方法において、前記双頭の回転
電極は独立に加圧機構が設けられ、しかも、該双頭の回
転電極の対向する電極面距離は5〜100mmとなって
いることを特徴とする鋼板と異種金属薄板の接合方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼
板と異種金属薄板の接合方法において、前記双頭の回転
電極の通電部の幅はそれぞれ1〜20mmの範囲にある
ことを特徴とする鋼板と異種金属薄板の接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27360599A JP2001096374A (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | 鋼板と異種金属薄板の接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27360599A JP2001096374A (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | 鋼板と異種金属薄板の接合方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001096374A true JP2001096374A (ja) | 2001-04-10 |
Family
ID=17530095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27360599A Pending JP2001096374A (ja) | 1999-09-28 | 1999-09-28 | 鋼板と異種金属薄板の接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001096374A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102672331A (zh) * | 2012-05-10 | 2012-09-19 | 西安理工大学 | 电阻焊制备ta2/q235复合板的方法及焊接材料 |
JP5293981B1 (ja) * | 2012-12-25 | 2013-09-18 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 鋼材の被覆方法 |
CN110064833A (zh) * | 2018-01-24 | 2019-07-30 | 丰田自动车株式会社 | 异种金属板的接合方法 |
-
1999
- 1999-09-28 JP JP27360599A patent/JP2001096374A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102672331A (zh) * | 2012-05-10 | 2012-09-19 | 西安理工大学 | 电阻焊制备ta2/q235复合板的方法及焊接材料 |
JP5293981B1 (ja) * | 2012-12-25 | 2013-09-18 | Jfeエンジニアリング株式会社 | 鋼材の被覆方法 |
CN110064833A (zh) * | 2018-01-24 | 2019-07-30 | 丰田自动车株式会社 | 异种金属板的接合方法 |
CN110064833B (zh) * | 2018-01-24 | 2022-02-22 | 丰田自动车株式会社 | 异种金属板的接合方法 |
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