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JPH05279415A - 硬化可能な含フッ素樹脂組成物 - Google Patents

硬化可能な含フッ素樹脂組成物

Info

Publication number
JPH05279415A
JPH05279415A JP4082143A JP8214392A JPH05279415A JP H05279415 A JPH05279415 A JP H05279415A JP 4082143 A JP4082143 A JP 4082143A JP 8214392 A JP8214392 A JP 8214392A JP H05279415 A JPH05279415 A JP H05279415A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
unsaturated
coating
resin composition
curable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4082143A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiichiro Takiyama
栄一郎 滝山
Takashi Yasumura
崇 安村
Atsushi Hasegawa
淳 長谷川
Katsuhisa Morita
勝久 森田
Shinji Nanba
伸次 難波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Showa Highpolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd, Showa Highpolymer Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP4082143A priority Critical patent/JPH05279415A/ja
Publication of JPH05279415A publication Critical patent/JPH05279415A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】コーテイングおよびライニング分野において有
用な常温ラジカル硬化型の上塗用フッ素樹脂塗料の提
供。 【構成】側鎖に水酸基を有する、数平均分子量(ポリス
チレン換算)30,000以下の含フッ素重合体固形物
と、ジイソシアナート1モルに対して、不飽和モノアル
コールを1モル以上1.8モル以下のモル比で反応させ
て得られる不飽和モノイソシアナートを、架橋性単量体
中で含フッ素共重合体を溶解あるいは分散させて、反応
させることにより製造される側鎖にウレタン結合を介し
て不飽和結合を有する硬化可能な含フッ素樹脂組成物。 【効果】既存の溶剤型に比べ完全硬化型であるため、耐
水性、耐候性ゲルコート、重防食性ライニング材用等の
塗料として極めて有用であり、トップコートを始めプラ
イマー、パテ、水中塗装材、さらには中塗り材としても
利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラジカル硬化可能な不飽
和結合を有する含フッ素樹脂およびその組成物に関する
ものであり、特にコーティングおよびライニング分野に
おいて有用な硬化性樹脂に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来から、含フッ素共重合体
を用いたコーティング材料は耐候性、耐熱性、耐薬品性
等が優れていることから化学工業、建築、食品、機械等
の分野に多く使用されている。
【0003】特に近年、脚光を浴びているものに作業性
の改善された溶剤可溶型フッ素樹脂塗料がある。これら
は含フッ素重合体の有機溶剤に対する溶解性を上げ、一
般的な塗料用溶媒に溶解できるようにし、さらには含フ
ッ素共重合体中に反応性基を導入することにより硬化可
能なタイプとした塗料である。
【0004】例えば、特開昭61−57609号および
特開平1−289874号に開示されたフッ素樹脂塗料
は含フッ素共重合体中に水酸基を導入することにより、
室温でもイソシアナート硬化できるようにした塗料であ
り、施工は通常の炭化水素系の溶剤型塗料と同様に現地
施工ができる上に、その耐候性、耐薬品性を生かした長
期メンテナンスフリーの建築、土木および機械、金属分
野に使用されている。
【0005】一方、前記のような水酸基を導入した含フ
ッ素共重合体の硬化にはイソシアナートあるいはメラミ
ン系の硬化剤を使用するため、より応用範囲を拡大した
ラジカル硬化型含フッ素重合体が特開昭61−2960
73号および特開昭62−25104号に溶剤可溶型塗
料として開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】水酸基を導入した重
合体とイソシアナートアルキル基を有するメタアクリレ
ート類などの不飽和モノイソシアナートとの反応によ
り、重合体中に不飽和基を導入してラジカル硬化可能な
重合体とする方法は例えば、J.Coating Tech.,Vo
l.55(No. 703)55〜61(1983)等により
公知である。
【0007】しかしながら、該方法で水酸基を導入した
含フッ素共重合体に適用する場合、いくつかの実用上の
問題点がある。すなわち、水酸基とイソシアナート基は
定量的に反応するので、水酸基と不飽和モノイソシアナ
ートを1対1のモル比で反応させれば、水酸基が消失し
ウレタン結合を介して側鎖に不飽和基を有するラジカル
硬化が可能な含フッ素共重合体が生成する。しかしなが
ら、かかる方法では後述する如く工業的には問題が多
い。
【0008】例えば、工業的に入手可能な不飽和モノイ
ソシアナートとしては2−イソシアナートエチルメタク
リレートなどわずかなものに限られている。一方、不飽
和モノイソシアナートを得るための簡便な方法として、
ジイソシアナートと不飽和モノアルコールによりウレタ
ン結合を有する不飽和モノイソシアナートを製造する方
法があるが、この反応では未反応の不飽和モノアルコー
ルおよび2個のウレタン結合を介して両端に不飽和結合
を有する化合物(副生成物)が反応液中に生成混在する
ため、そのままでは不飽和モノイソシアナートのみを収
率よく単離精製することは容易ではない。 このよう
に、純度の良い不飽和モノイソシアナートのみを使用す
る方法はその合成上にも問題があり、経済性を考慮する
と工業的には有利とは言えない。
【0009】さらに、一般的に水酸基を導入した含フッ
素共重合体と不飽和モノイソシアナートとの反応により
不飽和結合を有する含フッ素共重合体を合成する場合、
非プロトン性の有機溶媒が使用される。
【0010】また、前記不飽和結合含有フッ素共重合体
をラジカル硬化させる場合、一般的には架橋性単量体を
介在させラジカル触媒や紫外線によって硬化させるた
め、これらをコーティング材料として使用する場合に
は、前記不飽和結合含有フッ素共重合体が有機溶媒に溶
解して、適度の粘度を有することは勿論のこと、架橋性
単量体との相溶性の良いことが必要である。
【0011】従って、原料である水酸基含有フッ素共重
合体の分子構造および分子量の設計が重要となる。
【0012】
【問題点を解決するための手段】本発明者らはかかる問
題点を解決して、工業的および経済的に有利なラジカル
硬化可能な含フッ素樹脂組成物を見出し本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は側鎖に水酸基を有する含フ
ッ素重合体固形物と、ジイソシアナートと不飽和モノア
ルコールとの反応から得られる不飽和モノイソシアナー
トを、架橋性単量体中で側鎖に水酸基を有する含フッ素
共重合体固形物を溶解あるいは分散させて、反応させる
ことにより製造される側鎖にウレタン結合を介して不飽
和基を有する硬化可能な含フッ素樹脂組成物に関するも
のである。
【0013】より具体的には、(1)1モルのジイソシ
アナートと1モル〜1.8モルの不飽和モノアルコール
との反応により生成する不飽和モノイソシアナートを原
料とし、(2)水酸基含有フッ素共重合体と不飽和モノ
イソシアナートとの反応を架橋性単量体中で行い、
(3)水酸基含有フッ素共重合体として数平均分子量3
0,000以下の固形の重合体を使用する。ここで水酸
基含有フッ素共重合体とては、フッ素化オレフイン、脂
肪酸ビニルエステルおよびヒドロキシアルキルアリルエ
ーテルを単量体とする共重合体を使用するが、必要によ
りカルボキシル基を有する不飽和単量その他の単量体を
添加することもできる。
【0014】以上の原料を使用することにより、コーテ
ィングおよびライニング材料として適当な溶媒を含め1
00%ラジカル硬化可能な不飽和結合含有フッ素樹脂溶
液の製造を可能にし、加えて本組成物は架橋性単量体の
溶液であるため、硬化樹脂中に遊離の溶剤が残存する既
存の溶剤型塗料に比べ100%硬化型塗料である。
【0015】本発明における、不飽和モノイソシアナー
トと水酸基含有フッ素共重合体とを反応させ、ウレタン
結合を介して不飽和結合を側鎖に有するフッ素共重合体
を製造する場合、多くの問題がある。
【0016】本発明者らは係る問題点について種々検討
した結果、工業的に有利な方法としてジイソシアナート
と不飽和モノアルコールとの反応によって生成する不飽
和モノイソシアナートの利用を選択した、しかしこの反
応では生成する不飽和モノイソシアナートのみを単離精
製することは容易ではない。このため不飽和モノイソシ
アナートを主とする前記反応生成物をそのまま水酸基含
有フッ素共重合体と反応させる方法が操作上および経済
的に有利であることが判明した。また、この反応におい
て生成する不飽和モノイソシアネート中に未反応のジイ
ソシアネートが含まれるとゲル化あるいは沈澱を生じ
る。
【0017】そこで本発明においては、ジイソシアナー
トに対して等モル以上の不飽和モノアルコールを反応さ
せて得られる生成物を使用することにより解決できるこ
とが判った。
【0018】一方、不飽和結合含有フッ素樹脂溶液をコ
ーティングおよびライニング材料として使用する場合、
硬化は溶媒もフッ素共重合体中の不飽和結合と反応して
架橋硬化させることが好ましい。即ち、溶媒自体が硬化
するため飛散あるいは蒸発溶媒が少なくなることから、
溶媒としてラジカル硬化可能な不飽和結合を有する単量
体の使用と、加えて架橋性単量体の溶媒中における不飽
和結合含有フッ素系共重合体の製造条件、その溶媒中に
おける溶解性および生成溶液のコーティング性なども合
わせて検討した。
【0019】これらの結果、水酸基含有フッ素系共重合
体としては数平均分子量(ポリスチレン換算)30,0
00以下の固体粒子状のものを用い、これらはフッ素化
オレフイン、脂肪酸ビニルエステルおよびヒドロキシア
ルキルアリルエーテルを主とした単量体単位とする共重
合体を使用することによりこれらの問題を解決した。
【0020】本発明において使用される側鎖に水酸基を
有する含フッ素共重合体は、水酸基を有するアリル化合
物とフッ素化オレフインおよび脂肪酸ビニルエステルな
どの共重合によって製造される。
【0021】具体的にはフッ素化オレフインとして、ク
ロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ヘキサフルオロ
イソブテン、パーフルオロビニルエーテル類が挙げられ
る。
【0022】脂肪酸ビニルエステルとしては、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸
ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パル
ミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等構造式、
【0023】
【化1】
【0024】で表される化合物が挙げられまた、これら
の混合物も使用される。水酸基を有するアリル化合物
(ヒドロキシアルキルアリルエーテル)としてはヒドロ
キシエチルアリルエーテル、ヒドロキシプロピルアリル
エーテル、ヒドロキシイソプロピルアリルエーテル、ヒ
ドロキシブチルアリルエーテルおよびこれらとラクトン
類との反応生成物であるラクトン変性化合物などのアリ
ルエーテル類が挙げられる。
【0025】本発明はこれらの3種類の単量体を主とし
て使用するが、さらにアクリル酸、メタアクリル酸、ビ
ニル酢酸、ウンデシレン酸などのカルボキシル基を有す
る不飽和単量体、アルキルビニルエーテル、α−オレフ
イン等を添加した共重合体も含むことができる。
【0026】前記共重合体は通常のラジカル開始剤の存
在下、溶液重合、乳化重合、懸濁重合または塊状重合な
どの方法を用い重合温度30〜100℃で行われる。溶
液あるいは乳化状態で得られた共重合体は沈澱剤などの
析出操作により分離され乾燥、また懸濁あるいは塊状で
得た共重合体は分離、粉砕洗浄操作により乾燥して、次
工程のジイソシアナートとの反応に供する。
【0027】共重合体の組成は特に限定しないが、好ま
しくはフッ素化オレフイン、脂肪酸ビニルエステル、水
酸基含有アリルエーテルおよびその他の単量体に基づく
単位の含有量が、それぞれ25〜75モル%、10〜7
0モル%、2〜40モル%および0〜20モル%であ
る。
【0028】ここで、フッ素化オレフインの含有量は最
終生成物(不飽和基含有フッ素共重合体)の性質に影響
を及ぼす。即ち、高過ぎると最終生成物の有機溶剤およ
び架橋性単量体への溶解性が低下し、逆に少ない場合に
は耐候性、耐薬品性といった物性面から好ましくない。
【0029】脂肪酸ビニルエステル含有量は高過ぎると
耐候性、耐薬品性といった物性面から好ましくなく、逆
に低過ぎる場合には有機溶剤、特に最終生成物の架橋性
単量体への溶解性が悪くなる。
【0030】水酸基含有アリルエーテルの含有量が低す
ぎるものについては、最終生成物中の重合体側鎖の不飽
和結合含有量が少なくなるため硬化において架橋密度が
低くなり、その結果耐薬品性、耐候性等の物性の低下を
招き、また、重ね塗り等が行い難くなる。
【0031】本発明に使用する共重合体の分子量は、テ
トラビドロフラン中40℃で測定される数平均分子量は
4,000〜30,000(ポリスチレン換算)のもの
が好ましく、分子量がこの範囲より高過ぎる場合は最終
生成物の溶剤および架橋性単量体への溶解性の減少を招
き、逆に低過ぎる場合は硬化塗膜の物性低下を引き起こ
す。
【0032】なお、水酸基含有フッ素共重合体と反応さ
せる不飽和モノイソシアナートは、ジイソシアナート1
モルに対して不飽和モノアルコールを1〜1.8モル反
応させた反応生成物がそのまま使用される。不飽和モノ
アルコールが1モルより少ない場合は、生成物中に未反
応のジイソシアナートが残存し水酸基含有フッ素共重合
体との反応時に沈澱が生じる。また、1.8モルよりも
多い場合には生成する不飽和モノイソシアナートが少な
くなり不飽和モノイソシアナートと不飽和モノアルコー
ルとの反応によりウレタン結合を介して両端にそれぞれ
不飽和基を有する化合物の生成が多くなり、その後の反
応で得られる不飽和結合含有フッ素共重合体の側鎖の不
飽和結合濃度が高くならず、従って樹脂の物性が向上し
ないばかりでなく、硬化に著しく時間を要し実用的でな
くなる。
【0033】本発明におけるジイソシアナートとして
は、例えば2,4−トリレンジイソシアナート、2,4
−トリレンジイソシアナートと2,6−トリレンジイソ
シアナートとの混合イソシアナート、P,P’−ジフェ
ニルメタンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイ
ソシアナート、パラフェニレンジイソシアナート、1,
6−ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイ
ソシアナート、水素化キシリレンジイソシアナート、な
どが挙げられる。
【0034】不飽和モノアルコールとしては、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどの(メタ)ア
クリロイル基を有するモノアルコール類、アリルアルコ
ール、アリルセロソルブ、トリメチロールプロパンジア
リルエーテルなどのアリル基を有するモノアルコール類
が挙げられる。
【0035】ジイソシアナートと不飽和モノアルコール
との反応は、ジイソシアナートを架橋性単量体中に溶解
しておき、これに不飽和モノアルコールを滴下すること
により行われる。
【0036】ここで、使用される架橋性単量体として
は、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ア
クリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニル
ケトン、アクリロニトリル、トリアリルイソシアヌレー
トなどが挙げられる。また、場合により架橋性単量体中
にポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、
ウレタンアクリレート、アルキドアクリレート、ポリエ
ーテルアクリレート、不飽和ポリエステルなどの不飽和
基を2個以上有するプレポリマーを溶解した溶液も使用
することができる。
【0037】水酸基含有フッ素共重合体と不飽和モノイ
ソシアナートとの反応比は、水酸基1モルに対して不飽
和モノイソシアナートのイソシアナート基として0.1
〜1モルの範囲内であることが好ましい。0.1モル以
下では含フッ素共重合体中の不飽和結合濃度が低く、硬
化物の物性が良好でない。1モル以上では未反応の不飽
和モノイソシアナートが残存するため、硬化時の水分の
影響大きくひいては硬化物の耐候性等に悪い影響を及ぼ
す。
【0038】反応は架橋性単量体溶液中で行うので、重
合防止のためにフェノール類などの重合防止剤を加える
ことが好ましい。また、反応の進行を促進させるために
アミン類や有機錫化合物なども反応系に添加することも
できる。
【0039】本発明の不飽和結合を有する含フッ素樹脂
溶液は、通常のラジカル開始剤あるいはラジカル開始剤
と反応促進剤を組み合わせた触媒を混合してラジカル硬
化させることができる。また、光増感剤を混合して紫外
線硬化も可能である。更に塗装は公知のスプレーで塗布
し硬化させることができる。
【0040】本発明の溶液は、耐候性、耐薬品性および
耐水性などを必要とする土木、建築、機械、化学工業等
の分野のトップコーティングおよび厚膜ライニング材料
として有用である。
【0041】
【実施例】以下、合成例および実施例をもって本発明を
詳述するが、これらに限定されるものではない。
【0042】
【水酸基含有フッ素共重合体(A)の合成】攪拌機付き
の内容積50Lのステンレス製オートクレーブに酢酸ビ
ニル2.68Kg、エチレングレコールモノアリルエー
テル1.37Kg、水19.4Kg、メチルセルロース
0.02Kg、メタホウ酸ナトリウム0.2Kgおよび
過酸化ラウロイル0.05Kgを仕込み、窒素ガスでオ
ートクレーブ内を置換した後、脱気した。その後クロロ
トリフルオロエチレン6.34Kgを導入し昇温した。
【0043】重合は攪拌下温度60℃、圧力15Kg/
cm2(G)で20時間行った。オートクレーブを冷却
後クロロトリフルオロエチレンを回収して、ポリマース
ラリーの濾過および洗浄を繰り返して減圧下40℃でポ
リマーを乾燥した。
【0044】得られたポリマー粉末の収量は6.55K
gであった。このポリマーの数平均分子量(GPC測
定:ポリスチレン換算値)は22,000であった。ま
た分析の結果、フッ素含量は28.0Wt%、OH値は5
8.0mgKOH/樹脂1gの水酸基含有フッ素共重合体
(A)であった。
【0045】
【不飽和モノイソシアナート溶液の合成】
〔1〕.攪拌機、温度計、滴下ロートおよび還流コンデ
ンサーを具備した1Lのフラスコ中に2,4−キシリレ
ンジイソシアナート188gとメタクリル酸メチル15
2g、ジブチル錫ジラウレート1.5gを仕込み温度6
0℃に昇温した後、2000ppm のベンゾキノンを含む
2−ヒドロキシエチルメタクリレート160gを滴下し
た(OH/NCO=1.4/1)。
【0046】滴下終了後3時間保持すると、ヒドロキシ
ル基の吸収の消失が認められ、やや黄褐色を帯びた不飽
和モノイソシアナートのメタクリル酸メチル溶液が得ら
れた。
【0047】〔2〕.上記〔1〕と同様にして、イソホ
ロンジイソシアナート222gおよび2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート137g(OH/NCO=1.2/
1)を使用した以外は、上記と同様にして不飽和モノイ
ソシアナートのメタクリル酸メチル溶液(固形分70
%)を得た。
【0048】〔3〕.上記〔1〕と同様にして、ヘキサ
メチレンジイソシアナート168gおよび2−ビドロキ
シエチルメタクリレート137g(OH/NCO=1.
2/1)を使用して、酢酸エチル150gおよびエチレ
ングリコールジメタクリレート45gからなる混合単量
体溶媒中で反応を行った以外は同様に行い、不飽和モノ
イソシアナートの溶液を得た。
【0049】実施例1 攪拌機、温度計、滴下ロート還流コンデンサーを具備し
た1Lのフラスコ中にメタクリル酸メチル300gを加
え、上記の水酸基含有フッ素共重合体(A)300gを
加えて溶解させた、ついで空気雰囲気下60℃に昇温し
たのち、上記〔1〕の不飽和モノイソシアナートのメタ
クリル酸メチル(MMA)溶液160gを加え5時間反
応を行った。
【0050】反応終了後、赤外分析の結果イソシアナー
トの吸収は完全に消え、側鎖に2個のウレタン結合を介
してメタアクリロイル基を有する含フッ素樹脂溶液
(C)が得られた。反応は安定でありゲル化は起こらな
かった。
【0051】この反応溶液100gに酸化チタン10
g、硬化剤として化薬アクゾ(株)製の328EMを
1.5g、N−アセトアセトイルピロリジン0.3g、
オクチル酸コバルト0.3g紫外線吸収剤(チヌビンP
−320)0.5gを均一に溶解し、ボンデライト処理
鋼板上にバーコーターで0.2mm厚になるように塗装し
た。
【0052】キシレンラビング試験の結果、硬化は室温
で約5時間後に完了することが判った。塗膜の鉛筆硬度
は、2H、碁盤目テストでは100/100の結果が得
られた。また、デューサイクル300時間の耐候性促進
テストの結果、光沢保持率は70%であり、色差は零時
間の板に比してΔE=3.4であった。
【0053】実施例2 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび還流コンデンサーを
具備した1Lのセパラブルフラスコに前記の水酸基含有
フッ素共重合体(A)300gをメタクリル酸メチル3
00gに溶解させ、次いでジブチル錫ジラウレート1.
5gを加え空気中60℃に昇温したのち、前記〔2〕の
不飽和モノイソシアナートのメタクリル酸メチル溶液
(固形分70%)130gを加え5時間反応した。
【0054】赤外分析の結果、遊離のイソシアナート基
は完全に消失したことが確認され反応は安定であってゲ
ル化は認められなかった。側鎖に2個のウレタン結合を
介してメタアクリロイル基を有するフッ素樹脂溶液
(D)が淡黄褐色で得られた。
【0055】フッ素樹脂溶液(D)100重量部に、t
−ブチルパーオクトエート1.5重量部、アエロジル1
重量部、カップリング剤としてユニオンカーバイト社製
A−174を1重量部、シリコン消泡剤3ppm および紫
外線吸収剤チヌビン0.5重量部、チタン白20重量部
を均一に混練した後、ボンデライト処理鋼板上に200
μm厚にスプレーで塗布し当初80℃で3時間、次いで
100℃で2時間加熱して硬化させた。
【0056】硬化塗膜の硬さは2H、碁盤目密着テスト
は100/100サンシャインウエザオメーターでの1
500時間照射で光沢保持率83%、色差はブランクに
比較してΔE=2.9であった。
【0057】実施例3 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび還流コンデンサーを
具備した1Lのセパラブルフラスコに前記の水酸基含有
フッ素共重合体(A)300g、酢酸エチル200g、
酢酸ブチル100gの溶剤に溶解し、ブチル錫ジラウレ
ート1.5g、フエノチアジン0.1gを加え65℃に
加温しながら、前記〔3〕の不飽和モノイソシアナート
の酢酸エチル溶液110gを滴下した。
【0058】3時間後に赤外分析の結果、遊離のイソシ
アナート基は完全に消失したことが確認された。反応は
安定であってゲル化は認められなかった。得られたフッ
素樹脂溶液(E)は淡黄褐色水飴状溶液であった。この
フッ素樹脂溶液(E)100重量部にクメンハイドロパ
ーオキシド2部、オクチル酸コバルト0.1部、N−ア
セトアセトイルピロリジン0.1部およびアエロジル
0.8部、実施例2で用いたA−174を1部、チタン
白15部、シリコン消泡剤3ppm を均一に混練し200
μmの厚みにバーコーダーでボンデライト処理鋼板上に
塗装した。
【0059】当初80℃で2時間、次いで120℃で2
時間焼付け硬化を行った。得られた塗膜の硬度は3H、
碁盤目密着テストは100/100であった。夏期6カ
月間の屋外暴露テストでは、光沢保持率はほぼ100
%、色差はブランクに比較してΔE=2.6であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 淳 埼玉県熊谷市大字肥塚37−1 (72)発明者 森田 勝久 群馬県高崎市新保町874 (72)発明者 難波 伸次 埼玉県入間郡三芳町藤久保271−8

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖に水酸基を有する、数平均分子量3
    0,000以下の含フッ素共重合体(A)と、ジイソシ
    アナート1モルに対して、不飽和モノアルコール1モル
    以上1.8モル以下のモル比で反応させて得られる不飽
    和モノイソシアナート(B)を、架橋性単量体中で含フ
    ッ素共重合体(A)を溶解あるいは分散させて、反応さ
    せることにより製造される側鎖に2個のウレタン結合を
    介して不飽和結合を有することを特徴とする硬化可能な
    含フッ素樹脂組成物。
  2. 【請求項2】含フッ素共重合体(A) が主としてフッ素化
    オレフイン、脂肪酸ビニルエステルおよびヒドロキシア
    ルキルアリルエーテルを構成単位とする共重合体である
    ことを特徴とする請求項1記載の硬化可能な含フッ素樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】架橋性単量体がラジカル硬化可能な不飽和
    基を有することを特徴とする請求項1記載の硬化可能な
    含フッ素樹脂組成物。
  4. 【請求項4】側鎖にウレタン結合を介して不飽和結合を
    有する、硬化可能な含フッ素樹脂組成物を硬化触媒と共
    にスプレーにより塗装硬化することを特徴とする請求項
    1記載の硬化可能な含フッ素樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003054031A1 (fr) * 2001-12-21 2003-07-03 Jsr Corporation Fluoropoylmere renfermant des groupes ethyleniquement insatures, compositions de resine sechables et revetements anti-reflechissants conçus au moyen de ceux-ci

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003054031A1 (fr) * 2001-12-21 2003-07-03 Jsr Corporation Fluoropoylmere renfermant des groupes ethyleniquement insatures, compositions de resine sechables et revetements anti-reflechissants conçus au moyen de ceux-ci
US7335698B2 (en) 2001-12-21 2008-02-26 Jsr Corporation Fluoropolymer containing ethylenically unsaturated groups, and curable resin compositions and antireflection coatings, made by using the same

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