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JPH05279015A - ゼオライト薄膜の形成方法 - Google Patents

ゼオライト薄膜の形成方法

Info

Publication number
JPH05279015A
JPH05279015A JP10403092A JP10403092A JPH05279015A JP H05279015 A JPH05279015 A JP H05279015A JP 10403092 A JP10403092 A JP 10403092A JP 10403092 A JP10403092 A JP 10403092A JP H05279015 A JPH05279015 A JP H05279015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zeolite
thin film
single crystal
substrate
silicon single
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10403092A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaichi Yoshida
高市 吉田
Takahiro Ono
高弘 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP10403092A priority Critical patent/JPH05279015A/ja
Publication of JPH05279015A publication Critical patent/JPH05279015A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】シリコン単結晶基板の表面にゼオライト薄膜を
形成できるゼオライト薄膜の形成方法を提供する。 【構成】アルミン酸ナトリウム19.4g ,水酸化ナトリウ
ム8.0g,脱イオン水80.1g をビーカーに秤量し30分間撹
拌して水溶液Aを調製した。次に、水ガラス26.2g およ
び脱イオン水25.0g を、別のビーカーに秤量し30分間撹
拌して水溶液Bを調製した。水溶液A及びBを32.5℃に
加熱した後に混合し、15分間強く撹拌してゲルスラリー
を得た。次いで、ゲルスラリーを0.2 μmマイクロフィ
ルターで30分間かけて濾過した。濾液を24℃で 1時間熟
成した後、脱イオン水で2倍に希釈して反応溶液を得
た。反応溶液12中に、厚さ0.4 μmの酸化膜で被覆した
シリコン単結晶基板13を略水平に浸漬した。テフロン容
器11をオートクレーブに収容し、温度82.5℃、結晶化時
間4 時間の条件でシリコン単結晶基板13に水熱処理を施
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、湿度センサや
ガスセンサに使用される、シリコン基板の表面上にゼオ
ライト薄膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゼオライトを用いた湿度センサ
は、図13に示すように、厚さ50〜1000μmの水
晶基板31の両面に、厚さ1〜5μmのゼオライト薄膜
32を形成し、ゼオライト薄膜32に夫々電極33を取
り付け、リード線34を接続したものである。このよう
な構造からなる湿度センサ30では、電極33の間の静
電容量を測定することにより湿度を測定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の湿度
センサ30では、静電容量Cは、電極間隔d,電極面積
Sおよび誘電率εとの間に、次式(1)で表される関係
がある。
【0004】C=ε・S/d ・・・・・(1) 式(1)から明らかなように、静電容量Cの感度は、S
/dの値に大きく関与し、電極面積が大きく、電極間隔
dが小さくなるほど向上する。
【0005】しかしながら、水晶基板31の厚さが50
μm以下にすると機械的強度が著しく低下し、ゼオライ
ト薄膜32を形成する際に割れやすくなる。従って、従
来の湿度センサ30では、電極間隔dは50μmより小
さくすることはできない。このため、静電容量Cの感度
を向上するためには電極面積Sを大きくしなければなら
ない。
【0006】また、水晶基板31が非導電性であるた
め、水晶基板31にリード線34を接続するために、必
ず水晶基板31の両面にゼオライト薄膜32および電極
33を形成しなければならない。
【0007】このような理由から、従来の湿度センサ3
0では、静電容量Cの感度を維持しつつ湿度センサ30
を小型化することは困難である。
【0008】以上、湿度センサの場合を例に挙げて説明
したが、ゼオライト薄膜を用いた炭酸ガス等を検知する
ガスセンサにおいても同様の問題がある。
【0009】そこで、水晶基板31よりも機械的強度に
優れ、且つ、電極の接続が容易なシリコン単結晶基板を
用いることにより、より基板の厚さを薄くできる。ま
た、図12に示す如く、電極の役割を果たす導電性のシ
リコン単結晶基板21に直接リード線24を接続できる
ので、ゼオライト薄膜22および電極23を片面だけに
形成すれば足りる。この結果、電極間隔d´を著しく小
さくできるので、湿度センサの感度をさらに向上しつつ
より小型化することが考えられる。しかしながら、シリ
コン単結晶基板の上に、均密にゼオライト薄膜を形成す
る方法は今だ知られていない。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、シリコン単結晶基板の表面に均密にゼオライト
薄膜を形成できる新規なゼオライト薄膜の形成方法を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定の割合で
アルミナ源、シリカ源、アルカリ源および水を含有する
出発原料から反応溶液を調製する工程と、表面に酸化膜
を被覆したシリコン単結晶基板に前記反応溶液中に浸漬
した状態で水熱処理を施して前記酸化膜上にゼオライト
を結晶化させる工程を具備することを特徴とするゼオラ
イト薄膜の形成方法を提供する。
【0012】以下、本発明のゼオライト薄膜の形成方法
をさらに詳細に説明する従来、ゼオライト結晶粉末の生
成方法としては、例えば、水酸化ナトリウム,シリカ,
アルミナ及び水のような出発原料を混合して反応溶液を
調製して、この反応溶液にオートクレーブ中で結晶化処
理を施すことにより、ゼオライトを結晶化させて沈澱さ
せることが知られている。そこで、本発明者らは、ゼオ
ライト結晶粉末が生成可能な反応溶液中に、シリコン単
結晶基板を浸漬し、水熱処理を施してゼオライト薄膜を
形成することを試みた。しかし、反応溶液によるシリコ
ン単結晶基板の溶解速度が速いため、シリコン単結晶基
板が浸蝕されてしまい、ゼオライト薄膜は全く形成でき
なかった。
【0013】このような不都合を解消するために、本発
明者らは、シリコン単結晶基板の表面に酸化膜を形成し
た後、この酸化膜上にゼオライト薄膜を結晶化させるこ
とを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0014】本発明のゼオライト薄膜の形成方法に用い
られる反応溶液は、アルミナ源、シリカ源、アルカリ源
および水を出発原料として調製される。
【0015】形成するゼオライト薄膜がA型ゼオライト
である場合には、反応溶液は、アルミナ源、シリカ源、
アルカリ源および水を出発原料として調製される。
【0016】ここで、アルミナ源としては、例えば、活
性アルミナ,γアルミナ,アルミナ水和物,硝酸塩,硫
酸塩等の各種アルミニウム塩や粉末アルミナ等を挙げる
ことができるが、アルミン酸ナトリウムが特に好まし
い。また、シリカ源としては、粉末シリカ,コロイダル
シリカ,無定型シリカ,ケイ酸ナトリウム,シリカゲ
ル,ケイ酸,ゲル溶解シリカ,水ガラス等を挙げること
ができるが、この中で水ガラスが特に好ましい。また、
アルカリ源としては、水酸化ナトリウム、水酸化アンモ
ニウム等が挙げられる。
【0017】まず、所定の割合で配合されたアルミナ
源、シリカ源、アルカリ源および水は混合するとゲル化
して固形物となる。このままでは濾過できないため、こ
れらの出発原料を混合した直後に強く撹拌してゲルスラ
リーを調製する。ゲルスラリーの調製にあたり、出発原
料は、夫々秤量した後に同時に混合しても良いし、各出
発原料の水溶液を調製した後にこれらを混合することも
できる。また、例えば、アルミン酸ナトリウム、水酸化
ナトリウム及び水を混合した水溶液と、水ガラス及び水
を混合した水溶液を別途調製した後に夫々の水溶液を混
合することもできる。
【0018】このように全ての出発原料を混合してゲル
スラリーを調製するときに、出発原料またはこれらの水
溶液の温度は、得られるゲルスラリーの粘度に影響を与
える。このため、出発原料またはこれらの水溶液の温度
は例えば、5〜40℃の範囲内に予め調整しておく必要
がある。特に好ましくは32.5℃に調整する。
【0019】また、出発原料を混合してゲルスラリーを
調製する際の周囲温度および撹拌時間のような撹拌条件
もゲルスラリーの粘度に影響を与える。好ましい撹拌条
件は、周囲温度24℃、撹拌時間15分である。このゲ
ルスラリーを調製する工程をゲル熟成と呼ぶ。
【0020】次に、ゲル熟成の後、ゲルスラリーをマイ
クロフィルターで濾過する。ここで、マイクロフィルタ
ーのフィルター径は、濾液中に存在する微少なゲルの量
を変化させる。好ましいフィルター径は、0.1〜1μ
mであり、特に0.2μmが好ましい。
【0021】次いで、得られた濾液を、濾液中のゼオラ
イトの核生成を促進するために熟成させることができ
る。濾液の好ましい熟成条件は、24℃,1〜24時間
である。
【0022】濾液は、そのまま反応溶液として用いても
良いが、脱イオン水で希釈して反応溶液として用いるこ
ともできる。脱イオン水で希釈することにより、濾液の
組成およびpHが変化し、ゼオライト薄膜の状態を制御
することができる。好ましくは、濾液を脱イオン水で約
2倍に希釈する。
【0023】一方、形成するゼオライト薄膜がZSM−
5型ゼオライトである場合には、反応溶液は、アルミナ
源、シリカ源、水酸化ナトリウムおよび水を所定の割合
で混合することにより調製される。
【0024】形成するゼオライト薄膜がZSM−5型ゼ
オライトである場合には、シリカ源、アルミナ源、有機
塩基、水酸化ナトリウムおよび水を適当な割合で混合
し、下記の組成Iを有する反応溶液を調製する。
【0025】 組成I Na2 O/SiO2 0.05〜0.35 Al2 3 /SiO2 0〜0.04 [R]/SiO2 0.05〜1.5 H2 O/SiO2 40〜60 (ここで、[R]は、有機塩基である。また、組成の割
合は、モル比で表す。)ここで、シリカ源としては、粉
末シリカ、コロイダルシリカ、無定形シリカ、ケイ酸ナ
トリウム、シリカゲル、ケイ酸、ゲル溶解シリカ、水ガ
ラス等を挙げることができる。これらのうち、粉末シリ
カが特に好ましい。
【0026】アルミナ源としては、活性アルミナ、γア
ルミナ、アルミナ水和物、硝酸塩、硫酸塩等の各種アル
ミニウム塩、粉末アルミナ等をあげることができる。こ
れらのうち、粉末アルミナが特に好ましい。
【0027】骨格形成剤として混合される有機塩基は、
テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラアルキル
アンモニウムブロミド(TPABr)、プロピルアミ
ン、水酸化テトラ−n−プロピルアンモニウム(TPA
OH)、ヨウ化テトラ−n−プロピルアンモニウム等を
あげることができるが、これらのうち、テトラプロピル
アンモニウムブロミド(TPABr)が特に好ましい。
【0028】シリコン単結晶基板の表面上への酸化膜の
被覆は、例えば、シリコン単結晶基板を、800〜15
00℃に加熱し、酸素または水蒸気を流通させた焼成炉
に入れて1〜20時間維持することにより行うことがで
きる。酸化膜の膜厚は、0.1〜2μmが好ましく、
0.5μmが特に好ましい。
【0029】一方、シリコン単結晶基板の表面へのゼオ
ライト薄膜の形成は、上述の反応溶液中に、表面上に酸
化膜を被覆したシリコン単結晶基板を浸漬した状態で水
熱処理を施すことにより行う。
【0030】ここで、水熱処理条件は、A型ゼオライト
の場合には、オートクレーブ中で、20〜175℃の温
度で約0.5〜150時間の結晶化時間であり、好まし
くは、80〜90℃の温度で0.5〜6時間の結晶化時
間である。結晶化時間は、均密なゼオライト薄膜を形成
する上で重要である。結晶化時間が短かすぎると、基板
上にゼオライト結晶が生成しない状態または点在してい
る状態となり、長すぎると生成したゼオライト薄膜が剥
離または他の型のゼオライトに移行してしまう。最適な
結晶化時間は、反応溶液の組成や処理温度により異な
る。従って、水熱処理条件は、反応溶液の組成に合わせ
て最適な条件を選択する必要がある。
【0031】シリコン単結晶基板の表面に形成されるゼ
オライト薄膜の状態は、反応溶液中への基板の浸漬方法
により異なる。例えば、反応溶液中にシリコン基板を水
平に浸漬した場合、シリコン基板の上面側と下面側とで
は、ゼオライト薄膜の状態が異なる。すなわち、シリコ
ン基板の上面側に形成されたゼオライト薄膜は、反応溶
液中で成長したゼオライト結晶が沈降して積層し、互い
に結合することにより薄膜状に形成される。このため、
シリコン基板の上面側に形成されたゼオライト薄膜は間
隙が多く、例えば湿度センサやガスセンサの素子として
利用するには好ましくない場合がある。
【0032】一方、シリコン基板の下面側に形成された
ゼオライト薄膜は、シリコン基板上に被覆した酸化膜に
直接成長したゼオライト結晶が一層だけ互いに間隙なく
生成する。このため、シリコン基板とゼオライト薄膜の
結合状態は極めて良好であり、その膜厚は、略結晶一個
分の大きさ(例えば、1〜4μm)に等しい。このよう
に、シリコン基板の下面側に形成されたゼオライト薄膜
は、例えば湿度センサやガスセンサの素子として利用す
るのに特に適している。
【0033】また、反応溶液中にシリコン基板を垂直に
浸漬した状態で形成されるゼオライト薄膜の状態は、水
平に浸漬した場合の下面側表面に生成するゼオライト薄
膜とほぼ同様であるが、わずかに反応溶液中で成長した
ゼオライト結晶が重力により落下してゼオライト薄膜の
表面に結合する。これを防止するため、シリコン基板の
上方にテフロン製の遮蔽板を置くことが有効である。
【0034】ゼオライト薄膜の膜厚は、例えば、シリカ
源の種類,反応溶液の組成,濾液の熟成時間,結晶化時
間等を変更することにより制御できるが、濾液の熟成時
間により制御することが最も好ましい。
【0035】上述のように、反応溶液中でシリコン単結
晶基板に水熱処理を施すことにより、ゼオライトがシリ
コン単結晶基板の表面に被覆された酸化膜(SiO2
の上に強固にかつ均密に結晶化して、ゼオライト薄膜が
形成される。また、酸化膜で被覆することにより、シリ
コン単結晶基板が反応溶液により浸蝕されるのを防止で
きる。ここで、ゼオライト薄膜が酸化膜に強固に結晶化
するのは、反応溶液中のアルミノケイ酸塩分子がSiO
2 を結合剤として重合し、ゼオライト骨格が形成され、
さらにゼオライト骨格が成長してシリコン単結晶基板上
にゼオライト薄膜が形成されるので、原子レベルでシリ
コン単結晶基板とゼオライト薄膜が結合しているからで
ある。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0037】実施例1 A型ゼオライト薄膜の形成 ここで出発原料として、水酸化ナトリウム(和光純薬工
業(株)製)、水ガラス(Na2 O17〜19%,Si
2 35〜38%)(和光純薬工業(株)製)、アルミ
ン酸ナトリウム(Na2 O30%,Al2 3 35%)
(関東化学(株)製)を用いた。
【0038】まず、アルミン酸ナトリウム19.4g,
水酸化ナトリウム8.0g,脱イオン水80.1gをビ
ーカーに秤量し、スターラーで30分間撹拌して水溶液
Aを調製した。
【0039】次に、水ガラス26.2gおよび脱イオン
水25.0gを、別のビーカーに秤量し、スターラーで
30分間撹拌して水溶液Bを調製した。
【0040】得られた水溶液AおよびBを、恒温水槽中
で32.5℃に加熱した後に混合し、15分間スプーン
で強く撹拌してゲルスラリーを得た。得られたゲルスラ
リーのモル組成は、4.1Na2 O/2.4SiO2
Al2 3 /104H2 Oであった。
【0041】次いで、得られたゲルスラリーを、0.2
μmマイクロフィルターで30分間かけて濾過した。得
られた濾液を、24℃で1時間熟成した後、脱イオン水
で2倍に希釈して反応溶液を得た。
【0042】得られた反応溶液12を、図1に示すよう
に、テフロン容器11に収容し、反応溶液12中に、厚
さ0.4μmの酸化膜で被覆したシリコン単結晶基板1
3を、その両端部を支持台14で保持して略水平に浸漬
した。
【0043】このテフロン容器11をオートクレーブに
収容し、温度82.5℃、結晶化時間4時間の条件でシ
リコン単結晶基板13に水熱処理を施した。この後、シ
リコン単結晶基板13を、洗浄、乾燥した。
【0044】このようにしてシリコン単結晶基板の上面
側および下面側の表面に形成されたゼオライト薄膜につ
いて、電子顕微鏡撮影による観察およびX線回折を行っ
た。シリコン単結晶基板の上面側および下面側に形成さ
れたゼオライト薄膜中のゼオライト結晶の構造を、夫々
図2および図3の電子顕微鏡写真に示す。図2(A),
(B)は、上面側の表面におけるゼオライト結晶の表面
構造および断面構造を、図3(A),(B)は、下面側
の表面におけるゼオライト結晶の表面構造および断面構
造を示す。
【0045】この結果から、シリコン単結晶基板は、上
面側および下面側の両方共に、A型ゼオライトが結晶化
していることが確認された。また、シリコン単結晶基板
の上面側の酸化膜表面に形成されたゼオライト薄膜は間
隙が多く、湿度センサやガスセンサの素子として利用す
るには適していない。一方、下面側の酸化膜表面に形成
したゼオライト薄膜は互いに間隙なく形成されており、
ゼオライトセンサの素子として利用するのに適している
ことが確認された。
【0046】実施例2 濾液の熟成時間を1時間および24時間に変更した以外
は、実施例1と同様の手順に従って、シリコン単結晶基
板にゼオライト薄膜を形成した。シリコン単結晶基板の
下面側に形成されたゼオライト薄膜中のゼオライト結晶
の断面構造を、図4および図5の電子顕微鏡写真に示
す。
【0047】この結果からあきらかように、濾液の熟成
時間を変化させることにより、基板の表面に生成するゼ
オライト薄膜の膜厚を制御できることが確認された。
【0048】実施例3 結晶化時間を、40分間、1、2、4、8時間に種々変
更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、シリコ
ン単結晶基板にゼオライト薄膜を形成した。シリコン単
結晶基板の下面側に形成されたゼオライト薄膜中のゼオ
ライト結晶の表面構造を、図6〜11の電子顕微鏡写真
に示す。
【0049】図6〜11から明らかなように、結晶化時
間を変更することにより、シリコン単結晶基板に形成さ
れるゼオライト薄膜の状態が大きく影響されることが確
認された。
【0050】実施例4 ZSM−5型ゼオライト薄膜
の形成 出発原料として、水酸化ナトリウム(和光純薬工業
(株)製)、テトラプロピルアンモニウムブロミド(T
PABr;和光純薬工業(株)製)、二酸化ケイ素(関
東化学(株)製)を用いた。
【0051】まず、上述の出発原料を所定の割合で混合
してテフロン容器に入れる。これらの混合物を振とう器
で撹拌しながら、24℃で24時間熟成させて、下記組
成を有する反応溶液を調製した。
【0052】 0.050Na2 0/SiO2 /0.668TPABr/49H2 O 得られた反応溶液を、実施例1と同様に、テフロン容器
11に収容し、反応溶液中に、厚さ0.4μmの酸化膜
で被覆したシリコン単結晶基板13を、その両端部を支
持台14で保持して略水平に浸漬した。
【0053】このテフロン容器11をオートクレーブに
収容し、温度120℃、結晶化時間24時間の条件でシ
リコン単結晶基板13に水熱処理を施した。この後、シ
リコン単結晶基板13を、洗浄、乾燥して、表面にZS
M−5型ゼオライト薄膜が形成されたシリコン単結晶基
板を得た。
【0054】得られたシリコン単結晶基板の水熱処理を
施した際に下面側であった表面には、厚さ1.5μmで
均密なZSM−5型ゼオライト薄膜が、シリコン単結晶
基板に強固に結合して形成されていることが確認され
た。
【0055】
【発明の効果】本発明のゼオライト薄膜の形成方法によ
れば、シリコン単結晶基板にゼオライト薄膜を必要に応
じた状態に容易に形成できる。この結果、ゼオライト薄
膜を用いた湿度センサやガスセンサの性能の改善や小型
化に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゼオライト薄膜の形成方法の水熱処理
工程を示す説明図。
【図2】(A)は、本発明のゼオライト薄膜の形成方法
に従ってシリコン単結晶基板の上面側に形成されたゼオ
ライト薄膜中のゼオライト結晶の表面構造を示す電子顕
微鏡写真、(B)は、同ゼオライト結晶の断面構造を示
す電子顕微鏡写真。
【図3】(A)は、本発明のゼオライト薄膜の形成方法
に従ってシリコン単結晶基板の下面側に形成されたゼオ
ライト薄膜中のゼオライト結晶の表面構造を示す電子顕
微鏡写真、(B)は、同ゼオライト結晶の断面構造を示
す電子顕微鏡写真。
【図4】本発明のゼオライト薄膜の形成方法に従って、
濾液を1時間熟成させた場合のシリコン単結晶基板の下
面側に形成されたゼオライト薄膜中のゼオライト結晶の
断面構造を示す電子顕微鏡写真。
【図5】本発明のゼオライト薄膜の形成方法に従って、
濾液を24時間熟成させた場合のシリコン単結晶基板の
下面側に形成されたゼオライト薄膜中のゼオライト結晶
の断面構造を示す電子顕微鏡写真。
【図6】本発明のゼオライト薄膜の形成方法に従って、
結晶化時間が40分間である場合のシリコン単結晶基板
の下面側に形成されたゼオライト薄膜中のゼオライト結
晶の表面構造を示す電子顕微鏡写真。
【図7】本発明のゼオライト薄膜の形成方法に従って、
結晶化時間が1時間である場合のシリコン単結晶基板の
下面側に形成されたゼオライト薄膜中のゼオライト結晶
の表面構造を示す電子顕微鏡写真。
【図8】本発明のゼオライト薄膜の形成方法に従って、
結晶化時間が2時間である場合のシリコン単結晶基板の
下面側に形成されたゼオライト薄膜中のゼオライト結晶
の表面構造を示す電子顕微鏡写真。
【図9】本発明のゼオライト薄膜の形成方法に従って、
結晶化時間が4時間である場合のシリコン単結晶基板の
下面側に形成されたゼオライト薄膜中のゼオライト結晶
の表面構造を示す電子顕微鏡写真。
【図10】本発明のゼオライト薄膜の形成方法に従っ
て、結晶化時間が8時間である場合のシリコン単結晶基
板の下面側に形成されたゼオライト薄膜中のゼオライト
結晶の表面構造を示す電子顕微鏡写真。
【図11】本発明のゼオライト薄膜の形成方法に従っ
て、結晶化時間が8時間である場合のシリコン単結晶基
板の下面側に形成されたゼオライト薄膜中のゼオライト
結晶の表面構造を示す電子顕微鏡写真。
【図12】シリコン単結晶基板を用いたゼオライト湿度
センサの例を示す断面図。
【図13】従来の水晶基板を用いたゼオライト湿度セン
サを示す断面図。
【符号の説明】
11…テフロン容器、12…反応溶液、13…シリコン
単結晶基板、14…支持台。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の割合でアルミナ源、シリカ源、ア
    ルカリ源および水を含有する出発原料から反応溶液を調
    製する工程と、表面に酸化膜を被覆したシリコン単結晶
    基板に前記反応溶液中に浸漬した状態で水熱処理を施し
    て前記酸化膜上にゼオライトを結晶化させる工程を具備
    することを特徴とするゼオライト薄膜の形成方法。
JP10403092A 1992-03-31 1992-03-31 ゼオライト薄膜の形成方法 Pending JPH05279015A (ja)

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JP10403092A JPH05279015A (ja) 1992-03-31 1992-03-31 ゼオライト薄膜の形成方法

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JP10403092A JPH05279015A (ja) 1992-03-31 1992-03-31 ゼオライト薄膜の形成方法

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JPH05279015A true JPH05279015A (ja) 1993-10-26

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001240411A (ja) * 2000-02-28 2001-09-04 Ngk Insulators Ltd モルデナイトゼオライト膜およびその製造方法
WO2007120235A1 (en) 2006-04-13 2007-10-25 Siemens Power Generation, Inc. Sulfur detector for gaseous fuels
JP2008254954A (ja) * 2007-04-03 2008-10-23 Shin Etsu Chem Co Ltd ゼオライト微粒子の製造方法、安定化されたゼオライト及びその利用方法
CN107185596A (zh) * 2016-03-14 2017-09-22 中国科学院大连化学物理研究所 一种提高无粘结剂分子筛催化剂机械强度的方法

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