JPH05258970A - 静止誘導機器鉄心 - Google Patents
静止誘導機器鉄心Info
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- JPH05258970A JPH05258970A JP5465292A JP5465292A JPH05258970A JP H05258970 A JPH05258970 A JP H05258970A JP 5465292 A JP5465292 A JP 5465292A JP 5465292 A JP5465292 A JP 5465292A JP H05258970 A JPH05258970 A JP H05258970A
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- frame
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 内外周に補強枠を配置して構成される電気機
器の鉄心構造において、個々の鉄心ごとに異なる積層方
向の寸法差を吸収し、鉄心への適当な締付けを実現し、
鉄心内部の機械的ストレスの発生を抑止し、鉄損、励磁
電流、磁歪などの磁気的な特性劣化を招かない鉄心構造
の提供。 【構成】 それぞれがコの字型に形成された一対の枠体
の端部を当接させてなる内周補強枠に、非晶質磁性合金
薄帯を切断部を設けて多数巻回し、その外周部にそれぞ
れがコの字型に形成された一対の枠体よりなる外周補強
枠を配置してなる巻鉄心に、巻線を装着して形成された
静止誘導機器の鉄心を、上記外周補強枠のコの字型に形
成された一対の枠体の端部が当接しないように、巻鉄心
以外の静止誘導機器の構造部材により制約しつつ構成し
た。
器の鉄心構造において、個々の鉄心ごとに異なる積層方
向の寸法差を吸収し、鉄心への適当な締付けを実現し、
鉄心内部の機械的ストレスの発生を抑止し、鉄損、励磁
電流、磁歪などの磁気的な特性劣化を招かない鉄心構造
の提供。 【構成】 それぞれがコの字型に形成された一対の枠体
の端部を当接させてなる内周補強枠に、非晶質磁性合金
薄帯を切断部を設けて多数巻回し、その外周部にそれぞ
れがコの字型に形成された一対の枠体よりなる外周補強
枠を配置してなる巻鉄心に、巻線を装着して形成された
静止誘導機器の鉄心を、上記外周補強枠のコの字型に形
成された一対の枠体の端部が当接しないように、巻鉄心
以外の静止誘導機器の構造部材により制約しつつ構成し
た。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非晶質磁性合金などの薄
板状磁性材料を使用する静止誘導機器の鉄心構造に関す
るものである。
板状磁性材料を使用する静止誘導機器の鉄心構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電気機器の鉄心材料としては従来珪素鋼
板が使用されているが、最近珪素鋼板に比較して鉄損が
20〜30%低い非晶質磁性合金が開発され、電気機器
の鉄心材料への利用が研究されている。非晶質磁性合金
は溶湯を急冷して製造されており、その製造方法のため
20〜40μmの薄板状にしか製造できない。この薄板
材料で構成される鉄心は、形状を維持するために内周側
及び外周側に補強枠を配置して十分な剛性を得ることに
より、内部応力の発生による圧縮歪みや曲げ応力などの
機械的ストレスの発生を防止し、鉄損、励磁電流、磁歪
などの磁気的な特性劣化要因の発生を抑止している。
板が使用されているが、最近珪素鋼板に比較して鉄損が
20〜30%低い非晶質磁性合金が開発され、電気機器
の鉄心材料への利用が研究されている。非晶質磁性合金
は溶湯を急冷して製造されており、その製造方法のため
20〜40μmの薄板状にしか製造できない。この薄板
材料で構成される鉄心は、形状を維持するために内周側
及び外周側に補強枠を配置して十分な剛性を得ることに
より、内部応力の発生による圧縮歪みや曲げ応力などの
機械的ストレスの発生を防止し、鉄損、励磁電流、磁歪
などの磁気的な特性劣化要因の発生を抑止している。
【0003】上記鉄心の内周側及び外周側に配置する補
強枠構造としては、実開昭63−15023に開示され
たものがある。これは巻鉄心の内周面に、コの字型の一
対の枠体を、端部を突き合わせて構成してなる内周補強
枠と、鉄心の外周面にコの字型の一対の枠体を、端部を
突き合わせて構成してなる外周補強枠とを備えたもので
ある。図5〜7は上記補強枠を示すもので、図5は巻鉄
心と巻線との組立体を示す正面図、図6は内周補強枠の
斜視図、図7は外周補強枠の斜視図で、図中1は内周補
強枠、2は外周補強枠、3は下部枠体、4は上部枠体、
5は当て板、6は下部枠体、7は上部枠体、8は当て
板、9は巻線である。内周補強枠1、外周補強枠2とも
に一対のコの字状の上下枠体を突き合わせ、その合せ目
に当て板5、8を配置し、枠体の突き合わせ部がずれな
いようにして構成されている。補強枠1、2は上記のよ
うに構成されているので、鉄心の積層方向に必要以上の
外力が加わるのを防止し、非晶質磁性合金の鉄心を保護
しながら巻鉄心に十分な剛性を付与している。
強枠構造としては、実開昭63−15023に開示され
たものがある。これは巻鉄心の内周面に、コの字型の一
対の枠体を、端部を突き合わせて構成してなる内周補強
枠と、鉄心の外周面にコの字型の一対の枠体を、端部を
突き合わせて構成してなる外周補強枠とを備えたもので
ある。図5〜7は上記補強枠を示すもので、図5は巻鉄
心と巻線との組立体を示す正面図、図6は内周補強枠の
斜視図、図7は外周補強枠の斜視図で、図中1は内周補
強枠、2は外周補強枠、3は下部枠体、4は上部枠体、
5は当て板、6は下部枠体、7は上部枠体、8は当て
板、9は巻線である。内周補強枠1、外周補強枠2とも
に一対のコの字状の上下枠体を突き合わせ、その合せ目
に当て板5、8を配置し、枠体の突き合わせ部がずれな
いようにして構成されている。補強枠1、2は上記のよ
うに構成されているので、鉄心の積層方向に必要以上の
外力が加わるのを防止し、非晶質磁性合金の鉄心を保護
しながら巻鉄心に十分な剛性を付与している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記鉄心構造
において、非晶質磁性合金による鉄心は、板厚さにバラ
ツキがあり占積率の違いが大きいため、個々の鉄心ごと
にその積層方向の寸法が微妙に異なっている。そしてこ
の鉄心ごとの寸法差を調整、吸収することは困難であ
り、下記問題点がある。すなわち鉄心を収納するための
内外周補強枠1、2で構成されたスペースが実際の積層
方向の鉄心寸法より小さい場合、鉄心の積層方向に外力
が加わることとなり、内部への圧縮歪み等のような機械
的ストレスが発生し、鉄損、励磁電流、磁歪などの磁気
的な特性劣化を招くことがある。実開昭63−1502
3号公報に示す鉄心においては、外周補強枠の外周側に
スチールバンドを巻回して巻鉄心の接合部にエアギャッ
プを発生させない程度に締付けることを提案している
が、非晶質磁性合金帯は極めて薄くて剛性が低いため、
接合部のエアギャップをなくすまで締付けると非晶質磁
性合金帯が局部的に折れ曲がるなどの不都合を生じる。
したがって現実的にこの締付け調整は困難である。また
逆に、内外周補強枠1、2で構成する積層方向の鉄心寸
法に相当するスペースが実際の積層方向の鉄心寸法より
大きい場合、内外補強枠1、2と鉄心との間に隙間を生
じ、鉄心積層方向の十分な固定ができないため、この部
分での鉄心そのものの積層方向への励磁振動により騒音
が発生する恐れがある。この現象は鉄心の外周側にスチ
ールバンドなどを巻回する締付け方法をとっても矯正で
きない。またこの欠点は磁歪特性が大きい非晶質磁性合
金帯では特に問題となるものである。
において、非晶質磁性合金による鉄心は、板厚さにバラ
ツキがあり占積率の違いが大きいため、個々の鉄心ごと
にその積層方向の寸法が微妙に異なっている。そしてこ
の鉄心ごとの寸法差を調整、吸収することは困難であ
り、下記問題点がある。すなわち鉄心を収納するための
内外周補強枠1、2で構成されたスペースが実際の積層
方向の鉄心寸法より小さい場合、鉄心の積層方向に外力
が加わることとなり、内部への圧縮歪み等のような機械
的ストレスが発生し、鉄損、励磁電流、磁歪などの磁気
的な特性劣化を招くことがある。実開昭63−1502
3号公報に示す鉄心においては、外周補強枠の外周側に
スチールバンドを巻回して巻鉄心の接合部にエアギャッ
プを発生させない程度に締付けることを提案している
が、非晶質磁性合金帯は極めて薄くて剛性が低いため、
接合部のエアギャップをなくすまで締付けると非晶質磁
性合金帯が局部的に折れ曲がるなどの不都合を生じる。
したがって現実的にこの締付け調整は困難である。また
逆に、内外周補強枠1、2で構成する積層方向の鉄心寸
法に相当するスペースが実際の積層方向の鉄心寸法より
大きい場合、内外補強枠1、2と鉄心との間に隙間を生
じ、鉄心積層方向の十分な固定ができないため、この部
分での鉄心そのものの積層方向への励磁振動により騒音
が発生する恐れがある。この現象は鉄心の外周側にスチ
ールバンドなどを巻回する締付け方法をとっても矯正で
きない。またこの欠点は磁歪特性が大きい非晶質磁性合
金帯では特に問題となるものである。
【0005】本発明は内外周に補強枠を配置して構成さ
れる鉄心構造において、個々の鉄心ごとに微妙に異なる
積層方向の鉄心寸法差を吸収し、適当な締付けを実現
し、鉄心内部の機械的ストレスの発生を抑止し、鉄損、
励磁電流、磁歪などの磁気的な特性劣化を招かない鉄心
構造を提供しようとするものである。
れる鉄心構造において、個々の鉄心ごとに微妙に異なる
積層方向の鉄心寸法差を吸収し、適当な締付けを実現
し、鉄心内部の機械的ストレスの発生を抑止し、鉄損、
励磁電流、磁歪などの磁気的な特性劣化を招かない鉄心
構造を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、それぞれがコの字型に形成された一対の枠体の端部
を当接させてなる内周補強枠に、非晶質磁性合金薄帯を
切断部を設けて多数巻回し、その外周部にそれぞれがコ
の字型に形成された一対の枠体よりなる外周補強枠を配
置してなる巻鉄心に、巻線を装着して形成された静止誘
導機器における本発明に係る鉄心構造は、巻鉄心以外の
静止誘導機器の構造部材によって、上記外周補強枠の一
対の枠体の端部が当接しないように構成されている。ま
た上記外周補強枠の一対の枠体の端部が当接しないよう
に制約する部材は、上部端枠と下部端枠とを連結する部
材である。
め、それぞれがコの字型に形成された一対の枠体の端部
を当接させてなる内周補強枠に、非晶質磁性合金薄帯を
切断部を設けて多数巻回し、その外周部にそれぞれがコ
の字型に形成された一対の枠体よりなる外周補強枠を配
置してなる巻鉄心に、巻線を装着して形成された静止誘
導機器における本発明に係る鉄心構造は、巻鉄心以外の
静止誘導機器の構造部材によって、上記外周補強枠の一
対の枠体の端部が当接しないように構成されている。ま
た上記外周補強枠の一対の枠体の端部が当接しないよう
に制約する部材は、上部端枠と下部端枠とを連結する部
材である。
【0007】
【作用】上記手段によれば、内外周補強枠で構成する積
層方向の鉄心寸法に相当するスペースが、内外周補強枠
によって決まるのでなく、個々の鉄心ごとに微妙に異な
る積層方向の鉄心寸法に対し、実際の寸法に応じた寸法
設定が可能となるので、個々の鉄心ごとに異なる積層方
向の寸法差を吸収し、鉄心に対し適当な締付けが可能と
なり、鉄心内部への圧縮歪みのような機械的なストレス
の発生を抑制することとなる。その結果鉄損、励磁電
流、磁歪などの磁気的な特性劣化を招くことがなくな
る。
層方向の鉄心寸法に相当するスペースが、内外周補強枠
によって決まるのでなく、個々の鉄心ごとに微妙に異な
る積層方向の鉄心寸法に対し、実際の寸法に応じた寸法
設定が可能となるので、個々の鉄心ごとに異なる積層方
向の寸法差を吸収し、鉄心に対し適当な締付けが可能と
なり、鉄心内部への圧縮歪みのような機械的なストレス
の発生を抑制することとなる。その結果鉄損、励磁電
流、磁歪などの磁気的な特性劣化を招くことがなくな
る。
【0008】
実施例1 図1は本発明の一実施例を示す変圧器の主要構成図、図
2は内周補強枠、図3は外周補強枠である。鉄心を製作
するには、まず非晶質磁性合金を矩形リング状に一周し
て所要の重なりシロを有するような長さに予め切断し、
さらにこれを所定枚数(10〜30枚)積層した単位積
層体を、さらに任意寸法ずらせて複数個の単位積層体を
積層して積層体ブロックを構成する。
2は内周補強枠、図3は外周補強枠である。鉄心を製作
するには、まず非晶質磁性合金を矩形リング状に一周し
て所要の重なりシロを有するような長さに予め切断し、
さらにこれを所定枚数(10〜30枚)積層した単位積
層体を、さらに任意寸法ずらせて複数個の単位積層体を
積層して積層体ブロックを構成する。
【0009】次にコの字状の枠体3、4を当て板5の部
分で突き合わせて形成した矩形内周補強枠1を鉄心の最
内周形成型とし、その周りに上記積層体ブロックを沿わ
せ、各単位積層体端部を内周補強枠1の上辺部で突き合
せて階段状に接合する。以下順次複数個の積層体ブロッ
クを同様な手順で内周補強枠1に沿わせて積層する。そ
の接合部は常に補強枠1の上辺部11とする。鉄心最外
周まで積層体ブロックを積層配置した後、コの字状枠体
6、7を当て板8の部分で突き合わせて形成した矩形外
周補強枠2を鉄心最外周形成型として装着する。図4は
内周補強枠体1と外周補強枠体2とを組合わせて構成し
た鉄心形状の斜視図である。この内周補強枠1と外周補
強枠2との間に形成されるスペース部分に非晶質磁性合
金板により形成した積層体ブロックが収納され、鉄心が
形成されるのである。矩形の内周補強枠体1は鉄心の形
状を決定する基本要素であるから、個々の鉄心に応じて
異なることはなく、すべての鉄心に対して同一寸法であ
る。
分で突き合わせて形成した矩形内周補強枠1を鉄心の最
内周形成型とし、その周りに上記積層体ブロックを沿わ
せ、各単位積層体端部を内周補強枠1の上辺部で突き合
せて階段状に接合する。以下順次複数個の積層体ブロッ
クを同様な手順で内周補強枠1に沿わせて積層する。そ
の接合部は常に補強枠1の上辺部11とする。鉄心最外
周まで積層体ブロックを積層配置した後、コの字状枠体
6、7を当て板8の部分で突き合わせて形成した矩形外
周補強枠2を鉄心最外周形成型として装着する。図4は
内周補強枠体1と外周補強枠体2とを組合わせて構成し
た鉄心形状の斜視図である。この内周補強枠1と外周補
強枠2との間に形成されるスペース部分に非晶質磁性合
金板により形成した積層体ブロックが収納され、鉄心が
形成されるのである。矩形の内周補強枠体1は鉄心の形
状を決定する基本要素であるから、個々の鉄心に応じて
異なることはなく、すべての鉄心に対して同一寸法であ
る。
【0010】しかしながら、積層方向の鉄心寸法(図4
にS1 〜S4 で示す)は、鉄心の構成要素である素材の
板厚のバラツキや、占積率の違いにより個々の鉄心で相
違する。したがって次工程の焼鈍における鉄心形状は、
外周補強枠2だけでなく、鉄心の積層方向の締付け力が
均一となるように、他の成型型(図示せず)により、個
々の鉄心に対応する形状に締付けられる。次にこの鉄心
形状を保持したまま、鉄心に焼鈍中の磁場印加用の巻線
を施し、非晶質磁性合金の内部応力除去による磁性特性
などの改善処置である焼鈍を行なう。そのため鉄心温度
で300〜400℃、磁化力として8AT/cm以上と
なるよう電流を印加する。これで変圧器用の巻鉄心製造
は完了する。
にS1 〜S4 で示す)は、鉄心の構成要素である素材の
板厚のバラツキや、占積率の違いにより個々の鉄心で相
違する。したがって次工程の焼鈍における鉄心形状は、
外周補強枠2だけでなく、鉄心の積層方向の締付け力が
均一となるように、他の成型型(図示せず)により、個
々の鉄心に対応する形状に締付けられる。次にこの鉄心
形状を保持したまま、鉄心に焼鈍中の磁場印加用の巻線
を施し、非晶質磁性合金の内部応力除去による磁性特性
などの改善処置である焼鈍を行なう。そのため鉄心温度
で300〜400℃、磁化力として8AT/cm以上と
なるよう電流を印加する。これで変圧器用の巻鉄心製造
は完了する。
【0011】次に電気回路を構成する巻線コイル12と
の組合わせ作業に移る。ここではまず焼鈍後の鉄心の外
周補強枠2を取り外し、ついで鉄心の上辺部の各積層体
ブロックの重ね合せ接合部をすべて分離し、最後に内周
補強枠1を取り外す。この後積層体ブロックの分離され
た接合部は、巻線コイル12を挿入可能の形状に維持さ
れ、巻線コイル12を挿入する。巻線コイル挿入後、分
離作業と逆の手順で再度重ね合せ接合を行う。すなわち
まず枠体3、4の端部を突き合わせて矩形の内周補強枠
体1を構成し、ついで各積層体ブロックの両端部を焼鈍
後の形状に戻し、分離された接合部を鉄心の上辺部11
で再度接合する。最後に外周補強枠2を装着するが、正
規の鉄心形状では枠体7の端部は枠体6の端部に当接し
ないような寸法関係、すなわち図4に示すように、枠体
7の端部と枠体6の端部との間にRだけの間隙が存在す
るように製作しておく。
の組合わせ作業に移る。ここではまず焼鈍後の鉄心の外
周補強枠2を取り外し、ついで鉄心の上辺部の各積層体
ブロックの重ね合せ接合部をすべて分離し、最後に内周
補強枠1を取り外す。この後積層体ブロックの分離され
た接合部は、巻線コイル12を挿入可能の形状に維持さ
れ、巻線コイル12を挿入する。巻線コイル挿入後、分
離作業と逆の手順で再度重ね合せ接合を行う。すなわち
まず枠体3、4の端部を突き合わせて矩形の内周補強枠
体1を構成し、ついで各積層体ブロックの両端部を焼鈍
後の形状に戻し、分離された接合部を鉄心の上辺部11
で再度接合する。最後に外周補強枠2を装着するが、正
規の鉄心形状では枠体7の端部は枠体6の端部に当接し
ないような寸法関係、すなわち図4に示すように、枠体
7の端部と枠体6の端部との間にRだけの間隙が存在す
るように製作しておく。
【0012】この後、他の構成部材の取付けや、巻線コ
イルからのリード線配線作業が続くが、そうした作業で
鉄心素材が損傷することのないように、規定張力で絶縁
テープ13を内外周補強体1、2に巻回する。なおこの
規定張力は焼鈍前の外周補強枠2による鉄心積層方向の
締付け力と同等以下にしており、また寸法関係も前述の
ように、スペースRを保持するため外周補強枠2の枠体
5、6が当接することはない。
イルからのリード線配線作業が続くが、そうした作業で
鉄心素材が損傷することのないように、規定張力で絶縁
テープ13を内外周補強体1、2に巻回する。なおこの
規定張力は焼鈍前の外周補強枠2による鉄心積層方向の
締付け力と同等以下にしており、また寸法関係も前述の
ように、スペースRを保持するため外周補強枠2の枠体
5、6が当接することはない。
【0013】次に他の構成部材の取付けを行う。下部端
枠14及び上部端枠15を鉄心の上下位置に配置する。
この上下端枠14、15は鉄心や巻線コイル12が自由
に動くのを防止する目的で、上下部端枠14、15に装
着された支え板16を連結ボルト17により連結し、さ
らに巻線コイル12と下部端枠14、上部端枠15との
間には支え部材18、19を配置する。また上下端枠1
4、15と鉄心とは、鉄心最外周部に固定用の締付けバ
ンド(図示せず)を用いて固定されている。この固定に
より巻鉄心の側面側の外周補強部分の積層方向が締付け
られる。この場合の締付力の調整は極めて困難である
が、連結ボルト17により上下端枠14、15の間に鉄
心が規定寸法に保持されているため、必要以上に鉄心の
上下寸法を締付けることはなく、かつ巻鉄心の側面側の
外周補強枠部分の積層方向を十分に締付けられる。なお
本実施例における内外周補強枠1、2には当て板5、8
が装着され、枠体3、4および6、7間のずれを防止し
ている。外周補強枠2の当て板8は鉄心と巻線コイル1
2との間隙に入れるスペーサ20を疎外しないように分
割型となっている。
枠14及び上部端枠15を鉄心の上下位置に配置する。
この上下端枠14、15は鉄心や巻線コイル12が自由
に動くのを防止する目的で、上下部端枠14、15に装
着された支え板16を連結ボルト17により連結し、さ
らに巻線コイル12と下部端枠14、上部端枠15との
間には支え部材18、19を配置する。また上下端枠1
4、15と鉄心とは、鉄心最外周部に固定用の締付けバ
ンド(図示せず)を用いて固定されている。この固定に
より巻鉄心の側面側の外周補強部分の積層方向が締付け
られる。この場合の締付力の調整は極めて困難である
が、連結ボルト17により上下端枠14、15の間に鉄
心が規定寸法に保持されているため、必要以上に鉄心の
上下寸法を締付けることはなく、かつ巻鉄心の側面側の
外周補強枠部分の積層方向を十分に締付けられる。なお
本実施例における内外周補強枠1、2には当て板5、8
が装着され、枠体3、4および6、7間のずれを防止し
ている。外周補強枠2の当て板8は鉄心と巻線コイル1
2との間隙に入れるスペーサ20を疎外しないように分
割型となっている。
【0014】実施例2 上記実施例においては、連結ボルト17により上部端枠
15と下部端枠14との連結寸法を調整して鉄心外周補
強枠2の規定締付け力の調整を行っているが、巻線コイ
ル12と下部端枠14及び上部端枠15の支え部材1
8、19を締付け力可変構造として鉄心外周補強枠2の
規定締付け力調整を行っても同様な効果を奏する。
15と下部端枠14との連結寸法を調整して鉄心外周補
強枠2の規定締付け力の調整を行っているが、巻線コイ
ル12と下部端枠14及び上部端枠15の支え部材1
8、19を締付け力可変構造として鉄心外周補強枠2の
規定締付け力調整を行っても同様な効果を奏する。
【0015】
【発明の効果】本発明は、一対のコの字型に形成された
枠体の端部を当接させてなる内周補強枠とコの字型に形
成された一対の枠体よりなる外周補強枠とで形成するス
ペースに、非晶質磁性合金薄帯を切断部を設けて巻回し
て得られる巻鉄心に巻線を装着して形成した静止誘導機
器において、上記外周補強枠の端部が当接しないよう、
巻鉄心以外の静止誘導機器部材により構造を制約するこ
とにより、上記内外補強枠で構成する積層方向の鉄心寸
法に相当するスペースが、内外補強枠の構造だけで決定
されるのでなく、積層方向の実際の寸法に応じた寸法設
定を可能としたので、個々の鉄心の寸法差を吸収すると
ともに、適当な締付け力を与え、鉄心内部への圧縮歪み
などの機械的ストレスの発生を押さえ、その結果鉄損、
励磁電力、磁歪などの磁気的な特性劣化の発生を防止す
ることとなった。
枠体の端部を当接させてなる内周補強枠とコの字型に形
成された一対の枠体よりなる外周補強枠とで形成するス
ペースに、非晶質磁性合金薄帯を切断部を設けて巻回し
て得られる巻鉄心に巻線を装着して形成した静止誘導機
器において、上記外周補強枠の端部が当接しないよう、
巻鉄心以外の静止誘導機器部材により構造を制約するこ
とにより、上記内外補強枠で構成する積層方向の鉄心寸
法に相当するスペースが、内外補強枠の構造だけで決定
されるのでなく、積層方向の実際の寸法に応じた寸法設
定を可能としたので、個々の鉄心の寸法差を吸収すると
ともに、適当な締付け力を与え、鉄心内部への圧縮歪み
などの機械的ストレスの発生を押さえ、その結果鉄損、
励磁電力、磁歪などの磁気的な特性劣化の発生を防止す
ることとなった。
【図1】本発明の一実施例を示す変圧器用の矩形リング
状巻鉄心の断面図である。
状巻鉄心の断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す内周補強枠の斜視図で
ある。
ある。
【図3】本発明の一実施例を示す外周補強枠の斜視図で
ある。
ある。
【図4】内外周補強枠の組合わせによる鉄心形状を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図5】従来の巻鉄心と巻線との組立体の正面図であ
る。
る。
【図6】従来の内周補強枠の斜視図である。
【図7】従来の外周補強枠の斜視図である。
12……巻線 13……絶縁テープ 14……下部端枠 15……上部端枠 16……支え板 17……ボルト 18……支え部材 19……支え部材 20……スペーサ
Claims (2)
- 【請求項1】 それぞれがコの字型に形成された一対の
枠体の端部を当接させてなる内周補強枠に、非晶質磁性
合金薄帯を切断部を設けて多数巻回し、その外周部にそ
れぞれがコの字型に形成された一対の枠体よりなる外周
補強枠を配置してなる巻鉄心に、巻線を装着して形成さ
れたにおいて、 該静止誘導機器の鉄心が、上記外周補強枠のコの字型に
形成された一対の枠体の端部が当接しないように、巻鉄
心以外の静止誘導機器の構造部材により制約を受けて構
成されていることを特徴とする静止誘導機器鉄心。 - 【請求項2】 上記外周補強枠のそれぞれがコの字型に
形成された一対の枠体の端部が当接しないよう、静止誘
導機器の鉄心構造を制約する部材が上部端枠と下部端枠
とを連結する部材であることを特徴とする請求項1記載
の静止誘導機器鉄心。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5465292A JPH05258970A (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | 静止誘導機器鉄心 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5465292A JPH05258970A (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | 静止誘導機器鉄心 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05258970A true JPH05258970A (ja) | 1993-10-08 |
Family
ID=12976722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5465292A Pending JPH05258970A (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | 静止誘導機器鉄心 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05258970A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0242415B2 (ja) * | 1983-06-14 | 1990-09-21 |
-
1992
- 1992-03-13 JP JP5465292A patent/JPH05258970A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0242415B2 (ja) * | 1983-06-14 | 1990-09-21 |
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