JPH05257308A - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
- Publication number
- JPH05257308A JPH05257308A JP5524292A JP5524292A JPH05257308A JP H05257308 A JPH05257308 A JP H05257308A JP 5524292 A JP5524292 A JP 5524292A JP 5524292 A JP5524292 A JP 5524292A JP H05257308 A JPH05257308 A JP H05257308A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- titanyl phthalocyanine
- crystal
- type
- butanediol
- crystals
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高感度かつ感度の湿度依存性のない感光体の
提供、更に有機溶媒に対して安定で、結晶転移を生じに
くい分散液を与えるチタニルフタロシアニン結晶の提
供。 【構成】 特定のチタニルフタロシアニン結晶即ちチタ
ニルフタロシアニンと1,2-ブタンジオールの付加体で、
好ましくはCuKαに対するX線回折スペクトルにおい
てブラッグ角(2θ±0.2)の26.6度に最大ピークを有
するQ型結晶。さらに好ましくは付加体でかつ少なくと
も12.6,16.2,26.2度に回折を有するN1型結晶、また
は少なくとも16.2,16.2,26.2度に回折ピークを有する
N1型結晶を感光体に用いる。
提供、更に有機溶媒に対して安定で、結晶転移を生じに
くい分散液を与えるチタニルフタロシアニン結晶の提
供。 【構成】 特定のチタニルフタロシアニン結晶即ちチタ
ニルフタロシアニンと1,2-ブタンジオールの付加体で、
好ましくはCuKαに対するX線回折スペクトルにおい
てブラッグ角(2θ±0.2)の26.6度に最大ピークを有
するQ型結晶。さらに好ましくは付加体でかつ少なくと
も12.6,16.2,26.2度に回折を有するN1型結晶、また
は少なくとも16.2,16.2,26.2度に回折ピークを有する
N1型結晶を感光体に用いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関す
る。特にプリンタなどに使用され、LED光、半導体レ
ーザ光に対して有効な感光体に関する。
る。特にプリンタなどに使用され、LED光、半導体レ
ーザ光に対して有効な感光体に関する。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の発達は著しいものがあ
り、コンピュータからのアウトに使うプリンタやデジタ
ル複写機の需要が高まっている。これらの機器は光源に
半導体レーザやLEDを使う関係で赤から近赤外光に感
応する感光体が必要である。これには従来のセレン系な
どの無機感光体では不十分であり、フタロシアニン類を
分散した有機感光体(OPC)が数多く検討されてい
る。
り、コンピュータからのアウトに使うプリンタやデジタ
ル複写機の需要が高まっている。これらの機器は光源に
半導体レーザやLEDを使う関係で赤から近赤外光に感
応する感光体が必要である。これには従来のセレン系な
どの無機感光体では不十分であり、フタロシアニン類を
分散した有機感光体(OPC)が数多く検討されてい
る。
【0003】その中でもチタニルフタロシアニン、特に
27.2度と9.6度にピークを持つことが特徴のY型チタニ
ルフタロシアニンは0.94と言う高い光量子効率を有する
優れた素材である(Japan Hardcopy 89,論文集 103,(19
89))。
27.2度と9.6度にピークを持つことが特徴のY型チタニ
ルフタロシアニンは0.94と言う高い光量子効率を有する
優れた素材である(Japan Hardcopy 89,論文集 103,(19
89))。
【0004】しかしながら、この物は湿度によって感度
が多少変動する欠点がある。これではON-OFFの2値しか
ないプリンタには使用できても、より高度の画像を望
み、露光量に応じて階調を出そうと言う試みに対しては
好ましい事ではない。さらにY型の欠点としてこの物が
準安定結晶であり、安定型結晶に転移しやすい事が挙げ
られる。熱による結晶転移は約250℃であり、感光体に
してしまえば実用上問題は無い。しかし、感光体製造時
の分散液中では溶媒の種類によっては低温でも結晶転移
を起し、塗布液の寿命が短くなると言った問題を生じ
る。
が多少変動する欠点がある。これではON-OFFの2値しか
ないプリンタには使用できても、より高度の画像を望
み、露光量に応じて階調を出そうと言う試みに対しては
好ましい事ではない。さらにY型の欠点としてこの物が
準安定結晶であり、安定型結晶に転移しやすい事が挙げ
られる。熱による結晶転移は約250℃であり、感光体に
してしまえば実用上問題は無い。しかし、感光体製造時
の分散液中では溶媒の種類によっては低温でも結晶転移
を起し、塗布液の寿命が短くなると言った問題を生じ
る。
【0005】塗布分散液の寿命が短くなると言う事はデ
ィッピング塗布に於いて、顔料が感光体として充分消費
尽される前に廃棄される事を意味する。つまりコスト高
になる。
ィッピング塗布に於いて、顔料が感光体として充分消費
尽される前に廃棄される事を意味する。つまりコスト高
になる。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は上記した事情に鑑み、高
感度かつ感度の湿度依存性のない感光体を提供すること
にある。本発明の第二の目的は有機溶媒に対して安定
で、結晶転移を生じにくい分散液を与えるチタニルフタ
ロシアニン結晶を提供することにある。
感度かつ感度の湿度依存性のない感光体を提供すること
にある。本発明の第二の目的は有機溶媒に対して安定
で、結晶転移を生じにくい分散液を与えるチタニルフタ
ロシアニン結晶を提供することにある。
【0007】
【発明の構成とその作用】本発明は特定のチタニルフタ
ロシアニン結晶を含む感光体によって達せられた。
ロシアニン結晶を含む感光体によって達せられた。
【0008】特定のチタニルフタロシアニン結晶とはチ
タニルフタロシアニンと1,2-ブタンジオールの付加体の
ことである。この中で好ましいものはチタニルフタロシ
アニンの1,2-ブタンジオールの付加体でかつCuKαに
対するX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±
0.2)の26.2度に最大ピークを有する結晶である(N型結
晶と名付ける)。さらに好ましくは26.2度のほかに少な
くとも12.6, 16.2度に回折ピークを有する結晶(N1型
結晶)、または26.2度のほかに少なくとも9.0, 13.9, 1
6.3, 26.2度に回折ピークを有する結晶(N2型結晶)
の事である。
タニルフタロシアニンと1,2-ブタンジオールの付加体の
ことである。この中で好ましいものはチタニルフタロシ
アニンの1,2-ブタンジオールの付加体でかつCuKαに
対するX線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±
0.2)の26.2度に最大ピークを有する結晶である(N型結
晶と名付ける)。さらに好ましくは26.2度のほかに少な
くとも12.6, 16.2度に回折ピークを有する結晶(N1型
結晶)、または26.2度のほかに少なくとも9.0, 13.9, 1
6.3, 26.2度に回折ピークを有する結晶(N2型結晶)
の事である。
【0009】付加体は後述の合成例にその一例を示した
ようにチタニルフタロシアニン類と1,2-ブタンジオール
から成り、加熱されると1,2-ブタンジオールを放出する
ことからそれと判明する。また付加体である証拠として
昇温速度10℃/分で熱分析(TG)を測定すると1,2-ブ
タンジオールの沸点198℃より50℃以上高い温度で重量
減少が見られるなどの特色があり、単なる混合と区別さ
れる。本発明のチタニルフタロシアニン−1,2-ブタンジ
オール付加体のうち、特に好ましいものは1,2-ブタンジ
オール/チタニルフタロシアニン=1/2付加体であ
る。本発明の付加体の合成には色々な手段が考えられる
がアモルファス化したチタニルフタロシアニン類を1,2-
ブタンジオールの存在下に処理するのが好ましい。処理
の方法は1,2-ブタンジオール単独にチタニルフタロシア
ニンをそのまま混合させても良いし、他の溶媒で希釈し
ても良い。溶媒としては例えばテトラヒドロフランなど
のエーテル類、オルトジクロルベンゼンなどの芳香族、
メチルエチルケトン、シクロペンタノンなどのケトン
類、ブチルメタアクリレートなどのエステル類などを挙
げる事ができる。温度は1,2-ブタンジオールが液体で存
在する広い範囲で処理可能だが室温から150℃の範囲が
好ましい。結晶変換操作としては一般の合成化学実験お
よびそれらを工業化したものに見られるような溶媒中で
の単なる攪拌の他、フタロシアニン類で良く見られるよ
うにミリングなどの機械的シェアを掛けながらの操作も
本発明に含まれる。中間体であるチタニルフタロシアニ
ン類のアモルファス化は硫酸に溶かして水に注ぐ(アシ
ッドペースト処理)、あるいは機械的粉砕、ミリングな
ど公知の方法を採用することができる。
ようにチタニルフタロシアニン類と1,2-ブタンジオール
から成り、加熱されると1,2-ブタンジオールを放出する
ことからそれと判明する。また付加体である証拠として
昇温速度10℃/分で熱分析(TG)を測定すると1,2-ブ
タンジオールの沸点198℃より50℃以上高い温度で重量
減少が見られるなどの特色があり、単なる混合と区別さ
れる。本発明のチタニルフタロシアニン−1,2-ブタンジ
オール付加体のうち、特に好ましいものは1,2-ブタンジ
オール/チタニルフタロシアニン=1/2付加体であ
る。本発明の付加体の合成には色々な手段が考えられる
がアモルファス化したチタニルフタロシアニン類を1,2-
ブタンジオールの存在下に処理するのが好ましい。処理
の方法は1,2-ブタンジオール単独にチタニルフタロシア
ニンをそのまま混合させても良いし、他の溶媒で希釈し
ても良い。溶媒としては例えばテトラヒドロフランなど
のエーテル類、オルトジクロルベンゼンなどの芳香族、
メチルエチルケトン、シクロペンタノンなどのケトン
類、ブチルメタアクリレートなどのエステル類などを挙
げる事ができる。温度は1,2-ブタンジオールが液体で存
在する広い範囲で処理可能だが室温から150℃の範囲が
好ましい。結晶変換操作としては一般の合成化学実験お
よびそれらを工業化したものに見られるような溶媒中で
の単なる攪拌の他、フタロシアニン類で良く見られるよ
うにミリングなどの機械的シェアを掛けながらの操作も
本発明に含まれる。中間体であるチタニルフタロシアニ
ン類のアモルファス化は硫酸に溶かして水に注ぐ(アシ
ッドペースト処理)、あるいは機械的粉砕、ミリングな
ど公知の方法を採用することができる。
【0010】チタニルフタロシアニン類は次の一般式で
表される。
表される。
【0011】
【化1】
【0012】式中 X1〜4は水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、あるいはアルコキシ基を表し、n,m,
l,kは0〜4の整数を表す。
アルキル基、あるいはアルコキシ基を表し、n,m,
l,kは0〜4の整数を表す。
【0013】上記のX線回折スペクトルは次の条件で測
定した。
定した。
【0014】X線管球 Cu 電圧 40.0 kv 電流 100 mA スタート角度 6.00 deg. ストップ角度 35.00 deg. ステップ角度 0.020 deg. 測定時間 0.50 sec. 本発明の特定のチタニルフタロシアニン結晶またはチタ
ニルフタロシアニンの1,2-ブタンジオール付加体を含む
感光体は感度もよく、かつ湿度依存性もない優れたもの
である。この優れた性質の原因については良く分からな
い。X線回折スペクトルで現される結晶構造そのもの、
または付加している1,2-ブタンジオール、このいづれか
が原因であろう。付加している1,2-ブタンジオールが主
原因と考えられる説に立てば次のような説明ができる。
ニルフタロシアニンの1,2-ブタンジオール付加体を含む
感光体は感度もよく、かつ湿度依存性もない優れたもの
である。この優れた性質の原因については良く分からな
い。X線回折スペクトルで現される結晶構造そのもの、
または付加している1,2-ブタンジオール、このいづれか
が原因であろう。付加している1,2-ブタンジオールが主
原因と考えられる説に立てば次のような説明ができる。
【0015】藤巻は高感度な素材チタニルフタロシアニ
ンのY型結晶が加熱または乾燥窒素雰囲気によって脱水
処理されると感度が低下することを見出だした。
ンのY型結晶が加熱または乾燥窒素雰囲気によって脱水
処理されると感度が低下することを見出だした。
【0016】これは常温常湿度で水を再吸収すると再び
感度が回復する事からY型粒子は水を吸着した結晶であ
り、水分子が光が当たって生じたチタニルフタロシアニ
ン励起子からのホールと光電子の解離を幇助し、それが
Y型チタニルフタロシアニンの高感度の一原因ではない
かと推測している(Y.Fujimaki : IS&T's 7thInt
ernational Congress on Advance in Nonimpact Printi
ng Technologies, Paper Summaries,269,(1991))。その
考えから本発明の結晶は特に水の代りに1,2-ブタンジオ
ールが付加したものと言えよう。水と違って離れにくい
のは沸点が高い事もさりながら1,2-ブタンジオールだと
同一分子中にOH基が二つあるため二つの吸着点から同
時に離れる確率は一つの吸着点しかない化合物のそれよ
り遥かに低くなっているためと推測できる。
感度が回復する事からY型粒子は水を吸着した結晶であ
り、水分子が光が当たって生じたチタニルフタロシアニ
ン励起子からのホールと光電子の解離を幇助し、それが
Y型チタニルフタロシアニンの高感度の一原因ではない
かと推測している(Y.Fujimaki : IS&T's 7thInt
ernational Congress on Advance in Nonimpact Printi
ng Technologies, Paper Summaries,269,(1991))。その
考えから本発明の結晶は特に水の代りに1,2-ブタンジオ
ールが付加したものと言えよう。水と違って離れにくい
のは沸点が高い事もさりながら1,2-ブタンジオールだと
同一分子中にOH基が二つあるため二つの吸着点から同
時に離れる確率は一つの吸着点しかない化合物のそれよ
り遥かに低くなっているためと推測できる。
【0017】次ぎに本発明のチタニルフタロシアニンの
製造方法について具体的に例示する。
製造方法について具体的に例示する。
【0018】(合成例1) (チタニルフタロシアニン−アモルファス品の合成)1,
3-ジイミノイソインドリン;29.2gをオルトジクロルベ
ンゼン 200mlに分散し、チタニウムテトラ-n-ブトキシ
ド;20.4gを加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間
加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホル
ムで洗浄、2%塩酸水溶液で洗浄、水洗、メタノール洗
浄して、乾燥の後26.2g(91.0%)の粗チタニルフタロシア
ニンを得た。このものの結晶型を図1に示す。ついでこ
の粗チタニルフタロシアニン 20.0gを5℃以下で濃硫酸
200ml中で1時間攪拌して溶かし、これを20℃の水4l
に注ぎ込む。析出した結晶を濾過し、水で充分に洗って
ウエットペースト品 180gを得た。このものを乾燥し、
粉末とした結晶型は図2に示すごとく、アモルファス状
態である。
3-ジイミノイソインドリン;29.2gをオルトジクロルベ
ンゼン 200mlに分散し、チタニウムテトラ-n-ブトキシ
ド;20.4gを加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間
加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホル
ムで洗浄、2%塩酸水溶液で洗浄、水洗、メタノール洗
浄して、乾燥の後26.2g(91.0%)の粗チタニルフタロシア
ニンを得た。このものの結晶型を図1に示す。ついでこ
の粗チタニルフタロシアニン 20.0gを5℃以下で濃硫酸
200ml中で1時間攪拌して溶かし、これを20℃の水4l
に注ぎ込む。析出した結晶を濾過し、水で充分に洗って
ウエットペースト品 180gを得た。このものを乾燥し、
粉末とした結晶型は図2に示すごとく、アモルファス状
態である。
【0019】(本発明のチタニルフタロシアニン結晶の
作成)フラスコに1,2-ブタンジオール150mlをとりこれ
に上記のチタニルフタロシアニン−アモルファス乾燥粉
末8gを加えた。ついでこの混合物を室温で10時間攪拌
した。半日放置後、これをメタノール 800mlに注いで結
晶を析出させた。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥し
て目的とするチタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得
た。図3に示す。ブラッグ角2θ;26.2度に最大ピーク
を有するがその他に12.6, 16.2度にピークを有する結晶
(N1型結晶)である。
作成)フラスコに1,2-ブタンジオール150mlをとりこれ
に上記のチタニルフタロシアニン−アモルファス乾燥粉
末8gを加えた。ついでこの混合物を室温で10時間攪拌
した。半日放置後、これをメタノール 800mlに注いで結
晶を析出させた。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥し
て目的とするチタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得
た。図3に示す。ブラッグ角2θ;26.2度に最大ピーク
を有するがその他に12.6, 16.2度にピークを有する結晶
(N1型結晶)である。
【0020】(合成例2)フラスコにオルトジクロルベ
ンゼン 100mlと1,2-ブタンジオール 50mlをとりこれに
合成例1のチタニルフタロシアニン−アモルファス乾燥
粉末8gを加えた。ついでこの混合物を室温で10時間攪
拌した。半日放置後、これをメタノール 800mlに注いで
結晶を析出させた。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥
して目的とするチタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得
た。図4に示す。ブラッグ角2θ;26.6度に最大ピーク
を有するがその他に12.6, 16.2度にピークを有する結晶
(N1型結晶)である。
ンゼン 100mlと1,2-ブタンジオール 50mlをとりこれに
合成例1のチタニルフタロシアニン−アモルファス乾燥
粉末8gを加えた。ついでこの混合物を室温で10時間攪
拌した。半日放置後、これをメタノール 800mlに注いで
結晶を析出させた。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥
して目的とするチタニルフタロシアニン結晶 8.4gを得
た。図4に示す。ブラッグ角2θ;26.6度に最大ピーク
を有するがその他に12.6, 16.2度にピークを有する結晶
(N1型結晶)である。
【0021】(合成例3)フラスコにオルトジクロルベ
ンゼン 100mlと1,2-ブタンジオール 50mlをとり、これ
に合成例1の方法で得た、チタニルフタロシアニン−ア
モルファス乾燥粉末8gを加えた。ついでこの混合物を
7時間70℃に加熱した。 放冷後、これをメタノール
800mlに注いで結晶を析出させた。濾過し、メタノール
で洗浄し、乾燥して目的とするチタニルフタロシアニン
結晶 8.4gを得た。図5に示す。合成例1と同様にブラ
ッグ角2θ;26.2度に最大ピークを有するがその他に9.
0, 13.9, 16.3,度にピークを有する結晶(N2型結晶)
である。
ンゼン 100mlと1,2-ブタンジオール 50mlをとり、これ
に合成例1の方法で得た、チタニルフタロシアニン−ア
モルファス乾燥粉末8gを加えた。ついでこの混合物を
7時間70℃に加熱した。 放冷後、これをメタノール
800mlに注いで結晶を析出させた。濾過し、メタノール
で洗浄し、乾燥して目的とするチタニルフタロシアニン
結晶 8.4gを得た。図5に示す。合成例1と同様にブラ
ッグ角2θ;26.2度に最大ピークを有するがその他に9.
0, 13.9, 16.3,度にピークを有する結晶(N2型結晶)
である。
【0022】比較のため既存のチタニルフタロシアニン
結晶を作ったが以下にその例を示す。
結晶を作ったが以下にその例を示す。
【0023】比較合成例(1) (Y型チタニルフタロシアニン結晶の作成)ビーカにメ
チルエチルケトン 60mlと水 20ml、合成例1で述べたチ
タニルフタロシアニン−ウエットペースト品 40g(固形
分11%)を加え、室温にて8時間攪拌、半日放置した。
この粘稠な混合物にメタノールを500ml加えて結晶を析
出させる。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的
とするチタニルフタロシアニン結晶 4.2gを得た。この
ものの結晶型を図6に示す。ブラッグ角2θ;9.5度と2
7.2度に著しく発達したピークがあるのが特徴である。
(Y型結晶) 比較合成例(2) (B型チタニルフタロシアニンの合成)前述のチタニル
フタロシアニン−アモルファス乾燥粉末5gを酢酸300m
l に懸濁し、8時間加熱還流した。半日放置後、濾過
しB型チタニルフタロシアニンを得た。このもののX線
回折スペクトルを図7に示す。これは特開昭61-217050
号に記載されているものと同じ結晶型である。
チルエチルケトン 60mlと水 20ml、合成例1で述べたチ
タニルフタロシアニン−ウエットペースト品 40g(固形
分11%)を加え、室温にて8時間攪拌、半日放置した。
この粘稠な混合物にメタノールを500ml加えて結晶を析
出させる。濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して目的
とするチタニルフタロシアニン結晶 4.2gを得た。この
ものの結晶型を図6に示す。ブラッグ角2θ;9.5度と2
7.2度に著しく発達したピークがあるのが特徴である。
(Y型結晶) 比較合成例(2) (B型チタニルフタロシアニンの合成)前述のチタニル
フタロシアニン−アモルファス乾燥粉末5gを酢酸300m
l に懸濁し、8時間加熱還流した。半日放置後、濾過
しB型チタニルフタロシアニンを得た。このもののX線
回折スペクトルを図7に示す。これは特開昭61-217050
号に記載されているものと同じ結晶型である。
【0024】比較合成例(3) (A型チタニルフタロシアニンの合成)前述のチタニル
フタロシアニン−アモルファス乾燥粉末5gをクロルナ
フタレン 150mlから再結晶してA型チタニルフタロシア
ニンを得た。このもののX線回折スペクトルを図8に示
す。これは特開昭62-67094号に記載されているものと同
じ結晶型である。
フタロシアニン−アモルファス乾燥粉末5gをクロルナ
フタレン 150mlから再結晶してA型チタニルフタロシア
ニンを得た。このもののX線回折スペクトルを図8に示
す。これは特開昭62-67094号に記載されているものと同
じ結晶型である。
【0025】次ぎに本発明のチタニルフタロシアニン結
晶の基本的性質を調べるためにTGおよびDSCを測定
した。TG(昇温速度10℃/分)を図9に示す。
晶の基本的性質を調べるためにTGおよびDSCを測定
した。TG(昇温速度10℃/分)を図9に示す。
【0026】比較合成例(1)のY型チタニルフタロシア
ニンは100℃付近に重量減少が観測される。 これに対
して合成例1,2,3に記載した本発明のN型チタニル
フタロシアニンは重量減少が認められるのは350℃付近
であり、1,2-ブタンジオールの沸点192℃を大きく上回
っている。1,2-ブタンジオールが単にチタニルフタロシ
アニン粒子の側に存在しているだけでなく、何らかの力
である種の結合(吸着)をしていることを表す。なお35
0℃付近における重量変化量は実施例1,2,3でそれ
ぞれ7.4,7.5,7.5%であり、1,2-ブタンジオールがチ
タニルフタロシアニンに対して1/2モル付加したと想定
した計算値7.2%に近い。 比較例のA、B型はY型や本
発明のような重量変化はない。
ニンは100℃付近に重量減少が観測される。 これに対
して合成例1,2,3に記載した本発明のN型チタニル
フタロシアニンは重量減少が認められるのは350℃付近
であり、1,2-ブタンジオールの沸点192℃を大きく上回
っている。1,2-ブタンジオールが単にチタニルフタロシ
アニン粒子の側に存在しているだけでなく、何らかの力
である種の結合(吸着)をしていることを表す。なお35
0℃付近における重量変化量は実施例1,2,3でそれ
ぞれ7.4,7.5,7.5%であり、1,2-ブタンジオールがチ
タニルフタロシアニンに対して1/2モル付加したと想定
した計算値7.2%に近い。 比較例のA、B型はY型や本
発明のような重量変化はない。
【0027】DSC(昇温速度30℃/分)を図10に示
す。
す。
【0028】比較合成例(1)のY型チタニルフタロシア
ニンは105℃付近に水の脱着と見られる吸熱ピークが見
られる。これに対して合成例1,2,3の本発明のN型
チタニルフタロシアニンは410℃付近に吸熱ピークがあ
りTG同様に沸点を大幅に越えている。
ニンは105℃付近に水の脱着と見られる吸熱ピークが見
られる。これに対して合成例1,2,3の本発明のN型
チタニルフタロシアニンは410℃付近に吸熱ピークがあ
りTG同様に沸点を大幅に越えている。
【0029】次ぎに本発明の感光体の構成について記載
する。
する。
【0030】本発明の感光体は上記のチタニルフタロシ
アニン化合物のほかに更に他のキャリア発生物質を併用
してもよい、具体的には本発明のものと事なる結晶型を
有するチタニルフタロシアニン結晶、例えばA,B,Y
型を挙げることができる。
アニン化合物のほかに更に他のキャリア発生物質を併用
してもよい、具体的には本発明のものと事なる結晶型を
有するチタニルフタロシアニン結晶、例えばA,B,Y
型を挙げることができる。
【0031】その他、バナジルフタロシアニン、X型無
金属フタロシアニン、τ型無金属フタロシアニン、ε型
銅フタロシアニンなどの各種フタロシアニン類、更には
アゾ顔料、アントラキノン顔料、ペリレン顔料などの縮
合多環顔料を上げることができる。
金属フタロシアニン、τ型無金属フタロシアニン、ε型
銅フタロシアニンなどの各種フタロシアニン類、更には
アゾ顔料、アントラキノン顔料、ペリレン顔料などの縮
合多環顔料を上げることができる。
【0032】
【化2】
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】本発明の感光体の感光層を構成するために
は前述のキャリヤ発生物質をバインダ中に分散せしめた
層を導電性支持体上にもうければよい。或いはこのキャ
リヤ発生物質とキャリヤ輸送物質とを組み合わせ、積層
型のいわゆる機能分離型感光層を設けても良い。これら
層構成において単層、積層各々の感光層と支持体との間
に接着、あるいは導電性支持体からのフリーエレクトロ
ンの注入防止を目的として中間層をもうけたり、更には
表面に保護層を設けても良い。
は前述のキャリヤ発生物質をバインダ中に分散せしめた
層を導電性支持体上にもうければよい。或いはこのキャ
リヤ発生物質とキャリヤ輸送物質とを組み合わせ、積層
型のいわゆる機能分離型感光層を設けても良い。これら
層構成において単層、積層各々の感光層と支持体との間
に接着、あるいは導電性支持体からのフリーエレクトロ
ンの注入防止を目的として中間層をもうけたり、更には
表面に保護層を設けても良い。
【0039】キャリア発生層およびキャリア輸送層の形
成には使用される溶媒あるいは分散媒としては、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエ
ン、ジクロルベンゼン、ジクロルメタン、ジクロルエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル
などを上げることができる。
成には使用される溶媒あるいは分散媒としては、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエ
ン、ジクロルベンゼン、ジクロルメタン、ジクロルエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル
などを上げることができる。
【0040】キャリア発生層もしくはキャリヤ輸送層の
形成にバインダを用いる場合には任意のものを用いるこ
とができるが、特に疎水性の電気絶縁性フィルムを形成
する高分子重合体が好ましい。以下にその例を述べるが
勿論これらに限定されるものではない。
形成にバインダを用いる場合には任意のものを用いるこ
とができるが、特に疎水性の電気絶縁性フィルムを形成
する高分子重合体が好ましい。以下にその例を述べるが
勿論これらに限定されるものではない。
【0041】1 )ポリカーボネート 2 )ポリエステル 3 )メタクリル樹脂 4 )アクリル樹脂 5 )ポリ塩化ビニル 6 )ポリ塩化ビニリデン 7 )ポリスチレン 8 )ポリビニルアセテート 9 )スチレン−ブタジエン共重合体 10)塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体 11)塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 12)塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体 13)シリコーン樹脂 14)シリコーン−アルキッド樹脂 15)フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 16)スチレン−アクリル共重合樹脂 17)スチレン−アルキッド樹脂 18)ポリ-N-ビニルカルバゾール 19)ポリビニルブチラール 20)ポリカーボネートZ樹脂 これらのバインダは単独、或いは2種以上の混合物とし
て用いることができる。
て用いることができる。
【0042】またバインダ100に対するキャリア発生物
質の割合は10〜600wt/wt、好ましくは20〜400wt/wt、キ
ャリア輸送物質は10〜400wt/wtとするのがよい。
質の割合は10〜600wt/wt、好ましくは20〜400wt/wt、キ
ャリア輸送物質は10〜400wt/wtとするのがよい。
【0043】この様にして形成されるキャリア発生層の
厚さは0.05〜30μmである事が好ましく、特に積層の場
合は0.5〜5μmが好ましい。キャリア輸送層の厚みは 2
〜100μm、好ましくは 5〜30μmである。
厚さは0.05〜30μmである事が好ましく、特に積層の場
合は0.5〜5μmが好ましい。キャリア輸送層の厚みは 2
〜100μm、好ましくは 5〜30μmである。
【0044】さらに上記感光層には感度の向上、残留電
位および反復使用時の疲労低減を目的として一種または
二種以上の電子受容物質を含有せしめることができる。
ここに用いることができる電子受容物質とは例えば無水
マレイン酸、テトラクロル無水フタル酸、テトラシアノ
エチレン、テトラシアノキノンジメタン、ジニトロベン
ゼン、ニトロベンゾニトリル、クロラニル、アントラキ
ノン、ニトロ安息香酸、ニトロフルオレノンなどの電子
親和力の大きい化合物をあげることができる。
位および反復使用時の疲労低減を目的として一種または
二種以上の電子受容物質を含有せしめることができる。
ここに用いることができる電子受容物質とは例えば無水
マレイン酸、テトラクロル無水フタル酸、テトラシアノ
エチレン、テトラシアノキノンジメタン、ジニトロベン
ゼン、ニトロベンゾニトリル、クロラニル、アントラキ
ノン、ニトロ安息香酸、ニトロフルオレノンなどの電子
親和力の大きい化合物をあげることができる。
【0045】また上記感光層中には保存性、耐久性、対
環境依存性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤な
どの劣化防止剤を含有させることができる。その様な目
的に用いられる化合物としては例えば、トコフェノール
などのクロマノール誘導体およびそのエーテル化もしく
はエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、ハ
イドロキノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、亜燐
酸エステル、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダード
アミン化合物などをあげることができる。
環境依存性を向上させる目的で酸化防止剤や光安定剤な
どの劣化防止剤を含有させることができる。その様な目
的に用いられる化合物としては例えば、トコフェノール
などのクロマノール誘導体およびそのエーテル化もしく
はエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、ハ
イドロキノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、亜燐
酸エステル、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダード
アミン化合物などをあげることができる。
【0046】具体的には『IRGANOX1010』,『IRGANOX56
5』(チバ.ガイギー社製)、『スミライザーBHT』,
『スミライザーMDP』(住友化学工業社製)等のヒンダ
ードフェノール化合物、『サノール LS-2626』,『サノ
ール LS-622LD』等のヒンダードアミン化合物があげら
れる。
5』(チバ.ガイギー社製)、『スミライザーBHT』,
『スミライザーMDP』(住友化学工業社製)等のヒンダ
ードフェノール化合物、『サノール LS-2626』,『サノ
ール LS-622LD』等のヒンダードアミン化合物があげら
れる。
【0047】中間層、保護層に用いられるバインダとし
ては前述のキャリア発生層およびキャリア輸送層にあげ
たものを用いる事ができる。更にポリアミド樹脂、エチ
レン−酢ビ共重合体、ポリビニルアルコール、セルロー
ス誘導体などが有効である。尚、この感光層を設ける支
持体は金属板、金属ドラムの他、導電性ポリマー、酸化
インジウム等の導電性化合物もしくはアルミニウム、パ
ラジウム、金などの金属とからなる導電性薄膜を、紙プ
ラステックフィルム等の基体上に塗布、蒸着、ラミネー
ト等の手段により設けたものを用いることができる。
ては前述のキャリア発生層およびキャリア輸送層にあげ
たものを用いる事ができる。更にポリアミド樹脂、エチ
レン−酢ビ共重合体、ポリビニルアルコール、セルロー
ス誘導体などが有効である。尚、この感光層を設ける支
持体は金属板、金属ドラムの他、導電性ポリマー、酸化
インジウム等の導電性化合物もしくはアルミニウム、パ
ラジウム、金などの金属とからなる導電性薄膜を、紙プ
ラステックフィルム等の基体上に塗布、蒸着、ラミネー
ト等の手段により設けたものを用いることができる。
【0048】接着層あるいはバリヤ層として機能する中
間層としては前述のバインダ樹脂として説明したような
高分子重合体、ポリビニルアルコール、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等の有機高分子物質ま
たは酸化アルミニウム、酸化チタンなどより成るものを
用いることができる。
間層としては前述のバインダ樹脂として説明したような
高分子重合体、ポリビニルアルコール、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等の有機高分子物質ま
たは酸化アルミニウム、酸化チタンなどより成るものを
用いることができる。
【0049】
【実施例】本発明は以上説明したように特定のチタニル
フタロシアニン結晶を用いる事によってLED光および
半導体レーザ光に対して有用な電子写真感光体を得るも
のである。本発明の感光体は感度が高く、環境(湿度)
依存性のない優れたものである。以下実施例をもって本
発明の特徴を説明する。
フタロシアニン結晶を用いる事によってLED光および
半導体レーザ光に対して有用な電子写真感光体を得るも
のである。本発明の感光体は感度が高く、環境(湿度)
依存性のない優れたものである。以下実施例をもって本
発明の特徴を説明する。
【0050】実施例1 合成例1で得た本発明のチタニルフタロシアニンN1型
結晶(図3)3部、シリコーン樹脂(『KR−524
0、15%キシレンブタノール溶液』信越化学社製)20
部、メチルエチルケトン100部(wt)をサンドグラインダ
で粉砕分散して分散液を得た。得られた分散液をアルミ
蒸着ポリエステルベースに塗布して膜厚0.2μmのキャリ
ア発生層を形成した。一方、キャリア輸送物質(2)1
部とポリカーボネート樹脂(『ユーピロンZ200』三
菱瓦斯化学社製)2部(wt)およびシリコーンオイル
(『KF−54』信越化学社製)0.01部を1,2-ジクロル
エタン15部(wt)に溶かし、これを前記のキャリア発生
層上にブレード塗布して乾燥膜厚22μmのキャリア輸送
層を形成し感光体を作った。サンプル1とする。
結晶(図3)3部、シリコーン樹脂(『KR−524
0、15%キシレンブタノール溶液』信越化学社製)20
部、メチルエチルケトン100部(wt)をサンドグラインダ
で粉砕分散して分散液を得た。得られた分散液をアルミ
蒸着ポリエステルベースに塗布して膜厚0.2μmのキャリ
ア発生層を形成した。一方、キャリア輸送物質(2)1
部とポリカーボネート樹脂(『ユーピロンZ200』三
菱瓦斯化学社製)2部(wt)およびシリコーンオイル
(『KF−54』信越化学社製)0.01部を1,2-ジクロル
エタン15部(wt)に溶かし、これを前記のキャリア発生
層上にブレード塗布して乾燥膜厚22μmのキャリア輸送
層を形成し感光体を作った。サンプル1とする。
【0051】実施例2 実施例1におけるチタニルフタロシアニン顔料を合成例
2で得たN1型結晶に代えたほかは同様にして感光体を
作成した。サンプル2とする。
2で得たN1型結晶に代えたほかは同様にして感光体を
作成した。サンプル2とする。
【0052】実施例3 実施例1におけるチタニルフタロシアニン顔料を合成例
3で得たN2型結晶に代えたほかは同様にして感光体を
作成した。サンプル3とする。
3で得たN2型結晶に代えたほかは同様にして感光体を
作成した。サンプル3とする。
【0053】比較例(1) 実施例1におけるチタニルフタロシアニンN1型結晶を
比較合成例(1)で得たY型結晶に代えたほかは同様にし
て感光体を作成した。比較サンプル(1)とする。
比較合成例(1)で得たY型結晶に代えたほかは同様にし
て感光体を作成した。比較サンプル(1)とする。
【0054】比較例(2) 実施例1におけるチタニルフタロシアニンN1型結晶を
比較合成例2で得たB型結晶に代えたほかは同様にして
感光体を作成した。比較サンプル2とする。 比較例(3) 実施例1におけるチタニルフタロシアニン
N1型結晶を比較合成例3で得たA型結晶に代えたほか
は同様にして感光体を作成した。比較サンプル3とす
る。
比較合成例2で得たB型結晶に代えたほかは同様にして
感光体を作成した。比較サンプル2とする。 比較例(3) 実施例1におけるチタニルフタロシアニン
N1型結晶を比較合成例3で得たA型結晶に代えたほか
は同様にして感光体を作成した。比較サンプル3とす
る。
【0055】(評価1)以上で得られたそれぞれのサン
プルをペーパアナライザEPA-8100(川口電気社製)
を用いて評価した。 -80μAの放電条件で5秒間帯電
し、帯電直後の表面電位[Va]、5秒間暗中放置後の
表面電位[Vi]、表面照度が2(lux)になるように
露光し、表面電位が 1/2Viになるまでの露光量[E1
/2(lux.sec)]を求めた。さらに式: D=(Va−Vi)/Va×100 により暗所における電位の減衰率[D (%)]を求め
た。結果を表1に示す。
プルをペーパアナライザEPA-8100(川口電気社製)
を用いて評価した。 -80μAの放電条件で5秒間帯電
し、帯電直後の表面電位[Va]、5秒間暗中放置後の
表面電位[Vi]、表面照度が2(lux)になるように
露光し、表面電位が 1/2Viになるまでの露光量[E1
/2(lux.sec)]を求めた。さらに式: D=(Va−Vi)/Va×100 により暗所における電位の減衰率[D (%)]を求め
た。結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】比較に挙げたA型は感度が悪く、B型はD
が大きい、すなわち暗所での表面電位の保持ができな
い。これに対して本発明のN型結晶(N1型結晶および
N2型結晶)は感度、暗減衰ともに優れている。 比較
に挙げたY型はこの方法の評価では,常温常湿度(湿度
45〜55%)で測定する限り本発明の物より優れてはいる。
が大きい、すなわち暗所での表面電位の保持ができな
い。これに対して本発明のN型結晶(N1型結晶および
N2型結晶)は感度、暗減衰ともに優れている。 比較
に挙げたY型はこの方法の評価では,常温常湿度(湿度
45〜55%)で測定する限り本発明の物より優れてはいる。
【0058】(評価2)半導体レーザを光源に使ったカ
ラープリンタ9028(コニカ社製)改造機のドラムに
サンプル1,2,3および比較サンプル(1),(2),
(3)を張り付け、サンプル1の未露光部での表面電位が
約800vになるように帯電電極を調整した。そしてレーザ
光量を振り、各光量での表面電位を測定した。さらにこ
れを湿度20%の雰囲気下に持っていき、同様のレーザパ
ワーで表面電位の低下を見た。表2に示す。
ラープリンタ9028(コニカ社製)改造機のドラムに
サンプル1,2,3および比較サンプル(1),(2),
(3)を張り付け、サンプル1の未露光部での表面電位が
約800vになるように帯電電極を調整した。そしてレーザ
光量を振り、各光量での表面電位を測定した。さらにこ
れを湿度20%の雰囲気下に持っていき、同様のレーザパ
ワーで表面電位の低下を見た。表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】比較サンプル(2)のB型は電位が乗りにく
い、またA型は感度が悪い,これに反して本発明のN型
は感度もよく電位も乗っている。比較サンプル(1)であ
げたY型は感度こそ良いものの、その湿度に対する変化
が大きい。これだとレーザ光といえども現実にはその光
強度が正規分布している事(図11)を考えると、階調を
要求されるより高度の画像の再現がその時の湿度によっ
て変化する欠点があることを意味する。その点、本発明
のN型結晶は湿度によって感度の変化は見られず環境の
変化に強いことが判る。
い、またA型は感度が悪い,これに反して本発明のN型
は感度もよく電位も乗っている。比較サンプル(1)であ
げたY型は感度こそ良いものの、その湿度に対する変化
が大きい。これだとレーザ光といえども現実にはその光
強度が正規分布している事(図11)を考えると、階調を
要求されるより高度の画像の再現がその時の湿度によっ
て変化する欠点があることを意味する。その点、本発明
のN型結晶は湿度によって感度の変化は見られず環境の
変化に強いことが判る。
【0061】(評価3)本発明のN型結晶を使った実施
例1,2,3の分散液、およびY型チタニルフタロシア
ニンを使った比較例(1)の分散液を室温にて50日間保存
し、これで感光体サンプルを作成した。そして(評価
1)と同様の方法で電子写真特性を測定した。その結果
を表3に示す。
例1,2,3の分散液、およびY型チタニルフタロシア
ニンを使った比較例(1)の分散液を室温にて50日間保存
し、これで感光体サンプルを作成した。そして(評価
1)と同様の方法で電子写真特性を測定した。その結果
を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】本発明の化合物であるN型結晶をつかった
サンプル1,2,3は性能が変化していないがY型をつ
かった比較サンプルは感度低下が著しい。Y型は優れた
結晶であり劣化後も性能は良い部類に属するが、製造で
の安定性を考えると感度の絶対値ではなく経時による変
化そのものが問題とされる。即ち、感度の低下した塗布
液は廃棄の止むなきに至る。その点、本発明は変化がな
く安定生産に適する。
サンプル1,2,3は性能が変化していないがY型をつ
かった比較サンプルは感度低下が著しい。Y型は優れた
結晶であり劣化後も性能は良い部類に属するが、製造で
の安定性を考えると感度の絶対値ではなく経時による変
化そのものが問題とされる。即ち、感度の低下した塗布
液は廃棄の止むなきに至る。その点、本発明は変化がな
く安定生産に適する。
【0064】
【発明の効果】本発明のN型チタニルフタロシアニン
は、感度、電位の乗りがよくかつ暗所減衰が少く、湿度
安定性がよい。しかも塗料安定性がよい。
は、感度、電位の乗りがよくかつ暗所減衰が少く、湿度
安定性がよい。しかも塗料安定性がよい。
【図1】合成例1における粗チタニルフタロシアニンの
X線回折スペクトル図
X線回折スペクトル図
【図2】合成例1で得られたウェットペーストチタニル
フタロシアニンのX線回折スペクトル図
フタロシアニンのX線回折スペクトル図
【図3】N1型結晶チタニルフタロシアニンのX線回折
スペクトル図
スペクトル図
【図4】N1型結晶チタニルフタロシアニンのX線回折
スペクトル図
スペクトル図
【図5】合成例3で得られたN2型結晶チタニルフタロ
シアニンX線回折スペクトル図
シアニンX線回折スペクトル図
【図6】Y型結晶チタニルフタロシアニンのX線回折ス
ペクトル図
ペクトル図
【図7】B型結晶チタニルフタロシアニンのX線回折ス
ペクトル図
ペクトル図
【図8】A型結晶チタニルフタロシアニンのX線回折ス
ペクトル図
ペクトル図
【図9】合成例1,2及び3で得られたN1及びN2型
結晶並びにY型チタニルフタロシアニンのTG図
結晶並びにY型チタニルフタロシアニンのTG図
【図10】Y,N型結晶チタニルフタロシアニンのDS
C図
C図
【図11】レーザビームの輝度分布図
Claims (4)
- 【請求項1】 導電性支持体上にチタニルフタロシアニ
ン結晶を含む感光層を有し、該チタニルフタロシアニン
結晶がチタニルフタロシアニンと1,2-ブタンジオールの
付加体であることを特徴とする電子写真感光体。 - 【請求項2】 チタニルフタロシアニンの1,2-ブタンジ
オール付加体がCuKαに対するX線回折スペクトルに
おいてブラッグ角(2θ±0.2)の26.2度に最大ピークを
有する結晶である事を特徴とする請求項1に記載の電子
写真感光体。 - 【請求項3】 チタニルフタロシアニンの1,2-ブタンジ
オール付加体がCuKαに対するX線回折スペクトルに
おいてブラッグ角(2θ±0.2)の少なくとも12.6, 16.
2, 26.2度にピークを有する結晶または少なくとも9.0,
13.9, 16.3, 26.2度にピークを有する結晶から選ばれる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光
体。 - 【請求項4】 チタニルフタロシアニンのアモルファス
体を1,2-ブタンジオールの存在下に処理して製造したチ
タニルフタロシアニンの1,2-ブタンジオール付加体を含
む事を特徴とする電子写真感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5524292A JPH05257308A (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | 電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5524292A JPH05257308A (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | 電子写真感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05257308A true JPH05257308A (ja) | 1993-10-08 |
Family
ID=12993130
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5524292A Pending JPH05257308A (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | 電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05257308A (ja) |
-
1992
- 1992-03-13 JP JP5524292A patent/JPH05257308A/ja active Pending
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