JPH0524606U - 天井走行車の昇降台機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行時に荷物が昇降台から落下することを防
止し、また、荷物を昇降台側部から移載先に受け渡す時
には昇降台の揺動を防止して移載動作を安定かつ確実に
行う。 【構成】 昇降台１３は可撓性を有するスチールベルト
１７によって昇降自在に支持される。昇降台１３の側部
に、可動部材３２を設ける。可動部材３２は、昇降台１
３に対して起伏自在である。可動部材３２は、荷物Ｗの
搬送時、起立して荷物Ｗの落下を防止する。また、可動
部材３２は、フローラック２１の側部に横付けされる
時、水平方向に傾動してラック２２のピン３４に係合す
る。したがって、昇降台１３の揺れが防止され、荷物Ｗ
は安定かつ確実にフローラック２１側に移載される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動倉庫等に設けられて荷物を搬送する天井走行車に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動倉庫として、天井走行車とフローラックとを備えたものが知られて いる。この種の自動倉庫を図１により説明する。 天井走行車１１は、天井側に設けられたレール１２に沿って走行し、天井走行 車１１の下側には昇降台１３が設けられる。昇降台１３は、荷物Ｗを支持する支 持部１４と、天板１５と、支持部１４および天板１５を連結する四隅の４つの柱 １６から成る。天板１５の上面の四隅にはスチールベルト１７が取り付けられる 。スチールベルト１７は、可撓性を有する部材であり、天井走行車１１の昇降駆 動系に接続された巻上げ機構（図示せず）によって巻上げ、あるいは解放され、 これにより昇降台１３が昇降する。

【０００３】 フローラック２１は、天井走行車１１のレール１２に対して直交方向に延びる とともに、レール１２側から下方に傾斜した多数のラック２２から成り、図では ３段構造である。各ラック２２の両側にはローラ２３が設けられ、ラック２２の 後部側から入庫された荷物は、その自重によってラック前部側に向かって移動す る。ラック２２の先頭の荷物は、前端部に設けられたストッパに係合して停止す る。

【０００４】 所定のラック２２の後部側に天井走行車１１が到着すると、その昇降台１３は 降下せしめられ、そのラック２２の後端部に横付けされる。そして荷物Ｗは、昇 降台１３の側方から排出されてフローラック２１の上に乗り移り、ラック２２上 を前部方向に移動し、既に入庫されている他の荷物の後部に当接する。このよう にしてフローラック２１に収納された荷物は、例えば人手によってラック２２の 前部から取り出される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来装置では、昇降台１３の側方から荷物を排出し てフローラック２１に移載する際、昇降台１３は荷物Ｗから反力を直接受けるが 、スチールベルト１７のみで支持されているために、揺れ動き易く、このため、 移載動作が不安定になりやすいという問題がある。 本考案は、荷物の搬送中には荷物の落下を防止し、荷物を移載先に受け渡す時 には昇降台の揺動を防止してこの移載動作を安定かつ確実に行うことができる昇 降台機構を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る天井走行車の昇降台機構は、昇降台の側部に可動部材が起伏自在 に取り付けられ、この可動部材が、昇降台に荷物を載せて搬送する時、起立して 荷物が昇降台側部から落下するのを防止し、荷物を昇降台の側部から移載先に受 け渡す時、水平方向に回動して移載先の係合部に係合し昇降台の揺れを防止する ことを特徴としている。

【０００７】

【実施例】

以下、図示実施例により本考案を説明する。 図２は本考案の一実施例を示す。本実施例において、図１と同一または相当部 分は同一符号により示し、その詳細な説明は省略する。

【０００８】 図２において、フローラック２１は昇降台１３の手前側にしか設けられていな いが、実際には昇降台１３の向こう側にも設けられる。天井走行車は、フローラ ック２１の任意の位置において停止可能であり、所定のラック２２に対して荷物 Ｗを移載する。

【０００９】 昇降台１３の支持部１４の上面には、コンベヤローラ３１が複数個平行に配設 される。これらのローラ３１は、支持部１４に設けられたモータ（図示せず）に よって回転駆動され、荷物Ｗを自動的に排出できるように構成されている。この ローラ３１の回転方向は正逆いずれも可能であり、荷物Ｗを図の左右方向のいず れにも排出することができる。すなわち、昇降台１３がフローラック２１の所定 の位置に到達すると、ローラ３１が正逆いずれかの所定方向に回転し、荷物Ｗを 図示されたフローラック２１あるいは図示されない他のフローラックに移載する ようになっている。なおこの時、後述するように、可動部材３２が水平方向に回 動し、フローラック側のピン３４に係合する。

【００１０】 昇降台１３の支持部１４の両側には、例えば金属パイプをコ字形に折り曲げ成 形される可動部材３２が設けられる。この可動部材３２は、その両端の連結部３ ３において、支持部１４に対して回転自在に連結され、この２つの連結部３３を 結ぶ軸線の周りを双方向に回転可能である。

【００１１】 可動部材３２は、荷物Ｗを搬送している間、破線で示すように起立状態に保持 され、これにより支持部１４上の荷物Ｗの落下が防止される。また可動部材３２ は、荷物Ｗをフローラック２１へ移載する時には、所定角度だけ外方（ラック側 ）に傾動される。この回転駆動は、支持部１４の内部に設けられる図示しない駆 動源、例えばロータリーソレノイドやモータによって行われる。

【００１２】 フローラック２１の各ラック２２の後端部には、上方に向かって延びる一対の ピン３４が設けられる。これらのピン２３は、昇降台１３の可動部材３２がフロ ーラック側に傾動した際に、可動部材３２の２つの内側コーナー部分に係合する 。すなわち、これらのピン３４に可動部材３２が係合することにより、昇降台１ ３は少なくともフローラック２１から離れる方向の動きを規制されることになる 。これにより、荷物Ｗの移載時に生じる昇降台１３をフローラック２１から引き 離そうとする搬出反力が受け止められ、昇降台１３の揺れが防止される。

【００１３】 以上のように本実施例においては、天井走行車１１の走行中、すなわち荷物Ｗ の搬送中には、可動部材３２が起立して荷物Ｗを両側から確実に支持するため、 荷物Ｗの落下が防止される。また昇降台１３の側部から荷物Ｗをフローラック２ １等の収納部に移載する際には、可動部材３２が荷物Ｗの移載の邪魔にならない ように外側（フローラック側）に傾動するとともに、フローラック後端部のピン ３４に係合する。したがって、昇降台１３が荷物Ｗから受ける搬出反力に抗する ように昇降台１３が安定的に支持され、昇降台１３は殆ど揺動しなくなる。した がって、荷物Ｗは昇降台１３からフローラック２１へ安定かつ確実に移載される 。

【００１４】 なお、支持部１４のローラ３１に代えて、ベルトコンベアを設けてもよい。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、荷物の搬送中には荷物の落下を防止し、荷物を 移載先に受け渡す時には昇降台の揺動を防止してこの移載動作を安定かつ確実に 行うことができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の自動倉庫を示す斜視図である。

【図２】本考案の一実施例に係る天井走行車の要部を示
す斜視図である。

【符号の説明】

１３ 昇降台 １４ 支持部 １９ 可動部材 ２１ フローラック ３１ コンベヤローラ ３４ ピン部材 Ｗ 荷物

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性部材によって懸垂支持される昇降
   台を備えた天井走行車であって、上記昇降台の側部には
   可動部材が起伏自在に取り付けられ、この可動部材は、
   上記昇降台に荷物を載せて搬送する時、起立して該荷物
   が昇降台側部から落下するのを防止し、上記荷物を昇降
   台の側部から移載先に受け渡す時、水平方向に回動して
   該移載先の係合部に係合し上記昇降台の揺れを防止する
   ことを特徴とする天井走行車の昇降台機構。