JPH05237531A - ワークロールシフトミルの圧下位置制御方法 - Google Patents
ワークロールシフトミルの圧下位置制御方法Info
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- JPH05237531A JPH05237531A JP4043493A JP4349392A JPH05237531A JP H05237531 A JPH05237531 A JP H05237531A JP 4043493 A JP4043493 A JP 4043493A JP 4349392 A JP4349392 A JP 4349392A JP H05237531 A JPH05237531 A JP H05237531A
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- Control Of Metal Rolling (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、ワークロールシフト機構をもつ圧延
機(ワークロールシフトミル)により、板材の圧延を行な
う際に用いて好適の圧下位置制御方法に関し、ワークロ
ールシフト機構を有する圧延機に対しても板材のキャン
バ発生を確実に防止し、安定した先端通板性を得られる
ようにして、圧延工程における圧延トラブルを著しく減
少させることを目的とする。 【構成】そこで、ワークロールシフト量,圧延材板幅お
よび次材圧延時の予測荷重に基づいて、ワークサイド,
ドライブサイド各々のミル伸び特性関数と、ワークサイ
ド,ドライブサイド各々の予測荷重とを求め(ステップ
S4,S6)、これらのミル伸び特性関数および予測荷
重に基づいて、ワークサイド,ドライブサイド各々のミ
ル伸び量を計算して左右のミル伸び差の量を求め(ステ
ップS7)、該左右のミル伸び差の量だけ左右の圧下位
置を変更する(ステップS9)ことを特徴とする。
機(ワークロールシフトミル)により、板材の圧延を行な
う際に用いて好適の圧下位置制御方法に関し、ワークロ
ールシフト機構を有する圧延機に対しても板材のキャン
バ発生を確実に防止し、安定した先端通板性を得られる
ようにして、圧延工程における圧延トラブルを著しく減
少させることを目的とする。 【構成】そこで、ワークロールシフト量,圧延材板幅お
よび次材圧延時の予測荷重に基づいて、ワークサイド,
ドライブサイド各々のミル伸び特性関数と、ワークサイ
ド,ドライブサイド各々の予測荷重とを求め(ステップ
S4,S6)、これらのミル伸び特性関数および予測荷
重に基づいて、ワークサイド,ドライブサイド各々のミ
ル伸び量を計算して左右のミル伸び差の量を求め(ステ
ップS7)、該左右のミル伸び差の量だけ左右の圧下位
置を変更する(ステップS9)ことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークロールシフト機
構をもつ圧延機(ワークロールシフトミル)により、板材
の圧延を行なう際に用いて好適の圧下位置制御方法に関
する。
構をもつ圧延機(ワークロールシフトミル)により、板材
の圧延を行なう際に用いて好適の圧下位置制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、圧延機(ミル)において、荷重が
作用すると、圧延機の構成要素であるライナ,スクリュ
ウ,ロール等の弾性変形によりロールギャップが開く。
これを、通常、ミル伸び特性という。そして、ワークサ
イドとドライブサイドのミル伸び特性に差があることも
知られている。これは、圧延機の設備固有のものと考え
られていた。
作用すると、圧延機の構成要素であるライナ,スクリュ
ウ,ロール等の弾性変形によりロールギャップが開く。
これを、通常、ミル伸び特性という。そして、ワークサ
イドとドライブサイドのミル伸び特性に差があることも
知られている。これは、圧延機の設備固有のものと考え
られていた。
【0003】ミル伸び特性に差がある場合、圧延材の板
厚,板幅,鋼種等が変わると、圧延荷重が変化し、ワー
クサイドとドライブサイドのミル伸び量に、左右差が生
じる。そうすると、板の左右板厚に差が生じ、キャンバ
(板の横曲がり)が発生し、サイドガイド突掛け等の圧延
トラブルの原因となる。
厚,板幅,鋼種等が変わると、圧延荷重が変化し、ワー
クサイドとドライブサイドのミル伸び量に、左右差が生
じる。そうすると、板の左右板厚に差が生じ、キャンバ
(板の横曲がり)が発生し、サイドガイド突掛け等の圧延
トラブルの原因となる。
【0004】このミル伸び差を補正する手段として、ミ
ル伸び特性をミル剛性率(定数)で表現し、この定数と予
測圧延荷重とから左右圧下位置を設定するものがある。
例えば、特公昭60−3883号公報に開示されるよう
に、ワークサイド圧延荷重とドライブサイド圧延荷重と
は各々等しくかかるものとし、予測圧延荷重の1/2が
両サイドに作用するとしてミル伸び量を計算する方法
や、特公昭60−3882号公報に開示されるように、
圧延荷重の和と差との比を一定とし、この比と次材予測
圧延荷重とからワークサイド圧延荷重とドライブサイド
荷重とを求め、ミル伸び量を計算する手段などが用いら
れている。
ル伸び特性をミル剛性率(定数)で表現し、この定数と予
測圧延荷重とから左右圧下位置を設定するものがある。
例えば、特公昭60−3883号公報に開示されるよう
に、ワークサイド圧延荷重とドライブサイド圧延荷重と
は各々等しくかかるものとし、予測圧延荷重の1/2が
両サイドに作用するとしてミル伸び量を計算する方法
や、特公昭60−3882号公報に開示されるように、
圧延荷重の和と差との比を一定とし、この比と次材予測
圧延荷重とからワークサイド圧延荷重とドライブサイド
荷重とを求め、ミル伸び量を計算する手段などが用いら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、幅方
向の板厚の高精度化が強く求められるようになり、各種
クラウン制御圧延機が導入されてきた。ワークロールシ
フトミルもその一種で、板幅に応じてワークロールを幅
方向に移動させ、ロールベンダーの効果をより発揮さ
せ、クラウン制御能力を向上させるものである。
向の板厚の高精度化が強く求められるようになり、各種
クラウン制御圧延機が導入されてきた。ワークロールシ
フトミルもその一種で、板幅に応じてワークロールを幅
方向に移動させ、ロールベンダーの効果をより発揮さ
せ、クラウン制御能力を向上させるものである。
【0006】しかしながら、板クラウンが小さくなる
と、圧延中に板がセンタずれを生じ易くなり、キャンバ
が発生し易くなる。即ち、板クラウンが大きい場合に
は、板がセンタずれを生じると、センタから遠いエッジ
側の圧下率が大きくなって、板自身に圧延機中央に戻ろ
うとする作用が発生するが、板クラウンが小さいと、そ
の作用が小さくなるためである。
と、圧延中に板がセンタずれを生じ易くなり、キャンバ
が発生し易くなる。即ち、板クラウンが大きい場合に
は、板がセンタずれを生じると、センタから遠いエッジ
側の圧下率が大きくなって、板自身に圧延機中央に戻ろ
うとする作用が発生するが、板クラウンが小さいと、そ
の作用が小さくなるためである。
【0007】また、ワークロールシフトミルのもう一つ
の特徴は、ロールシフトを周期的に行なうことによりワ
ークロールの摩耗分散をはかれること、即ち、スケジュ
ールフリー圧延(圧延順幅制約緩和圧延)に対応可能なこ
とである。
の特徴は、ロールシフトを周期的に行なうことによりワ
ークロールの摩耗分散をはかれること、即ち、スケジュ
ールフリー圧延(圧延順幅制約緩和圧延)に対応可能なこ
とである。
【0008】しかし、スケジュールフリー化によって、
圧延荷重は、圧延材毎に大きく変化することになり、従
来の圧延機に比べ、ワークロールシフトミルにおいて、
キャンバ等による通板トラブルが大幅に増加するという
問題が生じている。
圧延荷重は、圧延材毎に大きく変化することになり、従
来の圧延機に比べ、ワークロールシフトミルにおいて、
キャンバ等による通板トラブルが大幅に増加するという
問題が生じている。
【0009】従って、ワークロールシフトミルにおいて
は、従来の圧延機以上に、左右の圧下位置設定精度の向
上が非常に重要である。ワークロールシフトミルでは、
シフトが大きくなると、ワークロールとバックアップロ
ールとの接触長さが小さくなるため、ミル剛性が低下す
る。
は、従来の圧延機以上に、左右の圧下位置設定精度の向
上が非常に重要である。ワークロールシフトミルでは、
シフトが大きくなると、ワークロールとバックアップロ
ールとの接触長さが小さくなるため、ミル剛性が低下す
る。
【0010】ワークロールシフトとミル伸び特性との関
係は、実圧延機において実際にシフトし、ミル剛性を測
定することにより求められる。その測定結果の一例を図
3に示す。この図3に示すように、各圧延機のワークサ
イドとドライブサイド毎に特性が異なり、さらに、ロー
ル組替えにより、特性が変化する。
係は、実圧延機において実際にシフトし、ミル剛性を測
定することにより求められる。その測定結果の一例を図
3に示す。この図3に示すように、各圧延機のワークサ
イドとドライブサイド毎に特性が異なり、さらに、ロー
ル組替えにより、特性が変化する。
【0011】従って、上記従来技術による圧下位置設定
方法では、ミル伸び特性が定数で与えられており、ワー
クロールがシフトした場合に、ミル伸び特性の変化が考
慮されていないため、圧下位置設定精度が不十分にな
る。
方法では、ミル伸び特性が定数で与えられており、ワー
クロールがシフトした場合に、ミル伸び特性の変化が考
慮されていないため、圧下位置設定精度が不十分にな
る。
【0012】シフトミルでの圧延荷重の差は、機構的に
点対称になるために本来発生しないものと考えられてい
たが、実機においては、圧延機のガタ等により、各圧延
機毎および各圧延条件毎に変化していることが判明し
た。
点対称になるために本来発生しないものと考えられてい
たが、実機においては、圧延機のガタ等により、各圧延
機毎および各圧延条件毎に変化していることが判明し
た。
【0013】図4に、荷重差率とワークロールシフト量
との関係について調査した結果の一例を示す。ここで、
荷重差率は、圧延荷重の差を圧延荷重の和で除すること
により定義した。この図4からも明らかなように、予測
圧延荷重の与え方を一定、もしくは一律にする従来の手
段は意味をなさない。
との関係について調査した結果の一例を示す。ここで、
荷重差率は、圧延荷重の差を圧延荷重の和で除すること
により定義した。この図4からも明らかなように、予測
圧延荷重の与え方を一定、もしくは一律にする従来の手
段は意味をなさない。
【0014】本発明は、このような課題を解決しようと
するもので、ワークロールシフト機構を有する圧延機に
対しても板材のキャンバ発生を確実に防止し、安定した
先端通板性を得られるようにして、圧延工程における圧
延トラブルを著しく減少させることのできるワークロー
ルシフトミルの圧下位置制御方法を提供することを目的
とする。
するもので、ワークロールシフト機構を有する圧延機に
対しても板材のキャンバ発生を確実に防止し、安定した
先端通板性を得られるようにして、圧延工程における圧
延トラブルを著しく減少させることのできるワークロー
ルシフトミルの圧下位置制御方法を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のワークロールシフトミルの圧下位置制御方
法は、ワークロールシフト機能をもつ圧延機で板材を圧
延するに際して、圧延される前記板材のキャンバ発生を
防止すべく、次材の圧延におけるワークサイドとドライ
ブサイドとの圧下位置を調整・制御する方法であって、
ワークロールシフト量,圧延材板幅および次材圧延時の
予測荷重に基づいて、ワークサイド,ドライブサイド各
々のミル伸び特性関数と、ワークサイド,ドライブサイ
ド各々の予測荷重とを求め、これらのミル伸び特性関数
および予測荷重に基づいて、ワークサイド,ドライブサ
イド各々のミル伸び量を計算して左右のミル伸び差の量
を求め、該左右のミル伸び差の量だけ左右の圧下位置を
変更することを特徴としている。
に、本発明のワークロールシフトミルの圧下位置制御方
法は、ワークロールシフト機能をもつ圧延機で板材を圧
延するに際して、圧延される前記板材のキャンバ発生を
防止すべく、次材の圧延におけるワークサイドとドライ
ブサイドとの圧下位置を調整・制御する方法であって、
ワークロールシフト量,圧延材板幅および次材圧延時の
予測荷重に基づいて、ワークサイド,ドライブサイド各
々のミル伸び特性関数と、ワークサイド,ドライブサイ
ド各々の予測荷重とを求め、これらのミル伸び特性関数
および予測荷重に基づいて、ワークサイド,ドライブサ
イド各々のミル伸び量を計算して左右のミル伸び差の量
を求め、該左右のミル伸び差の量だけ左右の圧下位置を
変更することを特徴としている。
【0016】
【作用】上述した本発明のワークロールシフトミルの圧
下位置制御方法では、ワークロールシフト機能をもつ圧
延機で板材を圧延するに際して、ワークロールシフト
量,圧延材板幅および次材圧延時の予測荷重に基づいて
求められたワークサイド,ドライブサイド各々のミル伸
び特性関数と予測荷重とから、左右のミル伸び差の量が
求められ、その量だけ左右の圧下位置を変更することに
より、ミル伸び特性や予測荷重の変化に対応してワーク
サイド,ドライブサイド各々の圧下位置を調整すること
ができ、ワークロールシフトミルにおける板材(圧延材)
のキャンバ発生が防止される。
下位置制御方法では、ワークロールシフト機能をもつ圧
延機で板材を圧延するに際して、ワークロールシフト
量,圧延材板幅および次材圧延時の予測荷重に基づいて
求められたワークサイド,ドライブサイド各々のミル伸
び特性関数と予測荷重とから、左右のミル伸び差の量が
求められ、その量だけ左右の圧下位置を変更することに
より、ミル伸び特性や予測荷重の変化に対応してワーク
サイド,ドライブサイド各々の圧下位置を調整すること
ができ、ワークロールシフトミルにおける板材(圧延材)
のキャンバ発生が防止される。
【0017】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例としての
ワークロールシフトミルの圧下位置制御方法について説
明すると、図1はその手順を説明するためのフローチャ
ート、図2はその方法をタンデムスタンドに適用した場
合の各スタンドとレベリング量との関係を従来制御と比
較して示すグラフである。
ワークロールシフトミルの圧下位置制御方法について説
明すると、図1はその手順を説明するためのフローチャ
ート、図2はその方法をタンデムスタンドに適用した場
合の各スタンドとレベリング量との関係を従来制御と比
較して示すグラフである。
【0018】図1に従って、本実施例の圧下位置制御方
法の手順を説明すると、まず、任意のi本目の圧延材に
ついて、各スタンドの左右圧下位置の設定値をメモリす
る(ステップS1)。i本目の圧延において、各スタンド
のロードセルにより、ワークサイド(WS)およびドライ
ブサイド(DS)の圧延荷重を検出し、先端部分の平均値
をメモリする(ステップS2)。i+1本目の圧延設定条
件に基づき、各スタンドの圧下位置の設定値,予測圧延
荷重を計算する(ステップS3)。
法の手順を説明すると、まず、任意のi本目の圧延材に
ついて、各スタンドの左右圧下位置の設定値をメモリす
る(ステップS1)。i本目の圧延において、各スタンド
のロードセルにより、ワークサイド(WS)およびドライ
ブサイド(DS)の圧延荷重を検出し、先端部分の平均値
をメモリする(ステップS2)。i+1本目の圧延設定条
件に基づき、各スタンドの圧下位置の設定値,予測圧延
荷重を計算する(ステップS3)。
【0019】次に、ワークロールシフトミルによるミル
伸び特性の変化関数を用いて、ワークサイド,ドライブ
サイドのミル伸び特性を求める(ステップS4)。ワーク
ロールシフトミルのミル伸び特性は、ロールシフト,圧
延材板幅,圧延荷重により変化するが、本発明者らは、
多くのデータを解析した結果、これらの変化を表す式と
して、ワークロールシフトによるミル伸び特性の変化関
数を得た。ワークサイド,ドライブサイドそれぞれにつ
いてのワークロールシフトによるミル伸び特性の変化関
数は以下の式で表される。
伸び特性の変化関数を用いて、ワークサイド,ドライブ
サイドのミル伸び特性を求める(ステップS4)。ワーク
ロールシフトミルのミル伸び特性は、ロールシフト,圧
延材板幅,圧延荷重により変化するが、本発明者らは、
多くのデータを解析した結果、これらの変化を表す式と
して、ワークロールシフトによるミル伸び特性の変化関
数を得た。ワークサイド,ドライブサイドそれぞれにつ
いてのワークロールシフトによるミル伸び特性の変化関
数は以下の式で表される。
【0020】Mw=Mow(1−Aw) Md=Mod(1−Ad) ここで、Mow,Modはそれぞれワークサイド,ドライブ
サイドにおけるワークロールシフトの無い状態でのミル
伸び特性を示す項であり、以下のように表すことができ
る。
サイドにおけるワークロールシフトの無い状態でのミル
伸び特性を示す項であり、以下のように表すことができ
る。
【0021】
【数1】
【0022】さらに、Aw,Adはそれぞれワークロール
シフトの影響を示す項であり、以下のように表すことが
できる。
シフトの影響を示す項であり、以下のように表すことが
できる。
【0023】
【数2】
【0024】ここで、Mw,Mdはそれぞれワークサイ
ド,ドライブサイドのミル定数、Sはシフト量、Lはロ
ール長さ、Bは板幅、Pw,Pdはそれぞれワークサイ
ド,ドライブサイドの圧延荷重、Ewn,Edn,Fwn,F
dn,Pa,Pbはいずれも各圧延機により定められる係数
で、添字w,dはそれぞれワークサイド,ドライブサイ
ドに係わるものであることを示している。
ド,ドライブサイドのミル定数、Sはシフト量、Lはロ
ール長さ、Bは板幅、Pw,Pdはそれぞれワークサイ
ド,ドライブサイドの圧延荷重、Ewn,Edn,Fwn,F
dn,Pa,Pbはいずれも各圧延機により定められる係数
で、添字w,dはそれぞれワークサイド,ドライブサイ
ドに係わるものであることを示している。
【0025】次に、ワークサイドおよびドライブサイド
の圧延荷重の和と差の比率を、シフト量とワークロール
テーパー圧延量の関数を用いて求める(ステップS5)。
本発明者らは、ワークロールシフト量,ワークロールに
加えた初期加工の量およびワークロールベンダーの量と
荷重差率との関係について調査を重ね、荷重差を予測計
算することができることを見出した。圧延荷重差率α
は、以下のように表すことができる。
の圧延荷重の和と差の比率を、シフト量とワークロール
テーパー圧延量の関数を用いて求める(ステップS5)。
本発明者らは、ワークロールシフト量,ワークロールに
加えた初期加工の量およびワークロールベンダーの量と
荷重差率との関係について調査を重ね、荷重差を予測計
算することができることを見出した。圧延荷重差率α
は、以下のように表すことができる。
【0026】
【数3】
【0027】ここで、Sはシフト量、Tはロール初期加
工量、Dはワークロールベンダー量、αo,Can,Cb
n,Ccnは各圧延機および各圧延条件により定められる
係数である。
工量、Dはワークロールベンダー量、αo,Can,Cb
n,Ccnは各圧延機および各圧延条件により定められる
係数である。
【0028】そして、各スタンドの予測圧延荷重Pclcu
と圧延荷重差率αの計算値とにより、ワークサイドとド
ライブサイドの予測圧延荷重Pw,Pdを下式により求め
る(ステップS6)。
と圧延荷重差率αの計算値とにより、ワークサイドとド
ライブサイドの予測圧延荷重Pw,Pdを下式により求め
る(ステップS6)。
【0029】Pw=(1+α)・Pclcu/2 Pd=(1−α)・Pclcu/2 この後、ステップS4において、圧延設定条件に基づき
計算した、各スタンドのワークサイドとドライブサイド
のミル伸び特性関数Mw,Mdと、ステップS6で求めた
予測圧延荷重Pw,Pdとを用い、下式のように、各スタ
ンドのワークサイドとドライブサイドのミル伸び量ΔS
w,ΔSdを計算して、左右のミル伸び差の量δΔSを求
める(ステップS7)。
計算した、各スタンドのワークサイドとドライブサイド
のミル伸び特性関数Mw,Mdと、ステップS6で求めた
予測圧延荷重Pw,Pdとを用い、下式のように、各スタ
ンドのワークサイドとドライブサイドのミル伸び量ΔS
w,ΔSdを計算して、左右のミル伸び差の量δΔSを求
める(ステップS7)。
【0030】ΔSw=Pw/Mw ΔSd=Pd/Md δΔS=ΔSw−ΔSd ついで、ステップS7で求めた左右の伸び差δΔSを、
下式のように、各スタンドの圧下位置の設定値に加減算
する(ステップS8)。
下式のように、各スタンドの圧下位置の設定値に加減算
する(ステップS8)。
【0031】Sw=Sow+δΔS/2 Sd=Sod−δΔS/2 ここで、Sow,Sodはそれぞれワークサイド,ドライブ
サイドにおける圧下位置の設定値であるが、i本目の実
績を用いて、次式のように表される。
サイドにおける圧下位置の設定値であるが、i本目の実
績を用いて、次式のように表される。
【0032】
【数4】
【0033】そして、i+1本目設定時に、以上のよう
に修正した圧下位置の設定値を出力し(ステップS9)、
左右の伸び差δΔSだけ左右の圧下位置を変更すること
により、ミル伸び特性や予測荷重の変化に対応してワー
クサイド,ドライブサイド各々の圧下位置を調整するこ
とができ、ワークロールシフトミルにおける板材(圧延
材)のキャンバ発生が確実に防止される。
に修正した圧下位置の設定値を出力し(ステップS9)、
左右の伸び差δΔSだけ左右の圧下位置を変更すること
により、ミル伸び特性や予測荷重の変化に対応してワー
クサイド,ドライブサイド各々の圧下位置を調整するこ
とができ、ワークロールシフトミルにおける板材(圧延
材)のキャンバ発生が確実に防止される。
【0034】このように、本実施例の方法によれば、ワ
ークロールシフト機構を有する圧延機に対しても板材の
キャンバ発生を確実に防止できるので、安定した先端通
板性を得られ、圧延工程における圧延トラブルを著しく
減少させることができる。
ークロールシフト機構を有する圧延機に対しても板材の
キャンバ発生を確実に防止できるので、安定した先端通
板性を得られ、圧延工程における圧延トラブルを著しく
減少させることができる。
【0035】図2に本発明の方法をタンデムスタンドに
適用した結果を示す。全く同じ条件を再現することが困
難なため、従来制御と比較すべく、同一圧延材に対し
て、本発明を適用した場合の計算値を示す。板先端通板
時のオペレータによる手介入量は、従来制御を補うため
に行なったものである。本発明の方法は、これを各圧延
機にバランス良く配分しているので、オペレータによる
手介入を必要としない程の精度をもつことが確認され
た。
適用した結果を示す。全く同じ条件を再現することが困
難なため、従来制御と比較すべく、同一圧延材に対し
て、本発明を適用した場合の計算値を示す。板先端通板
時のオペレータによる手介入量は、従来制御を補うため
に行なったものである。本発明の方法は、これを各圧延
機にバランス良く配分しているので、オペレータによる
手介入を必要としない程の精度をもつことが確認され
た。
【0036】さらに、本発明の方法を適用した結果を下
表に示す。この表から明らかなように、従来、オペレー
タによる圧下位置手介入の頻度が80%近くもあったも
のが、55%に低減された。また、通板不良による突発
ロール組替え程度も1.5%から1%に低減され、極め
て効果のあることが確認された。なお、表中、F1〜F
7はタンデムスタンドにおける各スタンド番号を表すも
のである。
表に示す。この表から明らかなように、従来、オペレー
タによる圧下位置手介入の頻度が80%近くもあったも
のが、55%に低減された。また、通板不良による突発
ロール組替え程度も1.5%から1%に低減され、極め
て効果のあることが確認された。なお、表中、F1〜F
7はタンデムスタンドにおける各スタンド番号を表すも
のである。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のワークロ
ールシフトミルの圧下位置制御方法によれば、ワークロ
ールシフト量,圧延材板幅および次材圧延時の予測荷重
に基づいて求められたワークサイド,ドライブサイド各
々のミル伸び特性関数と予測荷重とから、左右のミル伸
び差の量を求め、その量だけ左右の圧下位置を変更する
ように構成したので、ミル伸び特性や予測荷重の変化に
対応してワークサイド,ドライブサイド各々の圧下位置
を調整でき、ワークロールシフト機構を有する圧延機に
対しても板材のキャンバ発生を確実に防止でき、圧延工
程における圧延トラブルを著しく減少できる効果があ
る。
ールシフトミルの圧下位置制御方法によれば、ワークロ
ールシフト量,圧延材板幅および次材圧延時の予測荷重
に基づいて求められたワークサイド,ドライブサイド各
々のミル伸び特性関数と予測荷重とから、左右のミル伸
び差の量を求め、その量だけ左右の圧下位置を変更する
ように構成したので、ミル伸び特性や予測荷重の変化に
対応してワークサイド,ドライブサイド各々の圧下位置
を調整でき、ワークロールシフト機構を有する圧延機に
対しても板材のキャンバ発生を確実に防止でき、圧延工
程における圧延トラブルを著しく減少できる効果があ
る。
【図1】本発明の一実施例としてのワークロールシフト
ミルの圧下位置制御方法の手順を説明するためのフロー
チャートである。
ミルの圧下位置制御方法の手順を説明するためのフロー
チャートである。
【図2】本発明の方法をタンデムスタンドに適用した場
合の各スタンドとレベリング量との関係を従来制御と比
較して示すグラフである。
合の各スタンドとレベリング量との関係を従来制御と比
較して示すグラフである。
【図3】ワークロールシフトによって生じるミル剛性変
化を示すグラフである。
化を示すグラフである。
【図4】ワークロールシフトによって生じる荷重差率変
化を示すグラフである。
化を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 ワークロールシフト機能をもつ圧延機で
板材を圧延するに際して、圧延される前記板材のキャン
バ発生を防止すべく、次材の圧延におけるワークサイド
とドライブサイドとの圧下位置を調整・制御する方法で
あって、 ワークロールシフト量,圧延材板幅および次材圧延時の
予測荷重に基づいて、ワークサイド,ドライブサイド各
々のミル伸び特性関数と、ワークサイド,ドライブサイ
ド各々の予測荷重とを求め、 これらのミル伸び特性関数および予測荷重に基づいて、
ワークサイド,ドライブサイド各々のミル伸び量を計算
して左右のミル伸び差の量を求め、 該左右のミル伸び差の量だけ左右の圧下位置を変更する
ことを特徴とするワークロールシフトミルの圧下位置制
御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4043493A JPH0824948B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | ワークロールシフトミルの圧下位置制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4043493A JPH0824948B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | ワークロールシフトミルの圧下位置制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05237531A true JPH05237531A (ja) | 1993-09-17 |
JPH0824948B2 JPH0824948B2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=12665244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4043493A Expired - Fee Related JPH0824948B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | ワークロールシフトミルの圧下位置制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0824948B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010234408A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Jfe Steel Corp | 熱延鋼帯の製造方法 |
JP2011073006A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Nisshin Steel Co Ltd | 圧延方向に板厚がテーパ状に変化するテーパ鋼板の板厚制御方法 |
CN114472537A (zh) * | 2020-11-13 | 2022-05-13 | 上海梅山钢铁股份有限公司 | 一种基于高速钢工作辊磨损的轧机零点辊缝修正方法 |
-
1992
- 1992-02-28 JP JP4043493A patent/JPH0824948B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010234408A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Jfe Steel Corp | 熱延鋼帯の製造方法 |
JP2011073006A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Nisshin Steel Co Ltd | 圧延方向に板厚がテーパ状に変化するテーパ鋼板の板厚制御方法 |
CN114472537A (zh) * | 2020-11-13 | 2022-05-13 | 上海梅山钢铁股份有限公司 | 一种基于高速钢工作辊磨损的轧机零点辊缝修正方法 |
CN114472537B (zh) * | 2020-11-13 | 2024-03-01 | 上海梅山钢铁股份有限公司 | 一种基于高速钢工作辊磨损的轧机零点辊缝修正方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0824948B2 (ja) | 1996-03-13 |
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