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JPH05230185A - 可撓性に優れた電気絶縁性複合シート材料 - Google Patents

可撓性に優れた電気絶縁性複合シート材料

Info

Publication number
JPH05230185A
JPH05230185A JP26887292A JP26887292A JPH05230185A JP H05230185 A JPH05230185 A JP H05230185A JP 26887292 A JP26887292 A JP 26887292A JP 26887292 A JP26887292 A JP 26887292A JP H05230185 A JPH05230185 A JP H05230185A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
composite sheet
sheet material
type epoxy
curing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP26887292A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Fujisawa
和久 藤沢
Koji Yamamoto
浩司 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP26887292A priority Critical patent/JPH05230185A/ja
Publication of JPH05230185A publication Critical patent/JPH05230185A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Epoxy Resins (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性絶縁材料として汎用されているメタ系
芳香族アラミド系ポリマーに匹敵する耐熱性、機械的強
度及び電気絶縁特性を有し、且つ耐湿性が良好でしかも
安価な複合シート材料を提供すること。 【構成】 エポキシ当量が150 〜300g/eq であるエポキ
シ樹脂と、ポリカルボン酸ポリ無水物及び強化繊維を複
合してなる耐熱性、機械的特性及び電気絶縁特性に優れ
た複合シート材料である。またこの複合材料に潜在性硬
化促進剤を配合すると可使時間の延長により取扱い作業
性を高めることができ、また無機質充填材を配合すると
硬化時の収縮が抑えられると共に、硬化シートの熱伝導
度も高められ熱放散性の向上により熱劣化を更に抑制す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可撓性を有し且つ耐熱
性、耐クラック性及び電気絶縁性の優れた硬化物を与え
る複合シート材料に関し、この複合シート材料は乾式変
圧器、モーター、発電機等に用いられる絶縁シート用材
料として有用である。
【0002】
【従来の技術】上記の様な絶縁用途に使用される可撓性
耐熱絶縁シート材料として現在最も汎用されているの
は、商品名「ノーメックス」として市販されているDupo
nt社の製品である。このシートは、下記構造式のメタ系
芳香族アラミド系ポリマー
【0003】
【化2】
【0004】を主体とする短繊維を抄紙して紙状にフオ
ーミングしたものであり、優れた耐熱性と電気絶縁性を
有し且つ機械強度にも優れたものであるところから、耐
熱性絶縁シート材料として幅広く活用されている。
【0005】ところがこの絶縁シート材料は、非常に高
価であるという経済上の欠点に加えて、吸湿性であるた
め比較的短期間の使用で電気絶縁性が低下するという難
点があり、しかもこのシートは短繊維を抄紙したもので
無数の繊維間空隙を有しているので、素材自体の電気絶
縁性が十分に生かされているとは言えず、また絶縁破壊
強度も不足気味である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、安価
なエポキシ樹脂を主たる構成々分とし、発電機用絶縁シ
ート材等としても十分に実用化できる様な耐熱性と電気
絶縁性を有し、且つ可撓性の良好な複合シート材料を提
供しようとするものである。また本発明の他の目的は、
溶融混練状態での可使時間が長くシート状に加熱成形す
るときの取扱い作業性を改善し、更には硬化時の収縮を
抑えると共に硬化物の熱膨張を低減し、熱伝導率が高く
て熱放散性に優れた複合シートを与える材料を提供しよ
うとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る複合シート材料とは、エポキシ当
量が150 〜300g/eq 以下であるエポキシ樹脂と、下記一
般式[I]
【0008】
【化3】
【0009】で示されるポリカルボン酸ポリ無水物硬化
剤及び強化繊維を主たる構成々分として含有する可撓
性、電気絶縁性及び絶縁破壊性に優れた複合材料であ
る。中でもエポキシ樹脂としてエポキシ当量が150 〜30
0g/eq であるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂またはフェノールノボラック
型エポキシ樹脂を使用すると、機械的及び電気的特性に
おいて極めて優秀な複合シート材料を得ることができ
る。
【0010】また上記構成成分に加えて潜在性硬化促進
剤(好ましくはアミンアダクト系あるいはイミダゾール
系の硬化促進剤)を配合すれば、加熱溶融混練時の可使
時間を延長することができ、複合シートへの成形時の取
扱い作業性に優れた複合シート成形用の材料を得ること
ができ、また更に他の成分として無機質充填材(好まし
くシランカップリング剤で表面処理されたもの)を配合
すれば、硬化収縮が抑えられると共に硬化物の熱膨張率
も低く抑えられ、その結果、熱伝導率が高くて熱放散性
に優れた複合シートを与える材料を得ることができる。
【0011】
【作用】上記の様に本発明では、ベース樹脂としてエポ
キシ当量が150 〜300g/eqであるエポキシ樹脂を使用
し、硬化剤として前記一般式[I]で示されるポリカル
ボン酸ポリ無水物を使用すると共にこれらを強化繊維と
複合することによって、優れた電気絶縁性を示すと共に
強度や可撓性に優れた硬化物を与える複合シート材料を
得たものであり、またこの材料に更に他の成分として潜
在性硬化促進剤と無機質充填材を配合することにより、
可使時間を長くして取扱い作業性を高めると共に、伝熱
特性の改善された硬化シートを与える複合材料を得るこ
とができる。
【0012】本発明においてエポキシ樹脂としては、エ
ポキシ当量が150 〜300g/eq であるエポキシ樹脂、たと
えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、
レゾルシノール型エポキシ樹脂、ヘキサヒドロビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリ
プロピレングリコールジグリシジルエステル、フタル酸
ジグリシジルエステル、ビスフェノールヘキサクロロア
セトンジグシジルエーテル等が挙げられるが、これらの
中でも特に好ましいのはビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂およびフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂である。これらは単独で使用
してもよく、あるいは必要により2種以上を組合せて使
用することも可能である。
【0013】尚ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、た
とえばダウケミカル社製の「DER331 」、チバガイギ
ー社製の「GY260 」,「GY280 」、油化シエルエポ
キシ社製「エピコート828 」等;ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂は、たとえば油化シエルエポキシ社製の「エ
ピコート807 」等;フェノールノボラック型エポキシ樹
脂は、たとえばダウケミカル社製の「DEN431 」,
「DEN438 」等として入手することができる。
【0014】エポキシ当量が150g/eq 未満のものでは、
得られる複合シート材料の耐熱性及び可撓性が乏しくな
り、一方300g/eq を超えるものは、常温で固形であるか
極めて高粘性のものであり、取扱いが困難であるばかり
でなく強化繊維への侵入も困難になり、硬化物に空隙欠
陥ができて強度や可撓性が悪くなる。従って本発明で
は、エポキシ当量が150 〜300g/eq のものを使用しなけ
ればならない。エポキシ樹脂を2種以上組合せて使用す
る場合は、それらの平均値が150 〜300g/eq となる様に
併用比率を調整すればよい。
【0015】次に硬化剤として用いられるポリカルボン
酸ポリ無水物は、架橋間距離を長くして硬化物に可撓性
を与える作用を有するものであって、前記一般式[I] で
示される縮重合体を総称する。一般式[I] においてm及
びnが大き過ぎると硬化物が強度不足になり易く、逆に
小さ過ぎる場合は硬化物の可撓性が不十分となる傾向が
あるので、好ましくはmが8〜20,nが2〜20のも
のを使用することが望まれる。こうした要件にかなう好
ましいポリカルボン酸ポリ無水物としては、ポリドデカ
ン二酸ポリ無水物、ポリエイコサン二酸ポリ無水物の如
きジカルボン酸・脱水縮合物、たとえば岡村製油社製の
「SL−12AH」、「SL−20AH」等が挙げられる。
これらは単独で使用し得るほか、2種以上を併用するこ
とも勿論可能である。該ポリカルボン酸ポリ無水物硬化
剤の好ましい配合量は、エポキシ樹脂100 重量部に対し
て30〜200 重量部、より好ましくは50〜150 重量部の範
囲である。
【0016】次に強化繊維は、硬化物の物性、殊に強度
と可撓性を更に高めるために複合されるものであり、ガ
ラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維等の無機質繊維、
及びポリアミド繊維、ポリアミドイミド繊維、アラミド
繊維、ポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイト
繊維、ポリスチレン繊維等の有機質繊維を単独でもしく
は2種以上を組合わせて使用することができる。これら
は短繊維状物として複合することもできるが、強化効果
をより有効に発揮させるうえでは、長繊維をマット状、
織・編布状もしくは不織布状にして使用するのがよい。
【0017】強化繊維とエポキシ樹脂組成物(エポキシ
樹脂と硬化剤等の総和)の複合比率は特に限定されず、
用途や要求特性等に応じて適宜選定すればよいが、好ま
しくは複合シート材料全量中に占める強化繊維の含有率
で10〜90重量%、より好ましくは20〜80重量%の範囲と
するのがよい。
【0018】本発明に係る第1の構成では、上記のエポ
キシ樹脂、ポリカルボン酸ポリ無水物硬化剤および強化
繊維を必須の構成成分とするものであり、それにより優
れた可撓性を有し且つ耐熱性、耐クラック性および電気
絶縁性の優れた硬化物を与える複合シート材料を得るこ
とができる。しかしこれらに加えて更に他の成分として
潜在性硬化促進剤および無機質充填材を併用すれば、以
下に詳述する如くシート状物への成形時の取扱い作業性
が高められると共に、硬化物の伝熱特性を高めることが
できる。そこで本発明の第2の構成では、これら潜在性
硬化促進剤および無機質充填材を必須成分として含有さ
せるものである。
【0019】まず潜在性硬化促進剤は、シート状に成形
する際の溶融混合状態での粘度上昇を抑制して可使時間
を延長する作用を有するものであり、公知の種々の潜在
性硬化促進剤を使用することができるが、本発明で使用
するポリカルボン酸ポリ無水物硬化剤との組合せにおい
て特に好ましいのは、アミンアダクト系もしくはイミダ
ゾール系の硬化促進剤であり、これらは単独で使用して
もよく或は2種以上を併用してもよい。アミンアダクト
系硬化促進剤としては、たとえば味の素社製商品名「ア
ミキュア MY−24」、「アミキュア MY−H」、
イミダゾール系硬化促進剤としてはたとえば四国化成社
製商品名「キュアゾール C17Z」(2−ヘプタデシ
ルイミダゾール)、「キュアゾール 2PZ」(2−フ
ェニルイミダゾール)、油化シェル社製商品名「エピキ
ュア EMI−24」(2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール)等が好ましいものとして例示される。これら潜
在性硬化促進剤の添加量は、求められる可使時間の程度
に応じて適宜決定すればよいが、標準的なのはポリカル
ボン酸ポリ無水物硬化剤100重量部に対して0.1〜
5重量部、より一般的には0.5〜2重量%の範囲と
し、複合シート材料としての可使時間が80℃で3時間
以上となる様に調整することが望ましい。
【0020】また無機質充填材は、硬化時の収縮を抑え
ると共に、硬化シートの熱膨張率を低下させ熱伝導率を
高めて熱放散を良くする作用があり、たとえば絶縁シー
ト材等として使用したときの熱劣化を抑制する効果を発
揮するものであり、たとえばタルク、カオリン、マイ
カ、ベントナイト、シリカ、炭酸カルシウム、アルミ
ナ、水和アルミナ、水和マグネシウム、珪酸ジルコニウ
ム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、重炭酸カルシ
ウム、炭化珪素ウイスカー、チタン酸カリウムウイスカ
ー、ガラス繊維粉等が好ましいものとして挙げられる。
【0021】これらの無機質充填材は、硬化後にヒビク
ル成分であるエポキシ樹脂との界面でクラックを生じた
り水が浸入するのを予め防止するため、その表面をシラ
ンカップリング剤やチタネート系界面活性剤、アルミニ
ウム系界面活性剤、ジルコニウム系界面活性剤等で処理
し、エポキシ樹脂との濡れ性を高めておくのがよい。こ
うした意味から最も好ましい表面処理剤はシランカップ
リング剤であり、好ましいものとして例示した上記の無
機質充填材はいずれも容易にシランカップリング処理す
ることができる。
【0022】尚無機質充填材は、上記の理由から予めエ
ポキシ樹脂との濡れ性改善のための表面処理を施してお
くのがよいが、これに代えて複合材料を得る際の混練時
に無機質充填材と共にシランカップリング剤等を添加す
ることも可能である。該無機質充填材の効果を有効に発
揮させるための好ましい配合量は、複合シート材料全量
中に占める比率で20〜60重量%の範囲である。
【0023】本発明に係る複合シート材料の必須構成々
分は以上の通りであるが、本発明の特徴を阻害しない範
囲で混練時の発泡を抑えて空孔欠陥が生じるのを防止す
るために消泡剤を添加したり、更には顔料、染料、酸化
防止剤、帯電防止剤、難燃剤、離型剤等を適量含有させ
ることも可能である。
【0024】上記各原料の複合方法も特に限定されない
が、ポリカルボン酸ポリ無水物硬化剤は常温で固体であ
り、これとエポキシ樹脂や無機質充填材との混合物は常
温で高粘性であるので、このままでは強化繊維に対して
空隙なく均一に複合することがむつかしい。従って好ま
しくは、硬化剤や潜在性硬化促進剤およびエポキシ樹脂
の混合物を硬化剤の融点以上(通常は80℃程度以上)
に予熱して流動性を高め、無機質充填材を併用する場合
はこれを均一に混入させてから強化繊維に含浸させる
か、あるいはケトン類、グリコールエーテル類、炭化水
素類、塩素化炭化水素類等の不活性有機溶剤で適度に希
釈してから含浸させる方法が考えられる。均一含浸を考
えると、好ましくは、加熱溶融混練物を含浸させること
が望まれる。
【0025】含浸後の硬化条件も特に限定されず、エポ
キシ樹脂や硬化剤、潜在性硬化促進剤の種類や配合比率
等に応じて最適条件をその都度選定すればよいが、通常
は60〜 200℃で0.1 〜72時間の範囲から選定される。
尚硬化反応時にプレス機等で適度に加圧してやれば、強
化繊維間の空隙内にエポキシ樹脂等がより確実に浸入
し、空隙欠陥のない高性能のシート状硬化物が得られ易
い。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はも
とより下記実施例に限定されるものではない。実施例1 ダウケミカル社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂
「DER331 」(エポキシ当量:190g/eq )100gと岡村
製油社製のポリドデカンニ酸ポリ無水物「SL−12A
H」96g をビーカーに入れ、100 ℃で均一に溶融混合し
た。この溶融混合物を、オリベスト社製のガラス繊維布
「グラベストSBP」をA−4サイズに切断したものに
含浸させた後、安田精機社製の10トン小型プレス機によ
り50kg/cm2で加圧しつつ200 ℃で2時間加熱して、厚さ
180 μm の複合シートを得た。
【0027】実施例2 硬化促進剤として油化シェル社製イミダゾール「エピキ
ュア EMI−24」0.5gを併用した以外は実施例1と
全く同様にして溶融混合、含浸及び加圧・加熱し、厚さ
180 μm の複合シートを得た。
【0028】実施例3 エポキシ樹脂としてダウケミカル社製のフェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂「DEN431 」(エポキシ当量:
178g/eq )を使用し、硬化剤の配合量を103gとした以外
は実施例1と全く同様にして溶融混合、含浸及び加圧・
加熱し、厚さ180 μm の複合シートを得た。
【0029】実施例4 硬化剤として岡村製油社製のポリエイコサン二酸ポリ無
水物「SL−20AH」を使用し硬化剤の配合量を132
gとした以外は実施例1と全く同様にして溶融混合、含
浸及び加圧・加熱し、厚さ180 μm の複合シートを得
た。
【0030】実施例5 エポキシ樹脂として油化シエルエポキシ社製のビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂「エピコート807 」(エポキシ
当量:174g/eq )を使用し、硬化剤の配合量を105gとし
た以外は実施例1と全く同様にして溶融混合、含浸及び
加圧・加熱し、厚さ180 μm の複合シートを得た。
【0031】比較例1 エポキシ樹脂として油化シエルエポキシ社製のテトラグ
リシジルジアミノジフェニルメタン「エピコート604 」
(エポキシ当量:120g/eq )を使用し硬化剤の配合量を
151gに変えた以外は実施例1と全く同様にして溶融混
合、含浸及び加圧・加熱し、厚さ180 μm の複合シート
を得た。
【0032】比較例2 エポキシ樹脂として油化シエルエポキシ社製のビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂「エピコート1004」(エポキシ
当量:810g/eq )を使用し硬化剤の配合量を23g に変え
た以外は実施例1と全く同様にして溶融混合、含浸及び
加圧・加熱し、厚さ180 μm の複合シートを得た。
【0033】比較例3 硬化剤をジアミノジフェニルメタン(DDM)27g に変
えた以外は実施例1と全く同様にして溶融混合、含浸及
び加圧・加熱し、厚さ180 μm の複合シートを得た。
【0034】比較例4 硬化剤をメチルナジック酸無水物(MNA)98g に変え
た以外は実施例1と全く同様にして溶融混合、含浸及び
加圧・加熱し、厚さ180 μm の複合シートを得た。上記
で得た各複合シートについて、MIT屈曲試験(JIS
P8115)及び電気絶縁破壊強度試験(ASTM D14
9 )を行ない、表1に一括して示す結果を得た。
【0035】
【表1】
【0036】表1からも明らかである様に、本発明の規
定要件を充足する実施例1〜5はいずれも優れた可撓性
と電気絶縁特性を有しているのに対し、比較例1は、エ
ポキシ当量が150g/eq 未満であるエポキシ樹脂を用いた
ものであり、比較例2はエポキシ樹脂のエポキシ当量が
過大であり、比較例3,4は硬化剤が不適切であるた
め、いずれも可撓性が極めて悪く、且つ電気絶縁特性も
悪い。尚実施例1〜5で得られた複合シートの耐熱性
(熱分解開始温度;パーキンエルマー社製熱重量分析装
置TGA7を用いて、窒素雰囲気下10℃/min の昇温
速度で測定し、熱重量測定結果から得られる重量減少が
5%になる時の温度で定義する)はいずれも350℃以
上であって、極めて良好であった。
【0037】実施例6 ダウケミカル社製のフェノールノボラック型エポキシ樹
脂「DER431 」(エポキシ当量:178g/eq )100gと岡
村製油社製のポリドデカン二酸ポリ無水物「SL−12A
H」97g をビーカーに入れ、100 ℃で均一に溶融混合し
た。この溶融混合物にサンノプコ社製の消泡剤「SN−
352 」0.1gを添加した後、土屋カオリン社製カオリン
「SP−33(エポキシシラン表面処理品)」100gを加え
て更に均一混合した。最後に四国化成社製の潜在性イミ
ダゾール系硬化促進剤「キュアゾール C17Z」を1g
加え、均一混合した。
【0038】この溶融混合物の80℃での可使時間(溶融
粘度が測定開始時の2倍になるまでの時間)をリオン社
製のB型粘度計「ビスコテスター(VT−04)」を用
いて求めた。また80℃でのゲル化時間を安田精機社製の
「ゲルタイムテスター」を用いて求めた。残りの溶融混
合物を、オリベスト社製のガラス繊維ペーパー「グラベ
ストSBP」をA−4サイズに切断したものに含浸させ
た後、安田精機社製の10トン小型プレス機を用いて30kg
/cm2で加圧しつつ、150 ℃で10分間加熱して硬化させ、
厚さ200 μm の複合シートを得た。
【0039】実施例7 硬化促進剤として、味の素社製の潜在性アミンアダクト
系硬化促進剤「アミキュア MY−24」を1g使用した
以外は実施例6と全く同様にして溶融混合し、80℃で
の可使時間およびゲル化時間を求めた。残りの溶融混合
物をオリベスト社製のガラス繊維ペーパー「グラベスト
SBP」をA−4サイズに切断したものに含浸させた
後、安田精機社製の10トン小型プレス機を用いて30kg/c
m2で加圧しつつ、150 ℃で30分間加熱して硬化させ、厚
さ200 μm の複合シートを得た。
【0040】参考例1 硬化促進剤として油化シェル社製イミダゾール「エピキ
ュア EMI−24」を1g使用した以外は、実施例6
〜8と全く同様にして溶融混合し、その80℃での可使
時間およびゲル化時間を求めた。また残りの溶融混合物
を、実施例1と全く同様にしてガラス繊維シートに含浸
してから加圧・加熱処理し、厚さ200μm の複合シー
トを得た。
【0041】参考例2 無機質充填材としてエポキシシラン処理をしていない土
屋カオリン社製カオリン「SP−33」100gを使用した
以外は、実施例1と全く同様にして溶融混合、ガラス繊
維シートへの含浸および加圧・加熱処理し、厚さ200 μ
m の複合シートを得た。
【0042】比較例5 無機質充填材と消泡剤を使用しなかった以外は、実施例
1と全く同様にして、溶融混合、ガラス繊維シートへの
含浸および加圧・加熱処理を行ない、厚さ200μm の複
合シートを得た。上記で得た各複合シートについて、M
IT屈曲試験(JIS P8115),ヒートエージン
グテスト(245℃×500時間)前後の電気絶縁破壊
強度試験(ASTM D149)を行ない、その結果
を、可使時間およびゲル化時間と共に表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】表2から明らかな様に、本発明の要件を満
たす実施例6,7は可使時間が3時間以上で良好なポッ
トライフを示し、且つその硬化シートは、良好な電気
的、機械的特性を有している。これに対し比較例5は、
無機質充填材が配合されていないため、ヒートエージン
グ後の電気絶縁破壊強度の低下が著しい。
【0045】尚参考例1,2は一応本発明の規定要件を
満たすものであるが、参考例1では硬化促進剤の添加量
が不適当であるため可使時間延長効果が不足気味であ
り、作業性に不満が残る。また参考例2では、表面処理
していない無機質充填材を使用しているため、原料混練
時における該充填材の分散性が悪く、ヒートエージング
後の電気絶縁破壊強度の低下が著しい。
【0046】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、エ
ポキシ樹脂の硬化剤としてポリカルボン酸ポリ無水物を
使用し、これらを強化繊維と複合することによって、強
度、可撓性及び耐熱性に優れ且つ電気絶縁特性の優秀な
複合シート材料を得ることができる。しかもこの複合シ
ート材料は耐湿性に優れたものであり、公知のメタ芳香
族アラミド系ポリマーに見られる様に吸湿により、絶縁
性低下を来たす恐れもない。またこの複合材料に更に他
の成分として潜在性硬化促進剤を適量配合すると、硬化
前の混合物の増粘が抑制されて可使時間を延長すること
ができ、取扱い作業性が高められる。また更に適量の無
機質充填材を配合すると、硬化時の収縮が抑えられると
共に硬化物の熱膨張率も小さくすることができ、熱放散
性の向上により電気絶縁破壊強度を高めることができ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ当量が150 〜300g/eq であるエ
    ポキシ樹脂と、下記一般式[I] 【化1】 で示されるポリカルボン酸ポリ無水物硬化剤及び強化繊
    維を含有することを特徴とする可撓性に優れた電気絶縁
    性複合シート材料。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エ
    ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェ
    ノールノボラック型エポキシ樹脂よりなる群から選択さ
    れた少なくとも1種である請求項1に記載の複合シート
    材料。
  3. 【請求項3】 更に他の成分として、潜在性硬化促進剤
    および無機質充填材を含むものである請求項1または2
    に記載の複合シート材料。
  4. 【請求項4】 潜在性硬化促進剤が、潜在性アミンアダ
    クト系促進剤および/または潜在性イミダゾール系促進
    剤である請求項3に記載の複合シート材料。
  5. 【請求項5】 無機質充填材が、シランカップリング剤
    で表面処理されたものである請求項3または4に記載の
    複合シート材料。
  6. 【請求項6】 80℃で溶融混練したときの可使時間が
    3時間以上である請求項3〜5のいずれかに記載の複合
    シート材料。
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