JPH05163470A - アルカリ水溶性粘着剤組成物 - Google Patents
アルカリ水溶性粘着剤組成物Info
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- JPH05163470A JPH05163470A JP32867891A JP32867891A JPH05163470A JP H05163470 A JPH05163470 A JP H05163470A JP 32867891 A JP32867891 A JP 32867891A JP 32867891 A JP32867891 A JP 32867891A JP H05163470 A JPH05163470 A JP H05163470A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 酸性水及び中性水に不溶であり、アルカリ性
水においてのみ溶解し、しかも経時による接着昂進現象
が生じ難く、長時間又は高温高湿度条件下における貼付
後の再剥離性に優れたアルカリ水溶性粘着剤組成物を得
る。 【構成】 アルカリ性水のみに溶解し、酸性水及び中性
水に溶解しないアルカリ水溶性粘着剤100重量部に対
し、ポリアルキレンオキシド鎖を分子内に有する水分散
性又は水溶性シリコーン系界面活性剤を10重量部以下
の範囲で配合してなる、アルカリ水溶性粘着剤組成物。
水においてのみ溶解し、しかも経時による接着昂進現象
が生じ難く、長時間又は高温高湿度条件下における貼付
後の再剥離性に優れたアルカリ水溶性粘着剤組成物を得
る。 【構成】 アルカリ性水のみに溶解し、酸性水及び中性
水に溶解しないアルカリ水溶性粘着剤100重量部に対
し、ポリアルキレンオキシド鎖を分子内に有する水分散
性又は水溶性シリコーン系界面活性剤を10重量部以下
の範囲で配合してなる、アルカリ水溶性粘着剤組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ水溶性粘着剤
組成物に関し、特に、アルカリ性水のみに溶解するpH
選択性を有し、電子材料分野における水洗浄に対応する
ことができ、かつ接着性及び再剥離性に優れたアルカリ
水溶性粘着剤組成物に関する。
組成物に関し、特に、アルカリ性水のみに溶解するpH
選択性を有し、電子材料分野における水洗浄に対応する
ことができ、かつ接着性及び再剥離性に優れたアルカリ
水溶性粘着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】水溶性粘着剤の歴史は古く、糖類、蛋白
質またはゴム等の天然物系の水溶性高分子を用いた再湿
型接着剤がよく知られている。また、ベースポリマーと
しては、アラビアゴム、デキストリン、デンプンまたは
ニカワ等が用いられている。これらの粘着性材料は、常
態では、粘着性を有さないが、水によって賦活され、粘
着性を示す。そして、被着体に貼付された後、これらの
粘着性材料は乾燥されることにより接着力を発揮する。
従って、これらの粘着性材料は、水に濡らすだけで使用
することができ、かつ不衛生でなく安価であるため、郵
便切手、印紙類またはふすま紙等に広く利用されてい
る。
質またはゴム等の天然物系の水溶性高分子を用いた再湿
型接着剤がよく知られている。また、ベースポリマーと
しては、アラビアゴム、デキストリン、デンプンまたは
ニカワ等が用いられている。これらの粘着性材料は、常
態では、粘着性を有さないが、水によって賦活され、粘
着性を示す。そして、被着体に貼付された後、これらの
粘着性材料は乾燥されることにより接着力を発揮する。
従って、これらの粘着性材料は、水に濡らすだけで使用
することができ、かつ不衛生でなく安価であるため、郵
便切手、印紙類またはふすま紙等に広く利用されてい
る。
【0003】他方、常態で粘着性を有する水溶性粘着剤
は、特に、製紙業界で紙と紙を水溶性粘着剤で固定し、
スプライスした後にこの接着部分をパルプ溶解槽に戻し
再利用する用途において広く利用されている。また、瓶
や食品等のラベル用粘着剤、特に、不要になった場合に
水洗によってラベルを容易に剥がすことを可能とするた
めのラベル用粘着剤にも用いられている。さらに、生理
用ナプキンの分野では、固定用粘着剤として使用されて
おり、下着に残った粘着成分が洗濯によって容易に洗浄
・除去されるように構成されている。
は、特に、製紙業界で紙と紙を水溶性粘着剤で固定し、
スプライスした後にこの接着部分をパルプ溶解槽に戻し
再利用する用途において広く利用されている。また、瓶
や食品等のラベル用粘着剤、特に、不要になった場合に
水洗によってラベルを容易に剥がすことを可能とするた
めのラベル用粘着剤にも用いられている。さらに、生理
用ナプキンの分野では、固定用粘着剤として使用されて
おり、下着に残った粘着成分が洗濯によって容易に洗浄
・除去されるように構成されている。
【0004】上記のような水溶性粘着剤としては、特開
昭60−229972号に開示されているように、ポリ
アクリル酸100重量部、ジエチレングリコール70重
量部及びポリプロピレングリコール50重量部を配合
し、ポリアクリル酸のカルボキシル基の一部をカリウム
により中和したものや、特公昭52−32769号に開
示されているように、ポリエチレンイミン100重量
部、アミノ化及びリン酸化デンプン30重量部並びにポ
リアクリル酸7.5重量部を配合したもの等が知られて
いる。
昭60−229972号に開示されているように、ポリ
アクリル酸100重量部、ジエチレングリコール70重
量部及びポリプロピレングリコール50重量部を配合
し、ポリアクリル酸のカルボキシル基の一部をカリウム
により中和したものや、特公昭52−32769号に開
示されているように、ポリエチレンイミン100重量
部、アミノ化及びリン酸化デンプン30重量部並びにポ
リアクリル酸7.5重量部を配合したもの等が知られて
いる。
【0005】また、電子材料の分野では、プリント基板
や半導体等の保護のために、保護テープが貼付されてお
り、組み立て前に該保護テープを剥離し、残存した保護
テープ用粘着剤残渣をフロン等の溶剤で洗浄することに
より除去していた。しかしながら、近年、地球環境保護
のために、フロンに代えて、水による洗浄が要求されて
おり、従って保護テープ用粘着剤としてもその粘着成分
残渣が水洗浄可能なものであることが求められている。
や半導体等の保護のために、保護テープが貼付されてお
り、組み立て前に該保護テープを剥離し、残存した保護
テープ用粘着剤残渣をフロン等の溶剤で洗浄することに
より除去していた。しかしながら、近年、地球環境保護
のために、フロンに代えて、水による洗浄が要求されて
おり、従って保護テープ用粘着剤としてもその粘着成分
残渣が水洗浄可能なものであることが求められている。
【0006】上記のような保護テープの一例として、プ
リント基板等のめっきマスキングテープが従来より多用
されている。このプリント基板用めっきマスキングテー
プは、端子部を金めっきする際に用いられており、プリ
ント基板の生産工程においては欠かせない保護部材であ
る。上記めっき工程では、強酸性のめっき液またはめっ
き前処理液が用いられている。従って、プリント基板上
のめっきマスキングテープ用粘着剤としては、めっき液
あるいはめっき前処理液により溶解もしくは膨潤した
り、粘着性が低下したりすることを防止するために、撥
水性または非水溶性の粘着剤が使用されてきた。
リント基板等のめっきマスキングテープが従来より多用
されている。このプリント基板用めっきマスキングテー
プは、端子部を金めっきする際に用いられており、プリ
ント基板の生産工程においては欠かせない保護部材であ
る。上記めっき工程では、強酸性のめっき液またはめっ
き前処理液が用いられている。従って、プリント基板上
のめっきマスキングテープ用粘着剤としては、めっき液
あるいはめっき前処理液により溶解もしくは膨潤した
り、粘着性が低下したりすることを防止するために、撥
水性または非水溶性の粘着剤が使用されてきた。
【0007】しかしながら、上記のように電子材料分野
では、フロンに替えて水による洗浄が求められており、
めっきマスキングテープにおいても、剥離後に粘着剤残
渣が水により洗浄可能であることが求められてきてい
る。さらに、半導体チップを機械研磨する際に、該チッ
プを固定する固定用の粘着剤も、従来のフロン洗浄工程
ではなく、水洗浄工程に耐え得るものに転換することが
必要とされている。しかしながら、機械研磨工程では水
を研磨面に散布するため、水によって接着強度が容易に
低下するような水溶性粘着剤は適当ではない。
では、フロンに替えて水による洗浄が求められており、
めっきマスキングテープにおいても、剥離後に粘着剤残
渣が水により洗浄可能であることが求められてきてい
る。さらに、半導体チップを機械研磨する際に、該チッ
プを固定する固定用の粘着剤も、従来のフロン洗浄工程
ではなく、水洗浄工程に耐え得るものに転換することが
必要とされている。しかしながら、機械研磨工程では水
を研磨面に散布するため、水によって接着強度が容易に
低下するような水溶性粘着剤は適当ではない。
【0008】以上のように、プリント基板のめっき工程
や半導体部品の製造工程等において、仮接着により部品
を固定したり、あるいは必要な部分のみに加工処理をす
るためにマスクしたりするような用途において、アルカ
リ性水のみに溶解する水溶性粘着剤が要望されている。
や半導体部品の製造工程等において、仮接着により部品
を固定したり、あるいは必要な部分のみに加工処理をす
るためにマスクしたりするような用途において、アルカ
リ性水のみに溶解する水溶性粘着剤が要望されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
水溶性粘着剤は、特開平1−165685に開示されて
いるようにベースポリマーの極性が高く、長時間貼付し
た場合、再剥離に際して被着体上に粘着成分が残った
り、接着力が経時により増加し、再剥離不能になるとい
った、いわゆる接着昂進現象が生じる恐れがあった。
水溶性粘着剤は、特開平1−165685に開示されて
いるようにベースポリマーの極性が高く、長時間貼付し
た場合、再剥離に際して被着体上に粘着成分が残った
り、接着力が経時により増加し、再剥離不能になるとい
った、いわゆる接着昂進現象が生じる恐れがあった。
【0010】よって、本発明の目的は、上述した従来の
水溶性粘着剤の欠点を解消し、酸性水や中性水には不溶
であり、アルカリ性水のみに溶解し、該アルカリ性水に
よって洗浄することができ、かつ接着昂進現象が生じ難
く、長時間又は高温高湿下における使用後の再剥離性に
優れた水溶性粘着剤組成物を提供することにある。
水溶性粘着剤の欠点を解消し、酸性水や中性水には不溶
であり、アルカリ性水のみに溶解し、該アルカリ性水に
よって洗浄することができ、かつ接着昂進現象が生じ難
く、長時間又は高温高湿下における使用後の再剥離性に
優れた水溶性粘着剤組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸性水及
び中性水には不溶でありアルカリ性水のみに溶解し、該
アルカリ性水によって洗浄・除去することが可能なpH
選択性を有する水溶性粘着剤において、上記接着昂進現
象を抑制し、かつ優れた再剥離性を与えるべく鋭意検討
した結果、上記pH選択的水溶性粘着剤中に特定のシリ
コーン系界面活性剤を配合すれば、上記課題を達成し得
ることを見出し、本発明をなすに至った。
び中性水には不溶でありアルカリ性水のみに溶解し、該
アルカリ性水によって洗浄・除去することが可能なpH
選択性を有する水溶性粘着剤において、上記接着昂進現
象を抑制し、かつ優れた再剥離性を与えるべく鋭意検討
した結果、上記pH選択的水溶性粘着剤中に特定のシリ
コーン系界面活性剤を配合すれば、上記課題を達成し得
ることを見出し、本発明をなすに至った。
【0012】すなわち、本発明は、酸性水及び中性水に
は不溶であり、アルカリ性水のみに溶解する水溶性粘着
剤100重量部に対し、分子内にポリアルキレンオキシ
ド鎖を有する水分散性又は水溶性シリコーン系界面活性
剤を10重量部以下の割合で配合してなることを特徴と
する水溶性粘着剤組成物である。以下、本発明の水溶性
粘着剤組成物の構成を詳細に説明する。
は不溶であり、アルカリ性水のみに溶解する水溶性粘着
剤100重量部に対し、分子内にポリアルキレンオキシ
ド鎖を有する水分散性又は水溶性シリコーン系界面活性
剤を10重量部以下の割合で配合してなることを特徴と
する水溶性粘着剤組成物である。以下、本発明の水溶性
粘着剤組成物の構成を詳細に説明する。
【0013】本発明の粘着剤組成物は、酸性水及び中性
水には不溶であり、アルカリ性水のみに溶解する水溶性
粘着剤を主成分として含むため、アルカリ性水にのみ溶
解するpH選択的水溶性を有する。また、上記水分散性
または水溶性シリコーン系界面活性剤が配合されている
ため、長時間あるいは高温高湿度条件下における被着体
への接着において生じる上記接着昂進現象が抑制される
と共に、再剥離時に粘着剤自体が被着体上に残存する、
いわゆる糊残り現象が防止される。
水には不溶であり、アルカリ性水のみに溶解する水溶性
粘着剤を主成分として含むため、アルカリ性水にのみ溶
解するpH選択的水溶性を有する。また、上記水分散性
または水溶性シリコーン系界面活性剤が配合されている
ため、長時間あるいは高温高湿度条件下における被着体
への接着において生じる上記接着昂進現象が抑制される
と共に、再剥離時に粘着剤自体が被着体上に残存する、
いわゆる糊残り現象が防止される。
【0014】上記水分散性または水溶性シリコーン系界
面活性剤としては、疎水基としてポリジアルキルシロキ
サン鎖及び親水基としてポリアルキレンオキシド鎖を同
一分子内に任意の組み合わせで有する形の界面活性剤を
使用することができる。上記ポリジアルキルシロキサン
鎖及びポリアルキレンオキシド鎖の鎖長、配列及び構造
については特に制限されないが、界面活性剤自体が水溶
性あるいはアルカリ性水にのみ選択的に溶解する水溶性
を有することが好ましい。さらに、分子中にアミノ基、
ヒドロキシル基、カルボキシル基またはエポキシ基等に
より変性された部分を有していてもよい。また、界面活
性剤の分子量についても特に限定はされないが、界面活
性剤全体としての分子量が1万以下であると、再剥離性
付与効果が大きくなり、好ましい。
面活性剤としては、疎水基としてポリジアルキルシロキ
サン鎖及び親水基としてポリアルキレンオキシド鎖を同
一分子内に任意の組み合わせで有する形の界面活性剤を
使用することができる。上記ポリジアルキルシロキサン
鎖及びポリアルキレンオキシド鎖の鎖長、配列及び構造
については特に制限されないが、界面活性剤自体が水溶
性あるいはアルカリ性水にのみ選択的に溶解する水溶性
を有することが好ましい。さらに、分子中にアミノ基、
ヒドロキシル基、カルボキシル基またはエポキシ基等に
より変性された部分を有していてもよい。また、界面活
性剤の分子量についても特に限定はされないが、界面活
性剤全体としての分子量が1万以下であると、再剥離性
付与効果が大きくなり、好ましい。
【0015】上記シリコーン系界面活性剤の具体的な例
としては、1,5−ビス(メトキシトリエチレングリコ
ール)−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシ
ロキサン、α,ω−ビス(ポリエチレングリコール)ポ
リジメチルシロキサン、又は日本ユニカー社製、商品
名:SILWET L−7602、SILWET FZ
−2164もしくはSILWET FZ−2120等が
挙げられ、これらの内少なくとも1種を選択して用いる
ことができる。
としては、1,5−ビス(メトキシトリエチレングリコ
ール)−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシ
ロキサン、α,ω−ビス(ポリエチレングリコール)ポ
リジメチルシロキサン、又は日本ユニカー社製、商品
名:SILWET L−7602、SILWET FZ
−2164もしくはSILWET FZ−2120等が
挙げられ、これらの内少なくとも1種を選択して用いる
ことができる。
【0016】上記シリコーン系界面活性剤は、アルカリ
性水のみに溶解する水溶性粘着剤100重量部に対し、
10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で配合
される。上記界面活性剤の配合割合が10重量部を超え
ると、アルカリ性水のみに選択的に溶解する水溶性がそ
こなわれ、酸性水及び中性水にも溶解するようになり、
かつ粘着剤の凝集性がそこなわれるため、剪断接着力が
低下し、さらに接着界面に該界面活性剤が過度にブリー
ドアウトすることにより初期粘着力も著しく低下するか
らである。上記酸性水及び中性水に溶解せず、アルカリ
性水にのみ溶解する水溶性粘着剤としては、特に限定さ
れず、例えばカルボキシル基含有アクリル系、酢酸ビニ
ル−ポバール系、カルボキシル基変性ポバール系、アセ
トアセチル化ポバール系等の適宜の粘着剤を用いること
ができる。
性水のみに溶解する水溶性粘着剤100重量部に対し、
10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で配合
される。上記界面活性剤の配合割合が10重量部を超え
ると、アルカリ性水のみに選択的に溶解する水溶性がそ
こなわれ、酸性水及び中性水にも溶解するようになり、
かつ粘着剤の凝集性がそこなわれるため、剪断接着力が
低下し、さらに接着界面に該界面活性剤が過度にブリー
ドアウトすることにより初期粘着力も著しく低下するか
らである。上記酸性水及び中性水に溶解せず、アルカリ
性水にのみ溶解する水溶性粘着剤としては、特に限定さ
れず、例えばカルボキシル基含有アクリル系、酢酸ビニ
ル−ポバール系、カルボキシル基変性ポバール系、アセ
トアセチル化ポバール系等の適宜の粘着剤を用いること
ができる。
【0017】本発明の水溶性粘着剤組成物には、上記p
H選択性を示す水溶性を有する粘着剤と、水分散性また
は水溶性シリコーン系界面活性剤の他、架橋剤、可塑
剤、粘着性付与剤、老化防止剤、安定剤、中和剤、充填
剤等を本発明の目的を達成し得る限り適宜配合すること
ができる。
H選択性を示す水溶性を有する粘着剤と、水分散性また
は水溶性シリコーン系界面活性剤の他、架橋剤、可塑
剤、粘着性付与剤、老化防止剤、安定剤、中和剤、充填
剤等を本発明の目的を達成し得る限り適宜配合すること
ができる。
【0018】本発明の水溶性粘着剤組成物は、通常、単
独で、あるいは粘着テープもしくは粘着シートとして加
工することにより用いることができる。もっとも、本発
明の水溶性粘着剤組成物の使用方法については、上記の
ものに限定されない。また、粘着テープもしくは粘着シ
ートに加工する場合には、柔軟性を有するプラスチック
フィルム、紙または布等の支持体に均一に本発明の水溶
性粘着剤組成物を塗布して用いることができる。この場
合、水溶性粘着剤組成物の塗布厚みは、通常、20〜2
00μm程度とされる。
独で、あるいは粘着テープもしくは粘着シートとして加
工することにより用いることができる。もっとも、本発
明の水溶性粘着剤組成物の使用方法については、上記の
ものに限定されない。また、粘着テープもしくは粘着シ
ートに加工する場合には、柔軟性を有するプラスチック
フィルム、紙または布等の支持体に均一に本発明の水溶
性粘着剤組成物を塗布して用いることができる。この場
合、水溶性粘着剤組成物の塗布厚みは、通常、20〜2
00μm程度とされる。
【0019】
【作用】本発明では、上記pH選択性を有する水溶性粘
着剤に上記特定の水分散性または水溶性シリコーン系界
面活性剤が上記特定の割合で配合されている。このシリ
コーン系界面活性剤は、上記特定割合の範囲内では被着
体との接着界面に適度にブリードアウトし、水溶性粘着
剤の高分子中の極性基と被着体界面上の極性基との相互
作用を緩和するように作用する。従って、上記水溶性シ
リコーン系界面活性剤の作用により、経時的に接着力が
増大する、いわゆる接着昂進現象が抑制され、粘着テー
プあるいはシートに加工した場合には、長時間もしくは
高温高湿下における被着体への貼付後も、優れた再剥離
性を示す。
着剤に上記特定の水分散性または水溶性シリコーン系界
面活性剤が上記特定の割合で配合されている。このシリ
コーン系界面活性剤は、上記特定割合の範囲内では被着
体との接着界面に適度にブリードアウトし、水溶性粘着
剤の高分子中の極性基と被着体界面上の極性基との相互
作用を緩和するように作用する。従って、上記水溶性シ
リコーン系界面活性剤の作用により、経時的に接着力が
増大する、いわゆる接着昂進現象が抑制され、粘着テー
プあるいはシートに加工した場合には、長時間もしくは
高温高湿下における被着体への貼付後も、優れた再剥離
性を示す。
【0020】また、上記水溶性シリコーン系界面活性剤
は、ベースとなる水溶性粘着剤のpH選択性水溶特性を
阻害しないため、本発明の水溶性粘着剤組成物は、酸性
水及び中性水中における接着に用いることができ、しか
もアルカリ性水により洗浄することができる。
は、ベースとなる水溶性粘着剤のpH選択性水溶特性を
阻害しないため、本発明の水溶性粘着剤組成物は、酸性
水及び中性水中における接着に用いることができ、しか
もアルカリ性水により洗浄することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を挙げるこ
とにより、本発明の内容を明らかにする。実施例1 アクリル酸 … 20重量部 ブチルアクリレート … 80重量部 上記の組成物と、酢酸エチル100重量部とをセパラブ
ルフラスコに一括して仕込み、窒素雰囲気下、60℃の
温度でアゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと
略す。)0.03重量部の存在下で8時間共重合し、重
量平均分子量(Mw)60万の粘着剤を得た。
とにより、本発明の内容を明らかにする。実施例1 アクリル酸 … 20重量部 ブチルアクリレート … 80重量部 上記の組成物と、酢酸エチル100重量部とをセパラブ
ルフラスコに一括して仕込み、窒素雰囲気下、60℃の
温度でアゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと
略す。)0.03重量部の存在下で8時間共重合し、重
量平均分子量(Mw)60万の粘着剤を得た。
【0022】上記粘着剤に、界面活性剤として日本ユニ
カー社製、商品名:SILWETFZ−2120を1重
量部配合し、高速攪拌機にて十分攪拌した後、1,6−
ヘキサメチレンジエチレンウレア(以下、HDUと略
す。)を0.5重量部配合し、同様に十分攪拌した後減
圧脱泡し、実施例1のアルカリ水溶性粘着剤組成物を得
た。しかる後、減圧脱泡後、速やかに厚さ38μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィ
ルムと略す。)の一面に上記アルカリ水溶性粘着剤組成
物を厚さ50μmとなるように塗布・乾燥し、実施例1
の試験テープとした。
カー社製、商品名:SILWETFZ−2120を1重
量部配合し、高速攪拌機にて十分攪拌した後、1,6−
ヘキサメチレンジエチレンウレア(以下、HDUと略
す。)を0.5重量部配合し、同様に十分攪拌した後減
圧脱泡し、実施例1のアルカリ水溶性粘着剤組成物を得
た。しかる後、減圧脱泡後、速やかに厚さ38μmのポ
リエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィ
ルムと略す。)の一面に上記アルカリ水溶性粘着剤組成
物を厚さ50μmとなるように塗布・乾燥し、実施例1
の試験テープとした。
【0023】実施例2 界面活性剤SILWET FZ−2120の配合量を3
重量部としたことを除いては、実施例1と全く同様にし
て、実施例2のアルカリ水溶性粘着剤組成物を得、この
アルカリ水溶性粘着剤組成物を用いて実施例1と同様に
して試験テープを作成した。実施例3 使用した界面活性剤を、日本ユニカー社製、商品名:S
ILWET L−7002に変更したことを除いては、
実施例1と全く同様にして、実施例3のアルカリ水溶性
粘着剤組成物を得、このアルカリ水溶性粘着剤組成物を
用いて実施例1と同様にして試験テープを作成した。
重量部としたことを除いては、実施例1と全く同様にし
て、実施例2のアルカリ水溶性粘着剤組成物を得、この
アルカリ水溶性粘着剤組成物を用いて実施例1と同様に
して試験テープを作成した。実施例3 使用した界面活性剤を、日本ユニカー社製、商品名:S
ILWET L−7002に変更したことを除いては、
実施例1と全く同様にして、実施例3のアルカリ水溶性
粘着剤組成物を得、このアルカリ水溶性粘着剤組成物を
用いて実施例1と同様にして試験テープを作成した。
【0024】実施例4 界面活性剤として、SILWET FZ−2120に代
えて1,5−ビス(メトキシトリエチレングリコール)
−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサ
ンを0.5重量部配合したことを除いては、実施例1と
同様にして、実施例4のアルカリ水溶性粘着剤組成物を
得、該アルカリ水溶性粘着剤組成物を用いて実施例1と
同様にして試験テープを作成した。
えて1,5−ビス(メトキシトリエチレングリコール)
−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサ
ンを0.5重量部配合したことを除いては、実施例1と
同様にして、実施例4のアルカリ水溶性粘着剤組成物を
得、該アルカリ水溶性粘着剤組成物を用いて実施例1と
同様にして試験テープを作成した。
【0025】比較例1 界面活性剤SILWET FZ−2120を配合しなか
ったことを除いては、実施例1と全く同様にして比較例
1の粘着剤組成物を得、該粘着剤組成物を用いて実施例
1と同様にして試験テープを作成した。比較例2 実施例1で配合したSILWET FZ−2120に代
えてポリエチレングリコール(分子量8000)3重量
部を用いたことを除いては、実施例1と同様にして比較
例2の粘着剤組成物を得、該粘着剤組成物を用いて実施
例1と同様にして試験テープを作成した。
ったことを除いては、実施例1と全く同様にして比較例
1の粘着剤組成物を得、該粘着剤組成物を用いて実施例
1と同様にして試験テープを作成した。比較例2 実施例1で配合したSILWET FZ−2120に代
えてポリエチレングリコール(分子量8000)3重量
部を用いたことを除いては、実施例1と同様にして比較
例2の粘着剤組成物を得、該粘着剤組成物を用いて実施
例1と同様にして試験テープを作成した。
【0026】比較例3 実施例1において配合したSILWET FZ−212
0に代えて、ジオクチルフォスフェート(以下、DOP
と略す。)3重量部配合したことを除いては、実施例1
と同様にして比較例3の粘着剤組成物を得、該粘着剤組
成物を用いて実施例1と同様にして試験テープを作成し
た。上記のようにして作成した実施例1〜4及び比較例
1〜3の試験テープを用い、それぞれの粘着剤組成物の
水溶性、初期粘着力、接着昂進性及び再剥離性を以下の
要領で測定した。
0に代えて、ジオクチルフォスフェート(以下、DOP
と略す。)3重量部配合したことを除いては、実施例1
と同様にして比較例3の粘着剤組成物を得、該粘着剤組
成物を用いて実施例1と同様にして試験テープを作成し
た。上記のようにして作成した実施例1〜4及び比較例
1〜3の試験テープを用い、それぞれの粘着剤組成物の
水溶性、初期粘着力、接着昂進性及び再剥離性を以下の
要領で測定した。
【0027】水溶性 各試験テープを10mm角に切断し、切断された試験片
をエポキシ板に圧力2kg/cm2 で圧着した。次に、
エポキシ板に圧着された試験片をそのまま、下記の表1
に示す酸性、中性及びアルカリ性の各水溶液に60分間
浸漬し、各水溶液に浸漬した場合のテープの剥がれ、配
合物の各水溶液中への溶出の有無を測定した。結果を表
2及び表3に示す。
をエポキシ板に圧力2kg/cm2 で圧着した。次に、
エポキシ板に圧着された試験片をそのまま、下記の表1
に示す酸性、中性及びアルカリ性の各水溶液に60分間
浸漬し、各水溶液に浸漬した場合のテープの剥がれ、配
合物の各水溶液中への溶出の有無を測定した。結果を表
2及び表3に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】表2から明らかなように実施例1〜4及び
比較例1の試験テープでは、アルカリ性水溶液に浸漬し
た場合に完全に剥離していたが、中性水溶液及び酸性水
溶液では剥離が全く認められなかった。これに対して、
比較例2の試験テープでは、中性水及び酸性水溶液に浸
漬した場合に部分的な剥離が認められ、他方、比較例3
の試験テープでは中性水及び酸性水溶液では剥離が認め
られなかったがアルカリ性水溶液に浸漬した場合の剥離
が部分的なものにとどまった。
比較例1の試験テープでは、アルカリ性水溶液に浸漬し
た場合に完全に剥離していたが、中性水溶液及び酸性水
溶液では剥離が全く認められなかった。これに対して、
比較例2の試験テープでは、中性水及び酸性水溶液に浸
漬した場合に部分的な剥離が認められ、他方、比較例3
の試験テープでは中性水及び酸性水溶液では剥離が認め
られなかったがアルカリ性水溶液に浸漬した場合の剥離
が部分的なものにとどまった。
【0032】また、表3から明らかなように、実施例1
〜4及び比較例1の試験テープでは、アルカリ性水溶液
に浸漬した場合に配合物が溶解し、中性水及び酸性水溶
液では配合物の溶出が認められなかった。これに対し、
比較例2の試験テープでは中性水及び酸性水溶液に浸漬
した場合でも配合物の溶出が認められ、比較例3の試験
テープでは、いずれの水溶液に浸漬した場合でも配合物
が溶出しなかった。従って、実施例1〜4及び比較例1
のアルカリ水溶性粘着剤組成物は、中性水及び酸性水溶
液に耐えることができ、かつアルカリ性水溶液による洗
浄により容易に除去し得ることがわかる。
〜4及び比較例1の試験テープでは、アルカリ性水溶液
に浸漬した場合に配合物が溶解し、中性水及び酸性水溶
液では配合物の溶出が認められなかった。これに対し、
比較例2の試験テープでは中性水及び酸性水溶液に浸漬
した場合でも配合物の溶出が認められ、比較例3の試験
テープでは、いずれの水溶液に浸漬した場合でも配合物
が溶出しなかった。従って、実施例1〜4及び比較例1
のアルカリ水溶性粘着剤組成物は、中性水及び酸性水溶
液に耐えることができ、かつアルカリ性水溶液による洗
浄により容易に除去し得ることがわかる。
【0033】初期粘着力及び接着昂進性 実施例1〜4及び比較例1〜3で作成した試験テープを
用い、初期粘着力及び接着昂進性を評価した。評価に当
たっては、ステンレス板(以下、SPと略す。)及びガ
ラス−エポキシ板(以下、EPと略す。)に対し180
°ピール粘着力を測定することにより行った。すなわ
ち、各試験テープを幅10mmにスリットし、120℃
に加熱された厚さ2mmのSP又はEPに2000gの
ゴムローラーで300mm/分の速さで圧着して試験片
を作成し、23℃及び相対湿度50%RHの測定環境の
下で、引っ張り速度300mm/分で180°剥離し、
剥離強度を測定した。なお、初期粘着力は上記塗布後、
測定環境中で60分間経過した後に測定した値を採用し
た。また、接着昂進性については、貼付後60℃で60
分間養生した後に測定された180°ピール粘着力を初
期粘着力に対する増加率により評価した。結果を、表4
及び表5に示す。
用い、初期粘着力及び接着昂進性を評価した。評価に当
たっては、ステンレス板(以下、SPと略す。)及びガ
ラス−エポキシ板(以下、EPと略す。)に対し180
°ピール粘着力を測定することにより行った。すなわ
ち、各試験テープを幅10mmにスリットし、120℃
に加熱された厚さ2mmのSP又はEPに2000gの
ゴムローラーで300mm/分の速さで圧着して試験片
を作成し、23℃及び相対湿度50%RHの測定環境の
下で、引っ張り速度300mm/分で180°剥離し、
剥離強度を測定した。なお、初期粘着力は上記塗布後、
測定環境中で60分間経過した後に測定した値を採用し
た。また、接着昂進性については、貼付後60℃で60
分間養生した後に測定された180°ピール粘着力を初
期粘着力に対する増加率により評価した。結果を、表4
及び表5に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】表4及び表5から明らかなように、実施例
1〜4の試験テープでは、比較例1の試験テープに比べ
て、初期粘着力及び接着昂進性のいずれにおいても粘着
力が十分に抑制されていることがわかる。特に、シリコ
ーン系界面活性剤を配合されていない比較例1では、昂
進後の粘着力が50%以上増加しているのに対し、実施
例1〜4の試験テープではシリコーン系界面活性剤を配
合されているため、粘着力増加率が非常に小さいことが
わかる。同様に、比較例2のようにポリエチレングリコ
ールを単独で用いた場合においても、昂進後の粘着力が
やはり50%程度増加し、従って、昂進現象を抑制する
効果が小さいことがわかる。
1〜4の試験テープでは、比較例1の試験テープに比べ
て、初期粘着力及び接着昂進性のいずれにおいても粘着
力が十分に抑制されていることがわかる。特に、シリコ
ーン系界面活性剤を配合されていない比較例1では、昂
進後の粘着力が50%以上増加しているのに対し、実施
例1〜4の試験テープではシリコーン系界面活性剤を配
合されているため、粘着力増加率が非常に小さいことが
わかる。同様に、比較例2のようにポリエチレングリコ
ールを単独で用いた場合においても、昂進後の粘着力が
やはり50%程度増加し、従って、昂進現象を抑制する
効果が小さいことがわかる。
【0037】さらに比較例3では、特開昭52−623
47に開示されているように昂進現象を抑制するために
DOPを配合し、シリコーン系界面活性剤と同様に接着
界面にブリードアウトさせたが、表5の粘着力増加率か
ら明らかなように実施例1〜4の場合に比べて昂進現象
を抑制する効果が低いことがわかる。のみならず、比較
例3の試験テープでは、DOPの配合により粘着力が抑
制されているものの、表2に示したようにアルカリ性水
溶液に対する溶解性が低くなってしまっていた。上記表
2〜表5から明らかなように、本願発明の実施例1〜実
施例4のアルカリ水溶性粘着剤組成物を用いた試験テー
プでは、アルカリ性水溶液に対する溶解性を損なうこと
なく、再剥離性の向上及び接着昂進現象の抑制が果たさ
れることがわかる。
47に開示されているように昂進現象を抑制するために
DOPを配合し、シリコーン系界面活性剤と同様に接着
界面にブリードアウトさせたが、表5の粘着力増加率か
ら明らかなように実施例1〜4の場合に比べて昂進現象
を抑制する効果が低いことがわかる。のみならず、比較
例3の試験テープでは、DOPの配合により粘着力が抑
制されているものの、表2に示したようにアルカリ性水
溶液に対する溶解性が低くなってしまっていた。上記表
2〜表5から明らかなように、本願発明の実施例1〜実
施例4のアルカリ水溶性粘着剤組成物を用いた試験テー
プでは、アルカリ性水溶液に対する溶解性を損なうこと
なく、再剥離性の向上及び接着昂進現象の抑制が果たさ
れることがわかる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、酸性水
及び中性水に対しては溶解しないが、アルカリ性水のみ
に溶解するアルカリ水溶性粘着剤に上記特定の水分散性
または水溶性シリコーン系界面活性剤が上記特定の割合
で配合されているため、pH選択的水溶性に優れている
だけでなく、経時による接着力が増大する接着昂進現象
が効果的に抑制される。従って、本発明のアルカリ水溶
性粘着剤組成物を粘着テープもしくはシートに用いれ
ば、長時間の貼付あるいは高温高湿度条件下における被
着体への貼付後も、糊残り現象を生じることなく容易に
再剥離することができる。
及び中性水に対しては溶解しないが、アルカリ性水のみ
に溶解するアルカリ水溶性粘着剤に上記特定の水分散性
または水溶性シリコーン系界面活性剤が上記特定の割合
で配合されているため、pH選択的水溶性に優れている
だけでなく、経時による接着力が増大する接着昂進現象
が効果的に抑制される。従って、本発明のアルカリ水溶
性粘着剤組成物を粘着テープもしくはシートに用いれ
ば、長時間の貼付あるいは高温高湿度条件下における被
着体への貼付後も、糊残り現象を生じることなく容易に
再剥離することができる。
【0039】しかも、上記特定の水分散性または水溶性
シリコーン系界面活性剤を配合しても、上記アルカリ水
溶性粘着剤のpH選択的水溶性が損なわれることもな
い。従って、上記アルカリ水溶性粘着剤は、酸性水及び
中性水には溶解しないため、酸性水及び中性水中では被
着体との接着を行うことが可能である。例えば、半導体
チップを中性水を用いて機械研磨する際に、本発明のア
ルカリ水溶性粘着剤組成物により該半導体チップを固定
すれば、研磨水による膨潤・剥離等の不具合を長じるこ
とがない。しかも、該半導体チップ上に粘着剤を残存す
ることなく、上記アルカリ水溶性粘着剤組成物を剥離し
得るため、繰り返し使用することができる。さらに、使
用後においては、アルカリ性水で容易に溶解・洗浄する
ことができるため、全工程において脱有機溶剤化を果た
すことが可能となる。よって、本発明のアルカリ水溶性
粘着剤組成物を用いれば、貼付から再剥離、及び残存物
洗浄工程に至るまでフロン等の有機溶剤を使用する必要
がなくなるため、電子材料分野における脱フロン洗浄を
促進することが可能となる。
シリコーン系界面活性剤を配合しても、上記アルカリ水
溶性粘着剤のpH選択的水溶性が損なわれることもな
い。従って、上記アルカリ水溶性粘着剤は、酸性水及び
中性水には溶解しないため、酸性水及び中性水中では被
着体との接着を行うことが可能である。例えば、半導体
チップを中性水を用いて機械研磨する際に、本発明のア
ルカリ水溶性粘着剤組成物により該半導体チップを固定
すれば、研磨水による膨潤・剥離等の不具合を長じるこ
とがない。しかも、該半導体チップ上に粘着剤を残存す
ることなく、上記アルカリ水溶性粘着剤組成物を剥離し
得るため、繰り返し使用することができる。さらに、使
用後においては、アルカリ性水で容易に溶解・洗浄する
ことができるため、全工程において脱有機溶剤化を果た
すことが可能となる。よって、本発明のアルカリ水溶性
粘着剤組成物を用いれば、貼付から再剥離、及び残存物
洗浄工程に至るまでフロン等の有機溶剤を使用する必要
がなくなるため、電子材料分野における脱フロン洗浄を
促進することが可能となる。
Claims (1)
- 【請求項1】 アルカリ性水のみに溶解し、酸性水及び
中性水に溶解しないアルカリ水溶性粘着剤100重量部
に対し、ポリアルキレンオキシド鎖を分子内に有する水
分散性又は水溶性シリコーン系界面活性剤を10重量部
以下の範囲で配合してなることを特徴とする、アルカリ
水溶性粘着剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32867891A JPH05163470A (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | アルカリ水溶性粘着剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32867891A JPH05163470A (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | アルカリ水溶性粘着剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05163470A true JPH05163470A (ja) | 1993-06-29 |
Family
ID=18212945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32867891A Pending JPH05163470A (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | アルカリ水溶性粘着剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05163470A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004029679A1 (ja) * | 2002-09-24 | 2004-04-08 | Nippon Oil Corporation | 液晶フィルムおよび楕円偏光板の製造方法 |
JP2014066892A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Osaka Sealing Printing Co Ltd | ラベル連続体 |
KR101389627B1 (ko) * | 2010-05-07 | 2014-04-29 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 진공밸브 |
JP2015529256A (ja) * | 2012-06-28 | 2015-10-05 | ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company | 湿潤式糊 |
CN108350173A (zh) * | 2015-11-05 | 2018-07-31 | 巴斯夫欧洲公司 | 制备聚亚烷基醚改性的聚硅氧烷的方法及其用途 |
CN108368269A (zh) * | 2015-11-05 | 2018-08-03 | 巴斯夫欧洲公司 | 制备聚亚烷基醚改性的聚硅氧烷的方法及其用途 |
-
1991
- 1991-12-12 JP JP32867891A patent/JPH05163470A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004029679A1 (ja) * | 2002-09-24 | 2004-04-08 | Nippon Oil Corporation | 液晶フィルムおよび楕円偏光板の製造方法 |
CN100373189C (zh) * | 2002-09-24 | 2008-03-05 | 新日本石油株式会社 | 液晶薄膜和椭圆偏光板的制造方法 |
KR101389627B1 (ko) * | 2010-05-07 | 2014-04-29 | 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 | 진공밸브 |
JP2015529256A (ja) * | 2012-06-28 | 2015-10-05 | ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company | 湿潤式糊 |
JP2014066892A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Osaka Sealing Printing Co Ltd | ラベル連続体 |
CN108350173A (zh) * | 2015-11-05 | 2018-07-31 | 巴斯夫欧洲公司 | 制备聚亚烷基醚改性的聚硅氧烷的方法及其用途 |
CN108368269A (zh) * | 2015-11-05 | 2018-08-03 | 巴斯夫欧洲公司 | 制备聚亚烷基醚改性的聚硅氧烷的方法及其用途 |
US10752736B2 (en) * | 2015-11-05 | 2020-08-25 | Basf Se | Process for preparing polyalkylene ether-modified polysiloxanes and use thereof |
CN108350173B (zh) * | 2015-11-05 | 2021-03-05 | 巴斯夫欧洲公司 | 制备聚亚烷基醚改性的聚硅氧烷的方法及其用途 |
CN108368269B (zh) * | 2015-11-05 | 2021-03-05 | 巴斯夫欧洲公司 | 制备聚亚烷基醚改性的聚硅氧烷的方法及其用途 |
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