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JPH05139704A - 微粒子状金属酸化物の製造方法 - Google Patents

微粒子状金属酸化物の製造方法

Info

Publication number
JPH05139704A
JPH05139704A JP3331510A JP33151091A JPH05139704A JP H05139704 A JPH05139704 A JP H05139704A JP 3331510 A JP3331510 A JP 3331510A JP 33151091 A JP33151091 A JP 33151091A JP H05139704 A JPH05139704 A JP H05139704A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
acid
fine particles
metal oxide
aqueous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3331510A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Murakami
雅彦 村上
Shunkichi Ueda
俊吉 植田
Naoyuki Fujibayashi
直幸 藤林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tayca Corp
Original Assignee
Tayca Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tayca Corp filed Critical Tayca Corp
Priority to JP3331510A priority Critical patent/JPH05139704A/ja
Publication of JPH05139704A publication Critical patent/JPH05139704A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B13/00Oxygen; Ozone; Oxides or hydroxides in general
    • C01B13/14Methods for preparing oxides or hydroxides in general
    • C01B13/36Methods for preparing oxides or hydroxides in general by precipitation reactions in aqueous solutions
    • C01B13/363Mixtures of oxides or hydroxides by precipitation

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セラミックス原料や、プラスチック、塗料、
接着剤などのフィラーや流動性改良剤として好適に使用
される微粒子状金属酸化物を効率よく製造する。 【構成】 カルボン酸化合物を分散または溶解させた水
性液中に、金属塩の水溶液と中和剤の水溶液とを同時に
添加して、上記金属の水酸化物または水和物の微粒子を
生成させ、得られた微粒子を焼成して、微粒子状金属酸
化物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス原料をは
じめ各種の用途に好適に使用される微粒子状金属酸化物
を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微粒子状のアルミナ、酸化チタン、酸化
ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛などの金属酸化
物は、セラミックス原料や、プラスチック、塗料、接着
剤などのフィラーや流動性改良剤として広く使用されて
いる。
【0003】この微粒子状金属酸化物は、一般に、分子
レベルから粒子を成長させてゆく、いわゆるビルドアッ
プ方式で製造されている。これは、アルミナに代表され
るように、金属酸化物は硬度の高い酸化物が多く、原料
粉体を粉砕してゆく、いわゆるビルドダウン方式が採用
しにくく、また粉砕による微粒化にも限界があるという
理由などによるものである。
【0004】そして、上記のビルドアップ方式の微粒子
状金属酸化物の製造方法として、アルミナの場合を例に
挙げると、気相法では塩化アルミニウムを高温酸化する
方法(たとえば、特開昭55−71603号公報)、液
相法では硫酸アルミニウムとアンモニアとを反応させて
水酸化物または水和物の微粒子を形成させた後、焼成す
る方法(たとえば、「窯業協会誌」、95〔4〕、19
87、p442〜449)、固相法では硫酸アルミニウ
ムやアンモニウムミョウバンなどを熱分解する方法(た
とえば、特開昭57−51118号公報)などが提案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、気相法
や固相法による場合は、気相法での塩化アルミニウムの
高温酸化時や、固相での硫酸アルミニウムやアンモニウ
ムミョウバンなどの熱分解時に塩素(Cl2 )やイオウ
酸化物(SOx )などの腐食性の有害ガスが発生するた
め、反応装置自体にそれらの腐食性有害ガスに対する耐
性を備えさせることや、環境汚染防止上それらの有害ガ
スを排ガス中から除去するための処理設備が必要にな
り、反応装置や有害ガス除去のための処理設備にコスト
がかかるという問題があった。
【0006】一方、液相法では、そのような問題がない
ものの、前駆体としての水酸化物または水和物の微粒子
を生成させる工程を含むため、濾過や分離が困難であ
り、特に微粒子を得る目的でゾルを生成させた場合に
は、濾過が非常に困難な上に、乾燥後のゲルが密に凝集
して、シリカゲル状の硬い塊になるので、粉砕が非常に
困難であるという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな従来技術における問題点を解決するため種々研究を
重ねた結果、液相法での中和反応により微粒子状金属酸
化物を製造するにあたり、カルボン酸化合物を分散また
は溶解させた水性液中で、微粒子状金属酸化物の前駆体
である水酸化物または水和物の微粒子を生成させると、
該微粒子を含んだゾルの濾過および乾燥後のゲルの粉砕
が容易に行えるようになって、目的とする微粒子状金属
酸化物を効率よく製造できることを見出し、本発明を完
成するにいたった。
【0008】すなわち、本発明は、カルボン酸化合物を
分散または溶解させた水性液中に、金属塩の水溶液と中
和剤の水溶液とを同時に添加することによって、上記金
属の水酸化物または水和物の微粒子を形成させ、得られ
た微粒子を焼成することを特徴とする微粒子状金属酸化
物の製造方法に関する。
【0009】金属塩の水溶液と中和剤の水溶液とを同時
に水中に添加すると、金属塩が中和剤によって中和され
て水酸化物または水和物の微粒子が生成されるが、本発
明では、この微粒子の生成をカルボン酸化合物が分散ま
たは溶解している水性液中で行うので、生成する微粒子
の粒子表面がカルボン酸化合物で表面処理された状態に
なり、得られる微粒子の濾過性および再分散性が非常に
良好になって、該微粒子を含んだゾルの濾過が容易にな
り、また乾燥後のゲルの粉砕も容易になるものと考えら
れる。
【0010】これに対し、従来の液相法で微粒子状金属
酸化物を製造する場合も、水酸化物または水和物の微粒
子を生成させ、分離、乾燥、焼成して微粒子状金属酸化
物を得るようにしているが、通常は、上記微粒子の生成
を単なる水中か、少なくともカルボン酸化合物が含まれ
ていない水中で行っているので、該微粒子を含んだゾル
の濾過性が非常に悪くなる。そのため、pHを等電点付
近に調整して凝集させるか、あるいは凝集剤を添加して
凝集させてから濾過することが多いが、いずれの場合
も、効果が少ないか、あるいは濾過できたとしても凝集
体が強く結合してしまって、分離や乾燥後の再分散がむ
つかしく、本発明のような効果は奏し得ない。
【0011】本発明において用いるカルボン酸化合物と
しては、たとえば安息香酸、フェニル酢酸、トルイル
酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、ニトロ安息香
酸、サリチル酸、パラヒドロキシ安息香酸、アミノ安息
香酸、メトキシ安息香酸などの芳香族モノカルボン酸、
フタル酸(オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、無水フタル酸)などの芳香族ジカルボン酸、トリメ
リト酸などの芳香族トリカルボン酸、またはそれらの芳
香族カルボン酸の塩、エステルなどの誘導体、乳酸、ク
ロトン酸、桂皮酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪族モノ
カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、酒石酸、リンゴ酸、マレ
イン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、クエン酸
などの脂肪族トリカルボン酸、またはそれらの脂肪族カ
ルボン酸の塩、エステルなどの誘導体などが挙げられ
る。
【0012】特に本発明においては、カルボン酸化合物
として、フタル酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸などのジカル
ボン酸またはその誘導体を用いることが好ましい。
【0013】このカルボン酸化合物の使用量としては、
金属塩と中和剤との反応により生成する微粒子の乾燥時
の重量に対して0.1〜20重量%、特に0.5〜10
重量%の範囲が好ましい。つまり、カルボン酸化合物の
使用量が上記範囲より少ない場合は、得られる微粒子の
濾過性や乾燥後の再分散性を良好にする効果が充分に発
揮されず、また、カルボン酸化合物の使用量が上記範囲
より多くなると、濾過、乾燥後のゲルを焼成する段階で
失われるカルボン酸化合物の量が多くなり、経済的な損
失が多くなりすぎる。
【0014】本発明において、金属塩の金属としては、
たとえばアルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、セ
リウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バナジウ
ム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、
スズ、アンチモン、鉛などが、それぞれ単独で、または
2種以上混合した状態で用いられる。また、上記金属塩
としては、硫酸塩、硝酸塩、塩化物が、それぞれ単独
で、または2種以上混合して用いられる。
【0015】中和剤としては、たとえばアンモニア、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
の水酸化アルカリや、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモ
ニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩
が、それぞれ単独で、または2種以上混合して用いられ
る。
【0016】また、本発明において、金属がアルミニウ
ムの場合には、金属塩としてアルミン酸アルカリを用い
ることができ、この場合は、中和剤として硫酸、硝酸、
塩酸などの無機酸、あるいはそれらの酸のアルミニウム
塩が、それぞれ単独で、または2種以上混合して用いら
れる。また、上記の酸と同様の効果を示す炭酸ガスも同
様に使用できる。
【0017】上記金属塩の水溶液と中和剤の水溶液と
は、カルボン酸化合物を分散または溶解させた水性液中
に同時に添加されるが、その際、反応温度やpH値を一
定に保つようにするのが好ましい。
【0018】すなわち、カルボン酸化合物を分散または
溶解させた水性液中での金属塩と中和剤との反応が、温
度、pHなどが一定に制御された状態で進行すると、理
由は明確ではないが、粒径の揃った微粒子、たとえば、
金属がアルミニウムの場合には、一次粒径として0.1
μm以下の微粒子が得られる。また、この時、上記の反
応条件を変えることにより、一次粒子の粒径をコントロ
ールすることが可能であり、さらに、一次粒子の凝集体
である0.1〜5μm程度の粒径をもった凝集粒子を制
御して生成させることも可能である。pHは3〜12の
範囲、温度は5〜100℃の範囲内で選ぶのが好まし
い。
【0019】上記のようなカルボン酸化合物を分散また
は溶解させた水性液中での金属塩と中和剤との反応によ
り、上記金属の水酸化物または水和物の微粒子が得ら
れ、この微粒子は濾過、水洗したのち、たとえば100
〜150℃で乾燥される。上記の濾過は凝集剤などを必
要とせず、容易に行われ、また乾燥後のゲルは指で押さ
えると容易につぶれる程度の非常に弱い凝集体である。
そのため、スプレードライヤーなどで乾燥すると、非常
に嵩密度の大きい微粉体が得られる。
【0020】金属塩と中和剤との反応によって得られる
微粒子は、通常、水酸化物の微粒子であるが、使用する
金属塩の種類によっては水和物と呼ばれる範疇に入るも
のがあり、また、水酸化物であるか水和物であるか明確
でないものもあるので、本発明では水酸化物または水和
物の微粒子と表現する。
【0021】水酸化物または水和物のいずれにせよ、酸
化物を得るためには乾燥して得られた微粒子を焼成する
必要があるので、乾燥後の微粒子は焼成される。その
際、カルボン酸化合物は通常500℃未満で燃焼してし
まい、最終の酸化物には残らない。焼成温度は、水酸化
物または水和物の種類や酸化物の種類によっても異なる
が、一般に500〜1300℃である。たとえば、γ−
アルミナを得る場合は500〜1000℃、α−アルミ
ナを得る場合は1000℃以上の温度で焼成される。
【0022】本発明において、カルボン酸化合物を分散
または溶解させた水性液とは、カルボン酸化合物の水分
散液またカルボン酸化合物の水溶液をいう。このように
水分散液または水溶液になるのは、カルボン酸化合物の
種類によって水に対する溶解度が異なり、たとえばフタ
ル酸のように水に溶けにくいものや、たとえばアジピン
酸のように水に溶けやすいものがあるからである。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、以下において濃度を示す%はいずれも重量%
によるものである。
【0024】実施例1 硫酸アルミニウム〔Al2 (SO43 ・xH2 O、A
23 :17.0%〕の300g/lの水溶液2リッ
トルと、28%アンモニア水を同量の水で希釈した液約
1リットルを用意した。
【0025】テレフタル酸5g(生成させる微粒子の乾
燥時重量の2%に相当)を水500mlに添加してテレ
フタル酸を水中に分散させ、このテレフタル酸の水分散
液を60℃に加温して攪拌しながら、その中にアンモニ
ア水を加えて、pH5に調整した。
【0026】つぎに、このテレフタル酸の水分散液中に
前記硫酸アルミニウム水溶液とアンモニア水とを、pH
が5付近から大きく外れないように両液の滴下速度を調
節しながら、同時に少しずつ滴下を続けた。
【0027】上記滴下と同時に水酸化アルミニウムの微
粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を
確認しながら、硫酸アルミニウム水溶液とアンモニア水
とを同時に滴下し続けた。硫酸アルミニウム水溶液が全
量なくなったところで、アンモニア水の滴下も止め、そ
の後、さらに10分間攪拌を続けた。
【0028】得られた反応液を吸引濾過し、白色沈殿物
を得た。濾過時間は5分/lであった。使用した濾紙は
直径15cmのNo.5Cであり、吸引圧は700mm
Hgであった。得られた白色沈殿物を150℃で15時
間乾燥した。乾燥物の重量は250gであった。この乾
燥物は、見掛け上、塊状になっていたが、指で押さえる
と容易につぶれて微粉化した。得られた乾燥粉体は、X
線回折により調べたところ、無定形をしていた。
【0029】この乾燥粉体を950℃で2時間焼成し
た。得られた粉体は、X線回折により調べたところ、γ
−アルミナであることが確認された。このγ−アルミナ
を走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子は平均
粒径が0.05μmの球状微粒子であり、その比表面積
は60m2 /gであった。
【0030】実施例2 アルミン酸ソーダ〔NaAlO2 (試薬一級)〕の20
0g/lの水溶液500mlと、10%硫酸とを用意し
た。
【0031】また、水250mlに酒石酸1g(生成さ
せる微粒子の乾燥時重量の3.9%に相当)を添加して
溶解させ、30℃に加温した酒石酸の水溶液を用意し、
この酒石酸の水溶液を攪拌しながら、その中にアルミン
酸ソーダ水溶液を加えて、pHが5になるように調整し
た。pH調整後、上記酒石酸の水溶液中に上記のアルミ
ン酸ソーダ水溶液と10%硫酸とを、pHが5付近から
大きく外れないように両液の滴下速度を調節しながら、
同時に少しずつ滴下を続けた。
【0032】上記滴下と同時に水酸化アルミニウムの微
粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を
確認しながら、アルミン酸ソーダ水溶液と硫酸とを同時
に滴下し続けた。アルミン酸ソーダ水溶液が全量なくな
ったところで、硫酸も滴下を止め、その後、さらに10
分間攪拌した。
【0033】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して白色沈殿物を得た。濾過時間は6分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は25.5gであった。この乾燥物は、見掛け
上、塊状になっていたが、指で押さえると容易につぶれ
て微粉化した。得られた乾燥粉体は、X線回折により調
べたところ、無定形をしていた。
【0034】つぎに、この乾燥粉体を800℃で4時間
焼成した。得られた粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、γ−アルミナであることが確認された。このγ−ア
ルミナを走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子
の平均粒径は0.08μmであった。
【0035】実施例3 硫酸アルミニウムの300g/lの水溶液500ml
と、14%アンモニア水とを用意した。
【0036】また、水250mlにアジピン酸6g(生
成させる微粒子の乾燥時重量の9%に相当)を添加して
溶解させ、30℃に加温したアジピン酸の水溶液を用意
し、このアジピン酸の水溶液を攪拌しながら、その中に
アンモニア水を加えて、pHが8になるように調整し
た。pH調整後、上記アジピン酸の水溶液中に上記の硫
酸アルミニウム水溶液とアンモニア水とを、pHが8付
近から大きく外れないように両液の滴下速度を調節しな
がら、同時に少しずつ滴下を続けた。
【0037】上記滴下と同時に水酸化アルミニウムの微
粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を
確認しながら、硫酸アルミニウム水溶液とアンモニア水
とを同時に滴下し続けた。硫酸アルミニウム水溶液が全
量なくなったところで、アンモニア水の滴下も止め、そ
の後、さらに10分間攪拌を続けた。
【0038】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して、白色沈殿物を得た。濾過時間は8分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は70gであった。この乾燥物は、見掛け上、塊
状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉化し
た。得られた乾燥粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、無定形をしていた。
【0039】つぎに、この乾燥粉体を950℃で2時間
焼成した。得られた粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、γ−アルミナであることが確認された。このγ−ア
ルミナを走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子
の平均粒径は0.03μmであった。
【0040】実施例4 硫酸アルミニウムの300g/lの水溶液500ml
と、アルミン酸ソーダ200g/lの水溶液とを用意し
た。
【0041】また、水250mlにマロン酸2g(生成
させる微粒子の乾燥時重量の1.6%に相当)を添加し
て溶解させ、60℃に加温したマロン酸の水溶液を用意
し、このマロン酸の水溶液を攪拌しながら、その中にア
ンモニア水を加えて、pHが11になるように調整し
た。pH調整後、上記マロン酸の水溶液中に上記の硫酸
アルミニウム水溶液とアルミン酸ソーダ水溶液とを、p
Hが11付近から大きく外れないように両液の滴下速度
を調節しながら、同時に少しずつ滴下を続けた。
【0042】上記滴下と同時に水酸化アルミニウムの微
粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を
確認しながら、硫酸アルミニウム水溶液とアルミン酸ソ
ーダ水溶液とを同時に滴下し続けた。硫酸アルミニウム
水溶液が全量なくなったところで、アルミン酸ソーダ水
溶液の滴下も止め、その後、さらに10分間攪拌を続け
た。
【0043】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して、白色沈殿物を得た。濾過時間は6分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は120gであった。乾燥物は、見掛け上、塊状
になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉化した。
得られた乾燥粉体は、X線回折により調べたところ、バ
イヤライト型の水酸化アルミニウムであった。
【0044】つぎに、この乾燥粉体を500℃で2時間
焼成した。得られた粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、γ−アルミナであることが確認された。このγ−ア
ルミナを走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子
の平均粒径は0.05μmであった。
【0045】実施例5 硫酸アルミニウムの300g/lの水溶液500ml
と、アルミン酸ソーダ200g/lの水溶液とを用意し
た。
【0046】また、水250mlにアジピン酸2g(生
成させる微粒子の乾燥時重量の2.0%に相当)を添加
して溶解させ、60℃に加温したアジピン酸の水溶液を
用意し、このアジピン酸の水溶液を攪拌しながら、その
中にアンモニア水を加えて、pHが5になるように調節
した。pH調整後、上記アジピン酸が溶解した水中に上
記の硫酸アルミニウム水溶液とアルミン酸ソーダ水溶液
とを、pHが5付近から大きく外れないように両液の滴
下速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下を続けた。
【0047】上記滴下と同時に水酸化アルミニウムの微
粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を
確認しながら、硫酸アルミニウム水溶液とアルミン酸ソ
ーダ水溶液とを同時に滴下し続けた。硫酸アルミニウム
水溶液が全量なくなったところで、アルミン酸ソーダ水
溶液の滴下も止め、その後、さらに10分間攪拌を続け
た。
【0048】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して、白色沈殿物を得た。濾過時間は5分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は100gであった。この乾燥物は、見掛け上、
塊状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉化し
た。得られた乾燥粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、無定形をしていた。
【0049】つぎに、この乾燥粉体を950℃で2時間
焼成した。得られた粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、γ−アルミナであることが確認された。このγ−ア
ルミナを走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子
の平均粒径は0.03μmであった。
【0050】実施例6 硫酸アルミニウムの300g/lの水溶液500ml
と、重炭酸アンモニウム(試薬一級)200g/lの水
溶液とを用意した。
【0051】また、水250mlにアジピン酸5g(生
成させる微粒子の乾燥時重量の7.9%に相当)を添加
して溶解させ、60℃に加温したアジピン酸の水溶液を
用意し、このアジピン酸の水溶液を攪拌しながら、その
中に重炭酸アンモニウム水溶液を加えて、pHが5にな
るように調整した。pH調整後、上記アジピン酸の水溶
液中に上記の硫酸アルミニウム水溶液と重炭酸アンモニ
ウム水溶液とを、pHが5付近から大きく外れないよう
に両液の滴下速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下
を続けた。
【0052】上記滴下と同時に水酸化アルミニウムの微
粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を
確認しながら、硫酸アルミニウム水溶液と重炭酸アンモ
ニウム水溶液とを同時に滴下し続けた。硫酸アルミニウ
ム水溶液が全量なくなったところで、重炭酸アンモニウ
ム水溶液も滴下を止め、その後、さらに10分間攪拌を
続けた。
【0053】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して、白色沈殿物を得た。濾過時間は2分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は63gであった。この乾燥物は、見掛け上、塊
状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉化し
た。得られた乾燥粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、無定形をしていた。
【0054】つぎに、この乾燥粉体を950℃で2時間
焼成した。得られた粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、γ−アルミナであることが確認された。このγ−ア
ルミナを走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子
の平均粒径は0.03μmであった。
【0055】実施例7 硫酸チタニル〔TiOSO4 〕の200g/lの水溶液
500mlと、1Nの水酸化ナトリウム水溶液とを用意
した。
【0056】また、水250mlにテレフタル酸1g
(生成させる微粒子の乾燥時重量の3.2%に相当)を
添加して分散させ、60℃に加温したテレフタル酸の水
分散液を用意し、このテレフタル酸の水分散液を攪拌し
ながら、その中に水酸化ナトリウム水溶液を加えて、p
Hが6になるように調整した。pH調整後、上記テレフ
タル酸の水分散液中に上記の硫酸チタニル水溶液と水酸
化ナトリウム水溶液とを、pHの値が6付近から大きく
外れないように両液の滴下速度を調節しながら、同時に
少しずつ滴下を続けた。
【0057】上記滴下と同時に含水酸化チタンの微粒子
が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を確認
しながら、硫酸チタニル水溶液と水酸化ナトリウム水溶
液とを同時に滴下し続けた。硫酸チタニル水溶液が全量
なくなったところで、水酸化ナトリウム水溶液の滴下も
止め、その後、さらに10分間攪拌した。
【0058】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して白色沈殿物を得た。濾過時間は4分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は31.3gであった。この乾燥物は、見掛け
上、塊状になっていて、実施例1〜2で述べたアルミニ
ウム化合物の場合よりやや硬かったが、指で押さえると
つぶれて微粉化した。
【0059】つぎに、この乾燥粉体を900℃で2時間
焼成した。得られた粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、アナターゼ型酸化チタンであることが確認された。
この酸化チタンを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
一次粒子の平均粒径は0.05μmであった。
【0060】実施例8 硫酸ジルコニウム〔Zr(SO42 ・4H2 O〕の2
00g/lの水溶液500mlと、14%アンモニア水
とを用意した。
【0061】また、水250mlに無水フタル酸1g
(生成させる微粒子の乾燥時重量の2.3%に相当)を
添加して分散させ、60℃に加温した無水フタル酸の水
分散液を用意し、この無水フタル酸の水分散液を攪拌し
ながら、その中にアンモニア水を加えて、pHが5にな
るように調整した。pH調整後、上記無水フタル酸の水
分散液中に上記の硫酸ジルコニウム水溶液とアンモニア
水とを、pHが5付近から大きく外れないように両液の
滴下速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下を続け
た。
【0062】上記滴下と同時に含水酸化ジルコニウムの
微粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成
を確認しながら、硫酸ジルコニウム水溶液とアンモニア
水とを同時に滴下し続けた。硫酸ジルコニウム水溶液が
全量なくなったところで、アンモニア水の滴下も止め、
その後、さらに10分間攪拌を続けた。
【0063】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して白色沈殿物を得た。濾過時間は6分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は42.8gであった。この乾燥物は、見掛け
上、塊状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉
化した。
【0064】つぎに、この乾燥粉体を700℃で2時間
焼成した。得られた粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、酸化ジルコニウムであることが確認された。この酸
化ジルコニウムを走査型電子顕微鏡で観察したところ、
一次粒子の平均粒径は0.1μmであった。
【0065】実施例9 硫酸第二セリウム〔Ce(SO42 ・4H2 O〕の2
00g/lの水溶液500mlと、14%アンモニア水
とを用意した。
【0066】また、水250mlにオルトフタル酸1g
(生成させる微粒子の乾燥時重量の1.8%に相当)を
添加して分散させ、60℃に加温したオルトフタル酸の
水分散液を用意し、このオルトフタル酸の水分散液を攪
拌しながら、その中にアンモニア水を加えて、pHが5
になるように調整した。pH調整後、上記のオルトフタ
ル酸の水分散液中に上記の硫酸第二セリウム水溶液とア
ンモニア水とを、pHが5付近から大きく外れないよう
に両液の滴下速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下
を続けた。
【0067】上記滴下と同時に水酸化セリウムの微粒子
が黄色沈殿として生成するので、黄色沈殿の生成を確認
しながら、硫酸第二セリウム水溶液とアンモニア水とを
同時に滴下し続けた。硫酸第二セリウム水溶液が全量な
くなったところで、アンモニア水の滴下も止め、その
後、さらに10分間攪拌を続けた。
【0068】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して、黄色沈殿物を得た。濾過時間は5分/lであっ
た。得られた黄色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は56.8gであった。乾燥物は、見掛け上、塊
状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉化し
た。
【0069】つぎに、この乾燥粉体を700℃で2時間
焼成した。得られた粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、酸化セリウムであることが確認された。この酸化セ
リウムを走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子
の平均粒径は0.2μmであった。
【0070】実施例10 硫酸亜鉛〔ZnSO4 ・7H2 O(試薬一級)〕の20
0g/lの水溶液500mlと、14%アンモニア水と
を用意した。
【0071】また、水250mlにテレフタル酸1g
(生成させる微粒子の乾燥時重量の3.3%に相当)を
添加して分散させ、60℃に加温したテレフタル酸の水
分散液を用意し、このテレフタル酸の水分散液を攪拌し
ながら、その中にアンモニア水を加えて、pHが5にな
るように調整した。pH調整後、上記のテレフタル酸の
水分散液中に上記の硫酸亜鉛水溶液とアンモニア水と
を、pHが5付近から大きく外れないように両液の滴下
速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下を続けた。
【0072】上記滴下と同時に水酸化亜鉛の微粒子が白
色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を確認しな
がら、硫酸亜鉛水溶液とアンモニア水とを同時に滴下し
続けた。硫酸亜鉛水溶液が全量なくなったところで、ア
ンモニア水の滴下も止め、その後、さらに10分間攪拌
を続けた。
【0073】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して、白色沈殿物を得た。濾過時間は3分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は30.1gであった。この乾燥物は、見掛け
上、塊状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉
化した。
【0074】つぎに、この乾燥粉体を500℃で2時間
焼成した。得られた粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、酸化亜鉛であることが確認された。この酸化亜鉛を
走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子の平均粒
径は0.2μmであった。
【0075】比較例1 実施例1において、水中にテレフタル酸を分散させるこ
となく、硫酸アルミニウムとアンモニア水とを反応させ
た。すなわち、硫酸アルミニウム水溶液とアンモニア水
とを、テレフタル酸を分散させていない水中に添加した
ほかは、実施例1と同様に反応させた。
【0076】得られた反応液は、白色のスラリーで、濾
過時間は実施例1と同一条件で5時間/lであった。ま
た長時間かけて濾別した固形分(ゲル)を、150℃で
乾燥したところ、シリカゲル状の硬い塊となり、粉砕は
非常に困難であった。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
微粒子状金属酸化物の前駆体として得られる水酸化物ま
たは水和物の微粒子の濾過性および乾燥後の再分散性が
優れているので、該微粒子を含んだゾルの濾過および乾
燥後のゲルの粉砕が容易に行なえるようになり、微粒子
状金属酸化物の製造が効率よく行えるようになった。
【0078】また、本発明によって得られる微粒子状金
属酸化物は、一次粒径が小さく、しかも非常に粉砕性が
良く、また、それに伴って粒度分布幅も狭いので、化粧
料やトナー用組成物、光拡散剤などに配合することがで
きる。
【0079】さらに、本発明によって得られる微粒子状
金属酸化物は、セラミックス原料として焼結する際に温
度が若干低くても焼結が進み、易焼結性となり、したが
って気孔率・気孔サイズ・亀裂サイズが小さくなり強度
が向上する上に、粒度分布が狭く、球形粒子なので、形
状の異方性が小さく、焼成してセラミックスにした時に
組織が均質化し、集中応力が小さくなり、破壊・強度の
バラツキが小さくなる。しかも、高純度なので、高温特
性が良くなり、結晶相・粒界の制御が容易で、焼結を阻
害する蒸気圧の高い不純物の心配がなく、このため、磁
気テープのバックコーティング剤として、あるいはプラ
スチックや塗料、接着剤などのフィラーとして、また精
密加工用の研摩剤として、広い用途に好適に使用できる
ものと期待される。
【0080】本発明によって得られる微粒子状金属酸化
物は、たとえば金属がアルミニウムの場合、一次粒径が
小さく、しかも非常に分散性の良い微粉末の酸化アルミ
ニウムとしての用途と、高純度で透光性が高く、緻密質
焼結体を与える微細な易焼結性アルミナ粉末の前駆体と
しての用途が期待される。
【0081】たとえば、酸化アルミニウムとしては、分
散性、親和結合性が良いので、化粧料配合成分やプラス
チック・ゴムなどの可燃性物質に添加して難燃性とする
のに使われ、電子写真用現像剤のトナー用組成物の一成
分として各種特性向上(たとえば、帯電特性、流動性な
どの向上、高濃度画像の長期にわたる形成など)のため
に使用することができる。また、非磁性化合物であり、
電気的に絶縁性であるので、電子部品用絶縁材料、耐熱
性・耐摩耗性磁気材料など、種々の用途が期待される。
【0082】また、たとえば、アルミナ粉末としては、
セラミックスとして焼結した場合も含め、低孔性、高硬
度、高純度のアルミナ粒子から構成されるので、電気的
絶縁性を利用してアルミナコーティングや、光学的透光
性を利用して緻密で強度のある透光性アルミナ、耐食性
・硬質性・耐摩耗性・耐熱性を利用して研摩材料や、各
種セラミックス材料・部品、生体適合性を利用して人工
骨などへの用途が期待される。また、逆に、多孔質に焼
結させることにより、フィルター・触媒用の担体・電池
の隔壁などとしての用途も期待される。
【0083】このようなアルミナ粉末を用いて焼結した
アルミナセラミックスの具体的用途としては、電気的絶
縁性を利用して、碍子、碍管、ブッシング、真空スイッ
チなどの電力用や、スパークプラグ、セラミックヒータ
ーなどの自動車用、硝子封止、サーディップ、ラミネー
トなどのIC・LSI用パッケージ(たとえば、IC多
層パッケージ、LSI用パッケージ用基板など)や、ハ
イブリッドIC・薄膜・厚膜の基板(たとえば、単結晶
サファイヤ、薄膜用IC基板など)などの各種基板用、
シリコントランジスターシステム、ダイオードベース、
パワートランジスターベース、高周波トランジスターベ
ース、保護具などの半導体部品用、コイルボビン、抵抗
器の心体・基板、チューナーの支持絶縁棒、ステーター
シャフト、絶縁管、電気絶縁材、ブラウン管のカソード
ホルダー、チューブ、ファンネル、電子管の外囲器具、
マグネトロン容器、ステム、管内絶縁物、カソード、整
流器の外囲器具、その他種々の電子部品用に使用するこ
とができる。さらに、メタライズにより金属との封着が
可能となり、真空スイッチ、SCR容器などとしても使
用することができる。
【0084】また、光学的透光性を利用して、高速道路
やトンネルなどにオレンジ色の灯火として使用されてい
る高圧ナトリウムランプ用発光管や光拡散剤として、あ
るいは赤外線透過用板、光消去型メモリーの窓、レーザ
ー関連部品、光ファイバー用コネクター、高温炉用窓、
高温高圧機器用窓、透明るつぼ、サファイヤ・ルビー・
アレキサンドライト・トパーズなどの人工宝石・装飾品
の原料成分として使用することができるし、耐酸・耐ア
ルカリ・耐溶融金属性といった化学的耐食性を利用し
て、プランジャー、スリーブ、バルブ(ボールバルブ)
などや、ケミカルポンプ、各種インペラー、化学装置の
ライニングなどの各種化学機器や高温反応炉材として使
用することができる。また、化学的吸着性を利用して、
吸着材や排ガス浄化などの触媒担体として使用すること
ができるし、生体に有害な作用を示さず生体組織と親和
性のある生物的生体適合性を利用して、人工歯根、人工
骨・関節、医療用カテーテルとして使用することができ
る。
【0085】さらに、機械的硬質性を利用して、研摩
材、砥石、切削工具、磁気テープを切るハサミや磁気ヘ
ッド研摩テープ、磁性層研摩、磁気ディスク基板研摩、
コンタクトレンズ研摩、磁気ヘッド研摩、電子写真感光
体研摩、半導体基板の研摩、切断工具として使用するこ
とができる。また、機械的耐摩耗性を利用して、キャプ
スタン、ローラーなどの伸線用部品や、糸通、フリクシ
ョンディスクなどの繊維工業用部品、オイリングローラ
ー、シャフト、軸受、粉体輸送用のパイプセラミックラ
イニング、集塵用などのサイクロン・煙道ライニング、
ロータリーフィダー用スリーブ、粉砕用ボール、ライナ
ー、耐熱耐摩耗ノズル、サンドブラストノズル、磁気テ
ープガイド、シール部材、メカシール、機械部品、自動
車エンジンその他における精密機械部品、単結晶サファ
イヤなどの機構部品、磁気ヘッド基板、摺動部材、アル
ミナ・ジルコニア耐摩工具、耐摩耗ライナ、耐摩耗部
品、高温耐摩耗ロール、プリンター用ヘッド、セラミッ
クス製ペン先として使用することができるし、機械的高
剛性を利用して、スピーカー振動板として使用すること
ができる。
【0086】その他、熱的低熱膨張性を利用して、Vブ
ロック・定盤などの測定冶工具として使用することがで
きるし、熱的耐熱性を利用して、エピタキシャル成長基
板や、原子力関係、高温構造材、焼成管、焼成用容器、
特殊な耐火物、耐火用セッタおよび部品、耐熱部品、真
空蒸着用・金属溶解用るつぼ、熱電対保護管、保護管、
高温炉芯管として使用することができる。
【0087】さらに、具体的な効果としては、たとえ
ば、遠赤外線放射セラミックスの一成分として配合した
り、あるいは物品にコーティングしたり、摩擦係数を下
げ、磁気テープにしたときの走行安定性を良くするため
にポリエステルフィルムの充填材として使用することが
できるし、また、断糸、染色した場合の耐久性、濃色効
果に優れた繊維を得るために溶融紡糸した繊維や毛羽の
充填材として、さらにはエンジニアリングプラスチック
への充填材として使用することができる。
【0088】また、蛍光灯、ブラウン管などの内面にコ
ートすることにより、蛍光体の脱落防止やガラスの保護
を行ったり、感光体の表面保護層内に分散して耐湿性、
耐摩耗性、帯電能を向上させたり、鋳型材として収縮量
を制御したり、木材などに含浸させて難燃性などを付与
したり、あるいは接着剤の充填剤として、接着性の向上
や防炎性の付与に使用することができる。また、ヒート
シールフィルムの粘着性に対して滑り性を付与したり、
半導体の封止剤としてエポキシ樹脂などに配合し体積収
縮を減少させ反りを無くし、熱放射性、耐熱信頼性、耐
湿性を向上させ、低ウラン高純度アルミナを使用するこ
とによって放射線によるメモリーの誤動作を防止するこ
ともできる。
【0089】さらに、金属・合金・形状記憶合金・通電
転写記録用ヘッドなどにアルミナなどの微粒子を充填し
たり、またSiCウィスカーをアルミナ被覆して合金に
配合することにより、耐摩耗性、耐熱性、靱性、形状記
憶性を向上させたり、アルミニウムをエッチングすると
きの核としてアルミナを分散しておいたり、プラズマエ
ッチング室内壁にエッチングされにくい高純度アルミナ
として使用したりすることができるし、また、メッキ液
に微粒子を分散させ、微粒子を共析させた複合メッキ層
を形成させ、耐食性、加工性、溶接性、塗装耐食性、密
着性、光沢性、反射性、耐摩耗性を向上させることがで
きる。
【0090】しかも、磁気記録媒体の磁性層中に研摩材
微粒子を使用して走行安定性、耐久性、耐摩耗性などの
向上、帯電防止、ヘッド目詰り防止性を向上させたり、
磁気記録媒体の磁性層上の保護層中に微粒子を使用し
て、ヘッド粘着を防止し、磁性層の耐久性を向上させた
り、磁気記録媒体の磁性層の下引層中やバック層にアル
ミナ微粒子を使用して耐久性を向上させたり、磁性粒子
表面を硬質微粒子で被覆し耐摩耗性を向上させたり、強
磁性微粒子流体の分散安定化に無機粒子を併用すること
も可能である。
【0091】加えて、液晶・薄膜EL表示パネルや、カ
ラーフィルターのコーティング膜厚を一定にするための
スペーサー、印字不良防止のための感熱溶融転写インク
層への配合、インクジェット用インクの均一安定化、イ
ンクジェット用受像紙の諧調性を改良するための配合に
も使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01G 23/053 7202−4G 25/02 8516−4G C04B 35/00 B 8924−4G

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸化合物を分散または溶解させ
    た水性液中に、金属塩の水溶液と中和剤の水溶液とを同
    時に添加して、上記金属の水酸化物または水和物の微粒
    子を生成させ、得られた微粒子を焼成することを特徴と
    する微粒子状金属酸化物の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属塩の金属が、アルミニウム、チタニ
    ウム、ジルコニウム、セリウムおよび亜鉛よりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種であり、金属塩の塩が、硫酸
    塩、硝酸塩および塩化物よりなる群から選ばれた少なく
    とも1種である請求項1記載の微粒子状金属酸化物の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 中和剤が、アンモニア、水酸化アルカ
    リ、炭酸アンモニウムおよび炭酸アルカリよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の微粒子
    状金属酸化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属塩が、アルミン酸アルカリであり、
    中和剤が、硫酸、硝酸および塩酸よりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種である請求項1記載の微粒子状金属酸
    化物の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属塩が、アルミン酸アルカリであり、
    中和剤が、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウムおよび
    塩化アルミニウムよりなる群から選ばれた少なくとも1
    種である請求項1記載の微粒子状金属酸化物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 カルボン酸化合物が、ジカルボン酸また
    はその誘導体である請求項1記載の微粒子状金属酸化物
    の製造方法。
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