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JPH05117480A - 水性分散液 - Google Patents

水性分散液

Info

Publication number
JPH05117480A
JPH05117480A JP30723891A JP30723891A JPH05117480A JP H05117480 A JPH05117480 A JP H05117480A JP 30723891 A JP30723891 A JP 30723891A JP 30723891 A JP30723891 A JP 30723891A JP H05117480 A JPH05117480 A JP H05117480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
water
hydrophilic
group
macromonomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP30723891A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoi Kanba
基 神庭
Takao Hirono
高生 廣野
Hiroshi Washida
弘 鷲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP30723891A priority Critical patent/JPH05117480A/ja
Publication of JPH05117480A publication Critical patent/JPH05117480A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】光沢および顔料分散性の優れ、耐候性、耐汚染
性に優れた塗膜を与える塗料用ベースとして有用な水性
分散液を提供する。 【構成】フルオロオレフィンに基づく重合した単位及び
親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合した単
位を必須構成成分とする含フッ素共重合体が水に分散さ
れている水性分散液に水溶性樹脂をブレンドした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性分散液に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、フルオロオレフィンとシクロヘキ
シルビニルエーテル及びその他各種の単量体からなる共
重合体が室温で有機溶媒に可溶であり、塗料として用い
た場合に透明で高光沢を有し、しかも高耐候性、撥水撥
油性、耐汚染性、非粘着性などフッ素樹脂の有する優れ
た特性を備えた塗膜を与えることが知られており(例え
ば特開昭55-44083)、建築などの分野で使用が増大しつ
つある。
【0003】この一方で、近年大気汚染の観点から親水
性有機溶剤の使用に対して規制が行なわれつつあるた
め、親水性有機溶剤を用いない水性塗料や粉体塗料に対
する需要が高まっており、フッ素樹脂についても、その
ための検討がなされており、官能基をもたないものにつ
いては乳化重合で製造できることが報告されている。
(特開昭55-25411)
【0004】また、ヒドロキシル基を有する含フッ素共
重合体を乳化重合したものが、特開昭 57-34107,特開昭
61-231044に記載されている。しかしながら、これらの
方法では、乳化剤及び親水性有機溶剤を併用することを
必須としていた。これらの方法では、乳化剤及び親水性
有機溶剤のいずれか一方あるいは両方を使用しない場合
には、水性分散液が得られなかったり、水性分散液が得
られても、極めて機械的・化学的安定性が悪く、保存中
に凝集、沈降を起こすという問題があった。
【0005】さらに、これらの方法により得られる水性
分散液は造膜性が悪い、また得られる塗膜の耐汚染性が
劣る場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術の有する問題点を解消しようとするものである。即
ち、造膜性に優れかつ塗膜の耐汚染性の向上され、高顔
料濃度の塗料組成物の製造が可能になる水性分散液を新
規に提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、フルオロオレフィン
に基づく重合した単位及び親水性部位を有するマクロモ
ノマーに基づく重合した単位を必須成分とする含フッ素
共重合体と水溶性樹脂が水に分散されている水性分散液
を提供しようとするものである。
【0008】本発明において、フルオロオレフィンとし
ては、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペ
ンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンな
どの炭素数2〜4程度のフルオロオレフィンが好ましく
採用される。特にパーハロオレフィンが好ましい。
【0009】本発明の水性分散液では、含フッ素共重合
体が親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合し
た単位を有することが重要である。この単位が含フッ素
共重合体の必須構成成分として含まれているため、水性
分散液の機械的・化学的安定性が改善されるばかりでな
く、造膜性、塗膜の耐水性なども向上することができる
のである。
【0010】本発明における親水性単位を有するマクロ
モノマーの、親水性部位とは、親水性基を有する部位、
または親水性の結合を有する部位、およびこれらの組合
わせからなる部位を表わしている。
【0011】この親水性基は、イオン性、非イオン性、
両性およびこれらの組合わせのいずれであってもよい
が、上記親水性部位がイオン性の親水性基を有する単位
のみからなる場合としては、該水性分散液の化学的安定
性に問題があるため好ましくなく、非イオン性または両
性の親水性基を有する部位と組合わせるか、親水性の結
合を有する部位と組合わせることが望ましい。
【0012】また、マクロモノマーとは片末端にラジカ
ル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオ
リゴマーのことをいう。すなわち、片末端にラジカル重
合性不飽和基を有し、繰返し単位を少なくとも2個有す
る化合物である。繰返し単位の種類によって異なるが、
通常は繰返し単位が 100個以下のものが重合性、耐水性
などの面から好ましく採用される。
【0013】親水性部位を有するマクロモノマーとし
て、例えば、 (1) CH2=CHO(CH2)k[O(CH2)m]nOX ( kは1〜10,m は1〜4,n は2〜20の整数、X はH
または低級アルキル基である) (2) CH2=CHCH2O(CH2)k[O(CH2)m]nOX ( k ,m ,n ,X は(1) 式のものと同様である) (3) CH2=CHO(CH2)k(OCH2CH2)m(OCH2CH(CH3))nOX ( kは1〜10,m は2〜20,n は0〜20の整数、X はH
または低級アルキル基であり、オキシエチレン単位及び
オキシプロピレン単位はブロック、ランダムのいずれの
型で配列されていてもよい) (4) CH2=CHCH2O(CH2)k(OCH2CH2)m(OCH2CH(CH3))nOX ( k ,m ,n ,Xは(3) 式のものと同様であり、オキシエチ
レン単位とオキシプロピレン単位はブロック、ランダム
のいずれの型で配列されていてもよい) (5) CH2=CHO(CH2)nO(CO(CH2)mO)pH ( n は1〜10、m は1〜10、p は1〜30) などの片末端にラジカル重合性不飽和基を有するポリエ
ーテルポリエステル類などが例示される。
【0014】中でも、片末端がビニルエーテル型の構造
を有するものがフルオロオレフィンとの共重合性に優れ
ているため好ましく採用される。特にポリエーテル鎖部
分が、オキシエチレン単位又は、オキシエチレン単位と
オキシプロピレン単位からなるものが親水性などに優れ
ているため好ましい。
【0015】また、オキシエチレン単位を少なくとも2
個有するものでないと、安定性などの諸性質が達成され
ない。また、オキシアルキレン単位の数が余りに大きい
ものは、塗膜の耐水性や耐候性などが悪くなり、好まし
くない。
【0016】かかる親水性部位を有するマクロモノマー
は、ヒドロキシル基を有するビニルエーテルあるいはア
リルエーテルに、ホルムアルデヒド、ジオールを重合さ
せるまたはアルキレンオキサイドあるいはラクトン環を
有する化合物を開環重合させるなどの方法により製造す
ることが可能である。
【0017】また、親水性部位を有するマクロモノマー
として、親水性のエチレン性不飽和モノマーがラジカル
重合した鎖を有し、末端にビニルエーテルまたはアリル
エーテルの如きラジカル重合性不飽和基を有するマクロ
モノマーであってもよい。
【0018】このようなマクロモノマーは、山下らがPo
lym.Bull.,5. 335(1981)に述べている方法などにより製
造することができる。すなわち、縮合可能な官能基を有
する開始剤および連鎖移動剤の存在下に親水性基を有す
るエチレン性不飽和モノマーをラジカル重合させること
により、縮合可能な官能基を有する重合体を製造し、つ
いでこの重合体の官能基にグリシジルビニルエーテル、
グリシジルアリルエーテルの如き化合物を反応させ、末
端にラジカル重合性不飽和基を導入する方法などが例示
される。
【0019】このマクロモノマーの製造に用いられるエ
チレン性不飽和モノマーとしては、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチ
ロールメタクリアミド、2-メトキシエチルアクリレー
ト、2-メトキシエチルメタクリレート、ジアセトンアク
リルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、多価アルコールのアクリル酸エステル及び多価アル
コールのメタクリル酸エステル及びビニルピロリドンな
どがある。
【0020】この他に、共重合可能なモノマーとして、
アクリルアミドとその誘導体、メタクリルアミドとその
誘導体、N-メチロールアクリルアミド誘導体、アクリル
酸エチルカルビトール、アクリル酸メチルトリグリコー
ル、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、ブ
トキシエチルアクリレートなどがある。
【0021】また、このマクロモノマーの製造に用いら
れる開始剤として4,4'- アゾビス-4- シアノバレリアン
酸、2,2'- アゾビス-2- アミジノプロパン塩酸塩、過酸
化カリウム、過酸化アンモニウム、アゾビスイソブチロ
ニトリル、過酸化ベンゾイルなどがある。
【0022】本発明における含フッ素共重合体は、上記
2種の単位の他にヒドロキシル基、エポキシ基、カルボ
ン酸基、カルボニル基及びヒドラジン残基から選ばれる
反応性基を含有する重合した単位を含んでいてもよい。
【0023】本発明の水性分散液は、含フッ素共重合体
が反応性基を有していても安定性は損なわれない。ま
た、含フッ素共重合体が反応性基を有している場合は、
塗料ベースとした時に硬化剤の併用により極めて優れた
耐水、耐溶剤性を有する塗膜を得ることができるという
利点がある。
【0024】また、ヒドロキシル基を含有する重合した
単位は、ヒドロキシル基含有単量体を共重合する方法、
または、重合体を高分子反応させてヒドロキシル基を含
有する単位を形成させる方法などがある。ここで、ヒド
ロキシル基含有単量体としては、ヒドロキシブチルビニ
ルエーテルの如きヒドロキシアルキルビニルエーテル
類、ヒドロキシエチルアリルエーテルの如きヒドロキシ
アルキルアリルエーテル類、ヒドロキシエチルアクリレ
ート、ヒドロキシエチルメタクリレートの如きアクリル
酸またはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルや
ヒドロキシアルキルビニルエステル、ヒドロキシアルキ
ルアリルエステルなどが例示される。
【0025】また、重合体を高分子反応させてヒドロキ
シル基を含有する単位を形成させる方法としては、重合
後加水分解可能なビニルエステル類を共重合させた後、
加水分解せしめてヒドロキシル基を形成せしめるという
方法などが例示される。
【0026】また、カルボン酸基を含有する重合した単
位は、カルボン酸基含有単量体を共重合する方法、ヒド
ロキシル基を有する重合体に2塩基酸無水物を反応せし
めてカルボン酸基を形成する方法がある。
【0027】ここで、カルボン酸基含有単量体として
は、 CH2=CHOR1OCOR2COOM CH2=CHCH2R3OCOR4COOM (R1、R3は、炭素数2〜15のアルキル基、R2、R4は、
飽和あるいは不飽和の直鎖状または環状の炭化水素基、
M は、水素、アルカリ金属または窒素を含む化合物であ
る。)などが例示される。
【0028】エポキシ基を含有する重合した単位は、エ
ポキシ基を含有する単量体を共重合することにより導入
できる。
【0029】エポキシ基を含有する単量体としては、グ
ルシジルビニルエーテルなどのエポキシ基含有アルキル
ビニルエーテル類、グルシジルアリルエーテルなどのエ
ポキシ基含有アルキルアリルエーテル類、グルシジルア
クリレート、グルシジルメタアクリレートなどのエポキ
シ基含有アルキルアクリレートまたはメタアクリレート
類、などが例示される。
【0030】また、カルボニル基は、カルボニル基含有
単量体を共重合することにより導入することができ、ヒ
ドラジン残基はカルボニル基含有重合体にジカルボン酸
ジヒドラジド(例えば、イソフタル酸ジヒドラジド、ア
ジピン酸ジヒドラジド)やヒドラジン水和物をカルボニ
ル基1モルあたり、0.02〜1モル量配合し、加熱し
て反応しめることにより得られる。
【0031】本発明における含フッ素共重合体は、上記
単位の他に、これらと共重合可能な単量体に基づく単位
が含まれていてもよい。かかる単量体としては、エチレ
ン、プロピレンなどのオレフィン類、エチルビニルエー
テル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテ
ル類や、ブタン酸ビニルエステル、オクタン酸ビニルエ
ステルなどのビニルエステル類、スチレン、ビニルトル
エンなどの芳香族ビニル化合物などのビニル系化合物、
エチルアリルエーテルなどのアリル化合物、アクリル酸
ブチルなどのアクリロイル化合物、メタアクリル酸エチ
ルなどのメタアクリロイル化合物など例示される。特
に、オレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル
類、アリルエーテル類、アリルエステル類が好ましく採
用される。
【0032】ここでオレフィン類としては炭素数2〜10
程度のものが好ましく、ビニルエーテル類、ビニルエス
テル類、アリルエーテル類、アリルエステル類として
は、炭素数2〜15程度の直鎖状、分岐状あるいは脂環状
のアルキル基を有するものが好ましく採用される。
【0033】かかる単量体は炭素に結合した水素の少な
くとも一部がフッ素に置換されていてもよい。
【0034】本発明における含フッ素共重合体は、フル
オロオレフィンに基づく重合した単位が20〜80モル%、
親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合した部
位が0.1〜25モル%の割合であることが好ましい。
【0035】フルオロオレフィンに基づく重合した単位
が余りに少ないと耐候性が十分に発揮されず、また多す
ぎると水分散性が極めて悪くなるため好ましくない。特
に30〜70モル%であることが好ましい。
【0036】また、親水性部位を有するマクロモノマー
に基づく重合した単位が、少なすぎると水分散性が極め
て悪くなり、また多すぎると塗膜の耐候性、耐水性が悪
くなるため好ましくない。特に造膜性に極めて優れた効
果を達成させるために、この単位が 0.3〜20モル%の割
合で含まれることが好ましい。
【0037】また、反応性基を含有する重合した単位が
含まれる場合は、25モル%以下であることが好ましい。
この単位の割合が余りに大きいと水分散性が低下し、ま
た塗膜を硬化せしめた時に硬く、脆いものになったり、
残存ヒドロキシル基の影響で耐水性が低下したりするこ
とがあったりすることがあるので好ましくない。
【0038】また、この単位は、親水性部位を有するマ
クロモノマーに基づく重合した単位がヒドロキシル基を
有するものを含んでいる場合、その単位は、親水性部位
を有するマクロモノマーに基づく重合した単位及びヒド
ロキシル基を含有する重合した単位の両方の計算に含め
られる。上記フルオロオレフィンに基づく重合した単位
及び親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合し
た単位以外の単位は、0〜70モル%であることが好まし
い。この単位が多すぎると耐候性が悪くなり、好ましく
ない。
【0039】本発明の水性分散液は、上記含フッ素共重
合体が水に分散されたものである。また、本発明の水性
分散液は、通常含フッ素重合体水性分散液で用いられる
乳化剤や親水性有機溶剤が存在しなくとも、優れた機械
的、化学的安定性を発揮するものである。勿論、乳化剤
及び親水性有機溶剤のいずれか一方あるいは両方が添加
されていても差し支えない。しかしながら、親水性有機
溶剤は溶剤規制があるという点から添加されていないこ
とが好ましい。
【0040】ここで、乳化剤を使用する場合には、アニ
オン性、カチオン性、ノニオン性、両性、ノニオン−カ
チオン型、ノニオン−アニオン型また反応性基をもった
ものを単独あるいは併用して使用することができる。親
水性有機溶剤を使用する場合は安全性の面から20重量%
以下とすることが好ましい。
【0041】本発明の水性分散液は、フルオロオレフィ
ン、親水性部位を有するマクロモノマー及び必要によ
り、他の単量体を水性媒体中、乳化重合することにより
製造することができる。乳化重合の開始は、通常の乳化
重合の開始と同様に重合開始剤の添加により行なわれ
る。
【0042】かかる重合開始剤としては、通常のラジカ
ル開始剤を用いることができるが、水溶性開始剤が好ま
しく採用され、具体的には過硫酸アンモニウム塩等の過
硫酸塩、過酸化水素あるいはこれらと亜硫酸水素ナトリ
ウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤との組合わせから
なるレドックス開始剤、さらにこれらに少量の鉄、第一
鉄塩、硫酸銀等を共存させた系の無機系開始剤、または
ジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシド等
の二塩基酸過酸化物、アゾビスイソブチルアミジンの塩
酸塩、アゾビスブチロニトリル等の有機系開始剤が例示
される。
【0043】重合開始剤の使用量は、種類、乳化重合条
件等に応じて適宜変更可能であるが、通常は乳化重合さ
せるべき単量体 100重量部あたり、0.005 〜0.5 重量部
程度が好ましく採用される。また、これらの重合開始剤
は一括添加してもよいが、必要に応じて分割添加しても
よい。
【0044】また、乳化物のpHを上昇させる目的で、
pH調整剤を用いてもよい。かかるpH調整剤として
は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、オルトリン酸水素
ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、テトラホウ酸ナトリ
ウム等の無機塩基及びトリエチルアミン、トリエタノー
ルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノ
ールアミン等の有機塩基類などが例示される。
【0045】pH調整剤の添加量は、通常乳化重合媒体
100重量部あたり0.05〜2 重量部程度、好ましくは 0.1
〜2 重量部程度である。pHの高い方が重合速度が速く
なる傾向である。
【0046】また、乳化重合開始温度は主に重合開始剤
の種類に応じて適宜最適値が選定されるが、通常は、 0
〜100 ℃、特に10〜90℃程度が好ましく採用される。ま
た、反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は 1〜10
0 kg/cm2 、特に 2〜50kg/cm2 程度を採用するのが望
ましい。
【0047】かかる製造方法において、モノマー、溶
媒、開始剤等の添加物をそのまま一括仕込みして重合し
てもよいが、分散粒子の粒子径を小さくして分散液の安
定性及び塗膜の光沢等の諸物性を向上させる目的で、重
合開始剤を添加する以前にホモジナイザー等の撹拌機を
用いて前乳化させ、その後に開始剤を投下して重合して
もよい。また、モノマーを分割してあるいは連続して添
加してもよく、その際モノマー組成は異なってもよい。
【0048】また、水溶性樹脂としては一般に知られて
いる水溶性アクリル樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水
溶性スチレン−ブタジエン系樹脂、、水溶性アミノ樹
脂、水溶性フェノール樹脂などが例示される。
【0049】水溶性アクリル樹脂としては、アクリル
酸、メタクリル酸や無水マレイン酸などをこれらのエス
テル類やスチレンなどと共重合し、アンモニアやアミン
で中和したものや、酢酸ビニルを共重合したものなどが
ある。なかでもメタクリル酸エステル単位(より好適に
は炭素数2〜6のアルコール残基を有するメタクリル酸
エステル単位)を構成単位の半分以上とするものが耐候
性の面から好ましい。
【0050】水溶性アルキド樹脂としては、脂肪酸で変
性された無水フタル酸−ペンタエリスリット系や無水ト
リメリット酸−グリコール−アジピン酸系で酸価が50
〜70くらいのものをアンモニアやアミンで中和したも
のなどがある。
【0051】水溶性アミノ樹脂や水溶性フェノール樹脂
としては、尿素、メラミン、フェノールなどをホルムア
ルデヒドと反応させて得られるメチロール化物や初期縮
合物、あるいは低級アルコールやグリコールでエーテル
化したものなどがある。
【0052】水溶性樹脂の配合量は、フルオロオレフィ
ンに基づく重合した単位及び親水性部位を有するマクロ
モノマーに基づく重合した単位を必須成分とする含フッ
素共重合体100重量部あたり5〜200重量部とする
ことが好ましい。水溶性樹脂の量が多すぎると塗膜の耐
候性が低下し、少なすぎると充分な耐汚染性が得られず
好ましくない。
【0053】本発明の水性分散液は、そのままでも水性
塗料として使用可能であるが、必要に応じて着色剤、可
塑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、ハジキ防止剤、皮
バリ防止剤、硬化剤などを混入してもよい。
【0054】着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔
料などが例示される。可塑剤としては、従来公知のも
の、例えばジメチルフタレート、ジオクチルフタレート
等の低分子量可塑剤、ビニル重合体可塑剤、ポリエステ
ル系可塑剤等の高分子量可塑剤等が挙げられる。硬化剤
としては、例えばヘキサメチレンイソシアネート三量体
等のブロックイソシアネートあるいはその乳化分散体、
メチル化メラミン、メチロール化メラミン、ブチロール
化メラミン等のメラミン樹脂、メチル化尿素、ブチル化
尿素等の尿素樹脂などを挙げることができる。また、水
性分散液の安定性を向上させるためにpH調整剤を添加
してもよい。
【0055】
【実施例】以下に合成例、実施例を掲げて本発明を具体
的に説明するが、かかる実施例などにより本発明は何ら
限定されるものではない。なお、以下の実施例中の部数
は、特に断りのない限り重量部を示すものである。
【0056】合成例1 内容積200ml のステンレス製撹拌機付オートクレーブ
(耐圧50kg/cm2 )中にシクロヘキシルビニルエーテル
19.5部、エチルビニルエーテル10.2部、親水性部位を有
するマクロモノマー13.6部、イオン交換水76.4部、パー
フルオロオクタン酸アンモニウム0.44部、炭酸カリウム
0.44部、亜硫酸水素ナトリウム0.02部、過硫酸アンモニ
ウム0.11部を仕込み、氷で冷却して、窒素ガスで3.5kg/
cm2 になるように加圧し、脱気した。この加圧脱気を2
回繰り返した後10mmHgまで脱気し、溶存空気を除去した
後、テトラフルオロエチレンを30.9部仕込んだ後に30℃
で12時間反応を行なった。
【0057】合成例2 前記オートクレーブ中にシクロヘキシルビニルエーテル
21.7部、エチルビニルエーテル 7.9部、ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル 6.4部、親水性部位を有するマクロモ
ノマー 6.9部、イオン交換水83.1部、パーフルオロオク
タン酸アンモニウム0.44部、炭酸カリウム0.44部、亜硫
酸水素ナトリウム0.02部、過硫酸アンモニウム0.11部を
仕込み、合成例1と同様に処理した後、クロロトリフル
オロエチレンを42.1部仕込み、30℃で12時間反応を行な
った。
【0058】合成例3 内容積2500mlのステンレス製撹拌機付オートクレーブ
(耐圧50kg/cm2 )にエチルビニルエーテル 354部、ヒ
ドロキシブチルビニルエーテル24部、親水性部位を有す
るマクロモノマーを55部、イオン交換水 980部、パーフ
ルオロオクタン酸アンモニウム10.4部、日本乳化剤製乳
化剤Newcol 293を13部、同じくNewcol 240を18部、炭酸
カリウム3.75部、過硫酸アンモニウム 0.7部を仕込み、
氷冷し、窒素ガスを3.5 kg/cm2 になるように加圧脱
気、これを2回繰り返した後 120mmHgまで脱気し、溶存
空気を除去した後、クロロトリフルオロエチレンを 243
部仕込んだ後に30℃で反応を開始する。この時のオート
クレーブの圧力はゲージ圧で3kg/cm2Gで反応が進行す
ると圧力が低下するが、圧力が一定( 3kg/cm2G )にな
るようにクロロトリフルオロエチレンをさらに 365部添
加する。その後ゲージ圧がほぼ 0kg/cm2Gになるまで反
応を行なった。総反応時間は16時間であった。
【0059】なお合成例1〜3で使用した親水性部位を
有するマクロモノマーは、次式で表される数平均分子量
約700の化合物である。 CH2=CHOCH2CH2CH2CH2(OCH2CH2)nOH
【0060】合成例4 顔料分散液の作成 酸化チタン顔料 CR-90(石原産業製)60部、ディスロー
ル H-14N分散剤(日本乳化剤製)2.9 部、FSアンチフ
ォーム 013B 消泡剤(ダウコーニング製)0.2部、イオ
ン交換水38部、ガラスビーズ 100部を混合し、グレンミ
フレ分散機を用い分散し、ガラスビーズを濾過して顔料
分散液を作成した。
【0061】合成例5 還流装置を設けた 500mlフラスコに、スチレン30部、ブ
チルメタアクリレート45部、アクルル酸14部、ヒドロキ
シエチルメタクリレート11部、イソプルパノール 100
部、過酸化ベンゾイル 1.0部を混合し、90℃で重合を開
始し、2時間後に過酸化ベンゾイル0.5部を添加し、さ
らに3時間反応させた。これを冷却し、3%水酸化アン
モニウム水溶液 100部を徐々に撹拌しながら加えた。し
かる後に22〜25mmHgに減圧して約40℃でイソプロパノー
ル約80部を回収し、水溶性アクリル樹脂水溶液を得た。
【0062】実施例1〜3および比較例1、2 表1に示す組成にて塗料配合を行ない、フィルムアプリ
ケータを用いてアルミニウム板に乾燥膜厚40μmにな
るよう塗布し、150℃にて20分間焼付けして試験片
を得た。この試験片について外観及び耐候性の評価を行
なった。その試験結果を表1に示す。
【0063】なお、表1中で、造膜助剤はチッソ製商品
名テキサノールCs−12、増粘剤はヘキスト合成製レ
オビスCRである。また、外観評価は、目視で比較例1
と同等の光沢を確認したものを○、光沢が著しく小さい
ものを×とした。また、耐候性評価は、QUV試験10
00時間後に著しく光沢が低下したものを×、光沢の低
下が余りみられないものを○とした。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明の水性分散液は、光沢および顔料
分散性の優れた塗料用ベースとして極めて有用であり、
また、本発明の水性塗料用組成物により得られる塗膜は
耐候性、耐汚染性に優れるという長所を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 LSZ 7167−4J C09D 127/12 PFJ 9166−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルオロオレフィンに基づく重合した単位
    及び親水性部位を有するマクロモノマーに基づく重合し
    た単位を必須構成成分とする含フッ素共重合体が水に分
    散されている水性分散液に水溶性樹脂をブレンドした水
    性分散液。
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