JPH0449933B2 - - Google Patents
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- JPH0449933B2 JPH0449933B2 JP58502881A JP50288183A JPH0449933B2 JP H0449933 B2 JPH0449933 B2 JP H0449933B2 JP 58502881 A JP58502881 A JP 58502881A JP 50288183 A JP50288183 A JP 50288183A JP H0449933 B2 JPH0449933 B2 JP H0449933B2
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Description
明細書
技術分野
本発明は一般に塗布用組成物、特に写真要素の
修復処理および/または保護処理に用いられる組
成物に関する。より詳細には本発明は外観や投影
能を損う掻ききず、磨耗きずなどの欠損を除くた
め、および/またはその後の引掻きや磨耗に対し
て保護しうる保護用オーバーコート層を与えるた
めに電磁線又は放射線硬化性(radiation−
curable、以下「放射線硬化性」ともいう)組成
物が施された写真要素、たとえばスチールフイル
ム、映画フイルム、ペーパープリント、マイクロ
フイツシユなどに関する。 背景技術 保護用オーバーコート層を有する写真要素は周
知であり、保護用オーバーコートとして使用する
ために多種多様な塗布用組成物がこれまでに提示
されている。この種のオーバーコートは多数の目
的のため、たとえば指紋、磨耗および引掻きに対
して保護するため、水滴に対して保護するため、
艶消面など特定の表面組織を与えるため、粘着に
対して保護するため、またまぶしさを少なくする
反射防止層として作用させるために有用である。
目的を果たしたのち除去することを意図した一時
的な層、および永久に写真要素に付着している層
が先行技術に述べられている。 写真要素上に保護用オーバーコートを形成させ
るために従来用いられている組成物の多くはその
有用性を大幅に制限している欠点をもつ。たとえ
ば取扱いおよび使用に際して一般に過酷な条件下
に置かれるマイクロフイツシユおよび映画フイル
ムなどの写真要素に耐磨耗性および耐引掻き性を
与える際に十分に満足すべき組成物を配合するこ
とが特に困難であつた。この種の要素のために保
護用オーバーコートは透明性および柔軟性ならび
に耐磨耗性および耐引掻き性などの因子に関して
厳密な要件を満たさなければならず、また剥離の
可能性を避けるために下層材料にきわめて強固に
付着しなければならない。 過酷な使用条件下に置かれるマイクロフイツシ
ユおよび映画フイルムなどの写真要素に有用な保
護用オーバーコートは米国特許第4092173号明細
書(1978年5月30日交付)に示されている。この
明細書に記載されるように、保護用オーバーコー
トは写真要素にアクリル化ウレタン、脂肪族エチ
レン性不飽和カルボン酸、および多官能価アクリ
レートからなる放射線硬化性組成物を塗布し、こ
の被膜を照射して写真要素に付着させ、硬化させ
て透明かつ柔軟な、耐引掻き性の架橋ポリマー層
を形成させることによつて写真要素上に形成され
る。この保護用オーバーコート層は写真要素の画
像保有面、または写真要素の支持体面、または両
面に施すことができる。さらに米国特許第
4171979号明細書(1979年10月23日交付)に記載
されるように、米国特許第4092173号の組成物は、
写真要素の外観または投影能を損う引掻ききずや
磨耗きずなどの欠損をもつスチールフイルム、映
画フイルム、ペーパープリントおよびマイクロフ
イツシユなどの写真要素の処理における修復用組
成物としても有用である。修復用組成物として使
用する際には、放射線硬化性組成物を欠損部にの
み局所的に施して欠損を効果的に除き、写真要素
を実質的に欠損のない状態に修復することができ
る。あるいはこれを写真要素の全面に施して欠損
を除き、かつその後の引掻き磨耗に対して保護し
うる保護用オーバーコート層を形成させることも
できる。 米国特許第4029173号および第4171979号の放射
線硬化性組成物に対する改良が、米国特許第
4333998号明細書に記載されている。その改良は、
組成物にシロキシ含有ポリカルビノール、たとえ
ばシロキサン鎖にグラフトしたアルコール官能基
を含有するポリジメチルシロキサンを添加して、
湿潤性、均展性および塗布性を改良すること、写
真要素に対する付着性を改良すること、ならびに
硬度を改良し、耐引き掻き性を増大させ、摩擦計
数を低下させることに関する。 上記各特許の放射線硬化性塗布用組成物は写真
要素に保護用オーバーコートおよび/または修復
修理を施すことができるが、この種の組成物の改
良はきわめて望ましいであろう。特に、処理され
た写真乳剤層に対して、また写真要素に一般に用
いられる支持体材料、たとえばアセチルセルロー
ス系支持体材料およびポリエステル系支持体材料
に対する優れた付着性を示す塗布用組成物を提供
することは殊に有利であろう。この方法では、
種々の製品それぞれに使用するために適合させた
別個の組成物を提供するといういつそう不利な方
法と対比して、各種写真要素を処理するために1
種類の組成物を用いることができる。さらに、脂
肪族エチレン性不飽和カルボン酸の存在を必要と
しない塗布用組成物を提供することはきわめて有
利であろう。これらの酸は不都合な臭気を生じ、
保存寿命を低下させる原因となり、また写真要素
のある種の成分に対し望ましくない化学的攻撃を
生じる可能性があるからである。 発明の開示 本発明の課題は、放射線硬化性でありかつ上記
の改良された特性を示す塗布用組成物を提供する
ことである。この組成物は放射線硬化性であり、
写真要素上に保護被膜ないしは修復被膜を形成す
るために特に有用である。この課題は、 (1) 重合性エポキシ化合物、 (2) エポキシ化合物の重合を開始するための陽オ
イン開始剤、 (3) 重合性アクリル系化合物、 (4) アクリル系化合物の重合を開始するためのハ
ロアルキル化芳香族ケトンからなる遊離基開始
剤、および (5) 重合性有機官能性シラン、 の組合せからなる塗布用組成物によつて解決され
る。 エポキシ化合物は写真乳剤層、たとえば慣用さ
れるゼラチン/写真用ハロゲン化銀乳剤から形成
される層の表面に対する優れた付着性を与えると
いう点で、上記の配合物中において特に有利であ
る。アクリル系化合物は写真用支持体材料、たと
えば写真工業において一般に用いられるアセチル
セルロース系およびポリエステル系の支持体の表
面に対する優れた付着性を与えるという点で、上
記の配合物中において特に有利である。重合性有
機官能性シランは、写真乳剤層および支持体材料
の双方に対する付着を促進するという重要な機能
を果たす。上記の塗布用配合物は重合が陽オイン
開始剤によつて開始される成分および重合が遊離
基開始剤によつて開始される成分の双方を含み、
従つて2種の明瞭に異なる重合機構を採用するの
で、以下これを”混成(hybrid)”系と呼ぶ。こ
の種の系には一般にそれらの成分の不相容性の問
題、たとえば不完全な硬化または短かい保存寿命
に導く早期重量合または成分間の望ましくない物
理的もしくは化学的相互作用に問題があるが、本
発明によればハロアルキル化芳香族ケトン系の遊
離基開始剤によつて不相容性の問題が効果的に避
けられることは予想外であつた。本発明の混成配
合物はほとんどまたは全く臭気を示さず;優れた
保存寿命をもち;処理済の写真乳剤層、セルロー
ス系支持体およびポリエステル系支持体(たとえ
ばポリエチレンテレフタレートから構成されるも
の)にきわめて良好に付着し;ゼラチンその他の
慣用される写真要素を化学的に攻撃せず;透明
度、柔軟性および耐引掻き性に関して優れた特性
をもつ被膜を与える。 本発明の詳細を添付の図面に関して述べる。第
1図は、本発明に従つて乳剤面に保護用オーバー
コートを有する写真フイルムおよびこの種のオー
バーコートを有しない同じフイルムの双方に関し
て、曇り(%)をテーバー磨耗サイクル数の関数
としてプロセツトしたグラフである。 第2図および第3図は、それぞれトリアセチル
セルロース製およびポリエチレンテレフタレート
製支持体を有する写真フイルムの支持体面に塗布
された同一オーバーコートに関する、第1図は同
様なグラフである。 第4図は写真フイルムの乳剤面上の異なる組成
のオーバーコートに関する、第1図と同様なグラ
フである。 第5図および第6図は、それぞれトリアセチル
セルロース製およびポリエチレンテレフタレート
製支持体を有する写真フイルムの支持体面上の同
一オーバーコート組成物に関する、第4図と同様
なグラフである。 各図面において○印はオーバーコートされたも
の、×印は塗布されていないものである。 ここに記載する放射線硬化性組成物は多種多様
な写真要素において保護用オーバーコートを与え
るため、および/または掻ききず、磨耗きずなど
の欠損を処理するために用いることができる。た
とえば写真要素はスチールフイルム、映画フイル
ム、ペーパープリント、またはマイクロフイツシ
ユであつてもよい。これらはネガーポジ法におい
てネガから作成された黒白要素、カラー要素、あ
るいは反転法により直接に作成されたカラー要素
であつてもよい。きわめて驚くべきことに、放射
線硬化によつてこれら種々の型の写真要素のすべ
てに対し、その要素自体に不都合な作用を及ぼす
ことなく強固な付着が得られる。写真要素は広範
な支持体のいずれから成つていてもよい。代表的
な支持体にはニトロセルロースフイルム、アセチ
ルセルロースフイルム、ポリ(ビニルアセター
ル)フイルム、ポリスチレンフイルム、ポリエチ
レンテレフタレートフイルム、ポリカーボネート
フイルム、ガラス、金属、紙およびポリマー加工
紙が含まれる。写真要素の画像保有層(単層また
は多層)の前駆体である画像形成層(単層または
多層)は一般に親水性の水透過性コロイド中に分
散した放射線感受性薬剤(たとえばハロゲン化
銀)からなる。適切な親水性ビヒクルには、天然
物質たとえば蛋白質(たとえばゼラチン、ゼラチ
ン誘導体)、セルロース誘導体、多糖類(たとえ
ばデキストラン)、アラビアゴムなど、および合
成高分子物質たとえば水溶性ポリビニル化合物
(たとえばポリ(ビニルピロリドン)、アクリルア
ミドポリマーなど)の双方が含まれる。画像形成
層の一般例はゼラチン/写真用ハロゲン化銀乳剤
層であり、ここに記載した組成物はこの種の層に
関する欠損を処理する際に、また保護用オーバー
コートを与える際に、優れた結果を与える。 本発明の一実施態様においては、保護用オーバ
ーコートを写真要素の画像保有面にのみ施す。第
2の実施態様においては写真要素の支持体面にの
み保護用オーバーコートを施す。他の実施態様に
おいては、写真要素の両面に保護用オーバーコー
トを施す。 ここに記載する修復処理法は映画フイルムに関
して特に有利である。たとえば映画プリントフイ
ルムは映写機を多数回通過したのち著しく引掻か
れた状態になることがしばしばある。これはその
場合他の性能はなお受容できるものであつても廃
棄されなければならない。ここに記載する修復の
ための塗布用組成物の使用は、投影された画像を
損う掻ききずを少なくするのにきわめて有利であ
り、従つて掻ききずを有するフイルムが修復され
て有用に使用できる状態になる。本発明方法は映
画フイルムにおいて掻ききずが最も生じやすい支
持体面の掻ききずに関して特に有効である。しか
し、ここに記載する修復のための塗布用組成物は
画像の掻ききずに関しても著しい改良を与える。 先きに説明したように、本発明の放射線硬化性
塗布用組成物に混成系である。混成の塗布用組成
物はこれまでにたとえば米国特許第3753755号、
第3776729号、第3989610号、第4025348号、第
4025407号および第415635号各明細書に記載され
ている。しかし透明度、柔軟性、耐引掻き性、耐
磨耗性および付着性に関して特に厳格な拘束を課
する写真芸術の特殊な要求は必ずしも容易に満た
されず、他の芸術に有用な塗布用組成物がしばし
ば写真芸術においては不満足である。たとえば遊
離基重合性のアクリル系化合物および陽オイン重
合性のエポキシ化合物を含有する混成系におい
て、ベンゾフエノンおよびメチルジエタノールア
ミン(一般的な遊離基開始剤系)の混合物を使用
すると、この求核性アミンとオキシラン環の置換
反応のため系のエポキシ部分の早期重合が起こ
り、このためこの組成物は写真要素上に保護用オ
ーバーコートを形成する際使用するのには不満足
なものとなる。 本発明の放射線硬化性組成物における第1の必
須成分は重合性エポキシ化合物である。、この種
のエポキシ化合物には1,2−エポキシ環すなわ
ちオキシラン環1個または2個以上を含有する化
合物が含まれ、従つてエポキシモノマー、エポキ
シプレポリマー、およびオキシラン含有ポリマー
が含まれる。本発明の方法および組成物にはいか
なる重合性エポキシ化合物も使用できるが、好ま
しい化合物は脂肪族または脂環式の多官能価エポ
キシ化合物である。 本発明の目的に有用な重合性エポキシ化合物の
例には下記のものが含まれる。 (1) 脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテ
ル、たとえば 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル、 1,6−エキサンジオールジグリシジルエー
テル、 ジエチレングリコールジグリシジルエーテル
およびトリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル。 (2) ジカルボン酸エポキシシクロヘキシルアルキ
ル、たとえばピメリン酸ビス(3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル)、マレイン酸ビス
(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシ
ルメチル)、 コハク酸ビス(3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシルメチル)、 シユウ酸ビス(3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル)、 セバシン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メ
チルシクロヘキシルメチル)、および アジピン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メ
チルシクロヘキシルメチル)。 ならびに (3) シクロペンテンオキシド基1個または2個以
上を含有するエポキシド、たとえば ビス(2,3−エポキシシクロペンテル)エ
ーテル、 ジシクロペンタジエンジオキシド、 グリシジル2,3−エポキシシクロペンテル
エーテル、および2,3−エポキシシクロペン
チルシクロペンチルエーテル。 本発明の放射線硬化性組成物の第2の必須成分
は、重合性エポキシ化合物の重合を開始するため
の陽オイン開始剤である。本発明の目的のために
特に有用な陽オイン開始剤は芳香族オニウム塩で
あり、これにはa族元素の塩、たとえばホスホ
ニウム塩(たとえばヘキサフルオロリン酸トリフ
エニルフエナシルホスホニウム)、a族元素の
塩、たとえばスルホニウム塩(たとえばテトラフ
ルオロホウ酸トリフエニルスルホニウム、ヘキサ
フルオロリン酸トリフエニルスルホニウムおよび
ヘキサフルオロアンチモン酸トリフエニルスルホ
ニウム)、およびa族元素の塩、たとえばヨー
ドニウム塩(たとえば塩化ジフエニルヨードニウ
ム)が含まれる。 芳香族オニウム塩およびそれらをエポキシ化合
物の重合に際し陽オイン開始剤として使用するこ
とは、米国特許第4058401号(1977年11月15日交
付)、第4069055号(1978年1月17日交付)、第
4101513号(1978年7月18日交付)、および第
4161478号(1979年6月17日交付)各明細書に詳
述されている。 上記のほか他の陽オイン開始例、たとえばフエ
ニル基に置換基としてアルコキシ基またはベンジ
ルオキシ基を含むヘキサフルオロリン酸フエニル
ジアゾニウム類(米国特許第4000115号明細書
(1976年12月28日交付)に記載されたもの)を使
用できる。 本発明の放射線硬化性組成物の第3の必須成分
は重合性のアクリル系化合物である。有用なアク
リル系化合物には単官能性モノマーおよび多官能
性モノマーが含まれる。単官能性のアクリル系モ
ノマーの例にはアクリルエステルおよびメタクリ
ルエステル、たとえばアクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチルなどが含まれる。多官能性アクリル系
モノマーの例は下記のものが含まれる。 ネオペンチルグリコールジアクリレート、 ペンチエリスリトールトリアクリレート、 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、 トリメチルロールプロパントリアクリレート テトラエチレングリコールジアクリレート、 1,3−ブチレングリコールジアクリレート、 トリメチルロールプロパントリメタクリレー
ト、 1,3−ブチレングリコールジメタクリレー
ト、 エチレングリコールジメタクリレート、 ペンタエリスリトールテトラアクリレート、 テトラエチレングリコールジメタクリレート、 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、 エチレングリコールジアクリレート、 ジエチレングリコールジアクリレート、 グリセロールジアクリレート、 グリセロールトリアクリレート、 1,3−プロパンジオールジアクリレート、 1,3−プロパンジオールジメタクリレート、 1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレ
ート、 1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレー
ト、 1,4−シクロヘキサンジオールメタクリレー
ト、 ペンタエリスリトールジアクリレート および 1,5−ペンタンジオールジメタクリレート。 特に有用な多官能性アクリル系モノマーは次式
のものである。 上記式中R1はそれぞれ無関係に水素原子また
は1〜2個の炭素原子を有するアルキル基であ
り、R2はそれぞれ無関係に1〜6個の炭素原子
を有するアルキル基または次式 (式中R3は水素原子または1〜2個の炭素原
子を有するアルキル基である)の基である。 本発明の放射線硬化性組成物の第4の必須成分
は、重合性アクリル系化合物の重合を開始するた
めの遊離基開始剤である。この目的のために有用
な開始剤はハロアルキル化芳香族ケトンである。
これらの化合物は。それらが重合性アクリル系化
合物の重合のためにきわめて有効な開始剤であ
り、また混成系においてはしばしば生じる不相容
性の問題を避ける際にきわめて有効であるという
点で、ここに記載す混成系において特に有用であ
ることが認められた。 ハロアルキル化芳香族ケトンを不飽和化合物の
重合のための遊離基開始剤として用いることは周
知であり、たとえば米国特許第3686084号、第
3988228号および第4043887号各明細書に記載され
ている。 本発明の放射線硬化性組成物に使用するために
有用な一群のハロアルキル化芳香族ケトンは、米
国特許第3686084号のハロメチル化ベンゾフエノ
ンである。これらの化合物は次式の構造をもつ。 上記式中R1はCH2X,CHX2またはCX3であ
り、R2はH,CH3,CH2X,CHX2またはCX3で
あり、ここでXは塩素原子、臭素原子またはヨウ
素原子である。これらの化合物の例には、 下記の具体的な種類が含まれる。 p−ベンゾイルベンジルクロリド、 p−ベンゾイル−ベンザルクロリド、 p−ベンゾイルベンゾトリクロリド、 p−ベンゾイルベンジルブロミド、 p−ベンゾイルベンザルブロミド、 p−ベンゾイルベンゾトリブロミド、 4,4′−ビス−クロルメチルベンゾフエノン、 4,4′−ビス−ジクロルメチルベンゾフエノ
ン、 4,4′−ビス−トリクロルメチルベンゾフエノ
ン、 4,4′−ビス−ブロムメチルベンゾフエノン、 4,4′−ビス−ジブロメチルベンゾフエノン、 4,4′−ビス−トリブロムメチルベンゾフエノ
ン、およびo−ベンゾイルベンゾトリクロリド。 本発明の放射線硬化性組成物に用いるために有
用な第2群のハロアルキル化芳香族ケトンは米国
特許第4043887号の3,4−ビス(ハロメチル)
ベンゾフエノンである。これらの化合物は次式の
構造をもつ。 上記式中Rは水素原子、塩素原子、メトキシカ
ルボニル基、メチル基またはt−ブチル基であ
り、R1およびR1は同一または異なり、それぞれ
CH2X,CHX2またはCX3であり、ここでXは塩
素原子または臭素原子である。これらの化合物の
例には下記の具体的な種類が含まれる。 3,4−ビス(クロルメチル)ベンゾフエノ
ン、 3,4−ビス(クロルメチル)−4′−カルボメ
トキシベンゾフエノン、 3,4−ビス(クロルメチル)−4′−クロルベ
ンゾフエノン、 3,4−ビス(ブロムメチル)ベンゾフエノン
および 3,4−ビス(ジクロルメチル)ベンゾフエノ
ン。 特に以上に述べたハロメチル化ベンゾフエノン
のほかに、他の多種のハロアルキル化芳香族ケト
ンも、本発明の放射線硬化性組成物に用いること
ができる。この種の化合物の例には米国特許第
3988228号のビス(α−クロルトルイル)ベンゼ
ンおよびビス(α−ブロムトルイル)ベンゼンが
含まれる。 本発明の放射線硬化性組成物の第5の必須成分
は、重合性有機官能性シランである。これら化合
物は有効な付着促進剤である。これらのシランは
混成系の陽オイン重合した成分の一部として用い
られるエポキシシランであるか、あるいは混成系
の遊離基重合した成分の一部として用いられるア
クリル化シランである。最適な程度の付着促進能
を得るためにはエポキシシランおよびアクリル化
シランの双方を用いることがしばしば有利であ
り、双方の使用は本発明の好ましい特色である。 用いられるエポキシシランは、脂肪族、芳香族
または混合脂肪族−芳香族の2価の炭化水素基を
介して連結した末端重合性エポキシ基および末端
シラン基を有する化合物であることが好ましい。
特に有用なシランは次式の化合物である。 上記式中mは1〜6の整数、nは1〜6の整数
であり、Rは1〜6個の炭素原子を有するアルキ
ル基または次式 (式中mは1〜6の整数、nは1〜6の整数で
あり、Rは1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基である)の基である。 エポキシシランの例には下記の具体的な種類が
含まれる。 γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、 γ−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、 β−グリシドオキシエチルトリメトキシシラ
ン、 γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロ
ピルトリメトキシシランおよび β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン。 用いられるアクリル化シランは、脂肪族、芳香
族、または混合脂肪族−芳香族の2価の炭化水素
残基を介して連結した末端重合性アクリルオキシ
基もしくはメタクリルオキシ基および末端シラン
基を有する化合物であることが好ましい。特に有
用なアクリル化シランは次式の化合物である。 上記式中R1は水素原子またはメチル基であり、
nは1〜6の整数であり、Rは1〜6個の炭素原
子を有するアルキル基である。 アクリル化シランの例には下記の具体的な種類
が含まれる。 β−アクリルオキシエチルトリメトキシシラ
ン、 β−メタクリルオキシエチルトリメトキシシラ
ン、 β−メタクリルオキシエチルトリエトキシシラ
ン、 γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、 γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン および γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン。 以上に述べたエポキシシランまたはアクリル化
シラン以外のシランも所望により本発明の組成物
に用いることができる。たとえば他の有用なシラ
ン化合物にはビニルシラン、たとえばビニルクロ
ロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、およびビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シランが含まれる。 上記のように本発明の放射線硬化性組成物は (1) 重合性エポキシ化合物、 (2) エポキシ化合物の重合を開始するための陽オ
イン開始剤、 (3) 重合性アクリル系化合物、 (4) アクリル系化合物の重合を開始するためのハ
ロアルキル化芳香族ケトン、および (5) 重合性有機官能性シラン からなる組成物である。2種以上の重合性エポキ
シ化合物、2種以上の陽オイン開始剤、2種以上
の重合性アクリル系化合物、または2種以上のハ
ロアルキル化芳香族ケトンの混合物も所望により
用いることができ、これらは特定の場合には有利
であろう。以下に述べるように本発明の放射線硬
化性組成物には他の多種の成分を含有させること
もできる。 放射線硬化性組成物の5種の必須成分それぞれ
の割合は希望に応じ広範に変えることができる。
一般に重合性エポキシ化合物は組成物全体の5〜
50重量%の量用いられ、陽オイン開始剤は組成物
全体の0.5〜10重量%の量用いられ、重合性アク
リル系化合物は組成物全体の20〜50重量%の量用
いられ、ハロアルキル化芳香族ケトンは組成物全
体の0.5〜10重量%の量用いられ、重合性有機官
能性シランは組成物全体の5〜40重量%の量用い
られる。個々の場合に使用する最適量は用いられ
る個々の化合物、およびその放射線硬化性配合物
を塗布される写真要素の特性により左右されるで
あろう。 本発明の放射線硬化性組成物にはシロキシ含有
ポリカルビノールが含まれていてもよい。シロキ
シ含有ポリカルビノール(有機官能性シリコーン
とも記載できる)は周知の材料である。この類の
市販されている材料の例にはダウコーニング
(DowCorning)193界面活性剤、ダウ・コーニン
グ1248液、ダウ・コーニングXF4−3557液、ダ
ウ・コーニングQ4−3667液、およびダウ・コー
ニングQ2−8026液(これらはすべてダウ・コー
ニング社(米国ミシガン州ミツドランド)から入
手される)が含まれる。これらの材料はシロキサ
ン鎖にグラフトしたアルコール官能基を含むポリ
ジメチルシロキサンである。シロキシ含有ポリカ
ビノールの具体的な構造式は下記のとおりであ
る。 および これらの式中Rは炭化水素残基(一般に1〜10
個の炭素原子を有するもの)であり、XおよびY
は一般に2〜100の範囲の値をもつ整数である。
この種のシロキシ含有ポリカルビノールは米国特
許第4130708号明細書(1978年12月19日交付)に
詳述されている。 本発明の放射線硬化性組成物は、この種の組成
物から形成される層に柔軟性を与える柔軟剤とし
て作用する樹脂を含有してもよい。この目的に有
用な樹脂にはアクリル化エポキシ樹脂、たとえば
エピクロルヒドリン、ビスフエノール−Aおよび
アクリル系モノマーの反応により製造されるも
の、ならびにアクリル化ウレタン樹脂、たとえば
ジイソシアネート(たとえばトリレンジイソシア
ネート)を飽和脂肪族ジオール(たとえば1,4
ブタンジオールまたはネオペンチルグリコール)
と反応させ、次いで不飽和アルコール(たとえば
アクリル酸2−ヒドロキシエチル)と反応させる
ことにより製造されるものが含まれる。 本発明の放射線硬化性組成物は、これから形成
される層に粘着防止性を与える艶消剤を含有して
もよい。有用な艶消剤には二酸化チタン、酸化亜
鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、コロイドシ
リカ、および架橋ポリマーから形成されるポリマ
ービーズが含まれる。粒径4μm〜30μmをもつコ
ロイドシリカが特にこの目的に有用である。シリ
カ粒子がこの塗布用組成物中において沈降する傾
向を少なくするため、これを均質化処理すること
ができる。あるいは架橋ポリマービーズ、たとえ
ば架橋アクリル系ポリマーから製造されるビーズ
は沈降する傾向が少ないので、シリカ粒子の代わ
りに用いることができる。 本発明を実施するに際し、最良の結果を与える
と思われる塗布用組成物中の個々の成分および成
分の割合は、写真要素の組成により左右される。
たとえば最適な付着性をもつと思われる特定の塗
布用組成物は、画像保有層(単層または多層)中
に用いられる個々の結合剤により左右され、ある
いはその要素が支持体側に塗布されるものである
場合支持体として用いられる個々の材料により左
右される。一般に画像保有層(単層または多層)
に対する最適付着性を得るよりも、支持体に対す
る最適付着性を得る方がいつそう容易である。い
ずれかの特定の写真要素に対し最適な塗布用組成
物を配合するためには、数種の簡単な実験が必要
であるかも知れない。 本発明によりオーバーコート層で保護される写
真要素は、画像保有面に放射線硬化性組成物を塗
布する前に可視画像を形成する処理を施される。
この処理は適切な様式のいずれかによつても行わ
れる。たとえば黒白写真要素は一般に現像、定着
および洗浄からなる一連の工程で処理され、カラ
ープリントはカラー現像、漂白、定着(または同
時漂白−定着)、および安定化からなる一連の工
程で、またカラー反転写真要素は黒白ネガ現像、
次いで反転露光もしくはかぶり処理(fogging)、
カラー現像、漂白、定着(または同時漂白−定
着)、および安定化からなる一連の工程で処理さ
れる。ここに記載する本発明を使用する有利な様
式は、一般的な写真処理操作を改変して写真要素
の乾燥の後の処理における最終工程として、保護
用オーバーコートを形成させるための塗布および
硬化の工程を含めることである。塗布および硬化
の工程は希望に応じバツチ式、半連続式または連
続式で行うことができる。 放射線硬化性組成物による写真要素の塗布は、
一般的様式のいずれかによつても行われる。たと
えばこれは浸漬、被覆、エアナイフ塗布、ロール
塗布、グラビア塗布、押出被覆、ビーズ塗布、流
し塗、線巻塗布棒の使用などによつて行うことが
できる。一般に写真要素上に沈積した被膜の厚さ
は湿潤付着量として塗布用組成物2〜20cm3/m2
(塗布面)の範囲、より普通には塗布用組成物3
〜10cm3/m2の範囲、好ましくは5cm3/m2のきわめ
て薄い被覆であろう。塗布用組成物は選ばれる
個々の塗布法に応じて広範に変えることができ
る。一般に25〜1000センチポイズの範囲、より好
ましくは75〜200センチポイズの範囲の粘土をも
つ塗布用組成物から、満足すべき被覆を容易に写
真要素上に形成させることができる。 放射線硬化性組成物を修復用組成物として用い
る本発明の観点においては、処理すべき写真要素
は一般に露光および処理されて可視画像が形成さ
れており、露光もしくは処理に際し、またはより
一般的にはその後の使用に際して磨耗し、もしく
は引掻かれ、またはそのほか写真要素の外観もし
くは投影能を損うような欠損を与える形で取扱わ
れた写真要素である。掻ききずまたは磨耗きずは
露光および/または処理に際しても生じる可能性
があるが、より一般的な状況は写真要素を使用し
た結果この種の欠損が徐々に蓄積することであ
る。従つて露光および処理された写真要素を普通
に使用することにより、たとえば映画フイルムを
映写機中で、またはマイクロフイツシユをリーダ
ー中で使用することにより、一般に本発明方法に
よつて除くことができるかまたは少なくとも軽減
させることができる種類の欠損を生じる。 本発明の放射線硬化性組成物を修復組成物とし
て用いる際には、これを写真要素の少なくとも欠
損のある領域に施し、次いで硬化させる。希望に
応じブラシその他の種類のアプリケーターなど適
切な手段により欠損部に局所的に施す方法を採用
することができるので、この組成物を欠損領域に
のみ施すことができる。通常は写真要素上には多
数の小さな掻ききずおよび磨耗きずがあると思わ
れるので、欠損が認められる写真要素の表面全体
に放射線硬化性組成物を施す方が容易であり、ま
た好都合であろう。後者の処理によれば、放射線
硬化性組成物による写真要素の塗布は、好都合な
様式のいずれによつて行うこともできる。たとえ
ば、これは前記の塗布法のいずれによつても行う
ことができる。 掻ききずまたは磨耗きずをもつ写真要素の処理
に用いられる放射線硬化性組成物の粘度は、これ
を掻ききずその他の欠損部に充填するのに十分な
ほど低くなければならない。すなわちその粘度
は、施された組成物が掻ききずの上にブリツジを
形成し、その結果掻ききずが透明な硬化したポリ
マー材料の下方に見える欠損として残るほど高く
てはならない。最適粘度は、処理される写真要素
の種類、組成物の塗布法、ならびに掻ききずの幅
および深さなど多数の因子によつて左右されるで
あろう。一般にこの目的には5〜600センチポイ
ズの範囲が有用であり、好ましく範囲は10〜100
センチポイズ、より好ましい範囲は30〜40センチ
ポイズである。 放射線硬化性組成物を適切な形の輻射線で処理
することにより硬化させる装置および方法は周知
であり、本発明の実施にはいずれの適切な放射線
硬化法を用いることもできる。たとえば適切な強
度の紫外線を照射することによつて硬化させるこ
とができる。高エネルギーの電離性放射線、たと
えばX線、γ線、β線および加速された電子を用
いて被覆を硬化させることもできる。一般に、用
いられる輻射線は塗布された層の実質的に全体を
透過するのに十分な強度のものでなければならな
い。用いられる総線量は放射線硬化性組成物を硬
化させて固体プラスチツクを形成させるのに十分
なものでなければならない。一般に0.2〜50メガ
ラドの範囲、より一般的には0.5〜20メガラドの
範囲の線量が用いられる。本発明に用いられる塗
布用組成物は実質的に完全に固体生成物に交換し
うるので、硬化工程中に溶剤または希釈剤を除去
する必要はない。さらにこれらは硬化に際してほ
とんどまたは全く収縮しない。従つて掻ききずが
放射線硬化性組成物で完全に充填された場合、こ
れは硬化工程が完了したのち完全に充填した状態
を保つ。硬化工程中に被覆から除かれる溶剤また
は希釈剤を用いる必要はないが、塗布用組成物の
特性を改変する必要がある場合にはこれを用いる
ことができる。 被覆を放射線により硬化させる前に一般に40〜
150℃の温度に1〜60秒間加熱することが有利で
ある。これによつて、シランが支持体の表面と相
互に作用する機構を活性化するのに必要なエネル
ギーを与えられる。加熱するのに好都合な方法
は、赤外線ヒータの使用である。 ここに記載した方法による写真要素のオーバー
コートは、適宜写真要素をその最終寸法に切断す
る前に行うことが有利である。たとえば写真要素
が処理されて可視画像を形成し、乾燥されたの
ち、これに放射線硬化性組成物を塗布し、次いで
照射したのち切断して特定の寸法にすることがで
きる。ある場合には、写真要素の画像保有層(単
層または多層)の面のみ、または支持体面のみ放
射線硬化性組成物を塗布することで十分であろ
う。他の場合には、写真要素の両面に放射線硬化
性組成物を塗布することが望ましいであろう。た
とえば映画フイルムおよびマイクロフイツシユは
一般に、これらの物品が普通の使用に際して受け
るきわめて苛酷な取扱いからみて、またこれらの
物品に掻ききずが形成されるのを無条件に最小限
に減らす必要性があることからみて、両面に塗布
されるであろう。塗布に用いられる個々の方法に
応じて、写真要素の両面に同時に塗布してもよ
く、あるいは各面に別個に塗布してもよい。 ここに記載する放射線硬化性組成物は写真要素
の画像保有面および支持体面の双方に強固に付着
するので、画像保有面および支持体面のいずれか
または双方に保護用オーバーコートを施す際、ま
たは掻ききず、磨耗きずその他の欠損を処理する
際に有効である。これらは普通はそれと付着させ
るのが困難な材料、たとえば一般に写真要素のた
めの支持体として用いられるトリアセチルロース
またはポリエチレンテレフタレート、ならびに写
真要素の画像保有面に一般に用いられるゼラチ
ン/写真用ハロゲン化銀乳剤層または保護用ゼラ
チン層との付着を得るのに有効である。組成物を
硬化させて透明かつ柔軟な、耐引掻き性の架橋ポ
リマー層となすための照射は、画像が色素系の画
像であるカラー写真要素に関してすら、画像保有
層(単層または多層)に何ら有意の有害な作用を
与えることなく行われる。 ここに記載する放射線硬化性組成物は、写真用
支持体、画像保有層および保護用オーバーコート
層からなる要素、ならびにその後画像保有層を有
する要素の作成に用いることが意図される、画像
保有層を含まない要素に使用され、単層または多
層を形成することができる。 ここに記載する放射線硬化性組成物はここに詳
述するように特に写真要素の保護用および/また
は修復用組成物として有用であるが、これらは保
護用オーバーコートを施すことが望まれる他の多
くの用途にも有用である。たとえばこれらはアル
ミニウムパネル、床タイル、印刷版、レンズ、金
属化ガラス、金属化プラスチツクフイルム、プリ
ント回路板などの保護用オーバーコートとして用
いることができる。他の用途には、カンの製造に
用いられる薄板金のオーバーコートとしての用
途、および包装材料の印刷インキを保護するため
のオーバーコートとしての用途が含まれる。
修復処理および/または保護処理に用いられる組
成物に関する。より詳細には本発明は外観や投影
能を損う掻ききず、磨耗きずなどの欠損を除くた
め、および/またはその後の引掻きや磨耗に対し
て保護しうる保護用オーバーコート層を与えるた
めに電磁線又は放射線硬化性(radiation−
curable、以下「放射線硬化性」ともいう)組成
物が施された写真要素、たとえばスチールフイル
ム、映画フイルム、ペーパープリント、マイクロ
フイツシユなどに関する。 背景技術 保護用オーバーコート層を有する写真要素は周
知であり、保護用オーバーコートとして使用する
ために多種多様な塗布用組成物がこれまでに提示
されている。この種のオーバーコートは多数の目
的のため、たとえば指紋、磨耗および引掻きに対
して保護するため、水滴に対して保護するため、
艶消面など特定の表面組織を与えるため、粘着に
対して保護するため、またまぶしさを少なくする
反射防止層として作用させるために有用である。
目的を果たしたのち除去することを意図した一時
的な層、および永久に写真要素に付着している層
が先行技術に述べられている。 写真要素上に保護用オーバーコートを形成させ
るために従来用いられている組成物の多くはその
有用性を大幅に制限している欠点をもつ。たとえ
ば取扱いおよび使用に際して一般に過酷な条件下
に置かれるマイクロフイツシユおよび映画フイル
ムなどの写真要素に耐磨耗性および耐引掻き性を
与える際に十分に満足すべき組成物を配合するこ
とが特に困難であつた。この種の要素のために保
護用オーバーコートは透明性および柔軟性ならび
に耐磨耗性および耐引掻き性などの因子に関して
厳密な要件を満たさなければならず、また剥離の
可能性を避けるために下層材料にきわめて強固に
付着しなければならない。 過酷な使用条件下に置かれるマイクロフイツシ
ユおよび映画フイルムなどの写真要素に有用な保
護用オーバーコートは米国特許第4092173号明細
書(1978年5月30日交付)に示されている。この
明細書に記載されるように、保護用オーバーコー
トは写真要素にアクリル化ウレタン、脂肪族エチ
レン性不飽和カルボン酸、および多官能価アクリ
レートからなる放射線硬化性組成物を塗布し、こ
の被膜を照射して写真要素に付着させ、硬化させ
て透明かつ柔軟な、耐引掻き性の架橋ポリマー層
を形成させることによつて写真要素上に形成され
る。この保護用オーバーコート層は写真要素の画
像保有面、または写真要素の支持体面、または両
面に施すことができる。さらに米国特許第
4171979号明細書(1979年10月23日交付)に記載
されるように、米国特許第4092173号の組成物は、
写真要素の外観または投影能を損う引掻ききずや
磨耗きずなどの欠損をもつスチールフイルム、映
画フイルム、ペーパープリントおよびマイクロフ
イツシユなどの写真要素の処理における修復用組
成物としても有用である。修復用組成物として使
用する際には、放射線硬化性組成物を欠損部にの
み局所的に施して欠損を効果的に除き、写真要素
を実質的に欠損のない状態に修復することができ
る。あるいはこれを写真要素の全面に施して欠損
を除き、かつその後の引掻き磨耗に対して保護し
うる保護用オーバーコート層を形成させることも
できる。 米国特許第4029173号および第4171979号の放射
線硬化性組成物に対する改良が、米国特許第
4333998号明細書に記載されている。その改良は、
組成物にシロキシ含有ポリカルビノール、たとえ
ばシロキサン鎖にグラフトしたアルコール官能基
を含有するポリジメチルシロキサンを添加して、
湿潤性、均展性および塗布性を改良すること、写
真要素に対する付着性を改良すること、ならびに
硬度を改良し、耐引き掻き性を増大させ、摩擦計
数を低下させることに関する。 上記各特許の放射線硬化性塗布用組成物は写真
要素に保護用オーバーコートおよび/または修復
修理を施すことができるが、この種の組成物の改
良はきわめて望ましいであろう。特に、処理され
た写真乳剤層に対して、また写真要素に一般に用
いられる支持体材料、たとえばアセチルセルロー
ス系支持体材料およびポリエステル系支持体材料
に対する優れた付着性を示す塗布用組成物を提供
することは殊に有利であろう。この方法では、
種々の製品それぞれに使用するために適合させた
別個の組成物を提供するといういつそう不利な方
法と対比して、各種写真要素を処理するために1
種類の組成物を用いることができる。さらに、脂
肪族エチレン性不飽和カルボン酸の存在を必要と
しない塗布用組成物を提供することはきわめて有
利であろう。これらの酸は不都合な臭気を生じ、
保存寿命を低下させる原因となり、また写真要素
のある種の成分に対し望ましくない化学的攻撃を
生じる可能性があるからである。 発明の開示 本発明の課題は、放射線硬化性でありかつ上記
の改良された特性を示す塗布用組成物を提供する
ことである。この組成物は放射線硬化性であり、
写真要素上に保護被膜ないしは修復被膜を形成す
るために特に有用である。この課題は、 (1) 重合性エポキシ化合物、 (2) エポキシ化合物の重合を開始するための陽オ
イン開始剤、 (3) 重合性アクリル系化合物、 (4) アクリル系化合物の重合を開始するためのハ
ロアルキル化芳香族ケトンからなる遊離基開始
剤、および (5) 重合性有機官能性シラン、 の組合せからなる塗布用組成物によつて解決され
る。 エポキシ化合物は写真乳剤層、たとえば慣用さ
れるゼラチン/写真用ハロゲン化銀乳剤から形成
される層の表面に対する優れた付着性を与えると
いう点で、上記の配合物中において特に有利であ
る。アクリル系化合物は写真用支持体材料、たと
えば写真工業において一般に用いられるアセチル
セルロース系およびポリエステル系の支持体の表
面に対する優れた付着性を与えるという点で、上
記の配合物中において特に有利である。重合性有
機官能性シランは、写真乳剤層および支持体材料
の双方に対する付着を促進するという重要な機能
を果たす。上記の塗布用配合物は重合が陽オイン
開始剤によつて開始される成分および重合が遊離
基開始剤によつて開始される成分の双方を含み、
従つて2種の明瞭に異なる重合機構を採用するの
で、以下これを”混成(hybrid)”系と呼ぶ。こ
の種の系には一般にそれらの成分の不相容性の問
題、たとえば不完全な硬化または短かい保存寿命
に導く早期重量合または成分間の望ましくない物
理的もしくは化学的相互作用に問題があるが、本
発明によればハロアルキル化芳香族ケトン系の遊
離基開始剤によつて不相容性の問題が効果的に避
けられることは予想外であつた。本発明の混成配
合物はほとんどまたは全く臭気を示さず;優れた
保存寿命をもち;処理済の写真乳剤層、セルロー
ス系支持体およびポリエステル系支持体(たとえ
ばポリエチレンテレフタレートから構成されるも
の)にきわめて良好に付着し;ゼラチンその他の
慣用される写真要素を化学的に攻撃せず;透明
度、柔軟性および耐引掻き性に関して優れた特性
をもつ被膜を与える。 本発明の詳細を添付の図面に関して述べる。第
1図は、本発明に従つて乳剤面に保護用オーバー
コートを有する写真フイルムおよびこの種のオー
バーコートを有しない同じフイルムの双方に関し
て、曇り(%)をテーバー磨耗サイクル数の関数
としてプロセツトしたグラフである。 第2図および第3図は、それぞれトリアセチル
セルロース製およびポリエチレンテレフタレート
製支持体を有する写真フイルムの支持体面に塗布
された同一オーバーコートに関する、第1図は同
様なグラフである。 第4図は写真フイルムの乳剤面上の異なる組成
のオーバーコートに関する、第1図と同様なグラ
フである。 第5図および第6図は、それぞれトリアセチル
セルロース製およびポリエチレンテレフタレート
製支持体を有する写真フイルムの支持体面上の同
一オーバーコート組成物に関する、第4図と同様
なグラフである。 各図面において○印はオーバーコートされたも
の、×印は塗布されていないものである。 ここに記載する放射線硬化性組成物は多種多様
な写真要素において保護用オーバーコートを与え
るため、および/または掻ききず、磨耗きずなど
の欠損を処理するために用いることができる。た
とえば写真要素はスチールフイルム、映画フイル
ム、ペーパープリント、またはマイクロフイツシ
ユであつてもよい。これらはネガーポジ法におい
てネガから作成された黒白要素、カラー要素、あ
るいは反転法により直接に作成されたカラー要素
であつてもよい。きわめて驚くべきことに、放射
線硬化によつてこれら種々の型の写真要素のすべ
てに対し、その要素自体に不都合な作用を及ぼす
ことなく強固な付着が得られる。写真要素は広範
な支持体のいずれから成つていてもよい。代表的
な支持体にはニトロセルロースフイルム、アセチ
ルセルロースフイルム、ポリ(ビニルアセター
ル)フイルム、ポリスチレンフイルム、ポリエチ
レンテレフタレートフイルム、ポリカーボネート
フイルム、ガラス、金属、紙およびポリマー加工
紙が含まれる。写真要素の画像保有層(単層また
は多層)の前駆体である画像形成層(単層または
多層)は一般に親水性の水透過性コロイド中に分
散した放射線感受性薬剤(たとえばハロゲン化
銀)からなる。適切な親水性ビヒクルには、天然
物質たとえば蛋白質(たとえばゼラチン、ゼラチ
ン誘導体)、セルロース誘導体、多糖類(たとえ
ばデキストラン)、アラビアゴムなど、および合
成高分子物質たとえば水溶性ポリビニル化合物
(たとえばポリ(ビニルピロリドン)、アクリルア
ミドポリマーなど)の双方が含まれる。画像形成
層の一般例はゼラチン/写真用ハロゲン化銀乳剤
層であり、ここに記載した組成物はこの種の層に
関する欠損を処理する際に、また保護用オーバー
コートを与える際に、優れた結果を与える。 本発明の一実施態様においては、保護用オーバ
ーコートを写真要素の画像保有面にのみ施す。第
2の実施態様においては写真要素の支持体面にの
み保護用オーバーコートを施す。他の実施態様に
おいては、写真要素の両面に保護用オーバーコー
トを施す。 ここに記載する修復処理法は映画フイルムに関
して特に有利である。たとえば映画プリントフイ
ルムは映写機を多数回通過したのち著しく引掻か
れた状態になることがしばしばある。これはその
場合他の性能はなお受容できるものであつても廃
棄されなければならない。ここに記載する修復の
ための塗布用組成物の使用は、投影された画像を
損う掻ききずを少なくするのにきわめて有利であ
り、従つて掻ききずを有するフイルムが修復され
て有用に使用できる状態になる。本発明方法は映
画フイルムにおいて掻ききずが最も生じやすい支
持体面の掻ききずに関して特に有効である。しか
し、ここに記載する修復のための塗布用組成物は
画像の掻ききずに関しても著しい改良を与える。 先きに説明したように、本発明の放射線硬化性
塗布用組成物に混成系である。混成の塗布用組成
物はこれまでにたとえば米国特許第3753755号、
第3776729号、第3989610号、第4025348号、第
4025407号および第415635号各明細書に記載され
ている。しかし透明度、柔軟性、耐引掻き性、耐
磨耗性および付着性に関して特に厳格な拘束を課
する写真芸術の特殊な要求は必ずしも容易に満た
されず、他の芸術に有用な塗布用組成物がしばし
ば写真芸術においては不満足である。たとえば遊
離基重合性のアクリル系化合物および陽オイン重
合性のエポキシ化合物を含有する混成系におい
て、ベンゾフエノンおよびメチルジエタノールア
ミン(一般的な遊離基開始剤系)の混合物を使用
すると、この求核性アミンとオキシラン環の置換
反応のため系のエポキシ部分の早期重合が起こ
り、このためこの組成物は写真要素上に保護用オ
ーバーコートを形成する際使用するのには不満足
なものとなる。 本発明の放射線硬化性組成物における第1の必
須成分は重合性エポキシ化合物である。、この種
のエポキシ化合物には1,2−エポキシ環すなわ
ちオキシラン環1個または2個以上を含有する化
合物が含まれ、従つてエポキシモノマー、エポキ
シプレポリマー、およびオキシラン含有ポリマー
が含まれる。本発明の方法および組成物にはいか
なる重合性エポキシ化合物も使用できるが、好ま
しい化合物は脂肪族または脂環式の多官能価エポ
キシ化合物である。 本発明の目的に有用な重合性エポキシ化合物の
例には下記のものが含まれる。 (1) 脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテ
ル、たとえば 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル、 1,6−エキサンジオールジグリシジルエー
テル、 ジエチレングリコールジグリシジルエーテル
およびトリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル。 (2) ジカルボン酸エポキシシクロヘキシルアルキ
ル、たとえばピメリン酸ビス(3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル)、マレイン酸ビス
(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシ
ルメチル)、 コハク酸ビス(3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシルメチル)、 シユウ酸ビス(3,4−エポキシシクロヘキ
シルメチル)、 セバシン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メ
チルシクロヘキシルメチル)、および アジピン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メ
チルシクロヘキシルメチル)。 ならびに (3) シクロペンテンオキシド基1個または2個以
上を含有するエポキシド、たとえば ビス(2,3−エポキシシクロペンテル)エ
ーテル、 ジシクロペンタジエンジオキシド、 グリシジル2,3−エポキシシクロペンテル
エーテル、および2,3−エポキシシクロペン
チルシクロペンチルエーテル。 本発明の放射線硬化性組成物の第2の必須成分
は、重合性エポキシ化合物の重合を開始するため
の陽オイン開始剤である。本発明の目的のために
特に有用な陽オイン開始剤は芳香族オニウム塩で
あり、これにはa族元素の塩、たとえばホスホ
ニウム塩(たとえばヘキサフルオロリン酸トリフ
エニルフエナシルホスホニウム)、a族元素の
塩、たとえばスルホニウム塩(たとえばテトラフ
ルオロホウ酸トリフエニルスルホニウム、ヘキサ
フルオロリン酸トリフエニルスルホニウムおよび
ヘキサフルオロアンチモン酸トリフエニルスルホ
ニウム)、およびa族元素の塩、たとえばヨー
ドニウム塩(たとえば塩化ジフエニルヨードニウ
ム)が含まれる。 芳香族オニウム塩およびそれらをエポキシ化合
物の重合に際し陽オイン開始剤として使用するこ
とは、米国特許第4058401号(1977年11月15日交
付)、第4069055号(1978年1月17日交付)、第
4101513号(1978年7月18日交付)、および第
4161478号(1979年6月17日交付)各明細書に詳
述されている。 上記のほか他の陽オイン開始例、たとえばフエ
ニル基に置換基としてアルコキシ基またはベンジ
ルオキシ基を含むヘキサフルオロリン酸フエニル
ジアゾニウム類(米国特許第4000115号明細書
(1976年12月28日交付)に記載されたもの)を使
用できる。 本発明の放射線硬化性組成物の第3の必須成分
は重合性のアクリル系化合物である。有用なアク
リル系化合物には単官能性モノマーおよび多官能
性モノマーが含まれる。単官能性のアクリル系モ
ノマーの例にはアクリルエステルおよびメタクリ
ルエステル、たとえばアクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチルなどが含まれる。多官能性アクリル系
モノマーの例は下記のものが含まれる。 ネオペンチルグリコールジアクリレート、 ペンチエリスリトールトリアクリレート、 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、 トリメチルロールプロパントリアクリレート テトラエチレングリコールジアクリレート、 1,3−ブチレングリコールジアクリレート、 トリメチルロールプロパントリメタクリレー
ト、 1,3−ブチレングリコールジメタクリレー
ト、 エチレングリコールジメタクリレート、 ペンタエリスリトールテトラアクリレート、 テトラエチレングリコールジメタクリレート、 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、 エチレングリコールジアクリレート、 ジエチレングリコールジアクリレート、 グリセロールジアクリレート、 グリセロールトリアクリレート、 1,3−プロパンジオールジアクリレート、 1,3−プロパンジオールジメタクリレート、 1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレ
ート、 1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレー
ト、 1,4−シクロヘキサンジオールメタクリレー
ト、 ペンタエリスリトールジアクリレート および 1,5−ペンタンジオールジメタクリレート。 特に有用な多官能性アクリル系モノマーは次式
のものである。 上記式中R1はそれぞれ無関係に水素原子また
は1〜2個の炭素原子を有するアルキル基であ
り、R2はそれぞれ無関係に1〜6個の炭素原子
を有するアルキル基または次式 (式中R3は水素原子または1〜2個の炭素原
子を有するアルキル基である)の基である。 本発明の放射線硬化性組成物の第4の必須成分
は、重合性アクリル系化合物の重合を開始するた
めの遊離基開始剤である。この目的のために有用
な開始剤はハロアルキル化芳香族ケトンである。
これらの化合物は。それらが重合性アクリル系化
合物の重合のためにきわめて有効な開始剤であ
り、また混成系においてはしばしば生じる不相容
性の問題を避ける際にきわめて有効であるという
点で、ここに記載す混成系において特に有用であ
ることが認められた。 ハロアルキル化芳香族ケトンを不飽和化合物の
重合のための遊離基開始剤として用いることは周
知であり、たとえば米国特許第3686084号、第
3988228号および第4043887号各明細書に記載され
ている。 本発明の放射線硬化性組成物に使用するために
有用な一群のハロアルキル化芳香族ケトンは、米
国特許第3686084号のハロメチル化ベンゾフエノ
ンである。これらの化合物は次式の構造をもつ。 上記式中R1はCH2X,CHX2またはCX3であ
り、R2はH,CH3,CH2X,CHX2またはCX3で
あり、ここでXは塩素原子、臭素原子またはヨウ
素原子である。これらの化合物の例には、 下記の具体的な種類が含まれる。 p−ベンゾイルベンジルクロリド、 p−ベンゾイル−ベンザルクロリド、 p−ベンゾイルベンゾトリクロリド、 p−ベンゾイルベンジルブロミド、 p−ベンゾイルベンザルブロミド、 p−ベンゾイルベンゾトリブロミド、 4,4′−ビス−クロルメチルベンゾフエノン、 4,4′−ビス−ジクロルメチルベンゾフエノ
ン、 4,4′−ビス−トリクロルメチルベンゾフエノ
ン、 4,4′−ビス−ブロムメチルベンゾフエノン、 4,4′−ビス−ジブロメチルベンゾフエノン、 4,4′−ビス−トリブロムメチルベンゾフエノ
ン、およびo−ベンゾイルベンゾトリクロリド。 本発明の放射線硬化性組成物に用いるために有
用な第2群のハロアルキル化芳香族ケトンは米国
特許第4043887号の3,4−ビス(ハロメチル)
ベンゾフエノンである。これらの化合物は次式の
構造をもつ。 上記式中Rは水素原子、塩素原子、メトキシカ
ルボニル基、メチル基またはt−ブチル基であ
り、R1およびR1は同一または異なり、それぞれ
CH2X,CHX2またはCX3であり、ここでXは塩
素原子または臭素原子である。これらの化合物の
例には下記の具体的な種類が含まれる。 3,4−ビス(クロルメチル)ベンゾフエノ
ン、 3,4−ビス(クロルメチル)−4′−カルボメ
トキシベンゾフエノン、 3,4−ビス(クロルメチル)−4′−クロルベ
ンゾフエノン、 3,4−ビス(ブロムメチル)ベンゾフエノン
および 3,4−ビス(ジクロルメチル)ベンゾフエノ
ン。 特に以上に述べたハロメチル化ベンゾフエノン
のほかに、他の多種のハロアルキル化芳香族ケト
ンも、本発明の放射線硬化性組成物に用いること
ができる。この種の化合物の例には米国特許第
3988228号のビス(α−クロルトルイル)ベンゼ
ンおよびビス(α−ブロムトルイル)ベンゼンが
含まれる。 本発明の放射線硬化性組成物の第5の必須成分
は、重合性有機官能性シランである。これら化合
物は有効な付着促進剤である。これらのシランは
混成系の陽オイン重合した成分の一部として用い
られるエポキシシランであるか、あるいは混成系
の遊離基重合した成分の一部として用いられるア
クリル化シランである。最適な程度の付着促進能
を得るためにはエポキシシランおよびアクリル化
シランの双方を用いることがしばしば有利であ
り、双方の使用は本発明の好ましい特色である。 用いられるエポキシシランは、脂肪族、芳香族
または混合脂肪族−芳香族の2価の炭化水素基を
介して連結した末端重合性エポキシ基および末端
シラン基を有する化合物であることが好ましい。
特に有用なシランは次式の化合物である。 上記式中mは1〜6の整数、nは1〜6の整数
であり、Rは1〜6個の炭素原子を有するアルキ
ル基または次式 (式中mは1〜6の整数、nは1〜6の整数で
あり、Rは1〜6個の炭素原子を有するアルキル
基である)の基である。 エポキシシランの例には下記の具体的な種類が
含まれる。 γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、 γ−グリシドオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、 β−グリシドオキシエチルトリメトキシシラ
ン、 γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロ
ピルトリメトキシシランおよび β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン。 用いられるアクリル化シランは、脂肪族、芳香
族、または混合脂肪族−芳香族の2価の炭化水素
残基を介して連結した末端重合性アクリルオキシ
基もしくはメタクリルオキシ基および末端シラン
基を有する化合物であることが好ましい。特に有
用なアクリル化シランは次式の化合物である。 上記式中R1は水素原子またはメチル基であり、
nは1〜6の整数であり、Rは1〜6個の炭素原
子を有するアルキル基である。 アクリル化シランの例には下記の具体的な種類
が含まれる。 β−アクリルオキシエチルトリメトキシシラ
ン、 β−メタクリルオキシエチルトリメトキシシラ
ン、 β−メタクリルオキシエチルトリエトキシシラ
ン、 γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、 γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン および γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシ
ラン。 以上に述べたエポキシシランまたはアクリル化
シラン以外のシランも所望により本発明の組成物
に用いることができる。たとえば他の有用なシラ
ン化合物にはビニルシラン、たとえばビニルクロ
ロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、およびビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シランが含まれる。 上記のように本発明の放射線硬化性組成物は (1) 重合性エポキシ化合物、 (2) エポキシ化合物の重合を開始するための陽オ
イン開始剤、 (3) 重合性アクリル系化合物、 (4) アクリル系化合物の重合を開始するためのハ
ロアルキル化芳香族ケトン、および (5) 重合性有機官能性シラン からなる組成物である。2種以上の重合性エポキ
シ化合物、2種以上の陽オイン開始剤、2種以上
の重合性アクリル系化合物、または2種以上のハ
ロアルキル化芳香族ケトンの混合物も所望により
用いることができ、これらは特定の場合には有利
であろう。以下に述べるように本発明の放射線硬
化性組成物には他の多種の成分を含有させること
もできる。 放射線硬化性組成物の5種の必須成分それぞれ
の割合は希望に応じ広範に変えることができる。
一般に重合性エポキシ化合物は組成物全体の5〜
50重量%の量用いられ、陽オイン開始剤は組成物
全体の0.5〜10重量%の量用いられ、重合性アク
リル系化合物は組成物全体の20〜50重量%の量用
いられ、ハロアルキル化芳香族ケトンは組成物全
体の0.5〜10重量%の量用いられ、重合性有機官
能性シランは組成物全体の5〜40重量%の量用い
られる。個々の場合に使用する最適量は用いられ
る個々の化合物、およびその放射線硬化性配合物
を塗布される写真要素の特性により左右されるで
あろう。 本発明の放射線硬化性組成物にはシロキシ含有
ポリカルビノールが含まれていてもよい。シロキ
シ含有ポリカルビノール(有機官能性シリコーン
とも記載できる)は周知の材料である。この類の
市販されている材料の例にはダウコーニング
(DowCorning)193界面活性剤、ダウ・コーニン
グ1248液、ダウ・コーニングXF4−3557液、ダ
ウ・コーニングQ4−3667液、およびダウ・コー
ニングQ2−8026液(これらはすべてダウ・コー
ニング社(米国ミシガン州ミツドランド)から入
手される)が含まれる。これらの材料はシロキサ
ン鎖にグラフトしたアルコール官能基を含むポリ
ジメチルシロキサンである。シロキシ含有ポリカ
ビノールの具体的な構造式は下記のとおりであ
る。 および これらの式中Rは炭化水素残基(一般に1〜10
個の炭素原子を有するもの)であり、XおよびY
は一般に2〜100の範囲の値をもつ整数である。
この種のシロキシ含有ポリカルビノールは米国特
許第4130708号明細書(1978年12月19日交付)に
詳述されている。 本発明の放射線硬化性組成物は、この種の組成
物から形成される層に柔軟性を与える柔軟剤とし
て作用する樹脂を含有してもよい。この目的に有
用な樹脂にはアクリル化エポキシ樹脂、たとえば
エピクロルヒドリン、ビスフエノール−Aおよび
アクリル系モノマーの反応により製造されるも
の、ならびにアクリル化ウレタン樹脂、たとえば
ジイソシアネート(たとえばトリレンジイソシア
ネート)を飽和脂肪族ジオール(たとえば1,4
ブタンジオールまたはネオペンチルグリコール)
と反応させ、次いで不飽和アルコール(たとえば
アクリル酸2−ヒドロキシエチル)と反応させる
ことにより製造されるものが含まれる。 本発明の放射線硬化性組成物は、これから形成
される層に粘着防止性を与える艶消剤を含有して
もよい。有用な艶消剤には二酸化チタン、酸化亜
鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、コロイドシ
リカ、および架橋ポリマーから形成されるポリマ
ービーズが含まれる。粒径4μm〜30μmをもつコ
ロイドシリカが特にこの目的に有用である。シリ
カ粒子がこの塗布用組成物中において沈降する傾
向を少なくするため、これを均質化処理すること
ができる。あるいは架橋ポリマービーズ、たとえ
ば架橋アクリル系ポリマーから製造されるビーズ
は沈降する傾向が少ないので、シリカ粒子の代わ
りに用いることができる。 本発明を実施するに際し、最良の結果を与える
と思われる塗布用組成物中の個々の成分および成
分の割合は、写真要素の組成により左右される。
たとえば最適な付着性をもつと思われる特定の塗
布用組成物は、画像保有層(単層または多層)中
に用いられる個々の結合剤により左右され、ある
いはその要素が支持体側に塗布されるものである
場合支持体として用いられる個々の材料により左
右される。一般に画像保有層(単層または多層)
に対する最適付着性を得るよりも、支持体に対す
る最適付着性を得る方がいつそう容易である。い
ずれかの特定の写真要素に対し最適な塗布用組成
物を配合するためには、数種の簡単な実験が必要
であるかも知れない。 本発明によりオーバーコート層で保護される写
真要素は、画像保有面に放射線硬化性組成物を塗
布する前に可視画像を形成する処理を施される。
この処理は適切な様式のいずれかによつても行わ
れる。たとえば黒白写真要素は一般に現像、定着
および洗浄からなる一連の工程で処理され、カラ
ープリントはカラー現像、漂白、定着(または同
時漂白−定着)、および安定化からなる一連の工
程で、またカラー反転写真要素は黒白ネガ現像、
次いで反転露光もしくはかぶり処理(fogging)、
カラー現像、漂白、定着(または同時漂白−定
着)、および安定化からなる一連の工程で処理さ
れる。ここに記載する本発明を使用する有利な様
式は、一般的な写真処理操作を改変して写真要素
の乾燥の後の処理における最終工程として、保護
用オーバーコートを形成させるための塗布および
硬化の工程を含めることである。塗布および硬化
の工程は希望に応じバツチ式、半連続式または連
続式で行うことができる。 放射線硬化性組成物による写真要素の塗布は、
一般的様式のいずれかによつても行われる。たと
えばこれは浸漬、被覆、エアナイフ塗布、ロール
塗布、グラビア塗布、押出被覆、ビーズ塗布、流
し塗、線巻塗布棒の使用などによつて行うことが
できる。一般に写真要素上に沈積した被膜の厚さ
は湿潤付着量として塗布用組成物2〜20cm3/m2
(塗布面)の範囲、より普通には塗布用組成物3
〜10cm3/m2の範囲、好ましくは5cm3/m2のきわめ
て薄い被覆であろう。塗布用組成物は選ばれる
個々の塗布法に応じて広範に変えることができ
る。一般に25〜1000センチポイズの範囲、より好
ましくは75〜200センチポイズの範囲の粘土をも
つ塗布用組成物から、満足すべき被覆を容易に写
真要素上に形成させることができる。 放射線硬化性組成物を修復用組成物として用い
る本発明の観点においては、処理すべき写真要素
は一般に露光および処理されて可視画像が形成さ
れており、露光もしくは処理に際し、またはより
一般的にはその後の使用に際して磨耗し、もしく
は引掻かれ、またはそのほか写真要素の外観もし
くは投影能を損うような欠損を与える形で取扱わ
れた写真要素である。掻ききずまたは磨耗きずは
露光および/または処理に際しても生じる可能性
があるが、より一般的な状況は写真要素を使用し
た結果この種の欠損が徐々に蓄積することであ
る。従つて露光および処理された写真要素を普通
に使用することにより、たとえば映画フイルムを
映写機中で、またはマイクロフイツシユをリーダ
ー中で使用することにより、一般に本発明方法に
よつて除くことができるかまたは少なくとも軽減
させることができる種類の欠損を生じる。 本発明の放射線硬化性組成物を修復組成物とし
て用いる際には、これを写真要素の少なくとも欠
損のある領域に施し、次いで硬化させる。希望に
応じブラシその他の種類のアプリケーターなど適
切な手段により欠損部に局所的に施す方法を採用
することができるので、この組成物を欠損領域に
のみ施すことができる。通常は写真要素上には多
数の小さな掻ききずおよび磨耗きずがあると思わ
れるので、欠損が認められる写真要素の表面全体
に放射線硬化性組成物を施す方が容易であり、ま
た好都合であろう。後者の処理によれば、放射線
硬化性組成物による写真要素の塗布は、好都合な
様式のいずれによつて行うこともできる。たとえ
ば、これは前記の塗布法のいずれによつても行う
ことができる。 掻ききずまたは磨耗きずをもつ写真要素の処理
に用いられる放射線硬化性組成物の粘度は、これ
を掻ききずその他の欠損部に充填するのに十分な
ほど低くなければならない。すなわちその粘度
は、施された組成物が掻ききずの上にブリツジを
形成し、その結果掻ききずが透明な硬化したポリ
マー材料の下方に見える欠損として残るほど高く
てはならない。最適粘度は、処理される写真要素
の種類、組成物の塗布法、ならびに掻ききずの幅
および深さなど多数の因子によつて左右されるで
あろう。一般にこの目的には5〜600センチポイ
ズの範囲が有用であり、好ましく範囲は10〜100
センチポイズ、より好ましい範囲は30〜40センチ
ポイズである。 放射線硬化性組成物を適切な形の輻射線で処理
することにより硬化させる装置および方法は周知
であり、本発明の実施にはいずれの適切な放射線
硬化法を用いることもできる。たとえば適切な強
度の紫外線を照射することによつて硬化させるこ
とができる。高エネルギーの電離性放射線、たと
えばX線、γ線、β線および加速された電子を用
いて被覆を硬化させることもできる。一般に、用
いられる輻射線は塗布された層の実質的に全体を
透過するのに十分な強度のものでなければならな
い。用いられる総線量は放射線硬化性組成物を硬
化させて固体プラスチツクを形成させるのに十分
なものでなければならない。一般に0.2〜50メガ
ラドの範囲、より一般的には0.5〜20メガラドの
範囲の線量が用いられる。本発明に用いられる塗
布用組成物は実質的に完全に固体生成物に交換し
うるので、硬化工程中に溶剤または希釈剤を除去
する必要はない。さらにこれらは硬化に際してほ
とんどまたは全く収縮しない。従つて掻ききずが
放射線硬化性組成物で完全に充填された場合、こ
れは硬化工程が完了したのち完全に充填した状態
を保つ。硬化工程中に被覆から除かれる溶剤また
は希釈剤を用いる必要はないが、塗布用組成物の
特性を改変する必要がある場合にはこれを用いる
ことができる。 被覆を放射線により硬化させる前に一般に40〜
150℃の温度に1〜60秒間加熱することが有利で
ある。これによつて、シランが支持体の表面と相
互に作用する機構を活性化するのに必要なエネル
ギーを与えられる。加熱するのに好都合な方法
は、赤外線ヒータの使用である。 ここに記載した方法による写真要素のオーバー
コートは、適宜写真要素をその最終寸法に切断す
る前に行うことが有利である。たとえば写真要素
が処理されて可視画像を形成し、乾燥されたの
ち、これに放射線硬化性組成物を塗布し、次いで
照射したのち切断して特定の寸法にすることがで
きる。ある場合には、写真要素の画像保有層(単
層または多層)の面のみ、または支持体面のみ放
射線硬化性組成物を塗布することで十分であろ
う。他の場合には、写真要素の両面に放射線硬化
性組成物を塗布することが望ましいであろう。た
とえば映画フイルムおよびマイクロフイツシユは
一般に、これらの物品が普通の使用に際して受け
るきわめて苛酷な取扱いからみて、またこれらの
物品に掻ききずが形成されるのを無条件に最小限
に減らす必要性があることからみて、両面に塗布
されるであろう。塗布に用いられる個々の方法に
応じて、写真要素の両面に同時に塗布してもよ
く、あるいは各面に別個に塗布してもよい。 ここに記載する放射線硬化性組成物は写真要素
の画像保有面および支持体面の双方に強固に付着
するので、画像保有面および支持体面のいずれか
または双方に保護用オーバーコートを施す際、ま
たは掻ききず、磨耗きずその他の欠損を処理する
際に有効である。これらは普通はそれと付着させ
るのが困難な材料、たとえば一般に写真要素のた
めの支持体として用いられるトリアセチルロース
またはポリエチレンテレフタレート、ならびに写
真要素の画像保有面に一般に用いられるゼラチ
ン/写真用ハロゲン化銀乳剤層または保護用ゼラ
チン層との付着を得るのに有効である。組成物を
硬化させて透明かつ柔軟な、耐引掻き性の架橋ポ
リマー層となすための照射は、画像が色素系の画
像であるカラー写真要素に関してすら、画像保有
層(単層または多層)に何ら有意の有害な作用を
与えることなく行われる。 ここに記載する放射線硬化性組成物は、写真用
支持体、画像保有層および保護用オーバーコート
層からなる要素、ならびにその後画像保有層を有
する要素の作成に用いることが意図される、画像
保有層を含まない要素に使用され、単層または多
層を形成することができる。 ここに記載する放射線硬化性組成物はここに詳
述するように特に写真要素の保護用および/また
は修復用組成物として有用であるが、これらは保
護用オーバーコートを施すことが望まれる他の多
くの用途にも有用である。たとえばこれらはアル
ミニウムパネル、床タイル、印刷版、レンズ、金
属化ガラス、金属化プラスチツクフイルム、プリ
ント回路板などの保護用オーバーコートとして用
いることができる。他の用途には、カンの製造に
用いられる薄板金のオーバーコートとしての用
途、および包装材料の印刷インキを保護するため
のオーバーコートとしての用途が含まれる。
第1図は、本発明に従つて乳剤面に保護用オー
バーコートを有する写真フイルムおよびこの種の
オーバーコートを有しない同じフイルムの双方に
関して、曇り(%)をテーバー磨耗サイクル数の
関数としてプロツトしたグラフである。第2図お
よび第3図は、それぞれトリアセチルセルロース
製およびポリエチレンテレフタレート製支持体を
有する写真フイルムの支持体面に塗布された同一
オーバーコートに関する、第1図と同様なグラフ
である。第4図は写真フイルムの乳剤面上の異な
る組成のオーバーコートに関する、第1図と同様
なグラフである。第5図および第6図は、それぞ
れトリアセチルセルロース製およびポリエチレン
テレフタレート製支持体を有する写真フイルムの
支持表面上の同一オーバーコート組成物に関す
る、第4図と同様なグラフである。 各図面において○印はオーバーコートされたも
の、×印は塗布されていないものである。 発明を実施するための最良の形態 本発明をさらに下記の実施例によつて説明す
る。 実施例 1 下記の塗布用組成物を調製した。 成 分 重量% (1) ペンタエリスリトールトリアクリレート 53.4 (2) γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシ
シラン 12.3 (3) β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン 14.0 (4) 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル 11.0 (5) 4,4′−ビス−クロルメチルベンゾフエノン
4.3 (6) ヘキサフルオロアンチモン酸トリフエニルス
ルホニウム(炭酸プロピレン中の50%溶液 5.0 100.0 上記成分の構造式は下記のとおりであつた。 トリアセチルセルロース製支持体およびゼラチ
ン/写真用ハロゲン化銀乳剤層を有する一般的な
35mmのカラー写真映画フイルムを露光し、処理
し、両面に上記の塗布用組成物を反転オフセツト
グラビア塗布法により塗布し、これを50cm/秒の
速度で単一118W/cmの高光度水銀蒸気紫外線電
球下を6.5cmの距離で通過させた。硬化した被膜
の厚さは約1μmであつた。 塗布されたフイルムの試料および塗布されてい
ない対照試料につき、標準試験法に従つて磨耗試
験および摩擦係数試験を行つた。詳細には磨耗試
験(テーパー磨耗試験と呼ばれる)をASTM試
験法D−1044に従つて行い、摩擦係数試験(ペー
パークリツプ試験と呼ばれる)をアメリカン・ナ
シヨナル・スタンダーズ・インステイテユート社
(1430 ブロードウエイ、ニユーヨーク、ニユー
ヨーク、U.S.A10018)のANSI試験法pH1.47−
1972に従つて行つた。 ポリエチレンテレフタレート製支持体を有する
他の35mmカラープリント映画フイルムを露光し、
処理し、上記と同様に塗布し、硬化させた。この
塗布されたフイルムの試料および塗布されていな
い対照試料についても上記の磨耗試験および摩擦
係数試験を行つた。 得られた結果を下記の表ならびに第1,2お
よび3図に報告する。図面はそれぞれ写真乳剤面
上の被膜、トリアセチルセルロース製支持体上の
被膜、およびポリエチレンテレフタレート製支持
体上の被膜に関する。磨耗試験データに関して、
曇り(%)は磨耗損傷の程度を示すものである。
一定回数のテーバー磨耗サイクルにおいて曇り
(%)が高いほど被験表面の耐磨耗性は低い。
バーコートを有する写真フイルムおよびこの種の
オーバーコートを有しない同じフイルムの双方に
関して、曇り(%)をテーバー磨耗サイクル数の
関数としてプロツトしたグラフである。第2図お
よび第3図は、それぞれトリアセチルセルロース
製およびポリエチレンテレフタレート製支持体を
有する写真フイルムの支持体面に塗布された同一
オーバーコートに関する、第1図と同様なグラフ
である。第4図は写真フイルムの乳剤面上の異な
る組成のオーバーコートに関する、第1図と同様
なグラフである。第5図および第6図は、それぞ
れトリアセチルセルロース製およびポリエチレン
テレフタレート製支持体を有する写真フイルムの
支持表面上の同一オーバーコート組成物に関す
る、第4図と同様なグラフである。 各図面において○印はオーバーコートされたも
の、×印は塗布されていないものである。 発明を実施するための最良の形態 本発明をさらに下記の実施例によつて説明す
る。 実施例 1 下記の塗布用組成物を調製した。 成 分 重量% (1) ペンタエリスリトールトリアクリレート 53.4 (2) γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシ
シラン 12.3 (3) β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン 14.0 (4) 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル 11.0 (5) 4,4′−ビス−クロルメチルベンゾフエノン
4.3 (6) ヘキサフルオロアンチモン酸トリフエニルス
ルホニウム(炭酸プロピレン中の50%溶液 5.0 100.0 上記成分の構造式は下記のとおりであつた。 トリアセチルセルロース製支持体およびゼラチ
ン/写真用ハロゲン化銀乳剤層を有する一般的な
35mmのカラー写真映画フイルムを露光し、処理
し、両面に上記の塗布用組成物を反転オフセツト
グラビア塗布法により塗布し、これを50cm/秒の
速度で単一118W/cmの高光度水銀蒸気紫外線電
球下を6.5cmの距離で通過させた。硬化した被膜
の厚さは約1μmであつた。 塗布されたフイルムの試料および塗布されてい
ない対照試料につき、標準試験法に従つて磨耗試
験および摩擦係数試験を行つた。詳細には磨耗試
験(テーパー磨耗試験と呼ばれる)をASTM試
験法D−1044に従つて行い、摩擦係数試験(ペー
パークリツプ試験と呼ばれる)をアメリカン・ナ
シヨナル・スタンダーズ・インステイテユート社
(1430 ブロードウエイ、ニユーヨーク、ニユー
ヨーク、U.S.A10018)のANSI試験法pH1.47−
1972に従つて行つた。 ポリエチレンテレフタレート製支持体を有する
他の35mmカラープリント映画フイルムを露光し、
処理し、上記と同様に塗布し、硬化させた。この
塗布されたフイルムの試料および塗布されていな
い対照試料についても上記の磨耗試験および摩擦
係数試験を行つた。 得られた結果を下記の表ならびに第1,2お
よび3図に報告する。図面はそれぞれ写真乳剤面
上の被膜、トリアセチルセルロース製支持体上の
被膜、およびポリエチレンテレフタレート製支持
体上の被膜に関する。磨耗試験データに関して、
曇り(%)は磨耗損傷の程度を示すものである。
一定回数のテーバー磨耗サイクルにおいて曇り
(%)が高いほど被験表面の耐磨耗性は低い。
【表】
ト
第1〜3図のデータにより示されるように、上
記の保護用オーバーコートは写真乳剤面、トリア
セチルセルロース面、およびポリエチレンテレフ
タレート面に関して耐磨耗性の著しい改善をもた
らした。たとえばテーバーサイクル200回の水準
で曇り(%)は写真乳剤面につき約18%から約3
%に、トリアセチルセルロース面につき約30%か
ら約3%に、またポリエチレンテレフタレート面
につき約19%から約5%に低下した。 実施例 2 下記に塗布用組成物を調整した。 成 分 重量% (1) ペンタエリスリトールトリアクリレート 26.6 (2) γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシ
シラン 11.8 (3) 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル 11.8 (4) γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシ
ラン 11.8 (5) アジピン酸ビス(3.4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシルメチル) 26.6 (6) 4,4′−ビス−クロルメチルベンゾフエノン
3.9 (7) ヘキサフルオロアンチモン酸トリフエニルス
ルホニウム(炭酸プロピレン中の50%溶液)
5.9 (8) コロイドシリカ 1.0 (9) シロキシ含有ポリカルビノール 0.6 100.0 組成物中に使用したγ−グリシドオキシプロピ
ルトリメトキシシランは次式により表わされる。 アジピン酸ビス(3.3−エポキシ−6−メチル
シクロヘキシルメチル)は次式により表わされ
る。 使用したコロイドシリカはカボツト社(米国)
から入手される溶融非晶質シリカCab−O−Si
HS−5であり、シロキシ含有ポリカルビノール
はダウ・コーニング社(米国)から入手されるダ
ウ・コーニングQ4−3667液であつた。 本実施例に記載した配合においてペンタエリス
リトールトリアクリレートは高度の架橋に寄与
し、これにより優れた耐磨耗性を与えた。 γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ランは被膜−支持体界面を架橋することにより付
着促進剤として作用する。この化合物において分
子のシラン末端が支持体の表面と相互作用し、こ
れが他のアクリル酸種とのラジカル連鎖重合によ
り硬化するのに伴つてそのメタクリレート末端は
被膜中に結合含有された状態で残る。 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
は反応性の粘度降下剤として作用する。これはト
リアセチルセルロースに対するこの塗布用組成物
の付着の改善においても重要な役割を果たす。こ
の正確な理由はわからないが、その機構は粘度の
降下または1,4−ブタンジオールジグリシジル
エーテルとトリアセチルセルロースの化学的相互
作用による表面の湿潤性の改善を伴うものであろ
う。これら双方の機構が関与しているのかも知れ
ない。 γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラ
ンはこの分子のシラン末端が支持体表面と相互作
用し、他方エポキシ末端はこれが他のエポキシド
類との陽オイン重合により硬化するのに伴つて被
膜に結合含有される状態で作用する。 アジピン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシルメチル)はこの混成系のエポキ
シ部分の主成分をなす。これは反応性の高いエポ
キシモノマーであり、この系に高い陽オイン重合
速度をもたらし、オーバーコートに希望する程度
の柔軟性を与える。 4,4′−ビス−クロルメチルベンゾフエノンお
よびヘキサフルオロアンチモン酸トリフエニルス
ルホニウムは、それぞれ遊離基開始剤および陽オ
イン開始剤として作用する。この開始剤の組合せ
は、光により発生したラジカルから電子およびエ
ネルギーを伝達することにより相乗作用する。ま
た芳香族オニウム塩(たとえばヘキサフルオロア
ンチモン酸トリフエニルスルホニウム)の光分解
によてて、遊離基開始剤(たとえば4,4′−ビス
−クロルメチルベンゾフエノン、これはプロトン
を吸収してラジカルを形成する)に対するプロト
ン供与体として作用する化合物が生成する。炭酸
プロピレンは陽オイン開始剤を可溶化するために
用いられ、これは硬化に際して架橋ポリマー構造
の一部となる。 コロイドシリカは保護用オーバーコートの粘着
を低下させるために組成物に添加される。シロキ
シ含有ポリカルビノールはスリツプ剤として作用
し、保護用オーバーコート面の永続的な潤滑を与
える。これは映画フイルムに関してきわめて望ま
しい結果である。シロキシ含有ポリカルビノール
のヒドロキシ官能基は陽オイン重合部位の末端と
なることにより被膜のエポキシ部分に結合含有さ
れるものと考えられる。 それぞれトリアセチルセルロース製およびポリ
エチレンテレフタレート製の支持体を有する実施
例1の記載と同じ35mmのカラープリント映画フイ
ルムを露光し、処理し、この実施例に記載した塗
布用組成物を用いて実施例1に記載したと同じ方
法で塗布し、放射線硬化させた。これらの塗布さ
れた試料および対照につき、同じ磨耗試験および
摩擦係数試験を行つた。得られた結果を下記の表
ならびに第4,5および6図に報告する。図面
はそれぞれ写真乳剤面上の被膜、トリアセチルセ
ルロース製支持体上の被膜、およびポリエチレン
テレフタレート製支持体上の被膜に関する。
第1〜3図のデータにより示されるように、上
記の保護用オーバーコートは写真乳剤面、トリア
セチルセルロース面、およびポリエチレンテレフ
タレート面に関して耐磨耗性の著しい改善をもた
らした。たとえばテーバーサイクル200回の水準
で曇り(%)は写真乳剤面につき約18%から約3
%に、トリアセチルセルロース面につき約30%か
ら約3%に、またポリエチレンテレフタレート面
につき約19%から約5%に低下した。 実施例 2 下記に塗布用組成物を調整した。 成 分 重量% (1) ペンタエリスリトールトリアクリレート 26.6 (2) γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシ
シラン 11.8 (3) 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテ
ル 11.8 (4) γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシ
ラン 11.8 (5) アジピン酸ビス(3.4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシルメチル) 26.6 (6) 4,4′−ビス−クロルメチルベンゾフエノン
3.9 (7) ヘキサフルオロアンチモン酸トリフエニルス
ルホニウム(炭酸プロピレン中の50%溶液)
5.9 (8) コロイドシリカ 1.0 (9) シロキシ含有ポリカルビノール 0.6 100.0 組成物中に使用したγ−グリシドオキシプロピ
ルトリメトキシシランは次式により表わされる。 アジピン酸ビス(3.3−エポキシ−6−メチル
シクロヘキシルメチル)は次式により表わされ
る。 使用したコロイドシリカはカボツト社(米国)
から入手される溶融非晶質シリカCab−O−Si
HS−5であり、シロキシ含有ポリカルビノール
はダウ・コーニング社(米国)から入手されるダ
ウ・コーニングQ4−3667液であつた。 本実施例に記載した配合においてペンタエリス
リトールトリアクリレートは高度の架橋に寄与
し、これにより優れた耐磨耗性を与えた。 γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ランは被膜−支持体界面を架橋することにより付
着促進剤として作用する。この化合物において分
子のシラン末端が支持体の表面と相互作用し、こ
れが他のアクリル酸種とのラジカル連鎖重合によ
り硬化するのに伴つてそのメタクリレート末端は
被膜中に結合含有された状態で残る。 1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
は反応性の粘度降下剤として作用する。これはト
リアセチルセルロースに対するこの塗布用組成物
の付着の改善においても重要な役割を果たす。こ
の正確な理由はわからないが、その機構は粘度の
降下または1,4−ブタンジオールジグリシジル
エーテルとトリアセチルセルロースの化学的相互
作用による表面の湿潤性の改善を伴うものであろ
う。これら双方の機構が関与しているのかも知れ
ない。 γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラ
ンはこの分子のシラン末端が支持体表面と相互作
用し、他方エポキシ末端はこれが他のエポキシド
類との陽オイン重合により硬化するのに伴つて被
膜に結合含有される状態で作用する。 アジピン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシルメチル)はこの混成系のエポキ
シ部分の主成分をなす。これは反応性の高いエポ
キシモノマーであり、この系に高い陽オイン重合
速度をもたらし、オーバーコートに希望する程度
の柔軟性を与える。 4,4′−ビス−クロルメチルベンゾフエノンお
よびヘキサフルオロアンチモン酸トリフエニルス
ルホニウムは、それぞれ遊離基開始剤および陽オ
イン開始剤として作用する。この開始剤の組合せ
は、光により発生したラジカルから電子およびエ
ネルギーを伝達することにより相乗作用する。ま
た芳香族オニウム塩(たとえばヘキサフルオロア
ンチモン酸トリフエニルスルホニウム)の光分解
によてて、遊離基開始剤(たとえば4,4′−ビス
−クロルメチルベンゾフエノン、これはプロトン
を吸収してラジカルを形成する)に対するプロト
ン供与体として作用する化合物が生成する。炭酸
プロピレンは陽オイン開始剤を可溶化するために
用いられ、これは硬化に際して架橋ポリマー構造
の一部となる。 コロイドシリカは保護用オーバーコートの粘着
を低下させるために組成物に添加される。シロキ
シ含有ポリカルビノールはスリツプ剤として作用
し、保護用オーバーコート面の永続的な潤滑を与
える。これは映画フイルムに関してきわめて望ま
しい結果である。シロキシ含有ポリカルビノール
のヒドロキシ官能基は陽オイン重合部位の末端と
なることにより被膜のエポキシ部分に結合含有さ
れるものと考えられる。 それぞれトリアセチルセルロース製およびポリ
エチレンテレフタレート製の支持体を有する実施
例1の記載と同じ35mmのカラープリント映画フイ
ルムを露光し、処理し、この実施例に記載した塗
布用組成物を用いて実施例1に記載したと同じ方
法で塗布し、放射線硬化させた。これらの塗布さ
れた試料および対照につき、同じ磨耗試験および
摩擦係数試験を行つた。得られた結果を下記の表
ならびに第4,5および6図に報告する。図面
はそれぞれ写真乳剤面上の被膜、トリアセチルセ
ルロース製支持体上の被膜、およびポリエチレン
テレフタレート製支持体上の被膜に関する。
【表】
ト
第4〜6図のデータにより示されるように、上
記の保護用オーバーコートは写真乳剤面、トリア
セチルセルロース面、およびポリエチレンテレフ
タレート面に対し、著しい耐磨耗性の改善をもた
らした。たとえばテーバーサイクル200回の水準
で曇り(%)は写真乳剤面につき約26%から約4
%に、トリアセチルセルロース面につき約34%か
ら約6%に、またポリエチレンテレフタレートに
つき約19%から約7%に低下した。実施例1の配
合物に比して実施例2の配合物はよりいつそう低
い摩擦係数値を与えた。この望ましい結果は実施
例2の配合物中にシロキシ含有ポリカルビノール
が存在することによる。摩擦係数は所望によりこ
の化合物の濃度を高めることによつてさらに低下
させることができた。実施例2の配合物は、低湿
度における脆性がより低い保護用オーバーコート
を与えたという点においても実施例1のものより
優れたいた。 ここに記載する放射線硬化性組成物は優れた湿
潤性、均展性(未乾燥塗膜において塗膜の欠陥が
平坦になるのを促進する流れ特性)、および塗付
性を有し、このためこれらの組成物を写真要素に
適用することができる。これらは写真要素(写真
乳剤面、ならびに支持体材料たとえばトリアセチ
ルセルロースおよびポリエチレンテレフタレート
の面を含む)の強固に付着し、好都合なかつ入手
の容易な放射線源によつて容易に硬化して透明か
つ柔軟な、耐引掻き性の高い保護膜を形成する。
これらの塗布用組成物は優れた保存寿命をもち、
不都合な臭気をもたず、また写真要素の成分に対
する望ましくない化学的攻撃を示すことがない。
他の重要な利点は、得られるオーバーコート層が
映画フイルムの洗浄に一般に用いらえる塩素化炭
化水素などの溶剤に対して抵抗性であることであ
る。 ここに記載する混成系は、エポキシ化合物およ
びその重合を開始するための陽オイン開始剤のみ
を含有する多くの系よりもいつそう速い硬化速度
をもつという点でも有利である。これは、映画フ
イルムなどの写真要素をこの組成物でオーバーコ
ートし、たとえばこれを50cm/秒またはそれ以上
の速度で適切な紫外線源下を通過させることによ
り高速で硬化させることができるという点で重要
な利点である。さらに硬化がきわめて急速に行わ
れる場合でも、下層の支持体に対するオーバーコ
ートの付着度は普通の取扱いおよび使用に際して
遭遇する応力に十分に耐えうるものである。 ここに記載する開始剤の組合せ、すなわち陽オ
イン開始剤と遊離基開始剤として作用するハロア
ルキル化芳香族ケトンとの組合せを用いると、エ
ポキシ化合物およびアクリル系化合物の双方をこ
の系に大量に含有させることができる。たとえば
この系は実質的に等重量の各物質の混合物であつ
てもよい。これは、エポキシ化合物が主体である
系に少量のみのアクリル化合物を含有しうるか、
またはアクリル系化合物が主体である系に少量の
みのエポキシ化合物を含有しうる他の開始剤系を
使用する場合と著しく対称的である。たとえば
W.C.パーキンスによる報文”光による陽オイン
重合における新たな進歩”放射線硬化V会報、
Soc.Mfg.Eng.1980年9月23〜25日)に記載され
た混成系を参照されたい。これはベンゾフエノン
を遊離基開始剤として用い、主としてエポキシ化
合物からなるものであり、たとえばアクリル系化
合物は混成配合物全体の約15〜20重量%を占める
にすぎない。これらのベンゾフエノン開始系に実
質的にこれよりも大量のアクリル系化合物を使用
することは、これによりその配合物が適度に硬化
するのが妨げられるため不適当である。 本発明の範囲外の塗布用混成系は、不相容性と
いう著しい問題、すなわち成分間の不利な物理的
および/または化学的相互作用の発生という問題
をもつ。特に遊離基開始剤と陽オイン開始剤が、
一方が他方に“有害な作用を及ぼす”傾向を示
し、これによりその意図する目的に無効となすと
いう様式で化学的に相互作用する可能性がある。
この塗布用組成物は紫外線その他の放射線を照射
する時期よりも前に(事実これが配合されたのち
数時間または数日程度というきわめて短時間以内
に)増粘および硬化し、従つて保存寿命が不適切
であるという著しい傾向を示す可能性がある。本
発明の混成系にハロアルキル化芳香族ケトンを遊
離基開始剤として用いると、意外にもこの種の問
題が効果的に避けられ、長い保存寿命(たとえば
数か月またはそれ以上の保存寿命)が得られるこ
とが見出された。
第4〜6図のデータにより示されるように、上
記の保護用オーバーコートは写真乳剤面、トリア
セチルセルロース面、およびポリエチレンテレフ
タレート面に対し、著しい耐磨耗性の改善をもた
らした。たとえばテーバーサイクル200回の水準
で曇り(%)は写真乳剤面につき約26%から約4
%に、トリアセチルセルロース面につき約34%か
ら約6%に、またポリエチレンテレフタレートに
つき約19%から約7%に低下した。実施例1の配
合物に比して実施例2の配合物はよりいつそう低
い摩擦係数値を与えた。この望ましい結果は実施
例2の配合物中にシロキシ含有ポリカルビノール
が存在することによる。摩擦係数は所望によりこ
の化合物の濃度を高めることによつてさらに低下
させることができた。実施例2の配合物は、低湿
度における脆性がより低い保護用オーバーコート
を与えたという点においても実施例1のものより
優れたいた。 ここに記載する放射線硬化性組成物は優れた湿
潤性、均展性(未乾燥塗膜において塗膜の欠陥が
平坦になるのを促進する流れ特性)、および塗付
性を有し、このためこれらの組成物を写真要素に
適用することができる。これらは写真要素(写真
乳剤面、ならびに支持体材料たとえばトリアセチ
ルセルロースおよびポリエチレンテレフタレート
の面を含む)の強固に付着し、好都合なかつ入手
の容易な放射線源によつて容易に硬化して透明か
つ柔軟な、耐引掻き性の高い保護膜を形成する。
これらの塗布用組成物は優れた保存寿命をもち、
不都合な臭気をもたず、また写真要素の成分に対
する望ましくない化学的攻撃を示すことがない。
他の重要な利点は、得られるオーバーコート層が
映画フイルムの洗浄に一般に用いらえる塩素化炭
化水素などの溶剤に対して抵抗性であることであ
る。 ここに記載する混成系は、エポキシ化合物およ
びその重合を開始するための陽オイン開始剤のみ
を含有する多くの系よりもいつそう速い硬化速度
をもつという点でも有利である。これは、映画フ
イルムなどの写真要素をこの組成物でオーバーコ
ートし、たとえばこれを50cm/秒またはそれ以上
の速度で適切な紫外線源下を通過させることによ
り高速で硬化させることができるという点で重要
な利点である。さらに硬化がきわめて急速に行わ
れる場合でも、下層の支持体に対するオーバーコ
ートの付着度は普通の取扱いおよび使用に際して
遭遇する応力に十分に耐えうるものである。 ここに記載する開始剤の組合せ、すなわち陽オ
イン開始剤と遊離基開始剤として作用するハロア
ルキル化芳香族ケトンとの組合せを用いると、エ
ポキシ化合物およびアクリル系化合物の双方をこ
の系に大量に含有させることができる。たとえば
この系は実質的に等重量の各物質の混合物であつ
てもよい。これは、エポキシ化合物が主体である
系に少量のみのアクリル化合物を含有しうるか、
またはアクリル系化合物が主体である系に少量の
みのエポキシ化合物を含有しうる他の開始剤系を
使用する場合と著しく対称的である。たとえば
W.C.パーキンスによる報文”光による陽オイン
重合における新たな進歩”放射線硬化V会報、
Soc.Mfg.Eng.1980年9月23〜25日)に記載され
た混成系を参照されたい。これはベンゾフエノン
を遊離基開始剤として用い、主としてエポキシ化
合物からなるものであり、たとえばアクリル系化
合物は混成配合物全体の約15〜20重量%を占める
にすぎない。これらのベンゾフエノン開始系に実
質的にこれよりも大量のアクリル系化合物を使用
することは、これによりその配合物が適度に硬化
するのが妨げられるため不適当である。 本発明の範囲外の塗布用混成系は、不相容性と
いう著しい問題、すなわち成分間の不利な物理的
および/または化学的相互作用の発生という問題
をもつ。特に遊離基開始剤と陽オイン開始剤が、
一方が他方に“有害な作用を及ぼす”傾向を示
し、これによりその意図する目的に無効となすと
いう様式で化学的に相互作用する可能性がある。
この塗布用組成物は紫外線その他の放射線を照射
する時期よりも前に(事実これが配合されたのち
数時間または数日程度というきわめて短時間以内
に)増粘および硬化し、従つて保存寿命が不適切
であるという著しい傾向を示す可能性がある。本
発明の混成系にハロアルキル化芳香族ケトンを遊
離基開始剤として用いると、意外にもこの種の問
題が効果的に避けられ、長い保存寿命(たとえば
数か月またはそれ以上の保存寿命)が得られるこ
とが見出された。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 電磁線又は放射線硬化性である塗布用組成物
であつて、 (1) 重合性エポキシ化合物、 (2) 上記エポキシ化合物の重合を開始するための
陽オイン開始剤、 (3) 重合性アクリル系化合物、 (4) 上記アクリル系化合物の重合を開始するため
の、ハロアルキル化芳香族ケトンからなる遊離
基開始剤、ならびに (5) 重合性有機官能性シラン、 の組合せからなる組成物。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US06/421,694 US4426431A (en) | 1982-09-22 | 1982-09-22 | Radiation-curable compositions for restorative and/or protective treatment of photographic elements |
US421694 | 1982-09-22 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59501642A JPS59501642A (ja) | 1984-09-13 |
JPH0449933B2 true JPH0449933B2 (ja) | 1992-08-12 |
Family
ID=23671640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58502881A Granted JPS59501642A (ja) | 1982-09-22 | 1983-08-09 | 塗布用組成物ならびにそれを写真要素の修復処理および/または保護処理に使用する方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4426431A (ja) |
EP (1) | EP0119219B1 (ja) |
JP (1) | JPS59501642A (ja) |
DE (1) | DE3364713D1 (ja) |
WO (1) | WO1984001228A1 (ja) |
Families Citing this family (76)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4564557A (en) * | 1984-04-14 | 1986-01-14 | Chisso Corporation | Thermoset acrylic resin composition for coating metallic materials and stainless steel coated with the composition |
US4623676A (en) | 1985-01-18 | 1986-11-18 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Protective coating for phototools |
GB8515475D0 (en) * | 1985-06-19 | 1985-07-24 | Ciba Geigy Ag | Forming images |
US5194365A (en) * | 1985-06-19 | 1993-03-16 | Ciba-Geigy Corporation | Method for forming images |
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