[go: up one dir, main page]

JPH0435415Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0435415Y2
JPH0435415Y2 JP1986122319U JP12231986U JPH0435415Y2 JP H0435415 Y2 JPH0435415 Y2 JP H0435415Y2 JP 1986122319 U JP1986122319 U JP 1986122319U JP 12231986 U JP12231986 U JP 12231986U JP H0435415 Y2 JPH0435415 Y2 JP H0435415Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base
powder
silver powder
layer
silver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP1986122319U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6330352U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP1986122319U priority Critical patent/JPH0435415Y2/ja
Publication of JPS6330352U publication Critical patent/JPS6330352U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0435415Y2 publication Critical patent/JPH0435415Y2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Table Devices Or Equipment (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
[産業上の利用分野] この考案は、豊かな光沢を有しかつ立体感にあ
ふれた風合を呈する七宝焼に関するものである。 [従来の技術およびその問題点] 七宝焼は伝統工芸として古くから知られてお
り、工芸品や装飾品として多用されている。従
来、このような七宝焼としては有線七宝がある。
この七宝焼は、銅板の表面に銀などの針金を固定
して所定の図柄の輪郭を構成し、その輪郭の内部
に所要の色を備えたガラスの粉末を塗り付けて全
体を焼成してなるものであつて、鮮やかな色彩と
ガラス特有の艶やかな光沢とにより、見る者の趣
味的嗜好に訴えて快い印象を与えるものである。 ところで、上記のような七宝焼では、全体の光
沢がガラスの光沢によつて支配されているため、
受ける印象が単調となり、立体感に乏しいという
欠点がある。それにもかかわらず上記のような七
宝焼が従来から製造されているのは、ガラスの光
沢が七宝焼の本質とされ、そのような七宝焼が伝
統的に受け継がれてきたからである。 この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
ガラスが持つ艶やかな光沢に加えて多様な光沢を
有し、しかも立体感にあふれた風合を呈する七宝
焼を提供することを目的とするものである。 [問題点を解決するための手段] この考案の七宝焼は、基盤と、この基盤の表面
に固着された透明な下地ガラス質層と、この下地
ガラス質層上に形成された中間ガラス質層と、こ
の中間ガラス質層上に形成された透明な上地ガラ
ス質層とを具備し、前記中間ガラス質層の少なく
とも一部には、厚さが1〜3μm、粒度が30〜150
メツシユの偏平金属粉が分散されていることを特
徴としている。 [作用] この考案の七宝焼において、偏平金属粉が分散
された中間ガラス質層と基盤との間に透明な下地
ガラス質層が形成されているため、個々の偏平金
属粉は基盤から若干離れて配置され、個々の偏平
金属粉が基盤上にそれぞれの影を落とす。これに
より、偏平金属粉は基盤から舞い上がつたように
立体的に浮き上がつて見えるとともに、時折光を
反射してきらきらと輝き、この視覚効果により従
来の七宝焼では得られがたい華やかな高級感を得
ることができる。また、上地ガラス質層により、
七宝焼本来の均質な滑面光沢が得られるうえ、た
とえ中間ガラス質層の表面に露出した偏平金属粉
が存在する場合にも、この偏平金属粉が剥離した
り酸化して変色する等の問題を防ぐことが可能で
ある。また、金属粉を厚さ1〜3μmかつ粒度30〜
150メツシユの偏平形状に限定したことにより、
ガラス質層の焼成時にこれら金属粉が中間ガラス
質層の表面に表面張力で浮き上がつたり、中間ガ
ラス質層の内部で金属粉が熱応力によりカールし
たり塊状に丸まる等の変形を防ぎ、中間ガラス質
層の内部における金属粉の平面度を維持し、これ
により偏平金属粉の光反射率を高めて、前述し効
果を確実化することができる。 [実施例] 以下、この考案の一実施例を第1図および第2
図を参照しながら説明する。第1図は実施例の七
宝焼を示す平面図である。図において符号1は銅
板である。銅板1の表面には下地ホウロウ2が設
けられている。下地ホウロウ2は、無色透明のも
のであつて、ガラス粉末を銅板1の表面に塗り付
け、これを700〜850℃の温度に加熱して銅板1の
表面に融着してなるものである。また、下地ホウ
ロウ2の表面には、着色ホウロウ(ガラス質層)
3が設けられている。着色ホウロウ3は、無機顔
料とガラス粉末との混合物を下地ホウロウ2の表
面に塗り付け、上記と同様にして融着させてなる
ものである。そして、着色ホウロウ3の内部に
は、多数の銀粉4…が混入されている。 銀粉4は、粉径がほぼ一定とされた偏平状をな
すものであつて、その表面は豊かな金属光沢を呈
するように極めて平坦になされている。ここで、
銀粉4の厚さ1〜3μの範囲、また粒度は30〜150
メツシユの範囲内で選定するのが望ましい。すな
わち、厚さが1μを下回る場合には、強度が低い
ために加熱によつて銀粉4がカールしたり塊状に
なつてしまい、一方、厚さが3μを上回る場合に
は、必要以上に重くなつて経済的でない。また、
粒度が150メツシユを上回る場合には、軽いため
に表面張力によつて銀粉4が溶融したホウロウの
表面に浮き、銅板1上で移動してしまう。また、
粒度が30メツシユを下回る場合には、偏平比が大
きいために加熱により変形しやすくなり、銀の光
沢が損なわれてしまうからである。 また、上記着色ホウロウ3の表面には、さらに
仕上ホウロウ5が、設けられている。仕上ホウロ
ウ5は、無色の透明のものであつて、ガラス粉末
を着色ホウロウ3の表面に塗り付け、加熱して融
着させてなるものである。 上記七宝焼においては、着色のホウロウ3の内
部に銀粉4…を混入させているから、着色ホウロ
ウ3の艶やかな光沢と銀粉4の豊かな金属光沢と
が相まつて、優雅な風合感を出すことができ、ま
た、銀粉4の豊かな金属光沢のために銀粉4…が
着色ホウロウ3から浮き上がつて見え、立体感に
あふれたものとすることができる。したがつて、
より一層趣味感のあるものとすることができ、見
る者にさらに快い印象を与えることができる。 また、第3図は本考案の他の実施例を示す図で
ある。この図に示す七宝焼は、着色ホウロウ3の
中央部に粒径の大きな銀粉6…を配置し、その他
の箇所に微小な銀粉7…を配置してなるものであ
る。このような七宝焼においては、粒径の大きな
銀径6…の金属光沢が強調されてその部分が大き
く盛り上がつて見え、より一層立体感のあるもの
とすることができる。また、硫化処理した銀粉
(いわゆる焼箔)を用いれば、さらに優雅な風合
を出すことができる。なお、使用する金属粉は銀
粉に限るものではなく、その他金粉や銅粉などを
用いてもよい。 [実験例] 次に、実験例を挙げて本考案の効果を実証す
る。 粒径および厚さの異なる8種の偏平銀粉を使用
し、実際に七宝焼を同一条件で作成して、得られ
た七宝焼の性状を判定した。 資料No.1〜4の銀粉は、微小粒状の銀粉を一対
の圧延ロール間で圧延して得られたもので、圧延
強度を変更することにより、粒径および厚さの異
なる4種の銀粉を作成した。 一方、No.5〜8の銀粉は、一般的に使用されて
いる装飾用銀粉をふるいによつて粒径毎に分けた
ものである。この種の装飾用銀粉は、通常の銀箔
製造において叩き延ばされた銀箔を正方形に切断
する際に生じる周縁部分、いわゆる切り回し屑を
粉砕して得られたもので、粒径の大小に拘わら
ず、厚さはほぼ一定になつている。 試料作成は次の手順で行なつた。 まず、基盤となる10cm×14cm×1.5mmの銅板の
前面に釉薬粉末(ガラス質)を一定厚で分散し、
これを焼成して下地ガラス質層を1mmの厚さに形
成し、共通な測定片を2枚作成した。 次いで、各測定片の下地ガラス質層上に、各4
種の銀粉をそれぞれ3cm幅の帯状で4列に間隔を
空けて撒いた。なお、撒きかたとしては、各列の
長手方向一端側から他端側にかけて徐々に銀粉分
散密度が高くなるようにした。さらに、各測定片
の前面に亙つて上記と同じ釉薬粉末を一定の厚さ
に撒き、850℃×10分の加熱条件で焼成した。焼
成後の表面側ガラス質層の厚さは約1mmだつた。 その後、本来ならば上地ガラス質層を形成する
のであるが、本実験では比較のため、上地ガラス
質層を省いた。 得られた8種の七宝焼を光学顕微鏡で観察し、
以下の項目について良否を判定した。 熱変形 銀粉が、焼成時の高熱によつてカールしたり、
縮んだり、塊状に変形していないかを確認した。 酸化状態 銀粉が焼成時に酸化して、黒つぽく変色してい
ないかを確認した。 光沢 個々の銀粉の平坦度が、ガラス質層の内部にお
いて保たれ、高い反射率を維持しているか、また
その光沢が装飾品としての美感を備えているか否
かを確認した。 浮遊状態 個々の銀粉が、上側のガラス質層内で厚さ方向
に均一分散しているかを確認した。銀粉がガラス
質層の中で沈降しすぎていたり、ガラス質層の表
面に浮き上がつて露出すると、いずれの場合も銀
粉が水平に積み重なり、その表面が同一方向へ向
くため、光沢が単調になる。また、いずれの場合
も、深度に応じた陰影が各銀粉に生じず、立体的
に見えないため、本考案が目的としている装飾性
が得られない。 以上の判定結果を第1表に示す。
【表】 表から明らかなように、本発明の請求範囲に属
するNo.2およびNo.3では、全項目に亙つてほぼ満
足のいく結果が得られた。すなわち、個々の銀粉
はガラス質層の内部で3次元的に均一に分散し、
様々な方向に光沢面を向けて配置され、全体とし
て複雑な光沢および立体感が得られた。また、酸
化による変色や加熱による変形を生じず、個々の
銀粉の輝度が高く保たれた。 これに対し、No.1では一部の銀粉が浮き上がつ
てガラス質層の表面に露出し、これら露出した銀
粉が焼成過程で酸化して黒つぽく変色した。 また、No.4では銀粉の大部分がガラス質層内で
沈降し、ガラス質層で覆われて輝度および光沢が
低下したうえ、銀粉の向きが水平に揃つてしまう
ため、光沢が粗くなつた。 さらにNo.5〜8は、いずれも銀粉の厚さが薄す
ぎて加熱により縮んだうえ、銀粉の一部が表面に
露出し酸化し、黒ずんでしまつた。したがつて、
光沢や立体感が著しく低かつた。 [考案の効果] 以上説明したように、本考案の七宝焼において
は、厚さ1〜3μmで粒度30〜150メツシユの偏平
形状の偏平金属粉を使用することにより、中間ガ
ラス質層の焼成時に、これら偏平金属粉が中間ガ
ラス質層の表面に表面張力で浮き上がつたり、カ
ールや縮み、塊状に丸まる等の変形を生じること
なく、平面度を維持したまま、個々の偏平金属粉
を中間ガラス質層の内部で3次元的に分散させる
ことができる。これにより、個々の偏平金属粉は
中間ガラス質層の内部で、その光沢面を様々な方
向に向けて配置され、広範な角度に向けてきらき
らと輝き、高い装飾性が得られる。また、上記範
囲の偏平金属粉は中間ガラス質層の表面に露出し
ないため、焼成時に酸化して変色することもな
い。 さらに、中間ガラス質層の内部で偏平金属粉は
様々な向きで3次元的に配置されているうえ、中
間ガラス質層と基盤との間には透明な下地ガラス
質層が形成されているため、全ての偏平金属粉は
基盤から若干離れて配置され、偏平金属粉は基盤
から舞い上がつたように立体的に浮き上がつて見
える。この視覚効果により従来の七宝焼では得ら
れがたい風雅さを得ることができる。 また、上地ガラス質層により、七宝焼本来の均
質な滑面光沢が得られるうえ、たとえ中間ガラス
質層の表面に露出した偏平金属粉が存在する場合
にも、この偏平金属粉が剥離したり酸化して変色
する等の問題を防ぐことが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本考案の一実施例を示す
図であつて、第1図は七宝焼を示す平面図、第2
図は第1図の−線視断面図、第3図は本考案
の他の実施例を示す図である。 1……銅板(基盤)、2……下地ホウロウ(下
地ガラス質層)、3……着色ホウロウ(中間ガラ
ス質層)、5……仕上ホウロウ(仕上ガラス質
層)、4……銀粉(金属粉)、6……銀粉(金属
粉)、7……銀粉(金属粉)。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 基盤と、この基盤の表面に固着された透明な下
    地ガラス質層と、この下地ガラス質層上に形成さ
    れた中間ガラス質層と、この中間ガラス質層上に
    形成された透明な上地ガラス質層とを具備し、 前記中間ガラス質層の少なくとも一部には、厚
    さが1〜3μm、粒度が30〜150メツシユの偏平金
    属粉が分散されていることを特徴とする七宝焼。
JP1986122319U 1986-08-09 1986-08-09 Expired JPH0435415Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1986122319U JPH0435415Y2 (ja) 1986-08-09 1986-08-09

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1986122319U JPH0435415Y2 (ja) 1986-08-09 1986-08-09

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6330352U JPS6330352U (ja) 1988-02-27
JPH0435415Y2 true JPH0435415Y2 (ja) 1992-08-21

Family

ID=31012395

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1986122319U Expired JPH0435415Y2 (ja) 1986-08-09 1986-08-09

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0435415Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001162993A (ja) * 1999-12-06 2001-06-19 Ando Shippoten:Kk 七宝焼およびその製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5740253Y2 (ja) * 1975-02-05 1982-09-04

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6330352U (ja) 1988-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4543803A (en) Lightweight, rigid, metal product and process for producing same
CN1274633C (zh) 一种镀金属抛釉陶瓷制品及其制作工艺
US3049459A (en) Luminous floor or wall covering and method of manufacture
JPH0435415Y2 (ja)
Buckton Enamelling on gold: A historical perspective
EP0565494A1 (en) Method for the figurative and chromatic decoration of flat glass and articles of manufacture made thereby
CN1046496A (zh) 金属丝壁饰画及其制造方法
EP0566820B1 (de) Verfahren zum Dekorieren von silicatischen Gegenständen mit Edelmetall
CN1300042C (zh) 瓷砖及其加工方法
JP2640328B2 (ja) 装飾効果に優れた七宝焼製品の製造方法および装飾効果に優れた七宝焼製品
US5091136A (en) Method of relief stamping mother-of-pearl plates
CN2062288U (zh) 金属丝壁饰画
US1819535A (en) Decorative product
CN2752261Y (zh) 一种镀金属抛釉陶瓷制品
Mattusch Corinthian Metalworking an Inlaid Fulcrum Panel
Lalak The artist-potter: an analysis of historical influences and contemporary aesthetic concerns
US1506014A (en) Decorated body and process por making same
CN100439278C (zh) 马赛克及其加工方法
Millet Some American Tiles
JPH0440309B2 (ja)
JPS60169574A (ja) ホ−ロ−加工物
JPH04122203A (ja) シリコン装飾品
Kutsenko et al. Mixed technologies of artistic ceramics processing for the jewelery manufacture
US217279A (en) Improvement in jewelry
JPS5946800B2 (ja) 樹脂を利用した装飾物の製造方法