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JPH04323281A - コーティング用組成物、放熱性絶縁膜および金属ベース基板 - Google Patents

コーティング用組成物、放熱性絶縁膜および金属ベース基板

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Publication number
JPH04323281A
JPH04323281A JP9449591A JP9449591A JPH04323281A JP H04323281 A JPH04323281 A JP H04323281A JP 9449591 A JP9449591 A JP 9449591A JP 9449591 A JP9449591 A JP 9449591A JP H04323281 A JPH04323281 A JP H04323281A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
coating composition
component
parts
base substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9449591A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Hashimoto
登 橋本
Kazuo Seto
和夫 瀬戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP9449591A priority Critical patent/JPH04323281A/ja
Publication of JPH04323281A publication Critical patent/JPH04323281A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属ベース基板の絶
縁層などに利用されるコーティング用組成物および放熱
性絶縁膜に関し、更には、放熱性および耐水性に優れた
絶縁層を有する金属ベース基板に関する。
【0002】
【従来の技術】電子回路用基板を含むエレクトロニクス
分野においては、高放熱性を有する絶縁層が強く望まれ
てきている。従来、高放熱性の絶縁層としては、窒化ア
ルミニウム(以下では、「AlN」と言うことがある)
やアルミナセラミックスが利用されている。これらは、
いずれもその製造に高温熱処理を要するものであり、通
常、セラミックス焼結体として得られ、大面積に安価に
製造することは困難である。また、これらのセラミック
スを膜状に形成する方法も検討されており、CVD(C
hemical Vapor Deposition)
法、PVD(Physical Vapor Depo
sition)法やゾル−ゲル法などが提案されている
【0003】一方、金属ベース基板などでは樹脂を絶縁
層として使用しているが、放熱性に劣る。このため、樹
脂にセラミックス粉末を分散させて放熱性の向上が行わ
れている。このようなセラミックス粉末としては、放熱
性に優れる窒化アルミニウムの利用が期待される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】CVD法は、製膜に5
00℃以上の高温が通常必要とされ、また、大面積化に
ついても課題を残している。PVD法やゾル−ゲル法で
は、膜厚を十分に取りにくいため、絶縁層の耐電圧など
に問題がある。樹脂からなる絶縁層を使用する場合、樹
脂は本質的に耐水性が十分ではないため、長期信頼性の
点で不満が残る。分散セラミックス粉末として窒化アル
ミニウム粉末を用いようとしても、窒化アルミニウムが
それ自身耐水性に乏しいため、樹脂層の透水性レベルで
はその劣化が著しく、使用できない。
【0005】この発明は、高放熱性および高電気絶縁性
を有する絶縁層を安価に大面積に製造することができる
コーティング用組成物を提供することを第1の課題とす
る。この発明は、高放熱性および高電気絶縁性を有する
絶縁層となる放熱性絶縁膜を提供することを第2の課題
とする。さらに、この発明は、そのような絶縁層を有す
る金属ベース基板を提供することを第3の課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、以上の点の
改善を検討した結果、高放熱で高電気絶縁性を有する絶
縁層を安価に大面積に製造することができるこの発明を
完成した。すなわち、この発明は、上記第1の課題を解
決するために、(A)一般式(I) R1nSiX4−n                
  …(I)(式中、R1 は同一または異種の置換も
しくは非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、
nは0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す。)で表わ
される加水分解性オルガノシランを有機溶媒または水に
分散されたコロイダルシリカ中で部分加水分解してなる
、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液、 (B)平均組成式(II) R2aSi(OH)bO(4−a−b)/2   …(
II)(式中、R2 は同一または異種の置換もしくは
非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよ
びbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3
、a+b<4の関係を満たす数である。)で表わされる
、分子中にシラノール基を含有するポリオルガノシロキ
サン、(C)触媒、および、(D)窒化アルミニウム粉
末を必須成分とするコーティング用組成物を提供する。
【0007】この発明は、上記第2の課題を解決するた
めに、このようなコーティング用組成物から作られた放
熱性絶縁膜を提供する。この発明は、さらに、上記第3
の課題を解決するために、絶縁層としてこのような放熱
性絶縁膜を有する金属ベース基板を提供する。一般式(
I)で表される加水分解性オルガノシラン中の基R1 
は炭素数1〜8の置換または非置換の1価の炭化水素基
を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基などのシクロアルキル基;2−フェニルエチル基
、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基な
どのアラルキル基;フェニル基、トリル基のようなアリ
ール基;ビニル基、アリル基のようなアルケニル基;ク
ロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−ト
リフルオロプロピル基のようなハロゲン置換炭化水素基
およびγ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキ
シプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル
基、γ−メルカプトプロピル基などの置換炭化水素基な
どを例示することができる。これらの中でも合成の容易
さ、あるいは入手の容易さから炭素数1〜4のアルキル
基およびフェニル基が好ましい。
【0008】加水分解性基のXとしてはアルコキシ基、
アセトキシ基、オキシム基(下式化1参照)、エノキシ
基(下式化2参照)、アミノ基、アミノキシ基(下式化
3参照)、アミド基(下式化4参照)などが挙げられる
。入手の容易さおよびシリカ分散オリゴマー溶液を調製
しやすいことからアルコキシ基が好ましい。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】このような加水分解性オルガノシランとし
ては、一般式(I)中のnが0〜3の整数であるモノ−
、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキシシラ
ン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、エノキ
シシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン類、ア
ミドシラン類などが挙げられる。入手の容易さおよびシ
リカ分散オルガノシランオリゴマー溶液を調製しやすい
ことからアルコキシシラン類が好ましい。
【0014】特に、n=0のテトラアルコキシシランと
してはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランな
どが例示でき、n=1のオルガノトリアルコキシシラン
としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン
などが例示できる。また、n=2のジオルガノジアルコ
キシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキ
シシランなどが例示でき、n=3のトリオルガノアルコ
キシシランとしてはトリメチルメトキシシラン、トリメ
チルエトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン
、ジメチルイソブチルメトキシシランなどが例示できる
。さらに一般にシランカップリング剤とよばれるオルガ
ノシラン化合物もアルコキシシラン類に含まれる。
【0015】また、水分散性コロイダルシリカを使用す
る場合、固形分以外の成分として存在する水は(A)成
分の有機ケイ素化合物の加水分解に用いることができる
。これらは通常水ガラスから作られるが、このようなコ
ロイダルシリカは市販品を容易に入手することができる
。また有機溶媒分散コロイダルシリカは前記水分散性コ
ロイダルシリカの水を有機溶媒と置換することで容易に
調製することができる。このような有機溶剤分散コロイ
ダルシリカも水分散コロイダルシリカ同様に市販品とし
て容易に入手する事ができる。コロイダルシリカが分散
している有機溶媒の種類は、例えば、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール(IPAとも言う)、n−ブ
タノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類
;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチル
エーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル
等のエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール
、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチ
レングリコールの誘導体及びジアセトンアルコール等を
挙げることができ、これらからなる群より選ばれた1種
もしくは2種以上のものを使用することができる。これ
らの親水性有機溶剤と併用してトルエン、キシレン、酢
酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、メチルエチルケトオキシムなども用い
ることができる。
【0016】水の使用量は、加水分解性基(X)1モル
に対して水0.001〜0.5モルが好ましい。その割
合が0.001モル未満だと十分な部分加水分解物が得
られず、0.5モルを越えると部分加水分解物の安定性
が悪くなることがある。部分加水分解する方法は特に限
定されない。たとえば、加水分解性オルガノシランとコ
ロイダルシリカとを混合して、必要量の水を添加配合す
ればよく、このとき部分加水分解反応は常温で進行する
。部分加水分解反応を促進させるため60〜100℃に
加温してもよい。さらに部分加水分解反応を促進させる
目的で、塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、クロロ酢酸、
クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピ
オン酸、グルタル酸、グリコール酸、マレイン酸、マロ
ン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸およ
び無機酸を触媒に用いてもよい。
【0017】これらの一般式(I)で表される加水分解
性オルガノシランのうち50モル%以上がn=1で表さ
れる三官能性の物であることが好ましく、より好ましく
は60モル%以上であり、最も好ましくは70モル%以
上である。これが50モル%未満では十分な塗膜硬度が
得られないと共に、乾燥硬化性が劣り易いことがある。
【0018】(A)成分中のコロイダルシリカは本願発
明で用いるコーティング用組成物の硬化被膜の硬度を高
くするために必須のものである。このようなコロイダル
シリカとしては水分散性あるいはアルコールなどの非水
系の有機溶媒分散性コロイダルシリカが使用できる。一
般にこの様なコロイダルシリカは固形分としてのシリカ
を20〜50重量%含有しており、この値からシリカ配
合量を決定できる。また、水分散性コロイダルシリカを
使用する場合、固形分以外の成分として存在する水は(
A)成分の有機ケイ素化合物の加水分解に用いることが
できる。これらは通常水ガラスから作られるが、このよ
うなコロイダルシリカは市販品を容易に入手することが
できる。
【0019】(A)成分中においてコロイダルシリカは
シリカ分として好ましくは5〜95重量%の範囲で含有
される。より好ましくは10〜90重量%、最も好まし
くは20〜85重量%の範囲である。含有量が5重量%
未満であると所望の被膜硬度が得られず、また95重量
%を超えるとシリカの均一分散が困難となり、(A)成
分がゲル化などの不都合を招来することがある。
【0020】また、上式(I)、(II)の成分でコー
ティング層を形成するときなどの(II)の成分、すな
わち、(B)成分のシラノール基含有ポリオルガノシロ
キサンは本発明の特徴をなす重要な成分である。このよ
うな(B)成分は平均組成式 R2aSi(OH)bO(4−a−b)/2   …(
II)(式中、R2 は同一または異種の置換もしくは
非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよ
びbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3
、a+b<4の関係を満たす数である。)で表すことが
出来る。 式中R2 としては上記(I)中のR1 と同じものが
例示されるが、好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基
、フェニル基、ビニル基、γ−グリシドキシプロピル基
、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アミノプロピル
基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換炭
化水素基、より好ましくはメチル基およびフェニル基で
ある。また、式中aおよびbはそれぞれ上記の関係を満
たす数であり、aが0.2未満またはbが3を超えると
硬化被膜にクラックを生じるなどの不都合があり、また
、aが2を超え4以下の場合またはbが0.0001未
満では硬化がうまく進行しない。
【0021】このようなシラノール基含有ポリオルガノ
シロキサンは、たとえば、メチルトリクロロシラン、ジ
メチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジ
フェニルジクロロシラン、もしくはこれらに対応するア
ルコキシシランの1種もしくは2種以上の混合物を公知
の方法により大量の水で加水分解することで得ることが
できる。シラノール基含有ポリオルガノシロキサンを得
るのに、アルコキシシランを用いて公知の方法で加水分
解した場合、加水分解されないアルコキシ基が微量に残
る場合がある。つまりシラノール基と極微量のアルコキ
シ基が共存するようなポリオルガノシロキサンが得られ
る事もあるが、この発明では、この様なポリオルガノシ
ロキサンを用いても差支えない。
【0022】この本発明の(C)成分である硬化触媒は
、上記(A)成分と(B)成分との縮合反応を促進し、
被膜を硬化させるものである。このような触媒としては
、アルキルチタン酸塩、オクチル酸錫およびジブチル錫
ジラウレート、ジオクチル錫ジマレエート等のカルボン
酸の金属塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジメ
チルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート等
のアミン塩;酢酸テトラメチルアンモニウム等のカルボ
ン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミンの
ようなアミン類;N−β−アミノエチル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン系
シランカップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタ
ル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシド、アル
ミニウムキレート等のアルミニウム化合物、水酸化カリ
ウムなどのアルカリ触媒;テトライソプロピルチタネー
ト、テトラブチルチタネート、チタニウムテトラアセチ
ルアセトネート等のチタニウム化合物、メチルトリクロ
ロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルモノク
ロロシラン等のハロゲン化シラン等があるが、前記触媒
の他に(A)成分および(B)成分との縮合反応に有効
なものであればとくに制限はない。
【0023】(A)成分および(B)成分の配合割合は
、(A)成分1〜99重量部に対して(B)成分99〜
1重量部が好ましく、より好ましくは(A)成分5〜9
5重量部に対して(B)成分95〜5重量部、最も好ま
しくは(A)成分10〜90重量部に対して(B)成分
90〜10重量部である(ただし、(A)成分と(B)
成分の合計は100重量部である)。(A)成分が1重
量部未満であると常温硬化性に劣り、また十分な被膜硬
度が得られないし、一方、99重量部を超えると硬化性
が不安定でかつ良好な塗膜が得られないことがある。
【0024】また、(C)成分の添加量は(A)成分と
(B)成分との合計100重量部に対して0.0001
〜10重量部であることが好ましい。より好ましくは0
.0005〜8重量部であり、最も好ましくは0.00
07〜5重量部である。0.0001重量部未満だと常
温で硬化しないことがあり、また、10重量部を越える
と耐熱性、耐候性が悪くなることがある。
【0025】(D)成分は、絶縁層に十分な放熱性を付
与するための分散セラミックス粉末であり、たとえば、
少なくともAlN粉末を含む(全体または一部がAlN
粉末である)無機粉末である。この無機粉末は、粒径に
特に制限はないが、たとえば、0.2〜40μmが好ま
しく、0.4〜30μmがより好ましい。セラミックス
粉末の添加量は、たとえば、絶縁層に対して40wt%
から88wt%までの範囲内がよい。40wt%未満の
場合、放熱性が不十分となり、88wt%を超えると、
絶縁層の平滑性が著しく低下することがある。また、A
lN粉末の添加量は、セラミックス粉末100重量部に
対して30重量部以上が好ましい。30重量部未満では
十分な放熱性能が得られにくくなってしまうことがある
【0026】本発明のコーティング用組成物の保存方法
としては、(A)および(B)のうちのいずれかに(D
)を分散させておいて、使用時に(C)成分を加える3
包装形をとるのが一般的であるが、(A)成分に(D)
成分を分散しておいて、さらに(C)成分を加えた混合
成分と(B)成分とを分けて2包装形としておき、使用
時に両者を混合するか、すべての成分を混合して一容器
内に保存する1包装形とすることも可能である。
【0027】本発明のコーティング用組成物は通常の塗
布方法でコーティングすることができ、例えば刷毛塗り
、スプレー、浸漬、フロー、ロール、カーテン、ナイフ
コート等の各種塗布方法を選択することができる。また
有機溶媒での希釈割合は特に制限はなく必要に応じて希
釈割合を決定すれば良い。また、この発明のコーティン
グ用組成物には、必要に応じてレベリング剤、増粘剤、
顔料、染料、アルミペースト、ガラスフリット、金属粉
、抗酸化剤等を本願発明に影響を与えない範囲内で添加
することができる。
【0028】セラミックス粉末の分散は、通常の方法で
行えばよい。また、その際、分散剤、分散助剤、増粘剤
、カップリング剤等の使用が可能である。さらには、レ
ベリング剤、染料、金属粉、ガラス粉、抗酸化剤等を添
加することができる。この発明のコーティング用組成物
は、取り扱いの容易さから各種有機溶媒で希釈されて使
用できる。有機溶媒の種類は、(A)成分あるいは(B
)成分の一価炭化水素基の種類もしくは分子量の大きさ
によって選定することができる。このような有機溶媒と
しては、コロイダルシリカの分散溶媒として示したもの
等を挙げることができ、これらからなる群より選ばれた
1種もしくは2種以上のものを使用することができる。 これらの親水性有機溶媒と、トルエン、キシレン、酢酸
エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、メチルエチルケトオキシムなどの溶剤を
併用することができる。
【0029】このコーティング用組成物を用いて形成さ
れるこの発明の絶縁膜(被膜である場合も含む)は高い
放熱性を有する。コーティング用組成物の製膜のための
処理温度は、たとえば、常温から加熱温度までの間で適
宜設定すればよい。この処理により、シロキサン結合を
有する有機ケイ素化合物からなる絶縁膜が生成する。こ
の絶縁膜中に分散されている粉末の全部または一部がA
lN粉末である。
【0030】また、被膜の厚みは特に制限は無く、0.
1〜150μmであれば良いが、塗膜が長期的に安定に
密着、保持され、クラックやハガレが発生しないために
は、1〜100μmがより好ましい。この発明の金属ベ
ース基板は、このような絶縁膜を絶縁層として有する。 すなわち、この発明のコーティング用組成物を金属層に
コーティングして製膜させるのである。金属層としては
、たとえば、通常の金属ベース基板に使用されるもの(
たとえばCu、Alなどの金属板や金属箔など)が利用
される。
【0031】この発明では、たとえば、図1にみるよう
に、CuやAlなどの金属板1の片面に、窒化アルミニ
ウム粉末2を含む有機ケイ素化合物絶縁層3が形成され
ている金属ベース基板4でもよいし、図2にみるように
、CuやAlなどの金属層(たとえば、2つの金属層の
うち、一方は金属板5、他方は金属箔6である)の間に
挟まれて、窒化アルミニウム粉末2を含む有機ケイ素化
合物絶縁層3が形成されている金属ベース基板7でもよ
く、特に限定はない。
【0032】
【作用】上記成分(A)〜(D)を必須成分とするコー
ティング用組成物から形成される絶縁膜は、AlN粉末
が分散されており、放熱性が高く、しかも、耐水性もよ
い。
【0033】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施に限定されない。な
お、以下では、「部」はすべて「重量部」を、「%」は
すべて「重量%」を表す。まず(A)成分の調製方法の
例を説明する。 (調製例A−1)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ーおよび温度計を取付けたフラスコ中にIPA−ST(
イソプロパノール分散コロイダルシリカゾル:粒子径1
0〜20mμ、固形分30%、H2O0.5%、日産化
学工業社製)100部、メチルトリメトキシシラン68
部、ジメチルジメトキシシラン18部、水2.7部およ
び無水酢酸0.1部を投入して攪拌しながら80℃の温
度で約3時間かけて部分加水分解反応を行い冷却して(
A)成分を得た。このものは、室温で48時間放置した
ときの固形分が36%であった。ここで得た(A)成分
をA−1と称する。A−1の調製条件は次のとおりであ
った。 ・加水分解性基1モルに対する水のモル数:1×10−
1・(A)成分のシリカ分含有量:40.2%・n=1
の加水分解性オルガノシランのモル%:77モル% (調製例A−2) 攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を取
り付けたフラスコ中に、IPA−ST(イソプロパノー
ル分散コロイダルシリカゾル:粒子径10〜20mμ、
固形分30%、H2O 0.5%日産化学工業社製)1
00部、メチルトリメトキシシラン68部、フェニルト
リメトキシシラン49.5部、水7.7部を投入して攪
拌しながら65℃の温度で約5時間かけて部分加水分解
反応を行い冷却して(A)成分を得た。このものは、室
温で48時間放置したときの固形分が36%であった。 ここで得た(A)成分をA−2と称する。A−2の調製
条件は次のとおりであった。 ・加水分解性基1モルに対する水のモル数:2×10−
1・(A)成分のシリカ分含有量:31.3%・n=1
の加水分解性オルガノシランのモル%:100モル% 次に(B)成分の調製方法の例を説明する。 (調製例B−1)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロートおよび温度計を取付けたフラスコにメチ
ルトリイソプロポキシシラン220部(1モル)とトル
エン150部との混合液を計り取り、1%塩酸水溶液1
08部を上記混合液に20分で滴下してメチルトリプロ
ポキシシランを加水分解した。滴下40分後に攪拌を止
め、二層に分離した少量の塩酸を含んだ下層の水・イソ
プロピルアルコールの混合液を分液し、次に残ったトル
エンの樹脂溶液の塩酸を水洗で除去し、さらにトルエン
を減圧除去した後、イソプロピルアルコールで希釈し平
均分子量約2000のシラノール基含有オルガノポリシ
ロキサンのイソプロピルアルコール40%溶液を得た。 これをB−1と称する。なお、分子量はGPC(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー)により、測定機種
名HLC−802UR(東ソー株式会社製)を用いて、
標準ポリスチレンで検量線を作成し、測定したものであ
る。以後の分子量も同様の方法で測定した。 (調製例B−2)攪拌機、加温ジャケット、コンデンサ
ー、滴下ロートおよび温度計を取付けたフラスコに水1
000部、アセトン50部を計り取り、その混合溶液中
に、メチルトリクロロシラン44.8部(0.3モル)
、ジメチルジクロロシラン38.7部(0.3モル)、
フェニルトリクロロシラン84.6部(0.4モル)を
トルエン200部に溶解したものを攪拌下に滴下しなが
ら加水分解した。滴下40分後に攪拌を止め、反応液を
分液ロートに移し入れて静置した後、二層に分離した下
層の塩酸水を分液除去し、次に上層のオルガノポリシロ
キサンのトルエン溶液中に残存している水、および塩酸
を減圧ストリッピングにより過剰のトルエンと共に留去
して除去し、平均分子量約3000のシラノール基含有
オルガノポリシロキサンのトルエン60%溶液を得た。 これをB−2と称する。
【0034】−実施例1〜3− 表1に示す各A成分にAlN粉末(粒径15μm)を、
コーティング材に対し(A〜C成分の合計100%に対
し)70%となるよう添加した後、グレンミル(浅田鉄
工株式会社製)で滞留時間15分間で分散させた。Al
N粉末を分散させたA液にそれぞれ表1に示す配合にな
るようにB,C成分を混合してコーティング用組成物か
らなるコーティング液を得た。
【0035】
【表1】
【0036】−実施例4〜6− 実施例1〜3の各コーティング液を、化成処理した厚み
1mmのアルミニウム板に厚みが70μmとなるようエ
アスプレーで吹き付け、セッティングを10分間行った
。 その後、35μmの銅箔とプレスで圧着させた後、10
0℃で30分間処理し、銅箔の上にこれと一体に有機ケ
イ素化合物絶縁膜が形成されている金属ベース基板を得
た。このようにして製造した金属ベース基板をそれぞれ
■、■、■と称する。
【0037】−比較例− 実施例1において、絶縁層を、平均5μmのアルミナ粉
末を70%含有するエポキシ樹脂で形成したこと以外は
、実施例1と同様にして金属ベース基板を作った。実施
例の金属ベース基板■〜■および比較例の金属ベース基
板について、熱抵抗と耐電圧を調べ、結果を表2に示し
た。
【0038】
【表2】
【0039】表2にみるように、実施例の金属ベース基
板は、比較例のものに比べて、熱抵抗と耐電圧が優れて
いる。
【0040】
【発明の効果】この発明によれば、金属ベース基板の絶
縁層を始め各種電子部品の絶縁層としてこれまでにない
高性能を有する(たとえば、放熱性に優れ、耐水性も優
れている)放熱性絶縁層が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の金属ベース基板の1実施例の概略を
表す断面図である。
【図2】この発明の金属ベース基板の別の1実施例の概
略を表す断面図である。
【符号の説明】
1  金属板 2  窒化アルミニウム粉末 3  有機ケイ素化合物絶縁層 4  金属ベース基板 5  金属板 6  金属箔 7  金属ベース基板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (A)一般式(I) R1nSiX4−n                
      …(I)(式中、R1 は同一または異種の置換も
    しくは非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、
    nは0〜3の整数、Xは加水分解性基を示す。)で表わ
    される加水分解性オルガノシランを有機溶媒または水に
    分散されたコロイダルシリカ中で部分加水分解してなる
    、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液、 (B)平均組成式(II) R2aSi(OH)bO(4−a−b)/2   …(
    II)(式中、R2 は同一または異種の置換もしくは
    非置換の炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよ
    びbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3
    、a+b<4の関係を満たす数である。)で表わされる
    、分子中にシラノール基を含有するポリオルガノシロキ
    サン、(C)触媒、および、(D)窒化アルミニウム粉
    末を必須成分とするコーティング用組成物。
  2. 【請求項2】  請求項1記載のコーティング用組成物
    からなる放熱性絶縁膜。
  3. 【請求項3】  絶縁層として請求項2記載の放熱性絶
    縁膜を有する金属ベース基板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013064093A (ja) * 2011-09-20 2013-04-11 Nagase Chemtex Corp 赤外線吸収コーティング剤組成物
JP7227676B1 (ja) * 2021-09-29 2023-02-22 積水ポリマテック株式会社 熱伝導性組成物及び熱伝導性部材
WO2023054538A1 (ja) * 2021-09-29 2023-04-06 積水ポリマテック株式会社 熱伝導性組成物及び熱伝導性部材

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