JPH04247860A - 溶融Zn−Mg−Al−Snめっき鋼板 - Google Patents
溶融Zn−Mg−Al−Snめっき鋼板Info
- Publication number
- JPH04247860A JPH04247860A JP625991A JP625991A JPH04247860A JP H04247860 A JPH04247860 A JP H04247860A JP 625991 A JP625991 A JP 625991A JP 625991 A JP625991 A JP 625991A JP H04247860 A JPH04247860 A JP H04247860A
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- Japan
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- corrosion resistance
- plating
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- Coating With Molten Metal (AREA)
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高耐食性亜鉛系合金溶
融めっき鋼板に関し、特にZn−Mg−Al−Sn系合
金の溶融めっき鋼板に関するものである。
融めっき鋼板に関し、特にZn−Mg−Al−Sn系合
金の溶融めっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特公昭61−33070号公報に
はZn−Mg−Al−Snめっき鋼板の製造方法が提案
され、具体的には、Mg 0.1〜2.0%、Al
0.1〜0.5%、Sn 0.1〜(1.07−1
.33Al %)%、残部はZnおよび不可避的不純
物からなる浴を使用し、無酸化炉方式の溶融めっきライ
ンにおいて実施することが開示されている。この考え方
は、Zn−Mgめっき鋼板の優れた耐食性とさらにAl
添加によるめっき密着性の向上、Sn添加による黒変防
止効果を狙ったものである。
はZn−Mg−Al−Snめっき鋼板の製造方法が提案
され、具体的には、Mg 0.1〜2.0%、Al
0.1〜0.5%、Sn 0.1〜(1.07−1
.33Al %)%、残部はZnおよび不可避的不純
物からなる浴を使用し、無酸化炉方式の溶融めっきライ
ンにおいて実施することが開示されている。この考え方
は、Zn−Mgめっき鋼板の優れた耐食性とさらにAl
添加によるめっき密着性の向上、Sn添加による黒変防
止効果を狙ったものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近、自動車あるいは
建築用として溶融めっき鋼板が利用される場合、種々の
複雑な形状を出すために厳しい加工を受けたのちに腐食
環境下で使用される場合が多くなってきた。そのために
、加工部の耐食性に優れることが、溶融Znめっき鋼板
にとって具備すべき重要な性能となってきた。しかしな
がら、特公昭61−33070号公報に開示され製造方
法で得られためっき鋼板といえども、加工を受けていな
い平板の状態では、優れた耐食性を示すものの、要求さ
れている厳しい加工を受けた際の加工部の耐食性の点で
、十分な性能を有するめっき層構造を得るまでには到っ
ていない。そこで、本発明者らは上記のZn−Mg−A
l−Sn溶融めっき鋼板の加工部の耐食性を飛躍的に向
上させる目的で、種々検討したところ、上記の従来法に
ないめっき層の構造を有するZn−Mg−Al−Snめ
っき鋼板を得ることに成功し、加工部の耐蝕性が従来材
よりも著しく向上することを見出した。本発明は上記の
ように加工部の耐食性に優れた溶融Zn−Mg−Al−
Snめっき鋼板を提供するものである。
建築用として溶融めっき鋼板が利用される場合、種々の
複雑な形状を出すために厳しい加工を受けたのちに腐食
環境下で使用される場合が多くなってきた。そのために
、加工部の耐食性に優れることが、溶融Znめっき鋼板
にとって具備すべき重要な性能となってきた。しかしな
がら、特公昭61−33070号公報に開示され製造方
法で得られためっき鋼板といえども、加工を受けていな
い平板の状態では、優れた耐食性を示すものの、要求さ
れている厳しい加工を受けた際の加工部の耐食性の点で
、十分な性能を有するめっき層構造を得るまでには到っ
ていない。そこで、本発明者らは上記のZn−Mg−A
l−Sn溶融めっき鋼板の加工部の耐食性を飛躍的に向
上させる目的で、種々検討したところ、上記の従来法に
ないめっき層の構造を有するZn−Mg−Al−Snめ
っき鋼板を得ることに成功し、加工部の耐蝕性が従来材
よりも著しく向上することを見出した。本発明は上記の
ように加工部の耐食性に優れた溶融Zn−Mg−Al−
Snめっき鋼板を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まず、特
公昭61−33070号公報に記載されたZn−Mg−
Al−Snめっき鋼板の製造方法に従ってめっき層を作
成しその性能および構造を調べた。その結果、平板裸材
の塩水噴霧試験(SST)においては、優れた性能を示
すものの、本発明の目的とする加工部の厳しい環境下で
の耐食性を円筒絞り加工後の腐食サイクルテスト(CC
T)で調査したところ、充分な耐食性は得られなかった
。同めっき層の構造を調べた結果、めっき層中のMgが
樹枝状晶の部分に偏折しており、不均一に分布しており
、また、Snも局部的に偏在しているために、厳しい腐
食環境下では、局部腐食を発生しやすく、そのため、C
CTでの加工部の耐蝕性が向上しないことが判明した。 そこで本発明者らは、Zn−Mg−Al−Snめっき層
中のMgおよびSnの均一化を図ることがCCTでの加
工部の耐食性を向上させるポイントであると考え、めっ
き層組成、構造を変化させ、種々検討した結果、特定の
Mg、Sn、Al含有率よりなる特定の組成のZn−M
g−Al−Snめっき鋼板が優れた性能を示すことがわ
かった。また、さらに、検討した結果、得られた、Zn
−Mg−Al−Snめっき層の下層として、Niめっき
層を薄く設けることにより、加工部の耐食性が特に本Z
n−Mg−Al−Snめっき鋼板のSn含有率が低い領
域でさらに、向上することも見出し、下記の本発明を完
成したものである。即ち、鋼板の表面にMg 0.0
5〜3%、Al 0.1〜1%、Sn 3〜50%
、残部がZnよりなるZn合金めっき層を有することを
特徴とする加工部の耐食性に優れた溶融Zn−Mg−A
l−Snめっき鋼板および、同Zn合金めっき層の下層
として、Niめっき層を有することを特徴とする加工部
の耐食性に優れた溶融Zn−Mg−Al−Snめっき鋼
板以下、図面を用いて、本発明について詳細に説明する
。 図1は、めっき層中のSn%と加工部の耐食性の関係を
示した図である。Alキルド鋼板(板厚1.0mm)及
び予めNiを0.5/m2 めっきしたAlキルド鋼板
(板厚1.0mm)にMg 0.3%、Al 0.
2%が一定でSn含有率を変化させた溶融Znめっき浴
中で3秒間めっきを行った。めっき付着量は60g/m
2 とした。
公昭61−33070号公報に記載されたZn−Mg−
Al−Snめっき鋼板の製造方法に従ってめっき層を作
成しその性能および構造を調べた。その結果、平板裸材
の塩水噴霧試験(SST)においては、優れた性能を示
すものの、本発明の目的とする加工部の厳しい環境下で
の耐食性を円筒絞り加工後の腐食サイクルテスト(CC
T)で調査したところ、充分な耐食性は得られなかった
。同めっき層の構造を調べた結果、めっき層中のMgが
樹枝状晶の部分に偏折しており、不均一に分布しており
、また、Snも局部的に偏在しているために、厳しい腐
食環境下では、局部腐食を発生しやすく、そのため、C
CTでの加工部の耐蝕性が向上しないことが判明した。 そこで本発明者らは、Zn−Mg−Al−Snめっき層
中のMgおよびSnの均一化を図ることがCCTでの加
工部の耐食性を向上させるポイントであると考え、めっ
き層組成、構造を変化させ、種々検討した結果、特定の
Mg、Sn、Al含有率よりなる特定の組成のZn−M
g−Al−Snめっき鋼板が優れた性能を示すことがわ
かった。また、さらに、検討した結果、得られた、Zn
−Mg−Al−Snめっき層の下層として、Niめっき
層を薄く設けることにより、加工部の耐食性が特に本Z
n−Mg−Al−Snめっき鋼板のSn含有率が低い領
域でさらに、向上することも見出し、下記の本発明を完
成したものである。即ち、鋼板の表面にMg 0.0
5〜3%、Al 0.1〜1%、Sn 3〜50%
、残部がZnよりなるZn合金めっき層を有することを
特徴とする加工部の耐食性に優れた溶融Zn−Mg−A
l−Snめっき鋼板および、同Zn合金めっき層の下層
として、Niめっき層を有することを特徴とする加工部
の耐食性に優れた溶融Zn−Mg−Al−Snめっき鋼
板以下、図面を用いて、本発明について詳細に説明する
。 図1は、めっき層中のSn%と加工部の耐食性の関係を
示した図である。Alキルド鋼板(板厚1.0mm)及
び予めNiを0.5/m2 めっきしたAlキルド鋼板
(板厚1.0mm)にMg 0.3%、Al 0.
2%が一定でSn含有率を変化させた溶融Znめっき浴
中で3秒間めっきを行った。めっき付着量は60g/m
2 とした。
【0005】加工後の耐食性は、試験片を25mm張出
しのカップ絞り成形を行ったのち、腐食サイクルテスト
(CCT)を1週間実施し加工部の赤錆発生率を調査し
た。5点法で評価し、3点以上を合格とした。
しのカップ絞り成形を行ったのち、腐食サイクルテスト
(CCT)を1週間実施し加工部の赤錆発生率を調査し
た。5点法で評価し、3点以上を合格とした。
【0006】評価基準は次のとおりである。
【0007】
評点 加工部の赤錆発生率5・・・
発生なし 4・・・ 5%未満 3・・・ 5%以上10%未満 2・・・ 10%以上20%未満1・・・
20%超 この図より、本発明範囲であるSn3〜50%の範囲で
、加工部の耐食性は極めて優れる。Snが3%未満であ
ると、加工部の耐赤錆性が劣化し、従来技術の範囲のS
n%範囲である0.1〜0.94%も、この範囲内に相
当する。また、Snが50%を越えても、加工部の耐赤
錆性は劣化する。さらに、下層としてNiめっきを0.
5g/m2 有する場合には、Sn3〜10%とSn含
有率の低い範囲で、加工部の耐赤錆性が一段と向上し、
Niなしの場合のSnが10〜50%と高含有率の場合
の性能に匹敵するようになる。
発生なし 4・・・ 5%未満 3・・・ 5%以上10%未満 2・・・ 10%以上20%未満1・・・
20%超 この図より、本発明範囲であるSn3〜50%の範囲で
、加工部の耐食性は極めて優れる。Snが3%未満であ
ると、加工部の耐赤錆性が劣化し、従来技術の範囲のS
n%範囲である0.1〜0.94%も、この範囲内に相
当する。また、Snが50%を越えても、加工部の耐赤
錆性は劣化する。さらに、下層としてNiめっきを0.
5g/m2 有する場合には、Sn3〜10%とSn含
有率の低い範囲で、加工部の耐赤錆性が一段と向上し、
Niなしの場合のSnが10〜50%と高含有率の場合
の性能に匹敵するようになる。
【0008】最も好ましいSn含有率はNi無の場合で
10〜40%、Ni有りの場合で5〜50%である。な
お、Niを0.5g/m2 めっきした場合の溶融めっ
き後のNi残存量を調べたところ、約0.25g/m2
であった。
10〜40%、Ni有りの場合で5〜50%である。な
お、Niを0.5g/m2 めっきした場合の溶融めっ
き後のNi残存量を調べたところ、約0.25g/m2
であった。
【0009】また、図2にめっき層中のMg%と加工部
の耐食性の関係を示す。Alキルド鋼板(板厚1.0m
m)および予めNiを0.5/m2 めっきしたAlキ
ルド鋼板(板厚1.0mm)にAl 0.2%、Sn
10%の溶融Znめっき浴中で3秒間めっきを行っ
た。めっき付着量は60g/m2 とした。本発明の範
囲であるMg 0.05〜3%の範囲内で加工部の耐
食性が良好であることは明白である。Snが0.05%
未満であっても、3%を越えても加工部の耐食性が劣化
する。また、下層にNiを適量有する場合には、Mg
0.05〜0.25%と低含有率あるいは、Mg
2〜3%と高含有率の場合の加工部の耐食性がさらに向
上する。
の耐食性の関係を示す。Alキルド鋼板(板厚1.0m
m)および予めNiを0.5/m2 めっきしたAlキ
ルド鋼板(板厚1.0mm)にAl 0.2%、Sn
10%の溶融Znめっき浴中で3秒間めっきを行っ
た。めっき付着量は60g/m2 とした。本発明の範
囲であるMg 0.05〜3%の範囲内で加工部の耐
食性が良好であることは明白である。Snが0.05%
未満であっても、3%を越えても加工部の耐食性が劣化
する。また、下層にNiを適量有する場合には、Mg
0.05〜0.25%と低含有率あるいは、Mg
2〜3%と高含有率の場合の加工部の耐食性がさらに向
上する。
【0010】最も好ましいMg含有率はNi無の場合で
0.3〜2%、Ni有りの場合で0.1〜2.5%であ
る。
0.3〜2%、Ni有りの場合で0.1〜2.5%であ
る。
【0011】さらに、浴中Alを0.1%以上としたの
は、0.1%未満の場合には、加工部のめっき密着性が
不十分となるためである。めっき層の構造を調査したと
ころ、Alが0.1%未満の場合には、地鉄界面にZn
−Fe合金層が厚く成長しており、特に界面の脆いΓ相
(Fe5 Zn21)が発達しており、加工の際にクラ
ックがはいり、この相からめっき剥離が生じていること
が判明した。また、浴中Alが1%を超えると加工部の
耐食性の向上効果は認められなくなる。この場合には、
Alがめっき層中に偏折しており、腐食環境下において
は、これらが、めっき層中で局部電池を構成してしまい
、Znが溶出する作用が生じるために耐食性の劣化を引
き起こすためと考えられる。
は、0.1%未満の場合には、加工部のめっき密着性が
不十分となるためである。めっき層の構造を調査したと
ころ、Alが0.1%未満の場合には、地鉄界面にZn
−Fe合金層が厚く成長しており、特に界面の脆いΓ相
(Fe5 Zn21)が発達しており、加工の際にクラ
ックがはいり、この相からめっき剥離が生じていること
が判明した。また、浴中Alが1%を超えると加工部の
耐食性の向上効果は認められなくなる。この場合には、
Alがめっき層中に偏折しており、腐食環境下において
は、これらが、めっき層中で局部電池を構成してしまい
、Znが溶出する作用が生じるために耐食性の劣化を引
き起こすためと考えられる。
【0012】下層にNiめっき層を設ける場合における
プレNiめっき量は2g/m2 以下が好ましい。2g
/m2 を越えると、めっき密着性が劣化するためであ
る。 この場合の溶融Znめっき後のNi残存量を調べてみる
と約1.7g/m2 であった。
プレNiめっき量は2g/m2 以下が好ましい。2g
/m2 を越えると、めっき密着性が劣化するためであ
る。 この場合の溶融Znめっき後のNi残存量を調べてみる
と約1.7g/m2 であった。
【0013】Zn合金めっき付着量については特に制約
は設けないが、耐食性の観点から10g/m2 以上、
加工性の観点からすると350g/m2 以下であるこ
とが望ましい。
は設けないが、耐食性の観点から10g/m2 以上、
加工性の観点からすると350g/m2 以下であるこ
とが望ましい。
【0014】以上の結果は、Zn−Mg−Al−Snめ
っき鋼板の場合についてのみ述べたが、Zn−Mg−A
l−Snめっき層中にさらに合金元素としてNi、Sb
、Pb等を単独あるいは複合で0.3%まで微量含有し
た溶融Zn−Mg−Al−Sn系合金めっき鋼板の場合
にも結果は同様であった。
っき鋼板の場合についてのみ述べたが、Zn−Mg−A
l−Snめっき層中にさらに合金元素としてNi、Sb
、Pb等を単独あるいは複合で0.3%まで微量含有し
た溶融Zn−Mg−Al−Sn系合金めっき鋼板の場合
にも結果は同様であった。
【0015】下地鋼板としては、熱延鋼板、冷延鋼板と
もに使用でき、Alキルド鋼板、Al−Siキルド鋼板
、Ti−Sulc、P−TiSulc等の低炭素鋼板、
高Si,Mn系の高張力鋼板など種々のものが適用でき
る。
もに使用でき、Alキルド鋼板、Al−Siキルド鋼板
、Ti−Sulc、P−TiSulc等の低炭素鋼板、
高Si,Mn系の高張力鋼板など種々のものが適用でき
る。
【0016】さらに、請求項1のめっき鋼板製造方法に
ついては特に限定されず、通常の無酸化炉方式の溶融め
っき法、Niプレめっき、フラックス等の前処理を行う
溶融Znめっき方法など種々の方法が適用できる。請求
項2のめっき鋼板の製法としては、鋼板にプレNiめっ
きを0.2〜2g/m2 施したのち、無酸化あるいは
還元雰囲気中で30℃/s以上の昇温速度で急速加熱を
430〜500℃まで行ったのち、直ちに溶融めっきを
行う方法が採用できる。
ついては特に限定されず、通常の無酸化炉方式の溶融め
っき法、Niプレめっき、フラックス等の前処理を行う
溶融Znめっき方法など種々の方法が適用できる。請求
項2のめっき鋼板の製法としては、鋼板にプレNiめっ
きを0.2〜2g/m2 施したのち、無酸化あるいは
還元雰囲気中で30℃/s以上の昇温速度で急速加熱を
430〜500℃まで行ったのち、直ちに溶融めっきを
行う方法が採用できる。
【0017】
【作用】本発明で得られたMg 0.05〜3%、A
l 0.1〜1%、Sn 3〜50%よりなるZn
合金めっき層が、加工部のCCTでの耐食性が極めて優
れる理由について検討するためにめっき層の構造を詳細
に調査した。その結果、その特徴として、めっき層中の
MgおよびSnの分布が従来材に比較して、比較的均一
であることが判明した。
l 0.1〜1%、Sn 3〜50%よりなるZn
合金めっき層が、加工部のCCTでの耐食性が極めて優
れる理由について検討するためにめっき層の構造を詳細
に調査した。その結果、その特徴として、めっき層中の
MgおよびSnの分布が従来材に比較して、比較的均一
であることが判明した。
【0018】Zn−Mg−Al−Sn系は、Sn添加量
が微量な場合にはMgが凝固時に偏折しやすく、Sn添
加量が多すぎると逆にSnが偏折しやすくなる。Alに
ついても同様である。本組成範囲においては、各元素の
含有率のバランスが良好であり、Zn−Mg−Al−S
nが相互に固溶しやすくなり、比較的均一な合金層を構
成しているものと思われる。そのため、厳しい腐食環境
下においても高耐食性を示す。
が微量な場合にはMgが凝固時に偏折しやすく、Sn添
加量が多すぎると逆にSnが偏折しやすくなる。Alに
ついても同様である。本組成範囲においては、各元素の
含有率のバランスが良好であり、Zn−Mg−Al−S
nが相互に固溶しやすくなり、比較的均一な合金層を構
成しているものと思われる。そのため、厳しい腐食環境
下においても高耐食性を示す。
【0019】これに対して、Mg、SnあるいはAlが
偏折している場合には、腐食中にミクロな局部電池が構
成されやすくなり、局部的に腐食が進行するようになり
、耐食性が劣化するものと考えられる。
偏折している場合には、腐食中にミクロな局部電池が構
成されやすくなり、局部的に腐食が進行するようになり
、耐食性が劣化するものと考えられる。
【0020】また、下層として、Niめっき層が存在す
る場合に加工部の耐食性がさらに向上する理由について
も未だ明確ではないが、Niによる腐食生成物の安定化
作用と、地鉄とのめっき層との密着力を高める一種のバ
インダーとして作用し、加工部のめっき層の微細な割れ
を緩和し、局部腐食の進行を抑制する効果によるものと
考えられる。
る場合に加工部の耐食性がさらに向上する理由について
も未だ明確ではないが、Niによる腐食生成物の安定化
作用と、地鉄とのめっき層との密着力を高める一種のバ
インダーとして作用し、加工部のめっき層の微細な割れ
を緩和し、局部腐食の進行を抑制する効果によるものと
考えられる。
【0021】
【実施例】表1に本発明のZn−Mg−Al−Snめっ
き鋼板の実施例を示す。*印は本発明以外の比較材であ
る。下地にSPCC(1.0mm)及び予めNiめっき
したSPCC(1.0mm)を用い、これらをMg、A
l、Sn量の変化した450℃のZnめっき浴で3se
c溶融めっきを行い、N2 ワイピングして付着量は6
0g/m2 とした。加工部の耐食性の評価は、前述の
評価基準に基ずいて行った。合わせて、めっき密着性を
ボールインパクト試験で調査し、5点法で評価した。剥
離なしを5点、前面剥離を1点とし、3点以上を合格と
した。
き鋼板の実施例を示す。*印は本発明以外の比較材であ
る。下地にSPCC(1.0mm)及び予めNiめっき
したSPCC(1.0mm)を用い、これらをMg、A
l、Sn量の変化した450℃のZnめっき浴で3se
c溶融めっきを行い、N2 ワイピングして付着量は6
0g/m2 とした。加工部の耐食性の評価は、前述の
評価基準に基ずいて行った。合わせて、めっき密着性を
ボールインパクト試験で調査し、5点法で評価した。剥
離なしを5点、前面剥離を1点とし、3点以上を合格と
した。
【0022】No.1−13及びNo.21−24に示
す通り、Mg 0.05〜3%、Sn 3〜50%
、Al 0.1〜1%含有するZn合金層、およびそ
の下層として、Niめっき層を有するめっき層構成より
なる本発明のめっき鋼板は、加工部の耐蝕性が優れる。 Niめっき層を下層として有する場合の方が、一段と加
工部の耐食性が向上することも明らかである。
す通り、Mg 0.05〜3%、Sn 3〜50%
、Al 0.1〜1%含有するZn合金層、およびそ
の下層として、Niめっき層を有するめっき層構成より
なる本発明のめっき鋼板は、加工部の耐蝕性が優れる。 Niめっき層を下層として有する場合の方が、一段と加
工部の耐食性が向上することも明らかである。
【0023】これに比較して、めっき層組成が本発明範
囲を逸脱する場合(No.14−20)、加工部の耐蝕
性あるいは、めっき密着性が劣る。
囲を逸脱する場合(No.14−20)、加工部の耐蝕
性あるいは、めっき密着性が劣る。
【0024】さらに、No.21−24は、めっき浴中
に他の合金元素を含有する場合でありこの場合にも優れ
た性能を示した。
に他の合金元素を含有する場合でありこの場合にも優れ
た性能を示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明は、従来にない加
工部の耐蝕性を有する溶融Zn−Mg−Al−Sn系め
っき鋼板であり、自動車用あるいは建築用の構造材とし
て有用であることから、その工業的意義は極めて大きい
。
工部の耐蝕性を有する溶融Zn−Mg−Al−Sn系め
っき鋼板であり、自動車用あるいは建築用の構造材とし
て有用であることから、その工業的意義は極めて大きい
。
【図1】めっき層中のSn%と加工部の耐食性の関係を
示した図である。
示した図である。
【図2】めっき層中のMg%と加工部の耐食性の関係を
示した図である。
示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼板の表面にMg 0.05〜3%
、Al 0.1〜1%、Sn3〜50%、残部がZn
よりなるZn合金めっき層を有することを特徴とする加
工部の耐食性に優れた溶融Zn−Mg−Al−Snめっ
き鋼板。 - 【請求項2】 請求項1記載のZn合金めっき層の下
層にNiめっき層を有することを特徴とする加工部の耐
食性に優れた溶融Zn−Mg−Al−Snめっき鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP625991A JP2825671B2 (ja) | 1991-01-23 | 1991-01-23 | 溶融Zn−Mg−Al−Snめっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP625991A JP2825671B2 (ja) | 1991-01-23 | 1991-01-23 | 溶融Zn−Mg−Al−Snめっき鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04247860A true JPH04247860A (ja) | 1992-09-03 |
JP2825671B2 JP2825671B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=11633476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP625991A Expired - Lifetime JP2825671B2 (ja) | 1991-01-23 | 1991-01-23 | 溶融Zn−Mg−Al−Snめっき鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2825671B2 (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2713665A1 (fr) * | 1993-12-10 | 1995-06-16 | Berkman Cy Louis | Acier inoxydable coloré résistant à la corrosion et procédé pour sa fabrication. |
FR2721327A1 (fr) * | 1994-06-15 | 1995-12-22 | Berkman Cy Louis | Revêtement pour matériau de construction. |
US5616424A (en) * | 1992-03-27 | 1997-04-01 | The Louis Berkman Company | Corrosion-resistant coated metal strip |
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