JPH0424113B2 - - Google Patents
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- JPH0424113B2 JPH0424113B2 JP58066617A JP6661783A JPH0424113B2 JP H0424113 B2 JPH0424113 B2 JP H0424113B2 JP 58066617 A JP58066617 A JP 58066617A JP 6661783 A JP6661783 A JP 6661783A JP H0424113 B2 JPH0424113 B2 JP H0424113B2
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- Japan
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- electrode
- coated
- potential
- coating
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、電気抵抗値の高い被塗物であつて
も、良好に静電塗装を施こすことができるように
した静電塗装装置に関するものである。
も、良好に静電塗装を施こすことができるように
した静電塗装装置に関するものである。
一般に、静電塗装装置は、塗装機にマイナス30
〜90kV程度の高電圧を印加し、他方被塗物をア
ース電位に保つことによつて前記塗装機と被塗物
との間に静電界を形成し、また前記塗装機に塗料
を供給することによつて、該塗料を霧化すると共
に霧化した塗料粒子を帯電せしめ、この帯電塗料
粒子を前記静電界に沿つて被塗物に向け飛行塗着
せしめるように構成している。
〜90kV程度の高電圧を印加し、他方被塗物をア
ース電位に保つことによつて前記塗装機と被塗物
との間に静電界を形成し、また前記塗装機に塗料
を供給することによつて、該塗料を霧化すると共
に霧化した塗料粒子を帯電せしめ、この帯電塗料
粒子を前記静電界に沿つて被塗物に向け飛行塗着
せしめるように構成している。
ところで、このような静電塗装装置は被塗物が
金属体等電気的な良導体である場合には、該被塗
物が常にアース電位に保持されているから、被塗
物全周にわたつて静電効果の充分高い塗装を行な
うことができる。
金属体等電気的な良導体である場合には、該被塗
物が常にアース電位に保持されているから、被塗
物全周にわたつて静電効果の充分高い塗装を行な
うことができる。
しかし、被塗物が表面が電気的不良導体、すな
わち各種合成樹脂はもとより、ガラス類、セラミ
ツク類、木材等電気抵抗値の高い材料(以下、
「合成樹脂」という)である場合、または金属板
の表面にこれらの合成樹脂が表面処理されている
場合等は、被塗物がアース電位となるように設定
してもマイナスに帯電した塗料粒子が塗着するこ
とによつて該塗料粒子によつて与えられた電荷が
アースに逃げず、該被塗物表面が静電気で飽和し
た状態となつてマイナスに帯電してしまい、塗装
機から帯電塗料粒子を吐出しても被塗物に塗着せ
ず、全く静電効果が得られないことになる。
わち各種合成樹脂はもとより、ガラス類、セラミ
ツク類、木材等電気抵抗値の高い材料(以下、
「合成樹脂」という)である場合、または金属板
の表面にこれらの合成樹脂が表面処理されている
場合等は、被塗物がアース電位となるように設定
してもマイナスに帯電した塗料粒子が塗着するこ
とによつて該塗料粒子によつて与えられた電荷が
アースに逃げず、該被塗物表面が静電気で飽和し
た状態となつてマイナスに帯電してしまい、塗装
機から帯電塗料粒子を吐出しても被塗物に塗着せ
ず、全く静電効果が得られないことになる。
即ち、静電塗装の原理は電気的ポテンシヤルの
大きい状態において、被塗物表面と塗料粒子また
は塗装機先端部との間に電位差がなければならな
い。この電位差は塗装が終了するまで保持されな
ければならないと同時に、有効な塗着効率を確保
するために十分に大きくなければならない。その
理由は、第1に荷電塗料粒子と被塗物表面との間
に電気的引力を十分に大きい状態で作用させるた
めであり、第2に荷電塗料粒子を塗装機から被塗
物表面に運ぶために該塗料粒子に作用する電気力
線を強い状態で形成させるためである。ところ
が、合成樹脂材の如く被塗物表面の電気抵抗が高
いということは、塗料粒子に作用する上記2つの
ものが十分に得られないということである。この
ことは、被塗物の誘電率が該被塗物の表面状態に
大きな影響を与え、塗料粒子の塗着を妨げること
になる。
大きい状態において、被塗物表面と塗料粒子また
は塗装機先端部との間に電位差がなければならな
い。この電位差は塗装が終了するまで保持されな
ければならないと同時に、有効な塗着効率を確保
するために十分に大きくなければならない。その
理由は、第1に荷電塗料粒子と被塗物表面との間
に電気的引力を十分に大きい状態で作用させるた
めであり、第2に荷電塗料粒子を塗装機から被塗
物表面に運ぶために該塗料粒子に作用する電気力
線を強い状態で形成させるためである。ところ
が、合成樹脂材の如く被塗物表面の電気抵抗が高
いということは、塗料粒子に作用する上記2つの
ものが十分に得られないということである。この
ことは、被塗物の誘電率が該被塗物の表面状態に
大きな影響を与え、塗料粒子の塗着を妨げること
になる。
このため、従来技術においては、合成樹脂材の
塗装物を静電塗装するには、帯電防止剤の一種で
ある導電処理液を予め塗布して合成樹脂の表面を
導電性の塗膜で被覆し、然る後に帯電塗料粒子を
噴霧することによつて静電塗装を行ない、さらに
塗料の塗着した被塗物を焼付炉に入れて焼付ける
という順序で塗装作業が行なわれていた。ここ
で、導電処理液としては、例えば脂肪属系4級ア
ンモニウム塩を主成分とする親水性のイオン化性
有機化合物(商品名:米国ゼネラルミルズ社製
「アルカリツト726」)からなる導電処理剤を0.5%
前後のイソプロピルアルコールで稀釈したものが
使用され、かかる導電処理液を噴霧機によつて合
成樹脂表面に噴霧し、またはデツピング処理によ
つて該合成樹脂表面に導電性被膜を形成してい
た。そして、この導電性被膜は通常0.1〔μm〕程
度の厚さで塗布され、導電処理液の中に含まれる
親水性のイオン化性有機化合物の作用によつて空
気中の湿気を吸着し、これにより合成樹脂表面の
導電性を維持するようになされていた。
塗装物を静電塗装するには、帯電防止剤の一種で
ある導電処理液を予め塗布して合成樹脂の表面を
導電性の塗膜で被覆し、然る後に帯電塗料粒子を
噴霧することによつて静電塗装を行ない、さらに
塗料の塗着した被塗物を焼付炉に入れて焼付ける
という順序で塗装作業が行なわれていた。ここ
で、導電処理液としては、例えば脂肪属系4級ア
ンモニウム塩を主成分とする親水性のイオン化性
有機化合物(商品名:米国ゼネラルミルズ社製
「アルカリツト726」)からなる導電処理剤を0.5%
前後のイソプロピルアルコールで稀釈したものが
使用され、かかる導電処理液を噴霧機によつて合
成樹脂表面に噴霧し、またはデツピング処理によ
つて該合成樹脂表面に導電性被膜を形成してい
た。そして、この導電性被膜は通常0.1〔μm〕程
度の厚さで塗布され、導電処理液の中に含まれる
親水性のイオン化性有機化合物の作用によつて空
気中の湿気を吸着し、これにより合成樹脂表面の
導電性を維持するようになされていた。
しかし、上記従来技術によるものにおいては、
前述した如く空気中の湿気を吸着しこれによつて
合成樹脂表面の導電性を維持するものであるた
め、導電処理液を使用する場合には塗装雰囲気中
の湿度は一般に20℃で40%以上が要求される。こ
の結果、上記従来技術による方式では塗装雰囲気
湿度の制約を受け、湿度の低い冬季絶乾期におい
ては条件をそろえても金属材の塗装の場合に比較
して塗装効率が劣る欠点があつた。逆に、湿度が
高すぎると多量の水分が被塗物表面と塗料塗膜と
の間に入り込むことになり、塗膜の密着性が阻害
されてしまう。特に温度と湿度が管理されていな
い塗装ブースでは、梅雨時に生産された製品は、
塗膜が密着不良を起すことが多いという欠点があ
る。また、導電処理液はイオン化性有機化合物を
使用しているものであるため、大量に噴霧すると
公害の原因ともなり、また作業者にとつてもその
取扱いには充分な注意が要求されるという欠点が
ある。さらには、導電処理液を塗布することによ
つて周辺機器の発錆しやすいという欠点があつ
た。これらの点から、前述の導電処理液を用いた
塗装装置は、これを有効に使用するには大がかり
な塗装ブースを必要とし、かつ無人化された自動
前処理塗装機としなくてはならないという問題点
がある。
前述した如く空気中の湿気を吸着しこれによつて
合成樹脂表面の導電性を維持するものであるた
め、導電処理液を使用する場合には塗装雰囲気中
の湿度は一般に20℃で40%以上が要求される。こ
の結果、上記従来技術による方式では塗装雰囲気
湿度の制約を受け、湿度の低い冬季絶乾期におい
ては条件をそろえても金属材の塗装の場合に比較
して塗装効率が劣る欠点があつた。逆に、湿度が
高すぎると多量の水分が被塗物表面と塗料塗膜と
の間に入り込むことになり、塗膜の密着性が阻害
されてしまう。特に温度と湿度が管理されていな
い塗装ブースでは、梅雨時に生産された製品は、
塗膜が密着不良を起すことが多いという欠点があ
る。また、導電処理液はイオン化性有機化合物を
使用しているものであるため、大量に噴霧すると
公害の原因ともなり、また作業者にとつてもその
取扱いには充分な注意が要求されるという欠点が
ある。さらには、導電処理液を塗布することによ
つて周辺機器の発錆しやすいという欠点があつ
た。これらの点から、前述の導電処理液を用いた
塗装装置は、これを有効に使用するには大がかり
な塗装ブースを必要とし、かつ無人化された自動
前処理塗装機としなくてはならないという問題点
がある。
本発明は、前述した従来技術による導電処理液
を用いた不良導体の静電塗装装置の欠点に着目し
てなされたもので、被塗物の表面に一度帯電した
電荷を減衰させることによつて当該被塗物の表面
と塗装機側との間に一定の電位差をもつた状態を
保持し得るようになし、もつて電気抵抗値の高い
被塗物への静電塗装を可能とした静電塗装装置を
提供することを目的とするものである。
を用いた不良導体の静電塗装装置の欠点に着目し
てなされたもので、被塗物の表面に一度帯電した
電荷を減衰させることによつて当該被塗物の表面
と塗装機側との間に一定の電位差をもつた状態を
保持し得るようになし、もつて電気抵抗値の高い
被塗物への静電塗装を可能とした静電塗装装置を
提供することを目的とするものである。
前記の目的を達成するために、本発明は、電気
抵抗値の高い被塗物の表面に向け塗料を噴霧する
ため、該被塗物の表面側と離間して対向配設され
た塗装機と、該塗装機に一の電位にある高電圧を
印加する高電圧発生装置とからなる静電塗装装置
において、前記被塗物の背面側に位置して該被塗
物の背面と離間して対向配設した電極と、該電極
に前記高電圧発生装置から前記塗装機に印加する
高電圧とは逆の電位にある高電圧を印加する逆電
位用の高電圧発生装置とを備えたことを特徴とす
るものである。
抵抗値の高い被塗物の表面に向け塗料を噴霧する
ため、該被塗物の表面側と離間して対向配設され
た塗装機と、該塗装機に一の電位にある高電圧を
印加する高電圧発生装置とからなる静電塗装装置
において、前記被塗物の背面側に位置して該被塗
物の背面と離間して対向配設した電極と、該電極
に前記高電圧発生装置から前記塗装機に印加する
高電圧とは逆の電位にある高電圧を印加する逆電
位用の高電圧発生装置とを備えたことを特徴とす
るものである。
このように構成することにより、被塗物の背面
に設けられた電極には、塗装機に印加する高電圧
とは逆の電位にある高電圧が印加され、該電極と
被塗物背面との空間にイオン化圏域ないしは静電
界が形成されることになり、塗装機に高電圧を印
加した状態で帯電塗料粒子を噴霧することによ
り、被塗物の表面に帯電した一の電位にある電荷
は、被塗物背面に形成されるイオン化圏域ないし
静電界によつて減衰され、電気抵抗値の高い被塗
物への塗着を良好に行なうことができる。
に設けられた電極には、塗装機に印加する高電圧
とは逆の電位にある高電圧が印加され、該電極と
被塗物背面との空間にイオン化圏域ないしは静電
界が形成されることになり、塗装機に高電圧を印
加した状態で帯電塗料粒子を噴霧することによ
り、被塗物の表面に帯電した一の電位にある電荷
は、被塗物背面に形成されるイオン化圏域ないし
静電界によつて減衰され、電気抵抗値の高い被塗
物への塗着を良好に行なうことができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。
る。
まず第1図は本発明の第1の実施例を示すもの
で、同図において、1は被塗物としての合成樹脂
材からなる樹脂板(以下、樹脂板という)で、該
樹脂板1はハンガ2を介してアース電位にあるコ
ンベア3から吊下され、しかも該樹脂板1は塗装
開始前はほぼアース電位に保たれている。4は樹
脂板1の正面1Aを静電塗装するため、該樹脂板
1と所定寸法離間して対向配設された塗装機で、
該塗装機4は絶縁腕5を介してレシプロケータ6
に上下動可能に取付けられている。また塗装機4
は塗料ホース7を介して塗料ポンプ8と接続され
ると共に高電圧ケーブル9を介して高電圧発生装
置10と接続されている。ここで、高電圧発生装
置10は商用電圧を例えば−90〔kV〕の直流高電
圧に昇圧し、塗装機4に印加するように構成され
ている。
で、同図において、1は被塗物としての合成樹脂
材からなる樹脂板(以下、樹脂板という)で、該
樹脂板1はハンガ2を介してアース電位にあるコ
ンベア3から吊下され、しかも該樹脂板1は塗装
開始前はほぼアース電位に保たれている。4は樹
脂板1の正面1Aを静電塗装するため、該樹脂板
1と所定寸法離間して対向配設された塗装機で、
該塗装機4は絶縁腕5を介してレシプロケータ6
に上下動可能に取付けられている。また塗装機4
は塗料ホース7を介して塗料ポンプ8と接続され
ると共に高電圧ケーブル9を介して高電圧発生装
置10と接続されている。ここで、高電圧発生装
置10は商用電圧を例えば−90〔kV〕の直流高電
圧に昇圧し、塗装機4に印加するように構成され
ている。
また、11は樹脂板1を挟んで塗装機4に対向
する背面1B側に設けられたコロナ放電電極で、
該コロナ放電電極11は串型に形成した複数のコ
ロナピン11A,11A,……を有し、該コロナ
ピン11Aは樹脂板1の背面1B全体に向けコロ
ナ放電を可能とすべく上下方向に所定の間隔をも
つて配設され、かつその先端部は樹脂板1から例
えば10cm程度離間した位置に設けられている。そ
して、前記電極11は高電圧ケーブル12を介し
て逆電位用の高電圧発生装置13が接続されてい
る。そして、該逆電位用の高電圧発生装置13は
商用電圧を前記高電圧発生装置10とは逆電位の
直流高電圧、例えば+30〔kV〕に昇圧し、各コロ
ナピン11Aに印加し、該コロナピン11Aの先
端から樹脂板1の背面1Bに向けコロナ放電する
ことによりプラスイオンのイオン化圏域Aを形成
することができるようになつている。
する背面1B側に設けられたコロナ放電電極で、
該コロナ放電電極11は串型に形成した複数のコ
ロナピン11A,11A,……を有し、該コロナ
ピン11Aは樹脂板1の背面1B全体に向けコロ
ナ放電を可能とすべく上下方向に所定の間隔をも
つて配設され、かつその先端部は樹脂板1から例
えば10cm程度離間した位置に設けられている。そ
して、前記電極11は高電圧ケーブル12を介し
て逆電位用の高電圧発生装置13が接続されてい
る。そして、該逆電位用の高電圧発生装置13は
商用電圧を前記高電圧発生装置10とは逆電位の
直流高電圧、例えば+30〔kV〕に昇圧し、各コロ
ナピン11Aに印加し、該コロナピン11Aの先
端から樹脂板1の背面1Bに向けコロナ放電する
ことによりプラスイオンのイオン化圏域Aを形成
することができるようになつている。
このように構成される塗装装置を用いて塗装を
行なうには、まず高電圧発生装置10から発生さ
れる−90〔kV〕を塗装機4に印加し、次に塗料ポ
ンプ8から所定量の塗料を供給する。この結果、
塗装機4によつて静電霧化またはエア霧化せしめ
られた塗料粒子は該塗装機4に印加された高電圧
によつてマイナスに帯電し、樹脂板1との間に形
成された電気力線に沿つて飛行し、該樹脂板1の
正面1Aに塗着する。
行なうには、まず高電圧発生装置10から発生さ
れる−90〔kV〕を塗装機4に印加し、次に塗料ポ
ンプ8から所定量の塗料を供給する。この結果、
塗装機4によつて静電霧化またはエア霧化せしめ
られた塗料粒子は該塗装機4に印加された高電圧
によつてマイナスに帯電し、樹脂板1との間に形
成された電気力線に沿つて飛行し、該樹脂板1の
正面1Aに塗着する。
然るに、マイナスに帯電した塗料粒子のため
に、電気抵抗値の大きい樹脂板1の正面1A側
は、アース電位から静電気的に逐次マイナスに飽
和する状態となる。しかし、樹脂板1を挟んで塗
装機4と対向する該樹脂板1の背面1Bにはコロ
ナ放電電極11が設けられ、該コロナ放電電極1
1には逆電位用の高電圧発生装置13が接続され
ているから、そのコロナピン11Aから樹脂板1
に向けコロナ放電が行なわれ、該樹脂板1の背面
1Bはプラスのイオン化圏域Aに曝されることに
なる。この結果、樹脂板1の正面1A表面に帯電
した電荷が減衰せしめられることになり、該樹脂
板1の表面電位は見かけ上ほぼアース電位とな
る。従つて、樹脂板1と塗装機4との間に有効な
電位差が保持され、該塗装機4から噴霧された塗
料の帯電粒子は樹脂板1に効率的に付着する。
に、電気抵抗値の大きい樹脂板1の正面1A側
は、アース電位から静電気的に逐次マイナスに飽
和する状態となる。しかし、樹脂板1を挟んで塗
装機4と対向する該樹脂板1の背面1Bにはコロ
ナ放電電極11が設けられ、該コロナ放電電極1
1には逆電位用の高電圧発生装置13が接続され
ているから、そのコロナピン11Aから樹脂板1
に向けコロナ放電が行なわれ、該樹脂板1の背面
1Bはプラスのイオン化圏域Aに曝されることに
なる。この結果、樹脂板1の正面1A表面に帯電
した電荷が減衰せしめられることになり、該樹脂
板1の表面電位は見かけ上ほぼアース電位とな
る。従つて、樹脂板1と塗装機4との間に有効な
電位差が保持され、該塗装機4から噴霧された塗
料の帯電粒子は樹脂板1に効率的に付着する。
次に、第2図は本発明の第2の実施例を示し、
同図において第1図と同一構成要素については同
一符号を付してその説明を省略するものとする。
同図において第1図と同一構成要素については同
一符号を付してその説明を省略するものとする。
然るに、本実施例においては前述の第1の実施
例において使用したコロナ放電電極11に代えて
電界発生電極21を使用したことをその特徴とす
るものである。即ち、該電界発生電極21は電極
ピン21Aの表面全体に合成樹脂等の誘電体22
をシールドすることにより構成している。これに
より、高電圧ケーブル12を介して逆電位用の高
電圧発生装置13からプラスの高電圧を印加され
たときに該電界発生電極21からはコロナ放電等
を発生することはないが、それと樹脂板1との間
に静電界Eが形成される。
例において使用したコロナ放電電極11に代えて
電界発生電極21を使用したことをその特徴とす
るものである。即ち、該電界発生電極21は電極
ピン21Aの表面全体に合成樹脂等の誘電体22
をシールドすることにより構成している。これに
より、高電圧ケーブル12を介して逆電位用の高
電圧発生装置13からプラスの高電圧を印加され
たときに該電界発生電極21からはコロナ放電等
を発生することはないが、それと樹脂板1との間
に静電界Eが形成される。
前述のように構成しても、樹脂板1の正面1A
表面に帯電した電荷は静電界Eの作用により減衰
せしめられることになるから、該樹脂板1の正面
1Aと塗装機4との間に所定の電位差を保持させ
ることができ、この状態で塗装機4により静電塗
装を効率的に行なうことができる。
表面に帯電した電荷は静電界Eの作用により減衰
せしめられることになるから、該樹脂板1の正面
1Aと塗装機4との間に所定の電位差を保持させ
ることができ、この状態で塗装機4により静電塗
装を効率的に行なうことができる。
なお、前述の各実施例において高電圧発生装置
10はマイナスの高電圧を塗装機4に印加し、逆
電位用高電圧発生装置13はコロナ放電電極11
または電界発生電極21にプラスの高電圧を印加
するように構成するものとして説明したが、塗装
機4にはプラスのまたは各電極11,21にはマ
イナスの高電圧を印加するように構成してもよ
い。また、塗装機4としては、前述のもののほか
回転霧化方式、エア霧化方式のものを使用するこ
とができる。さらに、樹脂板1を塗装開始前から
予じめアース電位に保つように構成したが、塗装
開始前または塗装開始と同時に電極に逆電位高電
圧を印加するように構成すれば、必ずしもそれを
アース電位に保つ必要はない。一方、第1の実施
例において、コロナ放電電極11として串型のコ
ロナピン11Aを有するものとしたが、これに代
えて針状、網状等のものも使用することができ
る。そして、針状のコロナピンを使用する場合に
はその電極をレシプロケータに設置し、該レシプ
ロケータを塗装機4と一緒に上下動させればよ
い。さらに、電界発生用電極21としては、前述
の第2の実施例に示した構造のものだけでなく、
電極ピンと樹脂板との間にシート状の誘導体を介
装する構成としてもよい。
10はマイナスの高電圧を塗装機4に印加し、逆
電位用高電圧発生装置13はコロナ放電電極11
または電界発生電極21にプラスの高電圧を印加
するように構成するものとして説明したが、塗装
機4にはプラスのまたは各電極11,21にはマ
イナスの高電圧を印加するように構成してもよ
い。また、塗装機4としては、前述のもののほか
回転霧化方式、エア霧化方式のものを使用するこ
とができる。さらに、樹脂板1を塗装開始前から
予じめアース電位に保つように構成したが、塗装
開始前または塗装開始と同時に電極に逆電位高電
圧を印加するように構成すれば、必ずしもそれを
アース電位に保つ必要はない。一方、第1の実施
例において、コロナ放電電極11として串型のコ
ロナピン11Aを有するものとしたが、これに代
えて針状、網状等のものも使用することができ
る。そして、針状のコロナピンを使用する場合に
はその電極をレシプロケータに設置し、該レシプ
ロケータを塗装機4と一緒に上下動させればよ
い。さらに、電界発生用電極21としては、前述
の第2の実施例に示した構造のものだけでなく、
電極ピンと樹脂板との間にシート状の誘導体を介
装する構成としてもよい。
以上詳細に説明したように、本発明に係る静電
塗装装置は被塗物の背面に電極を設け、該電極に
塗装機に印加される高電圧とは逆電圧の高電圧を
印加するように構成したから、該電極により生じ
るイオン化圏域またはそれと被塗物との間に形成
される静電界の作用により被塗物表面に帯電した
電荷を減衰させることができるから、当該被塗物
表面と塗装機との間に一定の電位差を保持させる
ことができ、塗装機による静電塗装を有効に行な
わせることができる。従つて、従来技術の如く動
電処理液を予め被塗物に塗布する必要がないか
ら、かかる従来技術に固有の不都合を生じること
はない。
塗装装置は被塗物の背面に電極を設け、該電極に
塗装機に印加される高電圧とは逆電圧の高電圧を
印加するように構成したから、該電極により生じ
るイオン化圏域またはそれと被塗物との間に形成
される静電界の作用により被塗物表面に帯電した
電荷を減衰させることができるから、当該被塗物
表面と塗装機との間に一定の電位差を保持させる
ことができ、塗装機による静電塗装を有効に行な
わせることができる。従つて、従来技術の如く動
電処理液を予め被塗物に塗布する必要がないか
ら、かかる従来技術に固有の不都合を生じること
はない。
第1図は本発明の第1の実施例を示す静電塗装
装置の系統図、第2図は本発明の第2の実施例を
示す静電塗装装置の部分系統図である。 1……被塗物、4……塗装機、8……塗料ポン
プ、10……高電圧発生装置、11……コロナ放
電電極、11A……コロナピン、13……逆電位
用高圧発生装置、21……電界発生電極、21A
……電極ピン、22……誘電体、A……イオン化
圏域、E……静電界。
装置の系統図、第2図は本発明の第2の実施例を
示す静電塗装装置の部分系統図である。 1……被塗物、4……塗装機、8……塗料ポン
プ、10……高電圧発生装置、11……コロナ放
電電極、11A……コロナピン、13……逆電位
用高圧発生装置、21……電界発生電極、21A
……電極ピン、22……誘電体、A……イオン化
圏域、E……静電界。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 電気抵抗値の高い被塗物の表面に向け塗料を
噴霧するため、該被塗物の表面側と離間して対向
配設された塗装機と、該塗装機に一の電位にある
高電圧を印加する高電圧発生装置とからなる静電
塗装装置において、前記被塗物の背面側に位置し
て該被塗物の背面と離間して対向配設した電極
と、該電極に前記高電圧発生装置から前記塗装機
に印加する高電圧とは逆の電位にある高電圧を印
加する逆電位用の高電圧発生装置とを備えたこと
を特徴とする静電塗装装置。 2 前記電極は該電極と前記被塗物との間にイオ
ン化圏域を形成するコロナ放電電極である特許請
求の範囲1項記載の静電塗装装置。 3 前記電極は該電極と前記被塗物との間に電界
を形成させる電界発生電極である特許請求の範囲
1項記載の静電塗装装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6661783A JPS59193164A (ja) | 1983-04-15 | 1983-04-15 | 静電塗装装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6661783A JPS59193164A (ja) | 1983-04-15 | 1983-04-15 | 静電塗装装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59193164A JPS59193164A (ja) | 1984-11-01 |
JPH0424113B2 true JPH0424113B2 (ja) | 1992-04-24 |
Family
ID=13321033
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6661783A Granted JPS59193164A (ja) | 1983-04-15 | 1983-04-15 | 静電塗装装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59193164A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3721703A1 (de) * | 1987-07-01 | 1989-01-12 | Herberts Gmbh | Verfahren und vorrichtung zum lackieren von werkstuecken mit elektrisch isolierender oberflaeche durch elektrostatischen auftrag bzw. spritzauftrag |
JP5943290B2 (ja) * | 2010-05-31 | 2016-07-05 | いすゞ自動車株式会社 | 静電塗装方法及び静電塗装用ガン |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52145443A (en) * | 1976-05-28 | 1977-12-03 | Toyota Motor Corp | Electrostatic deposition and jig |
-
1983
- 1983-04-15 JP JP6661783A patent/JPS59193164A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52145443A (en) * | 1976-05-28 | 1977-12-03 | Toyota Motor Corp | Electrostatic deposition and jig |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59193164A (ja) | 1984-11-01 |
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