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JPH04224559A - 血管新生阻害物質 fr−901448 およびfr−901449 - Google Patents

血管新生阻害物質 fr−901448 およびfr−901449

Info

Publication number
JPH04224559A
JPH04224559A JP41823490A JP41823490A JPH04224559A JP H04224559 A JPH04224559 A JP H04224559A JP 41823490 A JP41823490 A JP 41823490A JP 41823490 A JP41823490 A JP 41823490A JP H04224559 A JPH04224559 A JP H04224559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substance
culture
cells
formula
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP41823490A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Shibata
柴田 敏裕
Michio Yamashita
道雄 山下
Shigehiro Takase
茂弘 高瀬
Hiroshi Terano
寺野 紘
Masakuni Okuhara
奥原 正国
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP41823490A priority Critical patent/JPH04224559A/ja
Publication of JPH04224559A publication Critical patent/JPH04224559A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FR−901448物
質、FR−901449物質(それぞれWF16775
−A1、同A2という場合もある)を有効成分とする血
管新生阻害剤に関するものである。
【0002】また本発明はこれらの物質の新規な製造方
法にも関するものである。これらの物質の内、FR−9
01449物質は文献未載の新規物質である。
【0003】これらの物質は、すぐれた血管新生阻害作
用を有しており、制癌剤をはじめ各種の医薬として有用
である。
【0004】
【従来の技術】生体内において血管が新生するのを抑制
ないし阻害することは、生理学的見地から非常に重要な
意義を有する。例えば、癌細胞またはその周辺細胞にお
ける血管の新生を阻害すれば、これ(ら)の細胞に対し
て酸素や各種の栄養成分が運ばれなくなるため、結局死
滅せざるを得なくなり、間接的に、癌細胞を征圧するこ
ととなる。したがって、すぐれた血管新生阻害剤はすぐ
れた制癌剤として大いに期待することができる。
【0005】本発明に係る物質は、血管内皮細胞に対す
る管腔形成阻害を指標として血管新生阻害物質をスクリ
ーニングする過程において発見されたものであるが、こ
れらFR−901448及びFR−901449物質の
ようなピリジン系誘導体が血管新生阻害作用を有するこ
とは、従来知られておらず新規である。
【0006】上記のように作用の面からみても本発明は
新規であるが、物質の面からみても本発明は新規であつ
て、FR−901449物質は新規化合物である。また
、FR−901448物質は既知の化合物であつて(T
he  Jounal  ofAntibiotics
,VOL.XLIII,No.9、1064−1068
(1990))、その抗カビ作用は明らかにされている
けれども、血管新生阻害作用については全く何も開示さ
れていない。
【0007】また、本発明は、これらFR−90144
8及びFR−901449物質をケトアスボリシア属菌
を培養することによって製造する方法にも関するもので
あるが、このような方法も全く知られておらず新規であ
る。すなわち、FR−901449物質は新規物質であ
るから、当然のことながらそれを製造する本発明方法は
新規であるし、またFR−901448物質はPeni
cillium  sp.FO−125の生産する抗カ
ビ性抗生物質であることが知られているが(上掲文献)
、本発明のようにケトアスボリシア属菌によって生産さ
れることは全く知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安全性が高
くしかもきわめて有効な血管新生阻害剤ないし抗腫瘍剤
を開発する目的でなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためになされてものである。
【0010】そこで、本発明者らは、安全性の面から天
然物に着目し、微生物の醗酵生産物に注目するに至り、
各種微生物を検索した結果、石川県白山山中で採取され
た土壌から新たに分離したフィアロピクニディア亜目に
属する糸状菌No.16775株がその菌体内に目的物
質を蓄積することを発見した。そして更にこの物質につ
いてその理化学的性質を詳細に研究した結果、2種類の
物質からなることを発見し、これらをWF16775−
A1及びWF16775−A2とそれぞれ命名し、更に
検討を行い本発明を完成するに至った。
【0011】本発明に係るWF16775−A2物質は
、下記表1の理化学的性質を有している。
【0012】
【表1】
【0013】このような理化学的性質を有する物質は従
来知られておらず、新規物質であることが確認された。 そしてこの新規物質であるWF16775−A2物質に
ついて、その化学構造の決定を試みた結果、それに成功
し、このWF16775−A2物質の構造式を下記化4
の式IIのように決定した。
【0014】
【化4】
【0015】また本発明方法においては、上記したWF
16775−A2物質とともにWF16775−A1物
質も生産され、その構造決定を行った結果、下記化5の
式IIIで示される化合物であることが判明した。
【0016】
【化5】
【0017】この式IIIで示される構造式を有するW
F16775−A1物質がペニシリウム属菌の醗酵生産
物として既に知られている物質であることは、先に述べ
たとおりである。
【0018】このようにして、WF16775−A1及
び同A2物質の構造決定に伴ない、これらの物質を改め
てそれぞれFR−901448及びFR−901449
物質と命名し、以後、この名称も使用する場合がある。
【0019】本発明において使用するWF16775物
質(WF16775−A1及びA2の総称)は、下記化
6の式Iで示される構造を有するものであって、本発明
者らが石川県白山で採取した土壌から新たに分離した糸
状菌No.16775によつて生産される。
【0020】
【化6】
【0021】糸状菌No.16775株はケトアスボリ
シア属に属するものと認められ、ケトアスボリシア・エ
リシホイデスNo.16775(Chaetasbol
isia  erysiphoides  No.16
775)と命名された。
【0022】本菌株の凍結乾燥サンプルは、工業技術院
微生物工業技術研究所(〒305、茨城県つくば市東1
−1−3)へFERM  P−11873の番号で寄託
された。(寄託日=1990年11月29日)
【002
3】WF16775物質の生産は、単に説明を目的とし
て挙げただけの本明細書記載の特定の微生物の使用に限
定されるものでないことを理解すべきである。 この発明は、記載の微生物からX線照射、紫外線照射、
N−メチルーN′−ニトローN−ニトロソグアニジン、
2−アミノプリン等の変異処理により取得できる人工変
異株並びに自然変異株を含めてWF16775物質を生
産しうる全ての変異株の使用をも包含するものである。
【0024】本菌株(No.16775株)は、各種培
地上でやや抑制的に広がり、暗茶色の集落を形成する。 No.16775株は、各種培地上で、分生子殻のアナ
モルフを形成した。その分生子形成様式はフィアロ型で
あった。またテレオモルフは形成しなかった。これらの
形態的特徴から、No.16775株はフィアロピクニ
デイア亜目(the  suborder  Phia
lopycnidiineae  Sutton  1
980)に所属すると思われる。
【0025】以下に、本菌の菌学的性質を示す。
【0026】各種培地上での培養性状を下記表2に示し
た。麦芽抽出寒天培地の中心に接種し、25℃で14日
間培養した時の生育はやや抑制的で、直径3.0〜3.
5cmに拡がった。集落の表面はフェルト状で、放射状
の溝を生じ、赤色味茶色から黒色であった。また赤色の
可溶性色素を生産した。集落裏面は暗茶色であった。分
生子殻を豊富に生じた。同様の培養をポテト・デキスト
ロース寒天培地上で行った時は、生育は抑制的であった
(直径2.5〜3.0cm)。集落表面は平坦からコッ
トン状で、放射状の溝を形成し、赤色味茶色から黒色で
あった。また、赤色の可溶性色素を生産した。集落裏面
は灰色味赤色から黒色であった。分生子殻が豊富に見ら
れた。
【0027】形態的特徴の観察は、加圧滅菌した葉上で
の生育をもとに行った。分生子殻は、表在性、暗茶色、
球形、開孔性で、剛毛を持ち、多角菌組織の細胞1−2
層の薄壁から成り、直径60μmまであった。剛毛は、
隔壁はなく、暗茶色、いぼ状、長さ25μmまでで、巾
3.5−4.5μmであった。分生子柄は観察されず、
フィアライドが分生子殻に配列した。フィアライドはと
っくり形、長さ4.0−9.0μmで、基部は巾3.0
−4.0μm、細くなった先端は巾0.5−2.0μm
であった。フィアライドから無色の分生子が形成された
。分生子は1細胞、滑面、亜球形で、3.0−3.5×
2.5−3.0μmであった。栄養菌糸は隔壁をもち、
茶色、粗面、分枝する。菌糸細胞は円筒形またはたる形
で、巾2.0−4.0μmである。
【0028】No.16775株は7〜32℃で生育可
能で、最適生育温度は22〜25℃である。(ポテト・
デキストロース寒天培地上で測定した)。
【0029】上記の特徴からNo.16775株はケト
アスボリシア・エリシホイデス・スペガッチーニ(Ch
aetasbolisia  erysiphoide
s  Spegazzini  1918)に所属する
と思われた(1)。従って、この生産株をケトアスボリ
シア・エリシホイデスNo.16775(Chaeta
sbolisia  erysiphoides  N
o.16775)と命名した。
【0030】No.16775株の培養上の特徴を、下
記表2の第1表にまとめて示す。
【0031】
【表2】
【0032】以上の特徴は、25℃で、14日間培養後
に観察した。色調の記載は、メチューン・ハンドブック
・オブ・カラー(Methuen  Handbook
  ofColour)をもとにして行った(2)。
【0033】上記において参考にした文献は、下記表3
のとおりである。
【0034】
【表3】
【0035】本発明に係るWF16775物質は、ケト
アスボリシア属に属する該物質生産菌(例えば、Cha
etasbolisia  erysiphoides
  No.16775)を資化しうる炭素及び窒素源を
含む栄養培地中に接種し、好気条件下で培養することに
より、(例えば、振とう培養、通気撹拌培養等)、生産
せしめることができる。
【0036】炭素源としては、グルコース、シュークロ
ース、澱粉、フラクトース、グリセリンその他の炭水化
物を使用するのが好ましい。
【0037】窒素源としては、オートミール、イースト
エキストラクト、ペプトン、グルテンミール、綿実粉、
大豆ミール、コーンスティープリカー、乾燥イースト、
小麦胚芽、落花生粉、チキン骨肉ミール等を使用するの
が好ましいが、アンモニウム塩(例えば、硝酸アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等)、尿
素、アミノ酸等の無機及び有機の窒素化合物も有利に使
用することができる。
【0038】これらの炭素源及び窒素源は、併用するの
が有利であるが、純粋なものを必らずしも使用する必要
はない。不純なものには、生長因子や微量要素が含まれ
ているからである。
【0039】必要ある場合には、例えば次のような無機
塩類を培地に添加してもよい:炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリ
ウム、マグネシウム塩、銅塩、コバルト塩等。
【0040】特に、培地が強く発泡するのであれば、必
要あるときに、液体パラフィン、動物油、植物油、鉱物
油、シリコン等を添加してもよい。
【0041】目的物質を大量に工業生産するには、他の
発酵生産物の場合と同様に、通気攪拌培養するのが好ま
しい。少量生産の場合は、フラスコを用いる振とう培養
が好適である。
【0042】また、培養を大きなタンクで行う場合、W
F16775物質の生産工程において菌の生育遅延を防
止するため、はじめに比較的少量の培地に生産菌を種培
養した後、次に培養物を大きな生産タンクに移してそこ
で生産培養するのが好ましい。この場合、前培養ないし
種培養に使用する培地及び生産培養ないし本培養に使用
する培地の組成は、両者ともに同一であってもよいし必
要あれば両者を変えてもよい。
【0043】培養は通気攪拌条件で行うのが好ましく、
例えばプロペラやその他機械による攪拌、ファーメンタ
ーの回転または振とう、ポンプ処理、空気の吹き込み等
既知の方法が適宜使用される。通気用の空気は滅菌した
ものを用いる。
【0044】培養温度は、本WF16775物質生産菌
が本物質を生産する範囲内で適宜変更しうるが、通常は
1〜40℃、好ましくは7〜32℃、特に好ましくは2
2〜25℃で培養するのがよい。培養時間は、培養条件
や培養量によっても異なるが通常は約1日〜1週間であ
る。
【0045】醗酵終了後、培養物から目的とするWF1
6775物質を回収する。すなわち、菌体は、直接水及
び/又は有機溶媒による抽出、あるいは、これを機械的
に又は超音波等既知の手段を用いて破壊した後、水及び
/又は有機溶媒で抽出した後、常法したがって回収、精
製する。培養液の場合は、直接、常法にしたがって回収
、精製すればよい。
【0046】回収、精製方法としては、例えば、水、有
機溶媒、これらの混合溶媒による溶媒抽出;クロマトグ
ラフィー;単一溶媒又は混合溶媒からの再結晶等常法が
適宜単独であるいは組合わせて使用できる。
【0047】WF16775物質の回収、精製は上記の
ように既知の方法を適宜利用して行うが、例えば次のよ
うにしてもよい。まず、培養物、例えば菌糸体のアセト
ン抽出液を、酢酸エチル、ヘキサン、またはこれらの混
合溶媒で抽出し、抽出液を必要あれば蒸発又は蒸留して
濃縮する。濃縮液及び/又は抽出液には、WF1677
5−A1及びA2の双方が含まれているので、これらを
分離しないで使用する場合には、この濃縮液及び/又は
抽出液をそのままあるいは常法にしたがって精製した後
、使用すればよい。
【0048】また、WF16775−A1及びA2をそ
れぞれ分離精製する場合は、上記によって得た抽出液及
び/又は濃縮液を更に精製処理し、例えばクロマトグラ
フィ処理によってこれらA1及びA2成分をそれぞれ含
有するフラクションに分離すればよく、また更に純度の
高い物質を得るためには、クロマトグラフィ処理、抽出
処理、再結晶処理等、常法にしたがって精製処理を行え
ばよく、必要あれば更に凍結乾燥等を行ってもよい。こ
のようにして、WF16775−A1及びA2を純粋な
形で得ることができる。
【0049】このようにして得たWF16775物質(
A1、A2及びこれらの混合物も含む)は、遊離の形で
使用するほか、例えば次のような塩基で処理するといっ
た常法によって薬剤上許容できる塩の形で使用してもよ
く、これらの塩類も本発明の権利範囲に包含される。
【0050】塩基として好適なものの例は次のとおリで
ある:アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム等)
、アルカリ土金属(例えばマグネシウム、カルシウム等
)、これらの水酸化物又は炭酸塩、アルカリ金属アルコ
キサイド(例えばナトリウムメトキサイド、ナトリウム
エトキサイド、カリウムt−ブトキサイド等)その他。
【0051】本発明に係る薬剤組成物は、WF1677
5物質(A1、及び/又はA2)及び/又はその塩を有
効成分としてこれに常用される無機又は有機の担体を加
えて、固体、半固体又は液体の形で、経口投与剤のほか
、外用剤等の非経口投与剤に製剤化する。
【0052】経口投与のための製剤としては、錠剤、丸
剤、顆粒剤、軟・硬カプセル剤、散剤、細粒剤、粉剤、
乳濁剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等が挙げら
れる。非経口投与のための製剤としては、注射剤、点滴
剤、輸液、軟膏、ローション、トニック、スプレー、懸
濁剤、油剤、乳剤、坐剤等が挙げられる。本発明の有効
成分を製剤化するには、常法にしたがえばよく、界面活
性剤、、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安定剤、緩
衝剤、懸濁剤、等張剤その他常用される佐薬を適宜使用
する。
【0053】本発明に係る薬剤組成物の投与量は、その
種類、治療ないし予防対象疾病の種類、投与方法、患者
の年令、患者の症状、処理時間等によって相違するが、
静脈投与の場合は成人ひとり当り1日に有効成分(WF
16775物質及び/又はその塩類)を0.1〜100
mg/kg投与し、筋肉投与の場合は同じく0.1〜1
00mg/kg投与し、経口投与の場合も同じく1〜1
000mg/kgの範囲内で投与する。
【0054】以下、本発明を実施例令について更に詳し
く説明する。
【0055】
【実施例1】
【0056】
【(1)  醗酵生産】500ml容エルレンマイヤー
フラスコ48本に下記の表4に示す種培養培地7.71
を等分に分注し、120℃で30分間滅菌した。この各
々の培地に、Chaetasbolisia  ery
siphoides  No.16775(FERM 
 P−11873)株の斜面培養物を1白金耳ずつ接種
し、25℃で3日間ロータリーシエーカー(220rp
m、約5.1cmストローク)で培養した。
【0057】
【表4】
【0058】次に、下記の表5に示す本培養培地を20
0l容のファーメンター3基に150lずつそれぞれ注
入し、120℃で30分間滅菌した後、上記で得た前培
養物全量を3等分し、これらをそれぞれ接種し、25℃
で7日間培養した。攪拌は200rpm、通気量は15
0l/分、且つ1.0kg/cm2、以上の加圧下で培
養を行った。
【0059】
【表5】
【0060】菌体量は、3000rpmで10分間遠心
分離した後に定量した。検定サンプルとしては、全ブロ
ス抽出液(等量のアセトンを加えた後、室温で1時間抽
出したもの)を用い、その活性は、内皮細胞を使用する
管腔形成試験によってモニターした。
【0061】
【(2)分離精製】上記によって得た発酵ブロスを、濾
過助剤としてケイソウ土10kgを用いて濾過した。得
られた菌体(湿重量54kg)を、50lのアセトンを
用いて2回抽出した。アセトンを減圧下で蒸発させ、得
られた水溶液に6N  HClを加えてpHを4に調節
した。酢酸エチル20lを用いて3回抽出を行い、次い
で減圧下濃縮し、これをNa2SO4で乾燥し、その結
果、油状物質を得た。
【0062】得られた油状物質を21のシリカゲル(7
0−230メッシユ、メルク社)とともに乾燥し、得ら
れた粉末を、上記と同一のシリカゲルをn−ヘキサン中
で充填した1lのカラムに付した。次いでこのカラムを
、n−ヘキサンと酢酸エチルの各混合溶液(1:0;8
:1;4:1;3:1;2:1;1:1)を各段階にお
いて各々カラム容量の3倍量(91)を使用して、段階
的に溶出した。n−ヘキサンと酢酸エチルの8:1及び
3:1混液で溶出した。フラクションに活性が認められ
たので、これらのフラクションを合し、これを減圧下濃
縮して、油状物質56.3gを得た。
【0063】この油状物質を150mlのシリカゲルと
ともに再度乾燥し、次いでこれを、上記と同じシリカゲ
ルをn−ヘキサンで充填した1lのカラムに再度付した
。上記したのと同じ混合溶媒を用いて段階的に展開した
結果、n−ヘキサンと酢酸エチルの3:1及び2:1混
液中に活性化合物が溶出された。これを減圧下濃縮して
、黄褐色油状物質13.6gを得た。
【0064】この油状物質を340mlのエタノールで
希釈した後、水510mlを加えた。黄色沈澱が生成し
たので、これに1N  NaOHを加えてpHを7.5
に調節することによリ、これを再度溶解し、その結果赤
色の溶液を得た。一方、YMCゲル(ODS−AM  
120−S50、山村化学研究所(株)製)を、10m
Mリン酸カリウム緩衝液(pH7)含有40%メタノー
ル水中で1lカラムに充填しておき、このYMCゲルカ
ラムに上記赤色溶液を適用した。上記メタノール水6l
を用いてカラムを洗滌した後、活性化合物は、10mM
リン酸カリウム緩衝液(pH7)含有50%メタノール
水で溶出された。同時に、HPLC(カラム:YMC−
AM  303  S−5  120A  ODS(山
村化学研究所(株)製)、溶媒:10mMリン酸カリウ
ム緩衝液(pH7)含有65%メタノール水、流速:1
.0ml/分、検出:210nm)を用いて、上記の溶
出液をモニターした。その結果、保持時間10.1分及
び14.6分のところにそれぞれ活性化合物が検出され
た。これら2つの活性化合物の中、前者をWF1677
5−A1(=FR−901448)そして後者をWF1
6775−A2(=FR−901449)とそれぞれ命
名した。
【0065】WF16775−A1は700ml〜37
00mlのフラクション(フラクションI)に溶出され
、他方、WF16775−A2は4000ml〜830
0mlのフラクション(フラクションII)に溶出され
た。
【0066】フラクションI(WF16775−A1を
1270mg含有)を合し、そして最終濃度が35%メ
タノール水となるよう水を加え、次いで次のようにして
再度クロマトグラフィー処理を行った。すなわち10m
Mリン酸カリウム緩衝液(pH7)含有40%メタノー
ル水で充填した1lのYMCゲルカラムに、上記サンプ
ルを負荷した。上記水性メタノール溶媒6lを用いてカ
ラムを洗滌した後、45%メタノール水によって該化合
物が溶出された。減圧下この活性フラクション(WF1
6775−A1を1176mg含有)からメタノールを
除去した後、1N  HClを用いてそのpHを4に調
節した。
【0067】得られた懸濁液を、n−ヘキサン:酢酸エ
チル(1:2)混液で5回(該混液を各等量ずつ使用)
抽出し、乾燥した。得られた赤色油状物質(1547m
g)を、n−ヘキサン:酢酸エチルの(6:1)熱混液
中に再度溶解し、これを、上記と同じ溶媒を用いて充填
した150mlのシリカゲルカラムに適用した。
【0068】このカラムを、上記溶媒を用いてWF16
775−A1の溶出が完結するまで、充分に展開した。 溶媒を減圧下で除去し、薄黄色油状残渣を少量の熱n−
ヘキサン中に再溶解した。この溶液を室温に1夜放置し
たところ、白色針状を呈する結晶が822mg得られた
【0069】また一方、赤色を呈するフラクションII
(WF16775−A2を328mg含有)については
、最終濃度が40%メタノール水となるよう水で希釈し
、1lのYMCゲルカラム上で再度クロマトグラフィー
処理を行なった。10mMのリン酸カリウム緩衝液(p
H7)含有40%メタノール水5lを用いて、このカラ
ムを洗滌した後、10mMの上記緩衝液含有50%メタ
ノール水を用いてWF16775−A2溶出した。
【0070】純度95%以上のフラクションを合し、こ
れを減圧下で濃縮してメタノールを除去した。この活性
物質をpH7下でn−ヘキサンを用いて抽出し、薄黄色
の抽出液を得た。これを濃縮して、WF16775−A
2の無色針状結晶を273mg得た。
【0071】
【実施例2】実施例1で製造したWF16775−A1
及び同A2物質(それぞれ単にA1及びA2ということ
もある)について、血管内皮細胞に対する管腔形成阻害
を測定して、血管新生阻害活性のほか、更に抗腫瘍活性
も確認し、併せて安全性も確認した。
【0072】
【(1)管腔形成阻害活性】内皮細胞はウシ頸動脈由来
のものを用い、10%FBS(ウシ胎児血清)を含むイ
ーグルMEM(最少必須)培地にて培養したものをトリ
プシン処理して集めた。96穴マイクロタイタープレー
トの各穴に中性化したタイプIコラーゲンを加えてゲル
化し、10%FBS添加MEM培地に懸濁した内皮細胞
1.5×104個をゲル上に播種した。CO2インキユ
ベーターで3日間培養後、血清を含まないMEM培地と
培地交換し、そこへサンプルおよびbFGF(20ng
/ml)を添加して培養を続けた。3日後、管腔様構造
の発達程度を顕微鏡により観察した。
【0073】その結果、管腔形成に対するMIC値は下
記の表6のとおりであった。
【0074】
【表6】
【0075】なお、この際内皮細胞に対してA1、A2
とも10μg/mlの濃度で細胞毒性は示さなかった。
【0076】
【(2)細胞毒性】ウシ頸動脈血管内皮細胞は、10%
FBSを含むイーグルMEM培地にて培養したものをト
リプシン処理して集めた。マウスリンパ腫EL−4細胞
は、10%FBSを含むダルベッコ培地にて培養した。 また、マウス線維肉腫Meth  A細胞はBalb/
cマウス(雌、8週令)腹腔中で継代したものを、10
%FBSを含むダルベッコ培地に懸濁した。96穴マイ
クロタイタープレートの各穴に上記培地に懸濁した細胞
をそれぞれ1×104個加え、そこへサンプルを添加し
てCO2インキュベーター中、内皮細胞あるいはMet
h  A細胞の場合は72時間、EL−4細胞の場合は
48時聞培養した後、顕微鏡により細胞の生育を観察し
た。
【0077】その結果、細胞増殖に対するMIC値は下
記の表7のとおりであった。
【0078】
【表7】
【0079】なお、これらの作用は内皮細胞、Meth
  A細胞に対してはcytostaticであったが
、EL−4細胞に対してはcytotoxicであった
【0080】
【(3)抗菌活性】抗菌活性は、検定菌として細菌を用
いる場合はブイヨン培地を、酵母およびかびを用いる場
合はサブロー培地を使用して、サンプルを希釈した後、
ベーパーディスク−寒天拡散法によってMIC値を測定
した。その結果を下記の表8に示した。
【0081】
【表8】
【0082】
【(4)急性毒性】Balb/cマウス(雌、8週令、
n=2)を用いた腹腔内投与によるLD100値はA1
が5mg/kg、A2が10mg/kgであった。また
Balb/cマウス(雌、8週令、n=5)を用いたA
2による腹腔内5日間連続投与では、3mg/kg以下
の濃度でコントロール並の体重増加がみられた。
【0083】
【(5)血管新生阻害作用】in  vivoにおける
血管新生阻害作用を鶏胚漿尿膜(CAM)法により検討
した。アッセイはN.G.Tanakaらの方法(Ex
p.Pathol.30,143,1986)に多少の
改良を加えて行った。すなわち3日令の受精卵より卵白
を約3ml抜き取った後、卵殻に約1cm四方の小窓を
あけ、卵殻膜を除去してCAMを露出させた。次いで、
小窓をふさいで2日間孵卵後、5日令のCAM上にシリ
コンリング(内径3mm、外径5mm、厚さ1mm:池
田理化)をのせ、その中にあらかじめR.Langer
らの方法(Nature  263,797,1979
)により作製しておいた本化合物0.1〜10μgを含
む徐放性ペレットを置いた。小窓をふさいでさらに2日
間孵卵後、漿尿膜腔内に適量の10%脂肪乳剤(イント
ラリポス、ミドリ十字)を注入してCAM上の血管を見
やすくした後、実体顕微鏡下でサンプルペレットのまわ
りに生じた血管新生阻止ゾーンを観察した。
【0084】血管新生阻害活性(パーセント)は、試験
された総検体当りの血管新生阻害ゾーンを形成した検体
数として算出した。なお、各群において8〜10個の受
精卵を用いた。
【0085】その結果、本化合物は下記表9の第2表に
示すように、いずれも濃度依存的にCAMにおける血管
新生を阻害した。
【0086】
【表9】
【0087】
【(6)抗腫瘍活性】マウス線維肉腫Meth  A細
胞をBalb/cマウス(雌、8週令)腹腔中で継代し
、8日後にその細胞を1×105細胞Balb/cマウ
スに皮内移植した。本化合物はday0〜3、day6
〜10およびday13に各濃度で腹腔内投与し、経時
的に腫瘍サイズを測定した。なお、相対的腫瘍重量はN
CI(USA)のマニュアルにより算出した。その結果
を下記表10の第3表に示した。
【0088】
【表10】
【0089】以上の結果から、WF16775物質はす
ぐれた血管新生阻害作用及び抗腫瘍作用を有することが
判明した。すなわち、in  vivo血管新生作用評
価系である鶏卵漿尿膜assay系において、A1(0
.5〜5μg/egg)およびA2(0.2〜2μg/
egg)の濃度で阻害し、その強度は強いことが確認さ
れた。
【0090】また、マウスの固形癌Meth  A(i
d→ip投与)で1〜3mg/kgで、腫瘍の増殖の抑
制傾向が認められた。
【0091】したがって、WF16775物質は、例え
ば血管新生の阻害や癌の予防治療に有用であることがわ
かった。
【0092】
【実施例3】下記表11に示す原料を用いて錠剤を製造
した。
【0093】
【表11】
【0094】すなわち、(1)、(2)及び(3)(但
し17g)を混合し、(3)(但し7g)から調整した
ペーストとともに顆粒化した。得られた顆粒に(3)(
但し5g)と(4)を加えてよく混合し、この混合物を
圧縮錠剤機により圧縮して、1錠あたり有効成分(1)
を50mg含有する錠剤1000個を製造した。
【0095】
【実施例4】下記表12に示す原料を用いて注射剤を製
造した。
【0096】
【表12】
【0097】すなわち、(1)〜(4)の全成分を蒸留
水1000mlに溶解した後、アンプルに1mlずつ分
注して、注射剤1000本を製造した。
【0098】
【発明の効果】本発明はWF16775−A1及びA2
物質(FR−901448及びFR−901449)を
提供するものであるが、これらの物質はすぐれた血管新
生阻害作用を示し、医薬、例えば癌や腫瘍の予防及び/
又は治療剤として、非常に有用である。また、FR−9
01449物質は新規物質でもあるので、化合物の面か
らも更に新しい発明が展開されることが大いに期待され
る。
【0099】また、本発明によって、微生物を利用する
上記物質の工業的製法も確立された。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記化1の式Iで示される化合物、FR−
    901448物質及び/又はFR−901449物質、
    を有効成分とすることを特徴とする血管新生阻害剤。 【化1】
  2. 【請求項2】  下記化2の式IIで示されるFR−9
    01149物質。 【化2】
  3. 【請求項3】  ケトアスボリシア(Chaetasb
    olisia)属に属するFR−901448物質及び
    FR−901449物質生産菌を培養してFR−901
    448物質及びFR−901449物質を生成せしめ、
    これ(ら)を採取することを特徴とするFR−9014
    48物質及び/又はFR−901449物質の製造方法
  4. 【請求項4】  下記化3の式Iで示される化合物、F
    R−901448物質及び/又はFR−901449物
    質、を有効成分とすることを特徴とする抗腫瘍剤。 【化3】
JP41823490A 1990-12-26 1990-12-26 血管新生阻害物質 fr−901448 およびfr−901449 Pending JPH04224559A (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009256359A (ja) * 1998-03-24 2009-11-05 Chugai Pharmaceut Co Ltd 血管形成抑制剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009256359A (ja) * 1998-03-24 2009-11-05 Chugai Pharmaceut Co Ltd 血管形成抑制剤
US8119126B2 (en) 1998-03-24 2012-02-21 Chugai Seiyaku Kabushiki Kasha Inhibiting vascularization using antibodies to CXCR4 and SDF-1

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