JPH0415160Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は計量米びつの排出装置に関し、特に
そのロツク板に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の計量米びつの排出装置は、排出シユータ
の内部を２〜３区分して独立の排出通路を設ける
と共に、各通路にシヤツターを設け、各シヤツタ
ーに関連せしめた操作レバーを排出通路に対応し
て複数本設けた構成からなり、使用者は所望のレ
バーを操作し、必要量の米を排出するようになつ
っていた。

このような計量米びつにおいて、デザイン上の
観点及びレバー操作の間違いを無くするという観
点から、排出量設定ボタンと、単一の排出操作部
材とをそれぞれ独立に設け、排出量設定ボタンに
より予め排出量を設定しておき、米の排出に際し
ては、排出操作部材を操作するだけで所望量の米
を排出するようにした排出装置が考えられる。こ
のような排出装置付きの計量米びつについては、
既に本出願人が実用新案登録の出願をしている
（実願昭61−182715号）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のように、排出量設定ボタンと排出操作部
材を独立に設けた場合、排出操作部材は使用者の
指先によつて押し下げられ、指を離すと装置内部
に組み込んだバネの力により押し上げられる。

排出操作部材はこのような運動をするものであ
るため、水平方向及び前後方向のがたつきを防止
するガイド機構が必要となり、また押し下げ時の
下限を制限するストツパーも必要となる。更に、
排出操作部材に不用意な操作を防止するためのロ
ツク機構も必要とされる場合がある。

このように、排出量設定ボタンと排出操作部材
を独立に設けた場合、排出操作部材の作動に関す
る機構は相当複雑になる問題点がある。

そこで、この考案は、１枚のロツク板を多機能
化することにより、部品数の増加を防ぎ、かつ簡
単な機構により排出操作部材に関する諸機能を果
たすようにすることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案は排
出シユータ１に設けた複数の通路２に開閉シヤツ
ター３を設け、前パネル４に設けた排出量設定ボ
タン５により所望の排出量を設定し、設定された
排出量に応じた通路２のシヤツター３を前パネル
４に設けた排出操作部材６の操作により開閉する
計量米びつの排出装置において、前パネル４に設
けた窓孔７の背面の排出操作部材６を上下動自在
に嵌合し、排出操作部材６に上記窓孔７に露出す
る指掛け部８を形成すると共にその指掛け部８の
下部に窓孔閉塞部９を一体に形成し、その窓孔閉
塞部９の両側に背面方向へ突出したガイド壁１０
を形成し、上記窓孔７下方の前パネル４の内面に
水平方向にスライドし、かつ上記両ガイド壁１０
間の距離に等しい水平方向の長さを有するロツク
板１１を設け、そのロツク板１１を窓孔閉塞部９
の背面に重ねて両ガイド壁１０の間に挿入し、且
つロツク板１１の上端縁の一方のコーナに切欠き
１２を形成し、上記排出操作部材６が最上位にあ
るとき、その下端がロツク板１１の上記切欠き１
２に上下方向の幅ａ内にあるように設定し、上記
ロツク板１１を操作するロツクボタン１３を前パ
ネル４に設けた構成としたものである。

〔作用〕

ロツクボタン１３を非ロツク位置に設定すると
共に、排出量設定ボタン５を所望の目盛にあわせ
たのち、窓孔７に露出している排出操作部材６の
指掛け部８を押下げると、所望の通路２のシヤツ
ター３が開放される。ロツクボタン１３をロツク
位置に設定すると、ロツク板１１の切欠き１２が
排出操作部材６の下端に係合するため、排出操作
部材６を押下げることは不可能となり、ロツクさ
れる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

計量米びつ全体の外観は第１図に示すように前
パネル４に上下３段の窓孔１７，７，１８を設
け、上段の窓孔１７に目盛１９を施すとともに、
排出量設定ボタン５を左右方向へスライドできる
ように設けている。

中段の窓孔７には排出操作部材６の指掛け部８
が露出している。指掛け部８を下方に押下げるこ
とにより、排出操作部材６を下方へ移動すること
ができる。

下段の窓孔１８にはロツクボタン１３が設けら
れ、このロツクボタン１３の操作により、上記の
排出操作部材６の押下げを不可能ならしめる。

排出シユータ１は、第２図及び第３図に示すよ
うに、その内部を区画壁２０により、上下方向の
３本の通路２に区分されている。

各通路２に対応して設けられるシヤツター３
は、通路２の前面を閉塞する前面板２３と、通路
２の上下両端を交互に閉塞すべく前後反対に突出
した上部閉塞板２４と下部閉塞板２５とから成
り、前面板２３の背面に突設した左右一対のブラ
ケツトに排出シユータ１の両側壁で支持された共
通の第１支持軸２６を挿通することにより、回動
自在に支持されている。

また、上記の第１支持軸２６の上部にこれと平
行の第２支持軸２７を設け、各シヤツター３に対
応して第１支持軸２６に取付けたコイルバネ２８
の一端を各シヤツター３の下部背面に押当て、他
端を第２支持軸２７に押当てることにより、各シ
ヤツター３の下部閉塞板２５が通路２の内部に前
進し、上部閉塞板２４が後退するように附勢し、
通常の状態において通路２の下端を閉塞してい
る。

また、中央と右端のシヤツター３に対応して第
１支持軸２６に連動金具２９が回転自在に取付け
られている。この連動金具２９は、両端部に取付
片３０，３０を有し、各取付片３０，３０を第１
支持軸２６に回動自在に取付けている。また、各
取付片３０，３０の近くに各シヤツター３の背面
に当接する腕３１を設け、中央のシヤツター３に
対する腕３１は、第１支持軸２６より上部に当接
し、また右端のシヤツター３に対する腕３１は、
それより下部に当接するよう、それぞれ突出方向
が反対になつている。

上記の連動金具２９があるために、右端のシヤ
ツター３を開放方向に回動すると、連動金具２９
の各腕３１，３１を通じて中央のシヤツター３に
も開放方向の運動が伝達され、両方のシヤツター
３，３が開放される。しかし、中央のシヤツター
３が開放方向に回動しても、右端のシヤツター３
が連動することはない。また左端のシヤツター３
は連動金具２９と無関係に独立して作動する。

また、上記の各シヤツター３の前面板２３の下
部にそれぞれレバー取付部３２を突設し、各取付
部３２にレバー１４をそれぞれ取付けている。

上記の各レバー１４に対向して、米びつ前パネ
ル４の内面には、一対のブラケツト３３により支
持された第３支持軸３４が設けられ、その第３支
持軸３４にスライド片３５がその両端に設けた脚
３６により回動自在に取付けられている。また、
両方の脚３６間において、第３支持軸３４にレバ
ー操作片３７がスライド回転自在に挿通されてい
る。レバー操作片３７は、スライド片３５と一体
にスライドし、且つ独立に回転する。

レバー操作片３７は通常の状態において傾斜し
ており、その下端に水平方向に屈曲した係合部３
８を形成し、その係合部３８を前記各レバー１４
の先端下部に係合している。

上記の係合部３８には２個所の切欠き３９が形
成され、係合部３８はこれらの切欠き３９によつ
て３個所に分離されている。またレバー操作片３
７の上端は水平方向に屈曲され、排出操作部材６
の指掛け部８の下面に係合している（第２図参
照）。

なお、レバー操作片３７とスライド片３５との
間にコイルバネ３４′が介在され、レバー操作片
３７に附勢力を与えている。

一方、スライド片３５の上端部には、前述の上
段窓孔１７を閉塞する閉塞板４０を設け（第４図
参照）、その中央部にバネ箱４１を設けている。
バネ箱４１の内部には、大略Ｖ形に屈曲された板
バネ４２が収納され、その屈曲部分をバネ箱４１
の前面に形成した開口４３に突出している。開口
４３から露出した板バネ４２の一部は、上段窓孔
１７の上縁内面に一定間隔をおいて形成された凹
部４４に落ち込む際に、クリツク音を発生させる
と共に操作者にクリツク感触を生じさせる。

中段窓孔７の上半部には、第４図に示すように
内方へ凹入した凹所４５が形成され、凹所４５の
両側壁４６が窓孔７の両側辺に添つて延びてお
り、その両側壁４６にガイドリブ４７が形成され
ている。

排出操作部材６は、上記凹所４５の背面及び両
側壁に嵌る上半部４８を有し、その上半部４８に
上記ガイドリブ４７に嵌るガイド溝４９が形成さ
れている。また下半部は窓孔７の下半部分の開放
部分を閉塞する窓孔閉塞部９になつている。この
窓孔閉塞部９の上端と上半部４８との境界部分は
段になつており、その段が指掛け部８になつてい
る。この指掛け部８の下面はレバー操作片３７の
前端縁の上に載つた状態で係合する。

一方、スライド片３５の前面には、目盛１９の
ピツチと等しいピツチで縦リブ５２が６個所形成
され、各縦リブ５２の間に爪片５１が嵌入しうる
ガイド溝５３が形成されている。爪片５１は、排
出操作部材６の上縁に背面方向へ突出して目盛１
９と等しいピツチで形成される。したがつて、ス
ライド片３５の位置が目盛１９に合致する場合
は、爪片５１は第７図に示すようにガイド溝５３
の上部に臨む。そのため、排出操作部材１６が押
下げることができる。しかし、スライド片３５の
位置が目盛１９の位置と正確に合致していない場
合は、爪片５１が縦リブ５２の上端に当たるた
め、（第７図鎖線参照）、排出操作部材６を押下げ
ることはできない。

また、排出操作部材６の閉塞部９の両側にが背
面側へ突出したガイド壁１０が形成され、そのガ
イド壁１０の間に閉塞部９の背面に重ねた状態に
ロツク板１１が嵌入される。ロツク板１１は、上
記両側のガイド壁１０間の距離に等しい水平方向
の長さを有し、下段窓孔１８の内面において左右
方向へスライドできるように取付けられ、窓孔１
８内のロツクボタン１３の操作により移動する。
また、ロツク板１１の上端には、ロツク方向へ移
動する側のコーナ部分に切欠き１２が形成され
（第５図及び第６図参照）、ロツク方向への移動に
よつて切欠き１２が窓孔閉塞部９の一方のガイド
壁１０の下端に係合し（第５図鎖線参照）、排出
操作部材６の押下げを不可能ならしめる。また、
ロツク板１１の前面中央部分に左右方向に受板５
４を形成し、これにより排出操作部材６の下方へ
の移動を制限する。また、前パネル４には、下段
窓孔１８の背面下方にロツク板１１のガイド板５
５が形成される。

第５図に示すように、排出操作部材６が最上位
にある場合に、その下端縁が上記ロツク板１１の
前記切欠き１２の上下方向の幅ａ内にあるように
設定される。このため、排出操作部材６が最上位
にある場合にもロツク板１１の前面が排出操作部
材６の背面に当たつている。またその状態でロツ
ク板１１をスライドさせ、その切欠き１２を排出
操作部材６の下端縁の一方のコーナ部分に係合さ
せるこができる。

実施例の排出装置は以上のように構成され、ロ
ツクボタン１３を非ロツク位置に設定するととも
に、排出量設定ボタン５を所望の目盛１９に合わ
せたうえで、中段窓孔７に露出した指掛け部８を
下方に押下げ、排出操作部材６を下降させる。こ
れによりレバー操作片３７が回動し、その係合部
３８と係合した排出レバー１４の全部又は一部が
作動し、シヤツター３を開放する。

このとき、排出操作部材６は、窓孔閉塞部９に
形成したガイド壁１０がロツク板１１の両側によ
つてガイドされるため水平方向のがたつきがな
く、また窓孔閉塞部９の背面がロツク板１１の前
面に摺接するので、前後方向のがたつきも防止さ
れる。排出操作部材６のストロークの下限は、ロ
ツク板１１の受板５４に当たることにより設定さ
れる。

指掛け部８から指先を離すと、レバー操作片３
７がコイルバネ３４′のバネ力により元の状態に
戻り、同時に排出操作部材６も上昇して元の状態
に戻る。排出操作部材６のストロークの上限は、
指掛け部８が凹所４５の下端縁に当たることによ
り設定される。

また、ロツクボタン１３をロツク位置に移動す
ると、ロツク板１１の移動によりその切欠き１２
に排出操作部材６の一部が係合してこれをロツク
する。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のロツク板１１は、排
出操作部材６との係合によるロツク機能のほか
に、同部材６のストロークの下限を設定し、更に
同部材６の上下運動を両側及び前後方向にガイド
する諸機能を発揮する。このため、少ない部品点
数で、排出操作部材６が円滑に作動する機能を実
現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は計量米びつの斜視図、第２図は排出装
置の断面図、第３図は排出装置の一部の斜視図、
第４図は排出装置の一部の分解斜視図、第５図は
排出操作部材とロツク板との関係を示す一部切欠
背面図、第６図は排出操作部材を押込んだ状態の
ロツク板との関係を示す一部切欠背面図、第７図
は排出操作部材と縦リブとの関係を示す横断平面
図、第８図は排出量設定ボタンの部分における横
断平面図である。 １……排出シユータ、２……通路、３……開閉
シヤツター、４……前パネル、５……排出量設定
ボタン、６……排出操作部材、７……窓孔、８…
…指掛け部、９……窓孔閉塞部、１０……ガイド
壁、１１……ロツク板、１２……切欠き、１３…
…ロツクボタン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排出シユータ１に設けた複数の通路２に開閉シ
   ヤツター３を設け、前パネル４に設けた排出量設
   定ボタン５により所望の排出量を設定し、設定さ
   れた排出量に応じた通路２のシヤツター３を前パ
   ネル４に設けた排出操作部材６の操作により開閉
   する計量米びつの排出装置において、前パネル４
   に設けた窓孔７の背面に排出操作部材６を上下動
   自在に嵌合し、排出操作部材６に上記窓孔７に露
   出する指掛け部８を形成すると共にその指掛け部
   ８の下部に窓孔閉塞部９を一体に形成し、その窓
   孔閉塞部９の両側に背面方向へ突出したガイド壁
   １０を形成し、上記窓孔７下方の前パネル４の内
   面に水平方向にスライドし、かつ上記両ガイド壁
   １０間の距離に等しい水平方向の長さを有するロ
   ツク板１１を設け、そのロツク板１１を窓孔閉塞
   部９の背面に重ねて両ガイド壁１０の間に挿入
   し、且つロツク板１１の上端縁の一方のコーナに
   切欠き１２を形成し、上記排出操作部材６が最上
   位にあるとき、その下端がロツク板１１の上記切
   欠き１２の上下方向の幅ａ内にあるように設定
   し、上記ロツク板１１を操作するロツクボタン１
   ３を前パネル４に設けたことを特徴とする計量米
   びつの排出装置。