JPH0413292B2 - - Google Patents
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- JPH0413292B2 JPH0413292B2 JP61013887A JP1388786A JPH0413292B2 JP H0413292 B2 JPH0413292 B2 JP H0413292B2 JP 61013887 A JP61013887 A JP 61013887A JP 1388786 A JP1388786 A JP 1388786A JP H0413292 B2 JPH0413292 B2 JP H0413292B2
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- silicide
- molybdenum
- temperature
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Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は、低酸素含有量のモリブデンシリサイ
ド或いはタングステンシリサイドの合成方法に関
するものであり、特にはモリブデン或いはタング
ステンのシリサイド製ターゲツトの製造目的に好
適な低酸素含有量のモリブデンシリサイド或いは
タングステンシリサイドを簡便に合成する方法に
関する。 モリブデンシリサイド或いはタングステンシリ
サイドターゲツトは、MOS・LSIデバイスのゲ
ート電極、ソース電極及びドレイン電極に代表さ
れる電子工業用途での薄膜形成に有用である。 発明の背景 半導体装置の電極あるいは配線、特にMOS・
LSIのゲート電極としてはポリシリコンが従来用
いられてきたが、MOS・LSIの高集積化に伴い
ポリシリコンゲート電極の抵抗による信号伝搬遅
延が問題化している。一方、セルフアライン法に
よるMOS素子形成を容易ならしめる為ゲート電
極、ソース電極及びドレイン電極として融点の高
い材料の使用が所望されている。こうした状況に
おいてポリシリコンより抵抗率の低い高融点金属
ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の研究
が進む一方、シリコンゲートプロセスとの互換性
を第1とした高融点金属シリサイド電極の研究が
活発に進行しつつある。そうした高融点金属シリ
サイドの有望な実用例は、モリブデンシリサイド
(MOSix)及びタングステンシリサイド(WSix)
である。 半導体装置の電極あるいは配線用の高融点金属
シリサイド薄膜の形成に有効な方法として、スパ
ツタ法及び電子ビーム蒸着法がある。スパツタ法
はターゲツト板にアルゴンイオンを衝突させて金
属を放出させ、放出金属をターゲツト板に対向し
た基板に堆積させる方法である。電子ビーム蒸着
法は、電子ビームによりインゴツト蒸発源を溶解
し、蒸着を行う方法である。いずれにせよ、生成
膜の純度その他の性状は、ターゲツト板或いは蒸
発源の純度、組成、スパツタリング特性等により
左右される。 以下、本明細書において「ターゲツト」とは、
スパツタ源或いは蒸着源として板状その他の形態
に賦形された高融点金属シリサイド物品をすべて
包括するものとする。 こうしたターゲツトは、合成されたモリブデン
シリサイド或いはタングステンシリサイド粉を出
発材料とし、その後成形及び真空焼結或いは加圧
焼結の工程を経由してシリサイド焼結体が作製さ
れ、機械加工によつてターゲツトに仕上げられ
る。 こうしたターゲツトのスパツタ及び蒸着に際し
て、ターゲツト中に酸素が含まれていると形成さ
れる電極等の薄膜の特性を悪化させる。 ターゲツト中の酸素含有量を低減するには、合
成されるシリサイド粉の酸素含有量を低減するこ
とが肝要である。合成後、上記焼結等の工程にお
いても酸素を除去することは可能ではあるが、特
に加圧焼結法ではこれがやや困難でもあり、基本
的の合成時の酸素含有量がターゲツトにおける最
終酸素含有量を決定づける。 従来技術とその問題点 従来からのモリブデンシリサイド或いはタング
ステンシリサイドの合成法は、高純度のモリブデ
ン粉或いはタングステン粉と高純度のシリコン粉
とを所定のモル比にて混合し、水素又は真空中に
て800〜1400℃、通常800〜1300℃の温度に加熱し
て両者を反応合成することから成つた。反応時に
四塩化ケイ素を触媒として用いることもある。合
成反応は Mo(W)+xSi→MoSix(WSix)(x=2〜3.5) に従う発熱反応である。 シリサイドターゲツトは研究されてまだ日が浅
く、ターゲツト中の微量酸素の幣害についてもい
まだ関心がほとんど向けられていないと云つてよ
い。従つて、合成シリサイド粉の酸素含有量の低
減化への試みもほとんど為されていないのが現状
である。 上記合成プロセスにおいて、水素中で四塩化ケ
イ素を触媒として用いる方法が比較的低酸素含有
量のシリサイド粉の生成を可能とするが、酸素含
有量水準はいまだ充分でなく、しかも装置が複雑
になり、触媒等のランニングコストも必要とな
り、作業も面倒である。 発明の目的 本発明は、低酸素含有量のモリブデンシリサイ
ド或いは、タングステンシリサイド粉を低コスト
で且つ簡便に製造する方法を確立することであ
る。 発明の概要 本発明者等は、上記目的に向け、酸素含有量減
少策について検討を重ねた。原料たるMo,W及
びSi粉は高純度のものとは云え、Mo及びWにつ
いては1000〜1500ppmの酸素をそしてSi粉につい
ては1500〜2000ppmの酸素を含んでいる。こうし
た酸素が合成シリサイド粉における含有酸素の源
である。本発明者等は、合成したシリサイドを引
き続いて真空中で高温保持することにより脱酸素
が非常に効果的且つ効率的に進行するとの知見を
得た。合成シリサイドを充分の高温真空下に置く
ことにより酸素をSiO(g)として効果的に除去
しうることが判明したものである。しかも、この
方法は、合成プロセスに引き続いて同じ設備のま
ま実施しうるので作業性及び簡便性の点からも好
都合である。斯くして、本発明は、脱酸素を目的
として、二段法を提唱するものであり、モリブデ
ンシリサイド或いはタングステンシリサイド
(MoSix或いはWSix X:Mo或いはWとSiとの
モル比を表わし、2≦X≦3.5である。)粉を製造
する方法において、 (1) Mo粉或いはW粉とSi粉とを所定のモル比よ
りSi過剰に配合して混合粉を生成し、 (2) 該混合粉を真空中800〜1300℃未満の温度で
加熱処理することにより、モリブデンシリサイ
ド粉或いはタングステンシリサイド粉を合成
し、そして (3) 該合成ずみモリブデンシリサイド粉或いはタ
ングステンシリサイド粉を真空中にて1300〜
1500℃の温度に保持することにより前記過剰Si
により酸素をSiOとして脱酸素を行なう ことを特徴とする低酸素含有量のモリブデンシリ
サイド粉或いはタングステンシリサイド粉の製造
方法を提供する。混合粉に合成ずみのシリサイド
粉を添加すると生成物の粉砕性悪化が防止され
る。 発明の具体的説明 原料シリコン粉末並びに原料モリブデン或いは
タングステン粉末は高純度のものを使用する。特
に、電子工業用途に用いられるターゲツト作製の
為には放射性元素、アルカリ金属及び遷移金属含
有量の少ないものが望まれる。高純度のシリコン
粉は容易に市販入手しうる。モリブデン及びタン
グステンについても、上記不純物の少ない高純度
のものを調整する技術が確立されており、更に、
この改善についていくつかの方法が提案されてい
る。 こうした原料モリブデン或いはタングステン粉
とシリコン粉とをモル比1:2〜3.5の配合比に
おいて充分に混合する。混合は例えばV型ミキサ
等を用いて行われる。合成工程及び脱酸素工程に
おけるシリコン揮発損失分を見込んで目標モル比
より若干過剰のシリコン配合量としておく必要が
ある。過剰量は爾後工程の温度及び時間を考慮し
て経験的に確立しうる。 合成は、水素又は真空雰囲気において800〜
1300℃未満に混合粉を加熱することにより実施さ
れる。しかし、本発明目的には合成を真空中で行
うことが好ましい。その方が、合成段階でも脱酸
素を促進しうるし、また次の脱酸素段階へそのま
ま引き続いて進行でき、作業が簡便となるからで
ある。真空雰囲気は10-4torr以下とすることが好
ましい。 この合成段階においても若干の脱酸素は図れ
る。しかし、温度が低いため充分量の脱酸素はも
たらされないので、本発明に従えば合成シリサイ
ド粉を高温真空中に保持する脱酸素処理が取入れ
られる。脱酸素処理は、1300〜1500℃において行
われる。 保持時間は反応時の発生ガスによる真空圧力の
上昇を回復させる為に1hr以上が好ましいが、特
に規定するものではない。保持温度を上昇すると
ともにシリサイド粉の酸素含有量は低下し、この
点からは温度が高いほど好ましいが、1500℃をこ
えるとSiの蒸発が著しくなり、モル比の制御が困
難となるので上限は1500℃とした。効果は、1300
℃を越えると、特には1330℃以上になると顕著と
なる。1400℃以上になると、一層効果的である。 保持温度が高くなるにつれ焼結の度合が進み、
粉砕性が悪くなるが、これに対しては、合成過程
において、既に合成しそして粉砕ずみの合成シリ
サイド粉を、より好ましくは本発明によつて生成
された低酸素含有量をシリサイド粉を別途若しく
は繰返して適量、例えば2〜40重量%添加すると
良い。添加量を多くする程、粉砕性の良好なシリ
サイドが合成しうる。2%の添加により粉砕が容
易に可能となり、添加効果が認められる。15%以
上の添加によつて特に容易に粉となるシリサイド
が得られる。しかし、繰返し添加量をあまり多く
すると、合成反応が妨害されまた粉砕効果も飽和
し、そして製造コストを増大するので、最大限40
%に抑える必要がある。こうして得られた合成シ
リサイドは基本的に粉砕性が良好なので、その後
脱酸素目的で高温に保持しても粉砕性が左程に悪
化しない。 シリサイド生成物の粉砕性は非常に重要な問題
である。粉砕が困難であると、粉砕に長時間を要
し、粉砕コストが非常に高くなり、ターゲツトコ
ストへの負担となつてはね返る。粉砕は一般にボ
ールミルによつて行なわれるが、長時間の粉砕は
それだけボール、容器等からの汚染の機会を増加
し、それだけターゲツト不純物量を増大する恐れ
がある。電子工業用途、特に半導体デバイスと関
連してのターゲツトは鉄その他の不純物を極度に
嫌い、使用する原料モリブデン或いはタングステ
ン及びシリコンもそうした不純物の少ない高純度
のものを使用しているが、粉砕段階で汚染が起こ
るとそうした努力が台無しになつてしまう。 こうして、脱酸素された合成シリサイドは、ボ
ールミルその他の粉砕機により粉砕し、35〜45メ
ツシユアンダーへの分級を行つて合成シリサイド
粉を得る。ボールミル粉砕中O2量が増加するの
を防止する為Ar置換雰囲気で行う等の配慮も必
要である。また、Fe等の汚染防止目的にモリブ
デンライニング球、モリブデン球等を使用するこ
とが好ましい。 この後、粉末はターゲツト成形工程に送られ
る。これは従来法に従い、成形及び真空焼結によ
り或いは加圧焼結によりシリサイド焼結体を生成
し、その後機械加工によつて最終ターゲツト形態
へと仕上げられる。ターゲツト成形工程は本発明
とは直接関与しないので説明を省略する。ただ、
本発明と関連して、高温処理時に先と同じ脱酸反
応が進行し、僅かの酸素除去が可能である。しか
し、その脱酸量は僅かであり、合成時に充分の脱
酸を行つておくことが必要である。合成時に充分
の脱酸を行つておく程、最終ターゲツトにおける
酸素含有量は一層低いものとなる。 発明の効果 本発明によれば、触媒を用いなくとも、触媒法
と同等以上の低酸素含有量のモリブデンシリサイ
ド或いはタングステンシリサイドを得ることが出
来る。益々高品質化を求められる半導体デバイス
用のシリサイドターゲツト製造に大なる貢献を為
すものである。 実施例及び比較例 高純度モリブデン粉と高純度シリコン粉とをモ
ル比1:2.3で配合し、V型ミキサで混合し、
10-5トールの真空雰囲気中約1250℃で合成を行つ
た。その後、同じ真空雰囲気中で表1に示す温度
まで昇温し2hr保持した。得られたシリサイド粉
の酸素含有量は表1の通りである。 【表】
ド或いはタングステンシリサイドの合成方法に関
するものであり、特にはモリブデン或いはタング
ステンのシリサイド製ターゲツトの製造目的に好
適な低酸素含有量のモリブデンシリサイド或いは
タングステンシリサイドを簡便に合成する方法に
関する。 モリブデンシリサイド或いはタングステンシリ
サイドターゲツトは、MOS・LSIデバイスのゲ
ート電極、ソース電極及びドレイン電極に代表さ
れる電子工業用途での薄膜形成に有用である。 発明の背景 半導体装置の電極あるいは配線、特にMOS・
LSIのゲート電極としてはポリシリコンが従来用
いられてきたが、MOS・LSIの高集積化に伴い
ポリシリコンゲート電極の抵抗による信号伝搬遅
延が問題化している。一方、セルフアライン法に
よるMOS素子形成を容易ならしめる為ゲート電
極、ソース電極及びドレイン電極として融点の高
い材料の使用が所望されている。こうした状況に
おいてポリシリコンより抵抗率の低い高融点金属
ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極の研究
が進む一方、シリコンゲートプロセスとの互換性
を第1とした高融点金属シリサイド電極の研究が
活発に進行しつつある。そうした高融点金属シリ
サイドの有望な実用例は、モリブデンシリサイド
(MOSix)及びタングステンシリサイド(WSix)
である。 半導体装置の電極あるいは配線用の高融点金属
シリサイド薄膜の形成に有効な方法として、スパ
ツタ法及び電子ビーム蒸着法がある。スパツタ法
はターゲツト板にアルゴンイオンを衝突させて金
属を放出させ、放出金属をターゲツト板に対向し
た基板に堆積させる方法である。電子ビーム蒸着
法は、電子ビームによりインゴツト蒸発源を溶解
し、蒸着を行う方法である。いずれにせよ、生成
膜の純度その他の性状は、ターゲツト板或いは蒸
発源の純度、組成、スパツタリング特性等により
左右される。 以下、本明細書において「ターゲツト」とは、
スパツタ源或いは蒸着源として板状その他の形態
に賦形された高融点金属シリサイド物品をすべて
包括するものとする。 こうしたターゲツトは、合成されたモリブデン
シリサイド或いはタングステンシリサイド粉を出
発材料とし、その後成形及び真空焼結或いは加圧
焼結の工程を経由してシリサイド焼結体が作製さ
れ、機械加工によつてターゲツトに仕上げられ
る。 こうしたターゲツトのスパツタ及び蒸着に際し
て、ターゲツト中に酸素が含まれていると形成さ
れる電極等の薄膜の特性を悪化させる。 ターゲツト中の酸素含有量を低減するには、合
成されるシリサイド粉の酸素含有量を低減するこ
とが肝要である。合成後、上記焼結等の工程にお
いても酸素を除去することは可能ではあるが、特
に加圧焼結法ではこれがやや困難でもあり、基本
的の合成時の酸素含有量がターゲツトにおける最
終酸素含有量を決定づける。 従来技術とその問題点 従来からのモリブデンシリサイド或いはタング
ステンシリサイドの合成法は、高純度のモリブデ
ン粉或いはタングステン粉と高純度のシリコン粉
とを所定のモル比にて混合し、水素又は真空中に
て800〜1400℃、通常800〜1300℃の温度に加熱し
て両者を反応合成することから成つた。反応時に
四塩化ケイ素を触媒として用いることもある。合
成反応は Mo(W)+xSi→MoSix(WSix)(x=2〜3.5) に従う発熱反応である。 シリサイドターゲツトは研究されてまだ日が浅
く、ターゲツト中の微量酸素の幣害についてもい
まだ関心がほとんど向けられていないと云つてよ
い。従つて、合成シリサイド粉の酸素含有量の低
減化への試みもほとんど為されていないのが現状
である。 上記合成プロセスにおいて、水素中で四塩化ケ
イ素を触媒として用いる方法が比較的低酸素含有
量のシリサイド粉の生成を可能とするが、酸素含
有量水準はいまだ充分でなく、しかも装置が複雑
になり、触媒等のランニングコストも必要とな
り、作業も面倒である。 発明の目的 本発明は、低酸素含有量のモリブデンシリサイ
ド或いは、タングステンシリサイド粉を低コスト
で且つ簡便に製造する方法を確立することであ
る。 発明の概要 本発明者等は、上記目的に向け、酸素含有量減
少策について検討を重ねた。原料たるMo,W及
びSi粉は高純度のものとは云え、Mo及びWにつ
いては1000〜1500ppmの酸素をそしてSi粉につい
ては1500〜2000ppmの酸素を含んでいる。こうし
た酸素が合成シリサイド粉における含有酸素の源
である。本発明者等は、合成したシリサイドを引
き続いて真空中で高温保持することにより脱酸素
が非常に効果的且つ効率的に進行するとの知見を
得た。合成シリサイドを充分の高温真空下に置く
ことにより酸素をSiO(g)として効果的に除去
しうることが判明したものである。しかも、この
方法は、合成プロセスに引き続いて同じ設備のま
ま実施しうるので作業性及び簡便性の点からも好
都合である。斯くして、本発明は、脱酸素を目的
として、二段法を提唱するものであり、モリブデ
ンシリサイド或いはタングステンシリサイド
(MoSix或いはWSix X:Mo或いはWとSiとの
モル比を表わし、2≦X≦3.5である。)粉を製造
する方法において、 (1) Mo粉或いはW粉とSi粉とを所定のモル比よ
りSi過剰に配合して混合粉を生成し、 (2) 該混合粉を真空中800〜1300℃未満の温度で
加熱処理することにより、モリブデンシリサイ
ド粉或いはタングステンシリサイド粉を合成
し、そして (3) 該合成ずみモリブデンシリサイド粉或いはタ
ングステンシリサイド粉を真空中にて1300〜
1500℃の温度に保持することにより前記過剰Si
により酸素をSiOとして脱酸素を行なう ことを特徴とする低酸素含有量のモリブデンシリ
サイド粉或いはタングステンシリサイド粉の製造
方法を提供する。混合粉に合成ずみのシリサイド
粉を添加すると生成物の粉砕性悪化が防止され
る。 発明の具体的説明 原料シリコン粉末並びに原料モリブデン或いは
タングステン粉末は高純度のものを使用する。特
に、電子工業用途に用いられるターゲツト作製の
為には放射性元素、アルカリ金属及び遷移金属含
有量の少ないものが望まれる。高純度のシリコン
粉は容易に市販入手しうる。モリブデン及びタン
グステンについても、上記不純物の少ない高純度
のものを調整する技術が確立されており、更に、
この改善についていくつかの方法が提案されてい
る。 こうした原料モリブデン或いはタングステン粉
とシリコン粉とをモル比1:2〜3.5の配合比に
おいて充分に混合する。混合は例えばV型ミキサ
等を用いて行われる。合成工程及び脱酸素工程に
おけるシリコン揮発損失分を見込んで目標モル比
より若干過剰のシリコン配合量としておく必要が
ある。過剰量は爾後工程の温度及び時間を考慮し
て経験的に確立しうる。 合成は、水素又は真空雰囲気において800〜
1300℃未満に混合粉を加熱することにより実施さ
れる。しかし、本発明目的には合成を真空中で行
うことが好ましい。その方が、合成段階でも脱酸
素を促進しうるし、また次の脱酸素段階へそのま
ま引き続いて進行でき、作業が簡便となるからで
ある。真空雰囲気は10-4torr以下とすることが好
ましい。 この合成段階においても若干の脱酸素は図れ
る。しかし、温度が低いため充分量の脱酸素はも
たらされないので、本発明に従えば合成シリサイ
ド粉を高温真空中に保持する脱酸素処理が取入れ
られる。脱酸素処理は、1300〜1500℃において行
われる。 保持時間は反応時の発生ガスによる真空圧力の
上昇を回復させる為に1hr以上が好ましいが、特
に規定するものではない。保持温度を上昇すると
ともにシリサイド粉の酸素含有量は低下し、この
点からは温度が高いほど好ましいが、1500℃をこ
えるとSiの蒸発が著しくなり、モル比の制御が困
難となるので上限は1500℃とした。効果は、1300
℃を越えると、特には1330℃以上になると顕著と
なる。1400℃以上になると、一層効果的である。 保持温度が高くなるにつれ焼結の度合が進み、
粉砕性が悪くなるが、これに対しては、合成過程
において、既に合成しそして粉砕ずみの合成シリ
サイド粉を、より好ましくは本発明によつて生成
された低酸素含有量をシリサイド粉を別途若しく
は繰返して適量、例えば2〜40重量%添加すると
良い。添加量を多くする程、粉砕性の良好なシリ
サイドが合成しうる。2%の添加により粉砕が容
易に可能となり、添加効果が認められる。15%以
上の添加によつて特に容易に粉となるシリサイド
が得られる。しかし、繰返し添加量をあまり多く
すると、合成反応が妨害されまた粉砕効果も飽和
し、そして製造コストを増大するので、最大限40
%に抑える必要がある。こうして得られた合成シ
リサイドは基本的に粉砕性が良好なので、その後
脱酸素目的で高温に保持しても粉砕性が左程に悪
化しない。 シリサイド生成物の粉砕性は非常に重要な問題
である。粉砕が困難であると、粉砕に長時間を要
し、粉砕コストが非常に高くなり、ターゲツトコ
ストへの負担となつてはね返る。粉砕は一般にボ
ールミルによつて行なわれるが、長時間の粉砕は
それだけボール、容器等からの汚染の機会を増加
し、それだけターゲツト不純物量を増大する恐れ
がある。電子工業用途、特に半導体デバイスと関
連してのターゲツトは鉄その他の不純物を極度に
嫌い、使用する原料モリブデン或いはタングステ
ン及びシリコンもそうした不純物の少ない高純度
のものを使用しているが、粉砕段階で汚染が起こ
るとそうした努力が台無しになつてしまう。 こうして、脱酸素された合成シリサイドは、ボ
ールミルその他の粉砕機により粉砕し、35〜45メ
ツシユアンダーへの分級を行つて合成シリサイド
粉を得る。ボールミル粉砕中O2量が増加するの
を防止する為Ar置換雰囲気で行う等の配慮も必
要である。また、Fe等の汚染防止目的にモリブ
デンライニング球、モリブデン球等を使用するこ
とが好ましい。 この後、粉末はターゲツト成形工程に送られ
る。これは従来法に従い、成形及び真空焼結によ
り或いは加圧焼結によりシリサイド焼結体を生成
し、その後機械加工によつて最終ターゲツト形態
へと仕上げられる。ターゲツト成形工程は本発明
とは直接関与しないので説明を省略する。ただ、
本発明と関連して、高温処理時に先と同じ脱酸反
応が進行し、僅かの酸素除去が可能である。しか
し、その脱酸量は僅かであり、合成時に充分の脱
酸を行つておくことが必要である。合成時に充分
の脱酸を行つておく程、最終ターゲツトにおける
酸素含有量は一層低いものとなる。 発明の効果 本発明によれば、触媒を用いなくとも、触媒法
と同等以上の低酸素含有量のモリブデンシリサイ
ド或いはタングステンシリサイドを得ることが出
来る。益々高品質化を求められる半導体デバイス
用のシリサイドターゲツト製造に大なる貢献を為
すものである。 実施例及び比較例 高純度モリブデン粉と高純度シリコン粉とをモ
ル比1:2.3で配合し、V型ミキサで混合し、
10-5トールの真空雰囲気中約1250℃で合成を行つ
た。その後、同じ真空雰囲気中で表1に示す温度
まで昇温し2hr保持した。得られたシリサイド粉
の酸素含有量は表1の通りである。 【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 モリブデンシリサイド或いはタングステンシ
リサイド(MoSix或いはWSix X:Mo或いはW
とSiとのモル比を表わし、2≦X≦3.5である。)
粉を製造する方法において、 (1) Mo粉或いはW粉とSi粉とを所定のモル比よ
りSi過剰に配合して混合粉を生成し、 (2) 該混合粉を真空中800〜1300℃未満の温度で
加熱処理することにより、モリブデンシリサイ
ド粉或いはタングステンシリサイド粉を合成
し、そして (3) 該合成ずみモリブデンシリサイド粉或いはタ
ングステンシリサイド粉を真空中にて1300〜
1500℃の温度に保持することにより前記過剰Si
により酸素をSiOとして脱酸素を行なう ことを特徴とする低酸素含有量のモリブデンシリ
サイド粉或いはタングステンシリサイド粉の製造
方法。 2 混合粉に合成ずみシリサイド粉を添加する特
許請求の範囲第1項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1388786A JPS62171911A (ja) | 1986-01-27 | 1986-01-27 | モリプデン或いはタングステンシリサイドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1388786A JPS62171911A (ja) | 1986-01-27 | 1986-01-27 | モリプデン或いはタングステンシリサイドの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62171911A JPS62171911A (ja) | 1987-07-28 |
JPH0413292B2 true JPH0413292B2 (ja) | 1992-03-09 |
Family
ID=11845711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1388786A Granted JPS62171911A (ja) | 1986-01-27 | 1986-01-27 | モリプデン或いはタングステンシリサイドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62171911A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6158866A (ja) * | 1984-08-30 | 1986-03-26 | 三菱マテリアル株式会社 | 高融点金属珪化物基複合材料の製造法 |
JPS6176664A (ja) * | 1984-09-05 | 1986-04-19 | Hitachi Metals Ltd | スパツタリング装置用タ−ゲツト及びその製造方法 |
JPS6270270A (ja) * | 1985-09-25 | 1987-03-31 | 日本鉱業株式会社 | 高融点金属シリサイド製ターゲットの製造方法 |
-
1986
- 1986-01-27 JP JP1388786A patent/JPS62171911A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6158866A (ja) * | 1984-08-30 | 1986-03-26 | 三菱マテリアル株式会社 | 高融点金属珪化物基複合材料の製造法 |
JPS6176664A (ja) * | 1984-09-05 | 1986-04-19 | Hitachi Metals Ltd | スパツタリング装置用タ−ゲツト及びその製造方法 |
JPS6270270A (ja) * | 1985-09-25 | 1987-03-31 | 日本鉱業株式会社 | 高融点金属シリサイド製ターゲットの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62171911A (ja) | 1987-07-28 |
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Legal Events
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EXPY | Cancellation because of completion of term |