JPH0356013B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPH0356013B2 JPH0356013B2 JP56127057A JP12705781A JPH0356013B2 JP H0356013 B2 JPH0356013 B2 JP H0356013B2 JP 56127057 A JP56127057 A JP 56127057A JP 12705781 A JP12705781 A JP 12705781A JP H0356013 B2 JPH0356013 B2 JP H0356013B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- piezoelectric
- thickness
- order
- electromechanical coupling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03H—IMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
- H03H9/00—Networks comprising electromechanical or electro-acoustic elements; Electromechanical resonators
- H03H9/15—Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material
- H03H9/17—Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material having a single resonator
- H03H9/171—Constructional features of resonators consisting of piezoelectric or electrostrictive material having a single resonator implemented with thin-film techniques, i.e. of the film bulk acoustic resonator [FBAR] type
- H03H9/172—Means for mounting on a substrate, i.e. means constituting the material interface confining the waves to a volume
- H03H9/174—Membranes
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Acoustics & Sound (AREA)
- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は圧電薄膜を用いたVHF、UHF用高調
波圧電振動子に関し、特に薄膜部材と、圧電薄膜
との組合せからなる複合構造の振動部位を有する
薄膜圧電振動子に関するものである。薄膜圧電振
動子は、基本的には圧電性薄板の両側に電極を備
えた構造をしており、電極形状を変えることによ
り、フイルタや発振器等にも利用でき、応用範囲
の広い素子である。
波圧電振動子に関し、特に薄膜部材と、圧電薄膜
との組合せからなる複合構造の振動部位を有する
薄膜圧電振動子に関するものである。薄膜圧電振
動子は、基本的には圧電性薄板の両側に電極を備
えた構造をしており、電極形状を変えることによ
り、フイルタや発振器等にも利用でき、応用範囲
の広い素子である。
一般に数十MHz以上のような高い周波数で使用
される圧電振動子は、振動モードとして板面が厚
さに比して十分広い圧電性薄板の厚み振動を使用
する。
される圧電振動子は、振動モードとして板面が厚
さに比して十分広い圧電性薄板の厚み振動を使用
する。
厚み振動の共振周波数は圧電性薄板の厚さに反
比例するので高い周波数で使用するためには厚さ
を薄くしなければならない。しかし、厚さが40ミ
クロン程度以下になると圧電材料であるバルク結
晶やセラミツクの平行平面研磨加工が非常に難し
くなり、したがつてこれらの材料を用いて基本共
振周波数で50MHz以上の厚み振動圧電振動子を量
産することは困難である。これに対して、バルク
結晶或いはセラミツク等の比較的厚い板面の厚み
振動の奇数次の高調波を使用すれば、同じ厚みで
基本波の3倍、5倍……等の共振周波数が得ら
れ、これはオーバートーン振動子として発振器な
どに使われている。しかし第n次の高調波を用い
た場合の電気機械結合係数k2 oは基本波の電気機械
結合係数k1 2の1/n2倍となり、このとき共振周
波数と反共振周波数の間隔との共振周波数との比
は、ほぼk1 2/2n2となる。したがつて高調波を使
つたのでは電気機械結合係数の減少に伴つてフイ
ルタの比帯域及び発振器の制御範囲が狭くなりす
ぎる結果を招き、これまた実用に適さないことが
多くなる。
比例するので高い周波数で使用するためには厚さ
を薄くしなければならない。しかし、厚さが40ミ
クロン程度以下になると圧電材料であるバルク結
晶やセラミツクの平行平面研磨加工が非常に難し
くなり、したがつてこれらの材料を用いて基本共
振周波数で50MHz以上の厚み振動圧電振動子を量
産することは困難である。これに対して、バルク
結晶或いはセラミツク等の比較的厚い板面の厚み
振動の奇数次の高調波を使用すれば、同じ厚みで
基本波の3倍、5倍……等の共振周波数が得ら
れ、これはオーバートーン振動子として発振器な
どに使われている。しかし第n次の高調波を用い
た場合の電気機械結合係数k2 oは基本波の電気機械
結合係数k1 2の1/n2倍となり、このとき共振周
波数と反共振周波数の間隔との共振周波数との比
は、ほぼk1 2/2n2となる。したがつて高調波を使
つたのでは電気機械結合係数の減少に伴つてフイ
ルタの比帯域及び発振器の制御範囲が狭くなりす
ぎる結果を招き、これまた実用に適さないことが
多くなる。
高調波を用いる他の方法は、基板の上に圧電薄
膜を作成し圧電薄膜の厚さが半波長であるような
共振モードに於いて基板を高次振動させるもので
あり、この場合基板の厚さが基板内を伝播する音
波を半波長の整数倍に等しいときに電気機械結合
係数は最大値を持つが、この値は共振モードが高
次になるに従つてやはり減少する。この方法に於
いても基板を薄くすることは非常に困難であり、
例えば50ミクロン程度の基板を作製できたとして
も50MHzの周波数では3〜5次以上の共振モード
を用いることになり、電気機械結合係数が小さく
なるため基板の厚さを音波の半波長の整数倍に一
致させたとしてもフイルタの比帯域幅及び発振器
の制御範囲は狭くなり実用に適さない。
膜を作成し圧電薄膜の厚さが半波長であるような
共振モードに於いて基板を高次振動させるもので
あり、この場合基板の厚さが基板内を伝播する音
波を半波長の整数倍に等しいときに電気機械結合
係数は最大値を持つが、この値は共振モードが高
次になるに従つてやはり減少する。この方法に於
いても基板を薄くすることは非常に困難であり、
例えば50ミクロン程度の基板を作製できたとして
も50MHzの周波数では3〜5次以上の共振モード
を用いることになり、電気機械結合係数が小さく
なるため基板の厚さを音波の半波長の整数倍に一
致させたとしてもフイルタの比帯域幅及び発振器
の制御範囲は狭くなり実用に適さない。
上記のような方法の欠点を改善した圧電振動子
を得る方法として、シリコン基板上に蒸着等によ
つて電極(金、アルミニウム等)圧電薄膜
(CdS、又はCdTe)電極(金、アルミニウム等)
の順で形成し、この振動部分に対応する部分の基
板をエツチングによつて除去することにより振動
部分はその上下面に電極を有する圧電薄膜からな
り、外縁部を基板によつて支持された構造の薄膜
圧電振動子が公知である。(特公昭46−25579)こ
の振動子は振動部分が薄いため50MHz以上の高い
周波数においても基本振動あるいは低次の高調波
振動を使用することができ、したがつて広い比帯
域のフイルターを実現することができる。しかし
この薄膜圧電振動子は圧電薄膜としてCdSあるい
はCdTeを用いているため音響的クオリテイフア
クター(Q)が小さく、温度係数が大きく、また
振動部分が薄いため機械的強度が小さいという欠
点を有している。また現在圧電材料として薄膜化
が可能なZnOを用いても前記の欠点はあまり改善
されない。上記の特公昭46−25579においてはシ
リコン基板上にSiO2薄膜を形成しその上に電極、
圧電薄膜電極の順で形成し、この振動部分に対応
する部分の基板をエツチングによつて除去し、振
動部分がSiO2薄膜とその上下面に電極を有する
圧電薄膜からなり、外縁部を基板によつて支持さ
れた構造の薄膜圧電振動子も開示されている。
SiO2薄膜を形成した効果はこのSiO2薄膜の部分
でエツチングを止める効果の他に、当該振動子の
機械的強度を高め、振動子特性の温度係数を小さ
くする効果を有する。この振動子について第1
図、第2図を用いてさらに詳しく説明する。
を得る方法として、シリコン基板上に蒸着等によ
つて電極(金、アルミニウム等)圧電薄膜
(CdS、又はCdTe)電極(金、アルミニウム等)
の順で形成し、この振動部分に対応する部分の基
板をエツチングによつて除去することにより振動
部分はその上下面に電極を有する圧電薄膜からな
り、外縁部を基板によつて支持された構造の薄膜
圧電振動子が公知である。(特公昭46−25579)こ
の振動子は振動部分が薄いため50MHz以上の高い
周波数においても基本振動あるいは低次の高調波
振動を使用することができ、したがつて広い比帯
域のフイルターを実現することができる。しかし
この薄膜圧電振動子は圧電薄膜としてCdSあるい
はCdTeを用いているため音響的クオリテイフア
クター(Q)が小さく、温度係数が大きく、また
振動部分が薄いため機械的強度が小さいという欠
点を有している。また現在圧電材料として薄膜化
が可能なZnOを用いても前記の欠点はあまり改善
されない。上記の特公昭46−25579においてはシ
リコン基板上にSiO2薄膜を形成しその上に電極、
圧電薄膜電極の順で形成し、この振動部分に対応
する部分の基板をエツチングによつて除去し、振
動部分がSiO2薄膜とその上下面に電極を有する
圧電薄膜からなり、外縁部を基板によつて支持さ
れた構造の薄膜圧電振動子も開示されている。
SiO2薄膜を形成した効果はこのSiO2薄膜の部分
でエツチングを止める効果の他に、当該振動子の
機械的強度を高め、振動子特性の温度係数を小さ
くする効果を有する。この振動子について第1
図、第2図を用いてさらに詳しく説明する。
この薄膜圧電振動子の構造を第1図に示す。第
1図に於いて11は基板、12はエツチングによ
つて基板に形成した空孔である。13は薄膜、1
4は圧電薄膜、15,16は圧電薄膜の両面に対
向して設けた電極である。第1図の構造の薄膜圧
電振動子の電気機械結合係数k2は薄膜13の厚さ
t′と圧電薄膜14の厚さtの比によつて変化す
る。たとえば圧電薄膜14としてZnO薄膜を用
い、薄膜13としてSiO2薄膜を用いた場合、k2
を理論式から求めるとk2は薄膜13の厚さt′と圧
電薄膜14の厚さの比t′/tにしたがつて第2図
のように変化する。第2図に於いて横軸は厚さの
比t′/t縦軸は電気機械結合係数k2であり、曲線
に記した数字は振動の次数を示す。第2図から予
想されるように、第1図の構造の薄膜圧電振動子
では基本振動を用いる場合、圧電薄膜14に対し
て薄膜13の厚さが十分薄いたとえばt′/t<0.2
であるような範囲で大きな電気機械結合係数が得
られ、したがつて比帯域幅の広いフイルタ或いは
制御範囲の広い発振器として利用できる。しかし
第3次或いは第4次の高調波振動も比較的大きな
電気機械結合係数を有することが第2図から予想
され、したがつて高周波側に第3次或いは第4次
の高調波共振に伴う不要応答が生じるという欠点
がある。一方、第1図の構造で圧電薄膜14に対
して薄膜13の厚さt′をt′/t<0.2のように大き
くすることは振動子部分の機械的強度を高める上
で有利であるが、第2図からわかるように薄膜1
3の厚さt′の増大に伴つて基本振動の電気機械結
合係数は減少し、さらに第2次の高調波振動の電
気機械係数が増大する。したがつて、薄膜13の
厚さが厚い場合には、フイルタの比帯域幅が狭く
なる、或いは発振器の制御範囲が狭くなるという
欠点を有すると同時に、高周波側に第2次の高調
波共振に伴う不要応答が生じるという欠点を有す
る。
1図に於いて11は基板、12はエツチングによ
つて基板に形成した空孔である。13は薄膜、1
4は圧電薄膜、15,16は圧電薄膜の両面に対
向して設けた電極である。第1図の構造の薄膜圧
電振動子の電気機械結合係数k2は薄膜13の厚さ
t′と圧電薄膜14の厚さtの比によつて変化す
る。たとえば圧電薄膜14としてZnO薄膜を用
い、薄膜13としてSiO2薄膜を用いた場合、k2
を理論式から求めるとk2は薄膜13の厚さt′と圧
電薄膜14の厚さの比t′/tにしたがつて第2図
のように変化する。第2図に於いて横軸は厚さの
比t′/t縦軸は電気機械結合係数k2であり、曲線
に記した数字は振動の次数を示す。第2図から予
想されるように、第1図の構造の薄膜圧電振動子
では基本振動を用いる場合、圧電薄膜14に対し
て薄膜13の厚さが十分薄いたとえばt′/t<0.2
であるような範囲で大きな電気機械結合係数が得
られ、したがつて比帯域幅の広いフイルタ或いは
制御範囲の広い発振器として利用できる。しかし
第3次或いは第4次の高調波振動も比較的大きな
電気機械結合係数を有することが第2図から予想
され、したがつて高周波側に第3次或いは第4次
の高調波共振に伴う不要応答が生じるという欠点
がある。一方、第1図の構造で圧電薄膜14に対
して薄膜13の厚さt′をt′/t<0.2のように大き
くすることは振動子部分の機械的強度を高める上
で有利であるが、第2図からわかるように薄膜1
3の厚さt′の増大に伴つて基本振動の電気機械結
合係数は減少し、さらに第2次の高調波振動の電
気機械係数が増大する。したがつて、薄膜13の
厚さが厚い場合には、フイルタの比帯域幅が狭く
なる、或いは発振器の制御範囲が狭くなるという
欠点を有すると同時に、高周波側に第2次の高調
波共振に伴う不要応答が生じるという欠点を有す
る。
本発明の目的は上記のような従来の薄膜圧電振
動子の欠点を除き、基本振動の電気機械結合係数
が大きく、高次振動の電気機械結合係数が極めて
小さい薄膜圧電振動子を実現することであり、本
発明の薄膜圧電振動子を用いれば高周波側に不要
応答がなく、広い比帯域幅を有するフイルタ或い
は制御範囲の広い発振器が実現できる。本発明の
薄膜圧電振動子の最たる特徴は振動部位が無機材
料の薄膜部材−電極−圧電電極−電極−無機材料
の薄膜部材から成る多層構造を有する点にある。
動子の欠点を除き、基本振動の電気機械結合係数
が大きく、高次振動の電気機械結合係数が極めて
小さい薄膜圧電振動子を実現することであり、本
発明の薄膜圧電振動子を用いれば高周波側に不要
応答がなく、広い比帯域幅を有するフイルタ或い
は制御範囲の広い発振器が実現できる。本発明の
薄膜圧電振動子の最たる特徴は振動部位が無機材
料の薄膜部材−電極−圧電電極−電極−無機材料
の薄膜部材から成る多層構造を有する点にある。
以下に本発明を詳細に説明する。第3図は本発
明の薄膜圧電振動子の基本的な構造を示す図であ
る。第3図において31はシリコン、水晶などか
らなる基板であり、32はエツチングによつて基
板に形成した空孔である。33,34は薄膜部
材、35は圧電薄膜、36,37は圧電薄膜と上
下の薄膜部材との界面に設けた電極である。基板
31に用いる材料としてはエツチングで空孔を形
成することが可能な材料であればどのような材料
でも良い。望ましい材料の一つとして表面が
(100)面であるようなシリコンがある。このよう
なシリコンは、たとえばKOH、エチレンジアミ
ンのようなエツチング液を使用すれば、(100)面
のエツチング速度に比較して(111)面のエツチ
ング速度が非常に小さいというエツチングの異方
性を示すことにより面方向へのエツチングの拡が
りが極めて小さく、したがつて精度良く空孔の寸
法を制御できる利点がある。圧電薄膜35として
はZnO、CdS、AlNなどの結晶系が六方晶系の圧
電材料やPbTiO3、PZT、BaTiO3などの種々の
圧電材料を使用することができる。なかでもZnO
はスパツタリング法、CVD法、イオン・プレー
テイング法などによつてC軸が基板面に対して垂
直に配向し、かつ高い抵抗率の薄膜を再現性良く
作製でき、しかも厚みたて振動モードのエネルギ
ー閉じ込めが可能であるため最適な材料といえよ
う。薄膜部材としては絶縁体、シリコンなどの半
導体、あるいは金属の薄膜など、どのような材料
を使用しても、本発明の目的が達成される。中で
も第3図33,34の薄膜部材として共にSiO2
薄膜を使用すると一般に圧電薄膜の弾性定数が負
の温度系数を有するのに対し、SiO2の弾性定数
は正の温度係数を有することが知られており、し
たがつて温度依存性の小さい薄膜圧電振動子が実
現できる。またシリコンは機械的強度が高く、音
響的クオリテイ・フアクタ(Q)が大きいところ
から、特に振動部位の厚さの薄いことが要求され
る。300MHz以上のような高い周波数に於いても
シリコン薄膜を薄膜部材として用いれば振動部位
の機械的強度を高めることができる。また特に損
失の小さいフイルタ或いは共振の尖鋭度の大きな
共振子が要求される場合にも薄膜部材にシリコン
薄膜を用いればその大きな音響的クオリテイ・フ
アクタ(Q)により要求を実現することができ
る。この場合には第3図33の薄膜部材としてシ
リコン薄膜を使用し、薄膜部材34としては
SiO2薄膜を使用するのが温度特性の観点からも
望ましい。ただしこの薄膜部材の材料としては
SiO2やSiに限らず他の絶縁材料や半導体材料、
さらには金属材料も使用可能である。
明の薄膜圧電振動子の基本的な構造を示す図であ
る。第3図において31はシリコン、水晶などか
らなる基板であり、32はエツチングによつて基
板に形成した空孔である。33,34は薄膜部
材、35は圧電薄膜、36,37は圧電薄膜と上
下の薄膜部材との界面に設けた電極である。基板
31に用いる材料としてはエツチングで空孔を形
成することが可能な材料であればどのような材料
でも良い。望ましい材料の一つとして表面が
(100)面であるようなシリコンがある。このよう
なシリコンは、たとえばKOH、エチレンジアミ
ンのようなエツチング液を使用すれば、(100)面
のエツチング速度に比較して(111)面のエツチ
ング速度が非常に小さいというエツチングの異方
性を示すことにより面方向へのエツチングの拡が
りが極めて小さく、したがつて精度良く空孔の寸
法を制御できる利点がある。圧電薄膜35として
はZnO、CdS、AlNなどの結晶系が六方晶系の圧
電材料やPbTiO3、PZT、BaTiO3などの種々の
圧電材料を使用することができる。なかでもZnO
はスパツタリング法、CVD法、イオン・プレー
テイング法などによつてC軸が基板面に対して垂
直に配向し、かつ高い抵抗率の薄膜を再現性良く
作製でき、しかも厚みたて振動モードのエネルギ
ー閉じ込めが可能であるため最適な材料といえよ
う。薄膜部材としては絶縁体、シリコンなどの半
導体、あるいは金属の薄膜など、どのような材料
を使用しても、本発明の目的が達成される。中で
も第3図33,34の薄膜部材として共にSiO2
薄膜を使用すると一般に圧電薄膜の弾性定数が負
の温度系数を有するのに対し、SiO2の弾性定数
は正の温度係数を有することが知られており、し
たがつて温度依存性の小さい薄膜圧電振動子が実
現できる。またシリコンは機械的強度が高く、音
響的クオリテイ・フアクタ(Q)が大きいところ
から、特に振動部位の厚さの薄いことが要求され
る。300MHz以上のような高い周波数に於いても
シリコン薄膜を薄膜部材として用いれば振動部位
の機械的強度を高めることができる。また特に損
失の小さいフイルタ或いは共振の尖鋭度の大きな
共振子が要求される場合にも薄膜部材にシリコン
薄膜を用いればその大きな音響的クオリテイ・フ
アクタ(Q)により要求を実現することができ
る。この場合には第3図33の薄膜部材としてシ
リコン薄膜を使用し、薄膜部材34としては
SiO2薄膜を使用するのが温度特性の観点からも
望ましい。ただしこの薄膜部材の材料としては
SiO2やSiに限らず他の絶縁材料や半導体材料、
さらには金属材料も使用可能である。
次に圧電薄膜の上下に形成された薄膜を有する
本発明の薄膜圧電振動子において電気機械結合係
数k2と該薄膜の厚さの関係を第4〜6図を用いて
説明する。
本発明の薄膜圧電振動子において電気機械結合係
数k2と該薄膜の厚さの関係を第4〜6図を用いて
説明する。
第4図は第3図の構造において圧電薄膜35が
厚さtのZnO薄膜であり薄膜部材33,34が共
にSiO2薄膜であつてこの2つの薄膜の合計の厚
さがt/2に等しい場合について、薄膜部材33
の厚さt33と薄膜部材34の厚さt34との比t34/t33
を変化させた場合の電気機械結合係数k2の変化を
理論式から求めたものである。第4図に於いて曲
線に付した数字は振動の次数を示す。t34/t33=
0は前述の従来例で片面だけに薄膜部材を有する
構造の場合に対応する。第4図から明らかなよう
に薄膜部材34の厚さが増大するに伴つて基本振
動の電気機械結合係数が急速に増大し、偶数次の
高次振動の電気機械結合係数は逆に急速に減少し
てゆく。
厚さtのZnO薄膜であり薄膜部材33,34が共
にSiO2薄膜であつてこの2つの薄膜の合計の厚
さがt/2に等しい場合について、薄膜部材33
の厚さt33と薄膜部材34の厚さt34との比t34/t33
を変化させた場合の電気機械結合係数k2の変化を
理論式から求めたものである。第4図に於いて曲
線に付した数字は振動の次数を示す。t34/t33=
0は前述の従来例で片面だけに薄膜部材を有する
構造の場合に対応する。第4図から明らかなよう
に薄膜部材34の厚さが増大するに伴つて基本振
動の電気機械結合係数が急速に増大し、偶数次の
高次振動の電気機械結合係数は逆に急速に減少し
てゆく。
すなわち従来の構造に比べ圧電薄膜の上下に薄
膜を形成し、これらの薄膜の厚さをしだいに等し
くなるように変化させてゆくと振動子の特性は大
きく改善されてゆく。特に両面の薄膜部材の厚さ
が等しくなつたときに基本振動の電気機械結合係
数が最大となり、また偶数次の高次振動は完全に
抑圧され、最適な振動子特性が得られる。薄膜部
材33と薄膜部材34が異なる材料からなる場合
にも第4図と同様の変化を示すがこのときには、
それぞれの薄膜部材の厚さがそれぞれの薄膜での
音速に対して等しい比を有するような厚さの比に
おいて基本振動の電気機械結合係数が最大とな
り、かつ偶数次の高次振動が完全に抑圧される。
例えば薄膜部材33が音速8430m/sのシリコン
薄膜であり、薄膜部材34が音速5960m/sの
SiO2薄膜であれば厚さの比t34/t33が0.71に等し
いときに基本振動を電気機械結合係数が最大とな
り、かつ偶数次の高次振動が完全に抑圧される。
膜を形成し、これらの薄膜の厚さをしだいに等し
くなるように変化させてゆくと振動子の特性は大
きく改善されてゆく。特に両面の薄膜部材の厚さ
が等しくなつたときに基本振動の電気機械結合係
数が最大となり、また偶数次の高次振動は完全に
抑圧され、最適な振動子特性が得られる。薄膜部
材33と薄膜部材34が異なる材料からなる場合
にも第4図と同様の変化を示すがこのときには、
それぞれの薄膜部材の厚さがそれぞれの薄膜での
音速に対して等しい比を有するような厚さの比に
おいて基本振動の電気機械結合係数が最大とな
り、かつ偶数次の高次振動が完全に抑圧される。
例えば薄膜部材33が音速8430m/sのシリコン
薄膜であり、薄膜部材34が音速5960m/sの
SiO2薄膜であれば厚さの比t34/t33が0.71に等し
いときに基本振動を電気機械結合係数が最大とな
り、かつ偶数次の高次振動が完全に抑圧される。
次に当該薄膜の厚さが等しいとき、あるいは薄
膜材料が異なる場合においてそれぞれの厚さが音
速に対して等しい比を有するような厚さの比であ
る場合について説明する。
膜材料が異なる場合においてそれぞれの厚さが音
速に対して等しい比を有するような厚さの比であ
る場合について説明する。
第5図は第3図の薄膜部材33,34が等しい
厚さの同一の材料からなるか、あるいは異なる材
料からなりそれぞれの薄膜部材の厚さの比がそれ
ぞれの薄膜での音速の比に等しい比を有するよう
に形成された場合の振動部位に於ける厚みたて振
動の応力分布を示した図であり、A,B,C,D
はそれぞれ基本振動、2次、3次、4次の高次振
動についての応力分布イ,ロ,ハ,ニである。第
5図において41は圧電薄膜、42,43は薄膜
部材、44,45は電極である。薄膜部材42,
43のそれぞれの外側で応力は零であり、応力が
零の点の左右で応力の向きは逆である。第5図B
及びDからわかるようにこのような多層構造では
第2次、第4次のような偶数の次の高次振動に於
いて圧電薄膜中すなわち電極の間の応力の積分は
零となり、したがつて偶数次の高次振動は励振さ
れない。また第5図Aからわかるようにこのよう
な多層構造では基本振動に於いて圧電薄膜が応力
最大の付近に位置しているため、従来のような圧
電薄膜の一方の面だけに薄膜部材を有する構造に
比べさらには両面の薄膜の厚さが異なる場合に比
べても大きな電気機械結合係数が得られる。第5
図では薄膜部材42,43が等しい厚さの同一の
材料からなるか、あるいは異なる材料からなりそ
れぞれの薄膜部材の厚さの比がそれぞれの薄膜で
の音速の比に等しい比を有する場合を示したが、
第4図に示したように薄膜部材の厚さについて上
記のように限定しない場合でも薄膜部材の厚さが
比較的近い範囲では第3図のごとく多層構造とす
ることにより、第1図に示した従来の構造に比べ
て偶数次の高次振動を抑制し、基本振動の電気機
械係合係数が大きな薄膜圧電圧電振動子が得られ
る。
厚さの同一の材料からなるか、あるいは異なる材
料からなりそれぞれの薄膜部材の厚さの比がそれ
ぞれの薄膜での音速の比に等しい比を有するよう
に形成された場合の振動部位に於ける厚みたて振
動の応力分布を示した図であり、A,B,C,D
はそれぞれ基本振動、2次、3次、4次の高次振
動についての応力分布イ,ロ,ハ,ニである。第
5図において41は圧電薄膜、42,43は薄膜
部材、44,45は電極である。薄膜部材42,
43のそれぞれの外側で応力は零であり、応力が
零の点の左右で応力の向きは逆である。第5図B
及びDからわかるようにこのような多層構造では
第2次、第4次のような偶数の次の高次振動に於
いて圧電薄膜中すなわち電極の間の応力の積分は
零となり、したがつて偶数次の高次振動は励振さ
れない。また第5図Aからわかるようにこのよう
な多層構造では基本振動に於いて圧電薄膜が応力
最大の付近に位置しているため、従来のような圧
電薄膜の一方の面だけに薄膜部材を有する構造に
比べさらには両面の薄膜の厚さが異なる場合に比
べても大きな電気機械結合係数が得られる。第5
図では薄膜部材42,43が等しい厚さの同一の
材料からなるか、あるいは異なる材料からなりそ
れぞれの薄膜部材の厚さの比がそれぞれの薄膜で
の音速の比に等しい比を有する場合を示したが、
第4図に示したように薄膜部材の厚さについて上
記のように限定しない場合でも薄膜部材の厚さが
比較的近い範囲では第3図のごとく多層構造とす
ることにより、第1図に示した従来の構造に比べ
て偶数次の高次振動を抑制し、基本振動の電気機
械係合係数が大きな薄膜圧電圧電振動子が得られ
る。
次に第6図は上記のような本発明の原理及び特
徴をより詳しく説明するために第3図の構造の薄
膜圧電振動子について、一例として薄膜33及び
34が等しい厚さを有するSiO2であつて、圧電
薄膜35がZnOである場合の電気機械結合係数k2
を理論式から求めたものである。第6図において
横軸は薄膜33及び34の厚さの和t′と圧電薄膜
35の厚さtとの比、縦軸は電気機械結合係数k2
であり曲線に記した数字は振動の次数を示す。第
6図から明らかなように、第3図の構造の薄膜圧
電振動子においては第2次、第4次などの偶数次
の高次振動はまつたく励振されていないばかりで
なく、たとえばt′/t>0.2のように圧電薄膜の上
下の薄膜を厚くした場合の基本振動の電気機械結
合係数k2は従来の構造では第2図のように急速に
減少するの対し、第3図の構造では非常にゆるや
かに減少するという特長を有する。圧電薄膜の上
下の薄膜の厚さをたとえばt′/t>0.2のように厚
くすることは特に振動子の厚さが薄いことが要求
される300MHz以上の周波数において振動子の機
械的強度を高める点で有利であり、また特にシリ
コン膜を用いるとさらに振動子の音響的なクオリ
テイ・フアクタQを大きくする点で有利である
が、本発明による第3図の構造の薄膜圧電振動子
では上記のような特長を有する結果、圧電薄膜の
上下の薄膜の厚さを厚くした場合でも基本振動の
電気機械結合係数が大きく、高次振動による不要
応答の小さい薄膜圧電振動子が実現できる。また
圧電薄膜の上下の薄膜が薄い場合にも、従来の構
造では第4次の高次振動が強く励振されるのに対
し、本発明による第3図の構造においては第4次
の高次振動は完全に抑制される。特に第6図にお
いてt′/t〜0.33付近では第3次、第5次の高次
振動の電気機械結合係数は共に小さく、かつ基本
振動の電気機械結合係数は最大となる。したがつ
て圧電薄膜の上下の薄膜が薄い場合にも基本振動
の電気機械結合係数が大きく、高次振動による不
要応答の小さい薄膜圧電振動子が実現できる。
徴をより詳しく説明するために第3図の構造の薄
膜圧電振動子について、一例として薄膜33及び
34が等しい厚さを有するSiO2であつて、圧電
薄膜35がZnOである場合の電気機械結合係数k2
を理論式から求めたものである。第6図において
横軸は薄膜33及び34の厚さの和t′と圧電薄膜
35の厚さtとの比、縦軸は電気機械結合係数k2
であり曲線に記した数字は振動の次数を示す。第
6図から明らかなように、第3図の構造の薄膜圧
電振動子においては第2次、第4次などの偶数次
の高次振動はまつたく励振されていないばかりで
なく、たとえばt′/t>0.2のように圧電薄膜の上
下の薄膜を厚くした場合の基本振動の電気機械結
合係数k2は従来の構造では第2図のように急速に
減少するの対し、第3図の構造では非常にゆるや
かに減少するという特長を有する。圧電薄膜の上
下の薄膜の厚さをたとえばt′/t>0.2のように厚
くすることは特に振動子の厚さが薄いことが要求
される300MHz以上の周波数において振動子の機
械的強度を高める点で有利であり、また特にシリ
コン膜を用いるとさらに振動子の音響的なクオリ
テイ・フアクタQを大きくする点で有利である
が、本発明による第3図の構造の薄膜圧電振動子
では上記のような特長を有する結果、圧電薄膜の
上下の薄膜の厚さを厚くした場合でも基本振動の
電気機械結合係数が大きく、高次振動による不要
応答の小さい薄膜圧電振動子が実現できる。また
圧電薄膜の上下の薄膜が薄い場合にも、従来の構
造では第4次の高次振動が強く励振されるのに対
し、本発明による第3図の構造においては第4次
の高次振動は完全に抑制される。特に第6図にお
いてt′/t〜0.33付近では第3次、第5次の高次
振動の電気機械結合係数は共に小さく、かつ基本
振動の電気機械結合係数は最大となる。したがつ
て圧電薄膜の上下の薄膜が薄い場合にも基本振動
の電気機械結合係数が大きく、高次振動による不
要応答の小さい薄膜圧電振動子が実現できる。
以上のように、本発明に従えば基本振動の電気
機械結合係数が大きく、高次振動による不要応答
の小さい薄膜圧電振動子が実現でき、したがつて
本発明の薄膜圧電振動子を用いることにより高周
波側の不要応答が小さく、広い比帯域幅のフイル
タ及び制御範囲の広い発振器を提供することがで
きる。
機械結合係数が大きく、高次振動による不要応答
の小さい薄膜圧電振動子が実現でき、したがつて
本発明の薄膜圧電振動子を用いることにより高周
波側の不要応答が小さく、広い比帯域幅のフイル
タ及び制御範囲の広い発振器を提供することがで
きる。
以下実施例に従つて本発明を具体的に説明す
る。
る。
実施例 1
表面が(100)面であるようなシリコン基板に
スパツタ法を用いて0.75μmのSiO2薄膜を形成し
た。SiO2薄膜上にCrを下地としてAuを蒸着した
後、フオトリグラフイにより部分電極を形成し、
次にスパツタリング法を用いて5μmのZnO薄膜を
形成した。さらにZnO薄膜の上にリフトオフによ
つてAlの部分電極を形成した後、スパツタリン
グ法を用いて0.75μmのSiO2薄膜を形成した。次
にシリコン基板の裏面に形成したSi3N4薄膜をマ
スクとした振動部位にあたるシリコン基板をエチ
レンジアミン、ピロカエコール及び水からなるエ
ツチング液を用いてエツチングし、空孔を形成し
た。上記の工程によつて第3図の構造の薄膜圧電
振動子を製造した。この薄膜圧電振動子のインピ
ーダンス特性は第7図のようであり、インピーダ
ンス特性から求めた基本振動の電気機械結合係数
k2は第6図の値に一致し、0.08であつた。また第
5図からわかるように、偶数次の高次振動は励振
されず、第3次及び第5次の高次振動が非常に小
さく励振されるのみであつた。
スパツタ法を用いて0.75μmのSiO2薄膜を形成し
た。SiO2薄膜上にCrを下地としてAuを蒸着した
後、フオトリグラフイにより部分電極を形成し、
次にスパツタリング法を用いて5μmのZnO薄膜を
形成した。さらにZnO薄膜の上にリフトオフによ
つてAlの部分電極を形成した後、スパツタリン
グ法を用いて0.75μmのSiO2薄膜を形成した。次
にシリコン基板の裏面に形成したSi3N4薄膜をマ
スクとした振動部位にあたるシリコン基板をエチ
レンジアミン、ピロカエコール及び水からなるエ
ツチング液を用いてエツチングし、空孔を形成し
た。上記の工程によつて第3図の構造の薄膜圧電
振動子を製造した。この薄膜圧電振動子のインピ
ーダンス特性は第7図のようであり、インピーダ
ンス特性から求めた基本振動の電気機械結合係数
k2は第6図の値に一致し、0.08であつた。また第
5図からわかるように、偶数次の高次振動は励振
されず、第3次及び第5次の高次振動が非常に小
さく励振されるのみであつた。
実施例 2
表面が(100)面であるようなシリコン基板に
ホウ素を1020/cmの濃度にドープしたシリコン薄
膜を21.2μmの厚さにエピタキシヤル成長させた。
このシリコン薄膜の上に実施例1と同様の工程で
Au/Cr電極、厚さ5μmのZnO薄膜、Al電極を順
に形成し、さらにスパツタリング法を用いて1.5μ
mのSiO2薄膜を形成した。シリコン、SiO2の音
速はそれぞれ8430m/s、5960m/sであり、し
たがつてシリコン薄膜の厚さに対するSiO2薄膜
の厚さの比は音速の比0.71に等しい。次にシリコ
ン基板の裏面に形成したSi3N4薄膜をマスクとし
て振動部位にあたるシリコン基板をエチレンジア
ミン、ピロカテコール及び水からなるエツチング
液によつて除去し空孔を形成した。上記のような
工程によつて第3図の構造の薄膜圧電振動子を製
造した。この薄膜圧電振動子のインピーダンス特
性は第8図のようであり、インピーダンス特性か
ら求めた基本振動の電気機械結合係数k2は第6図
の値に一致し、0.077であつた。また第8図から
わかるように偶数次の高次振動はまつたく例振さ
れず、第5次の高次振動が小さく例振され、第3
次の高次金銅は例振されるが極めて小さい。
ホウ素を1020/cmの濃度にドープしたシリコン薄
膜を21.2μmの厚さにエピタキシヤル成長させた。
このシリコン薄膜の上に実施例1と同様の工程で
Au/Cr電極、厚さ5μmのZnO薄膜、Al電極を順
に形成し、さらにスパツタリング法を用いて1.5μ
mのSiO2薄膜を形成した。シリコン、SiO2の音
速はそれぞれ8430m/s、5960m/sであり、し
たがつてシリコン薄膜の厚さに対するSiO2薄膜
の厚さの比は音速の比0.71に等しい。次にシリコ
ン基板の裏面に形成したSi3N4薄膜をマスクとし
て振動部位にあたるシリコン基板をエチレンジア
ミン、ピロカテコール及び水からなるエツチング
液によつて除去し空孔を形成した。上記のような
工程によつて第3図の構造の薄膜圧電振動子を製
造した。この薄膜圧電振動子のインピーダンス特
性は第8図のようであり、インピーダンス特性か
ら求めた基本振動の電気機械結合係数k2は第6図
の値に一致し、0.077であつた。また第8図から
わかるように偶数次の高次振動はまつたく例振さ
れず、第5次の高次振動が小さく例振され、第3
次の高次金銅は例振されるが極めて小さい。
以上のように本発明に従えば、基本振動の電気
機械結合係数が大きく高次振動による不要応答が
小さいという実用極めて重要な特長を有する薄膜
圧電振動子が実現でき、したがつて本発明の薄膜
圧電振動子を使用することにより高周波側での高
次振動による不要応答が小さく、広い比帯域幅の
フイルタ及び制御範囲の広い発振器を提供でき
る。
機械結合係数が大きく高次振動による不要応答が
小さいという実用極めて重要な特長を有する薄膜
圧電振動子が実現でき、したがつて本発明の薄膜
圧電振動子を使用することにより高周波側での高
次振動による不要応答が小さく、広い比帯域幅の
フイルタ及び制御範囲の広い発振器を提供でき
る。
第1図は従来の薄膜圧電振動子の構造を示す断
面図であり、11はシリコン、水晶などからなる
基板、12はエツチングによつて基板に形成した
空孔、13は薄膜部材、14は圧電薄膜、15,
16は対向する電極である。第2図は第1図の構
造の薄膜圧電振動子の電気機械結合係数k2の理論
曲線を示す図である。図中の曲線に記した数字は
振動の次数を示す。第3図は本発明の薄膜圧電振
動子の構造を示す断面図であり、31はシリコ
ン、水晶などからなる基板、32はエツチングに
よつて基板に形成した空孔、33及び34は薄膜
部材、35は圧電薄膜、36,37は対向する電
極である。第4図は第3図の構造の薄膜圧電振動
子について薄膜部材34の厚さt34と薄膜部材3
3の厚さt33の比t34/t33に対する電気機械結合係
数k2の変化を示す図である。図中の曲線に記した
数字は振動の次数を示す。第5図は本発明の薄膜
圧電振動子の振動部位における応力分布した図で
ある。図中のA,B,C,Dにおいてイ,ロ,
ハ,ニはそれぞれ基本振動、第2次、第3次、第
4次の振動の応力分布である。図において41は
圧電薄膜、42,43は薄膜部材、44,45は
電極である。第6図は本発明の薄膜圧電振動子の
電気機械結合係数k2の理論曲線を示す図。図中の
曲線に記した数字は振動の次数を示す。第7図、
第8図はそれぞれ本発明の実施例1、実施例2の
薄膜圧電振動子のインピーダンス特性を示した図
である。横軸はMHz単位で表わした周波数であ
り、縦軸はデシベル単位で表わしたインピーダン
スの相対値である。
面図であり、11はシリコン、水晶などからなる
基板、12はエツチングによつて基板に形成した
空孔、13は薄膜部材、14は圧電薄膜、15,
16は対向する電極である。第2図は第1図の構
造の薄膜圧電振動子の電気機械結合係数k2の理論
曲線を示す図である。図中の曲線に記した数字は
振動の次数を示す。第3図は本発明の薄膜圧電振
動子の構造を示す断面図であり、31はシリコ
ン、水晶などからなる基板、32はエツチングに
よつて基板に形成した空孔、33及び34は薄膜
部材、35は圧電薄膜、36,37は対向する電
極である。第4図は第3図の構造の薄膜圧電振動
子について薄膜部材34の厚さt34と薄膜部材3
3の厚さt33の比t34/t33に対する電気機械結合係
数k2の変化を示す図である。図中の曲線に記した
数字は振動の次数を示す。第5図は本発明の薄膜
圧電振動子の振動部位における応力分布した図で
ある。図中のA,B,C,Dにおいてイ,ロ,
ハ,ニはそれぞれ基本振動、第2次、第3次、第
4次の振動の応力分布である。図において41は
圧電薄膜、42,43は薄膜部材、44,45は
電極である。第6図は本発明の薄膜圧電振動子の
電気機械結合係数k2の理論曲線を示す図。図中の
曲線に記した数字は振動の次数を示す。第7図、
第8図はそれぞれ本発明の実施例1、実施例2の
薄膜圧電振動子のインピーダンス特性を示した図
である。横軸はMHz単位で表わした周波数であ
り、縦軸はデシベル単位で表わしたインピーダン
スの相対値である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 無機材料の薄膜部材とこの薄膜部材の上に電
極、圧電薄膜、電極、無機材料の薄膜部材の順で
形成されている多層構造を有する薄膜圧電振動子
であつて、圧電薄膜をはさんでその上下に形成す
る該無機材料の薄膜部材は等しい厚さを有する同
一の材料からなり、これら薄膜部材の厚さの合計
が圧電薄膜の厚さの0.2倍より大きいことを特徴
とする薄膜圧電振動子。 2 無機材料の薄膜部材とこの薄膜部材の上に電
極、圧電薄膜、電極、無機材料の薄膜部材の順で
形成されている多層構造を有する薄膜圧電振動子
であつて、圧電薄膜をはさんでその上下に形成す
る該無機材料の薄膜部材はそれぞれ異なる材料か
らなり、しかも上下の該薄膜部材の厚さの比はそ
れぞれの薄膜部材の中の音速の比に等しいことを
特徴とする薄膜圧電振動子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12705781A JPS5829211A (ja) | 1981-08-13 | 1981-08-13 | 薄膜圧電振動子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12705781A JPS5829211A (ja) | 1981-08-13 | 1981-08-13 | 薄膜圧電振動子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5829211A JPS5829211A (ja) | 1983-02-21 |
JPH0356013B2 true JPH0356013B2 (ja) | 1991-08-27 |
Family
ID=14950523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12705781A Granted JPS5829211A (ja) | 1981-08-13 | 1981-08-13 | 薄膜圧電振動子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5829211A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6068711A (ja) * | 1983-09-26 | 1985-04-19 | Toshiba Corp | 圧電薄膜共振子 |
JPS60189307A (ja) * | 1984-03-09 | 1985-09-26 | Toshiba Corp | 圧電薄膜共振器およびその製造方法 |
US6515402B2 (en) * | 2001-01-24 | 2003-02-04 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | Array of ultrasound transducers |
JP2004147246A (ja) | 2002-10-28 | 2004-05-20 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 圧電振動子、それを用いたフィルタ及び圧電振動子の調整方法 |
JP4978210B2 (ja) * | 2007-01-25 | 2012-07-18 | セイコーエプソン株式会社 | バルク音響振動子の製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4928795A (ja) * | 1972-07-14 | 1974-03-14 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5140771Y2 (ja) * | 1971-10-08 | 1976-10-05 | ||
JPS5399976U (ja) * | 1977-01-17 | 1978-08-12 |
-
1981
- 1981-08-13 JP JP12705781A patent/JPS5829211A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4928795A (ja) * | 1972-07-14 | 1974-03-14 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5829211A (ja) | 1983-02-21 |
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