JPH0347722B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、誘導機器用鉄心に関する。

非晶質磁性箔体を用いて変圧器等の大型の鉄心
を製作する場合、非晶質磁性箔体が薄く、取り扱
いにくいので、積層作業が悪く、従つて、通常は
けい素鋼板と組み合わせた複合鉄心として使用す
ることが多い。

従来、この種の複合鉄心としては、第１図のご
とく、必要形状に切断された非晶質磁性箔体２を
けい素鋼板１に１枚毎に接着剤３を使用して、縦
方向に貼りつけるとともに、幅方向にも並べて貼
りつけて構成していた。

そのため、非晶質磁性体２の切断と、その接着
作業に多大な時間を要していた。

また、接着剤３を使用する関係から、鉄心の占
績率が低下し、鉄心断面積が増大するので、誘導
機器の寸法及び重量にまで影響を及ぼすものであ
つた。

また、非晶質磁性箔体２の特性を有効に利用す
るには、高温による複合鉄心の焼鈍が必要である
が、接着剤３を使用しているため、焼鈍に必要な
温度まで上昇できない状態であつた。

この発明は、上記の実情に鑑みてなされたもの
で、けい素鋼板の磁束の流れの方向に一致させ
て、上記けい素鋼板を巻芯として非晶質磁性箔体
を幅方向にかつ複数層巻きつけることによつて占
績率を高め、また焼鈍が可能な誘導機器用鉄心を
提供することを目的とする。

以下、図について説明する。

第２図において、本発明による複合鉄心は、巻
芯となるけい素鋼板１の長手方向に、薄く、かつ
幅の狭いケープ状の非晶質磁性箔体２を、幅方向
に並べて巻きつけるとともに複数層巻きつけたも
のである。この巻きつけの方法としては、第３図
ａあるいはｂのように、突き合せあるいは1/2重
ね巻きの方法により容易に製作可能である。

このように、非晶質磁性箔体２をけい素鋼板２
に巻きつけていくことにより、非晶質磁性箔体と
けい素鋼板及び磁性非晶質磁性箔体同士間には、
所定の面圧が得られる。しかし、非晶質磁性箔体
とけい素鋼板及び磁性非晶質磁性箔体同士間には
空隙も存在することになる。このため、非晶質磁
性箔体をまきつけた後所定の面圧が得られている
状態で焼鈍を行い、空隙をなくし、相互間を密に
する。また、この焼鈍により、非晶質磁性箔体の
特性を改善することができる。

このようにして製作された複合鉄心の単体は、
第４図のように複数積み重ね、バインダで周囲を
締め付け固定して誘導機鉄心として使用される。
ここで、複合鉄心単体の非晶質磁性体の巻き終わ
り部は、積み重ね時外周にならないように積み重
ねる。

なお、巻芯としては、けい素鋼板１を複数枚重
ねたものを使用しもよい。

以上のように、この発明では、けい素鋼板に非
晶質磁性箔体を幅方向に並べかつ積層して巻きつ
けた後所定の面圧が得られている状態で焼鈍を行
うことによつて、幅広の複合鉄心が容易かつ速や
かに製作できるため、製作費用が低減できると共
に、鉄心占績率の向上が図れる。また、接着剤を
使用していないため、焼鈍のための温度上昇も可
能となり、非晶質磁性箔体の特性を有効に利用で
きる。

また、複合鉄心は積層された状態で使用される
ので、非晶質磁性箔体の巻端は完全に固定され
る。そのため、端末処理などは一切不要であるな
どの多くの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の非晶質磁性箔体とけい素鋼板と
を接着した複合鉄心を示す斜視図、第２図はこの
発明の一実施例を示す斜視図、第３図ａ，ｂはそ
れぞれ第２図の−線の断面を示す断面図、第
４図は第２図を適用した鉄心装置を示す断面図で
ある。 図において、１はけい素鋼板、２は非晶質磁性
箔体である。なお、各図中、同一符号は、同一又
は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ けい素鋼板の磁束の流れの方向に一致させ
   て、上記けい素鋼板を巻芯として非晶質磁性箔体
   を幅方向にかつ複数層巻きつけ、その後、上記非
   晶質磁性箔体とけい素鋼板及び磁性非晶質磁性箔
   体同士間に所定の面圧が得られている状態で焼鈍
   することを特徴とする誘導機器用鉄心。