JPH027270B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アウターロータでロータとステータ
の対向空隙に永久磁石を配設した構造の10相永久
磁石形ステツピングモータに関する。

〔従来の技術〕

従来、この種モータとして西独のベルガー
（Berger）社のハイブリツド形10相ステツピング
モータが良く知られている。その正断面図を第３
図に表わす。１はロータで、回転軸１０方向に２
つに分割され、その外周面には誘導子歯１１が彫
成される。２はステータで、磁極２１を各相毎に
180゜位置ずらせて対向させて10個形成し、磁極間
にあけられたスロツト２３には電磁コイル２４が
磁極２１を巻回して装着され、磁極２１のロータ
１への対向内周面には歯２２が切削成形される。
この第３図は片側からみており、反対側ではロー
タの歯が1/2ピツチずれている。

他の従来例として第４図に示す４相ハイブリツ
ド形ステツプモータがある。これは８スロツトで
ロータに永久磁石１２をそなえ、ａはｃのＡ断
面、ｂはｃのＢ断面、ｃは側断面図である。は
永久磁石の磁路を表わす。

なお、すべての素面において、同一符号は同一
もしくは相当部分を示す。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、これら従来例は材料費、加工費
のコストが高く性能的にも低く、薄形にならず、
使いにくい欠点がある。

ここにおいて本発明は、従来例の難点を克服
し、高性能で大容量化も可能でFA（工場自動化）
用からOA（事務自動化）用まで広く応用できる
10相永久磁石形ステツピングモータを提供するこ
とを、その目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、次の構成からなる。

固定子２は、円柱状の積層鉄心の外周に等ピツ
チで10個のスロツト２３を設け、それに集中巻５
相巻線２４を巻回し、固定子鉄心の外周に薄板状
永久磁石２５を貼付け、この永久磁石２５は一定
の磁極ピツチで多極に着磁する。

回転子１は、円板状で外周を円筒状に折り曲
げ、この円筒部は軸方向に一定ピツチで溝１３を
切り歯１２を形成し、 永久磁石２５の極対数P_n 歯１２の歯数N_t の間に、｜P_n−N_t｜＝２ を成立させ、円筒部が一定空隙を介して固定子２
外周に対向し、回転自在に支承された回転軸１０
に固着する。

〔作用〕

固定子２の永久磁石２５の極数P_nと、回転子
１の歯１２の歯数N_tとの間に、｜P_n〜N_t｜＝２の
差があることから、５相の巻線２４に回転磁界が
発生するように励磁すれば、回転子１の歯１２は
その回転磁界に誘導されて回転し、10相ステツピ
ングモータとなる。

〔実施例〕

本発明の一実施例における構造図を第１図に表
わし、ａは正断面図、ｂは側断面図を示す。

固定子２は、円柱状の積層鉄心の外周に等ピツ
チで10個のスロツト２３を設け、このスロツト２
３には集中巻で５相の巻線２４を施す。因みに、
周期機として５相のものは、ステツピングモータ
として10相で使える。

さらに、その固定子鉄心の外周に薄板状の永久
磁石２５を貼付け、かつこの永久磁石２５は一定
の磁極ピツチで多極に着磁される。

回転子１は、円板状でこの外周を円筒状におり
曲げ、この円筒部分は軸１０方向に一定ピツチで
溝１３を切つて溝１２を形成してある。

しかして、固定子２の永久磁石２５の磁極の極
対数P_nと、回転子１の歯１２の歯数N_tは ｜P_n−N_t｜＝２ つまり、２の差があるように選定してある。

回転子１は、この円筒部が一定空隙を隔てて、
固定子２外周に対向するようにし、かつ回転自在
にハウジング２６に支持された軸受２７により支
承された回転軸１０に固着している。

では、本発明の動作を説明する。

ここで、固定子永久磁石２５の極対数48、回転
子歯数50の例を考える。

この場合、差が２であるから、ある場所で磁石
２５のＮ極が歯１２の中心に一致するとすれば、
その180゜離れた場所でも同様にＮ極が歯の中心に
一致する。＋90゜と−90゜離れた場所では、Ｎ極は
溝の中心に一致するので、Ｓ極が歯の中心に一致
している。

第３図に表わすように、ＮからＳへ磁束が流
れるため、４極の磁束が生ずる。

回転子１が１歯ピツチ回転すると、この４極の
磁束φは180゜回転する。

巻線２４は1φ〜5φ、1′φ〜5′φの２組まかれて
いるが、1φ〜5φと1′φ〜5′φは丁度４極の磁束の
極対分つまり２極分をカバーしているから、５相
の巻線を形成する。

1φと1′φ、2φ〜2′φ、…、5φと5′φの巻線２４
を
直列に接続すれば、５相の同期モータになる。

10相永久磁石形ステツピングモータとしては、
第４図に示すように、５相の巻線２４をスターに
接続して、バイポーラ180゜通電ドライブまたは
２・３相交替励磁を行なえば、 ステツプ角360／50×10＝0.72度 分解能 500ステツプ／回転のものが得られる。

さらに、本発明の他の実施例として次の手段が
ある。

回転子の円筒部をのぞく、円板部をアルミ合
金にしてイナーシヤを小さくするとともに、巻
線のコイルエンド部から生ずるもれ磁束を減ら
して、インダクタンスを小さくする。

ロータデイスク（回転子１の円板状部分）の
ない負荷側にプリント基板を設けて、ここに駆
動回路、パルス分配回路等を取り付ける。それ
を第５図に要部の側断面図で表わす。

回転子１の円板状部分を合せ板として、ダン
パ効果を持たせる。これによつて騒音を低減す
る。

〔発明の効果〕

かくして本発明によれば、次に挙げる数多くの
格段の効果を奏することができ、当該分野に寄与
するところ大きい。

10相ステツピングモータなので、自起動周波
数が４相のモータの2.5倍もとれる。

ステツプ数／回転も2.5倍にできる。

プルアウトしにくい。

アウタロータでモータ寸法の割にロータ径が
大きいため、トルク大、歯数大にできるので、
出力、分解能ともに大きい。

固定子の精度は、組立後着磁で出すので、余
り必要としない。

コストが安くできる。

巻線が自動化できる。

回転子の構造から、イナーシヤが小さくでき
る。たとえば、歯幅／歯ピツチは1/3程度であ
る。

フラツトモータにできる。

小形高出力のものができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における断面を表わ
す正面図、側面図、第２図はその要部の正断面
図、第３図は動作図、第４図は巻線励磁図、第５
図は本発明の他の実施例の一部側断面図、第６
図、第７図は従来例の説明図である。 １……回転子（ロータ）、２……固定子（ステ
ータ）、１０……回転軸、１１……誘導子歯、１
２，２５……永久磁石、２１……磁極、２２……
固定子歯、２３……スロツト、２４……巻線（コ
イル）、２６……ハウジング、２７……軸受、２
８……プリント基板、４１……直流電源、４２…
…スライダ、４３……ブラシ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定子は、 円柱状の積層鉄心の外周に等ピツチで10個のス
   ロツトと、 そのスロツトに集中巻５相巻線を巻回する手段
   と、 積層鉄心の外周に薄板状で一定の磁極ピツチで
   多極に着磁して貼付された永久磁石と、 を設け、 回転子は、 円板状で外周を円筒状に折曲させて円筒部を形
   成し、この円筒部は軸方向に一定ピツチで溝を切
   り歯を彫成し、 永久磁石の極対数P_n 歯の歯数N_t の間に、｜P_n−N_t｜＝２ を成立させる手段と、 円筒部が一定空隙を介して固定子外周に対向
   し、回転自在に支承された回転軸に固着する手段
   と、 を備え、 たことを特徴とする10相永久磁石形ステツピング
   モータ。