JPH0247526B2 - - Google Patents
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- JPH0247526B2 JPH0247526B2 JP59207763A JP20776384A JPH0247526B2 JP H0247526 B2 JPH0247526 B2 JP H0247526B2 JP 59207763 A JP59207763 A JP 59207763A JP 20776384 A JP20776384 A JP 20776384A JP H0247526 B2 JPH0247526 B2 JP H0247526B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- strength
- steel
- toughness
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は高温圧力容器に使用されるCr−Mo系
低合金鋼極厚鋼材の高温強度(特にクリープ強
度)を高めるための製造方法に係わるものであ
る。 (従来技術及び問題点) Cr−Mo系低合金耐熱鋼は、そのすぐれた高温
強度、耐水素侵食性等から化学工業、石油化学、
石油精製などの高温高圧の反応容器に広く使用さ
れている。ところで最近の高温反応容器は、効率
向上のため大型化、高温化、高圧化の動きがあ
り、これに伴なつて装置の厚みがますます厚くな
る傾向がある。モノブロツクで製作する場合、極
厚化は板厚中心部の冷速の低下を招き、強度靭性
の低下をもたらす。また壁厚の増大は応力除去焼
鈍時間を長く必要とすることになり、この点から
も強度低下につながる。 このような事情から、これまでの成分系に対し
て壁厚の極度の増大を招かないための高温強度の
上昇、定期検査時の圧力テストによる脆性破壊を
防止するための高靭性及び耐焼もどし脆化性など
強度、靭性面からの新たな配慮が必要となる。 また、従来の操業温度にくらべて、反応効率を
高めるための高温化の動きは、これまでの鋼より
より一層耐水素侵食性が高く、且つクリープ強度
の高い鋼を要求している。このような高温化に対
応しうる鋼としては、たとえば3Cr−1Mo鋼が水
素侵食の点で538℃まで耐えるとされているが、
高温強度が低いという欠点がある。 即ち従来から知られているCr−Mo系低合金鋼
としては、特開昭50−130621号公報あるいは特開
昭55−41961号公報などにより知られている鋼が
あるが、これらはいずれも高温で充分な強度を保
証できず、鋼材成分のみで前記の如き問題点を解
決するには達していない。 (問題点を解決するための手段、作用) 本発明者らは、前述したようなこれまでの低合
金耐熱鋼より一層の強度上昇を図つて適量のV、
Nb、Ti等の添加を試みたが、これらの鋼は製造
履歴によつて強度水準及び靭性が大幅に変動する
ことを知り、バランスのとれた強度と靭性を確保
できる製造条件を確立することに成功したもので
ある。 即ち本発明は、重量%でC0.10〜0.20%、Si0.80
%以下、Mn0.2〜1.5%、Cr2.1〜5.0%、Mo0.4〜
1.5%、V0.35%以下、Nb,Tiの1種又は2種合
計で0.01〜0.12%、Sol、Al0.01〜0.1%を含有し、
またはこれに更にB0.0003〜0.002%を添加すると
共にN0.005%以下に制限した鋼塊或いはスラブ
を1100〜1280℃に加熱後、800℃以上の温度範囲
で熱間加工を行い、ひきつづきオーステナイト化
のため880〜1050℃の間の温度に保持した後、焼
入れまたは焼ならしを行うことを特徴とする高温
高圧容器用極厚鋼材の製造方法である。 以下に本発明を詳細に説明する。 まず、本発明において極厚鋼材とは100mm超の
板厚範囲のものを指す。これは、先にも述べた化
学工業、石油精製等の用途において装置の大型化
又は高圧化によつて従来の100mm以下の厚みにく
らべて増大している所から、上記のような板厚範
囲のものを対象としたものである。 次に本発明法の対象とする鋼の各成分を前記の
如く定めた限定理由について述べる。 Cは強度保持上必要であるが、0.20%を超すと
溶接性ならびに靭性を損なうので上限を0.20%と
し、下限はこれ未満では溶接後熱時に高いテンパ
ーパラメータを採用した時強度の保持が困難なた
め0.10%とした。ここでテンパーパラメータ(T.
P.)とはT.P.=T(20+1ogt)で求めるものであ
る。但しT:温度(K)t:時間(hour)であ
る。 Siは脱酸剤として添加されるものであるが、強
度の向上にも効果がある元素である。しかし多す
ぎると溶接性、靭性に悪影響が出るので0.80%以
下とした。 Mnは脱酸のためのみでなく、強度保持にも必
要な成分である。しかし1.5%を超すと靭性の点
から好ましくないので上限を1.5%とし、下限は
極厚材の強度保証の点から0.2%とした。 Crは耐酸化性、耐水素侵食性ならびに強度の
点から必要であるが、5%を超して添加すると溶
接性に対して問題が生ずるので上限を5%とし
た。 下限については、耐水素侵食性の観点から
Mo,V等の含有量を考慮して、2.1%とした。 Moは著しく高温強度を高める元素であるが、
0.4%未満では効果が極端に低下し、1.5%を超し
ても効果の増大はほとんどない上に溶接性に悪影
響を及ぼすので、上限を1.5%、下限を0.4%とし
た。 Vは焼もどし軟化抵抗を著しく高めるため、
Moと同様に高温強度の向上に顕著な効果のある
元素であるが、0.35%を超えて添加すると溶接性
に決定的な悪影響を与えるために上限を0.35%と
した。 次にNb,Tiは結晶粒を微細化し、強度も向上
する元素であるが、その量は単独又は合計で0.01
%未満では効果がなく、また0.12%を超すと却つ
てクリープ強度が低下するので、上限を0.12%、
下限を0.01%と定めた。 Sol,Alは靭性の向上に有効な元素であるが、
0.01%未満では効果が弱く、0.10%を超すと熱間
加工性に悪影響を与えるので、上限を0.10%、下
限を0.01%とした。 以上が本発明による鋼の基本成分であるが、板
厚が極端に厚くなると焼入性を考慮した成分系が
必要となる。 Bは極厚材で焼入の際の冷却速度が極度に遅く
なつた場合にフエライトの析出を防止し、ベイナ
イト組織を確保するのに有効な元素であるが、
0.0003%未満ではAl量を如何に多量にしても後述
するN量を如何に下げても焼入性に効果がない。
また0.0020%超では偏析のため加工性、溶接性に
悪影響があるので、上限を0.0020%、下限を
0.0003%とした。 Nは上述のごく微量のBで焼入性を確保するた
めにAlの添加とともにその量を低く抑えること
が有効であるが、0.005%以下にすることによつ
て微量Bの効果がはじめて現われてくるので、
0.005%以下に抑えることにした。 以上が本発明による製造方法の適用対象鋼であ
るが、この鋼を用いて高温強度を高め、かつ靭性
も同時に確保するための製造方法について以下に
述べる。 まず、鋼塊あるいはスラブは通常の製鋼手段で
溶製し、連続鋳造又は普通造塊で鋳塊にするが、
そのあと熱間圧延に先立つ加熱は、NbC、TiCを
オーステナイト中に固溶させその後の析出によつ
て強化を期待するためには、1100℃以上の加熱と
とすることが必要である。しかし、1280℃を超え
て加熱すると結晶粒の粗大化が始まり、最終成品
の靭性に悪影響がでるので、加熱温度の上限を
1280℃、下限を1100℃とした。 次に、熱間加工とはこの場合鍛造、リング圧
延、ロール圧延等を指すが、その加工の温度範囲
の下限は800℃と定めた。その理由は、この温度
より下げるとNbC、TiCの析出量が増大し、その
後のオーステナイト化処理中においてこれら析出
物が再固溶せず、最終段階での鋼の組織において
強度に寄与しない析出物が増えるためである。 また、その後ただちに880〜1050℃の間に保持
するわけであるが、ただちに保持する理由は加工
温度範囲を制限した理由と同様に、この段階での
NbC,TiCの析出を抑制するためであり、この温
度範囲に保つ理由は鋼材の均質化を図るためであ
り、下限を880℃としたのはこれより下では均質
化のために時間がかかりすぎるためであり、また
上限を1050℃としたのは1050℃超では靭性に悪影
響がでるためである。 なお、保持時間は特に定めないが、均熱の観点
から20分以上とする。 次に、焼入れ又は焼ならしは鋼材をオーステナ
イト域の温度から冷却する作業であつて、この場
合マルテンサイト、ベイナイト等に変態させて均
質ですぐれた強度特性を得るために行うものであ
る。 以下に本発明の効果を実施例についてさらに具
体的に述べる。 (実施例) 第1表に供試鋼の化学組成を示す。供試鋼は高
周波炉で溶解、造塊を行い、その後鍛造で60t×
100w×200lの形状の素材としたものである。ま
た、第2表に熱間加工及び冷却条件と冷却速度、
その冷却速度に対応する実鋼板での板厚、T(20
+logt)で計算されるテンパーパラメータ、諸特
性、すなわち常温、高温引張特性、クリープ破断
特性、0℃の衝撃値vEoを示す。 なお常温引張りはJIS4号高温引張り、クリープ
破断試験はJIS標準試験片を用いて行つた。
低合金鋼極厚鋼材の高温強度(特にクリープ強
度)を高めるための製造方法に係わるものであ
る。 (従来技術及び問題点) Cr−Mo系低合金耐熱鋼は、そのすぐれた高温
強度、耐水素侵食性等から化学工業、石油化学、
石油精製などの高温高圧の反応容器に広く使用さ
れている。ところで最近の高温反応容器は、効率
向上のため大型化、高温化、高圧化の動きがあ
り、これに伴なつて装置の厚みがますます厚くな
る傾向がある。モノブロツクで製作する場合、極
厚化は板厚中心部の冷速の低下を招き、強度靭性
の低下をもたらす。また壁厚の増大は応力除去焼
鈍時間を長く必要とすることになり、この点から
も強度低下につながる。 このような事情から、これまでの成分系に対し
て壁厚の極度の増大を招かないための高温強度の
上昇、定期検査時の圧力テストによる脆性破壊を
防止するための高靭性及び耐焼もどし脆化性など
強度、靭性面からの新たな配慮が必要となる。 また、従来の操業温度にくらべて、反応効率を
高めるための高温化の動きは、これまでの鋼より
より一層耐水素侵食性が高く、且つクリープ強度
の高い鋼を要求している。このような高温化に対
応しうる鋼としては、たとえば3Cr−1Mo鋼が水
素侵食の点で538℃まで耐えるとされているが、
高温強度が低いという欠点がある。 即ち従来から知られているCr−Mo系低合金鋼
としては、特開昭50−130621号公報あるいは特開
昭55−41961号公報などにより知られている鋼が
あるが、これらはいずれも高温で充分な強度を保
証できず、鋼材成分のみで前記の如き問題点を解
決するには達していない。 (問題点を解決するための手段、作用) 本発明者らは、前述したようなこれまでの低合
金耐熱鋼より一層の強度上昇を図つて適量のV、
Nb、Ti等の添加を試みたが、これらの鋼は製造
履歴によつて強度水準及び靭性が大幅に変動する
ことを知り、バランスのとれた強度と靭性を確保
できる製造条件を確立することに成功したもので
ある。 即ち本発明は、重量%でC0.10〜0.20%、Si0.80
%以下、Mn0.2〜1.5%、Cr2.1〜5.0%、Mo0.4〜
1.5%、V0.35%以下、Nb,Tiの1種又は2種合
計で0.01〜0.12%、Sol、Al0.01〜0.1%を含有し、
またはこれに更にB0.0003〜0.002%を添加すると
共にN0.005%以下に制限した鋼塊或いはスラブ
を1100〜1280℃に加熱後、800℃以上の温度範囲
で熱間加工を行い、ひきつづきオーステナイト化
のため880〜1050℃の間の温度に保持した後、焼
入れまたは焼ならしを行うことを特徴とする高温
高圧容器用極厚鋼材の製造方法である。 以下に本発明を詳細に説明する。 まず、本発明において極厚鋼材とは100mm超の
板厚範囲のものを指す。これは、先にも述べた化
学工業、石油精製等の用途において装置の大型化
又は高圧化によつて従来の100mm以下の厚みにく
らべて増大している所から、上記のような板厚範
囲のものを対象としたものである。 次に本発明法の対象とする鋼の各成分を前記の
如く定めた限定理由について述べる。 Cは強度保持上必要であるが、0.20%を超すと
溶接性ならびに靭性を損なうので上限を0.20%と
し、下限はこれ未満では溶接後熱時に高いテンパ
ーパラメータを採用した時強度の保持が困難なた
め0.10%とした。ここでテンパーパラメータ(T.
P.)とはT.P.=T(20+1ogt)で求めるものであ
る。但しT:温度(K)t:時間(hour)であ
る。 Siは脱酸剤として添加されるものであるが、強
度の向上にも効果がある元素である。しかし多す
ぎると溶接性、靭性に悪影響が出るので0.80%以
下とした。 Mnは脱酸のためのみでなく、強度保持にも必
要な成分である。しかし1.5%を超すと靭性の点
から好ましくないので上限を1.5%とし、下限は
極厚材の強度保証の点から0.2%とした。 Crは耐酸化性、耐水素侵食性ならびに強度の
点から必要であるが、5%を超して添加すると溶
接性に対して問題が生ずるので上限を5%とし
た。 下限については、耐水素侵食性の観点から
Mo,V等の含有量を考慮して、2.1%とした。 Moは著しく高温強度を高める元素であるが、
0.4%未満では効果が極端に低下し、1.5%を超し
ても効果の増大はほとんどない上に溶接性に悪影
響を及ぼすので、上限を1.5%、下限を0.4%とし
た。 Vは焼もどし軟化抵抗を著しく高めるため、
Moと同様に高温強度の向上に顕著な効果のある
元素であるが、0.35%を超えて添加すると溶接性
に決定的な悪影響を与えるために上限を0.35%と
した。 次にNb,Tiは結晶粒を微細化し、強度も向上
する元素であるが、その量は単独又は合計で0.01
%未満では効果がなく、また0.12%を超すと却つ
てクリープ強度が低下するので、上限を0.12%、
下限を0.01%と定めた。 Sol,Alは靭性の向上に有効な元素であるが、
0.01%未満では効果が弱く、0.10%を超すと熱間
加工性に悪影響を与えるので、上限を0.10%、下
限を0.01%とした。 以上が本発明による鋼の基本成分であるが、板
厚が極端に厚くなると焼入性を考慮した成分系が
必要となる。 Bは極厚材で焼入の際の冷却速度が極度に遅く
なつた場合にフエライトの析出を防止し、ベイナ
イト組織を確保するのに有効な元素であるが、
0.0003%未満ではAl量を如何に多量にしても後述
するN量を如何に下げても焼入性に効果がない。
また0.0020%超では偏析のため加工性、溶接性に
悪影響があるので、上限を0.0020%、下限を
0.0003%とした。 Nは上述のごく微量のBで焼入性を確保するた
めにAlの添加とともにその量を低く抑えること
が有効であるが、0.005%以下にすることによつ
て微量Bの効果がはじめて現われてくるので、
0.005%以下に抑えることにした。 以上が本発明による製造方法の適用対象鋼であ
るが、この鋼を用いて高温強度を高め、かつ靭性
も同時に確保するための製造方法について以下に
述べる。 まず、鋼塊あるいはスラブは通常の製鋼手段で
溶製し、連続鋳造又は普通造塊で鋳塊にするが、
そのあと熱間圧延に先立つ加熱は、NbC、TiCを
オーステナイト中に固溶させその後の析出によつ
て強化を期待するためには、1100℃以上の加熱と
とすることが必要である。しかし、1280℃を超え
て加熱すると結晶粒の粗大化が始まり、最終成品
の靭性に悪影響がでるので、加熱温度の上限を
1280℃、下限を1100℃とした。 次に、熱間加工とはこの場合鍛造、リング圧
延、ロール圧延等を指すが、その加工の温度範囲
の下限は800℃と定めた。その理由は、この温度
より下げるとNbC、TiCの析出量が増大し、その
後のオーステナイト化処理中においてこれら析出
物が再固溶せず、最終段階での鋼の組織において
強度に寄与しない析出物が増えるためである。 また、その後ただちに880〜1050℃の間に保持
するわけであるが、ただちに保持する理由は加工
温度範囲を制限した理由と同様に、この段階での
NbC,TiCの析出を抑制するためであり、この温
度範囲に保つ理由は鋼材の均質化を図るためであ
り、下限を880℃としたのはこれより下では均質
化のために時間がかかりすぎるためであり、また
上限を1050℃としたのは1050℃超では靭性に悪影
響がでるためである。 なお、保持時間は特に定めないが、均熱の観点
から20分以上とする。 次に、焼入れ又は焼ならしは鋼材をオーステナ
イト域の温度から冷却する作業であつて、この場
合マルテンサイト、ベイナイト等に変態させて均
質ですぐれた強度特性を得るために行うものであ
る。 以下に本発明の効果を実施例についてさらに具
体的に述べる。 (実施例) 第1表に供試鋼の化学組成を示す。供試鋼は高
周波炉で溶解、造塊を行い、その後鍛造で60t×
100w×200lの形状の素材としたものである。ま
た、第2表に熱間加工及び冷却条件と冷却速度、
その冷却速度に対応する実鋼板での板厚、T(20
+logt)で計算されるテンパーパラメータ、諸特
性、すなわち常温、高温引張特性、クリープ破断
特性、0℃の衝撃値vEoを示す。 なお常温引張りはJIS4号高温引張り、クリープ
破断試験はJIS標準試験片を用いて行つた。
【表】
【表】
【表】
(注) ○印:比較例
水冷は焼入れに空冷は焼ならしに対応。
オーステナイト化の際の保持時間はすべて1
時間である。
第2表中No.1,2,5,6,8,9は比較例で
あり、No.3,4,7は本発明例である。 No.1は通常工程条件、すなわち1250℃加熱、
1100゜〜950℃加工終了後250℃以下に冷却する工
程を指すものであるが、圧延後冷却し、オーステ
ナイト化のために再加熱を行うので、充分な強度
が出ない。また、No.2,5は加熱条件が本発明の
要件を満さないものであつて、前者は高温強度が
従来工程にくらべそれほど向上せず、後者は靭性
の劣化が大きい。 さらに、No.6は加工終了時に加工温度の下限を
切るもの、No.9はオーステナイト化保持温度の上
限をはずれるものであつて、いずれも強度或いは
靭性の点で問題がある。また、No.8はオーステナ
イト化温度の下限を切つており、クリープ破断強
度が低い。 これに対し、本発明の要件を満すNo.3,4,7
の条件で製造された鋼は比較例にくらべ著しくク
リープ破断強度が向上し、靭性もほゞ遜色のない
値が得られている。 (発明の効果) 以上のごとく、本発明の製造法によれば、従来
の製造法にくらべ一段とクリープ破断強度、高温
強度が高く、靭性とのバランスのとれた鋼材を提
供できる。したがつて、高温高圧装置の大型化、
高温化に対応でき、即装置の軽量化に役立つもの
であつて、産業上貢献するところ極めて大であ
る。
水冷は焼入れに空冷は焼ならしに対応。
オーステナイト化の際の保持時間はすべて1
時間である。
第2表中No.1,2,5,6,8,9は比較例で
あり、No.3,4,7は本発明例である。 No.1は通常工程条件、すなわち1250℃加熱、
1100゜〜950℃加工終了後250℃以下に冷却する工
程を指すものであるが、圧延後冷却し、オーステ
ナイト化のために再加熱を行うので、充分な強度
が出ない。また、No.2,5は加熱条件が本発明の
要件を満さないものであつて、前者は高温強度が
従来工程にくらべそれほど向上せず、後者は靭性
の劣化が大きい。 さらに、No.6は加工終了時に加工温度の下限を
切るもの、No.9はオーステナイト化保持温度の上
限をはずれるものであつて、いずれも強度或いは
靭性の点で問題がある。また、No.8はオーステナ
イト化温度の下限を切つており、クリープ破断強
度が低い。 これに対し、本発明の要件を満すNo.3,4,7
の条件で製造された鋼は比較例にくらべ著しくク
リープ破断強度が向上し、靭性もほゞ遜色のない
値が得られている。 (発明の効果) 以上のごとく、本発明の製造法によれば、従来
の製造法にくらべ一段とクリープ破断強度、高温
強度が高く、靭性とのバランスのとれた鋼材を提
供できる。したがつて、高温高圧装置の大型化、
高温化に対応でき、即装置の軽量化に役立つもの
であつて、産業上貢献するところ極めて大であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%でC 0.10〜0.20%、 Si 0.80%以下、 Mn 0.2〜1.5%、 Cr 2.1〜5.0%、 Mo 0.4〜1.5%、 V 0.35%以下、 Nb,Tiの1種又は2種合計で0.01〜0.12%、 Sol,Al 0.01〜0.1% を含有し、またはこれに更に B 0.0003〜0.002% を添加すると共に N 0.005%以下 に制限した鋼塊或いはスラブを1100〜1280℃に加
熱後、800℃以上の温度範囲で熱間加工を行い、
ただちにオーステナイト化のため880〜1050℃の
間の温度に保持した後、焼入れまたは焼ならしを
行うことを特徴とする高温高圧容器用極厚鋼材の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20776384A JPS6187818A (ja) | 1984-10-03 | 1984-10-03 | 高温高圧容器用極厚鋼材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20776384A JPS6187818A (ja) | 1984-10-03 | 1984-10-03 | 高温高圧容器用極厚鋼材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6187818A JPS6187818A (ja) | 1986-05-06 |
JPH0247526B2 true JPH0247526B2 (ja) | 1990-10-22 |
Family
ID=16545139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20776384A Granted JPS6187818A (ja) | 1984-10-03 | 1984-10-03 | 高温高圧容器用極厚鋼材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6187818A (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07809B2 (ja) * | 1988-03-18 | 1995-01-11 | 新日本製鐵株式会社 | 圧力容器用極厚鋼板の製造方法 |
JP2680350B2 (ja) * | 1988-06-20 | 1997-11-19 | 新日本製鐵株式会社 | 靭性の優れたCr−Mo鋼板の製造方法 |
JPH01319631A (ja) * | 1988-06-20 | 1989-12-25 | Nippon Steel Corp | 圧力容器用極厚鋼板の製造方法 |
DE3837400C2 (de) * | 1988-11-01 | 1995-02-23 | Mannesmann Ag | Verfahren zur Herstellung nahtloser Druckbehälter |
CN103510009B (zh) * | 2012-06-20 | 2016-01-20 | 鞍钢股份有限公司 | 一种核电机组汽轮机辅机用钢及其制造方法 |
CN107312981A (zh) * | 2017-06-13 | 2017-11-03 | 南京钢铁股份有限公司 | 一种低屈强比高强韧厚规格钢板及其制造方法 |
CN112210724B (zh) * | 2020-08-10 | 2022-02-18 | 唐山钢铁集团有限责任公司 | 基于esp生产的高强度热成形用钢及方法 |
Citations (5)
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---|---|---|---|---|
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JPS5779117A (en) * | 1980-11-06 | 1982-05-18 | Kawasaki Steel Corp | Production of ultrathick temper type high tensile steel |
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JPS5819431A (ja) * | 1981-07-24 | 1983-02-04 | Nippon Steel Corp | 脆性亀裂伝播停止特性の優れたラインパイプ用鋼の製造方法 |
-
1984
- 1984-10-03 JP JP20776384A patent/JPS6187818A/ja active Granted
Patent Citations (5)
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6187818A (ja) | 1986-05-06 |
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