JPH02257856A

JPH02257856A - 耐熱性卵白及び卵白組成物

Info

Publication number: JPH02257856A
Application number: JP1078060A
Authority: JP
Inventors: Yoshinori Mine; 芳徳峯; Tatsushi Notomi; 納富　達志; Tsukasa Ichimura; 司市村
Original assignee: QP Corp
Current assignee: Kewpie Corp
Priority date: 1989-03-31
Filing date: 1989-03-31
Publication date: 1990-10-18
Anticipated expiration: 2013-05-13
Also published as: JP2749111B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、耐熱性卵白及び卵白組成物に関する。

〔従来の技術〕

卵白は加熱すると熱凝固するので、加熱工程を経て作ら
れる飲料等の食品や７ヤングー等の化粧品の原料には不
適な場合がある。

そのため、従来から卵白に耐熱性を付与する試みがなさ
れており、特公昭５７−５４１１４号公報に提案されて
いるように、卵白に３倍重量以上の清水を加えて攪拌し
て熱凝固性を有する蛋白質を凝集させ、この凝集物を分
離除去し、残った溶液を乾燥して粉状に仕上げる方法が
採用されている。

しかしながら、上記従来法によって得られる耐熱性卵白
は、水戻しして加熱すると、多量の硫化水素が発生して
不快臭を有するため、食品や化粧品の原料としては不適
である。

また、清水等に溶解させた場合に、溶液中での安定性に
欠け、経時的に不溶化して沈澱物を形成するので、飲料
等の液状製品の原料としても不適である。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の−の発明は、清水等の溶液に溶解させて加熱し
ても熱凝固せず、かつ不快臭の発生もみられない耐熱性
卵白を提供することを目的とし、また他の発明は、清水
等に溶解させても、耐熱性を有し、かつ、沈澱物を形成
しない卵白組成物を提供することを目的とするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の耐熱性卵白は卵白蛋白質の重合体からなり、か
つ、臭気成分が除かれてなることを特徴とし、また、卵
白組成物が卵白蛋白質の重合体と糖類との複合体からな
ることを特徴とするものである。

本発明の耐熱性卵白を得るには、まず、原料の卵白委を
用意する。

卵白は、殻付卵を割卵して卵黄を分離して得られる生卵
白のほか、冷凍卵白を解凍したもの或いは乾燥卵白を水
戻ししたもの等であっても差し支えない。

次に、原料の卵白液（通常固形分含量ｌＯ％）に清水を
１／２倍重量乃至３倍重量加えて希釈した後、得られた
卵液の−をアルカリ域に調整する。

卵液をアルカリ域に調整することにより、次工程の加熱
によって、卵白蛋白質が重合しやすくなる。

卵液の−は８〜１０に調整するのが望ましい。

次にこの卵液を８０〜１２０℃で３０秒〜６０分間加熱
した後、冷却する。この処理によシ卵白蛋白質は重合し
て重合体を形成する。

最後Ｋ、上記卵液を膜濃縮して、加熱処理時に発生した
主に硫化水素からなる臭気（不快臭）成分を除去すれば
、目的とする耐熱性卵白を得ることができる。卵液の卵
白蛋白質は重合体となり、高分子化しているので、膜を
透過することなく、効率的に臭気成分のみを卵液より除
去することができる。膜濃縮は、高分子膜を用いた、例
えば、限外ろ過法、逆浸透法、精密ろ過法等によればよ
い。

このようにして得られた本発明の耐熱性卵白は、平均分
子量が５０万〜１０００万（生卵白の卵白蛋白質の平均
分子量３万〜６万）であり、卵白蛋白質の重合体である
ことが判る。また、この耐熱性卵白は、還元剤は含まな
い５Ｏ８−ポリアクリルアミド電気泳動法により分析す
ると、オデアルプミンとコンアルブミンの位置にバンド
が認められない。ここで、オデアルプミンとコンアルブ
ミンの位置にバンドが認められないとは、卵白液をポリ
アクリルアミドを支持体として卵白蛋白質の分子量の分
布を測定する泰、オがアルブミン、コンアルブミンと同
じ分子量の卵白蛋白質は含まれないことを意味する。ま
た、耐熱性卵白をＤＳＣ分析をすると特異なピークが認
められない。ＤＳＣ分析とは、蛋白質の加熱による変性
点を示差熱により測定することをいう。

尚、上記耐熱性卵白は、溶液状にしておくと卵白蛋白質
の重合体が再会合してより高分子化し、不溶化する傾向
にあるので、耐゛熱性を有し、かつ、不溶化しない卵白
組成物を得るには、この卵白蛋白質重合体と糖類を溶解
させた水溶液を７０〜１００℃で２０秒〜２０分間加熱
した後冷却すればよい。

ここで用いる糖類としては、グルコース、フラクトース
等の単糖類、ラクトース、シュークロース等の三糖類、
デキストリン、サイクロデキストリン、ゾルラン等の多
糖類がある。

このようにして得られた本発明の卵白組成物は、糖類と
してデキス）　ＩＪンを用いた場合、平均分子量が１０
０万〜２０００万であり、卵白蛋白質重合体と多糖類の
複合体であることが判る。

また、この卵白組成物は、還元剤を含まない５ＤＳ−ポ
リアクリルアミド電気泳動法おいて、オボアルプミンと
コンアルブミンの位置にバンドが認められない。またＤ
ＳＣ分析をすると特異など−りが認められない。

〔作用〕

本発明の耐熱性卵白は、後の試験例にも示すように、耐
熱性を有し、かつ無臭である。耐熱性を有するのは卵白
蛋白質が構造的に安定な重合体となり、この重合体が加
熱しても変性しないからでいるからである。

また、本発明の卵白組成物は、後の試験例にも示すよう
に耐熱性を有し、かつ、溶液状にして保九管しても、安中であり、沈澱物が生ずることはない。そ
の機作については深く追求したわけではないが、卵白蛋
白質の重合体と多糖類からなる複合体の分子の表面が親
水性を有し、凝集しにくくなっているからではないかと
推察される。

〔実施例〕

実施例１゜常法によって脱糖処理した卵白液２０Ｋｆに、清水３０
Ｋｇを加え、得られた卵液の−を９．５に調整した後、
１００℃で３０分間加熱し、而る後、冷却した。

次に、上記卵液をポリスルフオン系管状限外ろ過膜（日
東電気工業■製、商品名ｒＮＴＵ−３５２０Ｊ）を用い
て、常法により限外ろ過して卵液を固形分含量が１２％
になるまで濃縮した後、常法によりスプレードライして
不快臭のない耐熱性卵白の粉末２．５　Ｋｇを得た。

実施例２゜市販の乾燥卵白（キューピー■製、商品名「乾燥卵白に
タイプＪ）５Ｋｆに清水６５Ｋｆを加えて水戻しした後
、得られた卵液をｐＨ９，５に調整し、１２０℃で５分
間加熱し、而る後、冷却した。

次に、上記卵液をポリオレフィン系管状限外ろ過膜（日
東電気工業■製、商品名ｒＮＴＵ−２０１００Ｊ）を用
いて、常法により限外ろ過して卵液の固形分含量が１３
．３％になるまで濃縮して、不快臭のない耐熱性卵白液
４．５　Ｋｌを得た。

実施例３゜常法によって脱糖処理した卵白液６０Ｋｆに、清水９０
〜を加え、得られた卵液の−を９．５に調整した後、１
００℃で２０分間加熱し、而る後、冷却した。

次に、この卵液に市販のデキス）　ＩＪン（松谷化学■
製、商品名「・ぐイ／デイツクスＪ）０．６Ｋｆを加え
、再び１００℃で１０分間加熱した後、冷却した。

次に、上記卵液を常法によりスプレードライし、卵白組
成物の粉末ｓ、ｏＫｆを得た。

実施例４゜市販の乾燥卵白（キューピー■製、商品名［乾燥卵白に
タイプＪ　）　５に９に清水６５Ｋｆを加えて水戻しし
た後、得られた卵液をｐ）１８．０に調整し、１００℃
で５分間加熱し、而る後、冷却した。

次に、上記卵液をポリスルフォン複合膜系（日東電気工
業■製、商品名ｒＮＴＵ−３５１００Ｊ　）を用い、常
法により逆浸透濃縮をして卵液の固形分含量が１３．５
％になるまで濃縮した。

そして、得られた濃縮物に、食品添加用ゾルラン（林原
物製、商品名「グルランＰＦ−２００Ｊ）２００？を添
加・混合し、卵白組成物の粉末４．５に４を得た。

〔試験例〕

試験例１゜次のサンプルを用意した。

対照区１：生卵白対照区２：生卵白に２．５倍重量の清水を加えて希釈後
、卵液を−９，５に調整し、７０℃で１０分間加熱した後冷却したものテスト区１：生卵白に２．５倍重量の清水を加えて希釈
後、卵液をｐＨ９，５に調整し、８０℃で１０分間加熱
した後、得られた卵液を固形分含量８．１％になるまで限外ろ過したものテスト区２：生卵白に２．５倍重量の清水を加えて希釈
後、卵液をｐＨ９，５に調整し、９０℃で１０分間加熱
した後、冷却し、得られた卵液を固形分含量ｉｏ、２％になるまで限外ろ過したものテスト区３：生卵白に２．５倍重量の清水を加えて希釈
後、卵液をｐＨ９，５に調整し、１００℃で１０分加熱
した後、冷却し、得られた卵液を固形分含量１３％になるまで限外ろ過したもの上記名サン゛グルについて、常法によりＤＳＣ分析と５
ＤＳ−ポリアクリルアミド電気泳動分析を行った。

また、各サンプルについて、臭いの有無を観察した後、
ｐ）１７．５に調整し、１００℃で３０分間加熱した場
合の耐熱性を観察したところ、表−１の結果が得られた
。

表−１尚、表中の記号は、ＤＳＣにおい・ては、＋は特異のピ
ークが認められたことを、−は特異のピークが認められ
なかったことを、電気泳動において、士はオゲアルブミ
ンの位置にバンドが認められたことを、−はオデアルブ
ミンの位置にバンドが認められなかったことを示す。

また、臭いにおいて、○は、よく訓練した・ぐネル１０
名全員が不快臭を感じなかったことを、Ｘはパネル１０
名のうち８名以上が不快臭を感じたことを示す。

また、耐熱性において、○は、耐熱性がある（凝固しな
い）ことを、Ｘは耐熱性がない（凝固する）ことを示す
。

試験例２゜次のサンプルを用意した。

対照区：生卵白に２．５倍重量の清水を加えて希釈後、
卵液を、ｐＨ，９，５に調整し、１００℃で３０分間加
熱した後、冷却したものテスト区：生卵白に２．５倍重量の清水を加えて希釈後
、卵液をｐＨ９，５に調整し、１００℃で３０分間加熱
した後、冷却し、得られた卵液に対し、１６５重量％のサイクロデキストリンを加え、さらに、この卵液を１００℃で１０分間加熱した後冷却したもの上記各サンプルを各別に清水に５０重量％添加・混合し
、１００℃で１０分間加熱した後、５℃に３０日間静止
して溶液の状態を観察した。同様に牛乳に５０重量％添
加・混合し、１００℃で１０分間加熱した後、５℃に３
０日間静置して牛乳の状態を観察したところ、表−２の
結果が得られた。

表−２量のデキス）　ＩＪンを添加・混合した後、それぞれ各
別に、１００℃で１０分間加熱した後冷却し、得られた
卵液を常法によりスプレードライした。

そして、各サンプルにそれぞれ２０倍重量の清水を加え
て水戻し、１００℃で１０分間加熱した後、得られた卵
液を５℃に７日間静置し、７日後の卵液の状態を観察し
たところ表−３の結果が得られた。

表−３尚、表中の記号Ｏは、沈澱物が全く生じなかったことを
、＾は沈澱物がわずかに生じたことを、Ｘは沈澱物が多
量に生じたことを示す。

試験例３、生卵白に２．５倍重量の清水を加えて希釈後、卵液をｐ
Ｈ９，５に調整し、１００℃で２０分間加熱した後冷却
し、得られた卵液、を８等分した。

そして、各卵液に、卵液に対して表−３に示す尚、表中
の記号の意味は、表−２と同じである。

試験例４゜試験例２のテスト区のサンプルについて、常法により還
元剤を含まない５ＤＳ−ポリアクリルアミド電気泳動分
析をしたところ、第１図のテスト結果が得られた。

尚、対照として生卵白についても同様のテストをしたの
で、その結果を第１図に示す。

第１図から明らかなように、本発明の卵白組成物ハ、オ
ボアルブミンとコンアルブミンの位置にバンドが認めら
れない。

〔発明の効果〕

本発明の耐熱性卵白は、耐熱性を有しかつ無臭であるか
ら、食品や化粧品の原料に適する。

また、本発明の卵白組成物は、耐熱性を有しかつ溶液中
で安定であるので、飲料や液状化粧品等の原料に適する
。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の卵白組成物と通常の生卵白を５ＤＳ
−ポリアクリルアミド電気泳動にかけて得られた展開図
である。曽４庄ζアルフ゛ミＪ

Claims

【特許請求の範囲】

（１）卵白蛋白質の重合体からなり、かつ、臭気成分が
除かれてなることを特徴とする耐熱性卵白。
（２）卵白蛋白質の重合体と糖類との複合体からなるこ
とを特徴とする卵白組成物。