JPH0224849B2 - - Google Patents
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- JPH0224849B2 JPH0224849B2 JP57189157A JP18915782A JPH0224849B2 JP H0224849 B2 JPH0224849 B2 JP H0224849B2 JP 57189157 A JP57189157 A JP 57189157A JP 18915782 A JP18915782 A JP 18915782A JP H0224849 B2 JPH0224849 B2 JP H0224849B2
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- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
Description
本発明は、樹脂などの成形体の基体表面を被覆
することにより空気中における硬化特性に優れ、
被膜の表面硬度、耐引掻き性、耐摩耗性、可撓
性、表面光沢、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、耐候
性ならびに成形体基体表面との密着性などの被膜
特性に優れた被覆用硬化型樹脂組成物に関する。 一般に、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの成
形体は、金属製品、ガラス製品などにくらべて軽
量で耐衝撃性に優れているばかりでなく、安価で
成形加工が容易であるなどの種々の利点を有して
おり、自動車、オートバイ、家庭用電化製品、日
用雑貨品、その他の多くの分野においてこれらの
材料に代わつて広く使用されている。しかし、こ
れらの樹脂などの成形体基体は金属やガラス等に
くらべて表面硬度が低く、引掻きや摩擦に対して
も弱いために表面に傷が生じ易いという欠点があ
る。たとえば、成形体の部品の取付作業または輸
送作業、あるいは製品の使用中に接触、衝突、引
掻きなどにより表面に損傷を受易いなどの表面特
性に欠点があるためにこれらの成形体の利用が著
しく制限されている。 このような樹脂などの成形体基体表面の前述の
欠点を改善する方法として多くの提案がなされて
いる。そのほとんどはこれらの成形体の表面を架
橋硬化型樹脂からなる外被膜層で被覆する方法で
ある。これらの被膜形成要素のうちで、樹脂また
は樹脂形成成分として具体的には、シリコーン系
モノマーまたはこれらの成分と種々の重合体との
組成物、メチロールメラミンと他の硬化成分とか
らなる樹脂組成物、多官能性アクリル系カルボン
酸エステル誘導体またはこれと他の重合成分との
組成物などが提案されている。これらの被膜形成
要素からなる被膜層をポリオレフインなどの樹脂
成形体の基体表面に形成させても、該被膜層と樹
脂成形体の基体層との密着性が一般に良好でない
ので、これらの積層成形体から該被膜層が剥離し
易いという欠点がある。さらにこれらの欠点を改
善するために樹脂成形体基体層の表面に種々の処
理を施す方法も知られている。たとえばコロナ放
電による表面処理、プライマーによる表面処理な
どが提案されている。しかし、表面処理を施して
もポリオレフインなどの樹脂成形体の基体層と該
架橋硬化型樹脂からなる被膜層とを実用に耐え得
るほど充分に密着性を向上させることは困難であ
る場合が多い。また、前記被膜形成要素のうちで
シリコーン系の被膜形成要素は高価であり経済性
に劣るという欠点もある。 また、前記被膜形成要素のうちで、多官能性ア
クリル系カルボン酸エステル誘導体としては種々
のタイプの化合物が提案されている。たとえば、
アルカンポリオールのポリ(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシアルキレングリコールのポリ(メ
タ)アクリレート、芳香族(フエノール性)ポリ
ヒドロキシル化合物のポリ(メタ)アクリレート
などの種々のタイプの化合物を被膜形成要素とし
て使用することが提案されている。これらの多官
能性アクリル系カルボン酸エステル誘導体を単独
で被膜形成要素として使用し、たとえば樹脂成形
体の基体表面に被膜を形成させても、これらの被
膜は、硬化の際の空気中における硬化速度などの
硬化特性に劣つたり、表面硬度、耐引掻き性、耐
摩耗性、可撓性、表面光沢、耐熱性、耐水性、耐
溶剤性、耐候性および基体への密着性などの被膜
特性のいずれかまたはこれらの多くの物性に劣る
ことが多く、工業的規模の利用における要求を充
分に満足させることはできなかつた。また、これ
らの被膜形成要素のうちの二種以上の化合物を組
み合わせて使用することによつてこれらの欠点を
改善しようとする試みもなされているが、いずれ
もこれらの欠点をある程度改良することはできて
も、ポリオレフインなどの樹脂成形体の基体表面
に被覆する際には他の新たな難点があつた。 本発明者らは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂な
どの成形体の基体表面に被覆することにより、硬
化の際の硬化特性に優れかつ得られた被膜特性に
優れた被覆用組成物について鋭意検討を行つた結
果、ポリエポキシ化合物のポリ(メタ)アクリレ
ート化物a、特定量のポリエステル系ポリオール
のポリ(メタ)アクリレート化物bおよび特定量
の重合開始剤cを含有する組成物を使用すると前
記目的を充足することを見出し、本発明に到達し
た。本発明によれば、本発明の被覆用硬化型樹脂
組成物を樹脂などの成形体基体表面に被覆して外
被膜層を形成させると、硬化の際の空気中におけ
る硬化速度などの硬化特性に優れ、得られる被膜
の表面硬度、耐引掻き性、耐摩耗性、可撓性、表
面光沢、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、耐候性およ
び基体への密着性などの多くの被膜特性が総括的
に優れているという特徴を有している。 本発明によれば、 (a) 1分子中に2個以上のエポキシ基を有するポ
リエポキシ化合物とアクリル酸又はメタクリル
酸との反応で形成され且つ分子中に式 式中R1は水素原子又はメチル基を示す。 で表わされる単位を2個以上有するポリ(メ
タ)アクリレート化物、 (b) 成分a100重量部当り5乃至1000重量部の、
1分子中に3個以上のメタクリロイルオキシル
基又はメタクリロイルオキシル基を有し且つウ
レタン結合を含まない脂肪族ポリエステル系ポ
リオールのポリ(メタ)アクリレート化物、及
び (c) 成分a及びbの合計100重量部当り0.01ない
し20重量部の重合開始剤 を含有することを特徴とする被覆用硬化型樹脂組
成物が提出される。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物に配合させる
ポリエポキシ化合物のポリ(メタ)アクリレート
化物aは、1分子中に少なくとも2個以上のエポ
キシ基を有する脂肪族系、脂環族系または芳香族
系のポリエポキシ化合物とアクリル酸またはメタ
クリル酸とから形成されたポリエポキシ化合物の
ポリ(メタ)アクリレート化物である。ここで、
1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有
するポリエポキシ化合物として具体的には、メチ
レングリコール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、ペンチレン
グリコール、ヘキシレングリコール、オクチレン
グリコール、デシレングリコール、ドデシレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ポリオキシエチレン
グリコール、ポリオキシプロピレングリコール、
ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、トリ
トリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトー
ル、トリペンタエリスリトールなどの脂肪族ポリ
オールのポリグリシジルエーテル;1,2−シク
ロヘキシレングリコール、1,4−シクロヘキシ
レングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
シクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシシクロヘキシル)エタン、ビス(4−
ヒドロキシシクロヘキシル)メタンなどの脂環族
ポリオールのポリグリシジルエーテル;ヒドロキ
ノン、レゾルシン、カテコール、フロログルシン
などの多価フエノール類のポリグリジルエーテ
ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プ
ロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフエニ
ル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)メ
タン、ノボラツク型フエノール樹脂、レゾール型
フエノール樹脂などの芳香族多核多価フエノール
類のポリグリシジルエーテル等の芳香族系ポリオ
ールのポリグリシジルエーテル、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸等の芳香族系ポリカルボ
ン酸のポリグリシジルエステルなどを例示するこ
とができる。該ポリエポキシ化合物としてさらに
具体的には、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、プロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ブチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセ
リンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパンジグリシジルエーテル、ペンタエリスリト
ールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールジグリシジルエーテル、ポリオキシエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジ
グリセリンテトラグリシジルエーテル、ジグリセ
リントリグリシジルエーテル、ジグリセリンジク
リシジルエーテル、ジトリメチロールプロパンテ
トラグリシジルエーテル、ジトリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル、ジメチロールプロ
パンジグリシジルエーテル、ジペンタエリスリト
ールヘキサグリシジルエーテル、ジペンタエリス
リトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエ
リスリトールテトラグリシジルエーテル、ジペン
タエリスリトールトリグリシジルエーテル、ジペ
ンタエリスリトールジクリシジルエーテルなどの
脂肪族系ポリエポキシ化合物、1,2−シクロヘ
キシレングリコールジグリシジルエーテル、1,
4−シクロヘキレングリコールジグリシジルエー
テル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキ
シル)プロパンジグリシジルエーテル、ビス(4
−ヒドロキシシクロヘキシル)メタンジグリシジ
ルエーテルなどの脂環族系ポリエポキシ化合物、
ヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシン
ジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジル
エーテル、フロログルシントリグリシジルエーテ
ル、フロログルシンジグリシジルエーテル、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロパンジ
グリシジルエーテル、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフエニル)プロパンジグリシジルエーテル、
ビス(4−ヒドロキシフエニル)メタンジグリシ
ジルエーテル、ノボラツク型フエノール樹脂のポ
リグリシジルエーテル、レゾール型フエノール樹
脂のポリグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシ
ジルエステル、イソフタル酸ジグリシシジルエス
テル、テレフタル酸ジグリシジルエステルなどの
芳香族系ポリエポキシ化合物を例示することがで
き、これらの2種以上の混合物であつてもよい。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物に配合される
ポリエポキシ化合物のポリ(メタ)アクリレート
化物aは、前記ポリエポキシ化合物とアクリル酸
またはメタクリル酸から形成された該ポリエポキ
シ化合物のポリ(メタ)アクリレート化物であ
り、さらに具体的には該ポリエポキシ化合物のエ
ポキシ基が開環してヒドロキシル基と(メタ)ア
クリロイルオキシル基とが隣接する炭素原子に結
合した一般式〔〕 〔式中、R1は水素原子またはメチル基を示
す。〕 で表わされる単位を形成し、この単位を分子中に
少なくとも2個以上有する化合物であり、したが
つて分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオ
キシル基と2個以上のヒドロキシル基を有する化
合物である。該ポリエポキシ化合物のポリ(メ
タ)アクリレート化物aは、前記ポリエポキシ化
合物とアクリル酸、メタクリル酸またはその混合
物とを反応させることにより生成させることがで
きる。その際反応は必要ならば触媒の存在下に実
施される。触媒としては、第一アミン、第二アミ
ン、第三アミン、それらの塩類、第四アンモニウ
ム化合物、有機酸塩化合物、ルイス酸またはその
錯体、アルカリ(土類)金属のハロゲン化物また
は水酸化物、ハロゲン化水素などがあげられる。
さらに具体的には、ブチルアミン、ヘキシルアミ
ン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミン
塩酸塩、ジエチルアミン酢酸塩、塩化テトラメチ
ルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウ
ム、酢酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウ
ム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウム、塩
化錫、塩化亜鉛、三弗化硼素エチルアミン錯体、
三弗化硼素アルコール錯体、塩化リチウム、臭化
ナトリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、塩化水素、
臭化水素などを例示することができ、これらの2
種以上の混合物でも使用できる。その使用割合は
該エポキシ化合物100重量部に対して通常0.005な
いし5重量部の範囲である。該アクリル酸または
メタクリル酸の使用割合は、該ポリエポキシ化合
物のエポキシ基1モルに対して通常0.6ないし1.5
モル、好ましくは0.9ないし1.1モルの範囲であ
る。反応は通常−10ないし160℃の温度で実施さ
れる。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物に配合される
ポリエステル系ポリオールのポリ(メタ)アクリ
レート化物bは、1分子中に少なくとも3個以上
のアクリロイルオキシル基またはメタクリロイル
オキシル基を有しかつウレタン結合を有しない脂
肪族ポリエステル系ポリオールのポリ(メタ)ア
クリレート化物である。ここで、該ポリエステル
系ポリオールのポリ(メタ)アクリレート化物を
構成する脂肪族ポリエステル系ポリオールは、脂
肪族ポリカルボン酸とポリオールとを重縮合させ
ることによつて形成される分子末端または分枝末
端に少なくとも3個以上の水酸基を有するポリエ
ステル系ポリオールである。該ポリエステル系ポ
ーリオールを構成するポリカルボン酸成分単位と
しては、たとえばシユウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカ
ルボン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン
酸、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボ
ン酸などの脂肪族系ポリカルボン酸を挙げること
ができる。 ポリエステルを構成するポリオールとしては、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、シグリセリン、ジトリメチロール
プロパン、ジペンタエリスリトール等の3価以上
のポリオールを主体とするものが使用され、少量
成分としてエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコ
ール、オクチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、ジブチレングリコール、トリブチレン
グリコール、ジヘキシレングリコール等の他のポ
リオールも使用することができる。該ポリエステ
ル系ポリオールとアクリル酸またはメタクリル酸
とを、必要に応じて触媒の存在下に反応させるこ
とにより、ポリエステル系ポリオールのポリ(メ
タ)アクリレート化物が得られる。該ポリエステ
ル系ポリオールのポリ(メタ)アクリレート化物
の数平均分子量は通常300ないし7000、好ましく
は300ないし5000の範囲である。該ポリエステル
系ポリオールのポリ(メタ)アクリレート化物b
の配合割合は、前記ポリエポキシ化合物のポリ
(メタ)アクリレート化物100重量部に対して0を
越えて1000重量部の範囲にあることが必要であ
り、さらには5ないし700重量部の範囲、とくに
20ないし500重量部の範囲にあることが好ましい。
該ポリエステル系ポリオールのポリ(メタ)アク
リレート化物bの前記ポリエポキシ化合物のポリ
(メタ)アクリレート化物a100重量部に対する配
合割合が1000重量部より多くなると該組成物の基
体に対する濡れ、被膜の可とう性などが低下する
ようになる。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物を成形体の基
体表面に塗布し、該組成物を架橋硬化させて被膜
を形成させるためにはこの組成物に重合開始剤c
を配合することが必要である。硬化方法として
は、紫外線硬化の場合には重合開始剤として光増
感剤が配合され、光増感剤として具体的には、ベ
ンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベン
ゾインまたはそのエーテル、ベンゾフエノン、p
−クロルベンゾフエノン、p−メトキシベンゾフ
エノンなどのベンゾフエノン系化合物、ベンジ
ル、ベンジメチルケタール、ベンジルジエチルケ
タールなどのベンジル系化合物、1−(4−イソ
プロピルフエニル)−2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−プロパノン、1−フエニル−2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−プロパノン、1−(4−
tert−ブチルフエニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−プロパノンなどのヒドロキシアルキ
ルフエニルケトン系化合物などを例示することが
できる。熱による硬化の場合にはラジカル開始剤
が配合され、ラジカル開始剤として具体的には、
アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、
ベンゾイルペルオキシド、ラウリルペルオキシ
ド、ジtert−ブチルペルオキシド、ジクミルペル
オキシド、クメンヒドロペルオキシドなどの過酸
化物等を例示することができる。さらに、本発明
の被覆用硬化型樹脂組成物に、光増感剤およびラ
ジカル開始剤の両者を配合し、紫外線硬化と熱硬
化とを同時に進行させる方法を採用することもで
きるし、紫外線硬化を進行させた後に熱硬化を進
行させる方法を採用することもできる。さらに逆
に熱硬化を進行させた後に紫外線硬化を進行させ
る方法を採用することも可能である。該重合開始
剤cの配合割合は、前記ポリエポキシ化合物のポ
リ(メタ)アクリレート化物aおよび前記ポリエ
ステル系ポリオールのポリ(メタ)アクリレート
化物bの合計100重量部に対して0.01ないし20重
量部の範囲にあることが必要であり、さらには
0.1ないし10重量部の範囲にあることが好ましい。
該重合開始剤の配合割合が、前記ポリエポキシ化
合物のポリ(メタ)アクリレート化物aおよび前
記ポリエステル系ポリオールのポリ(メタ)アク
リレート化物bの合計100重量部に対して0.01重
量部より少なくなると、該組成物の重合性が低下
し、硬い被膜が得られなくなり、また20重量部よ
り多くなると、該組成物から得られる被膜が黄色
に着色するようになる。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物は前記必須三
成分のみからなる組成物である場合もあるが、さ
らに必要に応じて重合禁止剤、透明性の充填剤、
顔料、染料、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤な
どの安定剤、けい光増白剤、メチル(メタ)アク
リレート、ウレタンアクリレートなどの(反応
性)オリゴマーおよびポリメチルメタクリレート
などのポリマー等の各種の添加剤を配合すること
ができる。これらの添加剤の配合割合は適宜であ
る。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物中には、それ
から得られる硬化被覆の透明性を維持する範囲に
おいて、必要に応じて微粉末状無機充填剤を配合
しても差し支えない。該微粉末状無機充填剤の平
均粒径は粉末状を形成している限りにおいて任意
であるが通常は1mμないし10μ、好ましくは1.5
mμないし1μの範囲である。また、該外被膜層
を透明性に維持するためには、該微粉末状無機充
填剤の屈折率が通常1.40ないし1.60、好ましくは
1.42ないし1.58の範囲である。このような微粉末
状無機充填剤として具体的には、ガラス粉末、マ
イカ、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ケイソウ
土、無水シリカ、水和シリカ、ケイ石、ケイ砂、
石英、カオリナイト、モンモリロナイト、セリサ
イト、タルク、緑泥石、陶石、長石などを例示す
ることができる。また、これらの微粉末状無機充
填剤の表面をアルキルカルボン酸塩またはシラン
カツプラーやチタンカツプラー、Cl2Si(CH3)2、
アルコールなどによつて表面処理したものも同様
に使用できる。また、前記無機充填剤を水または
アルコール中に懸濁させたコロイダルシリカ、メ
タノールシリカゾル、エタノールシリカゾル、イ
ソプロパノールシリカゾルなどを使用することも
できる。これらの微粉末状無機充填剤のうちで
は、微粉末状シリカを配合すると該外被膜層の表
面硬度、耐引掻き性および耐摩耗性が著しく向上
しかつ透明性および表面光沢を損うことがないの
でとくに好ましい。これらの微粉末状無機充填剤
の配合割合は、前記ポリエポキシ化合物のポリ
(メタ)アクリレート化物aおよび前記ポリエス
テル系ポリオールのポリ(メタ)アクリレート化
物bの合計100重量部に対して通常0.5ないし200
重量部、好ましくは0.5ないし100重量部の範囲で
ある。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物には、その塗
布作業性を向上させるために必要に応じて溶剤が
加えられ、溶液状態または懸濁状態に維持され
る。溶剤は該組成物を液体化または懸濁液化した
り、該組成物の粘度を調節したりあるいは成形物
に対する濡れを向上させる目的でも使用される。
溶剤として具体的には、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クメン、エチルベンゼン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、石油エーテル、リグロイン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭
化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭
素、ブロモホルム、トリクレン、二塩化エチレ
ン、パークレン、三塩化エタン、四塩化エタン、
二塩化プロピレン、クロロベンゼン、ブロモベン
ゼンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、ブタノール、ペン
タノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールなどのアルコール、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノンなどのケトン、ジエチ
ルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルエチル
エーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールジチ
ルエーテルなどのエーテル、アセトニトリル、プ
ロピオニトリル、カプロニトリルなどのニトリ
ル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブ
チル、酢酸ペンチル、安息香酸メチル、安息香エ
チルなどのエステル等を例示することができる。
これらの有機溶剤の配合割合は、前記ポリエポキ
シ化合物のポリ(メタアクリレート化物aおよび
前記ポリエステル系ポリオールのポリ(メタ)ア
クリレート化物bの合計100重量部に対して通常
5ないし3000重量部、好ましくは10ないし2000重
量部の範囲である。 本発明の組成物において、前記必須成分、必要
に応じて加えられる無機または有機の充填剤、溶
剤、安定剤などの各種添加剤成分を配合した組成
物から溶液状組成物または懸濁液状組成物を調製
する方法としては、前述の原料混合物を調合し、
通常ロール、バンバリーミキサー、ボールミル、
アトライタ、ウイツパー、オークスミキサー、デ
イソルバー、ホモジナイザー、コロイドミル、サ
ンドミル、振動ミル、ミキサー、撹拌混合槽など
による混練混合法を例示することができ、これら
の方法によつて均一に溶解あるいは分散した組成
物が得られる。該溶液状組成物および懸濁液状組
成物を成形体の基体表面に塗布する方法として
は、刷毛塗り法、スプレー法、浸漬法、バーコー
ト法、ロールコーター法、スピンコーター法、ゲ
ルコーター法などの従来から公知の方法を採用す
ることができる。また、該塗膜を乾燥させる方法
としては、自然乾燥法、キヤリアガスによる強制
乾燥法、赤外線炉、遠赤外線炉、熱風炉を用いた
加熱乾燥法などを例示することができる。また、
前述の塗膜を硬化させ、被膜を形成させる方法と
しては、光とくに紫外線により重合架橋硬化させ
る方法、熱により重合架橋硬化させる方法などを
例示することができる。これらの重合架橋硬化の
方法のうちで、光硬化法では通常−10ないし150
℃、好ましくは5ないし130℃の温度で光照射が
実施され、その時間は通常1secないし1hr、好ま
しくは1secないし10minである。また、熱硬化法
では硬化の際の温度は通常−10ないし150℃、好
ましくは5ないし130℃であり、硬化に要する時
間は通常0.05ないし10hr、好ましくは0.1ないし
8hrである。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物は、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、金属などからなるいずれの
成形体の基体表面にも被覆することができる。該
成形体の形状はフイルム状、シート状、板状、曲
面あるいは凹凸を有する成形体、その他いかなる
形状の成形体であつても差し支えない。 該基体層を構成する熱可塑性樹脂として具体的
には、たとえば、α−オレフインの単独重合体ま
たはα−オレフインを主成分とする共重合体など
のポリオレフイン類、ポリアクリル酸エステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂などを例示することができる。こ
れらの熱可塑性樹脂のうちで、該積層成形体を構
成する基体樹脂層はポリオレフイン類、ポリアク
リル酸エステル樹脂またはポリカーボネート樹脂
であることが好ましい。前記ポリオレフイン類と
して具体的には、エチレン、プロピレン、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン、1−デセンなどのα−オレフインの単独重合
体、前記α−オレフインの二種以上の混合物から
なる共重合体、または前記α−オレフインを主成
分とし、かつ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルな
ど低級脂肪族カルボン酸ビニル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸の金属塩、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸の金属塩などのアクリル系カルボン
酸エステル、アクリル系カルボン酸の塩などの他
の成分を少量(たとえば、30モル%以下)含有す
る共重合体などを例示することができる。これら
のポリオレフイン類のうちでは、結晶性を有する
ポリオレフイン類が通常使用される。前記ポリア
クリル系カルボン酸エステル樹脂として具体的に
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのアク
リル系カルボン酸エステルモノマーの単独重合体
または共重合体を例示することができる。これら
のポリアクリル系カルボン酸エステル樹脂のうち
では、ポリメタクリル酸メチルを本発明の熱可塑
性樹脂基体樹脂層に使用することが好ましい。前
記ポリカーボネート樹脂として具体的には、ビス
フエノールA・ポリカーボネートなどを例示する
ことができる。前記ポリエステル樹脂として具体
的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリテト
ラメチレンテレフタレート、ビスフエノールA・
イソフタル酸・テレフタル酸共重縮合体、オキシ
安息香酸重縮合体などを例示することができる。
前記ポリアミド樹脂として具体的には、ナイロン
6、ナイロン6・6、ナイロン10、ナイロン12な
どをあげることができる。また前記樹脂以外にも
ポリアセタールやポリスチレン、アクリロニトリ
ル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタ
ジエン・スチレン共重合体、ポリスルホン樹脂、
ポリフエニレンオキサイド、変性ポリフエニレン
オキサイド、ポリフエニレンサルフアイド樹脂、
ポリエーテルスルホン樹脂などを例示することが
できる。 該基体層を構成する熱硬化性樹脂として具体的
には、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリア
リルグリコールカーボネート樹脂などを例示する
ことができる。 また、基体層を構成する金属として具体的に
は、アルミニウム、鉄、ステンレスなどを例示す
ることができる。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物で樹脂などの
成形体の基体表面を被覆する際には、該成形体の
基体表面に、種々の溶剤による洗浄、アルカリ水
溶液による洗浄、界面活性剤による洗浄、超音波
による洗浄、電解による洗浄、ブラスト処理、サ
ンドブラスト処理、酸またはアルカリによるエツ
チング処理、フレーム処理、コロナ放電処理、ア
ーク放電処理、グロー放電処理、プラズマ放電処
理、化成処理などの種々の表面処理を施すことが
できる。また、前記成形体の基体表面に本発明の
被覆用硬化型樹脂組成物からなる外被膜層を積層
する際に、該基体層と該外被膜層との間にプライ
マーからなる中間接着層を置いて三層積層体とす
ることにより、両層間の密着性を向上させること
も可能である。基体層がポリオレフインである場
合にはプライマーとしては、α,β−不飽和カル
ボン酸、その酸無水物、そのエステルなどのα,
β−不飽和カルボン酸またはその誘導体成分がグ
ラフトされた変性ポリオレフインが通常使用され
る。このように、必要に応じて表面処理またはプ
ライマー処理の施された成形体の基体層表面に前
述の方法によつて本発明の組成物が被覆され、硬
化処理が施される。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物からなる被膜
が積層された成形体は種々の用途に利用される。
具体的には、たとえば、採光板、スカイドーム、
太陽熱温水器のパネル板、グローブボツクスのパ
ネル板、時計のガラス、メガネやカメラ、コンタ
クトレンズなどの各種レンズ、光学プリズム、血
液バツグ、コーヒーメーカーのシヤワードームや
コーヒー入れ、水タンク、照明器のカバー、プレ
ヤーなどステレオ装置のカバー、各種メーターの
文字板やカバー、自動車のヘツドランプあるいは
テールランプのカバー、レベルセンサー、ガラス
の飛散防止用フイルムや離型フイルム、絶縁フイ
ルム、農業用フイルムなどの各種フイルム、光再
生型のビデオデイスク、衣類乾燥機や電気洗濯
機、ドライヤー、油槽などの各種装置ののぞき
窓、オートバイやジープ、モーターボートなどの
風防ガラス、自動車のガラス(フロントガラス、
リアウインドウ、オペラウインドウ、三角窓、サ
ンルーフ)、温室や家屋、水槽などの窓ガラス、
食器、鏡、シヨウ油瓶や化粧瓶などの各種容器、
リレーケース、ヒユーズボツクス、二輪車のサイ
ドカバーや泥よけ、フエンダー、カーテン、スク
リーン、テーブルクロス、防水防湿フイルム、防
水シート、絶縁フイルム、床タイル、床シート、
ドア、テーブル板、壁タイル、カウンタートツプ
化粧板、たな板、壁シート、壁紙、家具、軽量壁
板、食器、いす、バスタブ、便器、冷蔵庫、壁パ
ネル、給排水管、配線管、ダクト、カーテンロツ
ド、雨どい、断熱材、塗膜防水材、幕、窓枠、自
動車のホイル、各種容器、自動車の内装材、化粧
台、フラワーボツクス、パーテイクルボード、
瓦、雨戸、シヤツター、防水パン、パイプ、配線
材料、ギヤカム、つまみ、電磁弁枠、フアン、イ
ンパネ、バンパー、ブレーキなどがあげられる。
以上の他にも、家電製品や自動車部品、オートバ
イ部品、自動販売機部品、土木建築材料、一般工
業材料、事務情報機器、電子部品、包装材料、ス
ポーツ用具、医療器具、原子力関係部品にも使用
することができる。 次に本発明を実施例によつて具体的に説明す
る。なお明細書本文または実施例において評価は
次の方法で行つた。 (1) 屈折率 十分に乾燥した無機物を、屈折率が既知の液体
中に2wt%添加し、十分に分散させた後に目視で
透明性を調べる。最も透明であつた液体と同じ屈
折率とする。 (2) 表面光沢(グロス) JIS K 5400−1979中の60度鏡面光沢度に準じ
て行つた。 (3) 光線透過率 JIS K 6714に準じて行つた。 (4) 密着性 JIS K 5400−1979中のゴバン目テストに準じ
て行つた。判定は100個のゴバン目中、何個が接
着していたかで示す。 (5) 落砂摩耗 JIS T 8147−1975の方法に準じて800gの炭
化珪素質研削材を被膜上に落下させる。試験前後
の表面光沢(グロス)の差で耐摩耗性をあらわ
す。数字が小さいほど耐摩耗性がよい。 (6) テーパー摩耗 ASTM D−1044の方法に準じて、摩耗輪CS
−10、荷重500gで被膜上を1000回転させる。試
験後の被膜の摩耗量で耐摩耗性をあらわす。摩耗
量が少ないほど耐摩耗性が良い。 (7) 鉛筆硬度 JIS K 5651に準じて測定した。 (8) 可撓性 幅5mm、長さ10cmの短冊状の試験片を直径2cm
の円柱の外周にそつて折りまげ、被膜がひびわれ
るか、基体から剥離する時の角度で表わす。値が
大きい方が可撓性が良い。 (9) 耐水性 40℃の純水中に試験片を240時間浸漬した後に、
外被膜層の外観および密着性を評価した。 (10) 耐熱性 80℃のギヤー式老化試験器に試験片を400時間
保持した後に外被膜層の外観および密着性を評価
した。 (11) 耐揮発油性 試験片を石油ベンジン中に室温下24時間浸漬し
た後の外被膜層の外観および密着性を評価した。 (12) 耐ガソリン性 試験片をレギユラーガソリン中に室温下24時間
浸漬した後の外被膜層の外観および密着性を評価
した。 (13) 耐ヒートサイクル性 試験片を80℃のエアーオーブン中に2時間保持
した後に、室温で1時間放置し、さらに−30℃の
低温室に2時間保持して、次に室温で1時間放置
する。このサイクルを10回くり返し、外被膜層の
外観の変化を目視で観察するとともに密着性を評
価した。 (14) 耐候性 試験片をサンシヤインウエザロメーター中に
400時間保持し、外被膜層の外観および密着性を
評価した。 なお、以下の参考例にポリエステル系ポリオー
ルのポリアクリレート化物の合成例を示した。 参考例 1 ペンタエリスリトール136g、コハク酸59g、
パラトルエンスルホン酸3g、トルエン100gを
仕込み、窒素雰囲気中で150℃、2hrエステル化反
応を行い、冷却後アクリル酸220g、ヒドロキノ
ン3g、トルエン200gを加え、120℃で4hrエス
テル化反応を行つた。反応液を弱アルカリ水洗浄
及び水洗の後ヒドロキノンを0.05g加え低沸点物
を留去し、平均分子量700のポリエステル系ポリ
オールのポリアクリレート化物を得た。このポリ
エステル系ポリオールのポリアクリレート化物の
1分子中の平均二重結合数は4.2であることが
NMRにより確認された。 参考例 2 トリメチロールプロパン138g、アジピン酸73
g、パラトルエンスルホン酸3g、アクリル酸
220g、ヒドロキノン3g、トルエン400gから参
考例1と同様の方法で平均分子量620、1分子中
の平均二重結合数が3.6のポリエステル系ポリオ
ールのポリアクリレート化物を得た。 参考例 3 ペンタエリスリトール136g、イタコン酸65.5
g、アクリル酸140g、メタクリル酸100g、トル
エン800g、98%硫酸6mlおよびフエノチアジン
0.2gを仕込み、窒素雰囲気中で100〜110℃で8hr
エステル化反応を行つた。反応液を弱アルカリ水
洗浄及び水洗の後ヒドロキノンを0.05g加え、低
沸点物を留去し、平均分子量750、1分子中のア
クリロイルオキシル基数が5.3のポリエステル系
ポリオールのポリ(メタ)アクリレート化物を得
た。 参考例 4 ペンタエリスリトール136g、ジエチレングリ
コール106g、コハク酸177g、アクリル酸240g
を用いた他は参考例3に記載の方法で平均分子量
1200、1分子中の平均二重結合数が5.5のポリエ
ステル系ポリオールのポリアクリレート化物を得
た。 実施例 1 プロピレングリコールジグリシジルエーテルの
ジアクリレート化物70g、参考例1に記載のポリ
エステル系ポリオールのポリアクリレート化物30
g、ベンゾインイソプロピルエーテル5gおよび
トルエン150gを50ml4ツ口フラスコに仕込み、
室温下2hr撹拌して透明な被覆用組成物Aを作製
した。 一方、ポリプロピレン(三井石油化学工業〓
製、商品名三井石油化学ポリプロSJ−313)から
作製した射出角板(厚さ3mm)を1,1,1−ト
リクロルエタンの蒸気に1分間さらしその後室温
で1分間乾燥した後に、無水マレイン酸変性
PER(プロピレン含量67モル%、無水マレイン酸
含量6wt%)の15g/のトルエン溶液B中に射
出角板を20秒間浸漬し、ゆつくりと引上げた。室
温で5分間乾燥した後、80℃で30分間加熱乾燥を
行つた。次いで上記被覆用組成物Aの中にプライ
マー処理を施した前記ポリプロピレン角板を30秒
間浸漬し、ゆつくり引上げた後室温で1分間次い
で60℃で5分間乾燥を行つた。この試験片を
1.5KW高圧水銀灯(120W/cm)下、15cmの距離
で紫外線を30秒間照射し、外被膜層を硬化させ
た。この被膜性能を表1に示す。 実施例 2〜5 実施例1において、実施例1に記載した被覆用
組成物Aを使用する代わりに表1に記載したポリ
エポキシ化合物のポリアクリレート化物、ポリエ
ステル系ポリオールのポリアクリレート化物、重
合開始剤および溶剤を表1に記載した量用いて作
製した被覆用組成物を用いた他は実施例1と同様
の方法でポリプロピレンの表面を被覆した試験片
を作製した。結果を表1に示す。 実施例 6〜7 表1に記載したポリエポキシ化合物のポリアク
リレート化物、ポリエステル系ポリオールのポリ
アクリレート化物、重合開始剤および1,1,1
−トリクロルエタンを表1に記載した量計り取
り、この混合物に、撹拌下平均粒径が20mμ、屈
折率が1.45の微粉末シリカ(日本アエロジル〓
製、商品名R−972)を徐々に添加(使用量は表
1に記載)し均一な分散が得られるまで十分に撹
拌した。その後ステアタイトボールを充填したア
トライター(三井三池製作所製)に前記混合物を
うつし、タンクを水で冷却しながらアジテーター
を150rpmで回転させ、3時間混合した。その後
表1に記載した量のトルエンを添加し、さらに10
分間混合した後、アトライターから混合物を取り
出し、被覆用組成物Aとした。実施例1において
実施例1に記載の被覆用組成物を使用する代りに
前記被覆用組成物を用いた他は実施例1に記載の
方法でポリプロピレンの表面を被覆した試験片を
作製した。結果を表1に示した。 比較例 1,2 表1に記載したポリエポキシ化合物のポリアク
リレート化物、ポリエステル系ポリオールのポリ
アクリレート化物、重合開始剤および溶剤を表1
に記載した量計り取り、室温で2hr撹拌混合して
作製した被膜用組成物Aを用いた他は実施例1に
記載の方法でポリプロピレンの表面を被覆した試
験片を作製した。結果を表1に示す。 比較例 3 本発明の被覆用組成物で被覆していないポリプ
ロピレン単味(三井石油化学工業〓製、SJ−
313)の性能を表1に示す。 なお、以下の表1に使用した略記号はそれぞれ
つぎの化合物を示す。 PGGA…プロピレングリコールジグリシジルエ
ーテルのジアクリレート化物 GGA…グリセリントリグリシジルエーテルのト
リアクリレート化物 BCHGA…2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル
のジアクリレート化物 BPGA…2,2ビス(4−ヒドロキシフエニル)
プロパンジグリシジルエーテルのジアクリ
レート化物 BIE…ベンゾインイソプロピルエーテル BPH…ベンゾフエノン IHP…1−(4−イソプロピルフエニル)−2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−プロパノン
することにより空気中における硬化特性に優れ、
被膜の表面硬度、耐引掻き性、耐摩耗性、可撓
性、表面光沢、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、耐候
性ならびに成形体基体表面との密着性などの被膜
特性に優れた被覆用硬化型樹脂組成物に関する。 一般に、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの成
形体は、金属製品、ガラス製品などにくらべて軽
量で耐衝撃性に優れているばかりでなく、安価で
成形加工が容易であるなどの種々の利点を有して
おり、自動車、オートバイ、家庭用電化製品、日
用雑貨品、その他の多くの分野においてこれらの
材料に代わつて広く使用されている。しかし、こ
れらの樹脂などの成形体基体は金属やガラス等に
くらべて表面硬度が低く、引掻きや摩擦に対して
も弱いために表面に傷が生じ易いという欠点があ
る。たとえば、成形体の部品の取付作業または輸
送作業、あるいは製品の使用中に接触、衝突、引
掻きなどにより表面に損傷を受易いなどの表面特
性に欠点があるためにこれらの成形体の利用が著
しく制限されている。 このような樹脂などの成形体基体表面の前述の
欠点を改善する方法として多くの提案がなされて
いる。そのほとんどはこれらの成形体の表面を架
橋硬化型樹脂からなる外被膜層で被覆する方法で
ある。これらの被膜形成要素のうちで、樹脂また
は樹脂形成成分として具体的には、シリコーン系
モノマーまたはこれらの成分と種々の重合体との
組成物、メチロールメラミンと他の硬化成分とか
らなる樹脂組成物、多官能性アクリル系カルボン
酸エステル誘導体またはこれと他の重合成分との
組成物などが提案されている。これらの被膜形成
要素からなる被膜層をポリオレフインなどの樹脂
成形体の基体表面に形成させても、該被膜層と樹
脂成形体の基体層との密着性が一般に良好でない
ので、これらの積層成形体から該被膜層が剥離し
易いという欠点がある。さらにこれらの欠点を改
善するために樹脂成形体基体層の表面に種々の処
理を施す方法も知られている。たとえばコロナ放
電による表面処理、プライマーによる表面処理な
どが提案されている。しかし、表面処理を施して
もポリオレフインなどの樹脂成形体の基体層と該
架橋硬化型樹脂からなる被膜層とを実用に耐え得
るほど充分に密着性を向上させることは困難であ
る場合が多い。また、前記被膜形成要素のうちで
シリコーン系の被膜形成要素は高価であり経済性
に劣るという欠点もある。 また、前記被膜形成要素のうちで、多官能性ア
クリル系カルボン酸エステル誘導体としては種々
のタイプの化合物が提案されている。たとえば、
アルカンポリオールのポリ(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシアルキレングリコールのポリ(メ
タ)アクリレート、芳香族(フエノール性)ポリ
ヒドロキシル化合物のポリ(メタ)アクリレート
などの種々のタイプの化合物を被膜形成要素とし
て使用することが提案されている。これらの多官
能性アクリル系カルボン酸エステル誘導体を単独
で被膜形成要素として使用し、たとえば樹脂成形
体の基体表面に被膜を形成させても、これらの被
膜は、硬化の際の空気中における硬化速度などの
硬化特性に劣つたり、表面硬度、耐引掻き性、耐
摩耗性、可撓性、表面光沢、耐熱性、耐水性、耐
溶剤性、耐候性および基体への密着性などの被膜
特性のいずれかまたはこれらの多くの物性に劣る
ことが多く、工業的規模の利用における要求を充
分に満足させることはできなかつた。また、これ
らの被膜形成要素のうちの二種以上の化合物を組
み合わせて使用することによつてこれらの欠点を
改善しようとする試みもなされているが、いずれ
もこれらの欠点をある程度改良することはできて
も、ポリオレフインなどの樹脂成形体の基体表面
に被覆する際には他の新たな難点があつた。 本発明者らは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂な
どの成形体の基体表面に被覆することにより、硬
化の際の硬化特性に優れかつ得られた被膜特性に
優れた被覆用組成物について鋭意検討を行つた結
果、ポリエポキシ化合物のポリ(メタ)アクリレ
ート化物a、特定量のポリエステル系ポリオール
のポリ(メタ)アクリレート化物bおよび特定量
の重合開始剤cを含有する組成物を使用すると前
記目的を充足することを見出し、本発明に到達し
た。本発明によれば、本発明の被覆用硬化型樹脂
組成物を樹脂などの成形体基体表面に被覆して外
被膜層を形成させると、硬化の際の空気中におけ
る硬化速度などの硬化特性に優れ、得られる被膜
の表面硬度、耐引掻き性、耐摩耗性、可撓性、表
面光沢、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、耐候性およ
び基体への密着性などの多くの被膜特性が総括的
に優れているという特徴を有している。 本発明によれば、 (a) 1分子中に2個以上のエポキシ基を有するポ
リエポキシ化合物とアクリル酸又はメタクリル
酸との反応で形成され且つ分子中に式 式中R1は水素原子又はメチル基を示す。 で表わされる単位を2個以上有するポリ(メ
タ)アクリレート化物、 (b) 成分a100重量部当り5乃至1000重量部の、
1分子中に3個以上のメタクリロイルオキシル
基又はメタクリロイルオキシル基を有し且つウ
レタン結合を含まない脂肪族ポリエステル系ポ
リオールのポリ(メタ)アクリレート化物、及
び (c) 成分a及びbの合計100重量部当り0.01ない
し20重量部の重合開始剤 を含有することを特徴とする被覆用硬化型樹脂組
成物が提出される。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物に配合させる
ポリエポキシ化合物のポリ(メタ)アクリレート
化物aは、1分子中に少なくとも2個以上のエポ
キシ基を有する脂肪族系、脂環族系または芳香族
系のポリエポキシ化合物とアクリル酸またはメタ
クリル酸とから形成されたポリエポキシ化合物の
ポリ(メタ)アクリレート化物である。ここで、
1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有
するポリエポキシ化合物として具体的には、メチ
レングリコール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブチレングリコール、ペンチレン
グリコール、ヘキシレングリコール、オクチレン
グリコール、デシレングリコール、ドデシレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ポリオキシエチレン
グリコール、ポリオキシプロピレングリコール、
ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、トリ
トリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトー
ル、トリペンタエリスリトールなどの脂肪族ポリ
オールのポリグリシジルエーテル;1,2−シク
ロヘキシレングリコール、1,4−シクロヘキシ
レングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
シクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシシクロヘキシル)エタン、ビス(4−
ヒドロキシシクロヘキシル)メタンなどの脂環族
ポリオールのポリグリシジルエーテル;ヒドロキ
ノン、レゾルシン、カテコール、フロログルシン
などの多価フエノール類のポリグリジルエーテ
ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プ
ロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフエニ
ル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)メ
タン、ノボラツク型フエノール樹脂、レゾール型
フエノール樹脂などの芳香族多核多価フエノール
類のポリグリシジルエーテル等の芳香族系ポリオ
ールのポリグリシジルエーテル、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸等の芳香族系ポリカルボ
ン酸のポリグリシジルエステルなどを例示するこ
とができる。該ポリエポキシ化合物としてさらに
具体的には、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、プロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ブチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセ
リンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル、トリメチロールプ
ロパンジグリシジルエーテル、ペンタエリスリト
ールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールジグリシジルエーテル、ポリオキシエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリオキシ
プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジ
グリセリンテトラグリシジルエーテル、ジグリセ
リントリグリシジルエーテル、ジグリセリンジク
リシジルエーテル、ジトリメチロールプロパンテ
トラグリシジルエーテル、ジトリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル、ジメチロールプロ
パンジグリシジルエーテル、ジペンタエリスリト
ールヘキサグリシジルエーテル、ジペンタエリス
リトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエ
リスリトールテトラグリシジルエーテル、ジペン
タエリスリトールトリグリシジルエーテル、ジペ
ンタエリスリトールジクリシジルエーテルなどの
脂肪族系ポリエポキシ化合物、1,2−シクロヘ
キシレングリコールジグリシジルエーテル、1,
4−シクロヘキレングリコールジグリシジルエー
テル、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキ
シル)プロパンジグリシジルエーテル、ビス(4
−ヒドロキシシクロヘキシル)メタンジグリシジ
ルエーテルなどの脂環族系ポリエポキシ化合物、
ヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシン
ジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジル
エーテル、フロログルシントリグリシジルエーテ
ル、フロログルシンジグリシジルエーテル、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロパンジ
グリシジルエーテル、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフエニル)プロパンジグリシジルエーテル、
ビス(4−ヒドロキシフエニル)メタンジグリシ
ジルエーテル、ノボラツク型フエノール樹脂のポ
リグリシジルエーテル、レゾール型フエノール樹
脂のポリグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシ
ジルエステル、イソフタル酸ジグリシシジルエス
テル、テレフタル酸ジグリシジルエステルなどの
芳香族系ポリエポキシ化合物を例示することがで
き、これらの2種以上の混合物であつてもよい。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物に配合される
ポリエポキシ化合物のポリ(メタ)アクリレート
化物aは、前記ポリエポキシ化合物とアクリル酸
またはメタクリル酸から形成された該ポリエポキ
シ化合物のポリ(メタ)アクリレート化物であ
り、さらに具体的には該ポリエポキシ化合物のエ
ポキシ基が開環してヒドロキシル基と(メタ)ア
クリロイルオキシル基とが隣接する炭素原子に結
合した一般式〔〕 〔式中、R1は水素原子またはメチル基を示
す。〕 で表わされる単位を形成し、この単位を分子中に
少なくとも2個以上有する化合物であり、したが
つて分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオ
キシル基と2個以上のヒドロキシル基を有する化
合物である。該ポリエポキシ化合物のポリ(メ
タ)アクリレート化物aは、前記ポリエポキシ化
合物とアクリル酸、メタクリル酸またはその混合
物とを反応させることにより生成させることがで
きる。その際反応は必要ならば触媒の存在下に実
施される。触媒としては、第一アミン、第二アミ
ン、第三アミン、それらの塩類、第四アンモニウ
ム化合物、有機酸塩化合物、ルイス酸またはその
錯体、アルカリ(土類)金属のハロゲン化物また
は水酸化物、ハロゲン化水素などがあげられる。
さらに具体的には、ブチルアミン、ヘキシルアミ
ン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアミン
塩酸塩、ジエチルアミン酢酸塩、塩化テトラメチ
ルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウ
ム、酢酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウ
ム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウム、塩
化錫、塩化亜鉛、三弗化硼素エチルアミン錯体、
三弗化硼素アルコール錯体、塩化リチウム、臭化
ナトリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、塩化水素、
臭化水素などを例示することができ、これらの2
種以上の混合物でも使用できる。その使用割合は
該エポキシ化合物100重量部に対して通常0.005な
いし5重量部の範囲である。該アクリル酸または
メタクリル酸の使用割合は、該ポリエポキシ化合
物のエポキシ基1モルに対して通常0.6ないし1.5
モル、好ましくは0.9ないし1.1モルの範囲であ
る。反応は通常−10ないし160℃の温度で実施さ
れる。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物に配合される
ポリエステル系ポリオールのポリ(メタ)アクリ
レート化物bは、1分子中に少なくとも3個以上
のアクリロイルオキシル基またはメタクリロイル
オキシル基を有しかつウレタン結合を有しない脂
肪族ポリエステル系ポリオールのポリ(メタ)ア
クリレート化物である。ここで、該ポリエステル
系ポリオールのポリ(メタ)アクリレート化物を
構成する脂肪族ポリエステル系ポリオールは、脂
肪族ポリカルボン酸とポリオールとを重縮合させ
ることによつて形成される分子末端または分枝末
端に少なくとも3個以上の水酸基を有するポリエ
ステル系ポリオールである。該ポリエステル系ポ
ーリオールを構成するポリカルボン酸成分単位と
しては、たとえばシユウ酸、マロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカ
ルボン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン
酸、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボ
ン酸などの脂肪族系ポリカルボン酸を挙げること
ができる。 ポリエステルを構成するポリオールとしては、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、シグリセリン、ジトリメチロール
プロパン、ジペンタエリスリトール等の3価以上
のポリオールを主体とするものが使用され、少量
成分としてエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコ
ール、オクチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、ジブチレングリコール、トリブチレン
グリコール、ジヘキシレングリコール等の他のポ
リオールも使用することができる。該ポリエステ
ル系ポリオールとアクリル酸またはメタクリル酸
とを、必要に応じて触媒の存在下に反応させるこ
とにより、ポリエステル系ポリオールのポリ(メ
タ)アクリレート化物が得られる。該ポリエステ
ル系ポリオールのポリ(メタ)アクリレート化物
の数平均分子量は通常300ないし7000、好ましく
は300ないし5000の範囲である。該ポリエステル
系ポリオールのポリ(メタ)アクリレート化物b
の配合割合は、前記ポリエポキシ化合物のポリ
(メタ)アクリレート化物100重量部に対して0を
越えて1000重量部の範囲にあることが必要であ
り、さらには5ないし700重量部の範囲、とくに
20ないし500重量部の範囲にあることが好ましい。
該ポリエステル系ポリオールのポリ(メタ)アク
リレート化物bの前記ポリエポキシ化合物のポリ
(メタ)アクリレート化物a100重量部に対する配
合割合が1000重量部より多くなると該組成物の基
体に対する濡れ、被膜の可とう性などが低下する
ようになる。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物を成形体の基
体表面に塗布し、該組成物を架橋硬化させて被膜
を形成させるためにはこの組成物に重合開始剤c
を配合することが必要である。硬化方法として
は、紫外線硬化の場合には重合開始剤として光増
感剤が配合され、光増感剤として具体的には、ベ
ンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベン
ゾインまたはそのエーテル、ベンゾフエノン、p
−クロルベンゾフエノン、p−メトキシベンゾフ
エノンなどのベンゾフエノン系化合物、ベンジ
ル、ベンジメチルケタール、ベンジルジエチルケ
タールなどのベンジル系化合物、1−(4−イソ
プロピルフエニル)−2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−プロパノン、1−フエニル−2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−プロパノン、1−(4−
tert−ブチルフエニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−プロパノンなどのヒドロキシアルキ
ルフエニルケトン系化合物などを例示することが
できる。熱による硬化の場合にはラジカル開始剤
が配合され、ラジカル開始剤として具体的には、
アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、
ベンゾイルペルオキシド、ラウリルペルオキシ
ド、ジtert−ブチルペルオキシド、ジクミルペル
オキシド、クメンヒドロペルオキシドなどの過酸
化物等を例示することができる。さらに、本発明
の被覆用硬化型樹脂組成物に、光増感剤およびラ
ジカル開始剤の両者を配合し、紫外線硬化と熱硬
化とを同時に進行させる方法を採用することもで
きるし、紫外線硬化を進行させた後に熱硬化を進
行させる方法を採用することもできる。さらに逆
に熱硬化を進行させた後に紫外線硬化を進行させ
る方法を採用することも可能である。該重合開始
剤cの配合割合は、前記ポリエポキシ化合物のポ
リ(メタ)アクリレート化物aおよび前記ポリエ
ステル系ポリオールのポリ(メタ)アクリレート
化物bの合計100重量部に対して0.01ないし20重
量部の範囲にあることが必要であり、さらには
0.1ないし10重量部の範囲にあることが好ましい。
該重合開始剤の配合割合が、前記ポリエポキシ化
合物のポリ(メタ)アクリレート化物aおよび前
記ポリエステル系ポリオールのポリ(メタ)アク
リレート化物bの合計100重量部に対して0.01重
量部より少なくなると、該組成物の重合性が低下
し、硬い被膜が得られなくなり、また20重量部よ
り多くなると、該組成物から得られる被膜が黄色
に着色するようになる。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物は前記必須三
成分のみからなる組成物である場合もあるが、さ
らに必要に応じて重合禁止剤、透明性の充填剤、
顔料、染料、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤な
どの安定剤、けい光増白剤、メチル(メタ)アク
リレート、ウレタンアクリレートなどの(反応
性)オリゴマーおよびポリメチルメタクリレート
などのポリマー等の各種の添加剤を配合すること
ができる。これらの添加剤の配合割合は適宜であ
る。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物中には、それ
から得られる硬化被覆の透明性を維持する範囲に
おいて、必要に応じて微粉末状無機充填剤を配合
しても差し支えない。該微粉末状無機充填剤の平
均粒径は粉末状を形成している限りにおいて任意
であるが通常は1mμないし10μ、好ましくは1.5
mμないし1μの範囲である。また、該外被膜層
を透明性に維持するためには、該微粉末状無機充
填剤の屈折率が通常1.40ないし1.60、好ましくは
1.42ないし1.58の範囲である。このような微粉末
状無機充填剤として具体的には、ガラス粉末、マ
イカ、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ケイソウ
土、無水シリカ、水和シリカ、ケイ石、ケイ砂、
石英、カオリナイト、モンモリロナイト、セリサ
イト、タルク、緑泥石、陶石、長石などを例示す
ることができる。また、これらの微粉末状無機充
填剤の表面をアルキルカルボン酸塩またはシラン
カツプラーやチタンカツプラー、Cl2Si(CH3)2、
アルコールなどによつて表面処理したものも同様
に使用できる。また、前記無機充填剤を水または
アルコール中に懸濁させたコロイダルシリカ、メ
タノールシリカゾル、エタノールシリカゾル、イ
ソプロパノールシリカゾルなどを使用することも
できる。これらの微粉末状無機充填剤のうちで
は、微粉末状シリカを配合すると該外被膜層の表
面硬度、耐引掻き性および耐摩耗性が著しく向上
しかつ透明性および表面光沢を損うことがないの
でとくに好ましい。これらの微粉末状無機充填剤
の配合割合は、前記ポリエポキシ化合物のポリ
(メタ)アクリレート化物aおよび前記ポリエス
テル系ポリオールのポリ(メタ)アクリレート化
物bの合計100重量部に対して通常0.5ないし200
重量部、好ましくは0.5ないし100重量部の範囲で
ある。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物には、その塗
布作業性を向上させるために必要に応じて溶剤が
加えられ、溶液状態または懸濁状態に維持され
る。溶剤は該組成物を液体化または懸濁液化した
り、該組成物の粘度を調節したりあるいは成形物
に対する濡れを向上させる目的でも使用される。
溶剤として具体的には、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クメン、エチルベンゼン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、石油エーテル、リグロイン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭
化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭
素、ブロモホルム、トリクレン、二塩化エチレ
ン、パークレン、三塩化エタン、四塩化エタン、
二塩化プロピレン、クロロベンゼン、ブロモベン
ゼンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、ブタノール、ペン
タノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールなどのアルコール、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノンなどのケトン、ジエチ
ルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルエチル
エーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールジチ
ルエーテルなどのエーテル、アセトニトリル、プ
ロピオニトリル、カプロニトリルなどのニトリ
ル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブ
チル、酢酸ペンチル、安息香酸メチル、安息香エ
チルなどのエステル等を例示することができる。
これらの有機溶剤の配合割合は、前記ポリエポキ
シ化合物のポリ(メタアクリレート化物aおよび
前記ポリエステル系ポリオールのポリ(メタ)ア
クリレート化物bの合計100重量部に対して通常
5ないし3000重量部、好ましくは10ないし2000重
量部の範囲である。 本発明の組成物において、前記必須成分、必要
に応じて加えられる無機または有機の充填剤、溶
剤、安定剤などの各種添加剤成分を配合した組成
物から溶液状組成物または懸濁液状組成物を調製
する方法としては、前述の原料混合物を調合し、
通常ロール、バンバリーミキサー、ボールミル、
アトライタ、ウイツパー、オークスミキサー、デ
イソルバー、ホモジナイザー、コロイドミル、サ
ンドミル、振動ミル、ミキサー、撹拌混合槽など
による混練混合法を例示することができ、これら
の方法によつて均一に溶解あるいは分散した組成
物が得られる。該溶液状組成物および懸濁液状組
成物を成形体の基体表面に塗布する方法として
は、刷毛塗り法、スプレー法、浸漬法、バーコー
ト法、ロールコーター法、スピンコーター法、ゲ
ルコーター法などの従来から公知の方法を採用す
ることができる。また、該塗膜を乾燥させる方法
としては、自然乾燥法、キヤリアガスによる強制
乾燥法、赤外線炉、遠赤外線炉、熱風炉を用いた
加熱乾燥法などを例示することができる。また、
前述の塗膜を硬化させ、被膜を形成させる方法と
しては、光とくに紫外線により重合架橋硬化させ
る方法、熱により重合架橋硬化させる方法などを
例示することができる。これらの重合架橋硬化の
方法のうちで、光硬化法では通常−10ないし150
℃、好ましくは5ないし130℃の温度で光照射が
実施され、その時間は通常1secないし1hr、好ま
しくは1secないし10minである。また、熱硬化法
では硬化の際の温度は通常−10ないし150℃、好
ましくは5ないし130℃であり、硬化に要する時
間は通常0.05ないし10hr、好ましくは0.1ないし
8hrである。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物は、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、金属などからなるいずれの
成形体の基体表面にも被覆することができる。該
成形体の形状はフイルム状、シート状、板状、曲
面あるいは凹凸を有する成形体、その他いかなる
形状の成形体であつても差し支えない。 該基体層を構成する熱可塑性樹脂として具体的
には、たとえば、α−オレフインの単独重合体ま
たはα−オレフインを主成分とする共重合体など
のポリオレフイン類、ポリアクリル酸エステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂などを例示することができる。こ
れらの熱可塑性樹脂のうちで、該積層成形体を構
成する基体樹脂層はポリオレフイン類、ポリアク
リル酸エステル樹脂またはポリカーボネート樹脂
であることが好ましい。前記ポリオレフイン類と
して具体的には、エチレン、プロピレン、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン、1−デセンなどのα−オレフインの単独重合
体、前記α−オレフインの二種以上の混合物から
なる共重合体、または前記α−オレフインを主成
分とし、かつ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルな
ど低級脂肪族カルボン酸ビニル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸の金属塩、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸の金属塩などのアクリル系カルボン
酸エステル、アクリル系カルボン酸の塩などの他
の成分を少量(たとえば、30モル%以下)含有す
る共重合体などを例示することができる。これら
のポリオレフイン類のうちでは、結晶性を有する
ポリオレフイン類が通常使用される。前記ポリア
クリル系カルボン酸エステル樹脂として具体的に
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのアク
リル系カルボン酸エステルモノマーの単独重合体
または共重合体を例示することができる。これら
のポリアクリル系カルボン酸エステル樹脂のうち
では、ポリメタクリル酸メチルを本発明の熱可塑
性樹脂基体樹脂層に使用することが好ましい。前
記ポリカーボネート樹脂として具体的には、ビス
フエノールA・ポリカーボネートなどを例示する
ことができる。前記ポリエステル樹脂として具体
的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリテト
ラメチレンテレフタレート、ビスフエノールA・
イソフタル酸・テレフタル酸共重縮合体、オキシ
安息香酸重縮合体などを例示することができる。
前記ポリアミド樹脂として具体的には、ナイロン
6、ナイロン6・6、ナイロン10、ナイロン12な
どをあげることができる。また前記樹脂以外にも
ポリアセタールやポリスチレン、アクリロニトリ
ル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタ
ジエン・スチレン共重合体、ポリスルホン樹脂、
ポリフエニレンオキサイド、変性ポリフエニレン
オキサイド、ポリフエニレンサルフアイド樹脂、
ポリエーテルスルホン樹脂などを例示することが
できる。 該基体層を構成する熱硬化性樹脂として具体的
には、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリア
リルグリコールカーボネート樹脂などを例示する
ことができる。 また、基体層を構成する金属として具体的に
は、アルミニウム、鉄、ステンレスなどを例示す
ることができる。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物で樹脂などの
成形体の基体表面を被覆する際には、該成形体の
基体表面に、種々の溶剤による洗浄、アルカリ水
溶液による洗浄、界面活性剤による洗浄、超音波
による洗浄、電解による洗浄、ブラスト処理、サ
ンドブラスト処理、酸またはアルカリによるエツ
チング処理、フレーム処理、コロナ放電処理、ア
ーク放電処理、グロー放電処理、プラズマ放電処
理、化成処理などの種々の表面処理を施すことが
できる。また、前記成形体の基体表面に本発明の
被覆用硬化型樹脂組成物からなる外被膜層を積層
する際に、該基体層と該外被膜層との間にプライ
マーからなる中間接着層を置いて三層積層体とす
ることにより、両層間の密着性を向上させること
も可能である。基体層がポリオレフインである場
合にはプライマーとしては、α,β−不飽和カル
ボン酸、その酸無水物、そのエステルなどのα,
β−不飽和カルボン酸またはその誘導体成分がグ
ラフトされた変性ポリオレフインが通常使用され
る。このように、必要に応じて表面処理またはプ
ライマー処理の施された成形体の基体層表面に前
述の方法によつて本発明の組成物が被覆され、硬
化処理が施される。 本発明の被覆用硬化型樹脂組成物からなる被膜
が積層された成形体は種々の用途に利用される。
具体的には、たとえば、採光板、スカイドーム、
太陽熱温水器のパネル板、グローブボツクスのパ
ネル板、時計のガラス、メガネやカメラ、コンタ
クトレンズなどの各種レンズ、光学プリズム、血
液バツグ、コーヒーメーカーのシヤワードームや
コーヒー入れ、水タンク、照明器のカバー、プレ
ヤーなどステレオ装置のカバー、各種メーターの
文字板やカバー、自動車のヘツドランプあるいは
テールランプのカバー、レベルセンサー、ガラス
の飛散防止用フイルムや離型フイルム、絶縁フイ
ルム、農業用フイルムなどの各種フイルム、光再
生型のビデオデイスク、衣類乾燥機や電気洗濯
機、ドライヤー、油槽などの各種装置ののぞき
窓、オートバイやジープ、モーターボートなどの
風防ガラス、自動車のガラス(フロントガラス、
リアウインドウ、オペラウインドウ、三角窓、サ
ンルーフ)、温室や家屋、水槽などの窓ガラス、
食器、鏡、シヨウ油瓶や化粧瓶などの各種容器、
リレーケース、ヒユーズボツクス、二輪車のサイ
ドカバーや泥よけ、フエンダー、カーテン、スク
リーン、テーブルクロス、防水防湿フイルム、防
水シート、絶縁フイルム、床タイル、床シート、
ドア、テーブル板、壁タイル、カウンタートツプ
化粧板、たな板、壁シート、壁紙、家具、軽量壁
板、食器、いす、バスタブ、便器、冷蔵庫、壁パ
ネル、給排水管、配線管、ダクト、カーテンロツ
ド、雨どい、断熱材、塗膜防水材、幕、窓枠、自
動車のホイル、各種容器、自動車の内装材、化粧
台、フラワーボツクス、パーテイクルボード、
瓦、雨戸、シヤツター、防水パン、パイプ、配線
材料、ギヤカム、つまみ、電磁弁枠、フアン、イ
ンパネ、バンパー、ブレーキなどがあげられる。
以上の他にも、家電製品や自動車部品、オートバ
イ部品、自動販売機部品、土木建築材料、一般工
業材料、事務情報機器、電子部品、包装材料、ス
ポーツ用具、医療器具、原子力関係部品にも使用
することができる。 次に本発明を実施例によつて具体的に説明す
る。なお明細書本文または実施例において評価は
次の方法で行つた。 (1) 屈折率 十分に乾燥した無機物を、屈折率が既知の液体
中に2wt%添加し、十分に分散させた後に目視で
透明性を調べる。最も透明であつた液体と同じ屈
折率とする。 (2) 表面光沢(グロス) JIS K 5400−1979中の60度鏡面光沢度に準じ
て行つた。 (3) 光線透過率 JIS K 6714に準じて行つた。 (4) 密着性 JIS K 5400−1979中のゴバン目テストに準じ
て行つた。判定は100個のゴバン目中、何個が接
着していたかで示す。 (5) 落砂摩耗 JIS T 8147−1975の方法に準じて800gの炭
化珪素質研削材を被膜上に落下させる。試験前後
の表面光沢(グロス)の差で耐摩耗性をあらわ
す。数字が小さいほど耐摩耗性がよい。 (6) テーパー摩耗 ASTM D−1044の方法に準じて、摩耗輪CS
−10、荷重500gで被膜上を1000回転させる。試
験後の被膜の摩耗量で耐摩耗性をあらわす。摩耗
量が少ないほど耐摩耗性が良い。 (7) 鉛筆硬度 JIS K 5651に準じて測定した。 (8) 可撓性 幅5mm、長さ10cmの短冊状の試験片を直径2cm
の円柱の外周にそつて折りまげ、被膜がひびわれ
るか、基体から剥離する時の角度で表わす。値が
大きい方が可撓性が良い。 (9) 耐水性 40℃の純水中に試験片を240時間浸漬した後に、
外被膜層の外観および密着性を評価した。 (10) 耐熱性 80℃のギヤー式老化試験器に試験片を400時間
保持した後に外被膜層の外観および密着性を評価
した。 (11) 耐揮発油性 試験片を石油ベンジン中に室温下24時間浸漬し
た後の外被膜層の外観および密着性を評価した。 (12) 耐ガソリン性 試験片をレギユラーガソリン中に室温下24時間
浸漬した後の外被膜層の外観および密着性を評価
した。 (13) 耐ヒートサイクル性 試験片を80℃のエアーオーブン中に2時間保持
した後に、室温で1時間放置し、さらに−30℃の
低温室に2時間保持して、次に室温で1時間放置
する。このサイクルを10回くり返し、外被膜層の
外観の変化を目視で観察するとともに密着性を評
価した。 (14) 耐候性 試験片をサンシヤインウエザロメーター中に
400時間保持し、外被膜層の外観および密着性を
評価した。 なお、以下の参考例にポリエステル系ポリオー
ルのポリアクリレート化物の合成例を示した。 参考例 1 ペンタエリスリトール136g、コハク酸59g、
パラトルエンスルホン酸3g、トルエン100gを
仕込み、窒素雰囲気中で150℃、2hrエステル化反
応を行い、冷却後アクリル酸220g、ヒドロキノ
ン3g、トルエン200gを加え、120℃で4hrエス
テル化反応を行つた。反応液を弱アルカリ水洗浄
及び水洗の後ヒドロキノンを0.05g加え低沸点物
を留去し、平均分子量700のポリエステル系ポリ
オールのポリアクリレート化物を得た。このポリ
エステル系ポリオールのポリアクリレート化物の
1分子中の平均二重結合数は4.2であることが
NMRにより確認された。 参考例 2 トリメチロールプロパン138g、アジピン酸73
g、パラトルエンスルホン酸3g、アクリル酸
220g、ヒドロキノン3g、トルエン400gから参
考例1と同様の方法で平均分子量620、1分子中
の平均二重結合数が3.6のポリエステル系ポリオ
ールのポリアクリレート化物を得た。 参考例 3 ペンタエリスリトール136g、イタコン酸65.5
g、アクリル酸140g、メタクリル酸100g、トル
エン800g、98%硫酸6mlおよびフエノチアジン
0.2gを仕込み、窒素雰囲気中で100〜110℃で8hr
エステル化反応を行つた。反応液を弱アルカリ水
洗浄及び水洗の後ヒドロキノンを0.05g加え、低
沸点物を留去し、平均分子量750、1分子中のア
クリロイルオキシル基数が5.3のポリエステル系
ポリオールのポリ(メタ)アクリレート化物を得
た。 参考例 4 ペンタエリスリトール136g、ジエチレングリ
コール106g、コハク酸177g、アクリル酸240g
を用いた他は参考例3に記載の方法で平均分子量
1200、1分子中の平均二重結合数が5.5のポリエ
ステル系ポリオールのポリアクリレート化物を得
た。 実施例 1 プロピレングリコールジグリシジルエーテルの
ジアクリレート化物70g、参考例1に記載のポリ
エステル系ポリオールのポリアクリレート化物30
g、ベンゾインイソプロピルエーテル5gおよび
トルエン150gを50ml4ツ口フラスコに仕込み、
室温下2hr撹拌して透明な被覆用組成物Aを作製
した。 一方、ポリプロピレン(三井石油化学工業〓
製、商品名三井石油化学ポリプロSJ−313)から
作製した射出角板(厚さ3mm)を1,1,1−ト
リクロルエタンの蒸気に1分間さらしその後室温
で1分間乾燥した後に、無水マレイン酸変性
PER(プロピレン含量67モル%、無水マレイン酸
含量6wt%)の15g/のトルエン溶液B中に射
出角板を20秒間浸漬し、ゆつくりと引上げた。室
温で5分間乾燥した後、80℃で30分間加熱乾燥を
行つた。次いで上記被覆用組成物Aの中にプライ
マー処理を施した前記ポリプロピレン角板を30秒
間浸漬し、ゆつくり引上げた後室温で1分間次い
で60℃で5分間乾燥を行つた。この試験片を
1.5KW高圧水銀灯(120W/cm)下、15cmの距離
で紫外線を30秒間照射し、外被膜層を硬化させ
た。この被膜性能を表1に示す。 実施例 2〜5 実施例1において、実施例1に記載した被覆用
組成物Aを使用する代わりに表1に記載したポリ
エポキシ化合物のポリアクリレート化物、ポリエ
ステル系ポリオールのポリアクリレート化物、重
合開始剤および溶剤を表1に記載した量用いて作
製した被覆用組成物を用いた他は実施例1と同様
の方法でポリプロピレンの表面を被覆した試験片
を作製した。結果を表1に示す。 実施例 6〜7 表1に記載したポリエポキシ化合物のポリアク
リレート化物、ポリエステル系ポリオールのポリ
アクリレート化物、重合開始剤および1,1,1
−トリクロルエタンを表1に記載した量計り取
り、この混合物に、撹拌下平均粒径が20mμ、屈
折率が1.45の微粉末シリカ(日本アエロジル〓
製、商品名R−972)を徐々に添加(使用量は表
1に記載)し均一な分散が得られるまで十分に撹
拌した。その後ステアタイトボールを充填したア
トライター(三井三池製作所製)に前記混合物を
うつし、タンクを水で冷却しながらアジテーター
を150rpmで回転させ、3時間混合した。その後
表1に記載した量のトルエンを添加し、さらに10
分間混合した後、アトライターから混合物を取り
出し、被覆用組成物Aとした。実施例1において
実施例1に記載の被覆用組成物を使用する代りに
前記被覆用組成物を用いた他は実施例1に記載の
方法でポリプロピレンの表面を被覆した試験片を
作製した。結果を表1に示した。 比較例 1,2 表1に記載したポリエポキシ化合物のポリアク
リレート化物、ポリエステル系ポリオールのポリ
アクリレート化物、重合開始剤および溶剤を表1
に記載した量計り取り、室温で2hr撹拌混合して
作製した被膜用組成物Aを用いた他は実施例1に
記載の方法でポリプロピレンの表面を被覆した試
験片を作製した。結果を表1に示す。 比較例 3 本発明の被覆用組成物で被覆していないポリプ
ロピレン単味(三井石油化学工業〓製、SJ−
313)の性能を表1に示す。 なお、以下の表1に使用した略記号はそれぞれ
つぎの化合物を示す。 PGGA…プロピレングリコールジグリシジルエ
ーテルのジアクリレート化物 GGA…グリセリントリグリシジルエーテルのト
リアクリレート化物 BCHGA…2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル
のジアクリレート化物 BPGA…2,2ビス(4−ヒドロキシフエニル)
プロパンジグリシジルエーテルのジアクリ
レート化物 BIE…ベンゾインイソプロピルエーテル BPH…ベンゾフエノン IHP…1−(4−イソプロピルフエニル)−2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−プロパノン
【表】
【表】
実施例 8
ポリ−4−メチル−1−ペンテン(三井石油化
学工業〓製、商品名;TPX MX004)の3mm厚
の射出成形シートを、無水マレイン酸変性EPR
(無水マレイン酸含量;7.7wt%)の15g/濃度
の1,1,1−トリクロルエタン溶液に10秒間浸
漬し、プライマー処理を行つた。室温で5分間放
置後実施例7に記載の被覆用組成物に10秒間浸漬
した。室温で1分間次いで60℃で5分間乾燥した
後、実施例7に記載の方法で光重合し、ポリ−4
−メチル−1−ペンテンの表面を被覆した試験片
を作製した。結果を表2に示す。 実施例 9〜10 実施例8において、基体ポリマーとしてポリ−
4−メチル−1−ペンテンを使用する代りに表2
に記載の厚さ3mm厚のポリマーシートを用い、表
2に記載の前処理を行つた他は実施例8に記載の
方法でポリマーの表面を被覆した試験片を作製し
た。結果を表2に示す。 比較例 4〜6 本発明の被覆用組成物で被覆していないポリ−
4−メチル−1−ペンテン(三井石油化学工業〓
製、TPX MX004)、ポリカーボネート(帝人化
成〓製、パンライトL−1250)3リメチルメタク
リレート(三菱レーヨン〓製、アクリライトL)
の性能を表2に示す。
学工業〓製、商品名;TPX MX004)の3mm厚
の射出成形シートを、無水マレイン酸変性EPR
(無水マレイン酸含量;7.7wt%)の15g/濃度
の1,1,1−トリクロルエタン溶液に10秒間浸
漬し、プライマー処理を行つた。室温で5分間放
置後実施例7に記載の被覆用組成物に10秒間浸漬
した。室温で1分間次いで60℃で5分間乾燥した
後、実施例7に記載の方法で光重合し、ポリ−4
−メチル−1−ペンテンの表面を被覆した試験片
を作製した。結果を表2に示す。 実施例 9〜10 実施例8において、基体ポリマーとしてポリ−
4−メチル−1−ペンテンを使用する代りに表2
に記載の厚さ3mm厚のポリマーシートを用い、表
2に記載の前処理を行つた他は実施例8に記載の
方法でポリマーの表面を被覆した試験片を作製し
た。結果を表2に示す。 比較例 4〜6 本発明の被覆用組成物で被覆していないポリ−
4−メチル−1−ペンテン(三井石油化学工業〓
製、TPX MX004)、ポリカーボネート(帝人化
成〓製、パンライトL−1250)3リメチルメタク
リレート(三菱レーヨン〓製、アクリライトL)
の性能を表2に示す。
【表】
実施例11、比較例7
実施例1において、実施例1に記載した被覆用
組成物Aを使用する代わりに実施例7に記載した
被覆用組成物Aを用い、成形体基体としてポリプ
ロピレンを使用する代わりに、2mm厚の不飽和ポ
リエステル樹脂(昭和高分子〓製、リゴラツク
MCS−302)を用いた他は実施例1に記載した方
法で不飽和ポリエステル樹脂の表面を被覆した試
験片を作成した。この試験片の膜厚は8μ、表面
光沢(グロス)は81、密着性は100/100、鉛筆硬
度は4Hであつた(実施例11)。一方、本発明の被
覆用組成物で被覆していない前記不飽和ポリエス
テル樹脂の表面光沢(グロス)は63、鉛筆硬度は
3Hであつた(比較例7)。
組成物Aを使用する代わりに実施例7に記載した
被覆用組成物Aを用い、成形体基体としてポリプ
ロピレンを使用する代わりに、2mm厚の不飽和ポ
リエステル樹脂(昭和高分子〓製、リゴラツク
MCS−302)を用いた他は実施例1に記載した方
法で不飽和ポリエステル樹脂の表面を被覆した試
験片を作成した。この試験片の膜厚は8μ、表面
光沢(グロス)は81、密着性は100/100、鉛筆硬
度は4Hであつた(実施例11)。一方、本発明の被
覆用組成物で被覆していない前記不飽和ポリエス
テル樹脂の表面光沢(グロス)は63、鉛筆硬度は
3Hであつた(比較例7)。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (a) 1分子中に2個以上のエポキシ基を有す
るポリエポキシ化合物とアクリル酸又はメタク
リル酸との反応で形成され且つ分子中に式 式中R1は水素原子又はメチル基を示す。 で表わされる単位を2個以上有するポリ(メ
タ)アクリレート化物、 (b) 成分a100重量部当り5乃至1000重量部の、
1分子中に3個以上のメタクリロイルオキシル
基又はメタクリロイルオキシル基を有し且つウ
レタン結合を含まない脂肪族ポリエステル系ポ
リオールのポリ(メタ)アクリレート化物、及
び (c) 成分a及びbの合計100重量部当り0.01ない
し20重量部の重合開始剤 を含有することを特徴とする被覆用硬化型樹脂組
成物。 2 成分a及びbの合計100重量部当り0.5乃至
200重量部の微粉末状無機充填剤を含有する特許
請求の範囲第1項記載の被覆用硬化型樹脂組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57189157A JPS5980472A (ja) | 1982-10-29 | 1982-10-29 | 被覆用硬化型樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57189157A JPS5980472A (ja) | 1982-10-29 | 1982-10-29 | 被覆用硬化型樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5980472A JPS5980472A (ja) | 1984-05-09 |
JPH0224849B2 true JPH0224849B2 (ja) | 1990-05-30 |
Family
ID=16236395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57189157A Granted JPS5980472A (ja) | 1982-10-29 | 1982-10-29 | 被覆用硬化型樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5980472A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5046791A (ja) * | 1973-08-06 | 1975-04-25 | ||
JPS5139789A (ja) * | 1974-10-02 | 1976-04-02 | Showa Highpolymer | Kokaseijushisoseibutsu |
JPS54130633A (en) * | 1978-04-01 | 1979-10-11 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | Ultraviolet-curing coating composition |
-
1982
- 1982-10-29 JP JP57189157A patent/JPS5980472A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5046791A (ja) * | 1973-08-06 | 1975-04-25 | ||
JPS5139789A (ja) * | 1974-10-02 | 1976-04-02 | Showa Highpolymer | Kokaseijushisoseibutsu |
JPS54130633A (en) * | 1978-04-01 | 1979-10-11 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | Ultraviolet-curing coating composition |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5980472A (ja) | 1984-05-09 |