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JPH02167085A - 変異型ヒトリゾチーム - Google Patents

変異型ヒトリゾチーム

Info

Publication number
JPH02167085A
JPH02167085A JP27189388A JP27189388A JPH02167085A JP H02167085 A JPH02167085 A JP H02167085A JP 27189388 A JP27189388 A JP 27189388A JP 27189388 A JP27189388 A JP 27189388A JP H02167085 A JPH02167085 A JP H02167085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
human lysozyme
amino acid
plasmid
mutant human
dna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27189388A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakazu Kikuchi
正和 菊池
Yoshio Yamamoto
山本 善雄
Yoshihisa Taniyama
佳央 谷山
Kaori Ishimaru
石丸 かおり
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TANPAKU KOGAKU KENKYUSHO KK
Original Assignee
TANPAKU KOGAKU KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TANPAKU KOGAKU KENKYUSHO KK filed Critical TANPAKU KOGAKU KENKYUSHO KK
Priority to JP27189388A priority Critical patent/JPH02167085A/ja
Publication of JPH02167085A publication Critical patent/JPH02167085A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、組換えDNA技術による変異型ヒトリゾチー
ムおよびその製造に関するものである。
さらに詳しくは、本発明は、天然型ヒトリゾチーム(以
下、単にヒトリゾチームともいう)のアミノ酸配列の第
110位のバリンか陽電荷を有する塩基性アミノ酸で置
き換えられた変異型ヒトリゾチ−ムをコードしている変
異ヒトリゾチーム遺伝子、該遺伝子と、シグナルペプチ
ドをコードしているヌクレオチド配列とを含有してなる
発現ベクター該発現ベクターで形質転換された形質転換
体、該形質転換体を用いてヒトリゾチーム活性を有する
タンパク質を製造する方法、並びにこのようにして製造
された変異型ヒトリゾチームに関するものである。
従来技術と発明が解決すべき課題 リゾチームはヒトをも含めた動物の各種組織、分泌液、
卵白等に広く分布しており、一部の植物にも見出されて
いる酵素であって、細菌細胞壁のペプチドグリカンに作
用してN−アセチルムラミン酸とN−アセチルグルコサ
ミンのβ−1,4結合を加水分解することにより溶菌作
用を現す。
この溶菌作用により生成される少糖を同定することによ
って、細胞壁の化学構造に関する手懸かりが得られるの
で、リゾチームは、細菌学、蛋白質化学、生化学等、様
々な研究分野において有用な酵素である。リゾチームは
ニワトリの卵白から比較的容易に高純度で単離されるた
め、ニワトリリゾチームが様々な分野で利用されている
。例えば、食品保存の目的で、チーズ、ソーセージ、水
産食品などに添加されたり、牛乳のヒト母乳化の目的で
使用されている他、止血、抗炎症、組織再生、抗腫瘍活
性などの薬理活性を有することも知られており、消炎酵
素剤として市販されている。
しかしながら、上記のニワトリ卵白由来のりゾチームを
含有する物質、特に医薬においては、異種タンパクに対
する免疫応答によると思われる発疹、発赤などの過敏症
状がしばしば発現する。従って、ヒトの治療に用いる場
合、即ち医薬としてはヒトリゾチームを使用することが
好ましい。
しかしながら、ヒトの人乳や涙液から単離、精製し得る
ヒトリゾチームの量には限りがあり、上記のごとき治療
はもとより、その生体内機能等の研究に必要とされるヒ
トリゾチームを安定的に供給するには不充分である。
従って、遺伝子組換え技術を利用してヒl−IJゾチー
ムを生産し、安定供給する試みがなされている。ヒトリ
ゾチームタンパク質は130個のアミノ酸からなり、そ
の配列は公知である[日本生化学会編:生化学データブ
ック巻1.189頁(1979)]。また、このアミノ
酸配列に基いて、ヒトリゾチームをコードするDNAが
化学合成された[ 1 kehara、 M、ら、ケミ
カル・アンド・ファーマノニーティカル・プリテン(C
hes、 P harm、 B ul 1. )旦」−
12202(1986)コ。従って、このDNA配列を
利用し、適当な発現ベクターを構築して宿主に導入し、
得られた形質転換体を培養することにより、組換え型ヒ
トリゾチームを得ることができる。例えば、ムラキ(M
uraki)らは大腸菌を宿主としてヒトリゾチームの
直接発現を試みた[Muraki、M、ら、アグリカル
チユラル・アンド・バイオロジカル・ケミストリー(A
gric、 B iol、 Chem、)戊0,713
(1986)]が、直接発現ではヒトリゾチーム活性を
有するタンパク質を得ることができなかった。他方、ジ
ガミらは、酵母を宿主とする分泌系発現で活性なヒトリ
ゾチームを得た[J igami、亡 ら、ジーン(C
;ene)43.273(1986)]が、生生産量菌
体内外の総和)が少ない上、生産量中に占める分泌量の
比率も55〜65%であって、十分なものではなかった
本発明者らは、ヒトリゾチーム活性を有するタンパク質
を効率良く生産することを目的として、卵白リゾチーム
の/グルコサミンに修飾を施し、形質転換された酵母宿
主内で発現された該タンパク質を効率よ(分泌させるリ
ーダー配列を得た(特願昭62−069764号および
特願昭62−69765号)。次いで、本発明者らは、
天然型ヒトリゾチームのアミノ酸配列に修飾を施し、第
77位と第95位のシスティンをアラニンで置き換える
ことにより、分泌効率が高く、生産性の増大された変異
型ヒトリゾチームを得ることに成功した(特願昭62−
245284号)。
さらに、本発明者らは、より高いヒトリゾチーム活性を
有する変異型ヒトリゾチームを得るために継続して検討
を市ねできた。
ヒトリゾチームの活性中心はアミノ酸配列35位のグル
タミン酸と53位のアスパラギン酸にあることか分かっ
ている。また、本発明者らは、バリン−プロリンの変換
実験を行った結果、110位のバリンを他のアミノ酸に
変えると、基質との結合の強さを変化させずに、比活性
のみを変化させ得ることを予想させる事実を見出した。
これらの事実に基いて、110位のアミノ酸が酵素活性
に影響を与えることが予測された。従って、このVal
lloをGlu”と相互作用し易い他の適当なアミノ酸
で置換すれば、基質特異性に影響を及ぼすことなくヒト
リゾチーム活性を高め得る考えられる。そのようなアミ
ノ酸の例として、グルタミン酸が負電荷を有する酸性ア
ミノ酸であることから、陽電荷を有する塩基性アミノ酸
が考λられる。
課題を解決するための手段 本発明者らは上記の観点から、より活性の高い変異型ヒ
トリゾチームを得ることを目的として、天然型ヒトリゾ
チームのアミノ酸配列の110位のバリンが、陽電荷を
有する塩基性アミノ酸で置き換えられた変異型ヒトリゾ
チームをコードする変異遺伝子を得、該変異遺伝子を適
当な発現ベクターに組込んで組換え発現ベクターを構築
し、この発現ベクターで酵母宿主を形質転換して得られ
た形質転換体を培養することにより、培養物中に高活性
の、ヒトリゾチーム活性を有するタンパク質を分泌させ
ることに成功した。
即ち、本発明は、天然型ヒトリゾチームのアミノ酸配列
の第110位のバリンが陽電荷を有する塩基性アミノ酸
で置き換えられたポリペプチドをコードしている変異ヒ
トリゾチーム遺伝子を提供するものである。
また本発明は、変異りゾチーム遺伝子と、シグナルペプ
チドをコードしているヌクレオチド配列とを含有し、真
核生物内で自律的に復製可能な発現ベクターを提供する
ものである。
さらに本発明は、上記発現ベクターで形質転換され、変
異型ヒトリゾチームを産生じ、分泌し得る形質転換体、
並びに、該形質転換体を培養し、培養液中に分i、され
たヒトリゾチーム活性を有するタンパク質を分離し、所
望により精製することからなる変異型ヒトリゾチームの
製造方法、およびこのようにして製造された変異型ヒト
リゾチームを提供するものである。
本発明の変異型ヒトリゾチームを得るために、天然型ヒ
トリゾチームの110位バリンと置き換え得る、陽電荷
を有する塩基性アミノ酸としては、アルギニンおよびリ
ジンを挙げることができる。
本発明の変異ヒトリゾチーム遺伝子の調製、該遺伝子を
含有する発現ベクターの構築、該発現ベクターによる宿
主細胞の形質転換、および得られた形質転換体を用いる
変異型ヒトリゾチームの製造は、全て本出願人の出願に
係る特願昭62−2−+ 5284に開示した方法に準
じて行われた。
即ち、第1図に示すように、天然のヒトリゾチームのア
ミノ酸配列をフードしている合成遺伝子を含有する公知
のプラスミドpcEL125[ヨンムラ(K 、 Y 
oshimura)バイオケミカル・バイオフィンカル
・リサーチ・コミュニケーション(Biochem、 
B 1ophys、 Res、 Commun、 )土
工)、712(1987)]から、シグナルペプチドの
上流にのみXh。
I認識部位を有するプラスミドpER[8602を得る
次いで、プラスミドpERI8602から、シグナルペ
プチドとヒトリゾチームとをコードしているヌクレオチ
ド配列を含んだXhol−8mal断片を切り出し、こ
れを、M13mpl 8RF[M13mpファージDN
Aの複製型(RF)]にXhol認識部位を挿入したフ
ァージDNAの大きい方のXha I −S ma I
断片と連結(ライゲー7ラン)することにより、シグナ
ルペプチドとヒトリゾチームとをコードしている一本鎖
ファージDNAである、M13mp18XhLZMを得
る(第2図参照)。
このM13+p18XhLZMのEcoRl −Xho
+断片を、pBR322XのEcoRI−Xhol断片
とライゲーンヨンし’tT)BR322XhLZM(B
C)を構築する。pBR322XhLZM(BC)の構
築模式図を第3図に示す。
一方、天然型ヒトリゾチームのアミノ酸配列の第110
位のバリンがアルギニンまたはリジンテ置換されたアミ
ノ酸配列部分をコードしている別個の2本鎖合成オリゴ
マーを合成し、これらの合成オリゴマーを、pBR32
2XhLZM(BC)のBamHl−C1al断片とラ
イゲーションしてpBR322XhLZM(Arg”0
)およびpBR322XhLZM(Lys”’)を得る
。pBR322XhLZM(Arg”’)の構築模式図
を第4図に、pBR322XhLZM(Lys”’)の
構築模式図を第5図に示す。
各DNAから7グナルペプチドと変異型ヒトリゾチーム
をコードしでいるXhol −3Ilal断片を切り出
し、上記プラスミドpERI  8602の95kb 
Xhol−8saI断片とライゲーションし、変異型ヒ
トリゾチーム発現ベクター、プラスミドpERI  8
851およびプラスミドpERI8858を構築する。
プラスミドpERI  8851の構築模式図、並びに
制限酵素切断地図を第6図に、プラスミドpERI  
8858の構築模式図、並びに制限酵素切断地図を第7
図に示す。 以上に概説した一連の操作における個々の
操作は当業者によく、知られている。例えば、DNAの
クローニング等における大腸菌の形質転換は、コーエン
(C。
hen)らの方法[Cohen、 S 、 N 、ら、
プロシージング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ−・
オブ・サイエンス(Proc、 Natl、 Acad
、 S ci、 U S A)69.2110(197
2)]によって行うことができる。
大腸菌宿主としてはE、coli294、E、coli
DHL E、coliW3110、E、coliC60
0などを用いることができる。
また、形質転換体から、所望の遺伝子が挿入されたプラ
スミドDNAを単離するには、アルカリ抽出法[Bir
nboim、H,C,およびDoly、 J 、、ヌク
レイツク・アシノズ・リサーチ(Nucleic Ac
1dsRes、)7.1513(1979)]等を利用
することができる。次いで、プラスミドDNAを適当な
制限酵素で処理することによって、挿入された該遺伝子
を切り出し、たとえばアガロースゲル電気泳動あるいは
ポリアクリルアミド電気泳動によってこれを単離する。
これらの一連の操作は公知であり、文献、例えば「モレ
キュラー・クローニング(Molecular Cto
ning)(1982)、 Co1d S pring
 Harbor Laboratoryjに詳しく記載
されていDNAの化学合成は、たとえばCreaらの方
法[Crea、R,ら、プロシージング・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミ−・オブ・サイエンス(Proc、
Natl、Acad、sci、UsA)75.765(
1978)]などに従って行うことができる。
さらに、DNAの所望の部位に、特異的に変異を起こさ
せるためには、市販のキット(例えばアマー/ヤム社製
キットなど)が用いられ、その配列の確認には、ンデオ
キンヌクレオチド合成鎖停止法[S anger、 F
 、  ら、プロシージング・オブ・ザ・す/ヨナル・
アカデミ−・オブ・サイエンス(Proc、Na目、A
cad、Sci、)USA、74.5463(1977
)]が用いられる。
本発明の発現プラスミドは、真核細胞内で自律的に複製
可能な発現ベクター群の内から選択されたベクターのプ
ロモーターの下流に、シグナルペプチドをコードしてい
る遺伝子と変異ヒトリゾチーム遺伝子を連結させて挿入
することにより組立てられる。本明細書では、GLDプ
ロモーターを用い、天然型ヒトリゾチームをコードして
いる発現プラスミドpER+  8602を使用して本
発明の発現プラスミドの構築例を示したが、その池、プ
ラスミドpPHO17、pc D X [Okayam
a、 f(、おヨヒB erg、 P、 、モレキュラ
ー・アンド・セルラー・バイオロジー(Mo1. Ce
lf、 B iol、 ) 3.280(1983)]
、pKSv−1O(ファルマシア社製)なども好適に使
用される。
酵母宿主の場合には、プロモーターとして、たとえばP
H05プロモーター、GLDプロモータ、PGKプロモ
ーター、ADHプロモーターPH○81プロモーター、
GAL 1プロモーターGALIOプロモーターなどが
、動物細胞宿主を用いた場合には、プロモーターとして
、たとえばSV40初期遺伝子プロモーター、メタロチ
オネインプロモーター、ヒートショックプロモーターな
どがそれぞれ利用できる。なお発現にエンハンサ−の利
用も効果的である。
本発明のプラスミドpERI  8851およびプラス
ミドpERI8858は、酵母宿主内で変異型ヒトリゾ
チームを発現させ、分泌させるのに好適である。と(に
好ましい宿主はサツカロマイセス0セレビシエ(S a
ccharo+nyces cerevisiae) 
AH22R−である。
本発明の変異ヒトリゾチーム遺伝子を、動物細胞用ベク
ターに挿入することにより、マウスL細胞、チャイニー
ズハムスター卵母細胞(CHO)、さらには他の真核細
胞を宿主として用い得る。
真核細胞の形質転換方法は当業者既知であり、例えば酵
母の形質転換は、ヒ不ン(H1nnen)らの方法[プ
ロシージンゲス・オフ・ザ・ナショナル・アカデミ−・
オフ・サイエンス(Proc、 Natl、 Acad
、sci、tJsA)75,1927、(1978)]
により、また、真核細胞の形質転換は、「蛋白質・核酸
・酵素・28巻、1983年、“組み換え遺伝子の細胞
への導入と発現“(共立出版)」記載の方法で行うこと
ができる。
形質転換体の培養も、当業者既知の方法のいずれを用い
ても行うことができる。
酵母を使用する場合、培地としては、例えばバークホル
ダー(B urkholder)最小培地[ボスチャン
(BosLian、 K、 L、)ら、ブロン−ジンゲ
ス・オフ゛・ザ・ナショナル・アカデミ−・オフ・サイ
エンスtJ S A、 77.4505(1980)]
が挙げられる。
培養は通常15°C〜40°C1好ましくは24℃〜3
7°Cで10〜144時間゛、好ましくは24〜96時
間行い、必要に応じて通気や攪拌を加えてもよい。
動物細胞などの真核生物細胞を宿主とした形質転換体を
使用する場合には、培地として例えばイーグル(Eag
le)のMEM[HlEagle、サイエンス(Sci
ence)土30.432(1959)]、ダルベツコ
(D ulbecco)の改良イーグル培地(Modi
fied Eagle’s Medium)[Orga
d LaubおよびWilliamJ 、 Rutte
rs ジャーナル・オフ・バイオロジカル・ケミストリ
ー(J 、 B iol、 Chem、 )258.6
043(1983)]などが挙げられる。培養は通常3
0〜42℃、好ましくは35℃〜37℃で約1〜10日
間行う。
培養終了後、当業者既知の方法で細胞と上清とを分離す
る。本発明の発現ベクターによれば、生成した変異型ヒ
トリゾチームは効率良く分泌されるので、上清から得ら
れるが、細胞内に残存する場合には、当分野における通
常の方法、例えば超音波Nll演法フレンチプレスなど
を利用した破砕法、摩砕などの機械的破砕法、細胞溶解
酵素による破砕法などにより細胞を破砕した後抽出する
さらに必要ならば、トリトン−X100.デオキシコー
レートなとの界面活性剤を加え、産生された変異型ヒト
リゾチームを抽出する。得られた変異型ヒトリゾチーム
は、通常のタンパク質精製法、例えば塩析、等電点沈澱
、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体
クロマトグラフィー(HP LC,F P LC等)な
どに従って精製することができる。
このようにして得られた形質転換体培養物から分離した
培養上清並びに菌体中のヒトリゾチームを#7I製単離
し、その活性を後述のアッセイ法で測定し、比活性を求
めたところ、天然型のヒトリゾチームをコードしている
発現ベクターを用いて調製された形質転換体の場合と比
較すると、本発明の変異型ヒトリゾチーム形質転換体は
、従来のものよりも高い比活性を有するタンパク質を生
産することが分かった。
即ち、本発明の変異ヒトリゾチーム遺1云子を含んだ発
現ベクターを適当な宿主に導入し、得られた形質転換体
を適当な条件下で培養し、培養上清のヒトリゾチーム活
性を有するタンパク質を単離し、所望により常法にした
がって精製することにより、容易かつ簡便に一定した、
高活性の、ヒトリゾチーム活性を有するタンパク質(変
異型ヒトリゾチーム)を得ることができる。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。
尚、以下の実施例は単なる例示にすぎず、如何なる意味
においても、本発明を制限するものではない。
実施例1 クローニングベクターpBR322Xの構築 大腸菌ベクターpBR322(5μg)に制限酵素Ba
1l(1,5ユニツト)を加え、40μ9の反応液[1
0mM Tris−HCI(pH7,5)、lQmMM
gCl、、1mMジチオスレイトール]中で37°C1
5時間反応させた後、常法通りフェノール抽出し、次い
で、DNAをエタノール沈殴させた。このDNAにリン
酸化したXholリンカ−d[pCCTCGAGG][
二ニー・イングランド・バイオラボ(NEB)社!2]
50ngを加え、常法に従ってT4DNリガーゼで両者
を結合させた。
この反応液で大腸菌DHI株を形質転換し、得られたア
ンピシリン耐性、テトラサイクリン1耐性コロニーから
、アルカリ抽出法でプラスミドを抽出し、[3all認
識部位がXhol認識部位に変換されたプラスミドpB
R322Xを得た。
実施例2 プラスミドpERI  8602の構築’)
  1.6kb、  8.3kb断片の調製BamHI
用緩衝液[6mM T ris −HC1(pH79)
、150mMNacl、6 IIM MgCI−] 1
00μg中で化学合成したヒトリゾチーム遺伝子を含有
しているプラスミドpGEL125[ヨシムラ(K 、
 Y osh imura)前掲コ48.5μgに60
0のBagl−11(ベーリンガーマンハイム山之内製
)を加えて37°Cで2時間反応させたのち、常法通り
、冷エタノールを加えてDNAを集めた。このDNAを
、上記Bam1H用緩衝液(100μの中で40UのX
hol(ベーリンガーマンハイム山之内)を加えて37
°Cで15分間部分消化したのち、60°Cで15分間
加熱して反応を停止させた。この反応液を0.7%アガ
ロース電気泳動にかけ、1.6kb断片を含むゲルを切
り取り、電気泳動溶出によってケルから抽出した。
同様の方法で48.5μgのpGEL125を60Uの
BamHIで消化し、常法に従ってエタノールでDNA
を沈澱させた。このDNAIZBamHJ用緩衝液中で
80UのXholを37°Cで2時間作用させたのち、
前記1.6kb断片と全く同様の方法で、プラスミドp
GEL125からプロモータ、シグナル配列、およびヒ
トリゾチームコード領域か除去された8、3kbのBa
mHI−Xhol断片を調製した。
)Smal認識配列を含む合成オリゴマーの調製pGE
LI25のヒトリゾチーム遺伝子の3”末端側のXho
l切断部位を5IIlaI切断部位に変換するために、
常法に従い、”TCGACCCGGG3″を合成した。
iii )  l 、 6 kb断片と合成オリゴマー
の連結)で得た合成オリゴマー(loOng)と1.6
kb断片(2μg)を20μaのライゲーション用緩衝
液[50mM Tris−HCI(pH7,8)、10
mMMgCl、、20mM ジチオスレイトール(DT
T)、l*MATP、lに溶かし、T4DNAリガーゼ
(NEB製)800 Uを加えて14°Cで一夜反応さ
せ、DNAを結合させた。常法に従い、エタノールを加
えてDNAを集めたのち、l 00 u(lのBamH
I用緩衝液に溶かし、36UのBamHIを加えて37
°Cで1時間反応させ、同様にエタ/−ルを加えてDN
Aを集めた。次にこのDNAを50μQのS ma I
用緩衝液[20mMKCl、lQmMTriS−トIC
1(pH8,0)、 1 0 mM  MgCL、 1
mMD T T ]に溶かし、21UのSmal(宝/
7j造製)を加えて30°Cで1時間反応させた。これ
を0.7%アガロース電気泳動にかけ、常法通り所望の
部分を切り出し、電気泳動溶出によって1.6kbのB
amHI −Smal断片を得た。
1V)8.3kb断片と合成オリゴマーの連結l11)
と全く同様にして、lμgの8.3kb断片と1100
nの合成オリゴマーとを連結したのち、同様にBamH
I、およびS ma Iで処理して電気泳動にかけ8.
3kbのBamHI −Smal断片を得た。
v)  1.6kbBamHI−Sma+断片と8.3
kbBamH1−Smal断片七の連結 iv)で得た8、3kb断片(120ng)と1.6k
t)断片(360μg)を100μQのライゲーション
用緩衝液((iii )に同じ)中で800UのT 4
 D N Aリガーセ(N E B製)を加えて14°
C−夜反応させた。
そのl15ffiを用いてE、coli DHlを形質
転換し、プラスミドpERI  8602を得た。
プラスミドpGEL125およびプラスミドpERI8
602の制限酵素切断地図およびプラスミドpER+ 
 8602の構築模式図を第1図に示す。
実施例3  M13mp18XhLZMの構築)ヒトリ
ゾチーム遺伝子を含むXhol −3eal断片の調製 実施例2て調製したプラスミドpER+  8602 
1100nを実施例2記載の方法に従ってXh。
lSSma+で切断し、シグナル配列コード領域および
ヒトリゾチーム遺伝子を含むXhol −5eal断片
を調製した。
)M13mp18へのXhol制限部位の導入M13m
p18の復製型(RF)(宝酒造12)2.4μgを3
0aQのHindlll用緩衝液[50mM N aC
l。
10 IIIM T ris−HC1(1)I−17、
5)、10 mM MgCl2.1mMDTT]中で2
70のHindll!(ベーリンガーマンハイム山之内
製)と37℃で2時間反応させたのち、常法通り冷エタ
ノールを加えてDNAを沈澱させた。
一方、常法に従って合成した2本のオリゴマー5°TC
GAGGCCA”(100ng)および”AGCT T
 G G CC(100ng)をATPを含まないライ
ゲーション用緩衝液(前出)20μa中で80°C15
分処理したのち、室を品まで徐々に冷却して二本鎖とし
た。この反応液に上で得たHindl[I処理したM1
3mp18RF500ngとATPをImMとなるよう
に加え、14°Cで一夜反応させた。次にこの1/1O
fflをE、coliTG lに感染させ、常法に従い
Xhol切断部位をもったMl:3+p18RFを得た
。この5μgを実施例2、iii )記載の方法でXh
olおよび5ealで処理し、エタノールで沈澱させた
iii)M13mPl 8XhLZMの構築)で調製し
たXhol−3eal断片300 ngと1)で調製し
たM13mp18を含む大きいXholSmal断片1
00 ngとを50μeのライゲーション用緩衝液(前
出)中400UのT4DNAリガーゼ(NEB!2)と
14°Cで一夜反応させ、その115量をE、coli
TG 1に感染させ、M13ap18XhLZMRFを
得た。
Ml 3IIlpl 8XhLZMの構築模式図を第2
図に示す。
実施例4 ヒトリゾチーム遺伝子へのBamHIおよび
C1ar認織部位の造成 天然型ヒトリゾチームのアミノ酸配列の110位バリン
を他のアミノ酸に変換するために、オリゴヌクレオチド
−ブイレフティノド、インピトロムタケ不ノスシステム
(アマ−ジャム社製キット)を用い、カセット式変異法
で、上記110位バリンをコードするコドンの両側にB
amHlおよびCIal認識部位を造成した。
)BamHI認識部位およびC1al認識部位造成のた
めのオリゴマーの合成 常法に従って次のオリゴマー(50マー)を合成した。
GAGCCTGGG下CGCTTGGAGAす。
また、下線は、5′側から順番に、新たに造成されたB
amHI認識部位およびC1al認識部位を示す。
なお、この変換でもコードするアミノ酸の種類はもとの
ままである。
上線で示したGTCコドンは、110位バリンをコード
している。
)アニーリングおよびライゲーション 実施例3で得たMl 3mpl 8XhLZMの単鎖D
NA 10μ9を含む溶液(5μQ)、5゛をリン酸化
したオリゴマー(〜1 、6 pmol/ uの(5μ
fり、緩衝液1(7μのおよび水(17μのを混合し、
80′Cで3分間処理したのち、室温で30分間放置し
た。この反応液にMgCl*+(1(l Oμ0、ヌク
レオチド混i&l (38a(1)、水(10,cl)
、クレノーフラグメント(12U)、T4DNAリガー
ゼ(12U)を加え、14°Cで一夜反応させた。反応
液をニトロセルロースフィルターで濾過シ、未反応の単
鎖DNAを除去したのち、常法に従いエタノールでDN
Aを沈澱させ、50μρの緩衝液2に溶解した。
山)変異DNAを含むプラスミドによる大腸菌の形質転
換 ii )t’得りD N A溶液50μ+!+;D内1
0μgに、65μQの緩衝液3と5UのNci+を加え
37°Cで90分間反応させて変異していないDNAに
二。
りを入れた。反応後さらに500+nM NaCI(1
2μの、緩衝液4(10μρ)、エキソヌクレアーゼI
II(50U)(2μQ)を加えて、37°Cで30分
間反応させ、ニックを入れたDNAを消化した。
次に70°Cで15分間加熱して酵素を失活させた。冷
却後、ヌクレオチドl昆液2(13μm2)、MgC+
、液(5μfり、DNAポリメラーゼI (3U)、T
4DNAl[−ゼ(20)を加えて14°Ct’4時間
反応させた。この反応1ff120μgを用い、E、C
01iTGlを形質転換した。
iv)変異DNAの調製と変異の確認 1ii)で得た形質転換体をYT寒天培地(バクトドリ
プトン8g、バクト酵母エキス5g、 NaCl25g
寒天15g、水IOにまき、プラークを生じさせた。プ
ラークを採取し、E、coliTG lに感染させ、こ
れをYT培地で37°Cにおいて一夜、液体培養し、培
養上清を集めた。この上清1mQにPEG/NaC1(
20%ポリエチレングリコール6000.2,5MNa
C1)200μI2を加え、よ(混合して15分間放置
したのち、遠心分離して上清を除去した。沈澱にTE緩
衝液(10mM TrisHC+、1mM EDTAS
pH8,o)(100μのおよび、TE緩衝液飽和フェ
ノール(50μのを加えてよく攪拌したのち、遠心分離
し、水層を採取した。この水層に冷エタノールを加えて
、単鎖DNAを沈澱させた。この単離DNAを鋳型とし
てジデオキシヌクレオチド合成鎖停止法によって塩基配
列を決定し、目的通り変異したDNAを数種得た。
実施例5 変異したヒトリゾチーム遺伝子のpBR32
2Xへの組み込み )EcoRI、Xhol認識部位を末端にもツpBR3
22Xの調製 実施例1で調製したpBR322X(3μg)に制限酵
素EcoR[(15U)とXhol(16U)とを加え
、EcoRI緩衝l夜(ベーりンガーマンノ\イム社製
)100μg中で37℃において2時間反応させた後、
フェノール抽出、エタノール沈殿に付し、DNA混合物
を得た。
得られたDNA混合物を1.0%アガロースゲル電気泳
動にかけて大きい断片を切り出し、電気泳動溶出によっ
てゲルから抽出した。
)Ml 3mpl 8XhLZM(BC)からのBam
Hl、C1aI認識部位を有するヒトリゾチーム遺伝子
の調製 上記I)と同様にして、制限酵素処理、電気泳動溶出を
行い、実施例3で得たM13np18XhLZM(BC
820μg)からヒトリゾチーム遺伝子を含むEcoR
[−Xhol断片を調製した。
iii)pBR322XhLZM(BC)の調製)で得
たpBR322Xの大きい方のEcoRI−X ho 
I断片(250ng)とii)で得たヒトリゾチーム遺
伝子を含むEcoRI−Xho[断片(120ng)と
をT4リガーゼ(800U)の存在下、14°Cで一夜
反応させてライゲート(連結)した。このライゲージジ
ン混合物を用いて大腸菌DHIを形質転換し、ブラスミ
FpBR322XhLZM(BC)を得た。プラスミド
pBR322XhLZM(BC)の構築模式図を第3図
に示す。
実m例6 110位のアミノ酸がアルギニンに変換され
たヒトリゾチームの遺伝子の調製)t、/a1110を
Δrg110に変換するためのオリゴマーの合成 常法に従って、以下の2本のオリゴマーを合成した。
rg110 (1) ”GATCCGA GCCTGG AGG G
CT TGG AGA^^T(2)     GCT 
CGG ACCTCCCGA ACCTCT TTA 
GC’)pBR322XhLZM(BC)のBamHl
およびC1al処理 実施例5で得たpBR322XhLzM(BC)(10
0ng)を、C1al(60L])を含んだTA緩衝液
(0’ F arrellら、Mo1ec、 G en
、 G enet、、179.42 ]−435(19
80))500μC中、37°Cで3時間反応させた後
、DNAをエタノール沈殿させた。このDNAに蒸留水
440μQを加えて溶解させ、BaIIIHI緩衝液(
ベーリンガー社製)50 aQ、 BanHr 10 
μm2(90U)を加え、30℃で一夜反応させた。こ
の半量を1%アガロースゲル電気泳動にかけ、大きい方
の断片を切り出し、電気泳動溶出してpBR322Xh
LZM(BC)の大きい断片を得た。
iii )アニーリングおよびライゲーションi)で得
た合成オリゴマー(1)および(2)夫々500ngを
用い、T4DNAキナーゼ2μe(14U)、IOn+
MATP3μQ、10×ライゲーシヨン緩衝液(前出)
3μQを含む30μQ中で、37°Cにおいて30分間
反応させた後、65°Cで15分間加熱して反応を止め
た。
次いで、このようにして得たDNA断片17ngと1)
で得たpBR322XhLZM(BC)の大きい断片5
0ngとをタカラ(TAKARA)ライゲーションキッ
ト(宝酒造製)中で14°Cにおいて1時間反応させ、
この半量を使ってE、coli DHlを形質転換した
。このようにして得られたプラスミドを大腸菌から抽出
してpBR322XhLZM(Arg■0)と命名した
。この変異ヒトリゾチーム遺伝子を常法通りジデオキシ
ヌクレオチド合成鎖停止法でその塩基配列を決定し、所
望のDNAが挿入されていることを確認した。プラスミ
ドpB R322XhLZM(Arg目’)の構築模式
図を第4図に示す。
実施例7 プラスミドpERI8851の構築実施例6
、iii )で得たpB R322XhL ZM(Ar
gllll)を大腸菌DHIから常法に従って調製した
後、実施例2、■)に記載の方法に従ってXholおよ
びS ma Iで処理して、シグナル配列のコード領域
と変異ヒトリゾチーム遺伝子とを含むXhoISeal
断片(a)を得た。一方ブラスミドpERI8602を
同様にXholおよびS ma Iで処理したのち、常
法通り電気泳動によって9.5kbのXh。
1−3mal断片(b)を単離した。
次いで、これらのDNA断片(a)および(b)のそれ
ぞれ、10ngと30ngを20ttQのライゲーショ
ン用緩衝液中で実施例2.1ii)と同様に反応させて
連結し、この反応混合物でE、coli DHlを形質
転換した。形質転換体から、変異ヒトリゾチーム遺伝子
を含有しているプラスミド数種を得、その−っをpER
I  8851と命名した。プラスミドpERI  8
851の構築模式図を第6図に示す。
実施例8110位のアミノ酸がリジンに変換されたヒト
リゾチームの遺伝子の調製 )VallloをLySlloに変換するためのオリゴ
マーの合成 常法に従って、以下の2本のオリゴマーを合成した。
(2)     GCT CGG ACCTTT CG
A ACCTCT TTA GC”)pBR322Xh
LZM(BC)のBamHlおよびC1al処理 実施例5で得たpBR322XhLZM(BC)(10
0ng)を、C1al(600)を含んだTA緩衝液(
0’ F arrellら、Mo1ec、 G en、
 G eneL、、179.421−435(1980
))500μρ中、37°Cで3時間反応させた後、D
NAをエタノール沈殿させた。このDNAに蒸留水44
0μQを加えて溶解させ、Ba@HI緩衝液(ベーリン
ガー社製)50 uQ、 BamHI I O、cl(
90U)を加え、30°Cで一夜反応させた。この半量
を1%アガロースゲル電気泳動にかけ、大きい方の断片
を切り出し、電気泳動溶出してpBR322XhLZM
(BC)の大きい断片を得た。
■)アニーリングおよびライゲーション)で得た合成オ
リゴマー(1)および(2)夫々500ngを用い、T
4DNAキナーゼ2μQ(14U)、IOIIIM A
TP3μll、IOXライゲー’yBンv&街液(前出
)3μllf&−含む30μσ中で、37°Cにおいて
30分間反応させた後、65°Cで15分間加熱して反
応を止めた。
次いで、このようにして得たDNA断片17ngとii
)で得たpBR322XhLZM(BC)の大きい断片
50ngとをタカラ(TAKARA)ライゲーションキ
ット(宝酒造製)中で14℃において1時間反応させ、
この半1を使ってE、coli DHIヲ形質転換した
。このようにして得られたプラスミドを大腸菌から抽出
してpBR322XhLZM(L y s I ’ Q
 )と命名した。この変異ヒトリゾチーム遺伝子を常法
通りジデオキシヌクレオチド合成鎖停止法でその塩基配
列を決定し、所望のDNAが挿入されていることを確認
した。プラスミドpBR322XhLZM(Lys”’
)の構築模式図を第5図に示す。
実施例9 プラスミドpERI8858の構築実施例8
、iii ) テ得たpBR322XhLZM(Lys
目0)を大腸菌DHIから常法に従って調製した後、実
施例2、iii )に記載の方法に従ってXholおよ
びS ma lで処理して、シグナル配列のコード領域
と変異ヒトリゾチーム遺伝子とを含むXholS ma
 +断片(a)を得た。一方プラスミドpERI860
2を同様にXhoIおよびSmalで処理したのち、常
法通り電気泳動によって9.5kbのXh。
1−3@al断片(b)を単離した。
次いで、これらのDNA断片(a)および(b)のそれ
ぞれ、Longと30ngを20μQのライゲーション
用緩衝液中で実施例2、iii )と同様に反応させて
連結し、この反応混合物でE、coli DHlを形質
転換した。形質転換体から、変異ヒトリゾチーム遺伝子
を含有しているプラスミド数種を得、その一つをpER
I  8858と命名した。ブラスミ、ドpERI  
8858の構築模式図を第7図に示す。
実施例10  酵母形質転換体の調製 実施例7または実施例9で得た発現プラスミドpERI
  8851またはpERl  8858を用い、ヒネ
ンらの方法(前出)に従い、S、セレビシェAH22R
−を形質転換し、それぞれ、形質転換体S、セレビシェ
AH22R〜/pERI8851およびS、セレビシェ
AH22R−/pERl  8858を得た。前者の菌
株は、工業技術院微生物工業技術研究所に受託番号FE
RM P10258で寄託されている(受託日:昭和6
3年8月31日)。
実施例11  形質転換体S、セレピ/工AH22R−
/pERI8851およびS、セレビシェAH22R−
/pER+  8858の培養実施例10で得た形質転
換体S、セレビシェ八へ22R−/pERI  885
1およびS、セレビシェAH22R〜/pERI885
8を、別々に試験管中のパークホルダー(B urkh
older) [アメリカンージャーナルーオフ・ボタ
ニー(A自er、 J 、 Bot。
)旦麿、206(1943)]の改変培地111(IQ
当たりKHzPO+0.4g、グルコース10g、アス
パラギン5g、シュークロース80gを含有)5−に接
種し、30℃で72時間振盪培養した。得られた各培養
液1−をそれぞれ上記培地■4−を含む試験管へ移し、
30°Cで1日振盪培養した。各培養液2−を上記培地
[18−を含む20〇−容三角フラスコに移し、30°
Cで振盪培養し、72時間後に培養液を採取し、アッセ
イ用試料の調製に用いた。
実施例12 アッセイ試料の調製 実施例11で得た各培養液を遠心分離し、上清と菌体を
分離した。上清はアッセイに供し、菌体は1.2Mスク
ロースを含む50mMリン酸バッファー(pl−!7.
0)で洗浄した後、ライモリアーゼ(Zymolyas
e) [生化学工業(株)製]を0 、5 JIg/ 
mQになるように加えた同バ・7フアーに懸濁し、室温
で2時間反応させた。これらの反応液に4倍量の50m
Mリン酸バッフ7  (pH7,0)[10mM ED
TA、1mM PMSFを含む]を加え、室温で1時間
反応させたのち、上清を集めてそれぞれ、菌体抽出液と
した。
実施例13 変異型ヒトリゾチーム産生量の測定実施例
12で得た上清と菌体抽出液とをそれぞれ、変異型ヒト
リゾチームのアッセイに供した。
ヒトリゾチーム活性の測定は、実質上ワーシントン・エ
ンザイム・マニュアル(Worthigton E n
zyme Manual、ploo、Worthigt
on B 1oche+oical Corporat
ion、 U S A、  l 972)によった。
標準ヒトリゾチームとしてはングマ(S iguma)
社製を使用した。l単位は、0.1Mリン酸バッファー
(pH6,9)中でマイクロコツカス・ルテウス(Mi
crococcus 1uteus)(生化学工業社製
)を基質として25°Cで1分間反応させ、450JI
μの吸収を0001減少させるに必要な酵素量とした。
各試料について同様の実験を3回行って得たヒトリゾチ
ーム活性で表した産生1は、以下の表Iに示す通りであ
った。なお、天然型のヒトリゾチームを産生ずる形質転
換体S、セレビンエAH22R/pGEL−CLIO(
FERIvtp−9285)を対照として同様に培養し
、本発明の形質転換体におけるヒトリゾチーム活性を有
するタンパク質の産生量と比較した。結果を表1に示す
表−十 /pE Rl  8851 (No、 I)τ砥阿十1
 分泌された変異型ヒトリゾチームの精製 実施例7で得た形質転換体S、セレビンエAH22R−
/pER[8851を実施例9に示した培地51を含む
試験管に接種し、30℃で3日間振盪培養した。次に、
上記培地18−を含有する2001容三角フラスコに、
上の培養液2m&を移し、30°Cで1日振盪培養した
。次に上記培地250mf!を含有するIQ容三角フラ
スコにこの培養液20mfl!を移し、30°Cで3日
間培養した。この培養液を遠心分離機にかけ、上l^と
菌体を分離した。この上清く約IQ)を50mMリン酸
ナトリウム緩衝液(pH6,5)で平衡化した陽イオン
交換樹脂(I ndion)カラム(0,7cnX 1
5cm)に吸着させ、同緩衝液30m1lで洗浄後、Q
、5MNaCQを含む同緩衝液で溶出した。溶出液を1
mQずつ分取し、各フラクンヨンについて実施例13に
従ってリゾチーム活性を測定した。リゾチーム活性が最
大となるフラク/gンを取り、これを高速液体クロマト
グラフ イー(Asahipak502 C)により、
さらに精製した。501Mリン酸ナトリウム緩衝液を含
む0.6M硫酸ナトリウム0−30%の直線濃度勾配に
より30分間溶出を行い、保持時間25125分に現れ
る280nmの吸収ピークを分取し、これをR110と
した。この溶出パターンを第8図に示す。
同様にして、実施例9で得た形質転換体S、セレビンエ
AH22R−/pERl  8858を培養し、培養物
を処理して高速液体クロマトグラフィー(Asahip
ak502 C)にかけ、保持時間24゜698分に現
れる280nmの吸収ピークを分取して目的の変異型ヒ
トリゾチームK 110を得た。
K 口+1の溶出パターンを第9図に示す。
及鞭鯉上互 精製変異型ヒトリゾチームRIIOおよび
に110の分析 実施例14で精製した変異型ヒトリゾチーム精製標品、
R110およびK 110について比活性を測定した。
タンパク質の定量は市販のヒトリゾチーム(/グマ辻)
を標準としてBCAプロティンアッセイ試薬(ピアス社
)を用いて行った。その結果、市販の天然型ヒトリゾチ
ームの比活性を100としたとき、変異型ヒトリゾチー
ムR110の比活性は1.13、K IIoの比活性は
126と高いことが分かった。
【図面の簡単な説明】
第1図はプラスミドpERI8602の構築模式図、並
びにプラスミドpGEL125およびプラスミドPER
I  8602の制限酵素切断地図、第2図はMl 3
spl 8XhLZMの構築模式図、第3図はプラスミ
ドpBR322XhLZM(BC)の構築模式図、並び
に制限酵素切断地図、第4図はプラスミドpB R32
2XhL ZM(Arg”’)の構築模式図、並びに制
限酵素切断地図、第5図はプラスミドpBR322Xh
LZM(Lys”’)の構築模式図、並びに制限酵素切
断地図、第6図はプラスミドpERI8851の構築模
式図、並びに制限酵素切断地図、第7図はプラスミドp
ERI8858の構築模式図、並びに制限酵素切断地図
、第8図はAsahipak502 CによるR 11
0の溶出状態を示すグラフであり、第9図はAsahi
pak502cによるKIIOの溶出状態を示すグラフ
である。 特許出顎人  株式会社蛋白工学研究所代 理 人  
弁理士 青白 葆(外2名)第3図 第8図 イA(才今 時 間 (分)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、天然型ヒトリゾチームのアミノ酸配列の第110位
    のバリンが陽電荷を有する塩基性アミノ酸で置き換えら
    れたポリペプチドをコードしている変異ヒトリゾチーム
    遺伝子。 2、陽電荷を有する塩基性アミノ酸がアルギニンまたは
    リジンである請求項1記載の変異ヒトリゾチーム遺伝子
    。 3、請求項1または2に記載の変異ヒトリゾチーム遺伝
    子と、シグナルペプチドをコードしているヌクレオチド
    配列とを含有し、真核生物内で自律的に複製可能な発現
    ベクター。 4、プラスミドpERI8851またはプラスミドpE
    RI8858である請求項3に記載の発現ベクター。 5、請求項3または4に記載の発現ベクターで形質転換
    されており、変異型ヒトリゾチームを産生し、分泌し得
    る宿主細胞。 6、形質転換体サッカロマイセス・セレビシエAH22
    R^−/pERI8851またはサッカロマイセス・セ
    レビシエAH22R^−/pERI8858である請求
    項5に記載の宿主細胞。 7、請求項5または6のいずれかに記載の形質転換体を
    培養し、培養液中に分泌されたヒトリゾチーム活性を有
    するタンパク質を分離し、所望により精製することから
    なる変異型ヒトリゾチームの製造方法。 8、請求項7に記載の方法で製造された変異型ヒトリゾ
    チーム。
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