JPH02160917A - 無麈衣用ポリエステル繊維およびその織物 - Google Patents
無麈衣用ポリエステル繊維およびその織物Info
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- JPH02160917A JPH02160917A JP31294888A JP31294888A JPH02160917A JP H02160917 A JPH02160917 A JP H02160917A JP 31294888 A JP31294888 A JP 31294888A JP 31294888 A JP31294888 A JP 31294888A JP H02160917 A JPH02160917 A JP H02160917A
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Landscapes
- Artificial Filaments (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〈産業上の利用分野〉
本発明はポリエステルm雑、更に詳しくは極めてすぐれ
た耐摩耗性を有する無塵衣用ポリエステル繊維に関する
。
た耐摩耗性を有する無塵衣用ポリエステル繊維に関する
。
〈従来技術〉
近年、電子機器、精密機器、フィルム製造信条くの産業
分野において、塵埃による障害が問題視されるようにな
り、これらの産業分野ではクリーンルーム内で制電性を
有する無塵衣を着用して作業がなされている。この無塵
衣用の布帛としては、衣服からの発塵(素材発塵)を防
止するために、繊維端を有せず、強度の大きいポリエス
テルマルチフィラメントを用いた織物が良く使われてい
る。
分野において、塵埃による障害が問題視されるようにな
り、これらの産業分野ではクリーンルーム内で制電性を
有する無塵衣を着用して作業がなされている。この無塵
衣用の布帛としては、衣服からの発塵(素材発塵)を防
止するために、繊維端を有せず、強度の大きいポリエス
テルマルチフィラメントを用いた織物が良く使われてい
る。
しかしながらこれらの使用においては、衣服を洗濯する
回数(着用回数)の少ない初期の素材発塵は比較的抑え
られているものの、着用回数が多くなるにつれて発塵性
が高くなり、無塵衣としての機能失うという欠点がある
。
回数(着用回数)の少ない初期の素材発塵は比較的抑え
られているものの、着用回数が多くなるにつれて発塵性
が高くなり、無塵衣としての機能失うという欠点がある
。
この性能低下の原因は、ポリエステルフィラメントのフ
ィブリル化にある。すなわち従来のポリエステル繊維で
は、洗濯時あるいは作業時等に繰り返し摩擦を受ける事
により、繊維軸に平行なフィブリルが発生し、その摩耗
片が飛散して発塵源となる。
ィブリル化にある。すなわち従来のポリエステル繊維で
は、洗濯時あるいは作業時等に繰り返し摩擦を受ける事
により、繊維軸に平行なフィブリルが発生し、その摩耗
片が飛散して発塵源となる。
更にこれら無塵衣の分野においても、制電剤その仙の機
能を有する有機又は無機の改質剤を、ポジエステル中に
添加、練込む事が多い。これらの改質ポリエステル繊維
においては、前記フィブリル化は一層促進されるので、
発塵の抑制効果は更に低下してしまう。
能を有する有機又は無機の改質剤を、ポジエステル中に
添加、練込む事が多い。これらの改質ポリエステル繊維
においては、前記フィブリル化は一層促進されるので、
発塵の抑制効果は更に低下してしまう。
また、無塵衣を構成するフィラメン1への断面が角形状
である等真円形でない場合、フィブリル化は一層促進さ
れるため、無塵衣として大きな欠点となっている。
である等真円形でない場合、フィブリル化は一層促進さ
れるため、無塵衣として大きな欠点となっている。
以上の様に、繊維のフィブリル化は無塵衣の発塵性に関
し好ましくない原因となっているが、これを解決する手
段は現在の所充分なものではない。
し好ましくない原因となっているが、これを解決する手
段は現在の所充分なものではない。
例えば、ポリエステルの分子量を高くする、あるいはフ
レキシブルなポリマーセグメントを共重合の形で導入す
る等ポリエステル自身のポリマー改質、更には延伸の倍
率を小さくして繊維の伸度を大きくする製糸方法の変更
等が提案されているが、上記問題点を解決するには至っ
ていない。
レキシブルなポリマーセグメントを共重合の形で導入す
る等ポリエステル自身のポリマー改質、更には延伸の倍
率を小さくして繊維の伸度を大きくする製糸方法の変更
等が提案されているが、上記問題点を解決するには至っ
ていない。
〈発明の目的〉
本発明は、かかる背景よりなされたもので、極めて優れ
た耐摩耗性を有してフィブリル化し難く、無塵衣用に好
適な布帛が得られるポリエステル繊維を提供することを
目的とする。
た耐摩耗性を有してフィブリル化し難く、無塵衣用に好
適な布帛が得られるポリエステル繊維を提供することを
目的とする。
〈発明の構成〉
本発明者らは、前記問題点を解決するため、ポリエステ
ル繊維の高次構造を詳細に検討した結果、小角X線赤道
散乱強度と耐フィブリル性に強い相関があることを究明
し、本発明に到達した。
ル繊維の高次構造を詳細に検討した結果、小角X線赤道
散乱強度と耐フィブリル性に強い相関があることを究明
し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリエチレンテレフタレートを主体
とするポリエステル繊維であって、該繊維の複屈折が0
.12以下、小角X線赤道散乱強度曲線に極大が0.0
2〜0.04ラジアンの回折角に存在する事を特徴とす
る無塵衣用ポリエステル繊維およびその織物である。
とするポリエステル繊維であって、該繊維の複屈折が0
.12以下、小角X線赤道散乱強度曲線に極大が0.0
2〜0.04ラジアンの回折角に存在する事を特徴とす
る無塵衣用ポリエステル繊維およびその織物である。
本発明においてポリエチレンテレフタレートを主体とす
るポリエステルとは全量の90重量%以上がポリエチレ
ンテレフタレートであるようなポリエステルを指す。但
し10重量%未渦の割合で艶消し、染色性改良、制電、
風合改良その他の目的の無機・有機化合物が添加混合あ
るいは/および共重合されていても差支えない。
るポリエステルとは全量の90重量%以上がポリエチレ
ンテレフタレートであるようなポリエステルを指す。但
し10重量%未渦の割合で艶消し、染色性改良、制電、
風合改良その他の目的の無機・有機化合物が添加混合あ
るいは/および共重合されていても差支えない。
本発明のポリエステルIIi雑においては、小角X線の
赤道散乱ピークが0.02ラジアン〜0,04ラジアン
の回折角に存在する事が必要である。この認定について
は以下のようにして行う。
赤道散乱ピークが0.02ラジアン〜0,04ラジアン
の回折角に存在する事が必要である。この認定について
は以下のようにして行う。
小角X線散乱強度は理学電機社製X線発生装置(Ru
−300)を使用し、NIフィルターを用いて単色化し
たCuKα線(1,5418人)を線源とし理学電機社
製ゴニオメータ−(ON 22035F>を使用して測
定する。赤道方向の散乱強度は第1ピンホール0.2朧
φ、第2ピンホール0,15 #φ。
−300)を使用し、NIフィルターを用いて単色化し
たCuKα線(1,5418人)を線源とし理学電機社
製ゴニオメータ−(ON 22035F>を使用して測
定する。赤道方向の散乱強度は第1ピンホール0.2朧
φ、第2ピンホール0,15 #φ。
サンプル、PSPCからなるコリメーションにより測定
する。PSPCプローブ(有効長5 ctg )の前面
には赤道方向以外からの散乱をカットするために高さ1
Hの横長スリットを挿入する。ここで、サンプルからP
SPCまでの距離は250護である。
する。PSPCプローブ(有効長5 ctg )の前面
には赤道方向以外からの散乱をカットするために高さ1
Hの横長スリットを挿入する。ここで、サンプルからP
SPCまでの距離は250護である。
このようにして測定した散乱強度曲線を第1図に示す。
本発明の繊維はこの曲線にピーク又はショルダーの存在
が認められる。
が認められる。
次に本発明のポリエステル繊維は、繊維全体の平均の複
屈折が0.12以下である事が必要である。
屈折が0.12以下である事が必要である。
この測定にはC:、 arl Z eiss J e
na社製干渉顕微鏡インターフアコを使用し、繊維軸に
平行方向(nl)と垂直方向(nl)の屈折率を測定す
る事により、複屈折(△71=TL// −nl)を求
めた。
na社製干渉顕微鏡インターフアコを使用し、繊維軸に
平行方向(nl)と垂直方向(nl)の屈折率を測定す
る事により、複屈折(△71=TL// −nl)を求
めた。
浸液はα−ブロムナフタリンとオリーブ油の混合液を用
いた。屈折率の分布は1(jhnleらの方法[Mak
romol、Chem、 178.2725 (197
7)参照]により繊維最外層から計輝を行なった。
いた。屈折率の分布は1(jhnleらの方法[Mak
romol、Chem、 178.2725 (197
7)参照]により繊維最外層から計輝を行なった。
本発明のポリエステル繊維の複屈折は以上のように通常
のポリエステル繊維に比較して低い値である点に特徴が
ある。
のポリエステル繊維に比較して低い値である点に特徴が
ある。
本発明におけるポリエステル繊維は通常の紡糸に延伸二
工程法、あるいは紡糸、延伸を連続した直延法等によっ
て製造するよりも、高配向紡糸特に4500m /分収
上の高速紡糸−工程で製糸する方が好ましい。延伸工程
を伴った場合、本発明に記載する小角X線の赤道散乱曲
線上の極大は殆んど認める事ができない。
工程法、あるいは紡糸、延伸を連続した直延法等によっ
て製造するよりも、高配向紡糸特に4500m /分収
上の高速紡糸−工程で製糸する方が好ましい。延伸工程
を伴った場合、本発明に記載する小角X線の赤道散乱曲
線上の極大は殆んど認める事ができない。
更に以上のような高速紡糸においても、ポリエステルの
分子量を高目に設定する、できるだけ分子量分布をシャ
ープにする、紡糸口金の孔面積を大きくする、溶融紡糸
の温度を低目に設定する等の手段を適宜組合ける事がよ
り好ましい。逆に、紡糸中に加熱筒を設けて走行中の糸
条を加熱する方法は、小角X線赤道散乱の極大が消失す
る事が多く好ましくない。
分子量を高目に設定する、できるだけ分子量分布をシャ
ープにする、紡糸口金の孔面積を大きくする、溶融紡糸
の温度を低目に設定する等の手段を適宜組合ける事がよ
り好ましい。逆に、紡糸中に加熱筒を設けて走行中の糸
条を加熱する方法は、小角X線赤道散乱の極大が消失す
る事が多く好ましくない。
いずれにしても、紡糸方法については特に限定する必要
はなく、ポリエステル繊維が前記微細構造を持っている
ことが肝要で、この時耐摩耗性(耐フィブリル性)が飛
躍的に向上するのである。
はなく、ポリエステル繊維が前記微細構造を持っている
ことが肝要で、この時耐摩耗性(耐フィブリル性)が飛
躍的に向上するのである。
但し、前述の紡糸方法は一般に紡糸調子を悪化させる事
が多いので、空気ノズル等を用いて紡糸されたマルチフ
ィラメントを集束する、あるいは紡糸機と捲取機の間の
距離を短くして空気抗力の作用を軽減する等の手段を加
える事が好ましい。
が多いので、空気ノズル等を用いて紡糸されたマルチフ
ィラメントを集束する、あるいは紡糸機と捲取機の間の
距離を短くして空気抗力の作用を軽減する等の手段を加
える事が好ましい。
以上に述べた本発明のポリエステル繊維を用いて無塵衣
織物を織成する方法については、従来公知の方法を取る
事ができる。但し、繊維端を有しない繊維、すなわち長
繊維である事、本発明のポリエステル繊維を少なくとも
50%以上使用する事が必要である。
織物を織成する方法については、従来公知の方法を取る
事ができる。但し、繊維端を有しない繊維、すなわち長
繊維である事、本発明のポリエステル繊維を少なくとも
50%以上使用する事が必要である。
〈発明の作用効果〉
比較のため、本発明のポリエステル糸くωと、通常の紡
糸、延伸2工程により製糸されたポリエステル糸<b〉
について摩耗試験を行い、単糸の切断写真を第2図に示
す。<b+においては径が太く、かつ長いフィブリルに
分割されているのに対し、(ωの場合には径の細いまた
短い多数のフィブリルに分割されているのが特徴的であ
る。また同一条件での摩耗テストにおいては山)の毛羽
発生数に対して、(田の発生数は極めて少ない。
糸、延伸2工程により製糸されたポリエステル糸<b〉
について摩耗試験を行い、単糸の切断写真を第2図に示
す。<b+においては径が太く、かつ長いフィブリルに
分割されているのに対し、(ωの場合には径の細いまた
短い多数のフィブリルに分割されているのが特徴的であ
る。また同一条件での摩耗テストにおいては山)の毛羽
発生数に対して、(田の発生数は極めて少ない。
以上のように本発明のポリエステル繊維は従来にないす
ぐれた耐フィブリル性を有している。その第1の理由と
しては本発明の繊維の場合、太さの均一なミクロフィブ
リルによって構成されているためと推定される。従来の
ポリエステル繊維もミクロフィブリルの集合体として考
えられているが、これらの多くのミクロフィブリルは一
般に不均一であり、太いフィブリルもあれば細いフィブ
リルも混在している。このようにフィブリルの直径が不
揃いな場合(正確にはフィブリル間の距離が不揃いな場
合)小角X線の赤道散乱曲線上にピークは観察されない
のである。
ぐれた耐フィブリル性を有している。その第1の理由と
しては本発明の繊維の場合、太さの均一なミクロフィブ
リルによって構成されているためと推定される。従来の
ポリエステル繊維もミクロフィブリルの集合体として考
えられているが、これらの多くのミクロフィブリルは一
般に不均一であり、太いフィブリルもあれば細いフィブ
リルも混在している。このようにフィブリルの直径が不
揃いな場合(正確にはフィブリル間の距離が不揃いな場
合)小角X線の赤道散乱曲線上にピークは観察されない
のである。
そして、不均一なミクロフィブリルによって構成される
ポリエステル繊維にセン断力等の外力が作用すると、応
力は特に弱いフィブリル界面、おそらくは直径の小さな
フィブリルの界面に集中する。これらフィブリル界面で
の凝集力が応力に抗しきれなくなると、フィブリル配列
上の構造変化が起りマクロなフィブリル化現象に至る。
ポリエステル繊維にセン断力等の外力が作用すると、応
力は特に弱いフィブリル界面、おそらくは直径の小さな
フィブリルの界面に集中する。これらフィブリル界面で
の凝集力が応力に抗しきれなくなると、フィブリル配列
上の構造変化が起りマクロなフィブリル化現象に至る。
これに対し本発明のポリエステルIIは、小角X線赤道
散乱強度ピークの存在から示唆されるように、均なミク
ロフィブリルの集合体であると考えられる。したがって
セン断力は各フィブリルに均等に分散され応力の集中が
少ない。この結果、本発明のポリエステル繊維は摩耗テ
ストで毛羽発生(単糸切れ)が少なく、また切断が起っ
たとしても、その破断面は細くて短いフィブリルになる
と考えられる。
散乱強度ピークの存在から示唆されるように、均なミク
ロフィブリルの集合体であると考えられる。したがって
セン断力は各フィブリルに均等に分散され応力の集中が
少ない。この結果、本発明のポリエステル繊維は摩耗テ
ストで毛羽発生(単糸切れ)が少なく、また切断が起っ
たとしても、その破断面は細くて短いフィブリルになる
と考えられる。
耐フィブリル性が向上する別の理由としては、繊維の複
屈折が低い事、すなわち分子配向が通常のポリエステル
繊維に比較して低くなっている事が指摘できる。m雑表
面部で作用するセン断力は内部の分子鎖にも伝播するが
、この分子鎖が低配向である場合には、この外力を繊維
内部における分子鎖の変形として吸収してしまうためと
考えられる。
屈折が低い事、すなわち分子配向が通常のポリエステル
繊維に比較して低くなっている事が指摘できる。m雑表
面部で作用するセン断力は内部の分子鎖にも伝播するが
、この分子鎖が低配向である場合には、この外力を繊維
内部における分子鎖の変形として吸収してしまうためと
考えられる。
以上のような理由により、本発明になるポリエステル繊
維は従来にないすぐれた耐フィブリル性を有しており、
無塵衣織物となした場合素材発塵量を極度に小さくする
事ができる。特に繊維断面が円形でない例えば三角断面
糸の場合、従来の繊維においてはフィブリル化とこれに
伴う素材発塵は著しく増加するのであるが、本発明の場
合、摩耗テストにおいて単糸切れが少なく、かつ切断部
が顕著にフィブリル化する事がないため、該織物分野に
おいて著しい改良効果を達成する事ができる。更に無塵
衣織物の場合、風合改良、染色性改良、吸水性付与等種
々の目的で改質剤を加え、かつアルカリ処理を施す事も
多い。このような場合繊維のフィブリル化は著しく顕著
になる事が多いが、本発明の場合かくの如きフィブリル
化についても軽減する事ができる。
維は従来にないすぐれた耐フィブリル性を有しており、
無塵衣織物となした場合素材発塵量を極度に小さくする
事ができる。特に繊維断面が円形でない例えば三角断面
糸の場合、従来の繊維においてはフィブリル化とこれに
伴う素材発塵は著しく増加するのであるが、本発明の場
合、摩耗テストにおいて単糸切れが少なく、かつ切断部
が顕著にフィブリル化する事がないため、該織物分野に
おいて著しい改良効果を達成する事ができる。更に無塵
衣織物の場合、風合改良、染色性改良、吸水性付与等種
々の目的で改質剤を加え、かつアルカリ処理を施す事も
多い。このような場合繊維のフィブリル化は著しく顕著
になる事が多いが、本発明の場合かくの如きフィブリル
化についても軽減する事ができる。
その池水発明のポリエステル繊維は、裏地、芯地等の織
物、薄地の作業衣、ワイピングクロス、スポーツ衣料、
スフとしては抗ビル(ノンフィブリル抗ビル)分野での
改良も期待できる。
物、薄地の作業衣、ワイピングクロス、スポーツ衣料、
スフとしては抗ビル(ノンフィブリル抗ビル)分野での
改良も期待できる。
〈実施例〉
実施例1
極限粘度が0.64であり、艶消剤として酸化チタンを
0.3重量%含むポリエチレンテレフタレート(PET
)チップを160℃で4時間乾燥した後、285℃の紡
糸温度で直径0.4#の円形孔24個を有する紡糸口金
から吐出した。吐出フィラメントは口金下10〜90
cmの部分を風速30ctn/秒の横吹き冷却風により
冷却され、紡糸口金下3mに位置するワインダーに毎分
4000〜6500mの各速度で巻取られた。得られた
フィラメントは75de/ 24f i lであった。
0.3重量%含むポリエチレンテレフタレート(PET
)チップを160℃で4時間乾燥した後、285℃の紡
糸温度で直径0.4#の円形孔24個を有する紡糸口金
から吐出した。吐出フィラメントは口金下10〜90
cmの部分を風速30ctn/秒の横吹き冷却風により
冷却され、紡糸口金下3mに位置するワインダーに毎分
4000〜6500mの各速度で巻取られた。得られた
フィラメントは75de/ 24f i lであった。
また比較のため、毎分1500m、 3000m、 4
500m。
500m。
5000mで巻取った後、予熱80℃、スリットヒータ
ー温度180℃でそれぞれ3.2倍、1.7倍、 1
.33倍、1.2倍に延伸し75de/ 24f i
lのマルチフィラメントを得た。
ー温度180℃でそれぞれ3.2倍、1.7倍、 1
.33倍、1.2倍に延伸し75de/ 24f i
lのマルチフィラメントを得た。
以上のようにして得られたフィラメントを経120本/
インチ、緯106本/インチの平織物に織成し、通常の
リラックス精練、熱セット(180℃×1分)を施した
る後J I 5−1−0823−1971に基づき、摩
擦試験機■型を使用し、荷重200j7゜5000回往
復の条件でテストを行った。
インチ、緯106本/インチの平織物に織成し、通常の
リラックス精練、熱セット(180℃×1分)を施した
る後J I 5−1−0823−1971に基づき、摩
擦試験機■型を使用し、荷重200j7゜5000回往
復の条件でテストを行った。
この時の毛羽(単糸切れ)の発生数、破断面の走査型電
子顕微鏡による観察結果を、小角X線の赤道散乱強度曲
線の形状、繊維の複屈折とともに表1に示す。
子顕微鏡による観察結果を、小角X線の赤道散乱強度曲
線の形状、繊維の複屈折とともに表1に示す。
実!N05および6においては毛羽発生は極めて多い。
しかも破断面は太くて長いフィブリルに分裂するため、
耐フィブリル性の累月として適当ではない。次に実施N
o、 7および8においては毛羽発生は相当少なくなっ
ているものの未だ満足すべきレベルではない。これらの
破断面はやはりフィブリル化しているが長さが若干短く
なっている。
耐フィブリル性の累月として適当ではない。次に実施N
o、 7および8においては毛羽発生は相当少なくなっ
ているものの未だ満足すべきレベルではない。これらの
破断面はやはりフィブリル化しているが長さが若干短く
なっている。
次に実施No、 1においては毛羽発生は多く、破断面
は溶断形状を取る。これは1liH中に結晶化が起って
いない事による。No1はまた同様理由により沸水収縮
が高く熱的に不安定であるため、実用に供する事ができ
ない。
は溶断形状を取る。これは1liH中に結晶化が起って
いない事による。No1はまた同様理由により沸水収縮
が高く熱的に不安定であるため、実用に供する事ができ
ない。
以上に対して本発明の実施No、 2〜4の場合、毛羽
の発生は少ない上、破断面は細く短いフィブリル形状を
呈しているため、耐フィブリル素月としては好ましい。
の発生は少ない上、破断面は細く短いフィブリル形状を
呈しているため、耐フィブリル素月としては好ましい。
これらの理由はすでに記載したように小角X線赤道散乱
に独特の極大が存在する事、繊維の複屈折が小さい事に
起因する。
に独特の極大が存在する事、繊維の複屈折が小さい事に
起因する。
第1図は小角X線の赤道方向の散乱強度曲線を示ill
。図中(a)は本発明に該当する繊維、+b+は通常の
紡糸、延伸二工程により得られるポリエステル繊維につ
いてのものである。 第2図は摩耗試験による切断フィラメントの先端を示す
走査型電子顕微鏡写真である。図中(船は本発明に該当
する1lili、(b)は通常の紡糸、延伸二工程によ
り得られるポリエステル繊維、(C)は(b)の縮小図
である。 特許出願人 帝 人 株 式 会 礼式
理 人 弁理士 前 1) 純 博・区 N 塚 手 続 補 正 書(方式) %式% 1、事件の表示 特 願 昭 31294.8 2、発明の名称 無塵衣用ポリエステル繊維およびその織物大阪府大阪市
中央区南本町1丁目6番7号(300)帝人株式会社 代 理 人 東京都千代田区内幸町2丁目1番1号 (飯野 ビル) 5、補正命令の日付 平成1年3月28日 補正の対象 図面 補正の内容 図面の第1図を別紙の通り訂正する。
。図中(a)は本発明に該当する繊維、+b+は通常の
紡糸、延伸二工程により得られるポリエステル繊維につ
いてのものである。 第2図は摩耗試験による切断フィラメントの先端を示す
走査型電子顕微鏡写真である。図中(船は本発明に該当
する1lili、(b)は通常の紡糸、延伸二工程によ
り得られるポリエステル繊維、(C)は(b)の縮小図
である。 特許出願人 帝 人 株 式 会 礼式
理 人 弁理士 前 1) 純 博・区 N 塚 手 続 補 正 書(方式) %式% 1、事件の表示 特 願 昭 31294.8 2、発明の名称 無塵衣用ポリエステル繊維およびその織物大阪府大阪市
中央区南本町1丁目6番7号(300)帝人株式会社 代 理 人 東京都千代田区内幸町2丁目1番1号 (飯野 ビル) 5、補正命令の日付 平成1年3月28日 補正の対象 図面 補正の内容 図面の第1図を別紙の通り訂正する。
Claims (2)
- (1)ポリエチレンテレフタレートを主体とするポリエ
ステル繊維であって、該繊維の複屈折が0.12以下、
小角X線赤道散乱強度曲線に極大が0.02〜0.04
ラジアンの回折角に存在する事を特徴とする無塵衣用ポ
リエステル繊維。 - (2)長繊維である請求項(1)記載のポリエステル繊
維を原糸として織成された無塵衣用織物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31294888A JPH02160917A (ja) | 1988-12-13 | 1988-12-13 | 無麈衣用ポリエステル繊維およびその織物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31294888A JPH02160917A (ja) | 1988-12-13 | 1988-12-13 | 無麈衣用ポリエステル繊維およびその織物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02160917A true JPH02160917A (ja) | 1990-06-20 |
Family
ID=18035404
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31294888A Pending JPH02160917A (ja) | 1988-12-13 | 1988-12-13 | 無麈衣用ポリエステル繊維およびその織物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02160917A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6632501B2 (en) * | 2001-06-06 | 2003-10-14 | Jerry M. Brownstein | Loose fiber adsorbent |
US8398752B2 (en) | 2009-08-04 | 2013-03-19 | Jerry M. Brownstein | High efficiency low pressure drop synthetic fiber based air filter made completely from post consumer waste materials |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60194114A (ja) * | 1984-03-13 | 1985-10-02 | Teijin Ltd | 常圧染色可能なポリエステル繊維 |
JPS6155213A (ja) * | 1984-08-21 | 1986-03-19 | Teijin Ltd | 強撚織編物用ポリエステル原糸 |
JPS6155215A (ja) * | 1984-08-23 | 1986-03-19 | Teijin Ltd | 制電性ポリエステル繊維 |
JPS61152870A (ja) * | 1984-12-26 | 1986-07-11 | 帝人株式会社 | 耐フイブリル性良好なポリエステル強撚織物の製造方法 |
-
1988
- 1988-12-13 JP JP31294888A patent/JPH02160917A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60194114A (ja) * | 1984-03-13 | 1985-10-02 | Teijin Ltd | 常圧染色可能なポリエステル繊維 |
JPS6155213A (ja) * | 1984-08-21 | 1986-03-19 | Teijin Ltd | 強撚織編物用ポリエステル原糸 |
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JPS61152870A (ja) * | 1984-12-26 | 1986-07-11 | 帝人株式会社 | 耐フイブリル性良好なポリエステル強撚織物の製造方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6632501B2 (en) * | 2001-06-06 | 2003-10-14 | Jerry M. Brownstein | Loose fiber adsorbent |
US8398752B2 (en) | 2009-08-04 | 2013-03-19 | Jerry M. Brownstein | High efficiency low pressure drop synthetic fiber based air filter made completely from post consumer waste materials |
US8728212B2 (en) | 2009-08-04 | 2014-05-20 | Jerry M. Brownstein | High efficiency low pressure drop synthetic fiber based air filter made completely from post consumer waste materials |
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