本明細書で使用される場合、「対象」という用語は哺乳動物を指す。対象は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、マウス、ラット、ウサギ、またはそれらのトランスジェニック種であり得る。対象は、患者、またはがん患者であり得る。
本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、1つまたは複数の目的の成分を含む物質または物質の混合物を指す。対象からの試料は、インビボもしくはインサイチューで得られるか、届けられるか、または収集される生物学的組織または流体起源の試料を含む、対象から得られた試料を指す。試料は、前がんもしくはがん細胞または組織を含有する対象の部位から得ることができる。そのような試料は、限定されないが、哺乳動物から単離される臓器、組織、画分及び細胞であり得る。ある特定の実施形態では、試料は、生体液試料または生物学的組織試料などの生体試料であってよい。試料はまた、組織生検であり得る。ある特定の実施形態では、生体試料には、限定されないが、リンパ節、血液試料、血漿試料、全血、部分的に精製された血液、血清、骨髄、細胞溶解産物、細胞培養物、細胞系、組織、経口組織、胃腸組織、臓器、細胞器官、生体液、尿試料、皮膚試料、唾液試料、脳脊髄液試料、または眼液試料が含まれる。
本明細書で使用される場合、「処置する」、「処置すること」または「処置」という用語は、がん患者に関連して使用される場合、(a)がんの成長を阻害すること、またはがんの発生を停止すること、及び(b)がんの退縮を惹起すること、またはがんの存在と関連する1つもしくは複数の症状を遅延させる、もしくは最小化することを含めて、がんの重症度を低下させる、またはがんの進行を遅延もしくは減速させる行動を指す。
本明細書で使用される場合、「投与する」、「投与すること」、または「投与」という用語は、本明細書に記載か、または別段に当技術分野で公知の方法により、化合物、化合物の組合せ、または化合物を含む医薬組成物を対象の身体に送達する、または送達されるようにする行動を指す。化合物、化合物の組合せ、または化合物を含む医薬組成物を投与することは、化合物、化合物の組合せ、または化合物を含む医薬組成物が患者の身体に送達されるように処方することを含む。投与の例示的な形態には、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁剤などの経口剤形;静脈内(IV)、筋肉内(IM)、または腹腔内(IP);皮下(SC)、頭蓋内(IC)などの注射剤形;クリーム剤、ゼリー剤、散剤、または貼付剤を含む経皮剤形;頬側剤形;吸入散剤、噴霧剤、懸濁剤、及び直腸坐剤が含まれる。
本明細書で使用される場合、「治療薬」という語句は、がん及び/またはがんに関連する症状の処置、寛解、予防、または管理において使用することができる任意の作用物質を指す。ある特定の実施形態では、治療薬は、本発明のCXCR4-ADRB2ヘテロマーの阻害剤を指す。治療薬は、がん及び/またはがんに関連する症状の処置、寛解、予防、または管理のために有用であることが周知であるか、または使用されているか、もしくは現在使用されようとしている作用物質であり得る。
本明細書で使用される場合、「有効量」という語句は、本明細書で使用される場合、有利か、または所望の結果をもたらすために十分な量を指す。有効量は、1つまたは複数の投与、施与または投薬で投与することができる。そのような送達は、個々の投薬単位が使用されることになっている期間、作用物質の生物学的利用能、投与経路などを含むいくつかの変項に依存する。
本明細書で使用される場合、疾患または障害と関連して使用される場合の化合物(例えば、本明細書において提供される阻害剤、拮抗薬、または任意の他の治療薬などの治療薬)または化合物の組合せの「治療有効量」という用語は、疾患または障害の処置または管理において治療効果を得るために、または疾患もしくは障害と関連する1つもしくは複数の症状を遅延させる、もしくは最小化するために十分な量を指す。化合物の治療有効量は、単独で、または他の治療と組み合わせて使用された場合に、疾患または障害の処置または管理において治療効果をもたらすであろう化合物の量を意味する。この用語は、治療全体を改善する、症状を緩和もしくは回避する、または別の治療薬の治療効力を増強する量を包含する。この用語はまた、研究者、獣医師、医師、または臨床医が求めている生物学的分子(例えば、タンパク質、酵素、RNA、またはDNA)、細胞、組織、システム、動物、またはヒトの生物学的または医学的応答を十分に誘発する化合物の量を指す。
本明細書で使用される場合、「ヘテロマー」という用語は、それぞれCXCR4単量体もしくはADRB2単量体の生化学的特性とは実証可能に異なるか、またはそれぞれCXCR4単量体及びADRB2単量体の両方の生化学的特性とは実証可能に異なる生化学的特性を有する、CXCR4単位(または時には、CXCR4含有ヘテロマーの状況で同定される場合、CXCR4プロトマーと称される)及びADRB2単位(または時には、ADRB2含有ヘテロマーの状況で同定される場合、ADRB2プロトマーと称される)から構成される高分子複合体を指す。ヘテロマー化は、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫組織化学、RNAseq、逆転写-定量的PCR(時には、RT-qPCR、またはqRT-PCR、またはqPCR、またはリアルタイムPCRと称される)、同定されるヘテロマーの各単量体もしくはプロトマーの発現レベル(例えば、CXCR4-ADRB2ヘテロマーと関連付けられるようなCXCR4及びADRB2の発現レベル)、マイクロアレイ、近接ライゲーションアッセイ(PLA)、時間分解FRET(TR-FRET)、全身単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)または陽電子放射型断層撮影法/コンピュータ断層撮影[法](PET/CT)により評価することができる。
本明細書で使用される場合、「細胞内Ca2+アッセイ」、「カルシウム動員アッセイ」という語句、またはそれらの変化形は、CXCR4活性化もしくは阻害及び/またはADRB2活性化もしくは阻害などのGPCR活性化または阻害と関連するカルシウム流を測定するための細胞ベースのアッセイを指す。この方法は、ほとんどの細胞の細胞質に取り込まれるカルシウム感受性蛍光色素を利用する。色素は、細胞内貯蔵から放出されたカルシウムと結合して、その蛍光を増大させる。蛍光強度の変化は、目的の受容体のリガンド活性化に応答して細胞質に放出される細胞内カルシウムの量と直接相関する。ある特定の実施形態では、GPCRはCXCR4である。ある特定の実施形態では、GPCRはADRB2である。ある特定の実施形態では、細胞ベースのアッセイは、CXCR4-ADRB2ヘテロマー活性化または阻害と関連するカルシウム流を測定する。
本明細書で使用される場合、「近接度に基づくアッセイ」という語句は、CXCR4タンパク質(単量体または単位)及びADRB2タンパク質(単量体または単位)の近接度及び/または結合など、インビトロ(細胞溶解物中)及び生細胞中での2つのタンパク質分子の近接度及び/または結合をモニターすることができる生物物理学的及び生物化学的技術を指し、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、二分子蛍光補完(BiFC)、近接ライゲーションアッセイ(PLA)、システイン架橋、及び共免疫沈降を含む(Ferre,S.,et al.,(2009)Building a new conceptual framework for receptor heteromers,Nat Chem Biol 5,131-134;Gomes,I.,et al.,(2016)G Protein-Coupled Receptor Heteromers,Annu Rev Pharmacol Toxicol 56,403-425)。
CXCR4-ADRB2ヘテロマー形成を検出するための代替の方法には、限定されないが:免疫染色(Bushlin,T.,et al.,(2012)Dimerization with cannabinoid receptors allosterically modulates delta opioid receptor activity during neuropathic pain,PLoS One 7,e49789;Decaillot,F.M.,et al.,(2008)Cell surface targeting of mu-delta opioid receptor heterodimers by RTP4,Proc Natl Acad Sci U S A 105,16045-16050);免疫電子顕微鏡法(Fernandez-Duenas,V.,et al.,(2015)Untangling dopamine-adenosine receptor-receptor assembly in experimental parkinsonism in rats,Dis Model Mech 8,57-63);BRET(Pfleger,K.D.,et al.,(2006)Illuminating insights into protein-protein interactions using bioluminescence resonance energy transfer(BRET),Nat Methods 3,165-174);時間分解FRETアッセイ(Fernandez-Duenas,V.,et al.,2015);インサイチューハイブリダイゼーション(He,S.Q.,et al.,(2011)Facilitation of mu-opioid receptor activity by preventing delta-opioid receptor-mediated codegradation,Neuron 69,120-131);FRET(Lohse,M.J.,et al.,(2012)Fluorescence / bioluminescence resonance energy transfer techniques to study G-protein-coupled receptor activation and signaling,Pharmacol Rev 64,299-336);GPCRヘテロマー同定技術(GPCR-HIT、Dimerix Bioscience)(Mustafa,S.,et al.,(2011)G protein-coupled receptor heteromer identification technology: identification and profiling of GPCR heteromers,J Lab Autom 16,285-291)を使用し、BRET、FRET、BiFC、二分子ルミネセンス補完、酵素切断アッセイ、及びTango Tango GPCRアッセイシステム(Thermo Fisher Scientific)(Mustafa,S.,et al.,(2010)Uncovering GPCR heteromer-biased ligands,Drug Discov Today Technol 7,e1-e94)を使用するβ-アレスチン動員アッセイ;PRESTO-Tangoシステム(Kroeze,W.K.,et al.,(2015)PRESTO-Tango as an open-source resource for interrogation of the druggable human GPCRome,Nat Struct Mol Biol 22,362-369);分泌調節/凝集技術(ARIAD Pharmaceuticals)(Hansen,J.L.,et al.,(2009)Lack of evidence for AT1R/B2R heterodimerization in COS-7,HEK293,and NIH3T3 cells: how common is the AT1R/B2R heterodimer? J Biol Chem 284,1831-1839);受容体選択及び増幅技術(ACADIA Pharmaceuticals)(Hansen,J.L.,et al.,2009);DimerScreen(Cara Therapeutics)(Mustafa,S.,2010);二量体/相互作用タンパク質移行アッセイ(Patobios)(Mustafa,S.,2010);共免疫沈降(Abd Alla,J.,et al.,(2009)Calreticulin enhances B2 bradykinin receptor maturation and heterodimerization,Biochem Biophys Res Commun 387,186-190);表面酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用するGPCR内在化アッセイ(Decaillot,F.M.,et al.,2008)またはフローサイトメトリー(Law,P.Y.,et al.,(2005)Heterodimerization of mu- and delta-opioid receptors occurs at the cell surface only and requires receptor-G protein interactions,J Biol Chem 280,11152-11164);全細胞リン酸化アッセイ(Pfeiffer,M.,et al.,(2002)Heterodimerization of somatostatin and opioid receptors cross-modulates phosphorylation,internalization,and desensitization,J Biol Chem 277,19762-19772);ならびに近接ライゲーションアッセイ(PLA)(Frederick,A.L.,et al.,(2015)Evidence against dopamine D1/D2 receptor heteromers,Mol Psychiatry 20,1373-1385)が含まれる。
CXCR4及びADRB2の両方を発現する細胞における薬理学的特性、シグナル伝達特性、及び/または輸送特性の変化を検出するための代替の方法には、限定されないが:放射性リガンド結合アッセイ(Bushlin,T.,et al.,2012;Pfeiffer,M.,et al.,2002);細胞表面ビオチン化及び免疫ブロット法(He,S.Q.,et al.,2011);免疫染色(Bushlin,T.,et al.,2012;Decaillot,F.M.,et al.,2008);免疫電子顕微鏡法(Fernandez-Duenas,V.,et al.,2015);[35S]GTP-γS結合アッセイ(Bushlin,T.,et al.,2012);Fura 2-アセトメトキシエステル(Molecular Probes)、Fluo-4 NW カルシウム色素(Thermo Fisher Scientific)、またはFLIPR5色素(Molecular Devices)などの色素を使用するカルシウム(Calcuim)イメージングまたはアッセイ;ラジオイムノアッセイキット(Amersham Biosciences)を使用するcAMPアッセイ;AlphaScreen(PerkinElmer Life Sciences);パラメーター環状AMPアッセイ(R&D Systems);femto cAMPキット(Cisbio);cAMP Direct Immunoassay Kit(Calbiochem)またはGloSensor cAMPアッセイ(Promega);GTPアーゼアッセイ(Pello,O.M.,et al.,(2008)Ligand stabilization of CXCR4/delta-opioid receptor heterodimers reveals a mechanism for immune response regulation,Eur J Immunol 38,537-549);PKA活性化(Stefan,E.,et al.,(2007)Quantification of dynamic protein complexes using Renilla luciferase fragment complementation applied to protein kinase A activities in vivo,Proc Natl Acad Sci U S A 104,16916-16921);ERK1/2及び/またはAkt/PKBリン酸化アッセイ(Callen,L.,et al.,(2012)Cannabinoid receptors CB1 and CB2 form functional heteromers in brain,J Biol Chem 287,20851-20865);cAMP応答要素(CRE)などのレポーターアッセイ;血清応答要素(SRE);血清応答因子応答要素(SRF-RE);ならびに分泌アルカリホスファターゼアッセイ(Decaillot,F.M.,et al.,2011);TR-FRETまたは[3H]ミオイノシトールを使用するイノシトール1-リン酸生成の測定(Mustafa,S.,et al.,(2012)Identification and profiling of novel alpha1A-adrenoceptor-CXC chemokine receptor 2 heteromer,J Biol Chem 287,12952-12965);下流標的遺伝子発現を測定するためのRT-qPCR(Mustafa,S.,et al.,2012);ならびにアデニリルシクラーゼ活性(George,S.R.,et al.,(2000)Oligomerization of mu- and delta-opioid receptors. Generation of novel functional properties. J Biol Chem 275,26128-26135);次世代シーケンシング(NGS);ならびに受容体ヘテロ二量化の結果としての受容体機能の変化を検出することができる任意の他のアッセイが含まれる。
本明細書で使用される場合、「ADRB2」という用語は、シグナル伝達が下流のL型カルシウムチャネル相互作用を介して平滑筋弛緩及び気管支拡張などの生理的応答を媒介するエピネフリン(ホルモン及び神経伝達物質(リガンドの別名、アドレナリン))と相互作用するアドレナリン受容体ベータ2(ベータ-2アドレナリン受容体またはβ2アドレノセプターとも称される)、細胞膜貫通ベータアドレナリン受容体を指す(Gregorio,G.G.,et al.,2017)。ADRB2はまた、固有の例示的なデータベース識別子(ID)及び表1に示されているとおりの代替名称により識別される。ADRB2は、平滑筋弛緩、運動神経末端、グリコーゲン分解などの筋肉系において、かつ心筋収縮、心拍出量増加などの循環系において機能する。正常な眼では、サルブタモールによるベータ-2刺激は、網膜を介して眼内圧を上昇させる。消化系では、ADRB2は、肝臓におけるグリコーゲン分解及びグルコース新生ならびに膵臓からのインスリン分泌を誘導する(Fitzpatrick,D.,et al.,(2004)“Table 20:2”(Mass: Sunderland))。ADRB2の活性化は、腫瘍成長を増強し、転移を促進し得る細胞増殖及び侵襲を促進し、がん細胞のアポトーシスを抑制するRas媒介Raf癌原遺伝子セリン/トレオニン-プロテインキナーゼ(Raf)/二重特異性マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ(MEK)/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)/RACセリン/トレオニン-プロテインキナーゼ(Akt)及びcAMP/プロテインキナーゼA/マイトジェン活性化プロテインキナーゼ経路(Quoc Lu’o’ng,K.V.,et al.,(2012)Cancer Manag Res 4: 431-445)を含む、腫瘍成長及び転移を促進するシグナル伝達経路を刺激し得る(Antoni,M.H.,et al.,(2006)Nat Rev Cancer 6: 240-248;Thaker,P.H.,et al.,(2006)Nat Med 12: 939-944)。
本明細書で使用される場合、「CXCL12」という用語(または間質細胞由来因子1(「SDF-1」))は、リンパ球のための強力な走化性因子を指す。胚形成の間は、CXCL12は、胎児肝臓から骨への造血細胞の遊走を指示し、成人では、CXCL12は、CXCR4依存性機構を介して内皮前駆細胞を動員することにより、血管新生において重要な役割を果たす。CXCL12は、脾赤髄及びリンパ節髄質索内でも発現される(Pitt,et al.,(2015)Cancer Cell,27:755-768;及びZhao,et al.,(2011)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 108:337-342)。ヒトCXCL12の例示的なアミノ酸配列及び対応するコーディング核酸配列は、それぞれGENBANKアクセッション番号:NP_954637.1及びNM_199168.3において見い出すことができる。
本明細書で使用される場合、「ADRB2阻害剤」という用語は、ADRB2単量体、またはCXCR4-ADRB2ヘテロマーのADRB2単位もしくはプロトマーの機能を阻害または抑制する分子を指す。本明細書において提供される処置方法、抑制方法、医薬組成物及び/または医薬キット、ならびにそれらの方法及び使用において使用することができるADRB2阻害剤の非限定的例には、限定されないが、ADRB2拮抗薬、ADRB2インバース作動薬、ADRB2陽性アロステリック修飾因子、ADRB2陰性アロステリック修飾因子、ADRB2特異性抗体または単一ドメイン抗体様スキャフォールドを含むその抗原結合部分、スペーサーアームによりCXCR4について選択的なファルマコホアに接続している、ADRB2について選択的なファルマコホアを有する二価リガンド、ADRB2及びCXCR4に対する二重特異性抗体、CXCR4リガンドと連結している放射標識されたADRB2リガンド、ならびにCXCR4-ADRB2ヘテロマー選択的シグナル伝達を阻害する小分子リガンドが含まれる。ある特定の実施形態では、ADRB2阻害剤は、ADRB2単量体の機能を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、ADRB2阻害剤は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのADRB2単位またはプロモーターの機能を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、ADRB2阻害剤は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの機能を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、ADRB2阻害剤は、ADRB2単量体のADRB2作動薬での刺激時に増強される応答を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、ADRB2阻害剤は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのADRB2単位のADRB2作動薬での刺激時に増強される応答を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、ADRB2阻害剤は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのADRB2単位のADRB2作動薬及びCXCR4作動薬での共刺激時に増強される応答を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、ADRB2阻害剤は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのADRB2作動薬及びCXCR4作動薬での共刺激時に増強される応答を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、増強される応答は、増強されるCa2+応答である。ある特定の実施形態では、増強される応答は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強されるがん進行である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される細胞増殖である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される細胞遊走である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される転移である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される腫瘍成長である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される血管新生である。ある特定の実施形態では、細胞(複数可)は、がん細胞(複数可)である。ある特定の実施形態では、細胞(複数可)は、対象に由来する。ある特定の実施形態では、細胞(複数可)は、対象から得られた生体試料に由来する。ADRB2阻害剤のある特定の例を表2に列挙する。
本明細書で使用される場合、「CXCR4阻害剤」という用語は、CXCR4単量体、またはCXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4単位もしくはプロトマーの機能を阻害または抑制する分子を指す。本明細書において提供される処置方法、抑制方法、医薬組成物及び/または医薬キット、ならびにそれらの方法及び使用において使用することができるCXCR4阻害剤の非限定的例には、限定されないが、CXCR4拮抗薬、CXCR4インバース作動薬、CXCR4陽性アロステリック修飾因子、CXCR4陰性アロステリック修飾因子、CXCR4特異性抗体または単一ドメイン抗体様スキャフォールドを含むその抗原結合部分、スペーサーアームによりADRB2について選択的なファルマコホアに接続している、CXCR4について選択的なファルマコホアを有する二価リガンド、CXCR4及びADRB2に対する二重特異性抗体、ADRB2リガンドと連結している放射標識されたCXCR4リガンド、及びCXCR4-ADRB2ヘテロマー選択的シグナル伝達を阻害する小分子リガンドが含まれる。ある特定の実施形態では、CXCR4阻害剤は、CXCR4単量体の機能を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、CXCR4阻害剤は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4単位またはプロトマーの機能を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、CXCR4阻害剤は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの機能を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、CXCR4阻害剤は、CXCR4単量体のCXCR4作動薬での刺激時に増強される応答を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、CXCR4阻害剤は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4単位のCXCR4作動薬での刺激時に増強される応答を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、CXCR4阻害剤は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4単位のCXCR4作動薬及びADRB2作動薬での共刺激時に増強される応答を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、CXCR4阻害剤は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4作動薬及びADRB2作動薬での共刺激時に増強される応答を阻害または抑制する。ある特定の実施形態では、増強される応答は、増強されるCa2+応答である。ある特定の実施形態では、増強される応答は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強されるがん進行である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される細胞増殖である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される細胞遊走である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される転移である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される腫瘍成長である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される血管新生である。ある特定の実施形態では、細胞(複数可)は、がん細胞(複数可)である。ある特定の実施形態では、細胞(複数可)は、対象に由来する。ある特定の実施形態では、細胞(複数可)は、対象から得られた生体試料に由来する。CXCR4阻害剤のある特定の例を表2に列挙する。
本明細書で使用される場合、「タンパク質間相互作用阻害剤」、「PPI阻害剤」という語句、またはそれらの変化形は、タンパク質間相互作用に干渉することができる任意の分子を指す。明確な結合ポケットが関与する酵素-基質相互作用とは違ってタンパク質間相互作用は、比較的広い領域にわたるタンパク質同士の一時的な相互作用または会合であり、静電相互作用、疎水相互作用、水素結合、及び/またはファンデルワールス力により駆動されることが多い。PPI阻害剤には、限定されないが、GPCRヘテロマー界面、例えばCXCR4及びまたはADRB2単位の膜貫通ヘリックス、細胞内ループまたはC末端側尾部を妨害する、ペプチド配列と融合した膜透過性ペプチドまたは脂質が含まれ得る。CXCR4-ADRB2ヘテロマーのPPI阻害剤は、例えば、CXCR4-ADRB2ヘテロマー界面(複数可)を標的とするペプチドと複合化した膜透過性ペプチドもしくは細胞透過性ペプチド(CPP)であってもよいし、またはCXCR4-ADRB2ヘテロマー界面(複数可)を標的とする細胞透過性脂質化ペプチドであってもよい。
例えば、膜透過性ペプチドまたは細胞透過性ペプチドには、HIV-1 TATペプチド、例えばTAT48-60及びTAT49-57;ペネトラチン、例えばpAntp(43-58);ポリアルギニン(Rn、例えばR5~R12);Diatosペプチドベクター1047(DPV1047、Vectocell(登録商標));MPG(SV40大型T抗原の核内局在化シグナル(NLS)と融合したHIV gp41);Pep-1(SV40大型T抗原のNLSと融合した、トリプトファンに富むクラスター);pVECペプチド(血管内皮カドヘリン);p14代替リーディングフレーム(ARF)タンパク質に基づくARF(1-22);未プロセシングウシプリオンタンパク質のN末端BPrPr(1-28);モデル両親媒性ペプチド(MAP);トランスポータン;アズリン由来p28ペプチド;両親媒性βシートペプチド、例えばVT5;プロリンに富むCPP、例えばBac7(Bac1-24);疎水性CPP、例えば、α1-アンチトリプシンに由来するC105Y;合成C105Yに由来するPFVYLI;Pep-7ペプチド(CHL8ペプチドファージクローン);ならびに改変型疎水性CPP、例えば、ステープルドペプチド及びプレニル化ペプチド(Guidotti,G.,et al.,(2017)Cell-Penetrating Peptides: From Basic Research to Clinics,Trends Pharmacol Sci 38,406-424;Kristensen,M.,et al.,(2016)Applications and Challenges for Use of Cell-Penetrating Peptides as Delivery Vectors for Peptide and Protein Cargos,Int J Mol Sci 17)が含まれる。膜透過性ペプチドまたは細胞透過性ペプチドにはさらに、例えば、TAT由来細胞透過性ペプチド、シグナル配列に基づく(例えばNLS)細胞透過性ペプチド、疎水性膜移行配列(MTS)ペプチド、及びアルギニンに富む分子トランスポーターが含まれ得る。細胞透過性脂質化ペプチドには、例えば、ペプデュシン、例えばICL1/2/3、C尾部短鎖パルミトイル化ペプチドが含まれる(Covic,L.,et al.,(2002)Activation and inhibition of G protein-coupled receptors by cell-penetrating membrane-tethered peptides,Proc Natl Acad Sci USA,99,643-648;及びO’Callaghan,K.,et al.,(2012)Turning receptors on and off with intracellular pepducins: new insights into G-protein-coupled receptor drug development. J Biol Chem 287,12787-12796)。
CXCR4-ADRB2ヘテロマー界面を標的とするペプチド(複数可)は、例えば、CXCR4の膜貫通ドメイン、ADRB2の膜貫通ドメイン、CXCR4の細胞内ループ、ADRB2の細胞内ループ、CXCR4のC末端側ドメインまたはADRB2のC末端側ドメイン、CXCR4の細胞外ループ、ADRB2の細胞外ループ、CXCR4のN末端側領域またはADRB2のN末端側領域であり得る。
本明細書で使用される場合、遺伝子に関連して使用される場合の「発現する」、「発現」、または「発現すること」などの用語は、遺伝子が担っている情報が、メッセンジャーRNA(mRNA)への遺伝子の転写、その後のポリペプチド鎖へのmRNA分子の翻訳、ならびに最終的なタンパク質へのそのアセンブリを含めて、表現型として現れることとなるプロセスを指す。ある特定の実施形態では、がんなどの疾患は、特定の遺伝子からの最終的なタンパク質の発現に関してなど、特定の遺伝子の発現に関して特徴づけられ得る。例えば、がんは、CXCR4発現性がん、ADRB2発現性がん、またはCXCR4発現性及びADRB2発現性がんとして特徴づけられ得る。
本明細書で使用される場合、遺伝子に関連して使用される場合の「発現レベル」という語句は、例えば、遺伝子のRNA産物の量(遺伝子のRNAレベル)または遺伝子のタンパク質産物の量(遺伝子のタンパク質レベル)などの遺伝子の発現産物の量または蓄積を指す。遺伝子が1つよりも多い対立遺伝子を有する場合、遺伝子の発現レベルは、別段に指定されていない限り、この遺伝子について存在するすべての対立遺伝子の発現産物の蓄積の総量を指す。例えば、がんは、遺伝子の特定のRNA産物または遺伝子の特定のタンパク質産物などの遺伝子の特定の産物の発現レベル(量)と関連し得る。例えば、がんは、遺伝子の特定のRNA産物または遺伝子の特定のタンパク質産物などの遺伝子の特定の産物の発現レベル(量)と関連し得る。例えば、がんは、CXCR4遺伝子の特定の発現レベルを有し得る。例えば、がんは、ADRB2遺伝子の特定の発現レベルを有し得る。例えば、がんは、CXCR4遺伝子の特定の発現レベル及びADRB2遺伝子の特定の発現レベルを有し得る。例えば、がんは、CXCR4タンパク質の特定の発現レベルを有し得る。例えば、がんは、ADRB2タンパク質の特定の発現レベルを有し得る。例えば、がんは、CXCR4タンパク質の特定の発現レベル及びADRB2タンパク質の特定の発現レベルを有し得る。
本明細書で使用される場合、定量化可能な値に関して使用される場合の「基準」という用語は、試料において測定されるような値の有意性を決定するために使用することができる所定の値を指す。
本明細書で使用される場合、「基準発現レベル」という語句は、細胞または試料における遺伝子の発現レベルの有意性を決定するために使用することができる遺伝子の所定の発現レベルを指す。遺伝子の基準発現レベルは、当技術分野で通常の技能を有する者により決定される基準細胞における遺伝子の発現レベルであり得る。例えば、CXCR4遺伝子の基準発現レベルは、T細胞またはがん細胞などの細胞におけるその平均発現レベルであり得る。したがって、細胞(または細胞の試料)におけるCXCR4遺伝子の発現レベルが、T細胞またはがん細胞などの細胞におけるその平均発現レベルよりも高ければ、その細胞(または細胞の試料)がCXCR4発現性細胞(または細胞のCXCR4発現性試料)であることを示していると決定することができる。例えば、ADRB2遺伝子の基準発現レベルは、T細胞またはがん細胞などの細胞におけるその平均発現レベルであり得る。したがって、細胞(または細胞の試料)におけるADRB2遺伝子の発現レベルが、T細胞またはがん細胞などの細胞におけるその平均発現レベルよりも高ければ、その細胞がADRB2発現性細胞(または細胞のADRB2発現性試料)であることを示していると決定することができる。遺伝子の基準発現レベルは、様々な試料細胞集団における遺伝子の発現レベルの統計的解析を介して当技術分野で通常の技能を有する者により決定されるカットオフ値でもあり得る。例えば、がんは、試料において、CXCR4遺伝子の基準レベルよりも高いCXCR4遺伝子の発現レベルを有し得る。例えば、がんは、試料において、CXCR4タンパク質の基準レベルよりも高いCXCR4タンパク質の発現レベルを有し得る。例えば、がんは、試料において、ADRB2遺伝子の基準レベルよりも高いADRB2遺伝子の発現レベルを有し得る。例えば、がんは、試料において、ADRB2タンパク質の基準レベルよりも高いADRB2タンパク質の発現レベルを有し得る。例えば、がんは、試料において、CXCR4遺伝子の基準レベル及びADRB2遺伝子の基準レベルよりもそれぞれ高いCXCR4遺伝子の発現レベル及びADRB2遺伝子の発現レベルを有し得る。例えば、がんは、試料において、CXCR4タンパク質の基準レベル及びADRB2タンパク質の基準レベルよりもそれぞれ高いCXCR4タンパク質の発現レベル及びADRB2タンパク質の発現レベルを有し得る。ある特定の実施形態では、例えば、ある遺伝子を発現することが既知の細胞を少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%有する試料細胞集団においてその遺伝子の発現レベルを分析することにより、当技術分野で通常の技能を有する者はカットオフ値を、未知の構成を有する細胞集団においてその遺伝子を発現する細胞のパーセンテージを示すために使用することができる遺伝子の基準発現レベルとして決定することができる。
本明細書で使用される場合、対象(例えば、がん患者などのがん対象)に関連する「選択すること」及び「選択される」という用語は、特定の対象が所定の基準または所定の基準のセットを有すること、例えば、対象が基準レベルを超えるCXCR4発現レベルを有すること、対象が基準レベルを超えるADRB2発現レベルを有すること、または対象がそれぞれの基準レベルを超えるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルを有することに基づき(そのことにより)、特定の対象が、より大きな対象の群から特異的に選ばれることを意味するために使用される。同様に、「対象を選択的に処置すること」は、特定の対象が所定の基準または所定の基準のセットを有すること、例えば、対象が基準レベルを超えるCXCR4発現レベルを有すること、対象が基準レベルを超えるADRB2発現レベルを有すること、または対象がそれぞれの基準レベルを超えるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルを有することに基づき(そのことにより)、より大きな対象の群から特異的に選ばれている対象(例えば、がん患者などのがん対象)に、処置を与えることを指す。同様に、「選択的に投与すること」は、特定の対象が所定の基準または所定の基準のセットを有すること、例えば、対象が基準レベルを超えるCXCR4発現レベルを有すること、対象が基準レベルを超えるADRB2発現レベルを有すること、または対象がそれぞれの基準レベルを超えるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルを有することに基づき(そのことにより)、より大きな対象の群から特異的に選ばれている対象(例えば、がん患者などのがん対象)に、薬物を投与することを指す。選択すること、選択的に処置すること、及び選択的に投与することでは、対象に、単に疾患または障害(例えば、がん)を有することに基づく標準処置レジメンを送達するのではなく、対象の生物学に基づき疾患または障害、例えば、がんについての個別療法を送達することが意図されている。
従来、GPCRは、リガンド結合時にヘテロ三量体Gタンパク質と相互作用する単量体として機能すると考えられ、単量体またはホモマーのGPCRに基づいて薬物が開発された(Milligan,G.(2008)A day in the life of a G protein-coupled receptor: the contribution to function of G protein-coupled receptor dimerization,Br J Pharmacol 153 Suppl 1,S216-229)。この考え方は、GPCRがヘテロマーを形成することができ、いくつかのGPCRにはヘテロマー化が必須であることの発見により大幅に変化した。GPCRヘテロマー化は、GPCR成熟及び細胞表面送達、リガンド結合親和性、シグナル伝達強度及び経路、ならびに受容体脱感作及び再生を変化させることが知られている(Terrillon,S.,et al.,(2004)Roles of G-protein-coupled receptor dimerization,EMBO Rep 5,30-34;Ferre,S.,et al.,(2009);Rozenfeld,R.,et al.,(2010)Receptor heteromerization and drug discovery,Trends Pharmacol Sci 31,124-130;Gomes,I.,et al.,(2016);Farran,B.(2017)An update on the physiological and therapeutic relevance of GPCR oligomers,Pharmacol Res 117,303-327)。異なるGPCRヘテロマーは別個の機能的及び薬理学的特性を呈し、GPCRヘテロマー化は細胞種、組織、及び疾患または病状に応じて変化し得る(Terrillon,S.,et al.,2004;Ferre,S.,et al.,2009;Rozenfeld,R.,et al.,2010;Gomes,I.,et al.,2016;Farran,B.,2017)。現在、GPCRヘテロマー化は一般的現象とみなされており、GPCRヘテロマー化の解明は、受容体機能、生理学、疾患及び病状における役割を理解するための新しい道を切り開く。したがって、GPCRヘテロマー及びその機能的特性を同定することは、より少ない副作用、より高い有効性、及び向上した組織選択性で新しい医薬品を開発するためまたは従前の薬物の新たな用途を見出すための新たな機会を提供する(Ferre,S.,et al.,2009;Rozenfeld,R.,et al.,2010;Farran,B.,2017)。
真のGPCRヘテロマーの同定には徹底的かつ批判的な評価を要する。GPCRヘテロマーとGPCRの単純な会合とを区別するために、この分野の研究者及び国際薬理学会受容体命名委員会(NC-IUPHAR)は、GPCRヘテロマーが、「少なくとも2つの(機能性)受容体単位[プロトマー]からなり、その個々の構成要素の生化学特性とは明らかに異なった生化学特性を有する巨大分子複合体」であり、これらのヘテロマーが天然組織中に存在することを言明した(Ferre,S.,et al.,2009;Gomes,I.,et al.,2016;Pin,J.P.,et al.,(2007)International Union of Basic and Clinical Pharmacology. LXVII. Recommendations for the recognition and nomenclature of G protein-coupled receptor heteromultimers,Pharmacol Rev 59,5-13)。彼らは、GPCRヘテロマーを実証するための3つの基準を提案した:(1)共免疫沈降、インサイチューハイブリダイゼーション、または近接ライゲーションアッセイを含めた近接度に基づく技術を用いて、ヘテロマーは、両方の受容体を発現する細胞/組織においてはアロステリズムを可能にする適切な共局在化及び相互作用を呈し、片方の受容体を欠く細胞/組織においてはそれを呈さないものでなければならない;(2)ヘテロマーは、両方の受容体を発現する細胞/組織のみにおいてシグナル伝達、リガンド結合及び/または輸送の変化などの明確な特性を呈し、片方の受容体を欠く細胞/組織においてはそれを呈さないものでなければならない;ならびに(3)ヘテロマー選択的試薬はヘテロマー特異的特性を変化させなければならない。ヘテロマー選択的試薬には、ヘテロマー選択的抗体、膜透過性ペプチド、及び二価/二官能性リガンドが含まれる(Gomes,I.,et al.,2016;Pin,J.P.,et al.,2007)。多くのGPCRヘテロマーは、異種細胞に発現させた組換え受容体を使用してin vitroで同定されたが、ごく少数のみが新規特性を示し、技術的問題のために天然組織でGPCRヘテロマー化の証拠を示したものはほとんどなかった(Gomes,I.,et al.,2016)。NC-IUPHARは、新たなGPCRヘテロマーであると認められるためには当該3つの基準のうちの少なくとも2つを満たす証拠を示さなければならないと発表した(Pin,J.P.,et al.,2007)。
本明細書に開示のとおり、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在/実在を判定する際に3つのうちの基準1を(ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用しているか否かに関して)満たすか否かについて立証するためには、以下を含む方法のうちの1つ以上が利用され得るが、これらに限定されない:共内在化アッセイ;共局在化アッセイ(細胞区画内での受容体プロトマーの共局在化を判定するもの)、例えば、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫組織化学、または免疫電子顕微鏡法;近接度に基づくアッセイ、例えば、近接度に基づく生物物理学的技術、例えば、共鳴エネルギー移動(RET)、生物発光RET(BRET)、蛍光RET(FRET)、時間分解蛍光RET(TR-FRET)、抗体利用FRET、リガンド利用FRET、二分子蛍光補完(BiFC)、CXCR4及びADRB2の発現レベル、及び近接ライゲーションアッセイ(PLA);共免疫沈降アッセイ;または蛍光動物。例えば、BiFC、共内在化アッセイ、CXCR4及びADRB2の発現レベル、またはPLAを利用してCXCR4-ADRB2ヘテロマーが3つのうちの基準1を満たすか否かを評価した。
本明細書に開示のとおり、3つのうちの基準2を(CXCR4-ADRB2ヘテロマーが個々のプロトマーの特性とは別個の特性を呈するか否かに関して)満たすか否か、例えば、増強される下流シグナル伝達、例えば増強されるカルシウム動員(例えばカルシウム動員アッセイで決定される)をもたらすCXCR4-ADRB2ヘテロマーであるか否かについて立証するためには、上述した3つのうちの基準1を満たしたCXCR4-ADRB2ヘテロマーに対して2段階の手法を利用した:(1)個々のプロトマーの状況で、増強される下流シグナル伝達、例えば増強されるカルシウム動員(相乗作用)の存在/非存在を判定すること-HA-VCと片方のプロトマー(CXCR4かADRB2かのいずれか)とを共発現する細胞においてカルシウム動員を(a)CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時と、(b)CXCL12単独またはADRB2作動薬単独のいずれかでの刺激時とで比較する;及び(2)CXCR4-ADRB2ヘテロマーの状況で、増強される下流シグナル伝達、例えば増強されるカルシウム動員(相乗作用)の存在/非存在を判定すること-CXCR4及びADRB2を共発現する細胞においてカルシウム動員を(a)CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時と、(b)CXCL12単独またはADRB2作動薬単独かのいずれかでの刺激の合計とで比較する。本明細書に開示のとおり、3つのうちの基準2を満たし、増強される下流シグナル伝達、例えば増強されるカルシウム動員をもたらすCXCR4-ADRB2ヘテロマーとみなされるためには、(1)いずれかのプロトマーの状況(すなわち、CXCR4とHA-VCの状況、またはADRB2とHA-VCの状況)での増強される下流シグナル伝達、例えば増強されるカルシウム動員の非存在、及び(2)CXCR4-ADRB2ヘテロマーの状況での増強される下流シグナル伝達、例えば増強されるカルシウム動員の存在がなければならない。プロトマーの状況及びCXCR4-ADRB2ヘテロマーの状況のどちらにおいても、細胞を刺激するために用いた(単剤としての、またはADRB2作動薬との組合せでの)CXCL12の濃度、及び細胞を刺激するために用いた(単剤としての、またはCXCL12との組合せでの)ADRB2作動薬(ADRB2に対する内因性作動薬か既知の選択的作動薬かのいずれか)の濃度は独立にEC50濃度の100倍以下の濃度である。例えば、細胞を刺激するために利用した(単剤としての、またはADRB2作動薬との組合せでの)CXCL12の濃度は、(CXCR4に対するおおよそのEC50濃度である)15nMの濃度であった。
本明細書に開示のとおり、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在/実在を判定する際に3つのうちの基準3を(ヘテロマー選択的試薬がヘテロマー特異的特性を変化させるか否かに関して)満たすか否かについて立証するためには、3つのうちの基準1及び3つのうちの基準2を満たす対象由来細胞を拮抗薬(CXCR4拮抗薬、ADRB2拮抗薬またはCXCR4-ADRB2ヘテロマー拮抗薬)の存在下に置き、例えば、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞を細胞増殖させる。
一部の実施形態では、本明細書に開示のとおりの処置方法、抑制方法、医薬組成物、または医薬キットは、細胞におけるCXCR4及びADRB2の会合が、CXCR4-ADRB2ヘテロマーとみなされるための以下を含む基準または特徴のうちの少なくとも2つを満たすことを確立することを含む、またはそれに依拠する:1)判定を以下:共内在化アッセイ、共局在化アッセイ、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫組織化学、免疫電子顕微鏡法、CXCR4及びADRB2の発現レベル、近接度に基づくアッセイ、共免疫沈降アッセイもしくは蛍光動物アッセイのうちの1つ以上により行った場合に、細胞内のCXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用していること;2)カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、a)CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に細胞内の個々のプロトマーの状況においてCXCR4またはADRB2かのいずれかが、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかもしくはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらし、b)CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時にCXCR4-ADRB2ヘテロマーが、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と比べて増強されるカルシウム動員を呈するような、増強されるカルシウム動員量;または3)CXCR4-ADRB2ヘテロマー選択的試薬が、i)対象由来細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる、ii)対象由来細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる、iii)CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞のヘテロマー特異的特性を変化させる、もしくはiv)CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の細胞進行を減少させること(例えば、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のがん進行の減少、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の細胞増殖の減少、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の細胞遊走の減少、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の転移の減少、及び/または当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の血管新生の減少)。一部の実施形態では、以下の方法のうちの少なくとも1つにより判定するとき、CXCR4-ADRB2ヘテロマー選択的試薬は対象由来細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる:PLA、放射性リガンド結合アッセイ、[35S]GTP-γS結合アッセイ、カルシウムアッセイ、cAMPアッセイ、GTPアーゼアッセイ、PKA活性化、ERK1/2及び/またはAkt/PKBリン酸化アッセイ、Src及びSTAT3リン酸化アッセイ、CREレポーターアッセイ、NFAT-REレポーターアッセイ、SREレポーターアッセイ、SRF-REレポーターアッセイ、分泌型アルカリホスファターゼアッセイ、イノシトール1-リン酸産生アッセイ、アデニリルシクラーゼ活性アッセイ、標的遺伝子発現のRT-PCRによる、RT-qPCRによる、RNAseqによる、次世代シーケンシング(NGS)による、またはマイクロアレイによる分析。一部の実施形態では、以下の方法のうちの少なくとも1つにより判定するとき、CXCR4-ADRB2ヘテロマー選択的試薬は、対象由来細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる:PLA、放射性リガンド結合アッセイ、[35S]GTP-γS結合アッセイ、カルシウムアッセイ、cAMPアッセイ、GTPアーゼアッセイ、PKA活性化、ERK1/2及び/またはAkt/PKBリン酸化アッセイ、Src及びSTAT3リン酸化アッセイ、CREレポーターアッセイ、NFAT-REレポーターアッセイ、SREレポーターアッセイ、SRF-REレポーターアッセイ、NF-kB-REレポーターアッセイ、分泌型アルカリホスファターゼアッセイ、イノシトール1-リン酸産生アッセイ、アデニリルシクラーゼ活性アッセイ、標的遺伝子発現のRT-PCRによる、RT-qPCRによる、RNAseqによる、またはマイクロアレイによる分析。一部の実施形態では、以下の方法のうちの少なくとも1つにより判定するとき、CXCR4-ADRB2ヘテロマー選択的試薬は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞のヘテロマー特異的特性を変化させる:がん細胞の増殖、遊走、浸潤及び薬物耐性(生存)に関するアッセイ、免疫細胞機能の調節、血管新生、脈管形成、転移、薬剤抵抗性、組織マイクロアレイ(TMA)、及びがん細胞-腫瘍微小環境(TME)相互作用。例えば、一部の実施形態では、本明細書に開示のとおりの処置方法、抑制方法、医薬組成物、または医薬キットは、細胞におけるCXCR4及びADRB2の会合が、CXCR4-ADRB2ヘテロマーとみなされるための以下を含む基準または特徴のうちの少なくとも2つを満たすことを確立することを含む、またはそれに依拠する:1)判定を以下:共内在化アッセイ、二分子蛍光補完(BiFC)、CXCR4及びADRB2の発現レベル、または近接ライゲーションアッセイ(PLA)のうちの1つ以上により行った場合に、細胞内のCXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用していること;2)カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、a)CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に細胞内の個々のプロトマーの状況においてCXCR4またはADRB2のいずれかが、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかもしくはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらし、b)CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時にCXCR4-ADRB2ヘテロマーが、CXCL12かADRB2作動薬かのいずれかによる単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と比べて増強されるカルシウム動員を呈するような、増強されるカルシウム動員量;または3)CXCR4-ADRB2ヘテロマー選択的試薬が、i)対象由来細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる、ii)対象由来細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる、iii)CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞のヘテロマー特異的特性を変化させる、もしくはiv)当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象のがん進行を減少させること(例えば、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のがん進行の減少、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の細胞増殖の減少、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の細胞遊走の減少、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の転移の減少、及び/または当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の血管新生の減少)。一部の実施形態では、本明細書に開示のとおりの処置方法、抑制方法、医薬組成物、または医薬キットは、細胞におけるCXCR4及びADRB2の会合が、CXCR4-ADRB2ヘテロマーとみなされるための基準1及び2を満たすことを確立することを含む、またはそれに依拠する。一部の実施形態では、本明細書に開示のとおりの処置方法、抑制方法、医薬組成物、または医薬キットは、細胞におけるCXCR4及びADRB2の会合が、CXCR4-ADRB2ヘテロマーとみなされるための基準1及び3を満たすことを確立することを含む、またはそれに依拠する。一部の実施形態では、本明細書に開示のとおりの処置方法、抑制方法、医薬組成物、または医薬キットは、細胞におけるCXCR4及びADRB2の会合が、CXCR4-ADRB2ヘテロマーとみなされるための基準2及び3を満たすことを確立することを含む、またはそれに依拠する。一部の実施形態では、本明細書に開示のとおりの処置方法、抑制方法、医薬組成物、または医薬キットは、細胞におけるCXCR4及びADRB2の会合が、CXCR4-ADRB2ヘテロマーとみなされるための基準1、2及び3を満たすことを確立することを含む、またはそれに依拠する。
本明細書に開示のとおり、3つの基準のうちの少なくとも2つを満たすCXCR4-ADRB2ヘテロマーは、増強される下流シグナル伝達を有し得る、引き起こし得る、または生じさせ得る。増強される下流シグナル伝達は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーに、例えば、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのアゴニズムに、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4アゴニズムに、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのADRB2アゴニズムに、及び/またはCXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4アゴニズム及びADRB2アゴニズムに起因し得る。一部の実施形態では、増強される下流シグナル伝達は、CXCR4、ADRB2、またはCXCR4-ADRB2ヘテロマーの下流であり得る。一部の実施形態では、増強される下流シグナル伝達は、それぞれ個々のプロトマーの状況でのCXCR4プロトマーまたはADRB2プロトマーからの下流シグナル伝達と比べて、CXCR4-ADRB2ヘテロマーからのものであり得る。一部の実施形態では、増強される下流シグナル伝達は、それぞれ個々のプロトマーの状況でのCXCR4プロトマーからの下流シグナル伝達と比べて、CXCR4-ADRB2ヘテロマーからのものであり得る。一部の実施形態では、増強される下流シグナル伝達は、それぞれ個々のプロトマーの状況でのADRB2プロトマーからの下流シグナル伝達と比べて、CXCR4-ADRB2ヘテロマーからのものであり得る。一部の実施形態では、増強される下流シグナル伝達は、それぞれ個々のプロトマーの状況でのCXCR4プロトマー及びADRB2プロトマーからの下流シグナル伝達と比べて、CXCR4-ADRB2ヘテロマーからのものであり得る。当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達は、一部の実施形態では、がん対象において抑制され得、例えば、対象のがん細胞において抑制され得る。一部の実施形態では、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達は、増強されるカルシウム動員量(または相乗的なカルシウム動員の量)であり得るが、これは、細胞内Ca2+アッセイ、例えばカルシウム動員アッセイにより決定され得る。
本明細書に開示のとおり、3つの基準のうちの少なくとも2つを満たすCXCR4-ADRB2ヘテロマーは、増強される下流シグナル伝達を有し得る、引き起こし得る、または生じさせ得るが、その際、その増強される下流シグナル伝達は、増強されるカルシウム動員量である。CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強されるカルシウム動員量は、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時にカルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの当該細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも少なくとも10%多いカルシウム動員量であり得る。一部の実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強されるカルシウム動員量は、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時にカルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの当該細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも少なくとも10%多い相乗的なカルシウム動員の量であり得る。例えば、CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強されるカルシウム動員量(または相乗的なカルシウム動員の量)は、CXCL12及び選択的ADRB2作動薬での共刺激時にカルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの当該細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも少なくとも20%多い、少なくとも30%多い、少なくとも40%多い、少なくとも50%多い、少なくとも75%多い、少なくとも90%多い、少なくとも100%多い、少なくとも150%多い、または少なくとも200%多いカルシウム動員量であり得る。一部の実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強されるカルシウム動員量(または相乗的なカルシウム動員の量)は、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時にカルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの当該細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも10~100%多いカルシウム動員量であり得、例えば、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時にカルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの当該細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも25~100%多い、50~100%多い、75~100%多い、または100~200%多いものであり得るカルシウム動員量であり得る。
一部の実施形態では、本明細書に開示のとおりの処置方法、抑制方法、医薬組成物、または医薬キットによれば、CXCR4-ADRB2ヘテロマーは、3つの基準のうちの少なくとも2つを満たし、それにより、増強される下流シグナル伝達を有する、引き起こす、または生じさせるが、その際、その増強される下流シグナル伝達は、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、a)CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に細胞内の個々のプロトマーの状況においてCXCR4またはADRB2のいずれかが、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらし、b)CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時にCXCR4-ADRB2ヘテロマーが、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と比べて増強されるカルシウム動員を呈するような、増強されるカルシウム動員量である。例えば、一部の実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達は、i)カルシウム動員アッセイにより決定した場合に細胞内の個々のプロトマーの状況でのプロトマーCXCR4またはADRB2からのカルシウム動員が非相乗的であり、ii)カルシウム動員アッセイにより決定した場合に細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーからのカルシウム動員が相乗的であるような、増強されるカルシウム動員量である。一部の実施形態では、個々のプロトマーの状況は、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に、a)個々のプロトマーADRB2の非存在下での細胞内の個々のプロトマーCXCR4、またはb)個々のプロトマーCXCR4の非存在下での細胞内の個々のプロトマーADRB2が、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらすものであり得る。一部の実施形態では、個々のプロトマーの状況は独立に、a)個々のプロトマーADRB2の非存在下での細胞内の個々のプロトマーCXCR4、及びb)個々のプロトマーCXCR4の非存在下での細胞内の個々のプロトマーADRB2が、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらすものであり得る。例えば、一部の実施形態では、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時にCXCR4-ADRB2ヘテロマーは、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの当該細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも多いカルシウム動員量をもたらし得る。
がんに罹患している対象の細胞中のCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達の抑制方法であって、対象に:(a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び(b)ADRB2阻害剤を投与することを含み;その際、(i)増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因し;かつ(ii)投与される阻害剤の組合せが、がん対象において当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、当該方法を本明細書において提供する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象におけるがんの処置方法であって、対象に:(a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び(b)ADRB2阻害剤を投与することを含み;その際、(i)増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因し;かつ(ii)投与される阻害剤の組合せが、がん対象において当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、当該方法を本明細書において提供する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象におけるがんの処置方法であって、(a)対象の細胞がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを決定し、その際、増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因すること;及び(b)対象の細胞が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するならば、そのがん対象に:(i)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び(ii)ADRB2阻害剤を投与することを含む、当該方法を本明細書において提供する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有し、増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する対象におけるがんの処置方法であって、(1)対象がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有するか否かを、対象から生体試料を得るか、または得ていること;及び(i)対象の細胞が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否か;または(ii)CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せが:対象由来細胞(複数可)において当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性もしくは機能を変化させる否か;当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる否か;もしくは当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象においてがんの進行を減少させるか否かを決定するために、生体試料でアッセイを実行するか、または実行していることにより決定すること;ならびに(2)対象が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有するならば、そのがん対象に、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを投与し、その際、CXCR4阻害剤がブリキサフォルであること;ならびに(3)対象が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有さなければ、そのがん対象に、ブリキサフォルまたはADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤を投与することを含む、当該方法を本明細書において提供する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有し、増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する対象におけるがんの処置方法であって、(1)対象がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有するか否かを、対象から生体試料を得るか、または得ていること;及び(i)対象の細胞が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否か;または(ii)CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せが:対象由来細胞(複数可)において当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性もしくは機能を変化させる否か;当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる否か;もしくは当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象においてがんの進行を減少させるか否かを決定するために、生体試料でアッセイを実行するか、または実行していることにより決定すること;ならびに(2)対象が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有するならば、そのがん対象に、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを投与し、その際、CXCR4阻害剤がブリキサフォルであること;ならびに(3)対象が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有さなければ、そのがん対象に、ブリキサフォルまたはADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤を投与することを含み、その際、(a)CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する当該細胞を有する対象におけるがんの進行が、がん対象へのブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せの投与時に、ブリキサフォルまたはADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤の投与と比べて5~100%の範囲でより多く減少し;(b)ブリキサフォルの有効性が、ADRB2阻害剤との組合せでCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する当該細胞を有する対象に投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合のブリキサフォルの有効性と比べて5~2000%の範囲で上昇し;及び/または(c)ADRB2阻害剤の有効性が、ブリキサフォルとの組合せでCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する当該細胞を有する対象に投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合のADRB2阻害剤の有効性と比べて5~2000%の範囲で上昇する、当該方法を本明細書において提供する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有し、増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する対象におけるがんの処置方法であって、(1)対象の細胞が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを、対象から生体試料を得るか、または得ていること、及び当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーが対象の細胞に存在するか否かを決定するために生体試料でアッセイを実行するか、または実行していることにより決定し;その際、生体試料で実行されるアッセイが共内在化アッセイ、共局在化アッセイ、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫組織化学、免疫電子顕微鏡法、近接度に基づくアッセイ、共免疫沈降アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、RNAseq、RT-qPCR、マイクロアレイ、または蛍光動物アッセイのうちの1つもしくは複数であるか、または1つもしくは複数を含むこと;ならびに(2)対象の細胞が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するならば、そのがん対象に、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを投与し、その際、CXCR4阻害剤がブリキサフォルであること;ならびに(3)対象の細胞が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有しなければ、そのがん対象に、ブリキサフォルまたはADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤を投与することを含む、当該方法を本明細書において提供する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有し、増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する対象におけるがんの処置方法であって、(1)対象の細胞がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを、対象から生体試料を得るか、もしくは得ていること、及び当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーが対象の細胞に存在するか否かを決定するために生体試料でアッセイを実行するか、もしくは実行していることにより決定し;その際、生体試料で実行されるアッセイが共内在化アッセイ、共局在化アッセイ、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫組織化学、免疫電子顕微鏡法、近接度に基づくアッセイ、共免疫沈降アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、RNAseq、RT-qPCR、マイクロアレイ、または蛍光動物アッセイのうちの1つもしくは複数であるか、または1つもしくは複数を含むこと;ならびに(2)対象の細胞が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するならば、そのがん対象に、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを投与し、その際、CXCR4阻害剤がブリキサフォルであること;ならびに(3)対象の細胞が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有しなければ、そのがん対象に、ブリキサフォルまたはADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤を投与することを含み、その際、(a)CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する当該細胞を有する対象におけるがんの進行が、がん対象へのブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せの投与時に、ブリキサフォルまたはADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤の投与と比べて5~100%の範囲でより多く減少し;(b)ブリキサフォルの有効性が、ADRB2阻害剤との組合せでCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する当該細胞を有する対象に投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合のブリキサフォルの有効性と比べて5~2000%の範囲で上昇し;及び/または(c)ADRB2阻害剤の有効性が、ブリキサフォルとの組合せでCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する当該細胞を有する対象に投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合のADRB2阻害剤の有効性と比べて5~2000%の範囲で上昇する、当該方法を本明細書において提供する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象においてがんを処置する際に使用するための医薬キットであって、(a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び(b)ADRB2阻害剤を含み;その際、増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、当該医薬キットを本明細書において提供する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象においてがんを処置する際に使用するための医薬組成物であって、(a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;(b)ADRB2阻害剤;及び(c)薬学的に許容される担体を含み、その際、増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、当該医薬組成物を本明細書において提供する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
(a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;(b)ADRB2阻害剤;及び(c)薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を本明細書において提供する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達の抑制方法であって、細胞に:(a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び(b)ADRB2阻害剤を投与することを含み;その際、(i)増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因し;かつ(ii)ブリキサフォル及びADRB2阻害剤との接触が、細胞における当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、当該方法を本明細書において提供する。ある特定の実施形態では、当該方法はさらに、細胞がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを決定することを含む。具体的な実施形態では、細胞は対象の細胞である。具体的な実施形態では、対象の細胞はがん細胞である。具体的な実施形態では、細胞はがん細胞である。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
細胞においてCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を抑制する際に使用するための医薬キットであって、(a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び(b)ADRB2阻害剤を含み;その際、(i)増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、当該医薬キットを本明細書において提供する。具体的な実施形態では、細胞は対象の細胞である。具体的な実施形態では、対象の細胞はがん細胞である。具体的な実施形態では、細胞はがん細胞である。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
細胞においてCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を抑制する際に使用するための医薬組成物であって、(a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;(b)ADRB2阻害剤及び(c)薬学的に許容される担体を含み;その際、増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、当該医薬組成物を本明細書において提供する。具体的な実施形態では、細胞は対象の細胞である。具体的な実施形態では、対象の細胞はがん細胞である。具体的な実施形態では、細胞はがん細胞である。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物はさらに、がん対象においてCXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を検出することを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法及び使用はさらに、がん対象においてCXCR4-ADRB2ヘテロマーを同定することを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法及び使用はさらに、対象から生体試料を得ることを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法及び使用はさらに、当該対象から得られた生体試料でアッセイを行うことを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法及び使用はさらに、(i)がん対象から生体試料を得ること、または得ていること;(ii)がん対象から得られた生体試料においてCXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在、アイデンティティ、または存在及びアイデンティティを決定するための診断アッセイを行うこと、または行っていること;ならびに(iii)CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を抑制するために、ブリキサフォルと組み合わせて投与するためのADRB2阻害剤を選択することを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法及び使用はさらに、対象の細胞がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを決定すること、対象から得られた生体試料においてアッセイを実行することを含むことを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法及び使用はさらに、対象の細胞がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを決定すること、対象から生体試料を得ることを含むこと、及び当該対象から得られた生体試料においてアッセイを実行することを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法及び使用は、当該対象から得られた生体試料がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有することを含む。一部の実施形態では、対象の生体試料は生体液試料である。一部の実施形態では、生体液試料は血液試料、血漿試料、唾液試料、脳脊髄液試料、眼液試料、または尿試料である。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法及び使用はさらに、液体生検を生体液試料で実行することを含む。一部の実施形態では、対象の生体試料は生物学的組織試料である。一部の実施形態では、生物学的組織試料は臓器組織試料、骨組織試料、または腫瘍組織試料である。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法及び使用はさらに、組織試料アッセイを生物学的組織試料で実行することを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法及び使用は、対象の細胞がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有することを含む。一部の実施形態では、細胞はがん細胞である。一部の実施形態では、対象の細胞はがん細胞である。一部の実施形態では、対象は患者である。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物はさらに、CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、以下の特徴:
(1)細胞内のCXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用していること;(2)増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因すること;及び/または(3)ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが:(i)対象由来細胞(複数可)におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる;(ii)対象由来細胞(複数可)におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる;(iii)CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる;及び/または(iv)当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象においてがん進行を減少させること
のうちの2つ以上を有することを含む。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:細胞内のCXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用していることを有すると特徴づけられることを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法及び使用はさらに、細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4及びADRB2構成要素の共局在化ならびに直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介しての物理的相互作用を同定または決定するためのアッセイを実行することを含む。具体的な実施形態では、細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素の共局在化及び物理的相互作用を決定するアッセイには、共内在化アッセイ、共局在化アッセイ、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫組織化学、免疫電子顕微鏡法、近接度に基づくアッセイ、共免疫沈降アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、RNAseq、RT-PCR、RT-qPCR、CXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、CXCR4及びADRB2の発現レベル、マイクロアレイ、または蛍光動物アッセイのうちの1つまたは複数が含まれる。具体的な実施形態では、アッセイは共内在化アッセイである。具体的な実施形態では、アッセイは共局在化アッセイである。具体的な実施形態では、アッセイはインサイチューハイブリダイゼーションアッセイである。具体的な実施形態では、アッセイは共免疫沈降アッセイである。具体的な実施形態では、アッセイは近接度に基づくアッセイである。具体的な実施形態では、近接度に基づくアッセイは、共鳴エネルギー移動(RET)、生物発光RET(BRET)、蛍光RET(FRET)、時間分解蛍光RET(TR-FRET)、抗体利用FRET、リガンド利用FRET、二分子蛍光補完(BiFC)、または近接ライゲーションアッセイ(PLA)であるか、またはそれを含む。具体的な実施形態では、TR-FRETはリガンド利用TR-FRETである。具体的な実施形態では、TR-FRETは抗体利用TR-FRETである。具体的な実施形態では、アッセイは二分子蛍光補完(BiFC)である。具体的な実施形態では、アッセイは近接ライゲーションアッセイ(PLA)である。具体的な実施形態では、アッセイは酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)である。具体的な実施形態では、アッセイはフローサイトメトリーアッセイである。具体的な実施形態では、アッセイは、CXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、及び/またはCXCR4及びADRB2の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、アッセイは、RNAseqを介してCXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、及び/またはCXCR4及びADRB2の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、アッセイは、RT-PCRを介してCXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、及び/またはCXCR4及びADRB2の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、アッセイは、RT-qPCRを介してCXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、及び/またはCXCR4及びADRB2の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、アッセイはマイクロアレイアッセイである。具体的な実施形態では、アッセイは蛍光動物アッセイである。具体的な実施形態では、アッセイは、当該対象から得られた生体試料におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を決定する。具体的な実施形態では、アッセイは、対象におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を決定する。具体的な実施形態では、アッセイは、対象の細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を決定する。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因することを有すると特徴づけられることを含む。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーは、増強される下流シグナル伝達をもたらす。具体的な実施形態では、増強される下流シグナル伝達は、当該対象の細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在に起因する。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーは、対象の細胞において増強される下流シグナル伝達をもたらす。具体的な実施形態では、増強される下流シグナル伝達はCXCR4-ADRB2ヘテロマーのアゴニズムに起因する。具体的な実施形態では、増強される下流シグナル伝達は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4アゴニズムに起因する。具体的な実施形態では、増強される下流シグナル伝達は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのADRB2アゴニズムに起因する。具体的な実施形態では、増強される下流シグナル伝達は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4アゴニズム及びADRB2アゴニズムに起因する。具体的な実施形態では、増強される下流シグナル伝達は、CXCR4、ADRB2、またはCXCR4-ADRB2ヘテロマーの下流である。具体的な実施形態では、増強される下流シグナル伝達はCXCR4の下流である。具体的な実施形態では、増強される下流シグナル伝達はADRB2の下流である。具体的な実施形態では、増強される下流シグナル伝達はCXCR4-ADRB2ヘテロマーの下流である。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達は、それぞれ個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマーまたはADRB2プロトマーからの下流シグナル伝達と比べてのものである。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達は、個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマーからの下流シグナル伝達と比べてのものである。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達は、個々のプロトマーの状況におけるADRB2プロトマーからの下流シグナル伝達と比べてのものである。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達は、それぞれ個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマー及びADRB2プロトマーからの下流シグナル伝達と比べてのものである。具体的な実施形態では、増強される下流シグナル伝達は、増強されるカルシウム動員量である。具体的な実施形態では、増強される応答は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強されるがん進行である。具体的な実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される細胞増殖である。具体的な実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される細胞遊走である。具体的な実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される転移である。具体的な実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される腫瘍成長である。具体的な実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される血管新生である。具体的な実施形態では、細胞(複数可)は、がん細胞(複数可)である。具体的な実施形態では、細胞(複数可)は、対象由来細胞(複数可)である。具体的な実施形態では、細胞(複数可)は、対象から得られた生体試料に由来する。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因することを有すると特徴づけられ;増強されるカルシウム動員量が細胞内Ca2+アッセイにより決定されることを含む。具体的な実施形態では、細胞内Ca2+アッセイは、カルシウム動員アッセイである。具体的な実施形態では、カルシウム動員アッセイは、CXCR4-ADRB2ヘテロマーが増強される下流シグナル伝達をもたらすことを決定する。具体的な実施形態では、カルシウム動員アッセイは、増強される下流シグナル伝達がCXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在に起因することを決定する。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーは、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、a)CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に細胞内の個々のプロトマーの状況においてCXCR4またはADRB2のいずれかが、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらし;かつb)CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時にCXCR4-ADRB2ヘテロマーが、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と比べて増強されるカルシウム動員を呈するような、カルシウム動員の量の増強を示す。具体的な実施形態では、細胞内の個々のプロトマーの状況におけるプロトマーCXCR4またはADRB2からのカルシウム動員は、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、非相乗的であり;かつ細胞内のCXCR4-ADRB2ヘテロマーからのカルシウム動員は、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、相乗的である。具体的な実施形態では、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、個々のプロトマーの状況において:a)個々のプロトマーADRB2の非存在下での細胞内の個々のプロトマーCXCR4、またはb)個々のプロトマーCXCR4の非存在下での細胞内の各個々のプロトマーADRB2は、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらす。具体的な実施形態では、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、個々のプロトマーの状況において、a)個々のプロトマーADRB2の非存在下での細胞内の個々のプロトマーCXCR4、及びb)個々のプロトマーCXCR4の非存在下での細胞内の各個々のプロトマーADRB2は独立に、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に、CXCL12またはADRB2作動薬かのいずれかによる単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらす。具体的な実施形態では、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCL12及びADRB2作動薬での共刺激は、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの当該細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも多いカルシウム動員量をもたらす。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの共刺激に起因するカルシウム動員量は、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員の合計と比べて増強されるカルシウム動員量である。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強されるカルシウム動員量は、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの当該細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも多い、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時のカルシウム動員量である。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強されるカルシウム動員量は、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの当該細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも少なくとも10%多い、少なくとも20%多い、少なくとも30%多い、少なくとも40%多い、少なくとも50%多い、少なくとも75%多い、または少なくとも90%多い、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時のカルシウム動員量である。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強されるカルシウム動員量は、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの当該細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも少なくとも100%多い、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時のカルシウム動員量である。具体的な実施形態では、増強されるカルシウム動員量は、相乗的なカルシウム動員の量である。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞からの相乗的なカルシウム動員の量は、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、CXCL12またはADRB2作動薬のいずれかでの当該細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも少なくとも10%多い、少なくとも20%多い、少なくとも30%多い、少なくとも40%多い、少なくとも50%多い、少なくとも75%多い、または少なくとも90%多い、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時のカルシウム動員量である。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:増強される応答(または増強される下流シグナル伝達)が当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーの共刺激などの当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーの刺激に起因することを有すると特徴づけられることを含む。ある特定の実施形態では、増強される応答(または増強される下流シグナル伝達)は、増強されるカルシウム動員量である。ある特定の実施形態では、カルシウム動員は、細胞内Ca2+アッセイにより決定される。具体的な実施形態では、細胞内Ca2+アッセイはカルシウム動員アッセイである。ある特定の実施形態では、増強される応答は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強されるがん進行である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される細胞増殖である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される細胞遊走である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される転移である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される腫瘍成長である。ある特定の実施形態では、増強されるがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する対象において増強される血管新生である。ある特定の実施形態では、細胞(複数可)は、がん細胞(複数可)である。ある特定の実施形態では、細胞(複数可)は、対象に由来する。ある特定の実施形態では、細胞(複数可)は、対象から得られた生体試料に由来する。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、(1)ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが対象由来細胞(複数可)におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる;(2)ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが対象由来細胞(複数可)におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる;(3)ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せがCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる;ならびに(4)ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のがん進行を減少させる、からなる群から選択される特徴の1つまたは複数を有すると特徴づけられることを含む。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーは、ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが対象由来細胞(複数可)におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させると特徴づけられる。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーは、ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが対象由来細胞(複数可)におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させると特徴づけられる。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーは、ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せがCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させると特徴づけられる。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーは、ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のがん進行を減少させると特徴づけられる。具体的な実施形態では、減少するがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のがん進行の減少を含む。具体的な実施形態では、減少するがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の細胞増殖の減少を含む。具体的な実施形態では、減少するがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の細胞遊走の減少を含む。具体的な実施形態では、減少するがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の転移の減少を含む。具体的な実施形態では、減少するがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の血管新生の減少を含む。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:CXCR4作動薬またはADRB2作動薬のいずれかでの当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーの単独刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量と比べて多い量の下流ERKシグナル伝達がCXCR4作動薬及びADRB2作動薬でのCXCR4-ADRB2ヘテロマーの共刺激に起因することを有すると特徴づけられることを含む。一部の実施形態では、CXCR4作動薬及びADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量は、CXCR4作動薬での単独刺激に起因する量よりも多い。一部の実施形態では、CXCR4作動薬及びADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量は、CXCR4作動薬での単独刺激に起因する量よりも少なくとも5%多い。一部の実施形態では、CXCR4作動薬及びADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量は、CXCR4作動薬での単独刺激に起因する量よりも少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%多い。一部の実施形態では、CXCR4作動薬及びADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量は、CXCR4作動薬での単独刺激に起因する量よりも5~15%、10~25%、20~50%、40~75%、または60~100%の範囲で多い。一部の実施形態では、CXCR4作動薬及びADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量は、ADRB2作動薬での単独刺激に起因する量よりも多い。一部の実施形態では、CXCR4作動薬及びADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量は、ADRB2作動薬での単独刺激に起因する量よりも少なくとも5%多い。一部の実施形態では、CXCR4作動薬及びADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量は、ADRB2作動薬での単独刺激に起因する量よりも少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%多い。一部の実施形態では、CXCR4作動薬及びADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量は、ADRB2作動薬での単独刺激に起因する量よりも5~15%、10~25%、20~50%、40~75%、または60~100%の範囲で多い。具体的な実施形態では、CXCR4作動薬はCXCL12であり、ADRB2作動薬はサルメテロールである。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物は、投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが(i)対象由来細胞(複数可)におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる;(ii)対象由来細胞(複数可)におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる;(iii)CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる;または(iv)当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象においてがん進行を減少させること含む。具体的な実施形態では、投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せは、対象由来細胞(複数可)におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる。具体的な実施形態では、投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せは、対象由来細胞(複数可)におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる。具体的な実施形態では、投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せは、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる。具体的な実施形態では、投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せは、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象においてがん進行を減少させる。具体的な実施形態では、減少するがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のがん進行の減少を含む。具体的な実施形態では、減少するがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の細胞増殖の減少を含む。具体的な実施形態では、減少するがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の細胞遊走の減少を含む。具体的な実施形態では、減少するがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の転移の減少を含む。具体的な実施形態では、減少するがん進行は、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の血管新生の減少を含む。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物は、投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが、当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーから、例えば、細胞における当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーから、またはがん対象の細胞における当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーからなど、がん対象における当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制することを含む。具体的な実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素は、CXCR4及びADRB2の個々のプロトマーを含む。一部の実施形態では、個々のプロトマーの状況においてCXCR4またはADRB2のいずれかを含有する細胞は、それぞれ(i)個々のプロトマーADRB2の存在もしくは非存在下で個々のプロトマーCXCR4;または(ii)個々のプロトマーCXCR4の存在もしくは非存在下で個々のプロトマーADRB2を含む。一部の実施形態では、個々のプロトマーの状況においてCXCR4を含有する細胞は、個々のプロトマーADRB2の存在もしくは非存在下で個々のプロトマーCXCR4を含む。具体的な実施形態では、個々のプロトマーの状況においてCXCR4を含有する細胞は、個々のプロトマーADRB2の非存在下で当該個々のプロトマーCXCR4を含む。具体的な実施形態では、個々のプロトマーの状況においてCXCR4を含有する細胞は、個々のプロトマーADRB2の存在下で当該個々のプロトマーCXCR4を含む。一部の実施形態では、個々のプロトマーの状況においてADRB2を含有する細胞は、個々のプロトマーCXCR4の存在または非存在下で個々のプロトマーADRB2を含む。具体的な実施形態では、個々のプロトマーの状況においてADRB2を含有する細胞は、個々のプロトマーCXCR4の非存在下で当該個々のプロトマーADRB2を含む。具体的な実施形態では、個々のプロトマーの状況においてADRB2を含有する細胞は、個々のプロトマーCXCR4の存在下で当該個々のプロトマーADRB2を含む。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルであり、かつADRB2阻害剤はカルベジロールである。
一部の実施形態では、がんの進行は、当該対象への単一の阻害剤としてのCXCR4阻害剤またはADRB2阻害剤の投与と比べて、阻害剤の組合せの投与時に相乗的に減少する。一部の実施形態では、阻害剤の組合せを投与したときのがんの進行の減少は、当該対象に単一の阻害剤としてCXCR4阻害剤またはADRB2阻害剤を投与することにより達成される進行のレベルの減少の合計よりも大きい。一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する当該がん細胞を有する対象におけるがんの進行は、阻害剤の組合せの投与時に、当該対象への単一の阻害剤としてのCXCR4阻害剤またはADRB2阻害剤の投与と比べて5~100%の範囲でより多く減少する、例えば、阻害剤の組合せの投与時に、当該対象への単一の阻害剤としてのCXCR4阻害剤またはADRB2阻害剤の投与と比べて5~100%の範囲でより多く、10~100%多く、20~100%多く、30~100%多く、40~100%多く、50~100%多く、60~100%多く、75~100%多く、5~75%多く、5~50%多く、または5~25%多く減少する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルである。具体的な実施形態では、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。具体的な実施形態では、がんの進行は、腫瘍サイズのパーセンテージ変化により決定される。具体的な実施形態では、がんの進行は、1か月、2か月、3か月、6か月、1年、または2年の期間にわたる腫瘍サイズのパーセンテージ変化により決定される。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物では、CXCR4阻害剤の有効性は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する当該がん細胞を有する対象にADRB2阻害剤との組合せで投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合のCXCR4阻害剤の有効性と比べて5~5000%の範囲で上昇する、例えば、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する当該がん細胞を有する対象にADRB2阻害剤との組合せで投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合のCXCR4阻害剤の有効性と比べて5~4500%、5~4000%、5~3500%、5~3000%、5~2500%、5~2000%、5~1750%、5~1500%、5~1250%、5~1000%、5~900%、5~800%、5~700%、5~500%、5~400%、5~250%、5~200%、5~100%、5~75%、5~50%、5~40%、5~30%、5~25%、1000~3000%、2000~4000%、3000~5000%、3500~4500%、4000~5000%、100~2000%、200~2000%、300~2000%、500~2000%、750~2000%、1000~2000%、1250~2000%、1500~2000%、5~1500%、25~1500%、50~1500%、75~1500%、100~1500%、200~1500%、300~1500%、500~1500%、750~1500%、1000~1500%、または1250~1500%の範囲で上昇する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルである。具体的な実施形態では、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。具体的な実施形態では、対象の細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーに対するCXCR4阻害剤の(例えばCXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達の抑制における)有効性の上昇は、CXCR4阻害剤が単一の阻害剤として投与される場合のIC50値と比べての、CXCR4阻害剤がADRB2阻害剤との組合せで投与される場合のIC50値の変化により決定される。具体的な実施形態では、本明細書に開示のアッセイによるCXCR4阻害剤のIC50値の決定は、1~10μMの範囲のADRB2阻害剤の濃度、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10μMの濃度を利用することができる。具体的な実施形態では、本明細書に開示のアッセイによるCXCR4阻害剤のIC50値の決定は、ADRB2に対してそのIC90濃度のADRB2阻害剤、例えば、1~1,000nM、例えば、1~500nM、100~750nM、または600~1,000nMの範囲の濃度のADRB2阻害剤、例えば、10、25、50、100、250、500、600、700、800、900、または1,000nMの濃度を利用することができる。
一部の実施形態では、本明細書において提供される処置方法、抑制方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物では、ADRB2阻害剤の有効性は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する当該がん細胞を有する対象にCXCR4阻害剤との組合せで投与される場合、単一の阻害剤として投与される場合のADRB2阻害剤の有効性と比べて5~5000%の範囲で上昇する、例えば、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する当該がん細胞を有する対象にCXCR4阻害剤との組合せで投与される場合、単一の阻害剤として投与される場合のADRB2阻害剤の有効性と比べて5~4500%、5~4000%、5~3500%、5~3000%、5~2500%、5~2000%、5~1750%、5~1500%、5~1250%、5~1000%、5~900%、5~800%、5~700%、5~500%、5~400%、5~250%、5~200%、5~100%、5~75%、5~50%、5~40%、5~30%、5~25%、1000~3000%、2000~4000%、3000~5000%、3500~4500%、4000~5000%、100~2000%、200~2000%、300~2000%、500~2000%、750~2000%、1000~2000%、1250~2000%、1500~2000%、5~1500%、25~1500%、50~1500%、75~1500%、100~1500%、200~1500%、300~1500%、500~1500%、750~1500%、1000~1500%、または1250~1500%の範囲で上昇する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルである。具体的な実施形態では、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。具体的な実施形態では、対象の細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーに対するADRB2阻害剤の(例えばCXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達の抑制における)有効性の上昇は、ADRB2阻害剤が単一の阻害剤として投与される場合のIC50値と比べての、ADRB2阻害剤がCXCR4阻害剤との組合せで投与される場合のIC50値の変化により決定される。具体的な実施形態では、具体的な実施形態では、本明細書に開示のアッセイによるADRB2阻害剤のIC50値の決定は、1~10μMの範囲のCXCR4阻害剤の濃度、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10μMの濃度を利用することができる。具体的な実施形態では、本明細書に開示のアッセイによるADRB2阻害剤のIC50値の決定は、CXCR4に対してそのIC90濃度のCXCR4阻害剤、例えば、1~1,000nM、例えば、1~500nM、100~750nM、または600~1,000nMの範囲の濃度のCXCR4阻害剤を、例えば、10、25、50、100、250、500、600、700、800、900、または1,000nMの濃度で利用することができる。
一部の実施形態では、本明細書において提供される処置方法、抑制方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物は、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、当該方法または使用は、がん対象におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を、単一の阻害剤投与と比べて5~2000倍の範囲で抑制し、例えば、がん対象における当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を、単一の阻害剤投与と比べて5~1750倍、5~1500倍、5~1250倍、5~1000倍、5~900倍、5~800倍、5~700倍、5~500倍、5~400倍、5~250倍、5~200倍、5~100倍、5~75倍、5~50倍、5~40倍、5~30倍、5~25倍、100~2000倍、200~2000倍、300~2000倍、500~2000倍、750~2000倍、1000~2000倍、1250~2000倍、1500~2000倍、5~1500倍、25~1500倍、50~1500倍、75~1500倍、100~1500倍、200~1500倍、300~1500倍、500~1500倍、750~1500倍、1000~1500倍、または1250~1500倍の範囲で抑制する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルである。具体的な実施形態では、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
一部の実施形態では、本明細書において提供される処置方法、抑制方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物は、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、当該方法または使用は、がん対象におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を、それぞれ個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマーまたはADRB2プロトマーのいずれかからの下流シグナル伝達の抑制と比べて5~2000倍の範囲で抑制し、例えば、がん対象における当該CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を、それぞれ個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマーまたはADRB2プロトマーのいずれかからの下流シグナル伝達の抑制と比べて5~1750倍、5~1500倍、5~1250倍、5~1000倍、5~900倍、5~800倍、5~700倍、5~500倍、5~400倍、5~250倍、5~200倍、5~100倍、5~75倍、5~50倍、5~40倍、5~30倍、5~25倍、100~2000倍、200~2000倍、300~2000倍、500~2000倍、750~2000倍、1000~2000倍、1250~2000倍、1500~2000倍、5~1500倍、25~1500倍、50~1500倍、75~1500倍、100~1500倍、200~1500倍、300~1500倍、500~1500倍、750~1500倍、1000~1500倍、または1250~1500倍の範囲で抑制する。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルである。具体的な実施形態では、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
本明細書に開示の方法に従って、CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する際に、及び/または本明細書に開示のアッセイに従ってIC50値を決定する際に有効か、または治療上有効かに関する阻害剤、または阻害剤の組合せの当初の試験及び評価では、1~10μMの範囲の濃度の阻害剤を(または組合せの阻害剤のそれぞれを1~10μMの範囲の濃度で)、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10μMの濃度で利用することができる。阻害剤によるシグナルの抑制が、確定することができる測定値に十分とは認められなければ、より高い濃度の阻害剤を、IC50値などの確定することができる測定値をより良好に評価するために使用することができる。阻害剤によるシグナルの抑制が非常に強ければ、より低い濃度の阻害剤を、IC50値などの確定することができる測定値をより良好に評価するために使用することができる。
一部の実施形態では、本明細書において提供される方法は、疾患の処置、寛解、または予防を必要とする対象において疾患を処置する、寛解させる、または予防するための方法である。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法は、治療有効量の本明細書において提供される医薬組成物を対象に投与することを含んでよい。例えば、本明細書において提供される医薬組成物は、CXCR4阻害剤、ADRB2阻害剤、またはCXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せと;薬学的に許容される担体とを含み得る。本発明の方法を使用して処置または予防することができる疾患には、限定されないが、がん、腫瘍、転移、及び/または血管新生が含まれる。例えば、一部の実施形態では、本明細書において提供される方法は、がん、腫瘍、及び/または微小環境の細胞がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを発現するがんまたは関連症状を処置するために有用である。一部の実施形態では、がんは、血液学的がんまたは固形腫瘍である。一部の実施形態では、がんは、再発性または難治性がんである。一部の実施形態では、がんは血液学的がんである。一部の実施形態では、血液学的がんは、リンパ腫、白血病、骨髄腫、及び多発性骨髄腫からなる群から選択される。一部の実施形態では、血液学的がんは、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、急性単球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、B細胞急性リンパ芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、急性前骨髄球性白血病、慢性好酸球性白血病、及びバーキットリンパ腫からなる群から選択される。一部の実施形態では、本発明の方法を使用して処置する、寛解させる、または予防することができるがんまたは腫瘍の非限定的例には、消化管の腫瘍、例えば、乳癌、肺癌、肺の小細胞癌、肝細胞癌、脳癌、腎臓癌、膵臓癌または膵臓腺癌、卵巣癌、前立腺癌、悪性黒色腫、リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫、腎細胞癌、軟部組織肉腫、胃腸癌、胃癌、結腸癌、結腸直腸癌、結腸直腸腺癌、膀胱腺癌、食道癌、ならびに胃、食道、咽喉、及び尿生殖路の腺癌が含まれる。一部の実施形態では、リンパ腫は、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、またはNK細胞リンパ腫である。一部の実施形態では、リンパ腫は、再発性または難治性リンパ腫である。一部の実施形態では、リンパ腫は、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、活性化B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、濾胞性中心リンパ腫、形質転換リンパ腫、中分化型のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(ILL)、びまん性低分化リンパ球性リンパ腫(PDL)、中心細胞性リンパ腫、びまん性核切れ込み小細胞型リンパ腫(DSCCL)、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、マントル層リンパ腫、及び低悪性度濾胞性リンパ腫からなる群から選択される。一部の実施形態では、白血病は、(a)急性リンパ球性白血病(ALL)、T細胞急性リンパ球性白血病(T-ALL)、B細胞急性リンパ芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄球性白血病(AML)、急性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病及び骨髄芽球、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、ならびに赤白血病からなる群から選択される急性白血病;(b)慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性骨髄性(myelogenous)白血病(慢性骨髄性(myeloid)白血病;CML)、及び慢性リンパ球性白血病(CLL)からなる群から選択される慢性白血病;または(c)慢性骨髄性単球性白血病(CMML)、慢性好酸球性白血病、若年性骨髄性単球性白血病(JMML)、真性多血症、ナチュラルキラー細胞白血病(NK白血病)、もしくはヘアリーセル白血病である。一部の実施形態では、がんは固形腫瘍である。一部の実施形態では、固形腫瘍は良性腫瘍またはがんである。一部の実施形態では、固形腫瘍は、癌腫または肉腫である。一部の実施形態では、固形腫瘍は、膵臓腺癌、膵臓管状腺癌、腎細胞癌、乳房腺癌、乳癌、乳房管状腺癌、卵巣漿液性腺癌、卵巣明細胞腺癌、卵巣粘液性嚢胞腺癌、子宮癌肉腫、子宮内膜腺癌、子宮内膜間質性肉腫、子宮内膜癌、胃管状腺癌、胃腺扁平上皮癌、多発性内分泌新形成、悪性黒色腫、甲状腺癌、前立腺癌、肝細胞癌、肝臓内胆管癌、肺腺癌、小細胞肺癌、腺扁平上皮肺癌、悪性類上皮中皮腫、神経膠芽腫、髄芽細胞腫、神経膠星状細胞腫、胞巣状横紋筋肉腫、及び骨肉腫からなる群から選択される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、滑膜腫、中皮腫、悪性類上皮中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃癌、結腸直腸癌、食道癌、結腸癌、リンパ悪性病変、膵臓癌、膵臓腺癌、膵臓管状腺癌、乳癌、乳房腺癌、乳房管状腺癌、肺癌、小細胞肺癌、肺腺癌、腺扁平上皮肺癌、胞巣状横紋筋肉腫、卵巣癌、卵巣明細胞腺癌、卵巣粘液性嚢胞腺癌、卵巣漿液性腺癌、前立腺癌、肝細胞癌、軟部組織肉腫、扁平上皮細胞癌腫、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、髄様甲状腺癌、乳頭状甲状腺癌、甲状腺癌、褐色細胞腫、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、胃腸癌、胃管状腺癌、胃腺扁平上皮癌、腎臓癌、肝臓内胆管癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛上皮腫、ウィルムス腫瘍、子宮癌肉腫、子宮内膜腺癌、子宮内膜間質性肉腫、子宮内膜癌、子宮頸癌、精巣腫瘍、精上皮腫、膀胱癌、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、多発性内分泌新形成、CNS腫瘍、神経膠芽腫、神経膠星状細胞腫、CNSリンパ腫、胚細胞腫、髄芽腫、神経鞘腫 頭蓋咽頭腫(craniopharyogioma)、上衣細胞腫、松果体腫(pineaioma)、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、及び脳転移からなる群から選択される。一部の実施形態では、固形腫瘍は、乳癌、肺癌、及び肝細胞癌腫からなる群から選択される。一部の実施形態では、固形腫瘍は乳癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は肺癌である。一部の実施形態では、固形腫瘍は肝細胞癌である。一部の実施形態では、がんの処置方法は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達の抑制方法である。一部の実施形態では、CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達の抑制方法は、がんの処置方法である。一部の実施形態では、がんはCXCR4発現がんである。一部の実施形態では、がんはADRB2発現がんである。一部の実施形態では、がんはCXCR4発現がん及びADRB2発現がんである。一部の実施形態では、対象におけるCXCR4発現レベルは基準レベルよりも高い。一部の実施形態では、対象におけるADRB2発現レベルは基準レベルよりも高い。一部の実施形態では、対象におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルは、それぞれの基準レベルよりも高い。一部の実施形態では、細胞におけるCXCR4発現レベルは基準レベルよりも高い。一部の実施形態では、細胞におけるADRB2発現レベルは基準レベルよりも高い。一部の実施形態では、細胞におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルはそれぞれの基準レベルよりも高い。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物はさらに、細胞における、対象における、または対象から得られた試料におけるCXCR4遺伝子の発現レベルを決定することを含み、その際、発現レベルがCXCR4遺伝子の基準レベルよりも高ければ、細胞、対象、または対象から得られた試料はCXCR4発現がんを有すると決定される。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、細胞においてCXCR4遺伝子の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、対象においてCXCR4遺伝子の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、対象から得られた試料においてCXCR4遺伝子の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、がんはCXCR4発現がんである。具体的な実施形態では、細胞におけるCXCR4遺伝子発現レベルは基準レベルよりも高い。具体的な実施形態では、対象におけるCXCR4遺伝子発現レベルは基準レベルよりも高い。具体的な実施形態では、対象から得られた試料におけるCXCR4遺伝子発現レベルは基準レベルよりも高い。CXCR4遺伝子発現レベルが基準レベルよりも高い具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含む。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルである。具体的な実施形態では、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物はさらに、細胞における、対象における、または対象から得られた試料におけるADRB2遺伝子の発現レベルを決定することを含み、その際、発現レベルがADRB2遺伝子の基準レベルよりも高ければ、細胞、対象、または対象から得られた試料はADRB2発現がんを有すると決定される。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、細胞においてADRB2遺伝子の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、対象においてADRB2遺伝子の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、対象から得られた試料においてADRB2遺伝子の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、がんはADRB2発現がんである。具体的な実施形態では、細胞におけるADRB2遺伝子発現レベルは基準レベルよりも高い。具体的な実施形態では、対象におけるADRB2遺伝子発現レベルは基準レベルよりも高い。具体的な実施形態では、対象から得られた試料におけるADRB2遺伝子発現レベルは基準レベルよりも高い。ADRB2遺伝子発現レベルが基準レベルよりも高い具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含む。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルである。具体的な実施形態では、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物はさらに、細胞における、対象における、または対象から得られた試料におけるCXCR4遺伝子及びADRB2遺伝子の発現レベルを決定することを含み、その際、CXCR4遺伝子及びADRB2遺伝子の発現レベルがCXCR4遺伝子及びADRB2遺伝子のそれぞれの基準レベルよりも高ければ、細胞、対象、または対象から得られた試料はCXCR4発現及びADRB2発現がんを有すると決定される。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、細胞においてCXCR4遺伝子及びADRB2遺伝子の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、対象においてCXCR4遺伝子及びADRB2遺伝子の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、対象から得られた試料においてCXCR4遺伝子及びADRB2遺伝子の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、がんはCXCR4発現及びADRB2発現がんである。具体的な実施形態では、細胞におけるCXCR4遺伝子及びADRB2遺伝子発現レベルはそれぞれの基準レベルよりも高い。具体的な実施形態では、対象におけるCXCR4遺伝子及びADRB2遺伝子発現レベルはそれぞれの基準レベルよりも高い。具体的な実施形態では、対象から得られた試料におけるCXCR4遺伝子及びADRB2遺伝子発現レベルはそれぞれの基準レベルよりも高い。CXCR4遺伝子及びADRB2遺伝子発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含む。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルである。具体的な実施形態では、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物はさらに、細胞における、対象における、または対象から得られた試料におけるCXCR4タンパク質の発現レベルを決定することを含み、その際、発現レベルがCXCR4タンパク質の基準レベルよりも高ければ、細胞、対象、または対象から得られた試料は、CXCR4発現がんを有すると決定される。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、細胞においてCXCR4タンパク質の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、対象においてCXCR4タンパク質の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、対象から得られた試料においてCXCR4タンパク質の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、がんはCXCR4発現がんである。具体的な実施形態では、細胞におけるCXCR4タンパク質発現レベルは基準レベルよりも高い。具体的な実施形態では、対象におけるCXCR4タンパク質発現レベルは基準レベルよりも高い。具体的な実施形態では、対象から得られた試料におけるCXCR4タンパク質発現レベルは基準レベルよりも高い。CXCR4タンパク質発現レベルが基準レベルよりも高い具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含む。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルである。具体的な実施形態では、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物はさらに、細胞における、対象における、または対象から得られた試料におけるADRB2タンパク質の発現レベルを決定することを含み、その際、発現レベルがADRB2タンパク質の基準レベルよりも高ければ、細胞、対象、または対象から得られた試料は、ADRB2発現がんを有すると決定される。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、細胞においてADRB2タンパク質の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、対象においてADRB2タンパク質の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、対象から得られた試料においてADRB2タンパク質の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、がんはADRB2発現がんである。具体的な実施形態では、細胞におけるADRB2タンパク質発現レベルは基準レベルよりも高い。具体的な実施形態では、対象におけるADRB2タンパク質発現レベルは基準レベルよりも高い。具体的な実施形態では、対象から得られた試料におけるADRB2タンパク質発現レベルは基準レベルよりも高い。ADRB2タンパク質発現レベルが基準レベルよりも高い具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含む。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルである。具体的な実施形態では、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物はさらに、細胞における、対象における、または対象から得られた試料におけるCXCR4タンパク質及びADRB2タンパク質の発現レベルを決定することを含み、その際、CXCR4タンパク質及びADRB2タンパク質の発現レベルがCXCR4タンパク質及びADRB2タンパク質のそれぞれの基準レベルよりも高ければ、細胞、対象、または対象から得られた試料はCXCR4発現及びADRB2発現がんを有すると決定される。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、細胞においてCXCR4タンパク質及びADRB2タンパク質の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、対象においてCXCR4タンパク質及びADRB2タンパク質の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、対象から得られた試料においてCXCR4タンパク質及びADRB2タンパク質の発現レベルを決定する。具体的な実施形態では、がんはCXCR4発現及びADRB2発現がんである。具体的な実施形態では、細胞におけるCXCR4タンパク質及びADRB2タンパク質発現レベルはそれぞれの基準レベルよりも高い。具体的な実施形態では、対象におけるCXCR4タンパク質及びADRB2タンパク質発現レベルはそれぞれの基準レベルよりも高い。具体的な実施形態では、対象から得られた試料におけるCXCR4タンパク質及びADRB2タンパク質発現レベルはそれぞれの基準レベルよりも高い。CXCR4タンパク質及びADRB2タンパク質発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い具体的な実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含む。具体的な実施形態では、CXCR4阻害剤はブリキサフォルである。具体的な実施形態では、ADRB2阻害剤はカルベジロールである。
一部の実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物(本明細書では時に「医薬製剤」と称される)は、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せと、薬学的に許容される担体とを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物は、CXCR4阻害剤と、薬学的に許容される担体とを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物は、ADRB2阻害剤と、薬学的に許容される担体とを含む。本発明の医薬組成物において使用することができる薬学的に許容される担体は、生理学的に許容される担体などの当技術分野で公知の標準的な医薬担体、添加剤または安定剤、例えば、リン酸緩衝生理食塩溶液、水及び乳剤、例えば、油性及び水性乳剤、ならびに様々な種類の湿潤剤のいずれかを含む。これらの医薬組成物は、処置を必要とする対象の標的領域にCXCR4阻害剤、ADRB2阻害剤、またはCXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを送達するために十分な液体単位剤形で、または任意の他の投薬形態として調製することができる。例えば、医薬組成物は、選択された投与様式、例えば、血管内、筋肉内、皮下、皮内、髄腔内などに適切な任意の手法で調製することができる。他の任意選択の成分、例えば、医薬品グレードの安定化剤、緩衝剤、防腐剤、添加剤などは当業者により容易に選択することができる。pH、等張性、安定性などに十分な考慮がなされている医薬組成物の調製は当技術分野における技能のレベルの範囲内である。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物において利用することができる本明細書において提供される医薬組成物は、(a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;(b)ADRB2阻害剤;及び(c)薬学的に許容される担体を含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、ADRB2阻害剤が、ADRB2の拮抗薬、ADRB2のインバース作動薬、ADRB2の部分拮抗薬、ADRB2のアロステリック修飾因子、ADRB2の抗体、ADRB2の抗体断片、ADRB2のリガンド、または抗体-薬物コンジュゲートであることを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、ADRB2阻害剤が拮抗薬ADRB2であることを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、ADRB2阻害剤がインバース作動薬ADRB2であることを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、ADRB2阻害剤が部分拮抗薬ADRB2であることを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、ADRB2阻害剤がADRB2のアロステリック修飾因子であることを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、ADRB2阻害剤がADRB2の抗体であることを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、ADRB2阻害剤がADRB2の抗体断片であることを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、ADRB2阻害剤がADRB2のリガンドであることを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、ADRB2阻害剤が抗体-薬物コンジュゲートであることを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、ADRB2阻害剤がアルプレノロール、アテノロール、ベタキソロール、ブプラノロール、ブトキサミン、カラゾロール、カルベジロール、CGP 12177、シクロプロロール、ICI 118551、ICYP、ラベタロール、レボベタキソロール、レボブノロール、LK 204-545、メトプロロール、ナドロール、NIHP、NIP、プロパフェノン、プロプラノロール、ソタロール、SR59230A、及びチモロールからなる群から選択されることを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、ADRB2阻害剤がカルベジロールであることを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、治療有効量のブリキサフォルを対象に投与することを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、準治療有効量のブリキサフォルを対象に投与することを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、治療有効量のADRB2阻害剤を対象に投与することを含む。具体的な実施形態では、本明細書において提供される医薬組成物、またはそれを利用する本明細書において提供される使用方法は、準治療有効量のADRB2阻害剤を対象に投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書において提供される抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物は、ブリキサフォルを、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物として投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、ADRB2阻害剤を、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物として投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せを連続的に、併用して、または同時に投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せを、薬学的に許容される担体をさらに含む医薬組成物として投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、ブリキサフォル及びADRB2阻害剤を医薬組成物の組合せとして投与することを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、医薬組成物の組合せが(a)ブリキサフォル及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物;ならびに(b)ADRB2阻害剤及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を含むことを含む。一部の実施形態では、本明細書において提供される方法または使用は、医薬組成物の組合せを連続的に、併用して、または同時に投与することを含む。
本明細書において提供されるCXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を含有する医薬製剤、CXCR4阻害剤を含有する医薬製剤、ならびにADRB2阻害剤を含有する医薬製剤は、貯蔵のために、所望の純度を有する阻害剤を任意選択の生理学的に許容される最適な担体、添加剤または安定化剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990)Mack Publishing Co.,Easton,PA)と混合することにより凍結乾燥製剤または水溶液の形態で調製することができる。許容される担体、添加剤または安定化剤は、採用される投薬量及び濃度で受容者に対して非毒性であり、それには、緩衝剤、例えば、リン酸塩、クエン酸塩及び他の有機酸;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;保存剤、例えば塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えばメチルもしくはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール;約10残基未満の低分子量ポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチンもしくは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンもしくはリジン;単糖類、二糖類及び他の炭水化物、例えば、グルコース、マンノースもしくはデキストリン;EDTAなどのキレート剤;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトール;塩形成性対イオン、例えばナトリウム;金属錯体、例えばZn-タンパク質錯体;及び/または非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商標)、PLURONICS(商標)もしくはポリエチレングリコール(PEG)が含まれる。
本発明の様々な実施形態の活性に実質的に影響を与えない改変も、本明細書において提供される本発明の定義の内に含まれることは理解される。したがって、以下の実施例は本明細書に開示の本発明を例示するものであって、限定するものではないことが意図されている。
実施例1。CXCR4-GPCRxヘテロマー形成のBiFCアッセイによる評価
新規CXCR4-GPCRxヘテロマーを同定するために、黄色蛍光タンパク質VenusのN末端側断片(VN)と融合した143種のGPCR、及びVenusのC末端側断片(VC)と融合した147種のGPCRをコードする組換えアデノウイルスを調製した(例えば、Song,Y.B.,et al.,(2014)Monitoring G protein-coupled receptor activation using an adenovirus-based beta-arrestin bimolecular fluorescence complementation assay,Anal Biochem 449,32-41;韓国特許第101029972B1号、2011年4月12日発行;Y.B.,(2012)“Global analysis of GPCR dimerization using AdBiFC assay,” A Thesis Submitted in Partial Fulfillment of the Requirements for the Degree of Doctor of Philosophy,School of Biological Sciences,Seoul National University,126 pagesを参照されたい)。二分子蛍光補完(BiFC)アッセイを用いてCXCR4-GPCRxヘテロマーを同定し(図1)、その際、Venusの2つの相補的なVN及びVC断片は、それらと融合している2つの異なるタンパク質の間の相互作用により両断片が十分に近接しているときにのみ、蛍光信号を再構成するものである(Hu,C.D.,et al.,(2002)Visualization of interactions among bZIP and Rel family proteins in living cells using bimolecular fluorescence complementation,Mol Cell 9,789-798)。
U-2 OS細胞を96ウェルプレートに播種し、CXCR4-VNとGPCRx-VC、またはCXCR4-VCとGPCRx-VNをコードするアデノウイルスをそれぞれ30MOIで共形質導入し、GPCRを2日間発現させた。細胞をヘキスト33342で染色した後に、IN Cell Analyzer 1000を使用して1ウェルあたり3つの視野からBiFC及び核画像を取得した。各ウェルからの約200細胞の画像をIN Cell Developer ToolBox(GE Healthcare,Waukesha,WI)内の多標的分析ソフトウェアにより解析した。細胞境界をヘキスト信号に基づいて目立たせ、細胞1個あたりの蛍光強度を測定した。バックグラウンドレベルよりも高い蛍光強度を有する細胞をBiFC陽性細胞とみなした。極めて高い強度を示した死細胞は細胞計数から除外した。陽性細胞を判定し、陽性細胞計数比率(「BiFCスコア」)を(陽性細胞/全細胞)×100として算出した。
CXCR4-VNがHA-VC(図2A)と、またはグルカゴン受容体をコードするGPCRであるGCGR-VC(図2C)と共発現する場合、黄色蛍光タンパク質(YFP)信号(BiFC信号)は観察されなかった。対照的に、CXCR4-VNがCXCR4-VCと共発現する場合(図2B)、原形質膜及び細胞質においてBiFC信号が観察された。CXCR4-VNをADRB2-VC(図2D)と共形質導入した場合、強いBiFC信号が原形質膜及び細胞質において観察された。バックグラウンドレベルよりも高いBiFC蛍光信号を示した細胞をBiFC陽性細胞として計数し、BiFCスコアを算出した。
タンパク質間相互作用は、BiFCの蛍光タンパク質断片またはBRETのウミシイタケルシフェラーゼなどの融合タグによる影響をパートナータンパク質の発現、折りたたみまたは局在化への干渉を通じて受けることがある。パートナータンパク質も、融合タグの発現または折りたたみを悪化させ、近接度に基づくアッセイの結果に影響を与えることがある。このため、特定の組合せにおける2つのタンパク質の間のシグナルの非存在は必ずしもタンパク質が相互作用しないことの示唆であるとは限らず、単に、結合しているドナー及びアクセプター分子が、相互作用を起こさせない特定の配座にあるということを示唆している(Eidne,K.A.,et al.,(2002)Applications of novel resonance energy transfer techniques to study dynamic hormone receptor interactions in living cells,Trends Endocrinol Metab 13,415-421;Kerppola,T.K.,(2006)Design and implementation of bimolecular fluorescence complementation(BiFC)assays for the visualization of protein interactions in living cells,Nat Protoc 1,1278-1286)。
したがって、CXCR4-VN及びGPCRx-VC、またはCXCR4-VC及びGPCRx-VNのいずれかの組合せでBiFC信号を示したCXCR4及びGPCRxは、相互作用しているタンパク質であると考えられる。周知のホモマーであるCXCR4-VNとCXCR4-VCとの対のBiFCスコアは9.9であった。このため、10と等しいかまたはそれよりも高いBiFCスコアを示したCXCR4-GPCRx対をCXCR-GPCRxヘテロマーの候補として選択した。CXCR4-ADRB2のCXCR4-GPCRx対は、24のBiFCスコアを示し、したがって、CXCR-GPCRxヘテロマー候補と考えられた。BiFC分析に関する追加のGPCRの評価は、2018年12月18日出願の国際出願PCT/KR2018/016166に報告された。
実施例2。CXCR4-GPCRxヘテロマー形成の共内在化アッセイによる評価
GPCRヘテロマーのいくつかは、ヘテロマー化の結果として輸送特性の変化、例えば、パートナーGPCR(GABA(B)受容体)の成熟(White,1998)、作動薬により媒介される細胞表面からのパートナーGPCRの内在化(DOR-GRPR、A2A-D2R)(Hillion,J.,et al.,(2002)Coaggregation,cointernalization,and codesensitization of adenosine A2A receptors and dopamine D2 receptors,J Biol Chem 277,18091-18097;Liu,X.Y.,et al.,(2011)Unidirectional cross-activation of GRPR by MOR1D uncouples itch and analgesia induced by opioids,Cell 147,447-458;Torvinen,M.,et al.,(2005)Trafficking of adenosine A2A and dopamine D2 receptors,J Mol Neurosci 25,191-200)、及びパートナーGPCRの細胞内区画から細胞表面への局在化の変化(DOR-CB1)(Rozenfeld,R.,et al.,(2012)Receptor heteromerization expands the repertoire of cannabinoid signaling in rodent neurons,PLoS One 7,e29239)を呈することが知られている。
対の片方のみに対して選択的な作動薬に応答した共発現GPCRの対の共内在化を用いてGPCRヘテロマー化を確認した(Milligan,2008)。GPCRxが、共発現する場合のCXCR4の輸送を調節するか否か及びCXCR4-GPCRxヘテロマーを形成するか否かを調べるために、さらにはBiFCアッセイを用いて確認されたCXCR4及びGPCRxの間の物理的相互作用を裏付けるために、CXCR4-GFP及びGPCRxをコードするアデノウイルスを細胞に共形質導入し、GPCRx作動薬での刺激の前及び30分後にGFP画像を取得した。細胞表面におけるGFP発現の減少または細胞の内部におけるGFP顆粒の出現をGPCRxとのCXCR4-GFP共内在化とみなした(図3のA~B)。
図4のA~Bでは、CXCR4(図4A)及びADRB2(図4B)に特異的なGPCRx作動薬で、細胞を刺激した(それぞれ10nMのCXCL12(図4A)及び100nMのホルモテロール(図4B))。作動薬刺激の前及び30分後に画像を取得し、IN Cell Analyzer 2000を使用して分析した。これらのGPCRx作動薬の濃度の選択を最初はそれぞれの特異的GPCRxのEC50濃度(または別法では、KiまたはKd濃度)に定め、生じた信号が強すぎる場合には濃度をEC50未満に下げ、生じた信号が弱すぎる場合には濃度をEC50濃度の10,000倍以下に上げた。
CXCR4-GFPを発現する細胞をCXCL12で刺激すると、原形質膜から別個の細胞内顆粒へとGFPが再配置され、表面CXCR4-GFPの細胞質中への内在化が示された(図4A)。BiFCアッセイにより同定されたCXCR4-ADRB2ヘテロマーに関して、CXCR4-GFP及びADRB2を共発現する細胞における細胞内GFP顆粒の増加及び原形質膜でのGFP信号の減少により明らかになったとおり(図4B)、ADRB2はCXCR4の内在化を誘導し、したがってヘテロマー共内在化が確認された。CXCR4の誘導内在化に関する追加のGPCRの評価は、2018年12月18日出願の国際出願PCT/KR2018/016166に報告された。
実施例3。CXCR4-GPCRxヘテロマー形成時に増強されるCXCR4下流シグナル伝達及び増強されるシグナル伝達の阻害のCa2+動員アッセイによる評価
CXCR4-GPCRxヘテロマーが(片方の受容体を欠く細胞において)個々のプロトマーの特性とは別個の特性を呈するか否かをさらに調べるために、いずれかのGPCRまたは両方のGPCRを発現する細胞においていずれかまたは両方の作動薬の存在下でのカルシウムシグナル伝達を研究した。この実施例では、実施例2に記述したとおり、これらのGPCRx作動薬の濃度の選択を最初はそれぞれの特異的GPCRxのEC50濃度(または別法では、KiまたはKd濃度)に設定し、生じたCa2+信号が強すぎる場合には濃度をEC50未満に下げ、生じたCa2+信号が弱すぎる場合には濃度をEC50濃度の100倍以下に上げた。
CXCR4をコードするアデノウイルスをMDA-MB-231ヒト乳癌細胞に形質導入した場合、CXCL12での刺激は細胞内カルシウム動員を引き起こした(図5A)。ADRB2選択的作動薬であるサルメテロールでの細胞の刺激はカルシウム応答を誘導せず、CXCL12により引き起こされるカルシウム応答はCXCR4により媒介されることが実証された。CXCL12及びサルメテロールでの細胞の共刺激は、CXCL12単独により誘導されるカルシウム応答と比較して同程度のカルシウム応答を誘導した。ADRB2のみを過剰発現する細胞では、CXCL12単独はカルシウム応答を誘導しなかったが、サルメテロール単独はカルシウム応答を誘導し、サルメテロールがADRB2を介してカルシウム応答を誘導することが示された(図5B)。両方の作動薬での共刺激は、サルメテロール単独により刺激されるカルシウム応答と同程度のカルシウム応答を誘導した。
CXCR4及びADRB2の両方を過剰発現する細胞において、各作動薬での刺激は、CXCR4またはADRB2を単独で発現する細胞で示されるカルシウム応答と同程度のカルシウム応答を誘導した(図5のA及びBに対するC)。対照的に、両方の作動薬一斉での共刺激は、個々の作動薬により引き起こされるカルシウム応答と比較して、カルシウム応答を有意に増加させた(図5のC及びD)。カルシウムシグナル伝達の増強は、CXCR4及びADRB2の両方を発現する細胞でのみ認められ、CXCR4またはADRB2のいずれかを単独で発現する細胞では認められなかった。これらの結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、そのそれぞれ個々のGPCRプロトマーの特性とは別個の特性を示すことを実証している。
CXCL12及びGPCRxリガンドでの共刺激時にCXCR4及びGPCRxを共発現する細胞において増強されるカルシウム応答が、GPCRx拮抗薬により阻害されるか否かをさらに調べた。具体的には、図6に示されているとおり、CXCR4及びADRB2を共発現する細胞では、ADRB2拮抗薬であるカルベジロール(10μM)の投与は、カルシウムシグナル伝達の増強を有意に抑制し、かつCXCR4拮抗薬(AMD3100;10uM)及びADRB2拮抗薬カルベジロール(10μM)の両方の共投与は、カルシウムシグナル伝達のさらに大きな抑制をもたらした。この結果は、CXCR4拮抗薬、ADRB2拮抗薬、またはCXCR4拮抗薬とADRB2拮抗薬との組合せをCXCR4-ADRB2ヘテロマーに対する治療薬として使用することができることを実証している。それぞれの作動薬の一方または両方の存在下で、及びそれぞれの拮抗薬の一方または両方の存在下でのカルシウムシグナル伝達に関する追加のGPCRの評価は、2018年12月18日出願の国際出願PCT/KR2018/016166に報告された。
共投与の結果はまた、ヘテロマーのそれぞれのプロトマーを標的とする小用量の拮抗薬が、高用量の個々のそれぞれの拮抗薬に関連する副作用を回避しながらCXCR4-GPCRxヘテロマー応答を効率的に抑制する新規の治療ツールを提供し得ることを示唆している。
実施例4。GPCRx拮抗薬による内在化の阻害
CXCR4ヘテロ二量体の共内在化がパートナーGPCRx拮抗薬により遮断されるか否かについてさらに研究するために、内在化阻害アッセイを実行した。図4B(GPCRxはADRB2である)に示されているとおり、細胞にCXCR4及びGPCRxを同時に形質導入した場合、CXCR4-GFP発現U-2 OS細胞はパートナーGPCRx特異的作動薬により共内在化した(対照:CXCR4-GFP(図4A))。CXCR4がGPCRxとヘテロ二量体を形成してパートナーGPCRxにより共内在化した場合、GPCRx特異的拮抗薬によりそれを遮断することができる。
GPCRx(ADRB2)をコードするアデノウイルスを、CXCR4-GFPを安定発現するU-2 OS細胞に形質導入した。2日後に、CXCR4特異的作動薬CXCL12(20nM)及び/またはGPCRx特異的拮抗薬(10μM)での細胞の刺激の前及び20分後に画像を取得した。IN Cell Analyzer 2500を使用して、CXCR4-GFPの内在化がGFP顆粒として観察された。細胞表面におけるGFP発現の減少または細胞の内部におけるGFP顆粒の出現をCXCR4-GFP共内在化とみなした。この場合、評価されたGPCRxはADRB2であった。CXCR4作動薬CXCL12での刺激は、CXCR4-GFPのADRB2との内在化を誘導した(図8、左側のパネル)。ADRB2拮抗薬であるカルベジロールの投与は、ヘテロマーの内在化に対して作用を有さなかった(図8、中央のパネル)。CXCL12により刺激されたCXCR4-GFPのADRB2との内在化はADRB2拮抗薬により阻害された(図8、右側のパネル)。GPCRx拮抗薬による内在化の阻害に関する追加のGPCRの評価は、2018年12月18日出願の国際出願PCT/KR2018/016166に報告された。
これらのデータは、CXCR4ヘテロマーの内在化の阻害により、がんなどのCXCR4-ADRB2ヘテロマー過剰発現細胞における異常な下流シグナルを治療目的のために遮断することができることを示唆している。
実施例5。腫瘍成長に対するCXCR4-GPCRxヘテロマーシグナル伝達の阻害剤の表現型関連作用の細胞増殖アッセイによる評価
CXCR4-GPCRxヘテロマーに基づく治療薬を開発するために、細胞増殖に対するCXCR4拮抗薬及びGPCRx拮抗薬の共投与の作用を、特にADRB2に関して評価した。
患者から切除し解離させた神経膠芽腫組織の単細胞懸濁液を調製した(韓国ソウルのSamsung Seoul病院から提供を受けた)。これらの細胞を、正常神経幹細胞の増殖及び非分化に最適な条件下で培養した。培地は、塩基性FGF及びEGFが補充された無血清Neurobasal培地からなるものであった。
患者由来細胞(PDC)の生存に対するGPCRx拮抗薬の作用を、ATPlite(PerkinElmer、カタログ番号6016739試薬)を使用して評価した。ATPliteは、ホタルルシフェラーゼに基づくアデノシン三リン酸モニタリングシステムである。この発光アッセイは、培養された哺乳動物細胞の増殖及び細胞毒性の定量的評価のための比色分析、蛍光分析及び放射線同位体アッセイの代替である。細胞を384ウェルプレートに培養培地40μL中500細胞/ウェルで播種した。一晩増殖させた後に、いくつかの用量のGPCRx拮抗薬またはDMSO単独の存在下で細胞を7日間にわたって培養した。7日間のインキュベーション後に、15μLのATPliteを各ウェルに加え、プレートをオービタルシェーカーで700rpmで5分間にわたって振盪した。PerkinElmer TopCount検出器で発光信号を30分以内で検出した。等式:細胞生存能(%)=(拮抗薬処理のOD/DMSO単独処理のOD)×100%を用いて細胞生存能を算出した。
ADRB2特異的拮抗薬であるカルベジロールを、CXCR4及びADRB2を発現するPDCに投与した場合、細胞の成長は有意に阻害された。(IC50=11.69μM、図9)。細胞増殖に関する追加のGPCRの評価は、2018年12月18日出願の国際出願PCT/KR2018/016166に報告された。
これらの結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマー発現細胞において、CXCR4ヘテロマーにより誘導される異常細胞増殖をADRB2拮抗薬により遮断することができることを示唆しており、CXCR4-ADRB2ヘテロマー保有患者におけるADRB2拮抗薬を使用してのがん細胞成長の阻害が、がん治療薬としてのCXCR4阻害剤のみを投与する単独治療の限界を克服することができることを示している。
実施例6。近接ライゲーションアッセイ(PLA)を用いての、患者由来細胞(PDC)におけるCXCR4-GPCRxヘテロマー形成の評価
天然組織におけるGPCR複合体の存在を調査するために、原子間力顕微鏡法(Fotiadis,D.,et al.,(2006)Structure of the rhodopsin dimer: a working model for G-protein-coupled receptors,Curr Opin Struct Biol 16,252-259)、共免疫沈降(Gomes,I.,et al.,(2004)A role for heterodimerization of mu and delta opiate receptors in enhancing morphine analgesia,Proc Natl Acad Sci USA,101(14):5135-5139)、及び結合または機能アッセイ(Wreggett,K.A.,et al.,(1995)Cooperativity manifest in the binding properties of purified cardiac muscarinic receptors,J Biol Chem 270,22488-22499)などの様々な手法が用いられてきた。相互作用をモニターするための最も一般的な方法は、標識タンパク質を使用して実行される共鳴エネルギー移動に基づく。標識は抗体または蛍光リガンドなどの選択的プローブにより実行することができる(Roess,D.A.,et al.,(2000)Luteinizing hormone receptors are self-associated in the plasma membrane,Endocrinology 141,4518-4523;Patel,R.C.,et al.,(2002)Ligand binding to somatostatin receptors induces receptor-specific oligomer formation in live cells,Proc Natl Acad Sci U S A 99,3294-3299)。
Bazinらは、よりはるかに高い信号対雑音比を呈する時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR-FRET)に基づく手法を採用した(Bazin,H.,et al.,(2002)Time resolved amplification of cryptate emission: a versatile technology to trace biomolecular interactions,J Biotechnol 82,233-250)。FRETは、近傍にある場合のドナーとアクセプターとの2つのフルオロフォアの間でのエネルギーの移動に基づく。生体分子間の分子間相互作用は、各パートナーに蛍光標識を結合させること及びエネルギー移動のレベルを検出することにより評価することができる。系の励起と蛍光測定との間におよそ50~150μ秒の時間遅延を導入することにより信号から非特異的な短寿命発光を排除することが可能である。
近接ライゲーションアッセイ(PLA)は、従来の免疫アッセイの可能性を拡げてタンパク質、タンパク質相互作用及び修飾の高い特異性及び感度での直接検出を含む技術である(Gullberg,M.,et al.,(2004)Cytokine detection by antibody-based proximity ligation,Proc Natl Acad Sci U S A 101,8420-8424)。異なる種に発生させた2つの一次抗体は、目的のタンパク質上の標的抗原を認識する。異なる一次抗体の定常領域を指向するPLAプローブと呼称される二次抗体は一次抗体に結合する。各PLAプローブには特有の短いDNA鎖が結合している。PLAプローブが近傍にある場合(つまり、図に示されているとおり、元々の2つの目的のタンパク質が近傍にあるか、またはタンパク質複合体の一部である場合)、DNA鎖は、適切な基質及び酵素が添加されるとローリングサークルDNA合成に編入され得る。DNA合成反応はDNAサークルの数百倍の増幅をもたらす。次に、蛍光標識相補的オリゴヌクレオチドプローブを添加し、それらは増幅されたDNAに結合する。生じた高濃度の蛍光は、蛍光顕微鏡で観察すると際立った明るい点として簡単に視認することができる(Gustafsdottir,S.M.,et al.,(2005)Proximity ligation assays for sensitive and specific protein analyses,Anal Biochem 345,2-9)。
CXCR4過剰発現細胞系U2OS-CXCR4に0、2.5、10、40MOIの用量のADRB2発現アデノウイルスAd-ADRB2を2日間にわたって感染させた。PLAを、以前に記述がされたとおりに実行した(Brueggemann,L.I.,et al.,(2014)Differential protein kinase C-dependent modulation of Kv7.4 and Kv7.5 subunits of vascular Kv7 channels,J Biol Chem 289,2099-2111;Tripathi,A.,et al.,(2014)CXC chemokine receptor 4 signaling upon co-activation with stromal cell-derived factor-1alpha and ubiquitin,Cytokine 65,121-125)。PLAを実行するために、感染細胞を4%のパラホルムアルデヒド(PFA)で16ウェル組織培養スライド上に固定した。Duolinkにより提供されるブロッキング用溶液でスライドをブロッキングし、マウス抗CXCR4(1:200、Santacruz、Sc-53534)、ウサギ抗ADRB2(1:200、Thermoscientific、PA5-33333)、ウサギ抗CHRM1(1:200、Ls bio、Ls-C313301)と共に37℃で1時間にわたって、加湿チャンバ内でインキュベートした。次いで、スライドを洗浄し、プラス及びマイナスDuolink II PLAプローブと結合した二次抗ウサギ及び抗マウス抗体と共にインキュベートした(37℃で1時間)。スライドを再び洗浄し、次いで、ライゲーション-リガーゼ溶液と共にインキュベートし(37℃で30分)、続いて、増幅用ポリメラーゼ溶液と共にインキュベートした(37℃で2時間)。次いで、スライドに最低限の体積のDuolink II載置用培地を4’,6-ジアミジノ-2フェニルインドール(DAPI)と共に15~30分間にわたって載せ、IN Cell analyzer 2500の下でPLA信号[Duolink In Situ検出試薬緑色(λ励起/発光495/527nm)または赤色(λ励起/発光575/623nm)を蛍光点として同定した。
図10A~10Bに示されているとおり、PLA信号は、用量に依存してADRB2の発現レベルとして増大する。図10A:一連のMOI(多重感染度)でのCXCR4-ADRB2ヘテロマーを発現するU2OS細胞からのPLA信号の画像。図10B:赤色信号点を計数し、陰性対照に対する正規化により算出した。PLA信号は用量依存的にADRB2の発現レベルに比例して増大した。内因性ADRB2発現を調べるために、qRT-PCRによる分析を、ADRB2特異的プライマーを使用して実行した。図10Cに示されているとおり、U2OS細胞の内因性ADRB2発現レベルは極めて高く、ウイルス感染のない(ADRB2が0MOIである)部分においてさえPLA信号が検出されることを示していた。
従来、神経膠芽腫(GBM)は最も一般的かつ致死的な原発性脳腫瘍である。前臨床がん生物学は概してin vitroでのヒトがん細胞系の使用及びこれらの確立された細胞系の異種移植片プロセスに依拠している。しかしながら、従来の細胞系を確立するプロセスは重要な生物学的特性の不可逆的喪失を招き、結果として異種移植片腫瘍モデルは、元の腫瘍に存在していたゲノム及び表現型の特質を維持していない。
神経膠芽腫にそのまま由来する患者由来細胞(PDC)は正常神経幹細胞との広範囲にわたる類似性を内包しており、ヒト神経膠芽腫の遺伝子型、遺伝子発現パターン及びインビボでの生物学を再現する。
PDC試料でPLAを実行するために、患者由来細胞を16ウェル組織培養スライド上に播種し、4%のPFAで固定した。Duolinkにより提供されるブロッキング用溶液でスライドをブロッキングし、マウス抗CXCR4(1:200、Santa Cruz、Sc-53534)、ウサギ抗ADRB2(1:200、Thermo Scientific、PA5-33333)、ウサギ抗CHRM1(1:200、Lsbio、Ls-C313301)と共に37℃で1時間、加湿チャンバ内でインキュベートした。次いで、スライドを洗浄し、プラス及びマイナスDuolink II PLAプローブと結合した二次抗ウサギ及び抗マウス抗体と共にインキュベートした(37℃で1時間)。スライドを再び洗浄し、次いで、ライゲーション-リガーゼ溶液と共にインキュベートし(37℃で30分)、続いて、増幅用ポリメラーゼ溶液と共にインキュベートした(37℃で2時間)。次いで、スライドに最低限の体積のDuolink II載置用培地を4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)と共に15~30分間にわたって載せ、IN Cell analyzer 2500の下でPLA信号[Duolink In Situ検出試薬緑色(λ励起/発光495/527nm)または赤色(λ励起/発光575/623nm)を蛍光点として同定した。
図11のA~Bに示されているとおり、PLA比はCXCR4-ADRB2ヘテロマーに関連しており、ヘテロマー形成の頻度は患者に応じて変動する。PLA比は、PDC試料の蛍光点の数/陰性対照の蛍光点の数として算出した。陰性対照(NC)はバックグラウンド蛍光信号を表し、これは、PLA処理において一次抗体(マウス抗CXCR4、ウサギ抗ADRB2)処理をせず、プラス及びマイナスDuolink II PLAプローブと結合した二次抗体だけで処理した場合の点の数により示されるものである。これらのデータは、がん患者試料中のCXCR4-ADRB2ヘテロ二量体の定量分析を実証している。PDCにおけるヘテロマー形成に関する追加のGPCRの評価は、2018年12月18日出願の国際出願PCT/KR2018/016166に報告された。
実施例7。PDXモデルを使用してのインビボでのCXCR4-GPCRxヘテロマー形成の評価
患者由来異種移植片(PDX)でPLAを実行するために、(韓国ソウルのSamsung Seoul病院から提供された)神経膠芽腫患者由来FFPE試料を使用した。FFPE試料の脱パラフィンを行った後に、熱誘導抗原回復を15分間にわたって100℃で実施した。Duolinkにより提供されるブロッキング用溶液でスライドをブロッキングし、ウサギ抗CXCR4(1:200、Thermoscientific、PA3305)、マウス抗ADRB2(1:200、Santacruz、Sc-271322)と共に37℃で1時間にわたって、加湿チャンバ内でインキュベートした。その他のプロセスは上記(PDCでのPLA)と同じであった。
図12Aでは、核をDAPI染色で可視化し、CXCR4-ADRB4ヘテロマーをPLAで小さな点として染色した。図12Bに示されているとおり、PLA比は患者により異なっており、この結果に基づいて、コンパニオン診断により個別化医療を実行することが可能であることを示している。
実施例8。CXCR4-GPCRxヘテロマー形成時に増強されるCXCR4下流シグナル伝達のCa2+動員アッセイによる評価
MDA-MB-231細胞に、CXCR4及びADRB2をコードするアデノウイルスを形質導入した(図13)。細胞を3日間にわたって培養し、Cal-520 AMで染色し、CXCL12(30nM)単独か、漸増用量のサルメテロール単独か、または30nMのCXCL12と組み合わせたサルメテロールかのいずれかで処理した。カルシウム動員を、FlexStation 3を使用して測定した。CXCR4及びADRB2の両方を過剰発現するMDA-MB-231細胞では、サルメテロール単独での刺激は、カルシウム動員を用量依存的には誘導しなかった(図13)。しかし、細胞をCXCL12の存在下でサルメテロールで共刺激した場合に、カルシウムシグナル伝達は、幅広い範囲のサルメテロール濃度、例えば、10nM~300nMの範囲の濃度で著しく増強した。
実施例9。CXCR4-GPCRxヘテロマー形成時に増強されるCXCR4下流シグナル伝達及び増強されるシグナル伝達の阻害のCa2+動員アッセイによる評価
CXCR4及びADRB2の両方を過剰発現するMDA-MB-231細胞において、CXCL12、CXCR4作動薬、及びサルメテロール(ADRB2選択的作動薬)での共刺激は、それぞれ個々の作動薬での単一刺激により誘発されるカルシウム応答と比べて、カルシウム応答を有意に上昇させた(図14)。これらの結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、CXCR4及びADRB2の個々のGPCRのものとは別個の特性を示すことを実証している。
CXCR4及びADRB2を共発現している細胞においてCXCL12及びADRB2リガンドでの共刺激時に増強されるカルシウム応答が、CXCR4拮抗薬としての抗CXCR4抗体により阻害されるか否かも調べた。図14に示されているとおり、CXCR4及びADRB2を共発現する細胞において、2μgの抗CXCR4抗体12G5の投与は、カルシウムシグナル伝達の増強を抑制した。また、両方の拮抗薬(ADRB2拮抗薬であるカルベジロール及びCXCR4拮抗薬である12G5)の共投与はカルシウムシグナル伝達のより有意な抑制をもたらした。これらの結果は、抗CXCR4抗体及びADRB2拮抗薬をCXCR4-ADRB2ヘテロマー媒介疾患に対する効率的な治療薬(または組合せ療法)として使用することができることを実証している。
特に、カルシウム動員アッセイを利用して、MDA-MB-231ヒト乳癌細胞を1ウェルあたり20,000細胞で、10%FBSを補充された100μLのRPMI 1640中で、黒色透明底96ウェルプレート(Corning Costar、#3340)に播種した。翌日、10MOIのCXCR4及び30MOIのGPCRxを細胞に共形質導入した。2日後に、表示の量のADRB2拮抗薬であるカルベジロール(Tocris)、抗CXCR4抗体12G5(Thermo Scientific、35-8800)で細胞を処理し、Cal 6(Molecular DevicesのFLIPR(登録商標)Calcium 6 Assay Kit、カタログR8191)と共に2時間にわたってインキュベートした。次いで、表示の量のCXCL12、ADRB2作動薬、またはCXCL12及びADRB2作動薬で細胞を刺激した。FlexStation 3Multi-Mode Microplate Readerを使用してカルシウム動員を測定した。結果をベースライン活性について正規化した。各グラフの曲線下面積(AUC)を算出することによりカルシウム動員を定量化した。データを、CXCR4のみを発現する細胞におけるCXCL12刺激カルシウム応答に対して正規化した。データは3つの独立した実験を表す(平均±SEM)。*P<0.05、スチューデントのt検定。
実施例10。腫瘍成長に対するCXCR4-ADRB2ヘテロマーの作用
腫瘍成長に対するCXCR4-ADRB2ヘテロマーの作用を調査するために、CXCR4のみ(「A549-CXCR4細胞」)、または細胞がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するようにCXCR4及びADRB2の両方(「A549-CXCR4-ADRB2細胞」)を安定過剰発現する細胞系をA549肺癌細胞で作製し、同じ量の細胞(1×107細胞/匹)をヌードマウスに皮下注射して腫瘍成長速度を比較した。図15のA~Bに示されているとおり、移植後28日目の腫瘍サイズはA549では351.4±214.7mm3、A549-CXCR4細胞では726.9±259.6mm3、及びA549-CXCR4-ADRB2細胞では1012.2±556.1mm3であった。A549-CXCR4細胞(CXCR4を過剰発現)を移植されたマウスの腫瘍成長速度は、親A549のみを保有するマウスのそれよりも速く、A549-CXCR4-ADRB2細胞(CXCR4及びADRB2の両方を過剰発現)を移植されたマウスで最も速い腫瘍増殖が認められた。これらの結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの形成がCa2+応答を相乗的に増大させ、したがって腫瘍成長を促進するということを示唆している。
親細胞A549、A549-CXCR4細胞(CXCR4を安定過剰発現)、またはA549-CXCR4-ADRB2細胞(CXCR4及びADRB2の両方を安定過剰発現)のいずれかが移植された3匹のマウスの移植後28日目の画像が図15Aに示されている。これらの画像は、それらの中でもA549-CXCR4-ADRB2細胞(CXCR4及びADRB2の両方を安定過剰発現)を保有するマウスの腫瘍サイズが最も大きい(最も加速される)ことを示す。これら3匹の異なるマウスの経時的な腫瘍成長速度を図15Bにグラフで示す。腫瘍の長さ(L)及び幅(W)を測定すること、ならびに腫瘍体積を以下の式に基づいて算出することにより腫瘍成長を3日ごとまたは4日ごとにモニターした:体積=0.5LW2。親細胞A549を保有するマウスと比較して、A549-CXCR4細胞を保有しているマウスは比較的速い腫瘍成長を示し、A549-CXCR4-ADRB2細胞(CXCR4及びADRB2を安定過剰発現)が移植されたマウスでは腫瘍成長が最も速い。
実施例11。CXCR4-ADRB2ヘテロマー形成時に増強されるCXCR4下流シグナル伝達のCa2+動員阻害 - 単一の阻害剤処理と組合せ阻害剤処理との比較
CXCR4のみを発現するMDA-MB-231細胞(単量体または個々のプロトマーの状況;「MDA-MB-231-CXCR4細胞」)において単一処理として、CXCR4及びADRB2の両方を過剰発現してCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するMDA-MB-231細胞系(「MDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞」)において単一処理として、ならびにMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞においてADRB2阻害剤(カルベジロール;10μM)との共処理として評価されるブリキサフォル(CXCR4阻害剤、TG-0054とも称される)について、阻害度(Ca2+応答についてのIC50値として測定)を比較した。
CXCR4のみ、またはCXCR4及びADRB2をコードするアデノウイルスをMDA-MB-231細胞に形質導入した。細胞を2日間にわたって培養し、ブリキサフォル(CXCR4阻害剤)単独で処理するか、またはブリキサフォル及びADRB2阻害剤(カルベジロール;10uM)で共処理した。次いで、細胞をCal-6で2時間にわたって染色し、CXCR4作動薬(CXCL12、20nM)及びADRB2作動薬(サルメテロール、1μM)で刺激した。FlexStation3を使用してカルシウム動員を測定し、その結果を表3に示すが、これは、(1)ブリキサフォル単独で処理されたMDA-MB-231-CXCR4細胞(第2列);(2)ブリキサフォル及びADRB2阻害剤カルベジロールで同時に処理されたMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞(第3列);ならびに(3)ブリキサフォル単独で処理されたMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞(第4列)におけるCa2
+応答のIC50を示している。
表3において示されているとおり、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞におけるCa
2+応答のIC50値は、ADRB2阻害剤カルベジロール(第3列)と組み合わせて処理した場合、CXCR4阻害剤TG-0054単独での単一処理(第4列)と比べて4500倍以上低下した。この結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞において、ブリキサフォル及びADRB2阻害剤での共処理は、ブリキサフォル単独での単一処理よりもCa
2+応答の増大をより効果的に阻害することを示唆している。
CXCR4-ADRB2ヘテロマー形成が配座変化を誘導する及び/またはCXCR4阻害剤についての結合親和性を変化させる可能性を決定するために、Ca2+応答のIC50値を、CXCR4のみを発現するMDA-MB-231-CXCR4細胞と、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞とにおいてブリキサフォル(TG-0054)での単一処理の間で比較した。結果は、CXCR4阻害剤での単一処理がIC50値をMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞(第4列)では、MDA-MB-231-CXCR4細胞(第2列)と比べて約1.4倍だけ変化させたことを示した。この結果は、CXCR4阻害剤、例えば、ブリキサフォル(TG-0054)、及びADRB2阻害剤での共処理が、CXCR4-ADRB2ヘテロマー含有対象及び/または対象細胞/組織に対する治療効力を、CXCR4阻害剤での単一処理と比較して、ある特定のCXCR4阻害剤では劇的なほど上昇させ得ることを示唆している。
表3に示されているとおり、ブリキサフォル及びカルベジロールでの共処理は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞におけるCa
2+応答のIC50値の低下をもたらす。ADRB2拮抗薬の過剰用量はカウンターパートCXCR4の活性に影響を及ぼし得るので、CXCR4拮抗薬のIC50値の変化を650nMのそのIC90値濃度のカルベジロールの組合せにより、一連のCXCR4拮抗薬との組合せで測定した。データを表4に示す。
表4に示されているとおり、CXCR4阻害剤のIC50値は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの状況でのCa
2+応答の点において、ADRB2阻害剤との組合せで投与した場合(第3列)、CXCR4阻害剤単独での単一投与(第4列)と比べて低下した。例えば、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの状況におけるCa
2+応答のIC50値は、それぞれAMD3100、ウロクプルマブ、BKT140、TG-0054と共にカルベジロール(600nM、単量体の状況におけるADRB2に対するそのIC90濃度値)を共投与すると、約10.5倍(22.45nMから2.12nMへ)、約29.3倍(0.88nMから0.03nMへ)、約45.7倍(88.66nMから1.94nMへ)、約60.7倍(90.54nMから1.49nMへ)低下した。この結果は、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の低用量での共投与が、CXCR4阻害剤の単一投与と比較して、CXCR4-ADRB2ヘテロマー含有対象に対する治療効力を上昇させ得ることを示唆している。
実施例12。CXCL12及び/またはサルメテロールでの刺激は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞系においてERKシグナル伝達の活性化を誘導する
ERK1/2は、種々の細胞型において走化性または生存を調節する(Riol-Blanco,L.,et al.,(2005)The chemokine receptor CCR7 activates in dendritic cells two signaling modules that independently regulate chemotaxis and migratory speed,J. Immunol. 174(7),4070-4080;Klemke,R.L.,et al.,(1997)Regulation of cell motility by mitogen-activated protein kinase,J. Cell Biol. 137(2),481-492;Copp,J.,et al.,(2009)ORC-specific phosphorylation of mammalian target of rapamycin(mTOR): phospho-Ser2481 is a marker for intact mTOR signaling complex 2,Cancer Res. 69(5),1821-1827)。ERK1/2活性を、CXCL12(CXCR4作動薬)及び/またはサルメテロール(ADRB2作動薬)で細胞中のCXCR4またはCXCR4-ADRB2ヘテロマーを刺激して評価した。具体的には、Rluc-luc2Pを発現するMDA-MB-231細胞(「MDA-MB-231親細胞」)、CXCR4を発現するMDA-MB-231細胞(「MDA-MB-231-CXCR4細胞」)、及びCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するMDA-MB-231細胞(「MDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞」)のCXCL12刺激は10分後にERK1/2の活性化を誘導し、60分後に最高レベルの活性に達した。MDA-MB-231親細胞、MDA-MB-231-CXCR4細胞、及びMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞のサルメテロール刺激も、20分後にERK活性化を誘導し、60分後に基礎レベルに減衰した(データは図示せず)。
CXCR4及びADRB2シグナル伝達の相乗効果を決定するために、ERK1/2活性化のレベルを、CXCL12及びサルメテロール刺激の後に測定した。Rluc-luc2PもしくはCXCR4を発現するか、またはCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するMDA-MB-231細胞及びA549細胞を6ウェルプレートに、1ウェルあたり5×105細胞の密度で播種した。血清飢餓から16時間後に、それぞれの細胞をCXCL12 10nM及び/またはサルメテロール10nMで、MDA-MB-231親細胞、MDA-MB-231-CXCR4細胞、及びMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞では20分間にわたって、またRluc-luc2Pを発現するA549細胞(「A549親細胞」)、CXCR4のみを発現するA549細胞(単量体または個々のプロトマーの状況;「A549-CXCR4細胞」)、ならびにCXCR4及びADRB2の両方を安定過剰発現してCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するA549細胞系(「A549-CXCR4-ADRB2細胞」)では10分間にわたって処理した。その後、細胞セットのそれぞれを収集し、ウェスタンブロット法分析を行った。
CXCL12またはサルメテロール単独での刺激では、MDA-MB-231-CXCR4細胞におけるERK1/2活性化のレベルは、MDA-MB-231親細胞よりも高かった。ERK1/2リン酸化は、MDA-MB-231-CXCR4細胞と比較して、MDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞において有意に増加した。MDA-MB-231親細胞をCXCL12及びサルメテロールで同時に刺激した場合、ERK1/2リン酸化が単一作動薬刺激のレベルと同様のレベルで誘導された。MDA-MB-231-CXCR4細胞では、ERK1/2リン酸化は、各作動薬単独の合計ほど増加したが、MDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞では、ERK1/2活性化は相乗的に増加した(図16のA~B)。
ERK1/2活性化も、A549親細胞、A549-CXCR4細胞、及びA549-CXCR4-ADRB2細胞において調査した。ERK1/2リン酸化を、A549-CXCR4細胞またはA549-CXCR4-ADRB2細胞においてCXCL12またはサルメテロール単独での刺激時に検出した。A549親細胞では、ERK1/2リン酸化は、CXCL12またはサルメテロール単独での刺激により誘導されなかったが、CXCL12及びサルメテロールでの共刺激時には有意に増加した。A549-CXCR4細胞では、ERK1/2リン酸化が各作動薬単独により誘導され、CXCL12及びサルメテロールで共刺激した場合には、各刺激の合計ほど増加した。A549-CXCR4-ADRB2細胞では、ERK1/2リン酸化は、CXCL12単独よりもサルメテロール単独で刺激した場合にかなり大きく誘導され、CXCL12及びサルメテロールで同時刺激した場合には有意に活性化された(図17A~17B)。
これらの結果は、がん細胞におけるCXCR4及びADRB2の発現が、特にがん細胞がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する場合には、下流ERK活性化の有意な誘導をもたらし得、かつがん細胞増殖及び走化性に対して多大な作用を有し得ることを示唆している。
実施例13。CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するA549細胞系におけるCXCR4/CXCL12媒介増殖増加に対するCXCR4拮抗薬の作用
がん細胞増殖に関して、がん細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在の影響を調査するために、CXCR4及びADRB2の両方を安定過剰発現するCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するA549細胞(「A549-CXCR4-ADRB2細胞」)の成長を、対照としてのRluc-luc2Pを発現するA549細胞(A549二重陰性細胞;「A549親細胞」)の成長と、かつCXCL12作動薬の存在に応じて比較した。
A549親細胞またはA549-CXCR4-ADRB2細胞を1×104細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートにプレーティングし、培養培地中で24時間にわたってインキュベートして接着させた。洗浄した後に、無血清培地±CXCL12を、表示のCXCR4阻害剤(図18A:AMD3100(10μM)、図18B:LY2510924(10μM)、図18C:AMD070(1μM)、図18D:TG-0054(10μM)、及び図18E:BKT-140(10μM))を伴って、または伴わずに無血清条件下で添加し、細胞を72時間(播種後96時間)にわたってインキュベートした。インキュベーションの終了時に、細胞増殖を、Prestoblue Cell Viability Reagent(Thermo Fisher Scientific)を製造者指示に従って使用することにより評価した。
図18のA~Eは、細胞増殖速度がCXCL12作動薬の存在下で約20%上昇することが観察され、かつこの上昇が、試験されたCXCR4拮抗薬のそれぞれによりブロックされたことを示している。正常な細胞成長条件(10%血清)下では、A549親細胞とA549-CXCR4-ADRB2細胞との間で、細胞増殖速度に差は観察されなかった。しかしながら、無血清条件下では、A549-CXCR4-ADRB2細胞(A549親細胞ではない)は、CXCL12の存在下で、用量依存的に細胞増殖の増加を示した(データは図示せず)。約20%の最大増加が100nMのCXCL12の存在下で72時間にわたって達成された。CXCL12媒介細胞増殖の増加は、血清濃度が上昇するにつれて減衰した(データは図示せず)。細胞増殖速度の上昇がCXCR4/CXCL12特異的シグナル伝達により媒介されることを確認するために、複数のCXCR4特異的拮抗薬、AMD3100、LY210924、AMD070、TG-0054、及びBKT-140を評価した。試験されたCXCR4拮抗薬のそれぞれが、細胞増殖に関するCXCL12作用を遮断した。CXCR4/CXCL12シグナル伝達軸が無血清条件下では細胞増殖速度を約20%上昇させ、これは、CXCR4/CXCL12が最適以下条件でのみ増殖の増加を誘導するという先行する報告と一致する(Balkwill,Fran(2004)Nature Reviews Cancer,Cancer and the Chemokine Network,4:540-550)。
CXCR4を標的とする阻害剤は、例えば、CXCL12の存在により増加したのと同じだけを阻害し得るに過ぎず、より高濃度のCXCR4阻害剤の使用は細胞傷害性をもたらし得る(データは図示せず)。これらの結果は、がん処置のためのクリニックにおいて、単独の活性薬剤としてのCXCR4阻害剤の使用と関連して腫瘍成長阻害の低い有効性及び有害作用が観察されることを説明し得る。CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象では、CXCR4阻害剤単独での処置が腫瘍成長を効果的に阻害し得ない一方で、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の共投与が腫瘍成長を効果的に阻害し得る。
実施例14。CXCR4-ADRB2ヘテロマー量と腫瘍成長との間の相関
CXCR4-ADRB2ヘテロマーの量と腫瘍成長との間の相関を調査するために、CXCR4ホモマーを安定過剰発現するA549細胞系(「A549-CXCR4細胞」)ならびにCXCR4及びADRB2の両方を安定過剰発現してCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するA549細胞系(「A549-CXCR4-ADRB2細胞」)を調製した。CXCR4-ADRB2ヘテロマーの量を、操作細胞系におけるPLAを介して比較した。図19のA~Bは、PLAにより決定した場合、それぞれA549親細胞、A549-CXCR4細胞、及びA549-CXCR4-ADRB2細胞において検出される約30、約80、及び150超のCXCR4-ADRB2ヘテロマーが存在することを示している。
細胞レベルでPLAにより決定した場合に、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有することが腫瘍成長を用量依存的に増大させるか否かを決定するために、A549親細胞及びA549-CXCR4-ADRB2細胞を調製し、同量の細胞(1×107細胞/匹)をヌードマウスに皮下注射して、腫瘍成長速度を比較した。腫瘍の長さ(L)及び幅(W)を測定すること、ならびに腫瘍体積を以下の式に基づいて算出することにより腫瘍成長を3日ごとまたは4日ごとにモニターした:体積=0.5LW2。図19Cに示されているとおり、移植後44日目の腫瘍サイズは、A549異種移植片マウス(A549親細胞を有する)では562.8±245.9mm3、及びA549-CXCR4-CXCR4-ADRB2異種移植片マウス(A549-CXCR4-ADRB2細胞を有する)では967.2±493.0mm3であった。A549-CXCR4-ADRB2細胞を移植されたマウスの腫瘍成長速度は、A549親細胞を移植されたマウスのものよりも速かった。これらの結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの形成がCa2+応答を相乗的に増大させ、したがって、腫瘍成長を促進することを示唆している。
CXCR4-ADRB2ヘテロマーの(存在及び)量と腫瘍増殖との間の相関をA549肺癌細胞系及びMDA-MB-231乳癌細胞系において確認した。A549細胞系の状況においてと同じ手法で、CXCR4ホモマーを過剰発現するMDA-MB-231-CXCR4細胞系(「MDA-MB-231-CXCR4細胞」)ならびにCXCR4及びADRB2の両方の過剰発現によりCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するMDA-MB-231細胞系(「MDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞」)を調製し、次いで、CXCR4-ADRB2ヘテロマー発現の量をPLAを介して比較した。図20のA~Bに示されているとおり、それぞれMDA-MB-231親細胞、MDA-MB-231-CXCR4細胞、及びMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞で検出される約65、約80、及び180超のCXCR4-ADRB2ヘテロマーが存在する。細胞レベルでPLAにより検証した場合にCXCR4-ADRB2ヘテロマーの(存在及び)量が腫瘍成長を用量依存的に増加するか否かを決定するために、MDA-MB-231親細胞、MDA-MB-231-CXCR4細胞、及びMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞を調製し、同量の細胞(5×106細胞/匹)をヌードマウスの乳房脂肪パッドに同所注射して、腫瘍成長速度を比較した。図20Cに示されているとおり、移植後67日目の腫瘍サイズは、MDA-MB-231異種移植片マウス(MDA-MB-231親細胞を有する)では265.8±161.8mm3、MDA-MB-231-CXCR4異種移植片(MDA-MB-231-CXCR4細胞を有する)では459.2±399.6mm3、及びMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2異種移植片マウス(MDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞を有する)では1107.0±184.8mm3であった。腫瘍サイズは、MDA-MB-231-CXCR4-ADRB2異種移植片マウス、MDA-MB-231-CXCR4異種移植片マウス、及びMDA-MB-231異種移植片マウスの順序で観察され、これは、腫瘍のサイズが、存在するCXCR4-ADRB2ヘテロマーの量に応じて増大することを示している。これらの結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの量が増加するにつれて、腫瘍がより悪性になることを示唆している。したがって、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを有するがんを、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを標的とする阻害剤、またはCXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤などの阻害剤の組合せの投与により効果的に処理することができる。
実施例15。CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するA549異種移植マウスにおける腫瘍成長に対するCXCR4阻害剤単独の作用
CXCR4及びADRB2の両方を安定過剰発現することによりCXCR4-ADRB2を含有するA549細胞(「A549-CXCR4-ADRB2細胞」)を移植されたマウスにおける抗腫瘍作用を、現在開発中か、または販売中のCXCR4阻害剤を使用して評価した。A549-CXCR4-ADRB2細胞(1×107細胞/匹)をヌードマウスに皮下注射した。腫瘍サイズが約50~100mm3の平均サイズに達したら、マウス(n=10/試験群)をCXCR4阻害剤:AMD3100(図21A)、LY2510924(図21B)、AMD070(図21C)、またはTG-0054(図21D)で処理した。CXCR4阻害剤を1日1回4週間にわたって投与した。
図21のA~Dに示されているとおり、試験されたCXCR4阻害剤のほとんどが、腫瘍成長の限られた阻害を示した。加えて、用量依存的腫瘍減少は観察されず、阻害作用はわずかであった。さらに、通常の用量よりも多い投与にも関わらず、腫瘍成長の阻害は限定された。10mpkの高用量でのLY2510924での処理は、わずか2回の用量で、試験されたマウス10匹のうちの3匹を死亡させた。
実施例11及び表3~4において記述したとおり、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(Ca2+シグナルが増加している)において、CXCR4拮抗薬及びADRB2阻害剤での共処理は、CXCR4拮抗薬単独での単一処理よりも有効である。細胞成長アッセイ(実施例13、及び図18A~18E)において記述したとおり、CXCR4阻害剤は、CXCL12刺激に起因する細胞増殖の増加を減少させた。CXCR4阻害剤の量を漸増させると、細胞傷害性が生じた。これらの結果は、CXCR4阻害剤とADRB2阻害剤との組合せの共投与は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの機能の阻害、及び腫瘍成長の阻害において、CXCR4阻害剤単独の投与よりも有効であり得ることを示唆している。
実施例16。CXCR4-ADRB2ヘテロマー含有MDA-MB-231細胞同所異種移植マウス(またはA549細胞異種移植マウス)における腫瘍成長に対する、単独または組合せでのCXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の作用
CXCR4-ADRB2ヘテロマー含有MDA-MB-231細胞同所異種移植マウス:
CXCR4及びADRB2の両方を安定過剰発現することによりCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するMDA-MB-231細胞(「MDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞」)を移植されたマウスにおいて、CXCR4阻害剤単独の投与は有効な抗腫瘍処理ではなかった。図22A~22Cに示されているとおり、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在により増大した腫瘍成長の阻害(抗腫瘍作用)を、単独または組合せでのCXCR4阻害剤(AMD3100(図22A)、LY2510924(図22B)、AMD070(図22C))及びADRB2阻害剤(カルベジロール)の投与を比較することにより評価した。雌のBalb/c-nu/nuマウスに、MDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞を同所移植した(1×106細胞/匹)。AMD3100(2.5mg/kg、7.5mg/kg)、LY2510924(1mg/kg、3mg/kg)、AMD070(3mg/kg、10mg/kg)及び/またはカルベジロール(30mg/kg)を1日1回4週間にわたって投与した(合計28回)。AMD3100、LY2510924、及びAMD070は皮下投与し、カルベジロールは経口投与した。腫瘍のサイズは、薬物投与初日での100に対して腫瘍サイズを換算することにより算出した(腫瘍成長%)。図22Cに示されているとおり、CXCR4阻害剤AMD070単独またはADRB2阻害剤カルベジロール単独の投与は、限られた腫瘍成長の抑制を示した。しかしながら、AMD070とカルベジロールとの共投与は、それぞれの単一投与と比較して腫瘍の成長を効果的に阻害し、かつ組合せ(カルベジロールを含む)を投与した場合には、CXCR4阻害剤AMD070の量が増加するにつれて、腫瘍の成長も用量依存的に減少した。これらの結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマー形成により増大する腫瘍のサイズの阻害(抗腫瘍作用)を、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の共投与を介して得ることができることを示唆している。
CXCR4-ADRB2ヘテロマー含有A549細胞異種移植マウス:
腫瘍成長に対するCXCR4-ADRB2ヘテロマー阻害剤の抗腫瘍作用を調査するために、CXCR4及びADRB2の両方を安定過剰発現することによりCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するA549細胞(「A549-CXCR4-ADRB2細胞)(1×107細胞/匹)をヌードマウスに皮下注射した。腫瘍サイズが50~100mm3の平均に達したら、単独または組合せでのCXCR4阻害剤(AMD3100)、ADRB2阻害剤(カルベジロール)を投与した。
図22Dは、単一投与または共投与を介して1日1回4週間にわたって(合計28回)投与されたCXCR4阻害剤AMD3100(2.5mg/kg、7.5mg/kg)及び/またはADRB2阻害剤カルベジロール(30mg/kg)のインビボ抗腫瘍作用について、腫瘍成長速度を比較するためのグラフである;AMD3100は皮下投与し、カルベジロールは経口投与した。腫瘍の長さ(L)及び幅(W)を測定することならびに腫瘍体積を以下の式に基づいて算出することにより腫瘍成長を3日ごとまたは4日ごとにモニターした:体積=0.5LW2。
実施例17A~17B。リガンド利用TR-FRETによるCXCR4-ADRB2ヘテロマーの検出
CXCR4-ADRB2ヘテロマーの検出を、時間分解蛍光エネルギー移動(TR-FRET)を使用して評価した。TR-FRETは、時間分解蛍光分析(TRF)の低い背景アスペクトを、FRETの均一なアッセイ形式と組み合わせている。生じたアッセイは、柔軟性、信頼性及び感度の上昇をもたらす。FRETは、2つのフルオロフォア、1つのドナー及び1つのアクセプターを必要とする。ドナー及びアクセプターの2つが相互に所与の近接内にあるならば、エネルギー源によるドナーの励起は、アクセプターへのエネルギー移動をもたらす。次いで、アクセプターは、その特徴的な波長で発光する。A549細胞を1ウェルあたり20,000細胞の密度で96ウェルプレートに播種した。アデノウイルス感染、続く、37℃、5%CO2での48時間のインキュベーションにより、A549細胞において、CXCR4及びADRB2が一過性に過剰発現された。CXCR4発現アデノウイルスを0、0.1、0.5、1.25、2.5、5、10及び20のMOIで処理し、ADRB2発現アデノウイルスを3倍高いMOIで処理した。HA-VCをコードするアデノウイルスを使用して、形質導入されるアデノウイルスの全量を調節した。CXCR4-ADRB2ヘテロマーを特徴づけるために、標識リガンドを用いるTR-FRETアッセイを、蛍光標識プロプラノロール及びテルビウム標識TZ14011を用いて実行した。図23Aは、FRETシグナルがCXCR4及びADRB2発現の量に応じて増加し(形成するCXCR4-ADRB2ヘテロマーの量に影響を及ぼし)、未標識プロプラノロールがADRB2拮抗薬に対する競合物質プロプラノロール-g2として処理される場合、FRETシグナルが消失することを示しており、これがCXCR4-ADRB2特異的シグナルであることを示している。これらの結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーがリガンド利用TR-FRET方法により定量的に検出され得ることを示している。
蛍光がGPCR特異的リガンドにコンジュゲートしているリガンド-蛍光複合体を使用することに加えて、蛍光がGPCR特異的抗体または二次抗体にコンジュゲートしている抗体-蛍光複合体をTR-FRETのために使用してもよい。
U2OS細胞を96ウェルプレートに、1ウェルあたり20,000細胞の密度で播種した。アデノウイルスシステムを使用すると(0.9~30MOIのCXCR4担持アデノウイルス及び0.5~15MOIのADRB2担持アデノウイルス)、37℃加湿インキュベーター内での一晩のインキュベーションの後に、CXCR4及びADRB2の両方が一過性に過剰発現された。CXCR4及びADRB2についての抗体利用TR-FRETのダイナミックレンジ及び検出限界を解析するために、広範な感染多重度(MOI)のCXCR4担持及びADRB2担持アデノウイルス(それぞれAd-CXCR4及びAd-ADRB2)を採用した。各アデノウイルスの48時間感染後に、細胞を洗浄し、4%パラホルムアルデヒドを用いて室温で10分間にわたって固定した。細胞を2回洗浄した後に、細胞を透過性にするために0.1%Triton X-100を含有するDPBSを室温で10分間にわたって処理した。次いで、細胞を室温で30分間にわたってブロックし、続いて、ウサギ抗CXCR4抗体及びマウス抗ADRB2抗体の両方と共に室温で3時間にわたってインキュベートした。細胞をDPBSで4回洗浄した後に、テルビウムクリプタートで標識されたヤギ抗ウサギIgG及びAlexa Fluor 647で標識されたヤギ抗マウスIgGを室温で1時間にわたって処理した。次いで、細胞をDPBSで4回洗浄し、続いて、Varioskan LUX Multimode Microplate Readerを使用して分析した。
抗体利用TR-FRETの性能は、2 Ad-CXCR4:1 Ad-ADRB2の比において、最高のシグナルを示した(図23B)。したがって、Ad-CXCR4及びAd-ADRB2をそれぞれ30MOI及び15MOIから半分に連続希釈した。HA-VC担持アデノウイルスを陰性対照として使用した。0.9MOIのAd-CXCR4及び0.5MOIのAd-ADRB2で、FRET有効性が成功裏に検出され、用量依存も観察された。これらの結果は、抗体利用TR-FRETがGPCRヘテロマー診断のための有望なツールであり得ることを示唆している。
実施例18A~18C。血液がん及び固形腫瘍細胞系における、PLAによるCXCR4-ADRB2ヘテロマー検出ならびにRT-qPCRによるCXCR4またはADRB2 RNA発現レベルの定量化
個々のGPCR、CXCR4及びADRB2により産生されるRNAの量と、血液がん及び固形腫瘍細胞系において検出されるCXCR4-ADRB2ヘテロマーの量との間の関係を調べた。CXCR4は、様々なヒトがん、例えば、骨髄腫及び白血病などの血液学的がん、ならびに肺癌及び乳癌などの固形腫瘍で過剰発現される。また、この過剰発現は、再発のリスクの増大及び不十分な全生存期間と相関している。
CXCR4及びADRB2 RNAの発現が、qPCRにより検査された3つすべての固形腫瘍細胞系において観察された:A549(肺癌)、U2OS(骨肉腫)、及びMDA-MB-231(乳癌)(図24A)。A549、U2OS、及びMDA-MB-231細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーの内因性発現レベルを評価するために、PLAを、CXCR4及びADRB2のために2つの異なる一次抗体を用いて利用した。得られたローリングサークル増幅(RCA)産物は赤色の蛍光シグナルとして示され、細胞表面全体が広く染色され、核(DAPIで染色されている)及びサイトゾル(図24B)を覆っていた。各細胞での平均PLAシグナルが、細胞数で割ったRCA産物として表示された。平均して、各MDA-MB-231細胞は約60のRCA産物の値を有し、続いて、A549細胞は約35のRCA産物を有し、及びU2OS細胞は約20のRCA産物を有する(図24C)。CXCR4及びADRB2のRNA発現レベルは、A549及びU2OS細胞のものと比較して、MDA-MB-231細胞系において最高であり(CXCR4/ADRB2のデルタCt:7.4/8.8、10.6/12.4、12.8/10.5)、PLA値も、A549及びU2OS細胞と比較して、MDA-MB-231細胞系において最高であった。RNA発現とPLA値との間に有意な相関が存在することが分かり得る。これらの結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを有する患者を、PLA及びRNA発現レベルの分析によりスクリーニングすることができることを示している。
CXCR4及びADRB2 RNAの発現が、qPCRにより検査された3つすべての血液がん細胞系で観察された:HL60(白血病)、U937(白血病)、及びRPMI 8226(骨髄腫)(図25A)。HL-60、U937及びRPMI 8226細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーの内因性発現レベルを評価するために、PLAを、CXCR4及びADRB2のために2つの異なる一次抗体を用いて利用した。得られたローリングサークル増幅(RCA)産物は、細胞表面全体が染色された赤色の蛍光シグナルとして示された(図25B)。各細胞での平均PLAシグナルが、細胞数で割ったRCA産物として表示された。平均して、各HL-60細胞は、30のRCA産物の値を有し、それに、HL-60の値のほぼ半分であったU937及びRPMI 8226細胞の両方が続いた(図25C)。定量的PCRによりCXCR4及びADRB2のRNA発現レベルを比較すると、ADRB2発現は、これら3つの細胞において同様であったが(デルタCt:9)、HL60細胞におけるCXCR4の発現レベルは他の細胞系U937及びRPMI 8226のものの2倍であった(デルタCt値:4.7、5.9、5.8)。これらの差は、PLA値において同様のパターンを示し、これは、RNA発現レベルとPLA値との間の有意な相関を示している。これらの結果は、懸濁細胞のPLAシグナルを成功裏に検出することができることを示しており、HL-60細胞が、U937及びRPMI 8226細胞よりも2倍多いCXCR4-ADRB2ヘテロマーを有することを示している。
CXCR4ヘテロマーの診断は、CXCR4テロマーを発現する対象をスクリーニングして、パートナーGPCRの種類に従って選択された薬物を供給するために必須である。CXCR4ヘテロマーを診断するための方法として本発明者らの研究所において既に設定されているPLAは、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料中の抗体を使用して、固形癌対象から抽出された組織を診断する方法である。これらの結果は、血液がん対象の試料、尿、及び沈降物などの液体生検においてCXCR4ヘテロマーを検出する可能性を提供する。
実施例19。CXCR4及びADRB2プロトマーを内因性発現する天然細胞において増強されるCXCR4下流シグナル伝達のCa2+動員アッセイによる評価
CXCR4-ADRB2ヘテロマーなどのCXCR4-GPCRxヘテロマーの特性を、CXCR4及びADRB2の両方をそれぞれ内因性発現するU937細胞(図26A)及びHL-60細胞(図26B)におけるカルシウム動員アッセイにより、それらのそれぞれの作動薬の一方または両方での刺激または共刺激時に生じるカルシウムシグナル伝達を測定することにより評価した。カルシウム動員を、FlexStation3を使用して測定した。
U937細胞(図26A)及びHL-60細胞(図26B)の両方において、CXCR4作動薬であるCXCL12単独(200nMで)での刺激が細胞間カルシウム動員を誘導した一方で、ADRB2作動薬であるホルモテロール単独(10uM)での刺激は、カルシウム応答を誘導しなかった。しかしながら、両方の作動薬(CXCL12及びホルモテロール、それぞれ200nM及び10uM)での共刺激は、単一作動薬刺激により誘導される応答と比べて、U937細胞(図26A)及びHL-60細胞(図26B)の両方においてカルシウム応答の著しい増大をもたらした(CXCL12での単一刺激と比べて、U937細胞ではカルシウム応答が約4倍増大し、CXCL12での単一刺激と比べて、HL-60細胞ではカルシウム応答が約8倍増大した)。
実施例20。U937及びHL-60細胞系におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマー形成時に増強されるCXCR4下流シグナル伝達のCa2+動員阻害 - 組合せ阻害剤処理に対する単一阻害剤処理の比較
U937細胞及びHL-60細胞の両方におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのカルシウム応答の増大の抑制におけるCXCR4阻害剤の有効性(実施例19)を、代表的なADRB2阻害剤であるカルベジロールの存在または非存在下で測定した。実施例19において論述したとおり、CXCR4-ADRB2ヘテロマーのカルシウム応答の増大を、作動薬であるCXCL12(200nM)及びホルモテロール(10μM)により誘導し、CXCR4阻害剤(ADRB2阻害剤であるカルベジロールの存在または非存在下)を、作動薬で細胞を処理する2時間前に添加した。カルシウム動員を、FlexStation3を使用して測定し、生じたCa2+応答のIC50を、GraphPad Prismソフトウェアを使用して算出した。データを表5に示す。
表5に示されているとおり、U937細胞において、それぞれのCXCR4阻害剤のIC50値の低下と共に示されているとおり、CXCR4阻害剤であるAMD3100、ウロクプルマブ及びTG-0054は、CXCR4-ADRB2シグナル伝達を10μMのカルベジロールの存在下でより効率的に抑制した。特に、TG-0054のIC50値はカルベジロールの存在下で有意に低下した。カルベジロールと、それぞれAMD3100、ウロクプルマブ、またはTG-0054との共処理時に、Ca2+応答のIC50値は、約6.4倍(3.34nMから0.52nMへ)、約4.8倍(1.25nMから0.26nMへ)及び約69倍(24nMから0.35nMへ)低下した。
表5に示されているとおり、HL-60細胞において、CXCR4阻害剤のそれぞれが、10μMのカルベジロールの存在下でCXCR4-ADRB2シグナル伝達をより効率的に抑制した。カルベジロールと、それぞれAMD3100、ウロクプルマブ、AMD070及びTG-0054との共処理時に、Ca2+応答のIC50値は、約4.4倍(1.50nMから0.34nMへ)、約3.3倍(0.02nMから0.006nMへ)、約12.7倍(3.56nMから0.28nMへ)及び約12.5倍(4nMから0.32nMへ)低下した。
これらの結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞において、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤一斉での共処理が、CXCR4阻害剤単独での単一処理よりも効果的にCa2+応答の増大を阻害することを示唆している。
実施例21。MDA-MB-231細胞系におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマー形成時に増強されるCXCR4下流シグナル伝達のCa2+動員の阻害 - 組合せ阻害剤処理に対する単一阻害剤処理の比較
ADRB2のカルシウム応答を抑制する際のADRB2阻害剤の有効性を、ADRB2のみをコードするアデノウイルスを形質導入されたMDA-MB-231細胞において測定し、シグナル伝達を、サルメテロール(1μM)で細胞を刺激して測定した。データを表6に示す。加えて、CXCR4及びADRB2をコードするアデノウイルスを共形質導入されたMDA-MB-231細胞において増強されるCXCR4-ADRB2ヘテロマーのカルシウム応答(増強されるシグナル伝達)を抑制する際のADRB2阻害剤の有効性を、代表的なCXCR4阻害剤であるAMD3100の存在または非存在下で測定した。Ca2+流を、MDA-MB-231細胞をCXCL12(20nM)及びサルメテロール(1μM)で共刺激して測定し、ADRB2阻害剤(CXCR4阻害剤であるAMD3100の存在または非存在下)を、細胞を作動薬で処理する2時間前に添加した。カルシウム動員を、FlexStation3を使用して測定し、生じたカルシウム応答のIC50値をGraphPad Prismソフトウェアを使用して算出した。データを表6に示す。
表6に示されているとおり、MDA-MB-231細胞では、ブプラノロールの単一処理は、IC50値としての0.82nMでADRB2シグナル伝達を阻害し、ラベタロールの単一処理は、IC50値としての24.81nMでADRB2シグナル伝達を阻害した。ADRB2阻害剤であるブプラノロールまたはラベタロールはCXCR4-ADRB2シグナル伝達を、IC50値の低下で示されるとおり、AMD3100の非存在下でのADRB2阻害剤のIC50値と比べて、650nM(IC90)のAMD3100の存在下で、より高い効力でより効率的に抑制した。ブプラノロールのIC50の値はAMD3100との組合せで、単一処理と比べて約33倍低下した一方で(3.12nMから0.10nMへ)、ラベタロールのIC50はAMD3100との組合せで、単一処理と比べて約107倍低下した(57.98nMから0.54nMへ)。これらの結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞において、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤一斉での共処理がCa2+応答の増大を、ADRB2阻害剤単独での単一処理よりも効果的に阻害することを示唆している。
実施例22。MDA-MB-231細胞系におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマー形成時に増強されるCXCR4下流シグナル伝達のCa2+動員阻害 - 組合せ阻害剤処理に対するTG-0054単一処理の比較
CXCR4の応答を抑制する際のCXCR4阻害剤であるTG-0054の有効性を、CXCR4のみをコードするアデノウイルスを形質導入されたMDA-MB-231細胞において測定し、シグナル伝達を、CXCL12(20nM)で細胞を刺激して測定した。MDA-MB-231細胞(CXCR4を発現)において、TG-0054は、65.78±1.34のIC50値(nM)を有すると測定された。次に、CXCR4-ADRB2ヘテロマーの増強されるシグナル伝達を抑制する際のTG-0054の有効性を、CXCR4及びADRB2をコードするアデノウイルスを共形質導入されたMDA-MB-231細胞において、ADRB2阻害剤(10uM)の存在または非存在下で測定した。データを表7に示す。Ca2+流を、MDA-MB-231細胞をCXCL12(20nM)及びサルメテロール(1μM)で共刺激して測定し、CXCR4阻害剤TG-0054(ADRB2阻害剤の存在または非存在下)を、作動薬で細胞を処理する2時間前に添加した。カルシウム動員を、FlexStation3を使用して測定し、生じたカルシウム応答のIC50値をGraphPad Prismソフトウェアを使用して算出した。データを表7に示す。
上述のとおり、MDA-MB-231細胞では、TG-0054の単一処理は、CXCR4のみを形質導入されたMDA-MB-231において、IC50値としての65.78nMでCXCR4シグナル伝達を阻害した。表7に示されているとおり、TG-0054はCXCR4-ADRB2シグナル伝達を、IC50値の低下で示されるとおり、ADRB2阻害剤の存在下で、ADRB2阻害剤の非存在下での単一の処理と比べて高い効力でより効率的に抑制した。TG-0054のIC50値は、カルベジロールとの組合せで約4645倍低下し(92.89nMから0.02nMへ)、ラベタロールとの組合せで約3573倍低下し(92.89nMから0.026nMへ)、ADRB2阻害剤であるアルプレノロール、カラゾロール、プロパフェノン、またはチモロールのいずれか1種との組合せで処理した場合には約10倍以上低下した。これらの結果は、CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞において、TG-0054及びADRB2阻害剤で一斉に共処理することで、TG-0054単独での単一処理よりも効果的に、Ca2+応答の増大が阻害されることを示唆している。
例示的な実施形態
実施形態A1。がんに罹患している対象の細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達の抑制方法であって、前記対象に、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び
b)ADRB2阻害剤
を投与することを含み、
その際、
i)前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因し;かつ
ii)前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤が、前記がん対象における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、前記方法。
実施形態A2。CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象におけるがんの処置方法であって、前記対象に、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び
b)ADRB2阻害剤
を投与することを含み、
その際、
i)増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因し;かつ
ii)前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤が、前記がん対象における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、前記方法。
実施形態A3。CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象におけるがんの処置方法であって、
a)前記対象の細胞がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有し、その際、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因するか否かを決定すること;及び
b)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するならば、前記がん対象に:
i)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び
ii)ADRB2阻害剤
を投与することを含む、前記方法。
実施形態A4。CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有し、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する対象におけるがんの処置方法であって、
1)前記対象が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記細胞を有するか否かを、前記対象から生体試料を得るか、または得ていること;及び
i)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否か;または
ii)CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せが:前記対象由来細胞(複数可)において前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性もしくは機能を変化させる否か;前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる否か;もしくは前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象においてがんの進行を減少させるか否か
を決定するために、前記生体試料でアッセイを実行するか、もしくは実行していることにより決定すること;ならびに
2)前記対象が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有するならば、前記がん対象に、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを投与し、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルであること;ならびに
3)前記対象が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有さなければ、前記がん対象に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤を投与することを含む、前記方法。
実施形態A5。CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有し、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する対象におけるがんの処置方法であって、
1)前記対象が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記細胞を有するか否かを、前記対象から生体試料を得るか、または得ていること;及び
i)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否か;または
ii)CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せが:前記対象由来細胞(複数可)において前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性もしくは機能を変化させる否か;前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる否か;もしくは前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象においてがんの進行を減少させるか否か
を決定するために、前記生体試料でアッセイを実行するか、もしくは実行していることにより決定すること;ならびに
2)前記対象が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有するならば、前記がん対象に、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを投与し、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルであること;ならびに
3)前記対象が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有さなければ、前記がん対象に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤を投与することを含み、その際、
a)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記細胞を有する前記対象における前記がんの進行が、前記がん対象への前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せの投与時に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの前記単一の阻害剤の投与と比べて5~100%の範囲でより多く減少し;
b)前記ブリキサフォルの有効性が、前記ADRB2阻害剤との組合せで前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記細胞を有する前記対象に投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合の前記ブリキサフォルの有効性と比べて5~2000%の範囲で上昇し;及び/または
c)前記ADRB2阻害剤の有効性が、前記ブリキサフォルとの組合せで前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記細胞を有する前記対象に投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合の前記ADRB2阻害剤の有効性と比べて5~2000%の範囲で上昇する、前記方法。
実施形態A6。CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有し、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する対象におけるがんの処置方法であって、
1)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを、前記対象から生体試料を得るか、または得ていること、及び前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが前記対象の細胞に存在するか否かを決定するために前記生体試料でアッセイを実行する、または実行していることにより決定し;その際、前記生体試料で実行されるアッセイが共内在化アッセイ、共局在化アッセイ、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫組織化学、免疫電子顕微鏡法、近接度に基づくアッセイ、共免疫沈降アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、RNAseq、RT-qPCR、CXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、CXCR4及びADRB2の発現レベル、マイクロアレイ、または蛍光動物アッセイのうちの1つもしくは複数であるか、または1つもしくは複数を含むこと;
2)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するならば、前記がん対象に、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを投与し、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルであること;ならびに
3)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有しなければ、前記がん対象に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤を投与することを含む、前記方法。
実施形態A7。CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有し、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する対象におけるがんの処置方法であって、
1)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを、前記対象から生体試料を得るか、または得ていること、及び前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが前記対象の細胞に存在するか否かを決定するために前記生体試料でアッセイを実行する、または実行していることにより決定し;その際、前記生体試料で実行されるアッセイが共内在化アッセイ、共局在化アッセイ、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫組織化学、免疫電子顕微鏡法、近接度に基づくアッセイ、共免疫沈降アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、RNAseq、RT-qPCR、CXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、CXCR4及びADRB2の発現レベル、マイクロアレイ、または蛍光動物アッセイのうちの1つもしくは複数であるか、または1つもしくは複数を含むこと;
2)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するならば、前記がん対象に、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを投与し、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルであること;ならびに
3)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有しなければ、前記がん対象に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤を投与することを含み、その際、
a)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記細胞を有する前記対象における前記がんの進行が、前記がん対象への前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せの投与時に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの前記単一の阻害剤の投与と比べて5~100%の範囲でより多く減少し;
b)前記ブリキサフォルの有効性が、前記ADRB2阻害剤との組合せで前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記細胞を有する前記対象に投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合の前記ブリキサフォルの有効性と比べて5~2000%の範囲で上昇し;及び/または
c)前記ADRB2阻害剤の有効性が、前記ブリキサフォルとの組合せで前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記細胞を有する前記対象に投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合の前記ADRB2阻害剤の有効性と比べて5~2000%の範囲で上昇する、前記方法。
実施形態A8。CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象においてがんを処置する際に使用するための医薬キットであって、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び
b)ADRB2阻害剤を含み;
その際、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、前記医薬キット。
実施形態A9。CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象においてがんを処置する際に使用するための医薬組成物であって、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;
b)ADRB2阻害剤;及び
c)薬学的に許容される担体を含み;
その際、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、前記医薬組成物。
実施形態A10。細胞中のCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達の抑制方法であって、前記細胞に:
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び
b)ADRB2阻害剤
を投与することを含み;
その際、
i)前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因し;かつ
ii)前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤との接触が、前記細胞において前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、前記方法。
実施形態A11。前記細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを決定することをさらに含む、実施形態A10に記載の抑制方法。
実施形態A12。細胞においてCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を抑制する際に使用するための医薬キットであって、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び
b)ADRB2阻害剤
を含み;
その際、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、前記医薬キット。
実施形態A13。細胞においてCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を抑制する際に使用するための医薬組成物であって、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;
b)ADRB2阻害剤;及び
c)薬学的に許容される担体
を含み;
その際、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、前記医薬組成物。
実施形態A14。前記細胞が対象の細胞である、実施形態A10~A13のいずれか1つに記載の抑制方法。
実施形態A15。前記対象の細胞ががん細胞である、実施形態A14に記載の抑制方法。
実施形態A16。前記細胞ががん細胞である、実施形態A1~A13のいずれか1つに記載の抑制方法。
実施形態A17。前記方法が、前記がん対象において前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を検出することをさらに含む、実施形態A1~A9のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A18。前記方法が、前記がん対象において前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを同定することをさらに含む、実施形態A1~A9またはA17のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A19。前記方法が、前記対象から生体試料を得ることをさらに含む、実施形態A1~A9またはA17~A18のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A20。前記方法が、前記対象から得られた前記生体試料でアッセイを実行することをさらに含む、実施形態A1~A9またはA17~A19のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A21。
前記方法が、
i)前記がん対象から生体試料を得ること、または得ていること;
ii)前記がん対象から得られた前記生体試料においてCXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在、アイデンティティ、または存在及びアイデンティティを決定するための診断アッセイを行うこと、または行っていること;ならびに
iii)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を抑制するために、ブリキサフォルとの組合せで投与するためのADRB2阻害剤を選択すること
をさらに含む、実施形態A1~A9またはA17~A20のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A22。前記方法が、前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを決定することであって、前記対象から得られた生体試料においてアッセイを実行することを含む、前記決定することをさらに含む、実施形態A1~A9またはA17~A21のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A23。前記方法が、前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを決定することであって、前記対象から生体試料を得ること、及び前記対象から得られた前記生体試料においてアッセイを実行することを含む、前記決定することをさらに含む、実施形態A1~A9またはA17~A22のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A24。前記対象から得られた前記生体試料が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する、実施形態A1~A9またはA17~A23のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A25。前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する、実施形態A1~A9またはA14~A24のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A26。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、以下の特徴:
1)前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用していること;
2)増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因すること;及び/または
3)ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが:
i)前記細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる;
ii)前記細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる;及び/または
iii)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記細胞のヘテロマー特異的特性を変化させること
のうちの2つ以上を有する、実施形態A1~A25のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A27。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、以下の特徴:
1)前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用していること;
2)増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因すること;及び/または
3)ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが:
i)前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる;
ii)前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる;
iii)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる;及び/または
iv)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象においてがん進行を減少させること
のうちの2つ以上を有することを含む、実施形態A1~A9またはA14~A25のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A28。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用していることを有すると特徴づけられる、実施形態A1~A27のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A29。前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用し、共内在化アッセイ、共局在化アッセイ、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫組織化学、免疫電子顕微鏡法、近接度に基づくアッセイ、共免疫沈降アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、RNAseq、RT-qPCR、CXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、CXCR4及びADRB2の発現レベル、マイクロアレイ、または蛍光動物アッセイのうちの1つまたは複数により決定される、実施形態A1~A28のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A30。前記近接度に基づくアッセイが共鳴エネルギー移動(RET)、生物発光RET(BRET)、蛍光RET(FRET)、時間分解蛍光RET(TR-FRET)、抗体利用FRET、リガンド利用FRET、二分子蛍光補完(BiFC)、または近接ライゲーションアッセイ(PLA)であるか、またはそれを含む、実施形態A1~A29のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A31。前記TR-FRETがリガンド利用TR-FRETである、実施形態A30に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A32。前記TR-FRETが抗体利用TR-FRETである、実施形態A30に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A33。前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用し、共内在化アッセイ、二分子蛍光補完(BiFC)、RT-PCR、RT-qPCR、CXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、CXCR4及びADRB2の発現レベル、または近接ライゲーションアッセイ(PLA)のうちの1つまたは複数により決定される、実施形態A1~A30のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A34。前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用し、共内在化アッセイにより決定される、実施形態A33に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A35。前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用し、二分子蛍光補完(BiFC)により決定される、実施形態A33に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A36。前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用し、近接ライゲーションアッセイ(PLA)により決定される、実施形態A33に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A37。前記アッセイが、前記対象から得られた前記生体試料における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を決定する、実施形態A1~A9またはA17~A36のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A38。前記アッセイが、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの前記CXCR4及びADRB2構成要素の共局在化及び相互作用を決定する、実施形態A1~A37のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A39。前記アッセイが前記対象の細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を決定する、実施形態A1~A9またはA14~A38のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A40。前記アッセイが、前記対象から得られた前記生体試料における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を決定する、実施形態A1~A9またはA17~A39のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A41。前記アッセイが、前記対象における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を決定する、実施形態A1~A9またはA17~A40のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A42。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因することを有すると特徴づけられる、実施形態A1~A41のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A43。前記増強される下流シグナル伝達が前記対象の細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、実施形態A1~A9またはA14~A42のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A44。前記増強される下流シグナル伝達が前記対象の細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在に起因する、実施形態A1~A9またはA14~A43のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A45。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが前記増強される下流シグナル伝達をもたらす、実施形態A1~A44のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A46。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが前記対象の細胞において前記増強される下流シグナル伝達をもたらす、実施形態A1~A9またはA14~A45のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A47。前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのアゴニズムに起因する、実施形態A1~A46のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A48。前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4アゴニズムに起因する、実施形態A1~A47のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A49。前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのADRB2アゴニズムに起因する、実施形態A1~A47のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A50。前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4アゴニズム及びADRB2アゴニズムに起因する、実施形態A1~A47のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A51。前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4、前記ADRB2、または前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの下流である、実施形態A1~A50のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A52。前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4の下流である、実施形態A51に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A53。前記増強される下流シグナル伝達が前記ADRB2の下流である、実施形態A51に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A54。前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの下流である、実施形態A51に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A55。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達が、それぞれ個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマーまたはADRB2プロトマーからの下流シグナル伝達と比べてのものである、実施形態A1~A50のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A56。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達が、個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマーからの下流シグナル伝達と比べてのものである、実施形態A55に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A57。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達が、個々のプロトマーの状況におけるADRB2プロトマーからの下流シグナル伝達と比べてのものである、実施形態A55に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A58。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達が、それぞれ個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマー及びADRB2プロトマーからの下流シグナル伝達と比べてのものである、実施形態A55に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A59。前記増強される下流シグナル伝達が、増強されるカルシウム動員量である、実施形態A1~A58のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A60。前記増強されるカルシウム動員量を細胞内Ca2+アッセイにより決定する、実施形態A59に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A61。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を細胞内Ca2+アッセイにより決定する、実施形態A1~A60のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A62。前記細胞内Ca2+アッセイがカルシウム動員アッセイである、実施形態A61に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A63。前記カルシウム動員アッセイが、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが前記増強される下流シグナル伝達をもたらすことを決定する、実施形態A62に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A64。前記カルシウム動員アッセイが、前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在に起因することを決定する、実施形態A62またはA63に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A65。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、
a)CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に前記細胞内の個々のプロトマーの状況において前記CXCR4または前記ADRB2のいずれかが、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらし;かつ
b)前記CXCL12及び前記ADRB2作動薬での共刺激時に前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と比べて増強されるカルシウム動員を示すような、前記増強されるカルシウム動員量を示す、実施形態A1~A64のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A66。
i)前記細胞内の前記個々のプロトマーの状況における前記プロトマーCXCR4またはADRB2からの前記カルシウム動員が、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、非相乗的であり;かつ
ii)前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーからの前記カルシウム動員が、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、相乗的である、
実施形態A1~A65のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A67。カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記個々のプロトマーの状況において:
a)前記個々のプロトマーADRB2の非存在下での前記細胞内の前記個々のプロトマーCXCR4、または
b)前記個々のプロトマーCXCR4の非存在下での前記細胞内の前記個々のプロトマーADRB2
が、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらす、実施形態A1~A66のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A68。カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記個々のプロトマーの状況において独立に、:
a)前記個々のプロトマーADRB2の非存在下での前記細胞内の前記個々のプロトマーCXCR4、及び
b)前記個々のプロトマーCXCR4の非存在下での前記細胞内の前記個々のプロトマーADRB2
が、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらす、実施形態A1~A67のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A69。カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、前記CXCL12及び前記ADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの前記細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも多いカルシウム動員量をもたらす、実施形態A1~A68のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A70。カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの共刺激に起因した前記カルシウム動員量が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員の合計と比べて増強されるカルシウム動員量である、実施形態A1~A69のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A71。カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因した前記増強されるカルシウム動員量が、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの前記細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも多い、カルシウム動員量である、実施形態A1~A70のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A72。カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因した前記増強されるカルシウム動員量が、前記CXCL12及び前記ADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの前記細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも少なくとも10%多い、少なくとも20%多い、少なくとも30%多い、少なくとも40%多い、少なくとも50%多い、少なくとも75%多い、または少なくとも90%多いカルシウム動員量である、実施形態A71に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A73。カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因した前記増強されるカルシウム動員量が、前記CXCL12及び前記ADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12作動薬または前記ADRB2作動薬のいずれかでの前記細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも少なくとも100%多いカルシウム動員量である、実施形態A71またはA72に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A74。前記増強されるカルシウム動員量が、相乗的なカルシウム動員の量である、実施形態A71~A73のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A75。カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記細胞からの前記相乗的なカルシウム動員の量が、前記CXCL12及び前記ADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの前記細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも少なくとも10%多い、少なくとも20%多い、少なくとも30%多い、少なくとも40%多い、少なくとも50%多い、少なくとも75%多い、または少なくとも90%多いカルシウム動員量である、実施形態A74に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A76。カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記増強されるカルシウム動員量が、
a)細胞内の個々のプロトマーの状況において前記CXCR4または前記ADRB2のいずれかが、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらし;かつ
b)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、前記CXCL12及び前記ADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と比べて増強されるカルシウム動員を呈するような、カルシウム動員の量の増強を示す
と特徴づけられる、実施形態A1~A75のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A77。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:CXCR4作動薬またはADRB2作動薬のいずれかでの前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの単独刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量と比べて、多い量の下流ERKシグナル伝達が前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの共刺激に起因することを有すると特徴づけられる、実施形態A1~A76のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A78。前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記CXCR4作動薬での単独刺激に起因する量よりも多い、実施形態A77に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A79。前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記CXCR4作動薬での単独刺激に起因する量よりも少なくとも5%多い、実施形態A78に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A80。前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記CXCR4作動薬での単独刺激に起因する量よりも少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%多い、実施形態A78に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A81。前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記CXCR4作動薬での単独刺激に起因する量よりも5~15%、10~25%、20~50%、40~75%、または60~100%の範囲で多い、実施形態A78~A80のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A82。前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記ADRB2作動薬での単独刺激に起因する量よりも多い、実施形態A77に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A83。前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記ADRB2作動薬での単独刺激に起因する量よりも少なくとも5%多い、実施形態A82に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A84。前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記ADRB2作動薬での単独刺激に起因する量よりも少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%多い、実施形態A82に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A85。前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記ADRB2作動薬での単独刺激に起因する量よりも5~15%、10~25%、20~50%、40~75%、または60~100%の範囲で多い、実施形態A82~A84のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A86。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させることを有すると特徴づけられる、実施形態A1~A9またはA14~A85のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A87。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させることを有すると特徴づけられる、実施形態A1~A9またはA14~A86のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A88。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させることを有すると特徴づけられる、実施形態A1~A9またはA14~A87のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A89。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記対象由来細胞(複数可)のがん進行を減少させることを有すると特徴づけられる、実施形態A1~A9またはA14~A88のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A90。前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、実施形態A1~A89のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A91。前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが、前記細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、実施形態A1~A90のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A92。前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが、前記がん対象における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、実施形態A1~A9またはA17~A91のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A93。前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが、前記がん対象の前記細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、実施形態A1~A9またはA17~A92のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A94。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素がCXCR4及びADRB2の個々のプロトマーを含む、実施形態A1~A93のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A95。個々のプロトマーの状況において前記CXCR4を含有する前記細胞が、前記個々のプロトマーADRB2の存在もしくは非存在下で前記個々のプロトマーCXCR4を含む、実施形態A1~A94のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A96。個々のプロトマーの状況において前記CXCR4を含有する前記細胞が、前記個々のプロトマーADRB2の非存在下で前記個々のプロトマーCXCR4を含む、実施形態A95に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A97。個々のプロトマーの状況において前記CXCR4を含有する前記細胞が、前記個々のプロトマーADRB2の存在下で前記個々のプロトマーCXCR4を含む、実施形態A95に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A98。個々のプロトマーの状況において前記ADRB2を含有する前記細胞が、前記個々のプロトマーCXCR4の存在もしくは非存在下で前記個々のプロトマーADRB2を含む、実施形態A1~A94のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A99。個々のプロトマーの状況において前記ADRB2を含有する前記細胞が前記個々のプロトマーCXCR4の非存在下で前記個々のプロトマーADRB2を含む、実施形態A98に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A100。個々のプロトマーの状況において前記ADRB2を含有する前記細胞が前記個々のプロトマーCXCR4の存在下で前記個々のプロトマーADRB2を含む、実施形態A98に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A101。前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが:
i)前記細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる;
ii)前記細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる;及び/または
iii)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記細胞のヘテロマー特異的特性を変化させる、
実施形態A1~A100のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A102。投与される前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せが:
i)前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる;
ii)前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる;
iii)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる;または
iv)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象においてがん進行を減少させる、
実施形態A1~A9またはA14~A101のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A103。投与される前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せが、前記対象由来細胞(複数可)において前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる、実施形態A102に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A104。投与される前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せが、前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる、実施形態A102または103に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A105。投与される前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せが、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる、実施形態A102~A104のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A106。投与される前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せが、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象においてがん進行を減少させる、実施形態A102~A105のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A107。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記対象由来細胞(複数可)のがん進行を減少させることを有すると特徴づけられる、実施形態A102~A106のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A108。前記減少するがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記対象由来細胞(複数可)のがん進行の減少を含む、実施形態A102~A107のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A109。前記減少するがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の細胞増殖の減少を含む、実施形態A102~A108のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A110。前記減少するがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記対象由来細胞(複数可)の細胞遊走の減少を含む、実施形態A102~A109のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A111。前記減少するがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記対象由来細胞(複数可)の転移の減少を含む、実施形態A102~A110のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A112。前記減少するがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記対象由来細胞(複数可)の血管新生の減少を含む、実施形態A102~A111のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A113。前記ブリキサフォルを、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物として投与する、実施形態A1~A112のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A114。前記ADRB2阻害剤を、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物として投与する、実施形態A1~A113のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A115。前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せを連続的に、併用して、または同時に投与することを含む、実施形態A1~A114のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A116。前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せを、薬学的に許容される担体をさらに含む医薬組成物として投与する、実施形態A1~A115のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A117。前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤を医薬組成物の組合せとして投与する、実施形態A1~A116のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A118。医薬組成物の前記組合せが、
a)前記ブリキサフォル及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物;ならびに
b)前記ADRB2阻害剤及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物
を含む、実施形態A117に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A119。前記医薬組成物の組合せを連続的に、併用して、または同時に投与する、実施形態A117またはA118に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A120。前記がんが血液学的がんまたは固形腫瘍である、実施形態A1~A119のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A121。前記がんが血液学的がんである、実施形態A120に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A122。前記血液学的がんがリンパ腫、白血病、骨髄腫、及び多発性骨髄腫からなる群から選択される、実施形態A121に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A123。前記リンパ腫がB細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、またはNK細胞リンパ腫である、実施形態A122に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A124。前記リンパ腫が再発性または難治性リンパ腫である、実施形態A122またはA123に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A125。前記リンパ腫が、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、活性化B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、濾胞性中心リンパ腫、形質転換リンパ腫、中分化型のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(ILL)、びまん性低分化リンパ球性リンパ腫(PDL)、中心細胞性リンパ腫、びまん性核切れ込み小細胞型リンパ腫(DSCCL)、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、マントル層リンパ腫、及び低悪性度濾胞性リンパ腫からなる群から選択される、実施形態A122~A124のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A126。前記白血病が:
a)急性リンパ球性白血病(ALL)、T細胞急性リンパ球性白血病(T-ALL)、B細胞急性リンパ芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄球性白血病(AML)、急性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病及び骨髄芽球、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、ならびに赤白血病からなる群から選択される急性白血病;
b)慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性骨髄性(myelogenous)白血病(慢性骨髄性(myeloid)白血病;CML)、及び慢性リンパ球性白血病(CLL)からなる群から選択される慢性白血病;または
c)慢性骨髄性単球性白血病(CMML)、慢性好酸球性白血病、若年性骨髄性単球性白血病(JMML)、真性多血症、ナチュラルキラー細胞白血病(NK白血病)、またはヘアリーセル白血病
である、実施形態A122に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A127。前記がんが固形腫瘍である、実施形態A120に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A128。前記固形腫瘍が良性腫瘍またはがんである、実施形態A127に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A129。前記固形腫瘍が癌腫または肉腫である、実施形態A127に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A130。前記固形腫瘍が、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、滑膜腫、中皮腫、悪性類上皮中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃癌、結腸直腸癌、食道癌、結腸癌、リンパ悪性病変、膵臓癌、膵臓腺癌、膵臓管状腺癌、乳癌、乳房腺癌、乳房管状腺癌、肺癌、小細胞肺癌、肺腺癌、腺扁平上皮肺癌、胞巣状横紋筋肉腫、卵巣癌、卵巣明細胞腺癌、卵巣粘液性嚢胞腺癌、卵巣漿液性腺癌、前立腺癌、肝細胞癌、軟部組織肉腫、扁平上皮細胞癌腫、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、髄様甲状腺癌、乳頭状甲状腺癌、甲状腺癌、褐色細胞腫、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、胃腸癌、胃管状腺癌、胃腺扁平上皮癌、腎臓癌、肝臓内胆管癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛上皮腫、ウィルムス腫瘍、子宮癌肉腫、子宮内膜腺癌、子宮内膜間質性肉腫、子宮内膜癌、子宮頸癌、精巣腫瘍、精上皮腫、膀胱癌、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、多発性内分泌新形成、CNS腫瘍、神経膠芽腫、神経膠星状細胞腫、CNSリンパ腫、胚細胞腫、髄芽腫、神経鞘腫 頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、及び脳転移からなる群から選択される、実施形態A127に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A131。前記固形腫瘍が乳癌、肺癌、及び肝細胞癌からなる群から選択される、実施形態A130に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A132。前記固形腫瘍が乳癌である、実施形態A131に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A133。前記固形腫瘍が肺癌である、実施形態A131に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A134。前記固形腫瘍が肝細胞癌である、実施形態A131に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A135。前記対象の生体試料が生体液試料である、実施形態A1~A9またはA17~A134のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A136。液体生検を生体液試料で実行する、実施形態A135に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A137。前記生体液試料が、血液試料、血漿試料、唾液試料、脳脊髄液試料、眼液試料、または尿試料である、実施形態A135またはA136に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A138。前記対象の生体試料が生物学的組織試料である、実施形態A1~A9またはA17~A137のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A139。組織試料アッセイを前記生物学的組織試料で実行する、実施形態A138に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A140。前記生物学的組織試料が臓器組織試料、骨組織試料、または腫瘍組織試料である、実施形態A138またはA139に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A141。がんの前記処置方法が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達の抑制方法である、実施形態A1~A140のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A142。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達の前記抑制方法が、がんの処置方法である、実施形態A1~A140のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A143。前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記がん細胞を有する前記対象における前記がんの進行が、前記がん対象への前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せの投与時に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの前記単一の阻害剤の投与と比べて5~100%の範囲でより多く減少する、実施形態A1~A9またはA17~A142のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A144。前記ブリキサフォルの有効性が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記がん細胞を有する前記対象に前記ADRB2阻害剤との組合せで投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合の前記ブリキサフォルの有効性と比べて5~5000%の範囲で上昇する、実施形態A1~A9またはA17~A143のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A145。ADRB2阻害剤の有効性が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する前記がん細胞を有する前記対象に前記ブリキサフォルとの組合せで投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合の前記ADRB2阻害剤の有効性と比べて5~5000%の範囲で上昇する、実施形態A1~A9またはA17~A144のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A146。前記がん対象への前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せの投与が、前記がん対象における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を、単一の阻害剤投与と比べて5~2000倍の範囲で抑制する、実施形態A1~A9またはA17~A145のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A147。前記がん対象への前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せの投与が、前記がん対象における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を、それぞれ個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマーまたはADRB2プロトマーのいずれかからの下流シグナル伝達の抑制と比べて5~2000倍の範囲で抑制する、実施形態A1~A9またはA17~A146のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A148。前記細胞ががん細胞である、実施形態A17~A147のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A149。前記細胞が対象の細胞である、実施形態A17~A147のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A150。前記対象の細胞ががん細胞である、実施形態A149に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A151。前記対象ががん対象である、実施形態A1~A150のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A152。前記対象が患者である、実施形態A1~A151のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
実施形態A153。医薬組成物であって、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;
b)ADRB2阻害剤;及び
c)薬学的に許容される担体
を含む、前記医薬組成物。
実施形態A154。前記ADRB2阻害剤が、ADRB2の拮抗薬、ADRB2のインバース作動薬、ADRB2の部分拮抗薬、ADRB2のアロステリック修飾因子、ADRB2の抗体、ADRB2の抗体断片、ADRB2のリガンド、または抗体-薬物コンジュゲートである、実施形態A1~A153のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A155。前記ADRB2阻害剤が拮抗薬ADRB2である、実施形態A154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A156。前記ADRB2阻害剤がインバース作動薬ADRB2である、実施形態A154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A157。前記ADRB2阻害剤が部分拮抗薬ADRB2である、実施形態A154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A158。前記ADRB2阻害剤がADRB2のアロステリック修飾因子である、実施形態A154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A159。前記ADRB2阻害剤がADRB2の抗体である、実施形態A154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A160。前記ADRB2阻害剤がADRB2の抗体断片である、実施形態A154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A161。前記ADRB2阻害剤がADRB2のリガンドである、実施形態A154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A162。前記ADRB2阻害剤が抗体-薬物コンジュゲートである、実施形態A154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A163。前記ADRB2阻害剤が、
アルプレノロール、アテノロール、ベタキソロール、ブプラノロール、ブトキサミン、カラゾロール、カルベジロール、CGP 12177、シクロプロロール、ICI 118551、ICYP、ラベタロール、レボベタキソロール、レボブノロール、LK 204-545、メトプロロール、ナドロール、NIHP、NIP、プロパフェノン、プロプラノロール、ソタロール、SR59230A、及びチモロール
からなる群から選択される、実施形態A154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A164。前記ADRB2阻害剤がカルベジロールである、実施形態A163に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A165。治療有効量の前記ブリキサフォルを前記対象に投与する、実施形態A1~A9またはA17~A164のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A166。準治療有効量の前記ブリキサフォルを前記対象に投与する、実施形態A1~A9またはA17~A164のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A167。治療有効量の前記ADRB2阻害剤を前記対象に投与する、実施形態A1~A9またはA17~A166のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A168。準治療有効量の前記ADRB2阻害剤を前記対象に投与する、実施形態A1~A9またはA17~A166のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A169。前記方法または使用がさらに、前記細胞における、前記対象における、または前記対象から得られた前記試料におけるCXCR4遺伝子の発現レベルを決定することを含み、その際、前記発現レベルが前記CXCR4遺伝子の基準レベルよりも高ければ、前記細胞、前記対象、または前記対象から得られた前記試料はCXCR4発現がんを有すると決定される、実施形態A1~A9またはA14~A168のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A170。前記がんがCXCR4発現がんである、実施形態A169に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A171。前記細胞におけるCXCR4遺伝子発現レベルが基準レベルよりも高い、実施形態A169またはA170に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A172。前記対象におけるCXCR4遺伝子発現レベルが基準レベルよりも高い、実施形態A169またはA170に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A173。前記対象から得られた前記試料におけるCXCR4遺伝子発現レベルが基準レベルよりも高い、実施形態A169またはA170に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A174。前記CXCR4遺伝子発現レベルが前記基準レベルよりも高いと決定されたら、前記方法または使用が、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルである、実施形態A169~A173のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A175。前記方法または使用がさらに、前記細胞における、前記対象における、または前記対象から得られた前記試料におけるADRB2遺伝子の発現レベルを決定することを含み、その際、前記発現レベルが前記ADRB2遺伝子の基準レベルよりも高ければ、前記細胞、前記対象、または前記対象から得られた前記試料はADRB2発現がんを有すると決定される、実施形態A1~A9またはA14~A168のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A176。前記がんがADRB2発現がんである、実施形態A175に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A177。前記細胞におけるADRB2発現レベルが基準レベルよりも高い、実施形態A175またはA176に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A178。前記対象におけるADRB2発現レベルが基準レベルよりも高い、実施形態A175またはA176に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A179。前記対象から得られた前記試料におけるADRB2発現レベルが基準レベルよりも高い、実施形態A175またはA176に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A180。前記ADRB2遺伝子発現レベルが前記基準レベルよりも高いと決定されたら、前記方法または使用が、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルである、実施形態A175~179のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A181。前記方法または使用がさらに、前記細胞における、前記対象における、または前記対象から得られた前記試料におけるCXCR4遺伝子及びADRB2遺伝子の発現レベルを決定することを含み、その際、前記CXCR4遺伝子及び前記ADRB2遺伝子の発現レベルが前記CXCR4遺伝子及び前記ADRB2遺伝子のそれぞれの基準レベルよりも高ければ、前記細胞、前記対象、または前記対象から得られた前記試料はCXCR4発現及びADRB2発現がんを有すると決定される、実施形態A1~A9またはA14~A168のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A182。前記がんがCXCR4発現がん及びADRB2発現がんである、実施形態A181に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A183。前記細胞におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い、実施形態A181またはA182に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A184。前記対象におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い、実施形態A181またはA182に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A185。前記対象から得られた試料におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い、実施形態A181またはA182に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A186。前記CXCR4遺伝子及び前記ADRB2遺伝子発現レベルが前記それぞれの基準レベルよりも高いと決定されたら、前記方法または使用が、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルである、実施形態A181~A185のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A187。前記方法または使用がさらに、前記細胞における、前記対象における、または前記対象から得られた前記試料におけるCXCR4タンパク質の発現レベルを決定することを含み、その際、前記発現レベルが前記CXCR4タンパク質の基準レベルよりも高ければ、前記細胞、前記対象、または前記対象から得られた前記試料はCXCR4発現がんを有すると決定される、実施形態A1~A9またはA14~A168のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A188。前記がんがCXCR4発現がんである、実施形態A187に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A189。前記細胞におけるCXCR4発現レベルが基準レベルよりも高い、実施形態A187またはA188に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A190。前記対象におけるCXCR4発現レベルが基準レベルよりも高い、実施形態A187またはA188に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A191。前記対象から得られた前記試料におけるCXCR4発現レベルが基準レベルよりも高い、実施形態A187またはA188に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A192。前記CXCR4タンパク質発現レベルが前記基準レベルよりも高いと決定されたら、前記方法または使用が、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルである、実施形態A187~A191のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A193。前記方法または使用がさらに、前記細胞における、前記対象における、または前記対象から得られた前記試料におけるADRB2タンパク質の発現レベルを決定することを含み、その際、前記発現レベルが前記ADRB2タンパク質の基準レベルよりも高ければ、前記細胞、前記対象、または前記対象から得られた前記試料はADRB2発現がんを有すると決定される、実施形態A1~A9またはA14~A168のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A194。前記がんがADRB2発現がんである、実施形態A193に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A195。前記細胞におけるADRB2発現レベルが基準レベルよりも高い、実施形態A193またはA194に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A196。前記対象におけるADRB2発現レベルが基準レベルよりも高い、実施形態A193またはA194に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A197。前記対象から得られた前記試料におけるADRB2発現レベルが基準レベルよりも高い、実施形態A193またはA194に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A198。前記ADRB2タンパク質発現レベルが前記基準レベルよりも高いと決定されたら、前記方法または使用が、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルである、実施形態A193~A197のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A199。前記方法または使用がさらに、前記細胞における、前記対象における、または前記対象から得られた前記試料におけるCXCR4タンパク質及びADRB2タンパク質の発現レベルを決定することを含み、その際、前記CXCR4タンパク質及び前記ADRB2タンパク質の前記発現レベルが前記CXCR4タンパク質及び前記ADRB2タンパク質のそれぞれの基準レベルよりも高ければ、前記細胞、前記対象、または前記対象から得られた前記試料はCXCR4発現及びADRB2発現がんを有すると決定される、実施形態A1~A9またはA14~A168のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A200。前記がんがCXCR4発現がん及びADRB2発現がんである、実施形態A199に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A201。前記細胞におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い、実施形態A199またはA200に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A202。前記対象におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い、実施形態A199またはA200に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A203。前記対象から得られた試料におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い、実施形態A199またはA200に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A204。前記CXCR4タンパク質及び前記ADRB2タンパク質発現レベルが前記それぞれの基準レベルよりも高いと決定されたら、前記方法または使用が、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルである、実施形態A199~A203のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A205。前記ADRB2阻害剤がカルベジロールである、実施形態A1~A204のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A206。前記増強される下流シグナル伝達が、CXCR4作動薬及びADRB2作動薬での前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの共刺激に対して増強される応答である、実施形態A1~A205のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A207。前記増強される下流シグナル伝達が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する前記対象において増強されるがん進行である、実施形態A1~A206のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A208。前記増強されるがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する前記対象において増強される細胞増殖である、実施形態A207に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A209。前記増強されるがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する前記対象において増強される細胞遊走である、実施形態A207またはA208に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A210。前記増強されるがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する前記対象において増強される転移である、実施形態A207~A209のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A211。前記増強されるがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する前記対象において増強される腫瘍成長である、実施形態A207~A210のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A212。前記増強されるがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する前記対象において増強される血管新生である、実施形態A207~A211のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A213。前記細胞(複数可)ががん細胞(複数可)である、実施形態A207~A212のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A214。前記細胞(複数可)を対象から得る、実施形態A207~A213のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
実施形態A215。前記細胞(複数可)が対象から得られた生体試料に由来する、実施形態A207~A214のいずれか1つに記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
材料及び方法
試薬
CXCL12は、R&D systems(Minneapolis、Minnesota、USA)から購入した。ウロクプルマブ及びBKT140はそれぞれ、Creative Biolabs(Shirley、NY、USA)及びChem Scene(Monmouth Junction、NJ、USA)から購入した。AMD3100は、Cayman Chemical Company(Ann Arbor、MI、USA)から得た。AMD070及びLY2510924はMedchem express(Princeton、NJ、USA)から購入した。TG-0054(ブリキサフォル(Brixafor))はMedKoo Biosciences,Inc(Triangle Park、North Carolina、USA)から購入した。カルベジロールは4 Chem Laboratory(Korea)から購入した。使用薬物についての情報は次のとおりである:組換えヒトSDF-1α(CXCL12)(PEPROTECH、カタログ300-28A、Rocky Hill、NJ、USA)、サルメテロール(Tocris、カタログ4712、Minneapolis、MN、USA)、カルベジロール(Tocris、カタログ2685、Minneapolis、MN、USA)、AMD3100(Tocris、カタログ3299、Minneapolis、MN、USA)、TG-0054(MedKoo Biosciencex,Inc.、カタログ206522、Morrisville、NC、USA)、ブプラノロール(Abcam、ab141132、Cambridge、CB2 0AX、UK)、ラベタロール(Prestwick Chemical Library(登録商標)、Prestw-277)、アルプレノロール(Prestwick Chemical Library(登録商標)、Prestw-250、Boulevard Gonthier d’Andernach Parc d’innovation 67400 ILLKIRCH - France)、カラゾロール(PubChem、カタログ 71739、Bethesda、MD、USA)、プロパフェノン(Prestwick Chemical Library(登録商標)、Prestw-499)、及びチモロール(Prestwick Chemical Library(登録商標)、Prestw-948)。
細胞培養
すべての細胞系をAmerican Type Culture Collection(Manassas、VA、USA)から購入した。A549、MDA-MB-231、U2OS、HL-60、U937及びRPMI 8226細胞は、10%ウシ胎児血清(Gibco)及び1%ペニシリン-ストレプトマイシン(Gibco)を補充されたRPMI培地1640(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA、USA)中で成長させた。すべての細胞系を37℃で5%CO2の存在下で培養した。
安定な細胞系の構築
ハイグロマイシン及びブラストサイジン抵抗性を有する対照細胞系として安定なRluc及びluc2P発現細胞系を確立するために、ViraPowerレンチウイルスパッケージングミックス(Invitrogen、K497500)とpLenti6-Rluc発現構築物とを産生293FT細胞系に共トランスフェクトすることにより、(pLenti-CMV Hygro DEST(Addgene、#17454)にRluc遺伝子を挿入したものであるpLenti6-Rluc発現構築物をパッケージングして含有する)レンチウイルス原料を生産した。A549細胞系へのこのレンチウイルス原料の形質導入を実施し、続いて、ハイグロマイシン(100μg/mL)で選択した。安定なRluc-luc2P発現細胞系を確立するために、ViraPowerパッケージングミックスとpLenti6/V5-luc2P発現構築物とを産生293FT細胞系に共トランスフェクトすることにより、(pLenti6/V5-DEST Gateway(商標)ベクター(Invitrogen、V49610)にLuc2P遺伝子を挿入したものであるpLenti6/V5-luc2P発現構築物をパッケージングして含有する)レンチウイルス原料を生産した。A549-Rluc細胞系へのこのレンチウイルス原料の形質導入を実施し、続いて、ブラストサイチン(blasticitin)(5μg/mL)で選択した。次いで、抗生物質に対して耐性であるクローンを選択し、RT-qPCR及び免疫蛍光法を実施して挿入遺伝子Rluc及びluc2Pの発現を確認した。
安定なCXCR4発現細胞系を確立するために、ViraPowerレンチウイルスパッケージングミックス(Invitrogen、K497500)とpLenti6-CXCR4発現構築物とを産生293FT細胞系に共トランスフェクトすることにより、(pLenti-CMV Hygro DEST(Addgene、#17454)にCXCR4遺伝子を挿入したものであるpLenti6-CXCR4発現構築物をパッケージングして含有する)レンチウイルス原料を生産した。A549細胞系へのこのレンチウイルス原料の形質導入を実施し、続いて、ハイグロマイシン(100μg/mL)で選択した。安定なCXCR4-ADRB2ヘテロマー発現細胞系を確立するために、ViraPowerパッケージングミックスとpLenti6/V5-ADRB2発現構築物とを産生293FT細胞系に共トランスフェクトすることにより、(pLenti6/V5-DEST Gateway(商標)ベクター(Invitrogen、V49610)にADRB2遺伝子を挿入したものであるpLenti6/V5-ADRB2発現構築物をパッケージングして含有する)レンチウイルス原料を生産した。A549-CXCR4細胞系へのこのレンチウイルス原料の形質導入を実施し、続いて、ハイグロマイシン(100μg/mL)及びブラストサイチン(blasticitin)(5μg/mL)で選択した。次いで、抗生物質に対して耐性であるクローンを選択し、RT-qPCR及び免疫蛍光法を実施して挿入遺伝子CXCR4及びADRB2の発現を確認した。pLenti CMV Hygro DEST(wl 17-1)はEric Campeau氏及びPaul Kaufman氏から寄贈された(Addgeneプラスミド#17454)(Campeau,E.,et al.,(2009)A versatile viral system for expression and depletion of proteins in mammalian cells,PLoS One 4,e6529)。CXCR4 cDNAを、LR組換えを用いてレンチウイルスベクターに挿入した。CXCR4をコードするレンチウイルスを、ViraPowerレンチウイルス発現システム(Invitrogen)を使用して生産した。
MDA-MB-231乳癌細胞系において安定なCXCR4発現細胞系を確立するために、ViraPowerレンチウイルスパッケージングミックス(Invitrogen、K497500)とpLenti6-CXCR4発現構築物とを産生293FT細胞系に共トランスフェクトすることにより、(pLenti-CMV Hygro DEST(Addgene、#17454)にCXCR4遺伝子を挿入したものであるpLenti6-CXCR4発現構築物をパッケージングして含有する)レンチウイルス原料を生産した。MDA-MB-231細胞系へのこのレンチウイルス原料の形質導入を実施し、続いて、ハイグロマイシン(100μg/mL)で選択した。細胞がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するようにCXCR4及びADRB2の両方を発現する安定な細胞系を確立するために、ViraPowerパッケージングミックスとpLenti6/V5-ADRB2発現構築物とを産生293FT細胞系に共トランスフェクトすることにより、(pLenti6/V5-DEST Gateway(商標)ベクター(Invitrogen、V49610)にADRB2遺伝子を挿入したものであるpLenti6/V5-ADRB2発現構築物をパッケージングして含有する)レンチウイルス原料を生産した。MDA-MB-231-CXCR4細胞系へのこのレンチウイルス原料の形質導入を実施し、続いて、ハイグロマイシン(100μg/mL)ブラストサイチン(blasticitin)(5μg/mL)で選択した。次いで、抗生物質に対して耐性であるクローンを選択し、RT-qPCR及び免疫蛍光法を実施して挿入遺伝子CXCR4及びADRB2の発現を確認した。
カルシウム動員アッセイ
MDA-MB-231ヒト乳癌細胞を1ウェルあたり20,000細胞で、10%のFBSを補充された100μlのRPMI 1640中で黒色透明底96ウェルプレート(Corning Costar,#3340)に播種した。翌日、10MOIのCXCR4及び30MOIのGPCRxを細胞に共形質導入した。HA-VCをコードするアデノウイルスを、形質導入されるアデノウイルスの総量を調整するために使用した。2日後に、細胞を表示の量の拮抗薬で処理し、Cal 6(FLIPR(登録商標)Calcium 6 Assay Kit、Molecular Devices、カタログ R8191)と共に2時間にわたってインキュベートした。そして次いで、細胞を表示の量のCXCL12、ADRB2作動薬、またはCXCL12及びADRB2作動薬で刺激した。カルシウム動員を、FlexStation 3 Multi-Mode Microplate Reader(Molecular Devices、Sunnyvale、CA、USA)を使用して測定した。結果をベースライン活性に対して正規化した。カルシウム動員を490nmの励起波長及び525nmの発光波長を使用して37℃で測定し、各グラフの曲線下面積(AUC)を算出することにより定量化した。データをCXCR4のみを発現する細胞におけるCXCL12刺激カルシウム応答に対して正規化した。データは3回の独立した実験を表している(平均±SEM)。
カルシウム動員アッセイを利用して、U937(ヒト骨髄性白血病細胞)及びHL-60(ヒト白血病細胞)細胞を1ウェルあたり100,000細胞で、10%FBSを補充された100μLのRPMI 1640中で黒色透明底96ウェルプレート(Corning Costar、#3340)に播種した。そして細胞を100×gで1分間にわたって遠心した。細胞をアッセイバッファー(フェノールレッド不含のハンクス平衡塩溶液)中で希釈したCal 6(FLIPR(登録商標)Calcium 6 Assay Kit、Molecular Devices、カタログ R8191)で染色し、2時間にわたってインキュベートした。必要であれば、拮抗薬を作動薬処理の2時間前に添加した。細胞を表示の量のCXCR4作動薬(CXCL12、200nM)、ADRB2作動薬(ホルモテロール、10μM)で刺激した。カルシウム動員を、FlexStation 3 Multi-Mode Microplate Reader(Molecular Devices、Sunnyvale、CA、USA)を使用して測定した。細胞内Ca2+を490nmの励起波長及び525nmの発光波長を使用して37℃で測定した。結果をベースライン活性に対して正規化した。各グラフの曲線下面積(AUC)を算出することによりカルシウム動員を定量化した。データをCXCR4のみを発現する細胞におけるCXCL12刺激カルシウム応答に対して正規化した。そして、GraphPad Prismソフトウェアを使用して、IC50値を算出した。
ウェスタンブロット分析
細胞を6ウェルプレートに、1ウェルあたり5×105細胞の密度で播種した。血清飢餓から16時間後に、当該細胞を10nMのSDF-1(PEROTECH、#300-28A)及びサルメテロール(TOCRIS、#4712)で、MDA-MB-231、MDA-MB-231-CXCR4、及びMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞では20分間にわたって、ならびにA549、A549-CXCR4、A549-CXCR4-ADRB2細胞では10分間にわたって処理した。その後、ホスファターゼ阻害剤カクテル(Roche、#4906845001)及びプロテアーゼ阻害剤カクテル(Thermo Fisher Scientific、#A32953)を補充されたNP-40溶解バッファー(Thermo Fisher Scientific、#FNN0021)を使用して、細胞を収集した。細胞溶解産物のタンパク質濃度をBio-Radタンパク質アッセイ(Bio-Rad、#5000006)により決定した。20μgのタンパク質試料を還元型SDS-PAGEにかけ、ドライ式移送システム(Thermo Fisher Scientific、#IB21001)を使用してPVDF(ポリビニリデンジフルオリド)に移送した。膜を、1%Tween-twentyを含むトリス緩衝生理食塩水中の5%脱脂乳(BD Difco、#232100)で1時間にわたってブロックし、ホスホ-ERK1/2 Thr202/Tyr204(Cell Signaling Technology、#4370)及びtotal-ERK1/2(Cell Signaling Technology、#4695)抗体と共にインキュベートした。ホースラディッシュペルオキシダーゼにカップリングした二次抗体(Cell Signaling Technology)、続いて、SuperSignal West Femto Maximum Sensitivity Substrate(Thermo Fisher Scientific、#34096)と共にインキュベートすることにより、抗原-抗体複合体を検出した。ウェスタンブロット画像を撮影し、iBright Western Blot Imaging System(Thermo Fisher Scientific 、#A32752)により解析した。
定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)
TRIzol(Invitrogen)を使用して全RNAを抽出し、DNアーゼI(Sigma)での処理の後に1μgの全RNAからcDNAを合成した。qPCRはSensiFAST SYBRキット(Bioline)を使用して行った。プライマー配列は以下のとおりである:
ADRB2-F:5’-CTCTTCCATCGTGTCCTTCTAC-3’(配列番号1)、
ADRB2-R:5’-AATCTTCTGGAGCTGCCTTT-3’(配列番号2);
CXCR4-F:5’- CCACCATCTACTCCATCATCTTC-3’(配列番号3)、
CXCR4-R:5’-ACTTGTCCGTCATGCTTCTC-3’(配列番号4);
β-アクチン-F:5’-GGAAATCGTGCGTGACATTAAG-3’(配列番号5)、
β-アクチン-R:5’-AGCTCGTAGCTCTTCTCCA-3’(配列番号6);
閾値サイクル(Ct)はQuantStudio 3 Real-Time PCRシステム(Thermo Fisher Scientific)により算出した。デルタCt(ΔCt)は、CtSOI(目的の配列)と、通常のハウスキーピング遺伝子配列であるCt RS(基準配列)との間の差に対応する;デルタCt(ΔCt)=Ct(CXCR4またはADRB2)-Ct(アクチン)。
GPCR cDNAを含有するアデノウイルスベクターの構築
ヒトGPCR cDNAクローンはMissouri S&T cDNA Resource Center(Rolla、MO、USA)から入手した。GPCR cDNAをPCRにより増幅し、pDONR201ベクターにクローニングした。GPCR及びpAdHTSベクターを含有するエントリークローン間でのインビトロLR組換え及びその後の、以前に記述されたとおりのAdHTSシステム(Choi,E.W.,et al.,(2012)AdHTS: a high-throughput system for generating recombinant adenoviruses,J Biotechnol 162,246-252;and Song,Y.B.,et al.,(2014))を使用した293A細胞へのトランスフェクションにより、GPCRをコードするアデノウイルスを得た。
増殖アッセイ
A549二重陰性(RLuc-lucP)細胞系またはCXCR4及びADRB2の両方を過剰発現するA549-CXCR4-ADRB2細胞系を1~104細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種し、培養培地中で24時間にわたってインキュベートして接着させた。洗浄した後に、無血清RPMI1640±SDF-Iαを表示の量の薬物を伴って、または伴わずに添加し、細胞を72時間(播種後96時間)にわたって37℃、5%CO2でインキュベートした。インキュベーションの終了時に、製造者指示に従ってPrestoblue Cell Viability Reagent(Thermo Fisher Scientific、カタログ A13262)を使用することにより、細胞増殖を評価した。簡単に述べると、細胞を1×Prestoblue Cell Viability Reagent中で1時間にわたって37℃でインキュベートした。Varioskan LUXマルチモードマイクロプレートリーダー(Thermo Fisher Scientific)を使用して、蛍光を560nm励起及び590nm発光で測定した。検出される蛍光量はウェル内の細胞数と比例した。結果は、3連のウェルからの平均比(蛍光薬物/蛍光ビヒクルのみ)±SEMとして表される。
マウス異種移植片モデル
5週齢の雌のBalb/c-nu/nuマウスをEnvigo(フランス)から入手し、特定病原体が排除された動物施設の中で飼育した。動物使用及び安楽死のためのすべてのプロトコルは動物保護法に基づいてQubest Bio(韓国)動物実験倫理委員会により承認された。1×107細胞のA549、またはA549-CXCR4-ADRB2を100μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に懸濁させ、マウスの右側の鎖骨と胸壁との間の腋窩領域に皮下埋植した。電子キャリパーで腫瘍の長さ(L)及び幅(W)を測定し、腫瘍体積を以下の式に基づいて算出することにより腫瘍成長を3日ごとまたは4日ごとにモニターした:体積=0.5LW2。
抗腫瘍作用研究
CXCR4阻害剤を使用する抗腫瘍有効性検査のために、A549においてCXCR4及びADRB2を過剰発現するA549-CXCR4-ADRB2細胞系である肺癌細胞系(PBS100μL中1×107細胞/匹)をBALB/c-nuに皮下投与した。腫瘍サイズが50~100mm3に達したときに、マウス10匹からなる群に、ビヒクル(PBS中1%ジメチルセルロース)、AMD3100(PBS中で製剤化された7.5mpk、22.5mpk)、LY2510924(PBS中で製剤化された3mpk、10mpk)、AMD070(PBS中1%ジメチルセルロース中で製剤化された10mpk、30mpk)またはTG-0054(PBS中で製剤化された10mpk、30mpk)またはカルベジロール(PBS中1%ジメチルセルロース中で製剤化された20mpk)を投与した。1日1回4週間(合計28回)にわたって、AMD3100、LY2510924及びTG-0054は皮下注射し、AMD070及びカルベジロールは経口投与した。腫瘍の長さ(L)及び幅(W)を測定することにより腫瘍成長を3日ごとまたは4日ごとにモニターした:体積=0.5LW2。
同所性モデル
MDA-MB-231細胞またはMDA-MB-231-CXCR4-ADRB2細胞を、FBS非含有培地を使用して雌のBalb/c-nu/nuマウス(5×106細胞/匹(細胞100μL+マトリゲル100μL))に同所投与する。細胞を投与前に、Matrigel(商標)(BD、354248)で次の手法で処理する。1)Matrigelならびに投与に使用されるシリンジ及び針も、投与まで10℃の条件に維持する。2)Matrigelを細胞懸濁液と50:50の比で混合し、細胞破壊を防止するために、23Gの針サイズを使用する。
針先を前投与部位(ニップル2及び3の間)に入れ、針を右か左に動かして、広い皮下ポケットを作製する。Matrigel混合物(マトリゲル:細胞懸濁液=50:50)を皮下ポケットに注射する。液体が注射部位で溢れていないことを確認した後に、動物を飼育器に入れる。腫瘍サイズが約50~100mm3に達したときに、本発明者らは、単独か、または組合せでのCXCR4阻害剤またはADRB2阻害剤で、表示の用量で1日1回4週間にわたって処理する。薬物処理の日を1日目と定義する。AMD3100(PBS中で2.5mg/kg、7.5mg/kg)、LY2510924(PBS中で1mg/kg、3mg/kg)、AMD070(PBS中1%メチルセルロース中で3mg/kg、10mg/kg)及び/またはカルベジロール(PBS中1%メチルセルロース中で30mg/kg)を1日1回4週間(合計28回)にわたって投与した。AMD3100、LY2510924、及びAMD070を皮下投与し、カルベジロールを経口投与した。腫瘍のサイズを、薬物投与の初日での100に対して腫瘍サイズを換算することにより算出した。結果は、5匹の個体の平均±標準偏差として表される。
抗体TR-FRET
TR-FRETアッセイの前に、10,000の細胞を96ウェルハーフエリアプレート(Corning)の各ウェルに播種した。37℃加湿インキュベーター内での一晩のインキュベーションの後に、CXCR4及びADRB2の両方を、アデノウイルス系(0.9~30MOIのCXCR4担持アデノウイルス及び0.5~15MOIのADRB2担持アデノウイルス)を使用して一過性に過剰発現させた。各アデノウイルスの48時間の感染後に、細胞をDPBSで2回洗浄し、室温で10分間にわたって4%パラホルムアルデヒドで固定した。細胞を2回洗浄した後に、細胞を透過性にするために、0.1%Triton X-100を含有するDPBSを室温で10分間にわたって処理した。次いで、細胞を2%ウシ血清アルブミン(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO、USA)を補充されたDPBSで室温で30分間にわたってブロックし、続いて、ウサギ抗CXCR4抗体(#ab124824、abcam)及びマウス抗ADRB2抗体(#sc271322、Santa Cruz Biotechnology)の両方と共に室温で3時間にわたってインキュベートした。細胞をDPBSで4回洗浄した後に、テルビウムクリプタート(Cisbio、Bedford、MA、USA)で標識されたヤギ抗ウサギIgG及びAlexa Fluor 647(Thermo Fisher)で標識されたヤギ抗マウスIgGを室温で1時間にわたって処理した。次いで、細胞をDPBSで4回洗浄し、続いて、Varioskan LUX Multimode Microplate Reader(Thermo Fisher Scientific)を使用して分析した。FRET比を各ウェルについて、520nmでのアクセプターFRETシグナルと620nmでのドナー発光との比として簡単に算出する。
FRET比=520nmでの信号/620nmでの信号×10000
得られたデータはFRET効率を表す。ΔF%の算出は異なるFRET比に基づく。
ΔF%=(比試料-比陰性)/比陰性×100
ΔF%は、ドナー濃度の変化を考慮に入れ、陰性対照と比較したFRET上昇のパーセンテージに対応する。しかしながら、ΔF%パラメーターは、同じドナー-リガンド濃度で実行されない実験の比較を可能にするものではない。
リガンドTR-FRET
A549細胞を96ウェルプレート(Corning、New York、USA #3688)に1ウェルあたり20,000細胞の密度で播種した。CXCR4及びADRB2はA549細胞において、アデノウイルス感染、続く、37℃、5%CO2での48時間のインキュベーションにより一過性に過剰発現された。CXCR4発現アデノウイルスは0、0.1、0.5、1.25、2.5、5、10及び20のMOIで処理し、ADRB2発現アデノウイルスは3倍高いMOIで処理した。HA-VCをコードするアデノウイルスを使用して、形質導入されたアデノウイルスの総量を調節した。
CXCR4:ADRB2ヘテロマーを特徴づけるために、標識リガンドを用いるTR-FRETアッセイを蛍光標識プロプラノロール及びテルビウム標識TZ14011(Cisbio、USA)で実行した。CXCR4及びADRB2への感染から18時間後に、リガンドを氷冷Tris-KREBSバッファー(20mM Tris-HCl、118mM NaCl、5.6mMグルコース、1.2mM KH2PO4、1.2mM MgSO4、4.7mM KCl、1.8mM CaCl2、pH7.4)中で別々に調製し、氷上に維持した(15℃未満で作業することにより、内在化現象はすべて回避される)。このステップで、すべてのリガンド溶液を、Tris-KREBSバッファーを用いて所望の最終濃度の5倍で調製した。細胞を、96ウェルプレート内で10nM TZ14011-tb、20nM Propranolol-g2(Cisbio、USA #L0011GRE)及び10mM非標識プロプラノロール(PRESTWICK CHEMICAL、France)を用いて、18時間にわたって4℃暗所でインキュベートすることにより標識し、TR-FRET信号をVarioskan LUX Multimode(Thermo Fisher Scientific、USA)プレートリーダーで測定した。調製物を334nmで励起させ、蛍光発光をドナーについては620nm(TZ14011-Tb)で、かつアクセプター(Propranolol-g2)に応じて520nmで、VARIOSKANで測定した。データ分析は抗体TR-FRET分析と同じである。
近接ライゲーションアッセイ(PLA)
アンフォールドPLA(unfold PLA)を製造者プロトコル(Olink Proteomics、Uppsala、Sweden)に従って実行した。アッセイで使用される細胞は浮遊しているので、すべての再懸濁ステップを2,000rpmでの3分間にわたる遠心分離により行った。各洗浄ステップを、すべての反応の合間に遠心分離を用いて2回実施した。培養細胞をDPBS 1mL(Thermo Fisher Scientific)中で洗浄し、続いて、細胞を4%パラホルムアルデヒド中で室温で10分間にわたって固定した。次いで、細胞を、0.1%Triton X-100を含有するDPBS中で透過性にし、ブロッキング液中で37℃で1時間にわたってブロックした。次いで、ブロッキング液を除去し、細胞を一次抗体溶液により再懸濁した。マウス抗-CXCR4抗体(#35-8800、Thermo Fisher Scientific)及びウサギ抗ADRB2抗体(#PA5-33333、Thermo Fisher Scientific)の両方を抗体希釈剤(それぞれ1:200及び1:2000)中で希釈した。37℃で1時間にわたるインキュベーションの後に、PLAプローブを、抗体希釈剤中で希釈された1:50の希釈で施与した。プローブを当該細胞と共に37℃で1時間にわたってインキュベートした。プローブの消化を37℃で1時間にわたって実行し、その後、37℃で30分間にわたるライゲーションステップを続けた。次いで、増幅ミックスで37℃で100分間にわたって細胞を処理した。細胞を、DAPI(Vector Laboratories)を含む20μLのVECTASHIELD Antifade Mounting Mediumと共に搭載する。PLA画像をIN Cell Analyzer 2500(GE Healthcare)で得る。
本明細書において述べられる刊行物及び特許出願はすべて、それぞれ個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に、参照により援用されると示されている場合と同じ程度で、それらの全体が参照により本明細書に援用される
好ましい実施形態を本明細書において示し、かつ記載してきたが、そのような実施形態が例として提供されているに過ぎないことは当業者には明白であろう。次の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定すること、及び特許請求の範囲内の方法及び構造ならびにそれらの均等物が本発明の範囲に包含されることが意図されている。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
がんに罹患している対象の細胞におけるCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達の抑制方法であって、前記対象に、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び
b)ADRB2阻害剤
を投与することを含み、
その際、
i)前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因し;かつ
ii)前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤が、前記がん対象における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、前記方法。
(態様2)
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象におけるがんの処置方法であって、前記対象に、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び
b)ADRB2阻害剤
を投与することを含み、
その際、
i)増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因し;かつ
ii)前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤が、前記がん対象における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、前記方法。
(態様3)
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象におけるがんの処置方法であって、
a)前記対象の細胞がCXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有し、その際、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因するか否かを決定すること;及び
b)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するならば、前記がん対象に:
i)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び
ii)ADRB2阻害剤
を投与することを含む、前記方法。
(態様4)
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有し、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する対象におけるがんの処置方法であって、
1)前記対象が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有するか否かを、前記対象から生体試料を得るか、または得ていること;及び
i)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否か;または
ii)CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せが:前記対象由来細胞(複数可)において前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性もしくは機能を変化させる否か;前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる否か;もしくは前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象においてがんの進行を減少させるか否か
を決定するために、前記生体試料でアッセイを実行するか、もしくは実行していることにより決定すること;ならびに
2)前記対象が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有するならば、前記がん対象に、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを投与し、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルであること;ならびに
3)前記対象が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有さなければ、前記がん対象に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤を投与することを含む、前記方法。
(態様5)
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有し、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する対象におけるがんの処置方法であって、
1)前記対象が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有するか否かを、前記対象から生体試料を得るか、または得ていること;及び
i)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否か;または
ii)CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せが:前記対象由来細胞(複数可)において前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性もしくは機能を変化させる否か;前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる否か;もしくは前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象においてがんの進行を減少させるか否か
を決定するために、前記生体試料でアッセイを実行するか、もしくは実行していることにより決定すること;ならびに
2)前記対象が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有するならば、前記がん対象に、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを投与し、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルであること;ならびに
3)前記対象が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有さなければ、前記がん対象に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤を投与することを含み、その際、
a)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象における前記がんの進行が、前記がん対象への前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せの投与時に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの前記単一の阻害剤の投与と比べて5~100%の範囲でより多く減少し;
b)前記ブリキサフォルの有効性が、前記ADRB2阻害剤との組合せで前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象に投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合の前記ブリキサフォルの有効性と比べて5~2000%の範囲で上昇し;及び/または
c)前記ADRB2阻害剤の有効性が、前記ブリキサフォルとの組合せで前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象に投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合の前記ADRB2阻害剤の有効性と比べて5~2000%の範囲で上昇する、前記方法。
(態様6)
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有し、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する対象におけるがんの処置方法であって、
1)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを、前記対象から生体試料を得るか、または得ていること、及び前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが前記対象の細胞に存在するか否かを決定するために前記生体試料でアッセイを実行する、または実行していることにより決定し;その際、前記生体試料で実行されるアッセイが共内在化アッセイ、共局在化アッセイ、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫組織化学、免疫電子顕微鏡法、近接度に基づくアッセイ、共免疫沈降アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、RNAseq、RT-qPCR、CXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、CXCR4及びADRB2の発現レベル、マイクロアレイ、または蛍光動物アッセイのうちの1つもしくは複数であるか、または1つもしくは複数を含むこと;
2)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するならば、前記がん対象に、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを投与し、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルであること;ならびに
3)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有しなければ、前記がん対象に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤を投与することを含む、前記方法。
(態様7)
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有し、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する対象におけるがんの処置方法であって、
1)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを、前記対象から生体試料を得るか、または得ていること、及び前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが前記対象の細胞に存在するか否かを決定するために前記生体試料でアッセイを実行する、または実行していることにより決定し;その際、前記生体試料で実行されるアッセイが共内在化アッセイ、共局在化アッセイ、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫組織化学、免疫電子顕微鏡法、近接度に基づくアッセイ、共免疫沈降アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、RNAseq、RT-qPCR、CXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、CXCR4及びADRB2の発現レベル、マイクロアレイ、または蛍光動物アッセイのうちの1つもしくは複数であるか、または1つもしくは複数を含むこと;
2)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するならば、前記がん対象に、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤の組合せを投与し、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルであること;ならびに
3)前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有しなければ、前記がん対象に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの単一の阻害剤を投与することを含み、その際、
a)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象における前記がんの進行が、前記がん対象への前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せの投与時に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの前記単一の阻害剤の投与と比べて5~100%の範囲でより多く減少し;
b)前記ブリキサフォルの有効性が、前記ADRB2阻害剤との組合せで前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象に投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合の前記ブリキサフォルの有効性と比べて5~2000%の範囲で上昇し;及び/または
c)前記ADRB2阻害剤の有効性が、前記ブリキサフォルとの組合せで前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象に投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合の前記ADRB2阻害剤の有効性と比べて5~2000%の範囲で上昇する、前記方法。
(態様8)
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象においてがんを処置する際に使用するための医薬キットであって、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び
b)ADRB2阻害剤を含み;
その際、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、前記医薬キット。
(態様9)
CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する対象においてがんを処置する際に使用するための医薬組成物であって、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;
b)ADRB2阻害剤;及び
c)薬学的に許容される担体を含み、その際、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、前記医薬組成物。
(態様10)
細胞中のCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達の抑制方法であって、前記細胞に:
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び
b)ADRB2阻害剤
を投与することを含み;
その際、
i)前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因し;かつ
ii)前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤との接触が、前記細胞において前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、前記方法。
(態様11)
前記細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを決定することをさらに含む、態様10に記載の抑制方法。
(態様12)
細胞においてCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を抑制する際に使用するための医薬キットであって、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;及び
b)ADRB2阻害剤
を含み;
その際、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、前記医薬キット。
(態様13)
細胞においてCXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を抑制する際に使用するための医薬組成物であって、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;
b)ADRB2阻害剤;及び
c)薬学的に許容される担体
を含み;
その際、増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、前記医薬組成物。
(態様14)
前記細胞が対象の細胞である、態様10~13のいずれか1項に記載の抑制方法。
(態様15)
前記対象の細胞ががん細胞である、態様14に記載の抑制方法。
(態様16)
前記細胞ががん細胞である、態様1~13のいずれか1項に記載の抑制方法。
(態様17)
前記方法が、前記がん対象において前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を検出することをさらに含む、態様1~9のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様18)
前記方法が、前記がん対象において前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを同定することをさらに含む、態様1~9または17のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様19)
前記方法が、前記対象から生体試料を得ることをさらに含む、態様1~9または17~18のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様20)
前記方法が、前記対象から得られた前記生体試料でアッセイを実行することをさらに含む、態様1~9または17~19のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様21)
前記方法が、
i)前記がん対象から生体試料を得ること、または得ていること;
ii)前記がん対象から得られた前記生体試料においてCXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在、アイデンティティ、または存在及びアイデンティティを決定するための診断アッセイを行うこと、または行っていること;ならびに
iii)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を抑制するために、ブリキサフォルとの組合せで投与するためのADRB2阻害剤を選択すること
をさらに含む、態様1~9または17~20のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様22)
前記方法が、前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを決定することであって、前記対象から得られた生体試料においてアッセイを実行することを含む、前記決定することをさらに含む、態様1~9または17~21のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様23)
前記方法が、前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有するか否かを決定することであって、前記対象から生体試料を得ること、及び前記対象から得られた前記生体試料においてアッセイを実行することを含む、前記決定することをさらに含む、態様1~9または17~22のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様24)
前記対象から得られた前記生体試料が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する、態様1~9または17~23のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様25)
前記対象の細胞が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する、態様1~9または14~24のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様26)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、以下の特徴:
1)前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用していること;
2)増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因すること;及び/または
3)ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが:
i)前記細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる;
ii)前記細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる;及び/または
iii)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞のヘテロマー特異的特性を変化させること
のうちの2つ以上を有する、態様1~25のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様27)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、以下の特徴:
1)前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用していること;
2)増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因すること;及び/または
3)ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが:
i)前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる;
ii)前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる;
iii)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる;及び/または
iv)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象においてがん進行を減少させること
のうちの2つ以上を有する、態様1~9または14~25のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様28)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用していることを有すると特徴づけられる、態様1~27のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様29)
前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用し、共内在化アッセイ、共局在化アッセイ、インサイチューハイブリダイゼーション、免疫組織化学、免疫電子顕微鏡法、近接度に基づくアッセイ、共免疫沈降アッセイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、フローサイトメトリー、RNAseq、RT-qPCR、CXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、CXCR4及びADRB2の発現レベル、マイクロアレイ、または蛍光動物アッセイのうちの1つまたは複数により決定される、態様1~28のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様30)
前記近接度に基づくアッセイが共鳴エネルギー移動(RET)、生物発光RET(BRET)、蛍光RET(FRET)、時間分解蛍光RET(TR-FRET)、抗体利用FRET、リガンド利用FRET、二分子蛍光補完(BiFC)、または近接ライゲーションアッセイ(PLA)であるか、またはそれを含む、態様1~29のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様31)
前記TR-FRETがリガンド利用TR-FRETである、態様30に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様32)
前記TR-FRETが抗体利用TR-FRETである、態様30に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様33)
前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用し、共内在化アッセイ、二分子蛍光補完(BiFC)、RT-PCR、RT-qPCR、CXCR4の発現レベル、ADRB2の発現レベル、CXCR4及びADRB2の発現レベル、または近接ライゲーションアッセイ(PLA)のうちの1つまたは複数により決定される、態様1~30のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様34)
前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用し、共内在化アッセイにより決定される、態様33に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様35)
前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用し、二分子蛍光補完(BiFC)により決定される、態様33に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様36)
前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素が共局在化して直接、またはアロステリズムの伝達手段として作用する中間体タンパク質を介して、物理的に相互作用し、近接ライゲーションアッセイ(PLA)により決定される、態様33に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様37)
前記アッセイが、前記対象から得られた前記生体試料における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を決定する、態様1~9または17~36のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様38)
前記アッセイが、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの前記CXCR4及びADRB2構成要素の共局在化及び相互作用を決定する、態様1~37のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様39)
前記アッセイが前記対象の細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を決定する、態様1~9または14~38のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様40)
前記アッセイが、前記対象から得られた前記生体試料における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を決定する、態様1~9または17~39のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様41)
前記アッセイが、前記対象における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在を決定する、態様1~9または17~40のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様42)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因することを有すると特徴づけられる、態様1~41のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様43)
前記増強される下流シグナル伝達が、前記対象の細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因する、態様1~9または14~42のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様44)
前記増強される下流シグナル伝達が前記対象の細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在に起因する、態様1~9または14~43のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様45)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが前記増強される下流シグナル伝達をもたらす、態様1~44のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様46)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが前記対象の細胞において前記増強される下流シグナル伝達をもたらす、態様1~9または14~45のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様47)
前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのアゴニズムに起因する、態様1~46のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様48)
前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4アゴニズムに起因する、態様1~47のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様49)
前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのADRB2アゴニズムに起因する、態様1~47のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様50)
前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのCXCR4アゴニズム及びADRB2アゴニズムに起因する、態様1~47のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様51)
前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4、前記ADRB2、または前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの下流である、態様1~50のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様52)
前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4の下流である、態様51に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様53)
前記増強される下流シグナル伝達が前記ADRB2の下流である、態様51に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様54)
前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの下流である、態様51に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様55)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達が、それぞれ個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマーまたはADRB2プロトマーからの下流シグナル伝達と比べてのものである、態様1~50のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様56)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達が、個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマーからの下流シグナル伝達と比べてのものである、態様55に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様57)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達が、個々のプロトマーの状況におけるADRB2プロトマーからの下流シグナル伝達と比べてのものである、態様55に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様58)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達が、それぞれ個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマー及びADRB2プロトマーからの下流シグナル伝達と比べてのものである、態様55に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様59)
前記増強される下流シグナル伝達が増強されるカルシウム動員量である、態様1~58のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様60)
前記増強されるカルシウム動員量を細胞内Ca2+アッセイにより決定する、態様59に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様61)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を細胞内Ca2+アッセイにより決定する、態様1~60のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様62)
前記細胞内Ca2+アッセイがカルシウム動員アッセイである、態様61に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様63)
前記カルシウム動員アッセイが、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが前記増強される下流シグナル伝達をもたらすことを決定する、態様62に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様64)
前記カルシウム動員アッセイが、前記増強される下流シグナル伝達が前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの存在に起因することを決定する、態様62または63に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様65)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、
a)CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に前記細胞内の個々のプロトマーの状況において前記CXCR4または前記ADRB2のいずれかが、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらし;かつ
b)前記CXCL12及び前記ADRB2作動薬での共刺激時に前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と比べて増強されるカルシウム動員を示すような、前記増強されるカルシウム動員量を示す、態様1~64のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様66)
i)前記細胞内の前記個々のプロトマーの状況における前記プロトマーCXCR4またはADRB2からの前記カルシウム動員が、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、非相乗的であり;かつ
ii)前記細胞内の前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーからの前記カルシウム動員が、カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、相乗的である、
態様1~65のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様67)
カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記個々のプロトマーの状況において:
a)前記個々のプロトマーADRB2の非存在下での前記細胞内の前記個々のプロトマーCXCR4、または
b)前記個々のプロトマーCXCR4の非存在下での前記細胞内の前記個々のプロトマーADRB2
が、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらす、態様1~66のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様68)
カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記個々のプロトマーの状況において独立に:
a)前記個々のプロトマーADRB2の非存在下での前記細胞内の前記個々のプロトマーCXCR4、及び
b)前記個々のプロトマーCXCR4の非存在下での前記細胞内の前記個々のプロトマーADRB2
が、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらす、態様1~67のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様69)
カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、前記CXCL12及び前記ADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの前記細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも多いカルシウム動員量をもたらす、態様1~68のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様70)
カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの共刺激に起因した前記カルシウム動員量が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員の合計と比べて増強されるカルシウム動員量である、態様1~69のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様71)
カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因した前記増強されるカルシウム動員量が、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの前記細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも多い、カルシウム動員量である、態様1~70のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様72)
カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因した前記増強されるカルシウム動員量が、前記CXCL12及び前記ADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの前記細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも少なくとも10%多い、少なくとも20%多い、少なくとも30%多い、少なくとも40%多い、少なくとも50%多い、少なくとも75%多い、または少なくとも90%多いカルシウム動員量である、態様71に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様73)
カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因した前記増強されるカルシウム動員量が、前記CXCL12及び前記ADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12作動薬または前記ADRB2作動薬のいずれかでの前記細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも少なくとも100%多いカルシウム動員量である、態様71または72に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様74)
前記増強されるカルシウム動員量が、相乗的なカルシウム動員の量である、態様71~73のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様75)
カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞からの前記相乗的なカルシウム動員の量が、前記CXCL12及び前記ADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの前記細胞の単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計よりも少なくとも10%多い、少なくとも20%多い、少なくとも30%多い、少なくとも40%多い、少なくとも50%多い、少なくとも75%多い、または少なくとも90%多いカルシウム動員量である、態様74に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様76)
カルシウム動員アッセイにより決定した場合に、前記増強されるカルシウム動員量が、
a)細胞内の個々のプロトマーの状況において前記CXCR4または前記ADRB2のいずれかが、CXCL12及びADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と等しいかまたはそれよりも少ないカルシウム動員量をもたらし;かつ
b)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、前記CXCL12及び前記ADRB2作動薬での共刺激時に、前記CXCL12または前記ADRB2作動薬のいずれかでの単一作動薬刺激に起因するカルシウム動員量の合計と比べて増強されるカルシウム動員を呈する、
と特徴づけられる、態様1~75のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様77)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:CXCR4作動薬またはADRB2作動薬のいずれかでの前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの単独刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量と比べて、多い量の下流ERKシグナル伝達が前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの共刺激に起因することを有すると特徴づけられる、態様1~76のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様78)
前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記CXCR4作動薬での単独刺激に起因する量よりも多い、態様77に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様79)
前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記CXCR4作動薬での単独刺激に起因する量よりも少なくとも5%多い、態様78に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様80)
前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記CXCR4作動薬での単独刺激に起因する量よりも少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%多い、態様78に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様81)
前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記CXCR4作動薬での単独刺激に起因する量よりも5~15%、10~25%、20~50%、40~75%、または60~100%の範囲で多い、態様78~80のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様82)
前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記ADRB2作動薬での単独刺激に起因する量よりも多い、態様77に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様83)
前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記ADRB2作動薬での単独刺激に起因する量よりも少なくとも5%多い、態様82に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様84)
前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記ADRB2作動薬での単独刺激に起因する量よりも少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%多い、態様82に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様85)
前記CXCR4作動薬及び前記ADRB2作動薬での共刺激に起因する下流ERKシグナル伝達の量が、前記ADRB2作動薬での単独刺激に起因する量よりも5~15%、10~25%、20~50%、40~75%、または60~100%の範囲で多い、態様82~84のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様86)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させることを有すると特徴づけられる、態様1~9または14~85のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様87)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させることを有すると特徴づけられる、態様1~9または14~86のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様88)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させることを有すると特徴づけられる、態様1~9または14~87のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様89)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のがん進行を減少させることを有すると特徴づけられる、態様1~9または14~88のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様90)
前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、態様1~89のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様91)
前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが、前記細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、態様1~90のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様92)
前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが、前記がん対象における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、態様1~9または17~91のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様93)
前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが、前記がん対象の前記細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーから増強される下流シグナル伝達を抑制する、態様1~9または17~92のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様94)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマー構成要素がCXCR4及びADRB2の個々のプロトマーを含む、態様1~93のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様95)
個々のプロトマーの状況において前記CXCR4を含有する前記細胞が、前記個々のプロトマーADRB2の存在もしくは非存在下で前記個々のプロトマーCXCR4を含む、態様1~94のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様96)
個々のプロトマーの状況において前記CXCR4を含有する前記細胞が、前記個々のプロトマーADRB2の非存在下で前記個々のプロトマーCXCR4を含む、態様95に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様97)
個々のプロトマーの状況において前記CXCR4を含有する前記細胞が、前記個々のプロトマーADRB2の存在下で前記個々のプロトマーCXCR4を含む、態様95に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様98)
個々のプロトマーの状況において前記ADRB2を含有する前記細胞が、前記個々のプロトマーCXCR4の存在もしくは非存在下で前記個々のプロトマーADRB2を含む、態様1~94のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様99)
個々のプロトマーの状況において前記ADRB2を含有する前記細胞が前記個々のプロトマーCXCR4の非存在下で前記個々のプロトマーADRB2を含む、態様98に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様100)
個々のプロトマーの状況において前記ADRB2を含有する前記細胞が前記個々のプロトマーCXCR4の存在下で前記個々のプロトマーADRB2を含む、態様98に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様101)
前記投与されるブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが:
i)前記細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる;
ii)前記細胞における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる;及び/または
iii)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞のヘテロマー特異的特性を変化させる、
態様1~100のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様102)
投与される前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せが:
i)前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる;
ii)前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる;
iii)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる;または
iv)前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象においてがん進行を減少させる、
態様1~9または14~101のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様103)
投与される前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せが、前記対象由来細胞(複数可)において前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的特性を変化させる、態様102に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様104)
投与される前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せが、前記対象由来細胞(複数可)における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーのヘテロマー特異的機能を変化させる、態様102または103に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様105)
投与される前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せが、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のヘテロマー特異的特性を変化させる、態様102~104のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様106)
投与される前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せが、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象においてがん進行を減少させる、態様102~105のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様107)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーが、次の特徴:ブリキサフォル及びADRB2阻害剤の組合せが前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のがん進行を減少させることを有すると特徴づけられる、態様102~106のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様108)
前記減少するがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)のがん進行の減少を含む、態様102~107のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様109)
前記減少するがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の細胞増殖の減少を含む、態様102~108のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様110)
前記減少するがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の細胞遊走の減少を含む、態様102~109のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様111)
前記減少するがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の転移の減少を含む、態様102~110のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様112)
前記減少するがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する対象由来細胞(複数可)の血管新生の減少を含む、態様102~111のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様113)
前記ブリキサフォルを、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物として投与する、態様1~112のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様114)
前記ADRB2阻害剤を、薬学的に許容される担体を含む医薬組成物として投与する、態様1~113のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様115)
前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せを連続的に、併用して、または同時に投与する、態様1~114のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様116)
前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せを、薬学的に許容される担体をさらに含む医薬組成物として投与する、態様1~115のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様117)
前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤を医薬組成物の組合せとして投与する、態様1~116のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様118)
医薬組成物の前記組合せが、
a)前記ブリキサフォル及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物;ならびに
b)前記ADRB2阻害剤及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物
を含む、態様117に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様119)
前記医薬組成物の組合せを連続的に、併用して、または同時に投与する、態様117または118に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様120)
前記がんが血液学的がんまたは固形腫瘍である、態様1~119のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様121)
前記がんが血液学的がんである、態様120に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様122)
前記血液学的がんがリンパ腫、白血病、骨髄腫、及び多発性骨髄腫からなる群から選択される、態様121に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様123)
前記リンパ腫がB細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、またはNK細胞リンパ腫である、態様122に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様124)
前記リンパ腫が再発性または難治性リンパ腫である、態様122または123に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様125)
前記リンパ腫が、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、活性化B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、濾胞性中心リンパ腫、形質転換リンパ腫、中分化型のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(ILL)、びまん性低分化リンパ球性リンパ腫(PDL)、中心細胞性リンパ腫、びまん性核切れ込み小細胞型リンパ腫(DSCCL)、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、マントル層リンパ腫、及び低悪性度濾胞性リンパ腫からなる群から選択される、態様122~124のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様126)
前記白血病が:
a)急性リンパ球性白血病(ALL)、T細胞急性リンパ球性白血病(T-ALL)、B細胞急性リンパ芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄球性白血病(AML)、急性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病及び骨髄芽球、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、ならびに赤白血病からなる群から選択される急性白血病;
b)慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性骨髄性(myelogenous)白血病(慢性骨髄性(myeloid)白血病;CML)、及び慢性リンパ球性白血病(CLL)からなる群から選択される慢性白血病;または
c)慢性骨髄性単球性白血病(CMML)、慢性好酸球性白血病、若年性骨髄性単球性白血病(JMML)、真性多血症、ナチュラルキラー細胞白血病(NK白血病)、またはヘアリーセル白血病
である、態様122に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様127)
前記がんが固形腫瘍である、態様120に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様128)
前記固形腫瘍が良性腫瘍またはがんである、態様127に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様129)
前記固形腫瘍が癌腫または肉腫である、態様127に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様130)
前記固形腫瘍が、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、滑膜腫、中皮腫、悪性類上皮中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃癌、結腸直腸癌、食道癌、結腸癌、リンパ悪性病変、膵臓癌、膵臓腺癌、膵臓管状腺癌、乳癌、乳房腺癌、乳房管状腺癌、肺癌、小細胞肺癌、肺腺癌、腺扁平上皮肺癌、胞巣型横紋筋肉腫、卵巣癌、卵巣明細胞腺癌、卵巣粘液性嚢胞腺癌、卵巣漿液性腺癌、前立腺癌、肝細胞癌、軟部組織肉腫、扁平上皮細胞癌腫、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、髄様甲状腺癌、乳頭状甲状腺癌、甲状腺癌、褐色細胞腫、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、髄様癌、気管支原性癌、胃腸癌、胃管状腺癌、胃腺扁平上皮癌、腎臓癌、肝臓内胆管癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛上皮腫、ウィルムス腫瘍、子宮癌肉腫、子宮内膜腺癌、子宮内膜間質性肉腫、子宮内膜癌、子宮頸癌、精巣腫瘍、精上皮腫、膀胱癌、悪性黒色腫、多発性骨髄腫、多発性内分泌新形成、CNS腫瘍、神経膠芽腫、神経膠星状細胞腫、CNSリンパ腫、胚細胞腫、髄芽腫、神経鞘腫 頭蓋咽頭腫(craniopharyogioma)、上衣細胞腫、松果体腫(pineaioma)、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫(menangioma)、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、及び脳転移からなる群から選択される、態様127に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様131)
前記固形腫瘍が乳癌、肺癌、及び肝細胞癌からなる群から選択される、態様130に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様132)
前記固形腫瘍が乳癌である、態様131に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様133)
前記固形腫瘍が肺癌である、態様131に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様134)
前記固形腫瘍が肝細胞癌である、態様131に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様135)
前記対象の生体試料が生体液試料である、態様1~9または17~134のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様136)
液体生検を生体液試料で実行する、態様135に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様137)
前記生体液試料が、血液試料、血漿試料、唾液試料、脳脊髄液試料、眼液試料、または尿試料である、態様135または136に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様138)
前記対象の生体試料が生物学的組織試料である、態様1~9または17~137のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様139)
組織試料アッセイを前記生物学的組織試料で実行する、態様138に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様140)
前記生物学的組織試料が臓器組織試料、骨組織試料、または腫瘍組織試料である、態様138または139に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様141)
がんの前記処置方法が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達の抑制方法である、態様1~140のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様142)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達の前記抑制方法が、がんの処置方法である、態様1~140のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様143)
前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象における前記がんの進行が、前記がん対象への前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せの投与時に、前記ブリキサフォルまたは前記ADRB2阻害剤のいずれかの前記単一の阻害剤の投与と比べて5~100%の範囲でより多く減少する、態様1~9または17~142のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様144)
前記ブリキサフォルの有効性が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象に前記ADRB2阻害剤との組合せで投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合の前記ブリキサフォルの有効性と比べて5~5000%の範囲で上昇する、態様1~9または17~143のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様145)
ADRB2阻害剤の有効性が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞を有する前記対象に前記ブリキサフォルとの組合せで投与される場合に、単一の阻害剤として投与される場合の前記ADRB2阻害剤の有効性と比べて5~5000%の範囲で上昇する、態様1~9または17~144のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様146)
前記がん対象への前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せの投与が、前記がん対象における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を、単一の阻害剤投与と比べて5~2000倍の範囲で抑制する、態様1~9または17~145のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様147)
前記がん対象への前記ブリキサフォル及び前記ADRB2阻害剤の前記組合せの投与が、前記がん対象における前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーに起因して増強される下流シグナル伝達を、それぞれ個々のプロトマーの状況におけるCXCR4プロトマーまたはADRB2プロトマーのいずれかからの下流シグナル伝達の抑制と比べて5~2000倍の範囲で抑制する、態様1~9または17~146のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様148)
前記細胞ががん細胞である、態様17~147のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様149)
前記細胞が対象の細胞である、態様17~147のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様150)
前記対象の細胞ががん細胞である、態様149に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様151)
前記対象ががん対象である、態様1~150のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様152)
前記対象が患者である、態様1~151のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、または使用のための医薬組成物。
(態様153)
医薬組成物であって、
a)ブリキサフォルであるCXCR4阻害剤;
b)ADRB2阻害剤;及び
c)薬学的に許容される担体
を含む、前記医薬組成物。
(態様154)
前記ADRB2阻害剤が、ADRB2の拮抗薬、ADRB2のインバース作動薬、ADRB2の部分拮抗薬、ADRB2のアロステリック修飾因子、ADRB2の抗体、ADRB2の抗体断片、ADRB2のリガンド、または抗体-薬物コンジュゲートである、態様1~153のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様155)
前記ADRB2阻害剤が拮抗薬ADRB2である、態様154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様156)
前記ADRB2阻害剤がインバース作動薬ADRB2である、態様154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様157)
前記ADRB2阻害剤が部分拮抗薬ADRB2である、態様154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様158)
前記ADRB2阻害剤がADRB2のアロステリック修飾因子である、態様154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様159)
前記ADRB2阻害剤がADRB2の抗体である、態様154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様160)
前記ADRB2阻害剤がADRB2の抗体断片である、態様154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様161)
前記ADRB2阻害剤がADRB2のリガンドである、態様154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様162)
前記ADRB2阻害剤が抗体-薬物コンジュゲートである、態様154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様163)
前記ADRB2阻害剤が、
アルプレノロール、アテノロール、ベタキソロール、ブプラノロール、ブトキサミン、カラゾロール、カルベジロール、CGP 12177、シクロプロロール、ICI 118551、ICYP、ラベタロール、レボベタキソロール、レボブノロール、LK 204-545、メトプロロール、ナドロール、NIHP、NIP、プロパフェノン、プロプラノロール、ソタロール、SR59230A、及びチモロール
からなる群から選択される、態様154に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様164)
前記ADRB2阻害剤がカルベジロールである、態様163に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様165)
治療有効量の前記ブリキサフォルを前記対象に投与する、態様1~9または17~164のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様166)
準治療有効量の前記ブリキサフォルを前記対象に投与する、態様1~9または17~164のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様167)
治療有効量の前記ADRB2阻害剤を前記対象に投与する、態様1~9または17~166のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様168)
準治療有効量の前記ADRB2阻害剤を前記対象に投与する、態様1~9または17~166のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様169)
前記方法または使用がさらに、前記細胞における、前記対象における、または前記対象から得られた前記試料におけるCXCR4遺伝子の発現レベルを決定することを含み、その際、前記発現レベルが前記CXCR4遺伝子の基準レベルよりも高ければ、前記細胞、前記対象、または前記対象から得られた前記試料はCXCR4発現がんを有すると決定される、態様1~9または14~168のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様170)
前記がんがCXCR4発現がんである、態様169に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様171)
前記細胞におけるCXCR4遺伝子発現レベルが基準レベルよりも高い、態様169または170に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様172)
前記対象におけるCXCR4遺伝子発現レベルが基準レベルよりも高い、態様169または170に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様173)
前記対象から得られた前記試料におけるCXCR4遺伝子発現レベルが基準レベルよりも高い、態様169または170に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様174)
前記CXCR4遺伝子発現レベルが前記基準レベルよりも高いと決定されたら、前記方法または使用が、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルである、態様169~173のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様175)
前記方法または使用がさらに、前記細胞における、前記対象における、または前記対象から得られた前記試料におけるADRB2遺伝子の発現レベルを決定することを含み、その際、前記発現レベルが前記ADRB2遺伝子の基準レベルよりも高ければ、前記細胞、前記対象、または前記対象から得られた前記試料はADRB2発現がんを有すると決定される、態様1~9または14~168のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様176)
前記がんがADRB2発現がんである、態様175に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様177)
前記細胞におけるADRB2発現レベルが基準レベルよりも高い、態様175または176に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様178)
前記対象におけるADRB2発現レベルが基準レベルよりも高い、態様175または176に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様179)
前記対象から得られた前記試料におけるADRB2発現レベルが基準レベルよりも高い、態様175または176に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様180)
前記ADRB2遺伝子発現レベルが前記基準レベルよりも高いと決定されたら、前記方法または使用が、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルである、態様175~179のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様181)
前記方法または使用がさらに、前記細胞における、前記対象における、または前記対象から得られた前記試料におけるCXCR4遺伝子及びADRB2遺伝子の発現レベルを決定することを含み、その際、前記CXCR4遺伝子及び前記ADRB2遺伝子の発現レベルが前記CXCR4遺伝子及び前記ADRB2遺伝子のそれぞれの基準レベルよりも高ければ、前記細胞、前記対象、または前記対象から得られた前記試料はCXCR4発現及びADRB2発現がんを有すると決定される、態様1~9または14~168のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様182)
前記がんがCXCR4発現がん及びADRB2発現がんである、態様181に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様183)
前記細胞におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い、態様181または182に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様184)
前記対象におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い、態様181または182に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様185)
前記対象から得られた試料におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い、態様181または182に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様186)
前記CXCR4遺伝子及び前記ADRB2遺伝子発現レベルが前記それぞれの基準レベルよりも高いと決定されたら、前記方法または使用が、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルである、態様181~185のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様187)
前記方法または使用がさらに、前記細胞における、前記対象における、または前記対象から得られた前記試料におけるCXCR4タンパク質の発現レベルを決定することを含み、その際、前記発現レベルが前記CXCR4タンパク質の基準レベルよりも高ければ、前記細胞、前記対象、または前記対象から得られた前記試料はCXCR4発現がんを有すると決定される、態様1~9または14~168のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様188)
前記がんがCXCR4発現がんである、態様187に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様189)
前記細胞におけるCXCR4発現レベルが基準レベルよりも高い、態様187または188に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様190)
前記対象におけるCXCR4発現レベルが基準レベルよりも高い、態様187または188に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様191)
前記対象から得られた前記試料におけるCXCR4発現レベルが基準レベルよりも高い、態様187または188に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様192)
前記CXCR4タンパク質発現レベルが前記基準レベルよりも高いと決定されたら、前記方法または使用が、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルである、態様187~191のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様193)
前記方法または使用がさらに、前記細胞における、前記対象における、または前記対象から得られた前記試料におけるADRB2タンパク質の発現レベルを決定することを含み、その際、前記発現レベルが前記ADRB2タンパク質の基準レベルよりも高ければ、前記細胞、前記対象、または前記対象から得られた前記試料はADRB2発現がんを有すると決定される、態様1~9または14~168のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様194)
前記がんがADRB2発現がんである、態様193に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様195)
前記細胞におけるADRB2発現レベルが基準レベルよりも高い、態様193または194に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様196)
前記対象におけるADRB2発現レベルが基準レベルよりも高い、態様193または194に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様197)
前記対象から得られた前記試料におけるADRB2発現レベルが基準レベルよりも高い、態様193または194に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様198)
前記ADRB2タンパク質発現レベルが前記基準レベルよりも高いと決定されたら、前記方法または使用が、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルである、態様193~197のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様199)
前記方法または使用がさらに、前記細胞における、前記対象における、または前記対象から得られた前記試料におけるCXCR4タンパク質及びADRB2タンパク質の発現レベルを決定することを含み、その際、前記CXCR4タンパク質及び前記ADRB2タンパク質の前記発現レベルが前記CXCR4タンパク質及び前記ADRB2タンパク質のそれぞれの基準レベルよりも高ければ、前記細胞、前記対象、または前記対象から得られた前記試料はCXCR4発現及びADRB2発現がんを有すると決定される、態様1~9または14~168のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様200)
前記がんがCXCR4発現がん及びADRB2発現がんである、態様199に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様201)
前記細胞におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い、態様199または200に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様202)
前記対象におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い、態様199または200に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様203)
前記対象から得られた試料におけるCXCR4発現レベル及びADRB2発現レベルがそれぞれの基準レベルよりも高い、態様199または200に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様204)
前記CXCR4タンパク質及び前記ADRB2タンパク質発現レベルが前記それぞれの基準レベルよりも高いと決定されたら、前記方法または使用が、CXCR4阻害剤及びADRB2阻害剤を投与することを含み、その際、前記CXCR4阻害剤がブリキサフォルである、態様199~203のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様205)
前記ADRB2阻害剤がカルベジロールである、態様1~204のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様206)
前記増強される下流シグナル伝達が、CXCR4作動薬及びADRB2作動薬での前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーの共刺激に対して増強される応答である、態様1~205のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様207)
前記増強される下流シグナル伝達が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する前記対象において増強されるがん進行である、態様1~206のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様208)
前記増強されるがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する前記対象において増強される細胞増殖である、態様207に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様209)
前記増強されるがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する前記対象において増強される細胞遊走である、態様207または208に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様210)
前記増強されるがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する前記対象において増強される転移である、態様207~209のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様211)
前記増強されるがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する前記対象において増強される腫瘍成長である、態様207~210のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様212)
前記増強されるがん進行が、前記CXCR4-ADRB2ヘテロマーを含有する細胞(複数可)を有する前記対象において増強される血管新生である、態様207~211のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様213)
前記細胞(複数可)ががん細胞(複数可)である、態様207~212のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様214)
前記細胞(複数可)を対象から得る、態様207~213のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。
(態様215)
前記細胞(複数可)が対象から得られた生体試料に由来する、態様207~214のいずれか1項に記載の抑制方法、処置方法、使用のための医薬キット、使用のための医薬組成物、または医薬組成物。