以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る包装機1について詳細に説明する。図1は、本実施形態の包装機1の概略を示す正面図である。図2は、包装機1によって包装された包装体ZA2の外観を示す図であり、図2(A)が図1に対応する正面図、同図(B)が上面(平面)図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、本図及び以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚み、位置などを適宜誇張して表現する。
<包装機全体構成>
図1に示す包装機1は、一例として、被包装品XA2が順次供給されることに合わせて、包装材YA2が連続して供給されて筒状に製袋され、所定ピッチ毎に包装材YA2の幅方向にシールとカットとが行われる、いわゆる横型製袋充填機(ピロー包装機)である。
包装機1は、連続して供給される包装材YA2を利用して、前工程から順次供給される被包装品XA2を上流から下流に向けて搬送しながら包装する。本実施形態における包装材YA2は例えば、樹脂フィルムであるが、これに限らず、紙材等であってもよい。図1では、原反ロールYB1に近い側を上流とし、遠い側を下流とする。
包装機1は、一例として物品供給手段(物品供給装置)2と、包装材供給手段(包装材供給装置)3と、包装機本体4と、クランプ手段(クランプ装置)50と、検知手段100と、制御手段5などを備え、被包装品XA2を搬送し、包装するものである。なお、本実施形態では包装機1における各種方向の定義として、帯状の包装材YA2の長手方向となる第一方向を搬送方向Tとし、長手方向に直交する包装材YA2の幅方向となる第二方向を搬送幅方向Wとし、搬送方向T及び搬送幅方向Wに対して直角となる方向となる第三方向を搬送高さ方向Hとする。
これら包装機1の各部は、制御手段5(制御ユニット)によって統括的に制御される。制御手段5は、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
図2を参照して、本実施形態の被包装品XA2は、例えば、物品XA1を予め個々に包装してなる一次包装体ZA1を複数、集積したものである。この例では、図1に示す包装機1は、包装材YA1によって包装された物品XA1(一次包装体ZA1)を搬送高さ方向Hに複数段(例えば3段)に積層したものをさらに搬送方向Tに複数行(例えば、4~5行)纏めて包装し、一の包装体(二次包装体ZA2)とする。つまり、本実施形態の被包装品XA2は、複数段×複数行の一次包装体ZA1の集積品である。集積品(複数の物品XA1)は、例えばトレーや箱などに載置・収容されることなく、あるいは仕切り部材などで支持されることなく、包装材YA2内に直接、段積み状態で収容される。また例えば物品XA1(一次包装体ZA1)は、一方向に長い形状(短冊形状または棒状など)であり、長手方向を搬送幅方向Wに揃えるように集積されて搬送される。
再び図1を参照して、物品供給装置2は、複数(例えば3段×5行)の物品XA1(一次包装体ZA1)を一纏まりとする被包装品(以下、集積品)XA2を等間隔で搬送すると共に、当該集積品XA2を下流の包装機本体4に順次搬送する。この物品供給装置2は、例えば、搬送面25と、集積品XA2を搬送方向Tの前後から挟んで支持するとともに該搬送方向Tに押送する支持手段(押送手段、例えば、フィンガー)22を備えるフィンガーコンベアである。フィンガーコンベア2は例えば、ここでは図示を省略する複数のスプロケット(駆動用のスプロケット、従動用のスプロケット)と、これらにかけ回される環状のチェーン(またはベルト)202を有する。駆動用のスプロケットは、サーボモーターの駆動によって回転し、これによりチェーン202は循環するように走行する。従動用のスプロケットは、チェーン202の走行によって、駆動用のスプロケットに連動して回転する。複数のフィンガー22は、搬送面25に設けたスリット(ここでは不図示)を介して搬送面25の下方から上方に突出する。これら複数のフィンガー22の一部は、チェーン202の走行によって、搬送面25上を走行し、搬送面25上の複数の一次包装体ZA1を一纏まりにした集積品XA2を押送し、包装機本体4に送り出す。この例のフィンガー22は、製袋器14内部まで進入するが、後述するクランプ装置50の上流において集積品XA2の搬送経路(搬送面25)から退避する。具体的にはチェーン202の走行に伴い、搬送面25の下方に没入するように移動する。
包装材供給装置3は、包装材YA2を下流の包装機本体4に連続して供給する。包装材供給装置3は、原反軸8と、サーボモーター(図示省略)と、ローラ9などを備えている。原反軸8は、原反ロールYB1を回転自在に保持する。この原反軸8は、サーボモーターに動力が与えられて回転し、保持している原反ロールYB1を回転させる。これにより、原反ロールYB1から帯状の包装材(帯状包装材)YA2が繰り出される(引き伸ばされる)。ローラ9は、掛け渡された帯状包装材YA2を、その下流に設けられた製袋器14の供給口14aに導く。
なお、原反ロールYB1から帯状包装材YA2を繰り出す方法として、上述のような原反駆動式の方法を採用する代わりに、フィードローラを別途設け、当該フィードローラを動かして帯状包装材YA2を引き出すフィードローラ駆動式の方法を採用してもよい。また、原反駆動式とフィードローラ駆動式の両方の方法を採用してもよい。
包装機本体4は、物品供給装置2から供給される集積品XA2を、包装材供給装置3から供給される帯状包装材YA2を筒状に成形しつつ包装する。具体的に、包装機本体4は、例えば、製袋器14と、センターシール装置16と、クランプ装置50と、第一の搬送装置17と、トップシール装置(エンドシール装置)30と、第二の搬送装置20と、検知手段100などを備えている。
製袋器14は、包装材供給装置3から供給される帯状包装材YA2を、その幅方向(搬送幅方向W)の両端縁が互いに重なるように製袋し、筒状包装材YA2´に成形する物品供給装置2は、集積品XA2をフィンガー22によって、この例では製袋器14内まで押送し、筒状包装材YA2´内に供給する。フィンガー22は製袋器14に侵入した後に、搬送面25の下方に退避する。なお、本実施形態の説明における「筒状包装材YA2´」とは、特に、筒状に製袋された包装材を製袋前の帯状の包装材と区別する場合に用いる名称及び符号であり、製袋前後の包装材を区別する必要がない場合は「包装材YA2と総称する。
クランプ装置50は、製袋器14の下流に配置され、筒状包装材YA2´内に収容された集積品XA2の搬送方向Tの上流側及び下流側において筒状包装材YA2´を挟持する。クランプ装置50は、循環移動するクランプ部材(例えば、ローラ)503と搬送面25とで筒状包装材YA2´を例えば搬送高さ方向Hの上下から挟持し、集積品XA2の上流側及び下流側において筒状包装材YA2´の上部を押し下げた(潰した)状態で集積品XA2および筒状包装材YA2´を搬送する。
本実施形態の集積品XA2は、トレーなどに載置(収容、支持)されることなく直接、筒状包装材YA2´に収容される。また、上述したように物品供給装置2のフィンガー22は、製袋器14の内部において搬送面25の下方に退避する。クランプ装置50は、物品供給装置2から受け渡される集積品XA2の上流側及び下流側において筒状包装材YA2´をクランプし、被包装品(集積品)XA2の位置ずれを防止する。なお、被包装品XA2が集積品である場合、個々の物品XA1の位置ずれは集積品の荷崩れを引き起こす。本実施形態における「位置ずれ」とは、被包装品XA2が集積品である場合には、個々の物品XA1の位置ずれによる集積品の荷崩れも含むものとする。
製袋器14によって重ねられた包装材YA2の両端縁は、センターシール部の形成予定領域としてピンチローラ15によって挟みこまれ、搬送力を付与される。センターシール装置16は、一対のバーシーラ16aで重合させた包装材YA2の両端縁を挟んで加熱する。そして、センターシール装置16は、加熱された包装材YA2の両端縁をプレスローラ16bで圧着してセンターシールし、センターシール部を形成する。センターシール装置16は、一対のローラ、又は複数のローラでセンターシール部を挟んで加熱する回転式のセンターシール装置でも良い。
第一の搬送装置17は、センターシールされた筒状包装材YA2´を、当該筒状包装材YA2´に収容された集積品XA2と共に、搬送面26に載せてトップシール装置30に向けて搬送する。この第一の搬送装置17は、トップシール装置30のボックスモーションに合わせて、搬送面26を搬送方向に伸縮させる。
トップシール装置(トップシール手段、横シール手段、エンドシール手段)30は、集積品XA2が収容された筒状包装材YA2´を所定間隔で、具体的には集積品XA2の長さに応じたカットピッチ毎に、筒状包装材YA2´の幅方向(搬送幅方向W、包装材YA2を横断する方向)にトップシール(エンドシール、横シール)し、カットする。これにより、トップシール部が形成されるとともに、集積品XA2の包装体(ピロー包装体、二次包装体)ZA2が製造される。
トップシール装置30は、一例として、上下一対のトップシーラ30a,30bを有するいわゆるボックスモーションタイプのもので、筒状包装材YA2´を挟んで上下に配置された一対のトップシーラ30a,30bが、互いのシール面を対向させた状態を維持しながら所定の軌跡で移動する。このシール動作については後述する。
また、トップシール装置30は、必要に応じて、筒状の包装材YA2にトップシールを施す前(或いはそれと同時)に、筒状の包装材YA2のトップシールされる部位近傍の、進行方向における両側方の所定の折り込み位置を、不図示のガゼット爪にて内方に押し込んで折り込み、折り込み部を形成してもよい。
第二の搬送装置20は、トップシール装置30より下流に設けられている。この第二の搬送装置20は、トップシール装置30で仕上がった包装体ZA2を、搬送面27に載せて次工程に向けて搬送するベルトコンベアである。
本実施形態の包装機1は検知手段100を有する。検知手段100は、シール手段(トップシール装置30)の直近上流(この例では第一の搬送装置17の下流端部付近)に配置され、筒状包装材YA2´の外部から当該筒状包装材YA2´内の集積品XA2の位置ずれを検知可能なセンサである。
検知手段100は、連続して搬送される筒状包装材YA2´の所定の領域(被検知領域)において、集積品XA2の少なくとも一部が存在するか否かを検出可能なセンサである。検知手段100は一例として、透過型光センサ(光電センサ)であり、以下「光センサ100」という。光センサ100は、第一の搬送装置17の搬送面26を挟み、搬送高さ方向Hに対向配置される発光部100aおよび受光部100bを有する。発光部100aは信号光を出力し、受光部100bは当該信号光を受光する。そして信号光を検出物(ここでは集積品XA2の少なくとも一部)が遮ることによって変化する受光部100bの受光状態(受光有無)により、集積品XA2が被検知領域に存在することを検知する。なお集積品XA2の少なくとも一部とは、たとえば物品XA1(一次包装体ZA1の一部)が荷崩れにより位置ずれしている場合も含む。
光センサ100(発光部100a)は、筒状包装材YA2´の外部から信号光を照射し、その内部に収容された集積品XA2を検知可能である。光センサ100は一例として、予め設定される或る包装サイクル中の所定領域(被検知領域)における、集積品XA2の有無を検知する。被検知領域は、正常な状態であれば集積品XA2が存在しない領域であり、当該被検知領域において集積品XA2の位置ずれ(荷崩れ)が検知された場合には、制御手段5は集積品XA2を収容する筒状包装材YA2´に対してシールを行わないよう、トップシール装置30を制御する。光センサ100による検知と制御手段5によるトップシール装置30の制御については後に詳述する。
<クランプ装置>
図3および図4を参照して、本実施形態の包装機1におけるクランプ装置50について説明する。図3は、包装機1におけるクランプ装置50付近を抜き出し手示す正面図である。図4(A)は図3のクランプ装置50を上流側から視た側面図であり、図4(B)は、同図(A)の集積品XA2の図示を省略した側面図である。
まず、図3を参照してクランプ装置50は例えば、ここでは図示を省略する複数のスプロケット(駆動用のスプロケット、従動用のスプロケット)と、これらにかけ回される環状のチェーン(またはベルト)502を有する。駆動用のスプロケットは、サーボモーターの駆動によって回転し、これによりチェーン502は循環するように走行する。従動用のスプロケットは、チェーン502の走行によって、駆動用のスプロケットに連動して回転する。
図4に示すようにチェーン502は、搬送幅方向Wに例えば2本配置され、2本のチェーン502にはクランプ部材503が取り付けられ、チェーン502と共に循環走行する。クランプ部材503は例えば、支持軸504とこれが挿通されるローラ505である。支持軸504は搬送幅方向Wに延在し、その両端がそれぞれ2本のチェーン502に取り付けられる。ローラ505は例えば1本の支持軸504に2個設けられる。
再び図3を参照し、搬送方向Tに並ぶ複数のクランプ部材503は、2種類のピッチ、すなわち包装ピッチP1とシール領域ピッチP2を交互に繰り返すように配置される。包装ピッチP1は、筒状包装材YA2´において一の(一纏まりのまたは一組の)集積品XA2を収容する領域(収容領域601)を区画するピッチであり、シール領域ピッチP2は、上流と下流の収容領域601間の領域であって後にトップシール装置30においてシールされる領域(シール予定領域602)を区画するピッチである。シール予定領域602とは、トップシール装置30でカット(分割)された場合に図2に示す包装体ZA2のトップシール部TO1(耳部)となる領域であり、シール領域ピッチP2は、包装体ZA2の一方のトップシール領域TO1の2倍の長さである。
図3では説明の便宜上、一(一纏まり、一組)の集積品XA2をその上流及び下流でクランプする一対のクランプ部材503が明確となるよう、クランプ部材503を塗り分けて示している。つまり、搬送方向Tに並ぶ2つ(2組)の集積品XA2(XA2_1、XA2_2)について、例えば上流(または下流)の集積品XA2_1をクランプする一対のクランプ部材503を斜線のハッチングで示し、下流(または上流)の集積品XA2_2をクランプする一対のクランプ部材503を白塗りで示しているが、各クランプ部材503に構成上の差異はない。斜線のハッチングで示すクランプ部材503と白塗りで示すクランプ部材503の間の領域がシール予定領域602であり、両クランプ部材503の間隔がシール領域ピッチP2となる。
循環するクランプ部材503は、搬送高さ方向Hにおいては集積品XA2(筒状包装材YA2´)の高さより高い位置と、集積品XA2(筒状包装材YA2´)の高さの半分よりも搬送面に近い位置との間で変位する。クランプ部材503は、クランプ装置50の上流端部(製袋器14の下流)において筒状包装材YA2´の上方から下降し、搬送方向Tに走行する筒状包装材YA2´をクランプ位置C0において搬送面25との間で挟み込むように押し潰す(クランプする)。具体的に、例えば、クランプ部材503は走行しながら、収容領域601の下流側端部(シール予定領域602の上流側端部でもある)、収容領域601の上流側端部(シール予定領域602の下流側端部でもある)、シール予定領域602の上流側端部(収容領域601の下流側端部でもある)を順次、クランプする。
筒状包装材YA2´をクランプしたクランプ部材503は、集積品XA2(筒状包装材YA2´)の搬送速度と等速で移動する。包装ピッチP1でクランプしたクランプ部材503により、集積品XA2は位置ずれが防止されつつ、下流に搬送される。
クランプ装置50は、センターシール装置16、第一の搬送装置17および第二の搬送装置20に跨るように配置され、クランプ部材503は、この間に、搬送面25~27との間で筒状包装材YA2´を挟み込む。
本実施形態では、クランプ装置50におけるクランプ部材503の走行経路途中においてトップシール装置30によるトップシールが施される。トップシール装置30は、第一の搬送装置17と第二の搬送装置20の間に配置され、筒状包装材YA2´のシール予定領域602に対してシールとカットを施す(図3(B))。クランプ部材503は、トップシール装置30の下流のクランプ解除位置C1において、搬送面27から離れるように上昇し、これにより筒状包装材YA2´のクランプが解除される。つまりトップシール装置30は、クランプ位置C0とクランプ解除位置C1の間(クランプ解除位置C1の直近上流)に配置される。
<シール動作>
本実施形態のトップシール装置30は、例えばボックスモーションで上方のトップシーラ(上部シーラ)30aおよび下方のトップシーラ(下部シーラ)30bを駆動する。また、第一の搬送装置17と第二の搬送装置20は、トップシール装置30の動作に合わせて搬送面26、27が近接・離間するように構成される。以下これについて説明する。
図5は、図1において簡略化して示したトップシール装置30付近の主要な構成を抜き出して示す正面概要図である。第一の搬送装置17は、上流側に配置された搬送手段である上流側ベルトコンベア17であり、センターシールされた筒状包装材YA2´を、当該筒状包装材YA2´に包まれた集積品XA2と共に搬送面26に載せ、トップシール装置30に向けて搬送する。この上流側ベルトコンベア17は、トップシール装置30のボックスモーションに合わせて、搬送面26を搬送方向Tに伸縮させる。
第二の搬送装置20は、上流側ベルトコンベア17に後続する搬送手段である下流側ベルトコンベア(シュートコンベア)20であり、上流側ベルトコンベア17で搬送された集積品XA2を引き継いで搬送する。下流側ベルトコンベア20も、トップシール装置30のボックスモーションに合わせて、搬送面27を搬送方向Tに伸縮させる。
両ベルトコンベア17、20は、トップシール装置30の前後方向の移動に追従して前後移動することで、トップシール装置30との前後方向での隙間を一定距離以下に保持するようになっている。
トップシール装置30は、集積品XA2(ここでは不図示)の長さに応じた包装ピッチP1毎に、筒状包装材YA2´の幅方向(搬送幅方向W)に、トップシールとカットを行う。これにより、シール予定領域602がシールされるとともに搬送方向Tに2分割されて図2に示すような包装体ZA1が製造される。包装体ZA1は、幅方向に帯状に延びる横シール部(トップシール部、エンドシール部)TO1が成形される。
上流側ベルトコンベア17は、上流から下流に向けて走行する環状のベルト117と、複数のプーリ(ローラ)118、119、120、121、123、124、125と、モータ(図示省略)に接続された駆動用のプーリ122と、各構成要素を支持する移動フレーム131および固定フレーム132等を備え、集積品XA2を、筒状包装材YA2´(ここでは不図示)に包み込んで搬送する。本実施形態の光センサ100の受光部100bは、例えば、固定フレーム132に取り付けられている。
移動フレーム131は、下流側端部(進行方向前方側先端(トップシール装置30側))に搬送方向Tの前後方向に移動可能に配置され、固定フレーム132は、移動フレーム131の下方から後方に至るように配置されている。これら両フレーム131,132の適宜位置にプーリ(ローラ)118~125を回転自在に支持させ、そのプーリ118~125にベルト117が掛け渡されている。
ベルト117は、上流から下流に向けて走行する上流側走行面117aと、この上流側走行面117aの下方に配置され、下流から上流に向けて走行する戻り面117bと、が無端で連結されている。このベルト117は、上流側走行面117aに、上流工程から供給された集積品XA2が載置される。つまり、上流側走行面117aは、上流側ベルトコンベア17の搬送面26の一部を構成する。
移動フレーム131は、トップシール装置30の前後方向の移動に追従して前後進移動する。この一対の移動フレーム131の下流側先端に、プーリ118が回転支持される。また、1プーリ18下方にはプーリ119が回転支持される。これらプーリ118、119は、その両端が移動フレーム131の所定位置に設けられた不図示の貫通孔(軸受け部)に挿入されることで、自転は許容されるが、簡単に移動フレーム131から離脱するのは抑制される。また、これらプーリ118,119は、ベルト117の内面側に接触する。
さらに移動フレーム131の上流側でプーリ119より下方に、プーリ120を回転自在に支持させる。プーリ120は、ベルト117の外面側に接触し、これによりベルト117は、プーリ120で折り返してプーリ121からプーリ125に至るように掛け渡される。
一方、固定フレーム132は、例えば、トップシール装置30の機枠(不図示)に対して固定される。固定フレーム132の適宜位置には、プーリ121~125を回転自在に支持させる。また、プーリ121,122,124,125は、ベルト117の内面側に接触する。さらにプーリ122は、不図示の駆動モータに連携され、回転力を受ける。この回転力がベルト117に伝わり、ベルト117が回転する。
固定フレーム132のプーリ122より上流側上方の所定位置には、抑え用のプーリ123を取り付けている。このプーリ123は、ベルト117の外面側に接触し、内方に向けてテンションを掛けるものである。プーリ123は、固定フレーム132に対して移動可能に構成され、ベルト117の外表面に接触するように移動するとベルト117を内方に付勢し、プーリ123をベルト117から離反させるように移動すると、付勢が解除される。
つまり、プーリ123がベルト117の外表面に接触するように移動すると、ベルト117は、プーリ122の部分で大きく折り返されるとともに、プーリ123によって一定のテンションが与えられた状態となる。そして、プーリ122の回転に伴って回転し、搬送処理を行なう。
上流側ベルトコンベア17は、移動フレーム131が下流方向へ移動すると下流方向の上流側走行面117aは下流方向へ伸長されることになるが、この際、プーリ120とプーリ121との間隔が縮小して、この間に蓄えられているベルト117の余長分が繰り出される。一方、移動フレーム131が上流方向へ移動すると上流側走行面117aは短縮し、それによって生じたベルト117の余長分は、プーリ119とプーリ120との間隔が拡大することにより吸収される。
下流側ベルトコンベア(シュートコンベア)20は、上流側ベルトコンベア17と同様の構成を備えている。すなわち、下流側ベルトコンベア20は、上流から下流に向けて走行する環状のベルト140と、複数のプーリ(ローラ)141、142、143、144、146、147、148と、モータ(図示省略)に接続された駆動用のプーリ145と、各構成要素を支持する移動フレーム151および固定フレーム152等を備え、上流側ベルトコンベア17から引き継いだここでは不図示の包装体ZA1(集積品XA2)を下流工程に搬送する。
移動フレーム151は、上流側端部(進行方向後方側先端(トップシール装置30側))に搬送方向Tの前後方向に移動可能に配置され、固定フレーム152は、移動フレーム151の下方から前方に至るように配置されている。これら両フレーム151,152の適宜位置にプーリ(ローラ)141~148を回転自在に支持させ、そのプーリ141~148にベルト140が掛け渡されている。
ベルト140は、上流から下流に向けて走行する下流側走行面140aと、この下流側走行面140aの下方に配置され、下流から上流に向けて走行する戻り面140bと、が無端で連結されている。このベルト140は、下流側走行面140aに、上流側ベルトコンベア17から引き継いだ集積品XA2が載置される。つまり、下流側走行面140aは、下流側ベルトコンベア20の搬送面である。
移動フレーム151は、ベルト140の幅方向(搬送幅方向W)の両側に左右一対で所定間隔を置いて配置され、トップシール装置30の前後方向の移動に追従して前後進移動する。この一対の移動フレーム151の上流側先端に、プーリ141が回転支持される。また、プーリ141下方にはプーリ142が回転支持される。これらプーリ141、142は、その両端が移動フレーム151の所定位置に設けられた不図示の貫通孔(軸受け部)に挿入されることで、自転は許容されるが、簡単に移動フレーム151から離脱するのは抑制される。また、これらプーリ141、142は、ベルト140の内面側に接触する。
さらに移動フレーム151の下流側でプーリ142より下方に、プーリ143を回転自在に支持させる。プーリ143は、ベルト140の外面側に接触し、これによりベルト140は、プーリ143で折り返してプーリ142からプーリ148に至るように掛け渡される。
一方、固定フレーム152は、例えば、トップシール装置30の機枠(不図示)に対して固定される。固定フレーム152の適宜位置には、プーリ144~148を回転自在に支持させる。また、プーリ144、145、147、148は、ベルト40の内面側に接触する。さらにプーリ145は、不図示の駆動モータに連携され、回転力を受ける。この回転力がベルト140に伝わり、ベルト140が回転する。
固定フレーム152のプーリ145より上流側上方の所定位置には、抑え用のプーリ146を取り付けている。このプーリ146は、ベルト140の外面側に接触し、内方に向けてテンションを掛けるものである。プーリ146は、固定フレーム152に対して移動可能に構成され、ベルト140の外表面に接触するように移動するとベルト140を内方に付勢し、プーリ146をベルト140から離反させるように移動すると、付勢が解除される。
つまり、プーリ146がベルト140の外表面に接触するように移動すると、ベルト140は、プーリ125の部分で大きく折り返されるとともに、プーリ146によって一定のテンションが与えられ、ぴんと張った状態となる。そして、プーリ145の回転に伴って回転し、搬送処理を行なう。
下流側ベルトコンベア20は、移動フレーム151が上流方向へ移動すると上流方向の下流側走行面140aは上流方向へ伸長されることになるが、この際、プーリ142とプーリ143との間隔が縮小して、この間に蓄えられているベルト140の余長分が繰り出される。一方、移動フレーム151が下流方向へ移動すると下流側走行面140aは短縮し、それによって生じたベルト140の余長分は、プーリ143とプーリ144との間隔が拡大することにより吸収される。
なお、上流側ベルトコンベア17と下流側ベルトコンベア20は、トップシール装置30の前後方向の移動に追従して前後移動することで、両ベルトコンベア17、20とトップシール装置30との前後方向での隙間を一定距離以下に保持する構成であれば、上記の構成に限らない。
トップシール装置30は、上流側ベルトコンベア17および下流側ベルトコンベア20の間に配置される。トップシール装置30は、例えば、筒状包装材YA2´の上方に搬送幅方向Wに沿って配置されるトップシーラ(上部シーラ)30a(カッター58が内蔵されている)と、上部シーラ30aに対向するように筒状包装材YA2´を挟みその下方に搬送幅方向Wに配置されるトップシーラ(下部シーラ)30bと、上部シーラ30aを保持する上部支持台336、下部シーラ30bを保持する下部支持台333等を備えている。上部支持台336の進行方向後面には、下方に延びるガイドレール(不図示)を取り付け、下部支持台333の進行方向後面には、当該ガイドレールに連係されたスライダ(不図示)を取り付ける。スライダは、ガイドレールに沿って往復移動可能となり、これにより、上部支持台336と下部支持台333とが一体化され、それらに取り付けた上下のトップシーラ30a,30bが互いに対向した状態で接近離反するようになる。
上部支持台336は、上部シーラ30aの上部を保持する。この上部支持台336は、例えば一対の回転円板(図示省略)の偏心した位置で支持されており、これらの回転円板の回転によって、姿勢が保たれながら回転円板の回転軸回りに公転することで昇降する。下部支持台333は、下部シーラ30bの下部を保持するとともに、上部支持台336と同様に一対の回転円板(図示省略)の偏心した位置で支持されており、これらの回転円板の回転軸回りの回転によって、姿勢が保たれながら回転軸回りに公転することで所定の軌跡(いわゆるボックスモーション)で移動する。
上部シーラ30aは、さらに上部支持台336に対し所定のスパンで上下移動するようになっている。詳細には、上部シーラ30aの上面は、上部支持台336に対して搬送高さ方向Hに移動(上下移動)可能な上部シーラ取付台314に固定されている。上部シーラ取付台314の天面には、2本の動力伝達ロッド346が起立形成されており、その動力伝達ロッド346の上端は、エアシリンダー(例えば複動エアシンリンダー)352のシリンダロッド353に連携される。そしてシール時を含む正常動作時にはエアシリンダー352に供給されるエア(圧縮空気)によって、動力伝達ロッド346を伸長し、上部シーラ取付台314および上部シーラ30aを下方に向けて移動させる。つまり、上部シーラ30aは、正常動作時には、動力伝達ロッド346を伸長した所定の下方位置にありその状態で、回転円板の回転軸回りに回転する。
筒状包装材YA2´にシールを行う際は、上部シーラ30a(上部支持台336)と下部シーラ30b(下部支持台333)を互いに近接させる。つまり上部シーラ30aの回転動作の下死点と下部シーラ30bの回転動作の上死点において、筒状包装材YA2´を挟み込んだ状態で、上部シーラ30aのシール面と下部シーラ30bのシール面で挟まれた筒状包装材YA2´に対して加圧、加熱を行う。
また、図示は省略するが、上部支持台336の中央部位には、他のシリンダーが上下移動可能に配置されている。他のシリンダーの下端には、カッター58が吊持されており、そのカッター58は、上部シーラ取付台314および上部シーラ30a内に上下動自在に収容されている。他のシリンダーの駆動によってカッター58を下降させると、上部シーラ30aのシール面からカッター58が突出し、その刃先が、下部シーラ30bの受け溝に進入する。結果、筒状包装材YA2´がカットされる。
既述の上流側ベルトコンベア17の移動フレーム131と下流側ベルトコンベア120の移動フレーム151とは、不図示のカムとカムフォロアーによってそれぞれ下部シーラ30bが取り付けられる下部支持台333に連係され、その下部支持台333の搬送方向Tの前後方向の移動に追従して前後移動する。
具体的に、シール時には移動フレーム131と移動フレーム151の間隔が広がり、下部シーラ30bが下方から上方に突出する。また、上記のように上部シーラ30aは、動力伝達ロッド346の伸長により下方に移動する。上下のシーラ30a、30bは、筒状包装材YA2´の所定位置を上下から挟み込んだ状態で一定量だけ当該筒状包装材YA2´とともに前進移動し、これに合わせて移動フレーム131、151も前進移動する。これにより、筒状包装材YA2´の挟まれた部位が熱シールされるとともに、カットされる。
また、シール後は、回転円板の動作により上部シーラ30aと下部シーラ30bが離間(下部シーラ20bは下降)するとともに、移動フレーム131、151(ローラ118、141)の間隔を狭める。
<検知手段および噛み込み防止制御>
図5および図3に示すように、本実施形態では、トップシール装置30の直近上流に検知手段(光センサ100)を備え、光センサ100によって被検知領域における集積品XA2の有無を検知する。被検知領域は、本実施形態では、搬送方向Tに移動する各シール予定領域602である。つまり光センサ100は、第一の搬送装置17の下流付近において、トップシール装置30に侵入する直前のシール予定領域602を検知可能な位置に固定配置される。換言すると、光センサ100は、トップシール装置30を通過中の集積品XA2の上流側のシール予定領域602を検知可能な位置に固定配置される。
図6は、トップシール装置30付近を抜き出して示す平面図である。図6(A)は、集積品XA2および筒状包装材YA2´およびクランプ部材503を省略して第一の搬送装置17、光センサ100、トップシール装置30および第二の搬送装置20の主要部を示す平面概略図であり、図6(B)は、図3(A)に示すように、クランプ部材503によって筒状包装材YA2´をクランプしつつ、集積品XA2を正常に搬送している状態(正常状態)の平面概要図であり、図6(B)は、集積品XA2の位置ずれ(荷崩れ)が生じている状態(異常状態)の一例を示す平面概要図である。
図6(A)、同図(B)に示すように、第一の搬送装置17の搬送面26には、搬送中の集積品XA2の搬送幅方向Wの両端部よりも内側となる位置に搬送方向Tに延びるスリット17Sが複数設けられている。具体的に例えば、少なくとも移動フレーム131に、搬送方向Tに延び、搬送幅方向Wにおいて並列するように2本のスリット17Sが設けられ、その内側にベルト117(上流側走行面117a)が配置される。つまりこの例では、少なくとも第一の搬送装置17のベルト117の搬送幅方向Wの長さ(幅)は、少なくとも移動フレーム131に設けられた2本のスリット17S間の搬送幅方向Wの長さ(幅)より小さい。ここで、「搬送中の集積品XA2の搬送幅方向Wの両端部」とはより詳細には、「一次包装体ZA1(または物品XA1)の正常な搬送状態として設定されている搬送幅方向Wの両端部」である。
光センサ100は、スリット17Sを介してシール予定領域602検知可能な位置に配置される。すなわち、光センサ100も搬送幅方向Wにおいて複数(この例では2個)配置される。既に述べているように光センサ100は、発光部100aと受光部100bを有し、例えば、図3、図5に示すように受光部100bがスリット17S(搬送面26)の下方に配置され、例えば、固定フレーム132に取り付けられる。またここでは不図示であるが発光部100aがスリット17Sの鉛直上方(搬送高さ方向H上方)の、受光部100bに対向する位置に配置される。つまり、光センサ100は、搬送中の集積品XA2の搬送幅方向Wの両端部よりも内側となる位置に配置される。
光センサ100の発光部100aは、搬送方向Tに移動する各シール予定領域602が通過するタイミングで、それぞれのシール予定領域602(筒状包装材YA2´、2枚の包装材YA2)に対して信号光を照射する。受光部100bは、筒状包装材YA2´(2枚の包装材YA2)を透過した信号光を受光可能である。
つまり図6(B)に示すように、集積品XA2が正常に搬送され位置ずれ(荷崩れ)が生じていない場合にはシール予定領域602には集積品XA2は存在せず、受光部100bは、筒状包装材YA2´(2枚の包装材YA2)を透過した信号光を受光する。
これに対し、図6(C)に示すように、集積品XA2の位置ずれ(荷崩れ)が生じている場合、シール予定領域602には集積品XA2の少なくとも一部が侵入した状態で、光センサ100の間を通過する。このとき、集積品XA2の一部は、発光部100aが発光した信号光を遮断する。つまり光センサ100は、発光しているにもかかわらず受光できない状態となり、これにより、集積品XA2の位置ずれが検知される。
集積品XA2(この例では集積される各物品XA1(一次包装体ZA1))の形状が搬送幅方向Wに長い場合、搬送幅方向Wに対する載置角度のずれ(傾き、曲がり)が生じやすい。本実施形態では、搬送幅方向Wに複数(2個)の光センサ100を並べ、さらに集積品XA2(集積される各物品XA1(一次包装体ZA1))の両端付近を光センサ100で検知する構成としたため、搬送幅方向Wに対する載置角度のずれも位置ずれとして高精度に検知することができる。
光センサ100による検知結果に基づき制御手段5は位置ずれの発生有無を判定し、位置ずれが発生していると判定した場合、制御手段5はトップシール装置30によるシール動作を停止する。これにより、トップシール装置30における集積品XA2の噛み込みが防止される。
図7を参照して制御手段5による噛み込み防止制御についてさらに説明する。図7は図6(B),同図(C)に示すトップシール装置30付近の包装機1を示す正面概要図である。
図7(A)は、図6(C)に対応する図であり、或る集積品XA2_2に位置ずれ(荷崩れ)が生じてシール予定領域602aに侵入していることが光センサ100によって検知された状態を示している。すなわち、光センサ100の発光部100aは信号光を発光しているにもかかわらず、集積品XA2_2の一部によって信号光が遮断され、受光部100bは受光ができない状態となっている。これにより、光センサ100によって集積品XA2の位置ずれが検知される。制御手段5は、この検知結果に基づき、エアによって動力伝達ロッド346(図5)を短縮し、上部シーラ30aを上方に移動させるとともに、それ以外のトップシール装置30(回転円板の動作)、第一の搬送装置17および第二の搬送装置20などの包装機1の制御は引き続き継続する。つまり上部シーラ30aは動力伝達ロッド346の短縮により正常動作時よりも上方に引き上げられた状態で、回転円板の回転軸回りに回転する。また下部シーラ30aは、正常動作時と同様に回転円板の回転軸回りに回転する。
この結果、図7(B)に示すように、上部シーラ30aの下方にシール予定領域602aが到来し、下部シーラ30aは、シール可能位置(回転動作の上死点)に位置した場合であっても上部シーラ30aはシール可能位置まで下降せず、集積品XA2が侵入したシール予定領域602aはシール及びカットがされることなく、位置ずれが生じている集積品XA2はそのまま第二の搬送装置20に移載される(図7(C))。光センサ100はこの間も後続のシール予定領域602bの検知を継続する。なお、上部シーラ30aが動力伝達ロッド346の短縮により正常動作時よりも上方に引き上げられた状態においては、カッター58の動作は任意であり、例えば、カッター58を動作(下降)させないようにしてもよい。
この例では、後続(次の)シール予定領域602bにおいては集積品XA2の位置ずれが生じておらず、光センサ100による位置ずれが検知されない(図7(C))。この場合、制御手段5は、トップシール装置30によるシール動作を再開する。すなわち、エアシリンダー352へのエア(圧縮空気)の供給を再開し、上部シーラ30aの下方にシール予定領域602bが到来したタイミングで上部シーラ30aを下降動作させ当該シール予定領域602bのシール及びカットを行う(図7(D))。
図8は、光センサ100の検知タイミングを説明する図であり、同図(A)は、搬送方向Tにならぶ複数のシール予定領域602の正面概要図に、光センサ100の動作および検知のタイミングチャートを併記した概要図である。また、同図(B),同図(C)は、光センサ100を通過するクランプ部材503を示す正面概要図である。
上述したように光センサ100は、搬送方向Tにおいては例えば1か所で検知するが、図8では複数のシール予定領域602が光センサ100の検知領域を移動する場合において、シール予定領域602のそれぞれにおける光センサ100の動作状態(動作信号;オン/オフ)と、検知状態(検知信号;受光有/受光無)をタイミングチャートとして示している。光センサ100の検知領域は、発光部100aの略直下であって発光部100aからの信号光が照射される領域のある一点であり、詳細には例えば、信号光の光軸上の一点である。
図8(A)に示すように、本実施形態の光センサ100は、例えば、包装機1における各種制御の基準となる包装サイクルCYを基準として、シール予定領域602が光センサ100の検知領域に到来するタイミングを把握し、当該タイミングにて検知を行う。
具体的には、制御手段5は、各シール予定領域602の開始端ST(下流側端部)が光センサ100の検知領域を通過する際に光センサ100を検知可能(オン)状態とし、当該シール予定領域602が検知領域を通過している期間中は検知可能(オン)状態を継続し、当該シール予定領域602の終了端ED(上流側端部)が光センサ100の検知領域を通過する際に光センサ100を検知不可能(オフ)状態とするよう制御し、この制御を各シール予定領域602に対して繰り返す。
シール予定領域602の開始端STと終了端EDは例えば、シール領域ピッチP2で配置される一組のクランプ部材503が光センサ100の下方に到来するタイミングに基づき設定される。具体的には、シール予定領域602の開始端STは、例えば、シール領域ピッチP2で配置される下流側のクランプ部材503の後端部が光センサ100の直下を通過したタイミングであり、シール予定領域602の終了端EDは、対となる上流側のクランプ部材503の先端部が光センサ100の直下に到達するタイミングである。
包装機1(制御手段5)には、例えば、予め、所定の包装サイクルCY中におけるシール予定領域602の到来タイミング(位置、時間など)の情報が設定されている。一例として、下流側の収容領域601aの中央から上流側の収容領域601bの中央までの距離(期間)を一の包装サイクルCYとした場合、その包装サイクルCY中におけるシール予定領域602の距離(期間)が到来タイミングの情報として設定される。より詳細には、包装機1の操作者は、一の包装サイクルCYの開始時点CY0からの、シール予定領域602の開始端STの到達タイミング(距離又は時間)および終了端EDの到達タイミング(距離又は時間)を予め計測し、到来タイミング情報として包装機1(制御手段5)に設定する。
包装機1は、包装材YA2の搬送やトップシール装置30によるシールなどの各種制御が包装サイクルCYを基準として実行される。制御手段5は、包装機1の運転開始後に、包装サイクルCYを基準として設定された到来タイミング情報に基づき、光センサ100のオン/オフ制御を行う。これにより、図8(B)に示すように、シール領域ピッチP2で配置される下流側のクランプ部材503aの後端部が光センサ100の検知領域(例えば矢印で示す信号光の光軸上)を通過したと同時に光センサ100はオンとなり、光センサ100による検知が開始される。また、図8(C)に示すように、シール領域ピッチP2の対となる上流側のクランプ部材503bの先端部が光センサ100の検知領域に到達すると同時に光センサ100はオフとなり、一つのシール予定領域602に対する検知を終了する。制御手段5は、複数の包装サイクルCY(予定されている包装数以上の包装サイクルCY)に対してこの制御を繰り返す。そして光センサ100がオンしている期間T1の全期間において(連続して)受光部100bにおいて受光ができた場合(オン期間T1=受光期間T2の場合)は、「位置ずれ無し」と判定される。
これに対し、シール予定領域602Eのように、光センサ100がオンしている期間T1の少なくとも一部または全部に、受光部100bにおいて受光ができない期間が存在した場合(オン期間T1>受光期間T2の場合)は、位置ずれが生じていると判定される。
このようにして、制御手段5は、シール予定領域602が光センサ100の検知領域(光センサ100の直下)を通過する期間において光センサ100検知可能状態とする制御を繰り返す。また、光センサ100は、シール予定領域を区画する一組のクランプ部材の間における集積品XA2の有無を検知する。
本実施形態では特に、集積品XA2が物品XA1(一次包装体ZA1)を段積みした集積品であり、また物品XA1の形状が一方向に長く、長手方向を搬送幅方向Wに揃えるようにして搬送される。これに加えて、トレーなどの支持部材を含まない包装態様であって集積品XA2の搬送中の支持手段はクランプ部材503のみとなる。ところで、本実施形態のクランプ装置50は、詳細には、図4、図7に示すように、クランプ時であっても搬送面25~27とクランプ部材503との間には搬送高さ方向Hにおいて若干の隙間を確保し、筒状包装体YA2´に対する防傷性を高めている。当該隙間は、集積品XA2の搬送方向高さHにおける高さの半分よりも小さいが、個々の一次包装体ZA1(物品XA1)は当該隙間に入り込む可能性がある。つまり、集積品XA2の前後をクランプ部材503によって挟んで搬送中であっても、集積品XA2の荷崩れによりシール予定領域602に集積品XA2(一次包装体ZA1(物品XA1))が位置ずれする場合がある。そして、そのままの状態でトップシール装置30に至ると、噛み込みが生じてしまう問題がある。
本実施形態によれば、図3(A)、図7(A),同図(C)に示すように或る集積品XA2を収容する筒状包装材YA2´(収容領域601)がトップシール装置30に差し掛かった状態で、当該差し掛かっている集積品XA2の上流側のシール予定領域602を光センサ100で検知し、その結果に基づき制御手段5が当該集積品XA2および/または当該集積品XA2の次の集積品XA2の位置ずれ(荷崩れ)の有無を判定する。
そして、位置ずれがないと判定された場合にはトップシール装置30に差し掛かっていた集積品XA2のシール予定領域602のシール及びカットが実行される(図3(B),図7(D))。一方、位置ずれがあると判定された場合には、トップシール装置30に差し掛かっていた集積品XA2のシール(判定直後のシール動作)は行われず、そのまま第二の搬送装置20に移送される(図7(B),同図(C))。
つまり、位置ずれの有無の判定からトップシール装置30によるシールおよびカットまでを最短にすることができ、位置ずれの有無の判定後に位置ずれが生じ、トップシール装置30で噛み込みしてしまうリスクを最小限にすることができる。
また、包装機1における各種制御の基準となる包装サイクルCYを基準として、シール予定領域602が光センサ100の検知領域に到来するタイミングを制御するため、光センサ100による検知およびそれに基づく噛み込み防止の制御を複雑化することなく実現できる。
<包装機の制御方法>
本実施形態の包装機1の制御方法は、連続供給される集積品XA2が収容された筒状包装材YA2´を所定の包装ピッチP1で筒状包装材YA2´の横断方向にシール手段(トップシール装置30)によりシールする制御方法であって、トップシール装置30における集積品XA2の噛み込みを防止することが可能である。
つまりこの制御方法は、図3(A)、図7(A)に示すように、先行する集積品XA2(XA2_1)が、トップシール装置30を通過する期間において当該集積品XA2_1の上流側のシール予定領域602aを検知手段(光センサ100)が検知するステップと、そのシール予定領域602aにおいて先行する集積品XA2_1および/または後続の集積品XA2_2の少なくとも一部があることを検知した場合(図7(A))に、制御手段5が直後のトップシール装置30によるシール動作を停止するステップ(図7(B),同図(C))と、を有する。
具体的には、制御手段5は、位置ずれが生じていると判定した場合(図7(A))には、トップシール装置30の上部シーラ30aを下降させるシリンダへのエアの供給を停止する。一方で、それ以外のボックスモーション動作は継続するので、位置ずれが生じているシール予定領域602に対してシールおよびカットをすることなく、当該シール予定領域602を第二の搬送装置20に移載することができ、トップシール装置30における噛み込みを防止できる(図7(B),同図(C))。
また、包装機1(制御手段5)には、包装機1の操作者によって、予め、所定の包装サイクルCY中におけるシール予定領域602の到来タイミング(時間、距離)の情報が設定されており、制御手段5は、シール予定領域602が光センサ100の検知領域(直下、信号光が照射される領域)を通過する期間において光センサ100を検知可能状態とする。
包装機1の各種制御は、所定の包装サイクルCYを基準にすることで、異なる複数の制御やそれらの調整が容易となり望ましい。所定の包装サイクルCYを基準としたシール予定領域602の到来タイミングで位置ずれの有無を検知し、位置ずれが生じていた場合は、直後のシール動作を行わない制御とすることで、他の包装機1の各種制御と基準(包装サイクルCY基準)を合わせることができ、光センサ100による検知および噛み込み防止の制御を複雑化することなく実現できる。
<変形例>
図9は、本実施形態の変形例を説明する図であり、図6に対応する平面概略図である。
第一の搬送装置17の搬送面26(少なくとも移動フレーム131およびベルト117)は、集積品XA2の搬送幅方向Wの長さよりも小さい搬送幅であってもよい。この場合、スリット17Sは不要であり、光センサ100は、搬送面26の搬送幅方向Wの両外側に配置される。このような構成であっても、集積品XA2の搬送幅方向Wの両端部付近を、光センサ100により検知することができる。これ以外の構成は、上記の実施形態と同様であるので説明は省略する。
また、光センサ100は例えば搬送幅方向Wにおいて1個設ける構成としてもよい。この場合は、図6と同様のスリット17Sを、搬送面26の搬送幅方向Wのほぼ中央付近に設け、そのスリット17Sを介して上下に光センサ100を設ける。しかしながら、物品XA1(一次包装体XA1)の形状が一方向に長く、長手方向を搬送幅方向Wに揃えて搬送するような場合には、光センサ100が1個の場合に位置ずれ(角度のずれ)が検知できないため、このような物品XA1の場合には搬送幅方向Wに複数の光センサ100を配置することが望ましい。
また、2本のベルト117を並列に配置するとともに、2本のベルト117の間の移動フレーム131にスリット17Sを設ける構成とし、当該スリット17Sを介して、シール予定領域602検知可能な位置に光センサ100を配置してもよい。
また、検知手段100は、光センサに限らず、例えばX線の照射により対象物を検知するセンサでもよい。この場合の検知手段100の配置は、上述した実施形態と同様である。
また、検知手段100の検知タイミングは、例えば、クランプ部材503の位置を直接的に検出する構成としてもよい。例えば、トップシール装置30に集積品XA2が差し掛かるタイミングでトップシール装置30の直近上流に到着するクランプ部材503を検知する別途のクランプ部材検知手段を設ける。シール予定領域602の開始端STをクランプするクランプ部材503が通過後に光センサ100をオンし、シール予定領域602の終了端EDをクランプするクランプ部材503の先端を検知したと同時に光センサ100をオフするようにしてもよい。
また、図示は省略するが、別途、位置ずれ防止機構を備えてもよい。位置ずれ防止機構は例えば、製袋器14の上流側などに設けられる帯電手段である。帯電手段は、例えば、静電気を生じさせることで、目的の物体(ここでは集積品XA2を構成する個々の一次包装体ZA1(の包装材YA1))を帯電状態にする装置(帯電装置、静電気発生装置)である。また、クランプ装置50の上流側に帯電装置を配置して、筒状包装材YA2´を介して目的の物体を帯電させるようにしてもよい。
また、物品供給装置2とクランプ装置50の間に位置ずれ防止機構として吐出手段を設けてもよい。吐出手段は例えば、搬送面25の下方などに設けられ、下流側から上流に向かって(または搬送面25の下方から上方に向かって)筒状包装材YA2´内にエアなどの気体を吐出するノズルを有する手段である。吐出手段は、集積品XA2が物品供給装置2のフィンガー22からクランプ装置50のクランプ部材503に受け渡される際、当該集積品XA2の下流側端部に対してエアなどを吐出し、集積品XA2の荷崩れ(位置ずれ)を防止する。
以上、上記の例では包装材YA2を製袋器14の上方から供給する正ピロー型の包装機1を例示したが、包装材YA2を製袋器14の下方から供給する逆ピロー型の包装機であってもよい。
また、トップシール装置30は、搬送方向Tの移動と、一対のシーラ30a、30bの開閉とを独立して行う2サーボ式でもよい。この場合、被包装品XA2の位置ずれを検知手段100が検知した場合、搬送方向Tの移動は行うが、いますが、一対のシーラ30a、30bの開閉動作は行わないことで、トップシール装置30における噛み込みを防止する。
また、トップシール装置30は、ボックスモーション以外にも、回転式、又は直線往復動式のトップシール装置であってもよい。回転式のトップシール装置において、被包装品XA2の位置ずれを検知手段100が検知した場合は、上部シーラ30aの取り付け軸を上昇させる。
また、集積品XA2は、積み重ねる際に横にずらして物品XA1の一部が重なるようにサシミ状にしたりする集積状態や、起立させた物品XA1を搬送方向に並べた集積品XA2であってもよい。
また、集積品は一次包装体ZA1でなくてもよい。すなわち、被包装品XA2は、非包装の物品XA1の集積体であってもよい。また被包装品XA2は単品の物品XA1であってもよい。また被包装品XA2は単品の物品XA1であってもよく、例えば、転がりやすい形状の物品XA1など、載置が不安定になる製品であってもよい。
また、上記の例ではピロー包装機を例示したが、包装機1は三方シール包装機や、四方シール包装機、あるいはシュリンク包装機などであってもよい。
以上、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨および技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。