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JP7639302B2 - 赤外線吸収性組成物及び光学フィルタ - Google Patents

赤外線吸収性組成物及び光学フィルタ Download PDF

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JP7639302B2
JP7639302B2 JP2020185069A JP2020185069A JP7639302B2 JP 7639302 B2 JP7639302 B2 JP 7639302B2 JP 2020185069 A JP2020185069 A JP 2020185069A JP 2020185069 A JP2020185069 A JP 2020185069A JP 7639302 B2 JP7639302 B2 JP 7639302B2
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Description

本発明は、スクアリリウム化合物を含む、赤外線吸収性組成物に関する。
赤外線吸収性組成物の主な用途として、省エネルギー用に熱線を遮断する赤外線吸収フィルムや赤外線吸収板、太陽光の選択的な利用を目的とする農業用赤外線吸収フィルム、赤外線の吸収熱を利用する記録媒体、電子機器用赤外線カットフィルタ、写真用赤外線フィルタ、保護めがね、サングラス、熱線遮断フィルム、光学記録用色素、光学文字読み取り記録、機密文書複写防止用、電子写真感光体、レーザー融着、生体認証(指紋認証や静脈認証)用のセンサーなどが知られている。
赤外線吸収性組成物に使われる代表的な赤外線吸収色素としてスクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、ジイモニウム化合物が知られている。フタロシアニン化合物として、置換基を有するフタロシアニン化合物もしくはナフタロシアニン化合物、アミノ基を有するフタロシアニン化合物、アリールオキシ基を有するフタロシアニン化合物、含フッ素フタロシアニン化合物等が知られている。
特許文献1には、赤外線吸収性組成物が開示されている。
特開2016-164670号公報
しかし、従来の赤外線吸収性組成物は、フォトリソグラフィー法でパターンを形成する際、現像後の被膜の厚み(現像残膜)減少が大きい問題、および被膜の耐熱性が十分ではない問題があった。
本発明は、フォトリソグラフィー法で現像後の被膜の厚み(現像残膜)減少を抑制し、被膜の耐熱性低下を抑制できる赤外線吸収性組成物の提供を目的とする。
本発明の赤外線吸収性組成物は、スクアリリウム化合物(A)、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)および光重合開始剤(D)を含み、
バインダ樹脂(B)は、一分子中にトリシクロデカン骨格およびジシクロペンタジエン骨格のうち1種以上の骨格を有する単量体単位(b1)、ならびにカルボキシル基含有単量体単位(b2)を有し、かつ重合性不飽和基を有さないバインダ樹脂(B1)を含む。
上記の本発明により、フォトリソグラフィー法で現像後の被膜の厚み(現像残膜)減少を抑制し、被膜の耐熱性低下を抑制できる赤外線吸収性組成物、および光学フィルタを提供できる。
本願明細書の用語を定義する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)である。単量体は、重合性不飽和基含有化合物である。重合性不飽和基は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基等である。ガラス転移温度は、理論値である。
本発明の赤外線吸収性組成物は、スクアリリウム化合物(A)、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)および光重合開始剤(D)を含み、
バインダ樹脂(B)は、一分子中にトリシクロデカン骨格およびジシクロペンタジエン骨格のうち1種以上の骨格を有する単量体単位(b1)、ならびにカルボキシル基含有単量体単位(b2)を有し、かつ重合性不飽和基を有さないバインダ樹脂(B1)を含む。本発明の赤外線吸収性組成物は、光硬化しないバインダ樹脂(B1)を含むことで、嵩高いトリシクロデカン骨格およびジシクロペンタジエン骨格のうち1種以上の骨格を有する単量体単位(b1)の作用によりフォトリソグラフィー法で現像後の被膜の厚み減少を抑制し、被膜の経時耐熱性低下を抑制できる。
<スクアリリウム化合物(A)>
スクアリリウム化合物(A)は、400~1000nmの範囲における最大吸収波長を700~900nmの間に有する化合物である。最大吸収波長が700~900nmであることで、例えば、赤外線センサー用途に使用する場合、ノイズとして検出される近赤外領域の光を長波長側まで幅広くカットできる。なお、スクアリリウム化合物(A)の最大吸収波長の値は後述する実施例に記載の方法で測定した値である。
スクアリリウム化合物(A)は、400~1000nmの範囲における最大吸収波長における吸光度を(I1)、650nmにおける吸光度を(I2)としたときに、(I2)/(I1)が0.5以下となることが好ましい。
スクアリリウム化合物(A)は、下記一般式(1)および一般式(2)で表される化合物の少なくとも一方であることが好ましい。通常シアニン化合物に包含されるスクアリリウム化合物は耐熱性が低いが、一般式(1)および一般式(2)は高い耐熱性を有している。
一般式(1)

(X~X10は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、スルホ基、-SONR、-COOR、-CONR、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲン原子を表す。RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基を表す。また、X~X10は、互いに結合して環を形成してもよい。)
~X10において「置換基を有してもよいアルキル基」は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、tert-アミル基、2-エチルヘキシル基、ステアリル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2-メトキシエチル基、2-クロロエチル基、2-ニトロエチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基が、耐久性付与および合成難易度の観点で好ましく、特にメチル基が好ましい。
~X10において「置換基を有してもよいアルケニル基」は、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、アリル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基等が挙げられる。これらの中でもビニル基、アリル基が、耐久性付与および合成難易度の観点で好ましい。
~X10において「置換基を有してもよいアリール基」は、例えば、フェニル基、ナフチル基、4-メチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、4-ブロモフェニル基、2-メトキシフェニル基、4-ジエチルアミノフェニル基、3-ニトロフェニル基、4-シアノフェニル基等が挙げられる。これらの中でもフェニル基、4-メチルフェニル基が、耐久性付与および合成難易度の観点で好ましい。
~X10において「置換基を有してもよいアラルキル基」は、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。これらの中でもベンジル基が、耐久性付与および合成難易度の観点で好ましい。
~X10において「置換基を有してもアルコキシ基」は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、n-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基等が挙げられる。これらの中でもメトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメトキシ基が、耐久性付与および合成難易度の観点で好ましい。
~X10において「置換基を有してもよいアリールオキシ基」は、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、4-メチルフェニルオキシ基、3,5-クロロフェニルオキシ基、4-クロロ-2-メチルフェニルオキシ基、4-tert- ブチルフェニルオキシ基、4-メトキシフェニルオキシ基、4-ジエチルアミノフェニルオキシ基、4-ニトロフェニルオキシ基等が挙げられる。これらの中でもフェノキシ基、ナフチルオキシ基が、耐久性付与および合成難易度の観点で好ましい。
~X10において「置換アミノ基」は、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ステアリルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)アミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、4-tert-ブチルフェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N-フェニル-N-エチルアミノ基等が挙げられる。これらの中でもジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基が、耐久性付与および合成難易度の観点で好ましい。
~X10において「ハロゲン原子」は、例えば、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素が挙げられる。
~X10は、互いに結合して環を形成してもよい。以下に構造を例示する。
Figure 0007639302000002
およびRにおいて「置換基を有してもよいアルキル基」は、例えば、X~X10と同様である。
~X10は、無置換のアルキル基を含むことが好ましく、X、X、XおよびXの少なくとも一つが無置換のアルキル基であることがより好ましく、XおよびXが無置換のアルキル基であることが特に好ましい。無置換のアルキル基としてはメチル基であることが好ましい。
(一般式(1)および(2)で表される化合物の製造方法)
一般式(1)で表される化合物は、例えば特開2019-211764号に記載の方法で製造することが出来る。また、一般式(2)で表される化合物は、例えば特開2019-1983号に記載の方法で製造することが出来る。
スクアリリウム化合物(A)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
スクアリリウム化合物(A)の含有量は、赤外線吸収性組成物の不揮発分中に0.01~50質量%が好ましく、0.1~30質量%がより好ましい。適量含有することで適度な赤外線吸収性が得られる。
本明細書でスクアリリウム化合物(A)は、分散剤を使用し微粒子状に分散して使用することが好ましい。微粒子状に分散するとスクアリリウム化合物(A)の性能をより発揮しやすくなり、化合物自体の耐久性も向上する。分散剤は、樹脂型分散剤が好ましい。
スクアリリウム化合物(A)の分散後の平均一次粒子径は、1~500nmが好ましく、10~200nmがより好ましく、10~100nmがさらに好ましい。適度な平均一次粒子径にすることでスクアリリウム化合物(A)が凝集しにくくなり、吸収スペクトルがよりシャープになる。なお、平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して、電子顕微鏡写真から約100個の一次粒子の大きさを直接計測する方法がある。具体的には、個々粒子の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均値を粒子の一次粒子径とし、それぞれの粒子の体積(質量)を、求めた粒子径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とする。
<塩基性樹脂型分散剤(E)>
赤外線吸収性組成物で使用する樹脂型分散剤は、塩基性樹脂型分散剤(E)が好ましい。塩基性樹脂型分散剤(E)は、例えば、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、または含窒素複素環等の塩基性基を含む樹脂である。前記塩基性基は、アミノ基、第4級アンモニウム塩基が好ましく、両者を含むことがより好ましい。また、塩基性樹脂型分散剤(E)は、アミン価50~100mgKOH/gであることが好ましい。塩基性樹脂型分散剤(E)は、樹脂でいえば、例えば、窒素原子含有グラフト共重合体、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体、ウレタン系高分子分散剤等が挙げられる。
塩基性樹脂型分散剤(E)の好ましい態様は、3級アミノ基、および4級アンモニウム塩基を有するAブロックと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体重合物であるBブロックとからなるブロック共重合体である。Aブロックは、赤外線吸収色素(A)に対する吸着部位として機能するのに対して、Bブロックは、立体反発部位として機能する。塩基性樹脂型分散剤(E)は、AブロックおよびBブロックを有することでスクアリリウム化合物(A)の分散安定性を大きく向上させる。具体的には、特開2019-211764号公報記載の塩基性樹脂型分散剤が好ましく使用できる。
また、塩基性樹脂型分散剤(E)に加えて、酸性樹脂型分散剤を併用できる。
酸性樹脂型分散剤は、例えば、芳香族カルボン酸構造を有する樹脂型分散剤が挙げられる。この分散剤は、WO2008/007776号公報、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報、特開2009-251481号公報、特開2007-23195号公報、特開1996-143651号公報等に記載された方法で合成できる。
樹脂型分散剤の含有量は、スクアリリウム化合物(A)100質量部に対して、3~200質量%が好ましく、5~100質量がより好ましい。適量含有すると分散安定性が向上する。
樹脂型分散剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
<バインダ樹脂(B)>
バインダ樹脂(B)は、厚さ2μmの被膜形成時に400~700nmの全波長領域において透過率が80%以上の樹脂である。なお、透過率は、95%以上が好ましい。バインダ樹脂(B)は硬化性の面でいうと、例えば、熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂が挙げられる。また、バインダ樹脂は、物性面でいうと、現像性の観点からアルカリ可溶性樹脂が好ましい。アルカリ可溶性は、フォトリソグラフィー法のアルカリ現像工程において現像溶解性を付与するためのものであり、酸性基が必要である。なお、活性エネルギー線硬化性樹脂は熱硬化性基(例えば、エポキシ基、オキセタン基等)を有してもよい。
<熱可塑性樹脂>
熱可塑性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン-マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
アルカリ可溶性を有する熱可塑性樹脂(以下、アルカリ可溶性樹脂という)は、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂は、例えば、酸性基を有するアクリル樹脂、α-オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの中でも現像性、耐熱性、透明性が向上する面で酸性基を有するアクリル樹脂、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体が好ましい。
<活性エネルギー線硬化性樹脂>
活性エネルギー線硬化性樹脂は、例えば、下記(i)や(ii)の方法で合成する樹脂が好ましい。これにより赤外線吸収性組成物から形成した被膜の光照射による架橋密度がより向上する。
[方法(i)]
方法(i)は、例えば、まず、エポキシ基含有単量体、およびその他単量体の重合体を合成する。次いで、前記重合体のエポキシ基に、カルボキシル基含有単量体を付加し、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させてアルカリ可溶性樹脂(C2)を得る方法が挙げられる。
エポキシ基含有単量体は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
モノカルボキシル基含有単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられる。
多塩基酸無水物は、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
単量体および多塩基酸無水物は、それぞれ単独または2種類以上を併用して使用できる。
また、方法(i)に似た方法として、例えば、カルボキシル基含有単量体、およびそれ以外に単量体を合成し重合体を作製する。次いで、前記重合体のカルボキシル基の一部にエポキシ基含有単量体を付加し、アルカリ可溶性樹脂(C2)を得る方法が挙げられる。
[方法(ii)]
方法(ii)は、例えば、水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、およびそれ以外の単量体を合成し重合体を作製する。次いで、前記重合体の水酸基に、イソシアネート基含有単量体のイソシアネート基を反応させる方法が挙げられる。
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられる。また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ-バレロラクトン、ポリε-カプロラクトン、及び/又はポリ12-ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも挙げられる。これらの中でも2-ヒドロキシエチルメタアクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、グリセロールモノ(メタ)アクリレートがより好ましい。
イソシアネート基含有単量体は、例えば、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられる。
上記単量体以外に使用できる単量体は、上記方法(i)で例示したその他単量体に加え、リン酸エステル基含有単量体等が挙げられる。
リン酸エステル基含有単量体は、例えば、水酸基含有単量体の水酸基に、5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応させた化合物である。
バインダ樹脂(B)の酸価は、50~200mgKOH/gが好ましく、70~180mgKOH/gがより好ましく、90~170mgKOH/gがさらに好ましい。適度な酸価によりアルカリ溶解性、密着性、残渣抑制を高度にバランス取りできる。
本発明におけるバインダ樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、2,000~40,000が好ましく、3,000~30,000がより好ましく、4,000~20,000がさらに好ましい。Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。なお、Mnは、数平均分子量である。適度な重量平均分子量により基板に対する密着性、および現像性を高度に両立できる。
バインダ樹脂(B)の合成に使用する各原料は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
バインダ樹脂(B)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
バインダ樹脂(B)の含有量は、スクアリリウム化合物(A)100質量部に対して、20~400質量部が好ましく、50~250質量部がより好ましい。適量含有すると被膜を容易に形成できる上、良好な色特性が得やすい。
(バインダ樹脂(B1))
本発明でバインダ樹脂(B)は、一分子中にトリシクロデカン骨格およびジシクロペンタジエン骨格のうち1種以上の骨格を有する単量体単位(b1)、ならびにカルボキシル基含有単量体単位(b2)を有し、かつ重合性不飽和基を有さないバインダ樹脂(B1)を含む。単量体単位(b1)と重合性不飽和基を有さない相乗効果で現像後の被膜の厚み減少、および耐熱性の経時で低下を抑制できる。
本発明のバインダ樹脂(B1)のガラス転移温度は、下記式(2)のFoxの式により計算されたガラス転移温度70~120℃が好ましく、80~100℃がより好ましい。
式(2) Foxの式
1/Tg=W/Tg+W/Tg+・・・+W/Tg
(但し、WからWは、使用したn種の単量体の重量分率を示し、TgからTgは、ホモポリマ(単量体の単独重合体)のガラス転移温度(単位は絶対温度「K」)を示す。
(単量体単位(b1))
単量体単位(b1)を形成する単量体は、例えば、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でもジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
(カルボキシル基含有単量体単位(b2))
カルボキシル基含有単量体単位(b2)を形成するカルボキシル基含有単量体は、アクリル酸、メタクリル酸,クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸など、他の不飽和カルボン酸から選ばれるカルボン酸を単独あるいは併用で使用することもでき,また、α-(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基およびカルボキシル基を含有するモノマーを併用することもできる。これらの中でもアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
バインダ樹脂(B1)は、単量体単位(b1)およびカルボキシル基含有単量体単位(b2)以外にその他単量体単位(b3)を含有できる。
その他単量体単位(b3)を形成する単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類スチレン、又はα-メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンジマレイミド、N-(1-ピレニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-アミノフェニル)マレイミド、N-(4-ニトロフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ブロモメチル-2,3-ジクロロマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチラート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドヘキサノアート、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9-マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類、EO変性クレゾールアクリレート、n-ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単量体単位(b1)の含有量は、バインダ樹脂(B1)の全単量体単位中、1~40質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。適量含有するとフォトリソグラフィー法で現像後の被膜の厚み減少を抑制し、耐熱性,耐薬品性が向上する。
カルボキシル基含有単量体単位(b2)の含有量は、バインダ樹脂(B1)の全単量体単位中、5~50質量%が好ましく、10~40質量%がより好ましい。適量含有すると現像性が向上する。
(バインダ樹脂(B1)以外の樹脂)
バインダ樹脂(B)は、バインダ樹脂(B1)以外のその他樹脂を併用できる。その他樹脂は、熱可塑性樹脂が好ましい。これにより被膜の硬化度を調整し易くなる。
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合性不飽和基を含有するモノマー(単量体)、オリゴマーである。重合性化合物(C)は、例えば、酸基含有単量体、ウレタン結合含有単量体、その他単量体が挙げられる。
酸基含有単量体の酸基は、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基等が挙げられる。
酸基含有単量体は、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等が挙げられる。具体例は、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレート又はモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物;プロパン-1,2,3-トリカルボン酸(トリカルバリル酸)、ブタン-1,2,4-トリカルボン酸、ベンゼン-1,2,3-トリカルボン酸、ベンゼン-1,3,4-トリカルボン酸、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸等のトリカルボン酸類と、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート等のモノヒドロキシモノアクリレート又はモノヒドロキシモノメタクリレート類との遊離カルボキシル基含有オリゴエステル化物等が挙げられる。
(ウレタン結合含有単量体)
ウレタン結合含有単量体は、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート、アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られる多官能ウレタンアクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
多官能イソシアネートは、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリイソシアネート等が挙げられる。
その他単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
本明細書で光重合性化合物(C)は、重合性不飽和基を3つ有する化合物を含むことが好ましい。これにより光硬化性が向上し耐熱性がより向上する。
重合性化合物(C)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
重合性化合物(C)の含有量は、赤外線吸収性組成物の不揮発分100質量%中、1~50質量%が好ましく、2~40質量部がより好ましい。適量配合すると硬化性及び現像性がより向上する。
<光重合開始剤(D)>
光重合開始剤(D)は、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。これらの中でも、オキシムエステル系化合物が好ましい。
光重合開始剤(D)は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
(オキシムエステル系化合物)
オキシムエステル系化合物は、紫外線を吸収することによってオキシムのN-O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。
オキシムエステル系化合物は、特開2007-210991号公報、特開2009-179619号公報、特開2010-037223号公報、特開2010-215575号公報、特開2011-020998号公報等に記載のオキシムエステル系光重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤(D)の含有量は、赤外線吸収性組成物の不揮発分中に1~10質量%が好ましい。適量配合すると光硬化性及び現像性がより向上する。
<増感剤>
赤外線吸収性組成物は、増感剤を含有できる。
増感剤は、例えば、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ-ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’-ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの中でもチオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が好ましく、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N-エチルカルバゾール、3-ベンゾイル-N-エチルカルバゾール、3,6-ジベンゾイル-N-エチルカルバゾール等がより好ましい。
増感剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
増感剤の含有量は、光重合開始剤(D)100質量部に対し、3~60質量部が好ましく、5~50質量部がより好ましい。適量含有すると硬化性、現像性がより向上する。
<熱硬化性化合物>
赤外線吸収性組成物は、熱硬化性化合物を含有できる。赤外線吸収性組成物を使用して被膜を作製する際、加熱工程で熱硬化性化合物が熱硬化して被膜の架橋密度を高め、耐熱性が向上する。
熱硬化性化合物は、低分子化合物でもよく、樹脂のような高分子量化合物でもよい。
熱硬化性化合物は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、およびフェノール化合物が挙げられる。これらの中でもエポキシ化合物、オキセタン化合物が好ましい
<チオール系連鎖移動剤>
赤外線吸収性組成物は、チオール系連鎖移動剤を含有できる。チオールを光重合開始剤とともに使用することにより、光照射後のラジカル重合過程において、連鎖移動剤として働き、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生するので、得られる赤外線吸収性組成物は高感度となる。
チオール系連鎖移動剤は、チオール基(SH基)を2つ以上有する多官能チオールが好ましく、4つ以上有することがより好ましい。官能基数が増えると被膜の表面から最深部まで光硬化し易くなる。
多官能チオールは、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール 、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジンなどが挙げられ、好ましくは、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等が挙げられる。
チオール系連鎖移動剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
チオール系連鎖移動剤の含有量は、赤外線吸収性組成物の不揮発分100質量%中、0.1~10質量%が好ましく、0.1~3質量%がより好ましい。適量含有すると光感度、テーパー形状が向上し、被膜表面にシワが発生し難くなる。
<重合禁止剤>
赤外線吸収性組成物は、重合禁止剤を含有できる。これによりフォトリソグラフィー法の露光時にマスクの回折光による感光を抑制できるため、所望の形状のパターンが得やすくなる。
重合禁止剤は、例えば、カテコール、レゾルシノール、1,4-ヒドロキノン、2-メチルカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール、4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n-ブチルカテコール、2-tert-ブチルカテコール、3-tert-ブチルカテコール、4-tert-ブチルカテコール、3,5-ジ-tert-ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2-メチルレゾルシノール、4-メチルレゾルシノール、2-エチルレゾルシノール、4-エチルレゾルシノール、2-プロピルレゾルシノール、4-プロピルレゾルシノール、2-n-ブチルレゾルシノール、4-n-ブチルレゾルシノール、2-tert-ブチルレゾルシノール、4-tert-ブチルレゾルシノール等のアルキルレゾルシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロール、フロログルシンなどが挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、赤外線吸収性組成物の不揮発分100質量%中、0.01~0.4質量部が好ましい。この範囲において、重合禁止剤の効果が大きくなり、テーパーの直線性や塗膜のシワ、パターン解像性等が良好になる。
<紫外線吸収剤>
赤外線吸収性組成物は、紫外線吸収剤を含有できる。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びサリシレート系化合物等が挙げられる。なお、紫外線吸収剤は、オリゴマーやポリマーであってもよい。
ベンゾトリアゾール系化合物は、例えば、2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2-メトキシ-1-メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、メチル 3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-t-ブチル-4-メチルフェノール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネート、2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。
トリアジン系化合物は、例えば、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2‐[4,6‐ビス(2,4‐ジメチルフェニル)‐1,3,5‐トリアジン‐2‐イル]‐5‐[3‐(ドデシルオキシ)‐2‐ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、2,4-ジ-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸-3水温、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2,2’-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
サリチル酸エステル系化合物は、例えば、サリチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サリチル酸p-tertブチルフェニル等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、光重合開始剤と紫外線吸収剤との合計100質量%中、5~70質量%が好ましい。適量含有すると現像後の解像性がより向上する。
また、光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量は、赤外線吸収性組成物の不揮発分100質量%中、1~20質量%が好ましい。適量含有すると基板と被膜の密着性がより向上し、良好な解像性が得られる。
<酸化防止剤>
赤外線吸収性組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、赤外線吸収性組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化等の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を向上できる。特に組成物中の着色剤濃度が高い場合、相対的に光重合性化合物(D)の含有量が減少するため、光重合開始剤の増量や、熱硬化性化合物の配合で対応すると被膜が黄変し易い。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、被膜の透過率の低下を抑制できる。
酸化防止剤は、例えば、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、及びヒドロキシルアミン系の化合物が挙げられる。なお、本明細書で酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有しない化合物が好ましい。
ここれらの中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。
酸化防止剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
また酸化防止剤の含有量は、赤外線吸収性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~5.0質量%の場合、透過率、分光特性、及び感度が良好であるためより好ましい。
<レベリング剤>
赤外線吸収性組成物は、レベリング剤を含有できる。これにより、被膜形成時の基板に対する濡れ性および被膜の乾燥性がより向上する。レベリング剤は、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等が挙げられる。
レベリング剤は、単独または2種類以上を混合して使用できる。
レベリング剤の含有量は、赤外線吸収性組成物の不揮発分中、0.001~2.0質量%が好ましく、0.005~1.0質量%がより好ましい。この範囲内であることで、赤外線吸収性組成物の塗工性とパターン密着性、透過率のバランスがより向上する。
<貯蔵安定剤>
赤外線吸収性組成物は、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有できる。貯蔵安定剤は、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
貯蔵安定剤の含有量は、スクアリリウム色素(A)100質量部に対して、0.1~10質量%が好ましい。
<密着向上剤>
赤外線吸収性組成物は、密着向上剤を含有できる。これにより被膜と基材の密着性がより向上する。また、フォトリソグラフィー法で幅が狭いパターンを形成し易くなる。密着向上剤は、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。
密着向上剤は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類などのシランカップリング剤類が挙げられる。
密着向上剤の含有量は、スクアリリウム(A)100質量部に対し、0.01~10質量部が好ましく、0.05~5質量部がより好ましい。適量含有すると赤外線吸収性組成物の光感度が向上し、被膜の密着性がより向上し、パターンの解像性もより向上する。
<赤外線吸収性組成物の製造方法>
赤外線吸収性組成物は、スクアリリウム化合物(A)、溶剤、および必要に応じて分散剤等を使用して分散処理を行い分散体を作製する。次いで、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)および光重合開始剤(D)を混合して作製することができる。なお、各材料を配合するタイミングは、任意である。
前記分散処理は、例えば、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の分散装置を使用できる。
<溶剤>
赤外線吸収性組成物は、溶剤を含有できる。これにより組成物の粘度調整が容易になるため、表面が平滑な被膜を形成し易い。溶剤は、使用目的に応じて適宜選択し、適量を含有すれば良い。
溶剤は、例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
これらの中でも塗布性、乾燥性の面で1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下の溶剤が好ましい。例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等がより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル等がさらに好ましい。
<粗大粒子の除去>
赤外線吸収性組成物は、重力加速度3000~25000Gの遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように赤外線吸収性組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
本発明の光学フィルタは、基材、および赤外線吸収性組成物から形成されてなる膜を有することが好ましい。
基材の種類は、例えば、ガラス,シリコンウェハ等が挙げられる。基材の厚さは、0.3~2mm程度である。
膜の厚さは、0.2~5μm程度である。
<光学フィルタの製造方法>
本発明の光学フィルタは、基材上に被膜(膜)を形成することができる。前記膜は、例えば、フォトリソグラフィー法で、所望に形状のパターンを形成することができる。
フォトリソグラフィー法によるパターンは、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型レジスト材として調製した赤外線吸収性組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の公知の方法で塗工する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してフィルタを製造することができる。さらに、重合性不飽和基の重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
本発明の光学フィルタは、上記方法の他に印刷法、エッチング法、電着法、転写法、インクジェット法などにより製造することができる。
<光学フィルタの用途>
本発明の光学フィルタは、視野角が広く、優れた赤外線カット能等を有する。そのため、赤外線カットフィルタとして使用することが好ましい。また、可視域(400nm~700nm)に吸収が少なく、かつ赤外線吸収能に優れ、さらに耐熱性、耐光性といった耐久性に優れている。したがって、カメラモジュールのCCDやCMOSイメージセンサーなどの固体撮像素子の視感度補正用として有用である。特に、デジタルスチルカメラ、携帯電話用カメラ、デジタルビデオカメラ、PCカメラ、監視カメラ、自動車用カメラ、テレビ、カーナビ、携帯情報端末、パソコン、ビデオゲーム、携帯ゲーム機、生体認証(指紋認証や静脈認証)用のセンサー、デジタルミュージックプレーヤー等に有用である。
例えば、デジタルカメラは、撮像する際に受光する光を赤、緑、青のフィルタで分解し、光を電気信号に変えるフォトダイオードに送ることで、色を認識する。フォトダイオードは赤外線にも反応して電気信号に変えてしまうので、これを遮断するフィルタが必要である。本発明の光学フィルタは、この赤外線を遮断するフィルタとして使用することができる。赤外線に加え可視領域にも吸収があると、色の認識に悪影響が出るが、スクアリリウム化合物(A)は、不可視性が高いため、フォトダイオードの色の認識に対する悪影響が少ない。
(生体認証センサー)
本発明の光学フィルタは、生体認証(指紋認証や静脈認証)用のセンサー、あるいはそのセンサーが組み込まれたタッチセンサー、タッチパネルへの使用も可能である。
例えば、スマートフォン、タブレットパソコン等、他には銀行ATM、マルチメディア端末等にはセキュリティ保護のため指紋認証、手指静脈認証等の生体認証機能が搭載されている。
特にスマートフォン、タブレットパソコン用に用いる指紋認証技術の発展は目まぐるしく、画面サイズの増大(フルスクリーン化)に伴い、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイのいずれにおいてもディスプレイ内蔵型指紋認証センサーが開発されている。
しかし、ディスプレイ内蔵型指紋センサーはディスプレイ内に設置された各種光源を指紋に照射して、その反射光をセンシングするという光学方式が多いため、外部の不正な光(太陽光やLED照明のような広範囲の波長を持ち、且つ、強い光)がセンサーに入射されると、撮像時のノイズになってしまうという課題があり、屋外での使用には精度面でやや不安が残るものとなっている。銀行ATM、マルチメディア端末用途での手指静脈認証も同様で、照明の強い店舗や陽当たりのいい店舗では外光カットのためにカバーを被せる等の対策とられている。
本発明の光学フィルタは、外部の不正な光のセンサーへの入射を吸収、防ぎこれらの課題に対し効果を発揮することができる。
例えばスマートフォン、タブレットパソコンに使用する場合、パネル前面にセットする場合、意匠性も兼ね備える必要があるが、本発明の光学フィルタは、可視領域に吸収がなく不可視性、即ち透明性が高いため好適に使用できる利点がある。また、本発明の光学フィルタは、耐熱性に優れているため、センサー、あるいはそのセンサーが組み込まれたタッチセンサー、タッチパネルを製造する上での工程面においても好ましく使用できる。
(ディスプレイ)
本発明の光学フィルタは、ディスプレイに組み込むこともできる。具体的には、電子黒板のようなタッチパネル機能付き液晶ディスプレイが挙げられる。このタッチパネル機能付き液晶ディスプレイは、表示・書き込み・保存の3つの機能が備わっており、これに内蔵されるタッチパネルにおいても、赤外性走査方式や赤外線投影方式などの光学方式が採用されており、前述した外光によるノイズが課題となっている。タッチパネル機能付き液晶ディスプレイは、学校等での用途も多いため精度およびタッチに対する反応の良さは重要である。本発明の光学フィルタをディスプレイに組み込むことでノイズとなる外光をカットできる。また、本発明の光学フィルタは、有機EL(OLED)テレビのような大型ディスプレイの反射防止膜としても好ましく使用できる。可視光のみならず赤外領域の光の反射も抑えることによって、ディスプレイでの黒表示がより黒くできるメリットがある。本発明の光学フィルタは、耐熱性に優れているため、ディスプレイ製造において必要とされる工程の耐性についても好ましく使用できる。
以下、本発明を製造例と実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されない。また、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
(スクアリリウム化合物(A)の同定方法)
本発明に用いたスクアリリウム化合物(A)の同定には、MALDI TOF-MSスペクトルを用いた。MALDI TOF-MSスペクトルは、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置autoflexIIIを用い、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物の同定を行った。
(塩基性樹脂型分散剤およびバインダ樹脂の重量平均分子量(Mw))
塩基性樹脂型分散剤およびバインダ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC-8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(塩基性樹脂型分散剤のアミン価)
塩基性樹脂型分散剤のアミン価(mgKOH/g)は、0.1Nの塩酸水溶液を用い、
電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。塩基性樹脂型分散剤のアミン価は、不揮発分のアミン価を示す。
(塩基性樹脂型分散剤の4級アンモニウム塩価)
塩基性樹脂型分散剤の4級アンモニウム塩価(mgKOH/g)は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。塩基性樹脂型分散剤の4級アンモニウム塩価は、不揮発分の4級アンモニウム塩価を示す。
(バインダ樹脂の酸価)
バインダ樹脂の酸価(mgKOH/g)は、0.1Nの水酸化カリウム・エタノール溶液を用い、電位差滴定法によって求めた。バインダ樹脂の酸価は、不揮発分の酸価を示す。
<スクアリリウム化合物(A)の製造方法>
(スクアリリウム化合物[A-1]の製造)
トルエン400部に、1,8-ジアミノナフタレン40.0部、シクロヘキサノン25.1部、p-トルエンスルホン酸一水和物0.087部を混合し、窒素ガスの雰囲気中で加熱攪拌し、3時間還流させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。
反応終了後、トルエンを蒸留して得られた暗茶色固体をアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製した。得られた茶色固体を、トルエン240部とn-ブタノール160部の混合溶媒に溶解させ、3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン13.8部を加えて、窒素ガスの雰囲気中で加熱撹拌し
、8時間還流反応させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。
反応終了後、溶媒を蒸留し、得られた反応混合物を攪拌しながら、ヘキサン200部を加えた。得られた黒茶色沈殿物を濾別した後、順次ヘキサン、エタノールおよびアセトンで洗浄を行い、減圧下で乾燥させ、スクアリリウム化合物[A-1]61.9部(収率:92%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム化合物[A-1]であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-1]

(スクアリリウム化合物[A-2]の製造)
スクアリリウム化合物[A-1]の製造で使用したシクロヘキサノン25.1部の代わりに、2,6-ジメチルシクロヘキサノン32.2部を使用した以外は、スクアリリウム化合物[A-1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム化合物[A-2]71.9部(収率:97%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム化合物[A-2]であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-2]

(スクアリリウム化合物[A-3]の製造)
スクアリリウム化合物[A-1]の製造で使用したシクロヘキサノン25.1部の代わりに、3,5-ジメチルシクロヘキサノン32.2部を使用した以外は、スクアリリウム化合物[A-1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム化合物[A-3]72.6部(収率:98%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム化合物[A-3]であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-3]

(スクアリリウム化合物[A-4]の製造)
スクアリリウム化合物[A-1]の製造で使用したシクロヘキサノン25.1部の代わりに、4-メチルシクロヘキサノン28.6部を使用した以外は、スクアリリウム化合物[A-1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム化合物[A-4]67.2部(収率:95%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム化合物[A-4]であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-4]

(スクアリリウム化合物[A-5]の製造)
スクアリリウム化合物[A-1]の製造で使用したシクロヘキサノン25.1部の代わりに、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン35.8部を使用した以外は、スクアリリウム化合物[A-1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム化合物[A-5]71.3部(収率:92%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム化合物[A-5]であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-5]

(スクアリリウム化合物[A-6]の製造)
スクアリリウム化合物[A-1]の製造で使用したシクロヘキサノン25.1部の代わりに、3,5-ジエチルシクロヘキサノン39.4部を使用した以外は、スクアリリウム化合物[A-1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム化合物[A-6]76.9部(収率:95%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム化合物[A-6]であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-6]

(スクアリリウム化合物[A-7]の製造)
スクアリリウム化合物[A-1]の製造で使用したシクロヘキサノン25.1部の代わりに、5-イソプロピル-2-メチルシクロヘキサノン39.4部を使用した以外は、スクアリリウム化合物[A-1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム化合物[A-7]76.9部(収率:95%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム化合物[A-7]であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-7]

(スクアリリウム化合物[A-8]の製造)
スクアリリウム化合物[A-1]の製造で使用したシクロヘキサノン25.1部の代わりに、2-シクロヘキシルシクロヘキサノン46.0部を使用した以外は、スクアリリウム化合物[A-1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム化合物[A-8]79.4部(収率:91%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム化合物[A-8]であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-8]

(スクアリリウム化合物[A-9]の製造)
スクアリリウム化合物[A-1]の製造で使用したシクロヘキサノン25.1部の代わりに、2-ノルボルナノン28.1部を使用した以外は、スクアリリウム化合物[A-1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム化合物[A-9]64.6部(収率:92%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム化合物[A-9]であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-9]

(スクアリリウム化合物[A-10]の製造)
スクアリリウム化合物[A-1]の製造で使用したシクロヘキサノン25.1部の代わりに、スピロ[5.5]ウンデカン-1-オン42.5部を使用した以外は、スクアリリウム化合物[A-1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム化合物[A-10]78.8部(収率:94%)を得た。TOF-MSによる質量分析の結果、スクアリリウム化合物[A-10]であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-10]

(スクアリリウム化合物[A-11]の製造)
トルエン400部に、1,8-ジアミノナフタレン40.0部、9-フルオレノン46.0部、p-トルエンスルホン酸一水和物0.087部を混合し、窒素ガスの雰囲気中で加熱攪拌し、3時間還流させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。反応終了後、トルエンを蒸留して得られた暗茶色固体をアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製した。得られた茶色固体を、トルエン240部とn-ブタノール160部の混合溶媒に溶解させ、3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン13.8部を加えて、窒素ガスの雰囲気中で加熱撹拌し、8時間還流反応させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。反応終了後、溶媒を蒸留し、得られた反応混合物を攪拌しながら、ヘキサン200部を加えた。得られた黒茶色沈殿物を濾別した後、順次ヘキサン、エタノールおよびアセトンで洗浄を行い、減圧下で乾燥させ、スクアリリウム化合物(A-11)84.6部(収率:97%)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、スクアリリウム化合物(A-11)であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-11]
(スクアリリウム化合物(A-12)の合成)
スクアリリウム化合物(A-11)の合成で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、2,7-ビス(トリフルオロメチル)-9-フルオレノン80.7部を使用した以外は、スクアリリウム化合物(A-11)の合成と同様の操作を行い、スクアリリウム化合物(A-12)109.8部(収率:91%)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、スクアリリウム化合物(A-12)であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-12]

(スクアリリウム化合物(A-13)の合成)
スクアリリウム化合物(A-11)の合成で使用した9-フルオレノン46.0部の代わりに、2-ヒドロキシ-9-フルオレノン50.1部を使用した以外は、スクアリリウム化合物(A-11)の合成と同様の操作を行い、スクアリリウム化合物(A-13)83.9部(収率:92%)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、スクアリリウム化合物(A-13)であることを同定した。
スクアリリウム化合物[A-13]

<バインダ樹脂(B)溶液の製造方法>
(製造例1:バインダ樹脂(B1-1)溶液の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160部を導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート(BzMA)96.0部(0.55モル)、メタクリル酸(MAA)17.6部(0.21モル)、トリシクロデカン骨格含有メタクリレート(日立化成社製FA-513M)22.0部(0.10モル)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート140部からなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6部を添加した溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し、酸価85mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)8,000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂(B1-1)溶液を調製した。
(製造例2~6:バインダ樹脂(B1-2~5、B2-1)溶液の製造)
表1に示す通りの材料、添加量に変える以外は製造例1と同様にバインダ樹脂(B1-2~5、B2-1)溶液を調製した。なお、表1にそれぞれのガラス転移温度(Tg)の理論値も併記する。なお、スチレンは(St)、メタクリル酸メチルは(MMA)である。
(製造例7:バインダ樹脂(B2-2)溶液の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート160部を導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート96.0部(0.55モル)、メタクリル酸17.6部(0.21モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成社製FA-513M)22.0部(0.10モル)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート140部からなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6部を添加した溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、グリシジルメタクリレート21.3部[0.15モル]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9部およびハイドロキノン0.145部をフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け、不揮発分37.6%、酸価が67.7mgKOH/g(不揮発分換算)の樹脂溶液(B2-2)を得た。GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は9,500のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダ樹脂(B2-2)溶液を調製した。
<樹脂型分散剤(E)の製造方法>
(樹脂型分散剤(E-1~E-4)溶液)
特開2019-211764号公報記載の塩基性樹脂型分散剤を下記の表2の通り使用した。
<赤外線吸収性組成物の製造>
(赤外線吸収性組成物(IRP-1))
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散した後、0.5μmのフィルタで濾過し、赤外線吸収性組成物を作製した。
スクアリリウム化合物(A-1) :10.0部
バインダ樹脂(B1-1)溶液 :35.0部
樹脂型分散剤(E-1)溶液 : 7.5部
溶剤(N) :47.5部
(赤外線吸収性組成物(IRP-2~19))
スクアリリウム化合物、樹脂型分散剤溶液、バインダ樹脂溶液、溶剤を表3に示す組成、量に変更した以外は赤外線吸収性組成物(IRP-1)と同様にして、赤外線吸収性組成物(IRP-2~22)を調整した。
色素誘導体(b0-1)
<感光性赤外吸収性組成物(IRR-1)の製造>
[実施例1]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1 .0μmのフィルタで濾過して、感光性赤外線吸収性組成物(IRR-1) を得た。
赤外線吸収性組成物(IRP-1:不揮発分20%) :75.0部
バインダ樹脂(B1-1:不揮発分20%)溶液 :5.0部
熱硬化性化合物(BE-1) :0.5部
熱硬化性化合物(BE-2) :0.5部
重合性化合物(C) :2.0部
光重合開始剤(D) :1.8部
増感剤(F) :0.2部
チオール系連鎖移動剤(G) :0.4部
重合禁止剤(H) :0.05部
紫外線吸収剤(I) :0.15部
酸化防止剤(J) :0.1部
レベリング剤(K:不揮発分3%) :1.0部
貯蔵安定剤(L) :0.1部
シランカップリング剤(M) :0.2部
溶剤(N) :13.0部
[実施例2~24、比較例1]
以下、表4に示す組成と配合量に変更した以外は、赤外線吸収性組成物(IRR-1)、と同様にして感光赤外線吸収性組成物(IRR―2~25)を得た。
<熱硬化性化合物(BE)>
・エポキシ化合物(BE-1)
(BE-1-1)2,2‘-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-
エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物
[EHPE-3150(ダイセル社製)]、
(BE-1-2)ソルビトールのグリシジルエーテル化エポキシ化合物
[デナコールEX611(ナガセケムテックス社製)]、
(BE-1-3)イソシアヌル酸トリグリシジル
(BE-1-1)~(BE-1-3)をそれぞれ同量混合し、エポキシ化合物(BE-1)とした。
・オキセタン化合物(BE-2):
3-エチル-3-[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシメチル]オキセタン
[アロンオキセタンOXT-221(東亞合成社製)]
<重合性化合物(C)>
(C-1)トリメチロールプロパントリアクリレート
[アロニックスM309(東亞合成社製)];3官能
(C-2)ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート(E-2)
[アロニックスM402(東亞合成社製)];5官能と6官能の混合物
(C-3)多塩基酸性アクリルオリゴマー
[アロニックスM520(東亞合成社製)]
(C-4)カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
[KAYARAD DPCA-30(日本化薬社製)];6官能
(C-5)下記による多官能ウレタンアクリレート
内容量が1リットル5つ口反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(432部、ヘキサメチレンジイソシアネート84部を仕込み、60℃で8時間反応させ、(メタ)アクリロイル基を有する多官能ウレタンアクリレート(C-5)を含む生成物を得た。生成物中、多官能ウレタンアクリレート(C-5)の占める割合は、70質量%であり、残部を他の光重合性モノマーで占めている。なお、IR分析により反応生成物中にイソシアネート基が存在しないことを確認した。
(C-6)2官能のビスフェノールA型(メタ)アクリレート
[ABE-300(新中村化学社製)]
(C-7)エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート
[A-9300(新中村化学社製)]
以上、(C-1)~(C-7)をそれぞれ同量にて混合し、重合性化合物(C)とした。
<光重合開始剤(D)>
(D-1)2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン
[イルガキュア907(BASFジャパン社製)]
(D-2)2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン
[イルガキュア379(BASFジャパン社製)]
(D-3)2,4,6-トリメチルベンゾイルージフェニルーホスフィンオキサイド
[ルシリンTPO(BASFジャパン社製)]
(D-4)2,2’-ビス(o-クロロフェニル)-4,5,4’,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール
[ビイミダゾール(黒金化成社製)]
(D-5)p-ジメチルアミノアセトフェノン
[DMA(ダイキファイン社製)]
(D-6)エタン-1-オン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル],1-(O-アセチルオキシム)
[イルガキュアOXE02(BASFジャパン社製)]
(D-7)1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル] -2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン
[イルガキュア2959(BASFジャパン社製)]
(D-8)ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド
[イルガキュア819(BASFジャパン社製)]
以上、(D-1)~(D-8)をそれぞれ同量にて混合し、光重合開始剤(D)とした。
<増感剤(F) >
(F-1)2,4-ジエチルチオキサントン
[カヤキュアDETX-S(日本化薬社製)]
(F-2)4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
[CHEMARK DEABP(Chemark Chemical社製)]
以上、(F-1)(F-2)をそれぞれ同量にて混合し、増感剤(F)とした。
<チオール系連鎖移動剤(G)>
(G-1)トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)
[TEMB(昭和電工社製)]
(G-2)トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)
[TPMB(昭和電工社製)]
(G-3)ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)
[PEMP(堺化学工業社製)]
(G-4)トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)
[TMMP(堺化学工業社製)]
(G-5)トリス[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート
[TEMPIC(堺化学工業社製)]
以上、(G-1)~(G-5)をそれぞれ同量にて混合し、チオール系連鎖移動剤(G)とした。
<重合禁止剤(H)>
(H-1)3-メチルカテコール
(H-2)メチルヒドロキノン
(H-3)t-ブチルヒドロキノン
以上、(H-1)~(H-3)をそれぞれ同量にて混合し、重合禁止剤(H)とした。
<紫外線吸収剤(I)>
(I-1)2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(ドデシルおよびトリデシル)オキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン
[TINUVIN400(BASFジャパン社製)]
(I-2)2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール
[TINUVIN900(BASFジャパン社製)]
以上、(I-1)~(I-2)をそれぞれ同量にて混合し、紫外線吸収剤(I)とした。
<酸化防止剤(J)>
(J-1)ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(J-2)3,3'-チオジプロパン酸ジオクタデシル
(J-3)トリス[2,4-ジ-(t)-ブチルフェニル]ホスフィン
(J-4)ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート
(J-5)サリチル酸p-オクチルフェニル
以上、(J-1)~(J-5)をそれぞれ同量にて混合し、酸化防止剤(J)とした。
<レベリング剤(K)>
ビックケミー社製「BYK-330」 1部、
DIC社製「メガファックF-551」 1部、
花王社製「エマルゲン103」 1部
をPGMAc97部に溶解させた混合溶液。
<貯蔵安定剤(L)>
(L-1)2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール
(本州化学工業社製「BHT」)
(L-2)トリフェニルホスフィン
(北興化学工業社製「TPP」)
以上、(L-1)~(L-2)をそれぞれ同量にて混合し、貯蔵安定剤(L)とした。
<密着向上剤(M)>
(M-1)3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM-403(信越化学工業社製)]
(M-2)3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBE-503(信越化学工業社製)]
(M-3)N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM-603(信越化学工業社製)]
(M-4)3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン
[信越シリコーン シランカップリング剤KBM-803(信越化学工業社製)]
以上、(M-1)~(M-4)をそれぞれ同量にて混合し、シランカップリング剤(M)とした。
<溶剤(N) >
(N-1)PGMAc 30部
(N-2)シクロヘキサノン 30部
(N-3)3-エトキシプロピオン酸エチル 10部
(N-4)プロピレングリコールモノメチルエーテル 10部
(N-5)シクロヘキサノールアセテート 10部
(N-6)ジプロプレングリコールメチルエーテルアセテート 10部
以上、(N-1)~(N-6)をそれぞれ上記質量部にて混合し、溶剤(N)とした。
<赤外線吸収性組成物の評価>
実施例および比較例で得られた感光性赤外線吸収性組成物について、平均一次粒子径、分光特性、耐性(耐光性、耐熱性)、パターン剥がれ性、現像速度、パターン形成性に関する試験を下記の方法で行った。なお、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用レベル、×は実用には適さないレベルである。結果を表5に示す。
(分光特性の評価)
得られた感光性赤外線吸収性組成物を1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、膜厚1.0μmになるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した後、230℃で5分加熱し、塗膜付き基板を作製した。得られた塗膜付き基板の分光を分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて300~900nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定した。極大吸収波長の吸光度を1とした時の、「400~700nmの平均吸光度」について、下記基準で評価した。なお、スクアリリウム化合物(A)の極大吸収波長 は、赤外領域(700~1000nm)に存在する。この吸光度を1としたときに、400~700nmの吸光度が小さいほど、赤外領域の吸収能に優れ、高い着色力と急峻な分光を有していると言える。
◎ :0.05未満
○ :0.05以上、0.075未満
△ :0.075以上、0.1未満
× :0.1以上
(耐光性試験)
分光特性評価と同じ手順で塗膜付き基板を作製し、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、24時間放置した。塗膜の分光極大吸収波長における吸光度を測定し、光照射前のそれに対する残存比を求め、耐光性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(照射後の吸光度)÷(照射前の吸光度)×100
◎ :残存率が95%以上
○ :残存率が90%以上、95%未満
× :残存率が90%未満
(耐熱性試験)
分光特性評価と同じ手順で塗膜付き基板を作製し、耐熱性試験として210℃で20分追加加熱した。塗膜の分光極大吸収波長における吸光度を測定し、耐熱性試験前のそれに対する残存比を求め、耐熱性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(耐熱性試験後の吸光度)÷(耐熱性試験前の吸光度)×100
◎ :残存率が95%以上
○ :残存率が90%以上、95%未満
× :残存率が90%未満
(現像残膜)
実施例1~24および比較例1で得られた組成物を、ガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が1.0μmなるように回転塗工し、70で3分乾燥し、塗膜付き基板を作製した。得られた塗膜をステッパー露光機(アサヒテクノソリューションズ(株)製,ATS-4003)を用いて20000W/5000Jにて露光し、露光部の膜厚を接触式膜厚計(アルバック社製 触針式表面形状測定器DEKTAC8)にて測定し、その後2%水酸化カリウム水溶液に2分浸漬後の膜厚を測定しその比で現像膜減り量(現像残膜率)を評価した。
現像残膜(%)=現像液浸漬後の膜厚/現像液浸漬前の膜厚×100%
評価のランクは次の通りである。
◎ :90%以上
〇 :70%以上、90%未満
△ :50%以上、70%未満
× :50%未満
Figure 0007639302000021

Claims (7)

  1. スクアリリウム化合物(A)、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)および光重合開始剤(D)を含み、
    前記バインダ樹脂(B)の酸価が、85~130mgKOH/gであり、
    前記バインダ樹脂(B)は、一分子中にトリシクロデカン骨格およびジシクロペンタジエン骨格のうち1種以上の骨格を有する単量体単位(b1)、ならびにカルボキシル基含有単量体単位(b2)を有し、かつ重合性不飽和基を有さないバインダ樹脂(B1)を含み、
    前記バインダ樹脂(B1)のガラス転移温度が、85.9109.7℃である、
    赤外線吸収性組成物。
  2. 光重合開始剤(D)を前記赤外線吸収性組成物の不揮発分中に1~10質量%含む、請求項1に記載の赤外線吸収性組成物。
  3. さらに塩基性樹脂型分散剤(E)を含む、請求項1または2に記載の赤外線吸収性組成物。
  4. 前記塩基性樹脂型分散剤(E)のアミン価が50~100mgKOH/gである、請求項3に記載の赤外線吸収性組成物。
  5. 前記塩基性樹脂型分散剤(E)がアミノ基、および第4級アンモニウム塩基を有する分散剤である、請求項3または4に記載の赤外線吸収性組成物。
  6. 光重合性化合物(C)が重合性不飽和基を3つ有する化合物を含む、請求項1~5いずれか1項に記載の赤外線吸収性組成物。
  7. 基材、および請求項1~6いずれか1項に記載の赤外線吸収性組成物から形成されてなる膜を有する、光学フィルタ。




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