JP7635471B1 - 医薬製剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物;
(B)次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有する、溶存酸素量が8.5mg/L以上の水性組成物が、ポリプロピレン製容器に収容されてなる、医薬製剤に関する。
Description
そのため、リパスジルを、例えば眼科用剤等として安定的に製剤化する技術を確立することは、極めて有用である。
また、グラナテック及びグラアルファは、いずれもリパスジル塩酸塩水和物を含有する水性組成物がポリプロピレン製の点眼剤用容器本体に収容された医薬品である。
しかるところ、ポリオレフィン系樹脂製容器として特にポリプロピレン製容器を採用した場合、リパスジル含有水性組成物を収容して高温条件下で保存することにより、経時的に容器が軟化するという問題が生じることが判明した。
そこで、本発明は、リパスジル含有水性組成物を収容したポリプロピレン製容器の高温保存時における軟化を抑制する技術を提供することを課題とする。
(A)リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物;
(B)次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有する、溶存酸素量が8.5mg/L以上の水性組成物が、ポリプロピレン製容器に収容されてなる、医薬製剤を提供するものである。
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化の抑制方法を提供するものである。
さらに、本発明は、ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、前記組成物の溶存酸素量を8.5mg/L以上とする工程、及び前記組成物に次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化が抑制された医薬製剤の製造方法を提供するものである。
本発明において、リパスジル(化学名:4-フルオロ-5-[[(2S)-2-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル]スルホニル]イソキノリン)は塩であってもよい。リパスジルの塩としては、薬学上許容される塩であれば特に限定されず、具体的には例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、カンファ―スルホン酸塩等の有機酸塩等が挙げられ、塩酸塩が好ましい。
さらに、リパスジル又はその塩は、水和物やアルコール和物等の溶媒和物であってもよく、水和物であるのが好ましい。
本発明において「ホウ酸類」とは、ホウ酸、ホウ酸の塩、ホウ酸の無水物、ホウ酸の塩の無水物、ホウ酸の溶媒和物及びホウ酸の塩の溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を意味する。
ここで、ホウ酸の「塩」としては、薬理学上許容される塩であれば何ら限定されないが、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩等が挙げられる。また、ホウ酸やホウ酸の塩の「溶媒和物」としては、薬理学上許容される溶媒和物であれば何ら限定されないが、例えば水和物等が挙げられる。
本発明においてホウ酸類としては、ホウ酸類に該当する成分を1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
また、これらのホウ酸類はいずれも公知であり、公知の方法により製造してもよく、市販品を使用してもよい。
中でも、ホウ酸類として、ホウ酸を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、水性組成物全容量に対して0.007~5w/v%含有するのが好ましく、0.03~3w/v%含有するのがより好ましく、0.08~1.5w/v%含有するのが更に好ましい。
また、中でも、ホウ酸類として、ホウ砂を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、水性組成物全容量に対して0.003~3w/v%含有するのが好ましく、0.02~2w/v%含有するのがより好ましく、0.07~1w/v%含有するのが更に好ましい。
中でも、ホウ酸類としてホウ酸を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、リパスジルのフリー体に換算して1質量部に対し、ホウ酸を0.3~7質量部含有するのが好ましく、0.7~5質量部含有するのがより好ましく、1~4質量部含有するのが更に好ましい。
また、中でも、ホウ酸類としてホウ砂を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、リパスジルのフリー体に換算して1質量部に対し、ホウ酸を0.002~2質量部含有するのが好ましく、0.03~1.5質量部含有するのがより好ましく、0.08~1.3質量部含有するのが更に好ましい。
本発明において「低級脂肪族カルボン酸類」とは、1個以上の炭素原子が窒素原子で置き換えられていてもよい、低級脂肪族カルボン酸及びその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩等)並びにそれらの溶媒和物(水和物等)よりなる群から選ばれる1種以上を意味する。
ここで、低級脂肪族カルボン酸類における炭素数は、15個程度以下であれば特に限定されないが、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、2~12個が好ましく、4~12個がより好ましく、6~12個が更に好ましい。なお、斯かる炭素原子のうち、カルボキシル基を構成する炭素原子以外の炭素原子については、その一部は窒素原子に置き換えられていてもよいが、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から斯かる窒素原子の置換数は1~2個であるのが好ましい。さらに、炭素鎖は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、また、飽和であっても不飽和であってもよい。
低級脂肪族カルボン酸類は公知の化合物であり、公知の方法により製造しても良いし、市販のものを使用してもよい。なお、低級脂肪族カルボン酸類としては、他の成分と塩や錯体を形成したものを用いてもよく、斯かる塩や錯体を形成した成分を含有する水性組成物も、「低級脂肪族カルボン酸類を含有する水性組成物」に包含される。
これらの低級脂肪族カルボン酸類はいずれも公知であり、公知の方法により製造してもよく、市販品を使用してもよい。
中でも、低級脂肪族カルボン酸類として、イプシロン-アミノカプロン酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、水性組成物全容量に対して0.003~3w/v%含有するのが好ましく、0.07~1w/v%含有するのがより好ましく、0.2~0.5w/v%含有するのが更に好ましい。
また、中でも、低級脂肪族カルボン酸類として、エデト酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、水性組成物全容量に対して0.0003~0.3w/v%含有するのが好ましく、0.007~0.2w/v%含有するのがより好ましく、0.02~0.1w/v%含有するのが更に好ましい。
また、中でも、低級脂肪族カルボン酸類として、クエン酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、水性組成物全容量に対して0.006~2w/v%含有するのが好ましく、0.04~0.4w/v%含有するのがより好ましく、0.07~0.2w/v%含有するのが更に好ましい。
また、中でも、低級脂肪族カルボン酸類として、酢酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、水性組成物全容量に対して0.003~2w/v%含有するのが好ましく、0.03~0.3w/v%含有するのがより好ましく、0.07~0.2w/v%含有するのが更に好ましい。
また、中でも、低級脂肪族カルボン酸類として、ソルビン酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、水性組成物全容量に対して0.02~0.8w/v%含有するのが好ましく、0.09~0.4w/v%含有するのがより好ましく、0.07~0.2w/v%含有するのが更に好ましい。
中でも、低級脂肪族カルボン酸類としてイプシロン-アミノカプロン酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、リパスジルのフリー体に換算して1質量部に対し、イプシロン-アミノカプロン酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を0.05~2.5質量部含有するのが好ましく、0.2~2質量部含有するのがより好ましく、0.5~1.5質量部含有するのが更に好ましい。
また、中でも、低級脂肪族カルボン酸類としてエデト酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、リパスジルのフリー体に換算して1質量部に対し、エデト酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を0.003~2質量部含有するのが好ましく、0.01~1質量部含有するのがより好ましく、0.02~0.5質量部含有するのが更に好ましい。
また、中でも、低級脂肪族カルボン酸類としてクエン酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、リパスジルのフリー体に換算して1質量部に対し、クエン酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を0.003~5質量部含有するのが好ましく、0.03~2質量部含有するのがより好ましく、0.07~7質量部含有するのが更に好ましい。
また、中でも、低級脂肪族カルボン酸類として酢酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、リパスジルのフリー体に換算して1質量部に対し、酢酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を0.003~2質量部含有するのが好ましく、0.03~1質量部含有するのがより好ましく、0.02~0.8質量部含有するのが更に好ましい。
また、中でも、低級脂肪族カルボン酸類としてソルビン酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、ポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化の抑制の観点から、リパスジルのフリー体に換算して1質量部に対し、ソルビン酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を0.04~3質量部含有するのが好ましく、0.03~1.5質量部含有するのがより好ましく、0.3~0.7質量部含有するのが更に好ましい。
本発明において、リパスジル含有水性組成物の溶存酸素量は8.5mg/L以上である必要がある。後記試験例に示されるとおり、リパスジル含有水性組成物の溶存酸素量を8.5mg/L以上とし、リパスジル含有水性組成物にさらにホウ酸類及び低級脂肪族カルボン酸類よりなる群から選ばれる1種以上を含有せしめ、かつ、当該水性組成物をポリプロピレン製容器に収容せしめることにより、かかるポリプロピレン製容器の高温保存時の軟化を抑制できる。
本発明において、溶存酸素量は、医薬製剤が定められた保存条件(貯法)にて継続的に保存される際の値を測定する。すなわち、例えば、貯法として「室温保存」と定められた医薬製剤については、第十八改正日本薬局方に定められた「室温」の意義(1~30℃)に従い、1~30℃の範囲の任意の温度で保存された医薬製剤にかかるリパスジル含有水性組成物の溶存酸素量を測定すればよい。通常予定される保存条件下において、溶存酸素量が8.5mg/L以上であれば、リパスジル含有水性組成物を収容したポリプロピレン製容器の、高温保存時における軟化を抑制できる。
なお、本明細書において「溶存酸素量が8.5mg/L以上の水性組成物」は溶存酸素量を8.5mg/L以上に意図的に「調整」した水性組成物のみに限定されず、水性組成物の製造後に溶存酸素量が自然に当該範囲に変動した場合も含まれる。かかる解釈指針は、溶存酸素量が他の数値範囲である場合においても同様に適用される。
本発明において「水性組成物」とは、少なくとも水を含有する組成物を意味し、その性状としては、液状(溶液又は懸濁液)、半固形状(軟膏)が挙げられる。なお、組成物中の水としては例えば、精製水、注射用水、滅菌精製水等を用いることができる。
水性組成物に含まれる水の含有量は特に限定されないが、5w/v%以上が好ましく、20w/v%以上がより好ましく、50w/v%以上が更に好ましく、90w/v%以上がより更に好ましく、90~99.8w/v%がより更に好ましい。
こうした添加物としては、具体的には例えば、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、アルギン酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、ウイキョウ油、エタノール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩酸、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、カルボキシビニルポリマー、乾燥亜硫酸ナトリウム、乾燥炭酸ナトリウム、d-カンフル、dl-カンフル、キシリトール、グリセリン、グルコン酸、クレアチニン、クロルヘキシジン、クロロブタノール、結晶リン酸二水素ナトリウム、ゲラニオール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、酸化チタン、ジェランガム、ジブチルヒドロキシトルエン、臭化カリウム、臭化ベンゾドデシニウム、水酸化ナトリウム、ステアリン酸ポリオキシル45、精製ラノリン、D-ソルビトール、ソルビトール液、タウリン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム水和物、チオ硫酸ナトリウム水和物、チメロサール、チロキサポール、トロメタモール、濃グリセリン、濃縮混合トコフェロール、白色ワセリン、ハッカ水、ハッカ油、濃ベンザルコニウム塩化物液50、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、ヒアルロン酸ナトリウム、人血清アルブミン、ピロ亜硫酸ナトリウム、フェニルエチルアルコール、ブドウ糖、プロピレングリコール、ベルガモット油、ベンザルコニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物液、ベンジルアルコール、ベンゼトニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物液、ポビドン、ポリオキシエチレン(200)ポリオキシプロピレングルコール(70)、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、d-ボルネオール、マクロゴール4000、マクロゴール6000、D-マンニトール、無水リン酸一水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム、メタンスルホン酸、l-メントール、モノエタノールアミン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ユーカリ油、ヨウ化カリウム、硫酸、硫酸オキシキノリン、流動パラフィン、リュウノウ、リン酸、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、ワセリン等が例示される。
他の薬効成分としては、ブリモニジン、ラタノプロスト、ニプラジロール、ドルゾラミド、ブリンゾラミド、チモロール及びオミデネパグイソプロピル並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
本発明において「容器」とは、前記水性組成物を直接的に収容する包装体を意味する。容器は、第十八改正日本薬局方 通則に定義される「密閉容器」、「気密容器」、「密封容器」のいずれをも包含する概念である。
なお、本発明において「ポリプロピレン製」とは、その材質の少なくとも一部にポリプロピレンを含んでいることを意味し、例えば、ポリプロピレンと、ポリプロピレン以外の他の樹脂との2種以上の樹脂の混合体(ポリマーアロイ)も「ポリプロピレン製」に含まれる。
本発明において「医薬製剤」の適用疾患は特に限定されず、リパスジルの有する薬理作用等に応じて適宜選択すればよい。
具体的には例えば、リパスジルの有するRhoキナーゼ阻害作用や眼圧低下作用に基づき、高眼圧症や緑内障の予防又は治療剤として利用できる。ここで、緑内障としては、より詳細には例えば、原発性開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障、房水産生過多緑内障、急性閉塞隅角緑内障、慢性閉塞隅角緑内障、plateau iris syndrome、混合型緑内障、ステロイド緑内障、水晶体の嚢性緑内障、色素緑内障、アミロイド緑内障、血管新生緑内障、悪性緑内障などが挙げられる。
さらに、日本国特許第5657252号公報に開示されるように、角膜内皮障害の予防及び/又は治療剤としても利用できる。
本発明において「高温保存」とは、医薬製剤が、その製造後、流通時や保管時において偶発的に遭遇し得る室温(1~30℃)より高い温度での保存を意味し、より具体的には例えば、60℃以上での保存が挙げられる。
本発明においてポリプロピレン製容器の「軟化」とは、医薬製剤の高温保存により、当該保存前と比較して相対的にポリプロピレン製容器を同程度変形させるのに必要な力の大きさが低下することを言う。「軟化」は、例えばポリプロピレン製容器が点眼剤用容器である場合、下記試験例1で測定された「点眼剤用容器から内容液を1滴滴下するのに要する力の大きさ」について、高温保存前後での大きさを比較することにより評価できる。
例えば、評価対象がホウ酸類を含有するものである場合、当該ホウ酸類を含有しないほかは成分・溶存酸素量・ポリプロピレン製容器等が同等の比較対象を準備のうえ、同一の高温条件で保存した場合に、評価対象の方が比較対象よりも相対的に「軟化」の程度が抑制されることを意味する。
また、本発明は、ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、溶存酸素量を8.5mg/L以上とする工程、及び次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化の抑制方法にも関する。
さらに、本発明は、ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、溶存酸素量を8.5mg/L以上とする工程、及び次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化が抑制された医薬製剤の製造方法にも関する。
以上の方法において、リパスジルを水性組成物に含有せしめる工程、ホウ酸類や低級脂肪族カルボン酸類を水性組成物に含有せしめる工程と、水性組成物をポリプロピレン製容器に収容する工程の先後は問わない。また、水性組成物の溶存酸素量が8.5mg/L以上となるタイミングも特に問題とならず、任意のタイミングで水性組成物の溶存酸素量が8.5mg/L以上となれば、本明細書に開示の「ポリプロピレン製容器の軟化の抑制方法」あるいは「医薬製剤の製造方法」に該当し得ることとなる。
その他の各種文言の意義、各成分の配合量等は全て上記した「医薬製剤」について説明したのと同様である。
[1A]次の成分(A)及び(B):
(A)リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物;
(B)次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有する、溶存酸素量が8.5mg/L以上(好適には、8.7mg/L以上、更に好適には9mg/L以上)の水性組成物が、ポリプロピレン製容器に収容されてなる、医薬製剤。
[2A]次の成分(A)及び(B):
(A)リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物;
(B)次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有する、溶存酸素量が8.5~13mg/L(好適には、8.7~13mg/L、更に好適には9~13mg/L)の水性組成物が、ポリプロピレン製容器に収容されてなる、医薬製剤。
[3A]次の成分(A)及び(B):
(A)リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物;
(B)次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有する、溶存酸素量が8.5~12mg/L(好適には、8.7~12mg/L、更に好適には9~12mg/L)の水性組成物が、ポリプロピレン製容器に収容されてなる、医薬製剤。
[4A]次の成分(A)及び(B):
(A)リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物;
(B)次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有する、溶存酸素量が8.5~11mg/L(好適には、8.7~11mg/L、更に好適には9~11mg/L)の水性組成物が、ポリプロピレン製容器に収容されてなる、医薬製剤。
[5A]次の成分(A)及び(B):
(A)リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物;
(B)次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有する、溶存酸素量が8.5~10mg/L(好適には、8.7~10mg/L、更に好適には9~10mg/L)の水性組成物が、ポリプロピレン製容器に収容されてなる、医薬製剤。
[6A]ホウ酸類が、ホウ酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[5A]のいずれかに記載の医薬製剤。
[7A]低級脂肪族カルボン酸類が、イプシロン-アミノカプロン酸、エデト酸、クエン酸、酢酸、ソルビン酸及びそれらの塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[6A]のいずれかに記載の医薬製剤。
[8A]低級脂肪族カルボン酸類が、エデト酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[6A]のいずれかに記載の医薬製剤。
[9A]ポリプロピレン製容器が、点眼剤用容器である、[1A]~[8A]のいずれかに記載の医薬製剤。
[10A]60℃1週間保存後の容器硬さ(点眼剤用容器から内用液を1滴滴下するのに要する力の大きさであり、試験例1のように、点眼剤用容器を平面に横向きに寝かせ、容器胴部の中心付近に対して上から鉛直下方にテクスチャーアナライザーのプローブを押し下げ、点眼剤用容器から内用液が1滴滴下されるまでの最大荷重を意味する。)が、保存前の50%以上(好適には60%以上、より好適には70%以上、更に好適には75%以上)である、[1A]~[8A]のいずれかに記載の医薬製剤。
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化の抑制方法。
[2B]ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、前記水性組成物の溶存酸素量を8.5~13mg/L(好適には、8.7~13mg/L、更に好適には9~13mg/L)とする工程、及び前記水性組成物に次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化の抑制方法。
[3B]ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、前記水性組成物の溶存酸素量を8.5~12mg/L(好適には、8.7~12mg/L、更に好適には9~12mg/L)とする工程、及び前記水性組成物に次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化の抑制方法。
[4B]ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、前記水性組成物の溶存酸素量を8.5~11mg/L(好適には、8.7~11mg/L、更に好適には9~11mg/L)とする工程、及び前記水性組成物に次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化の抑制方法。
[5B]ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、前記水性組成物の溶存酸素量を8.5~10mg/L(好適には、8.7~10mg/L、更に好適には9~10mg/L)とする工程、及び前記水性組成物に次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化の抑制方法。
[6B]ホウ酸類が、ホウ酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]~[5B]のいずれかに記載の方法。
[7B]低級脂肪族カルボン酸類が、イプシロン-アミノカプロン酸、エデト酸、クエン酸、酢酸、ソルビン酸及びそれらの塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]~[6B]のいずれかに記載の方法。
[8B]低級脂肪族カルボン酸類が、エデト酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]~[6B]のいずれか記載の方法。
[9B]ポリプロピレン製容器が、点眼剤用容器である、[1B]~[8B]のいずれかに記載の方法。
[10B]60℃1週間保存後の容器硬さ(点眼剤用容器から内用液を1滴滴下するのに要する力の大きさであり、試験例1のように、点眼剤用容器を平面に横向きに寝かせ、容器胴部の中心付近に対して上から鉛直下方にテクスチャーアナライザーのプローブを押し下げ、点眼剤用容器から内用液が1滴滴下されるまでの最大荷重を意味する。)が、保存前の50%以上(好適には60%以上、より好適には70%以上、更に好適には75%以上)である、[1B]~[8B]のいずれかに記載の方法。
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化が抑制された医薬製剤の製造方法。
[2C]ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、前記水性組成物の溶存酸素量を8.5~13mg/L(好適には、8.7~13mg/L、更に好適には9~13mg/L)とする工程、及び前記水性組成物に次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化が抑制された医薬製剤の製造方法。
[3C]ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、前記水性組成物の溶存酸素量を8.5~12mg/L(好適には、8.7~12mg/L、更に好適には9~12mg/L)とする工程、及び前記水性組成物に次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化が抑制された医薬製剤の製造方法。
[4C]ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、前記水性組成物の溶存酸素量を8.5~11mg/L(好適には、8.7~11mg/L、更に好適には9~11mg/L)とする工程、及び前記水性組成物に次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化が抑制された医薬製剤の製造方法。
[5C]ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、前記水性組成物の溶存酸素量を8.5~10mg/L(好適には、8.7~10mg/L、更に好適には9~10mg/L)とする工程、及び前記水性組成物に次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸類
(B-2)低級脂肪族カルボン酸類
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化が抑制された医薬製剤の製造方法。
[6C]ホウ酸類が、ホウ酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1C]~[5C]のいずれかに記載の製造方法。
[7C]低級脂肪族カルボン酸類が、イプシロン-アミノカプロン酸、エデト酸、クエン酸、酢酸、ソルビン酸及びそれらの塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1C]~[6C]のいずれかに記載の製造方法。
[8C]低級脂肪族カルボン酸類が、エデト酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1C]~[6C]のいずれかに記載の製造方法。
[9C]ポリプロピレン製容器が、点眼剤用容器である、[1C]~[8C]のいずれかに記載の製造方法。
[10C]60℃1週間保存後の容器硬さ(点眼剤用容器から内用液を1滴滴下するのに要する力の大きさであり、試験例1のように、点眼剤用容器を平面に横向きに寝かせ、容器胴部の中心付近に対して上から鉛直下方にテクスチャーアナライザーのプローブを押し下げ、点眼剤用容器から内用液が1滴滴下されるまでの最大荷重を意味する。)が、保存前の50%以上(好適には60%以上、より好適には70%以上、更に好適には75%以上)である、[1C]~[8C]のいずれかに記載の製造方法。
なお、以下の試験例において、リパスジル1塩酸塩2水和物は、例えば国際公開第2006/057397号パンフレット記載の方法により製造することが出来る。
表1に示す成分及び分量を100mL中に含有する水性組成物を常法により調製した後、溶存酸素量を測定しモニタリングしつつ窒素ガス、酸素ガスあるいは空気を吹き込むことにより溶存酸素量を表1のとおりに調整した。なお、溶存酸素量の測定は、25℃の雰囲気温度条件下で溶存酸素計(ポータブル防水溶存酸素計 型番AS720:アズワン株式会社製)を用いて行った。
溶存酸素量を調整した水性組成物を、ポリプロピレン(PP)製の点眼剤用容器に入れて医薬製剤を製した。なお、ポリプロピレン製の点眼剤用容器は、その胴部の形状が直径約2cm・高さ約2.8cmの中空の円柱状であり、胴部における容器の厚みは約0.4mmであった。
「点眼剤用容器から内容液を1滴滴下するのに要する力の大きさ」(以下、「Force」とも表記する。)は、テクスチャーアナライザー(TA.XTplus Texture Analyser:Stable Micro Systems社製)を用いて以下の方法により測定した。すなわち、キャップを取った状態の点眼剤用容器を平面に横向きに寝かせてグリップで固定し、容器胴部の中心付近(容器底面から約1.4cmの高さの中央付近)に対して上から鉛直下方にテクスチャーアナライザーのプローブを1mm/秒の速さで押し下げ、点眼剤用容器から内用液が1滴滴下されるまで容器胴部を押圧した。点眼剤用容器から内用液が1滴滴下されるまでの最大荷重(gf)を測定し、斯かる最大荷重を「点眼剤用容器から内容液を1滴滴下するのに要する力の大きさ」とした。
60℃1週間保存後の容器硬さの、保存前の容器硬さに対する割合(%)=60℃1週間保存後のForce/保存前のForce×100
以上の試験結果から、リパスジル含有水性組成物をポリプロピレン製容器に収容して高温条件下で保存することにより、経時的に容器が軟化するという問題が生じることが判明した。
表2に示す成分及び分量を100mL中に含有する水性組成物を常法により調製した後、溶存酸素量を測定しモニタリングしつつ窒素ガス、酸素ガスあるいは空気を吹き込むことにより溶存酸素量を表2のとおりに調整した。なお、溶存酸素量の測定は、25℃の雰囲気温度条件下で溶存酸素計(ポータブル防水溶存酸素計 型番AS720:アズワン株式会社製)を用いて行った。
溶存酸素量を調整した水性組成物を、試験例1で使用したのと同一のポリプロピレン(PP)製の点眼剤用容器に入れて医薬製剤を製した。
結果を表2に示す。なお、表2中、「比較例1」は、試験例1の「参考例2」と同一のサンプルである。
一方、ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル含有水性組成物の溶存酸素量を8.5mg/L以上とし、かつホウ酸を含有せしめた場合(実施例1、2)には、60℃1週間の保存により、容器硬さ(点眼剤用容器から内用液を1滴滴下するのに要する力の大きさ)が保存前の70%程度を超える高値となり、容器の軟化が抑制されることが明らかとなった。
表2に示す成分及び分量を100mL中に含有する水性組成物に代えて表3に示す成分及び分量を100mL中に含有する水性組成物を試験に供するほかは試験例2と同一の方法により試験を実施した。
結果を表3に示す。
表4に示す成分及び分量を100mL中に含有する水性組成物を常法により調製した後、溶存酸素量を測定しモニタリングしつつ窒素ガス、酸素ガスあるいは空気を吹き込むことにより溶存酸素量を表4のとおりに調整し、これをポリプロピレン製の点眼剤用容器に収容して製造例1~5の医薬製剤を得た。
表5に示す成分及び分量を100mL中に含有する水性組成物を常法により調製した後、溶存酸素量を測定しモニタリングしつつ窒素ガス、酸素ガスあるいは空気を吹き込むことにより溶存酸素量を表5のとおりに調整し、これをポリプロピレン製の点眼剤用容器に収容して製造例6~10の医薬製剤を得た。
表6に示す成分及び分量を100mL中に含有する水性組成物を常法により調製した後、溶存酸素量を測定しモニタリングしつつ窒素ガス、酸素ガスあるいは空気を吹き込むことにより溶存酸素量を表6のとおりに調整し、これをポリプロピレン製の点眼剤用容器に収容して製造例11~15の医薬製剤を得た。
表7に示す成分及び分量を100mL中に含有する水性組成物を常法により調製した後、溶存酸素量を測定しモニタリングしつつ窒素ガス、酸素ガスあるいは空気を吹き込むことにより溶存酸素量を表7のとおりに調整し、これをポリプロピレン製の点眼剤用容器に収容して製造例16~20の医薬製剤を得た。
表8に示す成分及び分量を100mL中に含有する水性組成物を常法により調製した後、溶存酸素量を測定しモニタリングしつつ窒素ガス、酸素ガスあるいは空気を吹き込むことにより溶存酸素量を表8のとおりに調整し、これをポリプロピレン製の点眼剤用容器に収容して製造例21~25の医薬製剤を得た。
表9に示す成分及び分量を100mL中に含有する水性組成物を常法により調製した後、溶存酸素量を測定しモニタリングしつつ窒素ガス、酸素ガスあるいは空気を吹き込むことにより溶存酸素量を表9のとおりに調整し、これをポリプロピレン製の点眼剤用容器に収容して製造例26~30の医薬製剤を得た。
Claims (12)
- 次の成分(A)及び(B):
(A)リパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物;
(B)次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
(B-2)エデト酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
を含有する、溶存酸素量が8.5mg/L以上の水性組成物が、ポリプロピレン製容器に収容されてなる、医薬製剤。 - 水性組成物の溶存酸素量が8.5~13mg/Lである、請求項1記載の医薬製剤。
- 水性組成物の溶存酸素量が8.5~12mg/Lである、請求項1記載の医薬製剤。
- 水性組成物の溶存酸素量が8.5~11mg/Lである、請求項1記載の医薬製剤。
- ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、前記水性組成物の溶存酸素量を8.5mg/L以上とする工程、及び前記水性組成物に次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
(B-2)エデト酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化の抑制方法。 - 水性組成物の溶存酸素量が8.5~13mg/Lである、請求項5記載の方法。
- 水性組成物の溶存酸素量が8.5~12mg/Lである、請求項5記載の方法。
- 水性組成物の溶存酸素量が8.5~11mg/Lである、請求項5記載の方法。
- ポリプロピレン製容器に収容されたリパスジル若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物について、前記水性組成物の溶存酸素量を8.5mg/L以上とする工程、及び前記水性組成物に次の成分(B-1)~(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)ホウ酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上ホウ酸類
(B-2)エデト酸及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
を含有せしめる工程を含む、ポリプロピレン製容器の軟化が抑制された医薬製剤の製造方法。 - 水性組成物の溶存酸素量が8.5~13mg/Lである、請求項9記載の製造方法。
- 水性組成物の溶存酸素量が8.5~12mg/Lである、請求項9記載の製造方法。
- 水性組成物の溶存酸素量が8.5~11mg/Lである、請求項9記載の製造方法。
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