JP7630944B2 - ブリモニジンとチモロールとを含む、緑内障罹患患者における眼圧を下降させるための組成物 - Google Patents
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Description
(項目1)
正常眼圧を有する緑内障罹患患者において眼圧を下降させるための組成物であって、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とを含む、組成物。
(項目2)
前記正常眼圧は、21mmHg未満である、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記組成物が、該組成物以外の他の緑内障治療薬による治療が効果不十分であった患者に投与されることを特徴とする、項目1または2に記載の組成物。
(項目4)
前記他の緑内障治療薬がプロスタグランジン関連薬の単一成分用剤またはβ遮断薬の単一成分用剤である、項目3に記載の組成物。
(項目5)
前記他の緑内障治療薬がβ遮断薬の単一成分用剤である、項目3に記載の組成物。
(項目6)
前記組成物は、第一選択薬がβ遮断薬の単一成分用剤であるときの、第二選択薬として投与されることを特徴とする、項目1~5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目7)
前記患者は、前記他の緑内障治療薬を4週間以上投与されている、項目3~5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目8)
前記他の緑内障治療薬による治療が効果不十分であった患者の投与前眼圧値が、15mmHg以上である、項目3~5のいずれか一項に記載の組成物。
(項目9)
前記投与前眼圧値が、前記他の緑内障治療薬の治療の際の2時間値である、項目8に記載の組成物。
(項目10)
前記患者が、正常眼圧緑内障と判定された患者または前視野緑内障と判定され正常眼圧を有する患者である、項目1~9のいずれか一項に記載の組成物。
(項目11)
前記正常眼圧緑内障と判定された患者または前記前視野緑内障と判定され正常眼圧を有する患者の眼圧が、21mmHg未満である、項目10に記載の組成物。
(項目12)
前記患者が、前視野緑内障と判定され正常眼圧を有する患者である、項目1~11のいずれか一項に記載の組成物。
(項目13)
前記組成物が、少なくとも28週間投与されることを特徴とする、項目1~12のいずれか一項に記載の組成物。
(項目14)
前記組成物が、少なくとも52週間投与されることを特徴とする、項目1~12のいずれか一項に記載の組成物。
(項目15)
前記ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩が、ブリモニジン酒石酸塩である、項目1~14のいずれか一項に記載の組成物。
(項目16)
前記チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩が、チモロールマレイン酸塩である、項目1~15のいずれか一項に記載の組成物。
(項目17)
前記組成物中の前記ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩の濃度が、約0.1w/v%である、項目1~16のいずれか一項に記載の組成物。
(項目18)
前記組成物中の前記チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩の濃度が、約0.5w/v%である、項目1~17のいずれか一項に記載の組成物。
(項目19)
前記組成物において、前記ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩がブリモニジン酒石酸塩であり、前記チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩がチモロールマレイン酸塩であり、ブリモニジン酒石酸塩の濃度が約0.1w/v%であり、チモロールマレイン酸塩の濃度が約0.68w/v%であり、さらにリン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素ナトリウム水和物、エデト酸ナトリウム水和物、ベンザルコニウム塩化物、等張化剤、及びpH調節剤を含む、項目1~18のいずれか一項に記載の組成物。
(項目20)
前記組成物が点眼薬である、項目1~19のいずれか一項に記載の組成物。
(項目21)
前記患者に1回1滴、1日2回点眼投与される、項目1~20のいずれか一項に記載の組成物。
(項目22)
前記組成物が、眼圧下降率で評価する場合に眼圧を約20%以上下降させる、項目1~21のいずれか一項に記載の組成物。
(項目23)
前記眼圧下降率は、眼圧の評価日の2時間値を用いて算出される、項目22に記載の組成物。
(項目24)
緑内障における視野異常を予防するまたは視野異常の進行を遅らせるための組成物であって、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とを含む、組成物。
(項目25)
視野異常の進行を抑制又は視野異常の発症を予防するための組成物であって、該組成物は、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とを含み、前視野緑内障と判定され、かつ正常眼圧を有する患者に投与されることを特徴とする、組成物。
(項目26)
前記視野異常の進行の抑制又は視野異常の発症の予防が、眼圧下降を含む、項目25に記載の組成物。
(項目27)
正常眼圧を有する前視野緑内障の患者において眼圧を下降させる方法における使用のための組成物であって、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とを含む、組成物。
(項目28)
前記組成物は、以下
1)前記患者に対して他の緑内障治療薬を投与する工程と、
2)1)の投与後、該患者の0時間値及び2時間値を測定する工程と、
3)2)の測定の結果該患者の0時間値及び2時間値が15.0mmHg以上31.0mmHg以下の場合、前記組成物を投与する工程
を含む、項目24に記載の組成物。
(項目29)
正常眼圧緑内障の患者において眼圧を下降させる方法における使用のための組成物であって、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とを含む、組成物。
(項目30)
前記方法は、以下
1)前記患者に対して他の緑内障治療薬を投与する工程と、
2)1)の投与後、該患者の0時間値及び2時間値を測定する工程と、
3)2)の測定の結果該患者の0時間値及び2時間値が15.0mmHg以上31.0mmHg以下の場合、前記組成物を投与する工程
を含む、項目29に記載の組成物。
(項目31)
ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とを含む組成物であって、第一選択薬としての該組成物以外の他の緑内障治療薬による効果が不十分である患者において、眼圧下降率で評価する場合に眼圧を約20%以上下降させて、該患者の視野障害の発生または進行を抑制する方法において使用するための組成物であって、該方法は、
a)該患者が正常眼圧緑内障であるかどうか診断する工程と、
b)第一選択薬としての他の緑内障治療薬を投与する工程と、
c)該患者が他の緑内障治療薬による効果が不十分であるかどうかを診断する工程と、
d)該患者の眼圧を測定する工程と、
e)他の緑内障治療薬による効果が不十分であり、かつ該患者が正常眼圧緑内障である場合に、他の緑内障治療薬に代えて、あるいは他の緑内障治療薬と組み合わせて、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩とチモロールまたはその薬学的に受容可能な塩を含む組成物を、第二選択薬として選択して、該患者に該組成物を投与する工程と
を含み、
該眼圧下降率は、眼圧の評価日の2時間値を用いて算出され、
該正常眼圧緑内障である患者は、
(1)視野計で測定したときに、緑内障性視野異常が存在する;
(2)眼底検査にて、緑内障性視神経乳頭が存在する;および、
(3)他の緑内障治療薬の投与前にGoldmann圧平眼圧計を用いて測定した眼圧値が21.0mmHg以上を示した既往がない、
を満たす患者である、組成物。
(項目32)
ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とを含む、第一選択薬としての他の緑内障治療薬による効果が不十分である患者において、眼圧下降率で評価する場合に眼圧を約20%以上下降させて、該患者の視野異常の進行を抑制又は視野異常の発症を予防する方法において使用するための組成物であって、該方法は、
a)該患者が前視野緑内障であり、かつ正常眼圧を有する患者であるかどうか診断する工程と、
b)第一選択薬としての他の緑内障治療薬を投与する工程と、
c)該患者が他の緑内障治療薬による効果が不十分であるかどうかを診断する工程と、
d)該患者の眼圧を測定する工程と、
e)他の緑内障治療薬による効果が不十分であり、かつ該患者が前視野緑内障であり、かつ正常眼圧を有する場合に、他の緑内障治療薬に代えて、あるいは他の緑内障治療薬の併用薬として、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩とチモロールまたはその薬学的に受容可能な塩を含む組成物を、第二選択薬として選択して、該患者に該組成物を投与する工程と
を含み、
該眼圧下降率は、眼圧の評価日の2時間値を用いて算出され、
該正常眼圧緑内障である患者は、
(1)視野計で測定したときに、緑内障性視野異常が存在しない;
(2)眼底検査にて、緑内障性視神経乳頭が存在する;および、
(3)他の緑内障治療薬の投与前にGoldmann圧平眼圧計を用いて測定した眼圧値が21.0mmHg以上を示した既往がない、
を満たす患者である、組成物。
(項目33)
前記他の緑内障治療薬がプロスタグランジン関連薬単一成分用剤またはβ遮断薬単一成分用剤である、項目31または32に記載の組成物。
(項目34)
前記他の緑内障治療薬がβ遮断薬単一成分用剤である、項目31~33のいずれか一項に記載の組成物。
(項目35)
ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩との複数成分用剤であって、第一選択薬としての該複数成分用剤以外の他の緑内障治療薬による効果が不十分である患者において、眼圧下降率で評価する場合に眼圧を約20%以上下降させて、該患者の視野障害の発生または進行を抑制する方法において使用するための複数成分用剤であって、該方法は、
a)該患者が正常眼圧緑内障であるかどうか診断する工程と、
b)第一選択薬としての他の緑内障治療薬を投与する工程と、
c)該患者が他の緑内障治療薬による効果が不十分であるかどうかを診断する工程と、
d)該患者の眼圧を測定する工程と、
e)他の緑内障治療薬による効果が不十分であり、かつ該患者が正常眼圧緑内障である場合に、他の緑内障治療薬に代えて、あるいは他の緑内障治療薬と組み合わせて、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩とチモロールまたはその薬学的に受容可能な塩を含む組成物を、第二選択薬として選択して、該患者に該複数成分用剤を投与する工程と
を含む、
複数成分用剤。
(項目36)
配合薬である、項目35に記載の複数成分用剤。
本明細書において「ブリモニジン」とは、以下の式
として示される、化学名5-ブロモ-N-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)キノキサリン-6-アミンで示される化合物である。ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩は医薬の成分として使用されており、代表的にブリモニジン酒石酸塩(化学名5-ブロモ-N-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)キノキサリン-6-アミン-一-(2R,3R)-酒石酸塩)として提供される。ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩は、選択的アドレナリンα2受容体作動薬であり、点眼剤において有効成分として配合され、市販されている。ブリモニジン及びその薬学的に受容可能な塩は商業的に入手可能である。ブリモニジンの薬学的に受容可能な塩としては、限定するものではないが、酒石酸塩、塩酸塩又は酢酸塩が挙げられる。点眼薬として緑内障、高眼圧症の治療薬として使用され、塗布剤として酒さの皮膚発赤の治療にも使用される。ブリモニジンは(開放隅角)緑内障または高眼圧症の患者の眼圧の下降のために使用される。
として示される、化学名(2S)-1-[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]-3-(4-モルホリン-4-イル-1,2,5-チアジアゾール-3-イルオキシ)プロパン-2-オールで示される化合物である。チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩は医薬の成分として使用されており、代表的にチモロールマレイン酸塩(化学名(2S)-1-[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]-3-(4-モルホリン-4-イル-1,2,5-チアジアゾール-3-イルオキシ)プロパン-2-オールマレイン酸塩)として提供される。チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩は、非選択性β遮断薬であり、房水産生を抑制して眼圧を下降させることにより、点眼薬として緑内障の治療に使用される。チモロール及びその薬学的に受容可能な塩は商業的に入手可能である。チモロールの薬学的に受容可能な塩としては、限定するものではないが、マレイン酸塩、塩酸塩および酢酸塩が挙げられる。
以下に本開示の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本開示のよりよい理解のために提供されるものであり、本開示の範囲は以下の記載に限定されるべきでないことが理解される。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本開示の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。また、以下の実施形態は単独でも使用されあるいはそれらを組み合わせて使用することができることが理解される。
一つの局面において、本開示は、緑内障を治療または予防するため、代表的には、緑内障罹患患者において眼圧を下降させるための組成物であって、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とを含む、組成物(すなわち、配合剤)として提供されうる。本開示の組成物は、予想外にも正常な眼圧を有する緑内障罹患患者により効果的である。したがって、いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、正常眼圧を有する緑内障罹患患者に投与され得る。
本開示の組成物では、約32mM以下の濃度でリン酸及び/又はその塩を含むことが好ましい。リン酸の塩としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム等のリン酸水素二アルカリ金属塩;リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等のリン酸二水素アルカリ金属塩;リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム等のリン酸三アルカリ金属塩等が挙げられる。また、リン酸の塩は、水和物等の溶媒和物の形態であってもよく、例えば、リン酸水素二ナトリウムの場合であれば十二水和物の形態、リン酸二水素ナトリウムの場合であれば二水和物の形態等であってもよい。本発明において、リン酸及びその塩の中から1種を選択して単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
配合せずとも、所望の緩衝作用を具備することができる。
用を具備することができる。
眼圧下降率={(本開示の組成物を投与する前の眼圧値-本開示の組成物を所定期間投与した後の眼圧値)/本開示の組成物を投与する前の眼圧値}×100によって算出され得る。式中の眼圧値は、複数の時点で測定された眼圧の平均値であってもよい。いくつかの実施形態において、眼圧値は2時間値であり得る。したがって、この場合、眼圧下降率={本開示の組成物の投与開始日の眼圧値(2時間値)-本開示の組成物を所定期間投与した後の眼圧の評価日の眼圧値(2時間値)}/本開示の投与開始日の眼圧値(2時間値)×100によって算出され得る。
a)該患者が正常眼圧緑内障であるかどうか診断する工程と、
b)第一選択薬としての他の緑内障治療薬を投与する工程と、
c)該患者が他の緑内障治療薬による効果が不十分であるかどうかを診断する工程と、
d)該患者の眼圧を測定する工程と、
e)他の緑内障治療薬による効果が不十分であり、かつ該患者が正常眼圧緑内障である場合に、他の緑内障治療薬に代えて、あるいは他の緑内障治療薬と組み合わせて、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩とチモロールまたはその薬学的に受容可能な塩を含む組成物を、第二選択薬として選択して、該患者に該組成物を投与する工程と
を含み、
該眼圧下降率は、眼圧の評価日の2時間値を用いて算出され、
該正常眼圧緑内障である患者は、
(1)視野計で測定したときに、緑内障性視野異常が存在する;
(2)眼底検査にて、緑内障性視神経乳頭が存在する;および、
(3)他の緑内障治療薬の投与前にGoldmann圧平眼圧計を用いて測定した眼圧値が21.0mmHg以上を示した既往がない、
を満たす患者である、組成物を提供する。
a)該患者が前視野緑内障であり、かつ正常眼圧を有する患者であるかどうか診断する工程と、
b)第一選択薬としての他の緑内障治療薬を投与する工程と、
c)該患者が他の緑内障治療薬による効果が不十分であるかどうかを診断する工程と、
d)該患者の眼圧を測定する工程と、
e)他の緑内障治療薬による効果が不十分であり、かつ該患者が前視野緑内障であり、かつ正常眼圧を有する場合に、他の緑内障治療薬に代えて、あるいは他の緑内障治療薬の併用薬として、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩とチモロールまたはその薬学的に受容可能な塩を含む組成物を、第二選択薬として選択して、該患者に該組成物を投与する工程と
を含み、
該眼圧下降率は、眼圧の評価日の2時間値を用いて算出され、
該正常眼圧緑内障である患者は、
(1)視野計で測定したときに、緑内障性視野異常が存在しない;
(2)眼底検査にて、緑内障性視神経乳頭が存在する;および、
(3)他の緑内障治療薬の投与前にGoldmann圧平眼圧計を用いて測定した眼圧値が21.0mmHg以上を示した既往がない、
を満たす患者である、組成物を提供する。
a)該患者が前視野緑内障であり、かつ正常眼圧を有する患者であるかどうか診断する工程は、本開示の組成物の投与開始日よりも前、より具体的には、第一選択薬としての他の緑内障治療薬の投与開始前に行われることが好ましい。その後、当該患者において他の緑内障治療薬の効果が不十分であった場合に、第二選択薬の使用が検討される。第二選択薬の使用の検討時に、前視野緑内障であり、かつ正常眼圧を有する患者であるかが確認され、前視野緑内障であり、かつ正常眼圧を有する患者であった場合に、当該患者に対する治療薬として、本開示の組成物を第二選択薬として選択する。
a)該患者が正常眼圧緑内障であるかどうか診断する工程と、
b)第一選択薬としての他の緑内障治療薬を投与する工程と、
c)該患者が他の緑内障治療薬による効果が不十分であるかどうかを診断する工程と、
d)該患者の眼圧を測定する工程と、
e)他の緑内障治療薬による効果が不十分であり、かつ該患者が正常眼圧緑内障である場合に、他の緑内障治療薬に代えて、あるいは他の緑内障治療薬と組み合わせて、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩とチモロールまたはその薬学的に受容可能な塩を含む組成物を、第二選択薬として選択して、該患者に該複数成分用剤を投与する工程と
を含み、
該複数成分用剤を提供する。ここで、1つの実施形態において、複数成分用剤は配合薬であることが有利であり得る。この複数成分用剤における種々の実施形態は、本開示の他の実施形態において採用され得る任意の実施形態について、適切である限り1または複数の実施形態が適用され得ることが当業者には理解される。
別の局面において、本開示は、必要とする対象において、緑内障を治療または予防するため、代表的には、緑内障罹患患者において眼圧を下降させるため、または視野異常を予防するまたは視野異常の進行を遅らせるため、および/または前視野緑内障の進行を予防するための方法を提供する。この方法は、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩と、有効量で必要とする対象に投与する工程を包含する。投与する工程において、本開示のチモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩とが、一緒に投与され得、投与は、2つの成分が同時に投与されることができ、合剤として投与されることができる。このような手法は例えば、添付文書またはラベルなどとして提供されうる。方法として提供される任意の要素は、(組成物および組み合わせ物等)に記載される任意の実施形態を適宜採用することができることが理解される。
原発開放隅角緑内障(広義)患者(107名)において、0.1%ブリモニジン酒石酸塩/0.5%チモロール配合点眼剤(1mL中、ブリモニジン酒石酸塩1mg、チモロールマレイン酸塩6.8mg(チモロールとして5mg)、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素ナトリウム水和物、エデト酸ナトリウム水和物、ベンザルコニウム塩化物、等張化剤、pH調節剤を含む、点眼液)(以下、本点眼剤)を1日2回52週間点眼したときの有効性(眼圧下降効果)を、多施設共同非対照非遮蔽試験により確認した。なお、本実施例では、朝の点眼前、かつ9:00±1時間に眼圧を測定した眼圧値を0時間値、朝の点眼後2時間±30分以内かつ12:30までに測定した眼圧値を2時間値と称する。
(3)過去にGoldmann圧平眼圧計を用いて測定した眼圧値が21.0mmHg以上を示した既往がない。
算出した眼圧変化率を、(++):20%≦下降率、(+):10%≦下降率<20%、(±):下降率<10%として評価した。
POAG、NTG、PPG(高眼圧)、PPG(正常眼圧)の各群について、各観察日の全症例数に対する(++)、(+)、(±)の症例数の割合を算出し、結果を以下の表に示した。
以上のように、本開示の好ましい実施形態を用いて本開示を例示してきたが、本開示は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
Claims (22)
- 視野異常は認められないが、緑内障性の構造異常が認められ、かつ正常眼圧を有する緑内障罹患患者において眼圧を下降させるための組成物であって、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とを含み、該患者が、該組成物以外の他の緑内障治療薬が投与されており、他の緑内障治療薬による効果が不十分であった患者であり、該組成物中の該ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩の濃度が、ブリモニジン酒石酸塩として約0.1w/v%であり、該チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩の濃度が、チモロールとして約0.5w/v%である、組成物。
- 前視野緑内障と判定され、かつ正常眼圧を有する緑内障罹患患者において眼圧を下降させるための組成物であって、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とを含み、該患者が、該組成物以外の他の緑内障治療薬が投与されており、他の緑内障治療薬による効果が不十分であった患者であり、該組成物中の該ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩の濃度が、ブリモニジン酒石酸塩として約0.1w/v%であり、該チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩の濃度が、チモロールとして約0.5w/v%である、組成物。
- 前記正常眼圧は、21mmHg未満である、請求項1または2に記載の組成物。
- 前記組成物が、眼圧下降率で評価する場合に眼圧を約20%以上下降させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記眼圧下降率が投与開始日から4週間後に評価されたものである、請求項4に記載の組成物。
- 前記眼圧下降率が投与開始日から12週間後に評価されたものである、請求項4に記載の組成物。
- 前記眼圧下降率が投与開始日から28週間後に評価されたものである、請求項4に記載の組成物。
- 前記眼圧下降率が投与開始日から52週間後に評価されたものである、請求項4に記載の組成物。
- 前記患者は、前記他の緑内障治療薬を4週間以上投与されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記他の緑内障治療薬による治療が効果不十分であった患者の投与前眼圧値が、15mmHg以上である、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記投与前眼圧値が、前記他の緑内障治療薬の治療の際の2時間値である、請求項10に記載の組成物。
- 前記組成物が、少なくとも28週間投与されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が、少なくとも52週間投与されることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩が、ブリモニジン酒石酸塩である、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩が、チモロールマレイン酸塩である、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物において、前記ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩がブリモニジン酒石酸塩であり、前記チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩がチモロールマレイン酸塩であり、ブリモニジン酒石酸塩の濃度が約0.1w/v%であり、チモロールマレイン酸塩の濃度が約0.68w/v%であり、さらにリン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素ナトリウム水和物、エデト酸ナトリウム水和物、ベンザルコニウム塩化物、等張化剤、及びpH調節剤を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が点眼薬である、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記患者に1回1滴、1日2回点眼投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記眼圧下降率は、眼圧の評価日の2時間値を用いて算出される、請求項4に記載の組成物。
- 視野異常の進行を抑制又は視野異常の発症を予防するための組成物であって、該組成物は、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とを含み、視野異常は認められないが、緑内障性の構造異常が認められ、かつ正常眼圧を有する患者に投与されることを特徴とし、該患者が、該組成物以外の他の緑内障治療薬が投与されており、他の緑内障治療薬による効果が不十分であった患者であり、該組成物中の該ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩の濃度が、ブリモニジン酒石酸塩として約0.1w/v%であり、該チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩の濃度が、チモロールとして約0.5w/v%である、組成物。
- 視野異常の進行を抑制又は視野異常の発症を予防するための組成物であって、該組成物は、ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩と、チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩とを含み、前視野緑内障と判定され、かつ正常眼圧を有する患者に投与されることを特徴とし、該患者が、該組成物以外の他の緑内障治療薬が投与されており、他の緑内障治療薬による効果が不十分であった患者であり、該組成物中の該ブリモニジンまたはその薬学的に受容可能な塩の濃度が、ブリモニジン酒石酸塩として約0.1w/v%であり、該チモロールまたはその薬学的に受容可能な塩の濃度が、チモロールとして約0.5w/v%である、組成物。
- 前記視野異常の進行の抑制又は視野異常の発症の予防が、眼圧下降を含む、請求項20または21に記載の組成物。
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