詳細な説明
別に定義されない限り、本明細書で使用する全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で提供される全てのヌクレオチド配列は、5’~3’方向で示される。本明細書で説明する方法および材料と類似または等価の任意の方法および材料は、本開示の実施または試験において使用することができるが、特定の非限定的な例示的方法、デバイスおよび材料をここで説明する。本明細書で引用する全ての技術出版物および特許出版物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書中のいずれも、先行発明によって、本開示がそのような開示を先行するものとする権利を与えられないことの承認として解釈されるべきではない。
本開示の実施は、別に示されない限り、当該技術分野の技術の範囲内である組織培養、免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学および組換えDNAの従来技術を使用する。例えば、Sambrook and Russell eds, (2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd edition;叢書Ausubel et al. eds. (2007) Current Protocols in Molecular Biology;叢書Methods in Enzymology (Academic Press, Inc., N.Y.);MacPherson et al. (1991) PCR 1: A Practical Approach (IRL Press at Oxford University Press);MacPherson et al. (1995) PCR 2: A Practical Approach;Harlow and Lane eds. (1999) Antibodies, A Laboratory Manual;Freshney (2005) Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique, 5th edition;Gait ed. (1984) Oligonucleotide Synthesis;米国特許第4,683,195号;Hames and Higgins eds. (1984) Nucleic Acid Hybridization;Anderson (1999) Nucleic Acid Hybridization;Hames and Higgins eds. (1984) Transcription and Translation; Immobilized Cells and Enzymes (IRL Press (1986));Perbal (1984) A Practical Guide to Molecular Cloning;Miller and Calos eds, (1987) Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (Cold Spring Harbor Laboratory);Makrides ed. (2003) Gene Transfer and Expression in Mammalian Cells;Mayer and Walker eds. (1987) Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology (Academic Press, London);およびHerzenberg et al. eds (1996) Weir’s Handbook of Experimental Immunologyを参照されたい。
範囲を含む全ての数字表示、例えば、pH、温度、時間、濃度および分子量は、適宜1.0または0.1の増分で、またはあるいは+/-15%、またはあるいは10%、またはあるいは5%、またはあるいは2%の変動で(+)または(-)に変動する近似値である。必ずしも明白に示されていないが、全ての数字表示に、「約」という用語が先行することが理解されるべきである。また、必ずしも明白に示されていないが、本明細書で説明する試薬は単に例示であり、かつそのようなものの等価物は当該技術分野で公知であることが理解されるべきである。
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに別のように規定しない限り、複数の指示物を含む。例えば、「ポリペプチド(a polypeptide)」という用語は、その混合物を含む複数のポリペプチドを含む。
本明細書で使用される場合、「~を含む(comprising)」という用語は、組成物および方法が、列挙される要素を含むが、その他のものを除外しないことを意味すると意図される。「~から本質的になる」は、組成物および方法を定義するために使用される場合、意図される使用のための組合せにとって任意の本質的に重要な他の要素を除外することを意味する。したがって、本明細書で定義する要素から本質的になる組成物は、単離および精製方法からの微量夾雑物、および薬学的に許容される担体、例えば、リン酸緩衝食塩水、保存剤等を除外しない。「~からなる」は、他の成分および本明細書で開示する組成物を投与するための実質的な方法ステップの微量要素より多くのものを除外することを意味する。これらの遷移用語の各々によって定義される実施形態は、本開示の範囲内である。
「バイオフィルム」とは、微生物が、分泌、放出および/または細菌溶解によって細胞外環境において利用可能となるDNA等の高分子と共に、有機または無機であり得る構造表面に付着することもある、組織化された微生物群集を意図する。バイオフィルムは、マイクロバイオティクス(microbiotics)および抗微生物剤に非常に抵抗性である。それらは、歯肉組織、歯および修復物上で生存し、歯周プラーク疾患としても公知の、う歯および歯周病を引き起こす。また、それらは、慢性中耳感染を引き起こす。また、バイオフィルムは、歯科インプラント、ステント、カテーテル系およびコンタクトレンズの表面上に形成し得る。それらは、ペースメーカー、心臓弁置換物、人工関節および他の外科的インプラント上で生育する。疾病管理センター(Centers for Disease Control)は、院内(病院内で獲得される)感染の65%より多くが、バイオフィルムによって引き起こされると見積もっている。それらは、慢性膣感染を引き起こし、免疫系が妨げられている人々において生命を脅かす全身性感染をもたらす。また、バイオフィルムは、多くの疾患に関与する。例えば、嚢胞性線維症患者は、多くの場合抗生物質抵抗性バイオフィルムをもたらすPseudomonas感染を有する。一実施形態では、バイオフィルムは、DNABIIポリペプチドまたはタンパク質を含む。さらなる実施形態では、バイオフィルムは、IHFおよび/またはHUを含む。またさらなる実施形態では、バイオフィルムは、IHFAおよび/またはIHFBを含む。
「破壊する」という用語は、微生物バイオフィルムの構成成分であるDNA/タンパク質マトリックスの形成の低減を意図する。ある特定の実施形態では、バイオフィルムを破壊することは、バイオフィルムを分散させること、バイオフィルムのDNA/タンパク質マトリックスから微生物を放出させること、ならびに必要に応じて、宿主の免疫エフェクターおよび/または抗生物質によって微生物の殺滅を可能にすることを指す。
「DNABIIポリペプチドまたはタンパク質」は、DNA結合ドメインからなり、したがって、微生物DNAについて特異的または一般的親和性を有するDNA結合タンパク質またはポリペプチドを意図する。一態様では、それらは、DNAの副溝(minor grove)に結合する。DNABIIタンパク質の非限定的な例は、組込み宿主因子(IHF:integration host factor)タンパク質およびE. coli株U93からのヒストン様タンパク質(HU:histone-like protein from E. coli strain U93)である。バイオフィルムと関連付けられ得る他のDNA結合タンパク質には、DPS(ジェンバンク(Genbank)アクセッション番号CAA49169)、H-NS(ジェンバンクアクセッション番号CAA47740)、Hfq(ジェンバンクアクセッション番号ACE63256)、CbpA(ジェンバンクアクセッション番号BAA03950)およびCbpB(ジェンバンクアクセッション番号NP_418813)が含まれる。
「組込み宿主因子」または「IHF」タンパク質は、バクテリオファージによってそれらのDNAを宿主細菌に組み込むために使用される細菌タンパク質である。また、それらは、細胞外微生物DNAに結合する。E. coliにおいてIHFタンパク質サブユニットをコードする遺伝子は、himA(ジェンバンクアクセッション番号POA6X7.1)およびhimD(POA6Y1.1)遺伝子である。これらの遺伝子のホモログは他の生物において発見されている。ある特定の実施形態では、「IHF」という用語は、2つのIHFサブユニット:組込み宿主因子サブユニットアルファ(IHFAまたはIhfA)および組込み宿主因子サブユニットベータ(IHFBまたはIhfB)のうちの一方または両方を指す。
「HU」または「E. coli株U93からのヒストン様タンパク質」とは、典型的にE. coliに付随するあるクラスのヘテロ二量体タンパク質を指す。HUタンパク質は、DNA接合部に結合することが公知である。関連タンパク質が、他の微生物から単離されている。E. coli HUの完全なアミノ酸配列は、Laine et al. (1980) Eur. J. Biochem 103(3)447-481によって報告された。HUタンパク質に対する抗体は、Abeamから市販されている。E.coliにおいてHUタンパク質サブユニットをコードする遺伝子は、それぞれ、配列番号29および30に対応するhupAおよびhupBである。これらの遺伝子のホモログは他の生物において発見されており、他の生物からのこれらの遺伝子に対応するペプチドはWO 2011/123396の表10に見出すことができる。
「表面抗原」または「表面タンパク質」という用語は、細胞、例えば、細菌細胞の表面上のタンパク質またはペプチドを指す。外膜タンパク質の例は、OMP P5(ジェンバンクアクセッション番号YP_004139079.1)、OMP P2(ジェンバンクアクセッション番号ZZX87199.1)およびOMP P26(ジェンバンクアクセッション番号YP_665091.1)であるが、一方、表面抗原の例は、rsPilAまたは組換え可溶型PilA(ジェンバンクアクセッション番号EFU96734.1)およびIV型Pilin(ジェンバンクアクセッション番号Yp_003864351.1)である。
「Haemophilus influenzae」という用語は、多くの様々な感染症、例えば、耳感染症、眼感染症および副鼻腔炎等を引き起こし得る病原性細菌を指す。Haemophilus influenzaeの多くの様々な株が単離されており、IhfA、ihfBおよびhupA遺伝子またはタンパク質を有する。Haemophilus influenzaeの様々な株の一部の非限定的な例には、Rd KW20、86-028NP、R2866、PittGG、PittEE、R2846および2019が含まれる。
「微生物DNA」とは、バイオフィルムに組み込まれた微生物からの一本鎖または二本鎖DNAを意図する。
バイオフィルムを「阻害すること、予防することまたは破壊すること」とは、バイオフィルムの構造の予防的または治療的低減を意図する。
「ベントポリヌクレオチド」とは、1つの鎖に他の鎖と対形成しない小ループを含有する二本鎖ポリヌクレオチドを意図する。一部の実施形態では、ループは、1塩基~約20塩基の長さ、またはあるいは2塩基~約15塩基の長さ、またはあるいは約3塩基~約12塩基の長さ、またはあるいは約4塩基~約10塩基の長さであるか、またはあるいは約4、5または6、または7、または8、または9、または10塩基を有する。
「DNABIIとの結合と競合するポリペプチド、例えば、DNAとの結合におけるIHF」は、屈曲したまたは歪んだDNA構造と結合する際にDNABII(例えば、IHF)と競合するが、DNAとバイオフィルムを形成しないタンパク質またはペプチドを意図する。例には、限定することなく、IHFの1つもしくは複数のDNA結合ドメインを含むIHFの断片、またはその生物学的等価物が含まれる。
診断または処置の「対象」は、細胞または動物、例えば、哺乳動物またはヒトである。診断または処置に供される非ヒト動物は、感染に供される非ヒト動物または動物モデル、例えば、サル類、ネズミ科、例えば、ラット、マウス、チンチラ、イヌ科、例えば、イヌ、ウサギ類、例えば、ウサギ、家畜、競技用動物およびペットである。「対象」、「宿主」、「個体」および「患者」という用語は、本明細書で互換的に使用される場合、動物、典型的に哺乳動物を指すものである。哺乳動物の非限定的な例には、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、類人猿、テナガザル、チンパンジー、オランウータン、サル、マカク等)、飼育動物(例えば、イヌおよびネコ)、家畜動物(例えば、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ)および実験動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、モルモット)が含まれる。一部の実施形態では、哺乳動物はヒトである。哺乳動物は、任意の年齢または任意の発達段階であってもよい(例えば、成体、青年期、子、幼体または子宮内の哺乳動物)。哺乳動物は、雄または雌であり得る。一部の実施形態では、対象は、ヒトである。
「タンパク質」、「ペプチド」および「ポリペプチド」という用語は、互換的に、かつそれらの最も広い意味で使用されて、2つまたはそれよりも多いサブユニットアミノ酸、アミノ酸アナログまたはペプチドミメティクスの化合物を指す。サブユニットは、ペプチド結合によって連結され得る。別の実施形態では、サブユニットは、他の結合、例えば、エステル、エーテル等によって連結され得る。タンパク質またはペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含有しなければならず、タンパク質の配列またはペプチドの配列を構成し得るアミノ酸の最大数に限定は設けられていない。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、グリシンならびにDおよびL光学異性体の両方を含む天然および/もしくは非天然または合成アミノ酸のいずれか、アミノ酸アナログおよびペプチドミメティクスを指す。
「C末端のポリペプチド」は、少なくとも10、もしくはあるいは、少なくとも15、もしくはあるいは、少なくとも20、もしくは少なくとも25個のC末端のアミノ酸、またはあるいは、ポリペプチドの半分を意図する。別の態様では、90個のアミノ酸を含有するポリペプチドでは、C末端のポリペプチドは、アミノ酸46から90を含むことになる。一態様では、この用語は、カルボキシ末端からC末端の20個のアミノ酸を意図する。
DNABIIポリペプチドの「チップ断片」は、例としてIHFアルファおよびIHFベータを使用して、タンパク質の2つのアームを形成するDNABIIポリペプチドを意図する。(図1を参照されたい)。このようなものの非限定的な例には、IhfA、Aチップ断片:
NFELRDKSSRPGRNPKTGDVV、配列番号31、およびIhfB、Bチップ断片:
SLHHRQPRLGRNPKTGDSVNL、配列番号32が含まれる。
DNABIIポリペプチドの「テール断片」は、バルク培地に曝露され、DNAまたは他のポリペプチドによって閉塞されていないタンパク質の領域を意図する。
免疫優勢抗原は、抗体に認識され、高親和性でそれに結合するタンパク質の領域を意図する。
免疫防御抗原は、抗体に認識され、高親和性でそれに結合し、タンパク質の機能を妨害するタンパク質の領域を意図し;免疫防御抗原に対して生成された抗体は、タンパク質の機能の妨害の結果として、標的兆候に対する増強されたかまたは最適な効果、この場合には、バイオフィルムを取り除く能力の改善によって特徴付けられる。
「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され、任意の長さのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドのいずれかのヌクレオチドまたはそのアナログの重合形態を指す。ポリヌクレオチドは、任意の3次元構造を有することができ、公知または未知の任意の機能を行い得る。以下のもの:遺伝子または遺伝子断片(例えば、プローブ、プライマー、ESTまたはSAGEタグ)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、RNAi、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブおよびプライマーは、ポリヌクレオチドの非限定的な例である。ポリヌクレオチドは、改変ヌクレオチド、例えば、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログを含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造への改変は、ポリヌクレオチドの組立て前または後に与えられ得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド構成成分によって中断され得る。ポリヌクレオチドは、例えば、標識化構成成分とのコンジュゲーションによって、重合化後にさらに改変してもよい。また、この用語は、二本鎖および一本鎖分子の両方を指す。別に特定または要求されない限り、ポリヌクレオチドである本明細書で開示する任意の実施形態は、二本鎖形態、および二本鎖形態を構成することが公知または予想される2つの相補的一本鎖形態の各々の両方を包含する。
ポリヌクレオチドは、4つのヌクレオチド塩基:アデニン(A);シトシン(C);グアニン(G);チミン(T);およびポリヌクレオチドがRNAである場合チミンの代わりにウラシル(U)の特定の配列からなる。したがって、「ポリヌクレオチド配列」という用語は、ポリヌクレオチド分子のアルファベット表現である。このアルファベット表現は、中央処理装置を有するコンピュータのデータベースに入力され、バイオインフォマティクス適用、例えば、機能ゲノミクスおよび相同性検索に使用され得る。
「単離された」または「組換え」という用語は、核酸、例えば、DNAまたはRNAについて本明細書で使用される場合、高分子の天然源に存在する、それぞれ、他のDNAまたはRNAおよびポリペプチドから分離された分子を指す。「単離された、または組換え核酸」という用語は、断片として天然に存在しない、天然状態で見出されない核酸断片を含むことを意味する。また、「単離された」という用語は、他の細胞タンパク質から単離されたポリヌクレオチド、ポリペプチドおよびタンパク質を指すために本明細書で使用され、精製されたポリペプチドおよび組換えポリペプチドの両方を包含することを意味する。他の実施形態では、「単離された、または組換え」という用語は、細胞の構成要素、およびそうでなければ、通常天然で会合している細胞、組織、ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体またはその断片(複数可)から分離されていることを意味する。例えば、単離された細胞は、似ていない表現型または遺伝子型の組織または細胞から分離されている細胞である。単離されたポリヌクレオチドは、それが通常そのネイティブまたは天然環境で、例えば、染色体上で、会合している3’および5’隣接ヌクレオチドから分離されている。当業者に明らかである通り、天然に存在しないポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体またはその断片(複数可)は、その天然に存在する相対物からそれを区別するための「単離」を必要としない。
本開示がポリペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチドまたは抗体に関する場合、そのようなものの等価物または生物学的等価物が、本開示の範囲内で意図されることは、明白な列挙なしで、かつ別のように意図されない限り、推測されるべきである。本明細書で使用される場合、「その生物学的等価物」という用語は、参照タンパク質、抗体、断片、ポリペプチドまたは核酸について言及する場合、「その等価物」と同義であると意図され、最小限の相同性を有する一方で、それでも所望の構造または機能性を維持するものを意図する。本明細書で特に列挙されない限り、本明細書で挙げる任意のポリヌクレオチド、ポリペプチドまたはタンパク質もまたその等価物を含むことが企図される。一態様では、等価なポリヌクレオチドは、ストリンジェントな条件下において、説明される方法において使用するための本明細書で説明するポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの相補物にハイブリダイズするポリヌクレオチドである。別の態様では、等価な抗体または抗原結合性ポリペプチドは、少なくとも70%、またはあるいは少なくとも75%、またはあるいは少なくとも80%、またはあるいは少なくとも85%、またはあるいは少なくとも90%、またはあるいは少なくとも95%の親和性またはそれよりも高い親和性で、参照抗体または抗原結合性断片に結合する抗体または抗原結合性ポリペプチドを意図する。別の態様では、その等価物は、競合ELISAアッセイ下で、抗体または抗原結合性断片の、その抗原への結合と競合する。別の態様では、等価物は、少なくとも約80%の相同性または同一性、およびあるいは少なくとも約85%、またはあるいは少なくとも約90%、またはあるいは少なくとも約95%、またはあるいは98%のパーセント相同性または同一性を意図し、参照タンパク質、ポリペプチドまたは核酸に対して実質的に等価な生物活性を示す。生物学的に等価なポリペプチドの例は、開示されたアミノ酸配列に対する保存的アミノ酸置換を特定するWO2011/123396の表9に提供される。
別の配列に対してある特定のパーセンテージ(例えば、80%、85%、90%または95%)の「配列同一性」を有するポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域(またはポリペプチドもしくはポリペプチド領域)は、整列した場合、塩基(またはアミノ酸)のそのパーセンテージが、2つの配列の比較において同じであることを意味する。整列およびパーセント相同性または配列同一性は、当該技術分野で公知のソフトウェアプログラム、例えば、Current Protocols in Molecular Biology (Ausubel et al., eds. 1987) Supplement 30, section 7.7.18, Table 7.7.1で説明されるソフトウェアプログラムを使用して決定することができる。ある特定の実施形態では、デフォルトパラメーターが整列に使用される。非限定的な例示的整列プログラムは、デフォルトパラメーターを使用する、BLASTである。特に、例示的なプログラムには、以下のデフォルトパラメーター:遺伝子コード=標準;フィルター=なし;鎖=両方;カットオフ=60;予測=10;マトリックス=BLOSUM62;記載=50個の配列;分類=高スコア;データベース=非重複ジェンバンク+EMBL+DDBJ+PDB+ジェンバンクCDS翻訳+SwissProtein+SPupdate+PIRを使用する、BLASTNおよびBLASTPが含まれる。これらのプログラムの詳細は、以下のインターネットアドレス:ncbi.nlm.nih.gov/cgi-bin/BLASTで見出すことができる。配列同一性およびパーセント同一性は、それらをclustalW(ウェブアドレス:align.genome.jp(最終アクセス2011年3月7日)で入手可能)に組み込むことによって決定した。
「相同性」または「同一性」または「類似性」とは、2つのペプチド間または2つの核酸分子間の配列類似性を指す。相同性は、比較の目的のために整列され得る各配列中の位置を比較することによって決定することができる。比較される配列中の位置が、同じ塩基またはアミノ酸によって占有されている場合、分子はその位置で相同である。配列間の相同性の程度は、配列によって共有される整合位置または相同位置の数の関数である。「非関連」または「非相同」配列は、本開示の配列のうちの1つと40%未満の同一性、またはあるいは25%未満の同一性を共有する。
また、「相同性」または「同一性」または「類似性」は、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする2つの核酸分子を指し得る。
「ハイブリダイゼーション」とは、1つまたは複数のポリヌクレオチドが反応して、ヌクレオチド残基の塩基間の水素結合を介して安定化される複合体を形成する反応を指す。水素結合は、ワトソン-クリック塩基対形成、フーグスティーン結合によって、または他の任意の配列特異的様式で起こり得る。複合体は、二本鎖構造を形成する2つの鎖、多鎖複合体を形成する3つまたはそれよりも多い鎖、単一の自己ハイブリダイズ鎖、またはこれらの任意の組合せを含み得る。ハイブリダイゼーション反応は、より広範なプロセスのステップ、例えば、PCR反応の開始またはリボザイムによるポリヌクレオチドの酵素切断を構成し得る。
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例には:約25℃~約37℃のインキュベーション温度;約6×SSC~約10×SSCのハイブリダイゼーション緩衝液濃度;約0%~約25%のホルムアミド濃度;および約4×SSC~約8×SSCの洗浄溶液が含まれる。中程度のハイブリダイゼーション条件の例には:約40℃~約50℃のインキュベーション温度;約9×SSC~約2×SSCの緩衝液濃度;約30%~約50%のホルムアミド濃度;および約5×SSC~約2×SSCの洗浄溶液が含まれる。高ストリンジェンシー条件の例には:約55℃~約68℃のインキュベーション温度;約1×SSC~約0.1×SSCの緩衝液濃度;約55%~約75%のホルムアミド濃度;および約1×SSC、0.1×SSCの洗浄溶液または脱イオン水が含まれる。一般的に、ハイブリダイゼーションインキュベーション時間は、5分間~24時間であり、1、2回またはそれよりも多い洗浄ステップを伴い、洗浄インキュベーション時間は、約1、2または15分間である。SSCは、0.15M NaClおよび15mMクエン酸緩衝液である。他の緩衝液系を使用するSSCの等価物が使用され得ることが理解される。
本明細書で使用される場合、「発現」とは、ポリヌクレオチドがmRNAに転写されるプロセス、および/または転写されたmRNAが次に、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質に翻訳されるプロセスを指す。ポリヌクレオチドがゲノムDNAに由来する場合、発現は、真核細胞におけるmRNAのスプライシングを含み得る。
「コードする」という用語は、それがポリヌクレオチドに適用されるとき、そのネイティブ状態で、または当業者に周知の方法によって操作された場合、それが転写および/または翻訳されて、mRNAそしてポリペプチドおよび/またはその断片を産生することができる場合、ポリペプチドを「コードする」と言われるポリヌクレオチドを指す。アンチセンス鎖は、そのような核酸の相補物であり、コード配列は、それから推定することができる。
本明細書で使用される場合、「処置する」、「処置」等の用語は、所望の薬理的効果および/または生理的効果を得ることを意味するために本明細書で使用される。効果は、障害またはその兆候もしくは症状を完全または部分的に予防するという点で予防的であってもよく、ならびに/あるいは障害および/または障害に起因する有害効果に対する部分的または完全な治癒という点で治療的であってもよい。本明細書で使用される場合、また、対象における疾患の「処置すること」または「処置」とは、(1)疾患にかかりやすいか、または疾患の症状をまだ示していない対象において症状または疾患が起こることを予防すること;(2)疾患を阻害することまたはその発症を阻止すること;または(3)疾患または疾患の症状を改善することまたはその退縮をもたらすことを指し得る。当該技術分野で理解される通り、「処置」とは、臨床結果を含む、有益な結果または所望の結果を得るための手法である。本技術の目的のために、有益な結果または所望の結果は、1つまたは複数の:1つまたは複数の症状の軽減または改善;状態(疾患を含む)の程度の減弱;状態(疾患を含む)の安定化(すなわち、悪化していない)状況;状態(疾患を含む)の遅延または緩慢化、;状態(疾患を含む)、状況および寛解(部分的であるか、全体的であるかにかかわらず)の進行、改善または緩和を、検出可能であるか、検出不能であるかにかかわらず、含み得るが、これらに限定されない。一態様では、処置は、予防を除外する。
予防することは、障害または影響(effect)にかかりやすい系または対象において、in vitroまたはin vivoで障害または影響を予防することを意図する。そのようなことの一例は、バイオフィルムを産生することが公知の微生物に感染した系において、バイオフィルムの形成を予防することである。
「組成物」とは、活性剤と、不活性(例えば、検出可能な剤または標識)または活性な、別の化合物または組成物、例えば、アジュバント、希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝液、塩、親油性溶媒、保存剤、アジュバントなどとの組合せを意味することを意図し、薬学的に許容される担体を含む。また、担体は、医薬賦形剤および添加剤、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質および炭水化物(例えば、単糖、ジ、トリ、テトラ-オリゴ糖およびオリゴ糖を含む糖;誘導体化糖、例えば、アルジトール、アルドン酸、エステル化糖等;および多糖または糖高分子)を含み、それらは、単独または1~99.99重量%または体積%の組合せを含む、単独で、または組合せで存在し得る。例示的なタンパク質賦形剤には、血清アルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA:human serum albumin)、組換えヒトアルブミン(rHA:recombinant human albumin)、ゼラチン、カゼイン等が含まれる。緩衝能においても機能し得る代表的なアミノ酸/抗体構成成分には、アラニン、アルギニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテーム等が含まれる。また、炭水化物賦形剤は、この技術の範囲内で意図され、その例には、単糖、例えば、果糖、麦芽糖、ガラクトース、ブドウ糖、D-マンノース、ソルボース等;二糖、例えば、乳糖、ショ糖、トレハロース、セロビオース等;多糖、例えば、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプン等;およびアルジトール、例えば、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール ソルビトール(グルシトール)およびミオイノシトールが含まれるが、これらに限定されない。
「医薬組成物」とは、活性剤と、組成物をin vitro、in vivoまたはex vivoでの診断的または治療的使用に好適にする不活性または活性な担体との組合せを含むことを意図する。
「薬学的に許容される担体」とは、本明細書で開示される組成物において使用され得る任意の希釈剤、賦形剤または担体を指す。薬学的に許容される担体には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えば、ホスフェート、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蝋、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。好適な医薬担体は、この分野の標準の参考教本であるRemington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Companyで説明されている。それらは、意図される剤形、すなわち、経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤等に関して、かつ従来の医薬実務と一致して選択され得る。
本開示に従って使用される組成物は、投与の容易さおよび投与量の均一性のために投与単位形態で包装され得る。「単位用量」または「投与量」という用語は、対象における使用に好適な物理的に別個の単位を指し、各単位は、その投与、すなわち、適切な経路およびレジメンに付随して所望の応答をもたらすように計算された所定の量の組成物を含有する。処置の回数および単位用量の両方による、投与されるべき量は、所望される結果および/または保護に依存する。また、組成物の正確な量は、実施者の判断に依存し、各個体に特有である。用量に影響を与える因子には、対象の身体的および臨床的状態、投与経路、意図される処置の目的(症状の軽減対治癒)ならびに特定の組成物の効力、安定性および毒性が含まれる。製剤化に際して、液剤は、投与用製剤と適合性の様式で、かつ治療的または予防的に有効な量で投与される。製剤は、様々な剤形、例えば、本明細書で説明する注射用液剤のタイプで容易に投与される。
「生物活性剤」または本明細書で開示される活性剤とは、単離された、もしくは組換えポリペプチド、単離された、もしくは組換えポリヌクレオチド、ベクター、単離された宿主細胞または抗体のうちの1つまたは複数、およびこれらのうちの1つまたは複数を含む組成物を意図する。
「投与」は、1つの用量で、処置の過程全体を通して連続的または断続的にもたらされ得る。投与の最も有効な手段および投与量を決定する方法は、当業者に公知であり、治療に使用される組成物、治療の目的、処置される標的細胞および処置される対象によって変動する。単回または複数回の投与は、処置する医師によって選択される用量レベルおよびパターンで行われ得る。好適な投与用製剤およびその作用物質を投与する方法は、当該技術分野で公知である。また、投与経路を決定することができ、最も有効な投与経路を決定する方法は、当業者に公知であり、処置に使用される組成物、処置の目的、処置される対象の健康状態または疾患段階および標的細胞または組織によって変動する。投与経路の非限定的な例には、経口投与、経鼻投与、注射および局所適用が含まれる。
本開示の作用物質は、任意の好適な投与経路によって治療のために投与され得る。また、最適な経路は、レシピエントの状態および年齢ならびに処置される疾患によって変動することが理解される。
本明細書で使用される場合、「接触させること」という用語は、2つまたはそれよりも多くの分子間の直接的または間接的結合または相互作用を意味する。直接的相互作用の特定の例は、結合である。間接的相互作用の特定の例は、1つの実体が中間の分子に作用し、次にそれが第2の参照実体に作用する場合である。接触させることは、本明細書で使用される場合、溶液中、固相中、in vitroで、ex vivoで、細胞で、およびiv vivoで接触させることを含む。iv vivoで接触させることは、投与することまたは投与と呼ばれ得る。
「有効量」という用語は、所望の効果を達成するために十分な量を指す。治療または予防適用に関して、有効量は、問題の状態のタイプおよび重症度、ならびに個体対象の特徴、例えば、健康全般、年齢、性別、体重および医薬組成物に対する耐容性に依存する。免疫原性組成物に関して、一部の実施形態では、有効量は、病原体に対する保護的応答をもたらすために十分な量である。他の実施形態では、免疫原性組成物の有効量は、抗原に対する抗体生成をもたらすために十分な量である。一部の実施形態では、有効量は、それを必要とする対象に対して受動免疫を与えるために必要な量である。免疫原性組成物について、一部の実施形態では、有効量は、上記に説明する因子に加えて、意図される使用、特定の抗原性化合物の免疫原性の程度および対象の免疫系の健康/応答性に依存する。当業者は、これらおよび他の因子に依存して適切な量を決定することができる。
iv vitro適用の場合、一部の実施形態では、有効量は、問題の適用のサイズおよび性質に依存する。また、それは、iv vitro標的の性質および感度ならびに使用における方法に依存する。当業者は、これらおよび他の考慮事項に基づいて有効量を決定することができる。有効量は、実施形態に依存して組成物の1回または複数回の投与を含み得る。
「接触させること」という用語は、2つまたはそれよりも多くの分子の間の直接的または間接的結合または相互作用を意味する。直接的相互作用の特定の例は、結合である。間接的相互作用の特定の例は、1つの実体が中間の分子に作用し、次にそれが第2の参照実体に作用する場合である。接触させることは、本明細書で使用される場合、溶液中、固相中、in vitroで、ex vivoで、細胞で、およびiv vivoで接触させることを含む。iv vivoで接触させることは、投与することまたは投与と呼ばれ得る。
「コンジュゲートした部分」という用語は、キメラポリペプチドの残基と共有結合を形成することによって単離されたキメラポリペプチドに付加され得る部分を指す。この部分は、キメラポリペプチドの残基に直接結合してもよく、またはその後に、キメラポリペプチドの残基と共有結合を形成するリンカーと共有結合を形成してもよい。
「ペプチドコンジュゲート」とは、1つまたは複数のポリペプチドと別の化学的または生物学的化合物との共有または非共有結合による会合を指す。非限定的な例では、ポリペプチドと化学的化合物との「コンジュゲーション」は、ポリペプチドの意図される目的について改善されたポリペプチドの安定性または有効性をもたらす。一実施形態では、ペプチドは担体とコンジュゲートされ、担体はリポソーム、ミセルまたは薬学的に許容される高分子である。
「リポソーム」とは、同心円状の脂質二重層からなる微視的小胞である。構造的に、リポソームは、大きさおよび形状が長管~球に及び、寸法が数百オングストローム~数分の1ミリメートルに及ぶ。小胞形成脂質は、外層の脂質組成を提供する最終複合体の特定された程度の流動性または剛性を達成するように選択される。これらは、中性(コレステロール)または双極性であり、リン脂質、例えば、ホスファチジルコリン(PC:phosphatidylcholine)、ホスファチジルエタノールアミン(PE:phosphatidylethanolamine)、ホスファチジルイノシトール(PI:phosphatidylinositol)およびスフィンゴミエリン(SM:sphingomyelin)、ならびに14~22の範囲の炭化水素鎖長を有し、かつ飽和であるか、または1つまたは複数の二重C=C結合を有する、非限定的に、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE:dioleoylphosphatidylethanolamine)を含む他のタイプの双極性脂質を含む。単独で、または他の脂質構成成分との組合せで、安定なリポソームを生成することができる脂質の例は、リン脂質、例えば、水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC:hydrogenated soy phosphatidylcholine)、レシチン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾレシチン、リゾホスファチジルエタノール-アミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、セファリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、ジステアロイルホスファチジルエタノールミン(DSPE:distearoylphosphatidylethan-olamine)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC:dioleoylphosphatidylcholine)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC:dipalmitoylphosphatidylcholine)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC: palmitoyloteoylphosphatidylcholine)、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン(POPE:palmitoyloleoylphosphatidylethanolamine)およびジオレオイルホスファチジルエタノールアミン4-(N-マレイミド-トリエチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(DOPE-mal:dioleoylphosphatidylethanolamine 4-(N-maleimido-triethyl)cyclohexane-1-carboxylate)である。リポソームに組み込むことができる追加のリン非含有脂質には、ステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、イソプロピルミリステート、トリエタノールアミン-ラウリルサルフェート、アルキル-アリールサルフェート、アセチルパルミテート、グリセロールリシノレエート、ヘキサデシルステレエート(hexadecyl stereate)、両性アクリルポリマー、ポリエチルオキシル化脂肪酸アミドおよび上記に挙げるカチオン性脂質(DDAB、DODAC、DMRIE、DMTAP、DOGS、DOTAP(DOTMA)、DOSPA、DPTAP、DSTAP、DC-Chol)が含まれる。負荷電脂質には、ホスファチジン酸(PA:phosphatidic acid)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG:dipalmitoylphosphatidylglycerol)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG: dioteoylphosphatidylglycerol)および小胞を形成することができるジセチルホスフェートが含まれる。典型的に、リポソームは、それらの全体的なサイズおよび層状構造の性質に基づいて3つのカテゴリーに分けることができる。1977年12月のニューヨークアカデミー科学会議「Liposomes and Their Use in Biology and Medicine」によって展開された3つの分類は、多層小胞(MLV:multi-lamellar vesicle)、小型単層小胞(SUV:small uni-lamellar vesicle)および大型単層小胞(LUV:large uni-lamellar vesicle)である。生物活性剤は、本明細書で説明する方法に従う投与のためにそのようなものに被包され得る。
「ミセル」は、液体コロイド中に分散した界面活性分子の凝集物である。水溶液中の典型的なミセルは、親水性の「頭部」領域を周囲の溶媒と接触させ、疎水性尾部領域をミセル中心に隔離した凝集物を形成する。このタイプのミセルは、順相ミセル(水中油ミセル)として公知である。逆ミセルは、中心に頭部基を有し、尾部を外に向けている(油中水ミセル)。ミセルは、本明細書で説明するポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体または組成物を結合して、標的細胞または組織への効率的な送達を促進するために使用され得る。
「薬学的に許容される高分子」という句は、本明細書で説明する1つまたは複数のポリペプチドにコンジュゲートされ得る化合物の群を指す。高分子のポリペプチドへのコンジュゲーションは、in vivoおよびin vitroでのポリペプチドの半減期を延長することができることが企図される。非限定的な例には、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、糖、ポリオールおよびその混合物が含まれる。生物活性剤は、本明細書で説明する方法に従う投与のために薬学的に許容される高分子にコンジュゲートされ得る。
「遺伝子送達媒体」は、挿入されたポリヌクレオチドを宿主細胞に運搬することができる任意の分子として定義される。遺伝子送達媒体の例は、リポソーム;ミセル;天然高分子および合成高分子を含む生物適合性高分子;リポタンパク質;ポリペプチド;多糖;リポ多糖;人工ウイルスエンベロープ;金属粒子;ならびに細菌またはウイルス、例えば、バキュロウイルス、アデノウイルスおよびレトロウイルス、バクテリオファージ、コスミド、プラスミド、真菌ベクター、および様々な真核および原核宿主における発現について説明されており、遺伝子治療および単純なタンパク質発現に使用され得る当該技術分野で典型的に使用される他の組換え媒体である。
本明細書で開示するポリヌクレオチドは、遺伝子送達媒体を使用して細胞または組織または対象に送達され得る。「遺伝子送達」、「遺伝子導入」、「形質導入」等は、本明細書で使用される場合、導入に使用される方法にかかわりなく、外因性ポリヌクレオチド(ときには「導入遺伝子」と呼ばれる)の宿主細胞への導入について言及する用語である。そのような方法には、様々な周知の技術、例えば、ベクター媒介遺伝子導入(例えば、ウイルス感染/トランスフェクション、または様々な他のタンパク質ベースまたは脂質ベースの遺伝子送達複合体による)および「ネイキッド」ポリヌクレオチドの送達を促進する技術(例えば、電気穿孔、「遺伝子銃」送達、およびポリヌクレオチドの導入に使用される様々な他の技術)が含まれる。導入されたポリヌクレオチドは、宿主細胞において安定に、または一過性に維持され得る。安定な維持は、典型的に、導入されたポリヌクレオチドが、宿主細胞と適合性の複製起点を含有するか、または宿主細胞のレプリコン、例えば、染色体外レプリコン(例えば、プラスミド)または核染色体もしくはミトコンドリア染色体に統合することのいずれかを必要とする。当該技術分野で公知かつ本明細書で説明される通り、いくつかのベクターは、遺伝子の哺乳動物細胞への移入を媒介することができることが公知である。
本明細書で使用される場合、「eDNA」という用語は、病原性バイオフィルムの構成成分として見出される細胞外DNAを指す。
「プラスミド」は、染色体DNAとは独立して複製することができる、染色体DNAから分離している染色体外DNA分子である。多くの場合、それは環状かつ二本鎖である。プラスミドは、微生物の集団内で水平方向の遺伝子導入のための機構を提供し、典型的に、所与の環境状態下で選択的利益を提供する。プラスミドは、競合的環境ニッチにおいて天然に存在する抗生物質に対する抵抗性を提供する遺伝子を運搬し得るか、またはあるいは、産生されるタンパク質は、同様の条件下で毒素として作用し得る。
遺伝子工学において使用される「プラスミド」は、「プラスミドベクター」と呼ばれる。多くのプラスミドは、そのような使用のために市販されている。複製するべき遺伝子を、細胞を特定の抗生物質に対して抵抗性にする遺伝子と、いくつかの一般的に使用される制限部位を含有し、この場所でのDNA断片の容易な挿入を可能にする短い領域であるマルチクローニングサイト(MCS:multiple cloning site、またはポリリンカー)とを含有するプラスミドのコピーに挿入する。プラスミドの別の主要な使用は、大量のタンパク質を製造することである。この場合、研究者らは、目的の遺伝子を宿すプラスミドを含有する細菌を成長させる。細菌が、その抗生物質抵抗性を与えるタンパク質を産生するのと同じように、それはまた挿入された遺伝子から大量のタンパク質を産生するように誘導され得る。これは、遺伝子またはそして遺伝子がコードするタンパク質を大量産生する安価で容易な方法である。
「酵母人工染色体」または「YAC(yeast artificial chromosome)」とは、大きなDNA断片(100kbよりも大きく、最大で3000kb)をクローニングするために使用されるベクターを指す。それは、人工的に構築された染色体であり、酵母細胞における複製および保存に必要とされるテロメア配列、セントロメア配列および複製起点配列を含有する。初期環状プラスミドを使用して組み立てると、それらを、制限酵素を使用することによって直鎖状にし、その後DNAリガーゼにより、付着末端の使用によって直鎖分子内に目的の配列または遺伝子を付加することができる。酵母発現ベクター、例えば、YAC、YIp(酵母組込みプラスミド:yeast integrating plasmid)およびYEp(酵母エピソームプラスミド:yeast episomal plasmid)は、酵母はそれ自体、真核細胞であるため、翻訳後改変を有する真核生物タンパク質生成物を得ることができるので、非常に有用であるが、しかしながら、YACは、BACよりも不安定であり、キメラ効果を生ずることが分かっている。
「ウイルスベクター」は、in vivo、ex vivoまたはin vitroのいずれかで、宿主細胞に送達されるべきポリヌクレオチドを含む組換え産生ウイルスまたはウイルス粒子として定義される。ウイルスベクターの例には、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、アルファウイルスベクター等が含まれる。感染性タバコモザイクウイルス(TMV:tobacco mosaic virus)ベースのベクターは、タンパク質を製造する(manufacturer)ために使用される場合があり、タバコ葉においてグリフィスシン(Griffithsin)を発現することが報告されている(O’Keefe et al. (2009) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 106(15):6099-6104)。また、アルファウイルスベクター、例えば、セムリキ森林ウイルスベースのベクターおよびシンドビスウイルスベースのベクターは、遺伝子治療および免疫療法における使用のために開発されている。Schlesinger & Dubensky (1999) Curr. Opin. Biotechnol. 5:434-439およびYing et al. (1999) Nat. Med. 5(7):823-827を参照されたい。遺伝子導入がレトロウイルスベクターによって媒介される態様では、ベクター構築物とは、レトロウイルスゲノムまたはその部分と治療用遺伝子とを含むポリヌクレオチドを指す。
本明細書で使用される場合、「レトロウイルス媒介遺伝子導入」または「レトロウイルス形質導入」は、同じ意味を有し、細胞に入り、ウイルスのゲノムを宿主細胞ゲノムに組み込むウイルスによって、遺伝子または核酸配列が宿主細胞に安定に移入されるプロセスを指す。ウイルスは、その正常な感染機構を介して宿主細胞に入ってもよく、ウイルスが異なる宿主細胞表面受容体またはリガンドに結合して細胞に入るように改変されてもよい。本明細書で使用される場合、レトロウイルスベクターとは、ウイルスまたはウイルス様侵入機構を通して外因性核酸を細胞に導入することができるウイルス粒子を指す。
レトロウイルスは、それらの遺伝子情報をRNAの形態で運搬する;しかしながら、ウイルスが細胞に感染すると、RNAは、DNA形態に逆転写され、それは感染した細胞のゲノムDNAに組み込まれる。組み込まれたDNA形態は、プロウイルスと呼ばれる。
遺伝子導入がDNAウイルスベクター、例えば、アデノウイルス(Ad:adenovirus)またはアデノ随伴ウイルス(AAV:adeno-associated virus)によって媒介される態様では、ベクター構築物とは、ウイルスゲノムまたはその部分と導入遺伝子とを含むポリヌクレオチドを指す。アデノウイルス(Ad)は、比較的十分に特徴付けられているウイルスの同種の群であり、50個を超える血清型を含む。例えば、PCT国際出願公開番号WO95/27071号を参照されたい。Adは、宿主細胞ゲノムへの組込みを必要としない。組換えAd由来ベクター、特に組換えおよび野生型ウイルスの生成の潜在性を低減した組換えAd由来ベクターもまた、構築されている。PCT国際出願公開番号WO95/00655号およびWO95/11984号を参照されたく、野生型AAVは、宿主細胞ゲノムへ組み込まれる高感染力および特異性を有する。Hermonat & Muzyczka (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6466-6470およびLebkowski et al. (1988) Mol. Cell. Biol. 8:3988-3996を参照されたい。
ポリヌクレオチドが作動可能に連結され得るプロモーターおよびクローニングサイトの両方を含有するベクターは、当該技術分野で周知である。そのようなベクターは、in vitroまたはin vivoでRNAを転写することができ、Stratagene(La Jolla、Calif.)およびPromega Biotech(Madison、Wis.)等の供給元から市販されている。発現および/またはin vitro転写を最適化するために、クローンの5’および/または3’非翻訳部分を除去、付加または変更して、余分の潜在的で不適切な選択的翻訳開始コドン、または転写または翻訳レベルのいずれかで発現に干渉するか、またはこれを低減し得る他の配列を削除することが必要であり得る。あるいは、コンセンサスリボソーム結合部位は、開始コドンのすぐ5’に挿入されて発現を向上し得る。
また、遺伝子送達媒体には、DNA/リポソーム複合体、ミセルおよび標的とされたウイルスタンパク質-DNA複合体が含まれる。また、ターゲティング抗体またはその断片を含むリポソームは、本明細書で開示する方法で使用することができる。ポリヌクレオチドの細胞または細胞集団への送達に加えて、本明細書で説明するタンパク質の細胞または細胞集団への直接的導入は、タンパク質トランスフェクションの非限定的な技術によって行ってもよく、あるいは、本明細書で開示するタンパク質の発現の向上および/または活性の促進を可能にする培養条件は、他の非限定的な技術である。
本明細書で使用される場合、「抗体」、「複数の抗体」および「免疫グロブリン」という用語は、抗体全体および任意の抗原結合性断片またはその単一の鎖を含む。したがって、「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子の少なくとも一部を含む任意のタンパク質またはペプチド含有分子を含む。また、「抗体」、「複数の抗体」および「免疫グロブリン」という用語には、任意のアイソタイプの免疫グロブリン;非限定的に、Fab、Fab’、F(ab)2、Fv、scFv、dsFv、Fd断片、dAb、VH、VL、VhHおよびV-NARドメインを含む抗原への特異的結合を保持する抗体の断片;ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディおよびカッパボディ;抗体断片および1つまたは複数の単離されたものから形成された多重特異性抗体断片が含まれる。そのようなものの例には、重鎖もしくは軽鎖またはそのリガンド結合性部分の相補性決定領域(CDR:complementarity determining region)、重鎖または軽鎖可変領域(これは本明細書で可変ドメインとも呼ばれる)、重鎖または軽鎖定常領域(これは本明細書で定常ドメインとも呼ばれる)、フレームワーク(FR:framework)領域、またはその任意の部分、結合性タンパク質の少なくとも一部分、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、および抗体の抗原結合性部分と非抗体タンパク質とを含む融合タンパク質が含まれるが、これらに限定されない。免疫グロブリン分子の重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体(Ab)の定常領域は、免疫グロブリンの宿主組織への結合を媒介し得る。「抗~」という用語は、例えば、抗DNABII、抗IHF、抗HU、抗OMP P5のように、タンパク質名称の前に使用される場合、特定のタンパク質への結合および/または特定のタンパク質への親和性の所有を示すモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を指す。例えば、「抗IHF」とは、IHFタンパク質に結合する抗体を指す。特異的抗体は、タンパク質であってその抗体がそれに対して産生されたタンパク質以外のタンパク質への親和性を有するか、または結合し得る。例えば、抗IHFは、IHFタンパク質に対して特異的に産生されたものであるが、配列相同性を通じて、または構造相同性を通じて関連する他のタンパク質にも結合し得る。
相補性決定領域(CDR)は、それぞれ、B細胞およびT細胞によって生成された抗体またはT細胞受容体の可変領域の一部であり、ここで、これらの分子はそれらの特異的抗原に結合する(エピトープとも呼ばれる)。ある特定の実施形態では、「可変領域」および「可変ドメイン」という用語は互換的に使用され、抗体ごとにアミノ酸残基の配列が多いに変化し、かつ特定の抗原に対して抗体の特異性を付与する結合部位のコンフォメーションを決定する抗体の軽鎖または重鎖のポリペプチドを指す。さらなる実施形態では、可変領域は、非限定的に、約100アミノ酸長、またはあるいは約110アミノ酸長、またはあるいは約120アミノ酸長、またはあるいは約130アミノ酸長、またはあるいは約140アミノ酸長、またはあるいは約150アミノ酸長、またはあるいは約160アミノ酸長、またはあるいは約170アミノ酸長、またはあるいは約180アミノ酸長、またはあるいは約190アミノ酸長を含む、約90アミノ酸長~約200アミノ酸長である。ある特定の実施形態では、アミノ酸配列の可変領域は、本明細書で使用される場合、アミノ酸配列の最初の約100個のアミノ酸、またはあるいは約110個のアミノ酸、またはあるいは約120個のアミノ酸、またはあるいは約130個のアミノ酸、またはあるいは約140個のアミノ酸、またはあるいは約150個のアミノ酸(該当する場合、シグナルペプチドを含むかまたは除外する)が可変領域であることを指す。
CDRのセットは、抗原を認識し、それに結合する抗体の一部である、抗原結合性部位とも呼ばれるパラトープを構成する。重鎖または軽鎖等の抗原受容体の可変領域のアミノ酸配列上に、必要に応じてアミノ末端からカルボキシ末端へと、非連続的に配置された3つのCDR(CDR1、CDR2およびCDR3)が存在する。本明細書で使用される場合、CDRnは、免疫グロブリン鎖におけるCDRnまたは免疫グロブリン鎖に由来するCDRnを指し、ここで、数字nは1~3から選択される。一実施形態では、CDRLnは、軽鎖におけるCDRnまたは軽鎖に由来するCDRnを指し、ここで、数字nは1~3から選択され、一方、CDRHnは、重鎖におけるCDRnまたは重鎖に由来するCDRnを指し、ここで、数字nは1~3から選択される。ある特定の実施形態では、フレームワーク領域(FR)は、CDRではない可変領域の一部を指す。ある特定の実施形態では、FRnは、重鎖もしくは軽鎖におけるFRまたは重鎖もしくは軽鎖に由来するFRを指し、ここで、数字nは1~4から選択される。ある特定の実施形態では、可変領域は、以下(必要に応じて、提供された順序に従い、さらに必要に応じて、アミノ末端からカルボキシ末端の順に):FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
抗体の可変領域および/もしくはCDRまたはその断片は、例えば、公共に利用可能なツールまたは市販のツールを使用して、当業者によって決定され得る。このようなツールの非限定的な例には、IgBlast(www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/でアクセス可能)、Scaligner(www.scaligner.com/のdrugdesigntechから入手可能)、IMGTルールおよび/もしくはツール(例えば、www.imgt.org/IMGTScientificChart/Nomenclature/IMGT-FRCDRdefinition.htmlを参照されるか、またwww.imgt.org/でアクセス可能)、Chothia Canonical Assignment(www.bioinf.org.uk/abs/chothia.htmlでアクセス可能)、Antigen receptor Numbering And Receptor CalssificatiIon(ANARCI、opig.stats.ox.ac.uk/webapps/newsabdab/sabpred/anarci/でアクセス可能)、Kabatナンバリング方法/スキーム(例えば、Kabat, E.A., et al., (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242)、またはParatomeウェブサーバー(www.ofranlab.org/paratome/でアクセス可能、Vered Kunik, et al, Nucleic Acids Research, Volume 40, Issue W1, 1 July 2012, Pages W521-W524を参照されたい)が含まれる。
抗体は、それらが、所望の生物活性を示す限り、ポリクローナル、モノクローナル、多特異性(例えば、二重特異性抗体)および抗体断片であり得る。抗体は、任意の好適な生物学的供給源、例えば、ネズミ科、ラット、ヒツジおよびイヌ科から単離することができる。
「ポリクローナル抗体」または「ポリクローナル抗体組成物」という用語は、本明細書で使用される場合、様々なB細胞系に由来する抗体の調製物を指す。それらは、特定の抗原に対して分泌された免疫グロブリン分子の混合物であり、各々は異なるエピトープを認識する。
本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」とは、実質的に均一な抗体集団から得られる抗体を指す。各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対して向けられているので、モノクローナル抗体は、高度に特異的である。抗体は、例えば、放射性同位体、検出可能な生成物を生成する酵素、蛍光タンパク質等で検出可能に標識され得る。抗体は、他の部分、例えば、特異的結合対のメンバー、例えば、ビオチン(ビオチン-アビジン特異的結合対のメンバー)等にさらにコンジュゲートされ得る。また、抗体は、非限定的に、ポリスチレンプレートまたはビーズ等を含む固体支持体に結合され得る。
モノクローナル抗体は、当該技術分野で公知のハイブリドーマ技術または組換えDNA法を使用して生成され得る。ハイブリドーマは、抗体産生リンパ球と抗体非産生がん細胞、通常、骨髄腫またはリンパ腫との融合から研究室で産生される細胞である。ハイブリドーマは増殖し、特異的モノクローナル抗体の連続試料を産生する。抗体を生成または選択するための代替の技術には、リンパ球の目的の抗原へのin vitro曝露、および細胞、ファージまたは同様の系における抗体ディスプレイライブラリーのスクリーニングが含まれる。
「ヒト抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する抗体を含むことを意図する。本明細書で開示するヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、in vitroでランダムまたは部位特異的変異誘発によって、またはin vivoで体細胞変異によって導入された変異)を含み得る。しかしながら、「ヒト抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、別の哺乳動物種、例えば、マウスの生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列上にグラフトされた抗体を含むことを意図しない。したがって、本明細書で使用される場合、「ヒト抗体」という用語は、タンパク質の実質的にどの部分(例えば、CDR、フレームワーク、CL、CHドメイン(例えば、CH1、CH2、CH3)、ヒンジ、(VL、VH))も、ヒトにおいて実質的に非免疫原性であり、少ない配列変化または変動のみを伴う抗体を指す。同様に、霊長類(サル、ヒヒ、チンパンジー等)、げっ歯類(マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター等)および他の哺乳動物指定の抗体は、そのような種、亜属、属、亜科、科特異的抗体を指定する。さらに、キメラ抗体は、上記の任意の組合せを含む。そのような変化または変動は、必要に応じて、非改変抗体と比較してヒトまたは他の種において免疫原性を保持または低減する。したがって、ヒト抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体とは別個である。ヒト抗体は、機能的に再配置されたヒト免疫グロブリン(例えば、重鎖および/または軽鎖)遺伝子を発現することができる非ヒト動物または原核細胞もしくは真核細胞によって産生され得ることが指摘される。さらに、ヒト抗体が単鎖抗体である場合、それは、ネイティブヒト抗体で見られないリンカーペプチドを含み得る。例えば、Fvは、リンカーペプチド、例えば、2~約8個のグリシンまたは他のアミノ酸残基を含む場合があり、それは、重鎖の可変領域と軽鎖の可変領域とを接続する。そのようなリンカーペプチドは、ヒト起源のものと考えられる。
本明細書で使用される場合、抗体が、ヒト免疫グロブリン配列を使用する系から、例えば、ヒト免疫グロブリン遺伝子を有するトランスジェニックマウスを免疫することによって、またはヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリーをスクリーニングすることによって得られる場合、ヒト抗体は特定の生殖細胞系列配列に「由来」する。ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に「由来」するヒト抗体は、ヒト抗体のアミノ酸配列をヒト生殖細胞系列免疫グロブリンのアミノ酸配列と比較することによってそれ自体特定することができる。典型的に、選択されたヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列とアミノ酸配列において少なくとも90%同一であり、他の種の生殖細胞系列免疫グロブリンアミノ酸配列(例えば、ネズミ科生殖細胞系列配列)と比較した場合、ヒト抗体をヒト抗体であると特定するアミノ酸残基を含有する。ある特定の場合、ヒト抗体は、生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列とアミノ酸配列において少なくとも95%、またはさらに、少なくとも96%、97%、98%もしくは99%同一であり得る。典型的に、特定のヒト生殖細胞系列配列に由来するヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と10個以下のアミノ酸の相違を示す。ある特定の場合、ヒト抗体は、生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と5個以下、またはさらに、4、3、2もしくは1個以下のアミノ酸の相違を示し得る。
本明細書で使用される場合、「ヒト化抗体」または「ヒト化免疫グロブリン」という用語は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限配列を含有するヒト/非ヒトキメラ抗体を指す。概ね、ヒト化抗体は、レシピエントの可変領域またはその断片(例えば、1、2、3、4、5、または6つ全てのCDR)からの残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する非ヒト種、例えば、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類の可変領域またはその断片(例えば、1、2、3、4、5、または6つ全てのCDR)(ドナー抗体)からの残基によって置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ヒト化抗体は、レシピエント抗体で、またはドナー抗体で見出されない残基を含み得る。また、ヒト化抗体は、必要に応じて、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にヒト免疫グロブリンの免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部分、フレームワーク領域、定常領域またはCDR中に、ヒト抗体からの、対応して位置付けられるアミノ酸で置換された1つまたは複数のアミノ酸を含有する非ヒト抗体を含み得る。理論に拘束されることを望むものではないが、ヒト化抗体は、同じ抗体の非ヒト化バージョンと比較して、ヒト宿主において免疫応答の低減をもたらす。ヒト化抗体は、抗原結合または他の抗体機能に実質的に影響を有しない保存的アミノ酸置換を有し得る。保存的置換分類には、グリシン-アラニン、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リシン-アルギニン、アラニン-バリン、セリン-トレオニンおよびアスパラギン-グルタミンが含まれる。具体的には、本明細書に開示されるヒト化抗体は、ある特定の範囲の、以下の:EC50、Kon、Koff、KAおよび/またはKDのうちの1つまたは複数で、DNABIIポリペプチドまたはその断片(チップキメラペプチドまたはテールキメラペプチド等)に特異的に結合し、対象を処置する際にある特定のサイトカインを阻害もしくは放出する。さらなる実施形態では、DNABIIポリペプチドのチップ領域(チップキメラペプチド等)に特異的に結合するヒト化抗体は、in vivoとin vitroの両方でバイオフィルムを破壊する。加えて、ヒト化のプロセスは、合理的設計プロセスであるが、例えば、結合親和性、抗原特異性、または可溶性もしくは凝集性等の物理特性において予期せぬ変化(正または負の)を生み出す可能性があり、よって、ヒト化抗体の特性は、出発非ヒト抗体の特性から本質的に予測することができない。
一実施形態では、抗体は、本明細書で使用される場合、組換え抗体であってもよい。「組換え抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、組換え手段によって調製、発現、作出または単離された全ての抗体、例えば、免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックもしくは染色体導入動物(例えば、マウス)またはそれから調製されたハイブリドーマから単離された抗体、抗体を発現するように形質転換された宿主細胞から、例えば、トランスフェクトーマから単離された抗体、組換えコンビナトリアル抗体ライブラリーから単離された抗体、および免疫グロブリン(Ig)遺伝子配列の他のDNA配列へのスプライシングに関与する他の任意の手段によって調製、発現、作出または単離された抗体を含む。しかし、ある特定の実施形態では、このような組換え抗体は、in vitro変異誘発(または、Ig配列に対してトランスジェニックである動物が使用される場合は、in vivo体細胞変異誘発)に供される可能性があり、よって、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、in vivoでの抗体生殖系列レパートリー内に自然に存在し得ない配列である。これらの抗体を製造する方法は、本明細書で説明される。
一実施形態では、抗体は、本明細書で使用される場合、キメラ抗体であってもよい。本明細書で使用される場合、キメラ抗体は、異なる種に属する抗体可変領域および定常領域遺伝子から、典型的に遺伝子工学によって、軽鎖および重鎖遺伝子が構築された抗体である。
本明細書で使用される場合、「抗体誘導体」という用語は、アミノ酸のうちの1つまたは複数が、例えば、抗体を第2の分子に連結するために、アルキル化、ペグ化、アシル化、エステル形成またはアミド形成などによって化学改変されている全長抗体または抗体の断片を含む。これは、ペグ化抗体、システイン-ペグ化抗体およびそのバリアントを含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「標識」という用語は、「標識された」組成物を生成するために、検出するべき組成物に直接的または間接的にコンジュゲートされた直接的または間接的検出可能化合物または組成物、例えば、N末端ヒスチジンタグ(N-His)、磁気的旋光同位体、例えば、115Sn、117Snおよび119Sn、非放射性同位体、例えば、13Cおよび15N、ポリヌクレオチドまたはタンパク質、例えば、抗体を意図する。また、この用語は、挿入された配列の発現に際してシグナルを提供する、ポリヌクレオチドにコンジュゲートされた配列、例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP:green fluorescent protein)等を含む。標識は、それ自体で検出可能であってもよく(例えば、放射性同位体標識または蛍光標識)、酵素標識の場合、検出可能な基質化合物または組成物の化学変化を触媒してもよい。標識は、小スケール検出に好適であっても、ハイスループットスクリーニングにより好適であってもよい。よって、好適な標識には、磁気的旋光同位体、非放射性同位体、放射性同位体、蛍光色素、化学発光化合物、染料、および酵素を含むタンパク質が含まれるが、これらに限定されない。標識は単純に検出してもよく、標識は定量してもよい。単純に検出される応答は、一般的に、存在が単に確認される応答を含み、一方で、定量される応答は、一般的に、定量可能な(例えば、数字で報告可能な)値、例えば、強度、分極および/または他の特性を有する応答を含む。発光または蛍光アッセイにおいて、検出可能な応答は、実際に結合に関与するアッセイ構成成分と会合した発光団または蛍光団を使用して直接的に、または別の(例えば、レポーターまたはインジケーター)構成成分と会合した発光団または蛍光団を使用して間接的に生成され得る。シグナルを産生する発光標識の例には、生物発光および化学発光が含まれるが、これらに限定されない。検出可能な発光応答は、一般的に、発光シグナルの変化、または発光シグナルの発生を含む。アッセイ構成成分を発光標識するために好適な方法および発光団は、当該技術分野で公知であり、例えば、Haugland, Richard P. (1996) Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals (6th ed)で説明されている。発光プローブの例には、エクオリンおよびルシフェラーゼが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「イムノコンジュゲート」という用語は、第2の作用物質、例えば、細胞傷害剤、検出可能な剤、放射性剤、ターゲティング剤、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、合成抗体、半合成抗体または多重特異性抗体と会合した、または連結した抗体または抗体誘導体を含む。
好適な蛍光標識の例には、フルオレセイン、ローダミン、テトラメチルローダミン、エオシン、エリスロシン、クマリン、メチル-クマリン、ピレン、マラカイトグリーン(Malacite green)、スチルベン、ルシファーイエロー、Cascade Blue(商標)およびテキサスレッドが含まれるが、これらに限定されない。他の好適な光学染料は、Haugland, Richard P. (1996) Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals (6th ed.)で説明されている。
別の態様では、蛍光標識は、細胞表面マーカーのように、細胞もしくは組織内、または細胞表面もしくは組織表面上に存在している細胞構成成分への共有結合を促進するように官能化される。好適な官能基には、イソチオシアネート基、アミノ基、ハロアセチル基、マレイミド、スクシンイミジルエステルおよびスルホニルハライドが含まれるが、これらに限定されず、これらの全ては、蛍光標識を第2の分子に結合するために使用され得る。蛍光標識の官能基の選択は、リンカー、作用物質、マーカーまたは第2の標識剤のいずれかへの結合部位に依存する。
「真核細胞」は、モネラ界を除く全ての生命界を含む。それらは、膜結合核によって容易に区別することができる。動物、植物、真菌および原生生物は、真核生物、または細胞が内部膜および細胞骨格によって複合体構造に組織化されている生物である。最も特徴的な膜結合構造は、核である。特に列挙しない限り、「宿主」という用語は、例えば、酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞を含む真核生物宿主を含む。真核細胞または宿主の非限定的な例には、サル類、ウシ属、ブタ、ネズミ科、ラット、鳥類、爬虫類およびヒトが含まれる。
「原核細胞」は、通常、核または他の任意の膜結合オルガネラを欠き、2つのドメイン、細菌および古細菌に分けられる。染色体DNAに加えて、これらの細胞は、エピソームと呼ばれる環状ループ内の遺伝子情報も含有し得る。細菌細胞は、非常に小さく、およそ動物ミトコンドリアのサイズ(直径約1~2μmおよび10μmの長さ)である。原核細胞は、3つの主要な形状:桿状、球状およびらせん状を特徴とする。真核生物のような精巧な複製プロセスを経る代わりに、細菌細胞は、二分裂によって分裂する。例には、Bacillus細菌、E. coli細菌およびSalmonella細菌が含まれるが、これらに限定されない。
「ネイティブ」または「天然」抗原は、天然の生物学的供給源から単離され、かつ対象において抗原受容体、特に、T細胞抗原受容体(TCR:T cell antigen receptor)に特異的に結合し得る、エピトープを含有するポリペプチド、タンパク質または断片である。
「抗原」および「抗原性」という用語は、抗体によって認識される能力、またはそうでなければ、抗体-リガンド対のメンバーとして作用する能力を有する分子を指す。「特異的結合」または「結合」とは、抗原と免疫グロブリン重鎖および軽鎖の可変領域との相互作用を指す。抗体-抗原結合は、in vivoまたはin vitroで起こり得る。当業者は、タンパク質、核酸、脂肪酸、脂質、リポ多糖および多糖を含む巨大分子は、抗原として作用する潜在性を有することを理解する。当業者は、抗体リガンドとして作用する潜在性を有するタンパク質をコードする核酸は、必然的に抗原をコードすることをさらに理解する。当業者は、抗原は、全長分子に限定されず、部分的分子も含み得ることをさらに理解する。「抗原性」という用語は、抗原の特性を有する分子についての形容詞的言及である。この用語は、免疫原性である物質、すなわち、免疫原、および免疫学的不応答性またはアネルギーを誘導する物質、すなわち、アナジェン(anergen)を包含する。
「変更された抗原」とは、対応する野生型抗原の一次配列とは異なる一次配列を有する抗原である。変更された抗原は、合成または組換え法によって製造することができ、例えば、リン酸化;グリコシル化;架橋結合;アシル化;タンパク質分解切断;抗体分子、膜分子または他のリガンドへの連結によって、翻訳中または翻訳後に差次的に改変される抗原性ペプチドを含むが、これらに限定されない。(Ferguson et al. (1988) Ann. Rev. Biochem. 57:285-320)。本明細書で開示する合成抗原または変更された抗原は、天然エピトープと同じTCRに結合することを意図する。
「自己抗原」は、本明細書中ではネイティブまたは野生型抗原ともいい、その抗原に対して自己寛容であることに起因して対象において免疫応答をほとんどまたは全く誘導しない抗原性ペプチドである。自己抗原の例は、メラノーマ特異的抗原gp100である。
「免疫応答」とは、リンパ球の外来性物質への抗原特異的応答を広範に指す。「免疫原」および「免疫原性」という用語は、免疫応答を誘導する能力を有する分子を指す。全ての免疫原は抗原であるが、しかしながら、全ての抗原が免疫原性というわけではない。本明細書で開示する免疫応答は、体液性(抗体活性を介する)または細胞媒介性(T細胞活性化を介する)であり得る。応答は、in vivoまたはin vitroで起こり得る。当業者は、タンパク質、核酸、脂肪酸、脂質、リポ多糖および多糖を含む様々な巨大分子は、免疫原性である潜在性を有することを理解する。当業者は、免疫応答を誘導することができる分子をコードする核酸は、必然的に免疫原をコードすることをさらに理解する。当業者は、免疫原は、全長分子に限定されず、部分的分子を含み得ることをさらに理解する。
「受動免疫」という用語は、抗体の移入を通した1つの対象から別の対象への免疫の移入を指す。受動免疫は、母体の抗体が胎児に移入した場合、天然に起こり得る。また、受動免疫は、抗体組成物が非免疫対象に投与された場合、人工的に起こり得る。抗体ドナーおよびレシピエントは、ヒトまたは非ヒト対象であり得る。実施形態に依存して、抗体は、ポリクローナルであっても、モノクローナルであってもよく、in vitroで生成しても、in vivoで生成してもよく、精製しても、部分精製しても、非精製であってもよい。本明細書で説明する一部の実施形態では、受動免疫は、特定の抗原を特異的に認識するか、またはそれに結合する抗体または抗原結合性断片の投与を通して、それを必要とする対象に与えられる。一部の実施形態では、受動免疫は、特定の抗原を特異的に認識するか、またはそれに結合する抗体または抗原結合性断片をコードする単離された、または組換えポリヌクレオチドの投与を通して与えられる。
本開示の文脈において、「リガンド」とは、ポリペプチドである。一態様では、「リガンド」という用語は、本明細書で使用される場合、別の分子上の特定の部位に結合する任意の分子を指す。換言すれば、リガンドは、免疫エフェクター細胞またはタンパク質に対する抗体またはタンパク質に対するDNAとの反応においてそのタンパク質の特異性を付与する。一態様では、免疫エフェクター細胞上の相補的結合部位と直接的に組み合わさるものは、タンパク質内のリガンド部位である。
本明細書で使用される場合、互換的に使用される「固相支持体」または「固体支持体」は、特定のタイプの支持体に限定されない。むしろ、多数の支持体が使用可能であり、当業者に公知である。固相支持体には、シリカゲル、樹脂、誘導体化プラスチックフィルム、ガラスビーズ、綿、プラスチックビーズ、アルミナゲルが含まれる。また、本明細書で使用される場合、「固体支持体」には、合成抗原提示マトリックス、細胞およびリポソームが含まれる。好適な固相支持体は、所望の最終使用、および様々なプロトコールについての好適性に基づいて選択され得る。例えば、ペプチド合成について、固相支持体は、樹脂、例えば、ポリスチレン(例えば、Bachem Inc.、Peninsula Laboratories等から得られるPAM-樹脂)、POLYHIPE(登録商標)樹脂(Aminotech、Canadaから得られる)、ポリアミド樹脂(Peninsula Laboratoriesから得られる)、ポリエチレングリコールとグラフトしたポリスチレン樹脂(TentaGel(登録商標)、Rapp Polymere、Tubingen、Germany)またはポリジメチルアクリルアミド樹脂(Milligen/Biosearch、Calif.から得られる)を指し得る。
固相支持体の例には、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および改変セルロース、ポリアクリルアミド、斑レイ岩ならびにマグネタイトが含まれる。担体の性質は、ある程度まで可溶性、または不溶性のいずれかであり得る。支持体材料は、結合した分子がポリヌクレオチド、ポリペプチドまたは抗体に結合することができる限り、事実上、任意の可能な構造的配置を有し得る。したがって、支持体配置は、ビーズにおけるように球状、または試験管の内側表面または棒の外部表面におけるように円柱状であり得る。あるいは、表面は、平面、例えば、シート、試験紙等、またはあるいはポリスチレンビーズであり得る。当業者は、抗体または抗原を結合させるための多くの他の好適な担体を知っているか、またはルーチン実験の使用によってこれを確認することができる。
本明細書で使用される場合、生体試料、または試料は、対象、細胞系または培養された細胞もしくは組織から得ることができる。例示的な試料には、非限定的に、細胞試料、組織試料、血液等の液体試料および生体起源の他の液体試料(非限定的に、眼液(眼房水および硝子体液)、末梢血、血清、血漿、腹水、尿、脳脊髄液(CSF)、痰、唾液、骨髄、滑液、眼房水、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、精液、前立腺液体剤、カウパー液もしくは前射精液(pre-ejaculatory fluid)、女性の射精(female ejaculate)、汗、涙、嚢胞液、胸腔内液および腹腔液、心膜液体剤、腹水、リンパ、粥状液、乳糜、胆汁、間質液、月経、膿、皮脂、嘔吐物、膣分泌物/洗浄液、滑液、粘膜分泌物、水様便(stool water)、膵液、鼻腔からの洗浄液、気管支肺吸引液、胚盤胞腔液(blastocyl cavity fluid)、または臍帯血が含まれる。一実施形態では、生体試料は、バイオフィルムを有することを疑われている。別の実施形態では、生体試料はバイオフィルムを含む。
本明細書で使用される場合、「シグナルペプチド」または「シグナルポリペプチド」という用語は、新たに合成された分泌ポリペプチドもしくは分泌タンパク質または膜ポリペプチドもしくは膜タンパク質の通常はN末端に存在するアミノ酸配列を意図する。それは、ポリペプチドを、特定の細胞位置に、例えば、細胞膜を横断するように、細胞膜に入るように、または核に入るように、方向付けるように作用する。一部の実施形態では、シグナルペプチドは、以下の位置から除去される。シグナルペプチドの例は当技術分野で周知である。非限定的な例は、米国特許第8,853,381号、同第5,958,736号および同第8,795,965号に記載されたものである。
本明細書で使用される場合、「キメラ」または「キメラペプチド」という用語は、互いに直接的または間接的に(例えば、リンカーを介して)コンジュゲートしたDNABIIポリペプチドの2つまたはそれより多い断片またはドメインを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる組換えポリペプチドを指す。一実施形態では、ドメインは、コンフォメーションチップドメインおよび/またはコンフォメーションテールドメインである。その上またはあるいは、2つまたはそれより多い断片またはドメインは、同じかまたは異なるDNABIIポリペプチドに由来する。一実施形態では、キメラペプチドは、互いに直接的または間接的に(例えば、リンカーを介して)コンジュゲートしたIhfAのチップドメインおよびIhfBのチップドメインを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、キメラペプチドは、互いに直接的または間接的に(例えば、リンカーを介して)コンジュゲートしたIhfAのテールドメインおよびIhfBのテールドメインを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ポリペプチドの「コンフォメーションチップドメイン」は、構造が、典型的にプロリン残基に媒介される急なターンを有する逆平行ベータリボンを有する一次アミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。IHFポリペプチドの「チップ」は、WO2018/129078の図1に示される。
ある特定の実施形態では、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4
NTHIは、
(ここで、「X」は、必要に応じて、1~20個のアミノ酸を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる任意のアミノ酸リンカー配列であり、ここで、「X
1」は任意のアミノ酸であるか、またはあるいは、「X
1」はアミノ酸Q、R、K、S、またはTから選択される)のポリペプチド配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。さらなる態様では、「X
1」は、KまたはQである。さらなる実施形態では、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4
NTHIは、
(ここで、「X」は、必要に応じて、1~20個のアミノ酸を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる任意のアミノ酸リンカー配列)のポリペプチド配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。またさらなる実施形態では、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4
NTHIは、
のポリペプチド配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
ある特定の実施形態では、テールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIは、FLEEIRLSLESGQDVKLSGF-X-TLSAKEIENMVKDILEFISQ(配列番号41)
(ここで、「X」は、必要に応じて、1~20個のアミノ酸を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる任意のアミノ酸リンカー配列である)のポリペプチド配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、リンカーは、配列番号42~49のうちのいずれか1つまたは複数から選択される。一実施形態では、テールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIは、FLEEIRLSLESGQDVKLSGFGPSLTLSAKEIENMVKDILEFISQ(配列番号50)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
本明細書で使用される場合、「EC50」という用語は、特定された曝露時間後に、ベースラインと最大との間の中間の応答(例えば、抗体またはその断片とその標的との間の結合)を誘導する抗体またはその断片の濃度を指す。
いくつかのパラメーターは、受容体(R、例えば、抗体またはその断片)とリガンド(L、例えば、抗体またはその断片の標的)分子の結合および非結合反応を説明するために本明細書で使用され、R+L⇔RLのように形式化される。この反応は、それぞれ、M-1s-1およびs-1の単位を有するオンレート定数konとオフレート定数koffによって特徴付けられる。平衡状態では、順方向の結合遷移R+L→RLは、逆方向の非結合遷移RL→R+Lとバランスを取る必要がある。すなわち、kon[R][L]=koff[RL]であり、ここで、[R]、[L]および[RL]は、非結合遊離受容体の濃度、非結合遊離リガンドの濃度および受容体-リガンド複合体の濃度を表す。さらに、平衡解離定数「KD」は、[R]×[L]/[RL]であるkoff/konとして計算することができ、一方、平衡結合定数「KA」は、[RL]/([R]×[L])であるkon/koffとして計算することができる。
本明細書で使用される場合、「サイトカイン」という用語は、非限定的に、一般にホルモン以外のケモカイン、インターフェロン、インターロイキン(IL)、リンフォカインおよび腫瘍壊死因子を含む細胞シグナル伝達において重要な小分子タンパク質(約5~20kDa)を指す。サイトカインはペプチドであり、細胞の脂質二重層を横切って細胞質に侵入することができない。炎症性サイトカインまたは炎症誘発性サイトカインは、ヘルパーT細胞(Th)およびマクロファージのような免疫細胞、ならびに炎症を促進するある特定の他の細胞種から分泌されるシグナル伝達分子(サイトカイン)の一種である。これらは、(非限定的に)インターロイキン-1(IL-1)、IL-12、およびIL-18、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、インターフェロンガンマ(IFNγ)、および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を含み、自然免疫応答を媒介する際に重要な役割を果たす。炎症性サイトカインは、炎症反応の上方調節によって優先的に産生され、それに関わる。「抗炎症性サイトカイン」という用語は、炎症誘発性サイトカイン応答を制御する免疫調節分子を含む。サイトカインは、特定のサイトカイン阻害剤および可溶性サイトカイン受容体と一緒に作用し、ヒト免疫応答を調節する。主要な抗炎症性サイトカインには、インターロイキン(IL)-1受容体アンタゴニスト、IL-4、IL-6、IL-10、IL-11およびIL-13が含まれる。IL-1に対する特異的サイトカイン受容体、腫瘍壊死因子-アルファ、およびIL-18も、炎症誘発性サイトカイン阻害剤として機能する。抗炎症性サイトカインおよび炎症誘発性サイトカインを含むサイトカイン、そのレベルを測定する方法は、当技術分野で周知である。例えば、血清中サイトカインレベルは、市販の酵素連結免疫吸着アッセイ(ELISA)キットを使用して測定することができる。
本明細書で使用される場合、「抗感染症薬」という用語は、感染性生物の広がりを阻害するか、または感染性生物を完全に死滅させることが可能である薬を指す。この用語は、非限定的に、抗生物質、抗真菌薬(antifungal)、駆虫薬、抗マラリア薬、抗原虫薬、抗結核薬、および抗ウイルス薬を包含する。抗真菌剤(antifungal agent)は、抗真菌剤(antimycotic agent)とも呼ばれる。これらは、真菌を死滅させるかまたは不活性化させ、真菌感染症(酵母感染症を含む)を処置するために使用される。1つの非限定的な例であるポリエン抗真菌薬は、経口的に投与された場合に吸収されないため、鵞口瘡等の胃腸管の真菌感染症を処置するために使用される。別の非限定的な例は、広域スペクトル活性を有する合成の静真菌剤であるアゾール抗真菌薬、(1,3)ベータ-d-グルカンシンターゼ酵素を非競合的に阻害し、真菌細胞壁を標的とするリポペプチド分子であるエキノキャンディン、Fulvicin U/F(すなわち、グリセオフルビン)、Grifulvin V(Pro)(すなわち、グリセオフルビン)、Lamisil(Pro)(すなわち、テルビナフィン)、Gris-PEG(Pro)(すなわち、グリセオフルビン)、Ancobon(Pro)(すなわち、flucytosine)、Fulvicin P/G(すなわち、グリセオフルビン)およびTerbinex(Pro)(すなわち、テルビナフィン)である。さらなる抗感染因子は、例えば、www.drugbank.ca/categories/DBCAT000065で見出すことができる。「抗ウイルス薬(anti-viral)」または「抗ウイルス薬(antiviral)」という用語は、ウイルス感染症を処置するために使用される薬品の分類を指す。ほとんどの抗ウイルス薬は特定のウイルスを標的とするが、広域スペクトルの抗ウイルス薬は、広範囲のウイルスに対して有効である。ほとんどの抗生物質と異なり、抗ウイルス薬(antiviral drug)は、それらの標的病原体を破壊せず、代わりに、これらの発生を阻害する。これらが作用することができる方法のいくつかには、ウイルスのDNAポリメラーゼを阻害すること;特異的細胞表面受容体に結合して、ウイルスの浸透または脱殻を阻害すること;ウイルスのタンパク質合成を阻害すること;またはウイルスアセンブリーの後期段階をブロックすることによってウイルスの複製を予防することが含まれる。抗ウイルス剤の非限定的な例は、例えば、www.drugbank.ca/categories/DBCAT000066で見出すことができる。
本明細書で使用される場合、「抗寄生虫薬」という用語は、寄生虫疾患、例えば、とりわけ、蠕虫、アメーバ、外寄生生物、寄生真菌、およびプロトゾアによって引き起こされる疾患の処置のために必要とされる薬品の分類を指す。抗寄生虫薬の非限定的な例は、例えば、www.drugbank.ca/categories/DBCAT000522で見出すことができる。
本開示を行うための様式
抗体組成物
本開示は、重鎖(HC)可変ドメイン配列および軽鎖(LC)可変ドメイン配列を含む単離された抗体であって、重鎖および軽鎖免疫グロブリン可変ドメイン配列が、DNABIIタンパク質のエピトープに結合する抗原結合性部位を形成する、単離された抗体を提供する。ある特定の実施形態では、抗体またはその断片は、DNABIIペプチド(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むDNABIIペプチドのチップ領域;ならびに/あるいは非限定的に、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むDNABIIペプチドのテール領域等)に結合する。一実施形態では、抗体またはその断片は、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIに結合する。別の実施形態では、抗体またはその断片は、テールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIに結合する。
一態様では、配列番号1~6、13、24もしくは26のアミノ酸(aa)25~aa144の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまた、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。
さらなる態様では、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa473の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)、および/または配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa239、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa233の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまた、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が提供される。
またさらなる態様では、配列番号1~6、13、24もしくは26の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)、および/または配列番号7~12、14、25もしくは27の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまた、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が提供される。
別の態様では、配列番号1~6、13、24もしくは26のアミノ酸(aa)25~144の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号6~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまた、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。
また別の態様では、配列番号1~6、13、24もしくは26の群から選択される配列のいずれか1つもしくはいずれか2つもしくは3つ全てのCDRもしくはその各々の等価物、および/または配列番号7~12、14、25もしくは27の群から選択される配列のいずれか1つもしくはいずれか2つもしくは3つ全てのCDRもしくはその各々の等価物を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片が提供される。
別の態様では、配列番号13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択される配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号14もしくは25のaa21~aa132、配列番号27のaa21~aa126の群から選択される配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまた、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。さらなる態様では、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまた、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。
また、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126のいずれか1つのアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまた、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が提供される。別の態様では、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126のいずれか1つのアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはあるいは、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体またはその断片が、本明細書で提供される。さらなる態様では、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126のいずれか1つのアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまた、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。
またさらなる態様では、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126のいずれか1つのアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまた、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。また、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126のいずれか1つのアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまた、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が提供される。またさらに、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126のいずれか1つのアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が提供される。
別の態様では、配列番号1~6、13、24もしくは26のいずれか1つのaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはそれからなる抗体またはその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。またさらに、配列番号1~6、13、24もしくは26のいずれか1つのaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその抗原結合性断片が提供される。別の態様では、また、配列番号1~6、13、24もしくは26のいずれか1つのaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその抗原結合性断片が提供される。
さらなる態様では、また、配列番号1~6、13、24もしくは26のいずれか1つのaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその抗原結合性断片が提供される。また、配列番号1~6、13、24もしくは26のいずれか1つのaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメインを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が提供される。また、配列番号1~6、13、24もしくは26のいずれか1つのaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含む軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が提供される。
一態様では、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。一実施形態では、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体およびその抗原結合性断片が提供される。別の実施形態では、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。
別の態様では、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。別の態様では、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含む重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。さらなる別の態様では、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。
別の態様では、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。さらなる態様では、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。一実施形態では、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含む軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。
また、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が提供される。別の態様では、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。さらなる態様では、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。
一実施形態では、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。別の実施形態では、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。さらなる態様では、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。
別の実施形態では、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。一態様では、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。一実施形態では、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、それから本質的になるか、もしくはそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはそれからなる抗体およびその抗原結合性断片が、本明細書で提供される。
一態様では、配列番号24のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号25のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、DNABIIペプチドのチップ領域(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含む)に結合する。一実施形態では、抗体またはその断片は、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIに結合する。またさらなる実施形態では、断片は抗原結合性断片である。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
別の態様では、配列番号26のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および配列番号27のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、DNABIIペプチドのテール領域(非限定的に、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する。一実施形態では、抗体またはその断片は、テールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIに結合する。またさらなる実施形態では、断片は抗原結合性断片である。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
一態様では、配列番号24のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号25のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、DNABIIペプチドのチップ領域(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含む)に結合する。一実施形態では、抗体またはその断片は、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIに結合する。またさらなる実施形態では、断片は抗原結合性断片である。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号7のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号8のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号9のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号2のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号7のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号2のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号8のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号2のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号9のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号3のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号7のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号3のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号8のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号3のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号9のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
別の態様では、配列番号26のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および配列番号27のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、DNABIIペプチドのテール領域(非限定的に、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する。一実施形態では、抗体またはその断片は、テールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIに結合する。またさらなる実施形態では、断片は抗原結合性断片である。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号10のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号11のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号12のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号5のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号10のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号5のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号11のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号5のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号12のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号6のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号10のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号6のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号11のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号6のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号12のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
一態様では、配列番号24のaa25~aa473のアミノ酸配列またはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号25のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、DNABIIペプチドのチップ領域(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含む)に結合する。一実施形態では、抗体またはその断片は、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIに結合する。またさらなる実施形態では、断片は抗原結合性断片である。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号7のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号8のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号9のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号2のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号7のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号2のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号8のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号2のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号9のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号3のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号7のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号3のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号8のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号3のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号9のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
別の態様では、配列番号26のaa25~aa473のアミノ酸配列またはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および配列番号27のaa21~aa233のアミノ酸配列またはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、DNABIIペプチドのテール領域(非限定的に、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する。一実施形態では、抗体またはその断片は、テールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIに結合する。またさらなる実施形態では、断片は抗原結合性断片である。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号10のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号11のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号12のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号5のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号10のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号5のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号11のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号5のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号12のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。一実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号6のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号10のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号6のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号11のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。また別の実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号6のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または配列番号12のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
一態様では、配列番号1~3もしくは24の群から選択される配列のいずれか1つもしくはいずれか2つもしくは3つ全てのCDRもしくはその各々の等価物、および/または配列番号7~9もしくは25の群から選択される配列のいずれか1つもしくはいずれか2つもしくは3つ全てのCDRもしくはその各々の等価物を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、DNABIIペプチドのチップ領域(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含む)に結合する。一実施形態では、抗体またはその断片は、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIに結合する。またさらなる実施形態では、断片は抗原結合性断片である。一実施形態では、配列番号1~3もしくは24の群から選択される配列の3つ全てのCDRもしくはその各々の等価物、および/または配列番号7~9もしくは25の群から選択される配列の3つ全てのCDRもしくはその各々の等価物を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片が提供される。
別の実施形態では、配列番号4~6もしくは26の群から選択される配列のいずれか1つもしくはいずれか2つもしくは3つ全てのCDRもしくはその各々の等価物、および/または配列番号10~12もしくは27の群から選択される配列のいずれか1つもしくはいずれか2つもしくは3つ全てのCDRもしくはその各々の等価物を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、DNABIIペプチドのテール領域(非限定的に、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する。一実施形態では、抗体またはその断片は、テールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIに結合する。またさらなる実施形態では、断片は抗原結合性断片である。一実施形態では、配列番号4~6もしくは26の群から選択される配列の3つ全てのCDRもしくはその各々の等価物、および/または配列番号10~12もしくは27の群から選択される配列の3つ全てのCDRもしくはその各々の等価物を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片が提供される。
ある特定の実施形態では、本明細書に提供される抗体またはその断片は、1つまたは複数のシグナルペプチドをさらに含む。一実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号1~6、13、24または26のいずれか1つのアミノ酸(aa)1~aa24を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。別の実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号7~12、14、25および27のいずれか1つのaa1~aa20を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。さらなる実施形態では、シグナルペプチドは、軽鎖可変領域のアミノ末端に位置する。その上またはあるいは、同じシグナルペプチドまたは異なるシグナルペプチドは、重鎖可変領域のアミノ末端に位置する。
本明細書に提供される抗体またはその断片は、単一特異性または二特異性であってもよい。一実施形態では、抗体またはその断片は、三特異性、または四特異性、または五特異性である。その上またはあるいは、抗体は、IgA(例えば、IgA1またはIgA2)、IgD、IgE、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)、またはIgM抗体の群から選択される。一実施形態では、抗体は、IgA定常領域(例えば、IgA1定常領域またはIgA2定常領域)、IgD定常領域、IgE定常領域、IgG定常領域(例えば、IgG1定常領域、IgG2定常領域、IgG3定常領域、またはIgG4定常領域)またはIgM定常領域の群から選択される定常領域をさらに含む。
ある特定の実施形態では、アミノ酸配列に対する等価物は、そのアミノ酸配列に対して少なくとも約80%(約80%~100%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%を含む)のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。その上またはあるいは、アミノ酸配列に対する等価物は、アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの相補物と、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。さらなる実施形態では、アミノ酸配列に対する等価物は、そのアミノ酸配列に対して少なくとも80%(約80%~100%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%を含む)の同一性であるポリペプチドを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、アミノ酸配列(例えば、抗体もしくはその断片、または非限定的に、配列番号13、24もしくは26の25~aa144、配列番号14もしくは25のaa21~aa132、配列番号27のaa21~aa126、配列番号13、24もしくは26のaa25~aa473、配列番号14もしくは25のaa21~aa239、配列番号27のaa21~aa233を含む本明細書に開示される配列番号1~14および24~26のいずれか1つもしくは複数またはその断片)に対する等価物は、そのアミノ酸配列のうちの1つもしくは複数または全てのCDRを含むポリペプチドを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。その上またはあるいは、ポリペプチドは、アミノ酸配列に対して少なくとも約80%(約80%~100%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%を含む)のアミノ酸同一性である。
ある特定の実施形態では、アミノ酸配列に対する等価物、例えば、抗体、その断片、その相補性決定領域(CDR)、またはCDR含有ポリペプチドは、CDRにおけるアミノ酸配列に対するアミノ酸の相違を欠く。しかし、アミノ酸配列に対する等価物、例えば、抗体、その断片、そのCDRまたはCDR含有ポリペプチドは、非CDR領域におけるアミノ酸配列と比較したアミノ酸の相違のうちの1つまたは複数(例えば、非限定的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25)を含むが、但し、CDRの三次元配列および/またはCDRが保持されることを条件とする。ある特定の実施形態では、アミノ酸配列に対して等価なポリペプチド、例えば、抗体、その断片、そのCDRまたはCDR含有ポリペプチドは、アミノ酸配列に対して少なくとも約80%(約80~100%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%を含む)のアミノ酸同一性であるが、但し、CDRの三次元配列および/またはCDRが保持されることを条件とする。
このような非CDR領域の非限定的な例には、フレームワーク領域(FR)、定常領域、Fc領域、pFc’領域、定常重鎖(CH)ドメイン(例えば、CH1、CH2、CH3またはCH4)、定常軽鎖(CL)ドメイン、またはヒンジ領域が含まれる。一実施形態では、このようなアミノ酸の相違は、保存的アミノ酸置換であってもよく、および/または抗体、その断片、そのCDRもしくはCDR含有ポリペプチドの三次元配列を変化させない。別の実施形態では、等価物は、CDRの境界内、例えば、CDRのアミノ末端、カルボキシ末端またはその両方の1つまたは2つのアミノ酸に保存的アミノ酸置換を含んでもよい。
一態様では、本明細書に開示される抗体またはその断片のCDRのうちの1つまたは複数(例えば、いずれか1、または2、または3、または4、または5、または6個のCDR)が提供される。一実施形態では、本明細書に開示される抗体またはその断片のCDRのうちの1つまたは複数(例えば、いずれか1、または2、または3、または4、または5、または6個のCDR)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなるCDRのセットが提供される。一実施形態では、本明細書に開示される可変領域のCDRL1、CDRL2およびCDRL3を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなるCDRのセットが提供される。さらなる実施形態では、本明細書に開示される可変領域のCDRH1、CDRH2およびCDRH3を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなるCDRのセットが提供される。またさらなる実施形態では、本明細書に開示される可変領域のCDRL1、CDRL2およびCDRL3、ならびに本明細書に開示される別の可変領域のCDRH1、CDRH2、CDRH3を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなるCDRのセットが提供される。ある特定の実施形態では、CDRのセットはパラトープを構成する。その上またはあるいは、CDRのセットは、DNABIIペプチド(例えば、非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHI、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むチップ領域および/またはテール領域)に特異的に結合する。さらなる実施形態では、本明細書に開示されるいずれか1つまたは複数のCDRを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体、その断片、またはその各々の等価物が提供される。またさらなる実施形態では、本明細書に開示されるCDRのセットを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体、その断片、またはその各々の等価物が提供される。
ある特定の実施形態では、配列番号1~13のCDRが以下の表に例示される。ある特定の実施形態では、配列番号1~6、13、24または26のいずれか1つのCDRH1は、それぞれ、配列番号1~6、13、24または26のアミノ酸(aa)50~aa57を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号1~6、13、24または26のいずれか1つのCDRH2は、それぞれ、配列番号1~6、13、24または26のアミノ酸(aa)75~aa82を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号1~6、13、24または26のいずれか1つのCDRH3は、それぞれ、配列番号1~6、13、24または26のアミノ酸(aa)121~aa133を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号7~9、14または25のいずれか1つのCDRL1は、それぞれ、配列番号7~9、14または25のアミノ酸(aa)47~aa57を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号7~9、14または25のいずれか1つのCDRL2は、それぞれ、配列番号7~9、14または25のアミノ酸(aa)75~aa77を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号7~9、14または25のいずれか1つのCDRL3は、それぞれ、配列番号7~9、14または25のアミノ酸(aa)114~aa122を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号10~12または27のいずれか1つのCDRL1は、それぞれ、配列番号10~12または27のアミノ酸(aa)47~aa52を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号10~12または27のいずれか1つのCDRL2は、それぞれ、配列番号10~12または27のアミノ酸(aa)70~aa72を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号10~12または27のいずれか1つのCDRL3は、それぞれ、配列番号10~12または27のアミノ酸(aa)109~aa116を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
ある特定の実施形態では、以下の2つの表で特定したCDRが提供される。
ある特定の実施形態では、対応する可変領域配列において、そのアミノ末端、またはカルボキシ末端またはその両方に、追加の1つのアミノ酸、またはあるいは2つのアミノ酸、またはあるいは3つのアミノ酸、またはあるいは4つのアミノ酸、またはあるいは5つのアミノ酸、またはあるいは6つのアミノ酸、またはあるいは7つのアミノ酸、またはあるいは8つのアミノ酸をさらに含む、本明細書で特定されたCDRである代替のCDRが提供される。その上またはあるいは、対応する可変領域配列において、そのアミノ末端、またはカルボキシ末端またはその両方で切断された1つのアミノ酸、またはあるいは2つのアミノ酸、またはあるいは3つのアミノ酸、またはあるいは4つのアミノ酸、またはあるいは5つのアミノ酸、またはあるいは6つのアミノ酸、またはあるいは7つのアミノ酸、またはあるいは8つのアミノ酸を有する、本明細書で特定されたCDRである代替のCDRが提供される。例えば、配列番号1のCDR1は、配列番号1のアミノ酸50~アミノ酸57であってもよい。しかし、配列番号1のCDR1は、配列番号1のアミノ酸42、または43、または44、または45、または46、または47、または48、または49、または50、または51、または52、または53、または54、または55、または56、または57、または58から開始することもできる。さらに、配列番号1のCDR1は、CDR1がその開始後に終止することを条件として、配列番号1のアミノ酸49、または50、または51、または52、または53、または54、または55、または56、または57、または58、または59、または60、または61、または62、または63、または64、または65で終止する。その上またはあるいは、CDRは、約1、またはあるいは約2、またはあるいは約3、またはあるいは約4、またはあるいは約5、またはあるいは約6、またはあるいは約7、またはあるいは約8、またはあるいは約9、またはあるいは約10、またはあるいは約11、またはあるいは約12、またはあるいは約13、またはあるいは約14、またはあるいは約15アミノ酸長である。
ある特定の実施形態では、配列番号1~6のいずれか1つのCDR2は、それぞれ、配列番号1~6の各々のアミノ酸71~アミノ酸85を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号1~6のいずれか1つのCDR3は、それぞれ、配列番号1~6の各々のアミノ酸121~アミノ酸133を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号7~9のいずれか1つのCDR2は、それぞれ、配列番号7~9の各々のアミノ酸71~アミノ酸81を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号7~9のいずれか1つのCDR3は、それぞれ、配列番号7~9の各々のアミノ酸114~アミノ酸121を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号10~12のいずれか1つのCDR2は、それぞれ、配列番号10~12の各々のアミノ酸66~アミノ酸76を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号10~12のいずれか1つのCDR3は、それぞれ、配列番号10~12の各々のアミノ酸109~アミノ酸115を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
ある特定の実施形態では、配列番号1~6のいずれか1つのCDR1は、それぞれ、配列番号1~6の各々のアミノ酸50~アミノ酸57を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号1~6のいずれか1つのCDR2は、それぞれ、配列番号1~6の各々のアミノ酸75~アミノ酸82を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号1~6のいずれか1つのCDR3は、それぞれ、配列番号1~6の各々のアミノ酸121および122を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号7~9のいずれか1つのCDR1は、それぞれ、配列番号7~9の各々のアミノ酸47~アミノ酸57を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号7~9のいずれか1つのCDR2は、それぞれ、配列番号7~9の各々のアミノ酸75~アミノ酸77を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号7~9のいずれか1つのCDR3は、それぞれ、配列番号7~9の各々のアミノ酸114および120を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号10~12のいずれか1つのCDR1は、それぞれ、配列番号10~12の各々のアミノ酸47~アミノ酸52を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号10~12のいずれか1つのCDR2は、それぞれ、配列番号10~12の各々のアミノ酸70~アミノ酸72を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号10~12のいずれか1つのCDR3は、それぞれ、配列番号10~12の各々のアミノ酸109および110を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
ある特定の実施形態では、配列番号1~6のいずれか1つのCDR1は、それぞれ、配列番号1~6の各々のアミノ酸47~アミノ酸59を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号1~6のいずれか1つのCDR2は、それぞれ、配列番号1~6の各々のアミノ酸74~アミノ酸83を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号7~9のいずれか1つのCDR1は、それぞれ、配列番号7~9の各々のアミノ酸44~アミノ酸59を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号7~9のいずれか1つのCDR2は、それぞれ、配列番号7~9の各々のアミノ酸74~アミノ酸81を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号7~9のいずれか1つのCDR3は、それぞれ、配列番号7~9の各々のアミノ酸114および122を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号10~12のいずれか1つのCDR1は、それぞれ、配列番号10~12の各々のアミノ酸44~アミノ酸54を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号10~12のいずれか1つのCDR2は、それぞれ、配列番号10~12の各々のアミノ酸79~アミノ酸76を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、配列番号10~12のいずれか1つのCDR3は、それぞれ、配列番号10~12の各々のアミノ酸109および116を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
一態様では、本明細書に開示される抗体もしくはその断片の可変領域、および/またはその可変領域の等価物のうちの1つもしくは複数のうちの1つまたは複数が提供される。さらなる実施形態では、本明細書に開示される可変領域および/またはその可変領域の等価物のうちの1つもしくは複数のうちのいずれか1つまたはいずれか2つまたはそれより多くを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体、その断片、またはその各々の等価物が提供される。その上またはあるいは、可変領域のうちの1つまたは複数は、DNABIIペプチド(例えば、非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHI、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むチップ領域および/またはテール領域)に特異的に結合する。ある特定の実施形態では、可変領域は、以下の:配列番号1~6、13、24および26のアミノ酸(aa)25~aa144、配列番号7~9、14および25のaa21~aa132、配列番号10~12または27のaa21~aa126、配列番号1~6、13、24および26のアミノ酸24~アミノ酸144、配列番号7~12、14、25および27のアミノ酸20~アミノ酸132、配列番号7~12、14、25および27のアミノ酸20~アミノ酸126から選択される。
さらなる実施形態では、可変領域またはその等価物は、本明細書に提供される配列番号が対応する配列において、そのアミノ末端、またはカルボキシ末端またはその両方に、追加の1つのアミノ酸、またはあるいは2つのアミノ酸、またはあるいは3つのアミノ酸、またはあるいは4つのアミノ酸、またはあるいは5つのアミノ酸、またはあるいは6つのアミノ酸、またはあるいは7つのアミノ酸、またはあるいは8つのアミノ酸をさらに有する、本明細書に開示される可変領域である。その上またはあるいは、可変領域またはその等価物は、本明細書に提供される配列番号が対応する配列において、そのアミノ末端、またはカルボキシ末端またはその両方で切断された、1つのアミノ酸、またはあるいは2つのアミノ酸、またはあるいは3つのアミノ酸、またはあるいは4つのアミノ酸、またはあるいは5つのアミノ酸、またはあるいは6つのアミノ酸、またはあるいは7つのアミノ酸、またはあるいは8つのアミノ酸を有する、本明細書に開示される可変領域である。例えば、配列番号1の可変領域は、配列番号1のアミノ酸50~アミノ酸57であってもよい。しかし、配列番号1のアミノ酸24~アミノ酸144からなる可変領域に関する可変領域またはその等価物はまた、配列番号1のアミノ酸16、または17、または18、または19、または20、または21、または22、または23、または24、または25、または26、または27、または28、または29、または30、または31、または32から開始し得る。さらに、配列番号1のアミノ酸24~アミノ酸144からなる可変領域に関する可変領域またはその等価物は、可変領域がその開始後に終止することを条件として、配列番号1のアミノ酸136、または137、または138、または139、または140、または141、または142、または143、または144、または145、または146、または147、または148、または149、または150、または151、または152で終止し得る。その上またはあるいは、可変領域は、約90アミノ酸長~約200アミノ酸長、例えば、約100アミノ酸長、またはあるいは約110アミノ酸長、またはあるいは約120アミノ酸長、またはあるいは約130アミノ酸長、またはあるいは約140アミノ酸長、またはあるいは約150アミノ酸長、またはあるいは約160アミノ酸長、またはあるいは約170アミノ酸長、またはあるいは約180アミノ酸長、またはあるいは約190アミノ酸長、またはあるいは約200アミノ酸長である。
その上またはあるいは、抗体またはその断片に対する等価物は、可変ドメイン以外の領域(本明細書で非VH領域と称される)における抗体またはその断片と比較して、アミノ酸の相違のうちの1つまたは複数(例えば、非限定的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25個)を含む。このような非VH領域には、非限定的に、定常領域、Fc領域、pFc’領域、定常重鎖(CH)ドメイン(例えば、CH1、CH2、CH3またはCH4)、定常軽鎖(CL)ドメイン、またはヒンジ領域が含まれる。本明細書に開示される抗体、その断片、またはその各々の等価物が、非VH領域においてさらに改変され(例えば、重鎖の軽鎖とのアセンブリーを増加させるため、検出可能なマーカーもしくは薬物または精製マーカーもしくは薬物に直接的または間接的にコンジュゲートするため、相補物の活性化を増加または低下させるため、抗体依存性細胞傷害(ADCC)を増強または低減させるため、あるいは免疫細胞の活性化および動員を増加または減少させるため)、さらなる等価物を提供できることが、当業者によって理解されるであろう。
ある特定の実施形態では、等価物は、アミノ末端もしくはカルボキシ末端のいずれかに、またはその両方に、最大50、またはあるいは最大30、またはあるいは最大25、またはあるいは最大20、またはあるいは最大15、またはあるいは最大10、またはあるいは最大5個のランダムなアミノ酸をさらに含む。ある特定の実施形態では、アミノ酸配列の等価物は、アミノ末端もしくはカルボキシ末端またはその両方で切断されたアミノ酸配列、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20または25個のアミノ酸を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。このような付加および切断は、CDRの三次元配列および/または抗体、その断片、そのCDRもしくはCDR含有ペプチドの三次元配列を変化させることはできない。
ある特定の実施形態では、抗体またはその断片は、VHのアミノ末端および/またはVLのアミノ末端にシグナルペプチドを含む。一実施形態では、VHシグナルペプチドは、VLシグナルペプチドと異なる。別の実施形態では、VHシグナルペプチドは、VLシグナルペプチドと比較して同じである。さらなる実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号1のアミノ酸1~24のアミノ酸配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。またさらなる実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号7のアミノ酸1~20のアミノ酸配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。ある特定の実施形態では、抗体またはその断片に対する等価物は、その抗体のシグナルペプチドと異なるシグナルペプチドを含むが、但し、等価物のシグナルペプチドが、VHおよび/またはVLを、抗体のシグナルペプチドと同じ細胞の場所に方向付けることを条件とする。
ある特定の実施形態では、抗体またはその断片に対する等価物は、抗体または断片の機能的活性の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%)を保持するか、またはそのうちの1つまたは複数を改善する。このような機能的活性には、非限定的に、DNABIIペプチド(例えば、非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHI、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むチップ領域および/またはテール領域)に対する結合特異性、結合アビディティーおよび/または親和性が含まれ、in vivoもしくはin vitroでのバイオフィルムの形成を予防するか、またはin vivoもしくはin vitroでバイオフィルムを破壊する。このような機能的活性を定量する方法は、実施例において例証される。
さらなる態様では、本明細書に開示される抗体またはその断片と、エピトープへの結合について競合する抗体またはその断片が提供される。抗体またはその断片は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体および/またはヒト化抗体であってもよい。
一態様では、抗体は、二特異性抗体または三特異性、四特異性もしくは五特異性抗体である。さらなる態様では、抗体は、IgA、IgD、IgE、IgGまたはIgM抗体である。別の態様では、抗体は、IgA、IgD、IgE、IgGまたはIgM定常領域から選択される定常領域をさらに含む。具体的態様では、定常領域は、IgG1定常領域である。別の態様では、本明細書に開示される抗体と、エピトープへの結合について競合する抗体が本明細書で提供される。これらは、従来の技法、例えば競合的ELISAを使用して同定することができる。
本明細書に開示される抗体は、ポリクローナル、モノクローナルまたはヒト化であってもよい。一態様では、抗体は、DNABIIポリペプチドの「チップ」領域、例えばHUまたはIHF(例えば、IhfAおよびIhfB)に結合する。さらなる態様では、抗体は、DNABIIポリペプチドの「テール」領域、例えば、HUまたはIHF(例えば、IhfAおよびIhfB)に結合する。上記のように、本開示は抗原結合性断片を提供する。抗原結合性断片は、当業者に公知の従来の技法を使用して調製することができる、Fab、F(ab’)2、Fab’、scFvまたはFvのいずれか1つである。本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗体は、可溶性Fabである。別の態様では、本開示は、本明細書に開示される抗体のFab断片であって、抗体が、DNABIIペプチドのチップ領域(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含む)に特異的に結合する、Fab断片を提供する。本開示の一態様では、DNABIIは、IHFまたはHUペプチドである。具体的態様では、DNABIIはIHFペプチドである。
上記のように、本開示は、抗体および抗原結合性断片に対する等価物を提供する。等価物は、ポリペプチドと少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するポリペプチド、またはそのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの相補物と、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを含み得る。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、500ng/mL未満、またはあるいは250ng/mL未満、またはあるいは200ng/mL未満、またはあるいは150ng/mL未満、またはあるいは100ng/mL未満、またはあるいは90ng/mL未満、またはあるいは80ng/mL未満、またはあるいは70ng/mL未満、またはあるいは65ng/mL未満、またはあるいは60ng/mL未満、またはあるいは55ng/mL未満、またはあるいは50ng/mL未満、またはあるいは45ng/mL未満、またはあるいは40ng/mL未満、またはあるいは35ng/mL未満、またはあるいは30ng/mL未満の半数最大有効濃度(EC50)で、DNABIIタンパク質(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHI、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する。さらなる実施形態では、このようなEC50は、実施例において示したELISA方法を使用して決定される。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、10-4M、10-5M、10-6M、10-7M、10-8M、10-9M、10-10M、10-11M、または10-12M未満の平衡定数KDで、DNABIIタンパク質(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHI、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する。一実施形態では、抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、1000nM未満、またはあるいは900nM未満、またはあるいは800nM未満、またはあるいは700nM未満、またはあるいは600nM未満、またはあるいは500nM未満、またはあるいは400nM未満、またはあるいは300nM未満、またはあるいは200nM未満、またはあるいは100nM未満、またはあるいは90nM未満、またはあるいは80nM未満、またはあるいは70nM未満、またはあるいは60nM未満、またはあるいは50nM未満、またはあるいは40nM未満、またはあるいは30nM未満、またはあるいは20nM未満、またはあるいは15nM未満、またはあるいは10nM未満、またはあるいは9nM未満、またはあるいは8nM未満、またはあるいは7nM未満、またはあるいは6nM未満、またはあるいは5nM未満、またはあるいは4nM未満、またはあるいは3nM未満、またはあるいは2nM未満、またはあるいは1nM未満のKDで、DNABIIタンパク質に結合する。一実施形態では、このようなKDは、実施例に示される表面プラズモン共鳴(SPR)方法を使用して決定される。本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗原結合性部位は、DNABIIタンパク質に特異的に結合する。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、1.0E-02s-1未満、またはあるいは9.0E-03s-1未満、またはあるいは8.0E-03s-1未満、またはあるいは7.0E-03s-1未満、またはあるいは6.0E-03s-1未満、またはあるいは5.0E-03s-1未満、またはあるいは4.0E-03s-1未満、またはあるいは3.0E-03s-1未満、またはあるいは2.0E-03s-1未満、またはあるいは1.0E-03s-1未満、またはあるいは9.0E-04s-1未満、またはあるいは8.0E-04s-1未満、またはあるいは7.0E-04s-1未満、またはあるいは6.0E-04s-1未満、またはあるいは5.0E-04s-1未満、またはあるいは4.0E-04s-1未満、またはあるいは3.0E-04s-1未満、またはあるいは2.0E-04s-1未満、またはあるいは1.0E-04s-1未満、またはあるいは9.0E-05s-1未満、またはあるいは8.0E-05s-1未満、またはあるいは7.0E-05s-1未満、またはあるいは6.0E-05s-1未満、またはあるいは5.0E-05s-1未満、またはあるいは4.0E-05s-1未満、またはあるいは3.0E-05s-1未満、またはあるいは2.0E-05s-1未満、またはあるいは1.0E-05s-1未満のKoffで、DNABIIタンパク質(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHI、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する。一実施形態では、このようなKoffは、実施例に示される表面プラズモン共鳴(SPR)方法を使用して決定される。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、9.0E-02M-1s-1未満、またはあるいは8.0E-02M-1s-1未満、またはあるいは7.0E-02M-1s-1未満、またはあるいは6.0E-02M-1s-1未満、またはあるいは5.0E-02M-1s-1未満、またはあるいは4.0E-02M-1s-1未満、またはあるいは3.0E-02M-1s-1未満、またはあるいは2.0E-02M-1s-1未満、またはあるいは1.0E-02M-1s-1未満、またはあるいは9.0E-03M-1s-1未満、またはあるいは8.0E-03M-1s-1未満、またはあるいは7.0E-03M-1s-1未満、またはあるいは6.0E-03M-1s-1未満、またはあるいは5.0E-03M-1s-1未満、またはあるいは4.0E-03M-1s-1未満、またはあるいは3.0E-03M-1s-1未満、またはあるいは2.0E-03M-1s-1未満、またはあるいは1.0E-03M-1s-1未満、またはあるいは9.0E-04M-1s-1未満、またはあるいは8.0E-04M-1s-1未満、またはあるいは7.0E-04M-1s-1未満、またはあるいは6.0E-04M-1s-1未満、またはあるいは5.0E-04M-1s-1未満、またはあるいは4.0E-04M-1s-1未満、またはあるいは3.0E-04M-1s-1未満、またはあるいは2.0E-04M-1s-1未満、またはあるいは1.0E-04M-1s-1未満、またはあるいは9.0E-05M-1s-1未満、またはあるいは8.0E-05M-1s-1未満、またはあるいは7.0E-05M-1s-1未満、またはあるいは6.0E-05M-1s-1未満、またはあるいは5.0E-05M-1s-1未満、またはあるいは4.0E-05M-1s-1未満、またはあるいは3.0E-05M-1s-1未満、またはあるいは2.0E-05M-1s-1未満、またはあるいは1.0E-05M-1s-1未満のKonで、DNABIIタンパク質(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHI、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する。一実施形態では、このようなKonは、実施例に示される表面プラズモン共鳴(SPR)方法を使用して決定される。
本発明の一部の態様では、IhfA5-mIhfB4NTHIチップキメラペプチド(1/Mで)に関する結合定数KAは、約3E+05~約2E+08である。別の態様では、KAは、約3E+05~約1E+08、またはあるいは約2E+05~約1E+08、またはあるいは約1E+05~約1E+08、またはあるいは約1E+06~約1E+08、またはあるいは約1E+07~約1E+08、またはあるいは約1E+04~約1E+09、あるいは約1E+05~約1E+09、あるいは約1E+06~約1E+09、あるいは約1E+07~約1E+09、あるいは約1E+08~約1E+09、あるいは約1E+04~約1E+09、またはあるいは約1E+03~約1E+10である。
別の態様では、IhfA5-mIhfB4NTHIチップキメラペプチド(Mで)に関する解離定数KDは、約5E-09~約3E-06、またはあるいは約1E-09~約1E-06、またはあるいは約1E-08~約1E-05、またはあるいは約1E-07~約1E-05、またはあるいは約1E-06~約1E-05、またはあるいは約1E-09~約1E-08、またはあるいは約1E-08~約1E-07、またはあるいは約1E-9~約1E-08、またはあるいは約1E-10~約1E-09、またはあるいは約1E-11~約1E-10である。
一態様では、IhfA3-IhfB2NTHIテールキメラペプチド(1/Mで)に関するKAは、約7E+06~約2E+09、またはあるいは約1E+05~約1E+08、またはあるいは約1E+06~約1E+08、またはあるいは約1E+07~約1E+08、またはあるいは約1E+04~約1E+09、あるいは約1E+05~約1E+09、あるいは約1E+06~約1E+09、あるいは約1E+07~約1E+09、あるいは約1E+08~約1E+09、あるいは約1E+04~約1E+09、またはあるいは約1E+03~約1E+10、またはあるいは約1E+03~約1E+11、またはあるいは約1E+03~約1E+12、またはあるいは約1E+09~約1E+10、またはあるいは約1E+10~約1E+11、またはあるいは約1E+11~約1E+12である。
別の態様では、IhfA3-IhfB2NTHIテールキメラペプチド(Mで)に関するKDは、約6E-10~約2E-07、またはあるいは約1E-09~約1E-06、またはあるいは約1E-08~約1E-05、またはあるいは約1E-07~約1E-05、またはあるいは約1E-06~約1E-05、またはあるいは約1E-09~約1E-08、またはあるいは約1E-08~約1E-07、またはあるいは約1E-9~約1E-08、またはあるいは約1E-10~約1E-09、またはあるいは約1E-11~約1E-10、またはあるいは約1E-11~約1E-12である。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、DNABIIタンパク質のチップ領域(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含む)に結合する抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、少なくとも約10%、またはあるいは少なくとも約15%、またはあるいは少なくとも約20%、またはあるいは少なくとも約25%、またはあるいは少なくとも約30%、またはあるいは少なくとも約35%、またはあるいは少なくとも約40%、またはあるいは少なくとも約45%、またはあるいは少なくとも約50%、またはあるいは少なくとも約55%、またはあるいは少なくとも約60%、またはあるいは少なくとも約65%、またはあるいは少なくとも約70%、またはあるいは少なくとも約75%、またはあるいは少なくとも約80%、またはあるいは少なくとも約85%、またはあるいは少なくとも約90%、またはあるいは少なくとも約95%、in vitroでバイオフィルムのバイオマスを低減する。本明細書に提供される抗体の態様の一部では、DNABIIタンパク質のテール領域(非限定的に、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、約1%未満、またはあるいは約2%未満、またはあるいは約3%未満、またはあるいは約4%未満、またはあるいは約5%未満、またはあるいは約6%未満、またはあるいは約7%未満、またはあるいは約8%未満、またはあるいは約9%未満、またはあるいは約10%未満、またはあるいは約12%未満、またはあるいは約15%未満、またはあるいは約20%未満、またはあるいは約25%未満、またはあるいは約30%未満、またはあるいは約35%未満、またはあるいは約40%未満、またはあるいは約45%未満、またはあるいは約50%未満、in vitroでバイオフィルムのバイオマスを低減する。一実施形態では、このようなバイオマスの変化は、実施例3または4に示される方法を使用して決定される。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、DNABIIタンパク質のチップ領域(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含む)に結合する抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、少なくとも約10%、またはあるいは少なくとも約15%、またはあるいは少なくとも約20%、またはあるいは少なくとも約25%、またはあるいは少なくとも約30%、またはあるいは少なくとも約35%、またはあるいは少なくとも約40%、またはあるいは少なくとも約45%、またはあるいは少なくとも約50%、またはあるいは少なくとも約55%、またはあるいは少なくとも約60%、またはあるいは少なくとも約65%、またはあるいは少なくとも約70%、またはあるいは少なくとも約75%、またはあるいは少なくとも約80%、またはあるいは少なくとも約85%、またはあるいは少なくとも約90%、またはあるいは少なくとも約91%、またはあるいは少なくとも約92%、またはあるいは少なくとも約93%、またはあるいは少なくとも約94%、またはあるいは少なくとも約95%、またはあるいは少なくとも約96%、またはあるいは少なくとも約97%、またはあるいは少なくとも約98%、またはあるいは少なくとも約99%、対象において細菌負荷を低減する。本明細書に提供される抗体の態様の一部では、DNABIIタンパク質のテール領域(非限定的に、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、約1%未満、またはあるいは約2%未満、またはあるいは約3%未満、またはあるいは約4%未満、またはあるいは約5%未満、またはあるいは約6%未満、またはあるいは約7%未満、またはあるいは約8%未満、またはあるいは約9%未満、またはあるいは約10%未満、またはあるいは約12%未満、またはあるいは約15%未満、またはあるいは約20%未満、またはあるいは約25%未満、またはあるいは約30%未満、またはあるいは約35%未満、またはあるいは約40%未満、またはあるいは約45%未満、またはあるいは約50%未満、対象において細菌負荷を低減する。一実施形態では、細菌負荷におけるこのような変化は、実施例に示される方法を使用して決定される。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、DNABIIタンパク質のチップ領域(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含む)に結合する抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、少なくとも約10%、またはあるいは少なくとも約15%、またはあるいは少なくとも約20%、またはあるいは少なくとも約25%、またはあるいは少なくとも約30%、またはあるいは少なくとも約35%、またはあるいは少なくとも約40%、またはあるいは少なくとも約45%、またはあるいは少なくとも約50%、またはあるいは少なくとも約55%、またはあるいは少なくとも約60%、またはあるいは少なくとも約65%、またはあるいは少なくとも約70%、またはあるいは少なくとも約75%、またはあるいは少なくとも約80%、またはあるいは少なくとも約85%、またはあるいは少なくとも約90%、またはあるいは少なくとも約91%、またはあるいは少なくとも約92%、またはあるいは少なくとも約93%、またはあるいは少なくとも約94%、またはあるいは少なくとも約95%、またはあるいは少なくとも約96%、またはあるいは少なくとも約97%、またはあるいは少なくとも約98%、またはあるいは少なくとも約99%、中耳炎(OM)を有する対象における中耳閉塞を低減する。本明細書に提供される抗体の態様の一部では、DNABIIタンパク質のテール領域(非限定的に、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、約1%未満、またはあるいは約2%未満、またはあるいは約3%未満、またはあるいは約4%未満、またはあるいは約5%未満、またはあるいは約6%未満、またはあるいは約7%未満、またはあるいは約8%未満、またはあるいは約9%未満、またはあるいは約10%未満、またはあるいは約12%未満、またはあるいは約15%未満、またはあるいは約20%未満、またはあるいは約25%未満、またはあるいは約30%未満、またはあるいは約35%未満、またはあるいは約40%未満、またはあるいは約45%未満、またはあるいは約50%未満、中耳炎(OM)を有する対象における中耳閉塞を低減する。一実施形態では、中耳閉塞のこのような変化は、実験OMモデルにおいて実施例で示される方法を使用して決定される。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、DNABIIタンパク質のチップ領域(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含む)に結合する抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、少なくとも約10%、またはあるいは少なくとも約15%、またはあるいは少なくとも約20%、またはあるいは少なくとも約25%、またはあるいは少なくとも約30%、またはあるいは少なくとも約35%、またはあるいは少なくとも約40%、またはあるいは少なくとも約45%、またはあるいは少なくとも約50%、またはあるいは少なくとも約55%、またはあるいは少なくとも約60%、またはあるいは少なくとも約65%、またはあるいは少なくとも約70%、またはあるいは少なくとも約75%、またはあるいは少なくとも約80%、またはあるいは少なくとも約85%、またはあるいは少なくとも約90%、またはあるいは少なくとも約91%、またはあるいは少なくとも約92%、またはあるいは少なくとも約93%、またはあるいは少なくとも約94%、またはあるいは少なくとも約95%、またはあるいは少なくとも約96%、またはあるいは少なくとも約97%、またはあるいは少なくとも約98%、またはあるいは少なくとも約99%、粘膜バイオフィルムを有する(例えば、OMを有する)対象における相対的粘膜バイオフィルムスコアおよび/またはバイオマススコアを低減する。一実施形態では、DNABIIタンパク質のチップ領域(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含む)に結合する抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、少なくとも約0.5、またはあるいは少なくとも約1、またはあるいは少なくとも約1.5、またはあるいは少なくとも約2、またはあるいは少なくとも約2.5、またはあるいは少なくとも約3、またはあるいは少なくとも約3.5、またはあるいは少なくとも約4、粘膜バイオフィルムを有する(例えば、OMを有する)対象における相対的粘膜バイオフィルムスコアおよび/またはバイオマススコアを低減する。本明細書に提供される抗体の態様の一部では、DNABIIタンパク質のテール領域(非限定的に、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、約1%未満、またはあるいは約2%未満、またはあるいは約3%未満、またはあるいは約4%未満、またはあるいは約5%未満、またはあるいは約6%未満、またはあるいは約7%未満、またはあるいは約8%未満、またはあるいは約9%未満、またはあるいは約10%未満、またはあるいは約12%未満、またはあるいは約15%未満、またはあるいは約20%未満、またはあるいは約25%未満、またはあるいは約30%未満、またはあるいは約35%未満、またはあるいは約40%未満、またはあるいは約45%未満、またはあるいは約50%未満、粘膜バイオフィルムを有する(例えば、OMを有する)対象における相対的粘膜バイオフィルムスコアおよび/またはバイオマススコアを低減する。本明細書に提供される抗体の態様の一部では、DNABIIタンパク質のテール領域(非限定的に、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、約0.1未満、またはあるいは約0.2未満、またはあるいは約0.3未満、またはあるいは約0.4未満、またはあるいは約0.5未満、またはあるいは約0.6未満、またはあるいは約0.7未満、またはあるいは約0.8未満、またはあるいは約0.9未満、またはあるいは約1未満、またはあるいは約1.5未満、またはあるいは約2未満、またはあるいは約2.5未満、粘膜バイオフィルムを有する(例えば、OMを有する)対象における相対的粘膜バイオフィルムスコアおよび/またはバイオマススコアを低減する。一実施形態では、このようなスコアは、実施例に示される方法を使用して決定される。
ある特定の実施形態では、DNABIIタンパク質は、HUまたはIHFである。さらなる実施形態では、DNABIIタンパク質は、IhfA、IhfBまたはその両方である。さらにさらなる実施形態では、抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、DNABIIタンパク質のチップ領域またはテール領域(非限定的に、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHI、IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含む)に結合する。一実施形態では、抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、IhfA5-mIhfB4NTHIチップキメラペプチドに結合する。別の実施形態では、抗体、その断片、ポリペプチドまたはCDRは、IhfA3-IhfB2NTHIテールキメラペプチドに結合する。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗体は可溶性Fabである。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、HCおよびLC可変ドメイン配列は、同じポリペプチド鎖の構成成分である。本明細書に提供される抗体の態様の一部では、HCおよびLC可変ドメイン配列は、異なるポリペプチド鎖の構成成分である。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗体は、全長抗体である。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗体は、キメラまたはヒト化である。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗体は、Fcドメインを含む。本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗体は、非ヒト動物、例えば、ラット、羊、ウシ、イヌ、ネコまたはウサギ抗体である。本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗体は、ヒトもしくはヒト化抗体である、またはヒトにおいて非免疫原性である。
本明細書に提供される抗体の態様の一部では、抗体は、ヒト抗体フレームワーク領域を含む。LCおよびHC配列に融合され得るフレームワーク領域の例は当技術分野で公知であり、このようなものの例は、配列番号15~23、またはその各々の等価物において提供される。
他の態様では、本明細書に提供される抗体のCDRにおける1つまたは複数のアミノ酸残基は、別のアミノ酸で置換される。置換は、同じアミノ酸ファミリー内の置換であるという意味で「保存的」となることができる。天然に存在するアミノ酸は、次の4つのファミリーに分けることができ、保存的置換は、これらのファミリー内で行われる。
1)塩基性側鎖を有するアミノ酸:リシン、アルギニン、ヒスチジン。
2)酸性側鎖を有するアミノ酸:アスパラギン酸、グルタミン酸
3)無電荷極性側鎖を有するアミノ酸:アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン。
4)非極性側鎖を有するアミノ酸:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、システイン。
別の態様では、1つまたは複数のアミノ酸残基が、抗体の1つまたは複数のCDRに付加されるまたはこれから欠失される。斯かる付加または欠失は、CDRのNもしくはC末端でまたはCDR内の位置で起こる。
アミノ酸の付加、欠失または置換によって抗体のCDRのアミノ酸配列を変動させることにより、標的抗原に対する結合親和性増加等、様々な効果を得ることができる。
斯かる変動されたCDR配列を含む本開示の抗体が、依然として、開示されている抗体と同様の特異性および感度プロファイルで、DNABIIタンパク質に結合することを十分に理解するべきである。このことは、ELISAまたはSPR等の結合アッセイによって検査することができる。
さらなる態様では、抗体は、適切なアッセイおよびスクリーニングを使用して決定して、免疫優性および免疫防御の両方であることによって特徴付けられる。
別の態様では、抗体は、従来の技法によって改変することができ、これらは、一態様では、抗体の半減期を増加させることができ、例えば、PEG化、PEGミメティック、ポリシアル化、HES化またはグリコシル化を増加させることができる。
抗体および抗原結合性断片は、検出可能なマーカーまたは精製マーカーをさらに含むことができる。
抗体およびその誘導体
本開示は、本明細書に開示される方法に使用するための単離されたポリペプチドに結合する、および/または特異的に認識して結合する抗体を提供する。抗体は、本明細書に記載される様々な抗体のいずれかであり得て、そのような非限定的な例としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ベニア化抗体、ダイアボディ、ヒト化抗体、抗体誘導体、組換えヒト化抗体、またはその各々の等価物(例えば、誘導体)もしくは断片が挙げられる。一態様では、断片は、抗体のCDRを含むか、またはあるいはそれから本質的になるか、またはなおさらにそれからなる。一態様では、抗体は検出可能に標識されるか、またはそれにコンジュゲートされる検出可能な標識をさらに含む。
本明細書に開示されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞系も提供される。上述の実施形態のうちの1つまたは複数を含む、またはあるいは、これから本質的になる、またはさらになお、これからなる組成物が、本明細書にさらに提供される。抗体および断片のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド、ならびに抗体ポリペプチドおよびその断片を組換えにより産生するまたは化学合成する方法がさらに提供される。抗体ポリペプチドは、真核もしくは原核細胞において、または当技術分野で公知であり本明細書に記載される他の方法によって産生することができる。
CDR配列の例としては、抗体の重鎖可変領域またはその断片が以下のポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドを含むか、本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなること、を含むか、本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなることが挙げられるがこれらに限定されない:
抗体は、当技術分野で公知である従来の技術を使用して生成することができ、文献に十分に記載されている。ポリクローナル抗体を産生するためにいくつかの方法論が存在する。例えば、ポリクローナル抗体は、典型的に、ニワトリ、ヤギ、モルモット、ハムスター、馬、マウス、ラット、およびウサギが挙げられるがこれらに限定されない適した哺乳動物の免疫によって産生される。抗原を哺乳動物に注射し、Bリンパ球を、抗原に対して特異的な免疫グロブリンを産生するように誘導する。免疫グロブリンを、哺乳動物の血清から精製してもよい。
本方法論の変形形態は、最適な産生および動物の人道的な扱いのための、アジュバント、投与の経路および部位、部位当たりの注射体積、ならびに動物当たりの部位の数の改変を含む。例えば、アジュバントは典型的に、抗原に対する免疫応答の改善または増強に使用される。大部分のアジュバントは、流入領域リンパ節への抗原の緩徐放出(stow release)を可能にする、注射部位抗原デポーを提供する。他のアジュバントは、大規模な表面積および免疫賦活性分子にわたるタンパク質抗原分子の富化を促進する界面活性物質を含む。ポリクローナル抗体生成のためのアジュバントの非限定的な例は、フロイントアジュバント、RibiアジュバントシステムおよびTitermaxを含む。当技術分野で公知の方法を使用して、ポリクローナル抗体を生成することができ、そのうちいくつかは、米国特許第7,279,559号;同第7,119,179号;同第7,060,800号;同第6,709,659号;同第6,656,746号;同第6,322,788号;同第5,686,073号;および同第5,670,153号に記載されている。
モノクローナル抗体は、当技術分野で公知であり、文献において十分に記載されている従来のハイブリドーマ技術を使用して生成することができる。例えば、適した不死細胞系(例えば、Sp2/0、Sp2/0-AG14、NSO、NS1、NS2、AE-1、L.5、P3X63Ag8,653、Sp2 SA3、Sp2 MAI、Sp2 SS1、Sp2 SA5、U397、MIA 144、ACT IV、MOLT4、DA-1、JURKAT、WEHI、K-562、COS、RAJI、NIH 313、HL-60、MLA 144、NAMAIWA、NEURO 2A、CHO、PerC.6、YB2/O等が挙げられるがこれらに限定されない、ミエローマ細胞系)などまたはヘテロミエローマ(heteromyeloma)、その融合産物、またはそれに由来するいずれかの細胞もしくは融合細胞、または当技術分野で公知の他のいずれかの適した細胞系(次のウェブアドレス、例えば、atcc.org, lifetech.com、最終アクセス2007年11月26日における細胞系を参照)を、内因性もしくは異種核酸として、組換えもしくは内因性の、ウイルスの、細菌の、藻類の、原核生物の、両生類の、昆虫の、爬虫類の、魚類の、哺乳動物の、齧歯類の、ウマの、ヒツジの、ヤギの、羊の、霊長類の、真核生物の、ゲノムDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDNAもしくはRNA、葉緑体DNAもしくはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、一本、二本もしくは三本鎖の、ハイブリダイズしたものなど、またはこれらのいずれかの組合せとして、重鎖または軽鎖定常または可変またはフレームワークまたはCDR配列を発現する、単離されたまたはクローニングされた脾臓、末梢血、リンパ、扁桃腺または他の免疫もしくはB細胞含有細胞、または他のいずれかの細胞等が挙げられるがこれらに限定されない抗体産生細胞と融合することにより、ハイブリドーマが産生される。抗体産生細胞を、目的の抗原で免疫されたヒトまたは他の適した動物の、末梢血から、または特定の実施形態では、脾臓もしくはリンパ節から得て、次いで、目的の活性に関してスクリーニングすることもできる。本開示の抗体、その指定の断片またはバリアントをコードする異種または内因性核酸を発現させるために、他のいずれかの適した宿主細胞を使用することもできる。融合された細胞(ハイブリドーマ)または組換え細胞を、選択的培養条件または他の適した公知方法を使用して単離し、限界希釈もしくは細胞選別、または他の公知方法によってクローニングすることができる。
当技術分野で公知の方法を使用して、ペプチドまたはタンパク質ライブラリー(例えば、バクテリオファージ、リボソーム、オリゴヌクレオチド、cDNA、またはその他のディスプレイライブラリーが挙げられるがこれらに限定されない;例えば、MorphoSys(Martinsreid/Planegg、Del.)、BioInvent(Lund、Sweden)、Affitech(Oslo、Norway)等の様々な商業的ベンダーから入手できるような)から組換え抗体を選択する方法を含むがこれらに限定されない、必要な特異性の抗体を産生または単離する他の適した方法を使用することができる。当技術分野の公知方法は、特許文献に記載されており、そのうちいくつかは、米国特許第4,704,692号;同第5,723,323号;同第5,763,192号;同第5,814,476号;同第5,817,483号;同第5,824,514号;および同第5,976,862号を含む。代替方法は、当技術分野で公知の通り、および/または本明細書に記載される通り、ヒト抗体のレパートリーを産生することができる、トランスジェニック動物(例えば、SCIDマウス、Nguyen et al. (1977) Microbiol. Immunol. 41:901-907 (1997);Sandhu et al. (1996) Crit, Rev. Biotechnol. 16:95-118;Eren et al. (1998) Mumma 93:154-161)の免疫に依拠する。斯かる技法は、リボソームディスプレイ(Wanes et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4937-4942;Hanes et al. (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:14130-14135);単一細胞抗体産生技術(例えば、選択されたリンパ球抗体方法(selected lymphocyte antibody method)(「SLAM」)(米国特許第5,627,052号;Wen et al. (1987) J. Immunol 17:887-892;Babcook et al. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:7843-7848);ゲル微小液滴およびフローサイトメトリー(Powell et al. (1990) Biotechnol. 8:333-337;One Cell Systems(Cambridge、Mass.);Gray et al. (1995) J. Imm. Meth. 182:155-163;およびKenny et al. (1995) Bio. Technol. 13:787-790);B細胞選択(Steenbakkers et al. (1994) Molec. Biol. Reports 19:125-134)を含むがこれらに限定されない。
本開示の抗体誘導体は、本明細書に開示される抗体をコードするポリヌクレオチドを適した宿主に送達して、例えば、斯かる抗体をその乳汁中に産生する、例えばヤギ、ウシ、馬、羊などのトランスジェニック動物または哺乳動物を用意することにより調製することもできる。このような方法は、当技術分野で公知であり、例えば、米国特許第5,827,690号;同第5,849,992号;同第4,873,316号;同第5,849,992号;同第5,994,616号;同第5,565,362号;および同第5,304,489号に記載されている。
用語「抗体誘導体」は、抗体または断片の線形ポリペプチド配列に対する翻訳後改変を含む。例えば、米国特許第6,602,684(B1)号は、増強されたFe媒介性細胞毒性を有する、抗体全体の分子、抗体断片、または免疫グロブリンのFc領域と等価の領域を含む融合タンパク質を含む、改変されたグリコール形態の抗体の生成のための方法と、そのようにして生成された糖タンパク質について記載する。
本明細書に開示される抗体は、共有結合による付着が、抗体が抗イディオタイプ応答を生成することを妨げないような、抗体へのいずれかの種類の分子の共有結合による付着によって改変された誘導体も含む。抗体誘導体は、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、公知の保護基/遮断基による誘導体化、タンパク質分解性切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質への連結等によって改変された抗体を含むがこれらに限定されない。その上、誘導体は、1つまたは複数の非古典的アミノ酸を含有することができる。
抗体誘導体は、本明細書に開示されるポリヌクレオチドを送達して、植物部分またはそれから培養された細胞において斯かる抗体、指定の部分またはバリアントを産生するトランスジェニック植物および培養された植物細胞(例えば、タバコ、トウモロコシおよびウキクサが挙げられるがこれらに限定されない)を用意することにより調製することもできる。例えば、Cramer et al. (1999) Curr. Top. Microbol. Immunol. 240:95-118およびその中で引用されている参考文献は、例えば、誘導性プロモーターを使用した、大量の組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉の産生について記載する。トランスジェニックトウモロコシを使用して、他の組換え系において産生されたまたは天然の供給源から精製されたものと等価の生物活性を有する哺乳動物タンパク質を商業的産生レベルで発現させた。例えば、Hood et al. (1999) Adv. Exp. Med. Biol. 464:127-147およびその中で引用されている参考文献を参照されたい。抗体誘導体は、また、タバコ種子およびジャガイモ塊茎を含む、単鎖抗体(scFv)等の抗体断片を含むトランスジェニック植物種子から大量に産生された。例えば、Conrad et al. (1998) Plant Mol. Biol. 38:101-109およびその中で引用されている参考文献を参照されたい。よって、公知(know)方法に従ってトランスジェニック植物を使用して、抗体を産生することもできる。
抗体誘導体は、例えば、外因性配列を付加して、免疫原性を改変する、または結合、親和性、オンレート(on-rate)、オフレート(off-rate)、アビディティー、特異性、半減期もしくは他のいずれかの適した特徴を低減、増強もしくは改変することにより産生することもできる。一般に、非ヒトまたはヒトCDR配列の一部または全体が維持される一方で、可変および定常領域の非ヒト配列が、ヒトまたは他のアミノ酸または他のアイソタイプ由来の可変もしくは定常領域に置き換えられる。
一般に、CDR残基は、抗原結合性への影響に直接的にかつ最も実質的に関与する。抗体のヒト化または操作は、米国特許第5,723,323号;同第5,976,862号;同第5,824,514号;同第5,817,483号;同第5,814,476号;同第5,763,192号;同第5,723,323号;同第5,766,886号;同第5,714,352号;同第6,204,023号;同第6,180,370号;同第5,693,762号;同第5,530,101号;同第5,585,089号;同第5,225,539号;および同第4,816,567号に記載されている方法等が挙げられるがこれらに限定されない、いずれか公知の方法を使用して行うことができる。
本開示のキメラ、ヒト化または霊長類化(primatized)抗体は、標準分子生物学技法を使用して調製された参照モノクローナル抗体の配列に基づき調製することができる。標準分子生物学技法を使用して、重鎖および軽鎖免疫グロブリンをコードするDNAを目的のハイブリドーマから得て、非参照(例えば、ヒト)免疫グロブリン配列を含有するように操作することができる。例えば、キメラ抗体を作製するために、当技術分野で公知の方法(米国特許第4,816,567号)を使用して、マウス可変領域をヒト定常領域に連結することができる。ヒト化抗体を作製するために、当技術分野で公知の方法(米国特許第5,225,539号ならびに米国特許第5,530,101号;同第5,585,089号;同第5,693,762号;および同第6,180,370号)を使用して、マウスCDR領域をヒトフレームワークに挿入することができる。同様に、霊長類化抗体を作製するために、当技術分野で公知の方法(WO93/02108およびWO99/55369)を使用して、マウスCDR領域を霊長類フレームワークに挿入することができる。
部分的~完全にヒト抗体を作製するための技法は、当技術分野で公知であり、いかなる斯かる技法を使用することもできる。一実施形態において、完全にヒト抗体配列は、ヒト重鎖および軽鎖抗体遺伝子を発現するように操作されたトランスジェニックマウスにおいて作製される。異なるクラスの抗体を産生することができる、斯かるトランスジェニックマウスの複数の系統が作製された。望ましい抗体を産生しているトランスジェニックマウス由来のB細胞を融合させて、所望の抗体の持続的産生のためのハイブリドーマ細胞系を作製することができる(例えば、Russel et al. (2000) Infection and Immunity April 2000:1820-1826;Gallo et al. (2000) European J. of Immun. 30:534-540;Green (1999) J. of Immun. Methods 231:11-23;Yang et al. (1999A) J. of Leukocyte Biology 66:401-410;Yang (1999B) Cancer Research 59(6):1236-1243;Jakobovits (1998) Advanced Drug Reviews 31:33-42;Green and Jakobovits (1998) J. Exp. Med. 188(3):483-495;Jakobovits (1998) Exp. Opin. Invest. Drugs 7(4):607-614;Tsuda et al. (1997) Genomics 42:413-421;Sherman-Gold (1997) Genetic Engineering News 17(14);Mendez et al. (1997) Nature Genetics 15:146-156;Jakobovits (1996) Weir’s Handbook of Experimental Immunology, The Integrated Immune System Vol. IV, 194.1-194.7;Jakobovits (1995) Current Opinion in Biotechnology 6:561-566;Mendez et al. (1995) Genomics 26:294-307;Jakobovits (1994) Current Biology 4(8):761-763;Arbones et al. (1994) Immunity 1(4):247-260;Jakobovits (1993) Nature 362(6417):255-258;Jakobovits et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90(6):2551-2555;および米国特許第6,075,181号を参照)。
本明細書に開示される抗体を改変して、キメラ抗体を作製することもできる。キメラ抗体は、抗体の重鎖および軽鎖の様々なドメインが、1つより多くの種由来のDNAによってコードされた抗体である。例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい。
あるいは、本明細書に開示される抗体を改変して、ベニア化抗体を作製することもできる。ベニア化抗体は、第1の種の抗体が、第2の種において免疫原性とならず、これにより抗体の免疫原性を低減させるように、ある1つの種の抗体の外面アミノ酸残基が、第2の種のアミノ酸残基に賢明に置き換えられたまたは「ベニア化された」抗体である。タンパク質の抗原性は、その表面の性質に主に依存するため、別の哺乳動物種において通常見出される残基と異なる露出した残基を置き換えることにより、抗体の免疫原性を低減させることができる。このような賢明な外面残基置き換えは、内側ドメインまたはドメイン間接触に対して影響を殆どまたは全く与えないはずである。よって、可変領域フレームワーク残基に限定される変更の帰結として、リガンド結合特性は影響を受けないはずである。抗体の外表面または外皮(skin)のみが変更され、支持的残基は乱されないままであるため、このプロセスは、「ベニア化(veneering)」と称される。
「ベニア化」のための手順は、Kabat et al. (1987) Sequences of Proteins of Immunological interest, 4th ed., Bethesda, Md., National Institutes of Healthによってコンパイルされたヒト抗体可変ドメインのための利用できる配列データ、このデータベースのアップデート、ならびに他のアクセス可能な米国および外国のデータベース(核酸およびタンパク質の両方)を活用する。ベニア化抗体(veneered antibody)の生成に使用される方法の非限定的な例は、EP519596;米国特許第6,797,492号を含み;Padlan et al. (1991) Mol. Immunol. 28(4-5):489-498に記載されている。
用語「抗体誘導体」は、2個の抗原結合性部位を有する小型の抗体断片である「ダイアボディ」も含み、この断片は、同じポリペプチド鎖において軽鎖可変ドメイン(VL)に接続された重鎖可変ドメイン(VH)を含む(例えば、EP404,097;WO93/11161;およびHollinger et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448を参照)。同じ鎖における2個のドメインの間の対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用することにより、ドメインは、別の鎖の相補的ドメインと対形成することを余儀なくされ、2個の抗原結合性部位を作り出す(親抗体の超可変領域に挿入された1つまたは複数のアミノ酸を有し、抗原に対する親抗体の結合親和性よりも少なくとも約2倍強い、標的抗原に対する結合親和性を有する抗体バリアントを開示する、米国特許第6,632,926号、Chen et al.も参照)。
用語「抗体誘導体」は、scFv、dAb、ナノボディ、ミニボディ(minibody)、ユニボディ(Unibody)およびアフィボディ(Affibody)等、操作された抗体分子、断片および単一ドメインをさらに含む(& Hudson (2005) Nature Biotech 23(9):1126-36;米国特許出願公開第2006/0211088号;PCT国際出願公開番号WO2007/059782;米国特許第5,831,012号)。
用語「抗体誘導体」は、「線形抗体」をさらに含む。線形抗体を作製するための手順は、当技術分野で公知であり、Zapata et al. (1995) Protein Eng. 8(10):1057-1062に記載されている。簡潔に説明すると、このような抗体は、一対の抗原結合性領域を形成する一対のタンデムEdセグメント(VH-CH1-VH-CH1)を含む。線形抗体は、二特異性または単一特異性となることができる。
本明細書に開示される抗体は、プロテインA精製、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含むがこれらに限定されない公知の方法によって、組換え細胞培養物から回収および精製することができる。高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)を精製に使用することもできる。
本開示の抗体は、天然で精製された産物、化学合成手順の産物、ならびに例えば、酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞を含む真核生物宿主からまたはあるいは、上述の通り原核生物宿主から組換え技法によって産生された産物を含む。いくつかの抗体産生系が、Birch & Radner (2006) Adv. Drug Delivery Rev. 58: 671-685に記載されている。
検査されている抗体が、タンパク質またはポリペプチドと結合する場合、検査されている抗体と本開示によって提供される抗体は、等価物である。検査されている抗体によって、本明細書に開示される抗体が、この抗体が正常に反応するタンパク質またはポリペプチドに結合することができなくなるかを決定することにより、過度の実験法を行わずに、抗体が、本明細書に開示される抗体と同じ特異性を有するかを決定することも可能である。本明細書に開示されるモノクローナル抗体による結合の減少によって示される通り、検査されている抗体が、本明細書に開示される抗体と競合する場合、この2種の抗体が、同じまたは密接に関係しているエピトープに結合する可能性がある。あるいは、本明細書に開示される抗体を、それが正常に反応するタンパク質と共にプレインキュベートし、検査されている抗体が、抗原に結合するその能力において阻害されるかを決定することができる。検査されている抗体が阻害される場合、ほぼ確実に、これは、本明細書に開示される抗体と同じまたは密接に関係しているエピトープ特異性を有する。
用語「抗体」はまた、あらゆる免疫グロブリンアイソタイプおよびサブクラスの抗体を含むことも意図する。特定のアイソタイプのモノクローナル抗体は、初期融合物から選択することにより直接的に調製することができる、またはsib選択技法を使用することにより異なるアイソタイプのモノクローナル抗体を分泌する親ハイブリドーマから二次的に調製して、Steplewski et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:8653またはSpira et al. (1984) J. Immunol. Methods 74:307に記載の手順を使用してクラススイッチバリアントを単離することができる。あるいは、組換えDNA技法を使用することができる。
本明細書に記載されるモノクローナル抗体の特異性を有する他のモノクローナル抗体の単離は、当業者によって、抗イディオタイプ抗体を産生することにより達成することもできる。Herlyn et al. (1986) Science 232:100。抗イディオタイプ抗体は、目的のモノクローナル抗体に存在する特有の決定基を認識する抗体である。
本明細書に開示される一部の態様では、抗体を検出可能にまたは治療的に標識することが有用である。適した標識は、上に記載されている。これらの作用物質に抗体をコンジュゲートするための方法は、当技術分野で公知である。単なる説明目的で、抗体は、例えば放射性原子、発色団、フルオロフォアなどの検出可能な部分で標識することができる。斯かる標識された抗体は、in vivoで、または単離された検査試料において、診断技法に使用することができる。
低分子量ハプテンへの抗体のカップリングは、アッセイにおける抗体の感度を増加させることができる。次いで、ハプテンは、第2の反応を用いて特異的に検出することができる。例えば、アビジンと反応するビオチン、または特異的抗ハプテン抗体と反応することができるジニトロフェノール、ピリドキサールおよびフルオレセイン等のハプテンを使用することが一般的である。Harlow and Lane (1988)上記、を参照されたい。
本開示の抗体の可変領域は、VHおよび/またはVL CDR1、CDR2および/またはCDR3領域内のアミノ酸残基を変異させて、抗体の1つまたは複数の結合特性(例えば、親和性)を改善することにより改変することができる。変異は、部位特異的変異誘発またはPCR媒介性変異誘発によって導入することができ、目的の抗体結合または他の機能特性における効果を適切なin vitroまたはin vivoアッセイにおいて評価することができる。ある特定の実施形態では、保存的改変が導入され、典型的に、CDR領域内の1、2、3、4または5残基以下が変更される。変異は、アミノ酸置換、付加または欠失であってよい。
例えば1つまたは複数のフレームワーク残基を対応する生殖系列配列へと「戻し変異(backmutating)」させることによって、フレームワークの改変を抗体に行って、免疫原性を減少させることができる。
加えて、本明細書に開示される抗体は、Fc領域内に改変を含むように操作して、血清半減期(half-fife)、補体固定、Fc受容体結合および/または抗原依存性細胞性細胞傷害等の抗体の1つまたは複数の機能特性を変更することができる。斯かる改変は、軽鎖および重鎖のアセンブリーを容易にするためまたは抗体の安定性を増加もしくは減少させるためのヒンジ領域におけるシステイン残基の数の変更(米国特許第5,677,425号)、および抗体の生物学的半減期を減少させるためのFcヒンジ領域におけるアミノ酸変異(米国特許第6,165,745号)を含むがこれらに限定されない。
その上、本明細書に開示される抗体は、化学的に改変することができる。抗体のグリコシル化は、例えば、抗体配列内のグリコシル化の1つまたは複数の部位を改変して、抗原に対する抗体の親和性を増加させることにより変更することができる(米国特許第5,714,350号および同第6,350,861号)。あるいは、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害を増加させるために、変更されたグリコシル化機構を有する宿主細胞において抗体を発現させることにより、低減された量のフコシル残基を有する低フコシル化(hypofucosylated)抗体、または増加されたバイセクト型GlcNac構造を有する抗体を得ることができる(Shields, R. L. et al. (2002) J. Biol. Chem. 277:26733-26740;Umana et al. (1999) Nat. Biotech. 17:176-180)。
1つまたは複数のポリエチレングリコール(PEG)基が抗体または抗体断片に結合されるようになる条件下で、抗体またはその断片をPEGまたはPEGの反応性エステルもしくはアルデヒド誘導体と反応させることにより、本明細書に開示される抗体をペグ化して、生物学的半減期を増加させることができる。抗体ペグ化は、反応性PEG分子(または類似の反応性水溶性ポリマー)とのアシル化反応またはアルキル化反応によって実行することができる。本明細書で使用される場合、用語「ポリエチレングリコール」は、モノ(C1~C10)アルコキシ-もしくはアリールオキシ-ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコール-マレイミド等、他のタンパク質を誘導体化するのに使用されたことがあるPEG形態のいずれかを包含することを意図する。ペグ化されるべき抗体は、無グリコシル化(aglycosylated)抗体となることができる。タンパク質をペグ化するための方法は、当技術分野で公知であり、本明細書に開示される抗体に適用することができる(EP0154316およびEP0401384)。
その上、抗体は、ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質に抗体の抗原結合性領域をコンジュゲートまたは融合することにより化学的に改変して、結果として生じる分子の半減期を増加させることができる。斯かるアプローチは、例えば、EP0322094およびEP0486525に記載されている。
本開示の抗体またはその断片は、診断剤にコンジュゲートし、診断的に使用して、例えば、疾患の発症または進行をモニターし、所与の処置レジメンの有効性を決定することができる。診断剤の例は、酵素、補欠分子族、蛍光材料、発光材料、生物発光材料、放射性材料、様々なポジトロン放出断層撮影を使用したポジトロン放出金属、および非放射性常磁性金属イオンを含む。検出可能な物質は、当技術分野で公知の技法を使用して、抗体もしくはその断片に直接的に、またはリンカーを介して間接的に、カップリングまたはコンジュゲートすることができる。適した酵素の例は、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼを含む。適した補欠分子族複合体の例は、ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンを含む。適した蛍光材料の例は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン(dichlorotriazinylamine)フルオレセイン、塩化ダンシルまたはフィコエリトリンを含む。発光材料の例は、ルミノールを含む。生物発光材料の例は、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンを含む。適した放射性材料の例は、125I、131I、インジウム-111、ルテチウム-171、ビスマス-212、ビスマス-213、アスタチン-211、銅-62、銅-64、銅-67、イットリウム-90、ヨウ素-125、ヨウ素-131、リン-32、リン-33、スカンジウム-47、銀-111、ガリウム-67、プラセオジム-142、サマリウム-153、テルビウム-161、ジスプロシウム-166、ホルミウム-166、レニウム-186、レニウム-188、レニウム-189、鉛-212、ラジウム-223、アクチニウム-225、鉄-59、セレニウム-75、ヒ素-77、ストロンチウム-89、モリブデン-99、ロジウム-1105、パラジウム-109、プラセオジム-143、プロメチウム-149、エルビウム-169、イリジウム-194、金-198、金-199および鉛-211を含む。モノクローナル抗体は、抗体に共有結合により連結された二官能性キレート化剤の使用により、放射性金属イオンと間接的にコンジュゲートすることができる。キレート化剤は、アミノ基(amities)(Meares et al. (1984) Anal. Biochem. 142:68-78);アミノ酸残基のスルフヒドリル(sulfhydral)基(Koyama (1994) Chem. Abstr. 120:217-262)および炭水化物基(Rodwell et al. (1986) PNAS USA 83:2632-2636;Quadri et al. (1993) Nucl. Med. Biol. 20:559-570)を介して結合することができる。
さらに、本開示の抗体またはその断片は、治療剤にコンジュゲートすることができる。適した治療剤は、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロマイド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン(dihydroxy anthracin dione)、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロールおよびピューロマイシン、代謝拮抗薬(メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、フルダラビン(fludarabin)、5-フルオロウラシル、ダカルバジン(decarbazine)、ヒドロキシウレア、アスパラギナーゼ、ゲムシタビン(gemcitabinc)、クラドリビン等)、アルキル化剤(メクロレタミン、チオテパ(thioepa)、クロラムブシル(chloramhucil)、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、ロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、ダカルバジン(DTIC)、プロカルバジン、マイトマイシンC、シスプラチン、およびカルボプラチン等の他の白金誘導体等)、抗生物質(ダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ダウノルビシン(以前はダウノマイシン)、ドキソルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシン、アントラマイシン(AMC)等)、ジフテリア毒素および関連分子(ジフテリアA鎖およびその活性断片、ならびにハイブリッド分子等)、リシン毒素(リシンAまたは脱グリコシル化リシンA鎖毒素等)、コレラ毒素、志賀毒素様毒素(SLT-I、SLT-II、SLT-IIV)、LT毒素、C3毒素、志賀毒素、百日咳毒素、破傷風毒素、大豆ボウマン・バークプロテアーゼインヒビター、Pseudomonas外毒素、アロリン(alorin)、サポリン、モデクシン(modeccin)、ゲラニン(gelanin)、アブリンA鎖、モデクシンA鎖、アルファ-サルシン(sarcin)、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、Phytolacca americanaタンパク質(PAPI、PAPIIおよびPAP-S)、momordica charantiaインヒビター、クルシン(curcin)、クロチン(crotin)、sapaonaria officinalisインヒビター、ゲロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリエトシン(restrietocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)毒素および混合毒素を含む。
追加の適したコンジュゲートされた分子は、リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)、DNアーゼ I、アンチセンス核酸、siRNA分子等の阻害性RNA分子、免疫賦活性核酸、アプタマー、リボザイム、三重鎖形成分子、および外部ガイド配列を含む。アプタマーは、ステム・ループまたはG-カルテット等、定義された二次および三次構造へと折り畳む、15~50塩基の長さに及ぶ小型の核酸であり、ATP(米国特許第5,631,146号)およびテオフィリン(theophiline)(米国特許第5,580,737号)等の小分子、ならびに逆転写酵素(米国特許第5,786,462号)およびトロンビン(米国特許第5,543,293号)等の大分子に結合することができる。リボザイムは、分子内または分子間のいずれかで、化学反応を触媒することができる核酸分子である。リボザイムは典型的に、標的基質の認識および結合と、その後の切断により、核酸基質を切断する。3本のDNA鎖が、ワトソン・クリックおよびフーグスティーン塩基対形成の両方に依存する複合体を形成する、三重鎖を形成することにより、三重鎖形成機能核酸分子は、二本鎖または一本鎖核酸と相互作用することができる。三重鎖分子は、高い親和性および特異性で、標的領域に結合することができる。
機能的核酸分子は、標的分子によって保有される比活性のエフェクター、インヒビター、モジュレーターおよび刺激因子として作用することができ、または機能的核酸分子は、他のいかなる分子からも独立したde novo活性を保有することができる。
治療剤は、多数の利用できる方法のいずれかを使用して、直接的にまたは間接的に抗体に連結することができる。例えば、作用物質は、還元した抗体成分のヒンジ領域において、N-スクシニル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)等の架橋剤を使用したジスルフィド結合形成を介して、または抗体のFc領域における炭水化物部分を介して、結合することができる(Yu et al. 1994 Int. J. Cancer 56: 244;Upeslacis et al., ”Modification of Antibodies by Chemical Methods,” in Monoclonal antibodies: principles and applications, Birch et al. (eds.), pages 187-230 (Wiley-Liss, Inc. 1995);Price, ”Production and Characterization of Synthetic Peptide-Derived Antibodies,” in Monoclonal antibodies: Production, engineering and clinical application, Ritter et al. (eds.), pages 60-84 (Cambridge University Press 1995))。
治療剤を抗体にコンジュゲートするための技法は、周知されている(Amon et al. ”Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy,” in Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy; Reisfeld et al. (eds.), pp. 243-56 (Alan R. Liss, Inc. 1985);Hellstrom et al. ”Antibodies For Drug Delivery,” in Controlled Drug Delivery (2nd Ed.); Robinson et al. (eds.), pp. 623-53 (Marcel Dekker, Inc. 1987);Thorpe ”Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review,” in Monoclonal Antibodies ’84: Biological And Clinical Applications, Pinchera et al. (eds.), pp. 475-506 (1985);”Analysis, Results, And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody in Cancer Therapy,” in Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy, Baldwin et al. (eds.), pp. 303-16 (Academic Press 1985)およびThorpe et al. ”The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody-Toxin Conjugates,” (1982) Immunol. Rev. 62:119-58)。
本明細書に開示される抗体またはその抗原結合性領域は、別の抗体または受容体のリガンド等、別の機能的分子に連結して、少なくとも2種またはそれよりも多くの種の異なる結合部位または標的分子に結合する二特異性または多特異性分子を生成することができる。別の抗体、抗体断片、ペプチドまたは結合模倣物等、1つまたは複数の他の結合分子への抗体の連結は、例えば、化学的カップリング、遺伝的融合または非共有結合的会合によって為すことができる。多特異性分子は、第1および第2の標的エピトープに加えて、第3の結合特異性をさらに含むことができる。
二特異性および多特異性分子は、当技術分野で公知の方法を使用して調製することができる。例えば、二特異的分子(hi-specific molecule)の各結合単位を別々に生成し、次いで互いにコンジュゲートすることができる。結合分子がタンパク質またはペプチドである場合、種々のカップリング剤または架橋剤を共有結合コンジュゲーションに使用することができる。架橋剤の例は、プロテインA、カルボジイミド、N-スクシンイミジルS-アセチル-チオアセテート(SATA)、5,5’-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸(nitroberizoic acid))(DTNB)、o-フェニレンジマレイミド(oPDM)、N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)およびスルホスクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン(cyclohaxane)-I-カルボキシレート(スルホ-SMCC)を含む(Karpovsky et al. (1984) J. Exp. Med. 160:1686;Liu et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:8648)。結合分子は、抗体である場合、2個の重鎖のC末端ヒンジ領域のスルフヒドリル結合によってコンジュゲートすることができる。
本開示の抗体またはその断片は、抗体が結合される細胞に対して毒性がある部分に連結して、「枯渇」抗体を形成することができる。これらの抗体は、NK細胞を枯渇させることが望ましい応用では特に有用である。
本明細書に開示される抗体は、標的抗原のイムノアッセイまたは精製に特に有用な固体支持体に結合することもできる。斯かる固体支持体は、ガラス、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンを含むがこれらに限定されない。
抗体は、多くの異なる担体に結合させることもできる。よって、本開示はまた、抗体と、活性または不活性の別の物質とを含有する組成物を提供する。周知の担体の例は、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ(amylase)、天然および改変セルロース、ポリアクリルアミド、アガロース、ならびにマグネタイトを含む。担体の性質は、本明細書に開示される目的のため、可溶性または不溶性のいずれかとなることができる。当業者であれば、モノクローナル抗体の結合のための他の適した担体について知っている、またはルーチンの実験法を使用して、そのようなものを確かめることができる。
ある特定の態様では、本開示は、DNABIIタンパク質もしくはその断片のチップもしくはテールドメイン、テール断片またはチップ断片を特異的に認識するかまたは結合する抗体または抗原結合性断片に関する。DNABIIタンパク質またはその断片は、IHFまたはHUポリペプチドであり得る。
抗体による機能解析
本明細書に開示される抗体を使用して、本明細書に開示されるポリペプチドを精製し、生物学的に等価なポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドを同定することができる。本明細書に開示される抗体を使用して、本明細書に開示されるポリペプチドの機能を改変する作用物質を同定することもできる。このような抗体は、当業者にとって馴染みがあり上に記載されている、ポリクローナル抗血清、モノクローナル抗体、およびこのような調製物に由来する様々な試薬を含む。
同定された遺伝子によってコードされるタンパク質の活性を中和する抗体もまたin vivoおよびin vitroで使用して、そのような中和抗体をin vivoおよびin vitro試験系に添加することによって機能を実証することもできる。それらはまた、本明細書に開示されるポリペプチドの活性をモジュレートするための医薬品としても有用である。
ELISAアッセイまたはウエスタンブロット等の解析方法において様々な抗体調製物を使用して、in vitroまたはin vivoで、検査細胞による、同定された遺伝子によってコードされるタンパク質の発現を実証することもできる。適切なポリクローナル抗血清と実験的試料に由来する試料を使用することにより、代謝においてプロテアーゼ分解によって生成された斯かるタンパク質の断片を同定することもできる。
本明細書に開示される抗体は、単独で、またはペプチドもしくはタンパク質に基づくワクチンまたは樹状細胞に基づくワクチンと組み合わせて、ワクチン接種にまたはワクチン接種のブーストに使用することができる。
診断および治療方法
DNABIIポリペプチドもしくはタンパク質、または微生物DNAを、上述の作用物質、例えば本明細書に開示される抗体、またはその抗原結合性断片、ポリペプチド、またはCDRのうちの1つまたは複数の有効量と接触させ、それによってDNABIIタンパク質またはポリペプチドの微生物DNAへの結合を予防する、または阻害する、または競合することによって、DNABIIポリペプチドまたはタンパク質の微生物DNAへの結合を予防する、または阻害する、または競合する方法が提供される。DNABIIポリペプチドは、IHFまたはHUペプチドであり得る。一態様では、抗体またはその抗原結合性断片は、DNABIIポリペプチドのチップ領域(IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むがこれらに限定されない)に選択的に結合する。一実施形態では、配列番号24のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号25のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1、2、もしくは3の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号7、8、もしくは9の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる。またさらなる実施形態では、接触させることは、in vivoまたはin vitroである。
別の態様では、本明細書に開示される方法に使用するための抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号13、24、もしくは26の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含む重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列;および/または配列番号14、25、もしくは27の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含む軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる。
さらなる態様では、本明細書に開示されるDNABIIポリペプチドおよび/または微生物DNAおよび/または抗体もしくはその抗原結合性断片、および/またはポリペプチドまたはCDRのうちの1つまたは複数は、例えば放射性同位体、または互いに緊密に接触した場合にシグナルを放出する発光分子によって検出可能に標識される。接触させることは、in vitroまたはin vivoで実施することができる。これらの方法を診断方法と組み合わせて、例えば本明細書に開示されるDNABIIポリペプチドおよび/または微生物DNAおよび/または抗体もしくはその抗原結合性断片、および/またはポリペプチドまたはCDRのうちの1つまたは複数を使用して、バイオフィルムの形成および/または破壊を検出および/またはモニターすることができる。一態様では、診断方法は、一態様では、DNABIIポリペプチドのテール領域または断片(IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に特異的に結合する本明細書に開示される抗体またはその抗原結合性断片の使用を含む。さらなる態様では、抗体またはその抗原結合性断片は検出可能に標識される。一実施形態では、配列番号26のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号27のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、5、もしくは6の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号10、11、もしくは12の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる。
別の態様では、微生物バイオフィルムを破壊する方法は、バイオフィルムを、上述の作用物質、例えば抗体またはその抗原結合性断片、ポリペプチド、またはCDRのうちの1つまたは複数の有効量と接触させ、それによって微生物バイオフィルムを破壊することによって提供される。一態様では、抗体またはその抗原結合性断片は、DNABIIポリペプチドのチップ領域(IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むがこれらに限定されない)に選択的に結合する。DNABIIポリペプチドは、IHFまたはHUペプチドであり得る。一実施形態では、配列番号24のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号25のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1、2、もしくは3の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号7、8、もしくは9の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる。またさらなる実施形態では、接触させることはin vivoまたはin vitroである。
一態様では、微生物バイオフィルムは、DNABIIポリペプチドを搬出する微生物によって産生される。DNABIIポリペプチドは、IHFまたはHUペプチドであり得る。さらなる態様では、抗体、抗体断片、DNABIIポリペプチド、および微生物DNAのうちの1つまたは複数は、例えば放射性同位体、または互いに緊密に接触した場合にシグナルを放出する発光分子によって検出可能に標識される。接触させることは、in vitroまたはin vivoで実施することができる。一態様では、作用物質は、互いに同じまたは異なる1つまたは複数の抗体および/または抗原結合性断片である。一部の実施形態では、そのような抗体または抗原結合性断片は、単独で、または互いに、もしくは抗体以外の作用物質、もしくはまたさらに薬学的に有効な作用物質と組み合わせて、単独で、または薬学的に許容される担体と組み合わせて投与される。これらの方法を診断方法と組み合わせて、バイオフィルムの形成および/または破壊を検出および/またはモニターすることができる。一態様では、診断方法は、一態様では、DNABIIポリペプチドのテール領域またはテール断片(IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に特異的に結合する本明細書に開示される抗体または抗原結合性断片の使用を含む。さらなる態様では、抗体またはその抗原結合性断片は検出可能に標識される。
また、表面上のバイオフィルムの形成を予防するかまたはバイオフィルムを破壊する方法であって、バイオフィルムを生じやすいかまたはバイオフィルムを含有する表面を、本明細書に記載される抗体またはその抗原結合性断片、ポリペプチド、またはCDRのうちの1つまたは複数の有効量によって処理することを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらにそれからなり、抗体またはその抗原結合性断片が、DNABIIペプチドのチップ領域(IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むがこれらに限定されない)に結合する方法も提供される。DNABIIポリペプチドは、IHFまたはHUペプチドであり得る。一実施形態では、配列番号26のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号27のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、5、もしくは6の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号10、11、もしくは12の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる。
一態様では、抗体またはその抗原結合性断片は、検出可能な標識を含む。これらの方法を診断方法と組み合わせて、バイオフィルムの形成および/または破壊を検出および/またはモニターすることができる。一態様では、診断方法は、一態様では、DNABIIポリペプチドのテール領域または断片(IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に特異的に結合する本明細書に開示される抗体または抗原結合性断片の使用を含む。さらなる態様では、抗体またはその抗原結合性断片は検出可能に標識される。一実施形態では、配列番号26のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号27のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、5、もしくは6の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号10、11、もしくは12の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる。
さらに、対象におけるバイオフィルムを検出する方法であって、対象に、本明細書に開示される抗体またはその断片、ポリペプチド、またはCDRのうちの1つまたは複数の有効量を投与することを含むか、またはそれから本質的になるか、またはそれからなる方法が本明細書に提供される。一態様では、診断方法は、一態様では、DNABIIポリペプチドのテール領域または断片(IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に特異的に結合する本明細書に開示される抗体または抗原結合性断片の使用を含む。DNABIIポリペプチドは、IHFまたはHUペプチドであり得る。さらなる態様では、抗体またはその抗原結合性断片は検出可能に標識される。一実施形態では、配列番号26のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号27のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的に以下からなるか、またはまたさらに以下からなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、5、もしくは6の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号10、11、もしくは12の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる。
対象におけるバイオフィルムを予防または破壊する方法が提供される。方法は、対象に、DNABIIペプチドのチップ領域(IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むがこれらに限定されない)に結合する本明細書に開示される抗体またはその断片を投与することを含むか、またはそれから本質的になるか、またはそれから本質的になる。一態様では、対象におけるバイオフィルムを予防または破壊する方法であって、対象に、本明細書に開示される抗体、その断片、ポリペプチド、もしくはCDRのうちの1つもしくは複数の有効量、および/または抗体、その断片、ポリペプチド、もしくはCDRをコードするポリヌクレオチドもしくはベクターの1つもしくは複数の有効量を投与することを含むか、またはあるいはそれからなるか、またはまたさらにそれからなる方法が提供される。DNABIIペプチドは、IHFまたはHUペプチドであり得る。一態様では、抗体またはその抗原結合性断片は、DNABIIポリペプチドのチップ領域(IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むがこれらに限定されない)に選択的に結合する。一実施形態では、配列番号24のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号25のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1、2、もしくは3の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号7、8、もしくは9の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる。またさらなる実施形態では、接触させることはin vivoまたはin vitroである。抗体またはその抗原結合性断片は検出可能に標識され得る。これらの方法を診断方法と組み合わせて、バイオフィルムの形成および/または破壊を検出および/またはモニターすることができる。一態様では、診断方法は、一態様では、DNABIIポリペプチドのテール領域または断片(IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に特異的に結合する本明細書に開示される抗体またはその抗原結合性断片の使用を含む。さらなる態様では、抗体または抗原結合性断片は検出可能に標識される。
対象におけるバイオフィルムの形成によって特徴付けられる状態を処置する方法が提供され、方法は、対象に、DNABIIポリペプチドのチップ領域(IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むがこれらに限定されない)に結合する本明細書に開示される抗体またはその断片を投与することを含むか、または本質的にそれからなるか、またはそれからなる。一態様では、対象に、本明細書に開示される抗体、その断片、ポリペプチド、もしくはCDRのうちの1つもしくは複数の有効量、および/または抗体、その断片、ポリペプチド、もしくはCDRをコードするポリヌクレオチドもしくはベクターのうちの1つもしくは複数の有効量を投与することによって、対象におけるバイオフィルムの形成によって特徴付けられる状態を予防または処置する方法が提供される。別の態様では、対象におけるバイオフィルムを産生する微生物感染を阻害する、予防する、または処置する方法であって、対象に、本明細書に開示される抗体、その断片、ポリペプチド、もしくはCDRのうちの1つもしくは複数の有効量、および/または抗体、その断片、ポリペプチド、もしくはCDRをコードするポリヌクレオチドもしくはベクターのうちの1つもしくは複数の有効量を投与することを含むか、またはあるいはそれからなるか、またはまたさらにそれからなる方法が提供される。DNABIIポリペプチドは、IHFまたはHUペプチドであり得る。一態様では、抗体またはその抗原結合性断片は、DNABIIポリペプチドのチップ領域(IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むがこれらに限定されない)に選択的に結合する。一実施形態では、配列番号24のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号25のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1、2、もしくは3の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号7、8、もしくは9の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる。またさらなる実施形態では、接触させることはin vivoまたはin vitroである。これらの方法を診断方法と組み合わせて、バイオフィルムの形成および/または破壊を検出および/またはモニターすることができる。一態様では、診断方法は、一態様では、DNABIIポリペプチドのテール領域またはテール断片(IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に特異的に結合する本明細書に開示される抗体またはその抗原結合性断片の使用を含む。さらなる態様では、抗体または抗原結合性断片は検出可能に標識される。
上記の方法では、バイオフィルムは、グラム陰性またはグラム陽性バイオフィルム産生細菌に由来する。状態の非限定的な例は、静脈潰瘍および糖尿病性足潰瘍を含む慢性の非治癒性創傷、耳感染症、副鼻腔感染症、尿路感染症、胃腸管の病気、肺感染症、気道感染症、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患、カテーテル関連感染症、留置デバイス関連感染症、植込み型補綴物関連感染症、骨髄炎、蜂窩織炎、膿瘍、および歯周病の群から選択される。
本明細書に開示される方法のある特定の実施形態では、抗体、その断片、ポリペプチド、またはCDRのうちの1つまたは複数の投与は、対象における炎症促進性サイトカインのうちの1つまたは複数を低減する。炎症促進性サイトカインの非限定的な例としては、IL-1β、IL6、IL8、IL12p70、IL17A、インターフェロン(IFN)、および腫瘍壊死因子(TNF)が挙げられる。加えてまたはあるいは、抗体、その断片、ポリペプチド、またはCDRのうちの1つまたは複数の有効量の投与は、対象における抗炎症性サイトカインのうちの1つまたは複数を増加させる。一実施形態では、抗炎症性サイトカインとしては、IL10、IL13、IL-1ra、IL-4、IL-11、およびトランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)が挙げられるがこれらに限定されない。
また、それを必要とする対象における炎症促進性応答を誘導すること、または低減された炎症応答によって媒介される状態を処置することのうちの1つまたは複数の方法であって、対象に、DNABIIポリペプチドのテール領域(IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に結合する抗体の有効量を投与することを含むか、またはあるいは本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる方法も提供される。DNABIIポリペプチドは、IHFまたはHUペプチドであり得る。これらの方法を診断方法と組み合わせて、組織または対象におけるサイトカインの放出またはレベルを検出および/またはモニターすることができる。一態様では、診断方法は、一態様では、DNABIIポリペプチドのテール領域またはテール断片(IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に特異的に結合する本明細書に開示される抗体または抗原結合性断片の使用を含む。さらなる態様では、抗体または抗原結合性断片は検出可能に標識される。非限定的なサイトカインとしては、例えばIL1ベータ、IL6、IL8、IL12p70、IL10、IL13、およびIFNが挙げられる。
また、それを必要とする対象における炎症促進性応答を阻害すること、または増強された炎症応答によって媒介される状態を処置することのうちの1つまたは複数の方法であって、対象に、DNABIIポリペプチドのチップ領域(IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むがこれらに限定されない)に結合する抗体またはその抗原結合性断片の有効量を投与することを含むか、またはあるいはそれから本質的になるか、またはまたさらにそれからなる方法も提供される。DNABIIポリペプチドはIHFまたはHUペプチドであり得る。これらの方法を診断方法と組み合わせて、組織または対象におけるサイトカインの放出またはレベルを検出および/またはモニターすることができる。一態様では、診断方法は、一態様では、DNABIIポリペプチドのテール領域またはテール断片(IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に特異的に結合する本明細書に開示される抗体または抗原結合性断片の使用を含む。さらなる態様では、抗体または抗原結合性断片は検出可能に標識される。非限定的なサイトカインとしては、例えばIL1ベータ、IL6、IL8、IL12p70、IL10、IL13、およびIFNが挙げられる。
さらにまたはあるいは、表面上のバイオフィルムを検出する方法であって、表面(一態様では、バイオフィルムを生じやすいかまたはバイオフィルムを含有する)を、本明細書に記載される抗体、抗原結合性断片、ポリペプチド、またはCDRのうちの1つまたは複数の有効量と接触させることを含むか、またはあるいはそれからなるか、またはまたさらにそれからなり、抗体、その断片、ポリペプチド、またはCDRが、DNABIIペプチドのテールまたはチップ領域(IHFまたはHUのチップ領域、IHFAまたはIHFBのチップ領域、チップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHI、IHFまたはHUのテール領域、IHFAまたはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に結合する方法が提供される。一実施形態では、接触させることは、in vivoまたはin vitroである。一実施形態では、配列番号26のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号27のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、5、もしくは6の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号10、11、もしくは12の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらにそれからなる。さらなる態様では、抗体または抗原結合性断片は検出可能に標識される。
さらにまたはあるいは、対象においてバイオフィルムを産生する微生物感染を検出する方法が提供される。方法は、本明細書に開示される抗体、その断片、ポリペプチド、またはCDRのうちの1つまたは複数の有効量を、バイオフィルムを含むことが疑われ、対象から単離された生物試料と接触させること、および抗体、その断片、ポリペプチド、またはCDRの、試料中の任意のバイオフィルムへの結合を検出することを含むか、またはあるいはそれからなるか、またはまたさらにそれからなる。一実施形態では、抗体、その断片、ポリペプチド、またはCDRは、DNABIIペプチドのテールまたはチップ領域(IHFまたはHUのチップ領域、IHFAまたはIHFBのチップ領域、チップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHI、IHFまたはHUのテール領域、IHFAまたはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に結合する。さらなる実施形態では、接触させることは、in vivoまたはin vitroである。一実施形態では、配列番号26のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号27のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、5、もしくは6の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号10、11、もしくは12の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらにそれからなる。さらなる態様では、抗体または抗原結合性断片は検出可能に標識される。
さらにまたはあるいは、バイオフィルムを有する対象をスクリーニングする方法であって、本明細書に開示される抗体、その断片、ポリペプチド、またはCDRのうちの1つまたは複数の有効量を、バイオフィルムを含み、対象から単離された生物試料と接触させること、および抗体、その断片、ポリペプチド、またはCDRの試料中の任意のバイオフィルムへの結合を検出することを含むか、またはあるいはそれからなるか、またはまたさらにそれからなる方法が提供される。一実施形態では、抗体、その断片、ポリペプチド、またはCDRは、DNABIIペプチドのテールまたはチップ領域(IHFまたはHUのチップ領域、IHFAまたはIHFBのチップ領域、チップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHI、IHFまたはHUのテール領域、IHFAまたはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に結合する。さらなる実施形態では、結合が検出された対象を、本明細書に開示される抗体、その断片、ポリペプチド、もしくはCDRのうちの1つもしくは複数の有効量、および/または抗体、その断片、ポリペプチド、もしくはCDRをコードするポリヌクレオチドもしくはベクターのうちの1つもしくは複数の有効量の投与のために選択し、抗体、その断片、ポリペプチド、またはCDRは、DNABIIペプチドのチップ領域(IHFまたはHUのチップ領域、IHFAまたはIHFBのチップ領域、チップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むがこれらに限定されない)に結合する。またさらなる実施形態では、接触させることはin vivoまたはin vitroである。一実施形態では、配列番号26のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号27のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、5、もしくは6の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号10、11、もしくは12の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらにそれからなる。さらなる態様では、抗体または抗原結合性断片は検出可能に標識される。
さらに、本明細書に開示される抗体またはその断片に対する特異的結合パートナーに特異的に結合する約10~20ヌクレオチドからなる核酸を調製すること、および必要に応じて方法によって調製された干渉核酸を単離することを含む、干渉核酸を調製する方法が提供される。
in vitroで実践される場合、本開示の方法のいくつかは、本明細書に開示されるポリペプチド、ポリヌクレオチド、抗体、宿主細胞、小分子、および組成物と同じ、類似、または反対の能力を有する作用物質(例えば、抗体、その断片および模倣物)をスクリーニングまたは確認するために有用である。あるいは、それらは、どの作用物質が微生物感染を処置するために最も適しているか、または処置が有効であったかを同定するために使用され得る。例えばDNABIIポリペプチドおよび微生物DNAおよび試験されるべき作用物質を含有する2つの試料を有することによって、例えば新しい作用物質または組合せ治療をスクリーニングすることができる。DNABIIポリペプチドは、IHFまたはHUペプチドであり得る。第2の試料は、DNABIIポリペプチドおよび微生物DNA、および陽性対照として働くための活性であることが公知の作用物質、例えば上述の作用物質、例えば抗体またはその抗原結合性断片を含有する。さらなる態様では、いくつかの試料が提供され、臨床環境における対象の処置において有効である可能性がある最適用量を決定するために、作用物質を、希釈を増やしながら系に添加する。当業者に明らかであるように、DNABIIポリペプチドおよび微生物DNAを含有する陰性対照を提供することができる。さらなる態様では、DNABIIポリペプチドおよび微生物DNAは、例えば互いに緊密に接触した場合にシグナルを放出する発光分子によって検出可能に標識される。試料は、作用物質が、DNABIIポリペプチドと微生物DNAとの間の相互作用を阻害する、競合する、または滴定するために有効な期間、類似の条件下で含有され、次いで試料を発光分子からのシグナルの放出についてアッセイする。試料がシグナルを放出する場合、作用物質は、結合を阻害するために有効ではない。
別の態様では、in vitro方法は、感染を引き起こす微生物(例えば、細菌)分離菌がヒト/動物から単離され、その後、培養されて、それがin vitroでバイオフィルムとして成長することを可能にし得る小型化チャンバースライド系で実施される。作用物質(例えば、抗体またはその抗原結合性断片)または潜在的作用物質バイオフィルムを、潜在的化合物または作用物質、例えば、抗体またはその抗原結合性断片の希釈を増やしながら、または増やさずに、培養物に単独で、または別の作用物質と組み合わせて添加して、感染が存在した対象に送達された場合にその患者を処置することにおいて有効であり得るような最適用量を見出す。当業者に明らかである通り、陽性対照および陰性対照を同時に行ってもよい。
さらなる態様では、本方法は、フローセル中の上述の作用物質、例えば抗体またはその抗原結合性断片および/または潜在的作用物質(単独で、または別の作用物質と組み合わせて)を伴うハイスループットプラットホームにおいて実施される。上述の作用物質、例えば抗体またはその抗原結合性断片、または潜在的作用物質を、上述の潜在的作用物質または作用物質、例えば、抗体またはその抗原結合性断片(または他の抗体、小分子、作用物質等)の希釈を増やしながら、または増やさずに、培養物に単独で、または別の作用物質と組み合わせて添加して、感染が存在した対象に送達された場合にその患者を処置することにおいて有効であり得るような最適用量を見出す。バイオフィルム分離菌を超音波処理して、微生物DNAに結合したIHFなどのDNABIIポリペプチドからバイオフィルム細菌を分離する。DNABIIポリペプチド-DNA複合体は、プラットホーム上の抗DNABIIまたはIHF抗体によって分離される。その後、微生物DNAを、例えば、塩洗浄で放出させ、添加されたバイオフィルム細菌を同定するために使用する。その後、遊離したDNAを、例えば、PCR配列決定することによって同定する。DNAが遊離しない場合、作用物質(複数可)が、微生物DNAにうまく作用したか、または微生物DNAにうまく結合した。DNAが試料中に見られる場合、作用物質は、DNABIIポリペプチド-微生物DNA結合に干渉しなかった。当業者に明らかである通り、陽性対照および/または陰性対照を同時に行ってもよい。
また、所与の細菌種は、別の作用物質よりもある作用物質によるそのバイオフィルムの破棄に対してよりよく応答する可能性があるので、上記の方法は、診断試験として使用することができ、この迅速なハイスループットアッセイ系は、当業者が、可能性のある抗DNABIIまたはIHF様作用物質の集団をアッセイして、群のうちの最も効果的なものを特定することを可能にし得る。
これらの方法の利点は、ほとんどの院内臨床微生物検査室は、既に、液体培養で(または浮遊性で)成長している細菌を使用するこれらの種類のアッセイ(すなわち、MIC、MBC値の決定)を行うための備えがあることである。当業者に明らかである通り、細菌は、一般的に、それらが疾患を引き起こしている場合、浮遊性で成長しない。その代わりに、それらは安定なバイオフィルムとして成長しており、これらのバイオフィルムは、抗生物質、抗体または他の治療薬による処置に対して有意により抵抗性である。この抵抗性は、ほとんどのMIC/MBC値が正確にin vivoでの有効性を予測することができないことの理由である。したがって、どの「用量」の作用物質が(上記に説明されるように)in vitroで細菌バイオフィルムを逆転し得るかを決定することによって、出願人らの前臨床アッセイは、個別化医療の適用としてでさえも、臨床有効性のより信頼できる予測因子になり得る。
臨床環境に加えて、本方法は、工業環境において感染を引き起こす微生物を特定することおよび/または有効な処置および作用物質を確認することのために使用することができる。したがって、工業環境において、作用物質を使用して、バイオフィルムを処置、阻害または破壊することができる。
上述の方法のさらなる態様では、基礎をなす感染の成長を阻害することが公知の抗生物質または抗微生物薬を、順次、または併せて添加して、感染が阻害され得るかどうかを決定する。また、干渉作用物質を微生物DNAまたはDNABIIポリペプチドに添加し、その後、欠損した複合体を添加して、バイオフィルム阻害についてアッセイすることが可能である。一態様では、DNアーゼ処置は、使用方法から除外される。
非ヒト動物、例えば、チンチラにおいてin vivoで実施される場合、本方法は、バイオフィルムを破壊するために単独で、または他の作用物質と組み合わせて使用され得る作用物質を特定するための前臨床スクリーニングを提供する。
別の態様では、対象に上述の作用物質、例えば抗体またはその抗原結合性断片の有効量を投与し、それによって、微生物バイオフィルムを阻害、予防または破壊することによる、対象におけるバイオフィルムを阻害、予防、または破壊する方法が本明細書で提供される。方法は、対象に、DNABIIペプチドのチップ領域(IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むがこれらに限定されない)に結合する本明細書に開示される抗体またはその断片を投与することを含むか、またはそれから本質的になるか、またはそれからなる。DNABIIペプチドは、IHFまたはHUペプチドであり得る。抗体またはその抗原結合性断片は検出可能に標識され得る。これらの方法を診断方法と組み合わせて、バイオフィルムの形成および/または破壊を検出および/またはモニターすることができる。一態様では、診断方法は、一態様では、DNABIIポリペプチドのテール領域または断片(IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に特異的に結合する本明細書に開示される抗体または抗原結合性断片の使用を含む。さらなる態様では、抗体またはその抗原結合性断片は検出可能に標識される。
一態様では、作用物質は、互いに同じまたは異なる1つまたは複数の抗体および/または抗原結合性断片である。一部の実施形態では、そのような抗体または抗原結合性断片は、単独で、または互いに、または抗体以外の作用物質、またはまたさらに薬学的に有効な作用物質と組み合わせて、単独でまたは薬学的に許容される担体と組み合わせて投与される。そのような対象の非限定的な例には、哺乳動物、例えばペットおよびヒト患者が含まれる。
また、それを必要とする対象において免疫応答を誘導するか、または受動免疫を与える方法であって、対象にDNABIIペプチド、例えばIHFまたはHUペプチドのチップ領域に結合する、その中に記載される抗体またはその抗原結合性断片のうちの1つまたは複数の有効量を投与することを含むか、またはあるいは本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる方法が提供される。DNABIIペプチドのそのようなチップ領域としては、IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、またはチップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIが挙げられるがこれらに限定されない。一態様では、対象において受動免疫を与える方法であって、対象に本明細書に開示される抗体、その断片、ポリペプチド、もしくはCDRのうちの1つもしくは複数の有効量、および/または抗体、その断片、ポリペプチド、もしくはCDRをコードするポリヌクレオチドもしくはベクターのうちの1つもしくは複数の有効量を投与することを含むか、またはあるいは本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなり、抗体、断片、ポリペプチド、またはCDRがDNABIIペプチドのチップ領域(IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、またはチップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むがこれらに限定されない)に結合する方法が提供される。一実施形態では、配列番号24のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号25のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片が提供される。さらなる実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号1、2、もしくは3の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または配列番号7、8、もしくは9の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらにそれからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる。抗体またはその抗原結合性断片は検出可能に標識され得る。これらの方法を診断方法と組み合わせて、バイオフィルムの形成および/または破壊を検出および/またはモニターすることができる。一態様では、診断方法は、一態様では、DNABIIポリペプチドのテール領域またはテール断片(IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に特異的に結合する本明細書に開示される抗体または抗原結合性断片の使用を含む。さらなる態様では、抗体または抗原結合性断片は検出可能に標識される。
一態様では、作用物質は、互いに同じまたは異なる1つまたは複数の抗体および/または抗原結合性断片である。一部の実施形態では、そのような抗体または抗原結合性断片は、単独でまたは互いに、または抗体以外の作用物質、またはまたさらに薬学的に有効な作用物質と組み合わせて、単独で、または薬学的に許容される担体と組み合わせて投与される。
さらなる態様では、方法は、対象に抗微生物薬、抗原性ペプチド、またはアジュバントのうちの1つまたは複数の有効量を投与することをさらに含むか、またはあるいはそれから本質的になるか、またはまたさらにそれからなる。
抗微生物薬の非限定的な例は、別のワクチン構成成分、例えば表面抗原、例えばOMP P5、rsPilA、OMP26、OMP P2、またはIV型Pilinタンパク質(Jurcisek and Bakaletz (2007) J. Bacteriology 189(10):3868-3875; Murphy, T.F. et al. (2009) The Pediatric Infectious Disease Journal 28:S121-S126を参照されたい)である。
本明細書で開示する作用物質および組成物は、他の抗微生物剤および/または表面抗原と共に併せて、または順次投与され得る。特定の一態様では、投与は、例えば、直接注射によって、または吸入によって、感染の部位について局所である。投与の他の非限定的な例には、経皮に、尿道に、舌下に、直腸に、膣に、眼に、皮下、筋内に、腹腔内に、鼻内に、吸入による、または経口に、を含む1つまたは複数の方法による投与が含まれる。
本明細書に開示される方法によって処置され得る微生物感染および疾患には、バイオフィルムを産生するグラム陽性菌またはグラム陰性生物、例えばStreptococcus agalactiae、Neisseria meningitidis、Treponemes、denticola、pallidum、Burkholderia cepacia、またはBurkholderia pseudomalleiによる感染が含まれる。一態様では、微生物感染は、Haemophilus influenzae(分類不能)、Moraxella catarrhalis、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus pyogenes、Pseudomonas aeruginosa、Mycobacterium tuberculosisのうちの1つまたは複数である。これらの微生物感染は、上気道、中気道および下気道に存在し得る(耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、それだけでなく、慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)の増悪、慢性咳嗽、嚢胞性線維症(CF)の合併症および/またはCFの主因ならびに市中感染性肺炎(CAP:community acquired pneumonia))。したがって、本明細書で開示するin vivo法を実施することによって、これらの疾患およびこれらの感染からの合併症もまた、予防または処置され得る。
また、感染症は、口腔(う歯、歯周炎)で起こり、Streptococcus mutans、Porphyromonas gingivalis、Aggregatibacter actinomvctemcomitansによって引き起こされ得る。また、感染症は、皮膚に局在し(膿瘍、「ブドウ球菌」感染、膿痂疹、熱傷の二次感染、ライム病)、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Pseudomonas aeruginosaおよびBorrelia burdorferiによって引き起こされ得る。尿路感染症(UTI:Infections of the urinary tract)もまた処置することができ、典型的に、Escherichia coliによって引き起こされる。胃腸管感染症(GI:Infections of the gastrointestinal tract)(下痢、コレラ、胆石、胃潰瘍)は、典型的に、Salmonella enterica serovar、Vibrio choleraeおよびHelicobacter pyloriによって引き起こされる。生殖器感染症は、典型的に、Neisseria gonorrhoeaeを含み、これによって引き起こされる。感染症は、Enterococcus faecalisによって引き起こされる膀胱の感染症または留置デバイスの感染症であり得る。典型的に、様々な細菌によって引き起こされる、埋入された補綴デバイス、例えば、人工臀部もしくは膝置換物、または歯科インプラント、または医療デバイス、例えば、ポンプ、カテーテル、ステントもしくはモニタリング系と関連付けられる感染症は、本明細書で開示する方法によって処置することができる。これらのデバイスは、本明細書で説明する作用物質でコーティングするか、またはこれにコンジュゲートすることができる。したがって、本明細書で開示するin vivo法を実施することによって、これらの疾患およびこれらの感染症からの合併症もまた予防または処置することができる。
また、Streptococcus agalactiaeによって引き起こされる感染は、本明細書で開示する方法によって処置することができ、それは、新生児における細菌性敗血症の主原因である。髄膜炎を引き起こし得るNeisseria meningitidisによって引き起こされる感染もまた、処置することができる。
したがって、本明細書で開示する方法に適用可能な投与経路には、鼻内、筋内、尿道、気管内、皮下、皮内、経皮、局所適用、静脈内、直腸、鼻、経口、吸入ならびに他の経腸および非経口投与経路が含まれる。投与経路は、作用物質および/または所望の効果に依存して、所望の場合、組み合わせられ、または調整され得る。活性剤は、単回用量で、または複数回用量で投与され得る。これらの方法および送達に好適な経路の実施形態には、全身性経路または局部経路が含まれる。概して、本明細書で開示する方法に好適な投与経路には、直接注射、経腸、非経口または吸入経路が含まれるが、これらに限定されない。
吸入投与以外の非経口投与経路には、局所、経皮、皮下、筋内、眼窩内、嚢内、脊髄内、胸骨内および静脈内経路、すなわち、消化管を通る経路以外の任意の投与経路が含まれるが、これらに限定されない。非経口投与は、阻害する作用物質(inhibiting agent)の全身性または局所送達をもたらすように行われ得る。全身送達が所望される場合、投与は、典型的に、医薬調節物の浸潤性または全身吸収性の局所投与または粘膜投与を含む。
また、本明細書で開示する作用物質は、経腸投与によって対象に送達され得る。経腸投与経路には、経口および直腸(例えば、坐剤を使用する)送達が含まれるが、これらに限定されない。
皮膚または粘膜を通した活性剤の投与の方法には、好適な医薬調製物の局所適用、経皮的伝達、経皮伝達、注射および上皮投与が含まれるが、これらに限定されない。経皮伝達のために、吸収促進剤またはイオン導入は、好適な方法である。イオン導入伝達は、製品を、壊れていない皮膚を通して電気パルスを介して連続的に数日間またはそれよりも長い期間の間送達する市販の「パッチ」を使用して達成することができる。
本明細書で開示する方法の様々な実施形態では、干渉作用物質は、連続して毎日のように、少なくとも1日1回(QD)および様々な実施形態では、1日2回(BID)、1日3回(TID)またはさらに1日4回、吸入により、注射により、または経口で投与される。典型的に、治療有効1日量は、少なくとも約1mg、または少なくとも約10mg、または少なくとも約100mg、または約200~約500mg、およびときには、化合物に依存して、最大で約1g~約2.5gほどであり得る。
投与(Dosing of)は、カプセル剤、錠剤、経口懸濁剤、筋内注射用懸濁剤、静脈内点滴用懸濁剤、局所適用用ゲル剤(get)もしくはクリーム剤、または関節内注射用懸濁剤を使用して、本明細書で開示する方法に従って達成することができる。
本明細書で説明する組成物の投与量、毒性および治療的有効性は、例えば、LD50(集団の50%に致死的な用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するための、細胞培養物または実験動物における標準の薬学的手順によって決定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比は、治療指数であり、それは、比LD50/ED50として表すことができる。ある特定の実施形態では、組成物は、高い治療指数を示す。毒性副作用を示す化合物が使用され得る一方で、非感染細胞への潜在的損傷を最小限にし、それによって、副作用を低減するために、そのような化合物を、罹患組織部位を標的とする送達系を設計するように注意を払うべきである。
細胞培養アッセイおよび動物研究から得たデータは、ヒトにおける使用のためのある範囲の投与量を製剤化するために使用され得る。そのような化合物の投与量は、ある特定の実施形態では、毒性をほとんどまたは全く有しないED50を含む循環濃度の範囲内にある。投与量は、使用される剤形および利用される投与経路に依存して、この範囲内で変動し得る。本方法において使用される任意の化合物について、治療有効用量は、最初に細胞培養アッセイから見積もることができる。用量は、細胞培養物において決定されたIC50(すなわち、症状の最大半量の阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように動物モデルにおいて製剤化され得る。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用され得る。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって、測定され得る。
一部の実施形態では、治療効果または予防効果を達成するために十分な組成物の有効量は、1投与当たり体重1キログラム当たり約0.000001mg~1投与当たり体重1キログラム当たり約10,000mgに及ぶ。好適には、投与量範囲は、1投与当たり体重1キログラム当たり約0.0001mg~1投与当たり体重1キログラム当たり約100mgである。投与は、初期用量として提供され、続いて1つまたは複数の「ブースター」用量が提供され得る。ブースター用量は、初期用量の1日、2日、3日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月または12ヶ月後に提供され得る。一部の実施形態では、ブースター用量は、前の投与に対する対象の応答の評価後に投与される。
当業者は、非限定的に、疾患または障害の重症度、以前の処置、対象の健康全般および/または年齢ならびに存在する他の疾患を含む、ある特定の因子が、対象を有効に処置するために必要とされる投与量および時間調整に影響を及ぼし得ることを理解する。さらに、治療有効量の本明細書で説明する治療組成物による対象の処置は、単回処置または一連の処置を含み得る。
ポリペプチド
また、アミノ末端またはカルボキシ末端のいずれか(または両方)に最大25個、またはあるいは20個、またはあるいは15個、またはあるいは最大10個、またはあるいは最大5個のランダムアミノ酸が付加された抗体、その抗原結合性断片、CDR、およびその各々の等価物の重鎖および軽鎖を含む単離されたポリペプチドも本明細書に提供される。
一態様では、配列番号1~14もしくは24~27の群のアミノ酸配列、またはその各々の等価物を含むか、または本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる単離されたポリペプチドが本明細書に提供される。ポリペプチドは、検出可能なまたは精製マーカーをさらに含み得る。
本開示はまた、単離されたポリペプチドまたは断片またはその各々の等価物の14個全てのうちの2つもしくはそれよりも多く、または3つもしくはそれよりも多く、4つもしくはそれよりも多く、5つもしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多くを含むか、またはあるいはそれから本質的になるか、またはまたさらにそれからなる単離されたまたは組換えポリペプチドも提供する。
上記の実施形態のいずれにおいても、ペプチドリンカーを、ポリペプチドのN末端またはC末端に付加することができる。「リンカー」または「ペプチドリンカー」は、ポリペプチド配列のN末端またはC末端のいずれかに連結されたペプチド配列を指す。一態様では、リンカーは、約1~約20アミノ酸残基の長さまたはあるいは2~約10、約3~約5アミノ酸残基の長さである。ペプチドリンカーの例は、Gly-Pro-Ser-Leu-Lys-Leu(配列番号33)である。他の例には、Gly-Gly-Gly;Gly-Pro-Ser-Leu(配列番号34);Gly-Pro-Ser;Pro-Ser-Leu-Lys(配列番号35);Gly-Pro-Ser-Leu-Lys(配列番号36)およびSer-Leu-Lys-Leu(配列番号37)が含まれる。
本明細書に開示される単離されたポリペプチドは、原核宿主細胞および真核宿主細胞からの組換えにより産生されたポリペプチドおよびタンパク質、ならびにそのムテイン、アナログ、および断片を含むことが意図され、そのような細胞の例は上述の通りである。一部の実施形態では、用語はまた、本明細書に記載される抗体および抗イディオタイプ抗体も含む。そのようなポリペプチドは、当技術分野で公知の、および本明細書に簡潔に説明される方法を使用して単離または産生され得る。
野生型ポリペプチドまたはタンパク質の機能的等価物またはバリアント、例えばアミノ酸の保存的アミノ酸置換を有するものもまた、本開示の範囲内であると理解される。
さらなる態様では、例えばPEG化、PEGミメティック、ポリシアル化、HES化、またはグリコシル化のように、ポリペプチドを検出可能な標識または作用物質にコンジュゲートまたは連結して、ポリペプチドの半減期を増加させる。適した標識は当技術分野で公知であり、本明細書に記載される。
またさらなる態様では、検出可能な標識を有するまたは有しないポリペプチドは、宿主原核細胞または樹状細胞などの真核宿主細胞の表面上に含有され得るか、または発現させることができる。
タンパク質およびポリペプチドは、精製、化学合成、および組換え方法を含む当業者に公知のいくつかのプロセスによって得ることができる。ポリペプチドは、抗体による免疫沈殿、ゲル濾過、イオン交換、逆相、および親和性クロマトグラフィーなどの標準的な技術などの方法によって宿主細胞系などの調製物から単離することができる。そのような方法論に関しては、例えばDeutscher et al. (1999) Guide To Protein Purification: Methods In Enzymology (Vol. 182, Academic Press)を参照されたい。したがって、本開示はまた、これらのポリペプチドを得るためのプロセスならびにこれらのプロセスによって得ることが可能なおよび得られた産物も提供する。
ポリペプチドはまた、市販の自動ペプチド合成装置、例えばPerkin/Elmer/Applied Biosystems,Inc.のモデル430Aまたは431A、Foster City、Calif.、USAによって製造される合成装置を使用して化学合成によっても得ることができる。合成されたポリペプチドを沈殿させて、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によってさらに精製する。したがって、本開示はまた、タンパク質および試薬、例えばアミノ酸および酵素の配列を提供すること、およびアミノ酸を適切な方向および線形の配列に共に連結することによって、本明細書に開示されるタンパク質を化学合成するプロセスも提供する。
あるいは、タンパク質およびポリペプチドは、本明細書に記載される宿主細胞およびベクター系を使用して、例えばSambrook et al. (1989)、上記に記載される周知の組換え方法によって得ることができる。
また、診断方法に使用するために検出可能な作用物質にコンジュゲートされた本明細書に記載されるポリペプチドもまた、本出願によって提供される。例えば検出可能に標識したポリペプチドをカラムに結合させて、抗体の検出および精製のために使用することができる。それらはまた、抗体産生のための免疫原としても有用である。本明細書に開示されるポリペプチドは、細胞プロセスをモジュレートする作用物質または薬物についてスクリーニングするためのin vitroアッセイ系において有用である。別の態様では、DNABIIポリペプチドのテール領域(IHFもしくはHUのテール領域、IHFAもしくはIHFBのテール領域、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIを含むがこれらに限定されない)に対して特異的である抗体は、バイオフィルムの検出のための診断アッセイにおいて特に有用であり、単独で、または本明細書に記載される1つもしくは複数の抗体と組み合わせて使用することができる。一態様では、テール領域に対して特異的な抗体は、DNABIIポリペプチドのチップ領域(IHFもしくはHUのチップ領域、IHFAもしくはIHFBのチップ領域、および/またはチップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIを含むがこれらに限定されない)に対して特異的な抗体のためのコンパニオン診断として使用される。DNABIIポリペプチドは、IFHまたはHUポリペプチドであり得る。
本明細書に開示されるペプチドに改変を行って、変更された特性をペプチドに提供できることは、当業者に周知である。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、グリシンならびにDおよびL光学異性体の両方を含む天然および/または非天然もしくは合成アミノ酸のいずれか、アミノ酸アナログおよびペプチドミメティクスを指す。3つまたはそれよりも多くのアミノ酸のペプチドは、ペプチド鎖が短い場合には一般的にオリゴペプチドと呼ばれる。ペプチド鎖が長い場合、ペプチドは一般的にポリペプチドまたはタンパク質と呼ばれる。
本明細書で開示されるペプチドは、非天然アミノ酸を含むように改変することができる。よって、ペプチドは、ペプチドに特別な特性を伝えるために、Dアミノ酸、Lアミノ酸の組合せ、および様々な「デザイナー」アミノ酸(例えば、ベータ-メチルアミノ酸、C-アルファ-メチルアミノ酸、およびN-アルファ-メチルアミノ酸等)を含み得る。その上、特定のカップリングステップで特定のアミノ酸を割付することによって、アルファヘリックス、ベータターン、ベータシート、ガンマターンを有するペプチド、および環状ペプチドを生成することができる。一般的に、アルファ-ヘリックス二次構造またはランダム二次構造は特に有用であり得ると考えられる。
本明細書に開示されるポリペプチドはまた、様々な固相担体、例えばインプラント、ステント、ペースト、ゲル、歯科用インプラント、または医療用インプラント、または液相担体、例えばビーズ、滅菌または水溶液、薬学的に許容される担体、薬学的に許容されるポリマー、リポソーム、ミセル、懸濁剤、および乳剤と組み合わせることができる。非水性溶媒の例としては、プロピルエチレングリコール、ポリエチレングリコール、および植物油が挙げられる。抗体を調製するためまたはin vivoで免疫応答を誘導するために使用する場合、担体はまた、特異的免疫応答を非特異的に増強するために有用であるアジュバントを含み得る。当業者は、アジュバントが必要であるかどうかを容易に決定し、1つを選択することができる。しかし、単なる説明目的として、適したアジュバントとしては、フロイント完全アジュバントおよび不完全アジュバント、無機塩、およびポリヌクレオチドが挙げられるがこれらに限定されない。他の適したアジュバントとしては、モノホスホリルリピッドA(MPL)、E.coliの易熱性エンテロトキシンの変異体誘導体、コレラ毒素の変異体誘導体、CPGオリゴヌクレオチド、およびスクアレンに由来するアジュバントが挙げられる。
本開示はまた、本明細書に開示されるポリペプチド、アナログ、ムテイン、または断片のいずれかを単独で、または互いにもしくは他の作用物質、例えば抗生物質および許容される担体または固相支持体と組み合わせて含むか、またはあるいは本質的にそれからなるか、またはまたさらにそれからなる医薬組成物も提供する。これらの組成物は、本明細書に記載される様々な診断および治療方法にとって有用である。
ポリヌクレオチド
本開示はまた、上記で同定された抗体、その断片、CDR、単離されたまたは組換えポリペプチド、およびそのそれぞれの相補鎖のうちの1つまたは複数をコードする単離されたまたは組換えポリヌクレオチドも提供する。単離されたまたは組換えポリヌクレオチドを含むベクターがさらに提供され、その例は当技術分野で公知であり、その例を本明細書に簡潔に説明する。1つよりも多くの単離されたまたは組換えポリヌクレオチドが単一の単位として発現される一態様では、単離されたまたは組換えポリヌクレオチドを、多シストロン性ベクター内に含有することができる。ポリヌクレオチドは、DNA、RNA、mRNA、または干渉RNA、例えばsiRNA、miRNA、もしくはdsRNAであり得る。
別の態様では、本開示は、DNAの微生物バイオフィルム中のポリペプチドまたはタンパク質への結合に干渉するポリヌクレオチド、またはホリデイジャンクションに類似する4方向ジャンクションのポリヌクレオチド、複製フォークに類似する3方向ジャンクションのポリヌクレオチド、固有の柔軟性を有するポリヌクレオチド、またはベントポリヌクレオチドである干渉作用物質を提供し、それらはDNABIIポリヌクレオチド(HUまたはIHF)が微生物DNAに結合するのを処置または阻害することができ、同様にバイオフィルム形成および関連する感染症および障害を処置、予防、または阻害することができる。当業者は本明細書に提供される情報および当業者の知識を使用して、そのようなポリヌクレオチドを作製することができる。Goodman and Kay (1999) J. Biological Chem. 274(52):37004-37011およびKamashev and Rouviere-Yaniv (2000) EMBO J. 19(23):6527-6535を参照されたい。
本開示はさらに、RNA転写のプロモーター、ならびにDNAまたはRNAの複製および/または一過性もしくは安定な発現のための他の調節配列に作動可能に連結された単離されたまたは組換えポリヌクレオチドを提供する。本明細書で使用される場合、「作動可能に連結された」という用語は、プロモーターがDNA分子からのRNAの転写を方向付けるように配置されることを意味する。そのようなプロモーターの例は、SP6、T4、およびT7である。ある特定の実施形態では、細胞特異的プロモーターは、挿入されたポリヌクレオチドの細胞特異的発現のために使用される。プロモーターまたはプロモーター/エンハンサーを、終止コドン、および選択可能マーカー配列、ならびに挿入されたDNA小片をそのプロモーターに作動可能に連結させることができるクローニングサイトと共に含有するベクターは、当技術分野で公知であり、市販されている。全般的な方法論およびクローニング戦略に関しては、Gene Expression Technology (Goeddel ed., Academic Press, Inc. (1991))およびその中で引用されている参考文献、ならびにマップ、機能的特性、販売元、および様々な適したベクターのGenEMBLアクセッション番号に対する参照を含有するVectors: Essential Data Series (Gacesa and Ramji, eds., John Wiley & Sons, N.Y. (1994))を参照されたい。
一実施形態では、本明細書に開示されるポリヌクレオチドに由来するポリヌクレオチドは、本明細書に記載される診断的および治療的有用性を有するポリペプチドまたはタンパク質、ならびに存在してもしなくてもよいタンパク質の転写物を同定するためのプローブをコードする。これらの核酸断片は、例えばより大きいポリヌクレオチドの制限酵素消化によって調製され、その後に検出可能なマーカーによって標識することができる。あるいは、分子のニックトランスレーションを使用してランダム断片を生成することができる。そのような断片の調製および標識に関する方法論としては、Sambrook et al. (1989)、上記を参照されたい。
これらの核酸分子を含有する発現ベクターは、タンパク質およびポリペプチドを産生するための宿主ベクター系を得るために有用である。これらの発現ベクターは、エピソームとして、または染色体DNAの不可欠な部分として宿主生物において複製可能でなければならないことが意味される。適した発現ベクターの非限定的な例としては、プラスミド、酵母ベクター、ウイルスベクター、およびリポソームが挙げられる。アデノウイルスベクターは、in vitroおよびin vivoの両方でその高い発現レベルおよび細胞の効率的な形質転換のために、in vivoで組織に遺伝子を導入するために特に有用である。核酸が適した宿主細胞、例えば原核細胞または真核細胞に挿入されると、宿主細胞は複製し、タンパク質を組換えにより産生することができる。適した宿主細胞は、ベクターに依存し、公知の方法を使用して構築される哺乳動物細胞、動物細胞、ヒト細胞、サル細胞、昆虫細胞、酵母細胞、および細菌細胞を含む。Sambrook et al. (1989)、上記を参照されたい。外因性の核酸を細胞に挿入するためにウイルスベクターを使用することに加えて、核酸を、当技術分野で公知の方法、例えば細菌細胞の形質転換、哺乳動物細胞のためのリン酸カルシウム沈殿を使用するトランスフェクション、またはDEAE-デキストラン、電気穿孔、またはマイクロインジェクションによって宿主細胞に挿入することができる。方法論に関しては、Sambrook et al. (1989)、上記を参照されたい。よって、本開示はまた、タンパク質またはポリペプチドまたは抗体をコードするポリヌクレオチドを含有する宿主細胞、例えば哺乳動物細胞、動物細胞(ラットまたはマウス)、ヒト細胞、または原核細胞、例えば細菌細胞も提供する。
ポリヌクレオチドは、改変ヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログを含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造への改変は、ポリヌクレオチドの組立て前または後に与えられ得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド構成成分によって中断され得る。ポリヌクレオチドを、例えば、標識化構成成分とのコンジュゲーションによって、重合化後にさらに改変してもよい。また、この用語は、二本鎖および一本鎖分子の両方を指す。別に特定または要求されない限り、ポリヌクレオチドである本明細書で開示する任意の実施形態は、二本鎖形態、および二本鎖形態を構成することが公知または予想される2つの相補的一本鎖形態の各々の両方を包含する。
本明細書に開示される方法においてベクターをin vivoまたはex vivoでの遺伝子治療として使用する場合、薬学的に許容されるベクター、例えば複製インコンピテントレトロウイルスまたはアデノウイルスベクターは一例であり(しかし限定的ではない)、特に有用であり得る。本明細書に開示される核酸を含有する薬学的に許容されるベクターは、挿入されたポリヌクレオチドの一過性または安定な発現のためにさらに改変することができる。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容されるベクター」という用語は、核酸を分裂中の細胞に選択的に標的化して導入する能力を有するベクターまたは送達媒体を含むがこれらに限定されない。そのようなベクターの例は、ウイルスタンパク質を産生することができないこと、感染した宿主細胞においてベクターが伝播できないことによって定義される「複製インコンピテント」ベクターである。複製インコンピテントレトロウイルスベクターの例は、LNL6(Miller et al. (1989) BioTechniques 7:980-990)である。遺伝子マーカーのレトロウイルス媒介遺伝子移入のために複製インコンピテントレトロウイルスを使用する方法論は確立されている(Bordignon (1989) PNAS USA 86:8912-8952; Culver (1991) PNAS USA 88:3155;およびRill (1991) Blood 79(10):2694-2700)。
本開示はまた、本明細書に開示されるポリヌクレオチドを含有および/または発現する遺伝子改変細胞も提供する。遺伝子改変細胞は、プロモーターおよび遺伝子活性化剤などの上流の調節配列の挿入によって産生することができる(米国特許第5,733,761号を参照されたい)。一実施形態では、改変細胞は真核細胞または原核細胞である。
ポリヌクレオチドは、細胞における核酸の検出および/または遺伝子の発現のための検出可能なマーカー、例えば酵素標識または放射性同位体にコンジュゲートすることができる。検出可能なシグナルを生じることができる蛍光、放射活性、酵素、または他のリガンド、例えばアビジン/ビオチンを含む広く種々の適切な検出マーカーが当技術分野で公知である。一態様では、放射活性または他の環境上望ましくない試薬の代わりに、蛍光標識または酵素タグ、例えばウレアーゼ、アルカリホスファターゼ、またはペルオキシダーゼを使用することが望ましい可能性がある。酵素タグの場合、熱量測定指標基質を使用して、人の眼に見える手段を提供することができるか、または分光光度法により、相補的核酸含有試料との特異的ハイブリダイゼーションを同定することができる。よって、本開示はさらに、標的一本鎖ポリヌクレオチドを、本明細書に開示されるポリヌクレオチドの一部である標識された一本鎖ポリヌクレオチド(プローブ)と、相補的一本鎖ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にする条件(必要に応じて中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件)下で、または必要に応じて高ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で接触させることによって、一本鎖ポリヌクレオチドまたはその相補鎖を検出するための方法を提供する。ハイブリダイズしたポリヌクレオチド対を、ハイブリダイズしていない一本鎖ポリヌクレオチドから分離する。ハイブリダイズしたポリヌクレオチド対を、当業者に公知の、および例えばSambrook et al. (1989)、上記の方法を使用して検出する。
本開示において具体化されるポリヌクレオチドは、化学合成、組換えクローニング方法、PCR、またはそのいずれかの組合せを使用して得ることができる。ポリヌクレオチドを化学合成する方法は当技術分野で公知であり、本明細書において詳細に記載する必要はない。当業者は、本明細書に提供される配列データを使用して、DNA合成装置を使用することによって、または市販のサービスから注文することによって所望のポリヌクレオチドを得ることができる。
本明細書に開示されるポリヌクレオチドは、PCRを使用して単離または複製することができる。PCR技術は、米国特許第4,683,195号;第4,800,159号;第4,754,065号;および第4,683,202号の主題であり、PCR: The Polymerase Chain Reaction (Mullis et al. eds., Birkhauser Press, Boston (199.4))、またはMacPherson et al. (1991) and (1995)、上記、ならびにその中で引用されている参考文献に記載されている。あるいは、当業者は、本明細書に提供される配列および市販のDNA合成装置を使用して、DNAを複製することができる。したがって、本開示はまた、ポリヌクレオチドの線形の配列、ヌクレオチド、適切なプライマー分子、化学物質、例えば酵素を提供することによって、およびその複製のための説明書を提供することによって、ならびにポリヌクレオチドを得るためにヌクレオチドを適切な方向に化学的に複製するかまたは連結することによって、本明細書に開示されるポリヌクレオチドを得るためのプロセスも提供する。別々の実施形態では、これらのポリヌクレオチドは、さらに単離される。なおさらに、当業者は、ポリヌクレオチドを適した複製ベクターに挿入することができ、ベクターを複製および増幅のために適した宿主細胞(原核細胞または真核細胞)に挿入することができる。そのように増幅されたDNAを、当業者に公知の方法によって細胞から単離することができる。そのように増幅されたDNAは、当業者に公知の方法によって細胞から単離することができる。この方法によってポリヌクレオチドを得るためのプロセスならびにそのように得られたポリヌクレオチドを、本明細書にさらに提供する。
RNAは、最初にDNAポリヌクレオチドを適した宿主細胞に挿入することによって得ることができる。DNAは、任意の適切な方法、例えば適切な遺伝子送達媒体(例えば、リポソーム、プラスミド、またはベクター)を使用することによって、または電気穿孔によって送達することができる。細胞が複製し、DNAがRNAに転写されると、次にRNAを、当業者に公知の方法、例えばSambrook et al. (1989)、上記に記載される方法を使用して単離することができる。例えば、mRNAは、Sambrook et al. (1989)、上記に記載される手順に従って様々な溶解性酵素もしくは化学溶液を使用して単離することができるか、または製造業者によって提供される添付の使用説明書に従って核酸結合樹脂によって抽出することができる。
本明細書に開示されるポリヌクレオチドと配列相補性または相同性を示すポリヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションプローブとして、または本明細書において同定される特定のポリヌクレオチドの等価物として有用である。転写物の全長のコード配列が既知であるので、この配列または相同な配列の任意の部分を本明細書に開示される方法に使用することができる。
「完全に整合する」プローブは、特異的ハイブリダイゼーションにとって必要ではないことは公知である。少数の塩基の置換、欠失、または挿入によって達成されるプローブ配列の軽微な変化は、ハイブリダイゼーションの特異性に影響を及ぼさない。一般的に、20%もの多くの塩基対のミスマッチ(最適に整列させた場合)が認容され得る。一部の実施形態では、前述のmRNAを検出するために有用なプローブは、相同な領域と少なくとも約80%同一である。一部の実施形態では、プローブは、相同な領域の整列後、対応する遺伝子配列と85%同一である。一部の実施形態では、これは90%同一性を示す。
これらのプローブを放射線アッセイ(例えばサザンブロットおよびノザンブロット分析)に使用して、様々な細胞またはこれらの細胞を含有する組織を検出、予後判定、診断、またはモニターすることができる。プローブはまた、本明細書に開示されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発現を検出するためのハイスループットスクリーニングアッセイにおいて使用するために、固相支持体またはアレイ、例えばチップに結合させることができる。したがって、本開示はまた、ハイスループットスクリーニングにおいて使用するための固相支持体に結合した本明細書に開示されるポリヌクレオチド、またはその等価物、またはその相補体、またはその断片を含むまたはそれに対応するプローブも提供する。
断片の総サイズならびに相補的ストレッチのサイズは、特定の核酸セグメントの意図される使用または適用に依存する。より小さい断片は一般的に、ハイブリダイゼーション実施形態において有用であるが、相補的領域の長さは、少なくとも5から10から約100ヌクレオチドの間、またはさらには検出しようとする相補的配列に応じて全長まで変動し得る。
5ヌクレオチドよりも多くから10ヌクレオチドの長さのストレッチに対して相補的配列を有するヌクレオチドプローブは一般的に、ハイブリッドの安定性および選択性を増加させて、それによって得られた特定のハイブリッド分子の特異性を改善するために良好に適している。ある特定の実施形態では、10ヌクレオチドまたはそれよりも多く、または50ヌクレオチドよりも長い長さの遺伝子相補的ストレッチ、または望ましければさらにより長いストレッチを有するポリヌクレオチドを設計することができる。そのような断片は、例えば化学的手段によって断片を直接合成することによって、核酸再生技術、例えば米国特許第4,603,102号に記載される2つのプライミングオリゴヌクレオチドによるPCR技術の適用によって、または組換えによる産生のために組換えベクターに選択された配列を導入することによって容易に調製され得る。一態様では、プローブは、約50~75ヌクレオチドまたはそれよりも長い長さ、あるいは50~100ヌクレオチドの長さである。
本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載される細胞において発現される遺伝子または遺伝子転写物を検出するためのプライマーとして働くことができる。この文脈では、増幅は、妥当な忠実度で標的配列を複製することができるプライマー依存的ポリメラーゼを使用する任意の方法を意味する。増幅は、T7 DNAポリメラーゼ、E.coli DNAポリメラーゼのクレノウ断片、および逆転写酵素などの天然または組換えDNAポリメラーゼによって実行することができる。単なる説明目的のために、プライマーはプローブに関して同定された長さと同じ長さである。
ポリヌクレオチドを増幅する1つの方法は、PCRであり、PCR増幅のためのキットは市販されている。増幅後、得られたDNA断片を、当技術分野で公知の任意の適切な方法、例えばアガロースゲル電気泳動後にエチジウムブロミド染色および紫外線照射による可視化によって検出することができる。
細胞に遺伝子送達ベクターまたは媒体の有効量を投与する方法が開発されており、当業者に公知であり、本明細書に記載される。細胞における遺伝子発現を検出する方法は、当技術分野で公知であり、DNAマイクロアレイへのハイブリダイゼーション、in situハイブリダイゼーション、PCR、RNアーゼ保護アッセイ、およびノザンブロット分析などの技術が含まれる。そのような方法は、細胞における遺伝子の発現を検出および定量するために有用である。あるいは、コードされるポリペプチドの発現を、様々な方法によって検出することができる。特に、標的ポリペプチドに特異的に反応するポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を調製することは有用である。そのような抗体は、免疫組織化学、ELISA、およびウェスタンブロッティングなどの技術を使用してポリペプチドを発現する細胞を可視化するために有用である。これらの技術を使用して、発現されたポリヌクレオチドの発現レベルを決定することができる。
産生方法
また、抗体、断片、CDR、またはポリペプチドを産生する方法であって、抗体、抗原結合性断片、ポリペプチド、またはCDRをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を、ポリヌクレオチドを発現させるための条件下で培養すること、ならびに必要に応じて細胞および/または培養物から抗体、断片、CDR、および/またはポリペプチドを単離することを含むか、またはあるいはそれからなるか、またはまたさらにそれからなる方法も提供される。さらに、ポリヌクレオチドを発現させる条件下で、抗体、抗原結合性断片、ポリペプチド、またはCDRをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞もまた提供される。一実施形態では、宿主細胞は真核細胞または原核細胞である。さらなる実施形態では、宿主細胞は哺乳動物細胞である。
組成物
組成物がさらに提供される。組成物は、担体と、本明細書に開示される単離されたポリペプチド、本明細書に開示される単離されたポリヌクレオチド、本明細書に開示されるベクター、本明細書に開示される単離された宿主細胞、本明細書に開示される小分子または抗体および/もしくは抗原結合断片のうちの1つまたは複数とを含む。担体は、固体支持体または薬学的に許容される担体のうちの1つまたは複数となることができる。組成物は、アジュバントまたはワクチンとしての投与に適した他の成分をさらに含むことができる。一態様では、組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、担体および/またはアジュバントと共に製剤化される。加えて、本開示の組成物の実施形態は、1つまたは複数の薬学的に許容される物質と共に製剤化された、本明細書に開示される単離されたポリペプチド、本明細書に開示される単離されたポリヌクレオチド、本明細書に開示されるベクター、本明細書に開示される小分子、単離された宿主細胞または本開示の抗体のうちの1つまたは複数を含む。
経口調製物のため、本明細書に記載される単離されたまたは組換えポリペプチド、本明細書に記載される単離されたまたは組換えポリヌクレオチド、本明細書に記載されるベクター、本明細書に記載される単離された宿主細胞、本明細書に記載される小分子または抗体もしくはその断片のうちいずれか1つまたは複数を、単独で使用するか、または錠剤、散剤、顆粒剤またはカプセル剤を作製するための適切な添加物と組み合わせて、例えば、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプンまたはジャガイモデンプン等の従来の添加物と;結晶性セルロース、セルロース誘導体、アカシア、トウモロコシデンプンまたはゼラチン等の結合剤と;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウム等の崩壊剤と;タルクまたはステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤と;および所望であれば、希釈剤、緩衝剤、保湿剤、保存剤および香味剤と、組み合わせて化合物を含むもしくはこれから本質的になる本明細書に開示される医薬製剤において使用することができる。薬学的に適合性な結合剤(binding agent)および/またはアジュバント材料が、組成物の一部として含まれてよい。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、次の成分または同様の性質の化合物のいずれかを含有することができる:微結晶性セルロース、トラガカントゴムもしくはゼラチン等の結合剤(binder);デンプンもしくはラクトース等の賦形剤、アルギン酸、Primogelもしくはトウモロコシデンプン等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムもしくはSterotes等の滑沢剤;コロイド性二酸化ケイ素等の滑剤(glidant);スクロースもしくはサッカリン等の甘味剤;またはペパーミント、サリチル酸メチルもしくはオレンジ香味料等の香味剤。
経口投与に適した医薬製剤および単位用量形態は、慢性状態、感染症の処置、および患者が薬物を自己投与する治療法において特に有用である。一態様では、製剤は、小児投与に特異的である。
本開示は、医薬製剤を提供し、この医薬製剤において、本明細書に開示される単離されたポリペプチド、本明細書に開示される単離されたポリヌクレオチド、本明細書に開示されるベクター、本明細書に開示される単離された宿主細胞、または本明細書に開示される抗体のうちの1つまたは複数は、これらを、植物油もしくは他の同様の油、合成脂肪族酸グリセリド、高級脂肪族酸のエステル、またはプロピレングリコール等の水性または非水性溶媒に溶解、懸濁または乳化することにより、本開示に従って注射用調製物へと、所望であれば、可溶化剤、等張剤、懸濁化剤、乳化剤、安定剤および保存剤または他の抗微生物剤等の従来の添加物と共に、製剤化され得る。そのようなものの非限定的な例は、表面抗原、例えば、OMP P5、OMP 26、OMP P2またはIV型ピリンタンパク質(Jurcisek and Bakaletz (2007) J. of Bacteriology 189(10):3868-3875およびMurphy, T F, Bakaletz, L O and Smeesters, P R (2009) The Pediatric Infectious Disease Journal, 28:S121-S126を参照)等の他のワクチン成分、および抗菌剤等の抗微生物剤である。静脈内投与のため、適した担体は、生理的静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF、Parsippany、N.J.)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)を含む。全ての事例において、非経口投与のための組成物は、滅菌されていなければならず、容易に注射できる程度まで流動性があるべきである。
本開示によって提供されるエアロゾル製剤は、吸入により投与することができ、噴射剤または非噴射剤ベースとなることができる。例えば、本明細書に開示される医薬製剤の実施形態は、例えばジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの加圧された許容される噴射剤中に製剤化された本明細書に開示される化合物を含む。吸入による投与のため、化合物は、適した噴射剤、例えば、二酸化炭素等のガスを含有する加圧された容器もしくはディスペンサーまたはネブライザーからエアロゾルスプレーの形態で送達することができる。非噴射剤の非限定的な例は、機械力(すなわち、指でピストンを押し下げること、または容器の壁に加えられる圧縮力もしくは壁それ自体によって、例えば、弾性嚢によって及ぼされる弾性力等、容器の圧縮による)を用いて閉鎖容器から駆出されるポンプスプレーである。
本明細書に開示される坐剤は、本明細書に開示される化合物を、乳化基剤または水溶性基剤等の種々の基剤のいずれかと混合することにより調製することができる。本明細書に開示される化合物のこのような医薬製剤の実施形態は、坐剤により直腸投与することができる。坐剤は、体温で融解するが室温で凝固する、カカオバター、カルボワックス(carbowax)およびポリエチレングリコール等の媒体を含むことができる。
シロップ剤、エリキシル剤および懸濁剤等、経口または直腸投与のための単位剤形を提供することができ、各投薬量単位、例えば、茶匙1杯(teaspoonful)、食匙1杯(tablespoonful)、錠剤または坐剤は、本明細書に開示される1つまたは複数の化合物を含有する組成物の所定の量を含有する。同様に、注射または静脈内投与のための単位剤形は、滅菌水、生理的食塩水(normal saline)または別の薬学的に許容される担体中の液剤としての組成物中に本明細書に開示される化合物を含むことができる。
本明細書に開示される医薬製剤の実施形態は、本明細書に開示される単離されたポリペプチド、本明細書に開示される単離されたポリヌクレオチド、本明細書に開示されるベクター、本開示における使用のための小分子、本明細書に開示される単離された宿主細胞または本明細書に開示される抗体もしくはその断片のうちの1つまたは複数が、注射用組成物中に製剤化される実施形態を含む。本明細書に開示される注射用医薬製剤は、液体の液剤もしくは懸濁剤として;または注射に先立つ液体媒体への溶解もしくは懸濁に適した固体形態として調製される。本明細書に開示される医薬製剤の他の実施形態に従って、調製物は、乳化することもできる、またはリポソーム媒体に被包された活性成分となることもできる。
ある実施形態では、本明細書に開示される単離されたポリペプチド、本明細書に開示される単離されたポリヌクレオチド、本明細書に開示されるベクター、本明細書に開示される単離された宿主細胞または本明細書に開示される抗体のうちの1つまたは複数は、持続的送達系による送達のために製剤化される。用語「持続的送達系」は、「制御された送達系」と互換的に本明細書で使用され、そのうち多種多様なものが当技術分野で公知である、カテーテル、注射デバイスなどと組み合わせた、持続的(例えば、制御された)送達デバイス(例えば、ポンプ)を包含する。
機械的または電気機械的注入ポンプも、本開示による使用に適する場合がある。斯かるデバイスの例は、例えば、米国特許第4,692,147号;同第4,360,019号;同第4,487,603号;同第4,360,019号;同第4,725,852号;同第5,820,589号;同第5,643,207号;同第6,198,966号などに記載されているデバイスを含む。一般に、本明細書に開示される化合物の送達は、種々の詰め替え可能なポンプシステムのいずれかを使用して達成することができる。ポンプは、経時的に一貫した制御放出をもたらす。一部の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、薬物不透過性リザーバー内の液体製剤中に存在し、持続的様式で個体に送達される。
一実施形態では、薬物送達系は、少なくとも部分的に植込み型デバイスである。植込み型デバイスは、当技術分野で周知の方法およびデバイスを使用して、いずれか適した植込み部位に植え込むことができる。植込み部位は、薬物送達デバイスが導入され置かれる、対象の身体内の部位である。植込み部位は、真皮下、皮下、筋肉内、または対象の身体内の他の適した部位を含むが、これらに必ずしも限定されない。皮下植込み部位は、一部の実施形態では、薬物送達デバイスの植込みおよび除去における便宜のために使用される。
本開示における使用に適した薬物放出デバイスは、種々の操作機序のいずれか、ポリマー、例えばいくつかのベンダー、例えばBioDegmerおよびSigma-Aldrichから販売されているポリ(グリコリド-co-ラクチド)(PGLA)に基づくことができる。例えば、薬物放出デバイスは、拡散システム、対流システムまたは侵食性システム(例えば、侵食に基づくシステム)に基づくことができる。例えば、薬物放出デバイスは、電気化学的ポンプ、浸透圧ポンプ、電気浸透圧ポンプ、蒸気圧ポンプまたは浸透圧バーストマトリックスとなることができ、この場合、例えば、薬物は、ポリマー(例えばPGLA)に取り込まれ、ポリマーは、薬物含浸ポリマー材料(例えば、生分解性、薬物含浸ポリマー材料)の分解に付随して薬物製剤の放出をもたらす。他の実施形態では、薬物放出デバイスは、電気拡散システム、電解ポンプ、発泡ポンプ、圧電ポンプ、加水分解システム等に基づく。
機械的または電気機械的注入ポンプに基づく薬物放出デバイスも、本開示による使用に適する場合がある。斯かるデバイスの例は、例えば、米国特許第4,692,147号;同第4,360,019号;同第4,487,603号;同第4,360,019号;同第4,725,852号などに記載されているデバイスを含む。一般に、対象処置方法は、種々の詰め替え可能で交換不可能なポンプシステムのいずれかを使用して達成することができる。ポンプおよび他の対流システムは、それらには、経時的に一般的により一貫性のある制御放出があるという理由から利用することができる。浸透圧ポンプは、一部の実施形態では、それらには、より一貫性のある制御放出と比較的小さいサイズという複合的利点があるという理由から使用される(例えば、PCT国際出願公開番号WO97/27840ならびに米国特許第5,985,305号および同第5,728,396号を参照)。本開示における使用に適した例示的な浸透圧により駆動されるデバイスは、米国特許第3,760,984号;同第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,923,426号;同第3,987,790号;同第3,995,631号;同第3,916,899号;同第4,016,880号;同第4,036,228号;同第4,111,202号;同第4,111,203号;同第4,203,440号;同第4,203,442号;同第4,210,139号;同第4,327,725号;同第4,627,850号;同第4,865,845号;同第5,057,318号;同第5,059,423号;同第5,112,614号;同第5,137,727号;同第5,234,692号;同第5,234,693号;同第5,728,396号などに記載されているデバイスを含むが、これらに必ずしも限定されない。本開示に適応され得るさらに例示的なデバイスは、Synchromed注入ポンプ(Medtronic)である。
一部の実施形態では、薬物送達デバイスは、植込み型デバイスである。薬物送達デバイスは、当技術分野で周知の方法およびデバイスを使用して、いずれか適した植込み部位に植え込むことができる。本明細書に記述される通り、植込み部位は、薬物送達デバイスが導入され置かれる、対象の身体内の部位である。植込み部位は、真皮下、皮下、筋肉内、または対象の身体内の他の適した部位を含むが、これらに必ずしも限定されない。
本明細書に開示される化合物に適した賦形剤媒体は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、およびこれらの組合せである。加えて、所望であれば、媒体は、湿潤剤または乳化剤またはpH緩衝剤等、少量の補助的物質を含有することができる。斯かる剤形を調製する方法は、公知である、または本開示を考慮することにより、当業者には明らかとなる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 17th edition, 1985を参照されたい。投与されるべき組成物または製剤は、いかなる場合であっても、処置されている対象における所望の状態の達成に適切な化合物の含量を含有する。
本開示の組成物は、徐放性マトリックスまたは制御放出マトリックスを含む組成物を含む。加えて、本開示の実施形態は、徐放性製剤を使用する他の処置と併せて使用することができる。本明細書で使用される場合、徐放性マトリックスは、酵素によるもしくは酸に基づく加水分解または溶解によって分解可能な材料、通常、ポリマーから作られたマトリックスである。身体内に挿入されると、マトリックスは、酵素および体液の作用を受ける。徐放性マトリックスは、望ましくは、リポソーム、ポリラクチド(ポリ乳酸)、ポリグリコリド(グリコール酸のポリマー)、ポリラクチドco-グリコリド(乳酸およびグリコール酸のコポリマー)、ポリ酸無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリペプチド、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチンサルフェート、カルボン酸(carboxcylic acid)、脂肪酸、リン脂質、多糖、核酸、ポリアミノ酸、フェニルアラニン(phenylatanine)、チロシン、イソロイシン等のアミノ酸、ポリヌクレオチド、ポリビニルプロピレン、ポリビニルピロリドンおよびシリコーン等の生体適合性材料から選択される。説明目的の生分解性マトリックスは、ポリラクチドマトリックス、ポリグリコリドマトリックスおよびポリラクチドco-グリコリド(乳酸およびグリコール酸のコポリマー)マトリックスを含む。
別の実施形態では、ポリペプチド、抗体またはその断片(および組合せ組成物)は、制御放出システムにおいて送達される。例えば、本明細書に開示される化合物は、静脈内注入、植込み型浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソームまたは他の投与機序を使用して投与することができる。一実施形態では、ポンプを使用することができる(Sefton (1987) CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201;Buchwald et al. (1980) Surgery 88:507;Saudek et al. (1989) N. Engl. J. Med. 321:574)。別の実施形態では、ポリマー材料が使用される。さらに別の実施形態では、制御放出システムは、治療標的、すなわち、肝臓に近接して配置され、よって、全身性用量のごく一部しか要求しない。さらに別の実施形態では、制御放出システムは、治療標的に近接して配置され、よって、全身性用量のごく一部しか要求しない。他の制御放出システムは、Langer (1990) Science 249:1527-1533による概説において考察されている。
別の実施形態では、本開示の組成物(および別々のまたは一緒の組合せ組成物)は、組成物を送達するために、縫合糸、包帯およびガーゼ等の吸収性材料への本明細書に記載される阻害する作用物質の含浸によって形成された組成物、または手術用ステープル、ジッパーおよびカテーテル等の固相材料の表面にコーティングされた組成物を含む。この種の他の送達系は、当業者には、本開示を考慮して容易に明らかとなる。
本開示は、微生物感染の処置のための、干渉作用物質のうちの1つまたは複数の宿主(例えば、ヒト)への投与のための方法および組成物を提供する。様々な実施形態では、本明細書に開示されるこのような方法は、in vivoおよびex vivo方法、ならびに全身性および局部投与経路を含む、薬物送達に適したほぼ全ての利用できる方法および経路に及ぶ。
スクリーニングアッセイ
本開示は、本明細書に記載されるポリクローナル抗体と等価なモノクローナル抗体等の等価な作用物質、および活性剤の活性をモジュレートする様々な作用物質、および本明細書に開示される医薬組成物、または本明細書に開示されるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドもしくはペプチド産物の機能に関してスクリーニングするための方法を提供する。本開示の目的のため、「作用物質」は、単純もしくは複雑な有機もしくは無機分子(本明細書では、核酸などの小分子という)、ペプチド、タンパク質(例えば、抗体)、ポリヌクレオチド(アンチセンス)、またはリボザイム等の生物学的または化学的な化合物を含むが、これらに限定されないことを意図する。広範囲の化合物、例えば、ポリペプチドおよびポリヌクレオチド等のポリマー、ならびに様々なコア構造に基づく合成有機化合物を合成することができ、これらもまた、用語「作用物質」に含まれる。加えて、例えば植物または動物抽出物など、様々な天然の供給源が、スクリーニングのための化合物をもたらすことができる。必ずしも明確に記述されているとは限らないが、作用物質が、単独で、または発明に関するスクリーニングによって同定される作用物質と同じもしくは異なる生物活性を有する別の作用物質と組み合わせて使用されることを理解されたい。
一実施形態は、DNA-DNABII(例えば、IHFまたはHU)相互作用と、相互作用する、結合する、または阻害することができる作用物質をスクリーニングする方法である。したがって、本開示は、DNA-DNABII(例えば、IHFまたはHU)相互作用と、相互作用する、結合する、または阻害することができる作用物質を設計、選択、および合成するために、コンピューター補助技術、in silico設計またはモデリングとしても知られるバーチャル設計技術の使用を容認する。次に、候補作用物質は、本明細書に記載されるバイオフィルムおよび関連疾患または状態(医学的、工業、または獣医学的)の処置において有効であり得る。よって、本開示は、in silicoの方法によって同定または設計された作用物質も提供する。
候補作用物質は、候補作用物質といずれかまたは両方との間の所望の相互作用が見出される場合、DNAおよび/またはDNABIIタンパク質に結合することができることが見出される。相互作用は、定量的、例えば相互作用の強度および/もしくは相互作用部位の数であり得るか、または定性的、例えば相互作用もしくは相互作用の欠如であり得る。したがって方法のアウトプットは、定量的または定性的であり得る。したがって、一態様では、本開示はまた、相互作用を阻害しないかまたはあるいはDNAとタンパク質との間の相互作用を強める作用物質を特定する方法も提供する。
作用物質、例えば小分子化合物の潜在的阻害効果または結合効果(すなわち、相互作用または結合)を、コンピューターモデリング技術を使用することによって、その実際の合成および検査前に分析することができる。所与の化合物の理論的構造が、バイオフィルムおよび/またはDNABIIタンパク質におけるそれと微生物DNAとの間の相互作用および結合が不十分であることを示唆している場合、作用物質の合成および試験を回避することができる。しかし、コンピューターモデリングが強い相互作用を指し示している場合、作用物質を合成し、in vitroまたはin vivo実験などの様々な方法を使用して作用物質が相互作用に結合する能力または相互作用を阻害する能力に関して試験することができる。作用物質が、単独でまたは別の作用物質と共にバイオフィルムを阻害または滴定する能力を試験する方法を本明細書に開示する。このように、動作不能な作用物質および化合物の合成を回避することができる。
当業者は、DNABIIまたは微生物DNAとの結合能、より詳しくは特異的結合部位との結合能に関して化学実体または生物実体または断片をスクリーニングするためにいくつかの方法のいずれを使用してもよい。次に、選択された断片または化学実体を、種々の方向に配置してもよく、またはDNAもしくはDNABIIポリペプチドの個々の結合部位内にドッキングさせてもよい。ドッキングは、QUANTA、SYBYLなどのソフトウェアを使用して、その後にエネルギー最小化および標準的な分子力場による分子動力学法、例えばCHARMMおよびAMBERを使用して達成され得る。
市販のコンピュータープログラムもまた、in silico設計で利用可能である。例としては、GRID(Oxford University、Oxford、UK)、MCSS(Molecular Simulations、Burlington、Mass.)、AUTODOCK(Scripps Research Institute、La Jolla、Calif.)、DOCK(University of California、San Francisco、Calif.)、GLIDE(Schrodinger Inc.)、FlexX(Tripos Inc.)およびGOLD(Cambridge Crystallographic Data Centre)が挙げられるがこれらに限定されない。
作用物質または化合物が、上記の方法によって設計または選択された後、作用物質または化合物が互いに結合し得る効率を試験し、コンピューター評価によって最適化してもよい。例えば、有効なDNABII断片は、その結合状態と遊離状態(すなわち、結合の小さい変形エネルギー)の間のエネルギーの比較的小さい差を実証し得る。
設計または選択された化合物はさらに、その結合状態において、それが必要に応じて標的タンパク質との静電反発相互作用を欠如し得るようにさらにコンピューターによって最適化され得る。そのような非相補的(例えば、静電)相互作用としては、反発電荷-電荷相互作用、双極子-双極子相互作用、および電荷-双極子相互作用が挙げられる。具体的には、作用物質または化合物がいずれかの作用物質に結合した場合のバイオフィルム中の作用物質およびDNABIIおよび/または微生物DNAの間の全ての静電相互作用の合計は、必要に応じて結合のエンタルピーに中性にまたは好ましく寄与する。
コンピューターソフトウェアもまた、当技術分野で化合物のひずみエネルギーおよび静電相互作用を評価するために使用可能である。例としては、Gaussian 92[Gaussian,Inc.、Pittsburgh、Pa.];AMBER[University of California at San Francisco];QUANTA/CHARMM[Molecular Simulations,Inc.、Burlington、Mass.];およびInsight II/Discover[Biosysm Technologies Inc.、San Diego、Calif.]が挙げられるがこれらに限定されない。
結合物質が上述のように最適に選択または設計された後、その結合特性を改善または改変するためにその原子または側鎖の一部に置換を行ってもよい。一般的に、最初の置換は保存的であり、すなわち置換基は、元の基とおよそ同じサイズ、形状、疎水性、および電荷を有する。当然、立体構造を変更することが当技術分野で公知の構成成分は回避すべきであると理解すべきである。次に、そのような置換された化学化合物を、上記で詳細に記載される同じコンピューター方法によってバイオフィルム中のDNABIIタンパク質および/または微生物DNAへの適合効率に関して分析することができる。
ある特定の実施形態は、本明細書に開示されるタンパク質またはポリヌクレオチドと相互作用することができる小分子をスクリーニングする方法に関する。本開示の目的に関して、「小分子」は、一実施形態では、目的のタンパク質に結合することができ、それによってタンパク質の機能を変更する低分子量(MW)を有する分子である。一部の実施形態では、小分子のMWは、1,000以下である。タンパク質機能を変更することができる小分子をスクリーニングする方法は当技術分野で公知である。例えば、細胞における小分子-タンパク質相互作用を検出するための小型化アレイアッセイが、You et al. (1997) Chem. Biol. 4:961-968によって考察されている。
スクリーニング方法をin vitroで実践するために、処置されるべき微生物に感染した適した細胞培養または組織を最初に提供する。細胞を、密度依存的制御なく指数的増殖を達成するための条件(温度、増殖または培養培地、および気体(CO2))で適切な期間、培養する。また、対照として、感染していない追加の別々の細胞培養を維持することも望ましい。
当業者には明らかなように、マイクロタイタープレートにおいて適した細胞を培養することができ、遺伝子型変化、表現型変化または微生物力価の低減に注目することにより、いくつかの作用物質を同時にアッセイすることができる。
作用物質が、上述の通り、小分子等、DNAまたはRNA以外の組成物である場合、作用物質は、細胞培養物に直接的に添加することができる、または添加のための培養培地に添加することができる。当業者には明らかなように、経験的に決定することができる「有効」量(a mount)が添加されなければならない。
作用物質が、抗体または抗原結合性断片である場合、作用物質は、競合的ELISAを行うための条件下で、標的抗原および本明細書に記載されるポリクローナル抗体と接触させるまたはこれと共にインキュベートすることができる。斯かる方法は、当業者にとって公知である。
アッセイは、対象において行うこともできる。対象が、ラット、チンチラ、マウスまたはサル等の動物である場合、本方法は、ヒト患者における作用物質の臨床検査に先立ち使用することができる簡便な動物モデルシステムを提供する。このシステムにおいて、疾患または微生物感染の症状が、同じ感染を有する無処置動物とそれぞれ比較して低減または排除される場合、候補作用物質は、潜在的な薬物である。比較のための基礎を提供する、健康で処置されない細胞または動物の別々の陰性対照群を有することは有用であり得る。
作用物質および組成物は、医薬組成物における活性成分等、医薬の製造において、また、従来の手順に従った投与によるヒトおよび他の動物の処置のために使用することができる。
併用療法
本開示の組成物および関連方法は、他の療法の投与と組み合わせて使用することができる。これらは、DNアーゼ酵素、抗生物質、抗微生物薬、抗感染薬、抗真菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬、または他の抗体の投与を含むがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、方法および組成物は、抗DNABII抗体と相乗的に作用するデオキシリボヌクレアーゼ(DNアーゼ)酵素を含む。DNアーゼは、DNA骨格におけるホスホジエステル結合の切断を触媒する任意の酵素である。十字型構造のみならず、DNAの種々の二次構造を標的とすることが公知のDNアーゼ酵素の3つの非限定的な例としては、DNアーゼI、T4 EndoVII、T7 Endo I、RuvABC、およびRusAが挙げられる。ある特定の実施形態では、バイオフィルムを脱安定化するために必要な抗DNABII抗体の有効量は、DNアーゼと組み合わせると低減される。in vitroで投与する場合、DNアーゼは、アッセイに直接、または酵素を安定化することが公知の適した緩衝液中に添加することができる。DNアーゼの有効な単位用量およびアッセイ条件は変動し得て、当技術分野で公知の手順に従って最適化され得る。
他の実施形態では、方法および組成物は、抗生物質および/または抗微生物薬と組み合わせることができる。抗微生物薬は、細菌、真菌または原生動物等の微生物の成長を死滅させるまたは阻害する物質である。バイオフィルムは一般に、抗生物質の作用に対し抵抗性であるが、本明細書に記載される組成物および方法を使用して、バイオフィルムが関与する感染を、感染を処置するための従来の治療方法に対して感受性にすることができる。他の実施形態では、本明細書に記載される方法および組成物と組み合わせた抗生物質または抗微生物薬の使用は、抗微生物薬および/またはバイオフィルム低減剤の有効量の低減を可能にする。本開示の方法と組み合わせて有用な抗微生物薬および抗生物質の一部の非限定的な例は、アモキシシリン、アモキシシリン・クラブラン酸塩、セフジニル、アジスロマイシンおよびスルファメトキサゾール・トリメトプリムを含む。バイオフィルム低減剤と組み合わせた抗微生物薬および/または抗生物質の治療有効用量は、従来の方法によって容易に決定することができる。一部の実施形態では、バイオフィルム低減剤と組み合わせた抗微生物剤の用量は、他の細菌感染、例えば、感染の病因がバイオフィルムを含まない細菌感染において有効であることが示された平均有効用量である。他の実施形態では、用量は、平均有効用量の0.1、0.15、0.2、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.5、3.0または5倍である。抗生物質または抗微生物薬は、抗DNABII抗体の添加の前に、それと同時にまたはその後に添加することができる。
他の実施形態では、方法および組成物は、細菌感染を処置する抗体と組み合わせることができる。本明細書に記載される方法および組成物と組み合わせて有用な抗体の一例は、無関係の外膜タンパク質(すなわち、OMP P5)に対する抗体である。この抗体単独による処置は、in vitroでバイオフィルムを減量しない。この抗体およびバイオフィルム低減剤による組み合わせた治療法は、同じ濃度で単独で使用されたいずれかの試薬によって達成され得る効果よりも大きい効果をもたらす。バイオフィルム低減剤またはバイオフィルムを低減するための方法と組み合わせたときに相乗効果を生じさせることができる他の抗体は、抗rsPilA、抗OMP26、抗OMP P2および抗OMP全体調製物を含む。
本明細書に記載される組成物および方法を使用して、バイオフィルムが関与する細菌感染を、バイオフィルムによらない細菌感染の処置において有効であるが、他の面では、バイオフィルムが関与する細菌感染の処置において無効な一般的治療モダリティに対して感受性にすることができる。他の実施形態では、本明細書に記載される組成物および方法は、バイオフィルムが関与する細菌感染の処置において有効な治療モダリティと組み合わせて使用することができるが、斯かる追加の治療法およびバイオフィルム低減剤または方法の組合せは、バイオフィルム低減剤または追加の治療剤のいずれかの有効用量が低減され得るような相乗効果を生じさせる。他の実例では、斯かる追加の治療法およびバイオフィルム低減剤または方法の組合せは、処置が増強されるような相乗効果を生じさせる。処置の増強は、より短い時間量が感染の処置に要求されることによって証明することができる。
追加の治療的処置は、バイオフィルムの低減に使用される方法または組成物の前に、それと同時にまたはその後に添加することができ、同じ製剤(formation)/組成物内にまたは別々の製剤(formulation)/組成物として含有され得る。
キット
本明細書に記載されるin vitroおよびin vivo方法を実施するために必要な作用物質および使用説明書を含むキットもまた、特許請求される。したがって、本開示は、本明細書で規定される抗体、抗体断片、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、または宿主細胞ならびに本明細書に開示される方法を実行するための使用説明書、例えば組織の収集および/またはスクリーニングの実施、および/または結果の分析、および/または抗体、抗体断片、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、または宿主細胞の有効量の投与のための使用説明書を含むこれらの方法を実施するためのキットを提供する。これらは、単独でまたは他の適した抗微生物作用物質と組み合わせて使用することができる。
例えば、キットは、上記で同定された作用物質、例えば抗体、抗体断片、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、ベクター、または宿主細胞のうちの任意の1つまたは複数、および使用のための使用説明書を含み得るか、またはあるいは本質的にそれからなり得るか、またはまたさらにそれからなり得る。キットはさらに、アジュバント、抗原性ペプチド、または抗微生物薬のうちの1つまたは複数を含み得る。担体の例としては、液体担体、薬学的に許容される担体、固相担体、薬学的に許容される担体、薬学的に許容されるポリマー、リポソーム、ミセル、インプラント、ステント、ペースト、ゲル、歯科用インプラント、または医療用インプラントが挙げられる。
次の実施例は、説明を意図し、本明細書に開示される実施形態を限定するものではない。
実験
実験番号1
抗体を、2つのマウスハイブリドーマ細胞株IHF(NTHI)チップキメラペプチドクローンおよびIHF(NTHI)テールキメラペプチドクローンに加えて、2つのIHF(NTHI)チップキメラペプチドおよびIHF(NTHI)テールキメラペプチドから生成した。重鎖および軽鎖を配列決定した。2つの別々の抗体に関するマウス可変領域配列で構成されるキメラ親抗体を、ヒトIgG1の定常領域の骨格に融合させた。各クローンのそれぞれの合成ペプチドに対する特異性を、ELISAによって確認した。完全なヒト抗体を完成させ、チップキメラペプチドに対する9個の抗体バリアント、およびテールキメラペプチドに対する9個の抗体バリアントを完成させ、各クローンのそのそれぞれの標的に対する特異性をELISAによって確認した(実験番号2を参照されたい)。各抗体の結合活性および親和性を決定した。
実験番号2
直接結合ELISAを実施して、対応するペプチドに対するヒト化バリアントの結合を評価した。チップまたはテールキメラペプチドを、2μg/mLで96ウェルプレートにコーティングし、抗体の8点希釈系列を添加した(開始濃度50μg/mL、1:3希釈)。抗ヒトIgG Fc HRPコンジュゲート抗体(1:7000、Jackson Immuno Research,109-035-098)を二次検出抗体として使用した。標準的な直接ELISAプロトコールに従って、マイクロプレートリーダーを使用して450nmでの吸光度を読み取った。EC
50値を計算し、ヒト化バリアントが、同程度の結合を有することを決定した。図2A~2D、ならびに以下の表1および2を参照されたい。
表面プラズモン共鳴(SPR)もまた使用して、チップまたはテールキメラペプチド(すなわち、標的ペプチド)およびネイティブIHFNTHIに対するヒト化Mabの親和性を決定した。Biacore 3000機器(GE Healthcare Life Sciences)を使用してSPRを実施した。全ての実験は25℃で実施し、10mM HEPES(pH7.4)-150mM NaCl-3mM EDTA-0.005%Surfactant P20(HBS-EP;GE Healthcare)をランニング緩衝液とした。
1つの実験環境では、表面プラズモン共鳴(SPR)を以下に指し示すように実施した:CM5試薬等級のセンサーチップを使用して、IHFNTHIチップまたはIHFNTHIテールキメラペプチドを、アミンカップリング化学反応を介して個々のフローセルに固定した。各モノクローナル抗体を、HBS-EP緩衝液+NSB中で100nMから3.1nMまで2倍希釈し、センサーチップ表面に流速30μl/分、2分の注入サイクル、2分の解離サイクルで注入した。緩衝液のみの陰性対照の注入サイクルもまた。非特異的結合を明らかにするために含めた。結合および解離定数を、BiaEvaluationを使用して決定した。
1つの実験環境では、アミンカップリング化学反応を介して、流速5μl/分で、ヒト化モノクローナル抗体を、CM5センサーチップのフローセルに4000レゾナンスユニット(RU)で固定して標的ペプチドの結合をアッセイするかまたは2000RUで固定してネイティブIHF
NTHIの結合を評価した。次に、標的ペプチドまたはネイティブIHF
NTHIを、HBS-EPプラスNSB還元剤中に懸濁し、緩衝液のみの試料を含む100nM~3.1nMの連続2倍希釈を、KINJECTコマンドを使用して、抗体結合表面上に流速30μl/分、5分の注入時間、5分の解離時間で注入した。BiaEvaluationソフトウェアを使用してセンサーグラム曲線を整列させ、緩衝液のみの注入サイクルを差し引き、K
D値を決定した。結果を以下の表3および4に示す。
別の実験環境では、アミンカップリング化学反応を介して、流速5μl/分で、標的ペプチドまたはネイティブIHF
NTHIをそれぞれ、4000レゾナンスユニット(RU)または2000RUとなるようにCM5センサーチップのフローセルに固定し、ヒト化モノクローナル抗体の結合をアッセイした。次に、ヒト化モノクローナル抗体をHBS-EPプラスNSB還元剤中に懸濁し、緩衝液のみの試料を含む100nMから3.1nMまでの連続2倍希釈液を、KINJECTコマンドを使用して、ペプチド/IHF
NTHI結合表面の上に、流速30μl/分、5分間の注入時間、5分間の解離時間で注入した。BiaEvaluationソフトウェアを使用してセンサーグラム曲線を整列させ、緩衝液のみの注入サイクルを差し引き、K
D値を決定した。結果を以下の表5および6に示す。
実験番号3
本実験は、8ウェルチャンバースライドガラスにおける確立されたバイオフィルムの破棄のためのin vitroモデルを記載する。本実験に使用した材料は:チョコレート寒天;sBHI(2mgヘム/mLおよび2mg b-NAD/mLを有するBHI);8ウェルチャンバースライドガラス(Nunc* Lab-Tek* Fisherカタログ番号12-565-18);滅菌0.9%食塩水;LIVE/DEAD BacLight細菌生存率キット(Fisherカタログ番号NC9439023)およびホルマリンである。
NTHI 86-028NPコロニーをチョコレート寒天上で一晩培養物から収集し、2μgβ-NADおよびヘム/ml培地(sBHI)を補充した脳心臓注入ブロスに懸濁した。490nmでの吸光度を0.65に調整し、培養物をsBHI中で1:6に希釈した後、37℃、5%CO
2で3時間静置インキュベートした。次に、培養物を新しいsBHI中で1:2500希釈し、200μlの懸濁液を8ウェルチャンバースライドガラスの各ウェルに等分した。次にスライドガラスを37℃、5%CO
2で3時間静置インキュベートした。16時間後、200μlの新しいsBHIを各ウェルに添加し、スライドガラスをさらに8時間インキュベートした。この時点で、培地を各ウェルから吸引し、モノクローナル抗体5μg/ウェルを添加した。バイオフィルムを、さらに16時間インキュベートした。次に、バイオフィルムを洗浄し、FM1-43FX細菌細胞膜染色液(Invitrogen)によって染色し、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)中の16%パラホルムアルデヒド、2.5%グルタルアルデヒド、4.0%酢酸によって4℃で一晩固定した。固定液を吸引し、200μlの0.9%Hank’s緩衝塩類溶液を各ウェルに添加した後、バイオフィルムを、Zeiss800 Meta-レーザー走査型共焦点顕微鏡によって観察した。画像をZeiss Zen Blueソフトウェアによって編集し、バイオフィルムのバイオマスをCOMSTAT2ソフトウェアによって計算した。図3ならびに以下の表7~8を参照されたい。
実験番号4
上記の実験1~3の追跡試験において、以下の試験を記載し、キメラペプチド免疫原またはヒト化モノクローナル抗体による細菌DNABIIタンパク質の標的化が不応性バイオフィルム媒介感染を予防または処置することを示す。
試験の概要
第1に、治療アプローチとして、出願人らは、in vitroで確立されたバイオフィルムを破壊するためにおよびin vivoで既存の疾患の回復を媒介するために組込み宿主因子のDNA結合チップドメイン内の保護的エピトープを標的とするように設計されたキメラペプチド免疫原に対するインタクトIgGまたはFab断片を使用した。第2に、出願人らは、細菌-ウイルス重複感染モデルにおけるバイオフィルム形成および疾患発生を遮断する抗体の形成を誘導するためにキメラペプチドによる予防的能動免疫を実施した。さらに、臨床での使用の道筋をつけるために、出願人らは、キメラペプチド免疫原に対するモノクローナル抗体をヒト化し、次いで特徴付けして、それが治療有効性を維持することを検証した。
出願人らは、一般的なバイオフィルム疾患である流行性の気道の病原体である非定型Haemophilus influenzaeによって誘導される2つの十分に確立された中耳炎の前臨床モデルにおいて各アプローチの有効性を実証した。合わせると、出願人らのデータは、バイオフィルム構成成分を有する疾患と闘うために広い適用に関して実質的な有効性および潜在性を有する2つのアプローチを明らかにした。
実験番号4の目的は、(1)DNABIIに対するチップキメラペプチドに対するモノクローナル抗体のIgG(Fab断片)の抗原結合ドメインの前臨床治療潜在性を試験して、十分に特徴付けられたバイオフィルム疾患であるNTHIによる中耳炎を回復させること、および(2)この同じチップキメラペプチドを、補完的な予防戦略として能動免疫レジメンにおけるワクチン抗原として使用した場合に、バイオフィルム形成および疾患を予防する抗体の誘導能に関して免疫原として試験することであった。出願人らは、最初に、in vitroで細菌バイオフィルムのチップキメラペプチド媒介破壊に対してFabまたはインタクトIgGを評価した。出願人らは、次に2つの十分に確立されたチンチラの一般的なバイオフィルム疾患であるNTHIによる中耳炎モデル(1つは、中耳への直接細菌曝露に基づき、他方は上行性OMのウイルス-細菌重複感染モデル)を使用し、それぞれ、出願人らのDNABIIに対する治療戦略および予防戦略の両方の前臨床有効性を実証した。最後に、出願人らは、1つのDNABIIに対するモノクローナル抗体をヒト化し、in vitroでのその活性、ならびにその治療有効性を前臨床で検証した。
in vitroバイオフィルム破壊アッセイを、別々の日に3回繰り返した。in vivo実験に関して、チンチラを、体重に基づくコホートに無作為に分割し、雄および雌動物の両方を登録した。マウスβ-チップFab、β-テールFab、またはアイソタイプ対照Fabによって誘導された中耳からのNTHIバイオフィルムの破壊を調べるために、3または4匹の動物を各コホートに登録した。ウサギポリクローナル抗チップキメラペプチド血清IgG、抗テールキメラペプチド血清IgG、または未処理ウサギ血清からのIgGからのFabによって誘導されたバイオフィルム破壊を試験するために、6匹のチンチラのコホートの各々を確立した。HuTipMabの有効性を、HuTailMabまたは食塩水と比較してコホートあたり6匹の動物によって評価した。いずれの動物も試料も試験から除外されなかった。処置後に中耳に残っている相対的な粘膜バイオフィルムの評価を、試験に関係しておらず、送達される治療に対して盲検の6~8人の個人によって実施した。各試験の評価に関して、各中耳は独立であると考えられた。
マウスモノクローナル抗体、ポリクローナルウサギ抗体、およびヒト化モノクローナル抗体
IHFNTHIのβ-チップ(クローン12E6.F8.D12.D5、mIhfB4NTHI)またはβ-テール(クローン7A4.E4.G11、IhfB2NTHI)ドメインに対するマウスモノクローナル抗体を、(L.A. Novotny et al. (2016) EBioMedicine 10: 33-44)に記載されているように、細胞培養上清から精製した。マウスIgG1κアイソタイプ対照抗体(クローンP3.6.2.8.1;eBioscienceカタログ番号16-4714-82、RRID:AB_470161)を陰性対照とした。次に、Fab断片を、マウスIgG1 FabおよびF(ab’)2調製キット(Pierce)によるパパイン消化によって使用説明書に従って生成した。ポリクローナルウサギ抗チップキメラペプチドおよび抗テールキメラペプチドをRockland Immunochemical,Inc.(L.A. Novotny et al. (2014) Mol. Microbiol 93:1246-1258)で生成した。未処理ウサギ血清を陰性対照とした。IgGを、製造元の使用説明書に従ってrProtein A プロテインG GraviTrapカラム(GE Healthcare)の中を通過させることによって各ウサギ血清から富化した。Fab断片(Fab)をPierce Fab調製キットを介して生成した。インタクトマウスまたはウサギIgGのFabへの消化は、Coomassie Fluor(商標)Orangeタンパク質ゲル染色液(ThermoFisher)を伴うSDS-PAGEによって確認した。チップキメラペプチド(HuTipMab)またはテールキメラペプチド(HuTailMab)に対するヒト化モノクローナル抗体は、LakePharma,Inc.で生成され、上記で簡潔に説明された。抗原結合ドメインは、チップキメラペプチド(クローン1F8.C3.D11.F1)またはテールキメラペプチド(クローン11E7.G11.C7)に対するマウスモノクローナル抗体に由来した。ヒト化モノクローナル抗体クローンTP-21949(チップキメラペプチドに対する;HuTipMab)およびTP-21958(テールキメラペプチドに対する;HuTailMab)を、本明細書での研究のために使用した。ToxinSensor Chromogenic LALエンドトキシンキット(Genscript)を介しての細菌エンドトキシン試験を、使用前に全ての抗体について実施した。
In vitroバイオフィルム破壊
NTHI株86-028NP(慢性的OMを有する子供の鼻咽頭からの最少継代数の臨床分離菌、例えば、Bakaletz LO et al. (1988) Infect Immun 1988; 56: 331-5を参照されたい)、M.catarrhalis株7169(慢性OMを有する子供の中耳からの最少継代数の臨床分離菌、例えば、Luke NR et al (1999) Infect Immun 1999; 67: 681-7を参照されたい)、P.aeruginosa株27853、B.cenocepacia株K56(嚢胞性線維症を有する患者の喀痰から分離された、例えば、Mahenthiralingam E et al (2000) J Clin Microbiol 2000; 38: 910-3を参照されたい)、およびS.aureus株29213によって形成されたバイオフィルムを最初に、8ウェルチャンバーカバーガラス(CellVis)において24時間確立させた後、170nMインタクトIgGまたはFab断片と共にさらに16時間インキュベートした(S.D. Goodman et al. (2011) Mucosal Immunol 4:625-637; J.A. Jurcisek et al. (2011) J Vis Exp)。一実施形態では、NTHI株86-028NPは、これが1986年に小児から出現したので、継代回数4以下で維持した。加えてまたはあるいは、Mcat株は、その分離以降、同様に非常に低い継代数で維持されていた。さらなる実施形態では、Burkholderiaは、嚢胞性線維症(CF)患者の喀痰から分離された。またさらなる実施形態では、Staphylococcus aureus分離菌はATCCから得た。170nMの濃度は、0.2ml体積あたり5μgのインタクトIgGをin vitroでバイオフィルムに適用した前回の試験に基づき(Goodman SD et al (2011) Mucosal Immunol 2011; 4: 625-37; Brockson ME et al (2014) Mol Microbiol 2014; 93: 1246-58; Novotny LA et al (2019) NPJ Vaccines 2019; 4: 43; Novotny LA et al (2013) PLoS One 2013; 8: e67629; and Novotny LA et al (2016) EBioMedicine 2016; 10: 33-44)、IgGとFab媒介破壊の直接比較を可能にした。次いで、バイオフィルム内の細菌をFM1-43FX(ThermoFisher)によって染色し、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)中の16%パラホルムアルデヒド-4%酢酸-2.5%グルタルアルデヒドの溶液中で一晩固定した後、10mMリン酸緩衝食塩水(pH7.4)によって洗浄した。Zeiss 800走査型共焦点顕微鏡によってバイオフィルムを観察し、画像をZeiss Zen Proソフトウェアによって編集し、バイオマスを、COMSTAT2.1ソフトウェアによって計算した(A. Heydorn et al. (2000) Microbiology 146 (pt 10): 2395-2407)。in vitro バイオフィルム破壊アッセイを別の日に3回繰り返した。
動物
チンチラの研究は、NIH Guide for the Care and Use of Laboratory Animalsに従って実施し、プロトコール番号01304ARは、Nationwide Children’s Hospital Animal Care and Use CommitteeのAbigail Wexner Research Instituteによって承認された。若年または成体のチンチラ(Chinchilla lanigera;若年動物は、ボディマス250~499g;成体動物はボディマス500~850g)を、Rauscher’s Chinchilla Ranch,LLCから得た。これらの非近交系の非特定病原体フリー動物を、オートクレーブしたトウモロコシ穂軸床を備えた個別ケージに収容し、滅菌水を自由に与えた。動物を体重(若年または成体状態の指標として)に基づいてランダムにコホートに分け、雄および雌動物の両方を使用した。実験群は以下の通りであった:マウスβ-チップFab、β-テールFab、またはアイソタイプ対照Fabによって誘導された中耳からのNTHIバイオフィルムの破壊を調べるため、3または4匹の動物を各コホートに登録した(コホートあたりの平均ボディマス、625g)。ウサギポリクローナル抗チップキメラペプチド血清IgG、抗テールキメラペプチド血清IgGまたは未処理ウサギ血清からのIgGからのFabによって誘導されるバイオフィルム破壊を試験するために、各3匹のチンチラのコホートを確立した(コホートあたりの平均ボディマス、505g)。HuTipMabの有効性をHuTailMabまたは食塩水と比較して、コホートあたり3匹の動物について評価した(コホートあたりの平均ボディマス、580g)。チップキメラペプチドがNTHI誘導OMの発生を予防する抗体の産生を誘導する能力を評価するために、コホートあたり8匹の若年動物を使用した(コホートあたりの平均ボディマス、430g)。
実験的OMにおけるチンチラの中耳において形成されたNTHIバイオフィルムの破壊
各動物の両方の中耳に、1000 CFU NTHI株86-028NPを直接注射によって曝露し、実験的OMを誘導した。4日後、NTHI粘膜バイオフィルムは中耳の>50%を覆った(L.A. Novonty et al. (2011) Mucosal Immunol 4: 456-467)。この時点で、342nM Fabまたはヒト化モノクローナル抗体を、各中耳に注入し(骨胞あたり0.1mlを送達した)、同一の処置を24時間後に送達した。342nMという濃度は以前の試験に基づいており、この試験では5μgインタクトIgG/0.1ml体積をチンチラの中耳に(Goodman SD et al 92011) Mucosal Immunol 2011; 4: 625-37; Novotny LA et al (2019) NPJ Vaccines 2019; 4: 43;およびNovotny LA et al (2016) EBioMedicine 2016; 10: 33-44)11、13、21日目に注射し、in vivoでIgGとFab媒介破壊の直接比較を可能にした。処置の即時の成果を決定するために、動物を抗体治療の終了後1日目に屠殺し、粘膜バイオフィルムの画像をZeiss SV6解剖顕微鏡によって獲得し、次いで粘膜バイオフィルムおよび中耳粘膜を収集し、ホモジナイズして、チョコレート寒天上に播種し、中耳内の細菌負荷を定量した(S.D. Goodman et al. (2011) Mucosal Immunol 4: 625-637)。本明細書に記載される実験の2つ(ポリクローナルウサギIgG Fab断片によるバイオフィルムの破壊の評価、およびヒト化モノクローナル抗体が粘膜バイオフィルムを破壊する有効性、およびHuMab処置動物のサイトカインプロファイル)において、各コホートにおける動物のサブセットを、追加の処置を行わずにさらに7日間モニターし、NTHIバイオフィルムが抗体治療の中止時に再形成するかどうかを調べ、ならびにサイトカインプロファイルが経時的にどのように変化するかを決定した。粘膜バイオフィルムを収集し、記載のように処理した(S.D. Goodman et al. (2011) Mucosal Immunol 4: 625-637)。
粘膜バイオフィルムの量の定量的評価
追加の評価として、各中耳におけるバイオフィルムの量を定性的に決定した。各中耳の画像を獲得し、無作為化し、送達された処置に対して盲検の6人のレビュアーが、確立された規定、すなわち0=目に見える粘膜バイオフィルムなし、1=中耳の<25%が粘膜バイオフィルムで塞がれている、2=中耳の≧25~50%が塞がれている、3=中耳の≧50~75%が塞がれている、4=中耳の≧75~100%が塞がれている(L.A. Novotny et al. (2011) Mucosal Immunol 4: 456-467)ことを使用してランク付けした。細菌負荷の定量および粘膜バイオフィルムの定性的評価の両方に関して、各中耳は独立していると考えられた。
中耳滲出液中のサイトカインの定量
中耳滲出液(MEF)中のサイトカインを定量するために、BD(商標)サイトメトリックビーズアレイを、動物屠殺時に収集した流体について実施した。BD(商標)ヒト特異的Flex Setsによって、各MEFを、製造元の使用説明書に従って、IL-1β(カタログ番号558279)、IL-6(カタログ番号558276)、IL-8(カタログ番号558277)、IL-10(カタログ番号558274)、IL12-p70(カタログ番号558283)、IL-17A(カタログ番号560383)、およびTNF(カタログ番号560112)の量に関して個々に調べた。サイトカインIL-13(カタログ番号558450)を、HuMab試験において収集したMEFをアッセイするために使用したパネルに添加した。各動物からのMEFを個々にアッセイした。データを、BD Accuri(商標)C6サイトメーター(BD Biosciences)において獲得し、FlowJoソフトウェア(FlowJo,LLC)によって分析した。各MEFにおけるサイトカインの濃度を、標準曲線を使用して決定し、GraphPad Prismソフトウェアを使用して計算した。
表面プラズモン共鳴
チップキメラペプチドおよびネイティブIHFNTHIに対するヒト化チップキメラペプチドに対するモノクローナル抗体の親和性を決定するために、Biacore 3000機器(GE Healthcare Life Sciences)を使用して表面プラズモン共鳴を実施した。全ての実験を25℃で実施し、10mM HEPES(pH7.4)-150mM NaCl-3mM EDTA-0.005%Surfactant P20(HBS-EP;GE Healthcare、カタログ番号BR100188)をランニング緩衝液とした。アミンカップリング化学反応を介して、流速5μl/分で、ヒト化チップキメラペプチド特異的モノクローナル抗体を、CM5センサーチップ(GE Healthcare、カタログ番号BR100012)のフローセルに4000レゾナンスユニット(RU)で固定してチップキメラペプチドの結合をアッセイするか、または2000RUで固定して、ネイティブIHFNTHIの結合を評価した。次に、チップキメラペプチド、またはネイティブIHFNTHIをHBS-EPプラスNSB還元剤(GE Healthcare、カタログ番号BR100691)中に懸濁し、緩衝液のみの試料を含む100nM~3.1nMまでの連続2倍希釈液を、KINJECTコマンドを使用して、抗体結合表面に流速30μl/分、5分の注入時間、5分の解離時間で注入した。BiaEvaluationソフトウェアを使用してセンサーグラム曲線を整列させ、緩衝液のみの注入サイクルを差し引いて、KD値を決定した。
実験的NTHI誘導OMのウイルス-細菌同時感染モデル
確立されたアデノウイルス-NTHI多微生物性曝露モデル(K. Suzuki et al. (1994) Infect Immun 62: 1710-1718)を使用して、前臨床ワクチン抗原として送達した場合のチップキメラペプチドの有効性を評価し、および/またはチップキメラペプチドがNTHI誘導OMの発生を予防する抗体の産生を誘導する能力を評価した。チンチラを、各々を体重に基づいて8匹の動物の3つのコホートにランダムに分け、ワクチン製剤を各耳殻の後(後耳介領域)の剥離していない皮膚にこすりつけることによって免疫した(L.A. Novotny et al. (2017) Clin Vaccine Immunol 24)。製剤は、10μgチップキメラペプチドまたは10μgテールキメラペプチドからなり、各々を10μgのアジュバントLT(R192G/L211A)、E.coli易熱性エンテロトキシンの二重変異体(dmLT;Dr. John Clementsからの寄贈)(J.D. Clements et al. (2018) dmLT.mSphere3)と混合した。陰性対照として、1つのコホートに10μg dmLTのみを投与した。第2の同一の用量を1週間後に送達した。第2の用量の投与後2日目、すなわちこの免疫レジメンに関して最大の免疫応答が観察される時点(L.A. Novotny et al. (2013) Vaccine 31: 3417-3426)で、全てのチンチラに1.9×107TCID50のアデノウイルス血清型1を液滴の受動吸入によって接種した。7日後、すなわちアデノウイルス誘導性の気道の機能障害が起こる(K. Suzuki et al. (1994) Infect Immun 62: 1710-1718)時点で、全ての動物に108CFUのNTHI株86-028NPを、液滴の受動吸入によって曝露した。全てのコホートにNTHI(今では鼻咽頭内に常在)が等しく生着し、それによってウイルス機能障害の耳管を上行するために利用可能であることを確認するため、鼻咽頭洗浄を、細菌曝露後1日目に実施した。鼻咽頭洗浄液を連続希釈して、チョコレート寒天プラス15μgアンピシリン/ml培地中に播種し、正常なチンチラ菌叢の成長を制限した(L.A. Novotny et al. (2017) Clin Vaccine Immunol 24: e00563-16。この濃度のアンピシリンはNTHI株86-028NPの成長に効果を有しない)。37℃で24時間インキュベーション後にNTHIコロニーを計数した。
耳内視鏡検査
全ての動物に、Welch Allyn MacroView(商標)耳鏡およびWelch Allyn Viewerソフトウェアを使用して耳内視鏡検査を実施した。各鼓膜を、0~4の確立された尺度で盲検的にランク付けし、≧2.0のスコアを有する中耳は、炎症(紅斑)およびMEFが目に見えるのでOMに関して陽性であると考えられた(L.A. Novotny et al. (2006) Vaccine 24: 4804-4811)。片側の中耳が≧2.0であるとランク付けされたが、反対側の耳が<2.0であるとランク付けされた場合、動物はOMに関して陽性であると考えられた。ワクチンの有効性を計算するために、20日の試験期間の間にOMの観察数を最初に決定し、各コホートの観察総数と比較してパーセンテージに変換した。次に、この値を、dmLTのみを与えたコホートについて計算されたパーセンテージから差し引いた。耳内視鏡検査を、送達した製剤に対して盲検の人が実施した。
統計分析
グラフ結果および統計検定をGraphPad Prism 8によって実施した。in vitroバイオフィルム破壊アッセイに関するバイオマスの差を、多重比較を伴う一元配置ANOVAによって決定した。コホートの中耳滲出液中のサイトカイン量の差を、多重比較を伴う一元配置ANOVAによって決定するように決定した。細菌負荷の差および平均粘膜バイオフィルムスコアを、多重比較を伴う一元配置ANOVAによって決定した。OM発症の遅れおよび疾患回復までの時間をマンテルコックス検定によって決定した。
結果
マウスモノクローナル抗体からのβ-チップFab断片は、in vitroで細菌バイオフィルムを破壊した
出願人らは、最初にin vitroチャンバーカバーガラスアッセイを実施し、5つの多様な細菌種によって形成されたバイオフィルムを24時間形成させた後、Fab断片とインキュベートし、その潜在的活性を検証した。Fab断片は、NTHI IHFのβサブユニットのDNA結合「チップ」領域内の以前に定義された15量体の免疫防御ドメインに対するマウスモノクローナル抗体に由来し(IHFNTHI、本明細書において「β-チップFab」と称される)(M.E. Brockson et al. (2014) Mol Microbiol 93: 1246-1258)、成果を、それぞれのインタクトIgG分子の使用によって誘導された成果と比較した。陰性対照として、細菌バイオフィルムを破壊しないIHFNTHIのβ-サブユニットの「テール」領域内の15量体非防御ドメインに対するマウスモノクローナル抗体に由来するFab断片(「β-テールFab」)(L.A. Novotny et al. (2016) EBioMedicine 10: 33-44)、または非特異的マウスIgG1アイソタイプ抗体(「アイソタイプ対照Fab」)を使用した。
代表的な画像は、試験した5つの多様な細菌種の各々が、24時間以内に種々のアーキテクチャのバイオフィルムを形成したことを明らかにした(図8A)。β-テールFabまたはアイソタイプ対照Fabは、これらの陰性対照断片が由来するインタクトIgGの成果と同様に破壊効果を有しなかった。これに対し、β-チップFabとのインキュベーションは、試験した全ての細菌種によって形成されたバイオフィルムを有意に破壊した。バイオフィルムバイオマスの定量は、β-チップFabのこの濃度によるバイオフィルム破壊がそれぞれのインタクトβ-チップIgGの等モル濃度によって達成されたものと同程度であったことを明らかにした(P≦0.05;多重比較を伴う一元配置ANOVA)(図8B)。よって、β-チップに対する抗体分子の最小抗原結合ドメインは、DNABIIタンパク質に結合してこれを分離し、次いでバイオフィルムを、Fab断片が生成されたインタクト抗体と同程度に有効に破壊するために十分であった。
マウスβ-チップFabは、実験的OMの間にバイオフィルムからのNTHIを根絶し、バイオフィルムを溶解した
β-チップFabのバイオフィルム破壊機能がin vitroで実証されたことにより、出願人らは、実験的疾患の状況では、Fabドメインのみを介した抗体媒介性のDNABIIタンパク質の分離は、放出された細菌のその後のクリアランスを伴うバイオフィルム崩壊を誘導するために十分であるかという第1の問いに取り組んだ。この質問に答えるために、出願人らは、慢性再発性疾患の主な病原体であるNTHIによるOMの十分に確立されたチンチラモデルを使用した。実験的OMを、最初に中耳の直接曝露によって誘導した。4日後、NTHIバイオフィルムは中耳を覆う(Novotny LA et al (2011) Mucosal Immunol 2011; 4: 456-67)。次に、マウスモノクローナル抗体由来β-チップFab、β-テールFab、またはアイソタイプ対照Fabを両方の中耳に注射し、第2の同一の処置を24時間後に与えた(図9A)。第2の用量のFabの投与後1日目、全ての動物を屠殺して、相対的な即時処置の有効性を評価した。
出願人らは、最初に粘膜バイオフィルム内に常在するおよび/または中耳粘膜に接着するNTHIの数を、プレート計数によって定量した。β-テールFabを投与した動物では、アイソタイプ対照Fabと比較して細菌負荷に差はなかった(図9B)。逆に、β-チップFabによって処置した動物およびこのコホートにおける6つの中耳のうちの1つから回収した粘膜バイオフィルムでは、検出されたNTHIは有意に4-log少なく、全てのNTHIが根絶されていた(P≦0.01;多重比較を伴う一元配置ANOVA)(図9B)。よって、β-チップFabの送達は、チンチラ中耳からのNTHIの根絶の増強を誘導した。
3つの処置のいずれかが確立されたNTHIバイオフィルムの迅速な溶解を誘導したかどうかを次に見分けるために、各中耳のFab断片治療の終了後1日目に画像を獲得し、無作為化して6人の盲検のレビュアーによってランク付けした。レビュアーは、確立された規定を使用し、0のスコアは粘膜バイオフィルムが観察されなかったことに等しく、4+のスコアは中耳の≧75%が粘膜バイオフィルムで覆われたままであることを指し示した。したがって、β-テールFabは、アイソタイプ対照Fab断片の送達と比較した場合に、粘膜バイオフィルムの量のわずかな、しかし有意ではない低減を誘導した。重要なことに、アイソタイプ対照Fabおよびβ-テールFabコホートにおける中耳の≧50%が、粘膜バイオフィルムで覆われたままであり、平均バイオマススコアはそれぞれ、3.4および2.7であった(図9C)。逆に、β-チップFabは、粘膜バイオフィルムの有意な低減(P≦0.05;多重比較を伴う一元配置ANOVA)を誘導し、この後者のコホートでは中耳の大部分(6例中4例、67%)が≦1.0のスコアを割付され、このことは中耳の≦25%が何らかの目に見える残留バイオフィルムを含有したことを指し示した。よって、β-チップFabの送達は、中耳における細菌負荷を有意に低減し、既に確立された粘膜バイオフィルムの有効な根絶を誘導した。
各コホートからの中耳の代表的な画像を図9Dに提示し、健康なチンチラの中耳とNTHIバイオフィルムで覆われた1つの中耳の両方を参照のために示す。未処理の動物では、中耳粘膜および天然の骨中隔の全長が目に見える(スコア0)。これに対し、NTHI曝露後4日目では、中耳のこの薄い粘膜内層も骨中隔も目に見えず、これらの解剖学的特色は今では大きい粘膜バイオフィルムによって塞がれている(スコア4)。この試験では、β-テールFabまたはアイソタイプ対照Fabの送達後、粘膜バイオフィルムは、なおも中耳の50%~100%を覆い、代表的な割付されたスコアはそれぞれ、4.0または2.4であった(図9D)。しかし、β-チップFabは、中耳粘膜内層と骨中隔の両方が完全に目に見えたという事実によって証明されるように、これらの構造をほとんど根絶させた(割付されたスコア1.0)。注目すべきは、β-テールFabを投与した動物の中耳粘膜および鼓膜には広範囲の炎症が観察されたが(図9D、中央の画像、右側)、β-チップFabによって処置した動物の中耳粘膜内には、わずか2日前に、これらの耳はNTHIによって形成されたバイオフィルムによって覆われていたという事実にもかかわらず、ごく限定的な細かい毛細管拡張が認められたに過ぎなかった(図9D、下の画像、右側)。
β-テールFabを投与した動物の中耳が一貫して明白に炎症を有するように思われるが(図9D、中央の画像、右側)、β-チップFab処置した耳は炎症を有しなかった(図9D、下の画像、右側)理由を最初に理解するために、出願人らは、屠殺時に動物から収集した中耳滲出液内の集中したサイトカインプロファイルを決定した。サイトメトリックビーズアッセイを介して、6種の炎症促進性サイトカインのパネルの各々の有意により大きい量が、β-チップFabによって処置した動物と比較してβ-テールFabを投与した動物の中耳に検出された(P≦0.05)(図10A)。逆に、抗炎症性サイトカインIL-10の有意により多くが、β-チップFabを投与した動物からの中耳滲出液において検出された(P≦0.05;多重比較を伴う一元配置ANOVA)(図10B)。その上、アイソタイプ対照Fabを投与した動物と比較すると、有意により多くの炎症促進性サイトカインIL-1βおよびTNFが、β-チップFabによって処置した動物からの中耳滲出液において検出され(図10B)、これはおそらく後者のコホートにおける粘膜内で一貫して観察された炎症に寄与した(図9Dを参照されたい)。これらのデータは、活動性の実験的OMの状況では、バイオフィルムが崩壊し、β-チップFabによって誘導されるNTHIのクリアランスもまた、疾患関連炎症の回復を媒介したことを示唆した。これまでのところ、データは、合わせると、また元の問いにとって最も大事なことであるが、β-チップFabがin vivoで細菌バイオフィルムを有効に破壊し、よって抗DNABII抗体のFc部分はバイオフィルム崩壊を誘導するために必要ではなかったことを示した。この結果は、バイオフィルムの構造が崩壊すると、常在細菌が放出され、DNABIIタンパク質標的化抗体によって媒介される平衡がシフトした結果、バランスを宿主にとって都合がよくなるように傾け、複数の宿主免疫エフェクターの関与を介して新たに放出された病原体を今では有効に根絶するというモデルに対する支持を強化した。
両方のIHFサブユニット内のドメインに対するウサギIgG Fabはin vivoでバイオフィルムを迅速に破壊した
これまで、出願人らは、2つの異種サブユニットうち1つがIHFNTHIを含むβ-サブユニットに対するFab断片を調べた。このアプローチは、以前の研究では有効であったが、出願人らは、IHFNTHIのα-サブユニット内のチップドメインに対するマウスモノクローナル抗体とβ-サブユニットに対するモノクローナル抗体とのカクテルが、いずれかのサブユニットに対する抗体と個々に比較した場合に、HU対立遺伝子を保有するのみであるそれらの細菌種を含むバイオフィルムのより大きい破壊を誘導することを実証する(L.A. Novotny et al. (2016) EBioMedicine 10: 33-44)。アミノ酸配列は74.7%類似であるが、IHFNTHIの各々の94アミノ酸のサブユニット内ではわずか47.3%の同一性があるにすぎず、よってα-サブユニットプラスβ-サブユニットに対する抗体のカクテルは、IHFおよびそのオルトログHU内でより広い適用範囲の完全な多様性を与えた。その情報により、次に出願人らは、エピトープ標的化キメラペプチド免疫原を設計し、両方の保護的ドメインに対する抗体をウサギにおいて同時に最初に誘導した。IHFNTHIのα-サブユニットおよびβ-サブユニットの両方のDNA結合チップドメイン内のわずかにより大きい(例えば、20量体)セグメントである指定された「チップキメラペプチド」を組み込み、これらの2つの保護的エピトープの間で柔軟性を可能にするために4残基リンカーペプチドによって結合した(L.A. Novotny et al. (2019) NPJ Vaccines 4: 43)。陰性対照として、IHFNTHIのα-サブユニットおよびβ-サブユニットのテール領域内の非保護的ドメインからの20量体セグメントを組み込み、同じ4残基リンカーによって結合した「テールキメラペプチド」免疫原もまた開発した。出願人らは以前に、このチップキメラペプチドに対するポリクローナルウサギIgGがin vitroで複数の細菌種によって形成されたバイオフィルムを破壊すること、および実験的NTHI誘導OMの間にチンチラの中耳内の粘膜バイオフィルムを溶解することを示した(L.A. Novotny et al. (2019) NPJ Vaccines 4: 43)。
次にキメラペプチド設計戦略を、潜在的Fab断片媒介治療的バイオフィルム破壊の決定と融合させるために、出願人らは、ポリクローナルウサギ抗チップキメラペプチドFabが実験的OMを有するチンチラの中耳に既に存在するNTHIバイオフィルムを破壊する能力を試験した。出願人らはまた、結果としての任意のバイオフィルム溶解の持続、すなわち、抗体治療を中止するとNTHIバイオフィルムが再度確立するかどうかも評価した。したがって、NTHIに、チンチラ中耳において大きいバイオフィルムを確立させた後、出願人らは、1)チップキメラペプチド; 2) テールキメラペプチド、または3)未処理血清(図11A)に対するポリクローナル抗体ウサギIgGに由来するいずれかのFabによる処置を送達した。第2の治療用量の送達後1日目に、各コホートの動物のサブセットを屠殺して、処置の即時効果を調べた。残りの動物を、さらなる処置を行うことなくさらに7日間モニターし、この治療アプローチの持続性を評価した。
チップキメラペプチドFabの2つの用量を投与後1日目に、2つの陰性対照コホートのいずれかと比較して粘膜バイオフィルム内のおよび/または中耳粘膜に接着したNTHIは>2-log少なかった(P≦0.05;多重比較を伴う一元配置ANOVA)(図11B)。さらなる処置を行わずにさらに1週間後、テールキメラペプチドFabまたは未処理血清Fabを与えた動物の中耳粘膜バイオフィルム内の/粘膜に付着したNTHI負荷のごくわずかな減少を認めた。逆に、この後者の時点ではチップキメラペプチドFabを与えた動物では、細菌負荷のさらに10分の1の低下を認めた(P≦0.05;多重比較を伴う一元配置ANOVA)。特に、6例中4例(67%)の中耳では、これらのホモジナイズした組織はNTHIに関して培養陰性であった。これらのデータは、チップキメラペプチドFabによりバイオフィルムから放出されたNTHIは、いかなる追加の介入も処置もなくとも、その後宿主免疫エフェクターによって除去されることを示唆した。
出願人らは次に、これらのキメラペプチドに対するFabによる処置が、チンチラ中耳に既に存在するNTHIバイオフィルムを根絶することができるかどうかを定性的に評価した。これを行うために、盲検の評価者に、処置後の中耳内に残っている粘膜バイオフィルムの相対量を0~4+の尺度でランク付けするように依頼した。テールキメラペプチドFabの投与は有効ではなかった。テールキメラペプチドFabを投与した動物では処置後1日目に、残っているバイオフィルムは、未処理血清Fabによって処置した動物の中耳におけるバイオフィルムより実際にわずかに大きく、平均バイオマススコアはそれぞれ、3.2および2.6であった(図11C)。これらの陰性対照コホートの両方では、中耳の>50%が粘膜バイオフィルムで覆われたままであった。逆に、チップキメラペプチドFabを与えたコホートでは、6つ全ての中耳が≦1.0であるとランク付けされ、ごくわずかに残っている粘膜バイオフィルムが観察されたことを指し示し(P≦0.001;多重比較を伴う一元配置ANOVA)、平均バイオマススコアは0.7であった。よって、チップキメラペプチドFab療法の即時成果は、細菌負荷の有意な低減および確立されたNTHIバイオフィルムの有意な破壊であった。
観察された処置の効果の持続性をアッセイするために、中耳を、さらなる処置を行わずにさらに1週間後、各コホートのサブセットにおいて評価した。未処理ウサギ血清からのFabを与えたコホートでは、粘膜バイオフィルムは実際に増加したが、テールキメラペプチドFabを与えたコホートではそれらはごくわずかに減少し(例えば、中耳の>50%がNTHIバイオフィルムによって覆われたままであった)、平均バイオマススコアはそれぞれ、3.6および2.6であった(図11C)。重要なことに、チップキメラペプチドFabによって処置した動物は、粘膜バイオフィルムのさらに有意な低減によって証明されるように、NTHIバイオフィルムを除去し続け(P≦0.01;多重比較を伴う一元配置ANOVA)、平均バイオマススコアは0.2であった。特に、6例中4例(67%)の中耳ではバイオフィルムの目に見える証拠はなかった。これらの定性的評価は、図11Bに示される細菌負荷データと良好に相関した。
盲検の評価者が、観察された残っている粘膜バイオフィルムに関してどのようにランク付けしたかを実証するために、健康な中耳および4日目のNTHIバイオフィルムを有する中耳の例ならびに13日目の各コホートからの中耳の代表的な画像を図11Dに描写する。予想されたように、処置終了後1日目に、未処理血清またはテールキメラペプチドFabを投与した動物では、これらのバイオフィルムが中耳粘膜および骨中隔の視認性を遮断したという事実によって証明されるように実質的な粘膜バイオフィルムが残っており、代表的な割付されたスコアはそれぞれ、2.8または3.2であった(図11D)。これらのスコアは、処置終了後7日間有意に減少せず、実際に、未処理血清Fabによって処置したコホートでは顕著に増加し、代表的な割付されたスコアはそれぞれ、4.0および2.8であった。逆に、チップキメラペプチドFabによって処置した動物の中耳では、正常な解剖学的目標構造が処置の終了後1日で十分に目に見え、その後7日間バイオフィルム再成長の証拠はなく、そのまま残っていた。代表的な割付されたスコアは、この後者のコホートに関して0.8(6日目)および0(13日目)であった。合わせると、これらのデータは、中耳内の既存のNTHIバイオフィルムを根絶するためにチップキメラペプチドFabを送達する可能性に関してさらに強い支持を提供し、さらにこの根絶がおそらく持続することを提供した。
チップキメラペプチドモノクローナル抗体のヒト化型の開発および検証
多様な細菌バイオフィルムをin vitroで破壊するために、およびin vivoで粘膜NTHIバイオフィルムを根絶するための抗チップキメラペプチドFabの使用を支持するデータにより、出願人らは、臨床試験においてこれらの新規治療作用物質の使用へと進もうとした。そうするために、出願人らは、チップキメラペプチドに対するマウスモノクローナル抗体に倣って設計したヒト化チップキメラペプチドに対するモノクローナル抗体(本明細書において「HuTipMAb」と呼ぶ)のパネルを生成した。本明細書において、出願人らは、ヒト化の有効性の証拠としてHuTipMabの1つの機能的なin vitro活性を支持するデータを提示する。ヒト化の測定として、出願人らは、重鎖および軽鎖内の可変領域に関するT20スコアを個々に決定した(S.H. Gao et al. (2013) BMC Biotechnol 13: 55)。これらの値は、重鎖可変領域に関して82であり、軽鎖可変領域に関して97であり、各抗体ドメインのヒト性の高い程度を指し示した。表面プラズモン共鳴により、HuTipMabは、チップキメラペプチドに対して76nMのKDを有し、ネイティブIHFNTHIに対して10nMのKDを有し、よって標的ペプチドに対して強い親和性を示し、疾患回復にとって必要なネイティブタンパク質に対してさらにより高い親和性を示した。In vitroでは、HuTipMabは、NTHI、P.aeruginosa、またはB.cenocepaciaによって形成されたバイオフィルムを有意に破壊し(P≦0.001;対応のないt検定)(図12A)、ヒト化抗テールキメラペプチド抗体(「HuTailMab」と呼ばれる)の等モル濃度と共にインキュベートしたバイオフィルムと比較して、使用したヒト化Mabの選択された濃度に16時間曝露後に残っていたバイオフィルムバイオマスはわずか13~26%であった(図12B)。よって、マウスチップキメラペプチド特異的モノクローナル抗体のヒト化は、そのタンパク質標的に対して強い親和性を有する治療候補物を生じ、in vitroで3種のヒトの気道の病原菌によって形成されるバイオフィルムを破壊する能力を証明した。
次に、ヒト化モノクローナル抗体がin vivoでも機能的であるかどうかを確認するために、出願人らは、バイオフィルムが処置前に中耳内に既に存在するチンチラのNTHI誘導実験的OMモデルを使用した。HuTipMab、HuTailMabのいずれか、または滅菌食塩水(ヒト化抗体に使用した希釈剤)の同等量を両方の中耳に送達し、24時間後に第2の同一の処置を行った(図13A)。以前と同様に、各コホートからの動物のサブセットを治療の終了後1日目に屠殺し、即時成果を調べ、動物の第2のサブセットはさらなる処置を行わずにさらに1週間追跡し、治療の効果が持続するかどうかを決定した。
治療後1日目、HuTipMabは、HuTailMabまたは食塩水と比較してNTHIの数の有意な>3.5logの低減を誘導した(P≦0.01;多重比較を伴う一元配置ANOVA)(図13B)。1週間後、HuTailMabまたは食塩水は、NTHI負荷のごくわずかなさらなる減少のみを誘導し、HuTipMabによって処置した中耳ではさらに7分の1に減少した。特に、HuTipMabによる処置後1週間目では、6例中4例(67%)の中耳粘膜のホモジネートが培養陰性であった(P≦0.05;多重比較を伴う一元配置ANOVA)。よって、HuTipMabによる処置は、中耳からの粘膜バイオフィルム内のNTHIの急速な根絶を誘導した。
どれほど多くの粘膜バイオフィルムが処置後の中耳に残っているかを定性的に評価するために、中耳をもう一度、盲検的に0~4+の尺度で評価した。食塩水またはHuTailMabを投与した動物は、中耳の>50%を占める粘膜バイオフィルムで覆われたままであり、平均バイオマススコアはそれぞれ、2.7および3.1であった(図13Cおよび図13D;代表的なスコアを図13Dの最初の列の各パネルの右下角の枠内に示す)。逆に、HuTipMabによって処置したそれらの中耳では、最小の残っている粘膜バイオフィルムが観察され(<25%)、コホートの平均バイオマススコアは1.0であった(図13Cおよび図13D)。7日後、食塩水(平均スコア、3.0)、またはHuTailMab(平均スコア、3.5)のいずれかによって処置したコホートでは、粘膜バイオフィルムは実際に増加し、HuTipMabによって処置したコホートでは、最小のバイオフィルムが観察された(平均スコア、0.6)(図13Cおよび図13D;代表的なスコアを図13Dの第2の列の各パネルの右下角の枠内に示す)。各コホートの代表的な画像を図13Dに示し、図13Cに提示するデータと良好に相関した。
IHFサブユニットの1つのβ-チップのみに対するマウスモノクローナル抗体断片を投与した動物の中耳において炎症が目に見えた図9Dとは異なり、HuTipMabによる処置は、明白な炎症をもたらさなかった(図13Dを参照されたい)。この知見の説明に着手するために、出願人らは、再度サイトメトリックビーズアッセイを実施して、屠殺時にこれらの動物から収集した中耳滲出液内の集中した、しかし今ではわずかに増大したサイトカインプロファイルを決定した。抗体治療の終了後1日目、6種の炎症促進性サイトカインの同程度の量が食塩水またはHuTailMabを投与した動物からの中耳滲出液に検出されたが、HuTipMab処置動物からの中耳滲出液には有意により少ない量が存在した(図14A)。さらに、2種の抗炎症性サイトカインの有意により多くが、HuTipMabを投与された動物から回収した中耳滲出液に検出された。このパターンは維持され、13日目(治療終了後7日目)に収集した液体中ではさらに増強された(図14B)。炎症促進性サイトカイン濃度は、食塩水処置動物とHuTailMab処置動物の間で類似であり、理論に拘束されることを望まないが、出願人らは、マウスモノクローナル抗体のヒト化が、この後者のコホートの動物において認められる炎症を抑制したという理論を立てている(図13Dを参照されたい)。合わせると、これらのデータは、チップキメラペプチドに対するマウスモノクローナル抗体のヒト化がin vitroまたはin vivoのいずれにおいてもその有効性を減少させなかったことを実証した。HuTipMabは、実験的OMの間に中耳からのNTHI誘導粘膜バイオフィルムの急速な持続的なクリアランスを誘導し、このように疾患の回復を促進する。
HuTipMabおよびHuTailMabのバイオフィルム破壊効果を以下の表に要約する。
さらに、出願人らは、屠殺時に動物から収集した中耳滲出液内の限定的なサイトカインプロファイルを決定した。図14に示すように、有意により少ない炎症促進性サイトカインがHuTipMab処置した中耳に観察されたが、有意により多くの抗炎症性サイトカインがHuTipMab処置した中耳に観察された。しかし、HuTailMab処置した中耳は、炎症促進性サイトカインに関して食塩水処置した中耳と同程度であった。このことは、マウスmAbのヒト化が、mAb Fab試験において観察された齧歯類特異的炎症のいくつかのタイプを抑制したことを示唆している。これは診断ツールとしてのHuTailMabの使用の正の成果である。
経皮能動免疫後のチップキメラペプチドの前臨床有効性
これまで、出願人らは、有効なDNABII標的化治療薬(例えば、バイオフィルムを破壊するために/進行中の疾患を回復させるために、両方のIHFサブユニットの免疫防御チップ領域を標的とするヒト化モノクローナル抗体の送達)の開発を報告したが、能動免疫によるバイオフィルム形成の予防および疾患誘導の予防もまた重要な目標である。この目的に向かって、出願人らは、以前のアデノウイルス感染が中耳をNTHIによる浸潤に対して感受性にし、これが鼻咽頭に生着してウイルスにより機能障害となった耳管を上行する実験的OMのユニークなチンチラウイルス-細菌同時感染モデルを使用した(K. Suzuki et al. (1994) Infect Immun 62: 1710-1718)。この重複感染モデルは、「子供が風邪を引くと、1週間後には耳の感染を有する」ことを模倣するように設計されている。よって、動物を最初にチップまたはテールキメラペプチドによって能動免疫し、適切な免疫応答を誘導した(L. A. Novotny et al. (2015) Clin Vaccine Immunol 22: 867-874; L. A. Novotny et al. (2013) Vaccine 31: 3417-3426; L. A. Novotny et al. (2011) Mucosal Immunol 4: 456-467; L. A. Novotny et al. (2017) Clin Vaccine Immunol 24)。次に、チンチラを最初にアデノウイルスに曝露し、その4日後にNTHIに曝露し、その後動物を上行性OMの相対的発生に関してモニターした。
未処理チンチラの3つのコホートを、ワクチン製剤を両耳のすぐ後ろの皮膚(例えば、耳後部領域)にこすりつけることによって免疫し、この技法を1週間後に繰り返した(図15A)。使用した製剤は、アジュバントLT(R192G/L211A)と混合したチップキメラペプチド(dmLT)、E.coli易熱性エンテロトキシンの二重変異体(J.D. Clements et al. (2018) mSphere 2018 Jul-Aug; 3(4): e00215-18.)、テールキメラペプチドプラスdmLT、またはdmLT単独であった。第2の免疫後2日目に、全ての動物にアデノウイルスを鼻腔内(IN)接種し、1週間後にNTHIをIN曝露した。鼻咽頭洗浄をNTHI曝露後1日目に実施し、全ての動物に同等に生着したことを確認した(図15B)。この結果は、各動物が実験的OMを発症する潜在性を有することを確実にし、唯一の識別因子は、投与された免疫原による結果としての誘導された免疫であった。
ワクチン有効性に関する一次読み出しは、各鼓膜(TM)を盲検により観察し、明白な炎症および中耳滲出液がOMの兆候として目に見えるかどうかを決定する耳内視鏡であった(L. A. Novotny et al. (2006) Vaccine 24: 4804-4811)。ウイルス感染チンチラのNTHI曝露の8日以内に、NTHIが機能障害の耳管を上行した兆候が見られ、アジュバントのみのコホートでは16例中2例(13%)の中耳においてOMが誘導され、最大発生率は13日目で100%であった(図15C)。実験的OMは、13日以降減少し始めたが、20日目では16例中8例(50%)の中耳において持続した。予想されたように、テールキメラペプチドによる免疫は利益をもたらさなかった。OMの兆候は、NTHI曝露後4日目で2例の中耳(13%)に存在し、12日目および13日目で100%のピークに達し、その後低下し始めたが、16例中8例(50%)の中耳は試験終了時にOMの兆候を維持した。これに強く対比して、チップキメラペプチド免疫コホートでは、10日目までOMの兆候の発生の有意な遅れが認められた(P≦0.0001;マンテルコックス検定)。10日目から12日目のOMの最大発生率は、この後者のコホートでは18例中4例(25%)の中耳のみに起こり、14日目までに完全な溶解が起こり、これは対照より有意に早かった(P≦0.0001;マンテルコックス検定)。さらに、20日の観察期間にわたって、実験的OMの兆候を有する動物の割合は、チップキメラペプチドによって免疫した動物(4例の耳;2匹の動物;P≦0.0001;マンテルコックス検定)では、他の2つのコホート(16例の耳;8匹の動物)と比較して有意に少なかった。
図15Dに示すチンチラTMの画像は、11日目に盲検の耳鏡によって観察された画像の代表である。健康なチンチラのTMは灰色であるが、dmLTまたはテールキメラペプチドによって免疫した動物のTMはわずかに膨れており、紅斑様であり、黄色い中耳滲出液がTMの後部に目に見えた。逆に、チップキメラペプチド免疫コホートの動物の大部分のTM(16例中12例;75%)は、あったとしても最小の炎症の兆候を示した。全体として、チップキメラペプチドによる免疫によって与えられたワクチン有効性はいずれかの陰性対照コホートと比較して85%であった。合わせると、これらのデータは、NTHIによる実験的OMの発生を予防するための有効なワクチン候補抗原としてのチップキメラペプチドの設計および使用を支持し、出願人らの治療的ヒト化モノクローナル抗体の開発を補完した。
実験の考察
バイオフィルムは、気道(L. O. Bakaletz et al. (2012) Paediatr Respir 13: 154-159; J.H. Fastenberg et al. (2016) World J Otorhinolaryngol Head Neck Surg 2: 219-229; J.W. Costerton (2001) Trends Microbiol 9: 50-52)、口腔(W.H. Bowen et al. (2018) Trends Microbiol 26: 229-242; P.E. Petersen et al. (2005) J Periodontol 76: 2187-2193)、胃腸管(E.C. von Rosenvinge et al. (2013) Pathog Dis 67: 25-38; S. Macfarlane et al. (2007) J Appl Microbiol 102: 1187-1196)、および尿性器(A.L. Flores-Mireles et al. (2016) J Urol 196: 416-421; P.Tenke et al. (2012) World J Urol 30: 51-57)の慢性および再発性の細菌疾患の大部分に関係している。これらの多菌性集合体の形成および持続はしばしば、ほとんどが宿主免疫エフェクターおよび抗体によるクリアランスに対する特徴的な不応性により、これらの疾患の病原性に有意に寄与する。よって、疾患の病原性および持続におけるバイオフィルムの役割を認識するためには、その形成を予防するかまたは既に存在するバイオフィルムを根絶するための新規アプローチが必要である。
そのため、多くの研究所が、バイオフィルム緩和のための様々なアプローチを開発し、これらは多くの優れた総説の主題である(Verderosa AD et al. (2019) Front Chem 2019; 7: 824; Koo H et al. (2017) Nat Rev Microbiol 2017; 15: 740-55; Fleming D et al. (2017) Microorganisms 2017; 5: 15; Worthington RJ (2012) Org Biomol Chem 2012; 10: 7457-74; Reza A et al. (2019) Antibiotics (Basel) 2019; 8: 229)。広い研究領域は、バイオフィルム常在性細菌の分散を誘導する作用物質、例えば酵素によるバイオフィルムの処置、クオラムセンシングなどのプロセスを妨害する分子、環状ジ-GMPを介したシグナル伝達、または小分子阻害剤またはアナログの送達を介したシグナル伝達を誘導する作用物質を介したバイオフィルムの根絶に着目している(Verderosa AD et al. (2019) Front Chem 2019; 7: 824; Koo H et al. (2017) Nat Rev Microbiol 2017; 15: 740-55; Fleming D et al. (2017) Microorganisms 2017; 5: 15; Worthington RJ (2012) Org Biomol Chem 2012; 10: 7457-74; Reza A et al. (2019) Antibiotics (Basel) 2019; 8: 229)。あるいは、バイオフィルム形成の予防は、バイオフィルムそのものの存在と比較して宿主に対してより障害性である疾患誘導性の炎症を制限することができるアプローチである(Vestby LK et al. (2020) Antibiotics (Basel) 2020; 9: 59)。植込み型デバイスの改変または生物材料内での阻害剤の取り込み、抗菌ペプチドの使用、または微生物によって発現される接着タンパク質の遮断は、バイオフィルム形成を制限することが示されている(Bazaka K et al. (2012) Appl Microbiol Biotechnol 2012; 95: 299-311; Qvortrup K et al (2019) Front Chem 2019; 7: 742; Rabin N et al (2015) Future Med Chem 2015; 7: 647-71; Chung PY et al (2017) J Microbiol Immunol Infect 2017; 50: 405-10)。
過去10年以上にわたって、出願人らは、チンチラの中耳におけるNTHIによって形成されたバイオフィルム内の構造的eDNA-DNABII格子を同定したので(S.D. Goodman et al. (2011) Mucosal Immunol 4: 625-637)、この知見を拡大して、優先順位の高いESKAPE病原体を含む多くの様々な細菌種によって形成されるバイオフィルムにおけるこの細菌許容性の、しかし宿主制限性の格子の存在を実証した(A. Abu Khweek et al. (2013) Front Cell Infect Microbiol 3: 18; A. Devaraj et al. (2015) Mol Microbiol 96: 1119-1135; M.O. Freire et al. (2017) Mol Oral Microbiol 32: 74-88; J.E. Gustave et al. (2013) J Cyst Fibros 12: 384-389; L.A. Novotny et al. (2013) PLoS One 8: e67629; L.A. Novotny et al. (2016) EBioMedicine 10: 33-44; C.J. Rocco et al. (2018) J Bacteriol 200; K.M. Rood et al. (2018) Sci Rep 8: 8756)。合わせると、この知見は最初、in vitroでなされ、その後複数の前臨床モデルでの試験に拡大され(Goodman SD et al (2011) Mucosal Immunol 2011; 4: 625-37; Brockson ME et al (2014) Mol Microbiol 2014; 93: 1246-58; Novotny LA et al (2019) NPJ Vaccines 2019; 4: 43; Freire MO et al (2017) Mol Oral Microbiol 2017; 32: 74-88; and Novotny LA et al (2016) EBioMedicine 2016; 10: 33-44)、このおそらく種に非依存的な「アキレス腱」を標的とするバイオフィルム疾患を解消する(mediate)ための新規DNABIIに着目したアプローチの開発を支持した。
そのため、その両方が細菌バイオフィルムのeDNA+DNABIIスキャフォールドを標的とする細菌バイオフィルムに対する2又アプローチを設計して、提示する。第1のアプローチは、チップキメラペプチドを免疫原として使用して中耳におけるNTHIによるバイオフィルム形成を遮断する抗体の形成を誘導し、それによって実験的OMを発生させる予防的能動免疫戦略である。出願人らは、能動免疫後にバイオフィルム形成を予防する抗体の形成を誘導するためにエピトープ特異的DNABIIキメラタンパク質ワクチン候補抗原を設計した。第2のアプローチは、チップキメラペプチド免疫原に対する抗体のIgGまたはFab断片(および最終的にヒト化モノクローナル抗体)を中耳に直接送達し、確立されたNTHIバイオフィルムを破壊し、実験的OMの回復を媒介する治療戦略である。出願人らは、インタクトまたはFab断片のいずれかを広く有効な治療薬として使用するためにこの免疫原に対するマウスモノクローナル抗体をヒト化し、バイオフィルムから放出された常在細菌を宿主免疫エフェクターおよび/または抗生物質によって殺滅することができるが、現在では大きく低減された用量で使用することができる(M. Shigeta et al. (1997) Chemotherapy 43: 137-141; D.M. Lewis (2005) J Theor Biol 234: 565-591; S. Singh et al. (2017) Open Microbiol J 11: 53-62)。本明細書では、出願人らは、2つの別々のOMモデルを使用して4つの試験からの有望な前臨床での証拠を提示し、これらのアプローチがバイオフィルムおよび疾患の予防に関して、および/または迅速な疾患の回復を伴う既存の粘膜バイオフィルムの顕著で有意な低減に関してどれほど有効であり得るかを一貫して示した。
出願人らは、出願人らのDNABII標的化戦略の予防有効性および治療有効性を評価するために、その慢性性および再発が中耳におけるバイオフィルムが原因である高度に流行性の小児疾患の2つの前臨床モデルを使用した。これらのモデルは、小児において観察されるOMの自然の疾患経過を忠実に再現し(G.S. Giebink (1999) Microb Drug Resists 5: 57-72; L.O. Bakaletz (2009) Expert Rev Vaccines 8: 1063-1082; J.T. Poolman et al. (2000) Vaccine 19 Suppl 1: S108-115)、臨床試験の成果を正確に予測した(L.A. Novotny et al. (2006) Vaccine 24: 4804-4811; R. Prymula et al. (2006) Lancet 367: 740-748)。本明細書で提示する研究にとって重要なことは、チンチラモデルが、単菌性および多菌性のバイオフィルムの形成、持続、および介入を調べるために十分に確立された宿主であるという点である(L.O. Bakaletz (2012) Paediatr Respir Rev 13: 154-159; G.D. Ehrlich et al. (2002) JAMA 287: 1710-1715; M.A. Apicella (2009) J Infect Dis 199: 774-775)。
出願人らは、いくつかの以前に答えられなかった問いの答えを提供する。出願人らは、Fab断片がin vitroおよびin vivoでバイオフィルムを破壊するためにインタクト抗体と同程度に有効であり、よって繰り返し投薬が必要である場合(抗抗体応答の誘導に関する懸念を生じることにより)治療薬として働き得ることを見出した。出願人らはまた、DNABIIに対する抗体のFc部分がin vitroでバイオフィルム破壊にとって必要ではないことまたはin vivoでのバイオフィルム溶解にとって必要ではないことも決定した。この成果は、保護的バイオフィルムからの細菌の放出が宿主の自然免疫エフェクターおよび/または抗体によるクリアランスおよび疾患回復を促進するために十分であることを示唆した。出願人らは、IHFNTHIの異種サブユニットの両方からの保護的ドメインを組み込んでも、有効性の増加をもたらさなかったことを突き止めた。さらに、チップキメラペプチドによる能動免疫は、実験的OMの発生を予防し、急速な疾患回復を促進する抗体の形成を誘導した。チップキメラペプチドモノクローナル抗体のヒト化は、免疫原およびネイティブタンパク質の両方に対してナノモル濃度の親和性を有する非常に有望な治療薬を生じた。
合わせると、eDNA+DNABIIに対する戦略の理解を高めるこれらのデータは、チップキメラペプチド免疫原およびそれに対するヒト化モノクローナル抗体の両方の予防的および治療的臨床試験の両方への参入の高い根拠となった。出願人らのDNABII標的化アプローチの種非依存的性質を考慮すると、および理論に拘束されたくはないが、発病、持続的な慢性性および/または周期的再発が不応性のバイオフィルムが原因である複数の疾患の改善された臨床管理のための治療産物が提供される。
実験番号5
いくつかの口腔内細菌(例えば、Aggregatibacter actinomycetemcomitans、Porphyromonas gingivalis)が、歯槽骨および歯肉を破壊する歯周病およびインプラント周囲炎などの炎症疾患の発病に関係している。これらの細菌の発病に関する研究は、有効な動物モデルがないために妨げられている。特定の細菌の発病を調べるための難題の1つは、外因性の細菌を動物の口腔に導入する場合にバイオフィルムを確立する難しさである。歯周病の動物モデルは開発されているが、接種した動物の口腔から培養可能な細菌はほとんど回収されない。特定の細菌の病原性を評価することができる有効な動物モデルを開発することは、その病原性メカニズムを解明する上で大きい助けとなる。
出願人らは、細菌バイオフィルム(例えば、A.actinomycetemcomitans、P.gingivalis)がチタンネジインプラントのヘッド上で成長するインプラント周囲炎のラットモデルを確立した(Freire, M.O., (2011) J. Periodontology 82(5):778-89 and Freire, M.O., (2017) Molecular Oral Microbiology 32(1):74-88)。バイオフィルムで覆われたネジを、ラット上顎歯槽骨に外科的に移植し、経時的にモニターした。マイクロコンピューター断層撮影を使用してネジ周囲の骨の喪失を測定し、ネジならびにネジ周囲の組織および骨から抽出されたDNAをqPCRまたはミクロビオーム分析のために利用し、存在する種を明らかにした。この確立された動物モデルは、移植後少なくとも2週間でネジインプラント周囲の骨喪失の存在、および接種した細菌病原体の検出を明らかにした。
実験番号6
本実験は、ライム病を処置するための干渉作用物質の前臨床試験のためのマウスモデルを提供する。Dresser et al. Pathogens 5(12)e1000680, Epub 2009 Dec. 4を参照されたい。ライム病は、米国における最も一般的なダニ媒介疾患である。報告された症例は1992年から2006年の間で倍以上であり、2008年では約29,000例の新規症例が確認された。ライム病の実際の症例数は、流行地域では報告される症例数の6~12倍を超えると推定されている。定義により、これらの流行地域は、都市から郊外および田園地帯へと移動し続ける集団が増加していることおよびオジロジカ(ダニ種Ixodesを有する)がこれらの地域で歩き回っていることである。ライム病は、スピロヘータ微生物であるBorrelia burgdorferiによって引き起こされる。B.burgdorferiは、Ixodesダニに咬まれることを介して伝播され、その後血流を介して他の組織および臓器へと播種する。
この動物モデルでは、C3H/HeNマウスにスピロヘータを背側皮下注射および腹腔内注射を介して、または静脈内注射を介して注射する。血液および生検標本を、微生物負荷の評価ならびに組織および臓器における病態の評価のために感染後約7日目で回収する。本明細書に開示される方法および組成物は、治療薬を開発するためのみならず、曝露後に形成される結果としてのB.burgdorferiバイオフィルムの低減および/または除去のための予防的戦略の両方を開発することを企図しており、疾患の発病および慢性的性質の両方に寄与すると考えられる。
実験番号7
本実験は、嚢胞性線維症を処置するために干渉作用物質の前臨床試験のためのブタモデルを提供する。Stoltz et al. (2010) Science Translational Medicine 2(29):29-31を参照されたい。嚢胞性線維症は、CF膜貫通調節因子(CFTRと呼ばれる)アニオンチャネルをコードする遺伝子の変異による常染色体劣性疾患である。このモデルでは、「CFTR」と呼ばれる遺伝子に欠損を有するように特別に交配されてCFブタと呼ばれるブタが、複数の細菌種による下気道感染症を含むCF肺疾患の基準となる特色を自然発症する。ブタを、1)これらのCFブタをポリペプチドまたは他の免疫原性作用物質のいずれかによって免疫するために干渉作用物質によって免疫し、それによって肺における細菌バイオフィルムを根絶する抗体の形成を誘導し、抗体またはその断片もしくは誘導体を噴霧化によってこれらの動物の肺に送達して疾患および関連する病態の兆候の改善を評価することができる。
実験番号8
出願人らは、結核(TB)のための前臨床モデルも提供する。Ordway et al. (2010) Anti. Agents and Chemotherapy 54:1820を参照されたい。微生物Mycobacterium tuberculosisは、増大している世界的流行の原因となる。現在の数字は、年間で、TBのおよそ800万例の新たな症例およびTBによる約270万名の死亡が存在することを示唆する。HIVを有する個体の共感染としてのこの微生物の役割に加えて(HIVに感染したほぼ4500万名のうち、ほぼ1/3が、M.tuberculosisにも共感染したことが推定される)、分離株が複数の薬物に対して高度に抵抗性になったことが特に厄介であり、TBのための新たな薬物は四半世紀を超えて導入されていない。この動物モデルにおいて、バリアコロニーにおいてSPFモルモットを維持し、ほぼ20cfuのM.tuberculosis株Erdman K01桿菌をその肺に送達するためのエアロゾル化スプレーにより感染させる。細菌負荷および病理組織学的評価のための組織の回収の決定により、曝露後日数25、50、75、100、125および150日目に動物を屠殺する。TBの古典的徴候を発症しないマウスとは異なり、この様式で曝露したモルモットは、ヒト疾患の特質である中心の壊死を有するよく組織化された肉芽腫を発症する。さらに、ヒトと同様に、モルモットは、一次病変複合体の一部として、重症化膿性肉芽腫性(severe pyogranulomatous)および流入領域リンパ節の壊死性リンパ節炎を発症する。このモデルの使用は、治療法を確認および同定するための前臨床スクリーニング、ならびに曝露後にこれらの動物の肺に形成することが観察され、疾患の病理発生および慢性化の両方に寄与することが考えられる、結果として生じるM.tuberculosisバイオフィルムの低減および/または排除のための予防戦略を提供する。
実験番号9
カテーテル/留置デバイスバイオフィルム感染の複数の動物モデルが公知である。Otto (2009) Nature Reviews Microbiology 7:555を参照されたい。正常皮膚細菌叢と典型的に考慮されるが、微生物Staphylococcus epidermidisは、多くの者が、院内感染の原因因子の中でも第1位の、肝要な日和見性病原体として配慮するものになった。主に、この細菌は、留置医療デバイスにおいて発症する感染の大部分の原因となり、留置医療デバイスは、デバイス挿入の際にこの一般的な皮膚生着菌によって汚染される。これは典型的に生命を脅かすものではないが、このようなバイオフィルム感染の処置に関連した困難は、その頻度と組み合わせて、重篤な公衆衛生上の負担となる。S.epidermidisによる血管カテーテル関連血流感染単独の処置に関連した現在のコストは、米国において年間$20億に達する。S.epidermidisに加えて、E.faecalisおよびS.aureusも、留置医療デバイスに見出される汚染である。ウサギ、マウス、モルモットおよびラットを含む、カテーテル関連のS.epidermidis感染のいくつかの動物モデルが存在し、これらは全て、病理発生の分子機構の研究に使用されており、予防および/または治療法の研究に役立つ。ラット頸静脈カテーテルが使用されて、E.faecalis、S.aureusおよびS.epidermidisバイオフィルム形成に干渉する治療法を評価した。バイオフィルム低減は、3つの仕方で測定されることが多い-(i)カテーテルを超音波処理し、CFUを計算する、(ii)カテーテルを薄切りにするもしくは単純にプレート上に置き、スコア化する、または(iii)バイオフィルムは、クリスタルバイオレットまたは別の色素で染色し、溶出させ、CFUの代理としてOD測定することができる。
実験番号10
本明細書に記載される方法を使用してヒトおよび動物において免疫応答を誘発することができる。免疫原性組成物を、アルミニウム塩およびリポソームが挙げられるがこれらに限定されないアジュバントの存在下でヒトおよび動物対象に投与することができる。当業者は、任意の数の薬学的に許容されるアジュバントを使用することができることを理解する。免疫原性組成物は、ヒトまたは動物対象に、筋肉内に、皮下に、鼻腔内に、または他の任意の適した経路を通して投与され得る。免疫原性組成物は、選択された投与様式と一貫する方法で調製され得る。免疫原性組成物は、ポリペプチド、核酸、またはその組合せの形態をとり得て、全長または部分的抗原を含み得る。加えてまたはあるいは、免疫原性組成物は、特定の抗原をパルスしたAPCの形態、または特定の抗原をコードする1つもしくは複数のポリヌクレオチドをトランスフェクトしたAPCの形態をとり得る。投与は免疫原性組成物の1回投与または最初の投与後に1つまたは複数のブースター投与を含み得る。ブースター投与は、初回投与後1日、2日、3日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、または12ヶ月に、または任意の他の時点で提供され得る。ブースター用量は、対象の抗体価の評価後に投与され得る。
実験番号11
本明細書に記載される方法を使用して、非免疫対象に受動免疫を付与することができる。所与の抗原に対する受動免疫は、特定の抗原を特異的に認識するまたはこれに結合する抗体または抗原結合性断片の移入により付与することができる。抗体ドナーおよびレシピエントは、ヒトまたは非ヒト対象となることができる。その上またはあるいは、抗体組成物は、特定の抗原を特異的に認識するまたはこれに結合する抗体または抗原結合性断片をコードする単離されたまたは組換えポリヌクレオチドを含むことができる。
免疫原性組成物の投与がレシピエント対象にリスクを課す、レシピエント対象が免疫低下状態である、またはレシピエント対象が即時免疫を要求する場合に、受動免疫を付与することができる。免疫原性組成物は、選択された投与機序と一貫した様式で調製することができる。組成物は、抗体全体、抗原結合性断片、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、in vivoで生成された抗体、in vitroで生成された抗体、精製されたもしくは部分的に精製された抗体、または全血清を含むことができる。投与は、単一用量の抗体組成物、または初期投与とそれに続く1つもしくは複数のブースター用量を含むことができる。ブースター用量は、初期用量後1日、2日、3日、1週間、2週間、3週間、1、2、3、6もしくは12ヶ月に、または他のいずれかの時点に提供することができる。ブースター用量は、対象の抗体力価の評価後に投与することができる。
等価物
上述の実施形態と併せて本開示について記載してきたが、前述の記載および実施例が、説明を意図し、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。本開示の範囲内の他の態様、利点および改変は、本開示が属する技術分野の当業者には明らかとなる。
他に規定がなければ、本明細書で使用されるあらゆる技術および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意義を有する。本明細書に提供されるあらゆるヌクレオチド配列は、5’から3’の方向で提示される。
説明目的で本明細書に記載される実施形態は、特に本明細書に開示されていないいかなるエレメント(単数または複数)、限定(単数または複数)の非存在下であっても、適切に実施することができる。よって、例えば、用語「を含む(comprising)」、「を含む(including)」、「を含有する(containing)」等は、拡大的に限定することなく読むべきである。その上、本明細書で用いられる用語および表現は、限定ではなく記載の用語として使用しており、斯かる用語および表現の使用において、示され記載された特色またはその部分のいかなる等価物を除外する意図もないが、本開示の範囲内で様々な改変が可能であることが認識される。
よって、特異的な実施形態および必要に応じた特色によって本開示を特に開示してきたが、本明細書に開示されるその中の実施形態の改変、改善および変形形態は、当業者によって用いることができ、斯かる改変、改善および変形形態が、本開示の範囲内にあると考慮されることを理解されたい。本明細書に提供される材料、方法および実施例は、特定の実施形態を代表し、例示的であり、本開示の範囲における限定として意図するものではない。
本開示の範囲(scoped)を、本明細書で広く包括的に記載してきた。包括的な開示に含まれるより狭い種および亜属のグループ分けのそれぞれもまた、本開示の一部を形成する。これは、切り取られた材料が本明細書に特に列挙されているか否かに関係なく、属からいずれかの主題を除去する、条件付きの包括的な記載または否定的な制限を含む。
加えて、本開示の特色または態様が、マーカッシュ群の観点から記載されている場合、当業者であれば、これにより、本開示の実施形態を、マーカッシュ群のいずれか個々のメンバーまたはメンバーのサブグループの観点から記載できることも認識する。
本明細書に言及されているあらゆる刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、あたかもそれぞれが個々に参照により本明細書に組み込まれるのと同じ程度まで、それらの全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。矛盾が生じる場合、定義を含めて本明細書が優先するものとする。
本開示の非限定的な実施形態
実施形態1.
(i)配列番号13、24もしくは26のアミノ酸(aa)25~aa144の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または
(ii)配列番号14もしくは25のaa21~aa132、配列番号27のaa21~aa126の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列
を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片。
実施形態2. 抗体が、
(i)配列番号24のaa25~aa144の配列もしくはその等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または
(ii)配列番号25のaa21~aa132の配列またはその等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列
を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態3. 抗体が、
(i)配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または
(ii)配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択される配列またはその各々の等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列
を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態4. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態5. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態6. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態7. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態8. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態9. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態10. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態11. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態12. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態13. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態14. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態15. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態16. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態17. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態18. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態19. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態20. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態21. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態22. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態23. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態24. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態25. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態26. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態27. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態28. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態29. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態30. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態31. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態32. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態33. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
実施形態34.
(i)配列番号13、24もしくは26のアミノ酸(aa)25~aa144の群から選択される配列を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または
(ii)配列番号14もしくは25のaa21~aa132、配列番号27のaa21~aa126の群から選択される配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列
を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらにそれからなる抗体またはその断片。
実施形態35. 抗体が、
(i)配列番号24のaa25~aa144の配列を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または
(ii)配列番号25のaa21~aa132の配列を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列
を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態36. 抗体が、
(i)配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択される配列を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および/または
(ii)配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択される配列を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列
を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態37. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態38. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態39. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態40. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態41. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態42. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa132、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa126の群から選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態43. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態44. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態45. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態46. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態47. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態48. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa144の群から選択されるアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態49. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態50. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態51. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態52. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態53. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態54. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態55. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態56. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態57. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態58. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態59. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態60. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号4のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態61. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態62. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態63. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号5のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態64. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号10のaa21~aa126のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態65. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号11のaa21~aa126のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態66. 重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号6のaa25~aa144のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号12のaa21~aa126のアミノ酸配列を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態34に記載の抗体またはその断片。
実施形態67.
(i)配列番号13、24もしくは26のアミノ酸(aa)25~aa473の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または
(ii)配列番号14もしくは25のaa21~aa239、配列番号27のaa21~aa233の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)
を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片。
実施形態68.
(i)配列番号24のaa25~aa473の配列もしくはその等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または
(ii)配列番号25のaa21~aa239の配列もしくはその等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)
を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態69.
(i)配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa473の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または
(ii)配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa239、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa233の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)
を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態70. 重鎖(HC)が、配列番号1のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa239、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa233の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態71. 重鎖(HC)が、配列番号2のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa239、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa233の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態72. 重鎖(HC)が、配列番号3のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa239、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa233の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態73. 重鎖(HC)が、配列番号4のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa239、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa233の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態74. 重鎖(HC)が、配列番号5のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa239、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa233の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態75. 重鎖(HC)が、配列番号6のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7~9、14もしくは25のaa21~aa239、配列番号10~12もしくは27のaa21~aa233の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態76. 重鎖(HC)が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa473の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態77. 重鎖(HC)が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa473の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号8のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態78. 重鎖(HC)が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa473の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号9のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態79. 重鎖(HC)が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa473の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号10のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態80. 重鎖(HC)が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa473の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号11のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態81. 重鎖(HC)が、配列番号1~6、13、24もしくは26のaa25~aa473の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号12のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態82. 重鎖(HC)が、配列番号1のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態83. 重鎖(HC)が、配列番号1のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号8のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態84. 重鎖(HC)が、配列番号1のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号9のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態85. 重鎖(HC)が、配列番号2のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態86. 重鎖(HC)が、配列番号2のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号8のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態87. 重鎖(HC)が、配列番号2のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号9のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態88. 重鎖(HC)が、配列番号3のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態89. 重鎖(HC)が、配列番号3のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号8のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態90. 重鎖(HC)が、配列番号3のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号9のaa21~aa239のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態91. 重鎖(HC)が、配列番号4のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号10のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態92. 重鎖(HC)が、配列番号4のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号11のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態93. 重鎖(HC)が、配列番号4のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号12のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態94. 重鎖(HC)が、配列番号5のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号10のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態95. 重鎖(HC)が、配列番号5のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号11のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態96. 重鎖(HC)が、配列番号5のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号12のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態97. 重鎖(HC)が、配列番号6のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号10のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態98. 重鎖(HC)が、配列番号6のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号11のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態99. 重鎖(HC)が、配列番号6のaa25~aa473のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号12のaa21~aa233のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態67に記載の抗体またはその断片。
実施形態100.
(i)配列番号13、24もしくは26の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または
(ii)配列番号14、25もしくは27の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)
を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片。
実施形態101.
(i)配列番号24の配列もしくはその等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または
(ii)配列番号25の配列もしくはその等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)
を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態102.
(i)配列番号1~6、13、24もしくは26の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる重鎖(HC)、および/または
(ii)配列番号7~12、14、25もしくは27の群から選択される配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる軽鎖(LC)
を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態103. 重鎖(HC)が、配列番号1のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7~12、14、25もしくは27の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態104. 重鎖(HC)が、配列番号2のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7~12、14、25もしくは27の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態105. 重鎖(HC)が、配列番号3のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7~12、14、25もしくは27の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態106. 重鎖(HC)が、配列番号4のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7~12、14、25もしくは27の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態107. 重鎖(HC)が、配列番号5のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7~12、14、25もしくは27の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態108. 重鎖(HC)が、配列番号6のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7~12、14、25もしくは27の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態109. 重鎖(HC)が、配列番号1~6、13、24もしくは26の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態110. 重鎖(HC)が、配列番号1~6、13、24もしくは26の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号8のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態111. 重鎖(HC)が、配列番号1~6、13、24もしくは26の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号9のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態112. 重鎖(HC)が、配列番号1~6、13、24もしくは26の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号10のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態113. 重鎖(HC)が、配列番号1~6、13、24もしくは26の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号11のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態114. 重鎖(HC)が、配列番号1~6、13、24もしくは26の群から選択されるアミノ酸配列もしくはその各々の等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号12のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態115. 重鎖(HC)が、配列番号1のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態116. 重鎖(HC)が、配列番号1のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号8のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態117. 重鎖(HC)が、配列番号1のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号9のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態118. 重鎖(HC)が、配列番号2のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態119. 重鎖(HC)が、配列番号2のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号8のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態120. 重鎖(HC)が、配列番号2のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号9のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態121. 重鎖(HC)が、配列番号3アミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号7のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態122. 重鎖(HC)が、配列番号3のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号8のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態123. 重鎖(HC)が、配列番号3のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号9のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態124. 重鎖(HC)が、配列番号4のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号10のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態125. 重鎖(HC)が、配列番号4のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号11のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態126. 重鎖(HC)が、配列番号4のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号12のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態127. 重鎖(HC)が、配列番号5のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号10のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態128. 重鎖(HC)が、配列番号5のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号11のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態129. 重鎖(HC)が、配列番号5のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号12のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態130. 重鎖(HC)が、配列番号6のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号10のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態131. 重鎖(HC)が、配列番号6のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号11のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態132. 重鎖(HC)が、配列番号6のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/または軽鎖(LC)が、配列番号12のアミノ酸配列もしくはその等価物を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態100に記載の抗体またはその断片。
実施形態133. 以下の(i)~(vi):
(i)GFTFXXY(配列番号13のアミノ酸(aa)50~aa56)、GFTFRTY(配列番号1または2または3または24のaa50~aa56)、またはGFTFSRY(配列番号4または5または6または26のaa50~aa56)の群から選択される配列(ここで、Xは、任意のアミノ酸または配列番号1~6から選択される配列の整列されたaa位置のアミノ酸である)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)XSXXXX(配列番号13のアミノ酸(aa)76~aa81)、GSDRRH(配列番号1または2または3または24のaa76~aa81)、またはSSGGSY(配列番号4または5または6または26のaa76~aa81)の群から選択される配列(ここで、Xは、任意のアミノ酸または配列番号1~6から選択される配列の整列されたaa位置のアミノ酸である)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)XXXXXXXYXXFDX(配列番号13のアミノ酸(aa)121~aa133)、VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)、またはERHGGDGYWYFDV(配列番号4または5または6または26のaa121~aa133)の群から選択される配列(ここで、Xは、任意のアミノ酸または配列番号1~6から選択される配列の整列されたaa位置のアミノ酸である)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QXXXXXXXXXX(配列番号14のaa47~aa57)、QXXXXX(配列番号14のaa47~aa52)、QSLLDSDGKTF(配列番号7または8または9または25のaa47~aa57)、またはQDISNY(配列番号10または11または12または27のaa47~aa52)の群から選択される配列(ここで、Xは、任意のアミノ酸または配列番号7~12から選択される配列の整列されたaa位置のアミノ酸である)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)XXS(配列番号14のaa75~aa77)、LVS(配列番号7または8または9または25のaa75~aa77)、またはYTS(配列番号10または11または12または27のaa70~aa72)の群から選択される配列(ここで、Xは、任意のアミノ酸または配列番号7~12から選択される配列の整列されたaa位置のアミノ酸である)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)XQGXXXXXT(配列番号14のaa114~aa122)、WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)、またはQQGNPLRT(配列番号10または11または12または27のaa109~aa116)の群から選択される配列(ここで、Xは、任意のアミノ酸または配列番号7~12から選択される配列の整列されたaa位置のアミノ酸である)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片であって、
必要に応じて、軽鎖および重鎖を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、さらに必要に応じて、軽鎖が、配列番号7~12、14、25もしくは27または必要に応じて、その配列が抗体もしくはその断片の1つもしくは2つもしくは3つのCDRを含むものから選択される配列番号のうちのいずれか1つまたは複数のアミノ酸配列と、少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であり、さらに必要に応じて、重鎖が、配列番号7~12、14、25もしくは27または必要に応じて、その配列が抗体もしくはその断片の1つもしくは2つもしくは3つのCDRを含むものから選択される配列番号のうちのいずれか1つまたは複数のアミノ酸配列と、少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である、抗体またはその断片。
実施形態134. 以下の(i)~(vi):
(i)GFTFRTY(配列番号1または2または3または24のaa50~aa56)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)GSDRRH(配列番号1または2または3または24のaa76~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QSLLDSDGKTF(配列番号7または8または9または25のaa47~aa57)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)LVS(配列番号7または8または9または25のaa75~aa77)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFP(配列番号7または8または9または25のaa114~aa120)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片であって、
必要に応じて、軽鎖および重鎖を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、さらに必要に応じて、軽鎖が、配列番号7~12、14、25もしくは27または必要に応じて、その配列が抗体もしくはその断片の1つもしくは2つもしくは3つのCDRを含むものから選択される配列番号のうちのいずれか1つまたは複数のアミノ酸配列と、少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であり、さらに必要に応じて、重鎖が、配列番号7~12、14、25もしくは27または必要に応じて、その配列が抗体もしくはその断片の1つもしくは2つもしくは3つのCDRを含むものから選択される配列番号のうちのいずれか1つまたは複数のアミノ酸配列と、少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である、抗体またはその断片。
実施形態135. CDRH1が、GFTFRTYA(配列番号1または2または3または24のaa50~aa57)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133から134のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態136. CDRH1が、aASGFTFRTYAMS(配列番号24のaa47~aa59)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のaがA(配列番号1または2のaa47~aa59)であるか、または小文字のaがK(配列番号3のaa47~aa59)である、実施形態133から135のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態137. CDRH2が、IGSDRRHT(配列番号1または2または3または24のaa75~aa82)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133から136のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態138. CDRH2が、IGSDRRHTY(配列番号1または2または3または24のaa75~aa83)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133から137のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態139. CDRH2が、TIGSDRRHTY(配列番号1または2または3または24のaa74~aa83)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133から138のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態140. CDRH2が、WVATIGSDRRHTYYP(配列番号1または2または3または24のaa71~aa85)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133から139のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態141. CDRL1が、rSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号25のaa44~aa59)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のrがR(配列番号7または8のaa44~aa59)であるか、または小文字のrがK(配列番号9のaa44~aa59)である、実施形態133から140のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態142. CDRL2が、LVSKlDS(配列番号25のaa75~aa81)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のlがL(配列番号7または9のaa75~aa81)であるか、または小文字のlがR(配列番号8のaa75~aa81)である、実施形態133から141のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態143. CDRL2が、YLVSKlDS(配列番号25のaa74~aa81)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のlがL(配列番号7または9のaa74~aa81)であるか、または小文字のlがR(配列番号8のaa74~aa81)である、実施形態133から142のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態144. CDRL2が、LVSKlDSG(配列番号25のaa75~aa82)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のlがL(配列番号7または9のaa75~aa82)であるか、または小文字のlがR(配列番号8のaa75~aa82)である、実施形態133から142のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態145. CDRL2が、YLVSKlDSGV(配列番号25のaa74~aa83)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のlがL(配列番号7または9のaa74~aa83)であるか、または小文字のlがR(配列番号8のaa74~aa83)である、実施形態133から144のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態146. CDRL2が、RLIYLVSKlDSGVPD(配列番号25のaa71~aa85)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のlがL(配列番号7または9のaa71~aa85)であるか、または小文字のlがR(配列番号8のaa71~aa85)である、実施形態133から145のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態147. CDRL3が、WQGTHFPY(配列番号7または8または9または25のaa114~aa121)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態134から146のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態148. CDRL3が、WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133から147のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態149. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)GFTFRTY(配列番号1または2または3または24のaa50~aa56)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)GSDRRH(配列番号1または2または3または24のaa76~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QSLLDSDGKTF(配列番号7または8または9または25のaa47~aa57)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)LVS(配列番号7または8または9または25のaa75~aa77)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133または134に記載の抗体またはその断片。
実施形態150. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)GFTFRTYA(配列番号1または2または3または24のaa50~aa57)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)IGSDRRHT(配列番号1または2または3または24のaa75~aa82)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QSLLDSDGKTF(配列番号7または8または9または25のaa47~aa57)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)LVS(配列番号7または8または9または25のaa75~aa77)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、134および149のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態151. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)aASGFTFRTYAMS(配列番号24のaa47~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のaがA(配列番号1または2のaa47~aa59)であるか、または小文字のaがK(配列番号3のaa47~aa59)である重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)TIGSDRRHTY(配列番号1または2または3または24のaa74~aa83)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)rSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号25のaa44~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のrがR(配列番号7または8のaa44~aa59)であるか、または小文字のrがK(配列番号9のaa44~aa59)である軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YLVSKlDS(配列番号25のaa74~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のlがL(配列番号7または9のaa74~aa81)であるか、または小文字のlがR(配列番号8のaa74~aa81)である軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、134および149のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態152. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)AASGFTFRTYAMS(配列番号1または2のaa47~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)TIGSDRRHTY(配列番号1または2または3または24のaa74~aa83)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)RSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号7のaa44~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YLVSKLDS(配列番号7のaa74~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、134、149および151のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態153. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)AASGFTFRTYAMS(配列番号1または2のaa47~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)TIGSDRRHTY(配列番号1または2または3または24のaa74~aa83)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)RSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号8のaa44~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YLVSKRDS(配列番号8のaa74~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、134、149および151のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態154. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)AASGFTFRTYAMS(配列番号1または2のaa47~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)TIGSDRRHTY(配列番号1または2または3または24のaa74~aa83)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)KSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号9のaa44~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YLVSKLDS(配列番号9のaa74~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、134、149および151のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態155. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)KASGFTFRTYAMS(配列番号3のaa47~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)TIGSDRRHTY(配列番号1または2または3または24のaa74~aa83)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)RSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号7のaa44~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YLVSKLDS(配列番号7のaa74~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、134、149および151のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態156. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)KASGFTFRTYAMS(配列番号3のaa47~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)TIGSDRRHTY(配列番号1または2または3または24のaa74~aa83)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)RSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号8のaa44~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YLVSKRDS(配列番号8のaa74~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、134、149および151のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態157. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)KASGFTFRTYAMS(配列番号3のaa47~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)TIGSDRRHTY(配列番号1または2または3または24のaa74~aa83)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)KSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号9のaa44~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YLVSKLDS(配列番号9のaa74~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、134、149および151のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態158. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)GFTFRTY(配列番号1または2または3または24のaa50~aa56)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)GSDRRH(配列番号1または2または3または24のaa76~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)rSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号25のaa44~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のrがR(配列番号7または8のaa44~aa59)であるか、または小文字のrがK(配列番号9のaa44~aa59)である軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)LVSKlDS(配列番号25のaa75~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のlがL(配列番号7または9のaa75~aa81)であるか、または小文字のlがR(配列番号8のaa75~aa81)である、軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、134または149のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態159. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)GFTFRTY(配列番号1または2または3または24のaa50~aa56)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)GSDRRH(配列番号1または2または3または24のaa76~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)RSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号7のaa44~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)LVSKLDS(配列番号7のaa75~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、134、149または158のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態160. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)GFTFRTY(配列番号1または2または3または24のaa50~aa56)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)GSDRRH(配列番号1または2または3または24のaa76~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)RSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号8のaa44~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)LVSKRDS(配列番号8のaa75~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、134、149または158のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態161. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)GFTFRTY(配列番号1または2または3または24のaa50~aa56)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)GSDRRH(配列番号1または2または3または24のaa76~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)KSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号9のaa44~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)LVSKLDS(配列番号9のaa75~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、134、149または158のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態162. 抗体が、以下の(i)~(vi):
(i)GFTFRTYA(配列番号1または2または3または24のaa50~aa57)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)IGSDRRHT(配列番号1または2または3または24のaa75~aa82)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QSLLDSDGKTF(配列番号7または8または9または25のaa47~aa57)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)LVS(配列番号7または8または9または25のaa75~aa77)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFP(配列番号7または8または9または25のaa114~aa120)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133または134に記載の抗体またはその断片。
実施形態163. 以下の(i)~(vi):
(i)GFTFSRY(配列番号4または5または6または26のaa50~aa56)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)SSGGSY(配列番号4または5または6または26のaa76~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)ER(配列番号4または5または6または26のaa121~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QDISNY(配列番号10または11または12または27のaa47~aa52)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YTS(配列番号10または11または12または27のaa70~aa72)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)QQ(配列番号10または11または12または27のaa109~aa110)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片であって、
必要に応じて、軽鎖および重鎖を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、さらに必要に応じて、軽鎖が、配列番号7~12、14、25もしくは27または必要に応じて、その配列が抗体もしくはその断片の1つもしくは2つもしくは3つのCDRを含むものから選択される配列番号のうちのいずれか1つまたは複数のアミノ酸配列と、少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であり、さらに必要に応じて、重鎖が、配列番号7~12、14、25もしくは27または必要に応じて、その配列が抗体もしくはその断片の1つもしくは2つもしくは3つのCDRを含むものから選択される配列番号のうちのいずれか1つまたは複数のアミノ酸配列と、少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である、抗体またはその断片。
実施形態164. CDRH1が、GFTFSRYG(配列番号4また5または6または26のaa50~aa57)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133または163に記載の抗体またはその断片。
実施形態165. CDRH1が、aASGFTFSRYGMS(配列番号26のaa47~aa59)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のaがA(配列番号4または5のaa47~aa57)であるか、または小文字のaがT(配列番号6のaa47~aa57)である、実施形態133または163から164のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態166. CDRH2が、ISSGGSYT(配列番号4また5または6または26のaa75~aa82)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133または163から165のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態167. CDRH2が、TISSGGSYTY(配列番号4また5または6または26のaa74~aa83)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133または163から166のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態168. CDRH3が、ERHGGDGYWYFDV(配列番号4また5または6または26のaa121~aa133)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133または163から167のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態169. CDRL1が、RASQDISNYLN(配列番号10または11または12または27のaa44~aa54)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133または163から168のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態170. CDRL2が、YTSRLHS(配列番号10または11または12または27のaa70~aa76)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133または163から169のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態171. CDRL2が、YYTSRLHS(配列番号10または11または12または27のaa69~aa76)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133または163から170のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態172. CDRL3が、QQGNPLRT(配列番号10または11または12または27のaa109~aa116)の配列を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133または163から171のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態173. 以下の(i)~(vi):
(i)GFTFSRY(配列番号4または5または6または26のaa50~aa56)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)SSGGSY(配列番号4または5または6または26のaa76~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)ERHGGDGYWYFDV(配列番号4または5または6または26のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QDISNY(配列番号10または11または12または27のaa47~aa52)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YTS(配列番号10または11または12または27のaa70~aa72)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)QQGNPLRT(配列番号10または11または12または27のaa109~aa116)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133または163に記載の抗体またはその断片。
実施形態174. 以下の(i)~(vi):
(i)GFTFSRYG(配列番号4または5または6または26のaa50~aa57)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)ISSGGSYT(配列番号4または5または6または26のaa75~aa82)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)ERHGGDGYWYFDV(配列番号4または5または6または26のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QDISNY(配列番号10または11または12または27のaa47~aa52)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YTS(配列番号10または11または12または27のaa70~aa72)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)QQGNPLRT(配列番号10または11または12または27のaa109~aa116)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、163または173のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態175. 以下の(i)~(vi):
(i)aASGFTFSRYGMS(配列番号26のaa47~aa59)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、ここで、小文字のaがA(配列番号4または5のaa47~aa57)であるか、または小文字のaがT(配列番号6のaa47~aa57)である、重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)TISSGGSYTY(配列番号4または5または6または26のaa74~aa83)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)ERHGGDGYWYFDV(配列番号4または5または6または26のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)RASQDISNYLN(配列番号10または11または12または27のaa44~aa54)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YYTSRLHS(配列番号10または11または12または27のaa69~aa76)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)QQGNPLRT(配列番号10または11または12または27のaa109~aa116)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、163または173のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態176. 以下の(i)~(vi):
(i)AASGFTFSRYGMS(配列番号4または5のaa47~aa57)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)TISSGGSYTY(配列番号4または5または6または26のaa74~aa83)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)ERHGGDGYWYFDV(配列番号4または5または6または26のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)RASQDISNYLN(配列番号10または11または12または27のaa44~aa54)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YYTSRLHS(配列番号10または11または12または27のaa69~aa76)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)QQGNPLRT(配列番号10または11または12または27のaa109~aa116)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、163、173または175のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態177. 以下の(i)~(vi):
(i)TASGFTFSRYGMS(配列番号6のaa47~aa57)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)TISSGGSYTY(配列番号4または5または6または26のaa74~aa83)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)ERHGGDGYWYFDV(配列番号4または5または6または26のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)RASQDISNYLN(配列番号10または11または12または27のaa44~aa54)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YYTSRLHS(配列番号10または11または12または27のaa69~aa76)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)QQGNPLRT(配列番号10または11または12または27のaa109~aa116)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、163、173または175のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態178. 以下の(i)~(vi):
(i)GFTFSRY(配列番号4または5または6または26のaa50~aa56)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)SSGGSY(配列番号4または5または6または26のaa76~aa81)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)ERHGGDGYWYFDV(配列番号4または5または6または26のaa121~aa133)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)RASQDISNYLN(配列番号10または11または12または27のaa44~aa54)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YTSRLHS(配列番号10または11または12または27のaa70~aa76)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)QQGNPLRT(配列番号10または11または12または27のaa109~aa116)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133、163または173のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態179. 以下の(i)~(vi):
(i)GFTFSRYG(配列番号4または5または6または26のaa50~aa57)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)ISSGGSYT(配列番号4または5または6または26のaa75~aa82)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)ER(配列番号4または5または6または26のaa121~aa122)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QDISNY(配列番号10または11または12または27のaa47~aa52)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YTS(配列番号10または11または12または27のaa70~aa72)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)QQ(配列番号10または11または12または27のaa109~aa110)の配列を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちの1つまたは2つまたは3つまたは4つまたは5つまたは6つ全てを含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態133または163のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態180. 抗体が、
(i)配列番号1~6、13、24もしくは26の群から選択される配列のCDR1~3、またはその各々の等価物、および/あるいは
(ii)配列番号7~12、14、25もしくは27の群から選択される配列のCDR1~3、またはその各々の等価物
を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態1から179のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態181. 抗体が、
(i)配列番号1~6、13、24もしくは26の群から選択される配列のCDR1~3、および/または
(ii)配列番号7~12、14、25もしくは27の群から選択される配列のCDR1~3
を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態1から180のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態182.
(i)配列番号1~6、13、24もしくは26の群から選択される配列のCDR1~3、またはその各々の等価物、および/あるいは
(ii)配列番号7~12、14、25もしくは27の群から選択される配列のCDR1~3、またはその各々の等価物
を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる抗体またはその断片であって、
必要に応じて、軽鎖および重鎖を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなり、さらに必要に応じて、軽鎖が、配列番号7~12、14、25もしくは27または必要に応じて、その配列が抗体もしくはその断片の1つもしくは2つもしくは3つのCDRを含むものから選択される配列番号のうちのいずれか1つまたは複数のアミノ酸配列と、少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一であり、さらに必要に応じて、重鎖が、配列番号7~12、14、25もしくは27または必要に応じて、その配列が抗体もしくはその断片の1つもしくは2つもしくは3つのCDRを含むものから選択される配列番号のうちのいずれか1つまたは複数のアミノ酸配列と、少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一である、抗体またはその断片。
実施形態183. 抗体が、二特異性抗体、三特異性抗体、四特異性抗体、または五特異性抗体の群から選択される、実施形態1から182のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態184. 抗体が、IgA、IgD、IgE、IgG、またはIgM抗体の群から選択される、実施形態1から183のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態185. 抗体が、IgA定常領域、IgD定常領域、IgE定常領域、IgG定常領域またはIgM定常領域の群から選択される定常領域をさらに含む、実施形態1から184のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態186. 定常領域が、IgG1定常領域である、実施形態185に記載の抗体またはその断片。
実施形態187. 抗体が、配列番号1~6、13、24もしくは26の重鎖(HC)定常領域、および/または配列番号7~12、14、25もしくは27の軽鎖(LC)定常領域をさらに含む、実施形態1から185のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態188. HC定常領域が、配列番号1~6、13、24もしくは26の定常領域(必要に応じて、配列番号1~6、13、24または26のaa145~aa473から選択される配列)を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなるか、またはHC定常領域が、配列番号15~22のいずれか1つの定常領域を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態187に記載の抗体またはその断片。
実施形態189. LC定常領域が、配列番号7~12もしくは27の定常領域(必要に応じて、配列番号7~9、14もしくは25のaa133~aa239、および/または配列番号10~12もしくは27のaa127~aa233から選択される配列)を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなるか、またはLC定常領域が、配列番号23の定常領域を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態187または188に記載の抗体またはその断片。
実施形態190. 実施形態1から189のいずれか1つに記載の抗体またはその断片と、エピトープへの結合について競合する抗体またはその断片。
実施形態191. 実施形態1から24、34から57、67から90、100から123、133から162および180から189のいずれか1つに記載の抗体またはその断片と、チップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIへの結合について競合する抗体またはその断片。
実施形態192. チップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIが、RPGRNPX1TGDVVPVSARRVV-X-FSLHHRQPRLGRNPX1TGDSV(配列番号38)(ここで、「X」は、必要に応じて、1~20個のアミノ酸を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる任意のアミノ酸リンカー配列であり、「X1」は、任意のアミノ酸またはあるいは、「X1」は、アミノ酸Q、R、K、SまたはTから選択される)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態191に記載の抗体またはその断片。
実施形態193. チップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4NTHIが、RPGRNPKTGDVVPVSARRVV-X-FSLHHRQPRLGRNPKTGDSV(配列番号39)(ここで、「X」は、必要に応じて、1~20個のアミノ酸を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる任意のアミノ酸リンカー配列である)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態191または192に記載の抗体またはその断片。
実施形態194. チップキメラペプチドIhfA5-mIhfB4
NTHIが、
を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる、実施形態191から193のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態195. 実施形態1、3から15、25から34、36から47、58から67、69から81、91から100、102から114、124から133および163から189のいずれか1つに記載の抗体またはその断片と、テールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIへの結合について競合する抗体またはその断片。
実施形態196. テールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIが、FLEEIRLSLESGQDVKLSGF-X-TLSAKEIENMVKDILEFISQ(配列番号41)(ここで、「X」は、必要に応じて、1~20個のアミノ酸を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる任意のアミノ酸リンカー配列である)を含むか、もしくはあるいは、それから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなり、および/またはテールキメラペプチドIhfA3-IhfB2NTHIが、FLEEIRLSLESGQDVKLSGFGPSLTLSAKEIENMVKDILEFISQ(配列番号50)を含むか、もしくはそれから本質的になるか、もしくはまたさらに、それからなる、実施形態195に記載の抗体またはその断片。
実施形態197. アミノ酸リンカーが、GGSGGS(配列番号42)、GPSLKL(配列番号43)、GGG(配列番号44)、GPSL(配列番号45)、GPS(配列番号46)、PSLK(配列番号47)、GPSLK(配列番号48)、またはSLKL(配列番号49)の群から選択される、実施形態192、193または196のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態198. 抗体が、ポリクローナル、モノクローナルまたはヒト化抗体である、実施形態190から197のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
実施形態199. 実施形態1から198のいずれか1つに記載の抗体の抗原結合性断片。
実施形態200. Fab、F(ab’)2、Fab’、scFvまたはFvの群から選択される、実施形態199に記載の抗原結合性断片。
実施形態201. アミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列に対して少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含み、および/またはアミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの相補物と、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを含む、実施形態1から33、67から132もしくは180から198のいずれか1つに記載の抗体もしくはその断片、または実施形態199または200に記載の抗原結合性断片。
実施形態202. アミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列に対して少なくとも90%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含み、および/またはアミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの相補物と、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを含む、実施形態1から33、67から132もしくは180から198のいずれか1つに記載の抗体もしくはその断片、または実施形態199または200に記載の抗原結合性断片。
実施形態203. アミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列に対して少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含み、および/またはアミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの相補物と、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを含む、実施形態1から33、67から132もしくは180から198のいずれか1つに記載の抗体もしくはその断片、または実施形態199または200に記載の抗原結合性断片。
実施形態204. アミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列に対して少なくとも96%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含み、および/またはアミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの相補物と、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを含む、実施形態1から33、67から132もしくは180から198のいずれか1つに記載の抗体もしくはその断片、または実施形態199または200に記載の抗原結合性断片。
実施形態205. アミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列に対して少なくとも97%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含み、および/またはアミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの相補物と、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを含む、実施形態1から33、67から132もしくは180から198のいずれか1つに記載の抗体もしくはその断片、または実施形態199または200に記載の抗原結合性断片。
実施形態206. アミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列に対して少なくとも98%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含み、および/またはアミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの相補物と、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを含む、実施形態1から33、67から132もしくは180から198のいずれか1つに記載の抗体もしくはその断片、または実施形態199または200に記載の抗原結合性断片。
実施形態207. アミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列に対して少なくとも99%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含み、および/またはアミノ酸配列に対する等価物が、そのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの相補物と、高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを含む、実施形態1から33、67から132もしくは180から198のいずれか1つに記載の抗体もしくはその断片、または実施形態199または200に記載の抗原結合性断片。
実施形態208. 抗体またはその断片が改変され、必要に応じて、改変が、PEG化、PEGミメティック、ポリシアル化、HES化またはグリコシル化の群から選択される、実施形態1から198および201から207のいずれか1つに記載の抗体もしくはその断片、または実施形態199から207のいずれか1つに記載の抗原結合性断片。
実施形態209. 検出可能なマーカーまたは精製マーカーをさらに含む、実施形態1から198および201から208のいずれか1つに記載の抗体またはその断片、または実施形態199から208のいずれか1つに記載の抗原結合性断片。
実施形態210. 実施形態1から198および201から209のいずれか1つに記載の抗体もしくはその断片、または実施形態199から209のいずれか1つに記載の抗原結合性断片の相補性決定領域(CDR)。
実施形態211. CDR1、CDR2またはCDR3からなる群から選択される、実施形態210に記載のCDR。
実施形態212. 相補性決定領域(CDR)は、以下の:
(i)GFTFXXY(配列番号13のアミノ酸(aa)50~aa56)、GFTFRTY(配列番号1または2または3または24のaa50~aa56)、もしくはGFTFSRY(配列番号4または5または6または26のaa50~aa56)の群から選択される配列(ここで、Xは、任意のアミノ酸、または配列番号1~6から選択される配列の整列されたaa位置のアミノ酸である);GFTFRTYA(配列番号1または2または3または24のaa50~aa57);aASGFTFRTYAMS(配列番号24のaa47~aa59)(ここで、小文字のaはA(配列番号1または2のaa47~aa59)であるか、または小文字のaはK(配列番号3のaa47~aa59)である);GFTFSRYG(配列番号4または5または6または26のaa50~aa57);またはaASGFTFSRYGMS(配列番号26のaa47~aa59)(ここで、小文字のaはA(配列番号4または5のaa47~aa57)であるか、または小文字のaはT(配列番号6のaa47~aa57)である)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる相補性決定領域(CDR)である重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)XSXXXX(配列番号13のアミノ酸(aa)76~aa81)、GSDRRH(配列番号1または2または3または24のaa76~aa81)、もしくはSSGGSY(配列番号4または5または6または26のaa76~aa81)の群から選択される配列(ここで、Xは、任意のアミノ酸であるか、または配列番号1~6から選択される配列の整列されたaa位置のアミノ酸である);IGSDRRHT(配列番号1または2または3または24のaa75~aa82);IGSDRRHTY(配列番号1または2または3または24のaa75~aa83);TIGSDRRHTY(配列番号1または2または3または24のaa74~aa83);WVATIGSDRRHTYYP(配列番号1または2または3または24のaa71~aa85);ISSGGSYT(配列番号4または5または6または26のaa75~aa82);またはTISSGGSYTY(配列番号4または5または6または26のaa74~aa83)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)XXXXXXXYXXFDX(配列番号13のアミノ酸(aa)121~aa133)、VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)、もしくはERHGGDGYWYFDV(配列番号4または5または6または26のaa121~aa133)の群から選択される配列(ここで、Xは、任意のアミノ酸であるか、または配列番号1~6から選択される配列の整列されたaa位置のアミノ酸である);VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133);またはER(配列番号4または5または6または26のaa121~aa122)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QXXXXXXXXXX(配列番号14のaa47~aa57)、QXXXXX(配列番号14のaa47~aa52)、QSLLDSDGKTF(配列番号7または8または9または25のaa47~aa57)、もしくはQDISNY(配列番号10または11または12または27のaa47~aa52)の群から選択される配列(ここで、Xは、任意のアミノ酸であるか、または配列番号7~12から選択される配列の整列されたaa位置のアミノ酸である);rSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号25のaa44~aa59)(ここで、小文字のrはR(配列番号7または8のaa44~aa59)であるか、または小文字のrはK(配列番号9のaa44~aa59)である);またはRASQDISNYLN(配列番号10または11または12または27のaa44~aa54)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)XXS(配列番号14のaa75~aa77)、LVS(配列番号7または8または9または25のaa75~aa77)、またはYTS(配列番号10または11または12または27のaa70~aa72)の群から選択される配列(ここで、Xは、任意のアミノ酸であるか、または配列番号7~12から選択される配列の整列されたaa位置のアミノ酸である);LVSKlDS(配列番号25のaa75~aa81)(ここで、小文字のlはL(配列番号7または9のaa75~aa81)であるか、または小文字のlはR(配列番号8のaa75~aa81)である);YLVSKlDS(配列番号25のaa74~aa81)(ここで、小文字のlはL(配列番号7または9のaa74~aa81)であるか、または小文字のlはR(配列番号8のaa74~aa81)である);LVSKlDSG(配列番号25のaa75~aa82)(ここで、小文字のlはL(配列番号7または9のaa75~aa82)であるか、または小文字のlはR(配列番号8のaa75~aa82)である);YLVSKlDSGV(配列番号25のaa74~aa83)(ここで、小文字のlはL(配列番号7または9のaa74~aa83)であるか、または小文字のlはR(配列番号8のaa74~aa83)である);RLIYLVSKlDSGVPD(配列番号25のaa71~aa85)(ここで、小文字のlはL(配列番号7または9のaa71~aa85)であるか、または小文字のlはR(配列番号8のaa71~aa85)である);YTSRLHS(配列番号10または11または12または27のaa70~aa76);またはYYTSRLHS(配列番号10または11または12または27のaa69~aa76)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)XQGXXXXXT(配列番号14のaa114~aa122)、WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)、もしくはQQGNPLRT(配列番号10または11または12または27のaa109~aa116)の群から選択される配列(ここで、Xは、任意のアミノ酸であるか、または配列番号7~12から選択される配列の整列されたaa位置のアミノ酸である);WQGTHFP(配列番号7または8または9または25のaa114~aa120);WQGTHFPY(配列番号7または8または9または25のaa114~aa121);WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122);QQ(配列番号10または11または12または27のaa109~aa110)を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
のうちのいずれか1つまたは複数を含むか、またはあるいは、それから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる。
実施形態213. 配列番号1~14または24~27の群から選択されるアミノ酸配列、またはその各々の等価物を含む単離されたポリペプチド。
実施形態214. 検出可能なマーカーまたは精製マーカーをさらに含む、実施形態213に記載の単離されたポリペプチド。
実施形態215. 実施形態1から198および201から209のいずれか1つに記載の抗体またはその断片、実施形態199から209のいずれか1つに記載の抗原結合性断片、実施形態210から212のいずれか1つに記載のCDR、ならびに実施形態213または214に記載の単離されたポリペプチド、またはその各々の等価物をコードする単離されたポリヌクレオチド、ならびに必要に応じて、プロモーターおよびエンハンサーエレメントに作動可能に連結している単離されたポリヌクレオチド。
実施形態216. 可変ドメイン、鎖またはCDRの上流に位置するシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド配列をさらに含む、実施形態215に記載の単離されたポリヌクレオチド配列。
実施形態217. 可変ドメイン、鎖またはCDRの上流に位置するシグナルペプチドをさらに含む、実施形態1から198および201から209のいずれか1つに記載の抗体またはその断片、実施形態199から209のいずれか1つに記載の抗原結合性断片、実施形態210から212のいずれか1つに記載のCDR、ならびに実施形態213または214に記載の単離されたポリペプチド。
実施形態218. 実施形態215または216に記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
実施形態219. プラスミドまたはウイルスベクターである、実施形態218に記載のベクター。
実施形態220. レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクターおよびアデノ随伴ウイルスベクターからなる群から選択される、実施形態219に記載のベクター。
実施形態221. 実施形態215もしくは216に記載のポリヌクレオチド、または実施形態218から220のいずれか1つに記載のベクターを含む宿主細胞。
実施形態222. 担体、および実施形態1から198、201から209および217のいずれかに記載の抗体もしくはその断片、実施形態199から209および217のいずれか1つに記載の抗原結合性断片、実施形態210から212および217のいずれか1つに記載のCDR、実施形態213もしくは214に記載の単離されたポリペプチド、実施形態215もしくは216に記載の単離されたポリヌクレオチド、実施形態218から220のいずれか1つに記載のベクター、または実施形態221に記載の宿主細胞のうちの1つまたは複数を含む組成物。
実施形態223. 実施形態1から198、201から209および217のいずれか1つに記載の抗体またはその断片を産生する方法であって、抗体または断片をコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を、抗体または断片の発現のための条件下で培養することと、必要に応じて、抗体またはその断片を単離することとを含む、方法。
実施形態224. 宿主細胞が哺乳動物細胞である、実施形態223に記載の方法。
実施形態225. DNABIIポリペプチドまたはタンパク質の微生物のDNAへの結合を阻害するかまたはそれと競合するための方法であって、DNABIIポリペプチドまたはタンパク質を、実施形態1から24、34から57、67から90、100から123、133から162および180から198、201から209および217のいずれか1つに記載の抗体またはその断片と接触させることを含み、抗体またはその断片が、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、方法。
実施形態226. バイオフィルムを破壊するための方法であって、バイオフィルムを、実施形態1から24、34から57、67から90、100から123、133から162および180から198、201から209および217のいずれか1つに記載の抗体またはその断片と接触させることを含み、抗体またはその断片が、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、方法。
実施形態227. 表面においてバイオフィルムの形成を予防するか、またはバイオフィルムを破壊するための方法であって、バイオフィルムを生じやすいかまたはバイオフィルムを含有する表面を、実施形態1から24、34から57、67から90、100から123、133から162および180から198、201から209および217のいずれか1つに記載の抗体またはその断片で処理することを含み、抗体またはその断片が、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、方法。
実施形態228. 対象においてバイオフィルムを予防または破壊するための方法であって、対象に、実施形態1から24、34から57、67から90、100から123、133から162および180から198、201から209および217のいずれか1つに記載の抗体またはその断片を投与することを含み、抗体またはその断片が、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、方法。
実施形態229. 対象においてバイオフィルムを産生する微生物感染を阻害、予防または処置するための方法であって、対象に、実施形態1から24、34から57、67から90、100から123、133から162および180から198、201から209および217のいずれか1つに記載の抗体またはその断片を投与することを含み、抗体またはその断片が、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、方法。
実施形態230. 対象においてバイオフィルムの形成によって特徴付けられる状態を処置するための方法であって、対象に、実施形態1から24、34から57、67から90、100から123、133から162および180から198、201から209および217のいずれか1つに記載の抗体またはその断片を投与することを含み、抗体またはその断片が、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、方法。
実施形態231. 抗体またはその断片が、対象において、1つまたは複数の炎症促進性サイトカインを低減させ、かつ1つまたは複数の抗炎症性サイトカインを増加させる、実施形態228から230のいずれか1つに記載の方法。
実施形態232. 状態が、慢性難治性創傷、Burkholderia、静脈性潰瘍、糖尿病性足潰瘍、耳感染症、副鼻腔感染症、尿管感染症、胃腸管の病気、肺感染症、気道感染症、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患、カテーテル関連感染症、留置デバイス関連感染症、植込み型補綴物関連感染症、骨髄炎、蜂窩織炎、膿瘍および歯周病からなる群から選択される、実施形態230または231に記載の方法。
実施形態233. DNABIIポリペプチドに結合する抗体またはその抗体の抗原結合性断片を、バイオフィルムを含有することが疑われる試料と接触させ、バイオフィルムと抗体またはその断片の結合を検出することによって、バイオフィルムを検出することをさらに含む、実施形態225から232のいずれか1つに記載の方法。
実施形態234. 対象においてバイオフィルムを検出するための方法であって、対象に、実施形態1から198、201から209および217のいずれか1つに記載の抗体またはその断片を投与することと、抗体または断片のバイオフィルムへの結合を検出することとを含む、方法。
実施形態235. 対象においてバイオフィルムを産生する微生物感染を検出するための方法であって、実施形態1から198、201から209および217のいずれか1つに記載の抗体またはその断片を、バイオフィルムを含むことが疑われ、かつ対象から単離された生体試料と接触させることと、抗体またはその断片の、試料中の任意のバイオフィルムへの結合を検出することとを含む、方法。
実施形態236. バイオフィルムを有する対象をスクリーニングするための方法であって、実施形態1から198、201から209および217のいずれか1つに記載の抗体またはその断片を、バイオフィルムを含み、かつ対象から単離された生体試料と接触させることと、抗体またはその断片の、試料中の任意のバイオフィルムへの結合を検出することとを含む、方法。
実施形態237. 対象において受動免疫を与えるための方法であって、対象に、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する実施形態1から24、34から57、67から90、100から123、133から162および180から198、201から209および217のいずれか1つに記載の抗体またはその断片を投与することを含む、方法。
実施形態238. バイオフィルムが、グラム陰性またはグラム陽性バイオフィルム産生細菌に由来する、実施形態225から237のいずれか1つに記載の方法。
実施形態239. バイオフィルムが、DNABIIタンパク質を含む、実施形態225から238のいずれか1つに記載の方法。
実施形態240. バイオフィルムが、E.coli株U93(HU)由来のヒストン様タンパク質または組込み宿主因子(IHF)に結合するタンパク質を含む、実施形態239に記載の方法。
実施形態241. 干渉核酸を調製するための方法であって、実施形態1から198、201から209および217のいずれかに記載の抗体またはその断片に対する結合パートナーに特異的に結合する約10~20ヌクレオチドからなる核酸を調製すること、および必要に応じて、調製された干渉核酸を単離することを含む、方法。
実施形態242. 実施形態1から198、201から209および217のいずれかに記載の抗体またはその断片でコーティングされた非生理学的表面であって、必要に応じて、工業環境におけるものである、非生理学的表面。
実施形態243. バイオフィルムを破壊するのに有効な抗血清を得るための方法であって、対象を、小分子で免疫化することと、対象から抗血清を回収することと、必要に応じて、ポリクローナル抗血清またはモノクローナル抗体を対象から単離することとを含む、方法。
実施形態244. Fab、F(ab’)2、Fab’、scFvまたはFvの群から選択され、DNABIIペプチドのチップ領域に特異的に結合する、実施形態1から24、34から57、67から90、100から123、133から162および180から198、201から209および217のいずれか1つに記載の抗体断片。
実施形態245. DNABIIペプチドが、IHFペプチドである、実施形態244に記載の抗体またはその断片ならびに実施形態225から230および70から74のいずれか1つに記載の方法。
実施形態246. 実施形態244または245に記載の抗体断片および薬学的に許容される担体を含む組成物。
実施形態247. 実施形態244または245に記載の抗体断片でコーティングされた非生理学的表面であって、必要に応じて、工業環境におけるものである、非生理学的表面。
実施形態248. 実施形態1から198、201から209、217、244および245のいずれか1つに記載の抗体もしくはその断片、実施形態199から209のいずれか1つに記載の抗原結合性断片、実施形態210から212および217のいずれか1つに記載のCDR、実施形態213もしくは214に記載の単離されたポリペプチド、実施形態215もしくは216に記載のポリヌクレオチド、実施形態218から220のいずれか1つに記載のベクター、実施形態221に記載の宿主細胞、または実施形態222または246に記載の組成物のうちの1つまたは複数、ならびに必要に応じて、使用のための指示を含むキット。
配列表
配列番号1(H10210(1F8.F1 ヒト化HC1))
太字のフォントは、例示的な可変領域を示すが、太字、イタリック体かつ下線のフォントは、例示的なCDRを示す。
配列番号2(H10211(1F8.F1 ヒト化HC2))
太字のフォントは、例示的な可変領域を示すが、太字、イタリック体かつ下線のフォントは、例示的なCDRを示す。
配列番号3(H10212(1F8.F1 ヒト化HC3))
太字のフォントは、例示的な可変領域を示すが、太字、イタリック体かつ下線のフォントは、例示的なCDRを示す。
配列番号4(H10213(11E7.C7 ヒト化HC1))
太字のフォントは、例示的な可変領域を示すが、太字、イタリック体かつ下線のフォントは、例示的なCDRを示す。
配列番号5(H10214(11E7.C7 ヒト化HC2))
太字のフォントは、例示的な可変領域を示すが、太字、イタリック体かつ下線のフォントは、例示的なCDRを示す。
配列番号6(H10215(11E7.C7 ヒト化HC3))
太字のフォントは、例示的な可変領域を示すが、太字、イタリック体かつ下線のフォントは、例示的なCDRを示す。
配列番号7(L10210(1F8.F1 ヒト化LC1))
太字のフォントは、例示的な可変領域を示すが、太字、イタリック体かつ下線のフォントは、例示的なCDRを示す。
配列番号8(L10211(1F8.F1 ヒト化LC2))
太字のフォントは、例示的な可変領域を示すが、太字、イタリック体かつ下線のフォントは、例示的なCDRを示す。
配列番号9(L10212(1F8.F1 ヒト化LC3))
太字のフォントは、例示的な可変領域を示すが、太字、イタリック体かつ下線のフォントは、例示的なCDRを示す。
配列番号10(L10213(11E7.C7 ヒト化LC1))
太字のフォントは、例示的な可変領域を示すが、太字、イタリック体かつ下線のフォントは、例示的なCDRを示す。
配列番号11(L10214(11E7.C7 ヒト化LC2))
太字のフォントは、例示的な可変領域を示すが、太字、イタリック体かつ下線のフォントは、例示的なCDRを示す。
配列番号12(L10215(11E7.C7 ヒト化LC3))
太字のフォントは、例示的な可変領域を示すが、太字、イタリック体かつ下線のフォントは、例示的なCDRを示す。
配列番号13(重鎖コンセンサス配列)
ここで、Xおよび小文字は、任意のアミノ酸で、またはあるいは、対応する位置において、配列番号1~6から選択されるアミノ酸で置換され得る。一実施形態では、Xは、アミノ酸残基の非存在も示す場合がある。
配列番号14(軽鎖コンセンサス配列)
ここで、Xおよび小文字は、任意のアミノ酸で、またはあるいは、対応する位置において、配列番号1~6から選択されるアミノ酸で置換され得る。一実施形態では、Xは、アミノ酸残基の非存在も示す場合がある。
配列番号15 ヒトIgD定常領域、Uniprot:P01880
配列番号16 ヒトIgG1定常領域、Uniprot:P01857
配列番号17 ヒトIgG2定常領域、Uniprot:P01859
配列番号18 ヒトIgG3定常領域、Uniprot:P01860
配列番号19 ヒトIgM定常領域、Uniprot:P01871
配列番号20 ヒトIgG4定常領域、Uniprot:P01861
配列番号21 ヒトIgA1定常領域、Uniprot:P01876
配列番号22 ヒトIgA2定常領域、Uniprot:P01877
配列番号23 ヒトIgカッパ定常領域、Uniprot:P01834
配列番号24(チップ重鎖コンセンサス配列)
ここで、小文字は、対応する位置において、配列番号1~3から選択されるアミノ酸で置換され得る。
配列番号25(チップ軽鎖コンセンサス配列)
ここで、小文字は、対応する位置において、配列番号7~9から選択されるアミノ酸で置換され得る。
配列番号26(テール重鎖コンセンサス配列)
ここで、小文字は、対応する位置において、配列番号4~6から選択されるアミノ酸で置換され得る。
配列番号27(テール軽鎖コンセンサス配列)
ここで、小文字は、対応する位置において、配列番号10~12から選択されるアミノ酸で置換され得る。
配列番号28(IHFが結合するコンセンサス配列)
WATCAANNNNTTR
ここで、WはAまたはTであり、Rはプリンである。
配列番号29(E. coli hupA、ジェンバンクアクセッション番号AP_003818、2011年3月21日に最後にアクセスされた)
配列番号30(E. coli hupB、ジェンバンクアクセッション番号AP_001090.1、2011年3月21日に最後にアクセスされた)
配列番号31(IhfA、Aチップ断片)
NFELRDKSSRPGRNPKTGDVV
配列番号32(IhfB、Bチップ断片)
SLHHRQPRLGRNPKTGDSVNL
配列番号33(ペプチドリンカー)
Gly-Pro-Ser-Leu-Lys-Leu
配列番号34(ペプチドリンカー)
Gly-Pro-Ser-Leu
配列番号35(ペプチドリンカー)
Pro-Ser-Leu-Lys
配列番号36(ペプチドリンカー)
Gly-Pro-Ser-Leu-Lys
配列番号37(ペプチドリンカー)
Ser-Leu-Lys-Leu
配列番号38(チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4
NTHI)
ここで、「X」は、必要に応じて、1~20個のアミノ酸を含むか、またはそれから本質的になるか、またはまたさらに、それからなる任意のアミノ酸リンカー配列である。
ここで、「X
1]は任意のアミノ酸であり、またはあるいは、「X
1」はアミノ酸Q、R、K、SまたはTから選択される。
配列番号39(チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4
NTHI)
ここで、「X」は、必要に応じて、1~20個のアミノ酸を含む任意のアミノ酸リンカー配列である。
配列番号40(チップ-キメラペプチドIhfA5-mIhfB4
NTHI)
配列番号41(テールキメラペプチドIhfA3-IhfB2
NTHI)
配列番号42:非限定的な例示的なリンカー:GGSGGS
配列番号43:非限定的な例示的なリンカー:GPSLKL。
配列番号44:非限定的な例示的なリンカー:GGG。
配列番号45:非限定的な例示的なリンカー:GPSL。
配列番号46:非限定的な例示的なリンカー:GPS。
配列番号47:非限定的な例示的なリンカー:PSLK。
配列番号48:非限定的な例示的なリンカー:GPSLK。
配列番号49:非限定的な例示的なリンカー:SLKL。
配列番号50(テールキメラペプチドIhfA3-IhfB2
NTHI)
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
(i)配列番号13のアミノ酸(aa)25~aa144の配列またはその等価物を含む重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および
(ii)配列番号14のaa21~aa132の配列またはその等価物を含む軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列
を含む抗体またはその断片。
(項目2)
前記抗体が、
(i)配列番号24のaa25~aa144の配列またはその等価物を含む重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および
(ii)配列番号25のaa21~aa132の配列またはその等価物を含む軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列
を含む、項目1に記載の抗体またはその断片。
(項目3)
前記抗体が、
(i)配列番号26のaa25~aa144の配列またはその等価物を含む重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列、および
(ii)配列番号27のaa21~aa126の配列またはその等価物を含む軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列
を含む、項目1に記載の抗体またはその断片。
(項目4)
前記重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列またはその等価物を含み、前記軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7~9のaa21~aa132の群から選択されるアミノ酸配列またはその各々の等価物を含む、項目1または2に記載の抗体またはその断片。
(項目5)
前記重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列またはその等価物を含み、前記軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列またはその等価物を含む、項目1、2、または4に記載の抗体またはその断片。
(項目6)
前記重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列またはその等価物を含み、前記軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列またはその等価物を含む、項目1、2、または4に記載の抗体またはその断片。
(項目7)
前記重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号1のaa25~aa144のアミノ酸配列またはその等価物を含み、前記軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列またはその等価物を含む、項目1、2、または4に記載の抗体またはその断片。
(項目8)
前記重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列またはその等価物を含み、前記軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列またはその等価物を含む、項目1または2に記載の抗体またはその断片。
(項目9)
前記重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列またはその等価物を含み、前記軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列またはその等価物を含む、項目1または2に記載の抗体またはその断片。
(項目10)
前記重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号2のaa25~aa144のアミノ酸配列またはその等価物を含み、前記軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列またはその等価物を含む、項目1または2に記載の抗体またはその断片。
(項目11)
前記重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列またはその等価物を含み、前記軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号7のaa21~aa132のアミノ酸配列またはその等価物を含む、項目1または2に記載の抗体またはその断片。
(項目12)
前記重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列またはその等価物を含み、前記軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号8のaa21~aa132のアミノ酸配列またはその等価物を含む、項目1または2に記載の抗体またはその断片。
(項目13)
前記重鎖(HC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号3のaa25~aa144のアミノ酸配列またはその等価物を含み、前記軽鎖(LC)免疫グロブリン可変ドメイン配列が、配列番号9のaa21~aa132のアミノ酸配列またはその等価物を含む、項目1または2に記載の抗体またはその断片。
(項目14)
前記抗体が、
(i)配列番号1~6の群から選択される配列のCDR1~3、またはその各々の等価物、および
(ii)配列番号7~12の群から選択される配列のCDR1~3、またはその各々の等価物
を含む、項目1、2、および4から13のいずれか一項に記載の抗体またはその断片。
(項目15)
(i)GFTFRTY(配列番号1または2または3または24のaa50~aa56)の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)GSDRRH(配列番号1または2または3または24のaa76~aa81)の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QSLLDSDGKTF(配列番号7または8または9または25のaa47~aa57)の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)LVS(配列番号7または8または9または25のaa75~aa77)の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFP(配列番号7または8または9または25のaa114~aa120)の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
を含む抗体またはその断片。
(項目16)
前記CDRL3が、WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含む、項目15に記載の抗体またはその断片。
(項目17)
前記抗体が、
(i)GFTFRTYA(配列番号1または2または3または24のaa50~aa57)の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)IGSDRRHT(配列番号1または2または3または24のaa75~aa82)の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QSLLDSDGKTF(配列番号7または8または9または25のaa47~aa57)の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)LVS(配列番号7または8または9または25のaa75~aa77)の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
を含む、項目15または16に記載の抗体またはその断片。
(項目18)
前記抗体が、
(i)aASGFTFRTYAMS(配列番号24のaa47~aa59)の配列を含み、ここで、小文字のaがAである(配列番号1または2のaa47~aa59)か、または小文字のaがKである(配列番号3のaa47~aa59)、重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)TIGSDRRHTY(配列番号1または2または3または24のaa74~aa83)の配列を含む、重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)VGPYDGYYGEFDY(配列番号1または2または3または24のaa121~aa133)の配列を含む、重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)rSSQSLLDSDGKTFLN(配列番号25のaa44~aa59)の配列を含み、ここで、小文字のrがRである(配列番号7または8のaa44~aa59)か、または小文字のrがKである(配列番号9のaa44~aa59)、軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YLVSKlDS(配列番号25のaa74~aa81)の配列を含み、ここで、小文字のlがLである(配列番号7または9のaa74~aa81)か、または小文字のlがRである(配列番号8のaa74~aa81)、軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)WQGTHFPYT(配列番号7または8または9または25のaa114~aa122)の配列を含む、軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
を含む、項目15、16および17のいずれか一項に記載の抗体またはその断片。
(項目19)
(i)GFTFSRY(配列番号4または5または6または26のaa50~aa56)の配列を含む重鎖相補性決定領域1(CDRH1)、
(ii)SSGGSY(配列番号4または5または6または26のaa76~aa81)の配列を含む重鎖相補性決定領域2(CDRH2)、
(iii)ER(配列番号4または5または6または26のaa121~aa122)の配列を含む重鎖相補性決定領域3(CDRH3)、
(iv)QDISNY(配列番号10または11または12または27のaa47~aa52)の配列を含む軽鎖相補性決定領域1(CDRL1)、
(v)YTS(配列番号10または11または12または27のaa70~aa72)の配列を含む軽鎖相補性決定領域2(CDRL2)、および
(vi)QQ(配列番号10または11または12または27のaa109~aa110)の配列を含む軽鎖相補性決定領域3(CDRL3)
を含む抗体またはその断片。
(項目20)
前記抗体が、IgA定常領域、IgD定常領域、IgE定常領域、IgG定常領域またはIgM定常領域の群から選択される定常領域をさらに含む、項目1から19のいずれか一項に記載の抗体またはその断片。
(項目21)
前記定常領域が、IgG1定常領域である、項目20に記載の抗体またはその断片。
(項目22)
項目1から21のいずれか一項に記載の抗体の抗原結合性断片。
(項目23)
Fab、F(ab’)
2
、Fab’、scFv、またはFvの群から選択される、項目22に記載の抗原結合性断片。
(項目24)
アミノ酸配列に対する等価物が、前記アミノ酸に対して少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドを含むか、または前記アミノ酸配列に対する等価物が、前記アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの相補物と高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを含む、項目1から23のいずれか一項に記載の抗体またはその断片。
(項目25)
前記抗体またはその断片が改変されており、必要に応じて、前記改変が、PEG化、PEGミメティック、ポリシアル化、HES化またはグリコシル化の群から選択される、項目1から24のいずれか一項に記載の抗体もしくはその断片または項目41もしくは42に記載の抗原結合性断片。
(項目26)
項目1から21、24および25のいずれか一項に記載の抗体もしくはその断片、項目22もしくは23に記載の抗原結合性断片またはその各々の等価物をコードする単離されたポリヌクレオチドであって、必要に応じて、プロモーターおよびエンハンサーエレメントに作動可能に連結している、単離されたポリヌクレオチド。
(項目27)
項目26に記載の単離されたポリヌクレオチドを含むベクター。
(項目28)
項目26に記載のポリヌクレオチドまたは項目27に記載のベクターを含む、宿主細胞。
(項目29)
担体と、項目1から25のいずれかに記載の抗体もしくはその断片、項目26に記載の単離されたポリヌクレオチド、項目27に記載のベクターまたは項目28に記載の宿主細胞のうちの1つまたは複数とを含む、組成物。
(項目30)
項目1から25のいずれか一項に記載の抗体またはその断片を産生する方法であって、前記抗体または断片をコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を、前記抗体または断片の発現のための条件下で培養することと、必要に応じて前記抗体またはその断片を単離することとを含む、方法。
(項目31)
DNABIIポリペプチドまたはタンパク質の微生物DNAへの結合を阻害するかまたはそれと競合するための方法であって、前記DNABIIポリペプチドまたはタンパク質を、項目1、2、4から18および20から25のいずれか一項に記載の抗体またはその断片と接触させることを含み、前記抗体またはその断片が、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、方法。
(項目32)
バイオフィルムを破壊するための方法であって、前記バイオフィルムを、項目1、2、4から18および20から25のいずれか一項に記載の抗体またはその断片と接触させることを含み、前記抗体またはその断片が、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、方法。
(項目33)
表面においてバイオフィルムの形成を予防するか、またはバイオフィルムを破壊するための方法であって、バイオフィルムを生じやすいかまたはバイオフィルムを含有する前記表面を、項目1、2、4から18および20から25のいずれか一項に記載の抗体またはその断片で処理することを含み、前記抗体またはその断片が、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、方法。
(項目34)
対象においてバイオフィルムを予防または破壊するための方法であって、前記対象に、項目1、2、4から18および20から25のいずれか一項に記載の抗体またはその断片を投与することを含み、前記抗体またはその断片が、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、方法。
(項目35)
対象においてバイオフィルムを産生する微生物感染を阻害、予防または処置するための方法であって、前記対象に、項目1、2、4から18および20から25のいずれか一項に記載の抗体またはその断片を投与することを含み、前記抗体またはその断片が、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、方法。
(項目36)
対象においてバイオフィルムの形成によって特徴付けられる状態を処置するための方法であって、前記対象に、項目1、2、4から18および20から25のいずれかに記載の抗体またはその断片を投与することを含み、前記抗体またはその断片が、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、方法。
(項目37)
対象においてバイオフィルムを検出するための方法であって、前記対象に、項目1から25のいずれか一項に記載の抗体またはその断片を投与することと、前記抗体または前記断片の前記バイオフィルムへの結合を検出することとを含む、方法。
(項目38)
対象において受動免疫を与えるための方法であって、前記対象に、DNABIIペプチドのチップ領域に結合する、項目1、2、4から18および20から25のいずれか一項に記載の抗体またはその断片を投与することを含む、方法。
(項目39)
項目1から25のいずれかに記載の抗体またはその断片でコーティングされた非生理学的表面であって、必要に応じて、前記表面は、産業環境におけるものである、非生理学的表面。
(項目40)
項目1から25のいずれか一項に記載の抗体もしくはその断片、項目26に記載のポリヌクレオチド、項目27に記載のベクター、項目28に記載の宿主細胞、または項目29に記載の組成物のうちの1つまたは複数、および必要に応じて、使用のための指示を含む、キット。