JP7622353B2 - 感光性樹脂組成物、感光性樹脂フィルム、多層プリント配線板及び半導体パッケージ、並びに多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
従来のセミアディティブ工法では、例えば、(1)導体回路上に熱硬化性樹脂フィルムをラミネートし、該熱硬化性樹脂フィルムを加熱によって硬化させて「層間絶縁層」を形成する。(2)次に、層間接続用のビアをレーザ加工により形成し、アルカリ過マンガン酸処理等によってデスミア処理及び粗化処理を行う。(3)その後、基板に無電解銅めっき処理を施し、レジストを用いてパターン形成後、電解銅めっきを行うことにより、銅の回路層を形成する。(4)次いで、レジスト剥離をし、無電解層のフラッシュエッチングを行うことにより、銅の回路が形成されてきた。
また、感光性樹脂組成物の誘電正接を低下させる方法として、(A)活性エステル系硬化剤、(B)カルボキシル基含有ラジカル重合性化合物及び(D)エポキシ樹脂を含有する感光性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、近年、半導体周辺部材において低伝送損失化が進んでいるため、材料の誘電特性に対する改良要求がより一層大きくなってきている。そのため、誘電正接の点において、特許文献2の感光性樹脂組成物にはさらなる改善の余地がある。また、特許文献3の感光性樹脂組成物は活性エステル系硬化剤を必須としているが、活性エステル系硬化剤に頼らずに誘電正接を小さくする方法を開発することにも技術的に大きな意義がある。
すなわち、本発明は、下記の[1]~[17]に関する。
[2](B1)縮合芳香環を含むエポキシ樹脂の含有量が、感光性樹脂組成物の固形分全量基準で0.5~10質量%である、上記[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]前記(B1)縮合芳香環を含むエポキシ樹脂における縮合芳香環が、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環及びクリセン環からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記(B)成分として、(B2)前記(B1)成分以外のエポキシ樹脂を含む、上記[1]~[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記(B2)成分が、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノール系エポキシ樹脂及び脂環式骨格含有エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6]前記(B)成分中における前記(B1)成分の含有比率が5質量%以上である、上記[4]又は[5]に記載の感光性樹脂組成物。
[7]さらに(D)エラストマを含有する、上記[1]~[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[8]さらに(E)無機充填材を含有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[9]さらに(F)硬化剤を含有する、上記[1]~[8]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[10]上記[1]~[9]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる、フォトビア形成用感光性樹脂組成物。
[11]上記[1]~[9]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる、層間絶縁層用感光性樹脂組成物。
[12]上記[1]~[9]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる、感光性樹脂フィルム。
[13]上記[1]~[9]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる、層間絶縁層用感光性樹脂フィルム。
[14]上記[1]~[9]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いて形成される層間絶縁層を含有してなる多層プリント配線板。
[15]上記[12]に記載の感光性樹脂フィルムを用いて形成される層間絶縁層を含有してなる多層プリント配線板。
[16]上記[14]又は[15]に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージ。
[17]下記工程(1)~(4)を有する、多層プリント配線板の製造方法。
工程(1):上記[12]に記載の感光性樹脂フィルムを、回路基板の片面又は両面にラミネートする工程。
工程(2):前記工程(1)でラミネートされた感光性樹脂フィルムに対して露光及び現像することによって、ビアを有する層間絶縁層を形成する工程。
工程(3):前記ビア及び前記層間絶縁層を粗化処理する工程。
工程(4):前記層間絶縁層上に回路パターンを形成する工程。
また、本発明の感光性樹脂組成物を用いることで、ビアの解像性も良好となる。
さらに、本明細書において、感光性樹脂組成物中の各成分の含有量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、感光性樹脂組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有量を意味する。
本明細書において「環形成炭素数」とは、環を形成するのに必要な炭素原子の数であり、環が有する置換基の炭素原子の数は含まれない。例えば、シクロヘキサン骨格及びメチルシクロヘキサン骨格のいずれも、環形成炭素数は6である。
また、本明細書における記載事項を任意に組み合わせた態様も本発明に含まれる。
本発明の一実施形態に係る(以下、単に本実施形態と称することがある。)の感光性樹脂組成物は、(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(B)エポキシ樹脂及び(C)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、前記(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物が、(A1)エチレン性不飽和基と共に酸性置換基及び脂環式骨格を有する光重合性化合物を含み、且つ、さらに(G)硬化促進剤を含有する、感光性樹脂組成物である。
なお、本明細書において、前記成分はそれぞれ、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(A1)成分、(B1)成分、(G)成分等と称することがあり、その他の成分についても同様の略し方をすることがある。さらに、本明細書において、「樹脂成分」とは、前記(A)成分及び(B)成分等であり、必要に応じて含有してもよい他の成分(例えば、(C)成分、(D)成分、(F)成分、(H)成分、(G)成分等)も含まれるが、後述する必要に応じて含有させてもよい(E)無機充填材及び(H)顔料等の無機化合物は含まれない。また、「固形分」とは、感光性樹脂組成物に含まれる水及び溶媒等の揮発する物質を除いた不揮発分のことであり、該樹脂組成物を乾燥させた際に、揮発せずに残る成分を示し、また25℃付近の室温で液状、水飴状及びワックス状のものも含む。
なお、本実施形態の感光性樹脂組成物は、ネガ型感光性樹脂組成物として有用である。
以下、感光性樹脂組成物が含有し得る各成分について詳述する。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分としてエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を含む。(A)成分が有するエチレン性不飽和基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロパルギル基、ブテニル基、エチニル基、フェニルエチニル基、マレイミド基、ナジイミド基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
本実施形態では、(A)成分は、後述する「(A1)エチレン性不飽和基と共に酸性置換基及び脂環式骨格を有する光重合性化合物」を含む。(A)成分が(A1)成分を含むことによって、ビアの解像性が良好となり、また、例えば10GHz以上という高周波数帯においても十分に低誘電正接となる。
以下、(A1)成分について詳述する。
(A1)成分が有するエチレン性不飽和基としては、前述したエチレン性不飽和基と同じものが挙げられ、ビニル基、アリル基、プロパルギル基、ブテニル基、エチニル基、フェニルエチニル基、マレイミド基、ナジイミド基及び(メタ)アクリロイル基からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基がより好ましく、(メタ)アクリロイル基がさらに好ましい。
(A1)成分が有する酸性置換基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、フェノール性水酸基等からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
また、前記脂環式骨格は、ビアの解像性及び低誘電正接という観点から、2環以上からなることが好ましく、2~4環からなることがより好ましく、3環からなることがさらに好ましい。2環以上の脂環式骨格としては、例えば、ノルボルナン骨格、デカリン骨格、ビシクロウンデカン骨格、飽和ジシクロペンタジエン骨格等が挙げられる。
前記脂環式骨格としては、ビアの解像性及び低誘電正接という観点から、飽和ジシクロペンタジエン骨格が好ましく、下記一般式(a)で表される脂環式骨格(飽和ジシクロペンタジエン骨格)がより好ましい。
(一般式(a)中、RA1は炭素数1~12のアルキル基を表し、上記脂環式骨格中のどこに置換していてもよい。m1は0~6の整数である。*は他の構造への結合部位である。)
m1は0~6の整数であり、0~2の整数が好ましく、0がより好ましい。
m1が2~6の整数である場合、複数のRA1はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。さらに、複数のRA1は、可能な範囲で同一炭素原子上に置換していてもよいし、異なる炭素原子上に置換していてもよい。
*は他の構造への結合部位であり、脂環式骨格上のいずれの炭素原子で結合されていてもよいが、下記一般式(a’)中の1又は2で示される炭素原子と、3~4のいずれかで示される炭素原子にて結合されていることが好ましい。
(一般式(a’)中、RA1、m1及び*は、一般式(a)中のものと同じである。)
前記(a1)脂環式骨格含有エポキシ樹脂としては、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。エポキシ樹脂は、グリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂、グリシジルアミンタイプのエポキシ樹脂、グリシジルエステルタイプのエポキシ樹脂等に分類される。これらの中でも、グリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂が好ましい。
(a1)脂環式骨格含有エポキシ樹脂としては、下記一般式(a1-1)で表されるエポキシ樹脂が好ましい。また、下記一般式(a1-2)で表される構造単位を有するエポキシ樹脂も好ましい。
(一般式(a1-1)中、RA1は炭素数1~12のアルキル基を表し、上記脂環式骨格中のどこに置換していてもよい。RA2は炭素数1~12のアルキル基を表す。m1は0~6の整数、m2は0~3の整数である。nは0~10である。)
(一般式(a1-2)中、RA1は炭素数1~12のアルキル基を表し、上記脂環式骨格中のどこに置換していてもよい。m1は0~6の整数である。)
一般式(a1-1)中のRA2が表す炭素数1~12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基等が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
一般式(a1-1)及び一般式(a1-2)中のm1は一般式(a)中のm1と同じであり、好ましい態様も同じである。
一般式(a1-1)中のm2は0~3の整数であり、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
一般式(a1-1)中のnは丸括弧内の構造単位の繰り返し数を表し、0~10である。通常、エポキシ樹脂は丸括弧内の構造単位の繰り返し数が異なるものの混合物となっているため、その場合、nはその混合物の平均値で表される。nとしては、2~10が好ましい。
前記(a2)エチレン性不飽和基含有有機酸としては、特に制限されるものではないが、エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸が好ましい。エチレン性不飽和基としては、前記(A1)成分におけるエチレン性不飽和基の説明のとおりである。
該エチレン性不飽和基含有モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸;アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β-フルフリルアクリル酸、β-スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α-シアノ桂皮酸等のアクリル酸誘導体;水酸基含有アクリレートと二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物;エチレン性不飽和基含有モノグリシジルエーテル又はエチレン性不飽和基含有モノグリシジルエステルと二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物;などが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸が好ましい。
(a2)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられる。
触媒の使用量は、前記(a1)成分と前記(a2)成分との合計100質量部に対して、好ましくは0.01~10質量部、より好ましくは0.05~5質量部、さらに好ましくは0.1~2質量部である。前記の使用量であれば、前記(a1)成分と前記(a2)成分との反応が促進される傾向にある。
重合禁止剤を使用する場合、その使用量は、組成物の貯蔵安定性を向上させる観点から、前記(a1)成分と前記(a2)成分との合計100質量部に対して、好ましくは0.01~1質量部、より好ましくは0.02~0.8質量部、さらに好ましくは0.05~0.5質量部である。
前記(a3)成分としては、飽和基を含有するものであってもよいし、不飽和基を含有するものであってもよい。(a3)成分としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水イタコン酸等が挙げられる。これらの中でも、ビアの解像性の観点から、好ましくはテトラヒドロ無水フタル酸である。
(A1-1)酸変性エチレン性不飽和基及び脂環式骨格含有エポキシ誘導体の酸価は、好ましくは20~150mgKOH/g、より好ましくは30~120mgKOH/g、さらに好ましくは40~100mgKOH/gである。酸価が20mgKOH/g以上であれば感光性樹脂組成物の希アルカリ溶液への溶解性に優れる傾向にあり、150mgKOH/g以下であれば硬化膜の電気特性が向上する傾向にある。
(一般式(A-1)中、RA1は炭素数1~12のアルキル基を表し、上記脂環式骨格中のどこに置換していてもよい。RA2は炭素数1~12のアルキル基を表す。RA3は、エチレン性不飽和基を有する有機基、エチレン性不飽和基及び酸性置換基を有する有機基又はグリシジル基であり、少なくとも1つのRA3はエチレン性不飽和基及び酸性置換基を有する有機基である。m1は0~6の整数、m2は0~3の整数である。nは0~10である。)
RA3は前記定義の通りであるが、前記一般式(a1-1)中のグリシジル基が前記(a2)成分及び前記(a3)成分と反応して形成される部位に相当し、一部の該グリシジル基が未反応となることも考慮した定義になっている。つまり、RA3の選択肢である「エチレン性不飽和基を有する有機基」は前記(a2)に由来する基であり、「エチレン性不飽和基及び酸性置換基を有する有機基」は、前記(a2)及び(a3)成分に由来する基であり、前記(a2)及び(a3)成分が前記一般式(a1-1)中の全てのグリシジル基と反応すればRA3は「エチレン性不飽和基及び酸性置換基を有する有機基」となるが、前記(a2)成分としか反応していない部位は「エチレン性不飽和基を有する有機基」となり、前記(a2)及び(a3)成分のいずれとも反応していない部位は「グリシジル基」となる。
(A1)成分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000~30,000、より好ましくは2,000~25,000、さらに好ましくは3,000~18,000である。この範囲内であれば、めっき銅との接着強度、耐熱性及び電気絶縁信頼性が向上する。特に、前記(A1-1)酸変性エチレン性不飽和基及び脂環式骨格含有エポキシ誘導体の重量平均分子量(Mw)が前記範囲であることが好ましい。ここで、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製)により、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定した値であり、より詳細には、以下に記載の方法に従って測定した値である。
<重量平均分子量の測定方法>
重量平均分子量は、下記のGPC測定装置及び測定条件で測定し、標準ポリスチレンの検量線を使用して換算した値を重量平均分子量とした。また、検量線の作成は、標準ポリスチレンとして5サンプルセット(「PStQuick MP-H」及び「PStQuick B」、東ソー株式会社製)を用いた。
(GPC測定装置)
GPC装置:高速GPC装置「HCL-8320GPC」、検出器は示差屈折計又はUV、東ソー株式会社製
カラム :カラムTSKgel SuperMultipore HZ-H(カラム長さ:15cm、カラム内径:4.6mm)、東ソー株式会社製
(測定条件)
溶媒 :テトラヒドロフラン(THF)
測定温度 :40℃
流量 :0.35mL/分
試料濃度 :10mg/THF5mL
注入量 :20μL
(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、さらに、(a21)エポキシ樹脂(但し、脂環式骨格を含有しない。)を(a22)エチレン性不飽和基含有有機酸で変性した化合物に、(a23)飽和基又は不飽和基含有多塩基酸無水物を反応させてなる、「(A2-1)脂環式骨格を含有しない酸変性エチレン性不飽和基含有エポキシ誘導体」を含む態様であってもよい。
また、前記(a21)エポキシ樹脂は、主骨格の違いによっても種々のエポキシ樹脂に分類され、上記それぞれのタイプのエポキシ樹脂において、さらに次の様に分類される。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール系エポキシ樹脂;ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂等のビスフェノール系ノボラック型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等の、前記ビスフェノール系ノボラック型エポキシ樹脂以外のノボラック型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂等のナフタレン骨格含有型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂;ジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂;脂肪族鎖状エポキシ樹脂;ゴム変性エポキシ樹脂などに分類される。これらの中でも、ビスフェノール系ノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂がさらに好ましい。
また、前記(a21)成分を前記(a22)成分で変性した化合物に、前記(a23)成分を反応させる方法としては、前記(a1)成分を前記(a2)成分で変性した化合物に、前記(a3)成分を反応させる方法を参照することができる。
(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、スチレン-無水マレイン酸共重合体のヒドロキシエチル(メタ)アクリレート変性物等の「(A2-2)スチレン-マレイン酸系樹脂」を併用することもできる。該(A2-2)成分は、脂環式骨格を含有しない。(A2-2)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、前記(a21)エポキシ樹脂を(a22)エチレン性不飽和基含有有機酸で変性した化合物、つまり(A’)成分と、イソシアネート化合物とを反応させて得られる、「(A2-3)エポキシ系ポリウレタン樹脂」を併用することもできる。該(A2-3)成分は、脂環式骨格を含有しない。(A2-3)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、硬化(露光)後の耐薬品性を高めて、露光部と未露光部の耐現像液性の差を大きくするという観点から、(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物として、さらに、(Ai)1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する一官能ビニルモノマー、(Aii)2つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマー及び(Aiii)少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーからなる群から選択される少なくとも1種を含む態様が好ましく、前記(Aiii)成分を含む態様がより好ましい。(Ai)~(Aiii)成分としては、分子量が1,000以下のものが好ましい。但し、本発明では、前記(Ai)~(Aiii)成分は前記(A1)成分を包含しない。
前記1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する一官能ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。該(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチルエステル等が挙げられる。(Ai)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記2つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス(4-(メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。(Aii)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラメチロールメタン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ジグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。これらの中でも、硬化(露光)後の耐薬品性を高めて、露光部と未露光部の耐現像液性の差を大きくするという観点から、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましく、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートがより好ましい。(Aiii)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、前記「XXX由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物」(但し、XXXは化合物名である。)とは、XXXと(メタ)アクリル酸とのエステル化物を意味し、当該エステル化物には、アルキレンオキシ基で変性された化合物も包含される。
(A)成分の含有量は、特に制限されるものではないが、耐熱性、電気特性及び耐薬品性の観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量基準で、好ましくは5~60質量%、より好ましくは5~50質量%、さらに好ましくは10~40質量%、特に好ましくは10~30質量%、最も好ましくは15~25質量%である。
また(A)成分全量に対する(A1)成分の含有比率は、ビアの解像性の観点から、好ましくは20~95質量%、より好ましくは40~90質量%、さらに好ましくは55~90質量%、特に好ましくは65~85質量%である。
<(B)エポキシ樹脂>
(B)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(B1)縮合芳香環を含むエポキシ樹脂における縮合芳香環の縮合している環の数としては、好ましくは2~6環、より好ましくは2~3環、さらに好ましくは2環である。前記縮合芳香環としては、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環及びクリセン環からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、入手容易性及び低誘電正接という観点からは、ナフタレン環であることがより好ましい。
ナフタレン環を含有するエポキシ樹脂は、通常、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂又はナフタレン骨格含有型エポキシ樹脂等と称される。ナフタレン環を含有するエポキシ樹脂は、市販品を使用することもでき、市販品としては、例えば、ナフトール型エポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製「エポトート(登録商標)ESN-475V」)、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「HP4032D」、「HP4710」)、ナフタレン骨格含有型多官能エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製「NC-7000」)等が挙げられる。
(一般式(I)中、R1は水素原子又はハロゲン非含有有機基を表し、n1は1~10の整数を表す。)
(一般式(II)中、n2は1~10の整数を表す。)
(一般式(III)中、n3は1~10の整数を表す。)
(一般式(IV)中、n4は1~10の整数を表す。)
(一般式(VI)中、Z1は単結合又はハロゲン非含有有機基を表す。)
(一般式(VII)中、Z2は単結合又はハロゲン非含有有機基を表す。R2は水素原子又はハロゲン非含有有機基を表す。)
また、前記一般式(VI)中のZ1及び前記一般式(VII)中のZ2が表すハロゲン非含有有機基としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の炭素数1~10(好ましくは1~6、より好ましくは1~3)のアルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基等の環形成炭素数6~18(好ましくは6~12)のアリーレン基;ピリジレン基等の環形成原子数5~18(好ましくは5~12)のヘテロ芳香族基などが挙げられる。
該(B)成分として、前記(B1)成分と共に(B2)成分を含む場合、(B2)成分としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノール系エポキシ樹脂及び脂肪族鎖状エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。前記ビスフェノール系エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂であってもよい。
該(B)成分として、前記(B1)成分と共に(B2)成分を含む場合、(B)成分中における(B1)成分の含有比率は、低誘電正接という観点からは、好ましくは5質量%以上であり、ビアの解像性、めっき銅との接着強度、クラック耐性及び電気絶縁信頼性等も考慮すると、より好ましくは5~95質量%、さらに好ましくは25~90質量%、特に好ましくは50~85質量%、最も好ましくは60~85質量%である。
(B1)縮合芳香環を含むエポキシ樹脂の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量基準で、好ましくは0.5~40質量%、より好ましくは1~30質量%であり、さらに好ましくは2~25質量%、特に好ましくは5~25質量%、最も好ましくは8~20質量%である。(B1)成分の含有量が感光性樹脂組成物の固形分全量基準で0.5質量%以上であることで、十分に低誘電正接となる傾向にあり、40質量%以下であることで、ビアの解像性が良好となる傾向にある。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物において、(B)成分の含有量は、めっき銅との接着強度、絶縁信頼性の及び耐熱性の観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量基準で、好ましくは1~30質量%、より好ましくは3~25質量%、さらに好ましくは5~25質量%、特に好ましくは10~25質量%である。
本実施形態で用いられる(C)成分としては、前記(A)成分を重合させることができるものであれば、特に制限はなく、通常用いられる光重合開始剤から適宜選択することができる。
(C)成分としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-1-プロパノン、N,N-ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキノン、2-アミノアントラキノン等のアントラキノン類;2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9,9’-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン類;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;1,2-オクタンジオン-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(O-ベンゾイルオキシム)、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン1-(O-アセチルオキシム)、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-[O-(エトキシカルボニル)オキシム]等のオキシムエステル類などが挙げられる。これらの中でも、アセトフェノン類、チオキサントン類、ベンゾフェノン類が好ましく、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-1-プロパノン、2,4-ジエチルチオキサントン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンがより好ましい。アセトフェノン類及びベンゾフェノン類は、揮発しにくく、アウトガスとして発生しにくいという利点があり、チオキサントン類は、可視光域でも光硬化が可能という利点がある。
(C)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、アセトフェノン類とチオキサントン類とベンゾフェノン類とを併用することが好ましく、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-1-プロパノンと2,4-ジエチルチオキサントンと4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンとを併用することがより好ましい。
(C)成分の含有量は、特に制限されるものではないが、感光性樹脂組成物の固形分全量基準で、好ましくは0.1~15質量%、より好ましくは0.15~5質量%、さらに好ましくは0.2~1.5質量%、特に好ましくは0.2~1.0質量%、最も好ましくは0.25~0.80質量%である。(C)成分の含有量が0.1質量%以上であれば、感光性樹脂組成物を用いて形成される層間絶縁層において、露光される部位が現像中に溶出するおそれを低減する傾向にあり、15質量%以下であれば、耐熱性が向上する傾向にある。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記の(C)成分と共に(C’)光重合開始助剤を含有してもよい。(C’)光重合開始助剤としては、例えば、N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の第三級アミン類などが挙げられる。(C’)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物が(C’)成分を含有する場合、その含有量は、感光性樹脂組成物の樹脂成分全量基準で、好ましくは0.01~20質量%、より好ましくは0.2~5質量%、さらに好ましくは0.3~2質量%である。なお、本実施形態の感光性樹脂組成物は該(C’)成分を含有していなくてもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(D)成分としてエラストマを含有していてもよく、含有していることが好ましい。(D)成分を含有することにより、ビアの解像性、めっき銅との接着強度及び電気絶縁信頼性に優れた感光性樹脂組成物となる傾向にある。また、(D)成分によって、前記(A)成分の硬化収縮による、硬化物内部の歪み(内部応力)に起因した、可とう性及びめっき銅との接着強度の低下を抑制する効果も有する。
(D)成分としては25℃において液状であるエラストマが好ましい。
(D)成分は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(D)成分としては、前記例示の中でも、相容性、溶解性及びめっき銅との接着強度の観点から、オレフィン系エラストマ、ポリエステル系エラストマ及びウレタン系エラストマからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリエステル系エラストマを含むことがより好ましい。また、(D)成分がオレフィン系エラストマ、ポリエステル系エラストマ及びウレタン系エラストマからなる群から選択される少なくとも1種であることがさらに好ましく、オレフィン系エラストマであることが特に好ましい。
前記スチレン系エラストマとしては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレンブロックコポリマー等が挙げられる。スチレン系エラストマは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
スチレン系エラストマを構成する成分としては、スチレン;α-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン等のスチレン誘導体などが挙げられる。
スチレン系エラストマとしては、数平均分子量が1,000~50,000のものが好ましく、3,000~20,000のものがより好ましい。
本明細書において、数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により標準ポリスチレン換算で求めた値である。
前記オレフィン系エラストマは、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-ペンテン等の炭素数2~20のα-オレフィンの重合体又は共重合体である。なお、オレフィン系エラストマは、分子末端に水酸基を有するものであってもよく、分子末端に水酸基を有するものであることが好ましい。オレフィン系エラストマは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
オレフィン系エラストマとしては、例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン、水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体(EPR)、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)等が好適に挙げられる。また、前記炭素数2~20のα-オレフィンと、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等の炭素数2~20の非共役ジエンとの共重合体等も挙げられる。さらには、ブタジエン-アクニロニトリル共重合体にメタクリル酸を共重合したカルボキシ変性NBR等も挙げられる。
オレフィン系エラストマとしては、数平均分子量が1,000~8,000のものが好ましく、1,500~6,500のものがより好ましい。
前記ポリエステル系エラストマとしては、ジカルボン酸又はその誘導体及びジオール化合物又はその誘導体を重縮合して得られるものが挙げられる。ポリエステル系エラストマは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;前記芳香族ジカルボン酸の芳香環の水素原子がメチル基、エチル基、フェニル基等で置換された芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数2~20の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;などが挙げられる。ジカルボン酸としては、基材との密着性の観点から、天然物由来のダイマー酸を使用することも好ましい。ジカルボン酸は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ジカルボン酸の誘導体としては、前記ジカルボン酸の無水物等が挙げられる。
(一般式(D-1)中、XD1は炭素数1~10のアルキレン基、炭素数2~10のアルキリデン基、炭素数4~8のシクロアルキレン基、-O-、-S-、-SO2-を表す。RD1及びRD2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子又は炭素数1~12のアルキル基を表す。p及びqはそれぞれ独立に0~4の整数であり、rは0又は1である。)
XD1が表す炭素数2~10のアルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等が挙げられる。該アルキリデン基としては、ビアの解像性、めっき銅との接着強度及び電気絶縁信頼性の観点から、イソプロピリデン基が好ましい。
XD1が表す炭素数4~8のシクロアルキレン基としては、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等が挙げられる。
XD1としては、以上の中でも、炭素数1~10のアルキレン基、炭素数2~10のアルキリデン基が好ましく、メチレン基、イソプロピリデン基がより好ましい。
RD1及びRD2が表す炭素数1~12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基等が挙げられる。該アルキル基としては、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
p及びqはそれぞれ独立に0~4の整数であり、それぞれ0又は1が好ましい。
rは0又は1であり、いずれであってもよいが、rが0のときは下記一般式(D-1’)で表される構造となる。
(一般式(D-1’)中、XD1、RD1及びpは、いずれも一般式(D-1)中のものと同じであり、好ましい態様も同じである。)
前記ウレタン系エラストマとしては、例えば、短鎖ジオールとジイソシアネートとからなるハードセグメントと、高分子(長鎖)ジオールとジイソシアネートとからなるソフトセグメントとを含有するものが好適に挙げられる。ウレタン系エラストマは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
高分子(長鎖)ジオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリ(1,4-ブチレンアジペート)、ポリ(エチレン-1,4-ブチレンアジペート)、ポリカプロラクトン、ポリ(1,6-ヘキシレンカーボネート)、ポリ(1,6-へキシレン-ネオペンチレンアジペート)等が挙げられる。高分子(長鎖)ジオールの数平均分子量は、500~10,000が好ましい。
短鎖ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ビスフェノールA等が挙げられる。短鎖ジオールの数平均分子量は、48~500が好ましい。
ウレタン系エラストマとしては、数平均分子量が1,000~25,000のものが好ましく、1,500~20,000のものがより好ましく、2,000~15,000のものがさらに好ましい。
ポリアミド系エラストマは、ハードセグメントにポリアミドを、ソフトセグメントにポリエーテルを用いたポリエーテルブロックアミド型;ハードセグメントにポリアミドを、ソフトセグメントにポリエステルを用いたポリエーテルエステルブロックアミド型の2種類に大別される。
前記ポリアミド系エラストマの具体例としては、例えば、ポリアミドをハードセグメント成分とし、ポリブタジエン、ブタジエン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、エチレンプロピレン共重合体、ポリエーテル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタン、シリコーンゴム等をソフトセグメント成分としたブロック共重合体が挙げられる。ポリアミド系エラストマは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアミド系エラストマとしては、数平均分子量が1,000~50,000のものが好ましく、2,000~30,000のものがより好ましい。
前記アクリル系エラストマとしては、例えば、アクリル酸エステルを主成分とする原料モノマーの重合体が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート等が好適に挙げられる。また、架橋点モノマーとして、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等を共重合させたものであってもよく、さらに、アクリロニトリル、エチレン等を共重合させたものであってもよい。具体的には、アクリロニトリル-ブチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-グリシジルメタクリレート共重合体等が挙げられる。アクリル系エラストマは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル系エラストマとしては、数平均分子量が1,000~50,000のものが好ましく、2,000~30,000のものがより好ましい。
前記シリコーン系エラストマは、オルガノポリシロキサンを主成分とするエラストマであり、例えば、ポリジメチルシロキサン系エラストマ、ポリメチルフェニルシロキサン系エラストマ、ポリジフェニルシロキサン系エラストマ等に分類される。シリコーン系エラストマは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系エラストマとしては、数平均分子量が1,000~50,000のものが好ましく、2,000~30,000のものがより好ましい。
また、(D)成分としては、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン及びカルボキシ変性ポリアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種を含む態様であってもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物が(D)成分を含有する場合、その含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量基準で、好ましくは0.5~20質量%、より好ましくは1.0~20質量%、さらに好ましくは1.0~15質量%、特に好ましくは1.0~10質量%、最も好ましくは1.0~4質量%である。(D)成分の含有量が0.5質量%以上であれば、めっき銅との接着強度の改善効果が十分となり、且つ、電気絶縁信頼性により一層優れる傾向にある。(D)成分の含有量が20質量%以下であれば、ビアの解像性、めっき銅との接着強度及び電気絶縁信頼性が共に十分となる傾向にある。
本実施形態の感光性樹脂組成物は(E)成分として、無機充填材を含有していてもよく、無機充填材を含有していることが好ましい。無機充填材を含有することで、低熱膨張化することができ、反りが発生するおそれが少なくなる。多層プリント配線板の層間絶縁層として従来使用されてきた熱硬化性樹脂組成物では無機充填材を含有させることによって低熱膨張化が図られてきたが、感光性樹脂組成物に無機充填材を含有させると、無機充填材が光の散乱の原因となって現像の障害になるために多量に含有させて低熱膨張化を図ることは困難であった。このように、無機充填材を含有させることに対して、感光性樹脂組成物ならではの新しい課題が存在するが、本実施形態の感光性樹脂組成物は、多量の無機充填材を含有させたとしても、ビアの解像性が高くなる傾向にある。そのため、本実施形態の感光性樹脂組成物であれば、低熱膨張化とビアの高解像性とを両立することが可能である。
本実施形態の感光性樹脂組成物が(E)成分を含有する場合、その含有量は、特に制限されるものではないが、感光性樹脂組成物の固形分全量基準で、好ましくは5~75質量%、より好ましくは10~65質量%、さらに好ましくは20~60質量%、特に好ましくは30~55質量%、最も好ましくは40~50質量%である。(E)成分の含有量が上記範囲内であれば、機械的強度、耐熱性及びビアの解像性等を向上させることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、耐熱性、低誘電正接等の諸特性をさらに向上させる観点から、硬化剤を含有させることが好ましい。
(F)成分としては、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、ヒドラジット系硬化剤、活性エステル系硬化剤等が挙げられる。これらの中でも、フェノール樹脂系硬化剤が好ましい。(F)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール樹脂系硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;レゾール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらの中でも、信頼性向上の観点から、ノボラック型フェノール樹脂が好ましい。ノボラック型フェノール樹脂としては市販品を用いてもよく、市販品としては、フェノールノボラック樹脂である「フェノライト(登録商標)TD-2090」、トリアジン含有フェノールノボラック樹脂である「フェノライト(登録商標)LA-1356」、「フェノライト(登録商標)LA7050シリーズ」、トリアジン含有クレゾールノボラック樹脂である「フェノライト(登録商標)LA-3018」、「フェノライト(登録商標)LA-3018-50P」(以上、DIC株式会社製)等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水メチルハイミック酸等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素等が挙げられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物が(F)成分を含有する場合、その含有量は、感光性樹脂組成物の樹脂成分全量基準で、好ましくは0.01~20質量%、より好ましくは0.05~15質量%、さらに好ましくは0.05~5質量%、特に好ましくは0.05~1質量%である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(G)成分として硬化促進剤を含有することによって、例えば10GHz以上という高周波数帯において、より一層、低誘電正接となる。このような結果が得られる正確なメカニズムは不明であるが、次のように考える。感光性樹脂組成物から形成される感光性樹脂フィルムにおいては、(A1)成分が有する酸性置換基と(B)エポキシ樹脂との反応率があまり高くないと考えられるが、硬化促進剤を含有することによって、それらが効率的に反応して架橋密度が向上し、その結果、剛直性を増すことで、電界の変化に追従した分子運動が抑制されるようになって発熱量が低減し、伝送損失が抑えられることによって、より一層、低誘電正接になるものと推察する。
(G)硬化促進剤としては、前記(A1)成分と前記(B)成分との架橋及び硬化を促進することができるものであればよく、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、ホスホニウム系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられる。これらの中でも、低誘電正接の向上効果の観点から、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。(G)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリメチルアミン、N,N-ジメチルオクチルアミン、N-ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、ヘキサ(N-メチル)メラミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノフェノール)、m-アミノフェノール等の第三級アミン類などが挙げられる。
前記グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、1-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)グアニジン等が挙げられる。
前記ホスホニウム系硬化促進剤としては、例えば、トリ-n-ブチル(2,5-ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスニウムクロライド等のホスホニウム塩類などが挙げられる。
有機金属錯体としては、アセチルアセトン錯体等のキレート錯体が挙げられ、その具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体;銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体;亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体;鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体;マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体などが挙げられる。
(G)成分の含有量が感光性樹脂組成物の樹脂成分全量基準で0.01質量%以上であれば、低誘電正接の向上効果が得られる傾向にあり、20質量%以下であれば、感光性樹脂組成物の保存安定性が良好となる傾向にある。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、感光性の調整等のため、所望の色に応じて(H)成分として顔料を含有してもよい。(H)成分としては、所望の色を発色する着色剤を適宜選択して用いればよく、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオディングリーン、ジアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の公知の着色剤が好ましく挙げられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物が(H)成分を含有する場合、その含有量は、感光性の調整等の観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量基準で、好ましくは0.01~5質量%、より好ましくは0.03~3質量%、さらに好ましくは0.05~2質量%である。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、めっき銅との接着強度、絶縁信頼性の及び耐熱性の観点から、熱硬化性樹脂(前記(B)エポキシ樹脂及び前記(F)成分を除く。)をさらに含有していてもよい。
該熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。また、特にこれらに制限されず、公知の熱硬化性樹脂を使用できる。
(I)成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物が(I)成分を含有する場合、その含有量は、めっき銅との接着強度、絶縁信頼性の及び耐熱性の観点から、感光性樹脂組成物の固形分全量基準で、好ましくは1~30質量%、より好ましくは1~15質量%、さらに好ましくは1~10質量%である。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、必要に応じて希釈剤を使用することができる。希釈剤としては、例えば、有機溶剤等を使用できる。有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられる。希釈剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
希釈剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の固形分全量の濃度が好ましくは40~90質量%、より好ましくは50~80質量%、さらに好ましくは55~70質量%となるように適宜選択すればよい。希釈剤の使用量をこのように調整することで、感光性樹脂組成物の塗布性が向上し、より高精細なパターンの形成が可能となる。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等の重合禁止剤;ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤;シリコーン系整泡剤、フッ素系整泡剤、ビニル樹脂系整泡剤等の整泡剤;シランカップリング剤;などの公知慣用の各種添加剤を含有させることができる。さらに、臭素化エポキシ化合物、酸変性臭素化エポキシ化合物、アンチモン化合物及びリン系化合物のホスフェート化合物、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル等の難燃剤を含有させることができる。
ここで、本実施形態の感光性樹脂組成物は、液状として使用してもよいし、フィルム状として使用してもよい。
液状として使用する場合、本実施形態の感光性樹脂組成物の塗布方法は特に制限はないが、例えば、印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、ジェットディスペンス法、インクジェット法、浸漬塗布法等の各種塗布方法が挙げられる。これらの中でも、感光層をより容易に形成する観点から、印刷法、スピンコート法から適宜選択すればよい。
また、フィルム状として用いる場合は、例えば、後述する感光性樹脂フィルムの形態で用いることができ、この場合はラミネーター等を用いてキャリアフィルム上に積層することで所望の厚みの感光層を形成することができる。なお、フィルム状として使用する方が、多層プリント配線板の製造効率が高くなるために好ましい。
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、後に層間絶縁層となる感光層であって、本実施形態の感光性樹脂組成物からなるものである。本実施形態の感光性樹脂フィルムは、キャリアフィルム上に感光性樹脂フィルムが設けられている態様であってもよい。
感光性樹脂フィルム(感光層)の厚み(乾燥後の厚み)は、特に制限されるものではないが、多層プリント配線板の薄型化の観点から、好ましくは1~100μm、より好ましくは1~50μm、さらに好ましくは5~40μmである。
キャリアフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルムなどが挙げられる。キャリアフィルムの厚みは、5~100μmの範囲から適宜選択すればよいが、好ましくは5~60μm、より好ましくは15~45μmである。
本発明は、本実施形態の感光性樹脂組成物又は感光性樹脂フィルムを用いて形成される層間絶縁層を含有してなる多層プリント配線板も提供する。本実施形態の多層プリント配線板は、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いた層間絶縁層を形成する工程を有していればその製造方法には特に制限はなく、例えば、以下の本実施形態の多層プリント配線板の製造方法により容易に製造することができる。
多層プリント配線板100Aは、例えば、下記工程(1)~(4)を含む製造方法により製造することができる。
工程(1):本実施形態の感光性樹脂フィルムを、回路基板の片面又は両面にラミネートする工程(以下、「ラミネート工程(1)」と称する)。
工程(2):工程(1)でラミネートされた感光性樹脂フィルムに対して露光及び現像することによって、ビアを有する層間絶縁層を形成する工程(以下、「フォトビア形成工程(2)」と称する)。
工程(3):前記ビア及び前記層間絶縁層を粗化処理する工程(以下、「粗化処理工程(3)」と称する)。
工程(4):前記層間絶縁層上に回路パターンを形成する工程(以下、「回路パターン形成工程(4)」と称する)。
ラミネート工程(1)は、真空ラミネーターを用いて、本実施形態の感光性樹脂フィルム(層間絶縁層用感光性樹脂フィルム)を回路基板(回路パターン102を有する基板101)の片面又は両面にラミネートする工程である。真空ラミネーターとしては、ニチゴー・モートン株式会社製のバキュームアップリケーター、株式会社名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、株式会社日立製作所製のロール式ドライコーター、日立化成エレクトロニクス株式会社製の真空ラミネーター等が挙げられる。
該ラミネートは、例えば、感光性樹脂フィルム及び回路基板を必要に応じて予備加熱してから、圧着温度70~130℃、圧着圧力0.1~1.0MPa、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下で実施することができるが、特にこの条件に制限されるものではない。また、ラミネートの方法は、バッチ式であっても、ロールでの連続式であってもよい。
最後に、回路基板にラミネートされた感光性樹脂フィルム(以下、感光層と称することがある。)を室温付近に冷却し、層間絶縁層103とする。キャリアフィルムをここで剥離してもよいし、後述するように露光後に剥離してもよい。
フォトビア形成工程(2)では、回路基板にラミネートされた感光性樹脂フィルムの少なくとも一部に対して露光し、次いで現像を行う。露光によって、活性光線が照射された部分が光硬化してパターンが形成される。露光方法に特に制限はなく、例えば、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターンを介して活性光線を画像状に照射する方法(マスク露光法)を採用してもよいし、LDI(Laser Direct Imaging)露光法、DLP(Digital Light Processing)露光法等の直接描画露光法により、活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができる。光源としては、具体的には、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、アルゴンレーザ等のガスレーザ;YAGレーザ等の固体レーザ;半導体レーザ等の紫外線又は可視光線を有効に放射するもの;などが挙げられる。露光量は、使用する光源及び感光層の厚み等によって適宜選定されるが、例えば高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、感光層の厚み1~100μmでは、通常、10~1,000mJ/cm2程度が好ましく、15~500mJ/cm2がより好ましい。
感光層上にキャリアフィルムが存在している場合には、該キャリアフィルムを除去してから、未露光部分の除去(現像)を行う。現像方法には、ウェット現像とドライ現像があり、いずれを採用してもよいが、ウェット現像が広く用いられており、本実施形態においてもウェット現像を採用できる。
ウェット現像の場合、感光性樹脂組成物に対応した現像液を用いて、公知の現像方法により現像する。現像方法としては、ディップ方式、バトル方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング、スクラッピング、揺動浸漬等を用いた方法が挙げられる。これらの中でも、ビアの解像性向上の観点からは、スプレー方式が好ましく、スプレー方式の中でも高圧スプレー方式がより好ましい。現像は、1種の方法で実施すればよいが、2種以上の方法を組み合わせて実施してもよい。
現像液の構成は、感光性樹脂組成物の構成に応じて適宜選択される。例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液及び有機溶剤系現像液が挙げられ、これらの中でもアルカリ性水溶液が好ましい。
以上のようにして、ビア104を有する層間絶縁層が形成される。ビアの形状に特に制限はなく、断面形状で説明すると、例えば、四角形、逆台形(上辺が下辺より長い)等が挙げられ、正面(ビア底が見える方向)から見た形状で説明すると、円形、四角形等が挙げられる。本実施形態におけるフォトリソ法によるビアの形成では、断面形状が逆台形(上辺が下辺より長い)のビアを形成することができ、この場合、めっき銅のビア壁面への付き回り性が高くなるために好ましい。
但し、本工程によって形成されるビアのサイズ(直径)は必ずしも60μm以下に限定されるものではなく、例えば200μm以下程度であってもよく、例えば15~300μmの範囲で任意に選択することも可能である。
粗化処理工程(3)では、ビア及び層間絶縁層の表面を粗化液により粗化処理を行う。なお、前記フォトビア形成工程(2)においてスミアが発生した場合には、該スミアを前記粗化液によって除去してもよい。粗化処理と、スミアの除去は同時に行うことができる。
前記粗化液としては、クロム/硫酸粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液(例えば、過マンガン酸ナトリウム粗化液等)、フッ化ナトリウム/クロム/硫酸粗化液等が挙げられる。
粗化処理により、ビア及び層間絶縁層の表面に凹凸のアンカーが形成する。
回路パターン形成工程(4)は、前記粗化処理工程(3)の後に、前記層間絶縁層上に回路パターンを形成する工程である。
回路パターンの形成は微細配線形成の観点から、セミアディティブプロセスにより実施することが好ましい。セミアディティブプロセスにより回路パターンの形成と共にビアの導通が行われる。
セミアディティブプロセスにおいては、まず、前記粗化処理工程(3)後のビア底、ビア壁面及び層間絶縁層の表面全体にパラジウム触媒等を用いた上で無電解銅めっき処理を施してシード層105を形成する。該シード層は電解銅めっきを施すための給電層を形成するためのものであり、好ましくは0.1~2.0μm程度の厚みで形成される。該シード層の厚みが0.1μm以上であれば、電解銅めっき時の接続信頼性が低下するのを抑制できる傾向にあり、2.0μm以下であれば、配線間のシード層をフラッシュエッチする際のエッチング量を大きくする必要がなく、エッチングの際に配線に与えるダメージを抑えられる傾向にある。
前記無電解めっき処理方法及び前記電解めっき処理方法は公知の方法でよく、特に限定されるものではないが、無電解めっき処理工程の触媒は、好ましくはパラジウム-スズ混合触媒であり、該触媒の1次粒子径は好ましくは10nm以下である。また、無電解めっき処理工程のめっき組成としては、次亜リン酸を還元剤として含有することが好ましい。
無電解銅めっき液としては市販品を使用することができ、市販品としては、例えば、アトテックジャパン株式会社製の「MSK-DK」、上村工業株式会社製「スルカップ(登録商標)PEA ver.4」シリーズ等が挙げられる。
ドライフィルムレジストの熱圧着後、例えば、所望の配線パターンが描画されたマスクを通してドライフィルムレジストの露光を行う。露光は、前記感光性樹脂フィルムにビアを形成する際に使用し得るものと同様の装置及び光源で行うことができる。露光後、ドライフィルムレジスト上のキャリアフィルムを剥離し、アルカリ水溶液を用いて現像を行い、未露光部分を除去し、レジストパターン106を形成する。この後、必要に応じてプラズマ等を用いてドライフィルムレジストの現像残渣を除去する作業を行ってもよい。
現像後、電気銅めっきを行うことにより、銅の回路層107の形成及びビアフィリングを行う。
さらには、本実施形態の感光性樹脂組成物は、ソルダーレジスト等の表面保護膜としても有用である。
本発明は、本実施形態の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージも提供する。本実施形態の半導体パッケージは、本発明の多層プリント配線板の所定の位置に半導体チップ、メモリ等の半導体素子を搭載し、封止樹脂等によって半導体素子を封止することによって製造できる。
なお、各例で得られた感光性樹脂組成物について、以下に示す方法により特性を評価した。
各例で製造したキャリアフィルム及び保護フィルム付き感光性樹脂フィルムから保護フィルムを剥離除去した。次に、同じ感光性樹脂フィルムをもう1枚用意し、露出した感光性樹脂フィルム同士が当接するように載置した後、プレス式真空ラミネーター(株式会社名機製作所製、商品名「MVLP-500」)を用いて、ラミネート処理を施した。なお、ラミネートの条件は、プレス熱板温度75℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間20秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaとした。ラミネート処理後、室温で1時間以上放置して、感光性樹脂フィルムがキャリアフィルムで挟まれた評価用積層体を得た。
上記硬化膜について、空洞共振器法によって10GHzにおける誘電正接を測定した。測定器には、アジレント・テクノロジー株式会社製のベクトル型ネットワークアナライザE8364B、株式会社関東電子応用開発製のCP531(10GHz共振器)及びCPMA-V2(プログラム)をそれぞれ使用して、雰囲気温度25℃で行った。
誘電正接は、0.0097以下であることが好ましい。
前記[1.誘電正接の評価]と同様にして評価用積層体を得た。
次に、得られた評価用積層体について、膨潤液である「スエリングディップ・セキュリガントP」(グリコールエーテル類、水酸化ナトリウムの水溶液、アトテックジャパン(株)製)に70℃で10分間浸漬した後、評価用積層体を25℃で3分間水洗した。次に、粗化液である「コンセントレート・コンパクトP」(KMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液、アトテックジャパン(株)製)に80℃で30分間浸漬した後、評価用積層体を50℃で1分間水洗した。最後に、中和液である「リダクションショリューシン・セキュリガントP」(硫酸の水溶液、アトテックジャパン(株)製)に40℃で5分間浸漬した後、評価用積層体を25℃で3分間水洗した。その後、105℃で10分間乾燥した。以上の様にして、デスミア処理を行った。
デスミア処理前の乾燥重量に対するデスミア処理後の重量減少量(g/m2)を算出し、これを耐デスミア性の指標とした。デスミア処理後の重量減少量が小さい程、耐デスミア性に優れる。
(感光性樹脂組成物の調製)
表1に示す配合組成及び配合量に従って組成物を配合し、メチルエチルケトンを希釈剤として用いて固形分濃度65質量%の感光性樹脂組成物を調製した。
(感光性樹脂フィルムの作製)
厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(HPE、帝人デュポン製、商品名)をキャリアフィルムとし、該キャリアフィルム上に、各例で調製した感光性樹脂組成物を、乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗布し、熱風対流式乾燥機を用いて100℃で10分間乾燥し、感光性樹脂フィルム(感光層)を形成した。
続いて、該感光性樹脂フィルム(感光層)のキャリアフィルムと接している側とは反対側の表面上に、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(MA-411、王子エフテックス株式会社製、商品名)を保護フィルムとして貼り合わせ、キャリアフィルム及び保護フィルムを貼り合わせた感光性樹脂フィルムを作製した。
作製した感光性樹脂フィルムに対して、ステッパー露光装置「UX-2240」(ウシオ電機株式会社製)を用いて露光を行った。露光後、室温で30分間放置した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、未露光部の感光性樹脂組成物を60秒間スプレー現像したところ、ビアの開口を確認できた。
作製した感光性樹脂フィルムを用いて、前記方法に従って各評価を行った。結果を表1に示す。
(A)成分;
・エチレン性不飽和基と共に酸性置換基及び脂環式骨格を有する光重合性化合物:「ZXR-1807H」(日本化薬株式会社製、商品名)[(A1)成分]
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート[(Aiii)成分]
(B)成分;
・縮合芳香環を有するエポキシ樹脂:ナフトール型エポキシ樹脂「エポトート(登録商標)ESN-475V」(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、商品名)、前記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂に相当する。[(B1)成分]
・ビフェニル型エポキシ樹脂:「NC-3000-L」(日本化薬株式会社製、商品名)[(B2)成分]
(C)成分;
・光重合開始剤1:2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-1-プロパノン、アセトフェノン類
・光重合開始剤2:2,4-ジエチルチオキサントン、チオキサントン類
・光重合開始剤3:4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン類
(D)成分;
・エラストマ:「エポリード(登録商標)PB3600」(株式会社ダイセル製、商品名)、エポキシ化ポリブタジエン
(E)成分;
・シリカ1:「SC-2050-LNF」(株式会社アドマテックス製、平均粒粒子径0.5μm、商品名)
・シリカ2:「KC180G-LJA」(株式会社アドマテックス製、平均粒子180nm、商品名)
(F)成分;
・硬化剤1:「フェノライト(登録商標)LA-7052」(DIC株式会社製、商品名)
(G)成分;
・硬化促進剤1:2-エチル-4-メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製)
・硬化促進剤2:1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製)
・硬化促進剤3:下記構造を有するエポキシアダクトイミダゾール(三菱ケミカル株式会社製)
・硬化促進剤4:2-ウンデシルイミダゾール(四国化成工業株式会社製)
・硬化促進剤5:イソシアネートマスクイミダゾール「G8009L」(第一工業製薬株式会社製、商品名)
さらに、以下に示す様に、前記(B1)成分を配合した場合と、(B1)成分を配合しなかった場合との対比を行った。
(感光性樹脂組成物の調製)
表2に示す配合組成及び配合量に従って組成物を配合し、メチルエチルケトンを希釈剤として用いて固形分濃度65質量%の感光性樹脂組成物を調製した。
(感光性樹脂フィルムの作製)
厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(HPE、帝人デュポン製、商品名)をキャリアフィルムとし、該キャリアフィルム上に、各例で調製した感光性樹脂組成物を、乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗布し、熱風対流式乾燥機を用いて100℃で10分間乾燥し、感光性樹脂フィルム(感光層)を形成した。
続いて、該感光性樹脂フィルム(感光層)のキャリアフィルムと接している側とは反対側の表面上に、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(MA-411、王子エフテックス株式会社製、商品名)を保護フィルムとして貼り合わせ、キャリアフィルム及び保護フィルムを貼り合わせた感光性樹脂フィルムを作製した。
一方で、作製した感光性樹脂フィルムを用いて、前記方法に従って各評価も行った。結果を表2に示す。
(B)成分;
・ビスフェノール系エポキシ樹脂:「YSLV-80XY」、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、商品名)[(B2)成分]
・エポキシ樹脂「YL9057」;多官能ノボラック型エポキシ樹脂、三菱ケミカル株式会社製、商品名、[(B2)成分]
・エポキシ樹脂「YL9058」;三菱ケミカル株式会社製、商品名、[(B2)成分]
・脂肪族鎖状エポキシ樹脂:「FOLDI-E201」(日産化学株式会社製、商品名)、分岐アルキル鎖状エポキシ樹脂、[(B2)成分]
(F)成分;
・硬化剤2:「EXB-8」(DIC株式会社製、商品名)、活性エステル系硬化剤
102 回路パターン
103 層間絶縁層
104 ビア(ビアホール)
105 シード層
106 レジストパターン
107 銅の回路層
108 ソルダーレジスト層
Claims (17)
- (A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物、(B)エポキシ樹脂及び(C)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物であって、前記(A)エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物が、(A1)エチレン性不飽和基と共に酸性置換基及び脂環式骨格を有する光重合性化合物を含み、前記(A1)成分は、(a1)脂環式骨格含有エポキシ樹脂を(a2)エチレン性不飽和基含有有機酸で変性した化合物に、(a3)飽和基又は不飽和基含有多塩基酸無水物を反応させてなる、(A1-1)酸変性エチレン性不飽和基及び脂環式骨格含有エポキシ誘導体であって、且つ、前記(a1)成分は、下記一般式(a1-1)で表されるエポキシ樹脂であるか又は下記一般式(a1-2)で表される構造単位を有するエポキシ樹脂であり、
前記(B)エポキシ樹脂が、(B1)縮合芳香環を有するエポキシ樹脂を含み、前記(B1)成分は、下記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂であり、且つ、さらに(G)硬化促進剤を含有する、感光性樹脂組成物。
(一般式(a1-1)中、RA1は炭素数1~12のアルキル基を表し、上記脂環式骨格中のどこに置換していてもよい。RA2は炭素数1~12のアルキル基を表す。m1は0~6の整数、m2は0~3の整数である。nは0~10である。)
(一般式(a1-2)中、RA1は炭素数1~12のアルキル基を表し、上記脂環式骨格中のどこに置換していてもよい。m1は0~6の整数である。)
(一般式(II)中、n2は1~10の整数を表す。) - (B1)縮合芳香環を含むエポキシ樹脂の含有量が、感光性樹脂組成物の固形分全量基準で0.5~40質量%である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)成分として、(B2)前記(B1)成分以外のエポキシ樹脂を含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B2)成分が、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノール系エポキシ樹脂及び脂環式骨格含有エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)成分中における前記(B1)成分の含有比率が5質量%以上である、請求項3又は4に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに(D)エラストマを含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに(E)無機充填材を含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- さらに(F)硬化剤を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(G)硬化促進剤が、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、ホスホニウム系硬化促進剤及び金属系硬化促進剤からなる群から選択される1種以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物からなる、フォトビア形成用感光性樹脂組成物。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物からなる、層間絶縁層用感光性樹脂組成物。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物からなる、感光性樹脂フィルム。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物からなる、層間絶縁層用感光性樹脂フィルム。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いて形成される層間絶縁層を含有してなる多層プリント配線板。
- 請求項12に記載の感光性樹脂フィルムを用いて形成される層間絶縁層を含有してなる多層プリント配線板。
- 請求項14又は15に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージ。
- 下記工程(1)~(4)を有する、多層プリント配線板の製造方法。
工程(1):請求項12に記載の感光性樹脂フィルムを、回路基板の片面又は両面にラミネートする工程。
工程(2):前記工程(1)でラミネートされた感光性樹脂フィルムに対して露光及び現像することによって、ビアを有する層間絶縁層を形成する工程。
工程(3):前記ビア及び前記層間絶縁層を粗化処理する工程。
工程(4):前記層間絶縁層上に回路パターンを形成する工程。
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