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JP7620847B2 - 防舷材用ゴム組成物とそれを用いた防舷材 - Google Patents

防舷材用ゴム組成物とそれを用いた防舷材 Download PDF

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Description

本発明は、たとえば岸壁等に設置されて、船舶等の接舷のエネルギーを吸収する防舷材を形成するための防舷材用ゴム組成物と、少なくとも一部、たとえば支承脚部等が当該防舷材用ゴム組成物の架橋物からなる防舷材に関するものである。
近年、防舷材には、架橋物のゴム硬さが大きいことが求められる場合がある(特許文献1等参照)。
特開2016-222830号公報 特開平7-188463号公報 架橋物のゴム硬さを大きくすると、防舷材に、船舶等の大型化に対応できる高い緩衝性能を付与することができる。 また防舷材を小型化して、設置場所でスペースを取らずに良好な緩衝性能を確保したり、使用材料を少なくして、生産コストを低減したりすることもできる。
防舷材を形成する架橋物のゴム硬さを大きくするためには、ゴムに、当該ゴムを架橋させるための架橋成分やフィラー等を配合して調製される防舷材用ゴム組成物における、上記フィラー、とくにカーボンブラックの割合を多くするのが一般的である。
しかし、カーボンブラック等のフィラーの割合を単純に多くした場合には、架橋前の防舷材用ゴム組成物の粘度が高くなって、加工性が低下する場合がある。
そして、防舷材用ゴム組成物を調製するために各成分を混練したり、防舷材を製造するために防舷材用ゴム組成物を混練したり任意の立体形状に成形加工したりするのが容易でなくなる場合がある。
たとえば特許文献1では、フィラーとして、ゴム100質量部あたり60質量部以上のカーボンブラックを配合することで、防舷材用ゴム組成物の架橋物のゴム硬さを大きくすることが検討されている。
そして架橋物のゴム硬さが、タイプAデュロメータ硬さで表してA77である実施例などが示されている。
しかし特許文献1では、防舷材用ゴム組成物の加工性については論じられておらず、とくに上記実施例などでは防舷材用ゴム組成物、そして防舷材を効率的に製造できないことが懸念される。
また防舷材用ゴム組成物においては、架橋物のゴム硬さに加えて、当該架橋物の伸びや引張強さ、さらには圧縮永久ひずみ等のゴムとしての物性(ゴム物性)を適度にバランスさせて、防舷材に良好な緩衝性能を付与することが肝要である。
しかし、ゴム硬さを高めるべくカーボンブラックの割合のみを多くすると、とくに架橋物の伸びが小さくなって、防舷材に良好な緩衝性能を付与できない、つまり求められている防舷材を実現できないことも懸念される。
本発明の目的は、架橋物のゴム硬さを大きくするべくカーボンブラックの割合を多くしても緩衝性能に優れた防舷材を形成できる上、加工性にも優れた防舷材用ゴム組成物と、少なくとも一部が当該防舷材用ゴム組成物の架橋物からなる防舷材とを提供することにある。
本発明は、架橋性のゴム、前記ゴムの総量100質量部あたり60質量部以上、90質量部以下のカーボンブラック、および前記ゴムを架橋させるための架橋成分を含み、前記ゴムは、エチレン含量が65質量%以上、80質量%以下であるエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを、前記ゴムの総量100質量部中に3質量部以上、35質量部以下の割合で含む防舷材用ゴム組成物である。
また本発明は、少なくとも一部が、前記本発明の防舷材用ゴム組成物の架橋物からなる防舷材である。
本発明によれば、架橋物のゴム硬さを大きくするべくカーボンブラックの割合を多くしても緩衝性能に優れた防舷材を形成できる上、加工性にも優れた防舷材用ゴム組成物と、少なくとも一部が当該防舷材用ゴム組成物の架橋物からなる防舷材とを提供することができる。
《防舷材用ゴム組成物》
上記のように本発明の防舷材用ゴム組成物は、架橋性のゴム、当該ゴムの総量100質量部あたり60質量部以上、90質量部以下のカーボンブラック、およびゴムを架橋させるための架橋成分を含み、ゴムは、エチレン含量が65質量%以上、80質量%以下である特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを、ゴムの総量100質量部中に3質量部以上、35質量部以下の割合で含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上記特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを上記所定の割合で含むことにより、架橋物のゴム硬さを大きくするべくカーボンブラックの割合を多くしても防舷材用ゴム組成物の粘度が高くなるのを抑えることができる。
そして、防舷材用ゴム組成物の加工性が低下するのを抑制することができる。
また、上記特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを上記所定の割合で含むことにより、カーボンブラックの割合を多くしても架橋物のゴム物性を適度にバランスさせて、防舷材に良好な緩衝性能を付与することもできる。
したがって本発明によれば、架橋物のゴム硬さを大きくするべくカーボンブラックの割合を多くしても緩衝性能に優れた防舷材を形成できる上、加工性にも優れた防舷材用ゴム組成物を提供することができる。
これらのことは、後述する実施例、比較例の結果からも明らかである。
なお特許文献2には、エチレン含量が50~85質量%のエチレン-プロピレン系共重合ゴム20~40質量部と、天然ゴム60~80質量部とを併用した防舷材用ゴム組成物が記載されている。
しかし特許文献2に記載の防舷材用ゴム組成物は、黒以外の任意の色の防舷材を形成するためにカーボンブラックを除く、非カーボンブラック補強系の組成物である(特許文献2の段落[0002]等)。
特許文献2には、カーボンブラックの割合を多くした際の課題を解決するために、エチレン-プロピレン系共重合ゴムのエチレン含量や配合割合を規定することについては一切記載されていない。
したがって特許文献2の記載は、本発明を教示したり示唆したりするものではない。
〈ゴム〉
上述したようにゴムとしては、エチレン含量が65質量%以上、80質量%以下である特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを、ゴムの総量100質量部中に3質量部以上、35質量部以下の割合で含む、2種以上の架橋性のゴムが用いられる。
(エチレン-αオレフィン系共重合ゴム)
ゴムのうち、エチレン-αオレフィン系共重合ゴムのエチレン含量が上記の範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、エチレン含量が65質量%未満では、とくにカーボンブラックの割合を多くした際に架橋物の伸びや引張強さが小さくなってしまい、防舷材に良好な緩衝性能を付与できない場合がある。
一方、エチレン含量が80質量%を超える場合には、とくにカーボンブラックの割合を多くした際に架橋物の圧縮永久ひずみが大きくなってしまい、やはり防舷材に良好な緩衝性能を付与できない場合がある。
これに対し、エチレン含量が上記の範囲にある特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを選択して用いることにより、カーボンブラックの割合を多くしても架橋物のゴム物性を適度にバランスさせて、防舷材に良好な緩衝性能を付与することができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、エチレン-αオレフィン系共重合ゴムのエチレン含量は、上記の範囲でも66質量%以上であるのが好ましく、77質量%以下であるのが好ましい。
エチレンとともに、上記特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを構成するαオレフィンとしては、たとえばプロピレン、ブテン、オクテン等が挙げられる。
また、特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムとしては、エチレンとαオレフィンとの共重合ゴムの他、エチレンとαオレフィンとジエンとの共重合ゴムを用いることもできる。
とくに硫黄架橋性の架橋成分を用いる場合には、後者の、エチレンとαオレフィンとジエンの共重合ゴムを用いるのが好ましく、ジエンとしては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン等が挙げられる。
また、ジエンを含む上記エチレン-αオレフィン系共重合ゴムにおけるαオレフィンとしては、プロピレンまたはブテンが好ましい。
特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムとしては、たとえばエチレン-プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン-ブテン共重合ゴム(EBR)、エチレン-オクテン共重合ゴム(EOR)、エチレン-プロピレン-ブテン共重合ゴム(EPBR)、エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM)、エチレン-ブテン-ジエン共重合ゴム(EBDM)、エチレン-プロピレン-ブテン-ジエン共重合ゴム(EPBDM)等であって、エチレン含量が前述した範囲にあるものを選択して用いることができる。
とくに、硫黄架橋性にすぐれたEPDM、および/またはEBDMが好ましい。
・ EPDM
EPDMとしては、エチレン、プロピレン、およびジエンを共重合させた種々の共重合体を用いることができる。
またEPDMとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、このいずれのEPDMを用いてもよい。
エチレン含量が前述した範囲にある、非油展EPDMの具体例としては、これに限定されないが、たとえば下記の各種EPDMが挙げられる。
住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)512F〔エチレン含量:65質量%、ジエン含量:4.0質量%〕、586〔エチレン含量:66質量%、ジエン含量:12.5質量%〕。
ダウ・ケミカル社製のNORDEL(ノーデル、登録商標)IP3720P〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:0.6質量%〕、IP3722P〔エチレン含量:71質量%、ジエン含量:0.5質量%〕、IP3745P〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:0.5質量%〕、IP3760P〔エチレン含量:67質量%、ジエン含量:2.2質量%〕、IP4725P〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP4760P〔エチレン含量:67質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP4770R〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP4770P〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP4785HM〔エチレン含量:68質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP3722P EL〔エチレン含量:71質量%、ジエン含量:0.5質量%〕、IP3745P EL〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:0.5質量%〕、IP4770P EL〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP4770R EL〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:4.9質量%〕。
JSR(株)製のEP51〔エチレン含量:67質量%、ジエン含量:5.8質量%〕。
三井化学(株)製の三井EPT 3092M〔エチレン含量:65質量%、ジエン含量:4.6質量%〕、X-3012P〔エチレン含量:72質量%、ジエン含量:3.6質量%〕、3092PM〔エチレン含量:65質量%、ジエン含量:4.6質量%〕。
また、エチレン含量が前述した範囲にある、油展EPDMの具体例としては、これに限定されないが、たとえば下記の各種EPDMが挙げられる。
住友化学(株)製のエスプレン6101〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:6.5質量%、油展量:70phr〕、600F〔エチレン含量:66質量%、ジエン含量:4.0質量%、油展量:100phr〕、670F〔エチレン含量:66質量%、ジエン含量:4.0質量%、油展量:100phr〕。
JSR(株)製のEP98〔エチレン含量:66質量%、ジエン含量:4.5質量%、油展量:75phr〕。
三井化学(株)製の三井EPT X-3042E〔エチレン含量:66質量%、ジエン含量:4.7質量%、油展量:120phr〕、3062EME〔エチレン含量:65質量%、ジエン含量:4.5質量%、油展量:20phr〕。
これら非油展EPDMおよび/または油展EPDMの1種または2種以上を用いることができる。
・ EBDM
EBDMとしては、エチレン、ブテン、およびジエンを共重合させた種々の共重合体を用いることができる。
またEBDMとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、このいずれのEBDMを用いてもよい。
エチレン含量が前述した範囲にある、非油展EBDMの具体例としては、これに限定されないが、たとえば下記のEBDMが挙げられる。
三井化学(株)製の三井EPT K-9720〔エチレン含量:77質量%、ジエン含量:10.4質量%〕。
これらEPDM、および/またはEBDM等の、エチレン含量が65質量%以上、80質量%以下である特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムの割合が、ゴムの総量100質量部中の3質量部以上、35質量部以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、上記特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムの割合がこの範囲未満では、当該エチレン-αオレフィン系共重合ゴムを配合することによる前述した効果が得られない場合がある。
具体的には、架橋物のゴム硬さを大きくするべくカーボンブラックの割合を多くした際に、防舷材用ゴム組成物の粘度が高くなって加工性が低下する場合がある。
また、とくに架橋物の伸びが小さくなって、防舷材に良好な緩衝性能を付与できない場合もある。
一方、特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムの割合が上記の範囲を超える場合には、とくにカーボンブラックの割合を多くした際に架橋物の引張強さが低下したり、圧縮永久ひずみが大きくなったりして、却って、防舷材の緩衝性能が低下する場合がある。
これに対し、上記特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムの割合を上記の範囲とすることにより、架橋物のゴム硬さを大きくするべくカーボンブラックの割合を多くしても緩衝性能に優れた防舷材を形成することができる。
また、加工性に優れた防舷材用ゴム組成物を得ることもできる。
すなわち、防舷材用ゴム組成物を調製するために各成分を混練したり、防舷材を製造するために防舷材用ゴム組成物を混練したり任意の立体形状に成形加工したりしやすくできる。
なお、これらの効果をより一層向上することを考慮すると、特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムの割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部中の4質量部以上、とくに5質量部以上であるのが好ましく、30質量部以下、中でも25質量部以下、とくに20質量部以下であるのが好ましい。
油展EPDM等の、油展タイプのエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを用いる場合、上記の割合は、油展タイプのエチレン-αオレフィン系共重合ゴム中に含まれる固形分(ゴム)としてのエチレン-αオレフィン系共重合ゴム自体の割合とする。
(他のゴム)
エチレン-αオレフィン系共重合ゴムと併用する他のゴムとしては、架橋性を有する種々のゴムを用いることができる。
ただし、架橋物のゴム物性を適度にバランスさせて防舷材に良好な緩衝性能を付与すること等を考慮すると、他のゴムとしては天然ゴムや、天然ゴムの構造を人工的に再現したポリイソプレン構造を備え、しかも架橋性を有するイソプレンゴム(IR)が好ましい。
中でも、架橋させた状態でのゴム分子同士の架橋構造が緩やかで緩衝性能にすぐれた防舷材を形成できる上、入手がしやすく、防舷材用ゴム組成物をコスト安価に製造できる点で、天然ゴムが好ましい。
天然ゴムとしては、たとえばTSR-20、RSS#3等の各種グレードの天然ゴムが挙げられる他、脱蛋白天然ゴム等を用いることもできる。
これら天然ゴムの1種または2種以上を用いることができる。
ゴムとしては、エチレン-αオレフィン系共重合ゴムと天然ゴムの2種のみ(それぞれのゴムについて、2種以上を併用する場合を含む。以下同様。)を用いてもよいし、かかる2種のゴムに、さらに他のゴムを併用してもよい。
他のゴムとしては、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水添アクリロニトリルブタジエンゴム(HNBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)、エピクロルヒドリンゴム等の合成ゴムの1種または2種以上が挙げられる他、エチレン含量が前述した範囲外であるEPDM、EBDM、EPM等の、特定以外の他のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを用いることもできる。
ただし、組成を簡略化して防舷材用ゴム組成物をコスト安価に製造することを考慮すると、ゴムとしては、エチレン含量が前述した範囲にある特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムと、天然ゴムの2種のみを併用するのが好ましい。
ゴムとして上記2種のみを併用する場合、天然ゴムの割合は、特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムの残量である。
すなわち天然ゴムの割合は、ゴムの総量100質量部中の65質量部以上、97質量部以下に限定され、中でも70質量部以上、とくに75質量部以上、とりわけ80質量部以上であるのが好ましく、96質量部以下、とくに95質量部以下であるのが好ましい。
〈カーボンブラック〉
カーボンブラックとしては、たとえばファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の、ゴムのフィラー(充填剤、補強剤)として機能しうる種々のカーボンブラックが使用可能である。
カーボンブラックの具体例としては、これに限定されないが、たとえば下記の各種カーボンブラックが挙げられる。
東海カーボン(株)製のシースト(登録商標)シリーズのうちシースト9H〔SAF-HS、窒素吸着比表面積:142m/g〕、シースト9〔SAF、窒素吸着比表面積:142m/g〕、シースト7HM〔N234、窒素吸着比表面積:126m/g〕、シースト6〔ISAF、窒素吸着比表面積:119m/g〕、シースト600〔ISAF-LS、窒素吸着比表面積:106m/g〕、シースト5H〔IISAF、窒素吸着比表面積:99m/g〕、シーストKH〔N399、窒素吸着比表面積:93m/g〕、シースト3H〔HAF-HS、窒素吸着比表面積:82m/g〕、シーストNH〔N351、窒素吸着比表面積:74m/g〕、シースト3〔HAF、窒素吸着比表面積:79m/g〕、シーストN〔LI-HAF、窒素吸着比表面積:74m/g〕、シースト300〔HAF-LS、窒素吸着比表面積:84m/g〕、シースト116HM〔MAF-HS、窒素吸着比表面積:56m/g〕、シースト116〔MAF、窒素吸着比表面積:49m/g〕、シーストSO〔FEF、窒素吸着比表面積:42m/g〕、シーストV〔GPF、窒素吸着比表面積:27m/g〕、シーストSVH〔SRF-HS、窒素吸着比表面積:32m/g〕、シーストFY〔SRF-HS、窒素吸着比表面積:29m/g〕、シーストS〔SRF、窒素吸着比表面積:27m/g〕、シーストSP〔SRF-LS、窒素吸着比表面積:23m/g〕、シーストTA〔FT級、窒素吸着比表面積:19m/g〕。
旭カーボン(株)製の旭#95〔窒素吸着比表面積:147m/g〕、旭#80〔ISAF、窒素吸着比表面積:115m/g〕、旭#70〔HAF、窒素吸着比表面積:77m/g〕、旭#70L〔窒素吸着比表面積:84m/g〕、旭AX-015〔窒素吸着比表面積:145m/g〕、旭F-200GS〔窒素吸着比表面積:51m/g〕、旭#65〔窒素吸着比表面積:42m/g〕、旭#60HN〔窒素吸着比表面積:48m/g〕、旭#60U〔窒素吸着比表面積:43m/g〕、旭#55〔窒素吸着比表面積:26m/g〕、旭#50HG〔窒素吸着比表面積:20m/g〕、旭#52〔窒素吸着比表面積:28m/g〕、旭#51〔窒素吸着比表面積:20m/g〕、旭#50U〔窒素吸着比表面積:27m/g〕、旭#50〔窒素吸着比表面積:23m/g〕、旭#35〔窒素吸着比表面積:24m/g〕、旭#22K〔窒素吸着比表面積:21m/g〕、旭#15HS〔窒素吸着比表面積:14m/g〕、旭#15〔窒素吸着比表面積:12m/g〕、旭#8〔窒素吸着比表面積:12m/g〕、アサヒサーマル〔窒素吸着比表面積:24m/g〕。
これらカーボンブラックの、1種または2種以上を用いることができる。
とくにカーボンブラックとしては、たとえばSAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、GPF、SRF等のファーネスブラックを用いるが好ましい。
〈カーボンブラックの割合〉
カーボンブラックの割合は、前述したように、ゴムの総量100質量部あたり60質量部以上、90質量部以下に限定される。
カーボンブラックの割合がこの範囲未満では、防舷材を形成する架橋物のゴム硬さを十分に大きくすることができず、船舶等の大型化に対応したり、防舷材を小型化した際に良好な緩衝性能を確保したりできない場合がある。
一方、カーボンブラックの割合が上記の範囲を超える場合には、前述した特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを、前述した所定の割合で配合しているにも拘らず、架橋前の防舷材用ゴム組成物の粘度が高くなって加工性が低下する場合がある。
また、とくに架橋物の伸びが小さくなって、防舷材に良好な緩衝性能を付与できない場合もある。
これに対し、カーボンブラックの割合を上述した範囲とすることで、さらにゴム硬さの大きい架橋物からなり、しかも緩衝性能にも優れた防舷材を形成できる上、より一層加工性にも優れた防舷材用ゴム組成物を得ることができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、カーボンブラックの割合は、上記の範囲でも、ゴムの総量100質量部あたり65質量部以上、とくに70質量部以上であるのが好ましく、85質量部以下、とくに80質量部以下であるのが好ましい。
なお、2種以上のカーボンブラックを併用する場合は、その合計の割合を、上記の範囲とすればよい。
〈架橋成分〉
ゴムを架橋させるための架橋成分としては、架橋剤、架橋促進剤等が挙げられる。
(架橋剤)
架橋剤としては、たとえば硫黄系架橋剤、過酸化物系架橋剤等が挙げられ、とくに硫黄系架橋剤が好ましい。
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄、オイル入り粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、分散性硫黄等の硫黄や、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N-ジチオビスモルホリン等の有機含硫黄化合物などが挙げられ、とくに硫黄が好ましい。
硫黄の割合は任意に設定できるものの、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下であるのが好ましい。
硫黄の割合がこの範囲未満では、防舷材用ゴム組成物の全体での架橋速度が遅くなり、架橋に要する時間が長くなって、防舷材の生産性が低下する場合がある。
また、硫黄の割合が上記の範囲を超える場合には、架橋後の圧縮永久ひずみが大きくなったり、過剰の硫黄が防舷材の表面にブルームしたりする場合がある。
なお硫黄として、たとえばオイル入り粉末硫黄、分散性硫黄等を用いる場合、上記の割合は、それぞれの中に含まれる有効成分としての硫黄自体の割合とする。
また、架橋剤として有機含硫黄化合物を使用する場合、その割合は、分子中に含まれる硫黄の、ゴムの総量100質量部あたりの割合が上記の範囲となるように調整するのが好ましい。
(架橋促進剤)
架橋促進剤としては、たとえば消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、下記の各種の有機促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1,3-ジフェニルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩等のグアニジン系促進剤。
2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系促進剤。
N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-シクロへキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系促進剤。
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系促進剤。
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛等のジチオカルバミン酸塩系促進剤。
N,N′-ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N′-ジエチルチオ尿素等のチオウレア系促進剤。
架橋促進剤の割合は、その種類によって任意に設定できるが、通常は、ゴムの総量100質量部あたり、個別に、0.2質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下であるのが好ましい。
〈その他〉
防舷材用ゴム組成物には、さらに必要に応じて、カーボンブラック以外の他の充填剤、老化防止剤、架橋助剤、可塑剤、ワックス、着色剤、粘着付与剤等を、任意の割合で配合してもよい。
(他の充填剤)
カーボンブラック以外の他の充填剤としては、たとえばシリカ等が挙げられる。
(老化防止剤)
老化防止剤としては、耐候性老化防止剤、耐熱老化防止剤等の、主な機能によって分類される種々の老化防止剤の1種または2種以上が挙げられる。
老化防止剤としては、たとえばN-フェニル-N′-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体等が挙げられる。
とくに、日光亀裂、オゾン亀裂、および屈曲亀裂などの防止効果に優れたN-フェニル-N′-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミンが好ましい。
老化防止剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
(架橋助剤)
架橋助剤としては、たとえば酸化亜鉛等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸その他、従来公知の架橋助剤の1種または2種以上が挙げられる。
架橋助剤の割合は、個別に、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、7質量部以下であるのが好ましい。
(可塑剤)
可塑剤としては、たとえばオイルや液状ゴムが挙げられる。
このうちオイルとしては、これに限定されないが、たとえば出光興産(株)製のダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW、NH、NP、NS、NR、NM、AC、AH等の各種グレードのオイルの1種または2種以上が挙げられる。
また液状ゴムとしては、たとえば液状イソプレンゴム、水添液状イソプレンゴム、液状ブタジエンゴム、液状スチレンブタジエンゴム、あるいはこれらの末端変性物等の1種または2種以上が挙げられる。
可塑剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり1質量部以上、とくに3質量部以上であるのが好ましく、30質量部以下、とくに13質量部以下であるのが好ましい。
(ワックス)
ワックスとしては、これに限定されないが、たとえば日本精蝋(株)製のオゾエース(登録商標)0355、大内新興化学工業(株)製のサンノック(登録商標)、サンノックN、サンノックP等が挙げられる。
これらのワックスは、老化防止剤との併用によって日光亀裂、オゾン亀裂を防止するために機能する。
ワックスの割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下であるのが好ましい。
防舷材用ゴム組成物は、たとえば上記各成分のうち架橋成分以外の各成分を、まずニーダー、バンバリミキサ等を用いて混練したのち、さらに架橋成分を加えて混練する等して調製できる。
〈防舷材用ゴム組成物の物性〉
調製した防舷材用ゴム組成物は、日本産業規格JIS K6300-1:2013「未加硫ゴム-物理特性-第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方」に規定された測定方法によって測定されるムーニー粘度ML(1+4)130℃が60以下、とくに50以下であるのが好ましい。
ムーニー粘度が上記の範囲を超える場合には加工性が低下して、防舷材用ゴム組成物を調製するために各成分を混練したり、調製した防舷材用ゴム組成物を混練したり成形したりしにくくなる場合がある。
とくに、防舷材用ゴム組成物の粘度が高くなり、成形時の発熱が大きくなってスコーチを生じやすくなるといった不具合を生じる場合がある。
これに対し、ムーニー粘度を上記の範囲とすることにより、防舷材用ゴム組成物を調製するために各成分を混練したり、調製した防舷材用ゴム組成物を混練したり成形したりしやすい状態を維持して、当該防舷材用ゴム組成物の加工性を向上することができる。
なお、ムーニー粘度を上記の範囲で微調整するためには、たとえばエチレン-αオレフィン系共重合ゴム、カーボンブラック、あるいはオイルなどの種類や量を調節すればよい。
また防舷材用ゴム組成物は、その架橋物が、下記の各ゴム物性を満足していることが好ましい。
・ 日本産業規格JIS K6253-3:2012「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-硬さの求め方-第3部:デュロメータ硬さ」において規定されたタイプAデュロメータ硬さがA73以上、A85以下。
・ 日本産業規格JIS K6251:2017「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」において規定された引張強さTが16MPa以上、とくに20MPa以上。
・ 上記JIS K6251:2017において規定された切断時伸びEが350%以上、とくに400%以上。
・ 日本産業規格JIS K6262:2013「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-常温,高温及び低温における圧縮永久ひずみの求め方」において規定された圧縮永久ひずみCSが30%以下、とくに20%以下。
これにより、上記各ゴム物性を適度にバランスさせて、防舷材に良好な緩衝性能を付与することができる。
調製した防舷材用ゴム組成物を用いて防舷材を製造する工程は、従来同様でよい。すなわち、製造する防舷材の大きさや形状に応じて成形、シート成形、組み立て、および架橋等の任意の工程を組み合わせて、防舷材を製造することができる。
《防舷材》
本発明の防舷材は、少なくともその一部、たとえば岸壁等に固定されて、船舶等の接舷によって弾性変形する支承脚部等が、上記本発明の防舷材用ゴム組成物の架橋物からなるものである。
本発明の防舷材の具体例としては、たとえば下記の各種防舷材が挙げられる。
・ 船舶等が接舷される平面状の受衝面を構成する頭部と、当該頭部から前後方向に拡開しながら垂下する一対の支承脚部とを、防舷材用ゴム組成物の架橋物によって一体に形成したアーチ型〔いわゆる逆V字型、ラムダ(λ)型、ベータ(β)型を含む)の防舷材。
・ 円盤状の頭部と、当該頭部から径方向に拡開しながら垂下する裁頭円錐状の支承脚部とを、防舷材用ゴム組成物の架橋物によって一体に形成した、いわゆるカッパ(κ)型の防舷材。
・ 鋼材等からなる頭部と、防舷材用ゴム組成物の架橋物からなり、当該頭部から前後方向に拡開しながら垂下する一対の支承脚部とを含む、いわゆるπ型の防舷材。
これら防舷材のいずれにおいても、支承脚部等を、前述した本発明の防舷材用ゴム組成物の架橋物によって形成することにより、架橋物のゴム硬さを大きくするべくカーボンブラックの割合を多くしても、良好な緩衝性能を維持することができる。
そのため、船舶等の大型化に対応したり、防舷材を小型化した際に良好な緩衝性能を確保したりすることが可能となる。
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいてさらに説明するが、本発明の構成は、必ずしもこれらの例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
(防舷材用ゴム組成物の調製)
ゴムとしては、特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムである、エチレン含量が77質量%のEBDM〔前出の、三井化学(株)製の三井EPT K-9720、エチレン含量:77質量%、ジエン含量:10.4質量%〕5質量部、および天然ゴム(TSR20品)95質量部を併用した。
両ゴムの総量100質量部を、下記表1に示す各成分とともに、3Lニーダーを用いて混練した。
Figure 0007620847000001
表1中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
カーボンブラック(i):HAF、前出の東海カーボン(株)製のシースト3、窒素吸着比表面積:79m/g
カーボンブラック(ii):GPF、前出の東海カーボン(株)製のシーストV、窒素吸着比表面積:27m/g
架橋助剤I:酸化亜鉛2種、三井金属鉱業(株)製
架橋助剤II:ステアリン酸、日油(株)製の商品名つばき
老化防止剤:N-フェニル-N′-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)6C
ワックス:前出の大内新興化学工業(株)製のサンノック
オイル:前出の出光興産(株)製のダイアナ プロセスオイルNH-70S
次いで、下記表2に示す架橋成分を加え、オープンロールを用いてさらに混練して防舷材用ゴム組成物を調製した。
Figure 0007620847000002
表2中の各成分は下記のとおり。また表中の質量部は、ゴムの総量100質量部あたりの質量部である。
架橋剤:鶴見化学工業(株)製の金華印5%油入微粉硫黄
促進剤NS:N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、スルフェンアミド系促進剤、大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)NS
EBDMの割合は、ゴムの総量100質量部中の5質量部、2種のカーボンブラックの合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり80質量部であった。
〈実施例2〉
EBDMの量を10質量部、天然ゴムの量を90質量部とし、かつカーボンブラック(i)の量を55質量部、カーボンブラック(ii)の量を25質量部としたこと以外は実施例1と同様にして防舷材用ゴム組成物を調製した。
EBDMの割合は、ゴムの総量100質量部中の10質量部、2種のカーボンブラックの合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり80質量部であった。
〈実施例3〉
EBDMの量を20質量部、天然ゴムの量を80質量部としたこと以外は実施例1と同様にして防舷材用ゴム組成物を調製した。
EBDMの割合は、ゴムの総量100質量部中の20質量部、2種のカーボンブラックの合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり80質量部であった。
〈実施例4〉
ゴムとして、エチレン含量が70質量%であるEPDM〔前出の、ダウ・ケミカル社製のノーデルIP4770P、エチレン含量:70質量%、ジエン含量:4.9質量%〕30質量部と、天然ゴム(TSR20品)70質量部とを併用し、かつカーボンブラック(i)の量を55質量部、カーボンブラック(ii)の量を25質量部としたこと以外は実施例1と同様にして防舷材用ゴム組成物を調製した。
EPDMの割合は、ゴムの総量100質量部中の30質量部、2種のカーボンブラックの合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり80質量部であった。
〈実施例5〉
ゴムとして、エチレン含量が66質量%であるEPDM〔前出の、住友化学(株)製のエスプレン512F、エチレン含量:65質量%、ジエン含量:4.0質量%〕20質量部と、天然ゴム(TSR20品)80質量部とを併用したこと以外は実施例1と同様にして防舷材用ゴム組成物を調製した。
EPDMの割合は、ゴムの総量100質量部中の20質量部、2種のカーボンブラックの合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり80質量部であった。
〈比較例1〉
ゴムとして、SBR〔JSR(株)製のJSR 1502、非油展〕30質量部と、天然ゴム(TSR20品)70質量部とを併用し、かつカーボンブラックとして、カーボンブラック(i)のみを90質量部配合するとともに、オイルの量を10質量部としたこと以外は実施例1と同様にして防舷材用ゴム組成物を調製した。
EPDMの割合は、ゴムの総量100質量部中の0質量部、カーボンブラックの割合は、ゴムの総量100質量部あたり90質量部であった。
〈比較例2〉
ゴムとして、エチレン含量が63質量%であるEPDM〔住友化学(株)製のエスプレン524、エチレン含量:63質量%、ジエン含量:4.5質量%〕30質量部と、天然ゴム(TSR20品)70質量部とを併用し、かつカーボンブラック(i)の量を55質量部、カーボンブラック(ii)の量を25質量部としたこと以外は実施例1と同様にして防舷材用ゴム組成物を調製した。
EPDMの割合は、ゴムの総量100質量部中の30質量部、2種のカーボンブラックの合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり80質量部であった。
〈比較例3〉
ゴムとして、エチレン含量が50質量%であるEPDM〔住友化学(株)製のエスプレン505A、エチレン含量:50質量%、ジエン含量:9.5質量%〕30質量部と、天然ゴム(TSR20品)70質量部とを併用し、かつカーボンブラック(i)の量を55質量部、カーボンブラック(ii)の量を25質量部としたこと以外は実施例1と同様にして防舷材用ゴム組成物を調製した。
EPDMの割合は、ゴムの総量100質量部中の30質量部、2種のカーボンブラックの合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり80質量部であった。
〈比較例4〉
ゴムとして、エチレン含量が66質量%であるEPDM〔前出の、住友化学(株)製のエスプレン512F、エチレン含量:65質量%、ジエン含量:4.0質量%〕40質量部と、天然ゴム(TSR20品)60質量部とを併用し、かつオイルを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして防舷材用ゴム組成物を調製した。
EPDMの割合は、ゴムの総量100質量部中の40質量部、2種のカーボンブラックの合計の割合は、ゴムの総量100質量部あたり80質量部であった。
〈ムーニー粘度試験〉
各実施例、比較例で調製した防舷材用ゴム組成物のムーニー粘度ML(1+4)130℃を、日本産業規格JIS K6300-1:2013「未加硫ゴム-物理特性-第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方」に規定された測定方法によって測定した。
ムーニー粘度ML(1+4)130℃は、60を超えるものを「×」、50を超え、60以下を「○」、50以下を「◎」と評価した。
〈サンプルの作製〉
各実施例、比較例で調製した防舷材用ゴム組成物を140℃で60分間プレス成形し、架橋させて、厚み2mmのシート状のサンプルを作製した。
〈ゴム硬さ試験〉
作製したシート状のサンプルを3枚重ねて、日本産業規格JIS K6253-3:2012「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-硬さの求め方-第3部:デュロメータ硬さ」に規定された試験片を作製し、標準試験温度下で、同規格に規定された測定方法に則って3秒後の数値を読み取ってタイプAデュロメータ硬さとした。
タイプAデュロメータ硬さは、A73以上、A85以下を「○」、それ以外を「×」と評価した。
〈引張試験〉
作製したシート状のサンプルを打ち抜いて、日本産業規格JIS K6251:2017「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に規定されたダンベル状3号形試験片を作製し、標準試験温度下で、同規格に規定された引張試験をして引張強さT(MPa)、および切断時伸びEb(%)を求めた。
引張強さTは、16MPa未満を「×」、16MPa以上、20MPa未満を「○」、20MPa以上を「◎」と評価した。
また切断時伸びEbは、350%未満を「×」、350%以上、400%未満を「○」、400%以上を「◎」と評価した。
〈圧縮永久ひずみ試験〉
各実施例、比較例で調製した防舷材用ゴム組成物を型加硫して、日本産業規格JIS K6262:2013「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-常温,高温及び低温における圧縮永久ひずみの求め方」に規定された大型試験片を作製し、同規格に規定された圧縮永久ひずみ試験をして、70℃×24時間後の圧縮永久ひずみCS(%)を求めた。
圧縮永久ひずみCS(%)は、30%を超えるものを「×」、20%を超え、30%以下を「○」、20%以下を「◎」と評価した。
以上の結果を表3、表4に示す。
Figure 0007620847000003
Figure 0007620847000004
表3、表4の実施例1~5、比較例1~4の結果より、エチレン含量が65~80質量%である特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを、ゴムの総量100質量部中に3~35質量部の割合で含むことにより、架橋物のゴム硬さを大きくするべくカーボンブラックの割合を、ゴムの総量100質量部あたり60~90質量部としても、防舷材用ゴム組成物の粘度が高くなって加工性が低下するのを抑制できることが判った。
また、上記所定の割合で上記特定のエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを含むことにより、カーボンブラックの割合を上記の範囲としても架橋物のゴム物性を適度にバランスさせて、防舷材に良好な緩衝性能を付与できることも判った。
また実施例1~5の結果より、エチレン-αオレフィン系共重合ゴムは、さらにジエンを含む共重合ゴムであって、αオレフィンは、プロピレンまたはブテンであるのが好ましいこと、ゴムは、エチレン-αオレフィン系共重合ゴム、および天然ゴムの2種であるのが好ましいことが判った。

Claims (8)

  1. 架橋性のゴム
    記ゴムの総量100質量部あたり60質量部以上、90質量部以下のカーボンブラック、およ
    記ゴムを架橋させるための架橋成分を含み
    記ゴムは、エチレン含量が65質量%以上、80質量%以下であるエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを含み、
    当該エチレン-αオレフィン系共重合ゴムは、エチレン-プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン-ブテン共重合ゴム(EBR)、エチレン-オクテン共重合ゴム(EOR)、エチレン-プロピレン-ブテン共重合ゴム(EPBR)、エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム(EPDM)、エチレン-ブテン-ジエン共重合ゴム(EBDM)、エチレン-プロピレン-ブテン-ジエン共重合ゴム(EPBDM)から選択されるものを用い、かつ
    前記架橋成分は、硫黄系架橋剤を用いる(但し、加硫剤として過酸化物を含み、かつ共架橋剤としてアクリル酸亜鉛またはメタクリル酸亜鉛を含み、更に、液状ポリブタジエンを含む場合を除く)、防舷材用ゴム組成物。
  2. 架橋性のゴム、前記ゴムの総量100質量部あたり60質量部以上、90質量部以下のカーボンブラック、および前記ゴムを架橋させるための架橋成分を含み、前記ゴムは、エチレン含量が65質量%以上、80質量%以下であるエチレン-αオレフィン系共重合ゴムを、前記ゴムの総量100質量部中に3質量部以上、35質量部以下の割合で含む防舷材用ゴム組成物であって、
    架橋物のタイプAデュロメータ硬さがA73以上、A85以下である、防舷材用ゴム組成物。
  3. 前記ゴムは、前記エチレン-αオレフィン系共重合ゴム、および天然ゴムの2種である請求項1または2に記載の防舷材用ゴム組成物。
  4. ムーニー粘度ML(1+4)130℃が60以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の防舷材用ゴム組成物。
  5. 前記カーボンブラックの割合がゴムの総量100質量部あたり65質量部以上90質量部以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の防舷材用ゴム組成物。
  6. 架橋物の引張強さTが16MPa以上である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の防舷材用ゴム組成物。
  7. 架橋物の切断時伸びEbが350%以上である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の防舷材用ゴム組成物。
  8. 少なくとも一部が、前記請求項1ないし7のいずれか1項に記載の防舷材用ゴム組成物の架橋物からなる防舷材。
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