JP7574697B2 - 絶縁回路基板の製造方法 - Google Patents
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Description
なお、セラミックス板と金属板とをろう付けする場合は、金属板が銅又は銅合金板である場合、ろう材には活性金属を含むAg-Ti系やAg-Cu-Ti系のろう材ものが用いられる。
一般的にセラミックス板の外周部には製造過程で製品部分となるセラミックス板を保護するために「ダミー部」が存在する。通常、このセラミックス板の露出している二つの角部をその後のレジスト印刷時の基準としている。
前記積層工程では、前記セラミックス板と前記金属板との一つの角部を揃えた状態に位置決めすることにより、該一つの角部に対向する角部を構成する二辺に、セラミックス板のダミー部を形成しており、
前記接合工程では、前記ダミー部において、溶融した前記ろう材の広がり領域の外縁が、前記金属板の熱膨張により広がる外縁より内側に配置される。
接合工程で、このダミー部において、溶融したろう材の広がり領域の外縁が、金属板の熱膨張による広がる外縁より内側に配置されるようにすることにより、ダミー部のセラミックス板上に溶融ろう材が流れ出すことが抑制され、金属板表面へのろう材の這い上がりを抑制する。
そこで、切り落とされた金属板の搬送方向後方側の切断端部をセラミックス板のダミー部に配置して、そのバリをダミー部の表面に重ねることにより、接合工程時に溶融したろう材をバリによりせき止める効果が大きく、金属板の外に流れ出ることを有効に防止できる。
本実施形態の製造方法で製造される絶縁回路基板1は、例えば電源回路に用いられるパワーモジュール用基板である。この絶縁回路基板1は、図2に示すように、矩形状のセラミックス基板2と、そのセラミックス基板2の一方の面に形成された回路層3と、セラミックス基板2の他方の面に形成された放熱層4と、を有している。これら回路層3及び放熱層4は、セラミックス基板2より平面形状が小さく、周囲にセラミックス基板2が露出している。図2等には、便宜上、回路層3、放熱層4とも矩形状のものとして示しているが、その平面形状は特に限定されるものではない。
この絶縁回路基板1は、図1に示すように、セラミックス板形成工程S1、金属板形成工程S2、積層工程S3、接合工程S4、エッチング工程S5、分割工程S6を経て製造される。セラミックス板形成工程S1と金属板形成工程S2とは、その順序は問われず、いずれを先に実施してもよく、同時進行してもよい。
以下、工程順に説明する。回路層3と放熱層4とは、エッチング工程でのエッチングの形状が異なる以外、金属板形成工程S2、積層工程S3、接合工程S4、エッチング工程S5を経て形成され、最後の分割工程S6により、回路層3及び放熱層4を有する絶縁回路基板1が形成される。以下では、回路層3と放熱層4とに対して同じ処理内容である場合には、特に回路層3と放熱層4とを区別することなく説明する。
図3等に示すように、複数個のセラミックス基板2を形成し得る十分な大きさの1枚のセラミックス板11を用意し、その片面又は両面に、レーザ加工で溝状の分割用スクライブライン(以下、単にスクライブラインと称す)12を形成する(図5等には片面にスクライブライン12を形成した例を示す)。このスクライブライン12で分割することにより、複数個のセラミックス基板2を得ることができる。スクライブライン12は、セラミックス板11に縦横に複数本ずつ形成されることにより、複数個(図示例では3×4=12個)のセラミックス基板2を区画するとともに、セラミックス板11の周縁部に、製品としないダミー部13を形成している。ダミー部13は、0.3mm以上20mm以下の幅で形成することが好ましい。0.3mm未満では、後の分割工程でセラミックス板11を分割するのが難しくなるおそれがある。20mmを超えると材料に無駄が生じ、コスト高を招く。
図3等において、セラミックス板11の右上の切り欠き16は、セラミックス板11の方向識別のために設けられる。
回路層12及び放熱層4を形成するための金属板21は、スクライブライン12で区画されたセラミックス板11のすべてのセラミックス基板2を一体に覆うことができる大きさであり、図6に示すように、セラミックス板11の一つの角部14を構成する二辺15a,15bに自身の二辺22a,22bを揃えた状態で、他の二辺22a,22bがダミー部13上にはみだす大きさに形成される。
また、この金属板12は、長尺な板素材(長尺材)31を長さ方向に間欠的に搬送しながらシャー32により切断して形成される。この板素材31の幅は予め金属板21の幅に形成されており、金属板21の長さに合わせて切断することにより、金属板21として使用することができる。
まず、図4及び図5に示すように、セラミックス板11にろう材41を配置する。ろう材41はペースト状のもの、矩形状に形成した箔状のもののいずれを用いてもよい。いずれの場合も、ろう材41は、金属板21が揃えられる二辺15a,15bを構成するダミー部13、及び、スクライブライン12で区画された製品(セラミックス基板2)となる部分の全領域を覆い、かつ、金属板21が揃えられる二辺15a,15bを構成するダミー部13とは反対側のダミー部13に一部がはみ出した状態に設けられる。
なお、図6の積層状態において、セラミックス板11に形成しておいた切り欠き16は露出した状態である。
一方、金属板形成工程において搬送方向前方側に配置されていた切断端部24は、搬送方向後方側の切断端部23のバリ25の突出方向とは逆方向にバリ25が生じ、その反対側はだれ面26に形成されているので、セラミックス板11にはだれ面26側が重ね合わせられることになる(図9参照)。
このようにしてろう材41を介して積層したセラミックス板11と金属板21との積層体を加圧状態で加熱炉内に設置し、真空雰囲気下で接合温度に加熱した後冷却することにより、セラミックス板11に金属板21を接合する。この場合の接合条件としては、例えば0.03MPa以上0.25MPa以下の荷重で積層体を加圧し、10-6Pa以上10-3Pa以下の真空雰囲気下で、例えば790℃以上850℃以下の接合温度で、1分~60分の加熱とする。
このため、金属板21とセラミックス板11との間、及びセラミックス板11からはみ出している金属板21どうしの間に、余剰の溶融ろう材41が貯留される。なお、このセラミックス板11と金属板21とが揃えられた部分では、これらの側面に溶融ろう材41が流れ出たとしてもこぶ状に固化するため、金属板21の表面への這い上がりは防止される。
セラミックス板11において露出している二つの対向角部P.Q(図6参照)を基準として金属板21の上にレジスト膜を印刷して、エッチングすることにより、金属板21の不要部分を除去する。具体的には、セラミックス板11のスクライブライン12上の部分を所定幅でスクライブライン12に沿って除去するとともに、回路層3となる金属板21においては、回路層3として要求されるパターン形状に形成する。
前述したように、金属板21表面へのろう材14のはい這い上がりが抑制されているので、金属板21の切断端部23の付近においてもレジスト膜を確実に形成することができ、エッチング不良の発生が防止される。
エッチング工程で露出したセラミックス板11のスクライブライン12でセラミックス板11を分割することにより、セラミックス基板2の表面に回路層3、反対側の表面に放熱層4を形成した絶縁回路基板1が複数形成される。ダミー部13の部分は廃棄される。
セラミックス板として複数個のセラミックス基板を形成できる大きさとしたが、その数は限定されない。1個のセラミックス基板を形成できるセラミックス板であっても、本発明を適用することができる。
また、所定幅の板素材をシャーによって切断することにより金属板を形成したが、プレスによる打ち抜きによって形成してもよい。
さらに、実施形態ではパワーモジュール用基板として説明したが、パワーモジュール用基板以外の絶縁回路基板に適用可能である。
ろう材の広がり率(%)は、(接合前のろう材ペースト乾燥後の面積/接合後のろう材面積)×100で求めた。接合前のろう材ペースト乾燥後の面積は、画像寸法測定機で測定して求め、接合後のろう材面積は、超音波探傷検査装置でろう材存在箇所の面積を求めた。
接合信頼性は、超音波探傷装置を用いて、接合後のセラミックス板と金属板の界面を観察し、その二値化画像から白色で示される非接合部を除く接合面積を測定し、その接合率が金属板の面積に対し、95%以上を「〇」、90%以上95%未満を「△」、90%未満を「×」として接合信頼性を評価した。
そして、接合信頼性及びろう材這い上がりのいずれかもが「〇」の評価の場合を総合評価で「〇」、いずれかが「△」であったものを総合評価で「△」、いずれかが「×」であったものを総合評価で「×」とした。
その結果を図10に示す。図10において、各荷重におけるろう材広がり率の最上段のものが接合温度のピークが840℃、中断のものが825℃、下段のものが800℃に相当する。それぞれの評価も上段、中断、下段の値に対するものを上段、中断、下段にそれぞれ記載した。
したがって、接合後の金属板の面積が、このろう材広がり率で広がるろう材の広がり面積より大きくなるように設計すれば、ろう材這い上がりもなく、かつ接合信頼性の良好な絶縁回路基板を得ることができる。
その結果、ろう材の這い上がりもなく、接合信頼性の良好な絶縁回路基板を得ることができた。
2 セラミックス基板
3 回路層
4 放熱層
11 セラミックス板
12 スクライブライン
13 ダミー部
14 角部
15a,15b 辺
16 切り欠き
21 金属板
21a 表面
21b 裏面
22a~22d 辺
23,24 切断端部
25 バリ
26 だれ面
27 破断面
28 せん断面
31 板素材
32 シャー
33 搬送台
35 上刃
36 下刃
Claims (3)
- 分割用スクライブラインが形成された矩形状のセラミックス板と金属板とをろう材を介して積層する積層工程と、積層体を加熱してろう材を溶融させた後、冷却することにより前記セラミックス板と前記金属板とを接合する接合工程と、接合工程後に前記金属板をエッチングして不要部分を除去するエッチング工程と、エッチング工程後に前記セラミックス板を前記スクライブラインに沿って分割することにより複数の絶縁回路基板を形成する分割工程と、を有する絶縁回路基板の製造方法であって、
前記積層工程では、前記セラミックス板と前記金属板との一つの角部を揃えた状態に位置決めすることにより、該一つの角部に対向する角部を構成する二辺に、セラミックス板のダミー部を形成しており、
前記接合工程では、前記ダミー部において、溶融した前記ろう材の広がり領域の外縁が、前記金属板の熱膨張により広がる外縁より内側に配置されることを特徴とする絶縁回路基板の製造方法。 - 前記金属板を板素材から切断して形成する金属板形成工程を有し、前記積層工程では、前記金属板の切断端部において、バリが出ている側の面を前記セラミックス板の前記ダミー部の表面に重ねることを特徴とする請求項1に記載の絶縁回路基板の製造方法。
- 前記板素材は前記金属板の幅に設定された長尺材であり、前記金属板形成工程では、前記板素材を長さ方向に間欠的に搬送しながらシャーにより前記金属板の長さに切断して前記金属板を形成し、前記積層工程では、前記金属板の前記金属板形成工程における搬送方向の後方側の切断端部を前記ダミー部に配置し、かつ該切断端部のバリが出ている側の面を前記ダミー部の表面に重ねることを特徴とする請求項2に記載の絶縁回路基板の製造方法。
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