JP7573991B2 - シュー皮の製造方法 - Google Patents
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Description
澱粉質原料としては、強力粉、中力粉、薄力粉、小麦全粒粉、焙焼小麦粉、玄米粉、ライ麦粉、大麦粉、とうもろこし粉、米粉等の穀物粉や、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、甘蔗澱粉、くず澱粉等の澱粉及びこれらのα化、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理、酸化処理等の処理を施した加工澱粉が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
卵は、例えば、全卵、卵白、卵黄、加糖全卵、加糖卵白、加糖卵黄、酵素処理全卵、酵素処理卵白、酵素処理卵黄などが例示でき、これらから選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。また卵の形態としては液卵、殺菌液卵、冷凍卵、乾燥卵などが例示できる。冷凍卵は解凍、乾燥卵は水に溶解するなどの処理を行った後に使用できる。
可塑性油脂や流動性油脂に高融点油脂を分散させた状態の場合には、高融点油脂は、分散媒である可塑性油脂や流動性油脂に分散質として分散している必要があり、高融点油脂が分散媒である油脂に融解している状態は本発明の範囲には当たらない。また、高融点油脂が乳化形態をとる場合には、連続相である水相に高融点油脂の油相が乳化している状態であり、例えばO/W/O型乳化物の形態をとる場合には、内油相が高融点油脂である。
高融点油脂添加工程は、混合物に卵が添加された後に行うことにより、卵が添加された混合物の温度を高融点油脂の融点よりも低い温度に調整することが容易となる。
焼成工程は、例えば、天板等に混合物である生地を搾って、例えばオーブンなどの焼成装置に入れて焼成することにより行われる。焼成温度は、特に限定されないが、170~240℃が好ましく、180~230℃がより好ましい。焼成時間は、10~45分が好ましく、20~40分がより好ましい。
(シュー皮の作成)
表1に示す原料配合で、比較例1乃至5及び実施例1乃至6のシュー皮を作成した。尚、表1の数値は、小麦粉100質量部に対する各原料の質量部である。
澱粉質原料としての小麦粉は、(「製品名:ハート」、日本製粉株式会社製)を用いた。
卵は、(「製品名:エクセルエッグHV」、キューピータマゴ株式会社製)を用いた。
当該ハイエルシン菜種極度硬化油の融点は61℃である(基準油脂分析試験法2.2.4.2-1996(日本油化学会)にて測定)。また、ヨウ素価は、0.1である(基準油脂分析試験法3.3.3-2013(日本油化学会)にて測定)。O/W型乳化物Aを20質量部用いることで、表1に記載の高融点油脂を添加した。
当該パーム核極度硬化油の融点は38℃である(基準油脂分析試験法2.2.4.2-1996(日本油化学会)にて測定)。また、ヨウ素価は0.6である(基準油脂分析試験法3.3.3-2013(日本油化学会)にて測定)。
O/W型乳化物Bを20質量部用いることで、表1に記載の高融点油脂を添加した。
(加熱工程)
小麦粉に対して140質量部の水及び上記の油脂、食塩を混合して混合溶液とし、この混合溶液が沸騰するまで加熱した。
加熱工程で得られた上記混合溶液に、上記小麦粉を添加し縦型ミキサー(「製品名 HPi-20M: 関東混合機工業株式会社製)を用いて、3速(中高速)で2~3分間混合して糊状の混合物を得た。
混合工程で得られた混合物に対して、ミキサー(「製品名:HPi-20M 」、関東混合機工業株式会社製)を用いて撹拌しながら(3速で4-5 分間)、上記卵を数回に分けて添加、混合した。
その後、予め上記卵の一部に炭酸水素アンモニウムを溶解させた混合物を投入し、さらにその後に調製用の卵を投入し生地の硬さを調整した。
高融点油脂は、上記卵添加工程において卵の一部に溶解させておいた炭酸水素アンモニウムを投入すると同時に添加し混合した。高融点油脂添加前の混合物の温度は30~35℃であった。混合の条件は上記の通りであるので省略する。尚、比較例1のシュー皮は、高融点油脂を含まないため本工程を省略して作製した。
上記の工程により得られた混合物である生地を天板上に25g/個絞り出し、上火190℃、下火210℃で13分焼成し、その後上火200℃、下火180℃で15分焼成した。
比較例2乃至5のシュー皮の作製は、上記の実施例1乃至6及び比較例1のシュー皮の作製工程に準ずるが、高融点油脂添加工程が加熱工程における加熱前に行う点で異なる。その余の工程は、実施例1乃至6及び比較例1のシュー皮の製造工程と同一であるので、説明を省略する。
比較例1乃至5及び実施例1乃至6のシュー皮を、焼成後、常温で1日保管した後、体積測定装置(製品名:「Volscan Profiler 600」、Stable Micro System社製)を使用してのボリューム(体積)を測定した。この測定は、各実施例、比較例における5個のシュー皮について行い、その平均値を算出した。その平均値を表2に示す。
テクスチャーアナライザー(Stable Micro System社製)を使用して、比較例1乃至3及び実施例1乃至4のシュー皮を押圧した際の荷重を測定した。具体的には、シュー皮の上面から底面に向かって直径が15mmの円柱型治具でシュー皮を定速(2mm/s)で10mm押圧した際の最大荷重を測定した。この測定は、各実施例、比較例における8個のシュー皮について行い、その平均値を算出した。その平均値を表2に示す。
10名のパネラーにより、比較例1乃至5及び実施例1乃至6のシュー皮を食して、シュー皮の食感(歯切れ)の官能評価を行った。それぞれの食感の基準は、以下の基準で行った。各々パネラーによる評価のポイントの平均値を表2に示す。
2 比較例1よりもとても良い
1 比較例1よりも良い
0 比較例1と同じ
-1 比較例1よりも悪い
表3に示すように、実施例1乃至6のシュー皮は、比較例1よりも押圧荷重が高いことが分かった。また、比較例2乃至5のシュー皮は、比較例1よりも押圧荷重が高いことが分かった。すなわち、高融点油脂を添加したシュー皮(実施例1乃至6及び比較例2乃至5)は、極度硬化油が添加されていないシュー皮(比較例1)よりもかたい傾向にあった。
表2に示すように、実施例1乃至6のシュー皮は、比較例1よりも歯切れが改善されていることが分かった。また、比較例2乃至3のシュー皮は、比較例1よりも歯切れが改善されていたが、同様に高融点油脂を10質量部添加した実施例2と比較例3を比較すると、比較例3よりも実施例2の歯切れの評価が高かった。また、実施例4は、実施例1、2及び3よりも歯切れの評価が低かった。
一方、実施例4は、実施例1乃至3及び比較例2、3よりも押圧荷重が高いが、かたすぎることでむしろ歯切れの評価がやや低下したものと推察される。
表2に示すように、実施例1乃至6のシュー皮は、比較例1とボリュームが同程度であることが分かった。また、比較例2乃至5のシュー皮は、比較例1よりもボリュームが低いことが分かった。特に、比較例3のシュー皮は、実施例1乃至6のシュー皮よりも明らかに形状が歪んでおり、また実施例1乃至6のシュー皮よりも目視可能な窪みや孔が散見された。
Claims (4)
- 油脂及び水分原料を含む油水含有原料を混合し、前記油水含有原料が沸騰するまで加熱する加熱工程と、
前記油水含有原料及び澱粉質原料を混合して糊状の混合物を得る混合工程と、
前記混合物に卵を添加する卵添加工程と、
前記混合工程又は、前記卵添加工程において、前記混合物又は前記卵が添加された前記混合物に高融点油脂を添加する高融点油脂添加工程と、
前記高融点油脂を添加した混合物を成形し、焼成する焼成工程と、を含み、
前記高融点油脂の融点が35℃~80℃であり、
前記高融点油脂の粒径が1000μm以下であり、
前記高融点油脂添加工程における前記混合物又は前記卵が添加された前記混合物の温度が、前記高融点油脂の融点よりも低い温度であることを特徴とするシュー皮の製造方法。 - 前記高融点油脂の融点が50℃~80℃であることを特徴とする請求項1に記載のシュー皮の製造方法。
- 前記高融点油脂の粒径が、500μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシュー皮の製造方法。
- 前記高融点油脂を添加した前記混合物は、前記高融点油脂を前記澱粉質原料100質量部に対して1~20質量部含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシュー皮の製造方法。
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