[go: up one dir, main page]

JP7565155B2 - 液状皮膚洗浄剤組成物 - Google Patents

液状皮膚洗浄剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7565155B2
JP7565155B2 JP2019203025A JP2019203025A JP7565155B2 JP 7565155 B2 JP7565155 B2 JP 7565155B2 JP 2019203025 A JP2019203025 A JP 2019203025A JP 2019203025 A JP2019203025 A JP 2019203025A JP 7565155 B2 JP7565155 B2 JP 7565155B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid skin
weight
component
potassium
fatty acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019203025A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021075481A (ja
Inventor
武 八坂
亜也加 大田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2019203025A priority Critical patent/JP7565155B2/ja
Publication of JP2021075481A publication Critical patent/JP2021075481A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7565155B2 publication Critical patent/JP7565155B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)

Description

本発明は液状皮膚洗浄剤組成物に関する。より具体的には、本発明は、不溶物の生成が抑制され且つ泡質が良好な液状皮膚洗浄剤組成物に関する。
脂肪酸石鹸は、肌上でのすすぎが速い、生分解性が高い等の特性を有しているため、肌及び環境への負荷が少ない洗浄剤として知られている。脂肪酸石鹸を含む皮膚洗浄剤組成物は、このような特性を支持するユーザによって好んで使用されている。特に、脂肪酸カリウムは液状皮膚洗浄剤組成物に用いられており、使い勝手に優れている。
一方で、脂肪酸カリウム石鹸を含む液状皮膚洗浄剤組成物は、低温安定性や泡質等の向上を目指して様々な製剤化技術が検討されている。例えば、特許文献1には、所定量のエタノールと、所定量且つ所定の直鎖脂肪酸アルカノールアミド型非イオン界面活性剤と、所定量且つ所定組成の脂肪酸およびそのカリウム塩を含有する石鹸系皮膚洗浄剤が、低温で長期間透明性を保ち、泡質等が良好であることが記載されている。
特開2017-105737号公報
特許文献1の石鹸系皮膚洗浄剤は、所望の低温安定性を得るために刺激性のあるエタノールを所定量要する処方であることから、石鹸系洗浄剤のユーザにエタノールアレルギー等の肌が敏感な人が含まれていることに鑑みると対象者が制限される。それに加えて、当該石鹸系皮膚洗浄剤は、所望の低温安定性及び泡質を得るために直鎖脂肪酸アルカノールアミド型非イオン界面活性剤の種類及び量と共に脂肪酸およびそのカリウム塩の組成及び量も制限されるため、様々な製剤処方に適用できなくなる場合もある。
本発明者は、上述のような制限にとらわれない液状の石鹸系皮膚洗浄剤の処方を検討したところ、低温安定性(つまり、低温条件下での保存における不溶物の生成抑制)及び泡質(つまり、泡のきめ細やかさ)の課題だけでなく、高温安定性(つまり、高温条件下での保存における不溶物の生成抑制)の課題にも直面した。
そこで、本発明は、液体の石鹸系皮膚洗浄剤において、優れた高温安定性と低温安定性とを有し、且つ良好な泡質の泡が得られる新たな製剤処方を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を行ったところ、脂肪酸カリウムにグリセリンを所定量配合することで、上記の本発明の目的が達成できることを見出した。本発明は、この知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)脂肪酸カリウム石鹸と、(B)グリセリン22~50重量%とを含む、液状皮膚洗浄剤組成物。
項2. 更に(C)キレート剤を含む、項1に記載の液状皮膚洗浄剤組成物。
項3. 前記(A)成分が、ラウリン酸カリウム及びミリスチン酸カリウムを含む、項1又は2に記載の液状皮膚洗浄剤組成物。
項4. 前記(A)成分に要する脂肪酸1重量部当たりの前記(B)成分の含有量が、5~15重量部である、項1~3のいずれかに記載の液状皮膚洗浄剤組成物。
項5. pHが9~11である、項1~4のいずれかに記載の液状皮膚洗浄剤組成物。
項6. 泡吐出容器に充填される、項1~5のいずれかに記載の液状皮膚洗浄剤組成物。
項7. (A)脂肪酸カリウム石鹸を含む液状皮膚洗浄剤組成物において、(B)グリセリン22~50重量%を配合することを含む、液状皮膚洗浄剤組成物の不溶物生成抑制方法。
項8. (A)脂肪酸カリウム石鹸を含む液状皮膚洗浄剤組成物において、(B)グリセリン22~50重量%を配合することを含む、液状皮膚洗浄剤組成物の泡質向上方法。
本発明の液体の石鹸系皮膚洗浄剤によると、高温及び低温の環境下で不溶物の生成が抑制され、且つ良好な泡質の泡を得ることができる。
1.液状皮膚洗浄剤組成物
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物は、(A)脂肪酸カリウム石鹸(以下、「(A)成分とも記載する」)と、所定量の(B)グリセリン(以下、「(B)成分とも記載する」)とを含有することを特徴とする。以下、本発明の液状皮膚洗浄剤組成物について詳述する。
(A)脂肪酸カリウム石鹸
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物は、(A)成分として脂肪酸カリウム石鹸を含む。脂肪酸カリウム石鹸としては、高級脂肪酸のカリウム塩であれば特に限定されない。具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸等の炭素数12~22の高級脂肪酸のカリウム塩が挙げられる。これらの中でも、高温及び低温環境下での不溶物生成抑制及び/又は泡質向上効果をより好ましく得る観点から、好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の炭素数12~18の高級脂肪酸のカリウム塩が挙げられ、より好ましくは、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウムが挙げられ、更に好ましくは、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウムが挙げられる。
これらの脂肪酸カリウム石鹸は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
高温及び低温環境下での不溶物生成抑制及び/又は泡質向上効果をより好ましく得る観点から、(A)成分には少なくともラウリン酸カリウム及びミリスチン酸カリウムが含まれていることが好ましく、(A)成分がラウリン酸カリウム及びミリスチン酸カリウムであることがより好ましい。
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物中における(A)成分の含有量としては特に限定されず、例えば、(A)成分に要する脂肪酸の重量として、1~10重量%となる量が挙げられる。
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物は泡質に優れているため、(A)成分の含有量が少ない場合であっても、優れた泡質の泡を得ることができる。このような観点から、(A)成分の含有量の好ましい例は、(A)成分に要する脂肪酸の重量として、例えば1~6.5重量%、好ましくは1~5.5重量%、より好ましくは1~4.5重量%、さらに好ましくは1~4質量%が挙げられる。また、本発明の液状皮膚洗浄剤組成物は高温及び低温環境下での不溶物生成抑制に優れているため、これらの(A)成分の含有量のうち、比較的(A)成分が多く含まれている場合であっても、効果的に不溶物生成抑制効果を得ることができる。このような観点から、(A)成分の含有量の好ましい例は、(A)成分に要する脂肪酸の重量として、例えば2~6.5重量%、好ましくは2.5~6.5重量%、より好ましくは3~6.5重量%、さらに好ましくは4~6.5重量%が挙げられる。
また、(A)成分にラウリン酸カリウム及びミリスチン酸カリウムが含まれている場合、ラウリン酸カリウム及びミリスチン酸カリウムの比率としては特に限定されないが、高温及び低温環境下での不溶物生成抑制及び/又は泡質向上効果をより好ましく得る観点から、たとえば、ラウリン酸カリウム1モル当たりのミリスチン酸カリウムの含有量として、例えば0.01~0.85モルが挙げられる。
更に、泡質向上効果をより一層好ましく得るためのラウリン酸カリウム1モル当たりのミリスチン酸カリウムの含有量としては、(A)成分に対する(B)成分の比率によって異なり得るが、一例として、好ましくは0.015モル以上0.35モル未満、より好ましくは0.018~0.1モル、さらに好ましくは0.02~0.05モル、一層好ましくは0.02~0.03モルが挙げられ;他の例として、好ましくは0.35~0.85モル、より好ましくは0.5~0.75モル、さらに好ましくは0.55~0.7モル、一層好ましくは0.58~0.65モルが挙げられる。
(B)グリセリン
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物は、(B)成分としてグリセリンを含む。本発明の液状皮膚洗浄剤組成物における(B)成分の含有量は、22~50重量%である。(B)成分の含有量が22重量%を下回ると、所望の高温及び低温環境下での不溶物生成抑制効果を得ることができず、50重量%を上回ると、所望の泡質を得ることができない。
更に、より一層好ましい泡質向上効果を得る観点から、(B)成分の含有量としては、好ましくは30~35重量%が挙げられる。
(A)成分と(B)成分との比率については、上記の各含有量によって決定されるが、高温及び低温環境下での不溶物生成抑制及び/又は泡質向上効果をより好ましく得る観点から、(A)成分に要する脂肪酸1重量部(総量)当たりの(B)成分の含有量として、例えば5~15重量部が挙げられる。
更に、泡質向上効果をより一層好ましく得るための(A)成分と(B)成分との比率については、(A)成分の組成によっても異なりうるが、一例(例えば、ラウリン酸カリウム1モル当たりのミリスチン酸カリウムの含有量が0.015モル以上0.35モル未満の場合が挙げられる。)として、(A)成分に要する脂肪酸1重量部(総量)当たりの(B)成分の含有量として、6~15重量部、より好ましくは7~15重量部、さらに好ましくは8~12重量部、一層好ましくは8.7~10.5重量部が挙げられ;他の例(例えば、ラウリン酸カリウム1モル当たりのミリスチン酸カリウムの含有量が0.35~0.85モルの場合が挙げられる。)として、好ましくは5.3~10重量部、より好ましくは5.5~8重量部、さらに好ましくは5.7~7重量部が挙げられる。
(C)キレート剤
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物は、場合により、(C)成分としてキレート剤を含むこことができる。
キレート剤の種類としては特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸)、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、酒石酸、メタ珪酸、クエン酸、オルト珪酸、グルクロン酸、及びこれらの塩が挙げられる。また、これらの化合物の塩としては、具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
これらのキレート剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのキレート剤の中でも、好ましくはエデト酸及びその塩、より好ましくはエデト酸のアルカリ金属塩、さらに好ましくはエデト酸ナトリウム、一層好ましくはエデト酸四ナトリウムが挙げられる。
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物に(C)成分を含有させる場合、その含有量については、特に限定されないが、例えば、0.001~1重量%、好ましくは0.01~1重量%、より好ましくは0.01~0.3重量%、更に好ましくは0.05~0.2重量%が挙げられる。
他の成分
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物には、前記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、製剤化等に必要とされる他の基剤や添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤については、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、水、炭素数1~5の低級アルコール、及び多価アルコール等の水性基剤;カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤(上記(A)成分以外)、両イオン性界面活性剤等の界面活性剤;防腐剤、着香剤、着色剤、粘稠剤、pH調整剤、湿潤剤、安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘着剤、緩衝剤、溶解補助剤、可溶化剤、保存剤等の添加剤が挙げられる。これらの基材や添加剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの基材や添加剤の含有量は、製剤形態等に応じて適宜設定することができる。
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物には、前記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて他の薬理成分を含有していてもよい。このような薬理成分としては、例えば、ビタミン類、皮膚保護剤、血行促進成分、清涼化剤、ムコ多糖類等が挙げられる。これらの薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの薬理成分を含有させる場合、その含有量については、使用する薬理成分の種類、期待する効果等に応じて適宜設定すればよい。
pH
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物のpHとしては特に限定されないが、たとえば9~11(25℃におけるpH。以下において同様。)が挙げられる。また、泡質向上効果をより一層好ましく得る観点から好ましいpHとしては、9.5~11、より好ましくは10~11、さらに好ましくは10.3~11、一層好ましくは10.4~11が挙げられ、皮膚刺激低減の観点から好ましいpHとしては、9~10.8、より好ましくは9~10.5が挙げられる。
形態
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物の形態としては、液状である限りにおいて特に限定されない。泡質向上効果をより一層好ましく得る観点から、好ましい粘性として、25℃での粘度として10mPa・s未満が挙げられる。なお、25℃での粘度とは、25℃の温度条件下でB型粘度計を用いて測定される値であり、1号ロータを用いて回転数60rpmで回転開始から20秒後に測定される。
容器
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物が充填される泡吐出容器の具体例としては、エアゾール型以外のノンエアゾール型の泡吐出器(ノンガスタイプ泡吐出器)が挙げられる。ノンガスタイプ泡吐出器は、吐出容器内に充填される洗浄剤組成物と空気とを混合し、吐出容器に設けられた多孔質膜を通過させることにより、泡沫状に吐出することができる。具体的には、ポンプフォーマー及びスクイズフォーマー等が挙げられる。
吐出容器内部に設けられる多孔質膜は、一又は複数であってよい。また、多孔質膜の孔数は特に限定されず、たとえば20~500メッシュとすることができる。さらに、本発明の液状皮膚洗浄剤組成物は、不溶物の生成が抑制されており多孔質膜に詰まりにくいため、メッシュの一例として、50~500メッシュ、好ましくは100~500メッシュ、より好ましくは200~500メッシュ、さらに好ましくは280~500メッシュとすることができる。また、目詰まりをより一層効果的に抑止する観点では、メッシュの他の例として、20~400メッシュ、好ましくは20~300メッシュ、より好ましくは20~220メッシュとすることもできる。より好ましくは、多孔質膜を組み合わせて用いることができ、更に、より細かいメッシュを有する多孔質膜とより粗いメッシュを有する多孔質膜とを組み合わせて用いることもできる。これによって、より一層泡質の良好な泡を得ることができる。
用途
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物は、泡立てた状態で身体部位の洗浄に使用される。本発明の液状皮膚洗浄剤組成物の洗浄対象となる身体部位については特に制限されず、あらゆる身体部位の洗浄剤として使用できるが、洗顔料、ボディーソープ、ハンドソープ、シャンプー等として好適に使用される。とりわけ、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、きめ細かい泡質の良い泡が得られることにより擦り洗い時の刺激が低減されるため、刺激に対して敏感な顔への使用に適しており、洗顔料として特に好適に使用される。
製造方法
本発明の液状皮膚洗浄剤組成物は、前述する(A)成分、(B)成分、及び必要に応じて配合される(C)成分、並びに必要に応じて配合される他の成分を混合して調製することによって製造することができる。また、本発明の液状皮膚洗浄剤組成物は、(A)成分に対応する高級脂肪酸、水酸化カリウム、(B)成分、及び必要に応じて配合される(C)成分、並びに必要に応じて配合される他の成分を混合して調製することによって製造することもできる。この場合、混合中に、高級脂肪酸が水酸化カリウムによって中和されることで(A)成分が生成する。
2.不溶物生成抑制方法及び泡質向上方法
前述するように、所定量のグリセリンは、脂肪酸カリウム石鹸を含む液状皮膚洗浄剤組成物において、高温及び低温環境下で不溶物の生成抑制を抑制し、泡質を向上させることができる。従って、本発明は、更に、脂肪酸カリウム石鹸を含む液状皮膚洗浄剤組成物において、(B)グリセリン22~50重量%を配合することを含む、液状皮膚洗浄剤組成物の不溶物生成抑制方法;及び(A)脂肪酸カリウム石鹸を含む液状皮膚洗浄剤組成物において、(B)グリセリン22~50重量%を配合することを含む、液状皮膚洗浄剤組成物の泡質向上方法も提供する。
前記液状皮膚洗浄剤組成物の不溶物生成抑制方法及び液状皮膚洗浄剤組成物の泡質向上方法において、使用する成分の種類や使用量、液状皮膚洗浄剤組成物のpH、形態等については、前記「1.液状皮膚洗浄剤組成物」の欄に示す通りである。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例
表1に示す成分を混合し、比較例1~3及び実施例1~11の液状皮膚洗浄剤組成物を調製した。なお、グリセリンの配合については85%グリセリンを用い、グリセリン配合量が表に示す量となるように調整した。また、表1中のラウリン酸及びミリスチン酸の総量が、脂肪酸カリウム石鹸((A)成分)に要する脂肪酸の量に相当する。更に、表1中のラウリン酸のモル数に対するミリスチン酸のモル数の比が、ラウリン酸カリウム1モル当たりのミリスチン酸カリウムの含有量(ミリスチン酸K/ラウリン酸Kモル比)に相当する。得られた液状皮膚洗浄剤組成物について、以下の評価を行った。
(1)不溶物生成抑制効果
(1-1)目視による評価
液状皮膚洗浄剤組成物をSMサンプル瓶(規格200)に入れ、5℃で1週間保存し、以下の基準に基づいて、低温安定性(低温条件下における不溶物生成抑制性)を評価した。また、液状皮膚洗浄剤組成物をSMサンプル瓶(規格200)に入れ、50℃で1ヶ月保存し、以下の基準に基づいて、高温安定性(高温条件下における不溶物生成抑制性)を評価した。結果を表1に示す。
(低温安定性及び高温安定性評価基準)
○:不溶物の生成が目視で認められない
×:不溶物の生成が目視で認められる
(1-2)泡吐出による評価
不溶物の生成の程度をより精度高く評価するため、5℃で1か月保存した液状皮膚洗浄剤組成物を、300×200メッシュ(300メッシュの多孔質膜と200メッシュの多孔質膜との組み合わせ)の多孔質フィルムを備えたポンプフォーマーに充填し、以下の基準に基づいて吐出性を評価した。吐出性は、多孔質フィルムの詰まりをもたらす不溶物の生成を評価することができる。結果を表1に示す。
(10プッシュ吐出性評価基準)
○:10プッシュの連続吐出が可能
×:10プッシュの連続吐出が不可能
(100g吐出評価基準)
◎:100g全量の吐出が可能であり、ノズルの押下に要する力に変化なし
○:100g全量の吐出が可能であるが、ノズルの押下に要する力が大きくなる
×:100g全量の吐出が不可能
(2)泡質評価
(2-1)粘性による評価
液状皮膚洗浄剤組成物の25℃における粘度を、ブルックフィールドB型粘度計を用いて測定した。具体的には1号ロータを用いて回転数60rpmで回転開始から20秒後における粘度を測定し、以下の基準に基づいて評価した。粘性は泡質に関わる特性であり、粘性が高いときめ細かい泡を容易に得ることが難しくなる。結果を表1に示す。
(粘性の評価基準)
◎:10mPa・s未満
×:10mPa・s以上
(2-2)目視による評価
液状皮膚洗浄剤組成物の泡質をより具体的に評価するため、8名の専門パネルが、300×200メッシュの多孔質フィルムを備えたポンプフォーマーから吐出した状態の液状皮膚洗浄剤組成物の泡のきめ細やかであるか否かを評価した。泡がきめ細やかであると評価した専門パネルの人数を、泡質(きめ細やかさ)の評価スコアとした。結果を表1に示す。
(3)さっぱり感評価
液状皮膚洗浄剤組成物の洗い上がりを評価するため、8名の専門パネルが、300×200メッシュの多孔質フィルムを備えたポンプフォーマーから吐出した液状皮膚洗浄剤組成物の泡を用いて洗顔した後、肌にさっぱり感があるか否かを評価した。さっぱり感があると評価した専門パネルの人数を、さっぱり感の評価スコアとした。結果を表1に示す。
Figure 0007565155000001
表1から明らかなとおり、脂肪酸カリウム石鹸を含む液状皮膚洗浄剤組成物は、低温安定性及び高温安定性に問題があったため、所望の不溶物生成抑制効果が得られず(比較例1)、その問題は、少量のグリセリンを添加しても解消されなかった(比較例2)。また、多量のグリセリンを添加すると、低温安定性及び高温安定性が解消し、所望の不溶物の生成抑制効果が得られたが、今度は粘性が過度であるため泡のきめ細やかさに問題があり、所望の泡質が得られなくなった(比較例3)。一方で、グリセリンを22~50重量%の所定量で添加すると、所望の不溶物生成抑制効果が得られるとともに、優れた泡質も得られた(実施例1~11)。

Claims (5)

  1. (A)脂肪酸カリウム石鹸と、(B)グリセリン22~50重量%とを含み、
    前記(A)成分が、ラウリン酸カリウム及びミリスチン酸カリウムからなり
    前記(A)成分に要する脂肪酸1重量部当たりの前記(B)成分の含有量が、5~15重量部である、液状皮膚洗浄剤組成物(但し、N-アシルグルタミン酸塩を含むものを除く)。
  2. 更に(C)キレート剤を含む、請求項1に記載の液状皮膚洗浄剤組成物。
  3. pHが9~11である、請求項1又は2に記載の液状皮膚洗浄剤組成物。
  4. 泡吐出容器に充填される、請求項1~3のいずれかに記載の液状皮膚洗浄剤組成物。
  5. (A)脂肪酸カリウム石鹸を含み、前記(A)成分が、ラウリン酸カリウム及びミリスチン酸カリウムからなる液状皮膚洗浄剤組成物(但し、N-アシルグルタミン酸塩を含むものを除く)において、(B)グリセリンを、22~50重量%、且つ前記(A)成分に要する脂肪酸1重量部当たりの前記(B)成分の含有量が5~15重量部となる量で配合することを含む、液状皮膚洗浄剤組成物の不溶物生成抑制方法。

JP2019203025A 2019-11-08 2019-11-08 液状皮膚洗浄剤組成物 Active JP7565155B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019203025A JP7565155B2 (ja) 2019-11-08 2019-11-08 液状皮膚洗浄剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019203025A JP7565155B2 (ja) 2019-11-08 2019-11-08 液状皮膚洗浄剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021075481A JP2021075481A (ja) 2021-05-20
JP7565155B2 true JP7565155B2 (ja) 2024-10-10

Family

ID=75898916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019203025A Active JP7565155B2 (ja) 2019-11-08 2019-11-08 液状皮膚洗浄剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7565155B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011012034A (ja) 2009-07-06 2011-01-20 Kao Corp 洗浄剤
JP2015131771A (ja) 2014-01-09 2015-07-23 小林製薬株式会社 皮膚用洗浄剤組成物
JP2016108411A (ja) 2014-12-04 2016-06-20 クラシエホームプロダクツ株式会社 洗浄剤組成物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5397009A (en) * 1977-02-03 1978-08-24 Kanebo Ltd Toilet soap composition
JP3334759B2 (ja) * 1993-03-05 2002-10-15 株式会社ノエビア 液体洗浄料

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011012034A (ja) 2009-07-06 2011-01-20 Kao Corp 洗浄剤
JP2015131771A (ja) 2014-01-09 2015-07-23 小林製薬株式会社 皮膚用洗浄剤組成物
JP2016108411A (ja) 2014-12-04 2016-06-20 クラシエホームプロダクツ株式会社 洗浄剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021075481A (ja) 2021-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4868148B2 (ja) 液体洗浄剤製品
KR102144496B1 (ko) 액체 피부 세정제 제품
JP5373216B1 (ja) ポンプフォーマー用洗浄剤組成物
JP4558514B2 (ja) 液状洗浄剤組成物
JP5754644B2 (ja) 液体洗浄剤組成物
WO2011004571A1 (ja) 洗浄剤
CN107106436B (zh) 液体皮肤洗净剂组合物
JP2012107147A (ja) フォーマー容器入り液体洗浄剤組成物
JP6237172B2 (ja) 液体洗浄剤組成物
JPWO2016098649A1 (ja) 洗浄製品
JP7501373B2 (ja) 低粘度の液体洗浄剤
JP5801525B2 (ja) 液状洗浄剤組成物
JP6415969B2 (ja) 皮膚洗浄剤組成物
JP7565155B2 (ja) 液状皮膚洗浄剤組成物
JP6687966B2 (ja) 液体皮膚洗浄剤
JP5495709B2 (ja) 皮膚洗浄剤組成物
JP6860982B2 (ja) 液体皮膚洗浄剤組成物
JP2019059721A (ja) フォーム状皮膚洗浄料
JP2003055690A (ja) 洗浄剤組成物
JP2021183591A (ja) 液状皮膚洗浄用組成物
JP2009292969A (ja) 液体洗浄剤組成物
JP2017141417A (ja) 液状洗浄剤組成物
JP6157322B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP2014009195A (ja) 液体皮膚洗浄剤製品
JP2007008881A (ja) 皮膚洗浄料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230919

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20231120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240116

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7565155

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150