JP7549051B2 - 蓄電デバイス用セパレータ、及びこれを含む蓄電デバイス - Google Patents
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Description
[1]
無機粒子と、ポリオレフィンを50質量%以上含む熱可塑性樹脂と、を含む無機含有層とを備える、蓄電デバイス用セパレータであって、
上記無機含有層は孔を有し、上記無機含有層のMFRは0.05g/10min以上5g/10min以下である、蓄電デバイス用セパレータ。
[2]
上記無機含有層は、MD―ND断面において、上記孔の平均孔径が150nm以上2000nm以下である、項目1に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[3]
上記無機含有層は、MD―ND断面において、熱可塑性樹脂領域と無機材料領域と空隙領域とを有し、
上記空隙領域と上記熱可塑性樹脂領域との境界部分の長さ(Lpo)と上記熱可塑性樹脂領域と上記無機材料領域との界面の長さ(Lpi)との比率(Lpo/Lpi)が、0.2以上3.5以下である、項目1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[4]
無機粒子と、ポリオレフィンを50質量%以上含む熱可塑性樹脂と、を含む無機含有層とを備える、蓄電デバイス用セパレータであって、
上記無機含有層は、MD―ND断面において、熱可塑性樹脂領域と無機材料領域と空隙領域とを有し、
上記空隙領域と上記熱可塑性樹脂領域との境界部分の長さ(Lpo)と上記熱可塑性樹脂領域と上記無機材料領域との界面の長さ(Lpi)との比率(Lpo/Lpi)が、0.2以上3.5以下である、蓄電デバイス用セパレータ。
[5]
上記無機粒子の粒子径が60nm以上2000nm以下である、項目1~4のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[6]
透気度が50秒/100ml以上300秒/1000ml以下である、項目1~5のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[7]
上記蓄電デバイスセパレータは基材を備え、上記基材は、ポリプロピレンを50質量%以上含む微多孔層であり、
上記基材は、上記無機含有層の片面又は両面に存在する、項目1~6のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[8]
上記蓄電デバイスセパレータは基材を備え、上記無機含有層と上記基材との膜厚比(上記基材の膜厚/上記無機含有層の膜厚)が、0.3以上3.0以下である、項目1~7のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[9]
上記蓄電デバイスセパレータは基材を備え、上記基材のMFRは、0.05g/10min以上0.9g/10min以下である、項目1~8のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[10]
上記蓄電デバイス用セパレータのMDの引張強度とTDの引張強度の比(MD/TD)が1.5以上である、項目1~9のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[11]
TDの熱収縮率が3%以下である、項目1~10のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[12]
上記無機含有層は、上記無機含有層の全質量を基準として、上記無機粒子を50質量%以上95質量%以下で含む、項目1~11のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[13]
上記蓄電デバイス用セパレータの厚み14μm当たりの突刺強度が100gf/14μm以上である、項目1~12のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[14]
上記無機含有層は、上記ポリオレフィンとしてポリエチレンを含み、上記ポリエチレンの量は、上記蓄電デバイス用セパレータ全体熱可塑性樹脂の全質量を基準として20質量%以上である、項目1~13のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[15]
上記ポリエチレンの重量平均分子量は80万以下である、項目1~14のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[16]
上記無機含有層の厚みが1μm以上27μm以下である、項目1~15のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[17]
上記蓄電デバイス用セパレータの総厚みが5μm以上30μm以下である、項目1~16のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[18]
上記無機含有層は、MD―ND断面において、上記孔の平均孔径が200nm以上2000nm以下である、項目1~17のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[19]
項目1~18のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータを含む蓄電デバイス。
〈無機含有層〉
本開示の蓄電デバイス用セパレータは、無機粒子及び熱可塑性樹脂を含む無機含有層とを有する。無機含有層は、複数の孔を有し、蓄電デバイス用セパレータを構成する微多孔膜である。無機含有層は、単層で用いても、二層以上を積層して多層で用いてもよい。
無機含有層に含まれる熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂の全質量を基準として、ポリオレフィンを50質量%以上含む。熱可塑性樹脂中のポリオレフィン樹脂の量は、好ましくは50質量%より多く、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量以上、99質量%以上、又は100質量%であってもよい。
無機粒子と熱可塑性樹脂とを含む無機含有層のMFRは、0.05g/10min以上5g/10min以下であり、好ましくは0.1g/10min以上2.5g/10min以下、より好ましくは0.2g/10min以上1.0g/10min以下である。無機含有層のMFRが0.05g/10min以上であることで、熱可塑性樹脂と無機粒子とを二軸押出機等で高せん断条件で混錬すると均一な混錬ができ、無機粒子が分散して均一なセパレータとなり、電極間抵抗抑制効果が高くなるからであると考えられる。無機含有層のMFRが5g/10min以下であることで、押出時に多量の冷風を吹き付けることで高いMDの配向が付与でき、ラメラ開孔しやすくなり高い透過性の無機含有層が得られやすい。
無機含有層は、無機粒子(「無機フィラー」ともよばれる。)を含む。無機含有層が無機粒子を含むことで、高耐熱性を有するセパレータを得ることができる。
無機粒子は、熱可塑性樹脂への分散性を高めるために、表面処理剤により表面処理されているものを用いることが好ましい。この表面処理剤としては、飽和脂肪酸及び/又はその塩(飽和脂肪酸塩)、不飽和脂肪酸及び/又はその塩(不飽和脂肪酸塩)、アルミニウム系カップリング剤、ポリシロキサン、シランカップリング剤などによる処理が挙げられる。熱可塑性樹脂への分散性の観点から、表面処理剤としては、飽和脂肪酸及びその塩、不飽和脂肪酸及びその塩であることが好ましく、炭素数8以上の飽和脂肪酸及びその塩、炭素数8以上の不飽和脂肪酸及びその塩がより好ましい。表面処理剤は熱可塑性樹脂混錬前に処理してもよく、混錬時に表面処理剤を後添加してもよい。無機粒子表面への均一な表面処理剤の被覆の観点で、混錬前に処理することが好ましい。これらの表面処理剤で処理することで、無機粒子が高度に樹脂中に分散し、より高い耐熱性を達成することができる。
無機粒子の目付量は、0.15mg/cm2以上が好ましい。目付量が0.15mg/cm2以上であると、セパレータの高温溶融時に樹脂と伴って無機粒子が電極間空隙に移行しにくく、無機粒子が電極間の抵抗成分となる無機粒子層として残るため、緻密な無機粒子層が形成される傾向がある。そして無機粒子が抵抗成分となり電極間抵抗を維持することができ、電池としての安全性が向上する傾向にある。
無機含有層は孔を有する。本願明細書において、「孔」とは、微多孔膜における孔(「開孔」ともいう。)を意味する。無機含有層は、より具体的には、複数の開孔を有する微多孔膜である。MD―ND断面(面方向断面)において、孔(開孔)の輪郭は、熱可塑性樹脂のみ、又は熱可塑性樹脂及び無機粒子から形成される。そして、無機含有層のMD―ND断面において、孔の部分(以下、「開孔領域」という。)と、熱可塑性樹脂の部分(以下、「熱可塑性樹脂領域」という。)との境界部分の長さ(Lpo)と熱可塑性樹脂領域と無機材料の部分(以下、「無機材料領域」という。)との界面の長さ(Lpi)との比率(Lpo/Lpi)が、0.2以上3.5以下であることが好ましい。すなわち、上記輪郭のうち熱可塑性樹脂が形成する部分の長さ(Lpo)と熱可塑性樹脂と無機粒子との界面の長さ(Lpi)との比率(Lpo/Lpi)が、0.2以上3.5以下であることが好ましい。
無機含有層は、無機粒子以外に、エラストマーを更に含有してもよい。エラストマーとしては、熱可塑性エラストマー及び熱硬化性エラストマー等が挙げられ、好ましくは、熱可塑性エラストマーである。本願明細書において、熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂に包含される。無機含有層が熱可塑性エラストマーを含有することにより、強度及び透気度のバランスを損なうことなく溶融張力を低減することができるため、高い溶融張力を有する低いMFRの熱可塑性樹脂であっても薄膜化することが可能となり、薄膜高強度なセパレータを得ることができる。
無機含有層の厚みは、好ましくは1μm以上27μm以下、より好ましくは1μm以上20μm以下である。厚みが1μm以上であると、蓄電デバイス用セパレータの耐熱性が向上する。厚みが27μm以下であると、蓄電デバイスのエネルギー密度をより高めることができる。耐熱性とエネルギー密度を勘案すると好ましくは、3μm以上15μm以下、さらに好ましくは5μm以上10μm以下である。また、セパレータ全体の厚みに占める無機含有層の厚みの割合は、セパレータの耐熱性、イオン透過性、及び物理的強度を勘案すると好ましくは15%以上90以下、より好ましくは20以上80%以下、更に好ましくは20%以上60%以下である。
本開示の蓄電デバイス用セパレータは、無機含有層に加えて基材を含んでもよい。基材は、無機含有層の片面又は両面に存在してもよい。すなわち、蓄電デバイス用セパレータは、無機含有層の片面に基材が積層された二層構造でもよく、無機含有層の両面に(外層として)基材が積層され、または基材の両面に無機含有層が積層された三層の多層構造、または三層以上の多層構造を有してもよい。
蓄電デバイス用セパレータの総厚みは、好ましくは5μm以上30μm以下、より好ましくは5μm以上27μm以下である。厚みが5μm以上であると、蓄電デバイス用セパレータの耐熱性が向上する。厚みが30μm以下であると、蓄電デバイスのエネルギー密度を高めることができる。
蓄電デバイス用セパレータの透気度(「透気抵抗度」とも呼ばれる。)の上限値は、好ましくは1000秒/100ml以下、800秒/100ml以下、600秒/100ml以下、500秒/100ml以下、400秒/100ml以下、300秒/100ml以下、250秒/100ml以下、又は200秒/100ml以下であり、下限値は、好ましくは50秒/100ml以上、80秒/100ml以上、又は100秒/100ml以上であってよい。
蓄電デバイス用セパレータの突刺強度の下限値は、セパレータの厚みを14μmに換算した場合に、好ましくは100gf/14μm以上、例えば130gf/14μm以上、160gf/14μm以上であってよい。多層構造の突刺強度の上限値は、限定されないが、多層構造全体の厚みを14μmに換算した場合に、好ましくは550gf/14μm以下、例えば500gf/14μm以下、又は480gf/14μm以下であってよい。
蓄電デバイス用セパレータのMDの引張強度とTDの引張強度の比(「MD/TD強度比」ともいう。)は、好ましくは1.5以上、より好ましくは6.0以上、更に好ましくは8.0以上である。MD/TD強度比が1.5以上であると、セパレータに強い配向がかることでMDの強度が大きくなり、電池巻き付け操作がしやすくなる。また、MD/TD強度比が1.5以上であると、TDの熱収縮率を低くすることができるため、電池巻き付け時にTDの熱収縮による短絡に対する耐性が高くなる。MD/TD強度比の上限は、特に限定されないが、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。MD/TD強度比30以下であると、MDに亀裂が入りにくく、取り扱い時にセパレータが縦に(MDに)裂ける問題が起こりにくくなる。
蓄電デバイス用セパレータのTDの熱収縮率は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。TDの熱収縮率が1%以下であると、電池巻き付け時にTDの熱収縮による短絡に対する耐性が高くなる。
熱可塑性樹脂及び無機粒子を含む無機含有層の製造方法としては、一般に、熱可塑性樹脂組成物と、無機粒子を混合分散し、含有を溶融押出して樹脂フィルムを得る溶融押出工程、及び得られた樹脂シートを開孔して多孔化する孔形成工程を含み、任意に延伸工程、及び熱処理工程等を更に含む。無機含有層の製造方法は、孔形成工程に溶剤を使用しない乾式法と、溶剤を使用する湿式法とに大別される。
無機粒子の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部を基準とした場合、無機粒子の量は、好ましくは100重量部以上、より好ましくは200質量部以上、更に好ましくは300質量部以上である。ポリオレフィン等の結晶性樹脂に対して無機粒子の含有量が100質量部以上であれば、一実施形態において、高いドローダウン比で溶融押出することで、無機粒子とラメラ結晶を有する層を形成でき、その後一軸延伸することで、比率(Lpo/Lpi)を0.2以上に調整し、低空孔率でありながら高い透過性のセパレータが得られる。その理由としては、理論に限定されないが、無機粒子の量が多い場合、延伸方向に対して垂直方向のラメラ開孔と、延伸方向に対して水平方向のフィラー開孔との両方が起こり、かつ、ラメラ結晶により形成された垂直方向の気孔によって、フィラー開孔により形成された水平方向の独立気孔同士が連結するため、僅かな延伸倍率においても、低空孔率と高透過性を両立していると推測している。一方、無機粒子含有量が少ないと、フィラー開孔により得られた気孔同士の距離が遠くなるため、ラメラ開孔によってフィラー開孔による気孔同士の連結が困難になり、高い透過性が得られないからであると推測される。
蓄電デバイスは、正極と、負極と、上記で説明された本開示の蓄電デバイス用セパレータを備える。蓄電デバイス用セパレータは、正極と負極との間に積層されている。
[メルトフローレイト(MFR)]
ポリオレフィンのMFRは、JIS K 7210に準拠し、温度230℃及び荷重2.16kgの条件下で測定した(単位はg/10分である)。ポリプロピレンのMFRは、JIS K 7210に準拠し、温度230℃及び荷重2.16kgの条件下で測定した。ポリエチレンのMFRは、JIS K 7210に準拠し、温度190℃及び荷重2.16kgの条件下で測定した。エラストマーのMFRは、JIS K 7210に準拠し、温度230℃及び荷重2.16kgの条件下で測定した。
試料の準備
セパレータと四酸化ルテニウム(株式会社レアメタリック製)とを密封容器内で共存させ、蒸気による染色を4時間行い、ルテニウム染色されたセパレータを作製した。主剤(Quetol812、日新EM株式会社製)10.6mL、硬化剤(メチルナジックアンヒドリド(MNA)、日新EM株式会社製)9.4mL、および反応促進剤(2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、日新EM株式会社製、DMP-30)0.34mLを混合し、十分に撹拌して混合液を得た。該混合液中に、上記ルテニウム染色されたセパレータを浸漬し、減圧環境下に置き、上記ルテニウム染色されたセパレータの細孔に混合液を十分に含浸させた。含浸後、セパレータを60℃で12時間以上硬化させることによって、上記ルテニウム染色されたセパレータをエポキシ樹脂包埋した。これによって、セパレータ内の空孔にエポキシ樹脂を充填し硬化させた。エポキシ樹脂包埋した後、カミソリ等で粗く断面加工し、その後、イオンミリング装置(E-3500 Plus、株式会社日立ハイテク製)を用いて断面ミリング加工し、平滑な断面を作製した。このとき、断面がMD-ND面となるように加工した。得られた断面試料を導電性接着剤(カーボン系)により断面観察用SEM試料台に固定、乾燥した後、導電処理としてオスミウムコーター(HPC-30W、株式会社真空デバイス製)を用いて、印加電圧調整つまみ設定4.5、放電時間0.5秒の条件でオスミウムコーティングを実施し、検鏡試料とした。
上記検鏡試料を、走査型電子顕微鏡(S-4800、株式会社日立ハイテク製)で加速電圧1.0kV、エミッション電流10μA、プローブ電流High、検出器Upper+LA-BSE100、倍率10000倍、ピクセル数1280×960(約10nm/pixel)、ワーキングディスタンス2.0mmの条件で観察した。無機フィラーを含有する層の厚み方向全域が観察視野内に収まるように観察視野を決定し、輝度値が飽和せず、かつ、可能な限りコントラストが高くなるように設定し、8bitのグレースケール画像として電子顕微鏡像を取得した。ただし、無機フィラーを含有する層の厚みが観察視野より大きい場合、観察視野全体に無機フィラーを含有する層が収まるように観察視野を決定した。
得られた電子顕微鏡像には、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、無機フィラーが観察された。このエポキシ樹脂、ポリオレフィン、無機フィラーのそれぞれの界面の長さを解析するにあたって、閾値を定めて三値化を行ってしまうと、最も輝度が低い領域(エポキシ樹脂)と最も輝度が高い領域(無機フィラー)の界面の一部が、中程度の輝度の領域(ポリオレフィン)と認識されてしまい、あたかもエポキシ樹脂と無機フィラーの間にポリオレフィンが存在するかのように解析されてしまう場合がある。そこで、下記に示す手順により、非特許文献1に記載のwatershedアルゴリズムを利用して界面の長さを解析した。
(1)電子顕微鏡像において、無機フィラーを含有する層の厚みの8割以上を含み、かつ、無機フィラーを含有する層以外の領域を含まず、かつ、可能な限り広い領域を選択し、画像処理領域とする。無機フィラーを含有する層の厚みが観察視野より大きい場合、観察視野全体を画像処理領域とする。
(2)電子顕微鏡像には、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、無機フィラーの3種の材料がそれぞれ異なる輝度で観察されており、画像処理領域の輝度ヒストグラムを算出すると、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、無機フィラーに対応する3つのピークが存在する。この3つのピークのうち最も近接する2つのピークの極大値を取る2点の輝度の差を算出し、この数値をCDとする(図4)。このとき、CDの数値が一意に定まらない場合には、3つのピークをそれぞれガウス関数でフィッティングしてCDの値を決定する。
(3)非特許文献2に記載のmean shift filteringを実行し、平滑化処理した画像を得る。mean shift filteringの実行にはフリーソフトImageJのMean Shift Filter(FHTW-BerlinのKai Uwe Barthel氏が作成したオープンソースプラグイン)を使用し、引数であるSpatial radiusは3とし、Color distanceはCDとして、実行する。
(4)得られた平滑化処理した画像に対して、非特許文献3のアルゴリズムを利用して2つの閾値を決定し、2つの閾値のうち小さい方を閾値A、大きい方を閾値Bとする。
(5)閾値A未満の輝度のピクセルの輝度を255とし、閾値A以上の輝度のピクセルの輝度を0とした二値画像A1と、閾値A以上かつ閾値B未満の輝度のピクセルの輝度を255とし、閾値A未満および閾値B以上の輝度のピクセルの輝度を0とした二値画像A2と、閾値B以上の輝度のピクセルの輝度を255とし、閾値B未満の輝度のピクセルの輝度を0とした二値画像A3を作成する。
(6)二値画像A1、二値画像A2、二値画像A3のそれぞれに対して5×5の正方形のカーネルを用いて収縮処理を実行(注目ピクセルを中心とする5ピクセル×5ピクセルの領域内に一つでも輝度が0であるピクセルが存在する場合に注目ピクセルの輝度を0に置き換える処理を画像内の全ピクセルに対して実行)し、収縮処理後の二値画像A1、二値画像A2、二値画像A3をそれぞれ二値画像B1、二値画像B2、二値画像B3とする。
(7)非特許文献1のアルゴリズムに基づき、画像処理領域内の分水嶺(watersheds)を探索する。このとき、背景(background)は二値画像B1の輝度が255の領域とし、マーカー(markers)は二値画像B2および二値画像B3を用いる。具体的には、二値画像B2および二値画像B3のうち、輝度が255のピクセルが連続している領域を一つのマーカーと見做し、二値画像B2および二値画像B3の全てのマーカーを使用して分水嶺の探索を実行する。
(8)二値画像B1、二値画像B2、二値画像B3に対して、分水嶺に対応するピクセルに囲まれた領域であり、かつ、その領域内に一つでも輝度が255のピクセルが含まれる場合、その領域内のピクセルの輝度を全て255に置き換える処理を実行する。処理後の画像をそれぞれ二値画像C1、二値画像C2、二値画像C3とする。
(9)二値画像C1、二値画像C2、二値画像C3に対して、3×3の十字型カーネルを用いて膨張処理を実行(注目ピクセルの上下左右の合計4ピクセルの中に一つでも輝度が255のピクセルが存在する場合に注目ピクセルの輝度を255に置き換える処理を二値画像内の全ピクセルに対して実行)し、膨張処理後の二値画像をそれぞれ二値画像D1、二値画像D2、二値画像D3とする。
(10)二値画像D1のうち輝度が255のピクセルの数値を1に置き換えた数値行列E1と、二値画像D2のうち輝度が255のピクセルの数値を10に置き換えた数値行列E2と、二値画像D3のうち輝度が255のピクセルの数値を100に置き換えた数値行列E3を作成する。
(11)数値行列E1、数値行列E2、数値行列E3の和を数値行列Fとする。
(12)数値行列Fの成分のうち、11または111である成分の数をG1とし、数値が101または111である成分の数をG2とし、数値が110または111である成分の数をG3とする。
(13)電子顕微鏡像のピクセルサイズを考慮してG1、G2、G3を実空間の長さに変換した数値をそれぞれ空孔とポリオレフィンの界面の長さLpo、ポリオレフィンと無機フィラーの界面の長さLpiと見做す。
(1)平滑化処理した画像に対して、輝度が閾値B未満のピクセルの輝度を0とし、輝度が閾値B以上のピクセルの輝度を255とした二値画像を作成する。
(2)フリーソフトImageJを用いてBoneJ(非特許文献4に記載のオープンソースプラグイン)のThickness解析を実行し、Resultsウィンドウ内のTb. Thの平均値を読み取り、電子顕微鏡像のピクセルサイズを考慮して実空間の長さに換算した数値を無機フィラーの平均粒子径とする。
画像処理(開孔サイズの算出)
上記平滑化処理した画像に対して、輝度が閾値A未満のピクセルの輝度を0とし、輝度が閾値A以上のピクセルの輝度を255として画像を二値化した。BoneJ(非特許文献2に記載のオープンソースプラグイン)のThickness解析を実行し、Resultsウィンドウ内のTb.Th meanの数値を読み取り、実空間の長さに換算した数値を開孔の平均孔径とした。
ミツトヨ社製のデジマチックインジケータIDC112を用いて、室温23±2℃で、セパレータの厚さ(μm)を測定した。無機含有層の厚さは、SEM画像で得られた無機含有層と界面又は別層の中心線を引き、その線の間の長さを測定した。
JIS P-8117に準拠したガーレー式透気度計を用いて、セパレータの透気抵抗度(秒/100ml)を測定した。
先端が半径0.5mmの半球状である針を用意し、直径(dia.)11mmの開口部を有するプレート2つの間にセパレータを挟み、針、セパレータ及びプレートをセットした。株式会社イマダ製「MX2-50N」を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、セパレータ保持プレートの開口部直径11mm及び突刺速度25mm/分の条件下で突刺試験を行った。針とセパレータを接触させ、最大突刺荷重(すなわち、突刺強度(gf))を測定した。
セパレータの引張強度は、引張試験機(ミネベア(株)製TG―1kN型)を用いて、試験前の試料長さを35mmにし、速度100mm/minで試料を引張ることで測定した。試料が降伏したときの強度(引張荷重値)、又は降伏前に切断(破断)した場合は切断したときの強度(引張荷重値)を試験片の断面積で除した値を引張強度とした。セパレータのMD、TDのそれぞれについて引張強度を測定した。MD/TD強度比は、MD引張強度をTD引張強度で除して求めた。
正極シートの作製
正極活物質としてLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2と、導電助剤としてカーボンブラックと、結着剤としてポリフッ化ビニリデン溶液とを、91:5:4の固形分質量比で混合し、分散溶媒としてN-メチル-2-ピロリドンを固形分68質量%となるように添加し、更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を、厚さ15μmのアルミニウム箔の片面に塗布した後、溶剤を乾燥除去し、塗布量が175g/m2の正極とした。この正極をロールプレスで圧延して、正極合剤部分の密度が2.4g/cm3の正極シートを得た。
負極活物質として人造黒鉛、結着剤としてスチレンブタジエンゴム及びカルボキシメチルセルロース水溶液とを、96.4:1.9:1.7の固形分質量比で混合し、分散溶媒として水を固形分50質量%となるように添加し、更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を、厚さ10μmの銅箔の片面に塗布した後、溶剤を乾燥除去し、塗布量が86g/m2の負極とした。この負極をロールプレスで圧延して、負極合剤部分の密度が1.25g/cm3の負極シートを得た。
プロピレンカーボネート:エチレンカーボネート:γ-ブチルラクトン=1:1:2(
体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiBF4を濃度1.0mol/Lとなるように溶解させ、更にトリオクチルホスフェートを0.5重量%となるように添加し、非水電解液を調製した。
セパレータから30mm×30mm角の試料を切り取り、試料1を準備した。また、前述した方法で作製された正極を55mm×20mm角に切り取り、塗布された電極活物質部分が20mm×20mm角になるように電極活物質を除去し集電箔が剥き出しになった正極2Aを作成した。また、前述した方法で作製された負極を55mm×25mm角に切り取り、塗布された電極活物質部分が25mm×25mm角になるように電極活物質を除去し集電箔が剥き出しになった負極2Aを作成した。その後、試料1、正極2A及び負極2Bの電極活物質が塗布されている部分に非水電解液を1分以上含浸した。そして、負極2B、試料1、正極2A、カプトンフィルム、厚さ4mmシリコンゴムの順で積層した。この時、負極2Bの電極活物質が塗工されている部分に試料1及び正極2Aの電極活物質が塗工されている部分が重ね合うように積層した。この積層体を熱電対が埋め込まれたセラミックプレート上に配置し、油圧プレス機で面圧2MPaを印加しながら、ヒーターを昇温し、正極2A及び負極2Bの集電体部分が接続された交流電気抵抗測定装置「AG-4311」(安藤電機株式会社)を用いて、連続的に温度と抵抗値を測定した。なお、温度は室温23℃から220℃まで15℃/分の速度にて昇温し、抵抗値は1V、1kHzの交流にて測定した。得られた210℃の抵抗値(Ω)に実効電極面積4cm2を乗じて算出した値を、F/S 210℃膜抵抗値(Ω・cm2)とした。フューズ温度は、極小値よりも高温側で3倍のインピーダンスに達した温度をフューズ温度とした。
熱収縮率は、セパレータを5cm角に切り出し、2cm間隔で9か所にマーキングし、用紙で包んだ。マーキングされた試料を130℃の温度下で1時間熱処理し、次いで室温まで冷却した後に、MD及びTDの長さを各3か所で測定し、収縮率を求めた。サンプル測定の精度上、又はおそらくサンプル内の成分の膨張により、熱収縮率がマイナスの値を示す場合があるが、マイナスの値を示した場合は0.0%と見なした。
[ポリエチレンと無機粒子を含むペレットの作製]
ポリエチレン(PE、MFR=0.31、重量平均分子量61万と、平均粒子径500nmの表面処理された硫酸バリウム(硫酸バリウム100質量部に対して、ステアリン酸ナトリウム1質量部を表面処理に用いた)をPE:BaSO4=20:80(質量%)の質量比率でドライブレンドした後、二軸押出機HK-25D(パーカーコーポレーション社製、L/D=41)を使って溶融混練を行った。樹脂の分解・変性を極力抑制するために、樹脂投入ホッパー口から原料タンクまでを完全に密閉状態としてホッパー下部から連続的に窒素をフローして、原料投入口付近の酸素濃度を50ppm以下に制御した。また、ベント部はすべて完全に密閉してシリンダー内への空気漏れ込み部を無くした。この酸素濃度低減効果により、高温下でもポリマーの分解・変性が大幅に抑制された。硫酸バリウムは二軸フィーダで投入することで、更に、硫酸バリウムの微分散化が可能となった。溶融混練後、ダイス(2穴)からストランドを引いて水冷バスにて冷却後、ペレターザーを使ってカッティングして、ポリエチレンと無機粒子を含むペレット(以下、単に「上記ペレット」という。)を得た。
共押出法によって積層シートを形成した。ポリプロピレン(PP、MFR=0.51)を32mmφの二軸同方向スクリュー式押出機で溶融し、サーキュラーダイへとギアポンプを使って供給した。上記ペレットを32mmφの単軸スクリュー式押出機で溶融し、サーキュラーダイへとギアポンプを使って供給した。それぞれの押出機により溶融混錬された組成物を2種3層の共押出可能なサーキュラーダイによりシート状に押出し、かつ溶融したポリマーを、吹込空気によって冷却した後、ロールに巻き取った。ポリプロピレン樹脂の混錬温度は230℃、押出量は2.4kg/hrで、230℃に温度設定されたサーキュラーダイの外層(表面の二層)より押出した。上記ペレットの混錬温度は230℃、押出量はポリプロピレン樹脂換算1.2kg/hrで、230℃に温度設定されたサーキュラーダイの内層(中間層)より押出した。押出された前駆体(原反フィルム)を、押出直後にエアリングによりΦ300mm幅あたり3.6m3/minの風量で冷却した。冷却後の原反フィルムの厚さは16μmであった。次いで、原反フィルムを127℃で15分間アニールした。次いで、アニールされた原反フィルムを、室温で10%まで冷間延伸し、次いで冷間延伸後のフィルムに対して115℃で100%まで熱間延伸し、熱間延伸後のフィルムに対して125℃で92%まで緩和することにより、微多孔を形成した。上記延伸開孔の後、得られた微多孔膜の物性測定を行った。結果を表1に示す。
表1及び2に示されるとおりに原料、成膜条件又はセパレータ物性を変更させたこと以外は実施例1と同じ方法に従って微多孔膜を得て、得られた微多孔膜を評価した。層構成は押出量の比を変えることで調整した。実施例9に用いたポリエチレンはMFR=0.35、重量平均分子量51万であった。実施例8、11に用いた無機粒子の表面処理方法は、味の素ファインテクノ社製アルミニウム(Al)系カップリング剤(プレンアクトAL-M)を、無機粒子:プレンアクトAL-M=98:2(質量%)の質量比率でドライブレンドして行った処理方法であった。
リチウムイオン二次電池の動作確認
電解液として、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを体積比1:2で混合したものに、リチウム塩としてのLiPF6を1mol/L含有させた電解液を用いた。
セパレータを比較例3のセパレータに変更したこと以外は、実施例25と同様の方法でリチウムイオン二次電池の動作確認を行ったところ、容量保持率が90%未満であった。
リチウムイオンキャパシタの動作確認
正極前駆体として平均粒子径5.5μmの活性炭を58.0質量部、炭酸リチウムを32.0質量部、アセチレンブラックを4.0質量部、アクリルラテックスを3.5質量部、CMC(カルボキシメチルセルロース)を1.5質量部、PVP(ポリビニルピロリドン)1.0質量部を混合した。この混合物を、厚み15μmのアルミニウム箔の両面に塗工、乾燥し、ロールプレス機を用いてプレスされた正極前駆体を作成した。
セパレータを比較例3のセパレータに変更したこと以外は、実施例26と同様の方法でリチウムイオンキャパシタの動作確認を行ったところ、容量保持率が90%未満であった。
2 熱可塑性樹脂
3 開孔
4 熱可塑性樹脂により形成される開孔の輪郭
5 無機粒子により形成される開孔の輪郭
6 熱可塑性樹脂と無機粒子との界面
10 無機含有層のMD―ND断面
Claims (15)
- 無機粒子と、ポリオレフィンを50質量%以上含む熱可塑性樹脂と、を含む無機含有層とを備える、蓄電デバイス用セパレータであって、
前記無機含有層は、MD―ND断面において、熱可塑性樹脂領域と無機材料領域と空隙領域とを有し、
前記空隙領域と前記熱可塑性樹脂領域との境界部分の長さ(L po )と前記熱可塑性樹脂領域と前記無機材料領域との界面の長さ(L pi )との比率(L po /L pi )が、0.2以上3.0以下であり、
前記無機含有層の厚みが3μm以上27μm以下であり、
前記蓄電デバイス用セパレータのMDの引張強度とTDの引張強度の比(MD/TD)が8.0以上である、蓄電デバイス用セパレータ。 - 前記無機含有層は、MD―ND断面において、平均孔径が150nm以上2000nm以下の孔を有する、請求項1に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記無機粒子の粒子径が60nm以上2000nm以下である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 透気度が50秒/100ml以上1000秒/100ml以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記蓄電デバイス用セパレータは基材を備え、前記基材は、ポリプロピレンを50質量%以上含む微多孔層であり、
前記基材は、前記無機含有層の片面又は両面に存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。 - 前記蓄電デバイス用セパレータは基材を備え、前記無機含有層と前記基材との膜厚比(前記基材の膜厚/前記無機含有層の膜厚)が、0.3以上3.0以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記蓄電デバイス用セパレータは基材を備え、前記基材のMFRは、0.05g/10min以上0.9g/10min以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- TDの熱収縮率が3%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記無機含有層は、前記無機含有層の全質量を基準として、前記無機粒子を50質量%以上95質量%以下で含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記蓄電デバイス用セパレータの厚み14μm当たりの突刺強度が100gf/14μm以上である、請求項1~9のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記無機含有層は、前記ポリオレフィンとしてポリエチレンを含み、前記ポリエチレンの量は、前記蓄電デバイス用セパレータ全体熱可塑性樹脂の全質量を基準として20質量%以上である、請求項1~10のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記ポリエチレンの重量平均分子量は80万以下である、請求項11に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記蓄電デバイス用セパレータの総厚みが5μm以上30μm以下である、請求項1~12のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 前記無機含有層は、MD―ND断面において、平均孔径が200nm以上2000nm以下の孔を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
- 請求項1~14のいずれか一項に記載の蓄電デバイス用セパレータを含む蓄電デバイス。
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