JP7546405B2 - チオエステル誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
上記式(2)において、R3は、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基である。
(アルキル及びアリールマグネシウムハライド)
アルキルマグネシウムハライド及びアリールマグネシウムハライドは、ラクトン誘導体を開環させた後、チオールと反応させる反応剤として作用する。
R4MgX (6)
式(6)において、R4は、アルキル基又はアリール基である。アルキル基の炭素数は、1以上4以下であることが好ましい。アリール基の炭素数は、6以上10以下が好ましい。Xは、ハロゲン原子である。ハロゲン原子は、Cl、Br、I又はFであることが好ましく、より好ましくはClである。
ラクトン誘導体は、反応の基質となり得る。ラクトン誘導体は、下記式(1)で表される。
Aは、ハロゲノ基を有していてもよいアルキレン基である。アルキレン基の炭素数は、1以上6以下であり、好ましくは1である。sは、0又は1である。
Bは、O、S又はNHである。Bは、好ましくは、O、すなわち、エーテル結合である。tは、0又は1である。
Dは、O、S又はNHである。Dは、好ましくは、O、すなわち、エーテル結合である。uは、0又は1である。
チオールは、下記式(2)で表される。
式(2)において、R3は、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基である。R3は、アルキル基であることが好ましい。アルキル基の炭素数は、1以上20以下であることが好ましい。アラルキル基及びアリール基の炭素数は、7以上31以下であることが好ましい。
アルキルマグネシウムハライド及びアリールマグネシウムハライドの少なくとも一方の存在下、ラクトン誘導体と、チオールとを接触させることにより、下記式(3)で表されるチオエステル誘導体が得られる。
先ず、ラクトン誘導体及びチオールを第1反応溶媒に溶解させて第1混合物を得る。また、アルキルマグネシウムハライド及びアリールマグネシウムハライドの少なくとも一方を、第2反応溶媒に溶解させて、第1溶液を得る。第1及び第2反応溶媒としては、上記の反応溶媒と同種のものを用い得る。第1及び第2反応溶媒は、互いに異なる種類のものを用いてもよく、同一種類であってもよい。
チオエステル誘導体の製造方法において、反応溶媒を用いた場合、生成したチオエステル誘導体及び反応溶媒を含む第2混合物内から、以下の方法でチオエステル誘導体を分離することが好ましい。
以上の方法で得られたチオエステル誘導体の純度は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定できる。
機種:ウォーターズコーポレーション製 Waters Alliance(登録商標) e2695
検出器:紫外吸光光度計 Waters 2489
測定波長:254nm
カラム:Kinetex(登録商標) C18、内径4.6mm、長さ25cm(粒子径5μm)(Phenomenex社製)
カラム温度:30℃一定
サンプル温度:25℃一定
移動相A:アセトニトリル
移動相B:ギ酸水溶液(pH=5)
移動相の送液:
0-10分:移動相A 40体積%、移動相B 60体積%
10-30分:移動相A 40体積%から95体積%まで上昇、移動相B 60体積%から5体積%まで低下
30-55分:移動相A 95体積%、移動相B 5体積%
流速:1.0mL/分
測定時間:55分。
(ラクトン誘導体の合成)
以下の方法で、上記式(5)に示すラクトン誘導体を合成した。
先ず、窒素雰囲気下、直径9.5cmの二枚攪拌翼を備えた1000mL四つ口フラスコに、15g(27.74mmol)の上記式(10)に表す水酸基含有ラクトン誘導体と、75mLのジメチルスルホキシドとを加え、25℃で30分間にわたって攪拌して反応液を得た。この反応液に45mLの無水酢酸をゆっくりと滴下し、20℃で17時間にわたって撹拌した。攪拌後の反応液に300mLのトルエンを加えた後、360mLの5質量%塩酸をゆっくりと滴下し、反応液を有機層と水層とに分離させた。抽出した有機層を、150mLの5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液で3回洗浄した後、蒸留水、10質量%食塩水の順で更に有機層を洗浄した。洗浄後の有機層について、硫酸ナトリウムを用いて脱水処理を行った。脱水処理後の有機層を濾過し、得られた濾液を減圧濃縮して残渣を得た。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、14.61gの生成物を得た。
(チオエステル誘導体の製造)
以下の方法で、式(4)に示すチオエステル誘導体を製造した。
先ず、窒素雰囲気下、2.5cmの攪拌子を備えた50mL四つ口フラスコに、0.36g(2.04mmol)の1-デカンチオール、1g(1.86mmol)の製造例1で得られた式(5)に示すラクトン誘導体、及び10mLのテトラヒドロフランを加え、25℃で10分間にわたって攪拌して、第1混合物を得た。次に、テトラヒドロフランに2.04mmolのイソプロピルマグネシウムクロリドを溶解させて、1.02mLの第1溶液を得た。第1混合物を-10℃にまで冷却した後、これに第1溶液を15分間かけて滴下した。その後、この温度に保った状態で2時間にわたって攪拌して、チオエステル誘導体を含む第2混合物を得た。この第2混合物に含まれるチオエステル誘導体の反応転化率を上記の方法で測定したところ、反応転化率は92.8%であった。
第2溶液の代わりに、2.04mmolのトリメチルアルミニウムをトルエンに溶解させた溶液を用いたこと以外は、実施例1に記載したのと同様の方法で、チオエステル誘導体を含む第2混合物を得た。この第2混合物に含まれるチオエステル誘導体の反応転化率を上記の方法で測定したところ、反応転化率は91.0%であった。
Claims (3)
- アルキルマグネシウムハライド及びアリールマグネシウムハライドの少なくとも一方の存在下、下記式(1)で表されるラクトン誘導体と、下記式(2)で表されるチオールとを接触させて、下記式(3)で表されるチオエステル誘導体を得ることを含む、チオエステル誘導体の製造方法:
Aは、ハロゲノ基を有していてもよいアルキレン基であり、sは、0又は1であり、
Bは、O、S又はNHであり、tは、0又は1であり、
Cは、ハロゲノ基を有していてもよいアルキル基、ハロゲノ基を有していてもよいアラルキル基、ハロゲノ基を有していてもよいアリール基、ハロゲノ基を有していてもよいビニル基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群より選ばれる少なくとも1種をヘテロ原子として含み、ハロゲノ基を有していてもよい複素環基であり、
R2は、-(D)u-Eで表され、
Dは、O、S又はNHであり、uは、0又は1であり、
Eは、ハロゲノ基を有していてもよいアルキル基、ハロゲノ基を有していてもよいアラルキル基、ハロゲノ基を有していてもよいアリール基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群より選ばれる少なくとも1種をヘテロ原子として含み、ハロゲノ基を有していてもよい複素環基であり、
nは、1以上6以下であり、
R3-SH (2)
上記式(2)において、R3は、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基であり、
- 1モルの前記式(1)で表されるラクトン誘導体に対する前記アルキルマグネシウムハライド及びアリールマグネシウムハライドの少なくとも一方の量は、0.1モル以上3モル以下である請求項1に記載のチオエステル誘導体の製造方法。
- 前記式(1)で表されるラクトン誘導体と、前記式(2)で表されるチオールとを混合して得られた第1混合物と、前記アルキルマグネシウムハライド及びアリールマグネシウムハライドの少なくとも一方とを接触させることを含む請求項1又は2に記載のチオエステル誘導体の製造方法。
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