以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
本発明の実施の形態の無線通信システムの動作にあたっては、適宜、既存技術が使用される。ただし、当該既存技術は、例えば既存のLTEであるが、既存のLTEに限られない。また、本明細書で使用する用語「LTE」は、特に断らない限り、LTE-Advanced、及び、LTE-Advanced以降の方式(例:NR)、又は無線LAN(Local Area Network)を含む広い意味を有するものとする。
また、本発明の実施の形態において、無線パラメータ等が「設定される(Configure)」とは、所定の値が予め設定(Pre-configure)されることであってもよいし、ネットワークノード10又はユーザ装置20から通知される無線パラメータが設定されることであってもよい。
図1は、本発明の実施の形態における無線ネットワークを説明するための図である。本発明の実施の形態における無線ネットワークを含むシステムは、図1に示されるように、基地局装置10及びユーザ装置20を含む。図1には、基地局装置10及びユーザ装置20が1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数であってもよい。基地局装置10は、ネットワークノード10と呼ばれてもよい。
基地局装置10は、1つ以上のセルを提供し、ユーザ装置20と無線通信を行う通信装置である。無線信号の物理リソースは、時間領域及び周波数領域で定義され、時間領域はOFDMシンボル数で定義されてもよいし、周波数領域はサブキャリア数又はリソースブロック数で定義されてもよい。基地局装置10は、同期信号及びシステム情報をユーザ装置20に送信する。同期信号は、例えば、NR-PSS(Primary Synchronization Signal)及びNR-SSS(Secondary Synchronization Signal)である。システム情報は、例えば、NR-PBCH(Physical Broadcast Channel)にて送信され、報知情報ともいう。図1に示されるように、基地局装置10は、DL(Downlink)で制御信号又はデータをユーザ装置20に送信し、UL(Uplink)で制御信号又はデータをユーザ装置20から受信する。基地局装置10及びユーザ装置20はいずれも、ビームフォーミングを行って信号の送受信を行うことが可能である。また、基地局装置10及びユーザ装置20はいずれも、MIMO(Multiple Input Multiple Output)による通信をDL又はULに適用することが可能である。また、基地局装置10及びユーザ装置20はいずれも、CA(Carrier Aggregation)によるSCell(Secondary Cell)及びPCell(Primary Cell)を介して通信を行ってもよい。
ユーザ装置20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、ウェアラブル端末、M2M(Machine-to-Machine)用通信モジュール等の無線通信機能を備えた通信装置である。図1に示されるように、ユーザ装置20は、DLで制御信号又はデータを基地局装置10から受信し、ULで制御信号又はデータを基地局装置10に送信することで、無線通信システムにより提供される各種通信サービスを利用する。また、ユーザ装置20は、ネットワークに配置されるアプリケーションサーバと通信を行うクライアントアプリケーションとしての機能を有してもよい。
図2は、本発明の実施の形態におけるコアネットワークを説明するための図である。図2に示されるように、本発明の実施の形態におけるコアネットワークを含むシステムは、ユーザ装置20であるUE、複数のネットワークノード10から構成される。以下、機能ごとに1つのネットワークノード10が対応するものとするが、複数の機能を1つのネットワークノード10が実現してもよいし、複数のネットワークノード10が1つの機能を実現してもよい。また、以下に記載する「接続」は、論理的な接続であってもよいし、物理的な接続であってもよい。
RAN(Radio Access Network)は、無線アクセス機能を有するネットワークノード10であり、UE、AMF(Access and Mobility Management Function)及びUPF(User plane function)と接続される。基地局装置10は、RANに対応するネットワークノード10であってもよい。AMFは、RANインタフェースの終端、NAS(Non-Access Stratum)の終端、登録管理、接続管理、到達性管理、モビリティ管理等の機能を有するネットワークノード10である。UPFは、DN(Data Network)と相互接続する外部に対するPDU(Protocol Data Unit)セッションポイント、パケットのルーティング及びフォワーディング、ユーザプレーンのQoS(Quality of Service)ハンドリング等の機能を有するネットワークノード10である。UPF及びDNは、ネットワークスライスを構成する。、本発明の実施の形態における無線通信ネットワークでは、複数のネットワークスライスが構築されている。
AMFは、UE、RAN、SMF(Session Management function)、NSSF(Network Slice Selection Function)、NEF(Network Exposure Function)、NRF(Network Repository Function)、UDM(Unified Data Management)、AUSF(Authentication Server Function)、PCF(Policy Control Function)、AF(Application Function)と接続される。AMF、SMF、NSSF、NEF、NRF、AUSF、PCF、AFは、各々のサービスに基づくインタフェース、Namf、Nsmf、Nnssf、Nnef、Nnrf、Nudm、Nausf、Npcf、Nafを介して相互に接続されるネットワークノード10である。
SMFは、セッション管理、UEのIP(Internet Protocol)アドレス割り当て及び管理、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能、ARP(Address Resolution Protocol)プロキシ、ローミング機能等の機能を有するネットワークノード10である。NEFは、他のNF(Network Function)に能力及びイベントを通知する機能を有するネットワークノード10である。NSSFは、UEが接続するネットワークスライスの選択、許可されるNSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)の決定、設定されるNSSAIの決定、UEが接続するAMFセットの決定等の機能を有するネットワークノード10である。PCFは、ネットワークのポリシ制御を行う機能を有するネットワークノード10である。AFは、アプリケーションサーバを制御する機能を有するネットワークノード10である。NRFは、サービスを提供するNFインスタンスを発見する機能を有するネットワークノード10である。
ここで、NaaS(Network as a Service)というネットワークを提供するサービスには、以下1)-4)の概念が含まれる。
1)ハードウェア導入を主としたネットワーク構築。基幹ルータ等のネットワーク機器を含むLAN(Local Area Network)であり、例えば、事業所内のLANの構築委託等。
2)WAN(Wide Area Network)構築。VPN等の仮想化技術を含めたWANであり、例えば、支社・事業所間を相互にアクセス可能にするWAN構築等。
3)特定のネットワーク構成又は品質を前提とする回線サービス。IoTプラットフォームの提供であり、例えば、LoRAWAN(登録商標)等によるIoTネットワークの敷設、法人向けIoTソリューション。また例えば、帯域保証型の回線サービスを一般ユーザに提供するサービス等であり工事を含む場合もある。
4)上記3)を一般ユーザに、オンデマンド(On-demand)で提供するサービス。ユーザが複数あるオプションからネットワーク品質を選択し、例えば、「XMbpsの帯域保証型」及び「遅延はYmsec以内」のような品質の回線を提供するサービス。
本発明の実施の形態は、上記4)のNaaSを無線ネットワークで実現する技術に係る。有線ネットワークにおけるNaaSでは、ピークレート及び故障率に加えて、QoSに分類される帯域保証の形態、遅延時間といった項目がSLA(Service Level Agreement)として規定されている。
SLAで提供可能な品質の項目例は、例えば、以下1)-9)である。SLA付き回線サービスにおいては、SLAを事前に定義し、違反した場合の対応が明確化されている。例えば、平均遅延時間がYmsecを超えた場合、料金をZ%減額する等の取り決めがなされる。
1)トラフィック関連(平均スループット、遅延時間、パケット損失率等)
2)稼働率・可用性
3)障害通知
4)同時接続可能数
5)バックアップ関連(頻度、項目、保存可能な期間等)
6)ログ関連(頻度、項目、保存可能な期間等)
7)サポートデスク等の窓口体制
8)障害関連(復旧時間、対応時間、オンサイト対応の可否等)
9)上記の品質レベルの種類
ここで、無線ネットワークにおいて、帯域保証又は遅延をネットワーク全体で設計することが、特にモバイルブロードバンドサービスでは困難である。そのため、ユーザの需要に応じてオンデマンドでQoSを保証するNaaSを提供する際、問題が生じる。
表1に示されるように、QCI(QoS Class Identifier)は、ビットレートを保証するか(Guarantee)、優先度、許容遅延(Delay Budget)、パケット損失率(Loss rate)、アプリケーションに関連付けられる。例えば、QCIが4の場合、ビットレートは保証され(GBR: Guaranteed bit rate)、優先度は3であり、許容遅延は50ms、パケット損失率は10-3乗であり、アプリケーションはリアルタイムゲームである。QCIに応じて、基地局装置10がスケジューリング等を行い、表1に示されるパラメータを満たすように通信が行われる。しかしながら、実際の通信においてQoSが保証されているわけではない。
無線ネットワークにおいては、ユーザ装置が通信品質の悪い地理的位置に移動することでSLAを保証することが困難になる可能性が考えられる。そのため、帯域保証又は遅延をネットワーク全体で設計することが、特にモバイルブロードバンドサービスでは困難である。したがって、ユーザの需要に応じてオンデマンドでQoSを保証するNaaSを提供する際、問題が生じる。
以下、移動体通信におけるQoSが提供する品質に係る要件を規定する方法について説明する。無線ネットワークにおいて、従来の有線ネットワークに向けに規定されていたQoSの定義を適用することは困難である。例えば、ユーザ装置20が圏外に移動しただけで、ネットワーク疎通が不可となるため、帯域又は遅延に関するサービス要件をいかなる状況でも保証するといったサービス形態は実現が難しい。一方、LTEと比較して、より柔軟かつ仔細な制御を可能とする5GC(5G Core Network)及びNRで更に機能拡充が検討されるURLLC(Ultra Reliable and Low Latency Communications)がサポートされる場合、無線ネットワークにおいてもQoS制御を可能とする回線サービスに対する潜在的な需要は大きいことが想定される。
そこで、QoS制御に関する品質要件の視点から、例えば、一般的なモビリティユーザ端末の他、地理的位置が制限される準静的なユーザ端末又は固定位置のユーザ端末等、事前に特定の利用形態を宣言することが想定される。本発明の実施の形態においては、例えば、上記のようにユーザ端末にQoS制御が適用可能である運用形態を想定してQoSの定義を提案する。地理的位置は、特定のレベルの通信品質が想定されることで規定されてもよいし、又は通信品質に起因して特定の地理的位置が想定されてもよい。
QoS提供の可否又はQoSが提供する通信品質の程度を判定するための条件を規定し(以降、当該条件を「QoS分岐条件」という。)、QoS分岐条件ごとに、異なるQoSが提供する品質を規定する要件(以降、「QoS要件」という。)を規定する。QoS分岐条件の決定は、ユーザ端末又は基地局装置が測定する通信の状態に基づいて実行されてもよいし、クライアントアプリケーション又はアプリケーションサーバが保持する情報又は状態に基づいて実行されてもよいし、あるいはそれらの組み合わせに基づいて実行されてもよい。また、例えば、同一のユーザ端末が、アプリごと、通信のポートごと、宛先又は送信元IPアドレスごと等で構成される複数のQoS分岐条件を同時にそれぞれ判定してもよい。例えば、クライアントアプリケーションはユーザ装置20上で動作するアプリケーションであってもよいし、アプリケーションサーバは図2に示されるDNに接続されるサーバであってもよいしAFであってもよい。
図3は、本発明の実施の形態におけるQoSが適用される通信の例(1)を説明するためのフローチャートである。図3を用いて、QoS分岐条件に基づいてQoS要件が決定される通信を説明する。
ステップS11において、ユーザ装置20又は基地局装置10は、QoS分岐条件を特定する。QoS分岐条件は、予め規定されてもよいし、任意の時点で設定されてもよい。続いて、ステップS12において、ユーザ装置20又は基地局装置10は、QoS分岐条件に基づいて、QoS要件を決定する。QoS分岐条件からQoS要件を決定する方法の詳細は後述する。続いて、ステップS13において、ユーザ装置20又は基地局装置10は、QoS要件が満たされる通信を実行する。
図4は、本発明の実施の形態におけるQoSが適用される通信の例(2)を説明するためのフローチャートである。例えば、QoS分岐条件は無線区間のRRC状態であって、RRC状態ごとにQoS要件が決定されてもよい。図4に示されるフローチャートは、ユーザ装置20が実行する場合の説明とするが、ユーザ装置20の代わりに基地局装置10がフローチャートを実行してもよい。
ステップS21において、ユーザ装置20は、QoS分岐条件#1であるRRC状態が「IDLE mode」であるかを判定する。RRC状態が「IDLE mode」である場合(S21のYES)ステップS22に進み、RRC状態が「IDLE mode」でない場合(S21のNO)ステップS24に進む。ステップS22において、ユーザ装置20は、QoS要件を設定せず、ステップS23に進む。ステップS23において、ユーザ装置20は、QoS要件が設定されない通信を実行する。
一方、ステップS24において、ユーザ装置20は、QoS分岐条件#2であるRRC状態が「CONNECTED mode」であるかを判定する。RRC状態が「CONNECTED mode」である場合(S24のYES)ステップS25に進み、RRC状態が「CONNECTED mode」でない場合(S24のNO)ステップS27に進む。
ステップS25において、ユーザ装置20は、QoS要件としてU-plane遅延X2ms、C-plane遅延Y2ms及び最低スループットZ2Mbpsを設定し、ステップS26に進む。ステップS26において、ユーザ装置20は、QoS要件が設定される通信を実行する。一方ステップS27において、ユーザ装置20は、QoS要件を設定せず、ステップS28に進む。ステップS28において、ユーザ装置20は、QoS要件が設定されない通信を実行する。
図5は、本発明の実施の形態におけるQoSが適用される通信の例(3)を説明するためのフローチャートである。例えば、QoS分岐条件は無線区間のRRC状態及びユーザ端末が測定する通信品質を組み合わせた条件であってもよい。図5に示されるフローチャートは、ユーザ装置20が実行する場合の説明とするが、ユーザ装置20の代わりに基地局装置10がフローチャートを実行してもよい。
ステップS31において、ユーザ装置20は、QoS分岐条件#1であるRRC状態が「IDLE mode」であるかを判定する。RRC状態が「IDLE mode」である場合(S31のYES)ステップS32に進み、RRC状態が「IDLE mode」でない場合(S31のNO)ステップS34に進む。ステップS32において、ユーザ装置20は、QoS要件を設定せず、ステップS33に進む。ステップS33において、ユーザ装置20は、QoS要件が設定されない通信を実行する。
一方、ステップS34において、ユーザ装置20は、QoS分岐条件#2であるRRC状態が「CONNECTED mode」であり、かつ測定されたRSRP(Reference Signals Received Power)が所定の閾値W2以上であるかを判定する。RRC状態が「CONNECTED mode」でありかつRSRPが所定の閾値W2以上である場合(S34のYES)ステップS35に進み、RRC状態が「CONNECTED mode」でないか又はRSRPが所定の閾値W2以上でない場合(S34のNO)ステップS37に進む。
ステップS35において、ユーザ装置20は、QoS要件#1としてU-plane遅延X2ms、C-plane遅延Y2ms及び最低スループットZ2Mbpsを設定し、ステップS36に進む。ステップS36において、ユーザ装置20は、QoS要件#1が設定される通信を実行する。一方ステップS37において、ユーザ装置20は、QoS分岐条件#3であるRRC状態が「CONNECTED mode」であり、かつ測定されたRSRPが所定の閾値W3以上であるかを判定する。RRC状態が「CONNECTED mode」でありかつRSRPが所定の閾値W3以上である場合(S37のYES)ステップS38に進み、RRC状態が「CONNECTED mode」でないか又はRSRPが所定の閾値W3以上でない場合(S37のNO)ステップS40に進む。
ステップS38において、ユーザ装置20は、QoS要件#2としてU-plane遅延X3ms、C-plane遅延Y3ms及び最低スループットZ3Mbpsを設定し、ステップS39に進む。ステップS39において、ユーザ装置20は、QoS要件#2が設定される通信を実行する。一方、ステップS40において、ユーザ装置20は、QoS要件を設定せず、ステップS41に進む。ステップS41において、ユーザ装置20は、QoS要件が設定されない通信を実行する。
なお、図5に示される閾値W2及び閾値W3について、W2はW3より大であってもよい。なお、QoS分岐条件は、特定のネットワーク情報に係る条件と、無線区間の情報に係る条件とが組み合わせられて構成されてもよい。特定のネットワーク情報は、例えば、パケットの宛先IPアドレスであってもよい。無線区間の情報は、例えば、RRC状態又は測定された通信品質であってもよい。
なお、QoS分岐条件は、以下1)-10)のいずれかで構成される条件によって定義されてもよいし、以下1)-10)のいずれかの組み合わせで構成される条件によって定義されてもよい。
1)アプリケーションの種別又はサービス分類(例えば、VoIP(Voice over Internet Protocol)、リアルタイムゲーム等)
2)パケットの宛先IPアドレス又は送信元IPアドレス
3)通信ポート
4)RRC状態
5)ユーザが測定する無線品質(例えば、RSRP、RSRQ(Reference Signal Received Quality)等)
6)ユーザが測定する無線品質以外の端末の状態(例えば、加速度センサ、ジャイロセンサにより測定される端末の移動状態等)
7)平均スループット、遅延時間、遅延揺らぎ(Jitter)又はパケット損失率
8)クライアントアプリケーションのQoS制御要求の有無
9)アプリケーションサーバのQoS制御要求の有無
10)在圏しているRAT(Radio Access Technology)種別
例えば、QoS分岐条件が測定される無線品質で定義される場合、無線品質が低い状態よりも無線品質が高い状態のほうが、より高品質であるQoS要件が規定されてもよい。例えば、QoS分岐条件が端末の移動状態で定義される場合、低速移動している状態よりも高速移動している状態のほうが、より低品質であるQoS要件が規定されてもよい。
なお、QoS分岐条件によって規定されるQoS要件は、以下1)-9)のいずれかで定義されてもよいし、以下1)-9)のいずれかの組み合わせで定義されてもよい。
1)トラフィックに関連するパラメータ(例えば、スループット、遅延時間、遅延揺らぎ、パケット損失率等)
2)稼働率又は可用性
3)障害通知
4)同時接続可能数
5)バックアップに関連するパラメータ(例えば、頻度、項目、保存可能な期間等)
6)ログに関連するパラメータ(例えば、頻度、項目、保存可能な期間等)
7)サポートデスク等のサービス体制
8)障害への対応に関連する事項(例えば、復旧時間、対応時間、オンサイト対応の可否等)
9)上記1)-8)の品質レベルを示す複数の種類
以下、移動体通信におけるQoSが提供する品質に係る要件に関する通知方法について説明する。QoS制御に係る各種の情報に基づいて、QoS要件に係る判定を行い、判定結果に関連するQoS可否を示す情報を示す情報が通知されてもよい。ユーザ装置20上で動作するクライアントアプリケーション、サービスを提供するアプリケーションサーバ10、QoS制御の機能を有するアプリケーションサーバ10又はその他のネットワークノード10が、一方向又は双方向で当該QoS提供可否を示す情報を通知してもよい。また、ユーザ装置20上で動作するクライアントアプリケーション、サービスを提供するアプリケーションサーバ10、QoS制御の機能を有するアプリケーションサーバ10又はその他のネットワークノード10が呼び出すアプリケーションインタフェースが、当該QoS提供可否を示す情報に関する通知を規定してもよい。当該QoS提供可否を示す情報に関する通知は、QoS要件を決定する方法を含んでもよい。
例えば、QoS制御に関するアプリケーション動作の観点において、一時的にQoSの提供が不可能と判断されるか又はQoSの提供が困難になると予想される場合に、一時的にQoS制御を停止又は保留することをQoS提供可否を示す情報として、クライアントアプリケーション20又はアプリケーションサーバ10は、対向する通信相手に通知してもよい。
QoS制御に係る各種の情報は、以下1)-4)のいずれかであってもよい。
1)RRC状態
2)ユーザが測定する無線品質(例えば、RSRP、RSRQ等)
3)ユーザが測定する無線品質以外の端末の状態(例えば、加速度センサ、ジャイロセンサにより測定される端末の移動状態等)
4)平均スループット、遅延時間、遅延揺らぎ(Jitter)又はパケット損失率
QoS提供可否を示す情報の通知に関する動作は、以下1)-6)のいずれかに基づいて変更されてもよい。例えば、以下1)-6)のいずれかに基づいて、QoS制御に係る各種の情報のQoS要件に係る判定が変更されてもよい。
1)アプリケーションの種別又はサービス分類(例えば、VoIP、リアルタイムゲーム等)
2)パケットの宛先IPアドレス又は送信元IPアドレス
3)通信ポート
4)クライアントアプリケーションのQoS制御要求の有無
5)アプリケーションサーバのQoS制御要求の有無
6)在圏しているRAT種別
図6は、本発明の実施の形態におけるQoSに係る通知の例を説明するためのシーケンス図である。図6を用いて、QoS制御に係る各種の情報に基づいて、QoS要件に係る判定を行い、判定結果に関連するQoS提供可否を示す情報が通知されるシーケンスを説明する。
ステップS41aにおいて、クライアントアプリケーション20は、QoS制御に係る情報を取得する。続いて、クライアントアプリケーション20は、QoS制御に係る情報に基づいて、QoS要件に係る判定を実行する(S42a)。続いて、クライアントアプリケーション20は、前記判定の結果に基づくQoS提供可否を示す情報をアプリケーションサーバ10に送信する(S43)。すなわち、QoS要件に係る判定とは、QoS提供可否を示す情報を送信するか否かを決定する判定である。一方、ステップS41bにおいて、アプリケーションサーバ10は、QoS制御に係る情報を取得する。続いて、アプリケーションサーバ10は、QoS制御に係る情報に基づいて、QoS要件に係る判定を実行する(S42b)。続いて、アプリケーションサーバ10は、前記判定の結果に基づくQoS提供可否を示す情報をクライアントアプリケーション20に送信する(S43)。すなわち、QoS要件に係る判定とは、QoS提供可否を示す情報を送信するか否かを決定する判定である。クライアントアプリケーション20又はアプリケーションサーバ10のいずれか一方が、ステップS43においてQoS提供可否を示す情報を送信してもよい。クライアントアプリケーション20又はアプリケーションサーバ10は、受信したQoS提供可否を示す情報に基づいて、QoSに係る制御を行って、当該QoSに係る制御が適用された通信を実行してもよい。例えば、QoSに係る制御とは、QoS要件を変更するものであってもよいし、QoSの提供可否を切り替えるものであってもよい。
図7は、本発明の実施の形態におけるQoSに係る通知の例を説明するための図である。図7を用いて、QoS制御に係る各種の情報に基づいて、QoS要件に係る判定を行い、判定結果に関連するQoS提供可否を示す情報が通知される例を説明する。図7において、アプリケーションサーバ10がQoSを提供する装置であるとする。
図7に示されるように、クライアントアプリケーション20は、QoS制御に係る情報として受信レベル(例えば、RSRP)を測定し、QoS要件に係る判定として、圏外判定に用いる閾値(qrxlevmin)よりも高い受信レベルに対応するQoS制御を保証するための追加の閾値と受信レベルを比較する。受信レベルが当該追加の閾値を下回った場合、「障害通知」をアプリケーションサーバ10に送信してもよい。すなわち、「障害通知」よりも前の時点はQoSが提供される状態であって、「障害通知」の時点でQoSが非提供状態となる制御を行ってもよい。「障害通知」の後、受信レベルが更に低下すると圏外となり、QoS提供は不可能な状態となる。なお、QoS要件に係る判定に用いる上記追加の閾値は、圏外判定に用いる閾値と同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。また、QoS要件に係る判定に用いる上記追加の閾値は、図5に示されるQoS分岐条件の判定に用いる閾値と同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。
QoS要件が複数のQoS制御に係る情報から規定されている場合、保証可能なQoS制御に係る情報が変動したことを示す情報が「障害通知」に含まれてもよい。保証可能なQoS制御に係る情報が変動したことを示す情報を受信したアプリケーションサーバ10は、保証可能なQoS要件が変動したことを示す情報に基づいて、QoS要件の変更を行ってもよい。
図7に示される受信レベルが悪化する例とは逆に受信レベルが向上する場合、クライアントアプリケーション20は、受信レベルが十分な品質に復帰したことを検出した場合、QoS提供が可能な状態に復帰したことを示す通知をアプリケーションサーバ10に送信してもよい。
アプリケーションサーバ10は、QoSを提供可能であるか否かを示す情報又はQoSを提供可能であるか否かを判定するために必要な情報を、クライアントアプリケーション20に要求して報告させてもよい。
上述の実施例により、ネットワークノード10又はユーザ装置20は、QoS制御に係る情報を取得し、QoSが提供する品質を規定する要件に係る判定を実行して、QoS提供可否を示す情報を通知することができる。ネットワークノード10又はユーザ装置20は、受信したQoS提供可否を示す情報に基づいて、QoS制御を実行することができる。
すなわち、無線ネットワークにおいてQoS(Quality of Service)に係る制御の精度を向上させることができる。
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行するネットワークノード10及びユーザ装置20の機能構成例を説明する。ネットワークノード10及びユーザ装置20は上述した実施例を実施する機能を含む。ただし、ネットワークノード10及びユーザ装置20はそれぞれ、実施例の中の一部の機能のみを備えることとしてもよい。
<ネットワークノード10>
図8は、ネットワークノード10の機能構成の一例を示す図である。図8に示されるように、ネットワークノード10は、送信部110と、受信部120と、設定部130と、制御部140とを有する。図8に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。また、システムアーキテクチャ上で複数の異なる機能を有するネットワークノード10は、機能ごとに分離された複数のネットワークノード10から構成されてもよい。
送信部110は、ユーザ装置20又は他のネットワークノード10に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部120は、ユーザ装置20から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、送信部110は、ユーザ装置20へNR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、DL/UL制御信号、DL参照信号等を送信する機能を有する。
設定部130は、予め設定される設定情報、及び、ユーザ装置20に送信する各種の設定情報を記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。設定情報の内容は、例えば、PDUセッションのQoSパラメータ管理に係る情報等である。
制御部140は、実施例において説明したように、ユーザ装置20とユーザプレーンとのPDUセッションのQoS制御に係る処理を行う。また、制御部140は、アプリケーションサーバの機能を実現する処理を行ってもよい。制御部140における信号送信に関する機能部を送信部110に含め、制御部140における信号受信に関する機能部を受信部120に含めてもよい。
<ユーザ装置20>
図9は、ユーザ装置20の機能構成の一例を示す図である。図9に示されるように、ユーザ装置20は、送信部210と、受信部220と、設定部230と、制御部240とを有する。図9に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
送信部210は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部220は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部220は、ネットワークノード10から送信されるNR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、DL/UL/SL制御信号又は参照信号等を受信する機能を有する。また、例えば、送信部210は、D2D通信として、他のユーザ装置20に、PSCCH(Physical Sidelink Control Channel)、PSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)、PSDCH(Physical Sidelink Discovery Channel)、PSBCH(Physical Sidelink Broadcast Channel)等を送信し、受信部220は、他のユーザ装置20から、PSCCH、PSSCH、PSDCH又はPSBCH等を受信する。さらに、送信部210及び受信部220は、無線LAN又は有線LANの送受信機能等を有する。
設定部230は、受信部220によりネットワークノード10又はユーザ装置20から受信した各種の設定情報を記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。また、設定部230は、予め設定される設定情報も格納する。設定情報の内容は、例えば、PDUセッションのQoSパラメータ管理に係る情報等である。
制御部240は、実施例において説明したように、ユーザ装置20とユーザプレーンとのPDUセッションのQoS制御に係る処理を行う。また、制御部240は、クライアントアプリケーションの機能を実現する処理を行ってもよい。制御部240における信号送信に関する機能部を送信部210に含め、制御部240における信号受信に関する機能部を受信部220に含めてもよい。
(ハードウェア構成)
上記実施形態の説明に用いたブロック図(図8及び図9)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態におけるネットワークノード10、ユーザ装置20等は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図10は、本開示の一実施の形態に係るネットワークノード10及びユーザ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のネットワークノード10及びユーザ装置20は、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。ネットワークノード10及びユーザ装置20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
ネットワークノード10及びユーザ装置20における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の制御部140、制御部240等は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータ等を、補助記憶装置1003及び通信装置1004の少なくとも一方から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、図8に示したネットワークノード10の制御部140は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、図9に示したユーザ装置20の制御部240は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本開示の一実施の形態に係る通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び補助記憶装置1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インタフェース等は、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、ネットワークノード10及びユーザ装置20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本発明の実施の形態によれば、QoS(Quality of Service)の制御に係る情報を取得し、前記制御に係る情報に基づいて前記QoSの提供可否を示す情報を送信することを決定する制御部と、前記判定の結果に基づくQoSの提供可否を示す情報を他の通信装置に送信する送信部と、前記QoSの提供可否を示す情報に基づいて実行されるQoSの制御が適用された無線通信を実行する通信部とを有する通信装置が提供される。
上記の構成により、ネットワークノード10又はユーザ装置20は、QoS制御に係る情報を取得し、QoSが提供する品質を規定する要件に係る判定を実行して、QoS提供可否を示す情報を通知することができる。ネットワークノード10又はユーザ装置20は、受信したQoS提供可否を示す情報に基づいて、QoS制御を実行することができる。すなわち、無線ネットワークにおいてQoS(Quality of Service)に係る制御の精度を向上させることができる。
前記QoSは、特定のレベルの通信品質が想定される通信装置に適用されるQoSであってもよい。当該構成により、ネットワークノード10又はユーザ装置20は、無線ネットワークにおいてQoSを実現することができる。
前記QoSは、特定のレベルの通信品質に起因して特定の地理的位置が想定される通信装置に適用されるQoSであってもよい。当該構成により、ネットワークノード10又はユーザ装置20は、無線ネットワークにおいてQoSを実現することができる。
QoS提供の可否を判定するための条件として、パケットの宛先IPアドレス及び通信ポートの少なくともいずれか一方を用いてもよい。当該構成により、ネットワークノード10又はユーザ装置20は、QoS要件に係る判定を実行することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、QoS(Quality of Service)の制御に係る情報を取得し、前記制御に係る情報に基づいて前記QoSの提供可否を示す情報を送信することを決定する制御部と、前記判定の結果に基づくQoSの提供可否を示す情報を他の通信装置に送信する送信部と、前記QoSの提供可否を示す情報に基づいて実行されるQoSの制御が適用された無線通信を実行する通信部と、を有する通信装置と、QoSの提供可否を示す情報を受信する受信部と、前記QoSの提供可否を示す情報に基づいて前記通信装置にQoSの制御を適用するよう制御する制御部と、を有する他の通信装置とから構成されるシステムが提供される。当該構成により、無線ネットワークにおいてQoS(Quality of Service)に係る制御の精度を向上させることができる。
また、本発明の実施の形態によれば、QoS(Quality of Service)の制御に係る情報を取得し、前記制御に係る情報に基づいて前記QoSの提供可否を示す情報を送信することを決定するステップと、前記判定の結果に基づくQoSの提供可否を示す情報を他の通信装置に送信するステップと、前記QoSの提供可否を示す情報に基づいて実行されるQoSの制御が適用された無線通信を実行するステップと、を有する通信装置による通信方法が提供される。
上記の構成により、ネットワークノード10又はユーザ装置20は、QoS制御に係る情報を取得し、QoSが提供する品質を規定する要件に係る判定を実行して、QoS提供可否を示す情報を通知することができる。ネットワークノード10又はユーザ装置20は、受信したQoS提供可否を示す情報に基づいて、QoS制御を実行することができる。すなわち、無線ネットワークにおいてQoS(Quality of Service)に係る制御の精度を向上させることができる。
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、ネットワークノード10及びユーザ装置20は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従ってネットワークノード10が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従ってユーザ装置20が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
また、情報の通知は、本開示で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ等であってもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
本明細書においてネットワークノード10によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。ネットワークノード10を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、ユーザ装置20との通信のために行われる様々な動作は、ネットワークノード10及びネットワークノード10以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GW等が考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記においてネットワークノード10以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、他のネットワークノードは、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
本開示において説明した情報又は信号等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
本開示における判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「基地局装置」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ装置20間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述のネットワークノード10が有する機能をユーザ装置20が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
なお、本開示におけるネットワークノード10、アプリケーションサーバ10、ユーザ装置20又はクライアントアプリケーション20は、通信装置の一例である。送信部210及び受信部220は、通信部の一例である。送信部110及び受信部120は、通信部の一例である。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
本国際特許出願は2019年6月17日に出願した日本国特許出願第2019-112297号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2019-112297号の全内容を本願に援用する。