JP7539268B2 - ゴム組成物およびその用途 - Google Patents
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Description
(i)エチレン(A)に由来する構成単位と、α-オレフィン(B)に由来する構成単位とのモル比[(A)/(B)]が、40/60~99.9/0.1である;
(ii)100℃におけるムーニー粘度[ML(1+4)(100℃)、JIS K6300]が、5~100である。
本発明に係るゴム組成物は、特定のエチレン・α-オレフィン共重合体(S)と、ジエン系ゴム(T)とを含有し、前記ジエン系ゴム(T)100質量部に対して前記共重合体(S)を0.5質量部以上、50質量部以下の量で含有する。
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(S)(以下、単に「共重合体(S)」ともいう。)は、エチレン(A)と、炭素原子数3~20のα-オレフィン(B)とに由来する構成単位を有する。
(i)エチレン(A)に由来する構成単位と、α-オレフィン(B)に由来する構成単位とのモル比[(A)/(B)]が、40/60~99.9/0.1である。
(ii)100℃におけるムーニー粘度[ML(1+4)(100℃)、JIS K6300]が、5~100である。
本明細書では、「炭素原子数3~20のα-オレフィン」を単に「α-オレフィン」とも記す。
要件(i)は、前記共重合体(S)中のエチレン/α-オレフィンのモル比が40/60~99.9/0.1を満たすことを特定するものであり、このモル比は好ましくは40/60~90/10、より好ましくは45/55~85/15、さらに好ましくは50/50~78/22である。このような前記共重合体(S)は、架橋成形体の原料として用いた場合に、得られる架橋成形体が優れたゴム弾性を示し、機械的強度ならびに柔軟性に優れたものとなるため好ましい。
要件(ii)は、前記共重合体(S)の100℃におけるムーニー粘度[ML(1+4)(100℃)、JIS K6300]が、5~100を満たすことを特定するものであり、前記ムーニー粘度は、好ましくは10~80、より好ましくは20~60である。 ムーニー粘度が前記範囲にある成分(A)は、優れた加工性を有する。
前記共重合体(S)は、下記要件(iii)を満たすことが好ましい。
要件(iii)は、前記共重合体(S)の、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が、好ましくは4~40の範囲にあることを特定するものである。この分子量分布(Mw/Mn)は、より好ましくは4~30、さらに好ましくは5~25の範囲である。
前記共重合体(S)が、要件(iii)を満たす場合、低分子量成分を適切な量で含有するため、加工性が良好となる。
前記共重合体(S)は、下記要件(iv)を満たすことが好ましい。
要件(iv)は、前記共重合体(S)の前記数平均分子量(Mn)が30,000以下であることを特定するものである。前記数平均分子量(Mn)は、好ましくは500~25,000、より好ましくは1,000~20,000の範囲である。
前記共重合体(S)は、極限粘度[η]が好ましくは0.1~5dL/g、より好ましくは0.~5.0dL/g、さらに好ましくは0.3~4.0dL/gである。
前記共重合体(S)は、上記の極限粘度[η]および重量平均分子量(Mw)を兼ね備えて満たすことが好ましい。
前記共重合体(S)は、エチレン(A)と、炭素原子数3~20のα-オレフィン(B)とを共重合してなる共重合体である。
前記ジエン系ゴム(T)としては、主鎖に二重結合を有する公知のジエン系ゴムを制限なく使用でき、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。ジエン系ゴムとしては、共役ジエン化合物を主モノマーとする重合体または共重合体ゴムが好ましく用いられる。本発明において、ジエン系ゴムには、天然ゴム(NR)、水添ゴムも含まれる。ジエン系ゴム(T)としては、通常、未架橋のものを採用することができ、ヨウ素価が100以上、好ましくは200以上、さらに好ましくは250以上のものが望ましい。
本発明のゴム組成物は、用途に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに、軟化剤、充填剤、その他の樹脂成分、架橋剤、発泡剤、酸化防止剤(安定剤)、耐候剤、可塑剤、着色剤、従来公知のゴム組成物に配合される各種添加剤などの任意成分を適宜含有することができる。
軟化剤としては、従来ゴムに配合されている軟化剤が広く用いられる。
具体的には、
パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル等の石油系軟化剤;
合成油系軟化剤;
エチレンとα-オレフィンのコオリゴマー;
パラフィン・ワックス;
流動パラフィン;
ホワイト・オイル(白油);
ペトロラタム;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、綿実油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油、パーム油、大豆油、落花生油、木ろう、ロジン、パインオイル、ジペンテン、パインタール、トール油等の植物油系軟化剤;
黒サブ、白サブ、飴サブ等のサブ(ファクチス);
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;
クマロン・インデン樹脂;
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂;
テルペン・フェノール樹脂;
ポリテルペン樹脂;
合成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・脂環族系石油樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂、水添変性脂環族系炭化水素樹脂、水添炭化水素樹脂、液状ポリブテン、液状ポリブタジエン、アタクチックポリプロピレン等の石油系炭化水素樹脂
などが挙げられる。
これら軟化剤の中でもアロマ系プロセスオイルが特に好ましい。
なお、軟化剤は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
充填剤としては、特に限定はないが、無機充填剤がゴム組成物の引張強度、引裂強度、耐摩耗性などの機械強度を向上させるため好ましい。
なお、充填剤は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
本発明のゴム組成物は、前述の共重合体(S)以外の樹脂成分を必要に応じて含有してもよい。このようなその他の樹脂成分としては、特に限定されるものではないが、ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、α‐オレフィン単独重合体、α‐オレフィン共重合体が挙げられる。α‐オレフィン単独重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、α‐オレフィン共重合体としては、エチレン・炭素原子数3~20のα‐オレフィン共重合体(ただし、前記共重合体(S))とは異なる)、エチレン・炭素原子数3~20のα‐オレフィン・非共役ポリエン共重合体が挙げられる。エチレン・炭素原子数3~20のα‐オレフィン共重合体としては、エチレン・プロピレンラバー(EPR)、プロピレン・エチレンラバー(PER)、エチレン・ブテンラバー(EBR)、エチレン・オクテンラバー(EOR)などが挙げられる。
なお、ポリオレフィン樹脂は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
本発明に係るゴム組成物は、架橋可能な組成物であり、これを架橋することにより、後述する本発明に係る架橋成形体を製造することができる。架橋は、架橋剤を使用して加熱等により行ってもよく、また、電子線、X線、γ線、α線およびβ線などの放射線を照射することにより架橋する放射線架橋により行ってもよい。放射線架橋のうちでは電子線架橋が好ましい。
また、ゴム組成物を加熱により架橋する場合には、ゴム組成物が、架橋剤を含有することが好ましい。なお、架橋剤は一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。
架橋剤として有機過酸化物を用いる場合に、ゴム組成物が含有することが好ましい架橋助剤としては、例えば、イオウ;p-キノンジオキシム等のキノンジオキシム系架橋助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系架橋助剤;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系架橋助剤;その他マレイミド系架橋助剤;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。架橋助剤の配合量は、有機過酸化物1モルに対して、通常0.5~10モル、好ましくは0.5~7モル、より好ましくは1~5モルである。また、架橋助剤の配合量は、有機過酸化物1モルに対して0.5~2モル、好ましくは0.5~1.5モル、さらに好ましくはほぼ等モルの量とすることも望ましい。
架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合に、ゴム組成物が含有することが好ましい架橋助剤としては、例えば、酸化亜鉛、亜鉛華などが挙げられる。架橋助剤の配合量は、共重合体(S)100質量部に対して、通常1~20質量部である。
架橋剤に硫黄系化合物を使用する場合には、硫黄と加硫促進剤を併用することが望ましい。
本発明のゴム組成物は、発泡剤を含有してもよい。なお、本発明のゴム組成物が、発泡剤を含有する場合には、通常、前記架橋剤も含有する。架橋剤および発泡剤を含有するゴム組成物を用いることにより、ゴム組成物を架橋および発泡し、発泡体を得ることができる。
本発明のゴム組成物が発泡剤を含有する場合には、必要に応じて発泡助剤さらに含有してもよい。発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用を示す。
このような発泡助剤としては、例えば、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸、クエン酸等の有機酸やその塩、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
本発明に係るゴム組成物は、その材料寿命を長くできる点から、酸化防止剤を含有していることも好ましい。このような酸化防止剤としては、
フェニルナフチルアミン、4,4'-(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等の芳香族第二アミン系安定剤;
2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、テトラキス-[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のフェノール系安定剤;
ビス[2-メチル-4-(3-n-アルキルチオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系安定剤;2-メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系安定剤;
ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系安定剤;
2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系安定剤
などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のゴム組成物は、加工助剤を含有してもよい。加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはエステル類等が挙げられる。これらのうち、ステアリン酸が好ましい。
本発明のゴム組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤としては、ジ-n-ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、「アクチングB」(吉富製薬株式会社製)、「アクチングSL」(吉富製薬株式会社製)等のアミン類、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、レシチン、トリアリルトリメリテート、脂肪族および芳香族カルボン酸の亜鉛化合物(例;「Struktol activator 73」、「Struktol IB 531」、「Struktol FA541」 Schill&Seilacher社製)、「ZEONET ZP」(日本ゼオン株式会社製)、オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物(例;「リポガード2HT-F」(ライオン・アクゾ株式会社製)等が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、老化防止剤を含有してもよい。本発明のゴム組成物が老化防止剤を含有すると、該組成物から得られる製品寿命を長くすることが可能である。老化防止剤としては、従来公知の老化防止剤、例えばアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤等を用いることができる。
本発明のゴム組成物には、さらにその他の添加剤が含まれていてもよい。その他の添加剤としては、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤および増粘剤等が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、前述の共重合体(S)とジエン系ゴム(T)を含有するゴム組成物であり、好ましくは、架橋剤、カーボンブラック、白色フィラー、シランカップリング剤などの成分を含有する。たとえば、前記ジエン系ゴム(T)100質量部に対して、架橋剤0.2~15質量部と、カーボンブラック5~100質量部と、白色フィラー5~150質量部と、シランカップリング剤0.2~10質量部とを含有するゴム組成物が挙げられるが、その調製方法としては特に限定はない。
また、本発明に係るゴム組成物は、共重合体(S)とジエン系ゴム(T)と、必要に応じて任意成分とを同時にあるいは逐次配合して調製することができる。
本発明の架橋成形体は、前述の本発明のゴム組成物を架橋することにより得られる。なお、架橋の際には、金型を用いても、用いなくてもよい。金型を用いない場合には、ゴム組成物は、通常、連続的に成形、架橋される。
本発明の発泡体は、前述の発泡剤を含有する本発明のゴム組成物を架橋および発泡することにより得られる。
本発明のゴム組成物は、低温特性、機械特性、押出し成形性、プレス成形性、インジェクション成形性等の成形性、およびロール加工性に非常に優れており、本発明のゴム組成物から、低温特性(低温での柔軟性、ゴム弾性等)、機械特性などに優れる成形体を好適に得ることができる。
本発明に係るタイヤ用ゴム材料は前記本発明のゴム組成物からなることを特徴とする。本発明に係るタイヤ用ゴム材料は優れた(氷上)制動性能と優れた燃費性能とが両立しているほか、本発明に係るタイヤ用ゴム材料は、ゴム弾性、耐候性、耐オゾン性にも優れ、特に機械特性、耐疲労性に優れている。また、該ゴム材料は耐摩耗性にも優れている。したがって本発明に係るタイヤ用ゴム材料を適用すれば、優れた制動性能と優れた燃費性能とが両立し、ゴム弾性、耐候性、耐オゾン性にも優れ、特に機械特性、耐疲労性(ロングライフ性能)、ウェットグリップに優れたタイヤを得ることができる。また、耐摩耗性に優れたタイヤを得ることができる。
本発明に係るタイヤトレッドは前記本発明のタイヤ用ゴム材料を用いて形成されるものである。本発明のタイヤ用ゴム材料を加硫して得られるタイヤトレッドを適用すれば、優れた(氷上)制動性能と優れた燃費性能とが両立し、ゴム弾性、耐候性、耐オゾン性にも優れ、特に機械特性、耐疲労性(ロングライフ性能)、ウェットグリップに優れたタイヤを得ることができる。また、耐摩耗性に優れたタイヤを得ることができる。
本発明に係るタイヤは前記本発明のタイヤトレッドを備える。本発明に係るタイヤは優れた(氷上)制動性能と優れた燃費性能とが両立し、ゴム弾性、耐候性、耐オゾン性にも優れ、特に機械特性、耐疲労性(ロングライフ性能)、ウェットグリップに優れる。また、該タイヤは耐摩耗性にも優れる。
エチレン・α-オレフィン共重合体の、各構成単位の質量分率(質量%)は、13C-NMRによる測定値により求めた。測定値は、ECX400P型核磁気共鳴装置(日本電子製)を用いて、測定温度:120℃、測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン=4/1、積算回数:8000回にて、共重合体の13C-NMRのスペクトルを測定して得た。
極限粘度[η]は、(株)離合社製全自動極限粘度計を用いて、温度:135℃、測定溶媒:デカリンにて測定した。
ムーニー粘度ML(1+4)100℃は、ムーニー粘度計「SMV-202」((株)島津製作所製)を用いて、JIS K6300(1994)に準じて100℃で測定した。
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数値である。測定装置および条件は、以下のとおりである。なお、分子量は、市販の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し、換算法に基づいて算出した。
解析装置:Empower2(Waters社製)、
カラム:TSKgel GMH6-HT×2+TSKgel GMH6-HTL×2(7.5mmI.D.×30cm、東ソー社製)、
カラム温度:140℃、
移動相:o-ジクロロベンゼン(0.025%BHT含有)、
検出器:示差屈折計(RI)、
流速:1.0mL/min、
注入量:400μL、
サンプリング時間間隔:1s、
カラム較正:単分散ポリスチレン(東ソー社製)、
分子量換算:旧法EPR換算/粘度を考慮した較正法。
(1)ムーニースコーチ
125℃における最低粘度(Vm)およびスコーチ時間(t5)は、JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、125℃の条件下で測定した。
実施例および比較例における未加硫ゴム組成物を用いて、測定装置:MDR2000(ALPHA TECHNOLOGIES 社製)により、温度170℃および時間20分の測定条件下で、加硫速度(tc90)を以下のとおり測定した。
一定温度および一定のせん断速度の条件下で得られるトルク変化を測定した。トルクの最大値と最小値との差の90%のトルクに達成するまでの時間を加硫速度(tc90;分)とした。
JIS K 6253に従い、架橋シートの硬度(タイプAデュロメータ、HA)の測定は、平滑な表面をもっている2mmのシート状ゴム成形品6枚を用いて、平らな部分を積み重ねて厚み約12mmとして行った。ただし、試験片に異物の混入したもの、気泡のあるもの、およびキズのあるものは用いなかった。また、試験片の測定面の寸法は、押針先端が試験片の端から12mm以上離れた位置で測定できる大きさとした。硬度が低いほど氷上制動性能が良いという指標となる。
JIS K 6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、シートの破断強度(TB)〔MPa〕および破断伸び(EB)〔%〕を測定した。すなわち、シート状の架橋成形体を打抜いてJIS K 6251(2001年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製した。この試験片を用いて同JIS K 6251に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、伸び率が25%であるときの引張応力〔25%モジュラス(M25)〕、伸び率が100%であるときの引張応力〔100%モジュラス(M100)〕、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。M25が低いほど耐疲労性(ロングライフ性能)および氷上制動性能が良いという指標となり、M100が低いほどウェットグリップ性能が良いという指標となる。また、EBが大きいほど耐疲労性(ロングライフ性能)が良いという指標となる。
JIS K 6262に従い、直径29mm、高さ(厚さ)12.5mmの架橋体を試験片とした。荷重をかける前の試験片高さ(12.5mm)に対して25%圧縮し、スペーサーごと70℃のギヤーオーブン中にセットして22時間熱処理した。次いで試験片を取出し、室温で30分間放置後、試験片の高さを測定し下記の計算式で圧縮永久歪み(%)を算出した。
0℃圧縮永久歪は、0℃の恒温槽中にセットして22時間処理した。次いで試験片を恒温槽内で取出し、30分放置後、試験片の高さを測定し以下の計算式で圧縮永久歪み(%)を算出した。
圧縮永久歪み(%)={(t0-t1)/(t0-t2)}×100
t0:試験片の試験前の高さ
t1:試験片を前記条件で処理し室温で30分間放置した後の高さ
t2:試験片の測定金型に取り付けた状態での高さ
貯蔵弾性率E';実施例および比較例によって得られた加硫ゴム1mmシートについて、TA-Instruments社製のRSA-G2を用いて窒素下で動的粘弾性を測定した。ここで、貯蔵弾性率(E')は、粘弾性体に正弦的振動ひずみを与えたときの応力と、ひずみの関係を表わす複素弾性率を構成する項であり、TA-Instruments社製のRSA-G2による、引張モード(歪み1%)により-70℃~100度の温度領域において4℃/minの昇温速度、周波数10Hzにて測定される値である。
tanδ;実施例および比較例によって得られた加硫ゴム1mmシートについて、TA-Instruments社製のRSA-G2を用いて窒素下で動的粘弾性を測定した。ここで、tanδ(0℃、60℃)=E”/E’にて求められる値である。
E’@-20℃(E+7)およびE’@0℃(E+7)が低いほど氷上制動性能が良いという指標となる。また、tanδ0℃が大きいほどウェットグリップが良いという指標となる。
<ゴム組成物の調製および架橋成形体の製造>
下記表1に示すエチレン・プロピレン共重合体(S-1)(商品名:三井EPT(登録商標)0045、三井化学(株)製)20質量部、ジエン系ゴムとして、天然ゴム(NR(RSS#3)、竹原ゴム社販売)55質量部およびブタジエンゴム(Nipole BR1200、日本ゼオン(株)製)45質量部、架橋助剤として酸化亜鉛(ZnO#1・酸化亜鉛2種、ハクスイテック(株)製)3質量部、加工助剤としてステアリン酸(ステアリン酸つばきシリーズ、日油(株)製)2質量部、カーボンブラック(ショウブラックN-339、昭和キャボット(株)社製)15質量部、白色フィラーとしてシリカ(ニップシルVN3、東ソー・シリカ(株)製)65質量部、シランカップリング剤(Si-69、EVONIK社製)4.5質量部、架橋剤として硫黄2質量部、加硫促進剤としてサンセラーCM(三新化学(株)製)2質量部およびサンセラーD(三新化学(株)製)1.8質量部および軟化剤としてアロマ系オイル(AH-16、出光興産(株)製)20質量部を、BB-4型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて混練し、ゴム配合物を得た。前記混練では、シリカ/カップリング剤/ポリマーを2分間素練りし、次いで酸化亜鉛、ステアリン酸、カーボンブラック、アロマ系オイルを入れて、2分間混練した。その後、ラムを上昇させて掃除を行い、更に1分間混練し、未加硫のゴム配合物(A-1)を得た。
ゴム組成物および架橋体の評価結果を表2に示す。
実施例1において、エチレン・プロピレン共重合体を用いなかったこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物および架橋成形体を製造し、各種物性の測定を行った。結果を表2に示す。
Claims (5)
- エチレン(A)と、炭素原子数3~20のα-オレフィン(B)とに由来する構成単位を有し、かつ、下記要件(i)および(ii)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(S)と、
ジエン系ゴム(T)とを含有し、
前記ジエン系ゴム(T)100質量部に対して前記共重合体(S)を0.5質量部以上、50質量部以下の量で含有し、
さらに、前記ジエン系ゴム(T)100質量部に対して、架橋剤0.2~15質量部と、カーボンブラック15~100質量部と、白色フィラー65~150質量部と、シランカップリング剤0.2~10質量部とを含有することを特徴とするゴム組成物:
(i)エチレン(A)に由来する構成単位と、α-オレフィン(B)に由来する構成単位とのモル比[(A)/(B)]が、40/60~99.9/0.1である;
(ii)100℃におけるムーニー粘度[ML(1+4)(100℃)、JIS K6300]が、5~100である。 - 前記ジエン系ゴム(T)100質量部に対して前記共重合体(S)を1質量部以上、40質量部以下の量で含有することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 請求項1または2に記載のゴム組成物からなるタイヤ用ゴム材料。
- 請求項3に記載のタイヤ用ゴム材料を用いて形成されたタイヤトレッド。
- 請求項4に記載のタイヤトレッドを含むことを特徴とするタイヤ。
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