以下、この出願の実施形態における添付図面を参照して、この出願の実施形態における技術的ソリューションを詳細に説明する。
太陽光発電システムの高いコスト及び損失の問題を解決するために、この出願の一実施形態は電力システムを提供する。電源又は直流-直流(DC-DC)ユニットと直流-交流(DC-AC)ユニットとの間の電流を低減させるため、及び電源又はDC-DCユニットからDC-ACユニットへのケーブルのコスト及び損失の問題を解決するために、出力電圧を高めるように電源又はDC-DCユニットの出力端子がカスケード接続される。また、この出願の実施形態で提供される電力システムによれば、電源又はDC-DCユニットの出力端子をカスケード接続するとともに、DC-ACユニットの入力をカスケード接続することによって、電源又はDC-DCユニットからDC-ACユニットへのケーブルの量を更に減らしてシステムコストを低減させ得る。さらに、この出願の実施形態で提供される電力システムでは、DC-ACユニットのカスケード接続された入力及び絶縁された出力が、電力変換デバイスの仕様を低くすることができる。従って、現在の産業界における電力変換デバイスの仕様不足及び高コストの問題が解決される。加えて、コストを削減するために、1500Vの回路遮断器が使用され得る。一部の実施形態において、DC-DCユニットの出力がカスケード接続されるとき、この出願のこの実施形態では、DC-DCユニットレベルでシステムを設計することによって、システムの動作中にグランドに対して負の太陽電池パネル電圧によって引き起こされる電位誘発劣化(Potential Induced Degradation,PID)の問題が解決され得る。
以下、前述のソリューションを、実施形態を用いて詳細に説明する。以下の実施形態は、一例として太陽光発電アレイを用いて説明される。他の同様の電力システムは、太陽光発電アレイと同じ原理を有する。他の同様の電力システムの実装については、以下の太陽光発電アレイの実施形態を参照されたい。この出願のこの実施形態において詳細を説明することはしない。
実施形態1
図1は、この出願の一実施形態による電力システムの実施形態1の概略図である。当該電力システムは、N個の電源と、M個のDC-AC(DC-to-AC)ユニットとを含む。Nは1より大きい整数である。Mは1より大きい整数である。理解され得ることには、Nは、Mとは値関係がなく、すなわち、NはMと等しくてもよいし、NはMより大きくてもよいし、NはMより小さくてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
N個の電源のうちの各電源が、図2に示すように、正出力端子及び負出力端子を有して構成される。図2は、この出願の一実施形態に従った電源の概略図である。この出願のこの実施形態では、説明を容易にするために、特に断らない限り、電源の右上部分の出力端子を概して正出力端子として参照し、電源の右下部分の出力端子を概して負出力端子として参照する。この出願のこの実施形態における電源は、太陽光発電アレイ、エネルギー貯蔵電源、又は風力発電直流源とし得る。実際の適応では、電源は代わりに他のタイプの電源であってもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。この出願のこの実施形態において、N個の電源は同じタイプのものとすることができ、例えば、N個の電源の全てが太陽光発電アレイである。それに代えて、N個の電源は同じタイプでものでなくてもよく、例えば、電源1は太陽光発電アレイであり、電源2はエネルギー貯蔵電源であり、等々である。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
太陽光発電(photovoltaic,PV)アレイは、図3aに示すように、複数の太陽電池パネルを直列又は並列結合にて接続することによって形成され得る。図3aは、この出願の一実施形態に従った太陽光発電アレイの概略図である。太陽電池PVパネルは、先ず直列に接続されてから並列に接続されて太陽光発電アレイを形成してもよいし、先ず並列に接続されてから直列に接続されて太陽光発電アレイを形成してもよいし、直接的に直列に接続されて太陽光発電アレイを形成してもよいし、直接的に並列に接続されて太陽光発電アレイを形成してもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。代わりに、太陽光発電アレイは、図3bに示すように、太陽電池パネルの出力をオプティマイザ又は遮断装置に接続してから直列又は並列結合にて接続することによって形成されてもよい。図3bは、この出願の一実施形態に従った他の太陽光発電アレイの概略図である。各太陽電池パネルの出力がオプティマイザ又は遮断装置に接続されてから、オプティマイザ又は遮断装置の出力同士が直列/並列に結合されて、太陽光発電アレイを形成し得る。取り得る一ケースにおいて、一部の太陽電池パネルはオプティマイザ又は遮断装置に接続され、一部の他の太陽電池パネルはオプティマイザ又は遮断装置に接続されず、そして、これらの太陽電池パネルが直列/並列に結合されて太陽光発電アレイを形成する。オプティマイザ又は遮断装置は、高速遮断機能を実装することができる装置である。遮断命令を受けた後、オプティマイザ又は遮断装置は、対応するラインを切断して、該ラインを切り離すことができる。実際の適用では、代わりに、オプティマイザ又は遮断装置は、同様の機能を持つ他の装置で置き換えられ得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
M個のDC-ACユニットのうちの各DC-ACユニットが、図4に示すように、正入力端子、負入力端子、及び出力端子を有して構成される。図4は、この出願の一実施形態に従ったDC-ACユニットの概略図である。この出願のこの実施形態では、説明を容易にするために、特に断らない限り、DC-ACユニットの左上部分の入力端子を概して正入力端子として参照し、DC-ACユニットの左下部分の入力端子を概して負入力端子として参照し、出力端子がDC-ACユニットの右側に配置される。この出願のこの実施形態におけるDC-ACユニットは、例えばインバータといった、直流を交流に変換することができる装置である。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。この出願のこの実施形態におけるDC-ACユニットの出力は、三相電圧であってもよいし、単相電圧であってもよい。以下の実施形態は、出力端子に三相電圧がある例を用いて説明する。例えば単相電圧といった、他のケースの実装については、この出願のこの実施形態を参照されたい。この出願において詳細を記載することはしない。
理解され得ることには、この出願のこの実施形態において、出力端子は、正出力端子及び負出力端子を含み得る。例えば、電源1の出力端子は、電源1の正出力端子と負出力端子とを含む。入力端子も、正入力端子及び負入力端子を含み得る。例えば、DC-ACユニット1の入力端子は、正入力端子と負入力端子とを含む。
図1から見てとれることには、当該電力システムでは、電源1の正出力端子が、DC-ACユニット1の正入力端子に結合され、電源Nの負出力端子が、DC-ACユニットMの負入力端子に結合される。電源1の負出力端子が、電源2の正出力端子に結合され、電源2の負出力端子が、電源3の正出力端子に結合され、等々である。また、この出願のこの実施形態では、例えば電源1の負出力端子と電源2の正出力端子との間の結合ノード及び電源2の負出力端子と電源3の正出力端子との間の結合ノードなどのノードを各々、第1ノード101として参照することがある。DC-ACユニット1の負入力端子が、DC-ACユニット2の正入力端子に結合され、DC-ACユニット2の負入力端子が、DC-ACユニット3の正出力端子に結合され、等々である。また、この出願のこの実施形態では、例えばDC-ACユニット1の負入力端子とDC-ACユニット2の正入力端子との間の結合ノード及びDC-ACユニット2の負入力端子とDC-ACユニット3の正出力端子との間の結合ノードなどのノードを各々、第2ノード102として参照することがある。この出願のこの実施形態において、電源1と電源2の出力がカスケード接続され、電源2と電源3の出力がカスケード接続され、等々である。この出願のこの実施形態では、電源の出力端子がカスケード接続されて、出力電圧を高め、電源とDC-ACユニットとの間の電流を減少させ、そして、電源からDC-ACユニットへのケーブルのコスト及び損失の問題を解決する。例えば、各電源の最大出力電圧はXボルトであり、N個の電源がカスケード接続された後の最大出力電圧はNXボルトである。同じ電力の場合、電圧が増すと、出力電流が減少し、使用するケーブルの線径仕様が低くなり、コストが減少する。
少なくとも1つの第1ノード101と少なくとも1つの第2ノード102とが結合される。例えば、一部の実施形態において、1つの第1ノード101が1つの第2ノード102に結合され、別の第1ノード101は別の第2ノード102に結合されない。他の一部の実施形態において、2つの第1ノード101が2つの第2ノード102にそれぞれ結合され、別の第1ノード101は別の第2ノード102に結合されない。他の一部の実施形態において、第1ノード101の数は第2ノード102の数に等しく、各第1ノード101が、対応する第2ノード102に結合される。他の一部の実施形態において、第1ノード101の数は第2ノード102の数とは異なり、各第1ノード101が、対応する第2ノード102に結合され、残りの第1ノード101又は残りの第2ノード102は結合されない。実際の適用では、代わりに他の結合方式が用いられてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。この出願のこの実施形態では、電源とDC-ACユニットとの間に接続されるケーブルの数が、第1ノード101及び第2ノード102の方式で減少され、電力システムのコストが低減される。
この出願のこの実施形態において、DC-ACユニットの出力端子の出力は絶縁される。例えば、DC-ACユニット1の出力端子はDC-ACユニット2の出力端子から絶縁され、DC-ACユニット2の出力端子はDC-ACユニット3の出力端子から絶縁される。実際の適用では、各DC-ACユニットの出力端子が異なる巻線に結合され、各巻線が三相電圧又は単相電圧を出力し得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。この出願のこの実施形態において、DC-ACユニットのカスケード接続された入力及び絶縁された出力は、電力変換デバイスの仕様を低くする。従って、現在の産業界における電力変換デバイスの仕様不足(一般に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(insulated gate bipolar transistor,IGBT)では最大1700V)及び高コストの問題が解決される。さらに、低い仕様の回路遮断器を用いてコストを低減させ得る。
理解され得ることには、この出願のこの実施形態において、結合は、結合接続と称されてもよく、以下に限られないが、スイッチングデバイス、電流制限デバイス、保護デバイス、直接ケーブル接続、又はこれらに類するものの何らかの組み合わせを用いて実装される接続を含み得る。
一部の実施形態において、図1の電源1、電源2、…、及び電源Nは、電源の1つの組み合わせと見なされてもよく、DC-ACユニット1、DC-ACユニット2、…、及びDC-ACユニットMは、DC-ACユニットの1つの組み合わせと見なされてもよい。電源の少なくとも2つの組み合わせ及び/又はDC-ACユニットの少なくとも2つの組み合わせが存在する場合、電源の少なくとも2つの組み合わせの同一タイプの出力端子が並列に接続され、DC-ACユニットの少なくとも2つの組み合わせの同一タイプの入力端子が並列に接続される。並列接続された同一タイプの出力端子と、並列接続された同一タイプの入力端子との間に結合された少なくとも1つのケーブルが存在する。図5aは、この出願の一実施形態に従った、並列に接続された電源の複数の組み合わせの概略図である。図5aにおいて、縦の各列が、1つの組み合わせの電源であり、電源の各組み合わせが、電源1、電源ユニット2、…、及び電源Nを含む。この場合、電源の第1の組み合わせ内の電源1の正出力端子が、電源の第2の組み合わせ内の電源1の正出力端子と並列に結合され(すなわち、同一タイプの出力端子が並列に接続され)、電源の第1の組み合わせ内の電源1の負出力端子が、電源の第2の組み合わせ内の電源1の負出力端子に並列に結合され、・・・等々である。理解され得ることには、電源1、電源2、…、及び電源Nの出力端子はカスケード接続されて、少なくとも1つの第1ノードを形成し得る。図5bは、この出願の一実施形態に従った、並列に接続されたDC-ACユニットの複数の組み合わせの概略図である。図5bにおいて、縦の各列が、1つの組み合わせのDC-ACユニットであり、DC-ACユニットの各組み合わせが、DC-ACユニット1、DC-ACユニット2、…、及びDC-ACユニットMを含む。DC-ACユニットの第1の組み合わせ内のDC-ACユニット1の正入力端子が、DC-ACユニットの第2の組み合わせ内のDC-ACユニット1の正入力端子に並列に結合され(すなわち、同一タイプの入力端子が並列に接続され)、DC-ACユニットの第1の組み合わせ内のDC-ACユニット1の負入力端子が、DC-ACユニットの第2の組み合わせのDC-ACユニット1の負入力端子に並列に結合され、・・・等々である。理解され得ることには、DC-ACユニット1、DC-ACユニット2、…、及びDC-ACユニットMの入力端子はカスケード接続されて、少なくとも1つの第2ノードを形成し得る。少なくとも1つの第1ノードが、少なくとも1つの第2ノードに結合され、換言すれば、並列接続された同一タイプの出力端子と、並列接続された同一タイプの入力端子との間に結合された少なくとも1つのケーブルが存在する。
図5cは、この出願の一実施形態に従った、並列に接続されたDC-ACユニットの複数の組み合わせの他の概略図である。図5cにおいて、縦の各列が、1つの組み合わせのDC-ACユニットであり、DC-ACユニットの各組み合わせが、DC-ACユニット1、DC-ACユニット2、…、及びDC-ACユニットMを含む。取り得る一ケースにおいて、DC-ACユニットの第1の組み合わせ内のDC-ACユニット1の出力端子が、DC-ACユニットの第2の組み合わせ内のDC-ACユニット1の出力端子に並列に結合され、そして、並列出力を実装するように巻線が接続される。取り得る他の一ケースにおいて、DC-ACユニットの第1の組み合わせ内のDC-ACユニット1の出力端子の出力は、DC-ACユニットの第2の組み合わせ内のDC-ACユニット1の出力端子の出力から絶縁され、すなわち、絶縁された出力を実装するように異なる巻線が接続される。同じルールが、他のDC-ACユニットにも適用される。この出願のこの実施形態において詳細を説明することはしない。
この出願のこの実施形態において、同一タイプの出力端子とは、異なる組み合わせ内の対応する装置の対応する出力端子を意味する。例えば、電源の第1の組み合わせ内の電源1の正出力端子と、電源の第2の組み合わせ内の電源1の正出力端子は、同一タイプの出力端子であり、DC-ACユニットの第1の組み合わせ内のDC-ACユニット1の出力端子と、DC-ACユニットの第2の組み合わせ内のDC-ACユニット1の出力端子は、同一タイプの出力端子であり、DC-DC(DC-to-DC)ユニットの第1の組み合わせ内のDC-DCユニット1の出力端子と、DC-DCユニットの第2の組み合わせ内のDC-DCユニット1の出力端子は、同一タイプの出力端子である。同一タイプの入力端子とは、異なる組み合わせ内の対応する装置の対応する入力端子を意味する。例えば、DC-ACユニットの第1の組み合わせ内のDC-ACユニット1の正入力端子と、DC-ACユニットの第2の組み合わせ内のDC-ACユニット1の正入力端子は、同一タイプの入力端子であり、DC-DCユニットの第1の組み合わせ内のDC-DCユニット1の正入力端子と、DC-DCユニットの第2の組み合わせ内のDC-DCユニット1の正入力端子は、同一タイプの入力端子であり、等々である。
一部の実施形態において、電源とDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合される。理解され得ることには、電源とDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルは、電源1の正出力端子とDC-ACユニット1の正入力端子とを結合するための直流ケーブルであってもよいし、電源Nの負出力端子とDC-ACユニットMの負入力端子とを結合するための直流ケーブルであってもよいし、第1ノードと第2ノードとを結合するための直流ケーブルであってもよいし、電源1、電源2、…、及び電源Nの出力をカスケード接続するための直流ケーブルであってもよいし、DC-ACユニット1、DC-ACユニット2、…、及びDC-ACユニットMの入力をカスケード接続するための直流ケーブルであってもよい。好ましくは、通信信号は、電力線通信(power line communication,PLC)信号とし得る。ケーブルに結合されるこの種の信号は、情報を運ぶ高周波数を電流にロードし、そして、ケーブルを用いて情報を送受信するアダプタが、電流から高周波数を分離して情報伝送を実現する。従って、電源及びDC-ACユニットが通信信号を認識することができる装置である場合、直流ケーブルに結合される通信信号を用いることによって、電源がDC-ACユニットと通信し得る。実際の適用では、通信信号は、PLC信号以外の、通信を実施することができる信号であってもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。実際の適用において、電力システムは、通信信号を認識することができる電源及びDC-ACユニットを使用してもよいし、電源及びDC-ACユニットが通信信号を認識することができるように電源及びDC-ACユニットを変更してもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
一部の実施形態において、電源は、太陽電池パネルの出力をオプティマイザ又は遮断装置に接続してから直列又は並列結合にて接続することによって形成された太陽光発電アレイである。電源とDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されるとき、通信信号はオプティマイザ又は遮断装置も通り抜け、電源又はDC-ACユニットは、通信信号を用いることによって、高速遮断を実施するようにオプティマイザ又は遮断装置の遮断を制御し得る。すなわち、電源又はDC-ACユニットは、遮断命令を搬送する通信信号をオプティマイザ又は遮断装置に送信し得る。遮断命令を搬送する通信信号を受信した後、オプティマイザ又は遮断装置は、高速遮断を実施するために遮断命令を実行する。通信信号の状況は、前述の実施形態における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、電力システムは更に、少なくとも1つのエネルギー貯蔵ユニットを含む。エネルギー貯蔵ユニットは、電源とDC-ACユニットとの間に接続された少なくとも2つの直流ケーブルに並列に結合される。この出願のこの実施形態において、電源とDC-ACユニットとの間に接続される直流ケーブルは、電源とDC-ACユニットとの間に接続される直流ケーブルであってもよいし、電源1の正出力端子とDC-ACユニット1の正入力端子とを結合するための直流ケーブルであってもよいし、電源Nの負出力端子とDC-ACユニットMの負入力端子とを結合するための直流ケーブルであってもよいし、第1ノードと第2ノードとを結合するための直流ケーブルであってもよい。例えば、エネルギー貯蔵ユニットは、電源1の正出力端子とDC-ACユニット1の正入力端子とを結合するための直流ケーブルと、電源Nの負出力端子とDC-ACユニットMの負入力端子とを結合するための直流ケーブルとの間に並列に結合される。あるいは、エネルギー貯蔵ユニットは、第1ノードと第2ノードとを結合するための3つの直流ケーブルの間に並列に結合される。理解され得ることには、1つの電力システムに含まれるエネルギー貯蔵ユニットの数は限定されず、すなわち、同時に複数のエネルギー貯蔵ユニットが並列に結合されてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。この出願のこの実施形態において、エネルギー貯蔵ユニットは、エネルギー貯蔵装置であってもよいし、直流変換ユニットとエネルギー貯蔵装置とを含んでもよいし、エネルギーを蓄積することができる他の装置であってもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。エネルギー貯蔵装置は、以下に限られないが、スーパーキャパシタ、バッテリ、及びこれらに類するものを含み得る。直流変換ユニットは、DC-DC変換ユニット又はこれに類するものとし得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
一部の実施形態において、電力システムがエネルギー貯蔵ユニットを有して構成される場合、エネルギー貯蔵ユニットと電源との間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットが電源と通信してもよい。通信信号の状況及び通信を実装するための原理は、前述の実施形態における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。他の一部の実施形態において、電力システムがエネルギー貯蔵ユニットを有して構成される場合、エネルギー貯蔵ユニットとDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-ACユニットと通信してもよい。通信の状況は、エネルギー貯蔵ユニットと電源との間で実装される通信についての前述の状況と同様である。詳細をここで再び説明することはしない。
実施形態2
図6は、この出願の一実施形態に従った電力システムの実施形態2の概略図である。当該電力システムは、電源1と、電源2と、第1段DC-ACユニットと、第2段DC-ACユニットとを含む。電源1及び電源2は、実施形態1におけるものと同様の、太陽光発電アレイ、エネルギー貯蔵電源、又は風力発電直流源とすることができ、詳細をここで再び説明することはしない。第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットは、例えばインバータといった、直流を交流に変換することができる装置とし得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
この出願のこの実施形態では、電源1の正出力端子が第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合され、電源2の負出力端子が第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合され、電源1の負出力端子が電源2の正出力端子に結合され、第1段DC-ACユニットの負入力端子が第2段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。従って、電源1と電源2の出力がカスケード接続され、第1段DC-ACユニットと第2段DC-ACユニットの入力がカスケード接続される。この出願のこの実施形態では、電源の出力端子がカスケード接続されて、出力電圧を高め、電源とDC-ACユニットとの間の電流を減少させて、電源からDC-ACユニットへのケーブルのコスト及び損失の問題を解決する。例えば、電源1及び電源2の各々の最大出力電圧は1500Vであり、電源1と電源2の出力がカスケード接続された後、最大出力電圧は3kVである、同じ電力の場合、電圧が増すと、出力電流が減少し、使用するケーブルの線径仕様が低くなり、コストが減少する。
第1段DC-ACユニットと第2段DC-ACユニットの出力端子の出力は絶縁され、異なる巻線に接続される。これは、実施形態1においてDC-ACユニットの出力が絶縁されるケースと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。この出願のこの実施形態では、DC-ACユニットのカスケード接続された入力及び絶縁された出力が、電力変換デバイスの仕様を下げる。現在の産業界における電力変換デバイスの仕様は不十分である(一般に、IGBTでは最大1700V)。しかし、この出願のこの実施形態で提供される電力システムでは1500Vの回路遮断器を使用することができ、コストを低減させる。現在の産業界における電力変換デバイスの仕様不足という技術的問題が解決される。
電源1の負出力端子と電源2の正出力端子とを結合するノードを第1ノードと称する。第1段DC-ACユニットの負入力端子と第2段DC-ACユニットの正入力端子とを結合するノードを第2ノードと称する。
図7は、この出願の一実施形態に従った電力システムの一実施形態の概略図である。図7に示すように、一部の実施形態において、電源1の正出力端子が、第1の導線を用いて第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。電源2の負出力端子が、第2の導線を用いて第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。第1ノードと第2ノードとが、第3の導線を用いて結合される。理解され得ることには、この出願のこの実施形態において、第1の導線、第2の導線、及び第3の導線は全て、電源(電源1及び電源2)とDC-ACユニット(第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニット)との間に接続される直流ケーブルである。ケーブルの材料及び線径仕様は、実際の状況に基づいて設定され得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。理解され得ることには、従来の技術では、電源1と電源2とで合計4つの出力端子を持ち、それ故に4本のケーブルが接続される。しかし、この出願のこの実施形態においては、電源1と電源2がカスケード接続され、第1ノードと第2ノードが、1本のケーブルを用いて結合され、その結果、4本のケーブルを用いる既存の技術的ソリューションが、3本のケーブルのみを必要とするソリューションへと改良される。従って、これは、1本のケーブルのコスト及び建設コストを節減することができる。
一部の実施形態において、第1ノードは、電源1と電源2とをカスケード接続する中点であり、第2ノードは、第1段DC-ACユニットと第2段DC-ACユニットとをカスケード接続する中点であるので、第3の導線の電流値が第1の導線の電流値以下とし得る。第3の導線の電流値が第1の導線の電流値以下である場合、第3の導線の線径仕様を下げて、第3の導線のコストを低減させ得る。他の一部の実施形態において、同様に、第3の導線の電流値は、第2の導線の電流値以下とし得る。従って、第3の導線の電流値が第2の導線の電流値以下である場合、第3の導線の線径仕様を下げて、第3の導線のコストを低減させ得る。確かなことには、第3の導線の電流値は代わりに、第1の導線の電流値未満且つ第2の導線の電流値未満とし得る。これも、第3の導線の線径仕様を下げて、第3の導線のケーブルコストを低減させ得る。
一部の実施形態において、第1の導線、第2の導線、及び第3の導線は、分散二重(Distributed Double,DC)バスを形成する。第1の導線及び第2の導線が正のバスを形成する。第2の導線及び第3の導線が負のバスを形成する。第3の導線は、分散二重バスの中性線(Middle Cable)である。第1の導線、第2の導線、及び第3の導線は、直流導線である。3Dテクノロジ(three direct-Cable)では、3本のケーブルを用いて直流バスが構築され、第1の導線及び第2の導線を用いて正のバスが構築され、第2の導線及び第3の導線を用いて負のバスが構築される。
図8は、この出願の一実施形態に従った電力システムの一実施形態の概略図である。図8に示すように、一部の実施形態において、第1ノード及び第2ノードの両方がグランドに結合される。この出願のこの実施形態では、第1ノード及び第2ノードの両方がグランドに結合され、その結果、電源1及び電源2の出力電力又は出力電圧が非対称であるとき、又は第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電力又は入力電圧が非対称であるときに、電圧等化を達成するための電流ループが提供され、それにより、システムの正常動作が確保される。また、第1ノードと第2ノードとの間のケーブル接続が不要であり、それ故に1本のケーブルのコスト及び建設コストを減らすことができる。
一部の実施形態において、第1ノードと第2ノードとが結合される場合であって、電源1及び電源2のうちの一方の出力電圧及び/又は出力電流及び/又は出力電力が所定値よりも低いとき、対応する電源が動作するのを停止する。この場合、DC-ACユニット1及びDC-ACユニット2のうちの少なくとも一方が動作する。一例において、電源1の出力電圧が所定値よりも低いとき、電源1が動作を停止し、そして、電源2の出力電圧が所定値以上であるとき、電源2は動作し続ける。他の一例において、電源2の出力電圧が所定値よりも低いとき、電源2が動作を停止する。この出願のこの実施形態では、その出力が所定値未満である電源は動作しないように停止されることができる。これは、不要な無駄を回避し、変換効率及び利用率を向上させる。さらに、少なくとも一方のDC-ACユニットが動作することが保証され、従って、システムの正常動作をリアルタイムに確保することができる。
第1ノードと第2ノードとが結合されない場合、電源不一致の影響が考慮される。例えば、太陽光発電システムでは、異なる照射により、電源1の出力電圧が電源2の出力電圧より大きくなることがあり、すなわち、電源1と電源2によって出力される電圧及び/又は電力は非対称になることがあり、出力電力におけるキャスク(cask)効果を生じさせる。従って、第1ノードと第2ノードとが結合されない場合、電力システムは、電源1と電源2によって出力される電圧及び/又は電力の非対称性を防止するための等化回路を備え得る。以下にて、4つの等化回路を提供する。実際の適用では、代わりに他の等化回路が存在してもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
一部の実施形態において、電力システムは更に第1の等化回路ユニットを含む。図9aは、第1の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図である。第1の等化回路ユニットは、第1のインタフェース、第2のインタフェース、及び第3のインタフェースを有して構成され、第1のインタフェースは第2ノードに結合され、第2のインタフェースは第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合され、第3のインタフェースは第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。第1の等化回路ユニットは、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせ得る。第1の等化回路ユニットの動作原理は、次の通りである。第1の等化回路ユニットは、第1のインタフェース及び第2のインタフェースを介して第1段DC-ACユニットの入力端子からエネルギーを取得し、第1のインタフェース及び第3のインタフェースを介して第2段DC-ACユニットへのエネルギーを補償する。あるいは、第1の等化回路ユニットは、第1のインタフェース及び第3のインタフェースを介して第2段DC-ACユニットの入力端子からエネルギーを取得し、第1のインタフェース及び第2のインタフェースを介して第1段DC-ACユニットへのエネルギーを補償する。
一部の実施形態において、電力システムは更に第2の等化回路ユニットを含む。図9b1は、第2の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図1である。図9b2は、第2の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図2である。第2の等化回路ユニットは、第4のインタフェース及び第5のインタフェースを有して構成される。第4のインタフェースは第2ノードに結合される。第5のインタフェースは、第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合され、又は第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。第2の等化回路ユニットの動作原理は、第1の等化回路ユニットの動作原理と同様である。具体的には、第2の等化回路ユニットは、第1段DC-ACユニットのエネルギーを第2段DC-ACユニットに対して補償することができ、あるいは、第2段DC-ACユニットのエネルギーを第1段DC-ACユニットに対して補償することができる。従って、第2の等化回路ユニットは、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせるように構成され得る。
一部の実施形態において、電力システムは更に第3の等化回路ユニットを含む。図9cは、第3の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図である。第3の等化回路ユニットは、第6のインタフェース、第7のインタフェース、及び第8のインタフェースを有して構成される。第6のインタフェースは第1ノードに結合される。第7のインタフェースは電源1の正出力端子に結合される。第8のインタフェースは電源2の負出力端子に結合される。第3の等化回路ユニットの動作原理は、第1の等化回路ユニットの動作原理と同様である。具体的には、第3の等化回路ユニットは、電源1によって出力されるエネルギーを電源2に対して補償することができ、あるいは、電源2によって出力されるエネルギーを電源1に対して補償することができる。従って、第3の等化回路ユニットは、電源1及び電源2の出力電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせるように構成され得る。
一部の実施形態において、電力システムは更に第4の等化回路ユニットを含む。図9d1は、第4の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図1である。図9d2は、第4の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図2である。第4の等化回路ユニットは、第9のインタフェース及び第10のインタフェースを有して構成される。第9のインタフェースは第1ノードに結合される。第10のインタフェースは、電源1の正出力端子又は電源2の負出力端子に結合される。第4の等化回路ユニットの動作原理は、第1の等化回路ユニットの動作原理と同様である。具体的には、第4の等化回路ユニットは、電源1によって出力されるエネルギーを電源2に対して補償することができ、あるいは、電源2によって出力されるエネルギーを電源1に対して補償することができる。従って、第3の等化回路ユニットは、電源1及び電源2の出力電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせるように構成され得る。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子及び第2段DC-ACユニットの出力端子が、それぞれ、異なる変圧器に接続される。あるいは、第1段DC-ACユニットの出力端子及び第2段DC-ACユニットの出力端子が、それぞれ、同一の変圧器の異なる巻線に接続される。
一部の実施形態において、電源1及び電源2は、電源の1つの組み合わせと見なされる。第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットは、DC-ACユニットの1つの組み合わせと見なされる。図10aは、この出願の一実施形態に従った、並列に接続された電源の複数の組み合わせの概略図である。図10aに示すように、電源の少なくとも2つの組み合わせが結合されるとき、電源の第1の組み合わせ内の電源1に対応する出力端子が、電源の第2の組み合わせ内の電源1に対応する出力端子に並列に結合される。これは、実施形態1における電源の組み合わせの説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。図10bは、この出願の一実施形態に従った、並列に接続されたDC-ACユニットの複数の組み合わせの概略図である。DC-ACユニットの少なくとも2つの組み合わせが並列に接続されるとき、DC-ACユニットの第1の組み合わせ内の第1段DC-ACユニットの入力端子が、DC-ACユニットの第2の組み合わせ内の第1段DC-ACユニットの入力端子に並列に接続される。これは、実施形態1におけるDC-ACユニットの組み合わせの入力端子の状況の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。図10cは、この出願の一実施形態に従った、並列に接続されたDC-ACユニットの複数の組み合わせの他の概略図である。DC-ACユニットの少なくとも2つの組み合わせが並列に接続されるとき、DC-ACユニットの第1の組み合わせ内の第1段DC-ACユニットの出力端子の出力と、DC-ACユニットの第2の組み合わせ内の第1段DC-ACユニットの出力端子の出力とが、並列に接続されるか、絶縁されるかし得る。これは、実施形態1におけるDC-ACユニットの組み合わせの出力端子の状況と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に、絶縁監視装置(insulation monitoring device,IMD)が結合される。他の一部の実施形態において、IMDは、第2段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に結合される。他の一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に第1のIMDが結合され、第2段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に第2のIMDが結合される。IMDは、グランドに対する電力システムの絶縁インピーダンスを検出することができる。グランドに対する絶縁インピーダンスが所定値よりも低い場合、この出願のこの実施形態では、好ましくは、第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットと変圧器巻線との間の結合接続を切断することができ、その結果、システム全体が動作を停止し、それにより、システム動作の安全性が更に確保される。
この出願のこの実施形態において、電源1、電源2、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットの間で通信を実施するために、電源1、電源2、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合される。通信信号は好ましくはPLC信号であり、これは、前述の実施形態における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子に接続された交流ケーブルに通信信号が結合され、該交流ケーブルが更に、他の装置に結合され得る。第1段DC-ACユニットは、通信信号を用いることにより、該交流ケーブル上で他の装置と通信し得る。DC-ACユニットの複数の組み合わせが並列に接続され、且つ複数の第1段DC-ACユニットの出力が並列に接続される場合、該複数の第1段DC-ACユニットの並列接続された出力端子が、接続された交流ケーブル上の通信信号を用いることによって、該交流ケーブルに結合された他の装置と通信し得る。上述の他の装置は、交流を使用する交流装置とし得る。同様に、第2段DC-ACユニットの出力端子の通信の状況は、第1段DC-ACユニットのそれと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。通信信号は好ましくはPLC信号であり、これは、前述の実施形態における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図11は、この出願の一実施形態に従ったリーク電流センサを備えた電力システムの概略図である。図11に示すように、一部の実施形態において、電源1の出力端子のリーク電流値を検出するために、電源1の正出力端子及び負出力端子がリーク電流センサに接続され得る。リーク電流センサは、電源1の内部に埋め込まれてもよいし、電源1の外部に露出されてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。電源2の出力端子のリーク電流値を検出するために、電源2の正出力端子及び負出力端子がリーク電流センサに接続され得る。リーク電流センサは、電源2の内部に埋め込まれてもよいし、電源2の外部に露出されてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。第1段DC-ACユニットの入力端子におけるリーク電流を検出するために、第1段DC-ACユニットの正入力端子及び負入力端子がリーク電流センサに結合され得る。リーク電流センサは、第1段DC-ACユニットの内部に埋め込まれてもよいし、第1段DC-ACユニットの外部に露出されてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。第1段DC-ACユニットの出力端子のリーク電流を検出するために、第1段DC-ACユニットの内部出力相線がリーク電流センサに結合され得る。該リーク電流センサは、通常、第1段DC-ACユニット内に配置される。同様に、第2段DC-ACユニットの入力端子及び出力端子も、第1段DC-ACユニットのようにリーク電流センサを備え得る。詳細をここで再び説明することはしない。リーク電流センサが、対応するリーク電流値が所定の閾値よりも大きいことを検出すると、リーク電流センサは、電源1、電源2、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットのうちのいずれか1つ以上又は全てに信号を送信し得る。そして、電源1、電源2、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットのうちのいずれか1つ以上又は全ては、それらに接続されたホストコンピュータにアラームを報告することができ、あるいは電力システムを停止させるための信号を送信することができ、あるいは他の手段を採ることができる。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力の高速遮断を実装するために、第1段DC-ACユニットの出力端子に接続された内部出力相線に、直列に、少なくとも1つのスイッチが接続される。該スイッチは、リレー、回路遮断器、又は接触器とすることができ、あるいは他のタイプのスイッチであってもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。同様に、第2段DC-ACユニットの出力端子に接続された内部出力相線にも、直列に、スイッチが接続され得る。これは、第1段DC-ACユニットの出力相線に直列にスイッチが接続される場合と同様である。詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態において、電源1及び電源2が太陽光発電アレイである場合、電力システムは太陽光発電システムと称され得る。例えば、風力発電システム、エネルギー貯蔵システム、又はハイブリッド発電システムといった、他のタイプの電力システムについては、実装に関して太陽光発電システムを参照されたい。この出願のこの実施形態において、他のタイプの電力システムについて詳細を説明することはしない。以下、太陽光発電システムを詳細に説明する。
太陽光発電システムでは、第1ノード及び第2ノードのうち一方のみがグランドに結合される必要があり、すなわち、第1ノードがグランドに結合されるか、第2ノードがグランドに結合されるかする。一部の実施形態では、代わりに第1ノード及び第2ノードの両方がグランドに結合されてもよい。第1ノード及び/又は第2ノードがグランドに結合されることで、電源1及び電源2の出力電力又は出力電圧が非対称であるとき、又は第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電力又は入力電圧が非対称であるときに、電圧等化を達成するように電流ループを設けることができ、それにより、システムの正常動作が確保されるとともに、1本のケーブルのコスト及び建設コストが低減される。
太陽光発電システムでは、電圧源を結合することによってPID現象を除去し得る。図12aは、この出願の一実施形態に従った電圧源を備えた電力システムの概略図1である。第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点とグランド点との間に電圧源を結合して、グランドに対する該中点の電位を調節する。太陽光発電システムが稼働のために正常にグリッドに接続されるとき、電圧源を用いて三相A/B/Cとグランドとの間に電圧と電流を注入することで、グランドに対する電源1及び電源2の負出力端子の電圧が0に等しいこと、又はグランドに対する電源1及び電源2の正出力端子の電圧が0に等しいことを確保する。これは、太陽光発電アレイ(電源1及び電源2)内のセルパネルがPID現象を発生するのを防止する。また、この出願のこの実施形態では、(グランドに対する負出力端子PV-の電圧が0より低いときにPID現象を発生するセルパネルに対して)グランドに対する電源1及び電源2の負出力端子の電圧が0より高くなるように、又は(グランドに対する正出力端子PV+の電圧が0より高いときにPID現象を発生するセルパネルに対して)グランドに対する電源1及び電源2の正出力端子の電圧が0より低くなるように、電圧を調節することができる。これは、セルパネルのPID修復機能を実現し、グランドに対する電源1及び電源2の正出力端子及び負出力端子の電圧がセルパネルの最大印加システム電圧を超えないことを確保し、システム安全性を確保する。この電圧は代わりに、第1段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点とグランド点との間に電圧源を結合することによって調節されてもよい。これは、第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点とグランド点との間に電圧源を結合することの前述の原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図12bは、この出願の一実施形態に従った電圧源を備えた電力システムの概略図2である。この実施形態では、電圧源が、第2段DC-ACユニットの出力端子の位置の外部相線とグランド点との間に結合されて、グランドに対する対応する出力相線の電位を調節する。例えば、出力側の外部相線がABCケーブルである場合、つまりはABCケーブルである3つのケーブルに別々に電圧源が接続され得る。太陽光発電システムが稼働のために正常にグリッドに接続されるとき、電圧源を用いて三相A/B/Cとグランドとの間に電圧と電流を注入することで、グランドに対する電源1及び電源2の負出力端子の電圧が0に等しいこと、又はグランドに対する電源1及び電源2の正出力端子の電圧が0に等しいことを確保する。これは、太陽光発電アレイ(電源1及び電源2)内のセルパネルがPID現象を発生するのを防止する。これは、第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点とグランド点との間に電圧源を結合することの前述の原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。これはまた、第1段DC-ACユニットの出力側の外部相線とグランド点との間に電圧源を結合することの原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図12cは、この出願の一実施形態に従った電圧源を備えた電力システムの概略図3である。この実施形態では、電圧源が、第2段DC-ACユニットの出力端子の内部相線とグランド点との間に結合されて、グランドに対する対応する出力相線の電位を調節する。太陽光発電システムが稼働のために正常にグリッドに接続されるとき、電圧源を用いて三相A/B/Cとグランドとの間に電圧と電流を注入することで、グランドに対する電源1及び電源2の負出力端子の電圧が0に等しいこと、又はグランドに対する電源1及び電源2の正出力端子の電圧が0に等しいことを確保する。これは、太陽光発電アレイ(電源1及び電源2)内のセルパネルがPID現象を発生するのを防止する。これは、第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点とグランド点との間に電圧源を結合することの前述の原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。これはまた、第1段DC-ACユニットの出力端子の内部相線とグランド点との間に電圧源を結合することの原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の取り得る実施形態では、同様の機能を実現するために、代わりに、電圧源を補償パワーモジュールで置き換えてもよい。詳細をここで再び説明することはしない。
図13は、この出願の一実施形態に従った絶縁ユニットを備えた電力システムの概略図である。太陽光発電システムにおいて、第1段DC-ACユニットは内部に更に、AC-DC絶縁ユニットを含み得る。絶縁ユニットの入力端子が、第1段DC-ACユニットの出力端子の位置の内部相線に結合される。絶縁ユニットの第1の出力端子がグランドに結合され、絶縁ユニットの第2の出力端子が、第1段DC-ACユニットの正入力端子及び/又は負入力端子に結合される。絶縁ユニットは、グランドに対する第1電源及び/又は第2電源の出力電圧を調節するように構成され得る。同様に、第2段DC-ACユニットも内部にAC-DC絶縁ユニットを含み得る。該絶縁ユニットの入力端子が、第2段DC-ACユニットの出力端子の位置の内部相線に結合され得る。PID現象を除去するように、該絶縁ユニットの第1の出力端子がグランドに結合され、該絶縁ユニットの第2の出力端子が、第2段DC-ACユニットの正入力端子及び/又は負入力端子に結合されて、グランドに対する第1電源及び/又は第2電源の出力電圧を調節する。
一部のケースにおいて、第1段DC-ACユニットの内部に絶縁ユニットが配置され、第2段DC-ACユニットの内部に絶縁ユニットは配置されない。他の一部のケースにおいて、第1段DC-ACユニットの内部に絶縁ユニットは配置されず、第2段DC-ACユニットの内部に絶縁ユニットが配置される。他の一部のケースにおいて、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの各々の内部に絶縁ユニットが配置される。第1段DC-ACユニットの内部の絶縁ユニットを第1のAC-DC絶縁ユニットと称することがあり、第2段DC-ACユニットの内部の絶縁ユニットを第2のAC-DC絶縁ユニットと称することがある。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、第1電源及び第2電源は、太陽光発電アレイであって、図3bに示したように、太陽電池パネルの出力端子をオプティマイザ又は遮断装置に直列又は並列に接続してから直列又は並列の組み合わせで接続することによって形成された太陽光発電アレイとし得る。この太陽光発電システムにおいて、オプティマイザ又は遮断装置の出力端子に接続された直流ケーブルに通信信号が結合することができ、第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットは、該通信信号を用いることによってオプティマイザ又は遮断装置と通信し、オプティマイザ又は遮断装置の高速遮断を実施するようにオプティマイザ又は遮断装置を制御し得る。
一部の実施形態において、太陽光発電システムは更にコンバイナユニットを含み得る。図14aは、この出願の一実施形態に従ったコンバイナユニットを有する電力システムの概略図1である。この太陽光発電システムは、2つのコンバイナユニットを含んでおり、一方のコンバイナユニットを第1のコンバイナユニットとし、他方のコンバイナユニットを第2のコンバイナユニットとする。第1のコンバイナユニットの入力端子が、電源1の出力端子に結合される。第1のコンバイナユニットの正出力端子が、第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。第1のコンバイナユニットの負出力端子が、第2のコンバイナユニットの正の出力端子に結合され、次いで第2ノードに結合される。第2のコンバイナユニットの負出力端子が、第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。実際の適用では、第1のコンバイナユニットの正出力端子に接続された直流ケーブルを正のバスと称することができ、第1のコンバイナユニットの負出力端子に接続された直流ケーブルを負のバスと称することができる。同じルールが第2のコンバイナユニットにも適用され、詳細をここで再び説明することはしない。コンバイナユニットを用いた太陽光発電システムは、より多くの電源1及び電源2に接続されることができ、それにより、太陽光発電効率を向上させ得る。
図14bは、この出願の一実施形態に従ったコンバイナユニットを有する電力システムの概略図2である。一部の実施形態において、太陽光発電システムはコンバイナユニットを含み得る。該コンバイナユニットの入力端子は、電源1の出力端子に結合されることができ、あるいは電源2の出力端子に結合されることができる。該コンバイナユニットは3つの出力端子を持っている。第1の出力端子が、第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合され、第2の出力端子が第2ノードに結合され、第3の出力端子が、第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。理解され得ることには、第1の出力端子、第2の出力端子、及び第3の出力端子は、相対的な広い意味での単なる呼び名である。実際の適用では、出力端子は代わりに別の適切な呼び名を持ち得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。また、実際の用途では、コンバイナユニットの第1の出力端子に接続された直流ケーブルを正のバスと称することがあり、コンバイナユニットの第3の出力端子に接続された直流ケーブルを負のバスと称することがある。コンバイナユニットを用いた太陽光発電システムは、より多くの電源1及び電源2に接続されることができ、それにより、太陽光発電効率を向上させ得る。
一部の実施形態において、太陽光発電システムは更に、少なくとも1つのエネルギー貯蔵ユニットを含み得る。電源1、電源2、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットに接続された少なくとも2つの直流ケーブルが、エネルギー貯蔵ユニットに並列に結合される。図15aは、この出願の一実施形態に従ったエネルギー貯蔵ユニットを含む電力システムの概略図1である。この出願のこの実施形態では、電源1の正出力端子が、第1の直流ケーブルを用いて第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。第1ノードが、第2の直流ケーブルを用いて第2ノードに結合される。電源2の負出力端子が、第3の直流ケーブルを用いて第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。エネルギー貯蔵ユニットは、第1の直流ケーブル及び第2の直流ケーブルに並列に結合されている。図15bは、この出願の一実施形態に従ったエネルギー貯蔵ユニットを含む電力システムの概略図2である。該エネルギー貯蔵ユニットは、第1の直流ケーブル及び第3の直流ケーブルに並列に結合されている。図15cは、この出願の一実施形態に従ったエネルギー貯蔵ユニットを含む電力システムの概略図3である。該エネルギー貯蔵ユニットは、第2の直流ケーブル及び第3の直流ケーブルに並列に結合されている。図15dは、この出願の一実施形態に従ったエネルギー貯蔵ユニットを含む電力システムの概略図4である。該エネルギー貯蔵ユニットは、3つの直流ケーブルに並列に結合されている。この出願のこの実施形態で提供される太陽光発電システムにおいて、エネルギー貯蔵ユニットは、エネルギーを収集し、当該エネルギー貯蔵ユニットに接続された装置にエネルギーを提供することができる。
エネルギー貯蔵ユニットを備えたこの実施形態において、エネルギー貯蔵ユニットは、エネルギー貯蔵装置であってもよいし、直流変換ユニットとエネルギー貯蔵装置とを含んでいてもよい。これは、実施形態1におけるエネルギー貯蔵ユニットの説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
エネルギー貯蔵ユニットを備えたこの実施形態において、エネルギー貯蔵ユニットは、直流ケーブルに結合される通信信号を用いることによって、電源1、電源2、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットと通信し得る。これは、実施形態1におけるエネルギー貯蔵ユニットの説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
実施形態3
図16は、この出願の一実施形態に従った電力システムの実施形態3の概略図である。当該電力システムは、N個の電源、N個のDC-DCユニット、及びM個のDC-ACユニットを含む。N個の電源は、電源1、電源2、…、及び電源Nを含む。これらの電源は、太陽光発電アレイ、エネルギー貯蔵電源、風力発電直流源、又はこれらに類するものとすることができ、実施形態1におけるものと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。M個のDC-ACユニットは、DC-ACユニット1、DC-ACユニット2、…、及びDC-ACユニットMを含む。これらのDC-ACユニットは、例えばインバータといった、直流を交流に変換することができる装置とすることができ、実施形態1におけるものと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図17は、この出願の一実施形態に従ったDC-DCユニットの概略図である。この出願のこの実施形態において、N個のDC-DCユニットは、DC-DCユニット1、DC-DCユニット2、…、及びDC-DCユニットNを含む。図17に示すように、各DC-DCユニットが、正入力端子、負入力端子、正出力端子、及び負出力端子を有して構成され得る。この出願のこの実施形態では、説明を容易にするために、特に断らない限り、DC-DCユニットの左上部分の入力端子を概して正入力端子として参照し、左下部分の入力端子を概して負入力端子として参照し、右上部分の出力端子を正出力端子として参照し、そして、右下部分の出力端子を負出力端子として参照する。理解され得ることには、この出願のこの実施形態において、DC-DCユニットは、例えばDC/DCコンバータといった、直流を直流に変換することができる装置とし得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
図16に示すように、電源1の出力端子がDC-DCユニット1の入力端子に結合される。具体的には、電源1の正出力端子がDC-DCユニット1の正入力端子に結合され、電源1の負出力端子がDC-DCユニット1の負入力端子に結合される。他の電源と他のDC-DCユニットとの間の結合は、ここに記載した結合と同様である。例えば、電源2の出力端子がDC-DCユニット2の入力端子に結合される。詳細をここで再び説明することはしない。
理解され得ることには、この出願のこの実施形態における電源番号、DC-DCユニット番号、及びDC-ACユニット番号は、説明を容易にするために、1からN又はMまでのシーケンス番号が使用しているが、実際のシーケンスを表すものではない。実際の適用では、各電源、各DC-DCユニット、及び各DC-ACユニットを、実際の状況に基づいて番号付けることができる。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
図16に示すように、DC-DCユニット1の正出力端子がDC-ACユニット1の正入力端子に結合され、DC-DCユニットNの負出力端子がDC-ACユニットMの負入力端子に結合され、DC-DCユニット1の負出力端子がDC-DCユニット2の正出力端子に結合され、結合ノードが第1ノードとして参照され、DC-DCユニット2の負出力端子がDC-DCユニット3の正出力端子に結合され、結合ノードが第1ノードとして参照され、等々で複数の第1ノードを形成する。DC-ACユニット1の負入力端子がDC-ACユニット2の正入力端子に結合され、結合ノードが第2ノードとして参照され、DC-ACユニット2の負入力端子がDC-ACユニット3の正入力端子に結合され、結合ノードが第2ノードとして参照され、等々で複数の第2ノードを形成する。この出願のこの実施形態では、DC-DCユニットの出力端子がカスケード接続され、且つDC-ACユニットの入力端子がカスケード接続される。DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間の電流を減少させ、DC-DCユニットからDC-ACユニットへのケーブルのコスト及び損失の問題を解決するように、DC-DCユニットの出力端子がカスケード接続されて、出力電圧を高める。例えば、各DC-DCユニットの最大出力電圧はXボルトであり、N個のDC-DCユニットがカスケード接続された後、最大出力電圧はNXボルトである。同じ電力の場合、電圧が増すと、出力電流が減少し、使用するケーブルの線径仕様が低くなり、コストが減少する。
この出願のこの実施形態では、少なくとも1つの第1ノードと少なくとも1つの第2ノードとが結合される。例えば、一部の実施形態において、1つの第1ノードが1つの第2ノードに結合され、他の第1ノードは他の第2ノードに結合されない。他の一部の実施形態において、2つの第1ノードが2つの第2ノードにそれぞれ結合され、他の第1ノードは他の第2ノードに結合されない。他の一部の実施形態において、第1ノードの数は第2ノードの数に等しく、各第1ノードが、対応する第2ノードに結合される。他の一部の実施形態において、第1ノードの数は第2ノードの数とは異なり、各第1ノードが、対応する第2ノードに結合され、残りの第1ノード又は残りの第2ノードは結合されない。実際の適用では、代わりに他の結合方式が用いられてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。この出願のこの実施形態では、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間に接続されるケーブルの数が、第1ノード及び第2ノードの方式で減少され、電力システムのコストが低減される。
この出願のこの実施形態において、DC-ACユニットの出力端子の出力は絶縁される。例えば、DC-ACユニット1の出力端子はDC-ACユニット2の出力端子から絶縁され、DC-ACユニット2の出力端子はDC-ACユニット3の出力端子から絶縁される。実際の適用では、各DC-ACユニットの出力端子が異なる巻線に結合され、各巻線が三相電圧又は単相電圧を出力し得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。この出願のこの実施形態において、DC-ACユニットのカスケード接続された入力及び絶縁された出力は、電力変換デバイスの仕様を低くすることができる。従って、現在の産業界における電力変換デバイスの仕様不足(一般に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)では最大1700V)及び高コストの問題が解決される。さらに、低い仕様の回路遮断器を用いてコストを低減させ得る。
一部の実施形態において、図16の電源1、電源2、…、及び電源Nは、電源の1つの組み合わせと見なされてもよい。DC-DCユニット1、DC-DCユニット2、…、及びDC-DCユニットNは、DC-DCユニットの1つの組み合わせと見なされてもよい。DC-ACユニット1、DC-ACユニット2、…、DC-ACユニットMは、DC-ACユニットの1つの組み合わせと見なされてもよい。従って、1つの電力システムが、少なくとも、電源の1つの組み合わせ、DC-DCユニットの1つの組み合わせ、及びDC-ACユニットの1つの組み合わせを含む。DC-DCユニットの複数の組み合わせ及び/又はDC-ACユニットの複数の組み合わせが存在する場合、DC-DCユニットの少なくとも2つの組み合わせの同一タイプの出力端子が並列に接続され、DC-ACユニットの少なくとも2つの組み合わせの同一タイプの入力端子が並列に接続される。並列接続された同一タイプの出力端子と並列接続された同一タイプの入力端子との間に結合された少なくとも1つのケーブルが存在する。同一タイプの出力端子及び同一タイプの入力端子の意味は、実施形態1で説明したものと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。理解され得ることには、DC-DCユニット1、DC-DCユニット2、…、及びDC-DCユニットNの出力端子はカスケード接続されて、少なくとも1つの第1ノードを形成し得る。DC-ACユニット1、DC-ACユニット2、…、及びDC-ACユニットMの入力端子はカスケード接続されて、少なくとも1つの第2ノードを形成し得る。少なくとも1つの第1ノードが、少なくとも1つの第2ノードに結合され、換言すれば、並列接続された同一タイプの出力端子と並列接続された同一タイプの入力端子との間に結合された少なくとも1つのケーブルが存在する。この出願のこの実施形態において、電源の複数の組み合わせが存在する場合、電源のそれら複数の組み合わせが直列/並列に接続されてから、DC-DCユニットの組み合わせに接続され得る。これらの電源の具体的な結合接続方式は、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
この出願のこの実施形態において、DC-ACユニットの複数の組み合わせの同一タイプの出力端子は、並列に結合されることができ、あるいは、それら同一タイプの出力端子の出力は絶縁されることができる。これは、前述の実施形態における図5cに対応する説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、電源とDC-DCユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合される。DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルにも通信信号が結合される。好ましくは、通信信号はPLC信号とし得る。これは、実施形態1における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。実際の適用において、電力システムは、通信信号を認識することができる電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットを使用してもよいし、電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットが通信信号を認識することができるように、電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットを変更してもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
一部の実施形態において、電源は、太陽電池パネルの出力をオプティマイザ又は遮断装置に接続してから直列又は並列結合にて接続することによって形成された太陽光発電アレイである。電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されるとき、通信信号はオプティマイザ又は遮断装置も通り抜け、電源、DC-DCユニット、又はDC-ACユニットは、通信信号を用いることによって、高速遮断を実施するようにオプティマイザ又は遮断装置の遮断を制御し得る。すなわち、電源、DC-DCユニット、又はDC-ACユニットは、遮断命令を搬送する通信信号をオプティマイザ又は遮断装置に送信し得る。遮断命令を搬送する通信信号を受信した後、オプティマイザ又は遮断装置は、高速遮断を実施するために遮断命令を実行する。通信信号の状況は、実施形態1における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、電力システムは更に、少なくとも1つのエネルギー貯蔵ユニットを含む。エネルギー貯蔵ユニットは、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間に接続された少なくとも2つの直流ケーブルに並列に結合される。この出願のこの実施形態において、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間に接続される直流ケーブルは、DC-DCユニット1の正出力端子とDC-ACユニット1の正入力端子とを結合するための直流ケーブルであってもよいし、DC-DCユニットNの負出力端子とDC-ACユニットMの負入力端子とを結合するための直流ケーブルであってもよいし、第1ノードと第2ノードとを結合するための直流ケーブルであってもよい。例えば、エネルギー貯蔵ユニットは、DC-DCユニット1の正出力端子とDC-ACユニット1の正入力端子とを結合するための直流ケーブルと、DC-DCユニットNの負出力端子とDC-ACユニットNの負入力端子とを結合するための直流ケーブルとの間に並列に結合される。あるいは、エネルギー貯蔵ユニットは、第1ノードと第2ノードとを結合するための3つの直流ケーブルの間に並列に結合される。理解され得ることには、1つの電力システムに含まれるエネルギー貯蔵ユニットの数は限定されず、すなわち、同時に複数のエネルギー貯蔵ユニットが並列に結合されてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
エネルギー貯蔵ユニットを含む実施形態において、エネルギー貯蔵ユニットは、エネルギー貯蔵装置であってもよいし、直流変換ユニットとエネルギー貯蔵装置とを含んでもよいし、エネルギーを蓄積することができる他の装置であってもよい。これは、実施形態1におけるエネルギー貯蔵ユニットの説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。エネルギー貯蔵ユニットとDC-DCユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-DCユニットと通信してもよい。エネルギー貯蔵ユニットとDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-ACユニットと通信してもよい。通信信号の状況及び通信を実装するための原理は、実施形態1における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
実施形態4
図18は、この出願の一実施形態に従った電力システムの実施形態4の概略図である。当該電力システムは、電源1と、電源2と、第1段DC-DCユニットと、第2段DC-DCユニットと、第1段DC-ACユニットと、第2段DC-ACユニットとを含む。電源1及び電源2は、実施形態1における電源と同様の、太陽光発電アレイ、エネルギー貯蔵電源、又は風力発電直流源とすることができ、詳細をここで再び説明することはしない。第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットは、実施形態3におけるDC-DCユニットと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットは、例えばインバータといった、直流を交流に変換することができる装置とし得る。第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットは、実施形態1におけるDC-ACユニットと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態では、電源1の出力端子が第1段DC-DCユニットの入力端子に結合される。例えば、電源1の正出力端子が第1段DC-DCユニットの正入力端子に結合され、電源1の負出力端子が第1段DC-DCユニットの負入力端子に結合される。同様に、電源2の出力端子が第2段DC-DCユニットの入力端子に結合される。図18に示すように、電源1、電源2、第1段DC-DCユニット、及び第2段DC-DCユニットの入力端子及び出力端子の対応する位置に、マーク“+”及びマーク“-”を付している。マーク“+”は正出力端子又は正入力端子を示す。マーク“-”は負出力端子又は負入力端子を示す。この出願のこの実施形態で提供される他の図中のマーク“+”及びマーク“-”の意味も同様である。詳細を再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態において、第1段DC-DCユニットの正出力端子が、第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。第2段DC-DCユニットの負出力端子が、第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。第1段DC-DCユニットの負出力端子が、第2段DC-DCユニットの正出力端子に結合される。第1段DC-ACユニットの負入力端子が、第2段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。従って、第1段DC-DCユニットと第2段DC-DCユニットの出力がカスケード接続され、第1段DC-ACユニットと第2段DC-ACユニットの入力がカスケード接続される。この出願のこの実施形態では、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間の電流を減少させて、DC-DCユニットからDC-ACユニットへのケーブルのコスト及び損失の問題を解決するように、DC-DCユニットの出力端子がカスケード接続されて、出力電圧を高める。例えば、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットの各々の最大出力電圧は1500Vであり、第1段DC-DCユニットと第2段DC-DCユニットの出力がカスケード接続された後、最大出力電圧は3kVである。同じ電力の場合、電圧が増すと、出力電流が減少し、使用するケーブルの線径仕様が低くなり、コストが減少する。
この出願のこの実施形態において、第1段DC-ACユニットと第2段DC-ACユニットの出力端子の出力は絶縁され、異なる巻線に接続される。これは、実施形態1におけるDC-ACユニットの出力が絶縁されるケースと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。この出願のこの実施形態では、DC-ACユニットのカスケード接続された入力及び絶縁された出力が、電力変換デバイスの仕様を下げる。現在の産業界における電力変換デバイスの仕様は不十分である(一般に、IGBTでは最大1700V)。しかし、この出願のこの実施形態で提供される電力システムでは1500Vの回路遮断器を使用することができ、コストを低減させる。現在の産業界における電力変換デバイスの仕様不足という技術的問題が解決される。
第1段DC-DCユニットの負出力端子と第2段DC-DCユニットの正出力端子とを結合するノードを第1ノードと称する。第1段DC-ACユニットの負入力端子と第2段DC-ACユニットの正入力端子とを結合するノードを第2ノードと称する。
一部の実施形態において、第1ノードは第2ノードに結合される。第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットのうち一方の入力電圧及び/又は入力電流及び/又は入力電力が所定値未満であるとき、対応するDC-DCユニットは動作するのを停止する。例えば、第1段DC-DCユニットの入力電圧が所定値未満であるとき、第1段DC-DCユニットは動作を停止する。他の一例において、第2段DC-DCユニットの入力電力が所定値未満であるとき、第2段DC-DCユニットは動作を停止する。第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットのうち少なくとも一方が動作する。この出願のこの実施形態では、第1段DC-DCユニット又は第2段DC-DCユニットの入力電圧及び/又は入力電流及び/又は入力電力が過度に低いとき、低い電圧及び/又は電流及び/又は電力を有するユニットが停止され、適切なユニットが選択されて動作する。これは、不要な無駄を回避し、システム全体の変換効率及び利用率を向上させることができる。
図19は、この出願の一実施形態に従った電力システムの一実施形態の概略図である。図19に示すように、一部の実施形態において、第1段DC-DCユニットの正出力端子が、第1の導線を用いて第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。第2段DC-DCユニットの負出力端子が、第2の導線を用いて第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。第1ノードと第2ノードとが、第3の導線を用いて結合される。理解され得ることには、この出願のこの実施形態において、第1の導線、第2の導線、及び第3の導線は全て、DC-DCユニット(第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニット)とDC-ACユニット(第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニット)との間に接続される直流ケーブルである。ケーブルの材料及び線径仕様は、実際の状況に基づいて設定され得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。理解され得ることには、従来技術では、第1段DC-DCユニットと第2段DC-DCユニットとで合計4つの出力端子を持ち、それ故に4本のケーブルが接続される。しかし、この出願のこの実施形態においては、第1段DC-DCユニットと第2段DC-DCユニットとがカスケード接続され、第1ノードと第2ノードが、1本のケーブルを用いて結合され、その結果、4本のケーブルという既存の技術的ソリューションが、3本のケーブルのみを必要とするソリューションへと改良される。従って、これは、1本のケーブルのコスト及び建設コストを低減させることができる。
一部の実施形態において、第1の導線、第2の導線、及び第3の導線は、分散二重(DC)バスを形成する。第1の導線及び第2の導線が正のバスを形成する。第2の導線及び第3の導線が負のバスを形成する。第3の導線は、分散二重バスの中性線(Middle Cable)である。第1の導線、第2の導線、及び第3の導線は、直流導線である。3Dテクノロジ(three direct-Cable)では、3本のケーブルを用いて直流バスが構築され、第1の導線及び第2の導線を用いて正のバスが構築され、第2の導線及び第3の導線を用いて負のバスが構築される。
また、第1ノードは、第1段DC-DCユニットと第2段DC-DCユニットとをカスケード接続する中点であり、第2ノードは、第1段DC-ACユニットと第2段DC-ACユニットとをカスケード接続する中点であるので、第3の導線の電流値は第1の導線の電流値以下とし得る。第3の導線の電流値が第1の導線の電流値以下である場合、第3の導線の線径仕様を下げてもよく、第3の導線のコストが低減される。取り得る他の一ケースにおいて、同様に、第3の導線の電流値は、第2の導線の電流値以下である。従って、第3の導線の電流値が第2の導線の電流値以下である場合、第3の導線の線径仕様を下げてもよく、第3の導線のコストが低減される。確かなことには、第3の導線の電流値は代わりに、第1の導線の電流値未満且つ第2の導線の電流値未満とし得る。これも、第3の導線の線径仕様を下げて、第3の導線のケーブルコストを低減させ得る。
図20は、この出願の一実施形態に従った電力システムの他の一実施形態の概略図である。図20に示すように、一部の実施形態において、第1ノード及び第2ノードの両方がグランドに結合される。この出願のこの実施形態では、第1ノード及び第2ノードの両方がグランドに結合され、その結果、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットの出力電力又は出力電圧が非対称であるとき、又は第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電力又は入力電圧が非対称であるときに、電圧等化を達成するための電流ループが提供され、それにより、システムの正常動作が確保される。また、第1ノードと第2ノードとの間のケーブル接続が不要であり、それ故に1本のケーブルのコスト及び建設コストを低減させることができる。
図21aは、図18から図20に対応した、この出願の一実施形態に従った電力システムの他の一実施形態の概略図である。図21aに示すように、一部の実施形態において、第1段DC-DCユニットは具体的にBOOST DC/DCユニットであり、第2段DC-DCユニットは具体的に、DCフリップユニットにカスケード接続されたBOOST DC/DCユニットである。この出願のこの実施形態では、BOOST DC/DCユニットの負入力電極と負出力電極とが直接接続される。DCフリップユニットの負入力電極と正出力電極とが直接接続される。一部の実施形態において、太陽光発電システムは、複数の第1段DC-DCユニット及び複数の第2段DC-DCユニットを含む。全ての第1段DC-DCユニットの負出力端子が、全ての第2段DC-DCユニットの正出力端子に接続される。
第1ノードと第2ノードとが結合されない場合、電源不一致の影響が考慮される。例えば、太陽光発電システムでは、異なる照射により、電源1の出力電圧が電源2の出力電圧より大きくなることがあり、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットの出力電圧も異なる。すなわち、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットによって出力される電圧及び/又は電力は非対称になることがあり、出力電力におけるキャスク(cask)効果を生じさせる。従って、第1ノードと第2ノードとが結合されない場合、電力システムは、第1段DC-DCユニットと第2段DC-DCユニットによって出力される電圧及び/又は電力の非対称性を防止するための等化回路を備え得る。以下にて、複数の等化回路を提供する。実際の適用では、代わりに他の等化回路が存在してもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
図21bは、この出願の一実施形態に従った第1の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図である。一部の実施形態において、電力システムは更に第1の等化回路ユニットを含む。第1の等化回路ユニットは、第1のインタフェース、第2のインタフェース、及び第3のインタフェースを有して構成される。第1のインタフェースは第2ノードに結合される。第2のインタフェースは第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。第3のインタフェースは第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。第1の等化回路ユニットは、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせ得る。第1の等化回路ユニットの動作原理は、次の通りである。第1の等化回路ユニットは、第1のインタフェース及び第2のインタフェースを介して第1段DC-ACユニットの入力端子からエネルギーを取得し、第1のインタフェース及び第3のインタフェースを介して第2段DC-ACユニットへのエネルギーを補償する。あるいは、第1の等化回路ユニットは、第1のインタフェース及び第3のインタフェースを介して第2段DC-ACユニットの入力端子からエネルギーを取得し、第1のインタフェース及び第2のインタフェースを介して第1段DC-ACユニットへのエネルギーを補償する。
取り得る一実施形態において、第1の等化回路ユニットは4つのインタフェースを含んでもよく、すなわち、第1の等化回路ユニットは更に第4のインタフェースを有して構成される。第4のインタフェースは第1ノードに結合される。図21bに示すように、取り得る一実施形態において第4のインタフェースが第1ノードに結合されることを破線が示している。4つのインタフェースを含む第1の等化回路を用いてエネルギー補償が実行される場合、第1の等化回路は更に、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットのエネルギーを補償することができる。すなわち、対応する電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせ、調節することができる。
図22aは、この出願の一実施形態に従った第2の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図1である。一ケースにおいて、第2の等化回路ユニットは、第5のインタフェース及び第6のインタフェースを有して構成される。第5のインタフェースは第2ノードに結合される。第6のインタフェースは、第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。第2の等化回路ユニットの動作原理は、第1の等化回路ユニットの動作原理と同様である。具体的には、第2の等化回路ユニットは、第1段DC-ACユニットのエネルギーを第2段DC-ACユニットに対して補償することができ、あるいは、第2段DC-ACユニットのエネルギーを第1段DC-ACユニットに対して補償することができる。従って、第2の等化回路ユニットは、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせるように構成され得る。図22bは、この出願の一実施形態に従った第2の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図2である。他の一ケースにおいて、第2の等化回路ユニットは、第5のインタフェース及び第6のインタフェースを有して構成される。第5のインタフェースは第2ノードに結合される。第6のインタフェースは、第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。第2の等化回路ユニットは、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせるように構成され得る。これは、図22aに対応する第2の等化回路ユニットと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図23は、この出願の一実施形態に従った第3の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図である。第3の等化回路ユニットは、第7のインタフェース、第8のインタフェース、及び第9のインタフェースを有して構成される。第7のインタフェースは第1ノードに結合される。第8のインタフェースは、第1段DC-DCユニットの正出力端子に結合される。第9のインタフェースは、第2段DC-DCユニットの負出力端子に結合される。第3の等化回路ユニットの動作原理は、第1の等化回路ユニットの動作原理と同様である。具体的には、第3の等化回路ユニットは、第1段DC-DCユニットによって出力されるエネルギーを第2段DC-DCユニットに対して補償することができ、あるいは、第2段DC-DCユニットによって出力されるエネルギーを第1段DC-DCユニットに対して補償することができる。従って、第3の等化回路ユニットは、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットの出力電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせるように構成され得る。
取り得る一実施形態において、第3の等化回路ユニットは4つのインタフェースを含んでもよく、すなわち、第3の等化回路ユニットは更に第10のインタフェースを有して構成される。第10のインタフェースは第2ノードに結合される。図21bに示すように、取り得る一実施形態において第10のインタフェースが第2ノードに結合されることを破線が示している。4つのインタフェースを含む第3の等化回路を用いてエネルギー補償が実行される場合、第3の等化回路は更に、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットのエネルギーを補償することができる。すなわち、対応する電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせ、調節することができる。
図24aは、この出願の一実施形態に従った第4の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図1である。一ケースにおいて、第4の等化回路ユニットは、第11のインタフェース及び第12のインタフェースを有して構成される。第11のインタフェースは第1ノードに結合される。第12のインタフェースは、第1段DC-DCユニットの正入力端子に結合される。第4の等化回路ユニットの動作原理は、第2の等化回路ユニットの動作原理と同様である。具体的には、第4の等化回路ユニットは、第1段DC-DCユニットのエネルギーを第2段DC-DCユニットに対して補償することができ、あるいは、第2段DC-DCユニットのエネルギーを第1段DC-DCユニットに対して補償することができる。従って、第4の等化回路ユニットは、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットの入力電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせるように構成され得る。図24bは、この出願の一実施形態に従った第4の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図2である。他の一ケースにおいて、第4の等化回路ユニットは、第11のインタフェース及び第12のインタフェースを有して構成される。第11のインタフェースは第1ノードに結合される。第12のインタフェースは、第2段DC-DCユニットの負入力端子に結合される。第4の等化回路ユニットの動作原理は、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットの入力電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせるように構成され得る。これは、図24aに対応する第4の等化回路ユニットと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子及び第2段DC-ACユニットの出力端子が、それぞれ、異なる変圧器に接続される。あるいは、第1段DC-ACユニットの出力端子及び第2段DC-ACユニットの出力端子が、それぞれ、同一の変圧器の異なる巻線に接続される。
一部の実施形態において、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットは、DC-DCユニットの1つの組み合わせと見なされる。図25は、この出願の一実施形態に従った、並列に接続されたDC-DCユニットの複数の組み合わせの概略図である。図25に示すように、DC-DCユニットの複数の組み合わせが並列に接続される場合、DC-DCユニットの異なる組み合わせに対応する同一タイプの出力端子が並列に接続される。例えば、DC-DCユニットの第1の組み合わせ内の第1段DC-DCユニットの正出力端子が、DC-DCユニットの第2の組み合わせ内の第1段DC-DCユニットの正出力端子に結合される。同一タイプの出力端子の意味は、実施形態2で説明したものと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。DC-ACユニットの複数の組み合わせの並列接続は、実施形態2における説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。理解され得ることには、DC-ACユニットの複数の組み合わせの同一タイプの出力端子の出力は、並列に結合されるか絶縁されるかし得る。これは、実施形態2における説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に、絶縁監視装置(IMD)が結合される。図26は、この出願の一実施形態に従ったIMDを備えた電力システムの概略図である。他の一部の実施形態において、IMDは、第2段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に結合される。他の一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に第1のIMDが結合され、第2段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に第2のIMDが結合される。IMDは、グランドに対する電力システムの絶縁インピーダンスを検出することができる。グランドに対する絶縁インピーダンスが所定値よりも低い場合、この出願のこの実施形態では、好ましくは、第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットと変圧器巻線との間の結合接続を切断することができ、その結果、システム全体が動作を停止し、それにより、システム動作の安全性が更に確保される。
この出願のこの実施形態において、電源1、電源2、第1段DC-DCユニット、第2段DC-DCユニット、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットの間で通信を実施するために、電源1、電源2、第1段DC-DCユニット、第2段DC-DCユニット、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合される。通信信号は好ましくはPLC信号であり、これは、前述の実施形態における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子に接続された交流ケーブルに通信信号が結合され、該交流ケーブルが更に、他の装置に結合され得る。第1段DC-ACユニットは、通信信号を用いることにより、該交流ケーブル上で他の装置と通信し得る。DC-ACユニットの複数の組み合わせが並列に接続され、且つ複数の第1段DC-ACユニットの出力が並列に接続される場合、該複数の第1段DC-ACユニットの並列接続された出力端子が、接続された交流ケーブル上の通信信号を用いることによって、該交流ケーブルに結合された他の装置と通信し得る。上述の他の装置は、交流を使用する交流装置とし得る。同様に、第2段DC-ACユニットの出力端子の通信の状況は、第1段DC-ACユニットのそれと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。通信信号は好ましくはPLC信号であり、これは、前述の実施形態における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、この出願のこの実施形態で提供される電力システムは更にリーク電流センサを有して構成され得る。リーク電流センサは、電源1の出力端子、電源2の出力端子、第1段DC-DCユニットの入力端子及び出力端子、第2段DC-DCユニットの入力端子及び出力端子、第1段DC-ACユニットの入力端子及び出力端子、並びに第2段DC-ACユニットの入力端子及び出力端子に配置され得る。リーク電流センサが、電源1の出力端子、電源2の出力端子、第1段DC-ACユニットの入力端子及び出力端子、並びに第2段DC-ACユニットの入力端子及び出力端子に配置されるケースは、図11に対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。リーク電流センサが第1段DC-DCユニットの入力端子及び出力端子並びに第2段DC-DCユニットの入力端子及び出力端子に配置されるケースを図27に示す。図27は、この出願の一実施形態に従ったリーク電流センサを有して構成された電力システムの概略図である。分かり得ることには、リーク電流センサが、第1段DC-DCユニットの入力端子及び出力端子並びに第2段DC-DCユニットの入力端子及び出力端子に配置され得る。なお、リーク電流センサが第1段DC-DCユニットの出力端子と第2段DC-DCユニットの出力端子とに構成される場合、リーク電流センサは、第1ノードに対応する直流ケーブルに結合され得る。第1ノード及び第2ノードがグランドに結合される場合、リーク電流センサは、リーク電流検出機能を実現するようにグランドケーブルに接続され得る。実際の適用では、図27に示すように、3つのリーク電流センサを構成してもよいし、これらのリーク電流センサのうちの1つ以上を選択して構成してもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。リーク電流センサが、対応するリーク電流値が所定の閾値よりも大きいことを検出すると、リーク電流センサは、電源1、電源2、第1段DC-DCユニット、第2段DC-DCユニット、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットのうちのいずれか1つ以上又は全てに信号を送信し得る。そして、電源1、電源2、第1段DC-DCユニット、第2段DC-DCユニット、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットのうちのいずれか1つ以上又は全ては、それらに接続されたホストコンピュータにアラームを報告することができ、あるいは電力システムを停止させるための信号を送信することができ、あるいは他の手段を採ることができる。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力の高速遮断を実装するために、第1段DC-ACユニットの出力端子に接続された内部出力相線に直列に少なくとも1つのスイッチが接続される。該スイッチは、リレー、回路遮断器、又は接触器とすることができ、あるいは他のタイプのスイッチであってもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。同様に、第2段DC-ACユニットの出力端子に接続された内部出力相線にも、直列にスイッチが接続され得る。これは、第1段DC-ACユニットの出力相線に直列にスイッチが接続される場合と同様である。詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態において、電源1及び電源2が太陽光発電アレイである場合、電力システムは太陽光発電システムと称され得る。この出願のこの実施形態において、電源1は第1の太陽光発電アレイと称されることができ、電源2は第2の太陽光発電アレイと称されることができる。実際の適用では、他の名称が用いられ得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。例えば、風力発電システム、エネルギー貯蔵システム、又はハイブリッド発電システムといった、他のタイプの電力システムについては、実装に関して太陽光発電システムを参照されたい。この出願のこの実施形態において、他のタイプの電力システムについて詳細を説明することはしない。以下、太陽光発電システムを詳細に説明する。
太陽光発電システムでは、第1ノード及び第2ノードのうち一方のみがグランドに結合される必要があり、すなわち、第1ノードがグランドに結合されるか、第2ノードがグランドに結合されるかする。一部の実施形態では、代わりに第1ノード及び第2ノードの両方がグランドに結合されてもよい。第1ノード及び/又は第2ノードがグランドに結合されることで、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットの出力電力又は出力電圧が非対称であるとき、又は第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電力又は入力電圧が非対称であるときに、電圧等化を達成するように電流ループを設けることができ、それにより、システムの正常動作が確保されるとともに、1本のケーブルのコスト及び建設コストが低減される。
太陽光発電システムでは、図18に示すように、好ましくは、第1段DC-DCユニットの負入力端子及び負出力端子が直接結合され、又は小さい電圧降下のみで接続される。小さい電圧降下のみでの接続は、2つの接続される端子における電圧降下が小さいことを意味する。電圧降下は、ヒューズを結合することによって生じることもあれば、他のケースによって生じることもある。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。同様に、第2段DC-DCユニットの負入力端子及び正出力端子が直接結合され、又は小さい電圧降下のみで接続される。図18に対応する実施形態において、第1の太陽光発電アレイ(電源1)及び第2の太陽光発電アレイ(電源2)の負出力電極は等電位である。通常、グランドに対するシステム全体のインピーダンスは対称的に分布される。システムが稼働のために正常にグリッドに接続されるとき、第1ノード、第2ノード、及びグランドが等電位である。この場合、第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイのセルパネルのPV-における、グランドに対する電圧は略0Vである。これは、グランドに対するセルパネルのPV-における負バイアス電圧を除去し、(PV-においてグランドに対して負の電圧を持ち、PID現象を発生するセルパネルに対して)セルパネルのPID現象を回避する。
図28は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの概略図である。好ましくは、第1段DC-DCユニットの正入力端子及び負出力端子が直接結合され、又は小さい電圧降下のみで接続される。第2段DC-DCユニットの正入力端子及び正出力端子が直接結合され、又は小さい電圧降下のみで接続される。小さい電圧降下のみでの接続は、2つの接続される端子における電圧降下が小さいことを意味する。これは、図18に対応する実施形態の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。この出願のこの実施形態では、第2の太陽光発電アレイの正出力電極及び第1の太陽光発電アレイの正出力電極が等電位であることを確保するために、直接接続又は小さい電圧降下のみの接続の異なる方式が使用され得る。通常、グランドに対するシステム全体のインピーダンスは対称的に分布される。システムが稼働のために正常にグリッドに接続されるとき、第1ノード、第2ノード、及びグランドが等電位である。この場合、第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイのセルパネルのPV+における、グランドに対する出力電圧は略0Vである。これは、グランドに対するセルパネルのPV+における正バイアス電圧を除去し、(PV+においてグランドに対して正の電圧を持ち、PID現象を発生するセルパネルに対して)セルパネルのPID現象を回避する。同様に、第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの出力が負端子を共有する場合にも、同じ効果を達成することができる。
この出願のこの実施形態では、太陽光発電システムにおいて、PID現象は代わりに、電圧源を結合することによって除去され得る。一部の実施形態において、第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点とグランド点との間に電圧源を結合して、グランドに対する該中点の電位を調節するようにする。太陽光発電システムが稼働のために正常にグリッドに接続されるとき、電圧源を用いて三相A/B/Cとグランドとの間に電圧と電流を注入することで、グランドに対する第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの負出力端子の電圧が0に等しいこと、又はグランドに対する第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの正出力端子の電圧が0に等しいことを確保する。これは、太陽光発電アレイ(第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイ)内のセルパネルがPID現象を発生するのを防止する。また、この出願のこの実施形態では、(負出力端子PV-においてグランドに対して負の電圧を持ち、PID現象を発生するセルパネルに対して)グランドに対する第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの負出力端子の電圧が0より高くなるように、又は(正出力端子PV+においてグランドに対して正の電圧を持ち、PID現象を発生するセルパネルに対して)グランドに対する第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの正出力端子の電圧が0より低くなるように、電圧を調節することができる。これは、セルパネルのPID修復機能を実現し、グランドに対する第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの正出力端子及び負出力端子の電圧がセルパネルの最大印加システム電圧を超えないことを確保し、システム安全性を確保する。この電圧は代わりに、第1段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点とグランド点との間に電圧源を結合することによって調節されてもよい。これは、第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点とグランド点との間に電圧源を結合することの前述の原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットの出力側の外部相線とグランド点との間に電圧源を結合して、グランドに対する対応する出力相線の電位を調節し、PID現象を除去し得る。これは、図12bに対応する実施形態における原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットの出力端子の位置の内部相線とグランド点との間に電圧源を結合して、グランドに対する対応する出力相線の電位を調節し、PID現象を除去し得る。これは、図12cに対応する実施形態における原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図29aは、図27及び図28に対応した、この出願の一実施形態に従った電力システムの他の一実施形態の概略図である。図29aに示すように、一部の実施形態において、第1段DC-DCユニットは具体的に、DCフリップユニットにカスケード接続されたBOOST DC/DCユニットであり、第2段DC-DCユニットは具体的にBOOST DC/DCユニットである。この出願のこの実施形態では、BOOST DC/DCユニットの負入力電極と負出力電極とが直接接続される。DCフリップユニットの負入力電極と正出力電極とが直接接続される。一部の実施形態において、太陽光発電システムは、複数の第1段DC-DCユニット及び複数の第2段DC-DCユニットを含む。全ての第1段DC-DCユニットの負出力端子が、全ての第2段DC-DCユニットの正出力端子に接続される。
図29bは、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の概略図である。一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、第1段DC-ACユニット又は第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点が、グランドに対する当該中点の電圧が0Vに近い又は等しくなるようにし、グランドに結合されるか、電流制限デバイスを用いてグランドに結合されるかして、PID現象を除去する。図29bに示すように、第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線は第2巻線であり、該第2巻線は、三相四線(ABCN)二重分割(double-split)変圧器である。一般に、N線は変圧器の中点に接続されて接地される。第2巻線のN線は、接地に結合され、又は電流制限デバイスを用いてグランドに結合される。システムがグリッドに接続されて正常に動作するとき、第2段DC-ACユニットの正入力電極(第2ノード)の電位は、グランド電位よりも高く、それ故に、グランドに対する第2太陽光発電アレイの負出力電極及び第1太陽光発電アレイの負出力端子の電圧は0V以上となる。セルパネルのPID抑制及び修復機能が実現される。同様に、図28で第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの正出力端子がともに結合される用途において、第1段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線(第1の巻線)のN線が、グランドに結合され、又は電流制限デバイスを用いてグランドに結合され、それ故に、第1段DC-ACユニットの負入力端子の電位がグランド電位よりも低くなる。この場合、第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの正出力端子の電位は、第2ノードの電位に等しく、グランド電位より低く、すなわち、≦0Vである。これは、グランドに対するセルパネルのPV+における正バイアス電圧を除去し、(PV+においてグランドに対して正の電圧を持ち、PID現象を発生するセルパネルに対して)セルパネルのPID現象を回避する。他の一態様では、この出願のこの実施形態において、太陽光発電アレイの入力電圧は、グランドに対する太陽光発電アレイの負極の電圧と入力電圧との和がセルパネルの最大印加システム電圧を超えないように、DC-DCユニットの最大電力点追跡(maximum power point tracking,MPPT)機能を用いることによって制御されることができ、システム動作の安全が確保される。
図30は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の概略図である。一部の実施形態において、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの出力端子が、それぞれ、同一の変圧器の異なる巻線に結合される場合、第1段DC-ACユニットの出力端子に対応する巻線の中点と、第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する巻線の中点とが、2つの直列抵抗又は電流制限デバイスを用いて結合されるとともに、これら2つの直列抵抗又はこれら2つの電流制限デバイスの間の中点がグランドに結合される。図30に示すように、第1の巻線及び第2の巻線のN線同士が、2つの直列抵抗又は電流制限デバイスを用いて結合され、これら2つの直列抵抗又はこれら2つの電流制限デバイスの間の中点がグランドに結合される。システムが稼働のために正常にグリッドに接続されるとき、第1ノード、第2ノード、及びグランドが等電位になる。図28に対応する実施形態では、第2の太陽光発電アレイの正出力電極、第1の太陽光発電アレイの正出力電極、及びグランドが等電位になることができ、それにより、太陽光発電アレイがPID現象を生じるのを防止する。図29bの例では、第2の太陽光発電アレイの負出力電極、第1の太陽光発電アレイの負出力電極、及びグランドが等電位になることができ、それにより、太陽光発電アレイがPID現象を生じるのを防止する。
一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、太陽光発電システムは更に絶縁ユニットを含む。絶縁ユニットは、AC-DC絶縁ユニットとも称され、第1段DC-ACユニット内に配置され得る。絶縁ユニットの入力端子が、第1段DC-ACユニットの出力端子の位置の内部相線に結合されてエネルギーを得る。絶縁ユニットの第1の出力端子がグランドに結合され、絶縁ユニットの第2の出力端子が、第1段DC-ACユニットの正入力端子及び/又は負入力端子に結合される。絶縁ユニットは、PID現象を除去するように、グランドに対する第1電源及び/又は第2電源の出力電圧を調節するように構成され得る。絶縁ユニットは代わりに、第2段DC-ACユニットの内部に配置されてもよい。PID現象を除去するため、グランドに対する第1電源及び/又は第2電源の出力電圧を調節するように、該絶縁ユニットの入力端子が、第2段DC-ACユニットの出力端子の位置の内部相線に結合され、該絶縁ユニットの第1の出力端子がグランドに結合され、該絶縁ユニットの第2の出力端子が、第2段DC-ACユニットの正入力端子及び/又は負入力端子に結合される。これは、特に、図13に対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイは各々、太陽パネルの出力端子をオプティマイザ又は遮断装置に直列に接続してから直列又は並列結合にて接続することによって形成された太陽光発電アレイとすることができ、オプティマイザ又は遮断装置の出力端子に接続された直流ケーブルに通信信号が結合される。第1段DC-DCユニット及び/又は第2段DC-DCユニット及び/又は第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットは、該通信信号を用いることによってオプティマイザ又は遮断装置と通信し、オプティマイザ又は遮断装置の高速遮断を実施するようにオプティマイザ又は遮断装置を制御し得る。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニット、第2段DC-ACユニット、第1段DC-DCユニット、及び第2段DC-DCユニットの間の直流ケーブルに、通信信号が結合される。第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットは、該通信信号を用いて、第1段DC-DCユニットの入力端子及び/又は第2段DC-DCユニットの入力端子の高速遮断を実施するように第1段DC-DCユニット及び/又は第2段DC-DCユニットを制御する。
一部の実施形態において、太陽光発電システムは更に、少なくとも1つのエネルギー貯蔵ユニットを含む。第1段DC-DCユニット、第2段DC-DCユニット、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットに接続された少なくとも2つの直流ケーブルが、エネルギー貯蔵ユニットに並列に接続される。これは特に、実施形態3におけるエネルギー貯蔵ユニットと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
エネルギー貯蔵ユニットを含む実施形態において、エネルギー貯蔵ユニットは、エネルギー貯蔵装置であってもよいし、直流変換ユニットとエネルギー貯蔵装置とを含んでもよいし、エネルギーを蓄積することができる他の装置であってもよい。これは、実施形態1におけるエネルギー貯蔵ユニットの説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。エネルギー貯蔵ユニットとDC-DCユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-DCユニットと通信してもよい。エネルギー貯蔵ユニットとDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-ACユニットと通信してもよい。通信信号の状況及び通信を実装するための原理は、実施形態1における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図31は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の概略図である。一部の実施形態において、第1の太陽光発電アレイの負出力端子と第2の太陽光発電アレイの負出力端子とが第1の結合点として結合される。第1段DC-DCユニットの負入力端子と第2段DC-DCユニットの負入力端子とが第2の結合点として結合される。第1の結合点と第2の結合点は、1つのケーブルを用いて接続される。この実装では、1つのケーブルで第1の結合点と第2の結合点を接続することができ、ケーブルが減少し、コストが低減される。他の一部の実施形態では、電力フローを実現するように第1の結合点及び第2の結合点が別々に接地されてもよい。これは更にケーブルの数を減少させてシステムコストを低減させ得る。同様に、図28に示した太陽光発電システムにおいて、第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの正出力端子が結合され、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットの正入力端子が結合され、そして、電力フローを実現するように、それら2つの結合点が、1つのケーブルを用いて接地され、又は両方の端子が接地される。
図32aは、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の概略図である。一部の実施形態において、太陽光発電システムは更にコンバイナユニットを含む。コンバイナユニットは、少なくとも3つの入力端子を含み、それらは、それぞれ、第1段DC-DCユニットの正出力端子、第1ノード、及び第2段DC-DCユニットの負出力端子に接続される。実際の適用では、コンバイナユニットは、より多くの第1段DC-DCユニット及びより多くの第2段DC-DCユニットを接続するために、より多くの入力端子を更に含み得る。理解され得ることには、第1段DC-DCユニットは第1の太陽光発電アレイに結合され、第2段DC-DCユニットは第2の太陽光発電アレイに結合される。コンバイナユニットの出力端子は、第1段DC-ACユニットの正入力端子、第2ノード、及び第2段DC-ACユニットの負入力端子に接続される。この出願のこの実施形態では、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間にコンバイナユニットが結合されることで、太陽光発電システムを、より多くの第1の太陽光発電アレイ及びより多くの第2の太陽光発電アレイに結合することができ、それにより、太陽光発電システムの規模の拡張を容易にする。取り得る他の一実施形態において、コンバイナユニットは、第1のバスバー、第2のバスバー、及び第3のバスバーを含む3つのバスバーを備え得る。第1のバスバーは第1段DC-DCユニットの正出力端子に結合され、第2のバスバーは第1ノードに結合され、第3のバスバーは第2段DC-DCユニットの負出力端子に結合される。別の観点において、第1のバスバーは第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合され、第2のバスバーは第2ノードに結合され、第3のバスバーは第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。図32bは、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の概略図である。図32bに示すように、太陽光発電システムが複数の第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットを含む場合、太陽光発電システムは代わりに、上記3つのバスバーに複数の第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットを結合してもよい。コンバイナユニットを用いることにより、組み合わせ行われる。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
図33は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の概略図である。一部の実施形態において、第2段DC-DCユニットがコンバイナユニットによって置き換えられてもよい。該コンバイナユニットを用いて第2の太陽光発電アレイの出力が実装される。また、第1ノードと第2ノードが接続されない場合、及びシステムが稼働のために正常にグリッドに接続される場合、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電圧は、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの出力電圧及び電力に基づいて決定される。この場合、第1段DC-DCユニットが自身の出力電圧及び電流を制御し、すなわち、第2の太陽光発電アレイによって出力される電圧及び電流は、第2の太陽光発電アレイのMPPT追跡を実施するように調節され得る。
図34は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の概略図である。一部の実施形態において、第2段DC-DCユニットがコンバイナユニットによって置き換えられ得るとともに、第1ノード及び第2ノードが別々にグランドに結合される。第2の太陽光発電アレイの出力は、コンバイナユニットを用いて結合され、そして、この結合の後に、第1段DC-DCユニットの出力端子に直列に結合される。この結合ノードが第1ノードであり、第1ノード及び第2ノードは接地され、電力接続を実装するように結合される。
図35aは、図33及び図34に対応した、この出願の一実施形態に従った電力システムの他の一実施形態の概略図である。図35aに示すように、一部の実施形態において、第1段DC-DCユニットは具体的に、DCフリップユニットにカスケード接続されたBOOST DC/DCユニットである。この出願のこの実施形態では、BOOST DC/DCユニットの負入力電極と負出力電極とが直接接続される。DCフリップユニットの負入力電極と正出力電極とが直接接続される。
図35bは、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の概略図である。一部の実施形態において、同様に、第1段DC-DCユニットもコンバイナユニットによって置き換えられ得る。原理は、第2段DC-DCユニットをコンバイナユニットで置き換えることの原理と同様である。詳細をここで再び説明することはしない。この出願のこの実施形態において、第1ノード及び第2ノードは結合されてから接地され得る。一部の実施形態において、コンバイナユニット及び第2段DC-DCユニットは、同じ全体として使用されてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
図36aは、図35bに対応した、この出願の一実施形態に従った電力システムの他の一実施形態の概略図である。図36aに示すように、一部の実施形態において、第2段DC-DCユニットは具体的に、DCフリップユニットにカスケード接続されたBOOST DC/DCユニットである。この出願のこの実施形態では、BOOST DC/DCユニットの負入力電極と負出力電極とが直接接続される。DCフリップユニットの負入力電極と正出力電極とが直接接続される。
図36bは、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の概略図である。この実施形態では、第2段DC-DCユニットがコンバイナユニットで置き換えられ得る。また、この太陽光発電システムは等化回路を備えている。第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの出力電力及び/又は出力電圧が非対称であるとき、第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの出力電力及び/又は出力電圧の適用を最大化するように、等化回路が第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの出力電力及び/又は電圧をバランスさせるように構成される。等化回路は、第1のインタフェース、第2のインタフェース、及び第3のインタフェースを含む。第1のインタフェースは、第1ノード(コンバイナユニットの負出力端子と第1段DC-DCユニットの正出力端子との結合点)に結合される。第2のインタフェースは、コンバイナユニットの正出力端子に結合される。第3のインタフェースは、第1段DC-DCユニットの負出力端子に結合される。等化回路の動作原理は、次の通りである。等化回路ユニットは、第2のインタフェース及び第3のインタフェースを介してエネルギーを取得し、低い出力電力及び/又は電圧を有する第1の太陽光発電アレイ又は第1段DC-DCユニットへのエネルギーを補償する。あるいは、等化回路は、第1のインタフェース及び第2のインタフェースを介して第2の太陽光発電アレイからエネルギーを取得し、第1のインタフェース及び第3のインタフェースを介して第1段DC-DCユニットへのエネルギーを補償する。あるいは、等化回路ユニットは、第1のインタフェース及び第3のインタフェースを介して第1段DC-DCユニットからエネルギーを取得し、第1のインタフェース及び第2のインタフェースを介して第2の太陽光発電アレイへのエネルギーを補償する。一部の実施形態において、等化回路ユニットは更に第4のインタフェースを含んでもよい。第4のインタフェースは第2ノードに結合される。これは、特に、図23に対応する実施形態における第3の等化回路ユニットと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図37は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の概略図である。一部の実施形態において、第1段DC-DCユニットは具体的にBOOST DC/DCユニットであり、第2段DC-DCユニットは具体的にBUCK-BOOST DC/DCユニットであり、BOOST DC/DCユニットとBUCK-BOOST DC/DCユニットとでMPPTコンバイナボックスを形成する。この出願のこの実施形態では、BOOST DC/DCユニットの負入力電極と負出力電極とが直接接続される。BOOST DC/DCユニットの正入力電極が第1の太陽光発電アレイの正出力電極に接続され、BOOST DC/DCユニットの負入力電極が第1の太陽光発電アレイの負出力電極に接続される。BUCK-BOOST DC/DCユニットの負入力電極と正出力電極とが直接接続される。BUCK-BOOST DC/DCユニットの正入力電極が第2の太陽光発電アレイの正出力電極に接続され、BUCK-BOOST DC/DCユニットの負入力電極が第2の太陽光発電アレイの負出力電極に接続される。一部の実施形態において、太陽光発電システムは、複数の第1段DC-DCユニット及び複数の第2段DC-DCユニットを含む。全ての第1段DC-DCユニットの負出力端子が、全ての第2段DC-DCユニットの正出力端子に接続されて、MPPTコンバイナボックスの第3の出力端子を形成する。全ての第1段DC-DCユニットの正出力電極が、MPPTコンバイナボックスの第1の出力端子を形成する。全ての第2段DC-DCユニットの負出力電極が、MPPTコンバイナボックスの第2の出力端子を形成する。
図37において、第1段DC-ACユニットと第2段DC-ACユニットとでインバータを形成している。太陽光発電システムが複数のインバータを含む場合、全ての第1段DC-ACユニットの負入力電極が、全ての第2段DC-ACユニットの正入力電極に接続されてインバータの第3の入力端子を形成し、全ての第1段DC-ACユニットの正入力電極がインバータの第1の入力端子を形成し、全ての第2段DC-ACユニットの負入力電極が接続されてインバータの第2の入力端子を形成し、全ての第1段DC-ACユニットの出力端子がインバータの第1の出力端子を形成し、全ての第2段DC-ACユニットの出力端子がインバータの第2の出力端子を形成する。
図37において、MPPTコンバイナボックスの第1の出力端子がインバータの第1の入力端子に結合される。MPPTコンバイナボックスの第2の出力端子がインバータの第2の入力端子に結合される。MPPTコンバイナボックスの第3の出力端子がインバータの第3の入力端子に結合される。インバータの第1の出力端子及び第2の出力端子が、それぞれ、二重分割変圧器の第1の巻線及び第2の巻線に接続される。太陽電池パネルのPID現象の発生を抑制するために、例えば絶縁ユニット及び電圧源を構成するなど、前述の実装例と同じ実装を用いてもよい。DC-DCユニットの出力端子の結合方式、DC-ACユニットの入力端子の結合方式、DC-DCユニットの出力端子とDC-ACユニットの入力端子との結合方式については、前述の実装例と同じ実装を用いることができ、詳細をここで再び説明することはしない。
実施形態5
図38は、この出願の一実施形態に従った電力システムの実施形態5の概略図である。当該電力システムは、電源と、DC-DCユニットと、N個のDC-ACユニットとを含む。電源の出力端子がDC-DCユニットの入力端子に結合され、電源は、太陽光発電アレイ、エネルギー貯蔵電源、風力発電直流源、又はこれらに類するものとし得る。これは、実施形態3における電源と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。DC-DCユニットの出力端子は、正出力端子、負出力端子、及び第3の出力端子を含む。DC-DCユニットの正出力端子は、1番目のDC-ACユニットの正入力端子に結合される。DC-DCユニットの負出力端子は、N番目のDC-ACユニットの負入力端子に結合される。少なくとも1つのDC-DCユニットの第3の出力端子は、少なくとも1つの第1ノードに結合される。第1ノードは、n番目のDC-ACユニットの負入力端子と、(n+1)番目のDC-ACユニットの正入力端子とを直列に結合することによって形成され、nは0より大きくNより小さい整数である。すなわち、DC-ACユニット1の負入力端子がDC-ACユニット2の正入力端子に直列に結合されて第1ノードを形成し、DC-ACユニット2の負入力端子がDC-ACユニット3の正入力端子に直列に結合されて第1ノードを形成し、等々である。これは、実施形態3におけるDC-ACユニットと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態において、DC-DCユニットは、例えばDC/DCコンバータといった、直流を直流に変換することができる装置とし得る。DC-DCユニットの入力端子は、1つの電源に接続されてもよいし、複数の電源に接続されてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。DC-DCユニットの入力端子と電源との結合方式は、概して、電源の正出力端子がDC-DCユニットの正入力端子に結合され、且つ電源の負出力端子がDC-DCユニットの負入力端子に結合されるというものである。この出願のこの実施形態において詳細を再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態では、DC-ACユニットの入力端子がカスケード接続されて、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間の電流を減少させ、DC-DCユニットからDC-ACユニットへのケーブルのコスト及び損失の問題を解決する。DC-DCユニットが複数の電源に接続される場合、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間の電流を減少させて、DC-DCユニットからDC-ACユニットへのケーブルのコスト及び損失の問題を解決するように、出力電圧が高められ得る。
この出願のこの実施形態では、少なくとも1つのDC-DCユニットの第3の出力端子が、少なくとも1つの第1ノードに結合される。例えば、一部の実施形態において、1つの第3の出力端子が1つの第1ノードに結合され、他の第3の出力端子は他の第1ノードに結合されない。他の一部の実施形態において、2つの第3の出力端子が2つの第1ノードにそれぞれ結合され、他の第3の出力端子は他の第1ノードに結合されない。他の一部の実施形態において、第3の出力端子の数は第1ノードの数に等しく、各第3の出力端子が、対応する第1ノードに結合される。他の一部の実施形態において、第3の出力端子の数は第1ノードの数とは異なり、各第3の出力端子が、対応する第1ノードに結合され、残りの第3の出力端子又は残りの第1ノードは結合されない。実際の適用では、代わりに他の結合方式が用いられてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。この出願のこの実施形態では、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間に接続されるケーブルの数が、第3の出力端子及び第1ノードの方式で減少され、電力システムのコストが低減される。
この出願のこの実施形態において、DC-ACユニットの出力端子の出力は絶縁される。例えば、DC-ACユニット1の出力端子はDC-ACユニット2の出力端子から絶縁され、DC-ACユニット2の出力端子はDC-ACユニット3の出力端子から絶縁される。実際の適用では、各DC-ACユニットの出力端子が異なる巻線に結合され、各巻線が三相電圧又は単相電圧を出力し得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。この出願のこの実施形態において、DC-ACユニットのカスケード接続された入力及び絶縁された出力は、電力変換デバイスの仕様を低くする。従って、現在の産業界における電力変換デバイスの仕様不足(一般に、絶縁ゲートバイポーラトランジスタIGBTでは最大1700V)及び高コストの問題が解決される。さらに、低い仕様の回路遮断器を用いてコストを低減させ得る。
一部の実施形態において、DC-ACユニット1、DC-ACユニット2、…、及びDC-ACユニットNは、DC-ACユニットの1つの組み合わせと見なされてもよい。従って、1つの電力システムが、少なくとも1つの電源と、1つのDC-DCユニットと、DC-ACユニットの1つの組み合わせとを含む。複数の電源及び/又は複数のDC-DCユニット及び/又はDC-ACユニットの複数の組み合わせが存在する場合、直列及び並列に接続された複数の電源の出力端子が、1つのDC-DCユニットの入力端子に接続され、又は複数の異なるDC-DCユニットの入力端子にそれぞれ接続される。複数のDC-DCユニットの同一タイプの出力端子が並列に結合され、DC-ACユニットの少なくとも2つの組み合わせの同一タイプの入力端子が並列に接続される。少なくとも1つの並列接続された第3の出力端子が、少なくとも1つの並列接続された第1ノードに結合される。この出願のこの実施形態において、DC-ACユニットの複数の組み合わせの同一タイプの出力端子は、並列に結合されることができ、あるいは、同一タイプの出力端子の出力は絶縁されることができる。これは、前述の実施形態における図5cに対応する説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、電源とDC-DCユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合される。DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルにも通信信号が結合される。好ましくは、通信信号はPLC信号とし得る。これは、実施形態1における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。実際の適用において、電力システムは、通信信号を認識することができる電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットを使用してもよいし、電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットが通信信号を認識することができるように、電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットを変更してもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
一部の実施形態において、電源は、太陽電池パネルの出力をオプティマイザ又は遮断装置に接続してから直列又は並列結合にて接続することによって形成された太陽光発電アレイである。電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されるとき、通信信号はオプティマイザ又は遮断装置も通り抜け、電源、DC-DCユニット、又はDC-ACユニットは、通信信号を用いることによって、高速遮断を実施するようにオプティマイザ又は遮断装置の遮断を制御し得る。すなわち、電源、DC-DCユニット、又はDC-ACユニットは、遮断命令を搬送する通信信号をオプティマイザ又は遮断装置に送信し得る。遮断命令を搬送する通信信号を受信した後、オプティマイザ又は遮断装置は、高速遮断を実施するために遮断命令を実行する。通信信号の状況は、実施形態1における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、電力システムは更に、少なくとも1つのエネルギー貯蔵ユニットを含む。エネルギー貯蔵ユニットは、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間に接続された少なくとも2つの直流ケーブルに並列に結合される。この出願のこの実施形態において、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間に接続される直流ケーブルは、DC-DCユニットの正出力端子とDC-ACユニット1の正入力端子とを結合するための直流ケーブルであってもよいし、DC-DCユニットの負出力端子とDC-ACユニットNの負入力端子とを結合するための直流ケーブルであってもよいし、第3の出力端子と第1ノードとを結合するための直流ケーブルであってもよい。例えば、エネルギー貯蔵ユニットは、DC-DCユニットの正出力端子とDC-ACユニット1の正入力端子とを結合するための直流ケーブルと、DC-DCユニットの負出力端子とDC-ACユニットNの負入力端子とを結合するための直流ケーブルとの間に並列に結合される。あるいは、エネルギー貯蔵ユニットは、第3の出力端子と第1ノードとを結合するための3つの直流ケーブルの間に並列に結合される。理解され得ることには、1つの電力システムに含まれるエネルギー貯蔵ユニットの数は限定されず、すなわち、同時に複数のエネルギー貯蔵ユニットが並列に結合されてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
エネルギー貯蔵ユニットを含む実施形態において、エネルギー貯蔵ユニットは、エネルギー貯蔵装置であってもよいし、直流変換ユニットとエネルギー貯蔵装置とを含んでもよいし、エネルギーを蓄積することができる他の装置であってもよい。これは、実施形態1におけるエネルギー貯蔵ユニットの説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。エネルギー貯蔵ユニットとDC-DCユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-DCユニットと通信してもよい。エネルギー貯蔵ユニットとDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-ACユニットと通信してもよい。通信信号の状況及び通信を実装するための原理は、実施形態1における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
実施形態6
図39は、この出願の一実施形態に従った電力システムの実施形態6の概略図である。当該電力システムは、電源と、DC-DCユニットと、第1段DC-ACユニットと、第2段DC-ACユニットとを含む。電源の出力端子がDC-DCユニットの入力端子に結合される。電源は、太陽光発電アレイ、エネルギー貯蔵電源、風力発電直流源、又はこれらに類するものとし得る。DC-DCユニットは、例えばインバータといった、直流を交流に変換することができる装置とし得る。これは、実施形態5における説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。DC-DCユニットの正出力端子が第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。DC-DCユニットの負出力端子が第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。第1段DC-ACユニットの負入力端子が第2段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。
この出願のこの実施形態では、DC-ACユニットの入力端子がカスケード接続されて、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間の電流を減少させ、DC-DCユニットからDC-ACユニットへのケーブルのコスト及び損失の問題を解決する。DC-DCユニットが複数の電源に接続される場合、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間の電流を減少させ、DC-DCユニットからDC-ACユニットへのケーブルのコスト及び損失の問題を解決するように、出力電圧が高められ得る。
この出願のこの実施形態において、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの出力端子の出力は絶縁され、異なる巻線に接続される。これは、実施形態1におけるDC-ACユニットの出力が絶縁されるケースと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。この出願のこの実施形態では、DC-ACユニットのカスケード接続された入力及び絶縁された出力が、電力変換デバイスの仕様を下げる。現在の産業界における電力変換デバイスの仕様は不十分である(一般に、IGBTでは最大1700V)。しかし、この出願のこの実施形態で提供される電力システムでは1500Vの回路遮断器を使用することができ、コストを低減させる。現在の産業界における電力変換デバイスの仕様不足という技術的問題が解決される。
DC-DCユニットの第3の出力端子は、出力端子電位の中点として参照されたり、第1ノードとして参照されたりすることもある。第1段DC-ACユニットの負入力端子が、第2段DC-ACユニットの正入力端子に結合され、この結合後の結合ノードが第2ノードである。
図40は、この出願の一実施形態に従った電力システムの一実施形態の概略図である。図40に示すように、一部の実施形態において、DC-DCユニットの正出力端子が、第1の導線を用いて第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。DC-DCユニットの負出力端子が、第2の導線を用いて第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。第1ノードと第2ノードとが、第3の導線を用いて結合される。理解され得ることには、この出願のこの実施形態において、第1の導線、第2の導線、及び第3の導線は全て、DC-DCユニットとDC-ACユニット(第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニット)との間に接続される直流ケーブルである。ケーブルの材料及び線径仕様は、実際の状況に基づいて設定され得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
一部の実施形態において、第1の導線、第2の導線、及び第3の導線は、分散二重(DC)バスを形成する。第1の導線及び第2の導線が正のバスを形成する。第2の導線及び第3の導線が負のバスを形成する。第3の導線は、分散二重バスの中性線(Middle Cable)である。第1の導線、第2の導線、及び第3の導線は、直流導線である。3Dテクノロジ(three direct-Cable)では、3本のケーブルを用いて直流バスが構築され、第1の導線及び第2の導線を用いて正のバスが構築され、第2の導線及び第3の導線を用いて負のバスが構築される。
また、第1ノードは、DC-DCユニットの出力端子電位の中点であり、第2ノードは、第1段DC-ACユニットと第2段DC-ACユニットとをカスケード接続する中点であるので、第3の導線の電流値は第1の導線の電流値以下とし得る。第3の導線の電流値が第1の導線の電流値以下である場合、第3の導線の線径仕様を下げてもよく、第3の導線のコストが低減される。取り得る他の一ケースにおいて、同様に、第3の導線の電流値は、第2の導線の電流値以下である。従って、第3の導線の電流値が第2の導線の電流値以下である場合、第3の導線の線径仕様を下げてもよく、第3の導線のコストが低減される。確かなことには、第3の導線の電流値は代わりに、第1の導線の電流値未満且つ第2の導線の電流値未満とし得る。これも、第3の導線の線径仕様を下げて、第3の導線のケーブルコストを低減させ得る。
図41は、この出願の一実施形態に従った電力システムの一実施形態の概略図である。図41に示すように、一部の実施形態において、第1ノード及び第2ノードの両方がグランドに結合される。この出願のこの実施形態では、第1ノード及び第2ノードの両方がグランドに結合され、その結果、DC-DCユニットの出力電力又は出力電圧が非対称であるとき、又は第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電力又は入力電圧が非対称であるときに、電圧等化を達成するための電流ループが提供され、それにより、システムの正常動作が確保される。また、第1ノードと第2ノードとの間のケーブル接続が不要であり、それ故に1本のケーブルのコスト及び建設コストを低減させることができる。
図42は、この出願の一実施形態に従った第1の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図である。一部の実施形態において、電力システムは更に第1の等化回路ユニットを含む。第1の等化回路ユニットは、第1のインタフェース、第2のインタフェース、及び第3のインタフェースを有して構成される。第1のインタフェースは第2ノードに結合される。第2のインタフェースは第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。第3のインタフェースは第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。第1の等化回路ユニットは、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電圧及び/又は電力及び/又は電流をバランスさせ得る。第1の等化回路ユニットの動作原理は、次の通りである。第1の等化回路ユニットは、第1のインタフェース及び第2のインタフェースを介して第1段DC-ACユニットの入力端子からエネルギーを取得し、第1のインタフェース及び第3のインタフェースを介して第2段DC-ACユニットへのエネルギーを補償する。あるいは、第1の等化回路ユニットは、第1のインタフェース及び第3のインタフェースを介して第2段DC-ACユニットの入力端子からエネルギーを取得し、第1のインタフェース及び第2のインタフェースを介して第1段DC-ACユニットへのエネルギーを補償する。
取り得る一実施形態において、第1の等化回路ユニットは4つのインタフェースを含んでもよく、すなわち、第1の等化回路ユニットは更に第4のインタフェースを有して構成される。第4のインタフェースは第1ノードに結合される。これは、図21bに対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図43は、この出願の一実施形態に従った第2の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図1である。第2の等化回路ユニットは、第5のインタフェース及び第6のインタフェースを有して構成される。第5のインタフェースは第2ノードに結合される。一部の実施形態において、第6のインタフェースは、第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。一部の実施形態において、第6のインタフェースは、第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。これは、図22bに対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図44は、この出願の一実施形態に従った第3の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図である。第3の等化回路ユニットは、第7のインタフェース、第8のインタフェース、及び第9のインタフェースを有して構成される。第7のインタフェースは第1ノードに結合される。第8のインタフェースは、DC-DCユニットの正出力端子に結合される。第9のインタフェースは、DC-DCユニットの負出力端子に結合される。一部の実施形態において、第3の等化回路ユニットは更に第10のインタフェースを有して構成される。第10のインタフェースは第2ノードに結合される。第3の等化回路ユニットの原理は、図23に対応する実施形態におけるものと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図45は、この出願の一実施形態に従った第4の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図である。第4の等化回路ユニットは、第11のインタフェース及び第12のインタフェースを有して構成される。第11のインタフェースは第1ノードに結合される。一部の実施形態において、第12のインタフェースは、DC-DCユニットの正入力端子に結合される。第3の等化回路ユニットの原理は、図24aに対応する実施形態におけるものと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。一部の実施形態において、第12のインタフェースは、DC-DCユニットの負入力端子に結合される。第3の等化回路ユニットの原理は、図24bに対応する実施形態におけるものと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子及び第2段DC-ACユニットの出力端子が、それぞれ、異なる変圧器に接続される。あるいは、第1段DC-ACユニットの出力端子及び第2段DC-ACユニットの出力端子が、それぞれ、同一の変圧器の異なる巻線に接続される。
一部の実施形態において、複数の電源及び/又は複数のDC-DCユニット及び/又は複数のDC-ACユニットが存在する。電力システムは特に、少なくとも1つの電源、少なくとも1つのDC-DCユニット、及び少なくとも一対のDC-AC変換ユニットを含む。一対のDC-AC変換ユニットは、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットを含む。少なくとも1つの電源と、少なくとも1つのDC-DCユニットと、少なくとも一対のDC-AC変換ユニットとが結合されるとき、各DC-DCユニットが、少なくとも1つの電源に結合される。あるいは、各DC-DCユニットの同一タイプの入力端子が並列に結合されてから各電源に結合される。各対のDC-AC変換ユニットが、少なくとも一対のDC-DC変換ユニットに結合される。あるいは、各対のDC-AC変換ユニットの同一タイプな入力端子が並列に結合されてから各DC-DCユニットに結合される。これは、実施形態5における複数のユニットの並列接続の説明と同様であり、詳細についてここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に、絶縁監視装置が結合される。他の一部の実施形態において、IMDは、第2段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に結合される。他の一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に第1のIMDが結合され、第2段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に第2のIMDが結合される。IMDは、グランドに対する電力システムの絶縁インピーダンスを検出することができる。グランドに対する絶縁インピーダンスが所定値よりも低い場合、この出願のこの実施形態では、好ましくは、第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットと変圧器巻線との間の結合接続を切断することができ、その結果、システム全体が動作を停止し、それにより、システム動作の安全性が更に確保される。これは、図26に対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態において、電源、DC-DCユニット、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットの間で通信を実施するために、電源、DC-DCユニット、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合される。通信信号は好ましくはPLC信号であり、これは、前述の実施形態における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子に接続された交流ケーブルに通信信号が結合され、該交流ケーブルが更に、他の装置に結合され得る。第1段DC-ACユニットは、通信信号を用いることにより、該交流ケーブル上で該他の装置と通信し得る。DC-ACユニットの複数の組み合わせが並列に接続され、且つ複数の第1段DC-ACユニットの出力が並列に接続される場合、該複数の第1段DC-ACユニットの並列接続された出力端子が、接続された交流ケーブル上の通信信号を用いることによって、該交流ケーブルに結合された他の装置と通信し得る。上述の他の装置は、交流を使用する交流装置とし得る。同様に、第2段DC-ACユニットの出力端子の通信の状況は、第1段DC-ACユニットのそれと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。通信信号は好ましくはPLC信号であり、これは、前述の実施形態における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、この出願のこの実施形態で提供される電力システムは更にリーク電流センサを有して構成され得る。電源の出力端子がリーク電流センサに結合され、及び/又はDC-DCユニットの入力端子がリーク電流センサに結合され、及び/又は第1段DC-ACユニットの正入力端子及び第1段DC-ACユニットの負入力端子がリーク電流センサに結合され、及び/又は第2段DC-ACユニットの正入力端子及び第2段DC-ACユニットの負入力端子がリーク電流センサに結合され、及び/又は第1段DC-ACユニットの内部出力相線がリーク電流センサに結合され、及び/又は第2段DC-ACユニットの内部出力相線がリーク電流センサに結合される。リーク電流値が所定の閾値よりも大きいことリーク電流センサが検出すると、電源及び/又は第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニット及び/又はDC-DCユニットがアラームを報告し、及び/又は電力システムが動作するのを停止する。これは、図27に対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力の高速遮断を実装するために、第1段DC-ACユニットの出力端子に接続された内部出力相線に直列に少なくとも1つのスイッチが接続される。該スイッチは、リレー、回路遮断器、又は接触器とすることができ、あるいは他のタイプのスイッチであってもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。同様に、第2段DC-ACユニットの出力端子に接続された内部出力相線にも、直列にスイッチが接続され得る。これは、第1段DC-ACユニットの出力相線に直列にスイッチが接続される場合と同様である。詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態において、電源が太陽光発電アレイである場合、電力システムは太陽光発電システムと称され得る。例えば、風力発電システム、エネルギー貯蔵システム、又はハイブリッド発電システムといった、他のタイプの電力システムについては、実装に関して太陽光発電システムを参照されたい。この出願のこの実施形態において、他のタイプの電力システムについて詳細を説明することはしない。以下、太陽光発電システムを詳細に説明する。
太陽光発電システムでは、第1ノード及び第2ノードのうち一方のみがグランドに結合される必要があり、すなわち、第1ノードがグランドに結合されるか、第2ノードがグランドに結合されるかする。一部の実施形態では、代わりに第1ノード及び第2ノードの両方がグランドに結合されてもよい。第1ノード及び/又は第2ノードがグランドに結合されることで、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットの出力電力又は出力電圧が非対称であるとき、又は第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電力又は入力電圧が非対称であるときに、電圧等化を達成するように電流ループを設けることができ、それにより、システムの正常動作が確保されるとともに、1本のケーブルのコスト及び建設コストが低減される。
この出願のこの実施形態では、太陽光発電システムにおいて、電圧源を結合することによってPID現象が除去され得る。一部の実施形態において、第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点とグランド点との間に電圧源を結合して、グランドに対する該中点の電位を調節するようにする。あるいは、第1段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点とグランド点との間に電圧源を結合して、電圧を調節するようにしてもよい。これは、実施形態4における説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットの出力側の外部相線とグランド点との間に電圧源を結合して、グランドに対する対応する出力相線の電位を調節し、PID現象を除去し得る。これは、図12bに対応する実施形態における原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットの出力端子の位置の内部相線とグランド点との間に電圧源を結合して、グランドに対する対応する出力相線の電位を調節し、PID現象を除去し得る。これは、図12cに対応する実施形態における原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、太陽光発電システムは更に絶縁ユニットを含む。絶縁ユニットは、AC-DC絶縁ユニットとも称され、第1段DC-ACユニット内に配置され得る。絶縁ユニットの入力端子が、第1段DC-ACユニットの出力端子の位置の内部相線に結合される。絶縁ユニットの第1の出力端子がグランドに結合され、絶縁ユニットの第2の出力端子が、第1段DC-ACユニットの正入力端子及び/又は負入力端子に結合される。絶縁ユニットは代わりに、第2段DC-ACユニットの内部に配置されてもよい。これは、特に、図13に対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、太陽光発電アレイは、太陽電池パネルの出力端子をオプティマイザ又は遮断装置に直列に接続してから直列又は並列結合にて接続することによって形成された太陽光発電アレイとすることができ、オプティマイザ又は遮断装置の出力端子に接続された直流ケーブルに通信信号が結合される。DC-DCユニット及び/又は第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットは、該通信信号を用いることによってオプティマイザ又は遮断装置と通信し、オプティマイザ又は遮断装置の高速遮断を実施するようにオプティマイザ又は遮断装置を制御し得る。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニット、第2段DC-ACユニット、及びDC-DCユニットの間の直流ケーブルに、通信信号が結合される。第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットは、該通信信号を用いて、DC-DCユニットの入力端子の高速遮断を実施するようにDC-DCユニットを制御する。
一部の実施形態において、太陽光発電システムは更に、少なくとも1つのエネルギー貯蔵ユニットを含む。DC-DCユニット、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットに接続された少なくとも2つの直流ケーブルが、エネルギー貯蔵ユニットに並列に接続される。これは特に、実施形態5におけるエネルギー貯蔵ユニットと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
エネルギー貯蔵ユニットを含む実施形態において、エネルギー貯蔵ユニットは、エネルギー貯蔵装置であってもよいし、直流変換ユニットとエネルギー貯蔵装置とを含んでもよいし、エネルギーを蓄積することができる他の装置であってもよい。これは、実施形態1におけるエネルギー貯蔵ユニットの説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。エネルギー貯蔵ユニットとDC-DCユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-DCユニットと通信してもよい。エネルギー貯蔵ユニットとDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-ACユニットと通信してもよい。通信信号の状況及び通信を実装するための原理は、実施形態1における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図46は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の一実施形態の概略図である。電源は特に、太陽電池パネルの直並列接続によって形成される。DC-DCユニットは特に、共通正極(common positive)DC/DCコンバータである。システムが稼働のためにグリッドに接続されるとき、BUS0の電位はグランドの電位に等しい。この場合、グランドに対するPV+の電位が、中点に対するBUS+の電位(バスの中点BUS0に対するバスの正端子BUS+の電位)と一致する。バスの中点BUS0に対するバスの正端子BUS+の電圧が、PV-に対するPV+の電圧以上である限り、グランドに対する太陽電池パネルの電圧は0V以上であり、PID現象が除去される。あるいは、BUS0の電位を更に安定化させるために、システムが正常に動作するときにBUS0の電位がグランドの電位と一致することを確保するように、BUS0がグランドに結合され得る。DC-DCコンバータはブーストコンバータである。ブースト機能は、BUS0に対するBUS+の電圧がPV-に対するPV+の電圧以上であること、及びグランドに対する太陽光発電パネルの電圧が0V以上であることを実現することができる。また、BUS0の点が接地される場合、DC-DCコンバータ内でグランドに対するV0+及びV0-の電圧のサンプリングが実施され、そして、使用電圧が所定値を超える場合、DC-DCコンバータは動作するのを停止する。あるいは、BUS0の点がDC-DCコンバータに結合される場合、BUS0の点に対するV0+及びV0-の電圧のサンプリングが実施され、そして、使用電圧が所定値を超えると、DC-DCコンバータは動作するのを停止する。
同様に、PID現象を除去するためにはグランドに対する太陽電池パネルの電圧が0V未満である必要があるという要件を満たすために、使用されるDC-DCユニットは、図47に示すように、共通負極(common negative)DC-DCコンバータであってもよい。図47は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の一実施形態の概略図である。システムが稼働のためにグリッドに接続されるとき、BUS0の電位はグランドの電位に等しい。この場合、グランドに対するPV-の電位が、中点に対するBUS-の電位(バスの中点BUS0に対するバスの負端子BUS-の電位)と一致する。バスの中点BUS0に対するBUS-の電圧の絶対値が、PV-に対するPV+の電圧以上である限り、グランドに対する太陽電池パネルの電圧は0V以下であり、PID現象が除去される。あるいは、BUS0の電位を更に安定化させるために、システムが正常に動作するときにBUS0の電位がグランドの電位と一致することを確保するように、BUS0がグランドに結合され得る。DC-DCコンバータはブーストコンバータである。ブースト機能は、バスの中点BUS0に対するBUS-の電圧の絶対値がPV-に対するPV+の電圧以上であること、及びグランドに対する太陽電池パネルの電圧が0V以下であることを実現することができる。PID現象が除去される。
図48aは、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の一実施形態の概略図1である。DC-DCユニットは、第1段DC-DCコンバータ及び第2段DC-DCコンバータを含み得る。第1段DC-DCコンバータは、ブースト/バック/バック-ブースト機能を実装し得る。第2段DC-DCコンバータは、当該第2段DC-DCコンバータの内部のDC/DCモジュールを制御することによって、C1上のエネルギーの一部をC2に転送して、C1の平均電圧がC2の平均電圧と等しくなるようにする。システムが稼働のためにグリッドに接続されるとき、BUS0の電位はグランド及び第2ノードの電位に等しい。この場合、ストリングPV-の電位は第2ノードの電位以上であり、グランドに対するストリングPV-の電圧は0V以上である。これはPID現象を除去する。あるいは、第2ノードの電位を更に安定化させるために、システムが正常に動作するときに第2ノードの電位とグランドの電位とが一致することを確保するよう、BUS0を第2ノードに結合したり、BUS0及び/又は第2ノードをグランドに結合したりしてもよい。
図48b及び図48cに示すように、ノード2とBUS0(第2ノード)とが結合される場合に、第1段DC-DCユニットの入力電圧及び/又は入力電流及び/又は入力電力が第1の所定値を超えると、第1段DC-DCユニットはバイパスモードで動作する、及び/又は、第1段DC-DCユニットによって出力される電圧及び/又は電力が第2の所定値を超えると、第2段DC-DCユニットは動作を停止する(第1段DC-DCユニットの出力が直接的にDC-ACユニットに到達する)、及び/又は、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットのうち少なくとも一方が動作する。この出願のこの実施形態では、第1段DC-DCユニットの入力電圧及び/又は入力電力及び/又は出力電圧及び/又は出力電力が過度に高いとき、適切なユニット及び/又は適切な動作モードが選択される。これは、リアルタイムでシステムの正常動作を確保するか不要な無駄を回避するかして、システム全体の変換効率を向上させることができる。
前述の第1段DC-DCユニットは、図48b及び図48cに示すような2つのケースを含むバイパスモードで動作する。図48bは、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の一実施形態の概略図2である。図48bに示すように、第1段DC-DCユニットは、当該第1段DC-DCユニットの正入力端子と正出力端子との間に並列にバイパスユニットが結合されるバイパスモードで動作する。この場合、電力はバイパスユニットを通って第2段DC-DCユニットの入力側に流れ込み、第1段DC-DCユニットは動作を停止する。バイパスユニットは、ダイオード、スイッチ、リレー、半導体スイッチチューブ、又はこれらに類するものとし得る。バイパスユニットがダイオードである場合、ダイオードのアノードが正入力端子に結合され、ダイオードのカソードが正出力端子に結合される。図48cは、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の一実施形態の概略図3である。図48cに示すように、このバイパスモードは、第1段DC-DCユニットの負入力端子と負出力端子との間に並列にバイパスユニットが結合されるものである。この場合、電力はバイパスユニットを通って第2段DC-DCユニットの入力側に流れ込み、第1段DC-DCユニットは動作を停止する。バイパスユニットは、ダイオード、スイッチ、リレー、半導体スイッチチューブ、又はこれらに類するものとし得る。バイパスユニットがダイオードである場合、ダイオードのアノードが負出力端子に結合され、ダイオードのカソードが負入力端子に結合される。
一部の実施形態では、図48a、図48b、及び図48cに示す例において、複数の第1段DC-DCユニットが存在し、該複数の第1段DC-DCユニットの出力端子が並列に結合されてから第2段DC-DCユニットに結合される。
同様に、グランドに対する太陽電池パネルの電圧が0V未満である場合にのみPID現象を除去することができるという要件を満たすために、図49に示すDC-DCユニットが使用されてもよい。図49は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の一実施形態の概略図である。この太陽光発電システムの原理は、図48a、図48b、及び図48cにおけるものと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
実施形態7
図50は、この出願の一実施形態に従った電力システムの一実施形態の概略図である。当該電力システムは、N個の第1電源と、M個の第2電源と、N個のDC-DCユニットと、S個のDC-ACユニットと、を含む。第1電源の出力端子が、DC-DCユニットの入力端子に結合される。N個のDC-DCユニットの出力端子及びM個の第2電源の出力端子を直列接続することによって形成される正端子が、S個のDC-ACユニットの入力端子を直列接続することによって形成される正端子に結合される。N個のDC-DCユニットの出力端子及びM個の第2電源の出力端子を直列接続することによって形成される負端子が、S個のDC-ACユニットの入力端子を直列接続することによって形成される負端子に結合される。N個のDC-DCユニットの出力端子とM個の第2電源の出力端子とが直列に結合され、該直列に結合した点が第1ノードを形成する。S個のDC-ACユニットの入力端子が直列に結合され、該直列に結合した点が第2ノードを形成する。少なくとも1つの第1ノードと少なくとも1つの第2ノードとが、少なくとも1つのケーブルを用いて結合される。DC-ACユニットの出力端子が絶縁される。
この出願のこの実施形態において、N個のDC-DCユニットの出力端子及びM個の第2電源の出力端子を直列に接続することによって形成される正端子は、直列接続に参加しないポートであり、DC-DCユニットの正端子又は第2電源の正端子であることができる。N個のDC-DCユニットの出力端子及びM個の第2電源の出力端子を直列に接続することによって形成される負端子は、直列接続に参加しないもう1つのポートであり、DC-DCユニットの負端子又は第2電源の負端子であることができる。N個のDC-DCユニットの出力端子及びM個の第2電源の出力端子を直列に接続することによって形成される第1ノードは、直列結合によって形成される結合ノードであり、DC-DCユニットを直列接続することによって形成される結合ノード、第2電源を直列接続することによって形成される結合ノード、又はDC-DCユニットと第2電源とを直列接続することによって形成される結合ノードであることができる。
この出願のこの実施形態において、S個のDC-ACユニットの入力端子を直列に接続することによって形成される正端子は、直列接続に参加しない入力ポートであることができる。例えば、図50は、DC-ACユニット1の正入力端子を示している。S個のDC-ACユニットの入力端子を直列に接続することによって形成される負端子は、直列接続に参加しない入力ポートであることができる。例えば、図50は、DC-ACユニットSの負入力端子を示している。S個のDC-ACユニットの入力端子を直列に接続することによって形成される第2ノードは、直列接続によって形成される結合ノードである。図50において、DC-ACユニット1及びDC-ACユニット2の入力端子を結合することによって形成されるノードは第2ノードであり、DC-ACユニット3及びDC-ACユニット4の入力端子を結合することによって形成されるノードも第2ノードであり、さらに、ここでは列挙しない他の第2ノードが存在する。
この出願のこの実施形態において、第1電源及び第2電源は、太陽光発電アレイ、エネルギー貯蔵電源、風力発電直流源、又はこれらに類するものとすることができ、これらは、実施形態3における電源と同様である。詳細をここで再び説明することはしない。DC-DCユニットは、例えばDC/DCコンバータといった、直流を直流に変換することができる装置とし得る。DC-DCユニットは、実施形態3におけるDC-DCユニットと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。DC-ACユニットは、例えばインバータといった、直流を交流に変換することができる装置とし得る。DC-ACユニットは、実施形態3におけるDC-ACユニットと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態では、第2電源の出力端子がカスケード接続され、DC-DCユニットの出力端子がカスケード接続され、且つDC-ACユニットの入力端子がカスケード接続されて、出力電圧を高め、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間の電流を減少させ、DC-DCユニットからDC-ACユニットへのケーブルのコスト及び損失の問題を解決する。DC-DCユニットが複数の電源に接続される場合、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間の電流を減少させて、DC-DCユニットからDC-ACユニットへのケーブルのコスト及び損失の問題を解決するように、出力電圧が高められ得る。
この出願のこの実施形態では、少なくとも1つの第1ノードと少なくとも1つの第2ノードとが結合される。例えば、一部の実施形態において、1つの第1ノードが1つの第2ノードに結合され、他の第1ノードは他の第2ノードに結合されない。他の一部の実施形態において、2つの第1ノードが2つの第2ノードにそれぞれ結合され、他の第1ノードは他の第2ノードに結合されない。他の一部の実施形態において、第1ノードの数は第2ノードの数に等しく、各第1ノードが、対応する第2ノードに結合される。他の一部の実施形態において、第1ノードの数は第2ノードの数とは異なり、各第1ノードが、対応する第2ノードに結合され、残りの第1ノード又は残りの第2ノードは結合されない。実際の適用では、代わりに他の結合方式が用いられてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。この出願のこの実施形態では、第2電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットの間に接続されるケーブルの数が、第1ノード及び第2ノードの方式で減少され、電力システムのコストが低減される。
この出願のこの実施形態において、DC-ACユニットの出力端子の出力は絶縁される。これは、実施形態1、3、及び5における説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、対応する第1ノードの少なくとも2つのグループが並列に接続され、対応する第2ノードの少なくとも2つのグループが並列に接続される。少なくとも1つの並列接続された第1ノードが、少なくとも1つの並列接続された第2ノードに結合される。少なくとも1つの並列接続された第3ノードが、少なくとも1つの並列接続された第2ノードに並列に接続される。理解され得ることには、第1電源の複数のグループ、第2電源の複数のグループ、DC-DCユニットの複数のグループ、及びDC-ACユニットの複数のグループが存在する場合、前述の接続方式が使用され得る。
一部の実施形態において、DC-ACユニットの複数のグループの同一タイプの出力端子の出力は、並列に接続されるか、絶縁されるかする。これは、実施形態3における説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、第1電源、第2電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットのうちの任意の2つの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合され、それ故に、第1電源、第2電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットのうちの任意の2つが、該通信信号を用いることによって通信し得る。好ましくは、通信信号はPLC信号とし得る。これは、実施形態3における説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、電源は、太陽電池パネルの出力をオプティマイザ又は遮断装置に接続してから直列又は並列結合にて接続することによって形成された太陽光発電アレイである。電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されるとき、通信信号はオプティマイザ又は遮断装置も通り抜け、電源、DC-DCユニット、又はDC-ACユニットは、通信信号を用いることによって、高速遮断を実施するようにオプティマイザ又は遮断装置の遮断を制御し得る。すなわち、電源、DC-DCユニット、又はDC-ACユニットは、遮断命令を搬送する通信信号をオプティマイザ又は遮断装置に送信し得る。遮断命令を搬送する通信信号を受信した後、オプティマイザ又は遮断装置は、高速遮断を実施するために遮断命令を実行する。通信信号の状況は、実施形態1における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、DC-DCユニットとDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合され、DC-ACユニットは、DC-DCユニットの入力の高速遮断を実施するように、該通信信号を用いてDC-DCユニットを制御し得る。例えば、DC-ACユニットが、遮断命令を搬送する通信信号を送信し、該通信信号が、対応する直流ケーブルを通ってDC-DCユニットに到達し、その結果、DC-DCユニットが、該通信信号を受信した後に遮断命令を実行し、それにより、DC-DCユニットの入力の高速遮断が実施される。
一部の実施形態において、電力システムは更に、少なくとも1つのエネルギー貯蔵ユニットを含む。エネルギー貯蔵ユニットは、第2電源、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットの間に接続された少なくとも2つの直流ケーブルに並列に結合される。直流ケーブルは、第1ノードと第2ノードとを結合する直流ケーブルであってもよい。例えば、エネルギー貯蔵ユニットは、DC-DCユニット1の正出力端子とDC-ACユニット1の正入力端子とを結合するための直流ケーブルと、DC-DCユニット2の負出力端子とDC-ACユニット2の負入力端子とを結合するための直流ケーブルとの間に並列に結合される。あるいは、エネルギー貯蔵ユニットは、第1ノードと第2ノードとを結合するための3つの直流ケーブルの間に並列に結合される。理解され得ることには、1つの電力システムに含まれるエネルギー貯蔵ユニットの数は限定されず、すなわち、同時に複数のエネルギー貯蔵ユニットが並列に結合されてもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。
エネルギー貯蔵ユニットを含む実施形態において、エネルギー貯蔵ユニットは、エネルギー貯蔵装置であってもよいし、直流変換ユニットとエネルギー貯蔵装置とを含んでもよいし、エネルギーを蓄積することができる他の装置であってもよい。これは、実施形態1におけるエネルギー貯蔵ユニットの説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。エネルギー貯蔵ユニットとDC-DCユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-DCユニットと通信してもよい。エネルギー貯蔵ユニットとDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-ACユニットと通信してもよい。通信信号の状況及び通信を実装するための原理は、実施形態1における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
実施形態8
図51aは、この出願の一実施形態に従った電力システムの概略図1である。図51bは、この出願の一実施形態に従った電力システムの概略図2である。当該電力システムは、電源1と、電源2と、DC-DCユニットと、第1段DC-ACユニットと、第2段DC-ACユニットと、を含む。電源1の出力端子が、DC-DCユニットの入力端子に結合される。DC-DCユニットが、電源2の出力端子に直列に結合され、結合点が第1ノードである。第1段DC-ACユニットの負入力端子が、第2段DC-ACユニットの正入力端子に結合され、結合点が第2ノードである。DC-DCユニットが第2電源の出力端子に直列に結合された後に形成される正出力端子が第1ポート(例えば、図51aにおけるDC-DCユニットの正出力端子、又は図51bにおける電源2の正出力端子)であり、該第1ポートが、第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。DC-DCユニットが第2電源の出力端子に直列に結合された後に形成される負出力端子が第2ポート(例えば、図51aにおける電源2の負出力端子、又は図51bにおけるDC-DCユニットの負出力端子)であり、該第2ポートが、第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの出力端子の出力が絶縁される。
具体的には、取り得る一ケースにおいて、図51aに示すように、DC-DCユニットの正出力端子が第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合され、DC-DCユニットの負出力端子が電源2の正出力端子に結合されて第1ノードを形成し、電源2の負出力端子が第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合され、第1段DC-ACユニットの負入力端子が第2段DC-ACユニットの正入力端子に結合されて第2ノードを形成する。取り得る他の一ケースにおいて、図51bに示すように、電源1の出力端子がDC-DCユニットの入力端子に結合され、DC-DCユニットの負出力端子が第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合され、DC-DCユニットの正出力端子が電源2の負出力端子に結合され、電源2の正出力端子が第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合され、第1段DC-ACユニットの負入力端子が第2段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。以下の実施形態は図51aのケースを説明する。同じルールが図51bのケースにも当てはまり、詳細を再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態では、電源2、DC-DCユニット、及びDC-ACユニットの間の電流を減少させ、DC-DCユニットからDC-ACユニットへのケーブルのコスト及び損失の問題を解決するように、カスケード接続方式を用いて出力電圧が高められる。
図52は、この出願の一実施形態に従った電力システムの一実施形態の概略図である。一部の実施形態において、第1ノードが第2ノードに結合され、DC-DCユニット及び電源2の4つの出力ポートが、3つのケーブルを用いてDC-ACユニットにカスケード接続され、それにより、ケーブルの数が減少し、コストが低減される。また、第1ノードと第2ノードとの間のケーブルの電流値が、他の2つのケーブルの電流値よりも小さい場合、第1ノードと第2ノードとの間に、低い線径仕様のケーブルを使用することができ、それにより、ケーブルコストが更に低減される。これは、実施形態4における図19の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、第1ポートが、第1の導線を用いて第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。第2ポートが、第2の導線を用いて第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。第1ノードと第2ノードとが、第3の導線を用いて結合される。一部の実施形態において、第1の導線、第2の導線、及び第3の導線は、分散二重(DC)バスを形成する。第1の導線及び第2の導線が正のバスを形成する、第2の導線及び第3の導線が負のバスを形成する。第3の導線は、分散二重バスの中性線(Middle Cable)である。第1の導線、第2の導線、及び第3の導線は、直流導線である。3Dテクノロジ(three direct-Cable)では、3本のケーブルを用いて直流バスが構築され、第1の導線及び第2の導線を用いて正のバスが構築され、第2の導線及び第3の導線を用いて負のバスが構築される。
一部の実施形態において、第1ノード及び第2ノードの両方がグランドに結合される。この出願のこの実施形態では、第1ノード及び第2ノードの両方がグランドに結合され、その結果、DC-DCユニットと電源2の出力電力又は出力電圧が非対称であるとき、又は第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電力又は入力電圧が非対称であるときに、電圧等化を達成するための電流ループが提供され、それにより、システムの正常動作が確保される。また、第1ノードと第2ノードとの間のケーブル接続が不要であり、それ故に1本のケーブルのコスト及び建設コストを低減させることができる。
一部の実施形態において、第1ノードは第2ノードに結合される。DC-DCユニットの入力電圧及び/又は入力電流及び/又は入力電力が所定値未満であるとき、あるいは第2電源の出力電圧及び/又は出力電流及び/又は出力電力が所定値未満であるとき、対応するDC-DCユニット又は第2電源が動作するのを停止する。例えば、DC-DCユニットの入力電圧が所定値未満であるとき、DC-DCユニットが動作を停止する。他の一例において、第2電源の出力電圧が所定値未満であるとき、第2電源が動作を停止する。第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットのうち少なくとも一方が動作する。この出願のこの実施形態では、DC-DCユニットの入力電圧及び/又は入力電流及び/又は入力電力が過度に低いとき、あるいは第2電源の出力電圧及び/又は出力電流及び/又は出力電力が過度に低いとき、対応するDC-DCユニット又は第2電源が動作を停止し、適したユニットが動作するように選択される。これは、不要な無駄を回避し、システム全体の変換効率及び利用率を向上させることができる。
第1ノードと第2ノードとが結合されない場合には、等化回路ユニットを用いて電圧を調節し得る。
図53は、この出願の一実施形態に従った第1の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図である。一部の実施形態において、電力システムは更に第1の等化回路ユニットを含む。第1の等化回路ユニットは、第1のインタフェース、第2のインタフェース、及び第3のインタフェースを有して構成される。第1のインタフェースは第2ノードに結合される。第2のインタフェースは第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。第3のインタフェースは第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。一部の実施形態において、第1の等化回路ユニットは更に第4のインタフェースを有して構成される。第4のインタフェースは第1ノードに結合される。これは、図21bに対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図54は、この出願の一実施形態に従った第2の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図1である。一部の実施形態において、電力システムは第2の等化回路ユニットを含む。第2の等化回路ユニットは、第5のインタフェース及び第6のインタフェースを有して構成される。第5のインタフェースは第2ノードに結合される。第6のインタフェースは、第1段DC-ACユニットの正入力端子、又は第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。これは、図22a及び図22bに対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図55は、この出願の一実施形態に従った第3の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図である。一部の実施形態において、電力システムは第3の等化回路ユニットを含む。第3の等化回路ユニットは、第7のインタフェース、第8のインタフェース、及び第9のインタフェースを有して構成される。第7のインタフェースは第1ノードに結合される。第8のインタフェースは、DC-DCユニットの正出力端子に結合される。第9のインタフェースは、電源2の負出力端子に結合される。一部の実施形態において、第3の等化回路ユニットは更に第10のインタフェースを有して構成される。第10のインタフェースは第2ノードに結合される。これは、図23に対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図56は、この出願の一実施形態に従った第4の等化回路ユニットを含む電力システムの概略図である。一部の実施形態において、電力システムは第4の等化回路ユニットを含む。第4の等化回路ユニットは、第11のインタフェース及び第12のインタフェースを有して構成される。第11のインタフェースは第1ノードに結合される。第12のインタフェースは、DC-DCユニットの正出力端子又は電源2の負出力端子に結合される。これは、図24a及び図24bに対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子及び第2段DC-ACユニットの出力端子が、それぞれ、異なる変圧器に接続される。あるいは、第1段DC-ACユニットの出力端子及び第2段DC-ACユニットの出力端子が、それぞれ、同一の変圧器の異なる巻線に接続される。
一部の実施形態において、電力システムは特に、少なくとも一対の電源、少なくとも1つのDC-DCユニット、及び少なくとも一対のDC-AC変換ユニットを含む。一対の電源は、電源1及び電源2を含む。一対のDC-AC変換ユニットは、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットを含む。少なくとも一対の電源と、少なくとも1つのDC-DCユニットと、少なくとも一対のDC-AC変換ユニットとが結合されるとき、各DC-DCユニットが、少なくとも1つの電源1に結合される。各対のDC-AC変換ユニットが、少なくとも1つのDC-DC変換ユニットに結合され、又は電源2に結合される。あるいは、各対のDC-AC変換ユニットの同一タイプの入力端子が並列に結合されてから1つのDC-DCユニット又は1つの電源2に結合される。理解され得ることには、DC-ACユニットの複数の組み合わせの同一タイプの出力端子の出力は、並列に結合されるか絶縁されるかし得る。これは、実施形態2における説明と同様であり、詳細についてここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に、IMDが結合される。他の一部の実施形態において、IMDは、第2段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に結合される。他の一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に第1のIMDが結合され、第2段DC-ACユニットの出力端子とグランド点との間に第2のIMDが結合される。IMDは、グランドに対する電力システムの絶縁インピーダンスを検出することができる。グランドに対する絶縁インピーダンスが所定値よりも低い場合、この出願のこの実施形態では、好ましくは、第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットと変圧器巻線との間の結合接続を切断することができ、その結果、システム全体が動作を停止し、それにより、システム動作の安全性が更に確保される。
この出願のこの実施形態において、電源1、電源2、DC-DCユニット、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットの間で通信を実施するために、電源1、電源2、DC-DCユニット、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合される。通信信号は好ましくはPLC信号であり、これは、前述の実施形態における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子に接続された交流ケーブルに通信信号が結合され、該交流ケーブルが更に、他の装置に結合され得る。第1段DC-ACユニットは、通信信号を用いることにより、該交流ケーブル上で他の装置と通信し得る。DC-ACユニットの複数の組み合わせが並列に接続され、且つ複数の第1段DC-ACユニットの出力が並列に接続される場合、該複数の第1段DC-ACユニットの並列接続された出力端子が、接続された交流ケーブル上の通信信号を用いることによって、該交流ケーブルに結合された他の装置と通信し得る。上述の他の装置は、交流を使用する交流装置とし得る。同様に、第2段DC-ACユニットの出力端子の通信の状況は、第1段DC-ACユニットのそれと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。通信信号は好ましくはPLC信号であり、これは、前述の実施形態における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、この出願のこの実施形態で提供される電力システムは更にリーク電流センサを有して構成され得る。リーク電流センサは、電源1の出力端子、電源2の出力端子、DC-DCユニットの入力端子及び出力端子、第1段DC-ACユニットの入力端子及び出力端子、並びに第2段DC-ACユニットの入力端子及び出力端子に配置され得る。これは、図11及び図27に対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力の高速遮断を実装するために、第1段DC-ACユニットの出力端子に接続された内部出力相線に直列に少なくとも1つのスイッチが接続される。該スイッチは、リレー、回路遮断器、又は接触器とすることができ、あるいは他のタイプのスイッチであってもよい。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。同様に、第2段DC-ACユニットの出力端子に接続された内部出力相線にも、直列にスイッチが接続され得る。これは、第1段DC-ACユニットの出力相線に直列にスイッチが接続される場合と同様である。詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態において、電源1及び電源2が太陽光発電アレイである場合、電力システムは太陽光発電システムと称され得る。この出願のこの実施形態において、電源1は第1の太陽光発電アレイと称されることができ、電源2は第2の太陽光発電アレイと称されることができる。実際の適用では、他の名称が用いられ得る。これは、この出願のこの実施形態において限定されることではない。例えば、風力発電システム、エネルギー貯蔵システム、又はハイブリッド発電システムといった、他のタイプの電力システムについては、実装に関して太陽光発電システムを参照されたい。この出願のこの実施形態において、他のタイプの電力システムについて詳細を説明することはしない。以下、太陽光発電システムを詳細に説明する。
太陽光発電システムでは、第1ノード及び第2ノードのうち一方のみがグランドに結合される必要があり、すなわち、第1ノードがグランドに結合されるか、第2ノードがグランドに結合されるかする。一部の実施形態では、代わりに第1ノード及び第2ノードの両方がグランドに結合されてもよい。第1ノード及び/又は第2ノードがグランドに結合されることで、第1段DC-DCユニット及び第2段DC-DCユニットの出力電力又は出力電圧が非対称であるとき、又は第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの入力電力又は入力電圧が非対称であるときに、電圧等化を達成するように電流ループを設けることができ、それにより、システムの正常動作が確保されるとともに、1本のケーブルのコスト及び建設コストが低減される。
図57は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの概略図である。一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、DC-DCユニットの正入力端子と負出力端子が、直接結合され、又は小さい電圧降下のみで接続される。これは、第2の太陽光発電アレイの正出力電極と第1の太陽光発電アレイの正出力電極とが等電位であることを実現することができる。通常、グランドに対するシステム全体のインピーダンスは対称的に分布される。システムが稼働のために正常にグリッドに接続されるとき、第1ノード、第2ノード、及びグランドが等電位である。この場合、第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイのセルパネルのPV+における、グランドに対する出力電圧は略0Vである。これは、グランドに対するセルパネルのPV+における正バイアス電圧を除去し、(PV+においてグランドに対して正の電圧を持ち、PID現象を発生するセルパネルに対して)セルパネルのPID現象を回避する。同様に、他の一部の実施形態において、DC-DCユニットの負入力端子と正出力端子が、直接結合され、又は小さい電圧降下のみで接続される。これは、図27に対応する実施形態における原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
この出願のこの実施形態では、太陽光発電システムにおいて、PID現象は代わりに、電圧源を結合することによって除去され得る。一部の実施形態において、第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点とグランド点との間に電圧源を結合して、グランドに対する該中点の電位を調節するようにする。他の一部の実施形態において、第1段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点とグランド点との間に電圧源を結合して、電圧を調節してもよい。他の一部の実施形態において、第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットの出力側の外部相線とグランド点との間に電圧源を結合して、グランドに対する対応する出力相線の電位を調節し、PID現象を除去し得る。他の一部の実施形態において、第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットの出力端子の位置の内部相線とグランド点との間に電圧源を結合して、グランドに対する対応する出力相線の電位を調節し、PID現象を除去し得る。これは、図12a、図12b、及び図12cの実施形態における原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、第1段DC-ACユニット又は第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する変圧器巻線の中点が、グランドに対する当該中点の電圧が0Vに近い又は等しくなるようにし、グランドに結合されるか、電流制限デバイスを用いてグランドに結合され、PID現象を除去する。一部の実施形態において、第1段DC-ACユニット及び第2段DC-ACユニットの出力端子が、それぞれ、同一の変圧器の異なる巻線に結合される場合、第1段DC-ACユニットの出力端子に対応する巻線の中点と、第2段DC-ACユニットの出力端子に対応する巻線の中点とが、2つの直列抵抗又は電流制限デバイスを用いて結合されるとともに、これら2つの直列抵抗又はこれら2つの電流制限デバイスの間の中点がグランドに結合され、PID現象を除去する。原理は、図29b及び図30に対応する実施形態における原理と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、太陽光発電システムは更に絶縁ユニットを含む。絶縁ユニットは、第1段DC-ACユニットの内部又は第2段DC-ACユニットの内部に配置され得る。これは、図13に対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
一部の実施形態では、太陽光発電システムにおいて、第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイは各々、太陽電池パネルの出力端子をオプティマイザ又は遮断装置に直列に接続してから直列又は並列結合にて接続をすることによって形成された太陽光発電アレイとすることができ、オプティマイザ又は遮断装置の出力端子に接続された直流ケーブルに通信信号が結合される。DC-DCユニット及び/又は第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットは、該通信信号を用いることによってオプティマイザ又は遮断装置と通信し、オプティマイザ又は遮断装置の高速遮断を実施するようにオプティマイザ又は遮断装置を制御し得る。
一部の実施形態において、DC-ACユニット、第1段DC-DCユニット、及び第2段DC-DCユニットの間の直流ケーブルに、通信信号が結合される。第1段DC-ACユニット及び/又は第2段DC-ACユニットは、該通信信号を用いて、DC-DCユニットの入力端子の高速遮断を実施するようにDC-DCユニットを制御する。
一部の実施形態において、太陽光発電システムは更に、少なくとも1つのエネルギー貯蔵ユニットを含む。第2の太陽光発電アレイ、DC-DCユニット、第1段DC-ACユニット、及び第2段DC-ACユニットに接続された少なくとも2つの直流ケーブルが、エネルギー貯蔵ユニットに並列に接続される。これは特に、実施形態3におけるエネルギー貯蔵ユニットと同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
エネルギー貯蔵ユニットを含む実施形態において、エネルギー貯蔵ユニットは、エネルギー貯蔵装置であってもよいし、直流変換ユニットとエネルギー貯蔵装置とを含んでもよいし、エネルギーを蓄積することができる他の装置であってもよい。これは、実施形態1におけるエネルギー貯蔵ユニットの説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。エネルギー貯蔵ユニットとDC-DCユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-DCユニットと通信してもよい。エネルギー貯蔵ユニットとDC-ACユニットとの間に接続された直流ケーブルに通信信号が結合されて、エネルギー貯蔵ユニットがDC-ACユニットと通信してもよい。通信信号の状況及び通信を実装するための原理は、実施形態1における通信信号の説明と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図58は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの一実施形態の概略図である。一部の実施形態において、図58に示すように、第2の太陽光発電アレイの出力端子がコンバイナボックスに結合される。コンバイナボックスの入力端子が、複数の第2の太陽光発電アレイの出力端子に結合される。コンバイナボックスの正出力端子が、DC-DCユニットの負出力端子に直列に結合される。コンバイナボックスの負出力端子が、第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。コンバイナボックスの入力端子が、複数の第2の太陽光発電アレイの出力端子に結合される。コンバイナボックスの正出力端子が、DC-DCユニットの負出力端子に直列に結合される。コンバイナボックスの負出力端子が、第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。DC-DCユニットの正出力端子が、第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。これは、図34に対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。
図59は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの一実施形態の概略図である。一部の実施形態において、図59に示すように、第2の太陽光発電アレイの出力端子がコンバイナボックスに結合される。コンバイナボックスの入力端子が、複数の第2の太陽光発電アレイの出力端子に結合される。コンバイナボックスの負出力端子が、DC-DCユニットの正出力端子に直列に結合される。コンバイナボックスの正出力端子が、第1段DC-ACユニットの正入力端子に結合される。DC-DCユニットの負出力端子が、第2段DC-ACユニットの負入力端子に結合される。これは、図35bに対応する実施形態と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。前述の実施形態において、第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイは、通常、共通PV+又は共通PV-の方式で接続される。例えば、図28は、第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの共通PV+接続方式を示している。例えば、図29bに対応する実施形態は、第1の太陽光発電アレイ及び第2の太陽光発電アレイの共通PV-接続方式である。実際の適用では、前述の接続方式は使用できないことがある。例えば、図60は、この出願の一実施形態に従った太陽光発電システムの他の一実施形態の概略図である。図60に示すように、第1の太陽光発電アレイの負出力端子が、第1段DC-DCユニットの負入力端子に結合される。第2の太陽光発電アレイの正出力端子が、第2段DC-DCユニットの正入力端子に結合される。また、第1段DC-DCユニットの負出力端子が第2段DC-DCユニットの正出力端子に結合され、この結合点が第1ノードである。従って、この出願のこの実施形態では、第1の太陽光発電アレイの負出力端子と第2の太陽光発電アレイの正出力端子とが同じ電位を持っていて、共通PV+又は共通PV-の接続方式では接続されず、これも、この出願のこの実施形態で提供される接続方式の1つとして理解されるべきである。図60の補償電力パワーモジュールは、図12bに対応する実施形態における電圧源と同様であり、詳細をここで再び説明することはしない。