JP7490419B2 - 吸収性物品用不織布、吸収性物品用トップシート、およびそれを含む吸収性物品 - Google Patents
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Description
第1繊維層と、前記第1繊維層の一方の主表面に位置する第2繊維層とを含む不織布であって、
前記第1繊維層が、第1芯鞘型複合繊維を含み、
前記第2繊維層が、第2芯鞘型複合繊維とセルロース系繊維とを含み、
前記第1芯鞘型複合繊維の繊度が前記第2芯鞘型複合繊維の繊度よりも小さく、
前記第1芯鞘型複合繊維の繊度が1.0~2.8dtexであり、
前記第2芯鞘型複合繊維の繊度が1.7~5.6dtexであり、
前記セルロース系繊維の繊度が1.2~6.0dtexであり、
前記第2繊維層が、前記第2繊維層の総質量を基準として、前記セルロース系繊維を5質量%~40質量%の割合で含む。
第1繊維層と、前記第1繊維層の一方の主表面に位置する第2繊維層とを含む。
前記第1繊維層は、第1芯鞘型複合繊維を含み、
前記第2繊維層は、第2芯鞘型複合繊維とセルロース系繊維とを含む。
前記第1芯鞘型複合繊維の繊度は、前記第2芯鞘型複合繊維の繊度よりも小さく、
前記第1芯鞘型複合繊維の繊度は、1.0~2.8dtexであり、
前記第2芯鞘型複合繊維の繊度は、1.7~5.6dtexであり、
前記セルロース系繊維の繊度は、1.2~6.0dtexである。
前記第2繊維層は、前記第2繊維層の総質量を基準として、前記セルロース系繊維を5質量%~40質量%の割合で含む。
高融点樹脂の融点は、例えば150~290℃であり、190~280℃であることが好ましく、230~270℃であることがより好ましい。
本明細書において、樹脂の融点は、JIS K 7121に準じて測定したDSC曲線により求められる融解ピーク温度をいう。
第1芯鞘型複合繊維の繊維長は、例えば、10~100mmであり、20~70mmであることが好ましく、30~60mmであることがより好ましく、35~50mmであることが更により好ましい。
高融点樹脂の融点は、例えば150~290℃であり、190~280℃であることが好ましく、230~270℃であることがより好ましい。
高融点樹脂と低融点樹脂の組み合わせは、ポリエチレンテレフタレート/高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン/高密度ポリエチレン、ポリプロピレン/低密度ポリエチレン、ポリプロピレン/直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、ポリエチレンテレフタレート/高密度ポリエチレン、ポリプロピレン/高密度ポリエチレンがより好ましい。
第2芯鞘型複合繊維の繊維長は、例えば、10~100mmであり、20~70mmであることが好ましく、30~60mmであることがより好ましく、35~55mmであることが更により好ましい。
セルロース系繊維として、例えば、コットン、および麻などの天然繊維;ビスコースレーヨン、キュプラ、および溶剤紡糸セルロース繊維(例えば、レンチングリヨセル(登録商標)およびテンセル(登録商標))等の再生繊維を例示することができる。セルロース系繊維は親水性および親油性の両方の性質を有するため、第2繊維層にセルロース系繊維が含まれることで、軟便等の水分及び油分を含む流体が吸収体から液戻り(ウェットバック)する際に、セルロース系繊維が軟便等の流体を吸収して不織布の第1繊維層の表面まで液戻りさせにくくする効果があると推測される。
コットンは第2繊維層内部に繊維塊(繊維の集合体)を形成しやすい。第2繊維層内部に繊維塊を含むと第2繊維層の厚さがより厚くなりやすく、不織布の第1繊維層側の表面と吸収体との距離がより長くなり、吸収体からの液戻り量が減少することがある。また、繊維塊を形成することで、第2芯鞘型複合繊維同士が接する箇所がより多くなり、不織布の強力を維持しやすいことがある。
溶剤紡糸セルロース繊維は不織布の剛軟度をより高くしやすく、不織布に荷重がかかった場合第2繊維層の嵩がよりつぶれにくい。荷重時に第2繊維層の嵩がよりつぶれにくいと、不織布の第1繊維層側の表面と吸収体との距離がより長くなり、吸収体からの液戻り量が減少することがある。
セルロース系繊維の繊維長は、例えば、10~100mmであり、15~80mmであることが好ましく、20~60mmであることがより好ましく、30~55mmであることが更により好ましい。
セルロース系繊維の繊度または繊維長は、不均一な繊度または繊維長を有する場合は、第2繊維層においてセルロース系繊維が繊維塊(繊維の集合体)をより形成しやすいが、繊維塊を形成することで、第2芯鞘型複合繊維同士が接する箇所がより多くなり、不織布の強力を維持しやすいことがある。
前記第2繊維層は、前記第2繊維層の総質量を基準として、前記第2芯鞘型複合繊維を例えば、95質量%~60質量%の割合で含むことができ、90質量%~70質量%の割合で含むことが好ましく、85質量%~75質量%の割合で含むことがより好ましく、83質量%~77質量%の割合で含むことが更により好ましい。
第2繊維層における第2芯鞘型複合繊維の繊維本数とセルロース系繊維の繊維本数との比R(第2芯鞘型複合繊維の繊維本数/セルロース系繊維の繊維本数)は、以下の式により算出する。
R=As×Dc×Lc/(Ds×Ls×Ac)
式中、Asは第2芯鞘型複合繊維の第2繊維層における混率(質量%)を表し、
Dsは第2芯鞘型複合繊維の繊度(dtex)を表し、
Lsは第2芯鞘型複合繊維の繊維長(mm)を表し、
Acはセルロース系繊維の第2繊維層における混率(質量%)を表し、
Dcはセルロース系繊維の繊度(dtex)を表し、
Lcはセルロース系繊維の繊維長(mm)を表す。
不織布全体の目付は使い捨ておむつの場合、なるべく低いことがコストの面でよく、その場合の目付は10~50g/m2であることが好ましく、15~40g/m2であることがより好ましい。
第1繊維層の目付と第2繊維層の目付の差は、例えば、0~10g/m2であってよく、1~8g/m2であることが好ましく、2~6g/m2であることが更により好ましい。
第1繊維層の目付は、第2繊維層の目付より、小さい場合、ウェットバック量を低減させるという優れた効果を奏する。
一体化された不織布の第1繊維層の繊維と第2繊維層の繊維は、接着されていてよい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、必要に応じて、更に、不織布が通常有する追加の層を有することができる。本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、第1繊維層及び第2繊維層からなる二層構造であることが好ましい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布のMD方向の引張強さが、10~45N/5cmである場合、良好な触感を有し、また、吸収性物品の製品加工時における不織布の幅入りを抑制するという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布のCD方向の引張強さが、2~12N/5cmである場合、良好な触感を有し、また、吸収性物品の製品加工時における不織布の幅入りを抑制するという優れた効果を奏する。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、CD方向の伸び率が20~130%であることが好ましく、40~110%であることがより好ましく、60~90%であることが更に好ましい。
本発明の実施形態の吸収性物品用不織布は、MD方向の剛軟度とCD方向の剛軟度の合計が、5~25mN・cmである場合、柔らかな触感を得られ、また、吸収性物品の部材として使用した場合に破れにくいという優れた効果を奏する。剛軟度は実施例に記載の41.5°カンチレバー法に準じて測定する。
第1芯鞘型複合繊維:芯成分が融点256℃のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)であり、鞘成分が融点130℃の高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂であり、繊維断面における芯成分と鞘成分の質量比である芯鞘比(芯/鞘 質量比)が60/40である、繊度2.0dtex(繊維径15μm)、繊維長45mmの同心芯鞘型複合繊維(以下「複合繊維1」ともいう)
第2芯鞘型複合繊維:芯成分が融点256℃のポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)であり、鞘成分が融点130℃の高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂であり、繊維断面における芯成分と鞘成分の質量比である芯鞘比(芯/鞘 質量比)が60/40である、繊度3.3dtex(繊維径19μm)、繊維長51mmの同心芯鞘型複合繊維(以下「複合繊維2」ともいう)
レーヨン繊維B:繊度1.7dtex、繊維長40mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)(以下「レーヨンB」ともいう)
レーヨン繊維C:繊度2.2dtex、繊維長51mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)(以下「レーヨンC」ともいう)
レーヨン繊維D:繊度3.3dtex、繊維長51mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)(以下「レーヨンD」ともいう)
レーヨン繊維E:繊度5.6dtex、繊維長51mmのビスコースレーヨン(商品名:コロナCD、ダイワボウレーヨン(株)製)(以下「レーヨンE」ともいう)
なおレーヨン繊維A~Eの繊維断面は、いずれも菊花状の異型断面であった。
コットン繊維:繊度1.0~5.0dtex(平均2.5dtex)、繊維長10~60mm(平均繊維長20mm)のコットン(丸三産業(株)製のMSD(商品名))(以下「コットン」ともいう)
第1芯鞘型複合繊維として複合繊維1を用い、パラレルカード機を使用して、第1繊維層となる第1繊維ウェブを製造した。第1繊維ウェブの目付は、約8g/m2であった。
第2芯鞘型複合繊維として複合繊維2が90質量%、セルロース系繊維としてレーヨンBが10質量%となるように複合繊維2及びレーヨンBを秤量し、これらを十分に混合した後、パラレルカード機を使用して、第2繊維層となる第2繊維ウェブを製造した。第2繊維ウェブの目付は、約12g/m2であった。
この第1繊維ウェブと第2繊維ウェブとを重ね合わせて、熱風貫通式熱処理機による熱処理を行った。熱処理を行う際、熱風貫通式熱処理機のコンベアネットに対し、前記第1繊維ウェブが接するように載置した。熱処理は135℃の熱風を第2繊維ウェブ側から吹き付けて行い、複合繊維1及び複合繊維2の鞘成分により各繊維ウェブの構成繊維同士を熱接着させるとともに、第1繊維ウェブと第2繊維ウェブを熱接着させて一体化し、実施例1の不織布を得た。実施例1の不織布の目付は約20g/m2であった。
実施例2~10及び比較例1~3について、表1~3に記載した繊維を使用して、上述の実施例1の不織布の製造方法と同様の方法を用いて、実施例2~10及び比較例1~3の不織布を得た。
不織布(不織布サンプルを含む)の厚さは、厚み測定機((株)大栄科学精器製作所製の商品名 THICKNESS GAUGE モデル CR-60A)を用い、不織布に294Paの荷重を加えた状態で測定した。
比容積は目付と厚さから計算によって求めた。
JIS L 1913(2010)1096 6.312.1 A法(ストリップ法)に準じて、定速緊張形引張試験機を用いて、試料片の幅5cm、つかみ間隔10cm、引張速度30±2cm/分の条件で引張試験に付し、切断時の荷重値(引張強さ)、伸び率、及び10%伸長時応力を測定した。引張試験は、不織布のMD方向(機械方向)およびCD方向(MD方向に直交する方向)を引張方向として行った。いずれの値についても、3点の試料について測定して、その平均値を示した。
不織布の剛軟度は、JIS L 1913(2010)の41.5°カンチレバー法に準じて、MD方向及びCD方向それぞれの剛軟度を測定した。なお、測定の際に不織布の下に不織布と同じ大きさの離型紙を敷いて測定した。
12名のパネラーによる、官能評価を行った。官能評価は以下の5段階の基準に沿って各パネラーが評価を与え、12名の評価の平均値を算出した。
滑らかさの官能評価基準
5:非常に滑らかである
4:滑らかである
3:普通
2:少しざらつく
1:ざらつく
柔らかさの官能評価基準
5:非常に柔らかである
4:柔らかである
3:普通
2:少し硬い
1:硬い
[吸収性物品の製造]
股下部分がトップシート、セカンドシート、吸収体の3層構造で構成される吸液部分と、外側に水分を漏らさないようにする防漏シートで構成されている市販の使い捨て紙おむつ(大王製紙株式会社製 商品名GOO.N(登録商標))からトップシートを剥がして除去し、除去したトップシートの代わりに、上述の実施例及び比較例の不織布を積層して、評価用吸収性物品とした。尚、積層の際、第1繊維層が、外側に向き、第2繊維層が前記セカンドシートに向くように配置した。この評価用吸収性物品を用いて、実施例及び比較例の不織布の吸液性(吸液時間、ウェットバック、不織布表面拡散長)を評価した。
実施例及び比較例の不織布のウェットバックは、次の方法により評価した。
(1)ウェットバック量を測定するために、下記の物品を用意した。
上述の実施例及び比較例の評価用吸収性物品
注入筒付きプレート(筒下部の内径2.5cm)
0.9%生理食塩水(青色染料で着色、温度37℃の粘度が1.4mPa・s)
ろ紙(東洋濾紙(株)製ADVANTEC(登録商標)No.2)10cm×10cm
重り(5kg)10cm×10cm
ウェットバック量を下記の手順に従って測定した。
(i)評価用吸収性物品を、不織布(タテ42cm×ヨコ21cm)が上を向くように配置して、その上に注入筒付きプレートを乗せた。
(ii)約37℃に温めた生理食塩水50mlを筒から注入した。生理食塩水が不織布表面から見えなくなる(液体として生理食塩水が確認されなくなる)まで放置した。
(iii)注入筒付きプレートを外し、10分間静置した。
(iv)予め質量を測定したろ紙(30枚)を不織布の上に載せ、その上に5kgの重りを20秒間載せた。その後、ろ紙の質量を測定した。不織布の上に載せる前のろ紙の質量と、不織布の上に載せ、更におもりを載せた後のろ紙の質量との差が、ウェットバック量に相当する。
(v)上記(i)に戻り、(i)~(iv)を繰り返して3回測定を行った。合計4回、ウェットバックを評価した。
なお、実施例11~19、比較例11~14については合計2回のみ評価しており、後述の合計量についても2回の合計量とした。
結果を表に示した。不織布からしみ出す水分の量がより少ない方が、人の肌がより蒸れないことから、ウェットバックの値は、小さい方が好ましい。
ウェットバック量は、ウェットバック量の測定を4回行い、その合計量によっても評価できる。複数回(具体的には4回)測定したウェットバックの合計量が小さいことで、この不織布を実際に紙オムツや生理用ナプキンといった吸収性物品のトップシートとして使用した際、トップシートが尿や経血を複数回吸収しても第1繊維層側の不織布表面、すなわち肌と接触している面に尿や経血が戻ってくる量が少なくなり、着用者の快適性及び使用感が向上するだけでなく、同一の吸収性物品を着用し続けても不快に感じにくくなる、と考えられる。
上記ウェットバックの測定において、1回目~4回目の測定時に吸液時間をそれぞれ測定した。吸液時間の測定は、生理食塩水の注入から、生理食塩水が不織布表面から見えなくなる(液体として生理食塩水が確認されなくなる)時間を計測し、吸液時間とした。
結果を表1に示した。より短時間で吸収する方が、人の肌がより蒸れないので、吸液時間(秒)は、その値が小さい方が好ましい。
吸液時間は、不織布が液体を吸収し、表面には液体が存在しなくなるまでに要する時間であり、短ければ短いほど好ましい。吸液時間が短いことで、得られる不織布を吸収性物品のトップシートとして使用した際、尿や経血をトップシートが素早く吸収し、肌と接触している面、すなわち不織布の第1繊維層側の表面には液体が存在しなくなるまでの時間が短くなり、不織布のドライ感が向上し、吸収性物品着用者の快適性、使用感が向上する。
[吸液時間(牛乳)]
ウェットバック(生理食塩水)及び吸液時間(生理食塩水)において、生理食塩水にかえて疑似軟便として約37℃に温めた牛乳(商品名:おいしい牛乳、(株)明治製、温度37℃の粘度が1.7mPa・s)50mlを用いて測定を行った。
1回目~4回目の吸液時間の測定の後、注入筒付きプレートを外した際に、実施例及び比較例の不織布のタテ方向における牛乳を吸収した部分の長さを計測し、それぞれ1~4回目の拡散長とした。
実施例5、7、9の不織布について、第1繊維層を上に向け、不織布の下に日本製紙クレシア社製「キムタオル(登録商標)」1枚を四つ折り(縦16.5cm、横19.0cm)にした状態で敷き、不織布の上に穴が等間隔に空けられたステンレス製プレート(縦5cm、横22cm、厚さ0.5cm、質量360g、穴の直径1.5cm、穴の中心間距離2.0cm)を置き、穴の中の不織布に対して約37℃に温めた牛乳(商品名:おいしい牛乳、(株)明治製、温度37℃の粘度が1.7mPa・s)をピペット(アズワン(株)製、商品名:1-4655-01ポリスポイト1mL」で1滴(約0.03g)を滴下し、不織布に吸収されるか否かを観察した。室温(20℃)で、牛乳を不織布に滴下してから1分後に、不織布の第1繊維層側の表面に液体が存在しなくなった場合は「スポット吸収性あり」とし、不織布の第1繊維層側の表面に液体が存在したままの場合は「スポット吸収性なし」とする。
セルロース系繊維の種類に着目すると、実施例5と実施例9は、セルロース系繊維がそれぞれレーヨンB(ビスコースレーヨン)とリヨセル(溶剤紡糸セルロース繊維)であること以外は同様の不織布であるが、生理食塩水のトータルウェットバック及び牛乳のトータルウェットバックにおいて、実施例5の方がより良い結果であった。
実施例11~19及び比較例11~14について、表4~6に記載した繊維を使用して、上述の実施例1の不織布の製造方法と同様の方法を用いて、実施例11~19及び比較例11~14の不織布を得た。
実施例11~19及び比較例11~14の不織布について、上述の方法に沿って吸収性物品としておむつを製造して、測定及び評価を行った。結果を表4~6に示した。
実施例11~13の生理食塩水でのウェットバックは、比較例11(第2芯鞘型複合繊維100%)と同等以上であり、特に1回目のウェットバックにおいて実施例11~13が比較例11よりも良かった。また、実施例11~13の牛乳軟便でのウェットバックは、比較例11(第2芯鞘型複合繊維100%)よりも、若干改善された。実施例11~13の不織布表面拡散性(トータル)は同等以上であった。また、後述するようにナプキンでの性能は、実施例は、比較例(第2芯鞘型複合繊維100%)と比べてウェットバックが大きく改善されていることから、液量が少ない条件下での性能を必要とするオムツ(新生児)、ナプキンにより好適であることがわかる。
比較例12(レーヨンDの混率50%)は不織布製造における工程性が十分でなく、また、不織布が柔らかすぎるため切断加工が行いにくく、切断面から繊維脱落が起こりやすいものであった。また、第1繊維層と第2繊維層との層間剥離が起こりやすいものであった。
実施例14~16の生理食塩水のウェットバックは、比較例11(第2芯鞘型複合繊維100%)と同等以上であり、特に1回目のウェットバックにおいて実施例14~16が比較例11よりも良かった。実施例14~16の牛乳軟便のウェットバックは、比較例11(第2芯鞘型複合繊維100%)よりも改善された。不織布表面拡散性(トータル)は同等以上であった。実施例は、軟便用オムツ(特に乳児向け)に好適であり、また、ナプキンでも使用できることがわかった。
比較例13(コットンの混率50%)は不織布製造における工程性が十分でなく、また、不織布が柔らかすぎるため切断加工が行いにくく、切断面から繊維脱落が起こりやすいものであった。また、第1繊維層と第2繊維層との層間剥離が起こりやすいものであった。
実施例17~19の生理食塩水でのウェットバックは、実施例11~16よりも悪いが、生理食塩水のウェットバックは、比較例11(第2芯鞘型複合繊維100%)と同等であること、牛乳軟便のウェットバックは比較例11(第2芯鞘型複合繊維100%)よりも大きく改善されており、不織布表面拡散性(トータル)は同等以上であるので、軟便用のオムツとしてより有効(特に新生児向け)と考えられる。また、ナプキンとしても使用できる。
比較例14(リヨセルの混率50%)は不織布製造における工程性が十分でなく、また、不織布が柔らかすぎるため切断加工が行いにくく、切断面から繊維脱落が起こりやすいものであった。また、第1繊維層と第2繊維層との層間剥離が起こりやすいものであった。
実施例21~29及び比較例21~24について、表7~9に記載した繊維を使用して、上述の実施例1の不織布の製造方法と同様の方法を用いて、実施例21~29及び比較例21~24の不織布を得た。
実施例21~29及び比較例21~24の不織布について、吸収性物品としてナプキンを製造して、下述の方法に沿って測定及び評価を行った。結果を表7~9に示した。
[吸収性物品の製造(ナプキン)]
トップシート、セカンドシート、吸収体の3層構造で構成される吸液部分と、外側に水分を漏らさないようにする防漏シートで構成されている市販のナプキン(大王製紙株式会社製 商品名エリス Megami 素肌のきもち 多い昼用 羽つき23cm)からトップシートを剥がして除去し、除去したトップシートの代わりに、上述の実施例21~29及び比較例21~24の不織布(タテ19cm×ヨコ8cm)を積層して、評価用吸収性物品とした。尚、積層の際、第1繊維層が、外側に向き、第2繊維層が前記セカンドシートに向くように配置した。この評価用吸収性物品を用いて、実施例21~29及び比較例21~24の不織布の吸液性(吸液時間、ウェットバック、不織布表面拡散長)を評価した。
実施例21~29及び比較例21~24の不織布のウェットバックは、次の方法により評価した。
(1)ウェットバック量を測定するために、下記の物品を用意した。
上述の実施例及び比較例の評価用吸収性物品
注入筒付きプレート(高さ6.0cm、筒上部の内径2.2cm、筒下部の内径1.0cmの二段円筒状のもの)
人工経血は1リットル中にグリセリン100ml、イオン交換水875ml、CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)4.6g、NaCl(塩化ナトリウム)10g、Na2CO3(炭酸ナトリウム)10.7g含有するように調整し、少量の食用青色1号で着色したものを使用した。(温度37℃の粘度が8mPa・s)
ろ紙(東洋濾紙(株)製ADVANTEC(登録商標)No.2)10cm×10cm
重り(1kg)10cm×10cm
ウェットバック量を下記の手順に従って測定した。
(i)評価用吸収性物品を、不織布(タテ19cm×ヨコ8cm)が上を向くように配置して、その上に注入筒付きプレートを乗せた。
(ii)約37℃に温めた人工経血5.0mlを筒から注入した。人工経血が不織布表面から見えなくなる(液体として人工経血が確認されなくなる)まで放置した。
(iii)注入筒付きプレートを外し、10分間静置した。
(iv)予め質量を測定したろ紙(10枚)を不織布の上に載せ、その上に1kgの重りを20秒間載せた。その後、ろ紙の質量を測定した。不織布の上に載せる前のろ紙の質量と、不織布の上に載せ、更におもりを載せた後のろ紙の質量との差が、ウェットバック量に相当する。
(v)上記(i)に戻り、(i)~(iv)を繰り返してもう1回測定を行った。合計2回、ウェットバックを評価した。
一つの試料(不織布)について、3つのサンプルを用意した。3つのサンプル各々について測定したウェットバック量の平均値を、その試料のウェットバック量とした。
上記ウェットバックの測定において、1回目および2回目の測定時に吸液時間をそれぞれ測定した。吸液時間の測定は、人工経血の注入から、人工経血が不織布表面から見えなくなる(液体として人工経血が確認されなくなる)時間を計測し、吸液時間とした。
Claims (12)
- 第1繊維層と、前記第1繊維層の一方の主表面に位置する第2繊維層とを含む不織布であって、
前記第1繊維層が、第1芯鞘型複合繊維を含み、
前記第2繊維層が、第2芯鞘型複合繊維とセルロース系繊維とを含み、
前記第1芯鞘型複合繊維の繊度が前記第2芯鞘型複合繊維の繊度よりも小さく、
前記第1芯鞘型複合繊維の繊度が1.0~2.8dtexであり、
前記第2芯鞘型複合繊維の繊度が1.7~5.6dtexであり、
前記セルロース系繊維の繊度が1.2~6.0dtexであり、
前記第2繊維層が、前記第2繊維層の総質量を基準として、前記セルロース系繊維を5質量%~40質量%の割合で含み、
第1繊維層が着用者の肌に接触する層である、吸収性物品用トップシート用不織布。 - 前記第2芯鞘型複合繊維の繊維本数と前記セルロース系繊維の繊維本数との比が0.6~4.0である、請求項1に記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
- 前記セルロース系繊維の繊度が1.2~2.2dtexである、請求項1又は2に記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
- 前記第2繊維層が、前記第2繊維層の総質量を基準として、前記セルロース系繊維を15質量%~25質量%の割合で含む、請求項1~3のいずれかに記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
- 前記セルロース系繊維が、ビスコースレーヨンを含む、請求項1~4のいずれかに記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
- 前記第1繊維層の目付が前記第2繊維層の目付よりも小さい、請求項1~5のいずれかに記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
- 吸収性物品は、水分及び油分を含む流体を吸収するための吸収性物品を含む、請求項1~6のいずれかに記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
- 前記水分及び油分を含む流体が軟便を含む、請求項7に記載の吸収性物品用トップシート用不織布。
- 請求項1~8のいずれかに記載の吸収性物品用トップシート用不織布を含む、吸収性物品用トップシート。
- 請求項9に記載の吸収性物品用トップシートの前記第1繊維層が、使用者の肌に近い側に配置されて、請求項9に記載の吸収性物品用トップシートが含まれる吸収性物品。
- 水分及び油分を含む流体を吸収するための吸収性物品を含む、請求項10に記載の吸収性物品。
- 前記水分及び油分を含む流体が軟便を含む、請求項11に記載の吸収性物品。
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