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JP7456840B2 - 複層塗膜、複層塗膜の形成方法、および複層塗膜を形成するための塗料セット - Google Patents

複層塗膜、複層塗膜の形成方法、および複層塗膜を形成するための塗料セット Download PDF

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Description

本発明は、複層塗膜、複層塗膜の形成方法、および複層塗膜を形成するための塗料セットに関する。
住宅、ビルなどの建築物、ならびにこれらの構成物(例えば、壁面および屋根などの被塗物)には、風雨に晒されかつ太陽光の直射を受けながら品質や外観を維持するために、種々の外装用塗料組成物が適用されている。このような塗料組成物は、太陽光(紫外線)に対する耐候性、塗膜の下地を隠蔽する隠蔽性(以下、下地隠蔽性とも称する)、耐水性、耐変色性、基材に対する密着性などの、様々な性能を有し、これらの性能を長期にわたって保持することが必要とされる。
上記のような外装用塗料組成物を被塗物に塗装して、被塗物の上に形成される着色層と、着色層の上に形成されるトップコート層とを含む複層塗膜を形成することがある。着色層は主として意匠性を担い、トップコート層は主として上記着色層の保護を担う。
例えば、特開2019-178197号公報(特許文献1)には、鱗片状顔料、樹脂および溶媒を含む塗料組成物であって、せん断速度0.1/sでの粘度が0.5~100Pa・s、かつせん断速度が1000/sでの粘度が0.01~5Pa・sであり、レオロジー測定においてひずみ0.1%でのtanδが0.5以上8以下であり、さらにレオロジー測定においてせん断速度100/sを30sかけた後にせん断速度0.1/sを180sかけた場合の粘度回復速度が0.001以上0.5以下である、塗料組成物が記載されている。この特許文献1に記載された塗料組成物によって、刷毛およびローラーで塗装を行う場合に、色むらなく均一な塗膜を形成できることが記載されている。
また特開2020-992号公報(特許文献2)には、構造物またはその部材の表面を塗料組成物で塗装して塗膜を形成する工程を含み、塗料組成物が有機溶剤(A)および樹脂(B)を含み、有機溶剤(A)は、20℃における蒸気圧が10~120Paである有機溶剤(A1)を90質量%以上含み、樹脂(B)は有機溶剤(A)に分散可能な樹脂および有機溶剤(A)に溶解可能な樹脂のうち少なくとも一方の樹脂からなる、構造物の塗装方法が記載されている。特許文献2に記載の構造物の塗装方法は、低臭気で、乾燥性および塗装作業性に優れる非水系の常温乾燥型であることが記載されている。
特開2019-178197号公報 特開2020-992号公報
上記特許文献1および2に記載されるように、被塗物の塗装においては、風雨に晒されかつ太陽光の直射を受けながら品質や外観を維持するために、様々な性能を有する複層塗膜を形成することが検討されている。しかしながら、本発明者らの検討の結果、複層塗膜を構成する各塗膜(着色層およびトップコート層)の機能・構成がそれぞれ異なることによって、長期経時により複層塗膜を構成する各塗膜の間で層間剥離などが生じることが判明した。つまり、複層塗膜の耐候性に改善する余地があることが判明した。さらに、複層塗膜の隠蔽性も改善する余地があることが判明した。
また、従来から要求されていた塗装対象の基材の透けやカスレがない状態を維持することも併せて求められていた。つまり、外観に優れ、かつ優れた耐候性および隠蔽性を有する複層塗膜が求められていた。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、その目的とするところは、着色層およびトップコート層を有する複層塗膜であって、外観に優れ、かつ長期経時においても層間付着性(層間密着性)や耐チョーキング性が維持される良好な耐候性と、良好な隠蔽性とを兼ね備えた複層塗膜を提供することにある。また、別の目的は、そのような複層塗膜を形成する方法、ならびにそのような複層塗膜の形成に用いることができる塗料セットを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は下記態様を提供する。
[1]
複層塗膜の形成方法であって、
被塗物に着色塗料組成物を塗装して、着色層を形成する工程(着色層形成工程)と、
着色層の上にトップコート塗料組成物を塗装して、トップコート層を形成する工程(トップコート層形成工程)と
を含み、
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、2~20%の範囲内であり、
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCおよびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、下記条件
0.2 ≦ PVC/PVC ≦ 0.7
を満たす、
複層塗膜の形成方法。
[2]
着色塗料組成物の塗装手段およびトップコート塗料組成物の塗装手段は、いずれも、刷毛またはローラーである、上記複層塗膜の形成方法。
[3]
着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物は、いずれも、常温乾燥型塗料組成物である、上記複層塗膜の形成方法。
[4]
トップコート層の厚さ100μm(塗装膜厚)における波長350nmの光線透過率が、0%以上15%以下である、上記複層塗膜の形成方法。
[5]
着色層および複層塗膜の色差ΔE*が、0以上7以下である、上記複層塗膜の形成方法。
[6]
被塗物が、建築物またはこれらの構成物である、上記複層塗膜の形成方法。
[7]
被塗物の上に形成された着色層と、
着色層の上に形成されたトップコート層と、
を含む、複層塗膜であって、
着色層は、着色塗料組成物の塗膜の層であり、
トップコート層は、トップコート塗料組成物の塗膜の層であり、
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、2~20%の範囲内であり、
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCおよびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、下記条件
0.2 ≦ PVC/PVC ≦ 0.7
を満たす、
複層塗膜。
[8]
着色塗料組成物の塗装およびトップコート塗料組成物の塗装は、いずれも、常温乾燥型塗料組成物である、上記複層塗膜。
[9]
上記複層塗膜を形成するための塗料セットであって、
塗料セットは、着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物からなり、
着色塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物であり、そして顔料は着色顔料を含み、
トップコート塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物であり、そして顔料は着色顔料を含み、
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、2~20%の範囲内であり、
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCおよびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、下記条件
0.2 ≦ PVC/PVC ≦ 0.7
を満たす、
塗料セット。
本発明によれば、外観に優れ、かつ良好な耐候性および隠蔽性を有する複層塗膜を提供する。また、そのような複層塗膜を形成する方法、およびそのような複層塗膜の形成に用いることのできる塗料セットを提供する。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で、適宜変更して実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。また、数値範囲の表記において、未満、より大きいおよびより小さい等の臨界値を数値範囲から除く記載がない限り、臨界値(上限値および下限値)は数値範囲に含まれる。
<第1実施形態:複層塗膜の形成方法>
第1実施形態に係る複層塗膜の形成方法は、着色層形成工程と、トップコート層形成工程とを含む。以下、各工程について説明する。
[着色層形成工程]
着色層形成工程では、被塗物に着色塗料組成物を塗装して、着色層を形成する。
まず、着色塗料組成物を調製する。着色塗料組成物の調製では、任意の適切な方法を用いることができる。例えば、顔料、塗膜形成樹脂、溶媒およびその他の成分を、SGミル、シェーカー、ディスパーなどを用いて混練、分散するなどの方法を用いることができる。顔料は、溶媒および必要に応じた成分と予め混合してペーストとして調製した後、塗膜形成樹脂および必要に応じたその他の成分と混合し、分散させることが好ましい。予め顔料をペーストとして調製することによって、分散安定性および保存安定性を向上させることができる利点がある。
(被塗物)
被塗物としては、例えば、建築物、機械およびこれらの構成物などが挙げられる。建築物としては、例えば、マンション、オフィスビル、公共施設、商業施設、研究施設、軍事施設、およびトンネルが挙げられる。建造物の構成物としては、例えば、壁面、床面、天井、屋根、柱、看板、ドア、および門が挙げられる。機械としては、例えば、作業機械、建築機械が挙げられる。このように被塗物には、太陽光の直射を受け風雨に晒される建築物の屋根および屋上部も含まれる。
被塗物を構成する基材としては、例えば、無機材料基材、木質基材、金属基材、およびプラスチック基材が挙げられる。
無機材料基材として、例えば、JIS A 5422、JIS A 5430などに記載された窯業建築基材、ガラス基材が挙げられ、より具体的には、珪カル板、パルプセメント板、スラグ石膏板、炭酸マグネシウム板、石綿パーライト板、木片セメント板、硬質木質セメント板、コンクリート板、軽量気泡コンクリート板などを挙げることができる。
木質基材として、例えば、製材、集成材、合板、パーティクルボード、ファイバーボード、改良木材、薬剤処理木材、および床板である。
プラスチック基材として、例えば、アクリル板、ポリ塩化ビニル板、ポリカーボネート板、ABS板、ポリエチレンテレフタレート板、およびポリオレフィン板が挙げられる。
上記金属基材として、例えば、アルミニウム板、鉄板、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム亜鉛メッキ鋼板、ステンレス板、およびブリキ板を挙げられる。
被塗物は、必要に応じて、各種基材に適したシーラー組成物などが予め塗装されていてもよい。上記被塗物はまた、既に塗膜が形成された状態であってもよい。
次いで、着色塗料組成物の塗装では、塗装手段は特に限定されない。例えば、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアースプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、およびダイコーターが適宜使用できる。中でも刷毛またはローラーが好ましく使用できる。
これらは被塗物の種類などに応じて適宜選択することができる。
着色塗料組成物の塗装では、乾燥膜厚が好ましくは10μm~500μm、より好ましくは20μm~300μmとなるように着色塗料組成物を塗装する。
着色層形成工程は、被塗物に着色塗料組成物を塗装した塗膜を放置して環境温度で乾燥して(自然乾燥して)着色層を形成してもよい。塗装した塗膜を自然乾燥して着色層を形成する場合、着色塗料組成物として常温乾燥型塗料組成物を使用することができる。
また、着色層形成工程では、着色塗料組成物を塗装した後、必要に応じてさらに乾燥処理を行ってもよい。乾燥処理の条件は、被塗物の形状および大きさなどによって適宜選択することができる。
(着色塗料組成物)
着色塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む。塗膜形成樹脂として、塗料分野において通常用いられる塗膜形成樹脂を用いることができる。塗膜形成樹脂は、有機溶剤可溶性、非水分散性、水溶性および水分散性のいずれの性質を有してもよい。このような塗膜形成樹脂の性質は、例えば、官能基を塗膜形成樹脂に導入することにより制御することができる。塗膜形成樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、および無機有機複合樹脂(例えば、ポリシロキサン-アクリル複合樹脂)が挙げられる。
また、着色塗料組成物は、一液形塗料であってもよいし、二液形塗料(より具体的には、主剤および硬化剤からなる二液混合形塗料)であってもよい。
水分散性の塗膜形成樹脂は、有機溶媒を媒体として樹脂を分散安定化させた樹脂である。水分散性の塗膜形成樹脂としては、例えば、エマルション樹脂が挙げられる。エマルション樹脂としては、例えば、酢酸ビニル系、酢酸ビニル-アクリル系、エチレン-酢酸ビニル系、アクリル-スチレン系、アクリル系、エポキシ系、アルキド系、およびアクリル-アルキド系のようなエマルション樹脂が挙げられる。これらの中でも、アクリル系エマルション樹脂が好ましい。アクリル系エマルション樹脂は、例えば、アクリル系モノマーを主成分とする不飽和モノマー組成物を、乳化剤の存在下に開始剤を用いて乳化重合させることによって調製することができる。
非水分散性の塗膜形成樹脂としては、例えば、反応硬化型の非水分散性樹脂であり、反応性官能基を有する。反応性官能基を有する非水分散性樹脂は、例えば、水酸基含有樹脂(主剤)とイソシアネート基含有樹脂(ポリイソシアネート(硬化剤)またはブロック剤によりブロックされたポリイソシアネート(硬化剤))とを含む。水酸基含有樹脂は、水酸基含有モノマーを含むモノマー混合物を溶液重合することによって、調製することができる。
水酸基含有樹脂の水酸基価は、5~200mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、10~100mgKOH/gの範囲内であることがより好ましい。水酸基含有樹脂の水酸基価が上記範囲内であることによって、得られる塗膜の物理的強度を良好な範囲に確保することができる利点がある。なお、本明細書中において、水酸基価は、固形分換算での値を示し、JIS K0070に準拠した方法により測定された値である。
ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族、脂環式、芳香族、または芳香族基含有脂肪族の、多官能イソシアネート化合物である。多官能イソシアネート化合物としては、例えば、ジイソシアネート、それらの多量体、ならびにジイソシアネートのアダクト体およびビウレット体が挙げられる。ジイソシアネートの多量体としては、例えば、ジイソシアネートの二量体、ジイソシアネートの三量体(好ましくはイソシアヌレート型イソシアネート(いわゆるイソシアヌレート))が挙げられる。
脂肪族のジイソシアネートとしては、例えば、5~24個、好ましくは6~18個の炭素原子を含む。このようなジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4-トリメチルへキサンジイソシアネート、ウンデカンジイソシアネート-(1,11)、ジシクロヘキシルジメチルメタン-4,4’-ジイソシアネート、およびリジンエステルジイソシアネートが挙げられる。
脂環式のジイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキサン-1,3-および1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート:IPDI)、シクロヘキシル-1,4-ジイソシアネート、ならびにジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネートが挙げられる。
芳香族のジイソシアネートとしては、例えば、1,5-ジメチル-2,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,5-トリメチル-2,4-ビス(ω-イソシアナトエチル)-ベンゼン、1,3,5-トリメチル-2,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3,5-トリエチル-2,4-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、2,4-ジイソシアナトトルエン、2,6-ジイソシアナトトルエン、4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、および1,4-ジイソシアナトイソプロピルベンゼンが挙げられる。
ジイソシアネートのアダクト体、およびビウレット体としては、例えば、上記ジイソシアネート(より具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート等)、活性水素化合物(より具体的には、トリメチロールプロパン等)および水との付加反応生成物が挙げられる。
これらのイソシアネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記ポリイソシアネート硬化剤として市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、旭化成社製の商品名「デュラート TSA100」、「デュラート TPA10」、DIC株式会社製の商品名「バーノック DN-901S」、「バーノック DN-990」、および「バーノック DN-992」が挙げられる。
着色塗料組成物が二液形塗料組成物である場合、例えば、非水分散性樹脂は主剤としての水酸基含有樹脂(主剤)と、ポリイソシアネート(硬化剤)としてのイソシアネート基含有樹脂とを含む。この場合、水酸基含有樹脂を含む組成物と、ポリイソシアネートを含む組成物とを被塗物に塗装する直前に混合し、混合された着色塗料組成物を被塗物に塗装する。
また、着色塗料組成物が一液形塗料組成物である場合、例えば、着色塗料組成物は主剤としての水酸基含有樹脂と、硬化剤としてのブロックイソシアネートとを含む。ブロックイソシアネートは、ポリイソシアネートのイソシアネート基を、ブロック剤でブロックした化合物である。ブロック剤は、例えば、ポリイソシアネート基に付加し、常温では安定であるが解離温度以上に加熱すると遊離のイソシアネート基を再生し得るものである。ブロック剤としては、例えば、ε-カプロラクタム、およびブチルセロソルブのような一般的なブロック剤が挙げられる。
塗膜形成樹脂のガラス転移温度(Tg)は、-40℃~30℃であることが好ましく、-20℃~20℃であることがより好ましい。塗膜形成樹脂のガラス転移温度が上記範囲であることによって、得られる着色層の耐クラック性、耐久性などの塗膜物性を向上させることができる利点がある。なお、塗膜形成樹脂のガラス転移温度(Tg)は、式1/Tg=W1/T1+W2/T2+・・・Wn/Tnから算出される。式中、W1、W2・・・Wnは各モノマーの配合質量%(=(各モノマーの配合量/配合モノマーの全質量)×100)であり、T1、T2・・・Tnは各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度である。
塗膜形成樹脂のガラス転移温度(Tg)は、塗膜形成前の状態である、塗料組成物中に含まれる状態におけるガラス転移温度を意味する。
顔料は、着色顔料を含む。本明細書における着色顔料は、透明顔料に対応して用いられる用語であり、有彩色を有する顔料、そして、無彩色を有する顔料の両方を含む。このような着色顔料は、特定の波長の光を選択的に反射または吸収することによって、人間の目に、有彩色または無彩色の色を感じさせる機能を有する顔料である。
着色顔料としては、例えば、無機着色顔料および有機着色顔料が挙げられる。無機着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、および黄色酸化鉄が挙げられる。有機着色顔料としては、例えば、フタロシアニンブルー、およびフタロシアニングリーンのようなフタロシアニン系顔料;アゾレッド、アゾイエロー、およびアゾオレンジのようなアゾ系顔料;キナクリドンレッド、シンカシャレッド、およびシンカシャマゼンタのようなキナクリドン系顔料;ペリレンレッド、およびペリレンマルーンのようなペリレン系顔料;ならびにカルバゾールバイオレット、アントラピリジン、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロー、インダスロンブルー、ジブロムアンザスロンレッド、アントラキノンレッド、およびジケトピロロピロールのようなその他の有機顔料が挙げられる。これらの着色顔料は、例えば、界面活性剤処理、樹脂分散処理、および樹脂被覆処理のような処理方法で処理された顔料であってもよい。
顔料は、必要に応じて、さらに体質顔料を含んでもよい。体質顔料は、例えば、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、クレー、およびタルクが挙げられる。
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、2~20%の範囲内であり、2~15%の範囲内であることが好ましい。
なお、本明細書における顔料体積濃度(PVC:PigmentVolumeConcentration)は、塗料組成物に含まれる各顔料の比重と配合量により求めた全顔料の体積(P)と、各樹脂不揮発分の比重と配合量により求めた樹脂の体積(R)から、下記式より求めることができる。
PVC(体積%)=P/(P+R)×100
着色塗料組成物は、必要に応じて溶媒をさらに含んでもよい。溶媒としては、水または公知の溶剤、例えば、n-ブタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、およびシクロブタンのような炭化水素溶剤;トルエン、およびキシレンのような芳香族系溶剤;エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノーn-ブチルエーテル、エチレングリコールモノーt-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、およびジオキサンのようなエーテル系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、アセト酢酸メチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、およびブチルカルビトールアセテートのようなエステル系溶剤;アセトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、およびジイソブチルケトンのようなケトン系溶剤;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、イソブタノール、およびn-ペンタノールのようなアルコール系溶剤;ガソリン、灯油、コールタールナフサ(ソルベントナフサを含む)、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレピン油、およびミネラルスピリット(ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリットおよびミネラルターペンを含む)のような弱溶剤;ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
着色塗料組成物は、塗料分野において通常用いられるその他の成分を、必要に応じてさらに含んでもよい。その他の成分としては、例えば、触媒、顔料分散剤、界面活性剤、レベリング剤、粘性調整剤、中和剤、消泡剤、造膜助剤、防腐剤、防カビ剤、抗菌剤、凍結防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、およびシランカップリング剤が挙げられる。このようなその他の成分の種類および使用量は、目的に応じて適切に選択することができる。
着色塗料組成物は、常温乾燥型塗料組成物であることが好ましい。常温乾燥型の着色塗料組成物は、例えば、刷毛およびローラーのような塗装道具を用いた、建築またはこれらの構成物に対して好適に塗装することができる。常温乾燥型の着色塗料組成物はまた、既存の塗膜(旧塗膜)を有する被塗物に対して塗装する、補修用塗料組成物としても好適に使用することができる。
[トップコート層形成工程]
トップコート層形成工程では、着色層の上にトップコート塗料組成物を塗装して、トップコート層を形成する。トップコート塗料組成物の塗装手段は、特に限定されず、上述した着色塗料組成物の塗装手段と同様である。トップコート塗料組成物は、乾燥塗膜として、10μm~500μmとなるように塗装することが好ましく、20μm~300μmとなるように塗装するのがより好ましく、30μm~100μmとなるように塗装するのがさらに好ましい。また、トップコート層形成工程では、着色層形成工程と同様に乾燥処理をさらに含んでもよい。
(トップコート塗料組成物)
トップコート塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物である。トップコート塗料組成物は、必要に応じて溶媒、塗料分野において通常用いられるその他の成分をさらに含んでもよい。トップコート塗料組成物の塗膜形成樹脂、顔料(着色顔料)、溶媒、およびその他の成分は、それぞれ上述した着色塗料組成物の塗膜形成樹脂、顔料(着色顔料)、溶媒、およびその他の成分と同じものを好適に使用することができる。
着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCおよびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、下記条件
0.2 ≦ PVC/PVC ≦ 0.7
を満たし、顔料体積濃度の比PVC/PVCは、0.2以上0.6以下であることが好ましく、0.3以上0.5以下であることがより好ましい。着色顔料組成物の顔料体積濃度が2~20%であり、かつ顔料体積濃度の比PVC/PVCが0.2以上0.7以下である場合、耐候性および隠蔽性に優れる複層塗膜の形成方法を提供することができる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、顔料体積濃度およびその比率をそれぞれ所定の範囲とすることの技術的意義を見いだし、そのような技術的意義に基づいて良好な耐候性および隠蔽性を有する複層塗膜の形成方法の発明を完成するに至った。その詳細を以下に示す。
なお、従来の複層塗膜においては、着色層の上にクリヤー層が形成されることが多い。着色層の上にクリヤー層を設けることによって、クリヤー層の下層である着色層が有する意匠性を良好に視認することができる利点がある。また、クリヤー層を設けることによって、複層塗膜の光沢性を所望の範囲に調整することができる利点もある。しかしながら、本願発明者らは、着色層の上にクリヤー層が形成された複層塗膜が、長期経年により、着色層およびクリヤー層の間で層間剥離が生じることがあることを見いだした。そしてこのような層間剥離は特に、太陽光の直射を受け風雨に晒される建築物の外壁塗装、屋根塗装、および屋外建造物などの複層塗膜において、発生頻度が高い傾向があることを見いだした。このような現象について本発明者らは、複層塗膜を構成するクリヤー層は透明性が高いため、光線透過率が高く、その下の着色塗膜にまで光線が届いてしまうことに原因があるのではと考えた。隠蔽性を有する着色塗膜は、顔料を一定量含む。一方で、着色塗膜に例えば太陽光の直射が到達することによって、着色塗膜中に含まれる着色顔料がラジカルを発生するなどにより、樹脂成分の有機結合が分解するなどの影響を受けることとなり、その結果、層間剥離が生じうると考えられる。
上記知見により本発明者らは、着色層の意匠機能発現を確保した上で、着色層およびクリヤー層の間における層間剥離の発生を効果的に減少させる方法について検討した。そして、顔料体積濃度PVCを2~20%の範囲とし、かつ顔料体積濃度の比PVC/PVCを0.2以上0.7以下の範囲とすることで、着色層の意匠機能発現を確保しつつ、層間剥離の発生を効果的に減少させることができることを、実験により見いだした。さらに、比PVC/PVCを満たすことを条件に、トップコート層中に、着色顔料などの顔料を特定量の範囲で含めることによって、トップコート層の樹脂成分の有機結合が分解するなどの影響を最小限に抑えることができ、これにより複層塗膜の耐候性を向上させることができることを、実験により見いだした。そしてこれらにより、上記複層塗膜に関する発明を完成するに至った。
トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、上記式を満たすことを条件として、0.4%以上14%未満であることが好ましく、0.4~12%の範囲内であることがより好ましく、0.4~10%の範囲内であることがさらに好ましい。
トップコート塗料組成物は、常温乾燥型塗料組成物であることが好ましい。常温乾燥型のトップコート塗料組成物は、例えば、刷毛およびローラーのような塗装道具を用いた、建築またはこれらの構成物に対して好適に塗装することができる。常温乾燥型のトップコート塗料組成物はまた、旧塗膜を有する被塗物に対して塗装する、補修用塗料組成物としても好適に使用することができる。
<第2実施形態:複層塗膜>
第2実施形態に係る複層塗膜は、例えば、第1実施形態に係る複層塗膜を形成するための方法により形成される複層塗膜である。第2実施形態に係る複層塗膜は、被塗物の上に形成された着色層と、着色層の上に形成されたトップコート層とを含む。着色層は、主として複層塗膜の下地隠蔽性および意匠機能を担う層である。着色層は、着色塗料組成物を塗布して形成される層(着色塗料組成物の塗膜の層)である。トップコート層は、主として複層塗膜の意匠性および耐候性などを担う層である。トップコート層は、トップコート塗料組成物を塗布して形成される層(トップコート塗料組成物の塗膜の層)である。
複層塗膜は、トップコート層の上に形成されたクリヤー層をさらに含んでもよい。複層塗膜が最外層としてクリヤー層を含むと、複層塗膜の耐候性が向上する。
トップコート層の光線透過率は、0%以上15%以下であることが好ましく、0%以上10%以下であることがより好ましく、0%以上5%以下であることがさらに好ましい。
トップコート層の光線透過率は、詳しくは、トップコート層の厚さ100μm(塗装膜厚)の塗膜における、波長350nmの光線透過率である。波長350nmの光線は、紫外線領域の光線であって、一般にUV-A波長といわれる領域内の光線である。トップコート層の波長350nmの光線透過率が上記範囲内であることによって、着色層およびトップコート層の間の層間剥離の発生を優位に防ぐことができる利点がある。
トップコート層の光線透過率は、フロートガラス板上にトップコート塗料組成物を塗装することにより得られた試験板を、JIS A5759 6-6(a)に準拠する方法にて測定される値である。
着色層および複層塗膜の色差ΔE*は、0以上7以下であることが好ましく、0以上5以下であることがより好ましく、0以上2以下であることがさらに好ましい。色差が上記範囲内であることによって、複層塗膜の外観が良好となる利点がある。
着色層および複層塗膜の色差ΔE*は、着色層の色相(L*値、a*値、b*値)および複層塗膜の色相(L*値、a*値、b*値)をJIS K 5600-4の規定に準拠して測定することによって求めることができる。
色差ΔE*は以下のようにして得ることができる。着色塗料組成物を基材(みがき鋼板)上に塗装して着色層を形成し、さらに、トップコート塗料組成物を着色層の一部にトップコート層を形成して、複層塗膜を形成する。得られた着色層および複層塗膜の色相(L*値、a*値、b*値)を、色差計(例えばコニカミノルタ社製、CR-400など)を用いて、それぞれ測定する。測定した色相の差を算出し、色相の差異ΔE*を求めることができる。
<第3実施形態:塗料セット>
第3実施形態に係る塗料セットは、第2実施形態に係る複層塗膜を形成するための塗料セットである。第3実施形態に係る塗料セットは、例えば、第1実施形態に係る複層塗膜を形成する方法で使用される塗料セットである。
塗料セットは、着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物から構成される。具体的には、上記着色塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む。また上記トップコート塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む。これらの顔料は着色顔料を含む。
そして、着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、2~20%の範囲内である。着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCおよびトップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、下記条件(0.2≦PVC/PVC≦0.7)を満たす。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
[顔料分散ベース(i)~(iii)の製造]
(顔料分散ベース(i))
弱溶剤可溶アクリル樹脂(DIC社製、アクリディックA-870、不揮発分55%、ガラス転移温度30℃、水酸基価21.0~27.0mgKOH/g、固形分比重0.94g/cm)39.0部、二酸化チタン(堺化学工業社製、D-918、比重3.85g/cm)48.0部、分散剤(BYK-chemie社製、Disperbyk-112、固形分(NV)=60.0質量%)4.2部、溶媒(新日本石油化学社製、ミネラルスピリットA)7.0部、増粘剤(楠本化成社製、DISPARLON A670-20M)1.8部を混合後、分散機(太平システム社製、卓上式SGミル1500w型)にガラスビーズ120部を入れて分散させて、顔料分散ベース(i)を得た。
(顔料分散ベース(ii)~(iii))
顔料分散ベース(i)の製造例と同様にして、表1に記載した配合から顔料分散ベース(ii)~(iii)を製造した。
Figure 0007456840000001
表1に示される着色顔料としては下記のものを用いた。
赤顔料:CINIC Chemicals (Shanghai)Co.,Ltd.社製、Cinilex DPP Red SR1C、比重1.58g/cm
青顔料:大日精化工業社製、シアニンブルー 5195Y、比重1.5g/cm
黄顔料:クラリアントジャパン社製、HOSTAPERM YELLOW H3G、比重1.59g/cm
[クリヤーベース(I)の製造]
(クリヤーベース(I))
弱溶剤可溶アクリル樹脂(DIC社製、アクリディックA-870)70.4部、添加剤として光安定化剤(BASFジャパン社製、Tinuvin292)0.6部、紫外線吸収剤(BASFジャパン社製Tinuvin384-2)0.6部、消泡剤(楠本化成社製、DISPARLON 1952)0.4部、増粘剤(楠本化成社製、DISPARLON FS-6010)6.4部、溶媒(ExxonMobil社製、ソルベッソ100J)21.6部を高速ディスパーで混合して、クリヤーベース(I)を得た(表2参照)。
Figure 0007456840000002
[着色塗料組成物(1)~(10)の製造]
(着色塗料組成物(1))
顔料分散ベース(i)48.0部、クリヤーベース(I)52.0部を高速ディスパーで混合して、着色塗料組成物(1)の主剤を得た。着色塗料組成物(1)の硬化剤として、旭化成社製デュラネートTSA-100(ヘキサメチレンジイソシアネート硬化剤、固形分100質量%、比重1.13g/cm)を4.7部用いた。こうして、二液形の着色塗料組成物(1)を得た。
得られた着色塗料組成物のPVCは15%であった。
(着色塗料組成物(2)~(10))
着色塗料組成物(1)の製造例と同様にして、表3に記載した配合から着色塗料組成物(2)~(10)を製造した。
得られた着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCを算出した。詳しくは、着色塗料組成物に含まれる各顔料の比重と配合量により求めた全顔料の体積(P)と、各樹脂の比重と配合量により求めた樹脂の体積(R)から、下記式
PVC(体積%)=P/(P+R)×100
より算出した。PVCを表3にまとめた。
また、後述するトップコート層塗料組成物の顔料体積濃度PVCもPVCと同様に算出し、表4および表5にまとめた。
Figure 0007456840000003
[トップコート塗料組成物(1)~(24)の製造]
(トップコート塗料組成物(1))
顔料分散ベース(i)44.0部、クリヤーベース(I)56.0部を高速ディスパーで混合して、トップコート塗料組成物(1)の主剤を得た。トップコート塗料組成物(1)の硬化剤として、旭化成社製デュラネートTSA-100(ヘキサメチレンジイソシアネート硬化剤、固形分100質量%)4.8部を用いた。こうして、二液形のトップコート塗料組成物(1)を得た。
得られたトップコート塗料組成物(1)のPVCは13.5%であった。
(トップコート塗料組成物(2)~(24))
トップコート塗料組成物(1)の製造例と同様にして、表4および表5に記載した配合からトップコート塗料組成物(2)~(24)を製造した。
Figure 0007456840000004
Figure 0007456840000005
[実施例1]
表4および表5に示される着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物を用いて、下記手順により複層塗膜を形成した。
(基材の作製)
評価用試験板の基材としては、みがき鋼板(150×70×0.8mm)を用いた。まず、みがき鋼板表面の防錆油を溶剤(キシレンなど)で洗浄し、溶剤をウエスでふき取った。そして、溶剤をふき取ったみがき鋼板の裏面に錆止め塗料組成物(ファインプライマーII、日本ペイント社製)を塗装し、裏面をバックシールした。バックシールした塗料が乾燥したのち、被塗物である基材を得た。
(着色塗料組成物の塗装)
表3に記載された着色塗料組成物(1)の主剤および硬化剤を高速ディスパーで混合して、着色塗料組成物混合液を得た。
得られた着色塗料組成物混合液を、基材に対して、塗装量120g/m×1回でウールローラーにて塗装し、1日間室温にて放置乾燥させて、着色層を形成した。
(トップコート塗料組成物の塗装)
表4に記載されたトップコート塗料組成物(1)の主剤および硬化剤を高速ディスパーで混合して、トップコート塗料組成物混合液を得た。
得られた着色塗料組成物混合液を、着色層が形成された基材に対して、塗装量120g/m×1回でウールローラーにて塗装し、7日間室温にて放置乾燥させて、複層塗膜を得た。
[実施例2~13および比較例1~13]
下記表に記載された着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により、複層塗膜を得た。
上記実施例および比較例で得られた複層塗膜、そして複層塗膜の形成に用いた着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物を用いて、以下の評価試験を行った。評価結果を下記表に示す。
[測定方法]
(UV透過率の測定)
上記実施例および比較例で用いたトップコート塗料組成物を、フロートガラス板上に4mil(塗装膜厚:100μm)のアプリケーターを用いて塗装し、試験板を作成した。
得られた試験板の光線透過率を、紫外可視近赤分光度計UV-3600(株式会社島津製作所)を用いて、300~380nm(波長2nm間隔)の透過率を、JISA 5759-6-6(a)に準拠して測定した。測定値のうち、波長350nmの光線透過率の数値をUV透過率(%)とした。
(色差の測定)
着色層および複層塗膜の色差ΔE*は、着色層の色相(L*値、a*値、b*値)および複層塗膜の色相(L*値、a*値、b*値)をJIS K 5600-4の規定に準拠して測定し、求めた。
詳しくは、着色塗料組成物を基材(みがき鋼板)上に塗装して着色層を形成し、さらに、トップコート塗料組成物を着色層の一部にトップコート層を形成して、複層塗膜を形成する。得られた着色層および複層塗膜の色相(L*値、a*値、b*値)を、色差計(例えばコニカミノルタ社製、CR-400など)を用いて、それぞれ測定した。測定した色相の差を算出し、色相の差異ΔE*を求めた。算出されたΔE*から下記判定基準に基づいて、ΔE*が0以上7以下の範囲内に含まれるか、否かを判定した。
(判定基準)
○(含まれる) :0≦ΔE*≦7
×(含まれない):ΔE*>7
[評価方法]
(複層塗膜の隠蔽性評価)
JIS K 5600-4-1 (b)に準拠した、塗料の一般的な試験方法に用いる隠蔽率試験紙(日本テストパネル株式会社製)に、着色塗料組成物を6milのアプリケーターにて塗装し、塗装後23℃で1日間室温放置した。次にこの着色塗料組成物塗膜上にトップコート塗料組成物を6milのアプリケーターにて塗装した。塗装後23℃で1日間室温放置して試験体を作製した。試験体について分光光度計(コニカミノルタ社製、CR―400)を用いて、白色部(YW)と黒色部(YB)における三刺激値Yを測定し、隠蔽率YB/YWを百分率で算出した。得られた隠蔽率から下記評価基準に基づいて、複層塗膜の隠蔽性を評価した。〇および◎の評価結果を得られたものを合格とした。
(評価基準)
◎:複層塗膜の隠蔽率が90%以上である
〇:複層塗膜の隠蔽率が80%以上90%未満である
△:複層塗膜の隠蔽率が50%以上80%未満である
×:複層塗膜の隠蔽率が50%未満である
(複層塗膜の耐候性(外観評価:グロス保持率および層間密着性評価))
上記実施例および比較例により得られた複層塗膜を有する試験板を、超高速耐候試験装置 型式SX-H202(スガ試験機社製)を用いて、促進耐候性試験を実施した。運転条件は下記の通りである。

運転時間:1000時間
1サイクル:過酸化水素水噴霧と照射(時間1分)の後、水噴霧と照射(時間2分)の後、照射(時間7分)
フィルター: #275(JIS K 5600-7-7に適用のフィルター)
放射照度(300~400nm): 60W/m
ブラックパネル温度(乾燥時): 50±10℃
ブラックパネル温度(湿潤時): 50±10℃
相対湿度(乾燥時):50±10%
相対湿度(湿潤時):50±10%
促進耐候性試験後の評価試験板のグロス保持率を算出した。さらに、促進耐候性試験の評価試験板の塗膜外観を目視にて観察し、塗膜に割れや剥がれの有無を確認した。次いで、得られたグロス保持率および塗膜外観の観察結果から下記評価基準に基づいて耐候性評価を行った。
促進耐候性試験の評価試験板の塗膜外観を目視にて観察したところ、全ての実施例および比較例において塗膜の割れや剥がれは確認されなかった。
「MULTIGLOSS268plus」(コニカミノルタ株式会社製)を使用し、JIS K5600-4-7に準拠して、光沢値を測定した。詳しくは、促進耐候性試験前の評価試験板の光沢値を、入射光軸60°の幾何条件(60°グロス)で3回測定した。得られた測定値の平均値を算出し、「60°グロス値G0」とした。同様に、促進耐候性試験前の評価試験板の光沢値を3回測定し、その平均値を算出し、促進耐候試験後の「60°グロス値G」を得た。
得られた60°グロス値GおよびGを用いて、グロス保持率を下記式より算出した。得られたグロス保持率から下記評価基準により評価した。〇および◎の評価結果を得られたものを合格とした。
60°グロス保持率(%)=(G/G) ×100
(評価基準)
◎ :60°グロス保持率が90%以上、かつ、塗膜に割れや剥がれがない
○ :60°グロス保持率が75%以上90%未満、かつ、塗膜に割れや剥がれがない
○△:60°グロス保持率が65%以上75%未満、または、塗膜に割れや剥がれがある
△ :60°グロス保持率が50%以上65%未満、または、塗膜に割れや剥がれがある
× :60°グロス保持率が50%未満、または、塗膜に割れや剥がれがある
(複層塗膜の耐候性(耐チョーキング性:白亜化試験))
促進耐候性試験の評価試験板の耐チョーキング性評価を、JIS K 5600-8-6に記載の白亜化試験法方法に従って行った。下記基準により評価した。下記基準において〇および◎の評価結果を得られたものを合格とした。
◎ :テープに顔料の付着が確認されず、かつ、背景面がよく見える
○ :テープに一部顔料の付着が確認されるが、背景面がよく見える
△ :テープに一部顔料の付着が確認されるが、背景面は見える
× :テープに顔料の付着が確認され、背景面が見難い、または、見えない
(複層塗膜の耐候性評価:総合評価)
上記外観評価および耐チョーキング性評価の結果から、下記評価基準に基づいて複層塗膜の耐候性を評価した。下記基準において〇および◎の評価結果が得られたものを合格とした。
◎ :外観評価および耐チョーキング性評価の結果のいずれも◎である
〇 :外観評価および耐チョーキング性評価の結果のいずれも〇であるか、または外観評価および耐チョーキング性評価の結果のうち一方が〇であり、他方が◎である
△ :外観評価および耐チョーキング性評価の結果のいずれもが×ではなく、それらの結果の少なくとも一方が△または○△である
× :外観評価および耐チョーキング性評価の結果のうち少なくとも一方が×である
(外観評価:基材の透け、刷毛のカスレ部の有無)
複膜塗装の外観を目視にて観察し、基材の透け、刷毛のカスレ部の有無を確認した。観察結果から下記評価基準に基づいて評価した。〇の評価結果を得られたものを合格とした。
(評価基準)
〇 :基材の透け、刷毛のカスレ部が目立たない
△ :一部的に基材の透け、刷毛のカスレ部が目立つ
× :全体的に基材の透け、刷毛のカスレ部が目立つ
Figure 0007456840000006
Figure 0007456840000007
Figure 0007456840000008
実施例1~13の複層塗膜では、PVCが、2~20%の範囲内に含まれる数値であり、PVC/PVCが0.2以上0.7以下の範囲内に含まれる数値であった。
実施例1~13の複層塗膜では、耐候性の評価結果(総合評価の結果)が〇または◎であり、隠蔽性の評価結果が〇または◎であり、かつ外観の評価結果が〇であった。
比較例3~4および11~13の複層塗膜では、PVCが2%未満または20%を超えていた。また、比較例1~2、4~10および12~13の複層塗膜では、PVC/PVCが0.2未満または0.7を超えていた。
比較例1、3~5、7および9の複層塗膜では、耐候性の評価結果(総合評価の結果)が△または×であった。比較例11~13の複層塗膜では、隠蔽性の評価結果が×であった。比較例2、6、8および10~13の複層塗膜では、外観の評価結果が△または×であった。つまり、比較例1~13の複層塗膜では、(i)耐候性の評価結果が◎および〇のいずれかであること、(ii)隠蔽性の評価結果が◎および〇のいずれかであること、かつ(iii)外観の評価結果が〇であることを満たしていなかった。
以上から、本発明の実施例1~13は、比較例1~13に比べ、優れた外観を有しつつ、かつ耐候性および隠蔽性に優れることが示された。
上記複層塗膜は、良好な耐候性および隠蔽性を有する利点がある。上記複層塗膜は、太陽光の直射を受け風雨に晒される建築物の外壁塗装、屋根塗装、および屋外建造物などの複層塗膜として好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 複層塗膜の形成方法であって、
    被塗物に着色塗料組成物を塗装して、着色層を形成する工程と、
    前記着色層の上にトップコート塗料組成物を塗装して、トップコート層を形成する工程と
    を含み、
    前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、2~20%の範囲内であり、
    前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCおよび前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、下記条件
    0.2 ≦ PVC/PVC ≦ 0.7
    を満たし、
    前記トップコート塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含み、
    前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC は、上記式を満たすことを条件として、0.4%以上14%未満である
    複層塗膜の形成方法。
  2. 前記着色塗料組成物の塗装手段および前記トップコート塗料組成物の塗装手段は、いずれも、刷毛またはローラーである、請求項1に記載の複層塗膜の形成方法。
  3. 前記着色塗料組成物および前記トップコート塗料組成物は、いずれも、常温乾燥型塗料組成物である、請求項1または2に記載の複層塗膜の形成方法。
  4. 前記トップコート層の厚さ100μm(塗装膜厚)における波長350nmの光線透過率が、0%以上15%以下である、請求項1~の何れか1項に記載の複層塗膜の形成方法。
  5. 前記着色層および前記複層塗膜の色差ΔE*が、0以上7以下である、請求項1~の何れか1項に記載の複層塗膜の形成方法。
  6. 前記被塗物が、建築物またはこれらの構成物である、請求項1~の何れか1項に記載の複層塗膜の形成方法。
  7. 被塗物の上に形成された着色層と、
    前記着色層の上に形成されたトップコート層と、
    を含む、複層塗膜であって、
    前記着色層は、着色塗料組成物の塗膜の層であり、
    前記トップコート層は、トップコート塗料組成物の塗膜の層であり、
    前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、2~20%の範囲内であり、
    前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCおよび前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、下記条件
    0.2 ≦ PVC/PVC ≦ 0.7
    を満たし、
    前記トップコート塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含み、
    前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC は、上記式を満たすことを条件として、0.4%以上14%未満である
    複層塗膜。
  8. 前記着色塗料組成物の塗装および前記トップコート塗料組成物の塗装は、いずれも、常温乾燥型塗料組成物である、請求項に記載の複層塗膜。
  9. 請求項7または8に記載の複層塗膜を形成するための塗料セットであって、
    前記塗料セットは、着色塗料組成物およびトップコート塗料組成物からなり、
    前記着色塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物であり、そして前記顔料は着色顔料を含み、
    前記トップコート塗料組成物は、塗膜形成樹脂および顔料を少なくとも含む塗料組成物であり、そして前記顔料は着色顔料を含み、
    前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、2~20%の範囲内であり、
    前記着色塗料組成物の顔料体積濃度PVCおよび前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVCは、下記条件
    0.2 ≦ PVC/PVC ≦ 0.7
    を満たし、
    前記トップコート塗料組成物の顔料体積濃度PVC は、上記式を満たすことを条件として、0.4%以上14%未満である、塗料セット。
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