[go: up one dir, main page]

JP7448777B2 - α+β型チタン合金棒材及びα+β型チタン合金棒材の製造方法 - Google Patents

α+β型チタン合金棒材及びα+β型チタン合金棒材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7448777B2
JP7448777B2 JP2019208629A JP2019208629A JP7448777B2 JP 7448777 B2 JP7448777 B2 JP 7448777B2 JP 2019208629 A JP2019208629 A JP 2019208629A JP 2019208629 A JP2019208629 A JP 2019208629A JP 7448777 B2 JP7448777 B2 JP 7448777B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium alloy
rolling
less
type titanium
grains
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019208629A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021080519A (ja
Inventor
翔太朗 橋本
利行 奥井
真哉 西山
健一 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2019208629A priority Critical patent/JP7448777B2/ja
Publication of JP2021080519A publication Critical patent/JP2021080519A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7448777B2 publication Critical patent/JP7448777B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Description

本発明は、α+β型チタン合金棒材及びα+β型チタン合金棒材の製造方法に関する。
チタンおよびチタン合金は、優れた耐食性及び高い比強度を有するため、それを加工して形成した棒および線材は、航空機用部材,海水用ロ-プ,メガネフレ-ム等様々な用途で使用されている。
通常、チタンおよびチタン合金を用いた棒や線材は、鋳造インゴットを分塊してビレットとし、これを孔型ロ-ルを有する連続圧延機群で圧延する工程で製造されている。しかし、この孔型ロ-ルを有する連続圧延機群では、熱間加工性の悪い鋳造インゴットを直接加工することは不可能であり、また分塊または鍛造ビレットでも、孔型圧延時には表面割れが発生する問題がある。
そのため、傾斜圧延機を用いて軽圧下での加工を行うことで、表面性状を良好にする技術がある。例えば、特許文献1(特開平6-292906号公報)には、加熱、傾斜圧延、再加熱および孔型圧延の工程を組み合わせた製造方法が記載されている。特許文献1では、傾斜圧延および孔型圧延の温度範囲を700~1250℃に設定している。しかし、α+β型チタン合金をβ域に加熱(左記温度域の一部)すると、β粒の異常粒成長および酸化スケールの形成により、表面疵が発生する。また、それにより疲労強度も低下すると考えられる。一方で、α+β型チタン合金をα+β域に加熱(左記温度域の一部)する場合には、鋳造時に析出した粗大な粒界αが残留するため、低い圧延率でも表面割れを生じ、高い疲労強度も期待できない。
特開平6-292906号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、表面性状及び疲労強度に優れたα+β型チタン合金棒材及びその製造方法を提供することを課題とする。
[1] α+β型チタン合金からなり、
前記α+β型チタン合金は、質量%で、Al:5.50~6.75%、V:3.50~4.50%、Fe:0.40%以下、C:0.08%以下、N:0.05%以下、O:0.20%以下を含有し、残部がTi及び不純物からなるか、あるいは、質量%で、Al:4~9%、Fe,Cr,Niのうち1種または2種以上を合計で0.5~2.5%含有し、残部がTiおよび不純物からなり、
棒材の長手方向に垂直な断面において、直径に対して3%以下の深さの表層部における、アスペクト比が5以上のα粒の数密度が5個/mm以下であり、
長手方向に垂直な断面の中心部におけるα粒の平均長軸長さ(αm)と、前記表層部におけるα粒の平均長軸長さ(αS)との比をαm/αSとする場合、αm/αSが5以上であることを特徴とするα+β型チタン合金棒材。
[2] 前記表層部におけるα粒の平均長軸長さ(αS)が50μm以下である、[1]に記載のα+β型チタン合金棒材。
[3] 長手方向に垂直な断面の中心部におけるα粒の平均長軸長さ(αm)が1000μm以下である、[1]または[2]に記載のα+β型チタン合金棒材。
[4] 更に、長手方向に垂直な断面の円換算直径に対する最大表面疵深さの比が0.03未満である[1]乃至[3]の何れか一項に記載のα+β型チタン合金棒材。
[5] α+β型チタン合金からなる鋳塊を、Tβ-70℃以上、Tβ-20℃未満の温度範囲(ただし、Tβはβ変態点温度。以下同じ。)で、1時間以上10時間以下の保持時間で加熱保持する第1段階と、表面温度がTβ+50℃以上、10分以上60分未満の保持温度で加熱保持する第2段階とを順次行う加熱工程と、
傾斜圧延機にて下記(1)式を満足する範囲に定められる断面減少率R1で1パスで圧延する第1圧延工程と、を備えた[1]乃至[4]の何れか一項に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
0.3((T+273)/100)<R1≦0.4((T+273)/100)
…(1)
ただし、式(1)におけるTは加熱工程の第1段階における加熱温度(℃)である。
[6]前記第1圧延工程後に、700℃以下まで水冷する第1水冷工程を更に備えたことを特徴とする、[5]に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
[7] 前記第1水冷工程後に、表面温度がTβ-70℃以上になるまで加熱した後、孔型圧延機にて圧延する第2圧延工程を更に備えたことを特徴とする、[6]に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
[8] 前記第2圧延工程後に、700℃以下まで水冷する第2水冷工程を更に備えたことを特徴とする、[7]に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
[9] 前記第2圧延工程における孔型圧延の断面減少率が60%以上90%以下の範囲である、[8]に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
本発明によれば、表面性状及び疲労強度に優れたα+β型チタン合金棒材及びその製造方法を提供できる。
チタン合金の鋳塊には、柱状晶や等軸晶といった粗大な鋳造組織が形成される。このため、鋳造組織の調整を目的として、熱間での分塊鍛造が一般に実施される。一方、チタン合金の鋳塊に対して、分塊鍛造を経ないで直接熱延して棒線材を製造する場合がある。この場合は、粗大な柱状晶や等軸晶を含む鋳造組織を加工することになる。
具体的には、α+β型のチタン合金の鋳塊は、その製造過程において、α+β域に冷却される際に、旧β粒の粒界に粗大なα相(粒界α相)が析出する。析出した粗大な粒界α相は、旧β相の粒界に沿って鋳塊の表層にも現れる。
このように粗大な粒界α相が表層に現れた鋳塊を熱延すると、α+β域での加工時に、表層では粒界α相が起点となって割れやボイドが生じ、表面疵を発生し、疲労強度の低下を招くことを、本発明者が見出した。表面疵の発生及び疲労強度の低下は、チタン合金棒材に粗大な粒界α相を含む鋳造組織が残存する場合に、特に顕在化する。
熱延後の素材を更に棒線材に加工し、あるいは、更にそれを製品形状に加工した場合も、一般に応力が集中する表層での最弱部(粗大α粒、特に粒界α相)が起点になり、表面疵を発生し、疲労強度を低下すると考えられる。
このようなことから、表面疵を防止し、疲労強度を向上させるには、チタン合金棒材の表層部のミクロ組織を微細化することが有効である。
また、用途の面から見た場合、チタン合金棒材は、例えば、自動車エンジン用コンロッドへ適用される。自動車エンジン用コンロッドは、燃焼効率の向上のため軽量化と同時に、長期使用に耐える疲労強度が必要とされる。すなわち、表層部組織を微細化したチタン合金棒材は、同用途に最適である。
そこで本発明者らは、表面性状、疲労強度に優れるチタン合金棒材を工業的に安定製造するため、その製造方法について検討した。その結果、鋳塊を熱間圧延する際の加熱条件及びその後の圧延条件を最適化することで、表面性状及び疲労強度に優れるチタン合金棒材を工業的に安定製造できることを見出した。
すなわち、鋳塊を熱間圧延する際の加熱工程において、α+β域で比較的長時間加熱する均熱加熱を行い、その後、β変態点を超える温度で短時間加熱することで、表層に現れていた粗大な粒界α相をβ相に変態させて、加熱した鋳塊の表層を加工性に優れるβ相とする。そして、同加熱後の鋳塊に対して、せん断変形を主体とする傾斜圧延の圧下率を調整するとともに1パスで圧延することで、表層部に大きな加工ひずみを導入する。また、この際にはロール接触での抜熱による冷却も期待される。これらにより、表層部に多量の加工歪を導入し、その後の熱処理によって表層部に微細組織が現れるようにした。同熱処理後の鋳塊の表層には粗大な粒界α相が少なく、微細組織となっているため、その後の加工で表面疵が発生するおそれが少ないので、従来よりも大きな加工率での効率的な加工が可能となる。
また、傾斜圧延によって、表層部に残存していた粗大な粒界α相を破壊して細粒化することも期待される。更に、熱処理後の加工を含めて、効率的な加工が可能となることにより内部組織も改質することができ、内部における疲労特性を向上することが可能となる。
以下、本発明の実施形態であるチタン合金棒材について説明する。
本実施形態のα+β型チタン合金棒材は、α+β型チタン合金からなり、直径に対して3%以下の深さの表層部における、アスペクト比が5以上のα粒の数密度が5個/mm以下であり、長手方向に垂直な断面の中心部におけるα粒の平均長軸長さ(αm)と、表層部におけるα粒の平均長軸長さ(αS)との比をαm/αSとする場合、αm/αSが5以上のα+β型チタン合金棒材である。
また、本実施形態のα+β型チタン合金棒材は、表層部におけるα粒の平均長軸長さ(αS)が50μm以下であることが好ましい。
また、本実施形態のα+β型チタン合金棒材は、長手方向に垂直な断面の中心部におけるα粒の平均長軸長さ(αm)が1000μm以下であることが好ましい。
更に、また、本実施形態のα+β型チタン合金棒材は、長手方向に垂直な断面の円換算直径に対する最大表面疵深さの比が0.03未満であることが好ましい。
本実施形態のα+β型チタン合金棒材は、α+β型チタン合金であることが好ましい。
α+β型チタン合金棒材の化学組成は、例えば、一例として、質量%で、Al:5.50~6.75%、V:3.50~4.50%、Fe:0.40%以下、C:0.08%以下、N:0.05%以下、O:0.20%以下を含有し、残部がTi及び不純物からなるものを例示できる。
Alは、固溶強化能の高い元素であり、含有量を増やすと室温での引張強度が高くなる。引張強度を得るため下限は5.50%以上とする。一方、Alを6.75%超含有すると、引張強度への寄与度が飽和する上に熱間および冷間加工性を低下させることから、上限を6.75%以下とする。
Vは、固溶強化能の高い元素であり、含有量を増やすと室温での引張強度が高くなる。
また、室温で加工性のよいβ相を維持する必要がある。そのためVの下限は3.50%以上とする。一方、Vを4.50%超含有すると、引張強度への寄与度が飽和する上に熱間および冷間加工性を低下させることから、上限を4.50%以下とする。
Feは、偏析を生じさせて均質性を低下させる場合があるため、含有量を0.40%以下に制限する。ただし、Feは固溶強化能があり、室温での強度向上に寄与する効果があるため、0.001%以上含有してもよい。
O、N、Cは、いずれも多量に含有すると延性、加工性を低下させてしまう場合があるため、Oは0.20%以下、Cは0.08%以下、Nは0.05%以下にそれぞれ制限する。なお、O、N、Cは、不可避的に混入する不純物であり、含有が避けられないことから、実質的な含有量の下限は、通常、Oで0.01%以上、Cで0.0005%以上、Nで0.0001%以上である。
上述した元素以外(残部)は、Ti及び不純物からなるが、以上説明した各元素の他にも、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。例えば、Moを1~6%の範囲で含有させることができる。なお、本実施形態における「不純物」とは、チタン合金を工業的に製造する際にスポンジチタンやスクラップ等の原料をはじめとして製造工程の種々の要因によって混入する成分であり、不可避的に混入する成分も含む。
また、本実施形態のチタン合金棒材の化学成分の別の例として、質量%で、Al:4~9%、Fe,Cr,Niのうち1種または2種以上を合計で0.5~2.5%含有し、残部がTiおよび不純物からなるものを例示できる。
チタン合金棒材の強度確保のため、Alの下限は4%以上とする。Alが4%未満ではビッカース硬さが低下し、所望の強度特性を得ることが困難になる。また、Alが9%を超えると、延性が大幅に低下するおそれがある。従ってAl量は4~9%の範囲が好ましい。より好ましい範囲は、4~7%であり、更に好ましくは5~6%である。
チタン合金棒材の強度確保のため、Feの下限は0.5%以上とする。Feが0.5%未満ではビッカース硬さが低下し、所望の強度特性を得ることが困難になる。また、Feが2.5%を超えて含有すると、β相が析出しやすくなり、ビッカース硬さが低下して所望の強度特性を得ることが困難になる。従ってFeは0.5~2.5%の範囲とする。
また、Feの一部または全部をCrまたはNiに置換することができる。CrまたはNiを含有させることで、チタン合金棒材の強度確保が可能になる。CrまたはNiを過剰に含有すると、平衡相である金属間化合物相(TiNi,TiCr)を容易に生成し、疲労特性の極端な低下を生じるおそれがあるので好ましくない。
以上のことから、Fe,Cr,Niのうち1種または2種以上を合計で0.5~2.5%の範囲で含有することが好ましい。
Al及びFe以外の残部はTi及び不純物である。「不純物」とは、チタン合金を工業的に製造する際にスポンジチタンやスクラップ等の原料をはじめとして製造工程の種々の要因によって混入する成分であり、不可避的に混入する成分も含む。0.1%以下のC,N,H、0.3%以下のOなどがこれに相当する。
また、本実施形態のチタン合金棒材は、上記の化学成分を満足するものに限定されるものではなく、α+β型チタン合金として使用可能な、Ti-6Al-4V、Ti-6Al-6V-2Sn、Ti-6Al-7V、Ti-3Al-5V、Ti-5Al-2Sn-2Zr-4Mo-4Cr、Ti-6Al-2Sn-4Zr-6Mo、Ti-1Fe-0.35O、Ti-1.5Fe-0.5O、Ti-5Al-1Fe、Ti-5Al-1Fe-0.3Si、Ti-5Al-2Fe、Ti-5Al-2Fe-0.3Si、Ti-5Al-2Fe-3Mo、Ti-4.5Al-2Fe-2V-3Moなどの合金を用いてもよい。
本実施形態のチタン合金棒材は、疲労特性に悪影響を与える粗大なα相が、表層部に極力存在しないことが必要である。すなわち、本実施形態では、直径に対して3%の深さの表層部における、アスペクト比が5以上のα粒の数密度が5個/mm以下であることが必要である。アスペクト比が5以上のα粒は、鋳塊の段階で存在していた粗大な粒界α相に由来するものであり、このようなα粒の数密度は5個/mm以下であるとよい。アスペクト比が5以上のα粒の数密度が5/mmを超えると、疲労特性が低下するので好ましくない。
なお、表層部は、チタン合金棒材の円換算直径をRとしたとき、チタン合金棒材の表面から深さ0.03Rまでの領域である。この領域は、チタン合金棒材の曲げ加工等の機械加工した際に応力が集中しやすい領域であり、疲労強度を向上させるためには、この領域における粗大なα粒の数密度を制御する必要がある。
なお、表層部における、粗大なα粒以外の組織は、等軸のα相とβ相とを含むα+β相である。α+β相を構成するα相は、アスペクト比が5未満の等軸のα相である。
また、長手方向に垂直な断面の中心部におけるα粒の平均長軸長さ(αm)と、表層部におけるα粒の平均長軸長さ(αS)との比をαm/αSとするとき、αm/αSは5以上である。また、αm/αSは5以上20以下であってもよい。
中心部におけるα粒に対して、表層部におけるα粒が微細であることが、疲労特性の向上の面で好ましい。そのため、本実施形態では、αm/αSを5以上とする。一方、中心部におけるα粒についても、微細であれば、疲労特性の向上に寄与する。特に、疲労に伴う内部割れの発生を防止できるようになる。そのため、本実施形態では、αm/αSを20以下としてもよい。
なお、表層部におけるα粒の平均長軸長さ(αS)は、アスペクト比5以上のα粒の長軸長さと、アスペクト比5未満のα粒の長軸長さとを含む平均値である。α粒の形状は、長軸長さと短軸を有するほぼ楕円形状またはほぼ球形状である。αm/αSを算出する際は、表層部と中心部のα粒の長軸長さの平均値を用いる。
本実施形態のα+β型チタン合金棒材は、表層部におけるα粒の平均長軸長さ(αS)が50μm以下であることが好ましい。平均長軸長さ(αS)が50μmを超えると、疲労特性が低下するので好ましくない。平均長軸長さ(αS)は小さいほどよいので下限を特に設ける必要はないが、例えば、下限は10μm以上であってもよい。
また、本実施形態のα+β型チタン合金棒材は、長手方向に垂直な断面の中心部におけるα粒の平均長軸長さ(αm)が1000μm以下であることが好ましい。チタン合金棒材を機械加工する場合は、主に表層部に応力が集中して疲労破壊の起点となる一方、内部への応力集中の程度は小さく、内部組織は粗大な結晶粒を含む組織のままでもよいとする考え方もある。しかし、チタン合金棒材の内部組織が鋳造組織のような結晶粒が粗大化したままだと、応力集中時に内部割れの起点になり得る。従って、中心部における平均長軸長さ(αm)は1000μm以下であることが好ましい。平均長軸長さ(αm)は小さいほどよいが、下限は50μm以上であってもよい。
更に、本実施形態のチタン合金棒材は、長手方向に垂直な断面の円換算直径に対する最大表面疵深さの比が0.03未満であることが好ましい。チタン合金棒材の外観を観察すると、表面疵はほとんど観察されないが、長手方向に垂直な断面を観察すると、表層部の領域に、深さ方向に延びる疵が確認される場合がある。この疵は、表層部に残留する粗大なα粒に由来する疵であり、疲労破壊の起点になり得る。そこで、本実施形態では、長手方向に垂直な断面の表層部に観察される疵の最大深さが、円換算直径に対する比で0.03未満とする。疵の最大深さが、円換算直径に対する比で0.03未満であれば、疲労破壊の起点にはなりにくく、チタン合金棒材の疲労特性を向上できる。
なお、本実施形態のチタン合金棒材は、鋳塊を傾斜圧延してから水冷することによって得られたものでもよい。また、本実施形態のチタン合金棒材は、傾斜圧延及び水冷後の素材を更に孔型圧延することによって得られたものでもよい。どちらの場合も、表層部におけるアスペクト比が5以上のα粒の数密度が5個/mm以下であり、αm/αSが5以上になる。なお、孔型圧延後のチタン合金棒材は、傾斜圧延後のチタン合金棒材に対して、アスペクト比が5以上のα粒の数密度が少なくなる傾向になり、また、αm/αSが小さくなる傾向になる。
本実施形態のチタン合金棒材は、長手方向に垂直な断面の円換算直径が30mm以上120mm以下、長さが8m以上15m未満であることが好ましい。
次に、本実施形態のチタン合金棒材の製造方法について説明する。
本実施形態のチタン合金棒材の製造方法は、α+β型チタン合金からなる鋳塊に対し、第1段階及び第2段階を順次行うことにより加熱する加熱工程と、傾斜圧延機にて1パスで圧延する第1圧延工程と、を備える。また、第1圧延工程後に水冷する第1水冷工程を行ってもよい。更に、第1水冷工程後に孔型圧延機にて圧延する第2圧延工程を行ってもよい。更にまた、第2圧延工程後に第2水冷工程を更に行ってもよい。以下、各工程について説明する。
α+β型チタン合金からなる鋳塊は、特に限定するものではないが、好ましくは電子ビーム溶解法などのハース溶解法を用いて圧延素材(ブルームまたはビレット)を直接製造する直接鋳造法(DC鋳造法)によって製造された鋳片がよい。ハース溶解法は、鋳型の形状設計に比較的自由度があるため、鋳塊のサイズを所望するサイズにすることができ、分塊圧延を行わない本実施形態のような製造方法に好適である。また、ハース溶解法によれば、比較的微細な鋳造組織を得ることができる点でも好適である。ただし、本実施形態の製造方法では、ハース溶解された鋳塊に限定されるものではなく、他の鋳造法によって鋳造された鋳塊でもよい。また、鋳塊の鋳造組織は特に限定されるものではない。
鋳塊のサイズは、特に限定はないが、例えば、直径が150~200mm、長さ8~15mのサイズが好ましい。直径を200mm以下にすることで、鋳造組織の結晶粒径を小さくすることができる。また、直径を150mm以上にすることで、その後の圧延工程での断面減少率が小さくなりすぎず、組織微細化が容易になる。また、長さ8m以上であれば、製造されたチタン合金棒材の先後端の歩留りロスが大きくても、十分なサイズのチタン合金棒材を得ることができる。また、長さが15m以下であれば、既存の加熱設備を利用可能となる。
次に、加熱工程では、α+β型チタン合金からなる鋳塊を、Tβ-70℃以上、Tβ-20℃未満の温度範囲(ただし、Tβはβ変態点温度。以下同じ。)で、1時間以上10時間以下の保持時間で加熱保持する第1段階と、表面温度がTβ+50℃以上、10分以上60分未満の保持温度で加熱保持する第2段階とを順次行う。
第1段階では、α+β温度域に比較的長時間保持することで、鋳塊を均一に加熱する。続いて第2段階において、短時間保持の加熱を行うことで、鋳塊の表面のみをβ域に加熱する。このような加熱工程を行うことにより、鋳塊の表層にある粗大なα相を著しく減少できる。
第1段階の加熱温度がTβ-70℃未満では、均熱温度が低過ぎるため、表面温度低下による表面疵が増加するおそれがある。また、第1段階の加熱温度がTβ-20℃以上では、傾斜圧延時の加工発熱によって素材の温度がTβを超えて組織が粗大化する懸念がある。また、第1段階の加熱時間が1時間未満では含有元素の拡散が十分に進まず、均熱化が不十分になる。加熱時間が10時間を超えても、それに見合う効果が得られないので、上限を10時間以下とする。
また、第2段階の加熱温度がTβ+50℃未満では、均熱温度が低過ぎるため、表層をβ相に変態させることができない。また、第2段階の加熱温度の上限は特に規定しないが、例えば、Tβ+150℃以下であってもよい。また、第2段階の加熱時間が10分未満では、表層をβ相に十分に変態させることができない。加熱時間が60分以上では、それに見合う効果が得られないので、上限を60分未満とする。
次に、第1圧延工程では、傾斜圧延機にて下記(1)式を満足する範囲に定められる断面減少率R1で1パスで圧延する。本実施形態では、加熱工程の第1段階及び第2段階を行うことで、鋳塊の表層のα相を著しく減少できるため、傾斜圧延において下記(1)式に示すような従来よりも高い圧延率R1で加工を行うことができる。また、傾斜圧延による加工は、効率的に大きなひずみを加えつつ、ロールとの接触による抜熱により冷却することができるので、表層部に大きな加工歪を導入することができる。また、第1圧延工程によって、鋳塊の内部組織に対しても圧下を加えることができ、これにより、内部に残存する粗大な粒界α相を分断させることができる。
0.3((T+273)/100)<R1≦0.4((T+273)/100) …(1)
ただし、式(1)におけるTは加熱工程の第1段階における加熱温度(℃)である。
傾斜圧延における圧延率R1が低いと、表層部に与える歪み量が小さくなり、その後の冷却時において十分な微細組織を得ることが困難になる。また、傾斜圧延における圧延率R1が高すぎると、割れが発生するおそれがある。
また、第1圧延工程は、傾斜圧延機による1パスでの圧延を行うことが好ましい。鋳塊がロールに接触すると、ロールによって抜熱されて圧延中の素材の温度が低下するところ、圧延パス数が2以上になると、鋳塊の温度が著しく低下してしまい、圧延そのものが困難になるので、第1圧延工程におけるパス数は1パスで大きな歪を導入することが望ましい。なお、その後、更なる圧延を行っても問題は無い。
次に、第1冷却工程では、第1圧延工程後の素材を、700℃以下まで水冷する。水冷することで、表層部での粒界α相の析出を低減することができる。第1冷却工程における平均冷却速度は、30℃/s以上であることが好ましい。これにより、β相の粒内でのα相の析出を促進しつつ、微細化を促進できる。水冷は、第1圧延工程の直後後に迅速に実施することが望ましいが、工業的には圧延終了後5分以内に実施すればよい。なお、平均冷却速度は、水冷開始時の素材の表面温度と水冷終了時の素材の表面温度との温度差を、水冷の所要時間で除したものとする。
本実施形態のチタン合金棒材は、以上の工程によって製造できるが、本実施形態チタン合金棒材は、更に、第2圧延工程及び第2冷却工程を行ったものでもよい。
第2圧延工程は、第1水冷工程後に、表面温度がTβ-70℃以上になるまで加熱した後、孔型圧延機にて圧延する工程である。孔型圧延の断面減少率は、60%以上90%以下の範囲であることが好ましい。
第2圧延工程は、チタン合金棒材の直径を調整する必要がある場合に行えばよい。本実施形態では、第1圧延工程において比較的高い圧下率で圧延することで表層部に微細組織を形成するため、後工程である孔型圧延では、比較的低い圧延率R2%(60≦R2≦90)で、表面性状および疲労強度に優れるα+β型チタン合金棒材を製造できる。
孔型圧延の圧延率は、90%を超えると表面割れが発生するため、90%以下が好ましい。また、圧延率が60%未満では表層部のα相を微細化させることができなくなるおそれがあるため、60%以上がよい。
また、孔型圧延を行う前の加熱温度は、圧延荷重の上限を超えないようTβ-70℃以上とする。加熱温度の上限は、酸化・異常粒成長を極力なくすために、1250℃以下が好ましい。
次に、第2冷却工程では、第2圧延工程後の素材を、700℃以下まで水冷する。水冷することで、表層部での粒界α相の析出を低減することができる。第2冷却工程における平均冷却速度は、30℃/s以上であることが好ましい。これにより、β相の粒内でのα相の析出を促進しつつ、微細化を促進できる。水冷は、第2圧延工程の直後後に迅速に実施することが望ましいが、工業的には圧延終了後5分以内に実施すればよい。なお、平均冷却速度は、第1冷却工程と同様に、水冷開始時から終了時まで間の素材の表面温度差を水冷の所要時間で除したものとする。
本実施形態のチタン合金棒材は、表面性状及び疲労強度に優れたものとなる。また、本実施形態のチタン合金棒材の製造方法によれば、表面性状及び疲労強度に優れたチタン合金棒材を安定して製造することができる。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明する。
電子ビーム溶解法で製造された、表1に示す化学成分を有する直径約160mmの円柱状のチタン合金鋳塊を用い、加熱工程、第1圧延工程、第1冷却工程、第2圧延工程、第2冷却工程の各工程を順次に実施した。
(加熱工程)
チタン合金鋳塊を、表2に示す第1段階の加熱温度に設定した第1加熱装置内で所定の時間保持した後、第1加熱炉から取り出して、表2に示す第2段階の加熱温度に設定した第2加熱装置内で所定の時間保持した。第1加熱装置には、燃焼雰囲気加熱方式のものを用いた。第2加熱装置には、高周波誘導加熱方式のものを用いた。第1段階の加熱温度は900~990℃の範囲とした。第2段階の加熱温度は1000~1070℃の範囲とした。No.5、6の第1段階の加熱温度は、β変態点温度-70℃~β変態点温度-20℃の温度範囲から外れ、また、No.7および8の第2段階の加熱温度は、β変態点温度+50℃より低いα+β二相域の温度だった。
(第1圧延工程)
加熱工程後のチタン合金鋳塊を、表2に示す条件にて第1圧延を実施した。第1圧延には、傾斜圧延機もしくは孔型圧延機を用いた。傾斜圧延機には、圧延材の入側のロール径を出側よりも大径とした3個のコーン型ロールが圧延材のパスラインを中心にしてロールハウジングとともに回転するものを用いた。この圧延機では、交叉角、傾斜角の調整が可能である。この圧延機にて、交叉角を5°、傾斜角を10°に設定した。ロール径はφ100mmとした。表2に示す条件にて傾斜圧延を実施した。No.9および10の第1圧延には、孔型圧延機を用いた。
(第1冷却工程)
表2に、第1冷却工程の実施の有無を示す。第1圧延工程後のチタン合金鋳塊(No.11~20、25、26)を、速やかに水冷した。水冷は、十分な量の水を入れた水槽に浸漬することで行った。また、水冷は、インゴット表面温度が少なくとも300℃を下回る温度になるまで行った。第1冷却工程における平均冷却速度は、30℃/s以上であった。
(第2圧延工程)
第1冷却工程後のチタン合金鋳塊(No.13~20、26)を、表2に示す加熱温度の加熱炉内で加熱した後、加熱炉から取り出して、表2に示す条件にて第2圧延を実施した。第2工程の加熱温度は、No.13を除き、いずれの試料においてもβ変態点温度-70℃以上とした。第2圧延には、いずれの試料においても孔型圧延機を用いた。
(第2冷却工程)
表2に、第2冷却工程の実施の有無を示す。第2圧延工程後のチタン合金鋳塊(No.20)を、速やかに水冷した。水冷は、十分な量の水を入れた水槽に浸漬することで行った。また、水冷は、インゴット表面温度が少なくとも300℃を下回る温度になるまで行った。第2冷却工程における平均冷却速度は、30℃/s以上であった。
表2に、加熱工程における加熱温度及び保持時間、第1圧延工程における圧下率R1および傾斜圧延の実施の有無、第1冷却工程の実施の有無、第2圧延工程における加熱温度および断面減少率、第2冷却工程の実施の有無を示す。
得られたチタン合金棒材について、棒材表面に目視で疵が観察される部位の5か所ずつについて、棒材の軸方向に対して垂直方向に切断し、切断面を研磨して鏡面性状に仕上げた後、光学顕微鏡を使って、表面疵の深さならびにアスペクト比5以上のα粒(以下、伸長αと表記する場合がある)の数密度を測定した。また、中心部におけるα粒の平均長軸長さ(αm)と、前記表層部におけるα粒の平均長軸長さ(αS)との比をαm/αSを測定した。更に、疲労強度も求めた。結果を表3に示す。
光学顕微鏡を用いた測定にあたっては、鏡面研磨された試料断面をフッ硝酸水溶液でエッチングすることにより、α相は白色、β相は黒色を呈するため、容易にα相とβ相を識別できる。なお、α相とβ相で結晶構造が異なる特徴を利用して、EBSD(電子線後方散乱回折;Electron Backscatter Diffraction)を用いてα相とβ相を判別することも可能である。
伸長αの数密度5個/mm以下の場合を良好とした。また、αm/αSは5以上の場合を良好とした。疲労強度は、AまたはBと評価されたものを合格とした。
アスペクト比が5以上のα粒の数密度は、次のように評価した。棒材の軸方向に対して垂直方向に切断し、切断面を研磨して鏡面性状に仕上げた後、光学顕微鏡を使って、アスペクト比が5以上のα粒を観察した。表面から5mm位置までを観察領域として、アスペクト比が5以上のα粒の数密度(個/mm)を求め、微視組織の指標とした。
中心部と表層部のα粒の長軸長さ比αm/αSは、次のように評価した。棒材の軸方向に対して垂直方向に切断し、切断面を研磨して鏡面性状に仕上げた後、光学顕微鏡を使って、中心部と表層部のα粒の長軸長さを測定した。なお、α粒の形状を楕円形として、最大長さを長軸長さとし、長軸に直交し、かつ最大である長さを短軸とする。表面から5mm位置まで、および中心部を観察領域として、1mm×1mmの範囲におけるα粒の長軸長さの平均値を取り、(中心部のα粒の平均長軸長さ)/(表層部のα粒の平均長軸長さ)を求め、微視組織の指標とした。
疲労強度は、次のように評価した。JIS Z 2274:1978に準じて棒材の表層部から採取した試験片を用いて回転曲げ疲労試験を行い、10回まで破断しなかった場合における最大の応力を疲労強度とした。そして、同一の合金種について比較を行うために、チタン合金棒材の圧延温度として汎用に設定されるβ変態点温度-70℃を基準として、すなわち、実施例1~20については実施例2の疲労強度を基準として、実施例21~26については実施例22の疲労強度を基準として、実施例27、28については実施例28の疲労強度を基準として、それぞれ以下のA~Cの段階で評価した。そして、基準の疲労強度と同等以上であった場合、すなわちA、Bの評価について合格とした。
A:基準の疲労強度と比較して20MPa以上向上した。
B:基準の疲労強度と比較して-20MPa以上20MPa未満の範囲の変動があった。
C:基準の疲労強度と比較して20MPaを超えて低下した。
Figure 0007448777000001
Figure 0007448777000002
Figure 0007448777000003
表1~表3に示すように、No.2、4、11、12、14~16、19、20、22、24~26及び28は、製造条件及びチタン合金の組織が本発明の範囲内にあり、疲労強度に優れていた。
No.1、3、21、23及び27は、第1圧延工程における圧下率R1が、(1)式を満足しなかったため、アスペクト5以上の粗大なα粒の数密度が過剰になり、疲労強度が低下した。
No.5は、加熱工程の第1段階加熱温度が低く、本発明の範囲外であるため、アスペクト5以上の粗大なα粒の数密度が過剰になり、疲労強度が低下した。
No.6は、加熱工程の第1段階加熱温度が高く、本発明の範囲外であるため、粗大なα粒の数密度が過剰になり、疲労強度が低下した。
No.7、8は、加熱工程の第2段階加熱温度が低く、本発明の範囲外であるため、粗大なα粒の数密度が過剰になり、疲労強度が低下した。すなわち、表面近傍部のβ域加熱の効果が確認された。
No.9、10は、第1圧延工程において傾斜圧延機を使用しておらず、本発明の範囲外であるため、粗大なα粒の数密度が過剰になり、疲労強度が低下した。すなわち、傾斜圧延による効果が確認される。
No.13は、第2圧延工程の加熱温度が低く、本発明の範囲外であるため、アスペクト5以上の粗大なα粒の数密度が過剰になり、疲労強度が低下した。
No.17は、第2圧延工程の断面減少率が低く、本発明の範囲外であるため、粗大なα粒の数密度が過剰になり、疲労強度が低下した。
No.18は、第2圧延工程の断面減少率が高く、本発明の範囲外であるため、中心部と表層部の長軸比が5より小さくなり、さらに、粗大なα粒の数密度が過剰になり、疲労強度が低下した。

Claims (9)

  1. α+β型チタン合金からなり、
    前記α+β型チタン合金は、質量%で、Al:5.50~6.75%、V:3.50~4.50%、Fe:0.40%以下、C:0.08%以下、N:0.05%以下、O:0.20%以下を含有し、残部がTi及び不純物からなるか、あるいは、質量%で、Al:4~9%、Fe,Cr,Niのうち1種または2種以上を合計で0.5~2.5%含有し、残部がTiおよび不純物からなり、
    棒材の長手方向に垂直な断面において、直径に対して3%以下の深さの表層部における、アスペクト比が5以上のα粒の数密度が5個/mm以下であり、
    長手方向に垂直な断面の中心部におけるα粒の平均長軸長さ(αm)と、前記表層部におけるα粒の平均長軸長さ(αS)との比をαm/αSとする場合、αm/αSが5以上であることを特徴とするα+β型チタン合金棒材。
  2. 前記表層部におけるα粒の平均長軸長さ(αS)が50μm以下である、請求項1に記載のα+β型チタン合金棒材。
  3. 長手方向に垂直な断面の中心部におけるα粒の平均長軸長さ(αm)が1000μm以下である、請求項1または請求項2に記載のα+β型チタン合金棒材。
  4. 更に、長手方向に垂直な断面の円換算直径に対する最大表面疵深さの比が0.03未満である請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のα+β型チタン合金棒材。
  5. α+β型チタン合金からなる鋳塊を、Tβ-70℃以上、Tβ-20℃未満の温度範囲(ただし、Tβはβ変態点。以下同じ。)で、1時間以上10時間以下の保持時間で加熱保持する第1段階と、表面温度がTβ+50℃以上、10分以上60分未満の保持温度で加熱保持する第2段階とを順次行う加熱工程と、
    傾斜圧延機にて下記(1)式を満足する範囲に定められる断面減少率R1で1パスで圧延する第1圧延工程と、を備えた請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
    0.3((T+273)/100)<R1≦0.4((T+273)/100)
    …(1)
    ただし、式(1)におけるTは加熱工程の第1段階における加熱温度(℃)である。
  6. 前記第1圧延工程後に、700℃以下まで水冷する第1水冷工程を更に備えたことを特徴とする、請求項5に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
  7. 前記第1水冷工程後に、表面温度がTβ-70℃以上になるまで加熱した後、孔型圧延機にて圧延する第2圧延工程を更に備えたことを特徴とする、請求項6に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
  8. 前記第2圧延工程後に、700℃以下まで水冷する第2水冷工程を更に備えたことを特徴とする、請求項7に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
  9. 前記第2圧延工程における孔型圧延の断面減少率が60%以上90%以下の範囲である、請求項8に記載のα+β型チタン合金棒材の製造方法。
JP2019208629A 2019-11-19 2019-11-19 α+β型チタン合金棒材及びα+β型チタン合金棒材の製造方法 Active JP7448777B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019208629A JP7448777B2 (ja) 2019-11-19 2019-11-19 α+β型チタン合金棒材及びα+β型チタン合金棒材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019208629A JP7448777B2 (ja) 2019-11-19 2019-11-19 α+β型チタン合金棒材及びα+β型チタン合金棒材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021080519A JP2021080519A (ja) 2021-05-27
JP7448777B2 true JP7448777B2 (ja) 2024-03-13

Family

ID=75964392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019208629A Active JP7448777B2 (ja) 2019-11-19 2019-11-19 α+β型チタン合金棒材及びα+β型チタン合金棒材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7448777B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114101704B (zh) * 2021-11-23 2023-11-28 中北大学 含等轴晶与柱状晶混合组织的高强度tc4-bn合金及其制备方法
JPWO2024048002A1 (ja) * 2022-08-30 2024-03-07
CN116727587B (zh) * 2023-08-11 2023-10-27 成都先进金属材料产业技术研究院股份有限公司 一种tb5钛合金丝材及其制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016084980A1 (ja) 2014-11-28 2016-06-02 新日鐵住金株式会社 チタン合金部材およびチタン合金部材の製造方法
WO2017155072A1 (ja) 2016-03-11 2017-09-14 新日鐵住金株式会社 チタン材およびその製造方法
JP2018154922A (ja) 2017-03-15 2018-10-04 新日鐵住金株式会社 α+β型チタン合金押出形材

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1017962A (ja) * 1996-03-29 1998-01-20 Kobe Steel Ltd 高強度チタン合金およびその製品並びに該製品の製造方法
JP3297011B2 (ja) * 1998-05-26 2002-07-02 株式会社神戸製鋼所 冷延性に優れた高強度チタン合金

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016084980A1 (ja) 2014-11-28 2016-06-02 新日鐵住金株式会社 チタン合金部材およびチタン合金部材の製造方法
WO2017155072A1 (ja) 2016-03-11 2017-09-14 新日鐵住金株式会社 チタン材およびその製造方法
JP2018154922A (ja) 2017-03-15 2018-10-04 新日鐵住金株式会社 α+β型チタン合金押出形材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021080519A (ja) 2021-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6965986B2 (ja) α+β型チタン合金線材及びα+β型チタン合金線材の製造方法
JP5343333B2 (ja) 耐応力腐食割れ性に優れた高強度アルミニウム合金材の製造方法
RU2544976C2 (ru) Титановый материал
JP6540179B2 (ja) 熱間加工チタン合金棒材およびその製造方法
JP7448777B2 (ja) α+β型チタン合金棒材及びα+β型チタン合金棒材の製造方法
JP7448776B2 (ja) チタン合金薄板およびチタン合金薄板の製造方法
CN113260727B (zh) 钛板和铜箔制造滚筒
CN113165032A (zh) 钛合金板、钛合金板的制造方法、铜箔制造滚筒以及铜箔制造滚筒的制造方法
EP2851446B1 (en) Resource-saving titanium alloy member having excellent strength and toughness, and method for manufacturing same
JP5605232B2 (ja) α+β型チタン合金の熱間圧延方法
CN113508183A (zh) 棒材
JP5813358B2 (ja) 高成形性Al−Mg−Si系合金板及びその製造方法
JP5408525B2 (ja) チタン合金、チタン合金部材、及びチタン合金部材製造方法
JP4019668B2 (ja) 高靭性チタン合金材及びその製造方法
JP4715048B2 (ja) チタン合金ファスナー材及びその製造方法
JP2023092454A (ja) チタン合金、チタン合金棒、チタン合金板及びエンジンバルブ
JP6536317B2 (ja) α+β型チタン合金板およびその製造方法
JP2024518681A (ja) 高強度ファスナを製造するための材料およびそれを製造するための方法
TWI701343B (zh) 鈦合金板及高爾夫球桿頭
JP2011137233A5 (ja)
JP7372532B2 (ja) チタン合金丸棒およびコネクティングロッド
JP6623950B2 (ja) 耐力と延性のバランスに優れるチタン板とその製造方法
JP4987640B2 (ja) 冷間加工部品の製造に適した機械部品用または装飾部品用チタン合金棒線およびその製造方法
WO2021149155A1 (ja) 加工チタン材の製造方法
WO2020261436A1 (ja) チタン合金板およびゴルフクラブヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240212

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7448777

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151