JP7447486B2 - 高重合性n-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法 - Google Patents
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このN-ビニルカルボン酸アミドの合成反応中には、N-ビニルカルボン酸アミドの他に、未反応のN-(1-アルコキシエチル)カルボン酸アミドやカルボン酸アミドなどの中間体が含まれる。これらの化合物は沸点、蒸気圧、溶解度などの物性がN-ビニルカルボン酸アミドと近く、N-ビニルカルボン酸アミドを蒸留精製することは困難であった。そこで、N-ビニルカルボン酸アミドの精製方法についても、提案がされている。
またN-ビニルカルボン酸アミドの重合阻害物質として、特許第4099831号公報ではN-1,3-ブタジエニルカルボン酸アミドが、国際公開第17/145569号では不飽和アルデヒドが特定されているが、上記を取り除いてもなお良好な重合性が得られないケースがあった。
[1]N-ビニルカルボン酸アミド単量体を85~99質量%で含む粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶に、酢酸エチルと炭素数6~7の脂肪族炭化水素との混合溶媒に溶解させたのち、溶媒晶析を行い、固液分離して、N-ビニルカルボン酸アミド単量体精製物を回収する工程を含む、
高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
[2]前記溶媒晶析工程における酢酸エチル/N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量比が、0.01以上0.5以下であり、
前記溶媒晶析工程における炭素数6~7の脂肪族炭化水素/N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量比が0.5以上3.0以下であることを特徴とする、[1]に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
[3]前記酢酸エチルの質量は、前記炭素数6~7の脂肪族炭化水素の質量に対して0.003~1.0であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
[4] 前記溶媒晶析が、N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を酢酸エチルと炭素数6~7の脂肪族炭化水素との混合溶媒に、30℃~80℃で溶解した後、-20℃~20℃に冷却することで行われる、[1]~[3]のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
[5] 前記溶媒晶析で使用する炭素数6~7の脂肪族炭化水素が、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロへプタンおよびメチルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、[1]~[4]のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
[6] 前記溶媒晶析工程で固液分離する方法が、ろ過分離であることを特徴とする、[1]~[5]のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
[7] 前記N-ビニルカルボン酸アミド単量体がN-ビニルアセトアミド単量体であることを特徴とする、[1]~[5]のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
N-ビニルカルボン酸アミド単量体を85~99質量%で含む粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶に、酢酸エチルと炭素数6~7の脂肪族炭化水素との混合溶媒に溶解させたのち、溶媒晶析を行い、固液分離して、N-ビニルカルボン酸アミド単量体精製物を回収する工程。
粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体に含まれるN-ビニルカルボン酸アミド単量体以外のものとしては、主に、N-(1-アルコキシエチル)カルボン酸アミド、カルボン酸アミド、炭素数1~5のアルコールなどが含まれ、これらは、N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法などに由来する不純物である。
溶媒晶析工程では、回収したN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を、晶析溶媒である酢酸エチルに、貧溶媒である炭素数6~7の脂肪族炭化水素の存在下に溶解させたのち、晶析させる。回収したN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶は、N-ビニルカルボン酸アミド単量体を88質量%以上の量で含み、好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは92質量%以上の量で含むものが望ましい。N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶は、N-ビニルカルボン酸アミド単量体以外に、前記晶析母液や、リンズに用いた母液を含むことがある。
また、使用する炭素数6~7の脂肪族炭化水素としては、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロヘプタンが好ましく、さらに好ましくは、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンが挙げられる。炭素数が5以下の脂肪族炭化水素は沸点が低いため取扱いが難しく、炭素数が8以上の脂肪族炭化水素は沸点が高くなり、結晶から除去しきれない場合がある。また、炭素数6~7の脂肪族炭化水素の質量は、使用するN-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量に対し、好ましくは0.5以上3.0以下の比率であり、より好ましくは0.5~2.0であることが好ましい。この比率の範囲にあると、N-ビニルカルボン酸アミド単量体の再結晶が充分に析出するとともに、溶媒使用量が多くならず、晶析装置の容積効率を高くできるので望ましい。
使用する酢酸エチルの質量は、使用する炭素数6~7の脂肪族炭化水素の質量に対して0.003~1.0が好ましく、0.005~0.8がより好ましく、0.01~0.5がさらに好ましい。
次いで、溶解したN-ビニルカルボン酸アミド単量体を冷却して再結晶を析出させる。この冷却温度は-20℃~20℃が好ましく、より好ましくは-15~15℃、さらに好ましくは-10℃~10℃である。この温度範囲にあれば、設備的なコストが小さく、かつ晶析収率が十分となり、望ましい。
N-ビニルカルボン酸アミド単量体の再結晶を回収して、N-ビニルカルボン酸アミド単量体精製物が製造される。
こうして製造された高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体は、適宜重合されて使用できる。たとえば、上記の製造方法によって得られた高純度N-ビニルカルボン酸アミド単量体を含む単量体を重合して得られる単独重合体、またはN-ビニルカルボン酸アミド単量体と他の単量体とを重合して得られる共重合体などとして利用できる。これらの(共)重合体は水溶性であり、種々の用途に用いられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記(共)重合体は、増粘効果、分散効果などの機能を利用して広い分野に好適に用いられる。以下に具体例を例示するが、この限りでない。
例えば、無機・有機の各種粉末の分散剤として用いられる。より具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粉末;タルク、カオリン等の鉱物系粉末;カーボンブラック等の各種顔料粉末;ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレン等の樹脂粉末;ステアリン酸塩等の有機粉末などについて、水などの各種極性溶媒に対する分散剤として用いられる。
例えば、塗料、インキなどについて、添料分散剤;粘度、レベリングなどの調整剤;濡れ性改良剤として用いられる。
(4)化粧品
例えば、シャンプー、リンズ、ローションなどの化粧品について、乳化安定剤、潤滑剤、乳化型化粧料(乳化剤として使用)、皮膜型パック剤、セット剤に用いられる。
例えば、液体洗剤(衣料用、台所用、トイレ・タイル用)、歯磨き、クレンザー、柔軟仕上げ剤、工業用洗浄剤などの増粘剤として用いられる。
(7)メディカル分野
例えば、錠剤(徐放性薬剤)、腸溶性薬剤、パップ剤、プラスター剤等の貼付剤用の基材、外用軟膏剤、薬剤放出制御製剤、胃内浮遊徐放性製剤、粘膜投与製剤、外皮用組成物(医療用フィルム)、創傷被覆保護材、歯科用材料、口腔用吸収剤、歯間清掃具等において、薬剤の保持・徐放のために用いられるほか、消毒用オートクレーブで加熱されて反復使用される尿道カテーテル・浣腸器等の医療器具用潤滑剤、診断薬の粘度調整剤として用いられる。
(9)その他
例えば、製紙用処理剤;芳香消臭剤;乾燥剤;発酵助剤;パッキン用材料、古壁等の剥離剤に用いられるほか、玩具、汗取り装身具、超音波探傷用接触媒質、超音波探触子、電池・センサー等の電解質支持体などの増粘剤として用いられる。
本発明の製造方法で得られた高重合性N-ビニルアセトアミド単量体の分析方法を以下に示す。なお分析方法は以下に限定されず、公知の方法を採用することが可能である。
実施例・比較例で得られたN-ビニルアセトアミド単量体の純度は、以下の条件のGC分析で定量する。
装置:高性能汎用ガスクロマトグラフ「GC-2014」(株式会社島津製作所製)
カラム:DB-WAX(φ0.25mm × 30m、Agilent Technologies社製)
キャリアガス種類:He
キャリアガス流量:1mL/分
スプリット比:40
カラム温度:40℃(7分)→昇温(25℃/分)→130℃(15分)→昇温(30℃/分)→220℃(7分)の順で昇温プログラムを設定
インジェクション温度:200℃
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
検出器温度:230℃
また、N-ビニルアセトアミド単量体は、高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)法により、紫外可視分光吸収スペクトルにより確認・同定した。測定条件は次のとおりである。
カラム:昭和電工株式会社製:Shodex(登録商標) SIL-5B
溶離液:イソプロピルアルコール(IPA)/N-ヘキサン=1/9(質量比)
カラム温度:40℃
流量:1.0mL/分
検出器:紫外可視分光検出器、254nm
また、得られたN-ビニルアセトアミド単量体精製物の重合性については、次に示す重合性試験により評価を行う。
[2][1]のガラス容器にN-ビニルアセトアミド単量体精製物 20g、イオン交換水 58gを秤取る。
[3]窒素ガス50cm3/分でバブリングしながらウォーターバスで30℃に加温する。窒素ガスは重合終了まで通気する。
[4]重合開始剤として、2,2`-アゾビス[2-(2-イミダゾリン―2-イル)プロパン]二塩酸塩(富士フイルム和光純薬株式会社製 V-044)1.6gにイオン交換水48.4gを加えて溶解する。
[5]重合開始剤として2,2`-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(富士フイルム和光純薬株式会社製 V-50)4.0gにイオン交換水46.0gを加えて溶解する。
[6]窒素ガス通気が1時間経過したところで、[4]の重合開始剤溶液 1.0gを、続けて[5]の重合開始剤溶液 1.0gを注射器により添加する。
[7]ガラス容器をウォーターバスから取り出し、ガラス表面の水分をペーパーで除去してから断熱容器に移し重合を継続させる。
[8]重合温度を監視し、[6]の重合開始剤添加から、標準温度ピーク到達時間(重合開始剤注入から温度ピーク到達までの時間)を重合性の指標とした。重合性の良・不可の判断は、標準温度ピーク到達時間で判断し、120分未満を良とする。
アセトアルデヒド224g、メタノール325g、アセトアミド100gを硫酸触媒下、40℃にて反応させてpH1.2のN-(1-メトキシエチル)アセトアミドを合成した。その反応液に48質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH8.3に調整した。その後、単蒸留装置にて温度60~70℃、圧力33kPa(絶対圧力)で低沸点成分を留去後、温度70℃、圧力0.3kPa(絶対圧力)で水及びメタノールを留去し、純度92質量%のN-(1-メトキシエチル)アセトアミドを151g得た。
続いて、N-(1-メトキシエチル)アセトアミドを400℃、20kPa(絶対圧力)に保たれた反応器(内径20mm、長さ240mmのチューブ型反応器)に、1.5g/分の割合で供給した。反応器出口に設置された冷却管で、熱分解反応で生成したN-ビニルアセトアミドとメタノールの混合物を凝縮して、粗N-ビニルアセトアミド回収物を得た。N-(1-メトキシエチル)アセトアミドの転化率は90%であった。
反応時間はN-1,3-ブタジエニルアセトアミド量が30質量ppm以下となるまで実施した。N-1,3-ブタジエニルアセトアミドが低減された粗N-ビニルアセトアミド回収物を、単蒸留装置を用いて真空度0.3kPa(絶対圧力)以下、ボトム温度60℃以下の条件下蒸留しメタノールを除去して、粗N-ビニルアセトアミド単量体を120g得た。この粗N-ビニルアセトアミド単量体中のN-ビニルアセトアミド単量体純度は75質量%であった。
合成例1で得た粗N-ビニルアセトアミド単量体を晶析装置により40℃に昇温し融解させ、40℃から10℃まで6時間で冷却晶析し、遠心分離ろ過器へ移送し、遠心分離ろ過器を用い固液分離を行い、その後に酢酸エチル4g/メチルシクロヘキサン77gにてリンズを行い、N-ビニルアセトアミド単量体の結晶を52g得た。この時のN-ビニルアセトアミドは純度95質量%であった。
合成例2で得たN-ビニルアセトアミド単量体結晶52gに、酢酸エチル3.6g、メチルシクロヘキサン57gを加え、45℃に加熱して溶解後、6時間で15℃に冷却することで溶媒晶析して、N-ビニルアセトアミド単量体の再結晶を析出させた。その後、再結晶を含むスラリーを遠心分離ろ過器へ移送し、遠心分離ろ過器を用い固液分離を行い、その後に酢酸エチル1g/メチルシクロヘキサン25gにてリンズを行い、再結晶を回収して、N-ビニルアセトアミド単量体の精製物を得た。得られた精製物は46gで、N-ビニルアセトアミド単量体の純度は99.7質量%であった。
得られたN-ビニルアセトアミド単量体精製物について、重合性試験を行った。その結果は、112分であった。
溶媒晶析において、使用量を酢酸エチル10g、メチルシクロヘキサン57gとし、溶解時の加熱温度を40℃とし、7時間で5℃に冷却した以外は、実施例1と同様にしてN-ビニルアセトアミド単量体の再結晶を析出させた。その後、再結晶を含むスラリーを遠心分離ろ過器へ送液し、固液分離を行い、リンズを行ったのち再結晶を回収して、N-ビニルアセトアミド単量体の精製物を得た。得られた精製物は45gで、純度が99.7質量%であった。重合性試験の結果は102分であった。
溶媒晶析およびリンズにおいて、使用量を酢酸エチル20g、メチルシクロヘキサン78gとした以外は、実施例2と同様にしてN-ビニルアセトアミド単量体の再結晶を析出させた。その後、再結晶を含むスラリーを遠心分離ろ過器へ送液し、固液分離を行い、リンズを行ったのち再結晶を回収して、N-ビニルアセトアミド単量体の精製物を得た。得られた精製物は40gで、純度が99.7質量%であった。重合性試験の結果は、98分であった。
溶媒晶析およびリンズにおいて、メチルシクロヘキサンの代わりにノルマルヘキサンを用いた以外は、実施例2と同様にしてN-ビニルアセトアミド単量体の再結晶を析出させた。その後、再結晶を含むスラリーを遠心分離ろ過器へ送液し、遠心分離ろ過器を用い固液分離を行い、リンズを行ったのち、再結晶を回収して、N-ビニルアセトアミド単量体を得た。得られた精製物は46gで、純度が99.8質量%であった。重合性試験の結果は、108分であった。
溶媒晶析およびリンズにおいて、メチルシクロヘキサンの代わりにシクロヘキサンを用いた以外は、実施例2と同様にしてN-ビニルアセトアミド単量体の再結晶を析出させた。その後、再結晶を含むスラリーを遠心分離ろ過器へ送液し、遠心分離ろ過器を用い固液分離を行い、リンズを行ったのち、再結晶を回収して、N-ビニルアセトアミド単量体を得た。得られた精製物は44gで、純度が99.7質量%であった。重合性試験の結果は、104分であった。
合成例1、合成例2および実施例1と同様の操作を行い、純度が99.7質量%、重合性試験が106分であったN-ビニルアセトアミド単量体を、20℃にて1.5年間保管した。保管後の純度は97.2質量%、重合性試験結果が130分であった。このN-ビニルアセトアミド単量体52gを、実施例2と同様にしてN-ビニルアセトアミド単量体の精製物を得た。得られた精製物は44gで、純度が99.7質量%であった。重合性試験の結果は、112分であった。
合成例2で得られたN-ビニルアセトアミド単量体の結晶52g(純度95質量%)について、重合性試験を実施の結果、160分となり重合性不良の結果であった。
合成例1と同様にして得られたメタノールを除去した後の粗N-ビニルアセトアミド単量体100gに対して、冷却晶析を実施せずに、酢酸エチル20g、メチルシクロヘキサン110gを加えて40℃に加熱して溶解後、7時間で5℃に冷却することで溶媒晶析を実施したが、さらに1時間掛けて0℃に冷却しても結晶の析出が見られず、N-ビニルアセトアミド単量体を得ることが出来なかった。
溶媒晶析において、酢酸エチルを20g用い、メチルシクロヘキサンを使用しない以外は、実施例3と同様にしてN-ビニルアセトアミド単量体の再結晶を析出させた。溶媒量が少なく、スラリーの流動性がかなり悪化したが、N-ビニルアセトアミド単量体の再結晶を遠心分離ろ過器へ移送し、遠心分離ろ過器を用い固液分離を行い、その後に酢酸エチル1g/メチルシクロヘキサン25gにてリンズを行い、再結晶を回収した。得られた精製物は33gで、純度が99.7質量%であった。重合性試験の結果は、110分であった。
溶媒晶析において、使用量を酢酸エチル31g、メチルシクロヘキサン208gを使用したため、晶析装置を大きくする必要が生じて、容積効率が4分の1に大きく低下した。それ以外は、実施例1と同様にしてN-ビニルアセトアミド単量体の再結晶を析出させた。溶媒使用量が多いため、N-ビニルアセトアミド単量体の再結晶を含む析出液を遠心分離ろ過器へ分割投入して、遠心分離ろ過器を用い固液分離を行い、その後に酢酸エチル1g/メチルシクロヘキサン25gにてリンズを行い、再結晶を回収した。得られた精製物は44g、純度99.7質量%であった。重合性試験の結果は、112分であった。
晶析条件および評価結果を合わせて表1に示す。
Claims (6)
- N-ビニルカルボン酸アミド単量体の含有量が50~85質量%である粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体を、蒸留する操作により、または融解させた後冷却晶析する操作により、前記含有量を調整する工程、および前記工程で得られた、N-ビニルカルボン酸アミド単量体を85~99質量%で含む粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を、酢酸エチルと炭素数6~7の脂肪族炭化水素との混合溶媒に溶解させたのち、溶媒晶析を行い、固液分離して、N-ビニルカルボン酸アミド単量体精製物を回収する工程を含み、
前記酢酸エチルの質量は、前記粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量に対し、0.01以上0.5以下の比率であり、
前記炭素数6~7の脂肪族炭化水素の質量は、前記粗N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶の質量に対し、0.5以上3.0以下の比率であり、
前記N-ビニルカルボン酸アミド単量体は、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、N-ビニルベンズアミド、N-ビニル-N-メチルホルムアミド、N-ビニル-N-エチルホルムアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、またはN-ビニルピロリドンである、
高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。 - 前記酢酸エチルの質量は、前記炭素数6~7の脂肪族炭化水素の質量に対して0.003~1.0であることを特徴とする、請求項1に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
- 前記溶媒晶析が、N-ビニルカルボン酸アミド単量体結晶を酢酸エチルと炭素数6~7の脂肪族炭化水素との混合溶媒に、30℃~80℃で溶解した後、-20℃~20℃に冷却することで行われる、請求項1または2に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
- 前記溶媒晶析で使用する炭素数6~7の脂肪族炭化水素が、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、シクロへプタンおよびメチルシクロヘキサンから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
- 前記固液分離する方法が、ろ過分離であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
- 前記N-ビニルカルボン酸アミド単量体がN-ビニルアセトアミド単量体であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の高重合性N-ビニルカルボン酸アミド単量体の製造方法。
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